特許第5920744号(P5920744)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5920744エアロゾル発生装置と共に使用するためのエアロゾル発生物品
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5920744
(24)【登録日】2016年4月22日
(45)【発行日】2016年5月18日
(54)【発明の名称】エアロゾル発生装置と共に使用するためのエアロゾル発生物品
(51)【国際特許分類】
   A24F 47/00 20060101AFI20160428BHJP
【FI】
   A24F47/00
【請求項の数】13
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2014-549496(P2014-549496)
(86)(22)【出願日】2012年12月28日
(65)【公表番号】特表2015-503335(P2015-503335A)
(43)【公表日】2015年2月2日
(86)【国際出願番号】EP2012077077
(87)【国際公開番号】WO2013098405
(87)【国際公開日】20130704
【審査請求日】2015年12月14日
(31)【優先権主張番号】11196203.1
(32)【優先日】2011年12月30日
(33)【優先権主張国】EP
(31)【優先権主張番号】11196204.9
(32)【優先日】2011年12月30日
(33)【優先権主張国】EP
(31)【優先権主張番号】12155248.3
(32)【優先日】2012年2月13日
(33)【優先権主張国】EP
(31)【優先権主張番号】12155250.9
(32)【優先日】2012年2月13日
(33)【優先権主張国】EP
(31)【優先権主張番号】12173054.3
(32)【優先日】2012年6月21日
(33)【優先権主張国】EP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100092093
【弁理士】
【氏名又は名称】辻居 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100082005
【弁理士】
【氏名又は名称】熊倉 禎男
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(72)【発明者】
【氏名】ツバー ジェラール
(72)【発明者】
【氏名】マイヤー セドリック
(72)【発明者】
【氏名】ルヴェ アレクシス
(72)【発明者】
【氏名】ジャリオー マリン
(72)【発明者】
【氏名】バーダーチャー トマス
(72)【発明者】
【氏名】ジンドラー ピエール−イヴ
(72)【発明者】
【氏名】サンナ ダニエレ
【審査官】 長浜 義憲
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第5499636(US,A)
【文献】 米国特許第5027837(US,A)
【文献】 欧州特許出願公開第0777977(EP,A2)
【文献】 米国特許第3991773(US,A)
【文献】 欧州特許出願公開第2394520(EP,A1)
【文献】 英国特許出願公開第1124434(GB,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生装置と共に使用するエアロゾル発生物品(10)において、前記エアロゾル発生装置が、前記エアロゾル発生物品(10)のエアロゾル形成基材(20)内に挿入する加熱要素を含み、前記エアロゾル発生物品(10)が、
前記エアロゾル形成基材(20)と、
前記エアロゾル形成基材(20)の直ぐ下流側に位置する支持要素(30)と、
を備え、前記支持要素(30)が前記エアロゾル形成基材(20)と当接している、エアロゾル発生物品(10)であって、
前記エアロゾル発生物品(10)が、前記支持要素(30)の下流側に位置するエアロゾル冷却要素(40)と、前記エアロゾル形成基材(20)、前記支持要素(30)及び前記エアロゾル冷却要素(40)とを囲む外側ラッパー(60)と、を備え、前記エアロゾル形成基材(20)が、前記エアロゾル発生物品(10)の最上流端部(80)に配置され、前記エアロゾル形成基材(20)が均質化タバコ材料のギャザー付きシートを含む、ことを特徴とするエアロゾル発生物品(10)。
【請求項2】
前記均質化タバコ材料のシートがテクスチャ加工されている、請求項1に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項3】
前記均質化タバコ材料のシートが皺寄せされている、請求項1又は2に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項4】
前記支持要素(30)が、中空の管状要素を含む、請求項1〜3の何れか1項に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項5】
前記支持要素(30)が、中空のセルロース・アセテート管体を含む、請求項4に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項6】
前記エアロゾル冷却要素(40)が、前記支持要素(30)の直ぐ下流側に位置して、前記支持要素(30)と当接している、請求項1〜5の何れか1項に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項7】
前記エアロゾル冷却要素(40)が、生分解性ポリマー材料のギャザー付きシートを含む、請求項6に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項8】
前記エアロゾル冷却要素(40)が、ポリ乳酸のギャザー付きシートを含む、請求項7に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項9】
前記エアロゾル発生物品の最下流端部(70)に位置するマウスピース(50)を更に備え、前記外側ラッパー(60)が前記マウスピース(50)を囲む、請求項1〜8の何れか1項に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項10】
前記マウスピース(50)が、セルロース・アセテート・トウのプラグを含む、請求項9に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項11】
加熱要素(120)を備えたエアロゾル発生装置(110)と共に請求項1〜10の何れか1項に記載のエアロゾル発生物品を使用する方法であって、
前記エアロゾル発生装置(110)の加熱要素(120)を前記エアロゾル発生物品(10)のエアロゾル形成基材(20)内に挿入するステップと、
前記エアロゾル発生装置(110)の加熱要素(120)の温度を上昇させて前記エアロゾル発生物品(10)のエアロゾル形成基材(20)を加熱し、エアロゾルを発生させるステップと、
前記エアロゾル発生装置(110)の加熱要素(120)を前記エアロゾル発生物品(10)のエアロゾル形成基材(20)から取り出すステップと、
を含む、方法。
【請求項12】
エアロゾル発生システム(100)であって、
加熱要素(120)を含むエアロゾル発生装置(110)と、
請求項1〜10の何れか1項に記載のエアロゾル発生物品(10)と、
を備え、前記エアロゾル形成基材(20)が、前記エアロゾル発生装置(110)の加熱要素(120)によって貫通可能である、エアロゾル発生システム(100)。
【請求項13】
請求項12に記載のエアロゾル発生システム(100)を使用する方法であって、
前記エアロゾル発生装置(110)の加熱要素(120)を前記エアロゾル発生物品(10)のエアロゾル形成基材(20)内に挿入するステップと、
前記エアロゾル発生装置(110)の加熱要素(120)の温度を上昇させて前記エアロゾル発生物品(10)のエアロゾル形成基材(20)を加熱し、エアロゾルを発生させるステップと、
前記エアロゾル発生装置(110)の加熱要素(120)を前記エアロゾル発生物品(10)のエアロゾル形成基材(20)から取り出すステップと、
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、エアロゾル発生装置の加熱要素によって加熱されたときに吸入可能エアロゾルを発生するエアロゾル形成基材を含むエアロゾル発生物品に関する。本明細書はまた、このようなエアロゾル発生物品を用いる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
タバコを燃焼ではなく加熱する幾つかの喫煙物品が当該技術分野で提案されている。このような加熱式喫煙物品の目的の1つは、従来のシガレットにおける燃焼及び熱分解によって生成されるタイプの既知の有害な煙成分を低減することである。
【0003】
通常、このような加熱式喫煙物品において、エアロゾルは、熱源から、熱源の内部又は周辺もしくは下流側に位置することができる物理的に別個のエアロゾル形成基材又は材料への熱伝達によって発生する。喫煙中、熱源からの熱伝達によって揮発性化合物がエアロゾル形成基材から放出され、喫煙物品を通じて吸い込まれる空気に同伴される。放出された化合物は、冷却されると凝縮してエアロゾルを形成し、ユーザにより吸入される。
【0004】
幾つかの従来技術の文献では、加熱式喫煙物品を消費又は喫煙するためのエアロゾル発生装置が開示されている。このような装置は、例えば、エアロゾル発生装置の1又はそれ以上の電気式加熱要素から加熱式喫煙物品のエアロゾル形成基材への熱伝達によってエアロゾルが発生する電気加熱式エアロゾル発生装置を含む。このような電気式喫煙システムの利点の1つは、副流煙が有意に低減されると共に、ユーザが喫煙を停止するか再開するかを選択できることである。
【0005】
電気式喫煙システムにおいて使用される電気加熱式シガレットの1つの実施例が、米国特許公開第2005/0172976A1号において開示されている。電気加熱式シガレットは、電気式喫煙システムの再利用可能ライターのシガレット受取部に挿入されるよう構成される。ライターは、複数の電気抵抗式加熱要素を含む加熱具にエネルギーを供給する電源を含み、該加熱要素は、加熱要素がシガレットに沿って位置付けられるようにシガレットを滑動可能に受けるよう配列される。米国特許公開第2005/0172976A1号において開示された電気式喫煙システムで使用される電気加熱式シガレットは、パルス状加熱を用いて電気加熱式シガレットにエネルギーを提供することができる。
【0006】
上述のように、米国特許公開第2005/0172976A1号において開示された電気加熱式シガレットは、複数の外部加熱要素を備えた電気式喫煙システムで用いられる。内部加熱要素を有するエアロゾル発生装置を備えた電気式喫煙システムも公知である。使用時には、このような電気式喫煙システムのエアロゾル発生装置の内部加熱要素は、内部加熱要素がエアロゾル形成基材と直接接触するように、加熱式喫煙物品のエアロゾル形成基材内に挿入される。
【0007】
エアロゾル発生装置の内部加熱要素と加熱式喫煙物品のエアロゾル形成基材との間の直接接触は、エアロゾル形成基材を加熱して吸入可能エアロゾルを形成するのに効率的な手段を提供することができる。このような構成において、内部加熱要素からの熱は、内部加熱要素が作動したときにエアロゾル形成基材の少なくとも一部にほとんど瞬時に伝達することができ、このことは、エアロゾルの迅速な発生を可能にすることができる。更に、エアロゾルを発生させるのに必要な全熱エネルギーは、外部加熱要素を備え、エアロゾル形成基材が外部加熱要素と直接的に接触しておらず対流又は放射によってエアロゾル形成基材の初期加熱が行われるシステムにおいて必要となるはずの熱エネルギーよりも小さいとすることができる。エアロゾル発生装置の内部加熱要素がエアロゾル形成基材と直接的に接触している場合、内部加熱要素と接触しているエアロゾル形成基材の一部の初期加熱は、熱伝達により行われることになる。
米国5499636号公報は、電子煙草システムに利用するように構成された煙草について開示している。当該煙草は、外部の電気的加熱要素が、充填された煙草ロッド部及び充填されていない煙草ロッド部を覆うように構成された充填された部分及び充填されていない部分を有する煙草ロッドを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許公開第2005/0172976A1号明細書
【特許文献2】国際特許公開第2012/164009A2号
【発明の概要】
【0009】
本明細書は、エアロゾル発生物品及びエアロゾル発生物品を用いる方法に関する。詳細には、本明細書は、エアロゾル発生装置の内部加熱要素によって加熱されたときに吸入可能エアロゾルを発生するエアロゾル形成基材を含むエアロゾル発生物品に関する。本明細書はまた、内部加熱要素を有するエアロゾル発生装置と共にこのようなエアロゾル発生物品を用いる方法に関する。
【0010】
第1の態様によれば、加熱要素を有する電気加熱式エアロゾル発生装置を備えたエアロゾル発生システムで使用するエアロゾル発生物品が提供される。エアロゾル発生物品は、直線状の順次的配列で、エアロゾル形成基材と、該エアロゾル形成基材の直ぐ下流側に位置する支持要素と、該支持要素の下流側に位置するエアロゾル冷却要素と、エアロゾル形成基材、支持要素、及びエアロゾル冷却要素を囲む外側ラッパーと、を備える。支持要素は、エアロゾル形成基材と当接する。エアロゾル形成基材は、エアロゾル発生装置の加熱要素によって貫通可能である。
【0011】
第2の態様によれば、加熱要素を有するエアロゾル発生装置と共に第1の態様によるエアロゾル発生物品を使用する方法が提供される。本方法は、エアロゾル発生装置の加熱要素をエアロゾル発生物品のエアロゾル形成基材内に挿入するステップと、エアロゾル発生装置の加熱要素の温度を上昇させてエアロゾル発生物品のエアロゾル形成基材を加熱し、エアロゾルを発生させるステップと、エアロゾル発生装置の加熱要素をエアロゾル発生物品のエアロゾル形成基材から取り出すステップと、を含む。第3の態様によれば、加熱要素を含むエアロゾル発生装置と、エアロゾル発生装置と共に使用するためのエアロゾル発生物品と、を備えたエアロゾル発生システムが提供される。エアロゾル発生物品は、エアロゾル形成基材と、エアロゾル形成基材の直ぐ下流側に位置する支持要素と、支持要素の下流側に位置するエアロゾル冷却要素と、エアロゾル形成基材、支持要素、及びエアロゾル冷却要素を囲む外側ラッパーと、を備える。支持要素は、エアロゾル形成基材と当接する。エアロゾル形成基材は、エアロゾル発生装置の加熱要素によって貫通可能である。
【0012】
第4の態様によれば、第3の態様によるエアロゾル発生システムを使用する方法が提供される。本方法は、エアロゾル発生装置の加熱要素をエアロゾル発生物品のエアロゾル形成基材内に挿入するステップと、エアロゾル発生装置の加熱要素の温度を上昇させてエアロゾル発生物品のエアロゾル形成基材を加熱し、エアロゾルを発生させるステップと、エアロゾル発生装置の加熱要素をエアロゾル発生物品のエアロゾル形成基材から取り出すステップと、を含む。
【0013】
本明細書で用いる場合、用語「エアロゾル形成基材」は、加熱するとエアロゾルを形成することができる揮発性化合物を放出可能な基材を記述するのに使用される。本明細書で記載されるエアロゾル発生物品のエアロゾル形成基材から発生するエアロゾルは、可視又は不可視とすることができ、蒸気(例えば、気体状態にあり、通常は室温で液体又は固体である物質の微粒子)、並びに気体、及び凝縮蒸気の液滴を含むことができる。
【0014】
本明細書で用いる場合、用語「上流側」及び「下流側」は、使用中にユーザがエアロゾル発生装置で吸い込む方向を基準としたエアロゾル発生物品の要素もしくは要素の一部の相対位置を記述するのに使用される。
【0015】
エアロゾル発生物品は、2つの端部、すなわち、エアロゾルがエアロゾル発生物品から流出してユーザに送出されるときに通過する近位端と、遠位端とを含む。使用時には、ユーザは、エアロゾル発生物品によって発生したエアロゾルを吸入するために近位端で吸い込むことができる。
【0016】
近位端はまた、唇側端部又は下流側端部とも呼ぶことができ、遠位端の下流側にある。遠位端はまた、上流側端部と呼ぶこともでき、近位端の上流側にある。
【0017】
本明細書で用いる場合、用語「エアロゾル冷却要素」は、大きな表面区域と低い吸引抵抗とを有する要素を記述するのに使用される。使用時には、エアロゾル形成基材から放出される揮発性化合物によって形成されたエアロゾルが通過し、ユーザによって吸入される前にエアロゾル冷却要素によって冷却される。高い吸引抵抗のフィルタ及び他のマウスピースとは対照的に、エアロゾル冷却要素は、低い吸引抵抗を有する。また、エアロゾル発生物品内のチャンバ及びキャビティは、エアロゾル冷却要素とは考えられない。
【0018】
好ましくは、エアロゾル発生物品は、ユーザの口腔を通してユーザの肺に直接吸入可能なエアロゾルを発生する喫煙物品である。より好ましくは、エアロゾル発生物品は、ユーザの口腔を通してユーザの肺に直接吸入可能なニコチン含有エアロゾルを発生する喫煙物品である。
【0019】
本明細書で用いる場合、用語「エアロゾル発生装置」は、エアロゾル発生物品のエアロゾル形成基材と相互作用してエアロゾルを発生させる装置を記述するのに使用される。好ましくは、エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生物品のエアロゾル形成基材と相互作用して、ユーザの口腔を通してユーザの肺に直接吸入可能なエアロゾルを発生させる喫煙装置である。エアロゾル発生装置は、喫煙物品用のホルダとすることができる。
【0020】
誤解を避けるために、以下の説明において用語「加熱要素」は、1又はそれ以上の加熱要素を意味するのに使用される。
【0021】
好ましい実施形態において、エアロゾル形成基材は、エアロゾル発生物品の上流側端部に位置する。
【0022】
代替の実施形態において、エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生基材の上流側に前方プラグを含むことができ、前方プラグは、エアロゾル発生装置の加熱要素によって貫通可能である。このような代替の実施形態において、前方プラグは、エアロゾル発生物品の上流側端部に配置することができる。
【0023】
このような実施形態において、前方プラグは、取り扱い中又は出荷中にエアロゾル形成基材の上流側端部からのエアロゾル形成基材の放出を防ぐことができる。前方プラグはまた、エアロゾル発生装置の加熱要素との最適な係合を可能にするため、エアロゾル形成基材の上流側端部から所定距離にエアロゾル形成基材を位置付けるのを助けることができる。
【0024】
前方プラグは、例えば、エアロゾル発生装置の加熱要素がエアロゾル発生物品から引き出されるような、使用中にエアロゾル発生物品からのエアロゾル形成基材の放出を防ぐよう構成することができる。エアロゾル発生物品のエアロゾル形成基材は、エアロゾル発生基材を加熱してエアロゾルを発生させている間に収縮し、エアロゾル発生装置の加熱要素と接触する可能性がある。エアロゾル形成基材はまた、エアロゾル発生物品の構成要素を囲む外側ラッパーとの接触が低減されるように収縮する可能性がある。これによりエアロゾル発生物品内のエアロゾル形成基材が遊離する可能性がある。前方プラグを含めることで、エアロゾル発生物品のエアロゾル発生基材からエアロゾル発生装置の加熱要素を引き出す間にエアロゾル発生基材の上流側移動を抑制することによって、エアロゾル発生物品からの加熱要素の取り出しを容易にすることができる。
【0025】
代替として、又はこれに加えて、前方プラグは、エアロゾル発生装置の加熱要素がエアロゾル発生物品から引き出されるときにエアロゾル発生装置の加熱要素の表面を拭き取るように構成することができる。
【0026】
前方プラグは、エアロゾル発生装置の加熱要素が通過できる孔又はスリットを定めることができる。この場合、第2及び第4の態様による方法において、エアロゾル発生物品のエアロゾル形成基材にエアロゾル発生装置の加熱要素を挿入するステップは、エアロゾル発生物品の前方プラグの孔又はスリットにエアロゾル発生装置の加熱要素を通過させるステップを含むことができる。
【0027】
前方プラグにおいて定められる孔又はスリットは、通過したエアロゾル発生装置の加熱要素と係合するような寸法にすることができる。例えば、前方プラグにおいて定められる孔又はスリットの寸法は、エアロゾル発生装置の加熱要素の断面の寸法にほぼ正確に一致することができる。或いは、孔又はスリットは、エアロゾル発生装置の加熱要素の断面よりも小さな寸法を有することができる。このような実施形態において、加熱要素は、孔又はスリットを通過させるために前方プラグを変形させる必要がある場合がある。
【0028】
1又はそれ以上の孔又はスリットは、前方プラグに定めることができる。例えば、3つの加熱要素を有するエアロゾル発生装置と共に使用されることを意図したエアロゾル発生物品は、3つの孔又はスリットを定めた前方プラグを備えることができ、各孔又はスリットは、エアロゾル発生装置の3つの加熱要素のうちの1つを受け入れるように配列される。
【0029】
代替として、前方プラグは、貫入可能材料から形成することができる。この場合、第2及び第4の態様による方法において、エアロゾル発生物品のエアロゾル形成基材にエアロゾル発生装置の加熱要素を挿入するステップは、エアロゾル発生装置の加熱要素を用いてエアロゾル発生物品の前方プラグに貫入するステップを含むことができる。
【0030】
前方プラグは、前方プラグを通して空気を吸い込むことを可能にする空気透過性材料から作ることができる。このような実施形態において、ユーザは、前方プラグを介してエアロゾル発生物品を通って下流側に空気を吸い込むことができる。
【0031】
前方プラグは、空気透過性材料から形成することができる。前方プラグは、好都合には、従来の着火端シガレット用のマウスピースを形成するのに使用される空気透過性材料から形成することができる。例えば、前方プラグは、セルロース・アセテート・トウから形成することができる。前方プラグの透過性は、エアロゾル発生物品の吸引抵抗の制御を助けるよう変えることができる。
【0032】
代替として、前方プラグは、空気不透過性材料から形成することができる。このような実施形態において、エアロゾル発生物品は更に、前方プラグの下流側にあって、エアロゾル発生物品内に空気を吸い込むことができる1又はそれ以上の空気入口を含むことができる。
【0033】
前方プラグは、エアロゾル発生装置の加熱要素を用いて前方プラグを貫通するのに必要な力を低減するために、低強度材料から形成することができる。
【0034】
前方プラグは、繊維性材料又は発泡性材料から形成することができる。前方プラグが、繊維性材料から形成される場合、繊維性材料の繊維は、エアロゾル発生物品の長手方向に沿って実質的に整列され、エアロゾル発生装置の加熱要素を用いて前方プラグを貫通するのに必要な力を低減することができる。
【0035】
一部の実施形態において、前方プラグは、エアロゾル形成基材から少なくとも部分的に形成することができる。例えば、前方プラグは、タバコを含むエアロゾル形成基材から少なくとも部分的に形成することができる。
【0036】
本明細書で用いる場合、用語「長手方向」は、エアロゾル発生物品の下流側端部から上流側端部の間の方向を記述するのに使用され、用語「横断方向」は、長手方向に垂直な方向を記述するのに使用される。
【0037】
前方プラグは、加熱要素をエアロゾル発生物品内に挿入するときにエアロゾル発生装置の加熱要素によって変形可能であり、また、加熱要素がエアロゾル発生物品から引き出されたときには形状を取り戻す貫入可能材料から形成することができる。
【0038】
例えば、前方プラグは、加熱要素によって前方プラグが貫入されたときにエアロゾル発生装置の加熱要素が前方プラグを通過できるように変形する貫入可能弾性材料から形成することができる。加熱要素がエアロゾル発生物品から引き出されたときには、加熱要素によって前方プラグを通って貫入される孔又はスリットは、完全に又は部分的に閉鎖することができる。このような実施形態において、前方プラグは、有利には、加熱要素がエアロゾル発生物品から引き出されるときにエアロゾル発生装置の加熱要素を拭き取ることによる清浄化機能を提供することができる。
【0039】
しかしながら、前方プラグは、清浄化機能を提供するために弾性材料から形成される必要はないことは理解されるであろう。例えば、清浄化機能はまた、エアロゾル発生物品からのエアロゾル発生装置の加熱要素の引き出しの際に提供することができ、この場合、前方プラグは、加熱要素の断面の寸法とほぼ正確に一致するか又はそれよりも小さい寸法を有する孔又はスリットを定める。
【0040】
前方プラグは、好ましくは、エアロゾル発生物品の外径にほぼ等しい外径を有する。
【0041】
好ましくは、前方プラグは、少なくとも5ミリメートルの外径を有する。前方プラグ基材は、およそ5ミリメートルとおよそ12ミリメートルの間、例えば、およそ5ミリメートルとおよそ10ミリメートルの間、又はおよそ6ミリメートルとおよそ8ミリメートルの間の外径を有することができる。好ましい実施形態において、前方プラグは、7.2ミリメートル±10%の外径を有する。
【0042】
好ましくは、前方プラグは、少なくとも2ミリメートル、より好ましくは少なくとも3ミリメートル又は少なくとも4ミリメートルの長さを有する。前方プラグは、およそ2ミリメートルとおよそ10mmの間、例えば、およそ4ミリメートルとおよそ8mmの間の長さを有することができる。
【0043】
本明細書で用いる場合、用語「直径」は、エアロゾル発生物品の横断方向の最大寸法を記述するのに使用される。本明細書で用いる場合、用語「長さ」は、エアロゾル発生物品の長手方向の最大寸法を記述するのに使用される。
【0044】
好ましくは、前方プラグは、実質的に円筒形である。
【0045】
好ましくは、エアロゾル形成基材は、固体エアロゾル形成基材である。エアロゾル形成基材は、固体成分と液体成分の両方を含むことができる。
【0046】
好ましくは、エアロゾル形成基材はニコチンである。より好ましくは、エアロゾル形成基材はタバコを含む。
【0047】
代替として、又はこれに加えて、エアロゾル形成基材は、非タバコ含有エアロゾル形成材料を含むことができる。
【0048】
エアロゾル形成基材が固体エアロゾル形成基材である場合、固体エアロゾル形成基材は、例えば、ハーブ葉、タバコ葉、タバコリブ、膨張タバコ、均質化タバコのうちの1又はそれ以上を含有する粉体、顆粒、ペレット、細断片、ストランド、ストリップ、又はシートのうちの1又はそれ以上を含むことができる。
【0049】
任意選択的に、固体エアロゾル形成基材は、固体エアロゾル形成基材の加熱時に放出されるタバコ又は非タバコの揮発性香味化合物を含有することができる。固体エアロゾル形成基材はまた、例えば、追加のタバコ揮発性香味化合物又は非タバコ揮発性香味化合物を含む1又はそれ以上のカプセルを含有することができ、このようなカプセルは、固体エアロゾル形成基材の加熱中に溶融することができる。
【0050】
任意選択的に、固体エアロゾル形成基材は、熱的に安定した担体上に設けるか、又は内部に埋め込むことができる。担体は、粉体、顆粒、ペレット、細断片、ストランド、ストリップ、又はシートの形態をとることができる。固体エアロゾル形成基材は、例えば、シート、発泡体、ゲル、又はスラリーの形態で担体の表面上に堆積することができる。固体エアロゾル形成基材は、担体の表面全体上に堆積することができ、或いは、使用中に非均一な香味送出を提供するためにパターンで堆積することができる。
【0051】
好ましい実施形態において、エアロゾル形成基材は、均質化タバコ材料を含む。
【0052】
本明細書で用いる場合、用語「均質化タバコ材料」は、粒子状タバコを凝集することによって形成される材料を指す。
【0053】
好ましくは、エアロゾル形成基材は、均質化タバコ材料のギャザー付きシートを含む。
【0054】
本明細書で用いる場合、用語「シート」は、その厚みよりも実質的に大きな幅及び長さを有する薄層状要素を示す。
【0055】
本明細書で用いる場合、用語「ギャザー付き」は、エアロゾル発生物品の長手奉公時苦戦に対して実質的に横方向に畳み込み、折り畳み、又は他の方法で圧縮もしくは収縮されたシートを記述するのに使用される。
【0056】
均質化タバコ材料のギャザー付きシートを含むエアロゾル形成基材を使用すると、有利には、タバコ材料の細断片を含むエアロゾル形成基材と比べて、ロッドの端部からタバコ材料の線条が失われることである「遊離端部」のリスクが大幅に低減される。遊離端部は、不利なことには、エアロゾル発生物品と共に使用するためのエアロゾル発生装置及び製造設備のより頻繁な清掃が必要となることにつながる。
【0057】
均質化タバコ材料のギャザー付きシートを含むエアロゾル形成基材はまた、タバコ材料の細断片を含むエアロゾル形成基材よりも有意に小さい重量標準偏差を示す。特定の長さの均質化タバコ材料のギャザー付きシートを有するエアロゾル形成基材の重量は、ギャザー付けされてエアロゾル形成基材を形成する均質化タバコ材料シートの密度、幅、及び厚みによって決まる。従って、特定の長さの均質化タバコ材料のギャザー付きシートを含むエアロゾル形成基材の重量は、均質化タバコ材料シートの密度及び寸法を制御することで調節することができる。これは、同じ寸法のエアロゾル形成基材間の重量の不一致を低減するので、タバコ材料の細断片を含むエアロゾル形成基材と比べて、その重さが選択された許容可能な範囲から外れたエアロゾル形成基材の不良品発生率が低減される結果となる。
【0058】
均質化タバコ材料のギャザー付きシートを含むエアロゾル形成基材は、有利には、タバコ材料の細断片を含むエアロゾル形成基材よりも均一な密度を示す。
【0059】
タバコ材料の細断片を含むエアロゾル発生基材内へのエアロゾル発生装置の加熱要素の挿入、及びタバコ材料の細断片を含むエアロゾル発生基材内へのエアロゾル発生装置の引き出しは、エアロゾル発生基材からのタバコ材料の細断片を取り出す傾向を示す場合がある。これは、不利なことには、取り出された細断片を除去するためにエアロゾル発生装置の加熱要素及び他の部品のより頻繁な清浄化を必要とする結果となる可能性がある。
【0060】
対照的に、均質化タバコ材料のギャザー付きシートを含むエアロゾル発生基材内へのエアロゾル発生装置の加熱要素の挿入、及び均質化タバコ材料のギャザー付きシートを含むエアロゾル発生基材内へのエアロゾル発生装置の引き出しは、有利には、タバコ材料を取り出す傾向を示さない。
【0061】
好ましい実施形態において、エアロゾル形成基材は、均質化タバコ材料のギャザー付きテクスチャ加工シートを含む。
【0062】
本明細書で用いる場合、用語「テクスチャ加工シート」は、皺寄せ、エンボス、デボス、穿孔、又は変形されたシートを意味する。エアロゾル形成基材は、複数の離間した窪み、突起、穿孔、又はこれらの組み合わせを有する均質化タバコ材料のギャザー付きテクスチャ加工シートを含むことができる。
【0063】
特に好ましい実施形態において、エアロゾル形成基材は、均質化タバコ材料のギャザー付き皺寄せシートを含む。
【0064】
均質化タバコ材料のテクスチャ加工シートを使用すると、エアロゾル形成基材を形成するため均質化タバコ材料のシートにギャザー付けが容易になる。
【0065】
本明細書で用いる場合、用語「皺寄せシート」は、複数の実質的に平行な隆起部又は波形部を有するシートを意味する。好ましくは、エアロゾル発生物品が組み立てられたときには、実質的に平行な隆起部又は波形部は、エアロゾル発生物品の長手方向軸線に沿って又はこれに平行に延在する。これは、有利には、エアロゾル形成基材を形成するために、均質化タバコ材料の皺寄せシートのギャザー付けを容易にする。しかしながら、代替的に又はこれに加えて、エアロゾル発生物品内に包含する均質化タバコ材料の皺寄せシートは、エアロゾル発生物品が組み立てられたときにエアロゾル発生物品の長手方向軸線に対して鋭角又は鈍角で配置される実質的に平行な複数の隆起部又は波形部を有することは理解されるであろう。
【0066】
特定の実施形態において、エアロゾル形成基材は、実質的に全表面上にほぼ均一にテクスチャ加工された均質化タバコ材料のギャザー付きシートを含むことができる。例えば、エアロゾル形成基材は、シートの幅にわたってほぼ均一に離間した複数の実質的に平行な隆起部又は波形部を有する均質化タバコ材料のギャザー付き皺寄せシートを含むことができる。
【0067】
エアロゾル形成基材は、紙又は他のラッパーによって囲まれたエアロゾル形成材料を含むプラグの形態とすることができる。エアロゾル形成基材がプラグの形態である場合には、あらゆるラッパーを含むプラグ全体がエアロゾル形成基材と見なされる。
【0068】
好ましい実施形態において、エアロゾル発生基材は、ラッパーによって囲まれた均質化タバコ材料のギャザー付きテクスチャ加工シートを有するプラグを含む。特に好ましい実施形態において、エアロゾル発生基材は、ラッパーによって囲まれた均質化タバコ材料のギャザー付き皺寄せシートを有するプラグを含む。
【0069】
特定の実施形態において、エアロゾル発生基材で使用する均質化タバコ材料のシートは、乾燥重量ベースでおよそ70重量%又はそれ以上のタバコ含有量を有することができる。
【0070】
エアロゾル発生基材で使用する均質化タバコ材料のシートは、粒子状タバコの凝集を助けるために、タバコ内因性のバインダである1つ又はそれ以上の内因性バインダ、タバコ外因性のバインダである1つ又はそれ以上の外因性バインダ、又はこれらの組み合わせを含むことができる。代替的に又はこれに加えて、限定ではないが、均質化タバコ材料のシートは、タバコ及び非タバコ繊維、エアロゾルフォーマ、湿潤剤、可塑剤、香味料、フィラー、水性溶媒又は非水性溶媒、及びこれらの組み合わせを含む、他の添加剤を含むことができる。
【0071】
エアロゾル発生基材で使用する均質化タバコ材料のシートに含有するのに好適な外因性のバインダは、当該技術分野で公知であり、限定ではないが、例えば、グアーガム、キサンタンゴム、アラビアゴム、及びローカストビーンゴム等のゴム;例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、及びエチルセルロース等のセルロース結合剤;例えば、でんぷん、アルギン酸等の有機酸、アルギン酸ナトリウム等の有機酸の共役塩基、寒天、及びペクチン等の多糖類;及びこれらの組み合わせを含む。
【0072】
エアロゾル発生基材で使用する均質化タバコ材料のシートに含有するのに好適な非タバコ繊維は、当該技術分野で公知であり、限定ではないが、セルロース繊維、針葉樹繊維、広葉樹繊維、ジュート繊維、及びこれらの組み合わせを含む。エアロゾル発生基材で使用する均質化タバコ材料シートに含有する前に、非タバコ繊維は、限定ではないが、機械的パルプ化、精製、化学的パルプ化、漂白、硫酸塩パルプ化、及びこれらの組み合わせを含む当該技術分野で公知の好適なプロセスによって処理することができる。
【0073】
エアロゾル発生基材で使用する均質化タバコ材料のシートは、エアロゾル発生基材を形成するのにギャザー付けに耐え得る十分に高い引張強度を有するべきである。特定の実施形態において、適切な引張強度を得るためにエアロゾル発生基材で使用する均質化タバコ材料のシートに非タバコ繊維を含めることができる。
【0074】
例えば、エアロゾル発生基材で使用する均質化タバコ材料シートは、乾燥重量ベースでおよそ1%〜およそ5%のタバコ繊維を含むことができる。
【0075】
好ましくは、エアロゾル形成基材は、エアロゾルフォーマを含む。
【0076】
本明細書で用いる場合、用語「エアロゾルフォーマ」は、使用時にはエアロゾルの形成を促進し、また、エアロゾル発生物品の作動温度にて熱的劣化に対して実質的に耐性のあるあらゆる好適な既知の化合物又は化合物の混合物を記述するのに使用される。
【0077】
好適なエアロゾルフォーマは、当該技術分野で公知であり、限定ではないが、例えば、多価アルコール(プロピレン・グリコール、トリエチレングリコール、1,3ブタンジオール、及びグリセリンなど)、多価アルコールのエステル(グリセロールモノ−、ジ−又はトリアセテートなど)、並びにモノ−、ジ−又はポリカルボン酸の脂肪族エステル(ジメチルドデカンジオアート及びジメチルテトラデカンジオアートなど)を含む。
【0078】
好ましいエアロゾルフォーマは、プロピレン・グリコール、トリエチレングリコール、1,3−ブタンジオールなどの多価アルコール又はこれらの混合物であり、最も好ましくはグリセリンである。
【0079】
エアロゾル形成基材は、単一のエアロゾルフォーマを含むことができる。或いは、エアロゾル形成基材は、2又はそれ以上のエアロゾルフォーマの組み合わせを含むことができる。
【0080】
好ましくは、エアロゾル形成基材は、乾燥重量ベースで5%よりも多いエアロゾルフォーマ含有量を有する。
【0081】
エアロゾル形成基材は、乾燥重量ベースでおよそ5%とおよそ30%の間のエアロゾルフォーマ含有量を有することができる。
【0082】
好ましい実施形態において、エアロゾル形成基材は、乾燥重量ベースでおよそ20%のエアロゾルフォーマ含有量を有する。エアロゾル発生物品で使用する均質化タバコのギャザー付きシートを含むエアロゾル形成基材は、当該技術分野で公知の方法(例えば、国際特許公開第2012/164009A2で開示された方法)で作ることができる。
【0083】
好ましい実施形態において、エアロゾル発生物品で使用する均質化タバコ材料のシートは、粒子状タバコ、グアーガム、セルロース繊維、及びグリセリンからキャストプロセスによって形成される。
【0084】
エアロゾル形成要素は、好ましくは、エアロゾル発生物品の外径にほぼ等しい外径を有する。
【0085】
好ましくは、エアロゾル形成基材は、少なくとも5ミリメートルの外径を有する。エアロゾル形成基材は、およそ5ミリメートルとおよそ12ミリメートルの間、例えば、およそ5ミリメートルとおよそ10ミリメートルの間、又はおよそ6ミリメートルとおよそ8ミリメートルの間の外径を有することができる。好ましい実施形態において、エアロゾル形成基材は、7.2ミリメートル±10%の外径を有する。
【0086】
エアロゾル形成基材は、およそ7ミリメートルとおよそ15mmの間の長さを有することができる。1つの実施形態において、エアロゾル形成基材は、およそ10ミリメートルの長さを有することができる。好ましい実施形態において、エアロゾル形成基材は、およそ12ミリメートルの長さを有する。
【0087】
好ましくは、エアロゾル形成基材は、実質的に円筒形である。
【0088】
支持要素は、エアロゾル形成基材の直ぐ下流側に位置し、エアロゾル形成基材と当接する。
【0089】
支持要素は、あらゆる好適な材料又は材料の組み合わせから形成することができる。例えば、支持要素は、セルロース・アセテート;ボール紙; 皺寄せ耐熱紙又は皺寄せパーチメント紙などの皺寄せ紙;及び低密度ポリエチレン(LDPE)などのポリマー材料からなる群から選択された1又はそれ以上の材料から形成することができる。好ましい実施形態において、支持要素は、セルロース・アセテートから形成される。
【0090】
支持要素は、中空の管状要素を含むことができる。好ましい実施形態において、支持要素は、中空のセルロース・アセテート管体を含む。
【0091】
支持要素は、好ましくは、エアロゾル発生物品の外径にほぼ等しい外径を有する。
【0092】
支持要素は、およそ5ミリメートルとおよそ12ミリメートルの間、例えば、およそ5ミリメートルとおよそ10ミリメートルの間、又はおよそ6ミリメートルとおよそ8ミリメートルの間の外径を有することができる。好ましい実施形態において、支持要素は、7.2ミリメートル±10%の外径を有する。
【0093】
支持要素は、およそ5ミリメートルとおよそ15mmの間の長さを有することができる。好ましい実施形態において、支持要素は、およそ8ミリメートルの長さを有する。
【0094】
エアロゾル発生物品のエアロゾル形成基材内へのエアロゾル発生装置の加熱要素の挿入の間、ユーザは、エアロゾル発生装置の加熱要素の挿入に対するエアロゾル発生物品のエアロゾル形成基材の抵抗に打ち勝つために、幾らかの力を加えることが必要となる場合がある。これは、エアロゾル発生物品及びエアロゾル発生装置の加熱要素の一方又は両方に損傷を与える可能性がある。
【0095】
加えて、エアロゾル発生物品のエアロゾル形成基材内へのエアロゾル発生装置の加熱要素の挿入の間に力を加えることにより、エアロゾル発生物品内でエアロゾル形成基材を変位させる可能性がある。これは、エアロゾル発生装置の加熱要素がエアロゾル形成基材内に完全には挿入されない結果となる恐れがあり、エアロゾル発生物品のエアロゾル形成基材の不均一で不十分な加熱につながる可能性がある。
【0096】
好ましい実施形態において、支持要素は、エアロゾル発生物品のエアロゾル形成基材内へのエアロゾル発生装置の加熱要素の挿入の間のエアロゾル形成基材の下流側への移動を抑制するよう構成される。
【0097】
ユーザによってエアロゾル発生装置内に挿入されるときにエアロゾル発生物品が受ける挿入力は、3つの部分、すなわち、摩擦力、貫通力、及び圧壊力に分けることができる。
【0098】
エアロゾル発生物品が最初にエアロゾル発生装置内に挿入され、エアロゾル発生装置の加熱要素がエアロゾル形成基材内に挿入される前には、挿入力は、エアロゾル発生物品の外部表面とエアロゾル発生装置の内部表面との間の締まりに起因した摩擦に打ち勝つのに必要な力により決定付けられる。本明細書で用いる場合、用語「摩擦力」は、エアロゾル発生物品のエアロゾル形成基材内へのエアロゾル発生装置の加熱要素の挿入前の最大層入力を記述するのに使用される。
【0099】
エアロゾル発生物品がエアロゾル発生装置内に更に挿入されて且つエアロゾル発生物品が最大挿入位置に達する前には、挿入力は、エアロゾル発生装置の加熱要素の挿入に対するエアロゾル発生物品のエアロゾル形成基材の抵抗に打ち勝つのに必要な力により決定付けられる。
【0100】
本明細書で用いる場合、用語「貫通力」は、エアロゾル発生物品のエアロゾル形成基材内に加熱要素を挿入する間で且つエアロゾル発生物品が最大挿入位置に達する前の最大層入力を記述するのに使用される。
【0101】
エアロゾル発生物品が最大挿入地点に到達すると、挿入力は、エアロゾル発生物品を変形させるのに必要な力によって決定付けられる。最大挿入位置において、エアロゾル発生物品の最上流端部は、表面と、例えば、エアロゾル発生物品がエアロゾル発生装置内に更に挿入されるのを防ぐエアロゾル発生装置の底部又は裏面に接触することができる。
【0102】
本明細書で用いる場合、用語「圧壊力」は、エアロゾル発生物品が最大挿入地点に達した後の最大挿入力を記述するのに使用される。
【0103】
エアロゾル発生物品の支持要素は、エアロゾル形成基材へのエアロゾル発生装置の加熱要素の挿入の間にエアロゾル発生物品が受ける貫通力に耐える。
【0104】
1つの実施形態において、支持要素は、エアロゾル形成基材へのエアロゾル発生装置の加熱要素の挿入の間に少なくとも2.5Nの貫通力に耐えるように構成される。
【0105】
別の実施形態において、支持要素は、エアロゾル形成基材へのエアロゾル発生装置の加熱要素の挿入の間に少なくとも4Nの貫通力に耐えるように構成される。
【0106】
エアロゾル発生物品の支持要素は、エアロゾル形成基材へのエアロゾル発生装置の加熱要素の挿入の間にエアロゾル発生物品内でのエアロゾル形成基材の下流側への移動を抑制する。
【0107】
これは、エアロゾル発生装置の加熱要素がエアロゾル形成基材内に完全に挿入されることで、エアロゾル発生物品のエアロゾル形成基材の不均一で不十分な加熱が確実に回避されるのを助けることができる。
【0108】
好ましくは、支持要素は、標準圧縮試験を用いて測定したときに、少なくとも40N、例えば、少なくとも45N又は少なくとも50Nの破砕力を有する。
【0109】
エアロゾル冷却要素は、支持要素の直ぐ下流側に位置し、支持要素に当接することができる。
【0110】
エアロゾル冷却要素は、支持要素と、エアロゾル発生物品の最下流端部に位置するマウスピースとの間に配置することができる。
【0111】
エアロゾル冷却要素は、およそ300平方ミリメートル毎ミリメートル長とおよそ1000平方ミリメートル毎ミリメートル長の間の全表面積を有することができる。好ましい実施形態において、エアロゾル冷却要素は、およそ500平方ミリメートル毎ミリメートル長の全表面積を有する。
【0112】
エアロゾル冷却要素は、代替として、熱交換器と呼ぶこともできる。
【0113】
エアロゾル冷却要素は、低い吸引抵抗を有するのが好ましい。すなわち、エアロゾル冷却要素は、エアロゾル発生物品を通る空気の通過に対して低い吸引抵抗を提供するのが好ましい。好ましくは、エアロゾル冷却要素は、エアロゾル発生物品の吸引抵抗に実質的に影響を及ぼさない。
【0114】
好ましくは、エアロゾル冷却要素は、長手方向で50%と90%の間の多孔率を有する。長手方向のエアロゾル冷却要素の多孔率は、エアロゾル冷却要素を形成する材料の断面積と、エアロゾル冷却要素の位置でのエアロゾル発生物品の内部断面積との比によって定義される。
【0115】
エアロゾル冷却要素は、代替として、熱交換器と呼ぶこともできる。
【0116】
エアロゾル冷却要素は、複数の長手方向に延びるチャンネルを含むことができる。複数の長手方向に延びるチャンネルは、チャンネルを形成するために皺寄せ、襞付け、ギャザー付き、及び折り畳みのうちの1又はそれ以上を行ったシート材料により定めることができる。複数の長手方向に延びるチャンネルは、複数のチャンネルを形成するために皺寄せ、襞付け、ギャザー付き、及び折り畳みのうちの1又はそれ以上を行った単一のシートにより定めることができる。或いは、複数の長手方向に延びるチャンネルは、複数のチャンネルを形成するために皺寄せ、襞付け、ギャザー付き、及び折り畳みのうちの1又はそれ以上を行った複数のシートにより定めることができる。
【0117】
エアロゾル冷却要素を通る空気流は、隣接するチャンネルとの間の実質的な範囲に逸脱していないことが好ましい。換言すると、エアロゾル冷却要素を通る空気流は、実質的な半径方向の逸脱なしで長手方向チャンネルに沿って長手方向にあることが好ましい。一部の実施形態において、エアロゾル冷却要素は、長手方向に延びるチャンネル以外では低多孔率又は実質的に非多孔率を有する材料から形成される。例えば、エアロゾル冷却要素は、チャンネルを形成するために皺寄せ、襞付け、ギャザー付き、及び折り畳みのうちの1又はそれ以上を行った、低多孔率又は実質的に非多孔率を有するシート材料から形成することができる。
【0118】
一部の実施形態において、エアロゾル冷却要素は、金属箔、ポリマー材料、及び実質的に非多孔性の紙又はボール紙からなる群から選択された材料のギャザー付きシートを含むことができる。一部の実施形態において、エアロゾル冷却要素は、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ乳酸(PLA)、セルロース・アセテート(CA)、及びアルミニウム箔からなる群から選択された材料のギャザー付きシートを含むことができる。
【0119】
好ましい実施形態において、エアロゾル冷却要素は、生分解性材料のギャザー付きシートを含む。例えば、非多孔性紙のギャザー付きシート、或いは、ポリ乳酸又はMater−Bi(登録商標)グレード(商業的に入手可能なでんぷん系共ポリエステル系)などの生分解性ポリマー材料のギャザー付きシートである。
【0120】
特に好ましい実施形態において、エアロゾル冷却要素は、ポリ乳酸のギャザー付きシートを含む。エアロゾル冷却要素は、およそ10平方ミリメートル毎ミリグラムとおよそ100平方ミリメートル毎ミリグラム重量の間の比表面積を有する材料のギャザー付きシートから形成することができる。一部の実施形態において、エアロゾル冷却要素は、約35mm2/mgの比表面積を有する材料のギャザー付きシートから形成することができる。
【0121】
ある割合の水蒸気を含有するエアロゾルがエアロゾル冷却要素を通って吸い込まれると、水蒸気の一部がエアロゾル冷却要素の表面上で凝縮することができる。このような場合、凝縮水は、エアロゾル冷却要素内に吸収されるのではなく、エアロゾル冷却要素の表面上で液滴形態のままであるのが好ましい。すなわち、エアロゾル冷却要素は、水に対して実質的に非多孔性又は実質的に非吸収性の材料から形成されるのが好ましい。
【0122】
エアロゾル冷却要素は、熱伝達によりエアロゾル冷却要素を通って吸い込まれるエアロゾルストリームの温度を冷却する役割を果たすことができる。エアロゾルの成分は、エアロゾル冷却要素と相互作用し、熱エネルギーを解放することになる。
【0123】
エアロゾル冷却要素は、エアロゾルストリームからの熱エネルギーを消費する相変態を受けることにより、エアロゾル冷却要素を通って吸い込まれるエアロゾルストリームの温度を下げる役割を果たすことができる。例えば、エアロゾル冷却要素は、融解又はガラス転位などの吸熱相変態を受ける材料から形成することができる。
【0124】
エアロゾル冷却要素は、エアロゾルストリームからの水蒸気などの成分を凝縮させることにより、エアロゾル冷却要素を通って吸い込まれるエアロゾルストリームの温度を低下させる役割を果たすことができる。凝縮に起因して、エアロゾルストリームは、エアロゾル冷却要素を通過した後に乾燥することができる。一部の実施形態において、エアロゾル冷却要素を通って吸い込まれるエアロゾルストリームの水蒸気含有量は、およそ20%〜およそ90%低減することができる。ユーザは、乾燥したエアロゾルの温度が同じ実温度の湿潤エアロゾルの温度よりも低いと知覚することができる。
【0125】
一部の実施形態において、エアロゾルストリームの温度は、エアロゾル冷却要素を通って吸い込まれると10°Cを上回って低下させることができる。一部の実施形態において、エアロゾルストリームの温度は、エアロゾル冷却要素を通って吸い込まれたときに、15°Cを上回って、又は20°Cを上回って低下させることができる。
【0126】
一部の実施形態において、エアロゾル冷却要素は、エアロゾル冷却要素を通って吸い込まれるある割合のエアロゾルの水蒸気含有量を除去することができる。一部の実施形態において、エアロゾルがエアロゾル冷却要素を通って吸い込まれるときに、ある割合の他の揮発性物質をエアロゾルストリームから除去することができる。例えば、一部の実施形態において、エアロゾルがエアロゾル冷却要素を通って吸い込まれるときに、ある割合のフェノール化合物をエアロゾルストリームから除去することができる。
【0127】
フェノール化合物は、エアロゾル冷却要素を形成する材料と相互作用することにより除去することができる。例えば、エアロゾル冷却要素は、フェノール化合物(例えば、フェノール及びクレゾール)を吸収する材料から形成することができる。
【0128】
フェノール化合物は、エアロゾル冷却要素の表面上に凝縮した水滴と相互作用することにより除去することができる。
【0129】
上述のように、エアロゾル冷却要素は、複数の長手方向に延びるチャンネルを形成するために皺寄せ、襞付け、ギャザー付き、及び折り畳みのうちの1又はそれ以上を行った好適な材料のシートから形成することができる。このようなエアロゾル冷却要素の断面形状は、不規則に配向されているチャンネルを示すことができる。エアロゾル冷却要素は、他の手段により形成されてもよい。例えば、エアロゾル冷却要素は、長手方向に延びる管体束から形成することができる。エアロゾル冷却要素は、好適な材料の押し出し、成形、積層、射出、又は破砕により形成することができる。
【0130】
エアロゾル冷却要素は、長手方向に延びるチャンネルを収容又は配置する外側管体又はラッパーを備えることができる。例えば、襞付き、ギャザー付き、又は折り畳みシート材料は、ラッパー材料(例えば、プラグラッパー)で包まれて、エアロゾル冷却要素を形成することができる。一部の実施形態において、エアロゾル冷却要素は、ギャザーを付けてロッド形状にされて、ラッパー(例えば、フィルタ紙のラッパー)によって結束された皺寄せ材料のシートを含む。
【0131】
エアロゾル冷却要素は、好ましくは、エアロゾル発生物品の外径にほぼ等しい外径を有する。
【0132】
エアロゾル冷却要素は、およそ5ミリメートルとおよそ10ミリメートルの間、例えば、およそ6ミリメートルとおよそ8ミリメートルの間の外径を有することができる。好ましい実施形態において、エアロゾル冷却要素は、7.2ミリメートル±10%の外径を有する。
【0133】
エアロゾル冷却要素は、およそ5ミリメートルとおよそ25mmの間の長さを有することができる。好ましい実施形態において、エアロゾル冷却要素は、およそ18ミリメートルの長さを有する。
【0134】
一部の実施形態において、エアロゾル冷却要素は、金属箔、ポリマー材料、及び実質的に非多孔性の紙又はボール紙からなる群から選択された材料のギャザー付きシートを含むことができる。一部の実施形態において、エアロゾル冷却要素は、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ乳酸(PLA)、セルロース・アセテート(CA)、及びアルミニウム箔からなる群から選択された材料のギャザー付きシートを含むことができる。
【0135】
好ましい実施形態において、エアロゾル冷却要素は、ポリ乳酸又はMater−Bi(登録商標)グレード(商業的に入手可能なでんぷん系共ポリエステル系)などの生分解性ポリマー材料のギャザー付きシートを含む。
【0136】
特に好ましい実施形態において、エアロゾル冷却要素は、ポリ乳酸のギャザー付きシートを含む。
【0137】
エアロゾル発生物品は、エアロゾル冷却要素内に位置する揮発性香味発生成分を含むことができる。例えば、エアロゾル発生物品は、エアロゾル冷却要素の長手方向に延びるチャンネル内に位置する揮発性香味発生成分を含むことができる。
【0138】
本明細書で用いる場合、用語「揮発性香味発生成分」は、香味を提供するためにエアロゾル発生物品に加えられるあらゆる揮発性成分を記述するのに使用される。
【0139】
揮発性香味発生成分は、液体又は固体の形態とすることができる。揮発性香味発生化合物は、支持要素に結合され、又は支持要素と関連付けることができる。揮発性香味発生成分は、メントールを含むことができる。
【0140】
本明細書で用いる場合、用語「メントール」は、異性体の何れかの2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキサノールを記述するのに使用される。
【0141】
メントールは、固体又は液体形態で用いることができる。固体形態では、メントールは、粒子又は顆粒として提供することができる。用語「固体メントール粒子」は、少なくともおよそ80重量%メントールを含む何らかの顆粒又は粒子状固体材料を記述するのに使用することができる。
【0142】
好ましくは、1.5mg又はそれ以上の揮発性香味発生成分がエアロゾル発生物品に含まれる。
【0143】
揮発性香味発生成分は、繊維性支持要素に結合することができる。繊維性支持要素は、香味発生成分を配置、収容、又は保持するためのあらゆる好適な基材又は支持体とすることができる。繊維性支持要素は、例えば、紙支持体とすることができる。このような紙支持体は、液体メントールなどの液体成分で含浸することができる。繊維性支持体は、例えば、線条又は撚糸とすることができる。このような線条又は撚糸は、液体メントールなどの液体成分で含浸することができる。或いは、このような線条又は撚糸は、固体香味発生成分に通されるか、又は他の方法で結合することができる。例えば、メントールの固体粒子は、線条に結合することができる。
【0144】
好ましくは、揮発性香味発生成分は、線条又は撚糸などの細長い繊維性支持要素により支持される。好ましくは、揮発性香味発生成分は、エアロゾル発生物品内の外側ラッパーの内側表面から半径方向内向きに配置され、細長い繊維性支持要素の長手方向軸線は、エアロゾル発生物品の長手方向軸線に実質的に平行に配置されている。
【0145】
エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生物品の下流側端部に位置するマウスピースを含むことができる。
【0146】
マウスピースは、エアロゾル冷却要素の直ぐ下流側に位置し、エアロゾル冷却要素に当接することができる。
【0147】
マウスピースは、フィルタを備えることができる。フィルタは、1又はそれ以上の好適な濾過材料から形成することができる。多くのこのような濾過材料が当該技術分野で公知である。1つの実施形態において、マウスピースは、セルロース・アセテート・トウから形成されたフィルタを備えることができる。
【0148】
マウスピースは、好ましくは、エアロゾル発生物品の外径にほぼ等しい外径を有する。
【0149】
マウスピースは、およそ5ミリメートルとおよそ10ミリメートルの間、例えば、およそ6ミリメートルとおよそ8ミリメートルの間の外径を有することができる。好ましい実施形態において、マウスピースは、7.2ミリメートル±10%の外径を有する。
【0150】
マウスピースは、およそ5ミリメートルとおよそ20ミリメートルの間の長さを有することができる。好ましい実施形態において、マウスピースは、およそ14ミリメートルの長さを有する。
【0151】
マウスピースは、およそ5ミリメートルとおよそ14ミリメートルの間の長さを有することができる。好ましい実施形態において、マウスピースは、およそ7ミリメートルの長さを有する。
【0152】
エアロゾル形成基材、支持要素及びエアロゾル冷却要素、並びに存在する場合には前方プラグ及びマウスピースなどのエアロゾル発生物品の他の何れかの要素が外側ラッパーによって囲まれる。外側ラッパーは、あらゆる好適な材料又は材料の組み合わせから形成することができる。
【0153】
好ましくは、外側ラッパーは、シガレット紙である。
【0154】
外側ラッパーの下流側端部は、チップペーパ束により囲むことができる。
【0155】
エアロゾル発生物品の外観は、従来の着火端シガレットの外観をまねることができる。
【0156】
エアロゾル発生物品は、およそ5ミリメートルとおよそ12ミリメートルの間、例えば、およそ6ミリメートルとおよそ8ミリメートルの間の外径を有することができる。好ましい実施形態において、エアロゾル発生物品は、7.2ミリメートル±10%の外径を有する。
【0157】
エアロゾル発生物品は、およそ30ミリメートルとおよそ100ミリメートルの間の全長を有することができる。好ましい実施形態において、エアロゾル発生物品は、およそ45ミリメートルの全長を有する。
【0158】
エアロゾル発生装置は、ハウジング、加熱要素、該加熱要素に接続された電力供給源、及び電力供給源から加熱要素への電力の供給を制御するように構成された制御要素を備えることができる。
【0159】
ハウジングは、加熱要素を囲むキャビティを定めることができ、該キャビティはエアロゾル発生物品を受けるように構成される。
【0160】
好ましくは、エアロゾル発生装置は、ユーザが片手の指の間に保持するのに快適な可搬又は携帯式のエアロゾル発生装置である。
【0161】
エアロゾル発生装置は、実質的に円筒形状とすることができる。
【0162】
エアロゾル発生装置は、およそ70ミリメートルとおよそ120ミリメートルの間の長さを有することができる。
【0163】
装置は、エアロゾル発生物品のエアロゾル形成基材内に挿入される内部加熱要素に加えて他の加熱器を含むことができる。
【0164】
電力供給源は、あらゆる好適な電力供給源、例えば、電池などのDC電圧源とすることができる。1つの実施形態において、電力供給源は、リチウムイオン電池である。或いは、電力供給源は、ニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池、リチウム系電池、例えば、リチウム−コバルト、リン酸鉄リチウム、チタン酸リチウム又はリチウムポリマー電池とすることができる。
【0165】
制御要素は、簡単なスイッチとすることができる。或いは、制御要素は、電気回路とすることができ、1又はそれ以上のマイクロプロセッサ又はマイクロコントローラを含むことができる。
【0166】
エアロゾル発生システムは、エアロゾル発生装置と、エアロゾル発生装置のキャビティ内に受けるように構成される1又はそれ以上のエアロゾル発生物品とを備えることができる。
【0167】
エアロゾル発生装置の加熱要素は、エアロゾル発生物品のエアロゾル形成基材内に挿入可能なあらゆる好適な加熱要素とすることができる。例えば、加熱要素は、ピン又はブレードの形態とすることができる。
【0168】
加熱要素は、エアロゾル発生物品のエアロゾル形成基材内への加熱要素の挿入を容易にするようなテーパ付き、尖頭又は先鋭な端部を有することができる。
【0169】
加熱要素の挿入後のエアロゾル発生物品の吸引抵抗(RTD)は、およそ80mmWGとおよそ140mmWGの間とすることができる。
【0170】
本明細書で用いる場合、吸引抵抗は、圧力の単位である「mmWG」すなわち「水位計mm」で表すことができ、ISO6565:2002に従って測定される。
【0171】
1つの態様又は実施形態に関して説明した特徴はまた、他の態様及び実施形態にも適用することができる。例えば、エアロゾル発生物品及び上述のエアロゾル発生システムに関して説明した特徴はまた、エアロゾル発生物品及び上述のエアロゾル発生システムを使用する方法と連動して用いることができる。
【0172】
ここで、図面を参照しながら特定の実施形態を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0173】
図1】加熱要素を含むエアロゾル発生装置と共に使用するエアロゾル発生物品の1つの実施形態の概略断面図である。
図2図1に例示した実施形態による、加熱要素及びエアロゾル発生物品を備えたエアロゾル発生システムの1つの実施形態の概略断面図である。
図3図2に例示した電気加熱式エアロゾル発生装置の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0174】
図1は、好ましい実施形態によるエアロゾル発生物品10を示す。エアロゾル発生物品10は、同軸に整列して配列された4つの要素、すなわち、エアロゾル形成基材20、支持要素30、エアロゾル冷却要素40、及びマウスピース50を備える。これらの4つの要素は、順次的に配列され、外側ラッパー60によって囲まれてエアロゾル発生物品10を形成する。エアロゾル発生物品10は、使用中にユーザが口腔内に挿入する近位端又は唇側端部70と、エアロゾル発生物品10の唇側端部70とは反対側の端部にある遠位端80とを有する。
【0175】
使用時には、空気は、ユーザによって遠位端80から唇側端部70までエアロゾル発生物品を通って吸い込まれる。エアロゾル発生物品の遠位端80はまた、エアロゾル発生物品10の上流側端部として説明することができ、エアロゾル発生物品の唇側端部70はまた、エアロゾル発生物品10の下流側端部として説明することができる。唇側端部70と遠位端80との間に位置するエアロゾル発生物品10の要素は、唇側端部70の上流側、或いは、遠位端80の下流側にあると説明することができる。
【0176】
エアロゾル形成基材20は、エアロゾル発生物品10の最遠位端又は上流側端部に配置される。図1に示す実施形態において、エアロゾル形成基材20は、ラッパーにより囲まれた皺寄せ均質化タバコ材料のギャザー付きシートを含む。均質化タバコ材料の皺寄せシートは、エアロゾルフォーマとしてグリセリンを含む。
【0177】
支持要素30は、エアロゾル形成基材20の直ぐ下流側に位置し、エアロゾル形成基材20と当接する。図1に示す実施形態において、支持要素は、中空のセルロース・アセテート管体である。支持要素30は、エアロゾル発生装置の加熱要素によって貫通できるようにエアロゾル発生物品10の最遠位端80にエアロゾル形成基材20を配置する。以下で更に説明するように、支持要素30は、エアロゾル発生装置の加熱要素がエアロゾル形成基材20内に挿入されたときに、エアロゾル形成基材20がエアロゾル発生物品10内でエアロゾル冷却要素40に向かって下流側に押し込まれるのを防ぐ役割を果たす。支持要素30はまた、エアロゾル発生物品10のエアロゾル冷却要素40をエアロゾル形成基材20から離間させるためのスペーサとして機能する。
【0178】
エアロゾル冷却要素40は、支持要素30の直ぐ下流側に位置し、支持要素30と当接する。使用時には、エアロゾル形成基材20から放出される揮発性物質は、エアロゾル冷却要素40に沿ってエアロゾル発生物品10の唇側端部70に向かって通過する。揮発性物質は、エアロゾル冷却要素40内で冷却され、ユーザにより吸入されるエアロゾルを形成することができる。図1に示す実施形態において、エアロゾル冷却要素は、ラッパー90により囲まれるポリ乳酸の皺寄せ及びギャザー付きシートを含む。ポリ乳酸の皺寄せ及びギャザー付きシートは、エアロゾル冷却要素40のある長さに沿って延びる複数の長手方向チャンネルを定める。
【0179】
マウスピース50は、エアロゾル冷却要素40の直ぐ下流側に位置し、エアロゾル冷却要素40と当接する。図1に示す実施形態において、マウスピース50は、濾過効率の低い従来のセルロース・アセテート・トウフィルタを備える。
【0180】
エアロゾル発生物品10を組み立てるために、上述の4つの要素が整列されて外側ラッパー60内に緊密に包まれる。図1に示す実施形態において、外側ラッパーは、従来のシガレット紙である。図1に示すように、エアロゾル発生物品10の支持要素30を囲む外側ラッパー60の領域内に任意選択の穿孔列が設けられている。
【0181】
図1に示す実施形態において、エアロゾル発生物品10の外側ラッパー60の遠位端部分は、チップペーパ(図示せず)束により囲まれる。
【0182】
図1に示すエアロゾル発生物品10は、ユーザが喫煙又は消費するために加熱要素を備えたエアロゾル発生装置と係合するよう設計される。使用時には、エアロゾル発生装置の加熱要素は、エアロゾルを形成するのに十分な温度までエアロゾル発生物品10のエアロゾル形成基材20を加熱し、該エアロゾルは、エアロゾル発生物品10を通って下流側に吸い込まれ、ユーザにより吸入される。
【0183】
図2は、上述され図1に示された実施形態による、エアロゾル発生装置110及びエアロゾル発生物品10を備えたエアロゾル発生システム100の一部を示す。
【0184】
エアロゾル発生装置は、加熱要素120を備える。図2に示すように、加熱要素120は、エアロゾル発生装置110のエアロゾル発生物品受け入れチャンバ内に装着される。使用時には、ユーザは、エアロゾル発生物品10をエアロゾル発生装置110のエアロゾル発生物品受け入れチャンバ内に挿入し、図2に示すように加熱要素120がエアロゾル発生物品10のエアロゾル形成基材20内に直接挿入されるようにする。図2に示す実施形態において、エアロゾル発生装置110の加熱要素120は、加熱器ブレードである。
【0185】
エアロゾル発生装置110は、加熱要素120を作動させることができる電源及び電子回路(図3に示さず)を備える。このような作動は、手動で動作させることができ、或いは、エアロゾル発生装置110のエアロゾル発生物品受け入れチャンバ内に挿入されたエアロゾル発生物品10のユーザの吸い込みに応答して自動的に生じさせることができる。エアロゾル発生物品10に空気が流れることができるように、エアロゾル発生装置内に複数の開口が設けられ、空気流の方向は図2において矢印で示される。
【0186】
エアロゾル発生装置110の支持要素40は、エアロゾル形成基材20へのエアロゾル発生装置110の加熱要素120の挿入の間にエアロゾル発生物品10が受ける貫通力に耐える。これにより、エアロゾル発生物品10の支持要素40は、エアロゾル形成基材へのエアロゾル発生装置の加熱要素の挿入の間のエアロゾル発生物品10内でのエアロゾル形成基材の下流側への移動を抑制する。
【0187】
内部加熱要素120がエアロゾル発生物品10のエアロゾル形成基材20内に挿入されて作動すると、エアロゾル発生物品10のエアロゾル形成基材20は、エアロゾル発生装置110の加熱要素120によって約375°Cの温度まで加熱される。この温度になると、揮発性化合物がエアロゾル発生物品10のエアロゾル形成基材20から発生する。ユーザがエアロゾル発生物品10の唇側端部70を吸い込むと、エアロゾル形成基材20から発生した揮発性化合物が、エアロゾル発生物品10を通って下流側に吸い込まれ、凝縮してエアロゾルを形成し、このエアロゾルは、エアロゾル発生物品10のマウスピース50を通ってユーザの口腔内に吸い込まれる。
【0188】
エアロゾルがエアロゾル冷却要素40を通って下流側に通過すると、エアロゾルからエアロゾル冷却要素40への熱エネルギーの伝達に起因してエアロゾルの温度が低下する。エアロゾルがエアロゾル冷却要素40に流入するときには、エアロゾルの温度は、およそ60°Cである。エアロゾル冷却要素40内での冷却に起因して、エアロゾル冷却要素から流出するときのエアロゾルの温度は、およそ40°Cである。
【0189】
図3において、エアロゾル発生装置110の構成要素は、簡易的に図示されている。特に、エアロゾル発生装置110の構成要素は、図1の縮尺通りには描かれていない。この実施形態の理解に関係のない構成要素は、図3を簡素化するために省略されている。
【0190】
図3に示すように、エアロゾル発生装置110は、ハウジング130を備える。加熱要素120は、ハウジング130内のエアロゾル発生物品受け入れチャンバ内に装着される。エアロゾル発生物品10(図3において破線で示される)は、エアロゾル発生装置110のハウジング130内のエアロゾル発生物品受け入れチャンバに挿入され、加熱要素120がエアロゾル発生物品10のエアロゾル形成基材20内に直接挿入されるようにする。
【0191】
ハウジング130内には、電気エネルギー供給源140、例えば、充電可能リチウムイオン電池がある。コントローラ150は、加熱要素120、電気エネルギー供給源140、及びユーザインタフェース160(例えば、ボタン又はディスプレイ)に接続される。コントローラ150は、加熱要素120に供給される電力を制御し、加熱要素120の温度を調節する。
【0192】
上記で説明され図1に示された実施形態によるエアロゾル発生物品の支持要素は、セルロース・アセテートから形成されるが、これは必須ではなく、他の実施形態によるエアロゾル発生物品は、他の好適な材料又は材料の組み合わせから形成された支持要素を備えることができる点は理解されるであろう。
【0193】
同様に、上記で説明され図1に示された実施形態によるエアロゾル発生物品は、ポリ乳酸の皺寄せ及びギャザー付きシートを含むエアロゾル冷却要素を備えるが、これは必須ではなく、他の実施形態によるエアロゾル発生物品は、他のエアロゾル冷却要素を備えることができる点は理解されるであろう。
【0194】
更に、上記で説明され図1に示された実施形態によるエアロゾル発生物品は、外側ラッパーによって囲まれる4つの要素を有するが、これは必須ではなく、他の実施形態によるエアロゾル発生物品は、追加の要素又はより少ない要素を含むことができる点は理解されるであろう。
【0195】
また、上記で説明され図1に示された実施形態によるエアロゾル発生物品の4つの要素は、従来のシガレット紙の外側ラッパーよって囲まれるが、これは必須ではなく、他の実施形態によるエアロゾル発生物品は、他の外側ラッパーよって囲むことができる点は理解されるであろう。
【0196】
更に、上記で説明され図1に示された実施形態によるエアロゾル発生物品の要素、並びに上記で説明され図2に示された実施形態によるエアロゾル発生装置の部品に対して定められた寸法は、単に例示にすぎず、好適な代替の寸法を選ぶことができる点は理解されるであろう。
【0197】
上記で説明した例示的な実施形態は限定ではない。上記の例示的な実施形態と適合する他の実施形態は、当業者には理解されるであろう。
【符号の説明】
【0198】
10 エアロゾル発生物品
20 エアロゾル形成基材
30 支持要素
40 エアロゾル冷却要素
50 マウスピース
60 外側ラッパー
70 唇側端部
80 遠位端
図1
図2
図3