【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 第30条第2項適用:平成27年6月23日、首都圏の透析クリニック約500施設宛のダイレクトメールにより公表;第30条第2項適用:平成27年6月24日、ウェブサイト https://www.tomare.co.jp/docs/catalog_cueing_201507.pdf において公表;第30条第2項適用:平成27年6月26日、パシフィコ横浜で開催された第60回日本透析医学会学術集会・総会において公表;第30条第2項適用:平成27年9月14日、ウェブサイト https://www.tomare.co.jp、https://www.tomare.co.jp/product/cueing.html において公表;
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
透析患者のベッドサイドに配置されるベッドサイド端末の1又は複数台と、前記ベッドサイド端末の各々とネットワークを介して接続されるサーバとを有し、前記サーバは、透析患者のベッドサイドに配置された透析装置の1又は複数台の各々とネットワークを介して接続される透析情報共有システムであって、
A.前記サーバは、少なくとも、
A1:前記透析装置の各々と前記ベッドサイド端末の各々とを対応づける手段、
A2:前記透析装置又は前記ベッドサイド端末のいずれからも患者IDを受信可能な手段、
A3:受信した患者IDと前記患者IDを送信した透析装置又はベッドサイド端末とを対応づける手段、
A4:受信した患者IDに基づいて、当該患者についての透析条件情報を、当該透析情報共有システム又は他のシステムから取得する手段、
A5:取得した前記透析条件情報の一部又は全部を当該患者IDに対応する透析装置に送信する手段、
A6:取得した前記透析条件情報の一部又は全部を当該患者IDに対応するベッドサイド端末に送信する手段、
A7:前記透析装置から透析の進行状況を表す情報と患者バイタルデータを含む透析進行状況情報を取得し、当該患者IDと対応づけて、当該透析情報共有システム又は他のシステムに記憶する手段、
A8:取得した前記透析進行状況情報の一部又は全部であって、透析の進行状況を表す情報と患者バイタルデータを含む情報を、当該透析進行状況情報を送信した透析装置に対応するベッドサイド端末に送信する手段、
A9:前記ベッドサイド端末から送信されてくる情報又はサービスの提供要求を受信する手段、及び、
A10:提供要求を受信した情報又はサービスを、当該透析情報共有システム又は他のシステムの記憶装置から取得し、取得した情報又はサービスの一部又は全部を前記提供要求のあったベッドサイド端末に送信する手段、
を有しており、
B:各ベッドサイド端末は、少なくとも、
B1:前記サーバから送信されてくる前記透析条件情報の一部又は全部、及び前記透析進行状況情報の一部又は全部であって、透析の進行状況を表す情報と患者バイタルデータを含む情報を、表示画面上の透析装置情報表示領域内に配置して、当該ベッドサイド端末の表示装置に表示する手段、
B2:外部からのメニュー選択情報の入力を受け付ける手段、
B3:外部からのメニュー選択情報の入力があったとき、入力されたメニュー選択情報に基づいて、選択されたメニューに対応する情報又はサービスを提供するウエブサイト、外部サーバ、又は外部装置と接続するか、入力されたメニュー選択情報を前記サーバに送信する手段であって、前記選択されたメニューに対応する情報又はサービスが、前記透析条件情報及び前記透析進行状況情報以外の情報又はサービスである手段、
B4:前記外部からのメニュー選択情報の入力があったとき、前記透析装置情報表示領域内に配置されている透析条件情報及び透析進行状況情報の中から予め指定された情報を選択し、前記透析装置情報表示領域よりも大きさが縮小した継続表示領域内に配置する手段、
B5:前記ウエブサイト、前記外部サーバ、前記外部装置、又は前記サーバから提供される前記選択されたメニューに対応する情報又はサービスを、表示画面上の前記継続表示領域とは異なる情報サービス表示領域内に配置する手段、及び、
B6:前記継続表示領域内に配置された前記透析条件情報及び前記透析進行状況情報と、前記情報サービス表示領域内に配置された情報又はサービスの双方を、当該ベッドサイド端末の表示装置に表示する手段、
を有している透析情報共有システム。
透析患者のベッドサイドに配置されるベッドサイド端末の1又は複数台と、前記ベッドサイド端末の各々及び透析患者のベッドサイドに配置された透析装置の1又は複数台の各々とネットワークを介して接続されるサーバとが、所定のプログラムの下に動作することによって実現される下記ステップを含む透析情報共有方法;
X1.前記ベッドサイド端末のいずれか又は前記透析装置のいずれかのいずれか一方から、患者IDを前記サーバに送信するステップ、
X2.前記透析装置又は前記ベッドサイド端末から送信されてくる患者IDを前記サーバが受信するステップ、
X3.前記サーバが、受信した患者IDと前記患者IDを送信した透析装置又はベッドサイド端末とを対応づけるとともに、受信した患者IDと対応づけられた透析装置又はベッドサイド端末とベッドサイド端末又は透析装置とを対応づけるステップ、
X4.受信した患者IDに基づいて、前記サーバが、当該患者についての透析条件情報を、当該透析情報共有システム又は他のシステムから取得するステップ、
X5.取得した前記透析条件情報の一部又は全部を前記サーバから当該患者IDに対応する透析装置に送信するステップ、
X6.取得した前記透析条件情報の一部又は全部を前記サーバから当該患者IDに対応するベッドサイド端末に送信するステップ、
X7.前記サーバが、前記透析装置から透析の進行状況を表す情報と患者バイタルデータを含む透析進行状況情報を取得し、当該患者IDと対応づけて、当該透析情報共有システム又は他のシステムに記憶するとともに、取得した前記透析進行状況情報の一部又は全部であって、透析の進行状況を表す情報と患者バイタルデータを含む情報を、当該透析進行状況情報を送信した透析装置に対応するベッドサイド端末に送信するステップ、
X8.前記サーバから送信されてくる前記透析条件情報の一部又は全部、及び前記透析進行状況情報の一部又は全部であって、前記透析進行状況情報に含まれる透析の進行状況を表す情報と患者バイタルデータを含む情報を、表示画面上の透析装置情報表示領域内に配置して、当該ベッドサイド端末の表示装置に表示するステップ、
X9.前記ベッドサイド端末のいずれかが、外部からのメニュー選択情報の入力を受け付けたとき、入力されたメニュー選択情報に基づいて、選択されたメニューに対応する情報又はサービスを提供するウエブサイト、外部サーバ、又は外部装置と接続するか、入力されたメニュー選択情報を前記サーバに送信するステップであって、前記選択されたメニューに対応する情報又はサービスが、前記透析条件情報及び前記透析進行状況情報以外の情報又はサービスであるステップ、
X10.前記サーバが、前記ベッドサイド端末から送信されてくる前記選択されたメニューに対応する情報又はサービスの提供要求を受信したとき、提供要求を受信した情報又はサービスを、当該透析情報共有システム又は他のシステムの記憶装置から取得し、取得した情報又はサービスの一部又は全部を前記提供要求のあったベッドサイド端末に送信するステップ、
X11.前記ベッドサイド端末のいずれかが、外部からのメニュー選択情報の入力を受け付けたとき、前記外部からのメニュー選択情報の入力を受け付けたベッドサイド端末が、前記透析装置情報表示領域内に配置されている透析条件情報及び透析進行状況情報の中から予め指定された情報を選択し、前記透析装置情報表示領域よりも大きさが縮小した継続表示領域内に配置するステップ、及び、
X12.前記外部からのメニュー選択情報の入力を受け付けたベッドサイド端末が、前記ウエブサイト、前記外部サーバ、前記外部装置、又は前記サーバから提供される情報又はサービスであって前記選択されたメニューに対応する情報又はサービスを、表示画面上の前記継続表示領域とは異なる情報サービス表示領域内に配置し、前記継続表示領域内に配置された前記透析条件情報及び前記透析進行状況情報と、前記情報サービス表示領域内に配置された前記選択されたメニューに対応する情報又はサービスの双方を、当該ベッドサイド端末の表示装置に表示するステップ。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、これまでの透析治療が包含する上記の問題点を解決するために為されたもので、透析治療中、患者を情報隔離された状態から解放し、透析治療中の時間を患者にとってより快適で有意義なものとすることを可能にするシステム及び方法並びにコンピュータプログラムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究努力を重ねた結果、透析用ベッドのベッドサイドに透析患者用のベッドサイド端末を配置し、それらのベッドサイド端末と、ネットワーク上に配置され、複数の透析装置とネットワークを介して接続するサーバとを接続して、透析治療の進行状況等を表す情報を当該透析治療を行っている透析装置の傍に配置されたベッドサイド端末に表示させることによって、自身の透析治療に関しての情報隔離状態から患者を解放することができるとともに、前記ベッドサイド端末をアメニティ情報を含む種々の情報を患者からの要求に応じて適宜配信するツールとして利用することによって、長時間にわたる透析治療中、患者が有意義かつ快適に過ごすことができる環境を提供することができることを見出し、本発明を完成した。
【0011】
すなわち、本発明は、透析患者のベッドサイドに配置されるベッドサイド端末の1又は複数台と、前記ベッドサイド端末の各々とネットワークを介して接続されるサーバとを有し、前記サーバは、透析患者のベッドサイドに配置された透析装置の1又は複数台の各々とネットワークを介して接続される透析情報共有システムであって、
A.前記サーバは、少なくとも、
A1:前記透析装置の各々と前記ベッドサイド端末の各々とを対応づける手段、
A2:前記透析装置又は前記ベッドサイド端末から送信されてくる患者IDを受信する手段、
A3:受信した患者IDと前記患者IDを送信した透析装置又はベッドサイド端末とを対応づける手段、
A4:受信した患者IDに基づいて、当該患者についての透析条件情報を、当該透析情報共有システム又は他のシステムから取得する手段、
A5:取得した前記透析条件情報の一部又は全部を当該患者IDに対応する透析装置に送信する手段、
A6:取得した前記透析条件情報の一部又は全部を当該患者IDに対応するベッドサイド端末に送信する手段、
A7:前記透析装置から透析の進行状況を表す情報と患者バイタルデータを含む透析進行状況情報を取得し、当該患者IDと対応づけて、当該透析情報共有システム又は他のシステムに記憶する手段、
A8:取得した前記透析進行状況情報の一部又は全部を、当該透析進行状況情報を送信した透析装置に対応するベッドサイド端末に送信する手段、
A9:前記ベッドサイド端末から送信されてくる情報又はサービスの提供要求を受信する手段、及び、
A10:提供要求を受信した情報又はサービスを、当該透析情報共有システム又は他のシステムの記憶装置から取得し、取得した情報又はサービスの一部又は全部を前記提供要求のあったベッドサイド端末に送信する手段、
を有しており、
B:各ベッドサイド端末は、少なくとも、
B1:前記サーバから送信されてくる前記透析条件情報及び前記透析進行状況情報の一部又は全部を、表示画面上の透析装置情報表示領域内に配置して、当該ベッドサイド端末の表示装置に表示する手段、
B2:外部からのメニュー選択情報の入力を受け付ける手段、
B3:外部からのメニュー選択情報の入力があったとき、入力されたメニュー選択情報に基づいて、選択されたメニューに対応する情報又はサービスを提供するウエブサイト、外部サーバ、又は外部装置と接続するか、入力されたメニュー選択情報を前記サーバに送信する手段、及び、
B4:前記外部からのメニュー選択情報の入力があったとき、前記透析装置情報表示領域内に配置されている透析条件情報及び透析進行状況情報の中から予め指定された情報を選択し、前記透析装置情報表示領域よりも大きさが縮小した継続表示領域内に配置する手段、
B5:前記ウエブサイト、前記外部サーバ、前記外部装置、又は前記サーバから提供される情報又はサービスを、表示画面上の前記継続表示領域とは異なる情報サービス表示領域内に配置する手段、及び、
B6:前記継続表示領域内に配置された前記透析条件情報及び前記透析進行状況情報と、前記情報サービス表示領域内に配置された情報又はサービスの双方を、当該ベッドサイド端末の表示装置に表示する手段、
を有している透析情報共有システムを提供することによって、上記課題を解決するものである。
【0012】
本発明は、また、透析患者のベッドサイドに配置されるベッドサイド端末の1又は複数台と、前記ベッドサイド端末の各々及び透析患者のベッドサイドに配置された透析装置の1又は複数台の各々とネットワークを介して接続されるサーバとが、所定のプログラムの下に動作することによって実現される下記ステップを含む透析情報共有方法を提供することによって、上記課題を解決するものである;
X1.前記ベッドサイド端末のいずれか又は前記透析装置のいずれかから、患者IDを前記サーバに送信するステップ、
X2.前記透析装置又は前記ベッドサイド端末から送信されてくる患者IDを前記サーバが受信するステップ、
X3.前記サーバが、受信した患者IDと前記患者IDを送信した透析装置又はベッドサイド端末とを対応づけるステップ、
X4.受信した患者IDに基づいて、前記サーバが、当該患者についての透析条件情報を、当該透析情報共有システム又は他のシステムから取得するステップ、
X5.取得した前記透析条件情報の一部又は全部を前記サーバから当該患者IDに対応する透析装置に送信するステップ、
X6.取得した前記透析条件情報の一部又は全部を前記サーバから当該患者IDに対応するベッドサイド端末に送信するステップ、
X7.前記サーバが、前記透析装置から透析の進行状況を表す情報と患者バイタルデータを含む透析進行状況情報を取得し、当該患者IDと対応づけて、当該透析情報共有システム又は他のシステムに記憶するとともに、取得した前記透析進行状況情報の一部又は全部を、当該透析進行状況情報を送信した透析装置に対応するベッドサイド端末に送信するステップ、
X8.前記サーバから送信されてくる前記透析条件情報及び前記透析進行状況情報の一部又は全部を、表示画面上の透析装置情報表示領域内に配置して、当該ベッドサイド端末の表示装置に表示するステップ、
X9.前記ベッドサイド端末のいずれかが、外部からのメニュー選択情報の入力を受け付けたとき、入力されたメニュー選択情報に基づいて、選択されたメニューに対応する情報又はサービスを提供するウエブサイト、外部サーバ、又は外部装置と接続するか、入力されたメニュー選択情報を前記サーバに送信するステップ、
X10.前記サーバが、前記ベッドサイド端末から送信されてくる情報又はサービスの提供要求を受信したとき、提供要求を受信した情報又はサービスを、当該透析情報共有システム又は他のシステムの記憶装置から取得し、取得した情報又はサービスの一部又は全部を前記提供要求のあったベッドサイド端末に送信するステップ、
X11.前記ベッドサイド端末のいずれかが、外部からのメニュー選択情報の入力を受け付けたとき、前記透析装置情報表示領域内に配置されている透析条件情報及び透析進行状況情報の中から予め指定された情報を選択し、前記透析装置情報表示領域よりも大きさが縮小した継続表示領域内に配置するステップ、及び、
X12.前記ベッドサイド端末が、前記ウエブサイト、前記外部サーバ、前記外部装置、又は前記サーバから提供される情報又はサービスを、表示画面上の前記継続表示領域とは異なる情報サービス表示領域内に配置し、前記継続表示領域内に配置された前記透析条件情報及び前記透析進行状況情報と、前記情報サービス表示領域内に配置された情報又はサービスの双方を、当該ベッドサイド端末の表示装置に表示するステップ。
【0013】
上記のとおり、本発明の透析情報共有システム及び共有方法においては、ネットワーク上に配置されたサーバが、受信した患者IDに基づいて当該患者の透析条件情報を、当該サーバが所属する透析情報共有システム又は他のシステムから取得し、これを当該患者IDに対応する透析装置に送信する手段又はステップを有しているとともに、当該患者IDに対応するベッドサイド端末にも送信する手段又はステップを有しているので、当該患者は、自身の横たわるベッドサイドに設置されているベッドサイド端末の表示装置を介して、自身のドライウエイト、当日又は前回測定した自身の体重、目標除水量、設定されている除水速度などの透析条件情報を知ることができる。
【0014】
また、本発明の透析情報共有システム及び共有方法においては、ネットワーク上に配置された前記サーバが、接続されている透析装置から透析の進行状況を表す情報と患者バイタルデータを含む透析進行状況情報を取得し、取得した透析進行状況情報の一部又は全部を、当該透析患者に対応するベッドサイド端末に送信する手段又はステップを有しているので、透析患者は、自身の横たわるベッドサイドに設置されているベッドサイド端末の表示装置を介して、透析経過時間や除水達成率等のその日の透析治療の進行状況を表す情報を見ることができるとともに、血圧や脈拍などの透析治療中の自身のバイタルデータを知ることができるので、安心して透析治療を受けることができる。
【0015】
さらに、本発明の透析情報共有システム及び共有方法においては、前記ベッドサイド端末の各々は、外部からのメニュー選択情報の入力を受け付ける手段又はステップを有し、外部からのメニュー選択情報の入力があったときには、入力されたメニュー選択情報に基づいて、選択されたメニューに対応する情報又はサービスを提供するウエブサイト、外部サーバ、又は外部装置と接続するか、入力されたメニュー選択情報を前記サーバに送信する手段又はステップを有しているので、患者は透析治療中、ベッドサイド端末を介して、医療機関内部又は外部の適宜の情報源と接続して、希望する種々の情報を取得、享受することができ、透析治療中の時間を快適かつ有効に活用することができる。
【0016】
透析治療中、患者がベッドサイド端末を介して取得、享受することができる情報としては、例えば、テレビ視聴は勿論、ゲーム、ビデオ・オン・デマンド、病院内案内、伝言板、eラーニング、インターネットラジオ、自身の透析記録、自身の検査結果、自身についての投薬情報、自身についての注射情報、又は自身の診療記録などが挙げられるが、これらに限られる訳ではない。なお、本発明の透析情報共有システム及び共有方法においては、患者がベッドサイド端末を介して、これらの情報を取得、享受しているときにも、ベッドサイド端末の表示画面の少なくとも一部には、上述した透析進行状況情報が表示されるので、他の情報と接しているときにも、患者はその日の透析治療の進行状況を自身のバイタルを含めて、常に把握、確認することが可能である。
【0017】
本発明の透析情報共有システム及び共有方法は、その好適な一態様において、前記サーバが、透析装置から取得した患者バイタルデータを含む透析進行状況情報に含まれる少なくとも1つの数値情報を予め患者ごとに定められた上限値及び/又は下限値と随時比較し、前記数値情報が前記上限値又は前記下限値に達した場合、警告信号を、前記数値情報を取得した透析装置に対応するベッドサイド端末に送信する手段又はステップを有している。これにより、例えば血圧の急激な低下などの異常が発生した場合には、患者は勿論、医療スタッフも直ちにその異常に気付くことができ、素早く適切な対応をすることが可能となる。
【0018】
また、本発明の透析情報共有システムは、その好適な他の一態様において、体重計と接続された体重計接続端末を有し、前記サーバは前記体重計接続端末とネットワークを介して接続され、前記サーバは、さらに、
A13:前記体重計接続端末から送信されてくる患者IDを受信する手段、
A14:受信した患者IDに基づいて、当該患者についてのドライウエイトと前回測定時の体重を当該透析情報共有システム又は他のシステムから取得する手段、
A15:取得したドライウエイト及び前回測定体重を、当該患者IDを送信した体重計接続端末に送信する手段、
A16:当該体重計接続端末から送信されてくる患者体重を受信する手段、及び、
A17:受信した患者体重を、当該患者の患者IDと対応づけて、前記透析条件情報に含める情報の一つとして、当該透析情報共有システム又は他のシステムに記憶する手段、
を有し、
C:前記体重計接続端末は、
C1:患者IDの入力を受け付ける手段、
C2:入力された患者IDを前記サーバに送信する手段、
C3:前記サーバから、当該患者についてのドライウエイト及び前回測定体重を受信する手段、
C4:受信したドライウエイト及び前回測定体重を当該体重計接続端末の表示装置に表示させる手段、及び、
C5:接続されている体重計から患者体重の測定値を受信し、受信した患者体重を当該体重計接続端末の表示装置に表示させるとともに、前記サーバに送信する手段、
を有している。
【0019】
また、本発明の透析情報共有方法は、その好適な他の一態様において、
Y1.体重計と接続された体重計接続端末であって、前記サーバとネットワークを介して接続されている体重計接続端末が、患者IDの入力を受け付けたとき、その入力された患者IDを前記サーバに送信するステップ、
Y2.前記体重計接続端末から送信されてくる患者IDを前記サーバが受信するステップ、
Y3.受信した患者IDに基づいて、前記サーバが、当該患者についてのドライウエイトと前回測定時の体重を当該透析情報共有システム又は他のシステムから取得し、取得したドライウエイト及び前回測定体重を、当該患者IDを送信した体重計接続端末に送信するステップ、
Y4.前記体重計接続端末が、前記サーバから、当該患者についてのドライウエイト及び前回測定体重を受信するステップ、
Y5.受信したドライウエイト及び前回測定体重を当該体重計接続端末の表示装置に表示させるステップ、
Y6.前記体重計接続端末が、接続されている体重計から患者体重の測定値を受信したとき、受信した患者体重を当該体重計接続端末の表示装置に表示させるとともに、前記サーバに送信するステップ、
Y7.当該体重計接続端末から送信されてくる患者体重を前記サーバが受信するステップ、及び、
Y8.受信した患者体重を、当該患者の患者IDと対応づけて、前記透析条件情報に含める情報の一つとして、当該透析情報共有システム又は他のシステムに記憶するステップ、
を有している。
【0020】
本発明の透析情報共有システム又は共有方法において、前記サーバが体重計接続端末とネットワークを介して上記のように接続される場合には、前記サーバは測定された患者体重を数値データとして取得して、これに基づいて、目標除水量や除水速度などの当日の透析条件を自動計算して、透析条件情報に含めることができるとともに、体重測定を行った患者の前回体重やドライウエイトを体重計接続端末に表示させ、患者自身に自己の体重管理状況を数値をもって示すことができるという利点が得られる。
【0021】
好適な一態様において、本発明の透析情報共有システム又は共有方法は、体重計接続端末から送信されてくる患者体重と当該患者についてのドライウエイト及び前回測定体重と比較して、当該患者の体重管理状態が予め定められた複数の体重管理ランクのいずれのランクに該当するかを判定する手段又はステップを有しており、さらに、判定した前記体重管理ランクを、対応する文字、記号、音声、色彩、絵、動画などにより、前記体重計接続端末の表示装置又は当該患者に対応するベッドサイド端末の表示装置又はその双方に表示させる手段又はステップを有している。これにより、患者に自身の体重管理状況を評価を伴って的確に伝達することができるので、患者の体重管理意欲を高めることに貢献できるという利点が得られる。
【0022】
本発明は、また、前記サーバ及び前記ベッドサイド端末又は前記体重計接続端末に上述した本発明の透析情報共有方法を実行させるための手順を記載したコンピュータプログラム、又は、前記プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することによって、上記課題を解決するものである。
【0023】
本発明の透析情報共有システム又は本発明の透析情報共有方法における手段又はステップは、いずれも1又は複数のコンピュータが所定のプログラムの下に動作することによって実現されるものである。各々のベッドサイド端末及び体重計接続端末が有する手段又はステップは、それぞれの端末内に常在するプログラムによって実行される手段又はステップであっても良いし、その都度、前記サーバ若しくは他のサーバからそれぞれの端末に提供されるものであっても良い。
【発明の効果】
【0024】
本発明の透析情報共有システム及び透析情報共有方法によれば、患者自身が常に自身の透析治療の条件やその進行状況、さらには自身の血圧等のバイタルデータをリアルタイムに知ることができるので、透析治療中も患者を情報隔離状態から解放するとともに、透析治療中の自身の体の状態を逐次把握することによって、患者に健康へと向かう意欲を起こさせ、患者が自身の治療に前向きになることに貢献できるという利点が得られる。また、本発明の透析情報共有システム及び透析情報共有方法によれば、透析治療の進行状況や自身のバイタルをベッドサイド端末の表示画面上で確認しながら、テレビやビデオを視聴したり、インターネットに接続したり、院内情報を閲覧したり、透析治療についてのeラーニングを受けたりすることができるので、患者は、安心して、自身の透析治療中の時間を自宅で過ごす時間とほぼ同様に有意義かつ快適に活用することができ、透析治療を必要とする患者の生活の質を向上させることができるという利点が得られる。また、本発明のコンピュータプログラムによれば、サーバ装置とベッドサイド端末を、透析装置や体重計接続端末と互いに連携させて情報交換し、透析治療に関する情報を、医療スタッフと患者とで共有する方法を容易に実現することができるという利点が得られる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面を参照しながら本発明を説明するが、本発明が図示されたものに限られないことは勿論である。
【0027】
〈システム構成〉
図1は、本発明に係る透析情報共有システムの一例を示すシステム構成図である。
図1において、1は本発明に係る透析情報共有システムを構成するサーバ、2A、2B、2Cはそれぞれ透析装置であり、透析装置2A〜2Cは、ネットワーク3を介してサーバ1と接続又は随時接続可能な状態にある。
図1において、透析装置としては2A〜2Cの3台しか示していないけれども、透析装置の台数が3台に限られず、4台以上であっても良いし、2台又は1台であっても良いことは言うまでもない。また、透析装置2A〜2Cは、異なる型のものであっても良い。4A、4B、4Cは、それぞれ透析装置2A、2B、2C付属の表示画面である。
【0028】
5A、5B、5Cは、それぞれ透析装置2A、2B、2Cに対応するベッドサイド端末であり、サーバ1とともに本発明の透析情報共有システムを構成する。ベッドサイド端末5A、5B、5Cは、透析装置2A、2B、2Cが設置されている透析用ベッドのベッドサイドにそれぞれ配置されている。6A、6B、6Cは、それぞれベッドサイド端末5A、5B、5Cの表示装置、7A、7B、7Cは、それぞれベッドサイド端末5A、5B、5Cに接続されているICカードリーダ、8A、8B、8Cは、それぞれベッドサイド端末5A、5B、5Cに接続されているテレビチューナーである。なお、
図1には、ベッドサイド端末5A〜5Cは3台しか示していないけれども、透析装置2A〜2Cと同様に、その台数が3台に限られず、4台以上であっても良いし、2台又は1台であっても良いことは勿論である。ベッドサイド端末5A〜5Cはネットワーク3を介してサーバ1と接続されているか或いは随時接続される。
【0029】
9は体重計であり、10は体重計9と接続されている体重計接続端末である。体重計接続端末10は、サーバ1及びベッドサイド端末5A〜5Cとともに、本発明の透析情報共有システムの好適な一例を構成する。11は体重計接続端末10の表示装置、12は体重計接続端末10に接続されているICカードリーダである。なお、
図1では、体重計9及び体重計接続端末10はそれぞれ1台しか示されていないけれども、2台以上の複数台あっても良いことは勿論である。体重計接続端末10もネットワーク3を介してサーバ1と接続されているか或いは随時接続される。
【0030】
13は記憶サーバであり、14は医療スタッフ端末、15は診療記録管理システム、16は医療会計システム、17は医療機関内情報システムである。これら記憶サーバ13、医療スタッフ端末14、診療記録管理システム15、医療会計システム16、及び医療機関内情報システム17は、ネットワーク3を介して、サーバ1と接続されているか或いは随時接続される。18はファイヤーウォール、19はインターネットである。
【0031】
以下、
図1を参照しながら、本発明に係る透析情報共有システムの動作を順次説明する。
【0032】
〈体重測定〉
体重は、その日の透析治療における目標除水量や除水速度などの透析条件を決定する基礎となる重要な数値であるので、透析治療を受けに医療機関に来院した患者は、まず、自身の体重を測定する。本発明に係る透析情報共有システムにおいて、例えば患者Xの体重測定は以下のような手順で行われる。
【0033】
患者X又はその家族又は医療スタッフは、患者Xの体重を体重計9で計測するにあたって、患者XのIDカードを体重計接続端末10に接続されているICカードリーダ12にかざし、患者Xの患者IDをICカードリーダ12に読み取らせる。体重計9自身がICカードリーダを有している場合には、そのICカードリーダにIDカードをかざして自身の患者IDを読み取らせるようにしても良い。患者XのIDカードがICカードリーダに対応したものではなく、磁気カードやバーコードを備えたカードである場合には、それらに対応する読取機器で患者IDを読み取るようにすれば良い。いずれにせよ、読み取られた患者IDは体重計接続端末10に送られる。このように体重計接続端末10は患者IDの入力を受け付ける手段を備えており、今の場合、体重計接続端末10に接続されているICカードリーダ12又は自身のICカードリーダを備えている体重計9がこれにあたる。
【0034】
体重計接続端末10は、ICカードリーダ12又は体重計9から送られてきた患者IDをネットワーク3を介してサーバ1に送信する。このとき、体重計接続端末10は、体重計接続端末10自身のIPアドレスを併せてサーバ1に送信する。また、患者Xの患者IDを受信した日時を含む時刻情報も併せて送信するようにしても良い。このように、体重計接続端末10は、所定のプログラムの下に動作することによって実現される手段として、入力された患者Xの患者IDをサーバ1に送信する手段を有している。これを透析情報共有方法に即していえば、上述した体重計接続端末10が患者Xの患者IDを受け付けてからサーバ1に送信するまでの動作が、体重計接続端末10が、患者IDの入力を受け付けたとき、その入力された患者IDをサーバ1に送信するステップということになる。
【0035】
一方、体重計接続端末10からサーバ1に向かって送信された患者IDと体重計接続端末10のIPアドレスは、サーバ1によって受信される。サーバ1によるこの動作が、体重計接続端末10から送信されてくる患者IDを受信する手段に相当し、透析情報共有方法に即していえば、体重計接続端末10から送信されてくる患者IDをサーバ1が受信するステップということになる。
【0036】
続いて、サーバ1は、受信した患者Xの患者IDに基づいて、患者Xのドライウエイトと前回測定時の体重を、それらの情報を記憶している適宜の記憶装置から読み出して取得する。このとき、サーバ1は、ドライウエイトと前回測定時の体重に加えて、患者Xの氏名、年齢、性別等の患者Xを特定する情報を併せて取得する。
【0037】
患者Xのドライウエイトと前回測定時の体重、又は患者Xを特定する情報を記憶している記憶装置としては、例えば、サーバ1内の記憶装置であっても良く、また、記憶サーバ13のようにサーバ1自身が所属している本発明の透析情報共有システム内にあってサーバ1とネットワーク3を介して随時接続される記憶装置であっても良いし、さらには、サーバ1とネットワーク3又はインターネット19を介して随時接続される他のシステム内の記憶装置であっても良い。
【0038】
他のシステム内の記憶装置としては、例えば、当該医療機関が備える電子カルテシステムなどの診療記録管理システム15が挙げられる。患者Xのドライウエイトと前回測定時の体重が、患者Xを特定する情報とともに、患者Xの診療記録として、診療記録管理システム15に記憶されている場合には、サーバ1は、ネットワーク3を介して随時接続される診療記録管理システム15内の記憶装置から患者Xのドライウエイトと前回測定時の体重を読み出して取得し、さらには必要に応じて患者Xを特定する情報を取得する。このように、サーバ1は、所定のプログラムの下に動作することによって実現される手段として、受信した患者Xの患者IDに基づいて、患者Xについてのドライウエイトと前回測定時の体重をサーバ1が所属する本発明の透析情報共有システム又は他のシステムから取得する手段を有している。
【0039】
続いて、サーバ1は取得した患者Xのドライウエイトと前回測定体重、及び患者Xを特定する情報を、対応する患者IDとともに、患者Xについての患者IDを送信してきた体重計接続端末10に送信する。すなわち、サーバ1は、所定のプログラムの下に動作することによって実現される手段として、取得したドライウエイト及び前回測定体重を、患者Xの患者IDを送信した体重計接続端末10に送信する手段を有している。
【0040】
また、透析情報共有方法に即していえば、適宜の記憶装置からの患者Xのドライウエイト及び前回測定体重を取得し、取得したそれら情報の体重計接続端末10に送信するまでのサーバ1によって実行される動作が、受信した患者IDに基づいて、サーバ1が、当該患者についてのドライウエイトと前回測定時の体重を当該透析情報共有システム又は他のシステムから取得し、取得したドライウエイト及び前回測定体重を、当該患者IDを送信した体重計接続端末10に送信するステップということになる。
【0041】
体重計接続端末10は、サーバ1から送信されてくる患者Xのドライウエイト及び前回測定体重、患者Xを特定する情報、さらには患者IDを受信し、受信した患者Xのドライウエイト及び前回測定体重を、患者ID、患者氏名、性別、年齢等から選ばれる1又は2以上の患者Xを特定する適宜の情報とともに、体重計接続端末10の表示装置11に表示する。すなわち、体重計接続端末10は、所定のプログラムの下に動作することによって実現される手段として、サーバ1から当該患者についてのドライウエイト及び前回測定体重を受信する手段、及び、受信したドライウエイト及び前回測定体重を体重計接続端末10の表示装置11に表示させる手段を有していることになる。
【0042】
透析情報共有方法に即していえば、体重計接続端末10によって行われる上記の各種情報の受信と、表示装置11への表示が、体重計接続端末10が、サーバ1から、当該患者についてのドライウエイト及び前回測定体重を受信するステップ、及び受信したドライウエイト及び前回測定体重を体重計接続端末10の表示装置11に表示させるステップということになる。
【0043】
体重計接続端末10の表示装置11に患者Xのドライウエイト及び前回測定体重が、患者Xを特定する情報とともに表示されると、患者X又はその家族又は担当医療スタッフは、表示装置11に表示された患者Xを特定する情報を確認することによって、体重計9による患者Xの体重測定準備が整ったことを知ることができる。後は、患者Xが体重計9に乗ることによって患者Xの体重が測定される。
【0044】
因みに、患者ごとに体重測定時の風袋を設定しておくことも可能であり、その場合には、患者ごとに予め設定されてある風袋量が、ドライウエイト及び前回測定体重とともにサーバ1によって適宜の記憶装置から読み出され、ドライウエイト及び前回測定体重をともに体重計接続端末10に送信され、実際の体重測定値から自動的に減算されることになる。なお、患者ごとに予め設定されたある風袋量は、後述する医療スタッフによる透析条件等の変更と同様に、医療スタッフ端末14から適宜変更が可能である。
【0045】
いずれにせよ体重計9によって測定された患者Xの体重は接続されている体重計接続端末10に送られる。体重計接続端末10は測定された体重を受信すると、ドライウエイト及び前回測定体重とともに表示装置11に表示するとともに、サーバ1に送信する。すなわち、体重計接続端末10は、所定のプログラムの下に動作することによって実現される手段として、接続されている体重計9から患者体重の測定値を受信し、受信した患者体重を体重計接続端末10の表示装置11に表示させるとともに、サーバ1に送信する手段を有しているということになる。透析情報共有方法に即していえば、体重計接続端末10が所定のプログラムの下で実行する上記の動作が、体重計接続端末10が、接続されている体重計9から患者体重の測定値を受信したとき、受信した患者体重を体重計接続端末10の表示装置11に表示させるとともに、サーバ1に送信するステップということになる。
【0046】
サーバ1は、自身が所定のプログラムの下に動作することによって実現される手段として、体重計接続端末10から送信されてくる患者Xの測定体重を受信する手段を備えており、併せて、サーバ1は、受信した患者Xの体重を、患者Xの患者IDと対応づけて、後述する透析条件情報に含める情報の一つとして、本発明の透析情報共有システム内又は他のシステム内の記憶装置に記憶する手段を備えている。透析情報共有システム内の記憶装置としては、上述したサーバ1内の記憶装置又はサーバ1とネットワーク3を介して随時接続される記憶サーバ13が挙げられ、また、他のシステム内の記憶装置としては、同じく上述した診療記録管理システム15内の記憶装置が挙げられる。ただし、当日測定した患者Xの体重は、先に、患者Xのドライウエイトと前回測定体重を取得した記憶装置と同じ記憶装置に、患者IDと対応づけて記憶させるのが好ましい。
【0047】
サーバ1によって行われるこの動作が、透析情報共有方法に即していえば、体重計接続端末10から送信されてくる患者体重をサーバ1が受信するステップ、及び、受信した患者体重を、当該患者の患者IDと対応づけて、透析条件情報に含める情報の一つとして、本発明の透析情報共有システム又は他のシステムに記憶するステップに相当する。
【0048】
さらに、サーバ1は、受信した患者Xの当日測定された体重と、先に取得した患者Xについてのドライウエイトに基づいて、患者Xのその日の透析治療における目標除水量又は除水速度又はその両者を計算で求める。このとき、必要であれば、サーバ1は、患者Xについての他の透析条件又はその他の情報を、それらを記憶している記憶装置から取得して、前記目標除水量又は除水速度又はその両者の計算に使用しても良い。また、サーバ1は、患者Xのドライウエイトとして先に取得したドライウエイトを用いる代わりに、それが記憶されている記憶装置から患者Xのドライウエイトを新たに取得しても良い。
【0049】
サーバ1は、求めた目標除水量及び/又は除水速度を、先に受信した患者Xの測定体重と同様に、患者IDと対応づけて、後述する透析条件情報に含める情報の一つとして、本発明の透析情報共有システム内又は他のシステム内の記憶装置に記憶する。この記憶先の記憶装置は、先に、患者Xのドライウエイトと前回測定体重を取得した記憶装置と同じシステム内にある同じ記憶装置であるのが好ましい。
【0050】
このように、サーバ1は、サーバ1が所定のプログラムの下に動作することによって実現される手段として、受信した患者体重と当該患者についてのドライウエイトとに基づいて、目標除水量及び/又は除水速度を計算する手段、及び、計算された目標除水量及び/又は除水速度を透析条件情報に含める情報の一つとして、本発明の透析情報共有システム又は他のシステムに記憶する手段を有している。
【0051】
透析情報共有方法に即していえば、サーバ1による上記目標除水量及び/又は除水速度の計算と、その記憶装置への記憶動作が、サーバ1が受信した患者体重と当該患者についてのドライウエイトとに基づいて、目標除水量及び/又は除水速度を計算するステップ、及び、計算された目標除水量及び/又は除水速度を透条件情報に含める情報の一つとして、本発明の該透析情報共有システム又は他のシステムに記憶するステップに相当する。
【0052】
サーバ1は、さらに、受信した患者Xについての当日測定した体重と、患者Xについてのドライウエイト及び前回測定体重とを比較して、患者Xによる自身の体重管理状態を判定する手段を備えている。判定方法や判定基準はどのようなものであっても良く、それぞれの医療機関内で独自に設定しても良いし、汎用乃至は基準とされているものがあればそれに依っても良いが、例えば、優、良、可、不可といった4つ程度の体重管理ランクに分け、そのいずれの体重管理ランクに該当するのかを判定するようにするのが望ましい。
【0053】
サーバ1は、上記のようにして患者Xの体重管理状態がいずれの体重管理ランクに該当するのかを判定し、その判定結果を、後述する透析条件情報の一つとして、患者Xの患者IDと対応づけて、本発明の透析情報共有システム内又は他のシステム内の記憶装置に記憶する。この記憶先の記憶装置は、先に、患者Xのドライウエイトと前回測定体重を取得した記憶装置と同じシステム内にある同じ記憶装置であるのが好ましい。
【0054】
さらにサーバ1は、判定した患者Xの体重管理ランクを、患者Xの当日の測定体重を送信してきた体重計接続端末10に送信し、体重計接続端末10の表示装置11に表示させる。この表示は、患者の体重管理意欲を向上させる表示であるのが好ましく、例えば、前述した優、良、可、不可のそれぞれに対応させて、「素晴らしく体重管理ができています」、「よく頑張って体重管理されています」、「もう少し頑張って体重管理しましょう」、「体重管理がなっていません」などの文字によるメッセージとして表示するのが好ましく、よりインパクトがあるものとするために、記号や音声、色彩、絵、動画などを付加しても良い。なお、この付加される記号、音声、色彩、絵、動画などが、判定された体重管理ランクに対応して、それぞれ異なるものとされていることはいうまでもない。
【0055】
上記のとおり、サーバ1は、所定のプログラムの下に動作することによって実現される手段として、受信した患者体重と当該患者についてのドライウエイト及び前回測定体重と比較し、その比較結果に基づいて、当該患者の体重管理状態が予め定められた複数の体重管理ランクのいずれのランクに該当するかを判定する手段、判定された体重管理ランクを、当該患者IDと対応づけて、透析条件情報に含める情報の一つとして、本発明の透析情報共有システム又は他のシステムに記憶する手段、及び、判定された前記体重管理ランクを、対応する文字、記号、音声、色彩、絵、動画などにより、体重計接続端末10の表示装置11に表示させる手段を有している。なお、後述するとおり、前記体重管理ランクに関する情報を含む透析条件情報は、サーバ1から当該患者に対応するベッドサイド端末に送信され、ベッドサイド端末の表示装置に表示されるので、サーバ1は、所定のプログラムの下に動作することによって実現される手段として、前記体重管理ランクを対応するベッドサイド端末の表示装置に表示させる手段を有していることになる。
【0056】
透析情報共有方法に即していえば、サーバ1による上記の動作が、サーバ1が受信した患者体重と当該患者についてのドライウエイト及び前回測定体重と比較し、その比較結果に基づいて、当該患者の体重管理状態が予め定められた複数の体重管理ランクのいずれのランクに該当するかを判定するステップ、判定された体重管理ランクを、当該患者IDと対応づけて、透析条件情報に含める情報の一つとして、本発明の透析情報共有システム又は他のシステムに記憶するステップ、及び、判定された体重管理ランクを、対応する文字、記号、音声、色彩、絵、動画などにより、体重計接続端末10の表示装置11及び/又は当該患者に対応するベッドサイド端末の表示装置に表示させるステップということになる。
【0057】
〈透析治療〉
体重測定を終えた患者Xは、続いて透析装置が備えられた透析治療室において透析治療を受ける。本発明に係る透析情報共有システムにおいて、患者Xの透析治療は以下のような手順で行われる。
【0058】
患者Xが透析治療を受ける透析装置が例えば
図1における透析装置
2Bであった場合、患者X又はその家族又は担当医療スタッフは、透析装置
2Bで透析治療を受ける患者が横たわる透析用ベッドのベッドサイドに設置されているベッドサイド端末5BのICカードリーダ7Bに患者XのIDカードをかざして、患者Xの患者IDをICカードリーダ7Bに読み取らせる。透析装置2B自身がICカードリーダを有している場合には、そのICカードリーダにIDカードをかざして自身の患者IDを読み取らせるようにしても良い。先に体重測定のときに述べたと同様に、患者XのIDカードがICカードリーダに対応したものではなく、磁気カードやバーコードを備えたカードである場合には、それらに対応する読取機器で患者IDを読み取るようにすれば良い。
【0059】
いずれにせよ、読み取られた患者IDは、ベッドサイド端末5B又は透析装置2Bからネットワーク3を介してサーバ1に送信される。このとき、ベッドサイド端末5B又は透析装置2Bは、自身のIPアドレスも併せてサーバ1に送信する。透析情報共有方法に即していえば、このベッドサイド端末5B又は透析装置2Bからサーバ1への患者IDの送信が、ベッドサイド端末のいずれか又は前記透析装置のいずれかから、患者IDをサーバ1に送信するステップに相当する。なお、患者IDをサーバ1に送信するに際して、ベッドサイド端末5B又は透析装置2Bは、その送信の日時を含む時刻情報を併せてサーバ1に送信する。
【0060】
サーバ1は、ベッドサイド端末5B又は透析装置2Bから送られてくる患者IDを受信すると、受信した患者IDと、これを送信したベッドサイド端末5B又は透析装置2BのIPアドレスとに基づいて、受信した患者IDとこれを送信したベッドサイド端末5B又は透析装置2Bを対応づける。サーバ1は、予め、ベッドサイド端末5A〜5Cと透析装置2A〜2Cとを対応づける対応表を自身の記憶装置又は記憶サーバ13内に持っているので、受信した患者IDと、これを送信したベッドサイド端末5B又は透析装置2Bのいずれか一方とを対応づけることによって、他方の透析装置2B又はベッドサイド端末5Bと受信した患者IDとも対応づけられることになる。
【0061】
このようにサーバ1は、サーバ1が所定のプログラムの下に動作することによって実現される手段として、透析装置又はベッドサイド端末から送信されてくる患者Xの患者IDを受信する手段、及び、受信した患者Xの患者IDと当該患者IDを送信した透析装置2B又はベッドサイド端末5Bとを対応づける手段を有しており、さらに、透析装置2A〜2Cの各々とベッドサイド端末5A〜5Cの各々とを対応づける手段として、両者の対応表を有している。
【0062】
透析情報共有方法に即していえば、サーバ1がベッドサイド端末5B又は透析装置2Bから送られてくる患者IDを受信する動作が、透析装置2B又はベッドサイド端末5Bから送信されてくる患者IDをサーバ1が受信するステップに相当し、サーバ1が受信した患者IDと、これを送信したベッドサイド端末5B又は透析装置2Bのいずれか一方とを対応づける動作が、サーバ1が、受信した患者IDと前記患者IDを送信した透析装置2B又はベッドサイド端末5Bとを対応づけるステップに相当する。
【0063】
続いてサーバ1は、受信した患者Xの患者IDに基づいて、患者Xについての透析条件情報を、それらの情報を記憶している適宜の記憶装置から読み出して取得する。透析条件情報とは、当該患者Xについて透析治療を行うにあたり必要とされる情報であり、患者Xのドライウエイトや前回測定体重、先に測定された当日の体重に基づいて計算された目標除水量、除水速度や、前回測定体重と今回測定体重との差、サーバ1が判定した患者Xの体重管理状態のランクについての情報などが含まれる。透析条件情報には、さらに、血液流量、静脈圧、治療モード、補液温度、シリンジポンプ速度、透析液圧、目標保液量、透析液温度、TMP、透析濃度、透析液流量などの透析治療に関わる情報の1又は2以上を含めても良い。このとき、サーバ1は、患者Xの氏名、年齢、性別等の患者Xを特定する情報を併せて取得する。
【0064】
患者Xの透析条件情報を記憶している記憶装置としては、例えば、サーバ1内の記憶装置であっても良く、また、記憶サーバ13のようにサーバ1自身が所属している本発明の透析情報共有システム内にあってサーバ1とネットワーク3を介して随時接続される記憶装置であっても良いし、さらには、サーバ1とネットワーク3又はインターネット19を介して随時接続される他のシステム内の記憶装置であっても良い。
【0065】
他のシステム内の記憶装置としては、先に患者Xのドライウエイト等の記憶装置と同様に、例えば、当該医療機関が備える電子カルテシステムなどの診療記録管理システム15が挙げられる。このように、サーバ1は、所定のプログラムの下に動作することによって実現される手段として、受信した患者Xの患者IDに基づいて、当該患者についてのドライウエイトと前回測定時を含む透析条件情報を、サーバ1が所属する本発明の透析情報共有システム又は他のシステムから取得する手段を有している。
【0066】
透析情報共有システムに即していえば、サーバ1による上述した透析条件情報の取得が、受信した患者IDに基づいて、サーバ1が、当該患者についての透析条件情報を、本発明の透析情報共有システム又は他のシステムから取得するステップに相当する。
【0067】
続いて、サーバ1は取得した患者Xの透析条件情報を、対応する患者IDとともに、先に受信した透析装置2B又はベッドサイド端末5BのIPアドレスに基づいて、患者Xに対応する透析装置2B、換言すれば患者Xがその日に透析治療を受ける透析装置2Bに送信する。このとき、サーバ1は、取得した透析条件情報の全てを透析装置2Bに送信しても良いし、透析条件情報に含まれる予め定められた一部の情報のみを透析装置2Bに送信しても良い。このように、サーバ1は、所定のプログラムの下に動作することによって実現される手段として、取得した透析条件情報の一部又は全部を当該患者IDに対応する透析装置2Bに送信する手段を有しており、これを透析情報共有方法に即していえば、サーバ1によるこの動作が、取得した透析条件情報の一部又は全部をサーバ1から当該患者IDに対応する透析装置2Bに送信するステップに相当することになる。
【0068】
サーバ1から患者Xについての透析条件情報の送信を受けた透析装置2Bは、受信した透析条件情報を自身の表示装置4Bに自身のフォーマットで表示し、これにより、透析治療開始準備が完了したことになる。
【0069】
また、サーバ1は、取得した透析条件情報を、対応する患者IDとともに、先に受信した透析装置2B又はベッドサイド端末5BのIPアドレスに基づいて、患者Xに対応するベッドサイド端末5B、換言すれば患者Xがその日に透析治療を受ける透析用ベッドのベッドサイドに設置されているベッドサイド端末5Bに送信する。このとき、サーバ1は、取得した透析条件情報の全てをベッドサイド端末5Bに送信しても良いし、透析条件情報に含まれる予め定められた一部の情報のみをベッドサイド端末5Bに送信しても良い。取得した透析条件情報のうちどの情報をベッドサイド端末5Bに送信するかは、例えば、後述する医療スタッフ端末14から適宜設定、変更できるようになっており、また、患者ごとにカスタマイズすることも可能である。
【0070】
このように、サーバ1は、所定のプログラムの下に動作することによって実現される手段として、取得した透析条件情報の一部又は全部を当該患者IDに対応するベッドサイド端末5Bに送信する手段を有している。これ手段を透析情報共有方法に即していえば、サーバ1によるこの動作が、取得した透析条件情報の一部又は全部をサーバ1から当該患者IDに対応するベッドサイド端末5Bに送信するステップに相当することになる。
【0071】
サーバ1から患者Xについての透析条件情報の送信を受けたベッドサイド端末5Bは、受信した透析条件情報の一部又は全部を、自身の表示装置6Bの表示画面上に予め設定された透析装置情報表示領域内に配置して、表示装置6Bに透析装置情報画面として表示する。表示する透析装置情報画面のフォーマット、すなわち、表示画面上の前記透析装置情報表示領域の位置及び大きさや、その領域内に配置される各種情報の位置、大きさ、色などのプロパティは、ベッドサイド端末5Bが自身の内部に予め記憶されているものであって良いし、サーバ1から透析条件情報とともに送信されてくるものであっても良い。また、ベッドサイド端末5Bの表示装置6Bに表示される透析装置情報画面のフォーマットは、対応する透析装置2Bの表示装置4Bに表示されるフォーマットと同じであっても良いし、異なっていても良い。
【0072】
図2は、表示装置6Bに表示される透析装置情報画面の一例を示す図であり、サーバ1から送信されてきた透析条件情報が表示された状態にある。
図2に示すとおり、画面の中央には、画面右下の体重管理ランクの表示領域を含めて、透析装置情報表示領域が大きく設定されており、その領域内に透析条件情報を含めた各種情報が配置され、併せて画面右側には、メニューボタン表示領域が設定されており、そのメニューボタン表示領域内には後述する各種アメニティのメニューボタンが配置されている。
図2の例では、未だ透析治療が始まっていないので、ドライウエイト、前回体重、測定体重、前回体重からの増加分、目標除水量、除水速度や、その他、血液流量などの予め定められている透析条件は表示されているが、透析経過時間は「0時間0分」、除水達成率は「0%」と表示されている。
【0073】
因みに、
図2に示すとおり、患者Xは前回の測定体重が50.5kgであったところ、今回測定体重は49.5kgであり、1kgの減少となって、ドライウエイト45.6kgに近づいている。そこでサーバ1は、患者Xの体重管理状態を上から2つ目の「良」にランク付けし、そのランクについての情報と「よく頑張って体重管理されています」との対応するメッセージを、その下に表示されている絵とともにベッドサイド端末5Bに送信し、ベッドサイド端末5Bは、送信されてきたメッセージと絵とを、表示画面上における透析装置情報表示領域内の所定位置に配置して、患者Xの体重管理状態のランクを表す情報として表示装置6Bに表示する。なお、メッセージと絵とは、ベッドサイド端末5Bが自身の記憶装置に記憶してあるものでも良く、サーバ1から送信されてくるのはランクに関する情報のみであっても良い。
【0074】
患者Xは、ベッドサイド端末5Bの表示装置6Bにおける
図2に示すような透析装置情報画面を見ることによって、自身のドライウエイト、前回測定体重、今回測定体重、その増加分や、目標除水量、除水速度などの患者X自身の透析治療における各種透析条件を透析用ベッドに横たわりながら、把握、確認することができる。併せて、表示装置6Bには、自身の体重管理状態についての評価ランクが適切なメッセージや絵とともに表示されているので、前回の透析治療時から今回の透析治療時までの自身の体重管理状態をつぶさに知ることができ、今後の体重管理の励みとすることができる。
【0075】
上述したとおり、ベッドサイド端末5Bは、所定のプログラムの下に動作することによって実現される手段として、サーバ1から送信されてくる透析条件情報の一部又は全部を、表示画面上の透析装置情報表示領域内に配置して、透析装置情報画面として、ベッドサイド端末5Bの表示装置6Bに表示する手段を有している。また、これを透析情報共有方法に即していえば、サーバ1から送信されてくる透析条件情報の一部又は全部を、表示画面上の透析装置情報表示領域内に配置して、透析装置情報画面として、ベッドサイド端末5Bの表示装置6Bに表示するステップということになる。
【0076】
サーバ1から送信されてくる透析条件情報の一部又は全部が例えば
図2に示すような透析装置情報画面が表示され、その内容が確認された後、指定された透析条件の下で透析治療が開始される。
【0077】
透析治療中、透析装置2Bは、一定時間ごとに透析進行状況情報を患者IDと対応づけてサーバ1に送信する。透析進行状況情報には、一定時間ごとに自動で測定される患者Xの血圧や脈拍とそれらの測定時刻などからなる患者バイタルデータと、透析装置2が一定時間ごとに設定された目標除水量と実際の除水量とに基づいて計算する除水達成率、透析開始からの経過時間などの透析の進行状況を表す情報が含まれる。透析装置2Bが一定時間ごとに透析進行状況情報をサーバ1に送信する代わりに、サーバ1が一定時間ごとに透析装置2Bにアクセスして、透析進行状況情報を取得するようにしても良い。
【0078】
いずれにせよ、サーバ1は、透析装置2Bから一定時間ごとに患者バイタルデータと透析の進行状況を表す情報を含む透析進行状況情報を取得し、取得した透析進行状況情報を、患者Xの患者IDと対応づけて、本発明の透析情報共有システム内又は他のシステム内の記憶装置に記憶する。透析進行状況情報は、原則としてはどの記憶装置に記憶させても良いが、患者Xの透析条件情報が記憶されている記憶装置に記憶させるのが好ましい。さらにサーバ1は、透析装置2Bから取得した透析進行状況情報の一部又は全部を、透析装置2Bに対応するベッドサイド端末5Bに送信する。
【0079】
このように、サーバ1は、所定のプログラムの下に動作することによって実現される手段として、透析装置2Bから透析の進行状況を表す情報と患者バイタルデータを含む透析進行状況情報を取得し、当該患者IDと対応づけて、本発明の透析情報共有システム又は他のシステムに記憶する手段と、取得した透析進行状況情報の一部又は全部を、当該透析進行状況情報を送信した透析装置2Bに対応するベッドサイド端末5Bに送信する手段を有している。これを透析情報共有方法に即していえば、サーバ1によって行われる上記動作が、サーバ1が、透析装置2Bから透析の進行状況を表す情報と患者バイタルデータを含む透析進行状況情報を取得し、当該患者IDと対応づけて、本発明の透析情報共有システム又は他のシステムに記憶するとともに、取得した前記透析進行状況情報の一部又は全部を、当該透析進行状況情報を送信した透析装置2Bに対応するベッドサイド端末5Bに送信するステップに相当する。
【0080】
サーバ1から透析進行状況情報の送信を受けたベッドサイド端末5Bは、受信した透析進行状況情報の一部又は全部を、表示画面上に設定されている前述した透析装置情報表示領域内の所定位置に配置して、先に透析条件情報に基づいて表示装置6Bに表示している透析装置情報画面に組み入れ、新たに透析装置情報画面として表示装置6Bに表示する。
【0081】
図3は、このようにして表示装置6Bに表示される透析装置情報画面の一例を示す図である。
図3に示すとおり、透析治療開始後に表示装置6Bに表示される透析装置情報画面には、患者Xの血圧及び脈拍といったバイタルデータが、前回血圧測定時刻、前回血圧とともに表示されており、併せて、透析経過時間及び除水達成率が数値で示され、透析の残り時間が黒色のバーの長さで直感的に示されている。
【0082】
患者Xが透析治療のために横たわる透析用ベッドの傍に設置されたベッドサイド端末5Bの表示装置6Bに、このような透析装置情報画面が表示されるので、患者Xは、ベッドサイド端末5Bの表示装置6Bを随時見ることによって、透析治療中も、自身の透析治療の進行具合はもとより、自身の血圧、脈拍等のバイタルデータを、医療スタッフに頼ることなく、把握、確認することができ、透析治療中の情報隔離状態から解放される。
【0083】
このように、ベッドサイド端末5Bは、所定のプログラムの下に動作することによって実現される手段として、サーバ1から送信されてくる透析条件情報及び透析進行状況情報の一部又は全部を、画面上の透析装置情報表示領域内に配置して、透析装置情報画面として、ベッドサイド端末5Bの表示装置6Bに表示する手段を有しており、透析情報共有方法に即していえば、ベッドサイド端末5Bが行う上記の動作が、サーバ1から送信されてくる透析条件情報及び透析進行状況情報の一部又は全部を、画面上の透析装置情報表示領域内に配置して、透析装置情報画面として、ベッドサイド端末5Bの表示装置6Bに表示するステップに相当することになる。
【0084】
〈アメニティ〉
本発明の透析情報共有システムは、上述した機能に加えて、長時間に及ぶ透析治療中の患者の気を紛らせ、或いは長時間に及ぶ透析治療時間を患者が有効に活用し有意義に過ごすための一助として、以下に述べるアメニティ機能を備えている。
【0085】
図2、
図3に示すとおり、ベッドサイド端末5Bの表示装置6Bには、その中央に位置する透析装置情報画面に加えて、図中右側に「TV起動」、「病院情報」、「検索サイト」、「VOD(ビデオ・オン・デマンド)」、「診療記録」などの情報又はサービスを提供するメニューボタンを有している。患者X又は家族は、透析装置情報画面に表示されているこれらメニューボタンの中から好きなメニューを選んで、例えば表示装置6Bの画面上でそのボタンをタッチすることによって、希望するメニューを随時選択することができる。表示装置6Bに表示される透析装置情報画面を介して入力されるメニューの選択情報は、ベッドサイド端末5Bに伝えられ、ベッドサイド端末5Bはこれを受け付ける。すなわち、ベッドサイド端末5Bは、外部からのメニュー選択情報の入力を受け付ける手段を有している。
【0086】
ベッドサイド端末5Bは、上記のようにして、外部からのメニュー選択情報の入力があったとき、選択されたメニューに対応する情報又はサービスを提供するウエブサイト、外部サーバ、又は外部装置に接続するか、或いは入力されたメニュー選択情報をサーバ1に送信する。例えば、選択されたメニューが「TV起動」である場合には、ベッドサイド端末5Bは、テレビチューナー8Bに接続し、テレビの映像及び音声情報を含むテレビ情報を取得する。この場合、テレビチューナー8Bは外部装置に相当する。或いは、選択されたメニューが「検索サイト」である場合には、ベッドサイド端末5Bは、ファイヤーウォール18を介してインターネット19に接続して、検索サービスを提供している適宜の検索ウエブサイトから検索画面を取得する。選択されたメニューが「VOD(ビデオ・オン・デマンド)」である場合にも、接続先が、「VOD」サービスを提供しているウエブサイトに変更されるだけで、ベッドサイド端末5Bの動作としては同じである。
【0087】
一方、選択されたメニューが「病院情報」である場合には、ベッドサイド端末5Bは、ネットワーク3を介して医療機関内情報システム17に接続し、医療機関内情報システム17から必要な情報を取得するか、サーバ1に「病院情報」の選択情報を送信し、サーバ1を介して、医療機関内情報システム17から必要な情報を取得する。この場合、医療機関内情報システム17を提供しているサーバが外部サーバに相当する。選択されたメニューが「診療記録」である場合には、ベッドサイド端末5Bがネットワーク3を介して接続する外部サーバ又はベッドサイド端末5Bがサーバ1を介して診療記録を取得する外部サーバが、例えば、診療記録管理システム15に変わるだけで、ベッドサイド端末5Bの動作としては同じである。
【0088】
上記のとおり、ベッドサイド端末5Bは、所定のプログラムの下に動作することによって実現される手段として、外部からのメニュー選択情報の入力があったとき、入力されたメニュー選択情報に基づいて、選択されたメニューに対応する情報又はサービスを提供するウエブサイト、外部サーバ、又は外部装置と接続するか、入力されたメニュー選択情報をサーバ1に送信する手段を有している。透析情報共有方法に即していえば、このベッドサイド端末5Bによって実行される動作が、ベッドサイド端末5A〜5Cのいずれかが、外部からのメニュー選択情報の入力を受け付けたとき、入力されたメニュー選択情報に基づいて、選択されたメニューに対応する情報又はサービスを提供するウエブサイト、外部サーバ、又は外部装置と接続するか、入力されたメニュー選択情報を前記サーバに送信するステップに相当する。
【0089】
外部からのメニュー選択情報の入力があったとき、ベッドサイド端末5Bは、さらに、透析装置情報画面として表示装置6Bに表示している透析条件情報及び透析進行状況情報、換言すれば、表示装置6Bの表示画面上の透析装置情報表示領域内に配置されている透析条件情報及び透析進行状況情報の中から予め指定されている情報を選択し、選択した情報を表示装置6Bの表示画面上の継続表示領域内に配置する。継続表示領域は、表示画面上に前記透析装置情報表示領域よりも大きさが縮小した領域として設定されている。これは、その縮小して空いた領域に、前記メニューボタンを介して選択された情報又はサービスを併せて表示するためである。
【0090】
なお、透析装置情報表示領域内に配置されていた透析条件情報及び透析進行状況情報の中からどの情報を選択すべき情報として指定するかは適宜変更可能であるが、通常、患者にとって重要度の高い情報を選択すべき情報として指定するのが良く、例えば、少なくとも血圧とその測定時刻、脈拍、除水達成率及び透析進行状況を表す図、先に計測された体重に基づいて判定された体重管理ランクなどが指定すべき情報として挙げられる。また、それら指定され、選択された情報が配置される継続表示領域の大きさや位置も適宜変更できることはいうまでもない。また、継続表示領域内に配置するにあたり、指定され選択された情報を表す文字、図形等の大きさや位置、色、形態等のプロパティを変更しても良いことは勿論であり、ベッドサイド端末5Bは、通常、透析装置情報表示領域よりも大きさの縮小された継続表示領域内に、指定され選択された情報を配置するに際し、それら情報を表す文字や図形の大きさを透析装置情報表示領域に配置するときよりも縮小する。
【0091】
このように、ベッドサイド端末5Bは、所定のプログラムの下に動作することによって実現される手段として、外部からのメニュー選択情報の入力があったとき、前記透析装置情報表示領域内に配置されている透析条件情報及び透析進行状況情報の中から予め指定された情報を選択し、前記透析装置情報表示領域よりも大きさが縮小した継続表示領域内に配置する手段を備えている。透析情報共有方法に即していえば、ベッドサイド端末5Bの上述した動作が、外部からのメニュー選択情報の入力があったとき、前記透析装置情報表示領域内に配置されている透析条件情報及び透析進行状況情報の中から予め指定された情報を選択し、前記透析装置情報表示領域よりも大きさが縮小した継続表示領域内に配置するステップに相当する。
【0092】
さらに、ベッドサイド端末5Bは、接続したウエブサイト、外部サーバ、又は外部装置、或いは入力されたメニュー選択情報を送信したサーバ1から提供され、取得した情報又はサービスを、表示装置6Bの表示画面上に前記継続表示領域とは異なる領域として設定されている情報サービス表示領域内に配置し、続いて、前記継続表示領域内に配置した透析条件情報及び透析進行状況情報と、前記情報サービス表示領域内に配置した情報又はサービスの双方を、表示装置6Bに表示する。
【0093】
このように、ベッドサイド端末5Bは、所定のプログラムの下に動作することによって実現される手段として、ウエブサイト、診療記録管理システム15又は医療機関内情報システム17などの外部サーバ、テレビチューナー8Bなどの外部装置、又はサーバ1から提供される情報又はサービスを、表示画面上の前記継続表示領域とは異なる情報サービス表示領域内に配置する手段、及び、前記継続表示領域内に配置された透析条件情報及び透析進行状況情報と、前記情報サービス表示領域内に配置された情報又はサービスの双方を、ベッドサイド端末5Bの表示装置6Bに表示する手段を備えている。
【0094】
また、透析情報共有方法に即していえば、ベッドサイド端末5Bによる上記動作が、ウエブサイト、診療記録管理システム15又は医療機関内情報システム17などの外部サーバ、テレビチューナー8Bなどの外部装置、又はサーバ1から提供される情報又はサービスを、表示画面上の前記継続表示領域とは異なる情報サービス表示領域内に配置し、前記継続表示領域内に配置された透析条件情報及び透析進行状況情報と、前記情報サービス表示領域内に配置された情報又はサービスの双方を、ベッドサイド端末5Bの表示装置6Bに表示するステップに相当する。
【0095】
一方、サーバ1は、所定のプログラムの下に動作することによって実現される手段として、ベッドサイド端末5Bから送信されてくる情報又はサービスの提供要求を受信する手段、及び、提供要求を受信した情報又はサービスを、本発明の透析情報共有システム又は他のシステムの記憶装置から取得し、取得した情報又はサービスの一部又は全部を前記提供要求のあったベッドサイド端末5Bに送信する手段を有している。透析情報共有方法に即していえば、サーバ1によって実行されるこの動作が、サーバ1が、ベッドサイド端末5Bから送信されてくる情報又はサービスの提供要求を受信したとき、提供要求を受信した情報又はサービスを、本発明の透析情報共有システム又は他のシステムの記憶装置から取得し、取得した情報又はサービスの一部又は全部を前記提供要求のあったベッドサイド端末5Bに送信するステップに相当する。
【0096】
図4は、例えば、選択されたメニューボタンが「検索サイト」である場合に、上記のようにして表示装置6Bに表示される表示画面の一例を示す図である。
図4に見られるとおり、表示装置6Bの表示画面の中央には大きく検索サイトの画面が表示され、その上部には「戻る」、「進む」等のボタンが、またその右側部には上下のスクロールボタンが表示されているが、これらが配置されている表示画面上の領域が情報サービス表示領域である。
【0097】
一方、検索サイトの画面の下には、血圧やその測定時刻、脈拍などのバイタルデータとともに、除水達成率及び透析進行状況を表す図が表示されているが、これらが配置されている表示画面上の領域が継続表示領域である。
図4に見られるとおり、情報サービス表示領域は、表示画面上で、継続表示領域とは異なる領域として、換言すれば、互いに重複しない領域として設定されている。また、
図2及び
図3と
図4を対比すれば明らかなとおり、
図4に示される継続表示領域の大きさは、
図2、
図3に示される透析装置情報表示領域の大きさに比べて大幅に縮小されており、表示される情報の数も減少している。なお、情報サービス表示領域は、継続表示領域とは異なる領域として、互いに重複しないように設定されておれば良く、その大きさや位置には特段の制限はないが、患者が選択した情報又はサービスを患者が十二分に楽しむことができるように、継続表示領域よりは大きく、かつ、表示画面の中央に位置するように設定されるのが望ましい。
【0098】
このように、本発明の透析情報共有システム又は共有方法によれば、患者Xがアメニティを選択して、提供されるサービス又は情報をベッドサイド端末5Bの表示装置6Bに情報サービス画面として表示させる場合であっても、例えば患者のバイタルデータや透析の進行状況を示す情報などの透析条件情報及び透析進行状況情報と、提供される情報又はサービスの双方が表示装置6Bの表示画面に表示されるので、患者Xは、ベッドサイド端末5Bの表示装置6Bでインターネットやその他のサービス又は情報の提供を受けながら、自らの透析治療の進行具合や自らのバイタルデータを常時監視、確認することができ、比較的長時間に及び透析治療中の時間を有意義かつ快適に過ごすことができる。
【0099】
なお、上記の情報又はサービスの提供メニューは一例であって、ベッドサイド端末5Bによって提供される情報、サービスは上記のものに限られない。例えば、ゲーム、伝言板、eラーニング、インターネットラジオなども、ベッドサイド端末5Bが受け付けるメニューに加えても良く、さらに、当該患者についての各種の検査結果や投薬情報、注射情報等をベッドサイド端末5Bが受け付けるメニューに加えても良いことは勿論である。
【0100】
いずれにせよ、本発明の透析情報共有システム又は共有方法によれば、透析治療中、患者Xがアメニティサービスを利用していない時は勿論、利用している時においても、自身の透析治療の進行状況を自身のバイタルデータとともに、常に、把握、監視、確認することができ、患者Xが自己の透析治療について情報隔離されることがなく、患者Xは、有意義かつ快適に透析治療を受けることができる。
【0101】
〈異常通知〉
本発明に係る透析情報共有システム又は共有方法は、その好適な一態様において、透析治療中の異変又は異常を素早く検知して、それをベッドサイド端末の表示装置に表示する機能を備えている。
【0102】
すなわち、サーバ1は、例えば透析装置2Bから取得した患者Xのバイタルデータのうち、例えば、血圧の数値を予め患者Xについて定めた上限値又は下限値と一定時間ごとに比較し、上限値又は下限値に達した場合、これを血圧異常と判断し、警告信号を当該血圧値を送信してきた透析装置2Bに対応するベッドサイド端末5Bに送信する。警告信号を受けたベッドサイド端末5Bは、自身の表示装置6B上で、例えば血圧値の部分を赤字反転させるなどして患者X又はその周囲にいる家族又は医療スタッフの注意を喚起する。このとき、警告信号には音声信号や音響信号が含まれていてもよく、警告信号を受信したベッドサイド端末5Bは、警告メッセージ又は警告音で周囲にいる者の注意を喚起する。
【0103】
予め患者ごとに定められた上限値又は下限値と比較するバイタルデータは血圧値に限られず、脈拍数であっても良い。また、予め患者ごとに定められた上限値又は下限値と比較する数値はバイタルデータに限られず、例えば、除水速度を予め患者ごとに定められた最低除水速度又は最高除水速度と一定時間ごとに比較し、求められた除水速度が最低除水速度又は最高除水速度に達したときには、サーバ1が透析治療の異変であると判断し、警告信号を対応するベッドサイド端末5Bに送信する。
【0104】
上記のとおり、本発明の好適な一態様において、サーバ1は、所定のプログラムの下に動作することによって実現される手段として、透析装置2Bから取得した透析の進行状況を表す情報と患者バイタルデータを含む透析進行状況情報に含まれる少なくとも1つの数値情報を予め患者ごとに定められた上限値及び/又は下限値と随時比較し、前記数値情報が前記上限値又は前記下限値に達した場合、警告信号を、前記数値情報を取得した透析装置2Bに対応するベッドサイド端末5Bに送信する手段を有している。
【0105】
透析情報共有方法に即していえば、サーバ1によって実現される上記動作が、透析装置2Bから取得した透析の進行状況を表す情報と患者バイタルデータを含む透析進行状況情報に含まれる少なくとも1つの数値情報を予め患者ごとに定められた上限値及び/又は下限値と随時比較するステップ、及び、前記数値情報が前記上限値又は前記下限値に達した場合、警告信号を、前記数値情報を取得した透析装置2Bに対応するベッドサイド端末5Bに送信するステップということなる。
【0106】
本発明の透析情報共有システム又は透析情報共有方法が、上記の手段又はステップを有している場合には、透析治療の異変又は異常をいち早く検知して、医療スタッフ等が迅速に適切な対応をとることができるという利点が得られる。
【0107】
〈透析条件の変更〉
本発明に係る透析情報共有システム又は共有方法は、その好適な一態様において、本発明の透析情報共有システム内、又は他のシステム内に設定、記憶されている各患者についての透析条件を随時確認、変更する機能を備えている。
【0108】
すなわち、
図1に示す医療スタッフ端末14から、医療スタッフIDの入力と対応する認証コードの入力があったとき、サーバ1は、入力された医療スタッフIDと認証コードとの組み合わせを予め自らが記憶しているか、他のシステムが記憶している医療スタッフの認証データと照合し、一致している場合には、その入力があった端末の操作者が医療スタッフであると認証する。
【0109】
操作者が医療スタッフであることが認証された医療スタッフ端末14から、例えば患者Xについて、その透析条件情報や透析進行状況方法、或いは過去の透析記録や看護記録、診療記録などについての閲覧要求があったとき、サーバ1は、要求された情報を本発明の透析情報共有システム内又は他のシステム内の記憶装置から取得し、要求のあった端末に送信する。
【0110】
要求した情報の送信をサーバ1から受信した端末の操作者は、端末の表示装置上で適宜その情報を確認し、必要があれば当該端末の入力手段を使用して表示されている情報を変更することができる。変更される情報として、例えば、特定の患者についての透析条件情報が挙げられる。特に、透析条件情報に含まれるドライウエイト、目標除水量、除水速度などの透析条件は、個々の患者における定期的に行われる透析治療の進行状況や、患者体重、検査データなどに基づいて適宜変更する必要があるので、本発明に係る透析情報共有システム又は共有方法が、このような透析条件情報の変更手段を備えている場合には極めて便利である。
【0111】
表示された透析条件情報を変更した端末の操作者は、変更後の情報をサーバ1に送信し、サーバ1は、これを当該端末からの透析条件情報の変更要求であると判断し、受信した変更後の透析条件情報を、元々その透析条件方法を記憶していた記憶装置に記憶する。なお、この変更の中には、新たな設定も含まれる。
【0112】
なお、医療スタッフが変更できる情報は透析条件情報に限られず、個々の患者についての透析記録や看護記録も含まれ、上に透析条件記録について述べたと同じ手順で適宜変更される。なお、この場合も、変更には新たな作成やコメントを含めた必要事項の記入も含まれる。
【0113】
本発明の透析情報共有システム又は共有方法が上記のような手段又はステップを有している場合には、個々の患者についての透析条件を適宜変更したり、個々の患者について透析記録を作成、変更したり、同じく看護記録を適宜作成、変更したりすることができるので極めて便利である。
【0114】
上に説明した透析情報共有システム及び共有方法は、サーバ1として機能する1又は2以上のコンピュータ、及びベッドサイド端末5A〜5C又は体重計接続端末10、さらには医療スタッフ端末14として機能する1又は2以上のコンピュータを所定のプログラムの下で独立に又は相互に関連させて動作させることによって実現される。1又は2以上のコンピュータを上述した透析情報共有システムとして動作させ、上述した透析情報共有方法を実行させるコンピュータプログラムは、本発明の透析情報共有方法を実行する1又は2以上のコンピュータに読み取り可能な形式で、コンピュータを構成する記憶装置又はネットワーク上に存在するサーバ装置に記憶されている。
【課題】透析治療中、患者を情報隔離された状態から解放し、透析治療中の時間を快適かつ有意義に活用することを可能にするシステム及びその方法並びにコンピュータプログラムを提供する。
【解決手段】透析患者のベッドサイドにベッドサイド端末5A,5B,5Cを配置し、このベッドサイド端末に透析装置2A,2B,2Cから提供される患者バイタルデータを含む透析進行状況を表す情報を表示させるとともに、ベッドサイド端末からの要求があったときには、各種アメニティやインターネット或いは医療機関内システムを利用した情報又はサービスと、透析進行状況を表す情報の双方を表示させる。