特許第5920995号(P5920995)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5920995スルホン化クマリン、その合成、前記クマリンを糖にグラフトすることにより得られる蛍光発生基質、前記基質の調製方法、及びその使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5920995
(24)【登録日】2016年4月22日
(45)【発行日】2016年5月24日
(54)【発明の名称】スルホン化クマリン、その合成、前記クマリンを糖にグラフトすることにより得られる蛍光発生基質、前記基質の調製方法、及びその使用
(51)【国際特許分類】
   C07H 17/075 20060101AFI20160510BHJP
   G01N 21/64 20060101ALI20160510BHJP
   C12Q 1/34 20060101ALI20160510BHJP
   C12Q 1/04 20060101ALI20160510BHJP
   C07D 311/18 20060101ALN20160510BHJP
【FI】
   C07H17/075CSP
   G01N21/64 F
   C12Q1/34
   C12Q1/04
   !C07D311/18
【請求項の数】13
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2013-528736(P2013-528736)
(86)(22)【出願日】2011年9月16日
(65)【公表番号】特表2013-539749(P2013-539749A)
(43)【公表日】2013年10月28日
(86)【国際出願番号】FR2011000504
(87)【国際公開番号】WO2012038614
(87)【国際公開日】20120329
【審査請求日】2014年8月25日
(31)【優先権主張番号】10/03759
(32)【優先日】2010年9月21日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】513067565
【氏名又は名称】ウテエス ズィ.スフレ
(73)【特許権者】
【識別番号】513066937
【氏名又は名称】ユニヴェルスィテ ドゥ ストラスブール
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ドレヴェル、アントワーヌ
(72)【発明者】
【氏名】ラダーム、シルヴァン
(72)【発明者】
【氏名】ナジャー、マジディ
(72)【発明者】
【氏名】マイヨ、エステル
【審査官】 三上 晶子
(56)【参考文献】
【文献】 特表2006−517382(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0026482(US,A1)
【文献】 特開平06−092955(JP,A)
【文献】 英国特許出願公開第02319250(GB,A)
【文献】 Tetrahedron Letters,2004年,Vol.45, No.47,pp.8721-8724
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D309/00−315/00
C07H 1/00− 99/00
G01N 21/62− 21/74
C12Q 1/00− 3/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(II)
【化1】

[式中、
は、H、又はOH、又は置換若しくは非置換の、直鎖若しくは分岐C〜Cアルキル基、又は−COR、又は−COOR、又は−CONHRを表し、
は、H、又はハロゲン、又は置換若しくは非置換の、直鎖若しくは分岐C〜Cアルキル基、又は−COR、又は−COOR、又は−CONHRを表し、
とRとは環を一緒に形成してもよく、環は置換若しくは非置換の、アリール又はフランから選択され、
は、H、又はハロゲン、又は置換若しくは非置換の、直鎖若しくは分岐C〜Cアルキル基を表し、
は、H、又は置換若しくは非置換の、直鎖又はC〜C分岐アルキル基、又は置換若しくは非置換のアリールであり、
MはNa又はKを表し、
Zは、以下の糖、即ちセロビオース、キシロビオース、マルトース、サッカロース、グルコース、キシロース、ガラクトース、アラビノース、キシラン、グルカン、キシロトリオース、マルトトリオース、セロトリオース、キシロテトラオース又は、セロビオース、キシロビオース、マルトース、サッカロース、グルコース、キシロース、ガラクトース、アラビノース、キシラン、グルカン、キシロトリオース、マルトトリオース、セロトリオース、及びキシロテトラオースからなる群より選ばれる複数の糖の組み合わせにより形成される多糖類から選択され:
がH、R及びRがF及びMがNaの場合、Zはガラクトースではない]
の蛍光発生基質。
【請求項2】
及び/又はRがハロゲンを表し、該ハロゲンがフッ素である、請求項1に記載の蛍光発生基質。
【請求項3】
ナトリウムβ−D−セロビオシド6,8−ジフルオロ−7−ヒドロキシクマリン−4−メタンスルホネート、ナトリウムβ−D−グルコシド6,8−ジフルオロ−7−ヒドロキシクマリン−4−メタンスルホネート、ナトリウムβ−D−キシロシド6,8−ジフルオロ−7−ヒドロキシクマリン−4−メタンスルホネート、ナトリウムβ−D−キシロビオシド6,8−ジフルオロ−7−ヒドロキシクマリン−4−メタンスルホネート、ナトリウムβ−D−キシロポリオシド6,8−ジフルオロ−7−ヒドロキシクマリン−4−メタンスルホネート、ナトリウムβ−D−グルコシド5,6−ベンゾ−7−ヒドロキシクマリン−4−メタンスルホネート、ナトリウムβ−D−キシロシド5,6−ベンゾ−7−ヒドロキシクマリン−4−メタンスルホネート、ナトリウムβ−D−グルコシド7−ヒドロキシ−8−メチルクマリン−4−メタンスルホネート、ナトリウムβ−D−ガラクトシド7−ヒドロキシ−8−メチルクマリン−4−メタンスルホネートから選択される、請求項1又は2に記載の蛍光発生基質。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載の蛍光発生基質を調製する方法であって、糖のクマリンへのグラフトがDMF中で実現されることを特徴とする上記方法。
【請求項5】
請求項に記載の蛍光発生基質を調製する方法であって、グラフトがアセチル部位を脱保護することによって起こることを特徴とする上記方法。
【請求項6】
請求項4又は5のいずれかに記載の蛍光発生基質を調製する方法であって、前記クマリンにグラフトされる前に前記糖が臭素化されることを特徴とする上記方法。
【請求項7】
請求項4〜6のいずれかに記載の蛍光発生物質を調製する方法であって、クマリンの精製が、シリカカラムでの逆相吸着クロマトグラフィーによって実現されることを特徴とする上記方法。
【請求項8】
請求項4〜7のいずれかに記載の蛍光発生基質を調製する方法であって、基質がDMF中でスルホン化クマリンと一緒に前記糖のアセトブロモ誘導体の反応を含む糖のスルホン化クマリンへのグラフトによって得られ、アセタール部位を脱保護することによって起こることを特徴とする上記方法。
【請求項9】
精製若しくは未精製の酵素抽出物又は微生物又は細胞のグリコシダーゼ活性(EC3.2.1)の検出方法であって、前記検出が、請求項1から3のいずれかに記載の蛍光発生基質のうち1つを使用して達成されることを特徴とする上記検出方法。
【請求項10】
前記抽出物又は微生物又は細胞が油相中に懸濁している水滴中に分画されていることを特徴とする、請求項に記載の精製若しくは未精製の酵素抽出物又は微生物又は細胞のグリコシダーゼ活性(EC3.2.1)の検出方法。
【請求項11】
前記水滴が、マイクロ流体デバイスによって作製されることを特徴とする、請求項10に記載の精製若しくは未精製の酵素抽出物又は微生物又は細胞のグリコシダーゼ活性(EC3.2.1)の検出方法。
【請求項12】
前記クマリンが、ナトリウム5,6−ベンゾ−7−ヒドロキシクマリン−4−メタンスルホネートであることを特徴とする置換スルホン化クマリン。
【請求項13】
請求項12に記載のクマリンを取得する方法であって、エチル4−クロロアセトアセテートをメタンスルホン酸中で1,3−ジヒドロキシナフタレンに作用させ、次いで、これによって得られた生成物に亜硫酸ナトリウムを作用させることから成ることを特徴とする上記方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スルホン化クマリン、その合成、これらのクマリンを糖にグラフトすることにより得られる蛍光発生基質、この基質を取得する方法、及びその適用に関する。
【背景技術】
【0002】
このようなスルホン化クマリンを作製する他の方法は、例えば、6,8−ジフルオロ−7−ヒドロキシクマリンの誘導体の合成を記載している、MOLECULAR PROBES名義の英国特許GB9723365によって、既知のものとなっている。
【0003】
したがって、本特許では、特に、ナトリウム6,8−ジフルオロ−7−ヒドロキシクマリン−4−メタンスルホネート(化合物番号37)について記載する。
【0004】
特許GB9723365には、ヒドロキシル基を糖残基と置き換えることから得られる、糖残基がスルホン化クマリンにグラフトされている化合物についても記載されている。上記の特許に記載されたグラフト方法の再現は、スルホン化クマリンについては確実でない。その理由は、スルホン化クマリンは記載された条件下で可溶性ではないからである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、新規な置換スルホン化クマリンを合成することである。
【0006】
本発明の別の目的は、種々の糖と、種々の置換スルホン化クマリンとの再現可能なグラフト方法によって、置換スルホン化クマリンを糖にグラフトすることにより得られる蛍光発生基質を提供することである。本明細書において、蛍光発生基質とは、この基質において糖とクマリンとの間の化学結合が加水分解されると、それ自体が蛍光を発するクマリンが放出される、非蛍光の基質を意味する。
【0007】
本発明の別の目的は、精製若しくは未精製の酵素抽出物又は微生物又は細胞のグリコシダーゼ活性(EC3.2.1)の検出方法に関する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、より具体的には、一般式(I)
【化1】

[式中、
は、H、又はOH、又は置換若しくは非置換の、直鎖若しくは分岐C〜Cアルキル基、又は−COR若しくは−COOR若しくは−CONHRを表し、
は、H、又はハロゲン、特にフッ素、又は置換若しくは非置換の、直鎖若しくは分岐C〜Cアルキル基、又は−COR若しくは−COOR若しくは−CONHRを表し、
とRとは、置換又は非置換の、アリール又はフランなどの環を一緒に形成してもよく、
は、H、又はハロゲン、特にフッ素、又は置換若しくは非置換の、直鎖若しくは分岐C〜Cアルキル基、又は−COR若しくは−COOR若しくは−CONHRを表し、
は、H、又は置換若しくは非置換の、直鎖若しくは分岐C〜Cアルキル基、又は置換若しくは非置換のアリールであり、
MはNa又はKを表す]
の置換スルホン化クマリンの一群に関する。
【0009】
本発明は、一般式(II)
【化2】

[式中、
は、H、又はOH、又は置換若しくは非置換の、直鎖若しくは分岐C〜Cアルキル基、又は−COR若しくは−COOR若しくは−CONHRを表し、
は、H、又はハロゲン、特にフッ素、又は置換若しくは非置換の、直鎖若しくは分岐C〜Cアルキル基、又は−COR若しくは−COOR若しくは−CONHRを表し、
とRとは、置換又は非置換の、アリール又はフランなどの環を一緒に形成してもよく、
は、H、又はハロゲン、特にフッ素、又は置換若しくは非置換の、直鎖若しくは分岐C〜Cアルキル基、又は−COR若しくは−COOR若しくは−CONHRを表し、
は、H、又は置換若しくは非置換の、直鎖若しくは分岐C〜Cアルキル基、又は置換若しくは非置換のアリールであり、
MはNa又はKを表し、
Zは、以下の糖、即ちセロビオース、キシロビオース、マルトース、サッカロース、グルコース、キシロース、ガラクトース、アラビノース、キシラン、グルカン、キシロトリオース、マルトトリオース、セロトリオース、キシロテトラオースから選択された糖、又はこれらのうち幾つかの混合物を表す]
を有する新規な基質にも関する。
【0010】
本発明は、1〜24の番号をつけた以下の化合物を参照しながら以下の記載を読めば、より深く理解されるであろう。
【化3-1】

【化3-2】

【化3-3】

上の化合物の中で、化合物2、4及び6は、一般式(I)に入る置換スルホン化クマリンであり、化合物8、10、12、14、16、18、20、22及び24は、一般式(II)に入る基質の例である。
【実施例】
【0011】
これらのクマリン及び基質を合成する種々の実施例を、決して限定としてではなく、指標として、以下に記載することにする。
【0012】
(実施例1)4−クロロメチル−6,8−ジフルオロ−7−ヒドロキシクマリン(1)の合成
メチルスルホン酸8mL中に2,4−ジフルオロレゾルシノール(0.8g)を溶解した溶液をフラスコ中に導入し、次いで、エチル4−クロロアセトアセテート1.3当量(963μL)を滴下する。室温で3時間攪拌した後、混合物を0℃まで冷却し、次いで、水100mLを添加する。その後、残留物を濾過し、乾燥し、ジエチルエーテルで洗浄して化合物1を0.34g(25%)得る。
1H NMR (MeOD) δ (ppm) 7.42 (d, 1H); 6.05 (s, 1H); 4.81 (s, 2H).
【0013】
(実施例2)ナトリウム6,8−ジフルオロ−7−ヒドロキシクマリン−4−メタンスルホネート(2)の合成
エタノール25mL中に溶解した320mgの化合物1の溶液をフラスコ中に導入し、次いで、水6mL中に亜硫酸ナトリウム(1.1当量、185mg)を溶解した溶液を添加する。混合物を還流させ、反応の進展をTLC(薄層クロマトグラフィー)によって追跡する。40時間加熱した後、混合物を0℃まで冷却する。溶液を濾過し、次いで、濾液を減圧下で蒸発させて黄色の固体を得る。
【0014】
得られた固体を、充填済みシリカカラム(溶離剤:純水、カートリッジ Puriflash Interchrom C18)での逆相クロマトグラフィーによって1回精製し、その後続いて、精製装置Biotage−IsoleraOne(溶離剤:純水、カートリッジ SNAP C18 120g、溶離流速:25mL/分)で精製する。
【0015】
減圧下で水を蒸発させた後、生成物2が、純粋な状態で、収率40%で得られる。
1H NMR (D2O) δ (ppm) 7.28 (d, 1H); 6.18 (s, 1H); 4.32 (s 2H).
13C NMR (D2O) δ (ppm) 163.7; 153.1 (dd); 150.5 (t); 149.0; 142.2 (dd); 140.7 (m); 109.2; 105.3 (d); 103.6 (d); 52.7.
【0016】
最大励起波長/蛍光波長=370/470nm(50mMリン酸緩衝液、NaCl150mM、pH=7.5中10μM)。
【0017】
(実施例3)5,6−ベンゾ−4−クロロメチル−7−ヒドロキシクマリン(3)の合成
メタンスルホン酸10mL中に1,3−ジヒドロキシナフタレン(1g)を溶解した溶液をフラスコ中に導入し、次いで、エチル4−クロロアセトアセテート1.3当量(1.10ml)を滴下する。室温で4日攪拌した後、混合物を0℃まで冷却し、次いで、水50mLを添加する。その後、残留物を濾過し、水で洗浄し、乾燥して化合物3を1.30g(80%)得る。
1H NMR (DMSO) δ (ppm) 8.47 (d, 1H); 8.32 (d, 1H); 7.75 (t, 1H); 7.60 (t, 1H); 6.88 (s, 1H); 6.58 (s, 1H); 5.33 (s, 2H).
【0018】
(実施例4)ナトリウム5,6−ベンゾ−7−ヒドロキシクマリン−4−メタンスルホネート(4)の合成
エタノール50mLに溶解した0.7gの化合物3の溶液をフラスコ中に導入し、次いで、水13mL中に亜硫酸ナトリウム(1.1当量、370mg)を溶解した溶液を添加する。混合物を還流させ、反応の進展をTLCによって追跡する。20時間加熱した後、混合物を0℃まで冷却する。溶液をブフナー漏斗で濾過し、次いで、濾液を減圧下で蒸発させて、黄色固体の形態の粗化合物4を収率77%で得る。
【0019】
得られた固体を、充填済みシリカカラム(溶離剤:純水、カートリッジ Puriflash Interchrom C18)での逆相クロマトグラフィーによって一度精製し、その後続いて、精製装置Biotage−IsoleraOne(溶離剤:10%アセトニトリル/90%水、カートリッジ SNAP C18 120g、溶離流速:25mL/分)で精製する。
【0020】
減圧下で溶媒を蒸発させた後、生成物4が、純粋な状態で、収率31%で得られる。
1H NMR (D2O) δ (ppm) 8.26 (d, 1H); 8.02 (d, 1H); 7.56 (t, 1H); 7.44 (t, 1H); 6.32 (s, 1H); 6.11 (s, 1H); 4.45 (s, 2H).
【0021】
最大励起波長/蛍光波長=420/510nm(50mMリン酸緩衝液、NaCl150mM、pH=7.5中100μM)。
【0022】
(実施例5)4−クロロメチル−7−ヒドロキシ−8−メチルクマリン(5)の合成
メチルスルホン酸10mL中に2−メチルレゾルシノール(1g)を溶解した溶液をフラスコ中に導入し、次いで、エチル4−クロロアセトアセテート1.3当量(1.42ml)を滴下する。室温で一晩攪拌した後、混合物を0℃まで冷却し、次いで、水50mLを添加する。その後、残留物を濾過し、乾燥し、ジエチルエーテルで洗浄して化合物5を1.63g(90%)得る。
1H NMR (DMSO) δ (ppm) 7.52 (d, 1H); 6.90 (d, 1H); 6.41 (s, 1H); 4.93 (s, 2H); 2.16 (s, 3H).
13C NMR (DMSO) δ (ppm) 160.8; 159.7; 153.6; 151.7; 123.5; 112.3; 111.6; 111.1; 109.8; 41.9; 8.4.
【0023】
(実施例6)ナトリウム4−クロロメチル−7−ヒドロキシ−8−メチルクマリン−4−メタンスルホネート(6)の合成
エタノール90mL中に1gの化合物5を溶解した溶液をフラスコ中に導入し、次いで、水22mL中に亜硫酸ナトリウム(1.1当量、617mg)を溶解した溶液を添加する。混合物を還流させる。20時間加熱した後、混合物を0℃まで冷却する。溶液をブフナー漏斗で濾過し、得られたベージュ色の残留物をエタノールで洗浄し、濾液については、減圧下で蒸発させて黄色の固体を得る。この固体をエタノール及びジエチルエーテルで洗浄する。得られた両方の固体を収集して粗化合物6を1g(80%)得る。
【0024】
その後、粗化合物6を、充填済みシリカカラム(溶離剤:純水、カートリッジ Puriflash Interchrom C18)での数回連続の逆相クロマトグラフィーによって精製して、純粋な生成物6を収率23%で得る。
1H NMR (D2O) δ (ppm) 7.32 (d, 1H); 6.69 (d, 1H); 6.15 (s, 1H); 4.19 (s, 2H); 1.97 (s, 3H).
13C NMR (D2O) δ (ppm) 164.2; 158.5; 148.9; 123.9; 112.6; 112.2; 111.8; 111.3; 52.4; 7.3.
【0025】
最大励起波長/蛍光波長=340/485nm(50mMリン酸緩衝液、NaCl150mM、pH=7.5中10μM)。
【0026】
(実施例7)ナトリウムβ−D−セロビオシド6,8−ジフルオロ−7−ヒドロキシクマリン−4−メタンスルホネート基質(8)の合成
保護糖の臭素化
窒素雰囲気下で、アセト−α−D−セロビオース1g及び無水DCM(ジクロロメタン)12.5mLをフラスコ中に導入する。混合物を0℃まで冷却し、次いで、酢酸中33%の臭化水素酸溶液15mLを滴下する。0℃で5時間反応させた後、DCM25mLを添加し、次いで、混合物を10分間さらに攪拌する。その後、炭酸カリウム溶液を、COが発生しなくなるまで慎重に添加し、中間物を攪拌しながら20分間置く。デカンテーションの後、有機相を回収し、水相をDCMで3回抽出し、次いで有機相をまとめ、MgSOで乾燥し、減圧下で蒸発させる。アセトブロモ−α−D−セロビオースが白色の固体として収率62%で得られる。これによって得られた生成物は不安定で、直ちに使用するか、又は−20℃で保存するべきである。
1H NMR (CDCl3) δ (ppm) 6.67 (m, 1H); 5.55 (t, 1H); 5.13 (m, 2H); 4.95 (t, 1H); 4.78 (m, 1H); 4.55 (m, 2H); 4.38 (m, 1H); 4.20 (m, 2H); 4.07 (m, 1H); 3.84 (m, 1H); 3.68 (m, 1H); 2.09 (m, 21H).
【0027】
糖のクマリンへのグラフト
窒素雰囲気下で、且つ光から保護して、無水DMF(ジメチルホルムアミド)5mL中に希釈した40mgのクマリン2、及び炭酸銀150mgをフラスコ中に導入する。アセトブロモ−α−D−セロビオース4当量(350mg)を無水DMF10mL中に溶解する。その後、この溶液を先の混合物にきわめてゆっくり添加する。室温で一晩攪拌した後、溶液をセライトで濾過し、濾液を減圧下で蒸発させる。
【0028】
得られた固体を、シリカカラム(溶離剤:20%MeOH/80%DCM)でのクロマトグラフィーによって最終的に精製する。化合物7が収率4.8%で得られる。
【0029】
アセタール型の官能基の脱保護
窒素雰囲気下で、40mgの化合物7及び無水メタノール7.5mLをフラスコ中に導入する。混合物を0℃まで冷却し、次いで、メタノール5mL中にナトリウムメチレート16mgを溶解した溶液を滴下する。反応の進展をLC/MSによって追跡する。1時間攪拌した後、クエン酸の希釈溶液を添加することによって中間物を中和する。20分間さらに攪拌した後、溶媒を減圧下で蒸発させて半透明の黄色の油を得る。
【0030】
得られた残留物を、充填済みシリカカラム(溶離剤:純水、カートリッジ Puriflash Interchrom C18)での逆相クロマトグラフィーによって1回精製し、その後続いてHPLC(高圧液体クロマトグラフィー)によって精製する。
HPLCの方法:・0分→10分、1.5mL/分:100%水
・10分→19分、1.5mL/分:90%水/10%アセトニトリル
・19分→23分、1.5mL/分:100%アセトニトリル
・23分→25分、1.5mL/分:100%水
【0031】
カラムの特性:Hypersilカラム、Gold Phenyl、Thermofisher5、長さ250mm、直径4.6mm。
【0032】
注入物は80μLであり、生成物は、0分→10分の間には水相中に流出するのみであり、その後すぐに遊離クマリンが溶解して存在する。
【0033】
凍結乾燥後、生成物8が、純粋な状態で、白色の固体として、収率30%で得られる。
1H NMR (D2O) δ (ppm) 7.55 (d, 1H); 6.60 (s, 1H); 5.17 (d, 1H); 4.45 (d, 1H); 4.38 (s, 2H); 3.9-3.2 (m, 12H).
【0034】
(実施例8)ナトリウムβ−D−グルコシド6,8−ジフルオロ−7−ヒドロキシクマリン−4−メタンスルホネート基質(10)の合成
糖のクマリンへのグラフト
窒素雰囲気下で、且つ光から保護して、無水DMF5mL中に希釈した100mgのクマリン2、及び炭酸銀5当量をフラスコ中に導入する。アセトブロモ(acetrobromo)−α−D−グルコース5当量を無水DMF5mL中に溶解する。その後、この溶液を先の混合物にきわめてゆっくり添加する。反応の進展をLC/MSによって追跡する。室温で終夜攪拌した後、溶液をセライトで濾過し、濾液を減圧下で蒸発させる。
【0035】
得られた固体を、シリカカラム(溶離剤:20%MeOH/80%DCM)でのクロマトグラフィーによって最終的に精製する。化合物9が収率37%で得られる。
1H NMR (MeOD) δ (ppm) 7.73 (d, 1H); 6.63 (s, 1H); 5.4-5.1 (m, 4H); 4.4-4.1 (m, 2H); 4.34 (s, 2H); 4.04 (m, 1H); 2.1 (m, 12H).
【0036】
アセタール型の官能基の脱保護
窒素雰囲気下で、45mgの化合物9及び無水メタノール10mLをフラスコ中に導入する。混合物を0℃まで冷却し、次いで、メタノール中1%(g/g)のナトリウムメチレート溶液350μLを滴下する。反応の進展をLC/MSによって追跡する。2時間30分攪拌した後、中間物が中和するまでAmberlite IR120をいくらか添加する。Amberliteを濾過した後、濾液を減圧下で蒸発させる。
【0037】
得られた残留物を、充填済みシリカカラム(溶離剤:純水、カートリッジ Puriflash Interchrom C18)での逆クロマトグラフィーによって1回精製し、その後続いて、精製装置Biotage−IsoleraOne(溶離剤:純水、カートリッジ SNAP C18 12g、溶離流速:5mL/分)で精製する。
【0038】
凍結乾燥後、生成物10が、純粋な状態で、収率54%で得られる。
1H NMR (D2O) δ (ppm) 7.52 (d, 1H); 6.54 (s, 1H); 5.11 (d, 1H); 4.32 (s, 2H); 3.78 (m, 1H); 3.63 (m, 1H); 3.6-3.4 (m, 4H).
【0039】
(実施例9)ナトリウムβ−D−キシロシド6,8−ジフルオロ−7−ヒドロキシクマリン−4−メタンスルホネート基質(12)の合成
保護糖の臭素化
窒素雰囲気下で、アセト−β−D−キシロピラノース500mg及びDCM10mLをフラスコ中に導入する。混合物を0℃まで冷却し、次いで、酢酸中33%の溶液とした臭化水素酸5当量を滴下する。24時間反応させた後、DCM15mLを添加し、混合物を0℃まで冷却し、次いで、氷水20mLを添加する。両層の分離後、有機相を飽和NaHCO溶液で3回、水で3回洗浄する。MgSOで乾燥し、濾過した後、濾液を減圧下で蒸発させる。その後、得られたアセトブロモ−α−D−キシロースを直ちに次のステップに導入する。
【0040】
糖のクマリンへのグラフト
窒素雰囲気下で、且つ光から保護して、無水DMF8mL中に希釈した100mgのクマリン2、及び炭酸銀5当量をフラスコ中に導入する。アセトブロモ−α−D−キシロース5当量を無水DMF6mL中に溶解する。その後、この溶液を先の混合物にきわめてゆっくり添加する。反応の進展をLC/MSによって追跡する。室温で一晩攪拌した後、溶液をセライトで濾過し、濾液を減圧下で蒸発させる。
【0041】
得られた固体を、シリカカラム(溶離剤:20%MeOH/80%DCM)でのクロマトグラフィーによって最終的に精製する。化合物11が、純粋な状態で、収率34%で得られる。
1H NMR (MeOD/D2O) δ (ppm) 7.70 (d, 1H); 6.66 (s, 1H); 5.46 (d, 1H); 5.25 (m, 2H); 5.04 (m, 1H); 4.37 (s, 2H); 4.32 (m, 1H); 3.70 (m, 1H); 2.13 (m, 9H).
【0042】
アセタール型の官能基の脱保護
窒素雰囲気下で、62mgの化合物11及び無水メタノール15mLをフラスコ中に導入する。混合物を0℃まで冷却し、次いで、メタノール中1%(g/g)のナトリウムメチレート溶液500μLを滴下する。反応の進展をLC/MSによって追跡する。1時間30分攪拌した後、中間物が中和するまでAmberlite IR120をいくらか添加する。Amberliteを濾過した後、濾液を減圧下で蒸発させる。
【0043】
得られた残留物を、充填済みシリカカラム(溶離剤:純水、カートリッジ Puriflash Interchrom C18)での逆クロマトグラフィーによって1回精製し、その後続いて、精製装置Biotage−IsoleraOne(溶離剤:純水、カートリッジ SNAP C18 30g、溶離流速:15mL/分)で精製する。
【0044】
凍結乾燥後、生成物12が、純粋な状態で、収率62%で得られる。
1H NMR (D2O) δ (ppm) 7.64 (d, 1H); 6.66 (s, 1H); 5.14 (d, 1H); 4.43 (s, 2H); 4.02 (m, 1H); 3.5-3.7 (m, 3H); 3.35 (m, 1H).
【0045】
(実施例10)ナトリウムβ−D−キシロビオシド6,8−ジフルオロ−7−ヒドロキシクマリン−4−メタンスルホネート基質(14)の合成
保護糖の臭素化
アセト−D−キシロビオースを出発物として使用し、操作条件は実施例9において使用した条件と同一である。その後、得られたアセトブロモ−α−D−キシロビオースを直ちに次のステップに導入する。
【0046】
糖のクマリンへのグラフト
窒素雰囲気下で、且つ光から保護して、無水DMF5mL中に希釈した60mgのクマリン2、及び炭酸銀5当量をフラスコ中に導入する。アセトブロモ−α−D−キシロビオース3当量を無水DMF5mL中に溶解する。その後、この溶液を先の混合物にきわめてゆっくり添加する。室温で一晩攪拌した後、溶液をセライトで濾過し、濾液を減圧下で蒸発させる。
【0047】
得られた固体を、シリカカラム(溶離剤:DCM中10%MeOH〜20%MeOHのグラジエント)でのクロマトグラフィーによって2回連続して精製する。化合物13が、純粋な状態で、収率18%で得られる。
1H NMR (MeOD) δ (ppm) 7.70 (d, 1H); 6.61 (s, 1H); 5.38 (d, 1H); 5.16 (m, 3H); 4.92 (m, 1H); 4.78 (m, 2H); 4.32 (s, 2H); 4.18 (m, 1H); 4.10 (m, 1H); 4.03 (m, 1H); 3.54 (m, 2H); 2.09 (m, 15H).
【0048】
アセタール型の官能基の脱保護
窒素雰囲気下で、27mgの化合物13及び無水メタノール7mLをフラスコ中に導入する。混合物を0℃まで冷却し、次いで、メタノール中1%(g/g)のナトリウムメチレート溶液200μLを滴下する。反応の進展をLC/MSによって追跡する。3時間30分攪拌した後、中間物が中和するまでAmberlite IR120をいくらか添加する。Amberliteを濾過した後、濾液を減圧下で蒸発させる。残留物を水中に採り、溶液を0.45μmまで濾過し、濾液を減圧下で再度蒸発させる。
【0049】
得られた残留物を精製装置Biotage−IsoleraOne(溶離剤:純水中5%のアセトニトリル、カートリッジ SNAP C18 12g、溶離流速:3mL/分)で精製する。
【0050】
溶媒を蒸発させた後、生成物14が、純粋な状態で、収率40%で得られる。
1H NMR (D2O) δ (ppm) 7.56 (d, 1H); 6.58 (s, 1H); 5.11 (d, 1H); 4.40 (d, 1H); 4.36 (s, 2H); 4.10 (m, 1H); 3.91 (m, 1H); 3.82 (m, 1H); 3.7-3.5 (m, 3H); 3.40 (m, 2H); 3.21 (m, 2H).
【0051】
(実施例11)ナトリウムβ−D−キシロポリオシド(xylopolyoside)6,8−ジフルオロ−7−ヒドロキシクマリン−4−メタンスルホネート基質(16)の合成
キシロポリオース(xylopolyose)即ちキシロビオース、キシロトリオース、・・・の混合物のアセチル化
窒素雰囲気下で、キシロポリオース300mg、4−ジメチルアミノピリジン数粒、無水DCM28mL及び無水ピリジン9mLをフラスコ中に導入する。混合物を0℃まで冷却し、次いで、無水酢酸3mLを滴下する。その後、中間物を攪拌しながら一晩置く。その後、混合物を水で3回洗浄し、MgSOで乾燥し、減圧下で蒸発させる。
【0052】
LC/MSによる分析から、混合物が、n=1〜5のアセト−キシロポリオースから成ることがわかる。
【0053】
保護糖の臭素化
アセト−キシロポリオース102mgを出発物として使用し、操作条件は実施例9において使用した条件と同一である。その後、得られたアセトブロモ−α−D−キシロポリオースを直ちに次のステップに導入する。
【0054】
糖のクマリンへのグラフト
窒素雰囲気下で、且つ光から保護して、無水DMF5mL中に希釈した60mgのクマリン2、及び炭酸銀5当量をフラスコ中に導入する。アセトブロモ−キシロポリオース106mgを無水DMF5mL中に溶解する。その後、この溶液を先の混合物にきわめてゆっくり添加する。室温で36時間攪拌した後、溶液をセライトで濾過し、濾液を減圧下で蒸発させる。
【0055】
得られた固体を、シリカカラム(溶離剤:20%MeOH/80%DCM)でのクロマトグラフィーによって最終的に精製する。
【0056】
LC/MSによる分析から、混合物が、n=0〜4の化合物15から成ることがわかる。
【0057】
アセタール型の官能基の脱保護
窒素雰囲気下で、10mgの化合物15及び無水メタノール5mLをフラスコ中に導入する。混合物を0℃まで冷却し、次いで、メタノール中1%(g/g)のナトリウムメチレート溶液100μLを滴下する。数時間攪拌した後、中間物が中和するまでAmberlite IR120をいくらか添加する。Amberliteを濾過した後、濾液を減圧下で蒸発して、化合物16を得る。
【0058】
(実施例12)ナトリウムβ−D−グルコシド5,6−ベンゾ−7−ヒドロキシクマリン−4−メタンスルホネート基質(18)の合成
糖のクマリンへのグラフト
窒素雰囲気下で、且つ光から保護して、無水DMF6mL中に希釈した80mgのクマリン4、及び炭酸銀5当量をフラスコ中に導入する。アセトブロモ−α−D−グルコース5当量を無水DMF5mL中に溶解する。その後、この溶液を先の混合物に45分以内に添加する。室温で攪拌した後、溶液をセライトで濾過し、濾液を減圧下で蒸発させる。
【0059】
得られた固体を、シリカカラム(溶離剤:10%MeOH/90%DCM)でのクロマトグラフィーによって精製する。化合物17が、純粋な状態で、収率37%で得られる。
1H NMR (D2O) δ (ppm) 8.04 (d, 1H); 7.50 (d, 1H); 7.25 (m, 2H); 6.56 (s, 1H); 6.31 (s,1H); 5.30 (m, 2H); 5.08 (m, 1H); 4.96 (d, 1H); 4.56 (d, 1H); 4.26 (m, 1H); 4.21 (s, 2H); 4.03 (m, 1H); 2.10 (m, 12H).
【0060】
アセタール型の官能基の脱保護
窒素雰囲気下で、60mgの化合物17及び無水メタノール15mLをフラスコ中に導入する。混合物を0℃まで冷却し、次いで、メタノール中1%(g/g)のナトリウムメチレート溶液450μLを滴下する。反応の進展をLC/MSによって追跡する。2時間50分攪拌した後、中間物が中和するまでAmberlite IR120をいくらか添加する。Amberliteを濾過した後、濾液を減圧下で蒸発させる。残留物を水中に採り、次いで溶液を0.45μmまで濾過し、濾液を減圧下で再度蒸発させる。
【0061】
得られた残留物を、精製装置Biotage−IsoleraOne(溶離剤:純水中5%のアセトニトリル、カートリッジ SNAP C18 30g、溶離流速:10mL/分)で精製する。
【0062】
溶媒を蒸発させた後、生成物18が、純粋な状態で、収率33%で得られる。
1H NMR (D2O) δ (ppm) 8.24 (d, 1H); 8.18 (d, 1H); 7.53 (m, 2H); 6.80 (s, 1H); 6.24 (s, 1H); 5.25 (d, 1H); 4.49 (m,2H); 4.0-3.5 (m, 6H).
【0063】
(実施例13)ナトリウムβ−D−キシロシド5,6−ベンゾ−7−ヒドロキシクマリン−4−メタンスルホネート基質(20)の合成
糖のクマリンへのグラフト
窒素雰囲気下で、且つ光から保護して、無水DMF4mL中に希釈した55mgのクマリン4、及び炭酸銀5当量(0.3g)をフラスコ中に導入する。アセトブロモ−α−D−キシロース(実施例9に記載した通りに得られたもの)5当量を無水DMF4mL中に溶解する。その後、この溶液を先の混合物にゆっくり添加する。室温で20時間攪拌した後、溶液をセライトで濾過し、濾液を減圧下で蒸発させる。
【0064】
得られた固体を、シリカカラム(溶離剤:10%MeOH/90%DCM)でのクロマトグラフィーによって精製する。化合物19が収率42%で得られる。
1H NMR (MeOD/D2O) δ (ppm) 8.57 (d, 1H); 8.00 (d, 1H); 7.68 (t, 1H); 7.55 (t, 1H); 6.89 (s, 1H); 6.52 (s, 1H); 5.53 (m, 1H); 5.31 (m, 2H); 5.08 (m, 1H); 4.61 (m, 2H); 4.23 (m, 1H); 3.78 (m, 1H); 2.17 (m, 9H).
【0065】
アセタール型の官能基の脱保護
窒素雰囲気下で、40mgの化合物19及び無水メタノール11mLをフラスコ中に導入する。混合物を0℃まで冷却し、次いで、メタノール中1%(g/g)のナトリウムメチレート溶液500μLを滴下する。2時間15分反応させた後、ナトリウムメチレート溶液400μLを再度添加する。3時間30分攪拌した後、中間物が中和するまでAmberlite IR120をいくらか添加する。Amberliteを濾過した後、濾液を減圧下で蒸発させる。
【0066】
得られた残留物を、充填済みシリカカラム(溶離剤:純水中10%のアセトニトリル、カートリッジ Puriflash Interchrom C18)での逆相クロマトグラフィーによって精製し、化合物20を収率35%で得る。
1H NMR (D2O) δ (ppm) 8.09 (d, 1H); 7.99 (d, 1H); 7.46 (m, 1H); 7.38 (m, 1H); 6.51 (s, 1H); 6.16 (s, 1H); 4.98 (m, 1H); 4.37 (m, 2H); 4.01 (m, 1H); 3.8-3.4 (m, 4H).
【0067】
(実施例14)ナトリウムβ−D−グルコシド7−ヒドロキシ−8−メチルクマリン−4−メタンスルホネート基質(22)の合成
糖のクマリンへのグラフト
窒素雰囲気下で、且つ光から保護して、無水DMF7mL中に希釈した80mgのクマリン6、及び炭酸銀5当量(377mg)をフラスコ中に導入する。アセトブロモ−α−D−グルコース5当量(563mg)を無水DMF7mL中に溶解する。その後、この溶液を先の混合物にゆっくり添加する。室温で20時間攪拌した後、溶液をセライトで濾過し、濾液を減圧下で蒸発させる。
【0068】
得られた固体を、シリカカラム(溶離剤:10%MeOH/90%DCM)でのクロマトグラフィーによって1回精製し、次いで、逆相クロマトグラフィーによって、充填済みシリカカラム(溶離剤:純水中0%〜50%のアセトニトリルのグラジエント、カートリッジ Puriflash Interchrom C18)で精製する。
【0069】
これによって、化合物21が、純粋な状態で、収率17%で得られる。
1H NMR (MeOD) δ (ppm) 7.85 (d, 1H); 7.67 (d, 1H); 6.47 (s, 1H); 5.47 (m, 2H); 5.30 (t, 1H); 5.16 (t, 1H); 4.4-4.1 (m, 5H); 2.25 (s, 3H); 2.08 (m, 12H).
【0070】
アセタール型の官能基の脱保護
窒素雰囲気下で、18mgの化合物21及び無水メタノール5mLをフラスコ中に導入する。混合物を0℃まで冷却し、次いで、メタノール中1%(g/g)のナトリウムメチレート溶液100μLを滴下する。反応の進展をTLCによって追跡する。1時間30分攪拌した後、中間物が中和するまでAmberlite IR120をいくらか添加する。Amberliteを濾過した後、濾液を減圧下で蒸発させる。
【0071】
化合物22が収率34%で得られる。
1H NMR (D2O) δ (ppm) 7.53 (d, 1H); 7.06 (d, 1H); 6.26 (s, 1H); 5.15 (d, 1H); 4.24 (m, 2H); 3.90 (m, 1H); 3.73 (m, 1H); 3.6-3.4 (m, 4H); 2.13 (s, 3H).
【0072】
(実施例15)ナトリウムβ−D−ガラクトシド7−ヒドロキシ−8−メチルクマリン−4−メタンスルホネート基質(24)の合成
糖のクマリンへのグラフト
窒素雰囲気下で、且つ光から保護して、無水DMF5mL中に希釈した80mgのクマリン6、及び炭酸銀5当量(377mg)をフラスコ中に導入する。アセトブロモ−α−D−ガラクトース5当量(563mg)を無水DMF5mL中に溶解する。その後、この溶液を先の混合物にゆっくり添加する。反応の進展をTLCによって追跡する。室温で40時間攪拌した後、溶液をセライトで濾過し、濾液を減圧下で蒸発させる。
【0073】
得られた固体を充填済みシリカカラム(溶離剤:純水中0%〜50%のアセトニトリルのグラジエント、カートリッジ Puriflash Interchrom C18)での逆相クロマトグラフィーによって1回精製し、次いで、シリカカラム(溶離剤:10%MeOH/90%DCM)でのクロマトグラフィーによって精製する。このようにして、化合物23が、純粋な状態で、収率42%で得られる。
1H NMR (MeOD) δ (ppm) 7.81 (d, 1H); 7.65 (d, 1H); 6.45 (s, 1H); 5.49 (m, 3H); 5.37 (m, 1H); 4.37 (m, 3H); 4.20 (m, 2H); 2.23 (s, 3H); 2.19 (s, 3H); 2.12 (s, 3H); 2.08 (s, 3H); 2.03 (s, 3H).
13C NMR (MeOD) δ (ppm) 170.80; 170.65; 170.08; 169.97; 161.57; 157.33; 152.52; 148.64; 124.58; 114.82; 114.41; 114.15; 110.77; 98.48; 70.93; 70.67; 68.60; 67.39; 61.29; 52.61; 19.41; 19.37; 19.19; 19.18; 7.03.
【0074】
アセタール型の官能基の脱保護
窒素雰囲気下で、45mgの化合物23及び無水メタノール20mLをフラスコ中に導入する。混合物を0℃まで冷却し、次いで、メタノール中1%(g/g)のナトリウムメチレート溶液300μLを滴下する。反応の進展をTLCによって追跡する。1時間30分攪拌した後も反応が完了しておらず、メチレート溶液300μLを再度添加する。3時間反応させた後、中間物が中和するまでAmberlite IR120をいくらか添加する。Amberliteを濾過した後、濾液を減圧下で蒸発させる。
【0075】
化合物24が収率36%で得られる。
1H NMR (D2O) δ (ppm) 7.51 (d, 1H); 7.07 (d, 1H); 6.24 (s, 1H); 5.09 (d, 1H); 4.0-3.6 (m, 8H); 2.13 (s, 3H).
【0076】
このようにして得られた基質について、特に、精製若しくは未精製の酵素抽出物又は微生物又は細胞のグリコシダーゼ活性(EC3.2.1)を検出するという用途が見出された。
【0077】
例えば、酵素抽出物の、キシラナーゼ及び/又はセルラーゼ及び/又はセロビアーゼ及び/又はグルコシダーゼ及び/又はキシロシダーゼ及び/又はガラクトシダーゼの活性(activite)の蛍光アッセイを実施すること、或いは、酵素又は微生物若しくは細胞のグリコシダーゼ活性(EC3.2.1)に基づいた、蛍光によるスクリーニングを実施することが可能であろう。
【0078】
より具体的には、本発明による新規な基質は、機械的攪拌によって作製した、油相中に懸濁している水滴(エマルジョン)中に分画した、精製若しくは未精製の酵素抽出物又は微生物又は細胞のグリコシダーゼ活性(EC3.2.1)の検出を可能にするであろう。したがって、油相中に懸濁している水滴中に分画した、酵素又は微生物又は細胞の、キシラナーゼ及び/又はセルラーゼ及び/又はセロビアーゼ及び/又はグルコシダーゼ及び/又はキシロシダーゼ及び/又はガラクトシダーゼの活性に基づいた、FACS(蛍光活性化細胞選別(Fluorescence Activated Cell Sorting))によるスクリーニングを実施することが可能であろう。
【0079】
さらにより具体的には、本発明による基質は、マイクロ流体デバイスによって作製した、油相中に懸濁している水滴(エマルジョン)中に分画した、精製若しくは未精製の酵素抽出物又は微生物又は細胞のグリコシダーゼ活性(EC3.2.1)の検出を可能にするであろう。この仮定に従えば、例えば、マイクロ流体デバイスによって生成された、油相中に懸濁している水滴中に分画した、酵素又は微生物又は細胞の、キシラナーゼ及び/又はセルラーゼ及び/又はセロビアーゼ及び/又はグルコシダーゼ及び/又はキシロシダーゼ及び/又はガラクトシダーゼの活性に基づいた、スクリーニングを実施することが可能であろう。
【0080】
上記の蛍光発生基質を使用した酵素活性の検出の種々の実施例を、決して限定としてではなく、指標として、以下に挙げることにする。
【0081】
(実施例16)基質10、12、14及び18を使用した、可溶性酵素抽出物の酵素活性の検出
酵素反応速度分析を、セルラーゼ及びキシラナーゼ型の活性に富む可溶性酵素抽出物(A、B、C及びD)について、マイクロプレート中で実行する。これらの抽出物を、50mMリン酸緩衝液、NaCl150mM、pH=7.5中に、10倍(基質18、図1)又は100倍(基質10、12及び14、図2)に希釈する。体積20μLの希釈酵素抽出物を、50mMリン酸緩衝液、NaCl150mM、pH=7.5中0.25mMの蛍光発生基質(10、12、14又は18)20μLに添加する。反応速度分析を30℃で実行する。異なる蛍光発生基質を酵素で加水分解してから、励起波長及び蛍光波長を、基質10、12及び14では339nm及び452nm、基質18では375nm及び510nmとして、120分間蛍光を測定する。
【0082】
得られた結果(図1及び2)は、試験した蛍光発生基質が、使用した酵素抽出物中のβ−グルコシダーゼ型(基質10及び18)、β−キシロシダーゼ(基質12)及びキシラナーゼ型(基質14)の酵素活性の検出を可能にすることを示す。
【化4】

【化5】
【0083】
(実施例17)蛍光発生基質8及び10を使用した、微生物の酵素活性の検出
種々の対照菌株を30℃のLB培地中で攪拌しながら(240rpm)18時間培養する。各菌株について、培養物を遠心分離し(2,500g、5分間)、細胞の沈殿物をLB培地5mL中で2回洗浄する(2,500gで、5分間遠心分離)。この沈殿物を使用して、蛍光発生基質(8又は10)を0.25mMで含有する誘導培地(カルボキシメチルセルロース2.5g/Lを添加されたデュボス培地)中に、培養物をOD=0.005で接種する。培養物を30℃で攪拌せずに24時間インキュベートする。培養上清試料を種々のインキュベーション時間に採取して、培地中でのセルラーゼ活性又はβ−グルコシダーゼ活性の発生を追跡することができるようにする。これらの活性が発生してから、励起波長及び蛍光波長を388nm及び455nmとして、マイクロプレート中の培養上清の蛍光を測定する。
【0084】
得られた結果(図3及び4)は、試験した蛍光発生基質が、微生物の培養物のβ−グルコシダーゼ型(基質10)及びセルラーゼ型(基質8)の酵素活性の検出を可能にすることを示す。
【化6】

【化7】
【0085】
(実施例18)基質8を使用した、エマルジョン中の微生物のセルラーゼ活性の検出
2つの対照菌株を使用する。即ち、一方はセルラーゼ活性を有し(枯草菌(Bacillus subtilis)NCIM2724)、他方はいずれの活性も有しない(大腸菌(Escherichia coli)BL21)。双方の菌株を30℃のLB培地中で攪拌しながら(240rpm)18時間培養する。各菌株について、培養物を遠心分離し(2,500g、5分間)、細胞の沈殿物をLB培地5mL中で2回洗浄する(2,500gで、5分間遠心分離)。この沈殿物を使用して、蛍光発生基質8及びスルホローダミン2.5μM(枯草菌NCIM2724)又は10μM(大腸菌BL21)を含有する誘導培地(カルボキシメチルセルロース2.5g/Lを添加されたデュボス培地)中に、培養物をOD=0.005で接種する。これらの細胞懸濁液の両方をペルフルオロ化油とともに使用して、液滴の各々が上記の懸濁液のうち1つを含有する該液滴の集団2つから成るエマルジョンを作製する。エマルジョンの試料について、作製時(t=0時間)、及びエマルジョンを30℃で24時間インキュベートした後の再注入時に、液滴の青色及び赤色蛍光を個別に測定する。
【化8】
【0086】
図5に示したグラフa及びbは、エマルジョンについて、その作製時(a)及び30℃で24時間インキュベートした後のその再注入時(b)に測定した、赤色(横座標、RFU)及び青色(縦座標、RFU)蛍光強度の2次元ヒストグラムである。集団密度は、対数目盛で、ピンク(1液滴)から赤(>1,000液滴)に変化する色コードで示される。液滴の2つの集団は観察可能である。即ち、一方は枯草菌NCIM2724(活性菌株)及び2.5μMスルホローダミンを含有し、赤色蛍光が弱く、他方は大腸菌BL21(不活性菌株)及び10μMスルホローダミンを含有し、赤色蛍光が強い。これらのヒストグラムの統計的分析を表1に示す。
【表1】
【0087】
活性菌株(枯草菌NCIM2724)を含有する液滴では、24時間インキュベートした後、その青色蛍光が顕著に増加したことがわかる(図5)。反対に、不活性菌株(大腸菌BL21)を含有する液滴は、その青色蛍光が全く増加していない。活性菌株(枯草菌NCIM2724)については、液滴の27%が陽性と認められるが、不活性菌株(大腸菌BL21)については0.29%である。結論として、基質8は、マイクロ流体システムによって生成されたエマルジョン内の微生物の、セルラーゼ型の活性の検出を可能にする。
なお、下記[1]から[15]は、いずれも本発明の一形態又は一態様である。
[1]
一般式(I)
【化9】

[式中、
は、H、又はOH、又は置換若しくは非置換の、直鎖若しくは分岐C〜Cアルキル基、又は−COR若しくは−COOR若しくは−CONHRを表し、
は、H、又はハロゲン、特にフッ素、又は置換若しくは非置換の、直鎖若しくは分岐C〜Cアルキル基、又は−COR若しくは−COOR若しくは−CONHRを表し、
とRとは、置換又は非置換の、アリール又はフランなどの環を一緒に形成してもよく、
は、H、又はハロゲン、特にフッ素、又は置換若しくは非置換の、直鎖若しくは分岐C〜Cアルキル基、又は−COR若しくは−COOR若しくは−CONHRを表し、
は、H、又は置換若しくは非置換の、直鎖若しくは分岐C〜Cアルキル基、又は置換若しくは非置換のアリールであり、
MはNa又はKを表し、
がHであり、且つMがNaである場合、R及びRは同時にフッ素基となることはできない]
の置換スルホン化クマリン。
[2]
前記クマリンが、ナトリウム5,6−ベンゾ−7−ヒドロキシクマリン−4−メタンスルホネートであることを特徴とする請求項1に記載のクマリン。
[3]
前記クマリンが、ナトリウム7−ヒドロキシ−8−メチルクマリン−4−メタンスルホネートであることを特徴とする請求項1に記載のクマリン。
[4]
請求項2に記載のクマリンを取得する方法であって、エチル4−クロロアセトアセテートをメタンスルホン酸中で1,3−ジヒドロキシナフタレンに作用させ、次いで、これによって得られた生成物に亜硫酸ナトリウムを作用させることから成ることを特徴とする上記方法。
[5]
請求項3に記載のクマリンを取得する方法であって、エチル4−クロロアセトアセテートをメタンスルホン酸中で2−メチルレゾルシノールに作用させ、次いで、これによって得られた生成物に亜硫酸ナトリウムを作用させることから成ることを特徴とする上記方法。
[6]
請求項1から3までのいずれか一項に記載のクマリンを取得する方法であって、クマリンの精製が、シリカカラムでの逆相吸着クロマトグラフィーによって実現されることを特徴とする上記方法。
[7]
一般式(II)
【化10】

[式中、
は、H、又はOH、又は置換若しくは非置換の、直鎖若しくは分岐C〜Cアルキル基、又は−COR若しくは−COOR若しくは−CONHRを表し、
は、H、又はハロゲン、特にフッ素、又は置換若しくは非置換の、直鎖若しくは分岐C〜Cアルキル基、又は−COR若しくは−COOR若しくは−CONHRを表し、
とRとは、置換又は非置換の、アリール又はフランなどの環を一緒に形成してもよく、
は、H、又はハロゲン、特にフッ素、又は置換若しくは非置換の、直鎖若しくは分岐C〜Cアルキル基、又は−COR若しくは−COOR若しくは−CONHRを表し、
は、H、又は置換若しくは非置換の、直鎖若しくは分岐C〜Cアルキル基、又は置換若しくは非置換のアリールであり、
MはNa又はKを表し、
Zは、以下の糖、即ちセロビオース、キシロビオース、マルトース、サッカロース、グルコース、キシロース、ガラクトース、アラビノース、キシラン、グルカン、キシロトリオース、マルトトリオース、セロトリオース、キシロテトラオースから選択された糖、又はこれらのうち幾つかの混合物を表し、
がHであり、R及びRがFであり、且つMがNaである場合、Zはガラクトースとなることはできない]
を有する蛍光発生基質。
[8]
ナトリウムβ−D−セロビオシドナトリウム6,8−ジフルオロ−7−ヒドロキシクマリン−4−メタンスルホネート、ナトリウムβ−D−グルコシド6,8−ジフルオロ−7−ヒドロキシクマリン−4−メタンスルホネート、ナトリウムβ−D−キシロシド6,8−ジフルオロ−7−ヒドロキシクマリン−4−メタンスルホネート、ナトリウムβ−D−キシロビオシド6,8−ジフルオロ−7−ヒドロキシクマリン−4−メタンスルホネート、ナトリウムβ−D−キシロポリオシド6,8−ジフルオロ−7−ヒドロキシクマリン−4−メタンスルホネート、ナトリウムβ−D−グルコシド5,6−ベンゾ−7−ヒドロキシクマリン−4−メタンスルホネート、ナトリウムβ−D−キシロシド5,6−ベンゾ−7−ヒドロキシクマリン−4−メタンスルホネート、ナトリウムβ−D−グルコシド7−ヒドロキシ−8−メチルクマリン−4−メタンスルホネート、ナトリウムβ−D−ガラクトシド7−ヒドロキシ−8−メチルクマリン−4−メタンスルホネートからなる群に属することを特徴とする請求項7に記載の基質。
[9]
請求項7又は8に記載の基質を取得する方法であって、糖のクマリンへのグラフトがDMF中で実現されることを特徴とする上記方法。
[10]
前記グラフトに続いてアセタール型の官能基を脱保護することを特徴とする請求項9に記載の方法。
[11]
前記糖が、前記クマリンにグラフトされる前に臭素化されることを特徴とする請求項9又は10に記載の方法。
[12]
前記基質の精製が、シリカカラムでの逆相観察吸着クロマトグラフィーによって実現されることを特徴とする請求項9から11までのいずれか一項に記載の方法。
[13]
精製若しくは未精製の酵素抽出物又は微生物又は細胞のグリコシダーゼ活性(EC3.2.1)の検出において、前記検出が、請求項7又は8に記載の蛍光発生基質のうち1つを使用して達成されることを特徴とする上記検出。
[14]
前記抽出物又は微生物又は細胞が油相中に懸濁している水滴中に分画されていることを特徴とする、請求項13に記載の精製若しくは未精製の酵素抽出物又は微生物又は細胞のグリコシダーゼ活性(EC3.2.1)の検出。
[15]
前記水滴が、マイクロ流体デバイスによって作製されることを特徴とする、請求項14に記載の精製若しくは未精製の酵素抽出物又は微生物又は細胞のグリコシダーゼ活性(EC3.2.1)の検出。