(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5920845
(24)【登録日】2016年4月22日
(45)【発行日】2016年5月18日
(54)【発明の名称】織物を二つ折りにする装置および方法
(51)【国際特許分類】
A61F 13/15 20060101AFI20160428BHJP
A61F 13/49 20060101ALI20160428BHJP
【FI】
A41B13/02 S
【請求項の数】9
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-545534(P2013-545534)
(86)(22)【出願日】2011年11月10日
(65)【公表番号】特表2014-500114(P2014-500114A)
(43)【公表日】2014年1月9日
(86)【国際出願番号】IB2011055013
(87)【国際公開番号】WO2012085698
(87)【国際公開日】20120628
【審査請求日】2014年9月16日
(31)【優先権主張番号】TO2010A001042
(32)【優先日】2010年12月23日
(33)【優先権主張国】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】508053108
【氏名又は名称】ファメッカニカ.データ エス.ピー.エー.
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】サブロネ、ガブリエル
【審査官】
米村 耕一
(56)【参考文献】
【文献】
特開2010−227545(JP,A)
【文献】
特開2010−227546(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 13/00
A61F 13/15−13/84
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向に進む連続織物を二つ折りにする装置であり、
前記長手方向に対し平行な長手方向折り曲げ線に沿って前記連続織物を折り曲げる折り曲げステーションと、
前記連続織物の対向する両長手方向縁部の相互の位置合わせを行う位置合わせステーションと
を備え、
前記位置合わせステーションは、前記連続織物の折り曲げられたセクションの一方を吸着により拾い上げる、互いに対向するブランチの一方をそれぞれ含む2つの吸着ベルトコンベアを有し、
前記2つの吸着ベルトコンベアは横断方向に可動であり、制御デバイスと関連付けられており、
前記制御デバイスは、前記両長手方向縁部の位置に関する情報の関数として、同程度だけ前記横断方向に関して互いに反対方向に前記2つの吸着ベルトコンベアを移動させる、装置。
【請求項2】
前記2つの吸着ベルトコンベアの前記対向するブランチの間に設けられる分離版をさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記2つの吸着ベルトコンベアはそれぞれが、各リニアガイド上で前記横断方向に可動なフレームを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記2つの吸着ベルトコンベアはそれぞれが、各回転ピン上で前記横断方向に可動なフレームを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記制御デバイスは、長手方向の軸周りに回転可能な、前記横断方向に関して互いに反対方向に可動な2つのロッドへ接続される回転部材を含み、
前記2つのロッドのそれぞれは、前記2つの吸着ベルトコンベヤのうち対応するフレームへ接続されている、請求項3または4に記載の装置。
【請求項6】
前記回転部材は、前記連続織物の前記折り曲げられたセクションの前記両長手方向縁部の前記位置を検出するセンサによって制御されるアクチュエータにより、前記長手方向の軸周りに回転駆動される、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記制御デバイスは、前記2つの吸着ベルトコンベヤの前記可動なフレームを互いに独立して前記横断方向に移動させる2つのアクチュエータを含む、請求項3または4に記載の装置。
【請求項8】
長手方向に進む連続織物を二つ折りにする方法であり、
前記長手方向に対し平行な長手方向折り曲げ線に沿って前記連続織物を折り曲げる段階と、
前記連続織物の対向する両長手方向縁部の相互の位置合わせを行う段階と
を備え、
前記位置合わせを行う段階は、
互いに対向するブランチを含む吸着ベルトコンベアにより、前記連続織物の対向する折り曲げられたセクションを吸着により拾い上げる段階と、
同程度だけ横断方向に関して互いに反対方向に前記吸着ベルトコンベアを相対的に移動させることにより、前記両長手方向縁部の相対位置を補正する段階と
を有する、方法。
【請求項9】
前記両長手方向縁部の相対位置を補正する段階において、前記連続織物の前記対向する折り曲げられたセクションは、分離板を挟んで対向する側に位置する、請求項8に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、長手方向に継続して進む織物を二つ折りにする装置および方法に関する。
【0002】
本願発明は特に、パンツのように着用することが出来る吸収性衛生用品の製造を対象として開発された。このタイプの吸収性衛生用品の典型的な代表例は、いわゆるトレーニングパンツである。
【背景技術】
【0003】
パンツのように着用出来る衛生用品を製造する一般的な技術は、連続複合織物の移動方法に対して横断する方向に設定され、複数の中間製品を連続的に組み合わせることにより形成された当該連続複合織物を提供する段階を含む。連続複合織物は、当該連続複合織物の対向する長手方向縁部が互いに重なり合うように、長手方向の軸に沿って二つ折りにされる。対向する長手方向縁部はその後、当該用品の幅に等しい間隔で長手方向に互いに分け隔てられた繋ぎ合わせ領域において、互いに繋ぎ合わせられる。続いて、複数の中間製品が連続的に組み合わせられたものに対し横断方向の切断動作が行われ、最終的な衛生用品が形成される。
【0004】
このようなタイプの吸収性衛生用品の製造方法の例は、本出願人により出願されたEP−A−1523968およびEP−A−2025311に記載されている。
【0005】
このような方法においては、折り曲げ段階において、連続織物の対向する長手方向縁部が確実に相互に位置合わせされるようにする必要がある。当該縁部を正確に位置合わせするべく、センサを用いて織物の長手方向縁部の位置を検出する必要があり、縁部が互いに位置合わせされていない場合、当該縁部の相対位置を補正する必要がある。
【0006】
EP−A−1504738は折り曲げ動作の間に連続織物の対向する長手方向縁部の位置を補正する装置を記載している。EP−A−1504738が記載する装置は、織物の側面の縁部のそれぞれと接触したまま維持される、長手方向に対する織物の角度を変化させる複数の揺動ガイドローラを備える。揺動ガイドローラは、織物の縁部の位置を検出するセンサによって供給されるデータの関数として、各アクチュエータにより制御される。
【0007】
搖動ガイドローラにより補正を行うシステムは、開閉可能な吸収性衛生用品が製造される場合において課題が生じ得る。この場合、長手方向縁部には、複合織物の折り曲げの後、互いに繋ぎ合わせられるマイクロフックタイプの閉鎖部材が一定の間隔をおいて設けられる。EP−A−1523968およびEP−A−2025311に記載されるように、開閉可能なタイプの吸収性衛生用品は、2つのマイクロフック閉鎖部材のうち1つを有する、通常伸縮性であるサイドパネルが設けられることが多い。
【0008】
EP−A−1504738に記載される、縁部の位置合わせを補正するシステムは、マイクロフック閉鎖部材にダメージを与え得、若しくは、折り曲げられたサイドパネルにより形成される、縁部に沿った不連続部分の存在が原因となり、当該縁部の位置合わせに関する課題が起こり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本願発明の目的は、複合織物の対向する長手方向縁部の相互の位置合わせ状態を容易に制御し維持することが出来るよう複合織物の折り曲げ技術を改善することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本願発明によれば、上記目的は、請求項1および7の対象物である装置および方法により達成される。
【0011】
請求項は、本願発明に係る、本明細書で記載される教示の重要な部分を定める。
【図面の簡単な説明】
【0012】
添付の図面を参照し、本願発明を詳細に説明する。添付の図面は本願発明を限定することを目的としてはいない。
【
図1】
図1は、パンツのように着用することが出来る吸収性衛生用品の製造プロセスにおける複合織物の折り曲げ段階を示す概略斜視図である。
【
図2】
図2は、複合織物を折り曲げる装置の概略側面図である。
【
図3】
図3は、
図2の線III−IIIで切り取った概略断面図である。
【
図4】
図4は、本願発明の装置および方法により得ることが出来る吸収性用品の概略斜視図である。
【
図7】
図7は、本願発明に係る装置の第2実施形態を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下の説明には、実施形態をよりよく理解いただけるよう様々な特定的な詳細が示される。実施形態はそれら特定的な詳細の1以上を用いずとも実施することが可能であり、また、他の方法、コンポーネント、材料などを用いても実施することが可能である。他の場合においては、公知の構造、材料、または動作は詳細に示されていなかったり説明されていなかったりするが、これは、実施形態の様々な態様が曖昧にならないようにするためである。
【0014】
以下の説明の枠組みにおいて「実施形態」または「1つの実施形態」と言及した場合、当該実施形態に関連して説明される特定の構成、構造、または特性が少なくとも1つの実施形態に含まれることを示すよう意図されている。よって、以下の説明の様々な箇所に存在しうる「実施形態において」または「1つの実施形態において」といった文言は、必ずしも1つの同一の実施形態を指すとは限らない。さらに、特定の形態、構造、または特性は1以上の実施形態において適切に組み合わせることが可能である。
【0015】
本明細書の説明は理解を促すことのみを目的に提供されており、よって、実施形態の思想および態様を定めるものではない。
【0016】
図4を参照すると、参照符号の100は、本願発明により提供される教示に係る方法および装置によって得られる、いわゆる「プルオン」または「トレーニングパンツ」タイプと呼ばれる使い捨て吸収性用品を指す。
【0017】
基本的に用品100は吸収性の中心体またはインサート12から構成されている。吸収性の中心体またはインサート12は、ユーザの身体と接触することとなり、略U形となり得、体液を吸収し保持するのに適している。吸収性インサート12はさらに胴体部114上に位置づけられる。胴体部114は、ユーザの衣類と接触することとなり、吸収した体液の重みがかかった場合であっても、適切に機能する位置に吸収性インサート12を維持することが出来る。
【0018】
吸収性インサート12は、
排泄された体液を透過させ、ユーザの身体に対向する上層またはトップシート13と、
体液を透過させず、外部、つまり胴体部114に対向する下層またはバックシート115と、
トップシート13とバックシート115との間に設定され、体液を吸収し保持する吸収性コア116と
(およびその他、様々な付属部材)を含む構造を有する。
【0019】
吸収性インサート12には、例えば、吸収性用品100のエンドユーザの身体への密着性を高める脚部用伸縮素材117、および、吸収性コア116の両側に設定され、体液の横方向への漏れを防ぐ働きをするいわゆるカフまたは伸縮性側部119などの、インサート12の着用性および吸収性を高める他の特性部材が含まれる。
【0020】
上記した特性部材および当業者には周知であるその他に関するより詳細な説明は、Enloeへ1987年11月3日に特許権が付与された米国特許第4,704,116号などの広範な文献を参照されたい。
【0021】
胴体部114は、Invistaにより製造されるLycraスレッドおよび/またはFulflexにより製造される合成ゴムのストリップなどのスレッドおよび/またはストリップ状の伸縮性部材19が貼り付けられる、1以上の不織布118または他の適切な材料から形成される。
【0022】
上述した伸縮性材料は胴体部114の不織布118のシートに対し、接着剤か、または加熱ローラまたは超音波システムを用いたシーリングにより固定される。通常、他の布シートから形成されるか、若しくは、同じく不織布118から形成される、適切に必要以上に大きな幅が選択され、伸縮性部材19を覆うよう内側に折り曲げられる不織布17の他のシートが伸縮性材料の上部に設定される。
【0023】
脚部用の開口の境界の輪郭となる切り込み部113が胴体部114に形成される。
【0024】
当業者には明らかであるように、
図4および
図5は概略的に示されており、本願発明の対象物である方法および装置を、可能な様々なタイプの用品100の実施形態へ適用することが出来ることを強調することを目的としている。
【0025】
本願発明を適用するのが特に有利である予め閉じられた吸収性用品の特定のタイプは、EP 1 523 968 A1およびEP 2 057 975 B1に詳細に記載されている。特に、
図6はEP−A−2057975の教示に従って提供される吸収性用品120を示す。
【0026】
図1は、吸収性衛生用品120の製造プロセスを概略的に示す。
図1に示す複合織物10は、吸収性衛生用品120の複数の中間製品を連続的に組み合わせることにより形成され、長手方向Aに継続的に進む。複合織物10は、最終的な用品においてそれぞれフロントウェスト縁部およびリアウェスト縁部を形成する2つの対向する長手方向端部14、15を有する。吸収性衛生用品の製造プロセスにおいて、当該縁部は、長手方向Aに対し平行な長手方向折り曲げ線Bに沿った折り曲げが行われると、互いに上下に重ねられる。矢印Cは、長手方向縁部14、15の重ね合わせを達成する折り曲げが行われる際の動きの方向を概略的に示す。長手方向の軸Bに沿って折り曲げを行った後、互いに重ねられた長手方向縁部14、15が一定間隔をおいて共に繋ぎ合わせられる。この繋ぎ合わせは、
図4の実施形態に示すように、2つのシール110などを用いて行うことが出来、
図6に示す実施形態においては、本出願人により出願されたEP−A−2057975により詳細に記載される開閉可能な閉鎖部材16、18によって行われる。折り曲げおよび閉鎖の動作の後に、連続複合材料織物には、個々の用品120を形成すべく、横断方向の線Pに沿った切断動作が行われる。
図4に示す用品100は側部が半永久的に閉じられたタイプであるトレーニングパンツであり、
図6に示す用品120は、サイドパネルが開閉可能なタイプである。
【0027】
連続複合材料織物10の構成、構造、および形成プロセスは本願発明の範囲に含まれないので、詳細には説明しない。
図1から理解いただけるように、複数の中間製品120が移動方向に対して横断するように延在する製造プロセスにおいて、長手方向の軸Bに沿って折り曲げる動作の間、対向する長手方向縁部14、15を互いに適切かつ確実に位置合わせをする必要がある。本願発明は特に、軸Bに沿った折り曲げ動作に続いて行われる長手方向縁部14、15の位置合わせの方法に関する。
【0028】
図2は、本願発明に係る、複合織物10の長手方向に沿った折り曲げ、および対向する長手方向縁部の相互の位置合わせを行うことが出来る装置20の概略図である。装置20は、折り曲げステーション22と、その下流に設けられる位置合わせステーション24を備える。
【0029】
一実施形態において、折り曲げステーション22は、横断方向に延在するトランスミッションローラ26と、長手方向Aを横断する軸周りに回転可能な折り曲げホイール28を備える。折り曲げホイール28は、吸収性衛生用品120の複数の中間製品を連続的に組み合わせることにより形成される複合織物に対し垂直な平面内に含まれ、よって、複合織物10の中心線、つまり、当該中心線に一致する場合には折り曲げ線Bに沿って、前面30を有する。折り曲げホイール28は、長手方向折り曲げ線Bを挟んで対向する側部に設定される2つのセクション32、34への連続織物10の予備折り曲げを行うことが出来る。
図2に概略的に示す実施形態において、折り曲げホイール28の外周が織物の第1セクション32上を回転し通過し、第2セクション34は、折り曲げホイール28の前面30と接触して通過する。折り曲げ部22はさらに、折り曲げ線Bに沿って、つまり、複数の中間製品120により形成される織物の中心に沿って、長手方向に延在する折り曲げバー36を備える。織物の2つのセクション32、34は、折り曲げバー36に沿って、互いに重なり合うように折り曲げられる。互いに重なり合うように折り曲げられた織物の2つのセクション32、34が通過する横断方向に延在する1組のガイドローラ38までが折り曲げ部22である。
【0030】
当業者にとっては明らかなように、折り曲げ部22は、折り曲げが行われた後に、連続織物10の対向する長手方向縁部14、15が互いに位置合わせされていることの確認を行えない。この理由により、折り曲げ部22の下流には、縁部14、15が互いに位置合わせされておらず、所望される位置合わせの正確性が達成されていない場合に縁部14、15の相対位置の補正を行うことが出来る位置合わせ部24が設けられている。
【0031】
位置合わせ部24は、長手方向縁部14、15のそれぞれの位置を検出するか、または2つの縁部のうち1つの、他方に対する相対位置を検出する1以上のセンサ40を備える。
図2に示す例示において、長手方向縁部14または15の位置をそれぞれ検出する2つのセンサ40が設けられている。
【0032】
このような制御を適切に行う検出デバイスは、Fifestrasse 1,(D)65779 Kelkheim,GermanyのFife−Titland GmbHにより製造されるモデルDAC005のリニアアレイセンサである。
【0033】
長手方向縁部14、15間の位置合わせのずれの測定は、プロセッサか、または制御/コマンドシステム182を用いて、2つのセンサ40による位置の測定結果を互いに比較することにより行うことが出来る。
【0034】
このような作業を行うのに適した制御システムは、Fifestrasse 1,(D)65779 Kelkheim,GermanyのFife−Titland GmbHにより設計され製造される、モデルD−MAX−2のデジタルプロセッサである。
【0035】
図2および3を参照すると、位置合わせ部24は、折り曲げられたシート10の対向する側部に設けられる2つの吸着ベルトコンベア42、44を備える。吸着ベルトコンベア42、44はそれぞれ、長手方向Aに対し垂直な軸X46、X48周りに回転可能なインプットトランスミッションローラ46、48を有する。吸着ベルトコンベア42、44はそれぞれ、互いに対向するブランチ50、52、およびモータで駆動されるアウトプットトランスミッションローラ49、51を有する。
【0036】
好ましい実施形態において、
図3を参照すればよく理解いただけるように、位置合わせ部24は、コンベヤ42、44のブランチ50、52間で延在し、織物10の2つのセクション32、34を互いに分け隔てることを目的とする、静止した分離版54を備える。上述した実施形態は、本願発明の対象物である装置により処理される衛生用品に、開閉可能な縁部を閉鎖する部材が設けられている場合において特に有利であり、より大きな効果が得られる。ベルトコンベア42、44のブランチ50、52は、低圧力源(source of sub−atmospheric pressure)へと接続され、分離版54の対向する側面に位置する織物のセクション34、32を吸着することによりグリップ力を得る。
【0037】
ベルトコンベア42、44はモータで駆動され、ブランチ50、52のそれぞれが、織物10が長手方向に進む速度と同じ速度で、方向Aに動く。
図3を参照すると、コンベヤ42、44はそれぞれ、ローラ49、51をそれぞれ回転駆動するモータ減速機アセンブリ56、58を備える。
【0038】
ベルトコンベア42、44はそれぞれ、トランスミッションローラ46、48の回転シャフト、およびローラ49、51およびモータ減速機アセンブリ56、58の軸を保持する可動フレーム60、62を有する。フレーム60、62は両方とも、長手方向Aに対する横断方向Dに動くことが出来る。一実施形態において、
図3を参照すればよく理解いただけるように、フレーム60、62はそれぞれ、リニアガイド68、70のそれぞれを用いて、静止したベース64、66に接続され、このことにより、支持アセンブリ60、62の横断方向Dへの移動が可能となる。
【0039】
ベルトコンベア42、44は、2つのコンベヤ42、44を連動して、横断方向Dに関して互いに反対方向に移動させる制御デバイス72に関連付けられる。制御デバイス72は、コンベヤ42、44の2つの可動フレーム60、62を同程度だけ互いに反対方向に同時に移動させる。代替的に制御デバイス72には、コンベヤ42、44の2つの可動フレーム60、62の互いに独立した横断方向Dへの移動を可能とする2つのアクチュエータが設けられてもよい。
【0040】
好ましい実施形態において、制御デバイス72は、長手方向の軸周りに回転可能な部材76の回転を制御するアクチュエータ74を備える。部材76は、可動フレーム60、62のそれぞれに固定された2つのロッド80、82へ、接続ロッド78を用いて接続される。ロッド80、82は、静止した壁88により担持されるガイド84、86によって、横断方向Dへの移動をガイドされる。ロッド80、82は、回転部材76の回転軸を挟んで互いに対向する側に設けられる。接続ロッド78のこの構成が意味するのは、回転部材76の回転移動によって、ロッド80、82の同じ振幅かつ互いに反対方向の動きが生み出されるということである。その結果、アクチュエータ74を用いて、ベルトコンベア42、44の同じ振幅かつ横断方向Dに関して互いに反対方向の移動を制御することが可能となる。このような利用に適したリニアモータは、Fifestrasse 1,(D)65779 Kelkheim,GermanyのFife−Titland GmbHにより製造されるモデルD−LAB−3A−5−050.1−ISCTのリニアデジタルアクチュエータである。
【0041】
一実施形態において、
図7を参照すればよく理解いただけるように、ベルトコンベア42'、44'はそれぞれ、トランスミッションローラ46'、48'およびモータ減速機アセンブリ56'、58'の回転シャフトを有する可動フレーム60'、62'を備える。フレーム60'、62'は両方が、折り曲げ線Bと、ベルトコンベア42'、44'のトランスミッションローラ46'48'の軸とに対し垂直な軸X1周りを回転する。軸X1はさらに、回転軸X46、X48に交差するよう、ローラ46'、48'の中心に設けられる。このようにして、ベルトコンベア42'、44'の横断方向Dの移動は、シートが各ベルトコンベヤのインプットローラ46'、48'に接触する位置においてゼロであり、シートが上述したコンベヤ42'、44'を離れる位置、つまりアウトプットローラ49、51において最大となる。
【0042】
一実施形態において、上述したフレーム60'、62'はそれぞれ、適切な寸法および負荷特性を有する一組のベアリング内で回転するピン168、170を用いて、静止したベース164、166へと接続される。
【0043】
ベルトコンベア42'、44'は、2つのベルトコンベヤ42'、44'を連動して、横断方向Dに関して互いに反対方向へ移動させる制御デバイス72'に関連付けられている。制御デバイス72'は、コンベヤ42'、44'の2つの可動フレーム60'、62'を同程度だけ互いに反対方向に同時に移動させる。
【0044】
一実施形態において、
図7を参照すればよく理解いただけるように、制御デバイス72'は、長手方向の軸周りに回転可能な部材76'の回転を制御するアクチュエータ74'を備える。部材76'は、接続ロッド78'を用いて2つのロッド80'、82'へ接続されており、そしてロッド80'、82'はそれぞれ、接続ロッド178を用いて回転フレーム70'、62'へ接続されている。ロッド80'、82'は静止した壁88により担持されるガイド84'、86'のそれぞれにより、横断方向Dへの移動がガイドされる。ロッド80'、82'は回転部材76'の回転軸を挟んで対向する側に設けられる。接続ロッド78'、178のこの構成が意味するのは、回転部材76'の回転移動によりロッド80'、82'の同じ振幅かつ互いに反対方向の移動が生み出され、その結果、コンベヤ42'、44'の同じ振幅かつ互いに反対方向の回転が生み出されるということである。その結果、アクチュエータ74'を用いて、ベルトコンベア42'、44'の同じ振幅かつ横断方向Dに関して互いに反対方向の回転を制御することが可能となる。また
図7の実施形態において、制御デバイス72'には、コンベヤ42'、44'の2つの可動フレーム60'、62'の互いに独立した横断方向Dへの移動を可能とする、2つのアクチュエータが設けられてもよい。
【0045】
図2に示す実施形態において、アクチュエータ74は、織物の2つのセクション32、34の長手方向縁部14、15の位置を検出するセンサ40から受信する信号の関数として制御される。センサ40は、
図2においてそれぞれ実線および破線で示されるように、コンベヤ42、44の上流または下流に設けられてもよい。
【0046】
位置合わせ部24の下流には、織物の縁部の位置合わせが完了した位置において一定の間隔をおいて、対向する縁部14、15を互いに繋ぎ合わせることを目的とする2つの閉鎖ローラ90が設けられている。複合織物10に開閉可能な閉鎖部材16、18が設けられていた場合、閉鎖ローラ90は単に、当該部材を分離させておく分離版54の下流において閉鎖部材を共に圧着する圧着ローラである。複合織物10に開閉可能な閉鎖部材が設けられていない場合、閉鎖ローラ90は、位置合わせされた縁部14、15の断続的なシーリングを行うシーリングローラであってよい。
【0047】
ベルトコンベヤ42、44を横断方向に関して互いに反対方向へ移動させることにより、横断方向に織物10を引っ張ることなく、折り曲げられた織物の2つのセクション32、34の縁部14、15の位置合わせを行うことが出来る。本願発明に係る縁部の位置合わせを行うシステムによれば、折り曲げ動作の後に位置合わせに大きなミスが行った場合であっても、縁部の正確な位置合わせが可能となる。吸着ベルトコンベア42、44によって外面上の織物の各セクション34、32に対するグリップ力が働くようになり、かつ、織物の内面上に存在し得る開閉可能な閉鎖部材にダメージを与えることがない。分離版54は、開閉可能な閉鎖部材が離れた状態を、縁部の位置合わせが完了するまで維持し、閉鎖部材が織物の他の部分へ貼り付くのを防ぐことが出来る。
【0048】
当然ながら、以下の請求項により定められる本願発明の思想から逸脱することなく、構造の詳細および実施形態は、本明細書で説明され示されたものに対し幅広く変更を加えて実施することが可能である。