特許第5921000号(P5921000)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5921000印影照合方法、印影照合システムおよびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5921000
(24)【登録日】2016年4月22日
(45)【発行日】2016年5月24日
(54)【発明の名称】印影照合方法、印影照合システムおよびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06T 7/00 20060101AFI20160510BHJP
   G06Q 20/40 20120101ALI20160510BHJP
【FI】
   G06T7/00 590
   G06Q20/40 100
【請求項の数】10
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2014-127123(P2014-127123)
(22)【出願日】2014年6月20日
(65)【公開番号】特開2016-6578(P2016-6578A)
(43)【公開日】2016年1月14日
【審査請求日】2014年6月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】394013002
【氏名又は名称】三菱電機インフォメーションシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100166235
【弁理士】
【氏名又は名称】大井 一郎
(72)【発明者】
【氏名】土居 智之
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 みゆき
【審査官】 佐藤 実
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−173763(JP,A)
【文献】 特開2004−102390(JP,A)
【文献】 特開2001−266156(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 7/00
G06Q 20/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の登録者について、各登録者を一意に識別する登録者識別情報と、各登録者に係る有効な印鑑の印影を表す有効印影画像とを関連付けて記憶する、事前記憶ステップと、
特定の登録者識別情報に対応する照会者識別情報と、照会印影画像とを取得する、照会情報取得ステップと、
前記照会印影画像と、前記照会者識別情報に対して有効でない印影を表す無効印影画像とを照合する、無効印影照合ステップと、
前記無効印影照合ステップの照合結果を表す情報を出力する、結果出力ステップと
を備える、印影照合方法であって、
前記事前記憶ステップは、1人以上の前記登録者について、前記登録者識別情報と住所とを関連付けて記憶するステップを含み、
前記照会情報取得ステップは、前記照会者識別情報に係る住所を取得するステップを含み、
前記方法は、前記照会者識別情報に係る住所と、前記照会印影画像に一致した前記無効印影画像に係る住所とを比較する、住所比較ステップをさらに備え、
住所が一致した場合に、前記結果出力ステップにおいて、前記照会印影画像は同居人に係る印影を表すものであることを表す情報が出力される、
印影照合方法
【請求項2】
複数の登録者について、各登録者を一意に識別する登録者識別情報と、各登録者に係る有効な印鑑の印影を表す有効印影画像とを関連付けて記憶する、事前記憶ステップと、
特定の登録者識別情報に対応する照会者識別情報と、照会印影画像とを取得する、照会情報取得ステップと、
前記照会印影画像と、前記照会者識別情報に対して有効でない印影を表す無効印影画像とを照合する、無効印影照合ステップと、
前記無効印影照合ステップの照合結果を表す情報を出力する、結果出力ステップと
を備える、印影照合方法であって、
前記事前記憶ステップは、1人以上の前記登録者について、前記登録者識別情報と、氏名および生年月日とを関連付けて記憶するステップを含み、
前記照会情報取得ステップは、前記照会者識別情報に係る氏名および生年月日を取得するステップを含み、
前記方法は、前記照会者識別情報に係る氏名および生年月日と、前記照会印影画像に一致した前記無効印影画像に係る氏名および生年月日とが一致するか否かを判定する、氏名等一致判定ステップをさらに備え、
氏名および生年月日が一致した場合に、前記結果出力ステップにおいて、前記照会印影画像は本人の別登録に係る印影である可能性があることを表す情報が出力される、
印影照合方法
【請求項3】
前記照会印影画像と、前記照会者識別情報に係る前記有効印影画像とを照合する、有効印影照合ステップをさらに備え、
前記結果出力ステップは、前記有効印影照合ステップの照合結果を出力するステップを含む、請求項1または2に記載の印影照合方法。
【請求項4】
前記照会者識別情報に係る前記有効印影画像の少なくとも一部分を出力する、有効印影画像出力ステップをさらに備え、
前記照会印影画像と、前記照会者識別情報に係る前記有効印影画像とが一致した場合には、前記有効印影画像出力ステップは実行されず、
前記照会印影画像と、前記照会者識別情報に係る前記有効印影画像とが一致しなかった場合には、前記有効印影画像出力ステップが実行される、請求項に記載の印影照合方法。
【請求項5】
前記照会者識別情報に係る前記有効印影画像を出力する、有効印影出力ステップと、
前記照会印影画像と、前記照会者識別情報に係る前記有効印影画像との照合結果を表す入力を受け付ける、結果入力ステップと
をさらに備える、請求項1または2に記載の印影照合方法。
【請求項6】
前記事前記憶ステップは、少なくとも1人の前記登録者について、前記登録者識別情報と、当該登録者に係る無効な印鑑の印影を表す本人無効印影画像とを関連付けて記憶するステップを含み、
前記無効印影照合ステップは、前記照会印影画像と、前記照会者識別情報に係る本人無効印影画像とを照合するステップを含み、
前記結果出力ステップは、前記照会印影画像と前記本人無効印影画像とが一致した場合に、前記照会印影画像と前記本人無効印影画像とが一致したことを表す情報を出力するステップを含む、請求項1〜のいずれか一項に記載の印影照合方法。
【請求項7】
前記本人無効印影画像は、関連する前記登録者について過去に有効であった印鑑を表す画像を含む、請求項に記載の印影照合方法。
【請求項8】
前記本人無効印影画像は、関連する前記登録者について過去に取得された前記照会印影画像を含む、請求項またはに記載の印影照合方法。
【請求項9】
請求項1〜のいずれか一項に記載の方法を実行する、印影照合システム。
【請求項10】
コンピュータに、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印影照合方法、印影照合システムおよびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
金融機関等において、本人確認のために印鑑を利用することが一般的である。あらかじめ顧客の印鑑の印影画像を登録しておき、この登録された印影画像と、顧客が実際に持参した印鑑の印影とを照合することにより、顧客の本人確認が実施される。照合の結果、一致しなかった場合には、印鑑不備として手続が差し戻される。
【0003】
また、オペレータによる照合の結果、オペレータが不一致と判断した場合には、その理由を記録しておくことが公知である。特許文献1には、このようなシステムの例が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012−173763号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の技術では、顧客が印鑑を取り違えて無効な印鑑を持参した場合に、その取り違えを指摘することができないという問題があった。
【0006】
たとえば、特許文献1のシステムは印影の照合を行わないので、有効な印鑑かどうかの判断ができない(特許文献1では人間のオペレータがこの判断を行っている)。
仮に印影の照合を自動的に行うシステムが存在したとしても、出力できるのは「印影が相違している」という情報のみである。したがって、たとえば単に印影が薄いのか、または印鑑を取り違えているのか、等の理由を自動的には判断することができない。
このように、顧客は印鑑不備となった理由(とくに、印鑑を取り違えたか否か)を知ることができず、利便性が低い。
【0007】
この発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、顧客が印鑑を取り違えて無効な印鑑を持参した場合に、その取り違えを指摘できる、印影照合方法、印影照合システムおよびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の問題点を解決するため、この発明に係る印影照合方法は、
複数の登録者について、各登録者を一意に識別する登録者識別情報と、各登録者に係る有効な印鑑の印影を表す有効印影画像とを関連付けて記憶する、事前記憶ステップと、
特定の登録者識別情報に対応する照会者識別情報と、照会印影画像とを取得する、照会情報取得ステップと、
前記照会印影画像と、前記照会者識別情報に対して有効でない印影を表す無効印影画像とを照合する、無効印影照合ステップと、
前記無効印影照合ステップの照合結果を表す情報を出力する、結果出力ステップと
を備える、印影照合方法であって、
前記事前記憶ステップは、1人以上の前記登録者について、前記登録者識別情報と住所とを関連付けて記憶するステップを含み、
前記照会情報取得ステップは、前記照会者識別情報に係る住所を取得するステップを含み、
前記方法は、前記照会者識別情報に係る住所と、前記照会印影画像に一致した前記無効印影画像に係る住所とを比較する、住所比較ステップをさらに備え、
住所が一致した場合に、前記結果出力ステップにおいて、前記照会印影画像は同居人に係る印影を表すものであることを表す情報が出力される。
また、この発明に係る印影照合方法は、
複数の登録者について、各登録者を一意に識別する登録者識別情報と、各登録者に係る有効な印鑑の印影を表す有効印影画像とを関連付けて記憶する、事前記憶ステップと、
特定の登録者識別情報に対応する照会者識別情報と、照会印影画像とを取得する、照会情報取得ステップと、
前記照会印影画像と、前記照会者識別情報に対して有効でない印影を表す無効印影画像とを照合する、無効印影照合ステップと、
前記無効印影照合ステップの照合結果を表す情報を出力する、結果出力ステップと
を備える、印影照合方法であって、
前記事前記憶ステップは、1人以上の前記登録者について、前記登録者識別情報と、氏名および生年月日とを関連付けて記憶するステップを含み、
前記照会情報取得ステップは、前記照会者識別情報に係る氏名および生年月日を取得するステップを含み、
前記方法は、前記照会者識別情報に係る氏名および生年月日と、前記照会印影画像に一致した前記無効印影画像に係る氏名および生年月日とが一致するか否かを判定する、氏名等一致判定ステップをさらに備え、
氏名および生年月日が一致した場合に、前記結果出力ステップにおいて、前記照会印影画像は本人の別登録に係る印影である可能性があることを表す情報が出力される、
【0009】
前記照会印影画像と、前記照会者識別情報に係る前記有効印影画像とを照合する、有効印影照合ステップをさらに備え、
前記結果出力ステップは、前記有効印影照合ステップの照合結果を出力するステップを含んでもよい。
前記照会者識別情報に係る前記有効印影画像の少なくとも一部分を出力する、有効印影画像出力ステップをさらに備え、
前記照会印影画像と、前記照会者識別情報に係る前記有効印影画像とが一致した場合には、前記有効印影画像出力ステップは実行されず、
前記照会印影画像と、前記照会者識別情報に係る前記有効印影画像とが一致しなかった場合には、前記有効印影画像出力ステップが実行されてもよい。
前記照会者識別情報に係る前記有効印影画像を出力する、有効印影出力ステップと、
前記照会印影画像と、前記照会者識別情報に係る前記有効印影画像との照合結果を表す入力を受け付ける、結果入力ステップと
をさらに備えてもよい。
前記事前記憶ステップは、少なくとも1人の前記登録者について、前記登録者識別情報と、当該登録者に係る無効な印鑑の印影を表す本人無効印影画像とを関連付けて記憶するステップを含み、
前記無効印影照合ステップは、前記照会印影画像と、前記照会者識別情報に係る本人無効印影画像とを照合するステップを含み、
前記結果出力ステップは、前記照会印影画像と前記本人無効印影画像とが一致した場合に、前記照会印影画像と前記本人無効印影画像とが一致したことを表す情報を出力するステップを含んでもよい。
前記本人無効印影画像は、関連する前記登録者について過去に有効であった印鑑を表す画像を含んでもよい。
前記本人無効印影画像は、関連する前記登録者について過去に取得された前記照会印影画像を含んでもよい
【0010】
また、この発明に係る印影照合システムは、上述の方法を実行する。
【0011】
また、この発明に係るプログラムは、コンピュータに上述の方法を実行させる。
【発明の効果】
【0012】
この発明に係る印影照合方法、印影照合システムおよびプログラムによれば、顧客が持参した印鑑の印影画像と、無効な印鑑の印影画像とを照合することにより、顧客が持参した印鑑が無効な印鑑であることを積極的に認識でき、印鑑の取り違えを指摘することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施の形態1に係る印鑑照合システムを含む構成の例を示す図である。
図2図1の印影データベースに記録される情報の構成の例を示す図である。
図3】登録者と印鑑(印影画像)との関係を示す図である。
図4】実施の形態1に係る営業店PCの処理の流れの例を示すフローチャートである。
図5】実施の形態1に係る印影管理サーバの処理の流れの例を示すフローチャートである。
図6】実施の形態2に係る営業店PCの処理の流れの例を示すフローチャートである。
図7】実施の形態2に係る印影管理サーバの処理の流れの一部の例を示すフローチャートである。
図8】実施の形態2に係る印影管理サーバの処理の流れの一部の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
実施の形態1.
図1に、本発明の実施の形態1に係る印影照合システム100を含む構成の例を示す。印影照合システム100は、営業店PC10(複数可)および印影管理サーバ20を備える。営業店PC10および印影管理サーバ20は、通信ネットワーク30を介して互いに通信可能である。
【0015】
営業店PC10はコンピュータとしての構成を含み、演算を行う演算手段11と、情報を格納する記憶手段12と、印影を電子的な画像に変換する印影取込手段13と、使用者の操作を受け付ける入力手段14と、情報を出力する出力手段15と、外部の通信ネットワークに対し情報の入出力を受け付ける通信手段16(入力手段や出力手段を兼ねてもよい)とを備える。
【0016】
たとえば、演算手段11はCPU(中央処理装置)を含み、記憶手段12は半導体メモリおよびHDD(ハードディスクドライブ)等の記憶媒体を含む。印影取込手段13はたとえばイメージスキャナ等の光学的画像読取装置を含む。入力手段14はたとえばキーボードおよびマウスを含む。出力手段15はたとえば液晶ディスプレイ等の表示手段またはプリンタ等の印刷手段を含む。通信手段16はたとえばネットワークインタフェースを含む。
【0017】
とくに図示しないが、営業店PC10の記憶手段12には、営業店PC10の動作を規定するプログラムが格納されている。営業店PC10は、このプログラムを実行することにより、本明細書に記載される方法を実行し、また、本明細書に記載される機能を実現する。
【0018】
同様に、印影管理サーバ20もコンピュータとしての構成を含み、演算を行う演算手段21と、情報を格納する記憶手段22と、外部の通信ネットワークに対し情報の入出力を受け付ける通信手段23とを備える。演算手段21は、印影の照合処理を実行する印影照合手段として機能する(詳細は後述する)。なお、営業店PC10と同様の入力手段や出力手段をさらに備えてもよい。
【0019】
印影管理サーバ20の記憶手段22には、印影画像を記録する印影データベース40と、印影管理サーバ20の動作を規定するプログラム(図示せず)とが格納されている。印影管理サーバ20は、このプログラムを実行することにより、本明細書に記載される方法を実行し、また、本明細書に記載される機能を実現する。
【0020】
図2に、印影データベース40に記録される情報の構成の例を示す。印影データベース40は、複数の登録者(たとえば金融機関の顧客)について、その登録者を一意に識別する情報(登録者識別情報)と、その登録者に関する情報とを関連付ける。
【0021】
登録者識別情報は、たとえば部店番号と顧客番号との組み合わせである。
登録者に関する情報は、たとえば、氏名、性別、住所、生年月日、印影画像および無効印影に係る無効理由を含む。印影画像は、1つの有効印影画像を含む。有効印影画像とは、その登録者に係る有効な印鑑の印影を表す画像である。すなわち、ある申請者が持参した印鑑の印影画像と、その申請者が提出した登録者識別情報に係る有効印影画像とが一致した場合には、その申請者は正当な権利者として扱われる。
また、印影画像は、その登録者に係る無効印影画像を、0個以上含む。無効印影画像が1個以上存在する場合には、無効印影画像のそれぞれについて、無効理由が記録可能である。
【0022】
図3に、登録者と、印鑑(印影画像)との有効・無効の関係を示す。登録者A、BおよびCについて、それぞれ有効な印影画像A1、B1およびC1が記録されている。また、登録者Aについては、過去に有効であった印鑑に係る印影画像A2と、登録者Aが過去に取り違えて持参した印鑑に係る印影画像A3とが記録されている。
【0023】
印影画像A2については、「1世代前の印鑑」という無効理由が記録されており、印影画像A3については、「過去に取り違えた印鑑」という無効理由が記録されている。さらに、登録者Bについては、過去の印鑑に係る印影画像B2が記録されている。
【0024】
印影画像A1は、現時点で登録者Aに係る有効な印鑑に対応するものであり、有効印影画像である。また、印影画像A2およびA3は、現時点では登録者Aについて有効ではないので、無効印影画像となる。ここで、印影画像A2およびA3は、他の登録者ではなく登録者A本人に関連付けられたものであるので、以下では「本人無効印影画像」と呼ぶ。
【0025】
印影画像B1および印影画像C1は、いずれも他の登録者に対しては有効印影画像であるが、登録者Aについて登録されたものではないので、登録者Aに対しては有効ではなく、無効印影画像となる。また、印影画像B2も無効印影画像である。ここで、印影画像B1、B2およびC1は、他の登録者に関連付けられたものであるので、以下では「他人無効印影画像」と呼ぶ。
【0026】
以上のように構成される印影照合システム100の動作を、以下に説明する。
まず、印影照合に係る処理の準備のために、あらかじめ実行される事前記憶ステップ(図示せず)について説明する。印影管理サーバ20は、事前記憶ステップにおいて、記憶手段22に印影データベース40を格納する。
【0027】
この事前記憶ステップにおいて、印影管理サーバ20は、複数の登録者について、各登録者を一意に識別する登録者識別情報と、各登録者に係る有効な印鑑の印影を表す有効印影画像とを関連付けて記憶する。また、少なくとも1人の登録者について、登録者識別情報と、当該登録者に係る無効な印鑑の印影を表す本人無効印影画像とを関連付けて記憶してもよい。
【0028】
本人無効印影画像は、当該登録者について過去に有効であった印鑑を表す画像を含む。たとえば、印影管理サーバ20は、特定の登録者に係る有効印影画像を、ある画像から別の画像へと変更する機能を有する。この機能は、たとえばある登録者が有効な印鑑の変更を申し出た場合(改印手続)等において、営業店担当者の操作に応じて実行される。この機能が実行されると、その登録者について新たな有効印影画像が記録されるとともに、それまでその登録者に係る有効印影画像であった画像は、その登録者に係る本人無効印影画像として記録される。
【0029】
また、本人無効印影画像は、当該登録者について過去に取得された照会印影画像を含む。照会印影画像とは、印影照合の対象となる印影を表す画像であり、たとえば顧客が持参した印鑑の印影を表す画像である。照合処理のために取得された照会印影画像が、有効印影画像と一致しなかった場合には、印影管理サーバ20は、自動的に、または営業店担当者の操作に応じて、その照会印影画像を、その登録者に係る本人無効印影画像として記録する。
【0030】
また、上述の事前記憶ステップにおいて、印影管理サーバ20は、1人以上の登録者について、登録者識別情報と住所とを関連付けて記憶する。また、1人以上の登録者について、登録者識別情報と、氏名および生年月日とを関連付けて記憶する。
【0031】
次に、印影照合に係る処理の動作を説明する。
図4は、実施の形態1に係る営業店PC10の処理の流れの例を示すフローチャートである。
まず営業店PC10は、照会者識別情報と照会印影画像とを取得する(ステップS11)。照会者識別情報とは、印影データベース40に登録された登録者識別情報(すなわち部店番号と顧客番号との組み合わせ)のうち特定の1つに対応するものであり、たとえば営業店担当者が顧客から教えてもらい、キーボードを介して営業店PC10に入力することができる。また、照会印影画像、たとえば顧客が持参した印鑑の印影を、営業店担当者が印影取込手段13を介して照会印影画像として取得させ、これを照会者識別情報と紐付けて、営業店PC10に入力することができる。
【0032】
営業店PC10は、照会者識別情報および照会印影画像を印影管理サーバ20に送信し(ステップS12)、これに応じて印影管理サーバ20から送信される照合結果を受信する(ステップS13)。そして、営業店PC10は受信した照合結果を出力し(ステップS14)、図4に係る処理を終了する。照合結果および出力の具体的な内容については、後に詳述する。
【0033】
図5は、実施の形態1に係る印影管理サーバ20の処理の流れの例を示すフローチャートである。図5の処理は、図4のステップS12が実行されることに応じて開始される。まず印影管理サーバ20は、営業店PC10から送信される照会者識別情報および照会印影画像を受信する(ステップS21)。
【0034】
次に、印影管理サーバ20は、照会者識別情報に基づいて印影データベース40を検索し、対応する有効印影画像を取得するとともに、この有効印影画像と、照会印影画像とを照合する(ステップS22)。すなわち、有効印影画像と照会印影画像とが一致するか否かを判定する。
【0035】
ステップS22および後続の各照合ステップにおける照合処理は、任意の手法に基づいて実行可能である。当業者は、公知の印影照合手法に基づき、適切な照合処理を設計することができる。または、印影照合専用の手法に限らず、一般的な画像一致判定の手法を用いてもよい。なお、本明細書において、「2つの印影画像が一致する」とは、たとえば次の状態のいずれかを意味する。
‐両画像が互いに同一または実質的に同一である。たとえば、公知の画像一致判定手法により、実質的に同一の画像であると判定される。画像全体の輝度や色調が異なっていたり、いくつかの画素の色値が異なっていても、画像は実質的に同一であると判定される場合がある。
‐各画像によって表される印影が互いに同一または実質的に同一である。たとえば、印影の背景(用紙の色等)が異なっていたり、画像中の印影が傾いていることにより、画像が互いに相違している場合があるが、そのような場合であっても、画像に含まれる印影自体は同一であると判定される場合がある。
‐各画像によって表される印影に係る印鑑が同一である。たとえば、朱肉の状態等により印影中の線の太さが異なっていることにより、印影は互いに相違している場合があるが、そのような場合であっても、印鑑自体は同一であると判定される場合がある。
【0036】
ステップS22における照合の結果、両印影画像が一致した場合には、印影管理サーバ20は、有効印影画像と照会印影画像とが一致した旨の照合結果を営業店PC10に送信する(ステップS23)。この場合、図4のステップS14では、営業店PC10は、有効印影画像と照会印影画像とが一致した旨を出力することになる。この出力に応じ、営業店担当者は、その顧客に関する手続を進めることができる。
【0037】
ステップS22における照合の結果、両印影画像が一致しなかった場合には、印影管理サーバ20は、照会者識別情報に基づいて印影データベース40を検索し、対応する本人無効印影画像を取得するとともに、この本人無効印影画像と、照会印影画像とを照合する(ステップS24)。本人無効画像が複数存在する場合には、そのそれぞれと照合が行われる。
【0038】
ステップS24における照合の結果、いずれかの印影画像が一致した場合には、印影管理サーバ20は、本人無効印影画像と照会印影画像とが一致した旨の照合結果を営業店PC10に送信する(ステップS25)。
【0039】
この照合結果は、一致した本人無効印影画像に係る無効理由を表す情報を含んでもよい。この場合、図4のステップS14では、営業店PC10は、本人無効印影画像と照会印影画像とが一致した旨を出力することになる。また、照合結果に無効理由を表す情報が含まれている場合には、その情報を出力してもよい。たとえば、「1世代前の印鑑」という文字列を表示することにより、照会印影画像が有効印影画像には一致しなかった旨と、照会印影画像が本人無効印影画像に一致した旨と、無効理由とを同時に通知することができる。
【0040】
このようにして、印影照合システム100は、顧客が印鑑を取り違えて無効な印鑑を持参した場合に、その取り違えを指摘することができる。たとえば、「1世代前の印鑑」という文字列を確認した営業店担当者は、印鑑不備である旨とともに、その理由(たとえば、顧客が持参した印鑑が、過去に有効であったが改印手続により有効でなくなった印鑑である)を説明することができ、顧客の利便性が高まる。
【0041】
なお、ステップS24の処理で照会者識別情報に係る本人無効印影画像が存在しないと判定した場合には、ステップS25の処理は省略され、ステップS26に処理が進む。
【0042】
ステップS24における照合の結果、いずれの印影画像も一致しなかった場合や、本人無効印影画像が存在しない場合には、印影管理サーバ20は、照会印影画像と、他人無効印影画像のそれぞれとを照合する(ステップS26)。
【0043】
ステップS26における照合の結果、いずれかの印影画像が一致した場合には、印影管理サーバ20は、照会者識別情報に係る住所と、照会印影画像に一致した他人無効印影画像に係る住所とを比較する(ステップS27)。照会者識別情報に係る住所は、たとえば登録者識別情報に基づいて印影データベース40を検索することによって取得することができる。または、営業店PC10が照会者の住所の入力を受け付け(たとえばステップS11)、これを印影管理サーバ20に送信し(たとえばステップS12)、印影管理サーバ20はこれを受信する(たとえばステップS21)ことによって照会者識別情報に係る住所を取得してもよい。
【0044】
ステップS27における比較の結果、住所が一致した場合には、印影管理サーバ20は、照会印影画像は同居人に係る印影を表すものである旨を営業店PC10に送信する(ステップS28)。この場合、S14では、営業店PC10は、他人無効印影画像と照会印影画像とが一致した旨と、照会印影画像は同居人に係る印影を表すものである旨とを出力することになる。たとえば、「家族の印鑑」という文字列を表示することにより、照会印影画像が有効印影画像には一致しなかった旨と、照会印影画像が同居人に係る印影を表すものである旨とを同時に通知することができる。
ステップS27における比較の結果、住所が一致した場合には、「同居人に関わる印影を表すものである旨」とともに、印影データベース40に記憶されている「氏名」も営業店PC10に送信するように構成することができる。それにより、営業店PC10では「家族の印鑑」という文字列とともに、「氏名」を表示することができ、顧客へより詳細な情報提供ができる。
またステップS27において住所の一致を判定する際、同居人が顧客と異なる表記で町名や番地を指定することにより、完全に一致しない場合が考えられる。そのときは、所定の条件により住所の指定内容の一部が一致した場合、住所が一致すると判定してもよい。所定の条件とは、市町村表記の後の番地を示すと考えられる数字の順番が一致していたら、一致とする等が考えられる。
さらに同居人が顧客と異なる表記で町名や番地を指定することにより、完全に一致しない場合を考慮し、ステップS26以降の変形例が考えられる。ステップS26でいずれかの印影画像が一致した場合は、印影画像と印影画像に紐付いている住所を営業店PC10に送信し、住所が一致するかどうかの判定を営業店担当者が行うように構成してもよい。
【0045】
このようにして、印影照合システム100は、顧客が印鑑を取り違えて無効な印鑑を持参した場合に、その取り違えを指摘することができ、顧客の利便性が高まる。
【0046】
ステップS27における比較の結果、住所が一致しなかった場合には、印影管理サーバ20は、照会印影画像は同居人ではない人物に係る印影を表すものである旨を営業店PC10に送信する(ステップS29)。この場合、図4のステップS14では、営業店PC10は、他人無効印影画像と照会印影画像とが一致した旨と、照会印影画像は同居人に係る印影を表すものではない旨とを出力することになる。たとえば、「類似する印鑑」という文字列を表示することにより、照会印影画像が有効印影画像には一致しなかった旨と、照会印影画像が他人(ただしこの場合には同居人を除く)に係る印影を表すものである旨とを同時に通知することができる。
【0047】
このようにして、印影照合システム100は、顧客が印鑑を取り違えて無効な印鑑を持参した場合に、その取り違えを指摘することができ、顧客の利便性が高まる。
【0048】
ステップS26における照合の結果、いずれの印影画像も一致しなかった場合には、印影管理サーバ20は、有効印影画像、本人無効印影画像、および他人無効印影画像のいずれも、照会印影画像とは一致しなかった旨の照合結果を営業店PC10に送信する(ステップS30)。この場合、図4のステップS14では、営業店PC10は、照会印影画像がいずれの印影画像とも一致しなかった旨を出力することになる。たとえば、「未登録」という文字列を表示することにより、照会印影画像が、有効印影画像および無効印影画像のいずれにも一致しなかった旨を通知することができる。
【0049】
ステップS25およびS28〜S30において、印影管理サーバ20は、照合結果とともに有効印影画像を営業店PC10に送信する。この場合、営業店PC10は、有効印影画像を受信して出力する(有効印影画像出力ステップ)。この有効印影画像出力ステップは、照合結果に応じて、実行されるか否かが決定されてもよい。
【0050】
たとえば、照会印影画像と、照会者識別情報に係る有効印影画像とが一致した場合(ステップS23が実行された場合)には、この有効印影画像出力ステップは実行されず、照会印影画像と、照会者識別情報に係る有効印影画像とが一致しなかった場合(ステップS25およびS28〜S30のいずれかが実行された)には、この有効印影画像出力ステップが実行される。
【0051】
有効印影画像出力ステップにおいて有効印影画像が出力されると、営業店担当者は、出力された有効印影画像を顧客に提示することで、正しい印鑑を教示することができる。なお、この有効印影画像出力ステップにおいて出力される画像は、有効印影画像そのものであってもよいが、有効印影画像の一部分であってもよい。たとえば有効印影画像の一部をマスキング等の画像処理により隠蔽したものであってもよい。このようにすると、個人情報をより適切に保護することができる。
有効印影画像出力ステップにおいて、有効印影画像を出力するだけでなく、本人無効印影画像も合わせて表示するオプション機能が考えられる。照会印影画像が本人無効印影画像である場合、営業担当者は、本人無効印影画像を顧客に提示することにより、顧客が何を取り違えてきたのかを指摘することができる。
【0052】
また、ステップS30の後に、印影管理サーバ20は、照会印影画像(すなわち有効印影画像とも無効印影画像とも一致しなかった照会印影画像)を、その登録者に係る本人無効印影画像として印影データベース40に追加する。この場合、追加される無効印影画像に関連して、「過去の照会印影画像」という無効理由を記録してもよい。
また印影データベース40に、「過去の照会印影画像」である無効印影画像を登録するときに、照会回数(照会の結果、不一致となった回数)を記録してもよい。そして、ステップS24で照会印影画像を本人無効印影画像と照合する処理において、本人無効印影画像の中で「過去の照会印影画像」と一致した場合、照会回数を検索する。照会回数が所定の回数以上であったときに、顧客に対して、持参した印鑑(「過去の照会印影画像」と所定回数以上一致した印鑑)を有効な印鑑(有効印影画像として登録する印鑑)とするように促すメッセージを表示してもよい。所定の回数を2回としたとき、顧客は3回目の取り違えをしたことになり、3回目の取り違えで改印手続を勧めることで、顧客の利便性は向上する。
【0053】
以上説明するように、本発明の実施の形態1に係る印影照合システム100は、顧客が印鑑を取り違えて無効な印鑑を持参した場合に、その取り違えを指摘することができ、顧客の利便性が高まる。
【0054】
実施の形態2.
実施の形態2は、実施の形態1において、照合処理の一部を印影照合システム100でなく営業店担当者が行うようにしたものである。以下、実施の形態1との相違点を説明する。
【0055】
図6は、実施の形態2に係る営業店PC10の処理の流れの例を示すフローチャートである。
まず営業店PC10は、図4のステップS11と同様にして、照会者識別情報と照会印影画像とを取得する(ステップS51)。次に、営業店PC10は、照会者識別情報を印影管理サーバ20に送信する(ステップS52)。このステップS52では、実施の形態1のステップS12とは異なり、照会印影画像の送信を省略してもよい。
【0056】
図7は、実施の形態2に係る印影管理サーバ20の処理の流れの一部の例を示すフローチャートである。図7の処理は、図6のステップS52が実行されることに応じて開始される。印影管理サーバ20は、営業店PC10から送信される照会者識別情報を受信する(ステップS61)。そして、照会者識別情報に基づいて印影データベース40を検索し、対応する有効印影画像を取得し、この有効印影画像を営業店PC10に送信する(ステップS62)。
【0057】
営業店PC10は、印影管理サーバ20から送信される有効印影画像を受信する(ステップS53)。次に、営業店PC10は受信した有効印影画像を出力する(ステップS54)。ここで、営業店担当者は、照会印影画像と、出力された有効印影画像とを見比べて照合し、これらが一致するか否かを判断する。そして、照会印影画像と、この有効印影画像との照合結果(たとえば一致するか否か)を表す情報を、営業店PC10に入力する。営業店PC10は、この入力を受け付ける(ステップS55)。
【0058】
入力された情報が、両印影画像が一致したことを表すものであった場合には、営業店PC10は処理を終了する。この場合、印影管理サーバ20は、この照合処理についてこれ以上の動作を行わない。
【0059】
入力された情報が、両印影画像が一致しなかったことを表すものであった場合には、営業店PC10は、照会印影画像を印影管理サーバ20に送信する(ステップS56)。
図8は、実施の形態2に係る印影管理サーバ20の処理の流れの一部の例を示すフローチャートである。図8の処理は、図6のステップS56が実行されることに応じて開始される。印影管理サーバ20は、営業店PC10から送信される照会印影画像を受信する(ステップS63)。そして、図7のステップS61において受信した照会者識別情報と、図8のステップS63において受信した照会印影画像とに基づき、照会印影画像と無効印影画像との照合処理を行う。照会印影画像と無効印影画像との照合処理は、たとえば図8にも示すように、実施の形態1(図5)のステップS24以降の処理と同様とすることができる。
【0060】
営業店PC10は、印影管理サーバ20から送信される照合結果を受信する(ステップS57)。そして、営業店PC10は受信した照合結果を出力し(ステップS58)、図6に係る処理を終了する。ステップS58における照合結果の出力内容は、実施の形態1と同様とすることができる。(ただし、実施の形態2では、印影管理サーバ20は照会印影画像と有効印影画像との照合処理を行わないので、ステップS58において、照会印影画像と有効印影画像とが一致したという結果を出力する処理については省略可能である。)
【0061】
このように、実施の形態2においても、実施の形態1と同様に、印影照合システム100は、顧客が印鑑を取り違えて無効な印鑑を持参した場合に、その取り違えを指摘することができ、顧客の利便性が高まる。
【0062】
また、実施の形態2では、精度の高い判断を要する有効印影画像との照合については営業店担当者による作業としつつ、膨大な作業量となる可能性のある無効印影画像との照合については印影管理サーバ20に行わせるので、各種印影画像との照合処理をより効率的に実行することができる。
【0063】
なお、実施の形態2において、有効印影画像との照合処理のみならず、本人無効印影画像との照合処理についても、営業店担当者に実行させる構成としてもよい。たとえば、ステップS62では有効印影画像に加えて本人無効印影画像を送信し、ステップS54では有効印影画像に加えて本人無効印影画像を出力してもよい。この場合には、ステップS24およびS25は省略可能である。
【0064】
上述の実施の形態1および2において、次のような変形を施すことができる。
実施の形態1および2では複数の無効印影照合ステップが設けられているが、無効印影照合ステップは少なくとも1つあればよい。たとえば、図5のステップS26以降を省略し、本人無効印影画像との照合処理のみを実行するようにしてもよい。このような構成であっても、特定の無効印影画像(たとえば本人無効印影画像)については印鑑の取り違えを指摘することができる。
【0065】
実施の形態1および2では、ステップS25およびS28〜S30において有効印影画像の送信が行われるが、これは省略してもよい。この場合には、営業店PC10において有効印影画像は出力されないことになる。
【0066】
実施の形態1および2では、他人無効印影画像との一致があった場合に住所の比較を行うが(ステップS27)、これに加えて、またはこれに代えて、氏名および生年月日の比較を行ってもよい。
【0067】
氏名および生年月日の比較は、たとえば次のようにして実行することができる。図4のステップS11において、営業店PC10は照会者識別情報に係る氏名および生年月日を取得する。また、図5のステップS30の直前に、照会者識別情報に係る氏名および生年月日と、照会印影画像に一致した無効印影画像に係る氏名および生年月日とが一致するか否かを判定する(氏名等一致判定ステップ)。
【0068】
氏名および生年月日が一致した場合には、印影管理サーバ20は、結果通知ステップとして、照会印影画像は当該登録者と同一人物の別登録に係る印影である可能性がある旨を営業店PC10に送信する。ここで、「同一人物の別登録」とは、たとえば、同一人物が、複数の登録者識別情報を用いて重複して印影データベース40に記録されており、それぞれ異なる有効印影画像が関連付けられている場合において、照会印影画像とは異なる方の印影画像に係る登録をいう。
【0069】
この場合、ステップS14では、営業店PC10は、照会印影画像が本人の別登録に係るものである旨を出力することになる。たとえば、「別口座の印鑑」という文字列を表示することにより、照会印影画像が有効印影画像には一致しなかった旨と、照会印影画像が本人無効印影画像に一致した旨と、無効理由とを同時に通知することができる。
【0070】
実施の形態1および2では、印影照合システム100は営業店PC10および印影管理サーバ20の双方を含むものとしたが、変形例として、印影管理サーバ20のみが印影照合システムを構成すると解釈することも可能である。この場合には、たとえば図5のステップS21が照会情報取得ステップに対応し、ステップS23、S25およびS28〜30が結果出力ステップに対応することになる。
【符号の説明】
【0071】
10 営業店PC、20 印影管理サーバ(印影照合システム)、100 印影照合システム、A1 印影画像(有効印影画像)、A2,A3 印影画像(無効印影画像または本人無効印影画像)、B1,B2,C1 印影画像(無効印影画像)。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8