特許第5920922号(P5920922)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5920922
(24)【登録日】2016年4月22日
(45)【発行日】2016年5月18日
(54)【発明の名称】音響効果装置
(51)【国際特許分類】
   H04S 5/02 20060101AFI20160428BHJP
【FI】
   H04S5/02 E
【請求項の数】4
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2012-173492(P2012-173492)
(22)【出願日】2012年8月4日
(65)【公開番号】特開2014-33376(P2014-33376A)
(43)【公開日】2014年2月20日
【審査請求日】2015年5月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】000130329
【氏名又は名称】株式会社コルグ
(74)【代理人】
【識別番号】100105810
【弁理士】
【氏名又は名称】根本 宏
(72)【発明者】
【氏名】柳沢 隆晃
【審査官】 菊池 充
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−069930(JP,A)
【文献】 特開2007−228526(JP,A)
【文献】 特開2003−244797(JP,A)
【文献】 特開2001−028800(JP,A)
【文献】 特開2006−033551(JP,A)
【文献】 特開2000−093579(JP,A)
【文献】 特開2006−121397(JP,A)
【文献】 特開平04−030700(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04S 1/00− 7/00
G10L 13/00−13/10
G10K 15/00−15/06
A63F 13/00−13/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
左信号、右信号、左サラウンド信号および右サラウンド信号の4チャンネル信号で成るマルチチャンネル信号を出力するマルチチャンネル音源部(10)と、
前記4チャンネル信号の内の任意の2乃至3チャンネルの信号を加算するか、又は、前記4チャンネルの夫々の信号を加算する加算部(30)と、この加算部(30)による加算結果を書き込んで行くバッファ(46)と、このバッファ(46)から読み出した信号に係数Aを乗じる係数部(45)と、
通常時には、前記係数部(45)の係数Aを「0」に設定して、前記加算部(30)によって加算された結果を前記バッファ(46)に書き込んでいく一方、何らかのイベントが発生したことを示すイベント信号が与えられた場合には、前記係数部(45)の係数Aを「0」でない値に設定して、前記バッファ(46)に書き込まれていた信号を読み出していき、前記係数部(45)の係数Aを乗じた信号を、音像の定位方向を変更制御する方向制御部(60)に入力する制御部(100)と、
前記方向制御部(60)から出力される4チャンネルの信号を入力して、左チャンネル出力信号および右チャンネル出力信号の2チャンネルの信号を出力する音源仮想化処理部(70)と、を備え、
前記方向制御部(60)は、
前記バッファ(46)から読み出していき前記係数部(45)によって係数Aが乗じられた信号に対して、基準方向からの角度によって変化する係数であって前記4チャンネル信号の夫々の生成用の4種類の係数を乗じることを、前記角度を変更しながら行っていって、前記4チャンネル信号を生成出力していくことを特徴とする音響効果装置。
【請求項2】
請求項1に記載の音響効果装置において、
前記加算部(30)の後段に、この加算部(30)による加算結果に係数Bを乗じる係数部を設けたことを特徴とする音響効果装置。
【請求項3】
請求項1および2の内のいずれか一項に記載の音響効果装置において、
前記制御部(100)は、
ゲーム機の全体動作を制御するゲーム機用CPUから前記イベント信号が与えられることを特徴とする音響効果装置。
【請求項4】
左信号、右信号、左サラウンド信号および右サラウンド信号の4チャンネル信号で成るマルチチャンネル信号を出力するマルチチャンネル音源部(10)と、
前記4チャンネル信号の内のいずれかの一つのチャンネル信号を選択出力するチャンネル選択部(31)と、このチャンネル選択部(31)によって選択された信号を書き込んで行くバッファ(46)と、このバッファ(46)から読み出した信号に係数Aを乗じる係数部(45)と、
通常時には、前記係数部(45)の係数Aを「0」に設定して、前記加算部(30)によって加算された結果を前記バッファ(46)に書き込んでいく一方、何らかのイベントが発生したことを示すイベント信号が与えられた場合には、前記係数部(45)の係数Aを「0」でない値に設定して、前記バッファ(46)に書き込まれていた信号を読み出していき、前記係数部(45)の係数Aを乗じた信号を、音像の定位方向を変更制御する方向制御部(60)に入力する制御部(100)と、
前記方向制御部(60)から出力される4チャンネルの信号を入力して、左チャンネル出力信号および右チャンネル出力信号の2チャンネルの信号を出力する音源仮想化処理部(70)と、を備え、
前記方向制御部(60)は、
前記バッファ(46)から読み出していき前記係数部(45)によって係数Aが乗じられた信号に対して、基準方向からの角度によって変化する係数であって前記4チャンネル信号の夫々の生成用の4種類の係数を乗じることを、前記角度を変更しながら行っていって、前記4チャンネル信号を生成出力していくことを特徴とする音響効果装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サラウンド信号を利用して、音像の定位方向を連続的に変化させることを可能にした、空間における音響効果付加を行う装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ゲーム機等では何らかのイベントが発生した時に、ステレオ音の再生を停止させ、この停止に応答して、珍しい音響効果を付加することが期待されていた。このため、ステレオ信号の供給が停止することを示す信号である「イベント指令信号」が与えられると、奇抜な効果音を発生させる音響装置が提案されていた(例えば、特許文献1参照。)。この音響装置にあっては、その制御部は、イベント指令信号が与えられていない場合である「通常時」には、第1の2つのスイッチをオン状態として、ステレオ音源部からの左信号(L信号)および右信号(R信号)のみを、各々、第1の加算部、第2の加算部に与えるため、「通常時」には単なるステレオ信号のみが前記第1の2つのスイッチの各々を介して放音される。なお、上記イベントとしては、例えばゲームの世界において、ゲーム進行がされて異なるシーンが出現する事、或るゲームから他の種類のゲームに移行する事、ゲーム内容のメニューを変更する事等が挙げられる。
【0003】
そして、制御部は、イベント指令信号が与えられると、ステレオ信号の供給は停止されるものの、第2の2つのスイッチをオン状態として、ループ遅延部でループ状に音信号が循環されている信号を効果音生成部へ2種類交互に入力させる。すると、この交互に入力された2種類の信号に応答して、効果音生成部は各々効果音を出力する。この2種類の効果音は各々、第1の加算部、第2の加算部にも入力されるので、たとえステレオ音源部からのステレオ音信号が停止しても、効果音が発生し奇抜な音響効果を得ることができた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−69930号公報(第4−6頁、第4図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
確かに、上述した先行技術によれば、ステレオ信号の供給が停止することを示すイベント指令信号が与えられると、奇抜な効果音を発音させることはできる。しかしながら、効果音生成部には2種類のループ遅延信号が交互に入力されるため、音像は、高々2ポイントで定位されるに過ぎないものであった。つまり、上述した音響装置にあっては、高々2ポイントで音像の定位位置を交互変化させるに過ぎないものであった。
【0006】
本発明は、かかる従来の課題を解決するためになされたもので、音像の定位方向を連続的に変化させることを可能にし、空間における音響効果付加を行う装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は、左信号、右信号、左サラウンド信号および右サラウンド信号の4チャンネル信号で成るマルチチャンネル信号を出力するマルチチャンネル音源部(10)と、
前記4チャンネル信号の内の任意の2乃至3チャンネルの信号を加算するか、又は、前記4チャンネルの夫々の信号を加算する加算部(30)と、この加算部(30)による加算結果を書き込んで行くバッファ(46)と、このバッファ(46)から読み出した信号に係数Aを乗じる係数部(45)と、
通常時には、前記係数部(45)の係数Aを「0」に設定して、前記加算部(30)によって加算された結果を前記バッファ(46)に書き込んでいく一方、何らかのイベントが発生したことを示すイベント信号が与えられた場合には、前記係数部(45)の係数Aを「0」でない値に設定して、前記バッファ(46)に書き込まれていた信号を読み出していき、前記係数部(45)の係数Aを乗じた信号を、音像の定位方向を変更制御する方向制御部(60)に入力する制御部(100)と、
前記方向制御部(60)から出力される4チャンネルの信号を入力して、左チャンネル出力信号および右チャンネル出力信号の2チャンネルの信号を出力する音源仮想化処理部(70)と、を備え、
前記方向制御部(60)は、
前記バッファ(46)から読み出していき前記係数部(45)によって係数Aが乗じられた信号に対して、基準方向からの角度によって変化する係数であって前記4チャンネル信号の夫々の生成用の4種類の係数(L信号生成用係数、R信号生成用係数、Ls信号生成用係数、Rs信号生成用係数:パンニング係数)を乗じることを、前記角度を変更しながら行っていって、前記4チャンネル信号を生成出力していくことを特徴とするようにした。
【0008】
制御部(100)は、通常時には、前記係数部(45)の係数Aを「0」に設定して、前記加算部(30)によって加算された結果を前記バッファ(46)に書き込んでいく一方、何らかのイベントが発生したことを示すイベント信号が与えられた場合には、前記係数部(45)の係数Aを「0」でない値に設定して、前記バッファ(46)に書き込まれていた信号を読み出していき、前記係数部(45)の係数Aを乗じた信号を、音像の定位位置の方向を変更制御する方向制御部(60)に入力する。そして、方向制御部(60)は、バッファ(46)から読み出していき係数部(45)によって係数Aが乗じられた信号に対して、基準方向からの角度によって変化する係数であって4チャンネル信号の夫々の生成用の4種類の係数を乗じることを、前記角度を変更しながら行っていって、前記4チャンネル信号を生成出力していくことによって、音像の定位方向の変更制御を行う。更に、音源仮想化処理部(70)は、方向制御部(60)が生成出力されていく4チャンネル信号を入力して、左チャンネル出力信号および右チャンネル出力信号の2チャンネルの信号を出力する。これらの動作によって、通常時からイベント発生までに音信号が途切れることはなくなり、方向制御部(60)は、音像の定位方向を変更制御することができるようになる。
【0009】
この装置において、前記加算部(30)の後段に、この加算部(30)による加算結果に係数Bを乗じる係数部を設ければ加算態様に応じた音量調整ができるので好ましい。また、上記装置において、前記制御部(100)は、ゲーム機の全体動作を制御するゲーム機用CPUから前記イベント信号が与えられるようにすれば、ゲーム実行中においてイベントが発生することにより奇抜な効果音をプレイヤーに聞かせることができる。
【0010】
さらに、本発明の他の態様は、左信号、右信号、左サラウンド信号および右サラウンド信号の4チャンネル信号で成るマルチチャンネル信号を出力するマルチチャンネル音源部(10)と、
前記4チャンネル信号の内のいずれかの一つのチャンネル信号を選択出力するチャンネル選択部(31)と、このチャンネル選択部(31)によって選択された信号を書き込んで行くバッファ(46)と、このバッファ(46)からの読み出した信号に係数Aを乗じる係数部(45)と、
通常時には、前記係数部(45)の係数Aを「0」に設定して、前記加算部(30)によって加算された結果を前記バッファ(46)に順次書き込んでいく一方、何らかのイベントが発生したことを示すイベント信号が与えられた場合には、前記係数部(45)の係数Aを「0」でない値に設定して、前記バッファ(46)に書き込まれていた信号を読み出していき、前記係数部(45)の係数Aを乗じた信号を、音像の定位方向を変更制御する方向制御部(60)に入力する制御部(100)と、
前記方向制御部(60)から出力される4チャンネルの信号を入力して、左チャンネル出力信号および右チャンネル出力信号の2チャンネルの信号を出力する音源仮想化処理部(70)と、を備え、
前記方向制御部(60)は、
前記バッファ(46)から読み出していき前記係数部(45)によって係数Aが乗じられた信号に対して、基準方向からの角度によって変化する係数であって前記4チャンネル信号の夫々の生成用の4種類の係数(L信号生成用係数、R信号生成用係数、Ls信号生成用係数、Rs信号生成用係数:ンニング係数)を乗じることを、前記角度を変更しながら行っていって、前記4チャンネル信号を生成出力していくことを特徴とする音響効果装置である。
【0011】
この発明によれば、通常時には、チャンネル選択部(31)が選択した一つのチャンネル信号をバッファ(45)に書き込み、イベント発生時には、バッファ(45)に書き込まれていた信号を読み出し係数Aを乗じた信号に対して、4種類のパンニング係数を乗じて方向制御部(60)による音像の定位方向の制御を行う。
【0012】
なお、この「課題を解決するための手段」や「特許請求の範囲」において、発明特定事項に対して符号を付したのは実施形態との整合性を明確にするためであり、権利範囲の広さを限定的にしたもので無く、本発明の要旨を逸脱しないものである限り、本発明の権利範囲に含まれることは言うまでもない。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、音像の定位方向を連続的に変化させることを可能にした、空間における音響効果付加を行う装置を実現できるという効果が得られる。この結果、受聴者に対して、従来なかったような空間の広がり感を与えることが可能になるという効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の第1の実施形態の音響効果装置1の構成図である。
図2】バッファ46の構成や動作の説明図である。
図3】音源仮想化処理部70の構成図である。
図4】4chサラウンドスピーカの配置例の模式的な説明図である。
図5】方向制御部60の構成図である。
図6】パンニング係数用テーブルの説明図である。
図7】音像定位方向の連続的な変更の模式的説明図である。
図8】他の実施形態の音響効果装置2の構成図である。
図9】サウンド切り換え時の時間軸でのイメージの説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。以下、マルチチャンネル信号として、一般的な4chサラウンド信号、つまり「左信号(Lch信号)、右信号(Rch信号)、左サラウンド信号(Lsch信号)、右サラウンド信号(Rsch信号)」を例に取って本発明の実施の形態を説明する。
【0016】
(構成)
図1は、本発明の実施形態である音響効果装置1の構成図である。この音響効果装置1は、左信号(Lch)、右信号(Rch)、左サラウンド信号(Lsch)および右サラウンド信号(Rsch)の4チャンネル信号(4ch)で成るマルチチャンネル信号を出力するマルチチャンネル音源部10と、このマルチチャンネル音源部10からの4チャンネル信号を入力し、この4チャンネル信号を出力するか阻止するかの切り換えを行うスイッチ20とを備えている。このスイッチ20は、4個のスイッチを連動して接続・非接続を行うように構成されていて、4個のスイッチの連動したスイッチング制御は、制御部100が行う。
【0017】
また、このスイッチ20から出力される4チャンネル信号の夫々を、Lチャンネル信号線22、Rチャンネル信号線24、Lsチャンネル信号線26、Rsチャンネル信号線28を介して、各々、加算部50、加算部52、加算部54、加算部56の一方の入力端子に与えるようになっている。また、加算部50、加算部52、加算部54、加算部56の他方の入力端子には、後に説明する方向制御部60から出力される4チャンネルの信号が与えられる。かくして、加算部50は、マルチチャンネル音源部10からの左信号(Lch信号)と方向制御部60からの左信号(Lch信号)を加算した結果を音源仮想化処理部70に供給する。
【0018】
同様に、加算部52は、マルチチャンネル音源部10からの右信号(Rch信号)と方向制御部60からの右信号(Rch信号)を加算した結果を音源仮想化処理部70に供給し、また、加算部54は、マルチチャンネル音源部10から左サラウンド信号(Rsch信号)と方向制御部60からの左サラウンド信号(Rsch信号)を加算した結果を音源仮想化処理部70に供給し、そして、加算部56は、マルチチャンネル音源部10から左サラウンド信号(Rsch信号)と方向制御部60からの左サラウンド信号(Rsch信号)を加算した結果を音源仮想化処理部70に供給する。4チャンネル信号が供給された音源仮想化処理部70は、所定の処理を施し左耳用信号(左信号)と右耳用信号(右信号)とを出力する。音源仮想化処理部70から出力された左信号(Lch信号)は、D/A変換器80でデジタルアナログ変換されてスピーカ90から放音されると共に、音源仮想化処理部70から出力された信号(Lch)は、D/A変換器85でデジタルアナログ変換されてスピーカ92から放音される。
【0019】
なお、図1においては音源仮想化処理部70からのステレオ信号をスピーカ90、92から放音するように構成しているが、後述するように、音源仮想化処理部70からのステレオ信号を切り換えスイッチの切り換え操作によって、ヘッドホンから出力させることも可能である。
【0020】
次に、加算部30は、4チャンネル信号の内の任意の2チャンネルの信号を加算する(例えばL+R)か、任意の3チャンネルの信号を加算する(例えばL+R+Ls)か、又は、4チャンネル信号の夫々を加算する(L+R+Ls+Rs)。また、図示はしないが加算部30の後段に、この加算部30による加算結果に係数Bを乗じる係数部を設ければ、加算結果に応じた音量調整を行うことができるので好ましい。
【0021】
また、加算部30の加算結果出力側にはスイッチ21が設けられていて、このスイッチ21には、加算部23が接続されている。また、方向制御部60の前側にはスイッチ40が接続されている。スイッチ40には、加算部30の加算結果の書き込みや読み出しを行うためのバッファ46が接続されており、このバッファ46の出力側には係数Aを有する係数部45が設けられている。なお、後に説明するが係数Aは、制御部100によってその値が変更制御される。また、スイッチ21がオン状態の時には、係数部45の出力と加算部30とが加算部23に入力され、加算部23の加算結果は、スイッチ40がオフ状態(阻止状態)の時にバッファ46に入力される一方、スイッチ40がオン状態(通過状態)の時に方向制御部60に入力される。なお、制御部100は、スイッチ21をオフ状態(阻止状態)にすると共にスイッチ40をオン状態(通過状態)に制御する一方、スイッチ21をオン状態(通過状態)にすると共にスイッチ40をオフ状態(阻止状態)に制御するように構成されている。
【0022】
そして、この装置の全体的な制御を行う制御部100は、ゲーム機の動作を全体的に制御するゲーム機側のCPUであるゲーム機CPU101から、何らかのイベントの発生を示すイベント信号が供給される構成になっている。従来技術の欄で既に述べたように、ゲーム機CPU101は、イベントとして、例えばゲームの世界においてゲーム進行がされて異なるシーンが出現する場合、或るゲームから他の種類のゲームに移行する場合、ゲーム内容のメニューを変更する場合等が生じた時に、イベントが発生したと判断して「イベント信号」を制御部100に供給する。
【0023】
(バッファ46)
バッファ46は、いわゆるリングバッファであり、各記憶領域には1サンプル分の信号を格納可能になっている(1サンプル分信号格納部)。遅延サンプルがnサンプル(例えば6サンプル)の場合を想定して説明する。先ず、入力した1サンプル分信号(例えば16ビット信号)を、書き込むポインタが指示する格納部に格納する(A)。次に、書き込みポインタよりもnサンプル(例えば6サンプル)少ないアドレスに対応する格納部を読み出しポインタが指示しているので、この読み出しポインタが指示する格納部から1サンプル分信号の読み出しを行う(B)。
【0024】
次に、書き込みポインタおよび読み出しポインタが指示するアドレスを1だけインクリメントする(C)。仮に、ポインタが指示する格納部が末尾アドレスを超えた場合には、ポインタを先頭アドレスに戻す処理を行う(D)。このような処理を1サンプル分の信号が入力する毎に行う。このように、書き込みポインタと読み出しポインタとは常にnサンプル分、離れた状態で移動する。したがって、書き込み時には書き込みポインタが指示する格納部に順次、信号を書き込んで行くことができると共に、読み出し時には読み出しポインタが指示する格納部から信号を読み出せば、書き込み信号に対して所定量の遅延を有する信号を読み出すことができる。
【0025】
(音源仮想化処理部70)
音源仮想化処理部70は、頭部伝達関数畳込み部200と、クロストークキャンセル処理部300とを有して構成される。頭部伝達関数畳込み部200は、4入力の加算部150と、同じく4入力の加算部160とを備えている。加算部150は、Lch信号と伝達関数G11(110)とを畳み込んだ結果と、Rch信号と伝達関数G21(120)とを畳み込んだ結果と、Lsch信号と伝達関数G31(130)とを畳み込んだ結果と、Rsch信号と伝達関数G41(140)とを畳み込んだ結果とを入力し、これら4入力を加算した加算結果を出力する。同様に、加算部160は、Lch信号と伝達関数G12(115)とを畳み込んだ結果と、Rch信号と伝達関数G22(125)とを畳み込んだ結果と、Lsch信号と伝達関数G32(135)とを畳み込んだ結果と、Rsch信号と伝達関数G42(145)とを畳み込んだ結果とを入力して、これら4入力を加算した加算結果を出力する。
【0026】
ここで、G11(110)は、仮想音源位置Lと聴取者左耳間の伝達関数、G12(115)は、仮想音源位置Lと受聴者右耳間の伝達関数、G21(120)は、仮想音源位置Rと受聴者左耳間の伝達関数、G22(125)は、仮想音源位置Rと受聴取右耳間の伝達関数、G31(130)は、仮想音源位置Lsと受聴者左耳間の伝達関数、G32(135)は、仮想音源位置Lsと受聴者右耳間の伝達関数、G41(140)は、仮想音源位置Rsと受聴者左耳間の伝達関数、G42(145)は、仮想音源位置Rsと受聴者右耳間の伝達関数である。
【0027】
また、伝達関数G11(110)と伝達関数G12(115)とのペアで、仮想音源位置Lと受聴者間の頭部伝達関数となり、伝達関数G21(120)と伝達関数G22(125)とのペアで、仮想音源位置Rと受聴者間の頭部伝達関数となる。同様に、伝達関数G31(130)と伝達関数G32(135)とのペアで、仮想音源位置Lsと受聴者間の頭部伝達関数となり、伝達関数G41(140)と伝達関数G42(145)とのペアで、仮想音源位置Rと受聴者間の頭部伝達関数となる。このように、頭部伝達関数畳込み部200は、入力された4ch信号(L、R、Ls、Rs)に応じた音像の定位を再現する頭部伝達関数の畳み込み演算を行い、右耳用信号(右信号)、左耳用信号(左信号)を生成する。スイッチ350でヘッドホン用処理の選択操作が行われている場合には、図面に記載されている2つのスイッチ350が「H側」に接続されて、頭部伝達関数畳込み部200によって生成された右耳用信号(Rout)、左耳用信号(Lout)がそのままヘッドホンに出力される。
【0028】
次に、クロストークキャンセル部300は、加算部150、加算部160からの加算結果を入力して所定の演算処理を施して、スピーカを使用しても右チャンネルの音は右耳だけに、左チャンネルの音は左耳だけに到達させる処理を行う。なお、この処理はトランスオーラル処理とも称される公知の処理であり、例えば「電子情報通信学会刊:音響システムとディジタル処理234頁」等に記載されている。図3に示すように、加算部150の加算結果は、フィルタ310(フィルタ係数H11)およびフィルタ315(フィルタ係数H12)に入力され、フィルタ310によるフィルタリング結果は加算部330に入力されると共に、フィルタ315によるフィルタリング結果は加算部335に入力される。一方、加算部160の加算結果は、フィルタ320(フィルタ係数H22)およびフィルタ325(フィルタ係数H21)に入力され、フィルタ320によるフィルタリング結果は加算部330に入力されると共に、フィルタ325によるフィルタリング結果は加算部335に入力される。
【0029】
このような演算処理の結果、空間のクロストーク成分を除去することが可能になる。そして、スイッチ350でスピーカ用処理の選択操作が行われている場合には、図面に記載されている2つのスイッチ350が「S側」に接続されて、右音用スピーカ(図1の符号90)および左音用スピーカ(図1の符号92)の夫々からは、右チャンネル音と左チャンネル音とがクロストークキャンセル処理を施された状態で出力されることになる。
【0030】
(方向制御部60)
図4は、受聴者の右前方(R)、左前方(L)、右後方(Rs)、左後方(Ls)に音源としてのスピーカを配置した一般的な4チャンネルサラウンドシステムの模式的説明図である。例えば、Lのみが配置されている場合には、音像は左前方に定位する。また、LとRから同振幅の信号が出力されれば音像は正面に定位する。同様に、サラウンドの場合にも隣り合うスピーカ間の音量のバランスで、スピーカ間に音像を定位させることができる。受聴者の正面を0度として、時計回りに45度の位置にRのスピーカ、135度の位置にRsのスピーカ、225度の位置にLsのスピーカ、315度の位置にLのスピーカが配置されている。
【0031】
したがって、45度から135度までの間はR音とRs音のパンニングで表現でき、また、135度から225度までの間はRs音とLs音のパンニングで表現でき、そして、315度から45度までの間はL音とR音のパンニングで表現できることになる。
【0032】
図5は、方向制御部60の構成図である。バッファ46からの読み出し信号は係数部45の係数Aが乗じられて方向制御部60に入力される。この入力信号は、L信号を生成するL信号生成用係数乗算部510と、R信号を生成するR信号生成用係数乗算部520と、Ls信号を生成するLs信号生成用係数乗算部530と、Rs信号を生成するRs信号生成用係数乗算部540とに入力される。L信号生成用係数乗算部510は、入力された信号からLch信号を生成するために、入力信号にL信号生成用係数(パンニング係数)を乗じる。同様に、R信号生成用係数乗算部520は、入力された信号からRch信号を生成するために、入力信号にR信号生成用係数(パンニング係数)を乗じ、また、Ls信号生成用係数乗算部530は、入力された信号からLsch信号を生成するために、入力信号にR信号生成用係数(パンニング係数)を乗じ、そして、Rs信号生成用係数乗算部540は、入力された信号からLsch信号を生成するために、入力信号にRs信号生成用係数(パンニング係数)を乗じる。
【0033】
パンニング係数をテーブル化しているパンニング係数用テーブル550には、図6に示すような「4chのパンニング係数」が登録されている。このテーブルは、「横軸」が角度で「縦軸」が、「左信号(Lch信号)、右信号(Rch信号)、左サラウンド信号(Lsch信号)、右サラウンド信号(Rsch信号)」に対するパンニング係数である。したがって、制御部500は、角度が与えられれば、パンニング係数用テーブル550を参照して、その角度に対する4チャンネル信号の各々のパンニング係数を把握して、L信号生成用係数乗算部510、R信号生成用係数乗算部520、Ls信号生成用係数乗算部530およびRs信号生成用係数乗算部540に供給する。パンニング係数が供給された各信号生成用係数乗算部510、520、530、540においては、入力信号に供給されたパンニング係数を乗じて各信号を生成する。
【0034】
例えば、音像を受聴者の右90度から時計方向に回転させることを想定した場合には、制御部500は以下のように動作を行う。初期方向である右90度に音像を定位させるために、パンニング係数用テーブル550を参照して、角度90度に対するパンニング係数を把握する。角度90度の場合にはL信号生成用係数とLs信号生成用係数とは「0」となり、R信号生成用係数はk1(約0.707)、Rs信号生成用係数はk2(約0.707)となるので、R信号生成用係数乗算部520は「k1×入力信号」なる演算を行ってLch信号を出力すると共に、Rs信号生成用係数乗算部540は「k2×入力信号」なる演算を行ってRs信号を出力する。
【0035】
次に、制御部500は、90度にθ(例えば1度)を加算した値の角度に対する4種類のパンニング係数を、パンニング係数用テーブル550に登録してある係数テーブルの内容を参照して把握し、対応する信号生成用係数乗算部(510〜540)に与える。この係数が与えられた各信号生成用係数乗算部(510〜540)は、方向制御部60に、次に与えられる入力信号(即ち次サンプル信号)に対して夫々のパンニング係数を乗じる。このような処理をサンプル毎に処理を継続していくことになる。この際、例えば、角度が135度から225度までの間においては、L信号およびRs信号に対するパンニング係数が「0」となるため、Rs信号およびLs信号に対するパンニング係数を用いて、Rs信号生成用係数乗算部540、Ls信号生成用係数乗算部530での演算を行う。
【0036】
このような処理をサンプル毎(又は複数の所定サンプル毎)に角度をθ(例えば1度)ずつ変化させながら継続していくと、音像の定位方向を受聴者の右90度から右回りに連続的に変化させることが可能となる。図7はこの音像の方向移動の様子を模式的に示した図面であり、受聴者の前方に2台のスピーカ(左スピーカおよび右スピーカ)が配置されているシーンを想定している、この場合、音像は、図面下側の太線で描かれているように、その移動方向が連続的に変化することになる。これによって、イベント発生時に受聴者にとって、予期しない方向から音が聞こえ、かつ、連続的にその方向が変化するので従来にないインパクトを与えることができ、仮想音源処理の効果をより有効に感じることができるようになる。
【0037】
(動作)
次に、図1に示した音響効果装置1の動作について説明する。最初に「通常時」の動作を説明する。この通常時には、未だゲーム機CPU101から制御部100に対してイベント信号が与えられていない場合である。先ず、制御部100はスイッチ20を接続状態とし、係数部45の係数Aを「0」に設定する。更に、制御部100は、スイッチ21をオン状態(通過状態)にすると共に、スイッチ40をオフ状態(阻止状態)にする。すると、マルチチャンネル音源部10からの4チャンネル信号が加算部30に入力されて加算部30は加算を行う。加算部30は、例えば、4チャンネル総ての信号の各々を加算する。そして、この加算結果は、スイッチ21、加算部23を介してバッファ46へ入力される。
【0038】
先に、図2を参照して説明したように、バッファ46では、書き込みポイントで指示された格納部に1サンプル信号を格納しては、この書き込みポインタを1アドレス分進める処理を継続する。また、係数部45の係数Aは「0」に設定したので、バッファ46からの出力は無効にされ、バッファ46の記憶内容は、常時、最新のサンプル信号で更新されることになる。なお、スイッチ20が接続状態にされているので、マルチチャンネル音源部10から出力される4チャンネル信号の夫々は、Lチャンネル信号線22、Rチャンネル信号線24、Lsチャンネル信号線26、Rsチャンネル信号線28を介して、各々、加算部50、加算部52、加算部54、加算部56の一方の入力端子に供給される。この結果、4チャンネル信号は音源仮想化処理部70に入力されるので、スピーカ90、92からは左チャンネル信号と右チャンネル信号とが放音されている。
【0039】
次に、ゲーム機CPU101が、イベント信号を制御部100に与える「イベント発生時」の動作について説明する。先ず、制御部100はスイッチ20を非接続状態とし、係数部45の係数Aを「0」ではない値、例えば「0.6」に設定する。なお、この時のAの値は「−1.0<A<+1.0(但しAは≠0で±1.0未満)」とすれば良い。更に、制御部100は、スイッチ21をオフ状態(阻止状態)にすると共に、スイッチ40をオン状態(通過状態)にする。これにより、バッファ46からの出力には、係数部45の係数Aが乗じられて、再度、バッファ4に入力されて書き込みポインタで指示される格納部に順次書き込まれていくと共に、方向制御部60に入力される。なお、イベント発生時の係数Aを「−1.0<A<+1.0(但しAは≠0)」とすると、音は徐々に減衰する。制御部100は、十分に音量が減衰した時点、又は、任意の時点で通常状態に戻す。なお、イベント発生時に係数Aを「±1.0」とすれば、減衰せずにバッファ46への書き込みおよび読み出しを繰り返して、音信号を出力することができる。この場合、通常状態に戻すまで音響効果の発生が継続する。
【0040】
方向制御部60に信号が入力されると、前述したようにして、音像の方向を制御する動作が行われることになる。前述したようにして、この方向制御部60においては、入力された信号に基づいて4チャンネル信号を生成する。そして、この生成された4チャンネル信号の各々は対応する加算部50、加算部52、加算部54、加算部56に入力されるので、スイッチ20が非接続状態であっても、音源仮想化処理部70には4チャンネル信号が入力されることになる。その結果、音源仮想化処理部70は、左チャンネル出力信号と右チャンネル出力信号を生成して、これらを各々、D/A変換器80、D/A変換器85でデジタルアナログ変換して、スピーカ90、92から放音される。なお、図1においてはスピーカ90、92から放音するように記載しているが、図3で説明したように、スイッチ350をヘッドホン側に切り換えてヘッドホンからステレオ音を聞くこともできる。
【0041】
以上のように、本発明の実施形態によれば、音像の定位方向を連続的に変化させることが可能になる。この結果、受聴者に対して、従来なかったような空間の広がり感を与えることが可能になるという顕著な効果を得ることができる。つまり、図7に示すように「通常時」には、実際に存在するスピーカは、受聴者前方の左右にある2つであるが、音源仮想化処理部70によって頭部の周囲に音像は定位し、「イベント発生時」には通常音の放音は停止され、バッファ46に書き込まれていた信号を利用して特定チャンネルの音が任意の位置から連続的に移動させることが可能になる。また、本実施形態の構成によれば、「通常時」から「イベント発生時」への動作切り換え時にも発音が停止することも無くなる。
【0042】
(他の実施形態)
図8は他の実施形態の音響効果装置2の構成図である。図1の音響効果装置1の構成と比較すれば分かるように、この音響効果装置2は、音響効果装置1の加算部30の代わりに、チャンネル選択部31が設けられている点が異なる点であり、その他の構成は変わる所は無い。このチャンネル選択部31は、4チャンネル信号(Lch信号、Rch信号、Lsch信号、Rsch信号)の内のいずれか一つのチャンネル信号を選択するものである。例えば、このチャンネル選択部31がRch信号を選択した場合、通常時には、係数Aが0に設定されて、Rch信号のサンプリング信号がバッファ46に書き込まれていくことになる。一方、「イベント発生時」には係数が0でない値に設定されバッファ46に書き込まれていた多数のサンプリング信号が方向制御部60に供給されることになる。なお、バッファ46への再書き込みも行われる。
【0043】
なお、この他の実施形態においても、チャンネル選択部31の出力側に係数Bを有する係数部を設けて音量を調整するようにすることができる。その他の動作は変わるところが無く詳細な動作説明は省略するが、加算部30によってチャンネル信号の加算を行わずに、任意の1つのチャンネル信号を選択することによっても、音像の定位方向を連続的に変化させて、受聴者に対して、従来なかったような空間の広がり感を与えることが可能になる。
【0044】
図9は、サウンド切替時の時間軸でのイメージの説明図である。例えば、ゲームにおいて場面が転換する場合、サウンドがサウンド1からサウンド2に切り替わる場合の動作を説明する。図9中、長方形は通常再生音、三角形がイベント発生の音響効果音が発生していることを示している。先ず、(1)これまでの場面でサウンド1が通常再生されている。そして、場面転換してイベントが発生してこれまでのゲーム場面は終了して、本発明の音響効果が顕れる(2)。そして、新たな場面が始まって、新たなサウンド2が再生開始されるが、本発明の音響効果は継続中である(3)。そして、この音響効果が消滅したら(又は十分に減衰したら)、処理を通常状態に戻すことになる(4)。
【0045】
ここで、図9に示す状態Aにおいては「(1)サウンド1通常再生、スイッチ20接続状態(通過状態)、スイッチ21オン状態(通過状態)、スイッチ40オフ状態(阻止状態)、係数A=0」、状態Bにおいては、「(2)サウンド1イベント発生、スイッチ20非接続状態(阻止状態)、スイッチ21オフ状態(阻止状態)、スイッチ40オン状態(通過状態)、係数Aは「−1.0<A<+1.0(但しAは≠0)」」、であり、そして、状態Cにおいては、「(3)サウンド2再生開始、かつ、サウンド1イベント継続中、スイッチ20接続状態(通過状態)、スイッチ21オフ状態(阻止状態)、スイッチ40オン状態(通過状態)、係数Aは「−1.0<A<+1.0(但しAは≠0)」」となり、次のA状態において、「(4)、(5)サウンド2通常再生、スイッチ20接続状態(通過状態)、スイッチ21オン状態(通過状態)、スイッチ40オフ状態(阻止状態)、係数A=0」である。状態Cが本発明の新たな音響効果の状態となる。
【0046】
なお、以上の実施形態の説明によれば4chマルチシステムを想定したものであるが、例えば、5chマルチシステム等でも音像の方向制御を同様に行うことが可能である。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、構成において種々の変更や変更を行うことは可能である。
【産業上の利用可能性】
【0047】
以上説明してきたように、本発明によれば、例えばゲーム機におけるゲームBGM音等に利用することができる。
【符号の説明】
【0048】
1 音響効果装置
2 音響効果装置
10 マルチチャンネル音源部
20 スイッチ
30 加算部
31 チャンネル選択部
40 スイッチ
45 係数部(係数A)
46 バッファ
50 加算部
52 加算部
54 加算部
56 加算部
60 方向制御部
70 音源仮想化処理部
80 D/A変換器
85 D/A変換器
90 スピーカ
92 スピーカ
100 制御部
500 制御部(方向制御部60用)
510 L信号生成用係数乗算部
520 R信号生成用係数乗算部
530 Ls信号生成用係数乗算部
540 Rs信号生成用係数乗算部
550 パンニング係数用テーブル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9