特許第5920932号(P5920932)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5920932データを生成し、転送するためのシステムおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5920932
(24)【登録日】2016年4月22日
(45)【発行日】2016年5月18日
(54)【発明の名称】データを生成し、転送するためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/00 20060101AFI20160428BHJP
   A61B 5/02 20060101ALI20160428BHJP
   A61B 5/04 20060101ALI20160428BHJP
【FI】
   A61B5/00 102C
   A61B5/02 Z
   A61B5/02 350
   A61B5/04 R
【請求項の数】15
【全頁数】61
(21)【出願番号】特願2013-109445(P2013-109445)
(22)【出願日】2013年5月24日
(62)【分割の表示】特願2001-519818(P2001-519818)の分割
【原出願日】2000年8月31日
(65)【公開番号】特開2013-215583(P2013-215583A)
(43)【公開日】2013年10月24日
【審査請求日】2013年5月24日
【審判番号】不服2015-6519(P2015-6519/J1)
【審判請求日】2015年4月7日
(31)【優先権主張番号】09/387,013
(32)【優先日】1999年8月31日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500507146
【氏名又は名称】ジーイー・メディカル・システムズ・インフォメーション・テクノロジーズ・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100137545
【弁理士】
【氏名又は名称】荒川 聡志
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】100129779
【弁理士】
【氏名又は名称】黒川 俊久
(72)【発明者】
【氏名】デイビツド・イー・アルバート
(72)【発明者】
【氏名】カール・ジエイ・リーガー
(72)【発明者】
【氏名】マツク・エル・レイター
(72)【発明者】
【氏名】リツク・スレーブン
【合議体】
【審判長】 郡山 順
【審判官】 麻生 哲朗
【審判官】 渡戸 正義
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−143573(JP,A)
【文献】 特開平11−203141(JP,A)
【文献】 特開平10−312430(JP,A)
【文献】 特開平10−320410(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療データを生成し、転送するためのシステムであって、
第1のコンピュータ(18)のインターネットサイトのアドレスを定義する印がマーク付けされ、ユーザの身体機能または身体状況を検知するハンドヘルドセンサと、
表示装置を備える可搬型汎用パーソナルコンピュータのデジタル処理回路が、前記センサによって検知されたユーザの身体機能または身体状況を表す電気信号を前記センサから受信する、可搬型汎用パーソナルコンピュータとを含み、
前記可搬型汎用パーソナルコンピュータが、コンピュータ通信ネットワーク(4)を介して、受信した前記電気信号を処理するプログラムを、前記印に従ってアクセスした前記第1のコンピュータ(18)からダウンロードし、前記プログラムを使用して、受信した前記電気信号を処理し、受信した前記電気信号に応じて生成された前記ユーザの生物学的機能または生物学的状況の表現を前記表示装置に表示するように構成されており、
前記可搬型汎用パーソナルコンピュータが、受信した前記電気信号を表わすデータを、前記プログラムに基づいて、前記第1のコンピュータ(18)とは異なる第2のコンピュータ(20)にコンピュータ通信ネットワーク(4)を介して送信する、システム。
【請求項2】
前記第2のコンピュータ(20)が、コンピュータ通信ネットワークを介して転送されたデータを受信し、そのデータを検索可能データベースに記憶するようにプログラミングされている請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記センサが、前記ユーザの心臓の活動である、検知された生物学的機能または生物学的状況を示す信号を生成する、請求項1または2に記載のシステム。
【請求項4】
前記第2のコンピュータ(20)が、コンピュータ通信ネットワークを介して転送されたデータを受信するように、また、それに応答して別の信号をエンドユーザに送信するようにプログラミングされている請求項1乃至3のいずれかに記載のシステム。
【請求項5】
前記センサが、他者の介助なしにユーザが保持することにより、身体機能または身体状況を検知するポータブル心臓監視装置であり、
前記可搬型汎用パーソナルコンピュータが、マイクロフォンを備え、
前記ポータブル心臓監視装置が、
拍動する心臓のエネルギーを電気信号に変換する装置と、
前記マイクロフォンに向けて音響信号を発生させる拡声器と、
前記変換する装置からの前記電気信号を前記音響信号を発生させる信号に変換し、前記拡声器に供給する手段と、
を含む、請求項1乃至4のいずれかに記載のシステム。
【請求項6】
前記第1のコンピュータ(18)は、登録された患者だけに前記プログラムのダウンロードを可能にするように、患者のパスワードを要求する患者ID入力欄を提供する、請求項1乃至5のいずれかに記載のシステム。
【請求項7】
前記可搬型汎用パーソナルコンピュータにウェブブラウザがプログラミングされており、
前記第2のコンピュータ(20)へ、前記電気信号を表わすデータがインターネットを介してストリーミングされる、請求項1乃至6のいずれかに記載のシステム。
【請求項8】
第1のコンピュータ(18)のインターネットサイトのアドレスを定義する印がマーク付けされ、ユーザの身体機能または身体状況を検知するハンドヘルドセンサによって検知されたユーザの身体機能または身体状況を表す電気信号を前記センサから受信する、可搬型汎用パーソナルコンピュータと、前記印に従ってアクセスされ、コンピュータ通信ネットワーク(4)を介して通信し、受信した前記電気信号を処理するプログラムを、前記可搬型汎用パーソナルコンピュータがダウンロード可能に保持する第1のコンピュータ(18)と、
前記可搬型汎用パーソナルコンピュータが、前記プログラムに基づいて処理した前記電気信号を表わすデータを、コンピュータ通信ネットワーク(4)を介して受信する第2のコンピュータ(20)と、
を含み、
前記第2のコンピュータ(20)が、受信した前記データを検索可能データベースに記憶するようにプログラミングされている、
システム。
【請求項9】
前記コンピュータ通信ネットワーク(4)が、インターネットであり、前記第2のコンピュータ(20)へ、前記電気信号を表わすデータがインターネットを介してストリーミングされる、請求項1乃至8のいずれかに記載のシステム。
【請求項10】
データを生成し、送信する方法であって、
ユーザサイトに配置された可搬型コンピュータから第1のインターネットサイトに印に従ってアクセスすることと、
アクセスした第1のインターネットサイトから可搬型コンピュータにデータ獲得/送信プログラムをダウンロードすることと、
可搬型コンピュータが、前記印がマーク付けされ、ユーザの身体機能または身体状況を検知するハンドヘルドセンサからの信号を受信し、その受信した信号を処理し、それに応答してインターネットを介して第2のインターネットサイトにデータ信号を送信するように、ダウンロードしたデータ獲得/送信プログラムを有するコンピュータを操作することを含む方法。
【請求項11】
前記可搬型コンピュータが、表示を生成することとをさらに含み、この表示は転換された人体機能または人体状況のリアルタイム表現である請求項10に記載の方法。
【請求項12】
人体機能または人体状況が、拍動活動である請求項10又は11に記載の方法。
【請求項13】
第2のサイトにあるコンピュータから、患者の心臓データを無線通信ネットワークを介して医師に瞬時に送信することをさらに含む請求項10乃至12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
前記可搬型汎用パーソナルコンピュータが、マイクロフォンを備え、
前記センサが、
拍動する心臓のエネルギーを電気信号に変換する装置と、
前記マイクロフォンに向けて音響信号を発生させる拡声器と、
前記変換する装置からの前記電気信号を前記音響信号を発生させる信号に変換し、前記拡声器に供給する手段と、
を含む請求項10乃至13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
それぞれのユーザの少なくとも1つの選択した受信者に、インターネットを介して送信されたその患者に関する医療データを伝達することをさらに含む請求項10乃至14のいずれかに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、医療および他のデータを生成し、転送するためのシステムおよび方法に関する。特定の実施態様は遠隔心臓監視方法を含む。
【背景技術】
【0002】
多くの産業がリアルタイム情報を使用するが、医療分野は、このような情報が特に不可欠な分野の1つである。例えば病院では、患者はその生物学的機能や生物学的状況が継続的に監視されており、それでいかなる重要な変化も即座に検出することができ、適切な人員によって対処することができる。このような監視には、情報を生成すること、およびその情報を使用すべき場所にその情報を転送することが含まれる。
【0003】
Albert他による米国特許第5,481,255号は、医療データを、例えばページングネットワークを介して、医師が保持するパームトップコンピュータ等のコンピュータに接続されているページャレシーバに転送することを開示している。一実施例では、患者は、レシーバおよび付属コンピュータにページングネットワークを介して処理され送信される心電図(ECG)情報を生成するために、ECG装置に接続されている。
【0004】
Albert他の米国特許第5,735,285号は、ECGデータまたは他の生物医学的波形データを患者と担当医師のいる地点との間で伝達するための別の通信システムを開示している。患者は、患者のECG信号を周波数変調音声信号に変換するInstromedix社製のHEART CARD(商標)装置等を使用し、この周波数変調音声信号は、マイクロフォンと音声システムが組み込まれた選択したハンドヘルドコンピュータ装置に電話システムを介して音声を入力することによって分析することができる。このコンピュータ装置は、周波数変調信号を、ハンドヘルドコンピュータ上で提示し参照するためにデジタル化し、記録し、復調するよう機能する。この音声信号は、標準的なパーソナルコンピュータマイクロフォンを介してパーソナルコンピュータ(PC)に直接的に入力することもできる。音声信号は、例えば、標準的な「音声可能」モデムを介して電話回線接続を用いてPCに直接的に入力することができる。記憶されているECG音声信号は、無線または有線で電話を介して転送することができる。受信側では、参照するためにデジタル化し、記録し、復調するための音声FM生物医学的信号を受信するためにプログラムされたハンドヘルドコンピュータを使用することができる。このようなコンピュータは、マイクロフォン、音声AD変換器、DA変換器、拡声器、および様々なコンピュータを使用したデータ記憶および信号処理タスクを実行するためのメモリを有する中央処理装置を組み込んで一体化することができる。
【0005】
既に開示され、実施されているシステムはあるが、医療(または他の)データを生成し、転送するための新規の改善されたシステムおよび方法、特に患者が事実上どこからでもリアルタイムに医療提供者と通信することができるシステムおよび方法が依然として求められている。好ましくは、そのようなシステムおよび方法は、インターネットを介するなど、グローバルに通信することができるべきである。このようなシステムおよび方法は、安価で、平易で、使用しやすいものであるべきである。これには、専用のコンピュータアプリケーションプログラムまたはいかなる特別のハードウェアを購入したり手動でインストールすることを必要とせず、コンピュータを使用することが含まれる。このようなシステムおよび方法は、患者または他の入力ユーザと医療提供者または他の受信者の双方にとって使用に比較的費用の掛からないもの(例えば、最小限の設備要件、長距離電話料金なし)であるべきである。このようなシステムおよび方法は、入力ユーザから受信者に対して正確なデータを迅速に供給するべきである(理想的にはリアルタイムで)。
【0006】
発明の概要 本発明は、医療および他のデータを生成して転送するための新規かつ改善されたシステムおよび方法を提供することによって前述の必要性を満たしている。例えば、このシステムおよび方法は、複数の患者の生物学的機能および生物学的状況を監視すること、およびその結果得られたデータをそれぞれの医療提供者に報告することを可能にする。特定の実施態様では、本発明は、遠隔心臓監視を提供する。
【0007】
好ましい実施態様では、患者が操作することができる装置は、その患者のいくつかの機能または状況を検知する。一実施例は、患者が自分の胸部に保持することができる小型で費用の掛からない、ハンドヘルドの心臓モニタであるが、使用の際、この装置は、心電図のように心臓の拍動に応答して音響信号を出力する。患者が操作することができるコンピュータは、コンピュータに接続されているマイクロフォンが音響信号を受信したときにそれに応答して生成された電気信号を処理するプログラムを実行する。このコンピュータは、その結果得られたデータ信号をコンピュータ通信ネットワーク、好ましくはインターネット等のグローバル通信ネットワークを介して送信することができる。複数の上記構成要素を使用することは、コンピュータ通信ネットワークにアクセスすることができる患者ならば何人でも、自分の状況に関するリアルタイム情報を自分の医療提供者に対して迅速で容易に、安価に正確に提供することができる。このリアルタイム情報は、個人が運動の最中に、または単に検知された状況を監視または調節しようとする際に(例えば、心拍数、血圧、ストレスを低減しようとして)ローカルに使用することもできる。
【0008】
本発明の医療データを生成して転送するためのシステムの一定義は、生物学的機能または生物学的状況を検知するための手段と、検知するための手段とインターネットを介して通信する、検知された生物学的機能または生物学的状況に対する応答を転送するための手段を備える。
【0009】
本発明の別の定義によれば、システムは、人間のユーザが自分の身体機能または身体状況を検知するために使用するセンサを備える。これは、そのセンサに配置されているパーソナルコンピュータをも備える。このパーソナルコンピュータはマイクロフォンコネクタとAD変換手段とを有しているが、これらは、パーソナルコンピュータのデジタル処理回路が、センサが検知したユーザの身体機能または身体状況に応答してマイクロフォンコネクタを介して受信したアナログ電気信号から導き出したデジタル電気信号をAD変換手段から受信するようセンサと通信する。パーソナルコンピュータは、受信したデジタル電気信号を表わすデータを、センサがユーザの身体機能または身体状況を検知したのと同時にコンピュータ通信ネットワークを介して転送するようにプログラミングされている。このシステムは、医療施設に配置されており、コンピュータ通信ネットワークと通信するように接続されている受信者コンピュータをさらに含むことができるが、この場合、受信者コンピュータは、コンピュータ通信ネットワークを介して転送されたデータを受信し、検知された身体機能または身体状況の可視的表現を提供し、そのデータを検索可能データベースに記憶するようにプログラミングされている。このシステムは、データ通信サービスプロバイダ施設に配置され、コンピュータ通信ネットワークで通信するように接続されている受信者コンピュータを含むことができるが、この場合、受信者コンピュータは、コンピュータ通信ネットワークを介して転送されたデータを受信し、それに応答して別の信号をエンドユーザに送信するようにプログラミングされている。
【0010】
医療データを生成し、転送するためのシステムに関する本発明のさらに別の定義には、生物学的機能または生物学的状況に瞬時に応答して音響信号を供給するセンサ、そのセンサに付随して配置されておりそのセンサから音響信号が供給された際にその音響信号を受信するためのマイクロフォン、そのマイクロフォンに接続されており、音響信号を受信するマイクロフォンにリアルタイムに応答して、受信した音響信号を表現する電気信号をインターネットを介して転送するように構成されているコンピュータが含まれる。一実施形態では、コンピュータは、ウェブブラウザおよび医療データ獲得/送信プログラムがプログラミングされているパーソナルコンピュータを含む。医療データ獲得/送信プログラムは、ウェブブラウザを使用してアクセスされるインターネットサイトからダウンロードすることができる。
【0011】
本発明のシステムは、データのタイプに関して限定することなく、定義することもできる。このシステムは、初期ユーザサイトのそれぞれがデータ生成ソースと、データ生成ソースから信号を受信し、インターネットにアクセスするように接続されているコンピュータとを有する複数の初期ユーザサイト、およびそれぞれのコンピュータがそれぞれのデータ生成ソースから受信した信号を処理して、応答信号をインターネットを介して送信することができるように各初期ユーザサイトがインターネットサイトを介してデータ獲得/送信プログラムにアクセスすることができるような、複数の初期ユーザサイトのそれぞれからアドレス指定可能なインターネットサイトとを含む。各初期ユーザサイトは、1つまたは複数の受信者サイトにインターネットを介して瞬時に送信することができることが好ましい。同様に、受信者サイトの受信側コンピュータは、1つまたは複数の初期ユーザサイトからリアルタイムに信号を受信して表示することができる。
【0012】
本発明の態様による医療データを生成して転送する方法は、患者から直接的に人体機能または人体状況を第1の信号に転換することと、患者のサイトで第1の信号をインターネットを介して送信するように構成される第2の信号に変換することと、第2の信号をインターネットを介して受信者に送信することとを含む。一実施態様では、方法は、転換すること、変換すること、送信することを同時に実施することと、及びこれらの実施と同時に、送信された第2の信号に応答して受信者側で表示を生成することとをさらに含むが、この信号において、この表示は、転換された人体機能または人体状況のリアルタイム表現である。
【0013】
本発明によるデータを生成して転送する方法は、データ生成ソースが配置されているコンピュータからインターネットサイトにアクセスすること、アクセスされているインターネットサイトからコンピュータにデータ獲得/送信プログラムをダウンロードすること、コンピュータがデータ生成ソースから信号を受信し、その受信した信号を処理し、それに応答してデータ信号をインターネットを介して送信するように、ダウンロードしたデータ獲得/送信プログラムを使用してコンピュータを操作することを含む。特定の実施態様では、プログラムを獲得したインターネット上の特定ウェブサイトにコンピュータが接続されていない限り、ダウンロードしたプログラムは動作してもしなくてもよい。
【0014】
個人の生物学的機能または生物学的状況を表わす医療データを生成するための本発明の方法は、 (a)個人に配置されているパーソナルコンピュータを使用してインターネットサイトにアクセスすることであって、パーソナルコンピュータは従来のオペレーティングプログラムでプログラミングされていること、 (b)アクセスしたインターネットサイトからパーソナルコンピュータに、従来のオペレーティングプログラムで自動的に動作可能な医療データ獲得プログラムをダウンロードすること、 (c)個人の生物学的機能または生物学的状況に応答して音響信号を生成すること、 (d)個人の付近にあるマイクロフォンによって音響信号を受信して、受信した音響信号をそのマイクロフォンを用いてアナログ電気信号に変換すること、 (e)マイクロフォンからのアナログ電気信号をパーソナルコンピュータのAD変換回路に伝達し、それによってアナログ電気信号をデジタル電気信号に変換すること、 (f)医療データ獲得プログラムの制御下で、パーソナルコンピュータ内でデジタル電気信号を処理すること、 (g)パーソナルコンピュータを介して、音響信号が応答して生成された個人の生物学的機能または生物学的状況の表現を個人に表示すること、 を含む。ステップ(h)として、応答データを記憶して再検討するためにインターネットを介して別のサイトに送信することができる。このような1つまたは複数の別のサイトから、例えばデータをページングまたは他の無線ネットワークを介して例えば医師に送信することができる。好ましい実施形態では、少なくともステップ(c)から(h)がリアルタイムで同時に実施される。
【0015】
本発明による複数の患者の生物学的機能および生物学的状況を監視する方法の別の定義は、各患者に、患者の少なくとも1つの生物学的機能または生物学的状況を検出するための少なくとも1つのセンサを配分すること、患者のそれぞれのセンサからの信号を受信してこれを処理し、これに応答して医療データをインターネット上で送信するためにそれらのコンピュータを制御するための医療データ獲得/送信プログラムを患者が患者のいる位置にあるコンピュータから使用することができるように、患者がアクセス可能なインターネットサイトで医療データ獲得/送信プログラムを維持することを含む。この方法は、インターネットを介して送信された医療データの少なくとも一部を受信するために、複数の医師にレシーバ(送信機能付きまたは送信機能なしの)を配分することをさらに含むことができる。これは、インターネット上で送信された医療データを受信して、その受信した医療データを無線ネットワークを介して各医師の少なくとも1つのレシーバに送信するために、インターネット受信およびページングまたは他の無線通信ネットワーク送信を組み合わせたサイトを実現することもさらに含むことができる。方法は、各センサをそのインターネットサイトのアドレスを定義する印によってマーク付けすることを含むこともできる。
【0016】
したがって、上記のことから、医療および他のデータを生成して転送するための新規で改善されたシステムおよび方法を提供することが本発明の全般的な目的である。本発明のこれ以外の、そしてさらなる目的、機能および利点は、以下の好ましい実施形態に関する説明を添付の図面と関連させて読めば当業者には容易に明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明のシステムの一構成を示すブロック図である。
図2図1の構成の一変形形態を示すブロック図であって、医療データを受信者サイトに供給するために必要なソフトウェアプログラムを獲得するために患者サイトがログオンサイトにアクセスしている図である。
図3図2に示すシステムの一実施態様を示すブロック図である。
図4図2に示すシステムの別の実施態様を示すブロック図である。
図5】患者サイトの一実施態様を示す図である。
図6図2〜5の実施態様を使用し操作するための全般的な流れ図である。
図7図5に示す患者サイトのさらに詳細なブロック図である。
図8図7に示すタイプの少なくとも1つの患者サイトを含む本発明のシステムの特定実施態様を示す図である。
図9図8のシステムのための医療データ獲得/送信のための流れ図である。
図10図8のシステムの患者のサイトから遠隔にある受信者インターネットサイトでデータを表示するための流れ図である。
【0018】
発明の詳細な説明 医療データ獲得/送信の一実施例に適用されるような本発明のシステムの一般的な図面を図1に示す。本発明は、下記で説明する要領で処理することができる他のデータの生成および転送にも使用することができる。
【0019】
患者サイトが1つだけあることが必要とされているが、通常は複数の患者サイト2a〜2nがある(本明細書で使用する「患者」という用語は、病人または医療提供者から治療を受ける必要のある人物に限定されるものではなく、単に本発明を医療関係で使用する個人を意味するものである)。これらのサイトは患者(より広範には、初期ユーザまたは単にある種のデータ生成ソース)のいるすべての場所であり、患者がコンピュータおよび通信ネットワークにアクセスできるすべての場所であるが、これは、図面および本発明の以下の説明においては具体的にインターネット4を含むように図示されている(本明細書で使用する「インターネット」という用語は、通称グローバルコンピュータネットワークとして知られているもの、本発明で使用するのに適したそのいかなる機能的部分(例えばワールドワイドウェブ)、本発明の通信リンクを提供することができる他のいかなる適したグローバルコンピュータネットワークを包含するものである)。インターネット4には、患者サイト2a〜2nが通信することができる少なくとも1つの遠隔サイト6も接続されている。
【0020】
1つまたは複数の遠隔インターネットサイト6は様々な方法で実施することができるが、好ましい実施形態の2つの特定のタイプを図2に示す。1つまたは複数のログオンサイト6aは、患者がそのサイトでそのログオンサイトのアドレスに入ることによってアドレス指定される。そのようなログオンサイト6aは、患者がそれぞれの患者サイト2から明白にアドレス指定することを必要とする唯一のサイトである。
【0021】
上記は患者が入る必要のある唯一の明白なアドレスであるが、図2の受信者サイト6bとして示されるように、他の遠隔サイトにアクセスすることも可能である。好ましい実施形態では、データが患者サイト2からエンドユーザに対して送信されるべきときには、そのようなサイトに自動的にアドレス指定することができる。これはログオンサイト6a全体で発生する可能性があるが、図2に示した実施形態では、物理的にも機能的にも別個の受信者インターネットサイトがある。
【0022】
上記のさらなる概要を図3〜6を参照しながら以下で説明する。次に、より詳細な説明を図7〜10を参照しながら説明する。
【0023】
図3を参照すると、患者サイト2は、生物学的機能または生物学的状況を検知するための手段(より広範には、データ生成ソース、例えば本明細書で説明するコンピュータが使用するために適した信号を生成することによってある種の環境パラメータに応答する装置)を含む。これは、検知する手段と、インターネットを介して検知した生物学的機能または生物学的状況への応答を転送するための手段と通信する手段をも含む。検知するための手段は、それぞれの患者の身体機能または身体状況を検知するのに適した少なくとも1つのセンサ8を含む。転送するための手段は、1つまたは複数のセンサ8から信号を受信し、インターネット4にアクセスするように接続されているコンピュータ10を含む。
【0024】
特定の実施態様では、センサ8は、安価で、使用し易いハンドヘルド装置を含む。図5に示すように、センサ8は、この例では患者の心臓の活動である、検知された生物学的機能または生物学的状況に応答して音響出力信号を提供する心臓モニタを含む。患者はこの装置を手で自分の胸部に保持することができるが、これは別の人物によって行うこともでき、あるいはこの装置は胸部に貼り付けてもよく、(例えば)伸縮性の紐で保持してもよい。図5のこの実施態様のセンサ8は、患者12に隣接して拍動する心臓からのエネルギーを音響信号に変換するハンドヘルドトランスデューサを含む。この音響信号は、コンピュータ10を実現するパーソナルコンピュータ16の従来型マイクロフォンジャックに接続されているマイクロフォン14によって検出することができる。本明細書および特許請求の範囲で使用する「パーソナルコンピュータ」という用語は、サイズの指定(例えば、デスクトップ、ラップトップ、ノートブック、ハンドヘルド、パームトップ等)に関係なく従来からパーソナルコンピュータと呼ばれているすべての種類のコンピュータを包含するものである。センサの非限定的な例は、(1)ECGデータを供給するための心拍中に発生する電位の変化、または(2)EEGデータを供給するための脳波、または(3)血量計データを供給するための臓器または四肢の大きさの変動、およびその場所の血量または血流量の変動、または(4)電気皮膚反応に応答する出力を供給できるセンサである。
【0025】
いかなる特定のセンサ8も、コンピュータ10に入力するのに適したある種の信号を供給することを単に必要とするだけであることに留意されたい(すなわち、本発明の「データ」はそのような信号によって表わされたものすべてを含む)。図5の実施形態では、この実施形態の音響信号を、パーソナルコンピュータ16が使用する対応するアナログ電気信号に変換するためのマイクロフォン14が使用される。センサ8は、例えば、電気信号出力をパーソナルコンピュータ16に直接的に供給するタイプであってよい。
【0026】
図5の実施態様のパーソナルコンピュータ16はマイクロフォン14に接続されており、インターネット4にアクセスして、マイクロフォン14からのパーソナルコンピュータ16への入力に応答して、センサの出力信号の表現を、選択したインターネットサイトにインターネット4を介して転送するための回路およびプログラムを含む。すなわち、パーソナルコンピュータ16は、マイクロフォンまたは、センサ8自体等の他の装置から受信した電気信号を表わすデータをインターネット4を介してパーソナルコンピュータ16に転送する。パーソナルコンピュータ16は、まず、患者または他のユーザが、患者サイトでパーソナルコンピュータ16を介してインターネット4にアクセスすることを可能にするのに十分な従来のプログラムだけによってプログラミングされる必要がある。このプログラミングは、従来のウェブブラウザを含むことができる。パーソナルコンピュータ16は、使用するいくつかの時点において、医療データ(または他の実施形態のために使用されるような他の特定タイプのデータ)獲得/送信プログラム(より広範な用語としては、単にデータ獲得/送信プログラム)をプログラミングすることもできる。好ましい実施形態では、このプログラムは、ウェブブラウザを使用してログオンサイト6aからパーソナルコンピュータ16にダウンロードすることができる。このプログラムは、アプリケーション「プラグイン」、「Java(登録商標)アプレット」または「ActiveX制御」の好ましい特定の実施態様などの、任意の適切な形態であってよい。パーソナルコンピュータ16は、任意の適切な通信リンク(例えば、電話回線、テレビジョンケーブル)によってインターネット4に接続する。
【0027】
パーソナルコンピュータ16の回路およびプログラミングはまた、最終的には、マイクロフォン14または他の入力装置からの信号を受信する入力ポートを読み取り、その入力信号を処理し、データを転送するべき受信者インターネットサイトにアクセスし、そのデータをインターネットを介して受信者サイトに送信する機能を提供するには十分である。
【0028】
再度図3を参照すると、この実施形態中のログオンサイト6aは、患者サイト2にダウンロードするために記憶されている医療データ獲得/送信プログラムを有するコンピュータ18を含む。すなわち、この実施態様のログオンサイト6は、複数の患者サイトのそれぞれからアドレス指定可能なインターネットサイトであり、したがって、それぞれの患者サイトにあるそれぞれのコンピュータ10(例えば、パーソナルコンピュータ16)が、そこに接続されている患者センサから受信した信号を処理して、インターネット4を介して応答信号を送信することを可能にするために、各患者サイトはインターネットサイトを介して医療データ獲得/送信プログラムにアクセスすることができる。
【0029】
このログオンサイト6は、任意の適切な方法によって実施することができる。例えば、患者が最初にインターネットにログオンした時に、患者サイトのコンピュータがアクセスする既存のインターネットサービスプロバイダによって提供することができる。
【0030】
さらに図3を参照すると、受信者サイト6bは、データを受信してそれを表示装置22(例えば、モニタ、またはプリンタ)によって表示するようにプログラミングされているコンピュータ20を含む。図3の実施態様では、コンピュータ20は、インターネットを介して転送された応答を受信し、その情報を表示装置22を介して直接的に伝達する。例えば、コンピュータ20は、医療施設に配置することができ、インターネットで通信するように接続することができる。このようなコンピュータは、インターネットを介して転送された応答を受信して、検知された生物学的機能または生物学的状況の可視的表現を提供するようにプログラミングされている。
【0031】
受信者サイト6bの別の実施態様を図4に示す。この実施態様では、受信者サイト6bは患者サイトとデータのエンドユーザとの間の媒介として機能する。図4に示すように、受信者サイト6bはコンピュータ20を依然として含んでいるが、このコンピュータは、データを表示装置22以外に転送するように追加的にプログラミングされている。図4において、コンピュータ20は、データを無線ネットワーク24(しかし別の実施形態では別の通信技術を使用することができる)に伝達するようにプログラミングされており、その無線ネットワークはそのシステムによってそのデータを無線データレシーバとコンピュータの組み合わせ26に送信する。無線システムは、データ送信を提供することのできるもの(例えば、データ送信を提供するGSM(商標)またはCDMA等のデジタル電話システム、双方向ページングシステム、単方向ページングシステム)の1つである。この種の転送は、参照により本明細書に組み込まれた、上記の背景説明で引用した特許に記載の知られている技術に従って行うことができる。この実施態様では、受信者コンピュータ20は、データ通信サービスプロバイダ施設に配置することができる。このコンピュータ20は、インターネット4と通信するように接続されており、インターネットを介して送信された応答信号の少なくとも一部を受信し、それに応答して受信者コンピュータ20からエンドユーザに対してエンドユーザ信号を送信するようにプログラミングされている。エンドユーザ信号は、センサ8が最初に検知した通りの人体機能または人体状況(または他のデータ)の表現である。
【0032】
上記の通り、ログオンサイト6aと受信者サイト6bは、患者サイトにダウンロードされるべき医療データ獲得/送信プログラムと、また、データを受信してそれを直接的に表示するかまたはエンドユーザに別の手段で転送するかのために必要なプログラムの両方を単一サイトが提供するように結合することができる。これは、下記で説明する図8に示す。
【0033】
次に、上記実施形態に関する本発明の方法を図6を参照しながら説明する。患者のいる場所にあるコンピュータ10(例えば、パーソナルコンピュータ16)を使用して、それぞれの患者のサイトから医療データ獲得/送信プログラムを有するインターネットサイトにアクセスする。アクセスは、それ自体のウェブブラウザを実行するか、あるいは他の方法でインターネット4へのアクセスすることができる患者サイト2のコンピュータ10によって行われる。一旦インターネットにアクセスされると、コンピュータ10は、医療データ獲得/送信プログラムが置かれている、知られているログオンサイトにアクセスする。これは、そこを介してインターネットにアクセスされるサイトであってよく、医療データ獲得/送信プログラムを含んでいるサイトはインターネットポータルとは別であってよい。
【0034】
適切なサイトへのアクセスが完了すると、識別情報(例えば、名前、パスワード)を入力して(例えば、患者が手動で、または患者のコンピュータ10を事前にプログラミングしておくことによって自動的に)、患者サイト2のコンピュータ10が医療データ獲得/送信プログラムを選択してダウンロードすることが可能になる。図3および4に示した実施形態のログオンサイト6aに適切な情報が供給されると、医療データ獲得/送信プログラムは患者サイト2のコンピュータ10にダウンロードされるか、または患者サイト2のコンピュータ10が使用するためのアクセスが可能になる。
【0035】
医療データ獲得/送信プログラムは、患者が、患者サイトでコンピュータ10に送信されるべき生物学的機能または生物学的状況を検知するようセンサを操作する以外に機能を実施することを必要とせず、患者サイト2でいつでも機能を実施できるようにアクティブモードでダウンロードされることが好ましい。図5の実施態様では、患者12は心臓モニタ8を自分の胸部に保持する。心臓モニタ8は、マイクロフォン14に送信される対応する音響信号を生成することによって拍動する心臓に応答する。マイクロフォン14は、その信号を、ダウンロードした医療データ獲得/送信プログラムがプログラミングされたパーソナルコンピュータ16に伝達されるアナログ電気信号に変換する。医療データ獲得/送信プログラムを使用する際、パーソナルコンピュータ16は、信号を受信し、その受信した信号を処理し、応答して医療データ信号をインターネット4で送信する。
【0036】
受信者サイト6bに対してインターネット4を介して送信することには、コンピュータ10から第2のインターネットサイトにアクセスすること、およびアクセスされた第2のインターネットサイト6bにインターネットを介して患者データを送信することが含まれるが、これらは両方ともコンピュータ10が使用する医療データ獲得/送信プログラムの制御を受けている。
【0037】
図6に示す上記のものに加えて、本発明の方法は、送信された医療データ信号を受信者サイトでインターネットを介して受信することをさらに含む場合がある。上記で説明した通り、これは、医療施設やデータ通信サービスプロバイダ施設等のいかなる適切なサイトであってもよい。前者は一般にデータのエンドユーザである一方、後者は一般にエンドユーザにデータを転送する媒介である。データ通信サーバプロバイダ施設からエンドユーザに対して送信することを含むことができると図4を参照しながら上述したように、エンドユーザは、受信した医療データ信号に応答して信号を送る。図4では、これは、無線データネットワーク24を介して医療データ信号を送信することを含む。
【0038】
エンドユーザがデータを受信すると、受信した信号に応答して表示が生成される。この表示は、人体機能または人体状況の転換された表現である。センサ8を実施中の心臓モニタの例では、この表示は検出された心臓の拍動のエネルギーに対応する波形である場合がある。この表示は、コンピュータモニタまたはプリンタまたは他の表示装置による方法であってよい。
【0039】
本発明の方法は、各患者に少なくとも1つのセンサを任意の適切な手段(例えば、医療施設で、ダイレクトメールで)によって配分することを含むものとして定義することもできる。例えば、これは、患者一人一人が介助なしに自分の胸部に保持することができるポータブル心臓監視装置を複数の患者それぞれに配分することを含む。各センサは、ログオンサイト6aのインターネットサイトのアドレスを定義する印によってマーク付けすることができる。図3および4の好ましい実施形態では、これには、一人または複数の患者が医療データ獲得/送信プログラムをダウンロードするためにアクセスすることになる、それぞれのログオンサイト6aのワールドワイドウェブのアドレスが含まれる場合がある。
【0040】
この方法は、患者それぞれのセンサからの信号を受信して処理し、応答してインターネットを介して医療データを送信するように患者のそれぞれのコンピュータを制御するために医療データ獲得/送信プログラムを患者が使用できるように、患者がアクセス可能なインターネットサイトに医療データ獲得/送信プログラムを維持することをさらに含む。このプログラムの使用は、ウェブブラウザプログラムまたは患者のいる場所にあるコンピュータにロードされている他の適切なプログラミングを使用してインターネットサイトにアクセスすることによって可能になる。
【0041】
医療データ獲得/送信プログラムを維持することには、図3および4のインターネットサイト6aでコンピュータにプログラムを記憶することを含む。この方法は、インターネットサイトのコンピュータに医療データの潜在的な受信者のデータベースを記憶することをさらに含むことができるが、ここで、データベースは各患者によってもアクセスすることができ、その結果、各患者は、自分に関する医療データを受信するように選択した少なくとも1つの受信者をその潜在的な受信者から区別することができる。
【0042】
エンドユーザに情報を提供する1つの方法は、インターネットを介して送信される医療データの少なくとも一部を受信するための複数の医師のレシーバに配分することである。このレシーバ(送信機能を有することもできる)は、本明細書の従来の技術で説明した特許に記載してあり、参照により本明細書に組み込んだ、パームトップコンピュータに接続されているページャを含むことができる。
次に、上記に関するより詳細な説明を図7〜10を参照しながら説明する。
【0043】
図7に、図5で全般的に識別された構成要素の特別な実施態様を示す。これは、センサ8、マイクロフォン14、パーソナルコンピュータ16を含む。センサ8は、生物学的機能または生物学的状況に、すなわち図示する実施態様においては拍動する心臓に、瞬時に応答する音響信号を供給する。マイクロフォン14は、センサ8から供給される音響信号を信号として受信するようにセンサ8に付随して配置されている。パーソナルコンピュータ16はこのマイクロフォンに接続されており、マイクロフォンが音響信号を受信するのにリアルタイム応答して、受信した音響信号を表現する電気信号をインターネットを介して転送するように構成されている。
【0044】
図7の実施態様のセンサ8は、拍動する心臓のエネルギーを電気信号に変換する装置30を含む。これは、図7に示す従来型心電図(ECG)の電極または他の適切な装置(例えば、適切な圧電装置)であってもよい。装置30によって生成された電気信号は増幅器32によって増幅される。増幅器32の出力は、電圧周波数変換器34によって処理されて、拡声器36からマイクロフォン14に向けて音響信号を発生させる交流信号を供給する。
【0045】
マイクロフォン14は、音響信号を、パーソナルコンピュータ16の接続されたマイクロフォンジャック38を介して伝えられるアナログ電気信号に変換する。マイクロフォンジャック38は、パーソナルコンピュータ16のAD変換回路40の入力部に接続する。回路40は、マイクロフォン14からのアナログ信号をマイクロプロセッサ回路42が使用することができるデジタル信号に変換することによってマイクロフォンをコンピュータにインターフェースする。マイクロプロセッサ回路42は、マウス44、キーボード46、表示装置48に接続されている。マイクロプロセッサ回路42は、電話回線(例えばモデム)への結合など、インターネット接続50とも通信する。
【0046】
AD変換回路40は、少なくとも8ビットの解像度、および毎秒8000以上のサンプルを提供することが好ましいが、これは従来技術で実施することができ、Creative Lab製のSOUND BLASTERブランドのサウンドカードがその一例である。マイクロプロセッサ回路42も従来技術であるが、名目上最低20メガヘルツ級のマイクロプロセッサを有することが好ましい。これは、プログラムの記憶および機能を処理するための適切なメモリ(例えば、通常は読み出し専用メモリとランダムアクセスメモリの両方)を含む。このようなメモリのプログラミングも、上記の医療データ獲得/送信プログラムをロードする以前の従来技術である。この従来からのプログラミングには、例えばWindows(登録商標)オペレーティングシステムと、Microsoft社製のINTERNET EXPLORERプログラムまたはNetscape社製のNAVIGATORプログラム等の互換ウェブブラウザを含むことができる。したがって、前述および図7に示す他の構成要素を従来型装置で実施することができる。
【0047】
図8の簡約化されたブロック図に示す図7の装置では、センサ8、マイクロフォン14、およびパーソナルコンピュータ16のサイトに位置する患者は、インターネットにログオンするために、パーソナルコンピュータ16に記憶されているウェブブラウザを使用する。通常、これは患者が使用するいかなるインターネットサービスプロバイダを介しても行われる。非限定的な例は、America On−LineおよびAT&T Worldnetを含む。一旦患者が自分のインターネットサービスプロバイダにログオンすると、患者は、医療データ獲得/送信プログラムがそのインターネットサービスプロバイダサイトで入手可能でない場合は、医療データ獲得/送信プログラムを含んでいるインターネットサイトのアドレスをタイプする。例えば図8に示す場合、患者はアドレス「http//www.datacritical.com」を入力する。datacritical.comのホームページが、パーソナルコンピュータ16の表示装置48上に表れる。このホームページを介して、患者は、医療データ獲得/送信プログラムをダウンロードするか、そうでない場合はこのプログラムにアクセスする。一例では、datacritical.comのホームページは、プログラムをダウンロードするページに移動することを患者が選択するリンクを含んでいる。このリンクされたページには、ある人物にプログラムのダウンロードを許可するために登録を必要とする場合には、登録された患者だけにプログラムのダウンロードを可能にするように、患者の一意のパスワードを要求するような患者ID入力欄が含まれる。
【0048】
患者のコンピュータ16にダウンロードされる医療データ獲得/送信プログラムの一例を本明細書末尾に添付する。このプログラムは、本発明の実施を可能にするいかなる適切な言語およびタイプであってよいが、非限定的な例としては、ActiveX、Java(登録商標)またはプラグインモジュールによるプログラムが挙げられる。このプログラムは、医療データを受信して、それをローカルに表示したり、インターネット上で送信するために処理するようプログラムを作動させるために患者が何もする必要がないように、アクティブモードでダウンロードされることが好ましい。
【0049】
ダウンロードしたプログラムを実行すると、音響信号が、患者サイトで、監視を受けている個人の生物学的機能または生物学的状況に応答して生成される。これは、図7および8の例では心臓モニタが含まれる。音響信号は、個人の付近にあるマイクロフォン14で受信される。マイクロフォン14は、その音響信号をアナログ電気信号に変換する。このアナログ電気信号はマイクロフォン14からAD変換回路40に伝達され、そこでデジタル電気信号に変換される。デジタル電気信号は、既にダウンロードされ、その時点で実行中の医療データ獲得/送信プログラムの制御下でパーソナルコンピュータ16のマイクロプロセッサ回路42で処理される。次いでこのプログラムは、パーソナルコンピュータ16の表示装置48を介して、応答して音響信号を生成した個人の生物学的機能または生物学的状況の表現を個人に表示することができる。医療データ獲得/送信プログラムは、インターネット上でデータを送信することもできる。図8の例では、データはdatacritical.comに送信され、そこで検索可能なデータベースに記憶することができ、エンドユーザに送信することができる。エンドユーザへの送信は、個人の生物学的機能または生物学的状況が検知された時点からエンドユーザによってそれが受信される時点までにデータのリアルタイム送信が行われるように、上記のステップと同時に行われることが好ましい。したがって、プログラムが一旦パーソナルコンピュータ16にダウンロードされたら、状況を検知することから患者のサイトにいる個人に表示するまで、またはエンドユーザに送信するまでの複数の後続ステップはリアルタイムで同時に実施されることが好ましい。エンドユーザにダウンロードされたデータは、後で取り出すためにエンドユーザのコンピュータに記憶することもできる。したがって、検知動作によって引き出される医療情報は、エンドユーザである医療提供者による治療目的と、患者が自分の生物学的機能または生物学的状況を監視するなど、患者に自覚の利点を提供する目的の両方の目的で有用である場合がある。
【0050】
パーソナルコンピュータ16にダウンロードされた医療データ獲得/送信プログラムの好ましい実施形態の流れ図を図9に示し、本明細書の末尾にそのソースコードを列挙する。このプログラムは、ユーザのECG波形と心拍数を収集し、フィルタリングし、表示するHTMLのページと組み合わされたActiveX制御である。制御がウェブページに埋め込まれている時(例えば、図8のdatacritical.comに)、それはユーザのパーソナルコンピュータ16にダウンロードされ、パーソナルコンピュータ16に接続されているマイクロフォン14からのECGデータを記録し、そのECG波形をパーソナルコンピュータ16のブラウザウィンドウに表示するように構成される。制御の構成は、HTMLの「Param」タグを介して達成される。制御は、「Object」タグによってHTMLのページに埋め込まれる。このタグは、ブラウザに制御をロードするよう命令するものである。「Object」タグおよび制御名の後、制御の指名されたパラメータに対する値を提供する「Param」タグが表れる。例えば、列挙した添付のプログラムでは、「Microphone_Not_Server」と呼ばれるパラメータがあり、Paramステートメントは以下のようなものである。
【0051】
<PARAM NAME="Microphone_Not_Server"VALUE="1"> このステートメントは、マイクロフォンでデータをリッスンするように制御を初期化する。
【0052】
ブラウザロードされた制御は、入手可能な場合は、受信者サイトの再表示サーバに変調したECGデータをインターネットを介してストリームすることができる。再表示サーバは、上記のECGデータを処理する制御プログラム(図10およびプログラムリストを参照のこと)も含む。
【0053】
図9のプログラムが患者のサイトのパーソナルコンピュータ16で動作する場合、図7〜10に記載のこの実施態様のデータソースは、マイクロフォン14によって検知された音響信号に応答してAD変換回路40から受信した8キロヘルツにパルスコード変調された(PCM)ECG信号である。制御が再表示サーバに含まれる時、データソースは、パーソナルコンピュータ16からインターネットを介して再表示サーバに送信された(または、例えばパーソナルコンピュータからdatacritical.comに送信され、次いでインターネットまたはページングネットワークを介して再表示サーバに送信される)、変調されたECGデータである。
【0054】
図9の流れ図では、制御がユーザのパーソナルコンピュータに一旦ダウンロードされると、制御は上記で説明したようにAD変換回路40を介した入力としてマイクロフォンからデータを収集するようにHTMLの「Param」タグを用いて構成される。制御は、上記の方法で他の「Param」タグを介して再表示サーバに接続するように構成することもできる。制御は、次いでWindows(登録商標)から「draw yourself」イベントを受信する。このイベントが最初に受信されると、制御はマイクロフォンでデータをリッスンすることを開始する。
【0055】
マイクロフォンからデータを受信する際、制御は8キロヘルツパルスコードから200ヘルツのECGのサンプルに変調されたデータを復調する。再表示サーバが指定されている場合、制御は、新たな復調されたサンプルをインターネットを介してそのサーバにストリームする。
【0056】
一旦ECGデータが復調されると、これはウェブページ上の「Param」タグのフィルタリングレベルセットに基づいてフィルタリングされる。フィルタリングレベルを図9に列挙する(低域通過フィルタ、高域通過フィルタ、微分フィルタ、二乗フィルタ)。
【0057】
最新の2秒間分のフィルタリングデータは、次いでQRS群に対して走査され、ユーザの1分当たりの心臓の拍動を決定する。ソフトウェアは、Windows(登録商標)に「my view has changed」イベントを発し、それによってWindows(登録商標)は制御の「OnDraw」ルーチンを呼出し、その結果、「OnDraw」はパーソナルコンピュータ16の画面48を最新のECG波形と心臓の拍動で更新する。
【0058】
図10を参照すると、再表示サーバにおいて、プログラムは知られているポートで遠隔サイトから入来する復調されたECGサンプルをサーバがリッスンすることを可能にする。サンプルが受信されると、サーバは上記のようにそれらを制御のフィルタリングルーチンに渡す。サンプルがフィルタリングされ、QRS検出が実行され、遠隔サーバのウィンドウに波形が更新されるという同じ一連のイベントが実行される。
【0059】
したがって、本発明は上記の目的を実行し、上記の結果および利点、ならびにそれらに固有のものを達成するように良く構成されている。この開示の目的で本発明の好ましい実施形態を説明したが、当業者によって一部およびステップの性能の構築および配置を変更することができ、頭記の特許請求の範囲で定義されるように、これらの変更は本発明の精神に包含されるものである。
【0060】
【表1】
【0061】
【0062】
【0063】
【0064】
【0065】
【0066】
【0067】
【0068】
【0069】
【0070】
【0071】
【0072】
【0073】
【0074】
【0075】
【0076】
【0077】
【0078】
【0079】
【0080】
【0081】
【0082】
【0083】
【0084】
【0085】
【0086】
【0087】
【0088】
【0089】
【0090】
【0091】
【0092】
【0093】
【0094】
【0095】
【0096】
【0097】
【0098】
【0099】
【0100】
【0101】
【0102】
【0103】
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10