(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
複数の調査世帯装置間の通信により、視聴・聴取・接触されたテレビ、ラジオ、ウェブ又はその他のコンテンツの視聴率・聴取率・接触率又はその他の接触状況を得るための分散型照合システムにおいて、
複数のグループに割り当てられた複数の調査世帯装置の各々は、
コンテンツの視聴機器と、
調査用の端末と、
を備え、
前記端末は、
放送時間若しくは時刻及びチャンネルコード及び音声若しくは映像種別毎に、グループ内の端末番号を記憶するマスターテーブルと、
予め設定されたマスターのコンテンツに関して、端末番号、チャンネルコード、音声若しくは映像種別、放送時間若しくは時刻、音声又は映像信号から特徴となる成分を抽出したマスター特徴化データを含む局別マスターデータを記憶する局別マスターデータ記憶部と、
視聴されたコンテンツに関して、端末番号、データ採取時刻、音声又は映像信号から特徴となる成分を抽出した特徴化データを含む端末データを記憶する端末データ記憶部と、
端末番号と、チャンネルコード、音声若しくは映像種別、放送時間若しくは時刻、及び、特徴化データを含む視聴状況データを記憶する視聴状況データ記憶部と、
照合部と
を備え、
前記照合部は、前記視聴状況データのテーブルから照合すべき時刻について、端末データの特徴化データと、自己の持つ局別マスターデータのマスター特徴化データとを比較する照合処理を実行し、照合された場合は、該局別マスターデータで特定されたコンテンツを視聴していると判断し、
前記照合部は、照合されなかった場合、前記マスターテーブルを検索し、検索されたグループ内の照合先の端末に、照合先の端末番号、チャンネルコード、放送時間若しくは時刻、音声若しくは映像種別、照合時刻、要求元の端末番号、特徴化データを含む照合要求データを送信し、
照合先の端末の照合部は、照合要求データの特徴化データと、自己の持つ局別マスターデータのマスター特徴化データとを比較する照合処理を実行し、照合先の端末番号と、チャンネルコード、放送時間若しくは時刻、音声若しくは映像種別、比較時刻、要求元の端末番号、類似度を含む照合結果データを返信し、
前記照合部は、同一グループに一致又は類似する局別マスターデータが照合されなかった場合は、グループ毎に各グループに属する端末番号を記憶したグループリストを参照し、別のグループの端末に対して別のグループのマスターテーブルを要求し、
前記照合部は、別のグループのマスターテーブルを受信すると、該別のグループのマスターテーブルを元に、別のグループの端末に前記照合要求データを送信し、
照合要求データを受けた別のグループの端末の照合部は、前記照合処理を実行し、照合結果データを返信する
ことにより、前記コンテンツの視聴機器により視聴されたコンテンツを照合し、視聴状況データを前記視聴状況データ記憶部に記憶する分散型照合システム。
複数の調査世帯装置間の通信により、視聴・聴取・接触されたテレビ、ラジオ、ウェブ又はその他のコンテンツの視聴率・聴取率・接触率又はその他の接触状況を得るための分散型照合システムにおいて、
複数のグループに割り当てられた複数の調査世帯装置の各々は、
コンテンツの視聴機器と、
調査用の端末と、
を備え、
前記端末は、
放送時間若しくは時刻及びチャンネルコード及び音声若しくは映像種別毎に、グループ内の端末番号を記憶するマスターテーブルと、
予め設定されたマスターのコンテンツに関して、端末番号、チャンネルコード、音声若しくは映像種別、放送時間若しくは時刻、音声又は映像信号から特徴となる成分を抽出したマスター特徴化データを含む局別マスターデータを記憶する局別マスターデータ記憶部と、
視聴されたコンテンツに関して、端末番号、データ採取時刻、音声又は映像信号から特徴となる成分を抽出した特徴化データを含む端末データを記憶する端末データ記憶部と、
端末番号と、チャンネルコード、音声若しくは映像種別、放送時間若しくは時刻、及び、特徴化データを含む視聴状況データを記憶する視聴状況データ記憶部と、
照合部と
を備えた、分散型照合システムにおける分散型照合方法であって、
前記照合部は、前記視聴状況データのテーブルから照合すべき時刻について、端末データの特徴化データと、自己の持つ局別マスターデータのマスター特徴化データとを比較する照合処理を実行し、照合された場合は、該局別マスターデータで特定されたコンテンツを視聴していると判断し、
前記照合部は、照合されなかった場合、前記マスターテーブルを検索し、検索されたグループ内の照合先の端末に、照合先の端末番号、チャンネルコード、放送時間若しくは時刻、音声若しくは映像種別、照合時刻、要求元の端末番号、特徴化データを含む照合要求データを送信し、
照合先の端末の照合部は、照合要求データの特徴化データと、自己の持つ局別マスターデータのマスター特徴化データとを比較する照合処理を実行し、照合先の端末番号と、チャンネルコード、放送時間若しくは時刻、音声若しくは映像種別、比較時刻、要求元の端末番号、類似度を含む照合結果データを返信し、
前記照合部は、同一グループに一致又は類似する局別マスターデータが照合されなかった場合は、グループ毎に各グループに属する端末番号を記憶したグループリストを参照し、別のグループの端末に対して別のグループのマスターテーブルを要求し、
前記照合部は、別のグループのマスターテーブルを受信すると、該別のグループのマスターテーブルを元に、別のグループの端末に前記照合要求データを送信し、
照合要求データを受けた別のグループの端末の照合部は、前記照合処理を実行し、照合結果データを返信する
ことにより、前記コンテンツの視聴機器により視聴されたコンテンツを照合し、視聴状況データを前記視聴状況データ記憶部に記憶する分散型照合方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
“調査対象者の視聴機器”から採取した音声や映像データを、“マスターデータ作成センター”で作成したマスターデータと照合させる「センターマッチング技術」は従来から多く提案されている。この方式でテレビやラジオの放送の接触状況を調査するには、放送エリアごとに時間稼働可能な“マスターデータ作成センター”を設置する必要があり、全国規模での調査を行うと設置/運営費用が膨れてしまう場合がある。
【0007】
また、マスターデータが無ければ調査が成立しなくなるため、1放送エリアに1ヶ所の“マスターデータ作成センター”では災害時等の影響が伴うことが想定される。
マスターデータは、チャンネルごとに持つ必要がある。しかし、同一放送局や同一コンテンツプロバイダであっても、例えば、時間帯によってチャンネル数が変わったり、同一番組ながら音声部分や映像部分だけがチャンネルごとに違ったりする場合がある。また、同一チャンネルであっても、番組によって2カ国語放送だったり、マルチ音声(例えば野球中継などで、第一音声は「普通」の解説、第二音声は「ホームチームひいき解説」の解説、第三音声は「解説無し」など)になったりする場合がある。
これらの全てのケースに対応出来るように“固定的”にマスター用のチャンネルを割り当てると、マスター作成装置が膨大になってしまう。
【0008】
本発明は、以上の点に鑑み、調査世帯に局別のマスター作成機能を備え、マスター用のチャンネルを固定的でなく割り当てるようにして、視聴コンテンツを照合するための分散型照合システム及び方法を提供することを目的のひとつとする。
また、本発明は、一部の調査世帯に局別のマスター作成装置を備えることにより、マスターデータ作成装置の設置/運営費用を抑え、障害・災害時等に対応可能な分散型照合システム及び方法を提供することを他の目的とする。
また、本発明は、災害、世帯の停電等の障害、通信障害などにより所望の局のマスターデータが取得出来なくなることを防止することを他の目的とする。
さらに、本発明は、音声や映像データのマスターデータとの照合を調査世帯の端末で行いセンター設備の照合部が不必要となるため、センター設備に高性能な機器を用意する必要が無くなることを他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の解決手段によると、
複数の調査世帯装置間の通信により、視聴・聴取・接触されたテレビ、ラジオ、ウェブ又はその他のコンテンツの視聴率・聴取率・接触率又はその他の接触状況を得るための分散型照合システムにおいて、
複数のグループに割り当てられた複数の調査世帯装置の各々は、
コンテンツの視聴機器と、
調査用の端末と、
を備え、
前記端末は、
放送時間若しくは時刻及びチャンネルコード及び音声若しくは映像種別毎に、グループ内の端末番号を記憶するマスターテーブルと、
予め設定されたマスターのコンテンツに関して、端末番号、チャンネルコード、音声若しくは映像種別、放送時間若しくは時刻、音声又は映像信号から特徴となる成分を抽出したマスター特徴化データを含む局別マスターデータを記憶する局別マスターデータ記憶部と、
視聴されたコンテンツに関して、端末番号、データ採取時刻、音声又は映像信号から特徴となる成分を抽出した特徴化データを含む端末データを記憶する端末データ記憶部と、
端末番号と、チャンネルコード、音声若しくは映像種別、放送時間若しくは時刻、及び、特徴化データを含む視聴状況データを記憶する視聴状況データ記憶部と、
照合部と
を備え、
前記照合部は、前記視聴状況データのテーブルから照合すべき時刻について、端末データの特徴化データと、
自己の持つ局別マスターデータのマスター特徴化データとを比較する照合処理を実行し、照合された場合は、該局別マスターデータで特定されたコンテンツを視聴していると判断し、
前記照合部は、照合されなかった場合、前記マスターテーブルを検索し、検索されたグループ内の照合先の端末に、照合先の端末番号、チャンネルコード、放送時間若しくは時刻、音声若しくは映像種別、照合時刻、要求元の端末番号、特徴化データを含む照合要求データを送信し、
照合先の端末の照合部は
、照合要求データの特徴化データと、自己の持つ局別マスターデータのマスター特徴化データとを比較する照合処理を実行し、照合先の端末番号と、チャンネルコード、放送時間若しくは時刻、音声若しくは映像種別、比較時刻、要求元の端末番号、類似度を含む照合結果データを返信し、
前記照合部は、同一グループに一致又は類似する局別マスターデータが照合されなかった場合は、グループ毎に各グループに属する端末番号を記憶したグループリストを参照し、別のグループの端末に対して別のグループのマスターテーブルを要求し、
前記照合部は、別のグループのマスターテーブルを受信すると、該別のグループのマスターテーブルを元に、別のグループの端末に前記照合要求データを送信し、
照合要求データを受けた別のグループの端末の照合部は
、前記照合処理を実行し、照合結果データを返信する
ことにより、前記コンテンツの視聴機器により視聴されたコンテンツを照合し、視聴状況データを前記視聴状況データ記憶部に記憶する分散型照合システムが提供される。
【0010】
本発明の第2の解決手段によると、
複数の調査世帯装置間の通信により、視聴・聴取・接触されたテレビ、ラジオ、ウェブ又はその他のコンテンツの視聴率・聴取率・接触率又はその他の接触状況を得るための分散型照合システムにおいて、
複数のグループに割り当てられた複数の調査世帯装置の各々は、
コンテンツの視聴機器と、
調査用の端末と、
を備え、
前記端末は、
放送時間若しくは時刻及びチャンネルコード及び音声若しくは映像種別毎に、グループ内の端末番号を記憶するマスターテーブルと、
予め設定されたマスターのコンテンツに関して、端末番号、チャンネルコード、音声若しくは映像種別、放送時間若しくは時刻、音声又は映像信号から特徴となる成分を抽出したマスター特徴化データを含む局別マスターデータを記憶する局別マスターデータ記憶部と、
視聴されたコンテンツに関して、端末番号、データ採取時刻、音声又は映像信号から特徴となる成分を抽出した特徴化データを含む端末データを記憶する端末データ記憶部と、
端末番号と、チャンネルコード、音声若しくは映像種別、放送時間若しくは時刻、及び、特徴化データを含む視聴状況データを記憶する視聴状況データ記憶部と、
照合部と
を備えた、分散型照合システムにおける分散型照合方法であって、
前記照合部は、前記視聴状況データのテーブルから照合すべき時刻について、端末データの特徴化データと、
自己の持つ局別マスターデータのマスター特徴化データとを比較する照合処理を実行し、照合された場合は、該局別マスターデータで特定されたコンテンツを視聴していると判断し、
前記照合部は、照合されなかった場合、前記マスターテーブルを検索し、検索されたグループ内の照合先の端末に、照合先の端末番号、チャンネルコード、放送時間若しくは時刻、音声若しくは映像種別、照合時刻、要求元の端末番号、特徴化データを含む照合要求データを送信し、
照合先の端末の照合部は
、照合要求データの特徴化データと、自己の持つ局別マスターデータのマスター特徴化データとを比較する照合処理を実行し、照合先の端末番号と、チャンネルコード、放送時間若しくは時刻、音声若しくは映像種別、比較時刻、要求元の端末番号、類似度を含む照合結果データを返信し、
前記照合部は、同一グループに一致又は類似する局別マスターデータが照合されなかった場合は、グループ毎に各グループに属する端末番号を記憶したグループリストを参照し、別のグループの端末に対して別のグループのマスターテーブルを要求し、
前記照合部は、別のグループのマスターテーブルを受信すると、該別のグループのマスターテーブルを元に、別のグループの端末に前記照合要求データを送信し、
照合要求データを受けた別のグループの端末の照合部は
、前記照合処理を実行し、照合結果データを返信する
ことにより、前記コンテンツの視聴機器により視聴されたコンテンツを照合し、視聴状況データを前記視聴状況データ記憶部に記憶する分散型照合方法が提供される。
【発明の効果】
【0011】
本発明によると、調査世帯に局別のマスター作成機能を備え、マスター用のチャンネルを固定的でなく割り当てるようにして、分散型照合システム及び方法を提供することができる。
また、本発明によると、一部の調査世帯に局別のマスター作成装置を備えることにより、マスターデータ作成装置の設置/運営費用を抑え、障害・災害時等に対応可能な分散型照合システム及び方法を提供することができる。
また、本発明は、災害、世帯の停電等の障害、通信障害などにより所望の局のマスターデータが取得出来なくなることを防止することができる。
【0012】
さらに、本発明は、音声や映像データとマスターデータとを照合する照合場所を分散することにより、照合時に集中するセンターへの負荷を軽減し、集計センターへ高性能な照合装置を必要としない調査システムを提供することが出来る。
【発明を実施するための形態】
【0014】
1.マスターデータ作成および照合場所を分散化した視聴状況測定システム
図22に、調査システム構成図を示す。
本調査システムは、例えば、複数の調査世帯装置1と、集計センター3を備える。本調査システムは、調査世帯装置1により、視聴・聴取・接触されたテレビ、ラジオ、ウェブ等のコンテンツの視聴率・聴取率・接触率等の接触状況や視聴率等を集計センター3で得るためのものである。調査世帯装置1は、テレビ、ラジオ、PC、携帯情報機器等を視聴するためのテレビ等視聴機器11と、調査端末12と、通信装置13と、放送波、ネットワーク等からマスターデータ作成局を受信するための受信部14を有する。調査世帯装置1は、ネットワーク2を介して集計センター3と通信する。集計センター3は、通信装置31と、端末データ収集装置32と、集計部33を有する。
【0015】
図9に、調査端末の構成図を示す。
調査端末12は、例えば、音声/映像取得部120と、端末データ作成部121と、端末データ記憶部122と、セレクター/チューナー部123と、局別マスターデータ作成部124と、局別マスターデータ記憶部125と、局別マスター管理部126と、視聴データ照合部127と、視聴状況データ記憶部128と、通信制御部129、処理部1200を備える。調査端末12は、テレビ等視聴機器11からの音声/映像信号を音声/映像取得部120によって受信する。また、調査端末12は、受信部14からの放送波をセレクター/チューナー部123によって受信する。さらに、調査端末12は、通信制御部129によって通信装置13と通信する。
各調査端末12は、端末データ記憶部122等の適宜のメモリに、グループ毎に、各グループに属する端末番号を記憶したグループリストを予め保持している。
【0016】
図10に、テレビ等視聴機器と音声/映像取得部の構成図を示す。
音声/映像取得部120は、例えば、入力切替部1201と、信号検出部1202と、制御部1203を備える。入力切替部1201はテレビ等視聴機器11と接続され、制御部1203により切替え、テレビ等視聴機器11から音声/映像信号(モニタ出力アナログ音声信号、モニタ出力アナログ映像信号、イヤホンアナログ音声信号、スピーカーアナログ音声信号、光デジタル音声信号、HDMI信号等)を信号検出部1202に接続する。
【0017】
調査世帯装置1では、対象となるテレビ等視聴機器11から、まずどのような出力信号を判定に使用するかを決定する。音声/映像取得部120は、
図10に示すようにテレビ等視聴機器11と入力切替部1201の入力側に接続された信号を制御部1203で切替えながら、信号検出部1202で検出し、どの信号が視聴状況測定に対して有効であるかを判断する(視聴機器や視聴機器に接続されたDVR等外部機器により、視聴状況判定に有効な信号が異なる。)。この処理は、ブルーレイ、DVR等外部接続機器を視聴した場合など、同じ視聴機器であっても視聴の仕方によって、判定に使用出来る信号が異なる時に有効な手段である。信号検出部1202及び制御部1203は、例えば、信号の出力と監視し信号の有無で有効な信号であるかどうかを判断したり、予めプリセットすること又はマニュアルで設定すること等で音声/映像信号を選択することができる。信号検出部1202は、選択された音声/映像信号を出力し、制御部1203は、マスターデータ種別情報を出力する。
【0018】
図23に、端末データ作成部の構成図を示す
端末データ作成部121は、例えば、特徴量取得部1211と、端末データ記録部1212と、時計部1213を備える。音声/映像取得部120から入力された音声映像信号は、特徴量取得部1211に入力される。特徴量取得部1211では、選択された音声/映像信号を周波数分析等を行い、視聴ソース判定のための特徴化されたデータを作成する。特徴化されたデータ(特徴化データ、特徴量)とは、例えば、特開平11−275032号で開示されたように、音声信号や映像信号からその特徴となる成分を抽出したもの(例えば各通過帯域別の平均振幅を対数変換したパワーのベクトル)である(詳細は後述する)。また、特徴量取得部1211では、無音や映像の無い画面を判別した場合は無音や無信号を示す特徴化されたデータを作成する。特徴量取得部1211は、特徴化されたデータを端末データ記録部1212に受け渡す。
【0019】
時計部1213は通信制御部127を通じて校正される。時計の校正は、NTP等ネットワークを通じた方法や、電波時計、GPSなどの方法を利用する。
端末データ記録部1212では、特徴量取得部1211で特徴化されたデータに、予め設定された端末番号及び視聴機器番号、時計部1213より取得したデータ採取時刻、音声映像取得部121より受け取ったマスターデータ種別、データサイズなどのヘッダ情報(ヘッダ部)を付加し、所定のフォーマット(後述、
図24)で端末データを作成し、端末データ記憶部122に蓄積する。
【0020】
図24に、端末データフォーマットの説明図を示す。
端末データ101は、例えば、ヘッダ部と特徴化されたデータである特徴化データを含む。ヘッダ部は、端末番号、視聴機器番号、データ採取時刻、マスターデータ種別、データサイズを含む。マスターデータ種別は、例えば、モニタ出力、イヤホン出力、スピーカ出力、光出力、HDMI信号、映像出力、音声出力、光出力、TS信号等の種別を示す。
【0021】
図25に、局別マスターデータ作成部の構成を示す。
局別マスターデータ作成部124は、例えば、セレクター/チューナー制御部1241と、パラメータ部1242と、特徴量取得部1243と、時計部1244と、マスターデータ記録部1245を備える。
予め世帯ごとに決められたマスター局またはチャンネルコードおよびマスターデータ種別を含むコンテンツ情報をパラメータ記憶部1242に保持しておき、セレクター/チューナー制御部1241はパラメータ1242を元にセレクター/チューナー部123を制御し、セレクター/チューナー部123から信号を受信する。該セレクター/チューナー部出力信号は、音声や映像などの信号の場合や符号化されたデータの場合もある。音声映像信号の場合は、特徴量取得部1243に入力され、選択された音声/映像信号を周波数分析等を行い、視聴ソース判定のための特徴化されたデータを作成する。特徴化されたデータ(特徴化データ)とは、例えば、特開平11−275032号で開示されたように、音声信号や映像信号からその特徴となる成分を抽出したもの(例えば各通過帯域別の平均振幅を対数変換したパワーのベクトル)である(詳細は後述する)。特徴量取得部1243で特徴化されたデータは、マスターデータ記録部1245へ入力される。また、光デジタル信号などの符号化されたデータの場合は、そのままマスターデータとしての特徴化データと出来るので、セレクター/チューナー制御部1241はパラメータ1242で符号化されたデータをセレクター/チューナー部から受信することが分かっている場合は、マスターデータ記録部1245へ直接データを入力する。
【0022】
マスターデータ記録部1245は、特徴量取得部1243から入力された特徴データまたはセレクター/チューナー制御部1241から入力されたデータを特徴化データとし、パラメータ1242より得られた端末番号、放送種別、チャンネルコード、マスターデータ種別、音声種別などと、時計部1244より得られた放送時刻と、データサイズをヘッダ部として該特徴化データに付加し、所定のフォーマット(後述、
図26)で局別マスターデータを作成し、局別マスターデータ記憶部1209に蓄積する。
時計部1244は通信制御部123を通じて校正される。時計の校正は、NTP等ネットワークを通じた方法や、電波時計、GPSなどの方法を利用する。
【0023】
図26に、局別マスターデータフォーマットの説明図を示す。
局別マスターデータ102は、例えば、ヘッダ部と特徴化されたデータである特徴化データを含む。ヘッダ部は、端末番号、グループコード、チャンネルコード、マスターデータ種別、音声種別、映像種別、放送時刻、データサイズを含む。マスターデータ種別は、例えば、モニタ出力、イヤホン出力、スピーカ出力、光出力、HDMI信号、映像出力、音声出力、光出力、TS信号等の種別を示す。音声種別は、例えば、主音声、副音声等の音声チャンネルの種別を示す。枝番は、例えば、特定の時間帯のみ一つの局・チャンネルで二つ以上の番組を放送する際に付加される番号を示す。
【0024】
図1に、調査世帯のマスター割り当てのシステムの構成図を示す。
調査世帯1に設置される調査端末12は、視聴対象となるテレビ等視聴機器11の視聴状況を取得して端末データを作成するとともに、マスターデータの作成を行う。調査世帯はテレビ等視聴機器11を視聴出来る環境であるため、同視聴機器に入力されている受信部14を調査端末12に入力すれば、同視聴機器と同じ放送のマスターデータを作成することが可能である。しかし、一般世帯に大きな装置を設置することが困難であるため、この例では一世帯で作成するマスターデータは1局分にし、調査端末12を小型化する。また、調査端末12はアナログ音声、デジタル音声など複数のフォーマットでデータを採取するため、マスターデータも複数のフォーマットを採取することで照合を可能とする。この、調査世帯装置1では「採取する局」「マスターデータ種別」「音声チャンネル」等を予め決めておく(例えば、前述のパラメータ記憶部1242等に記憶する)。
【0025】
分散型照合システムにおいては、調査対象世帯に設置された調査端末12でマスターデータを作成するが、調査対象世帯を幾つかのグループ3に分け、このグループごとにチャンネル(チャンネルコード)を割り当てる事とする。これらの調査端末12はネットワーク2で接続されている。
グループの決め方は、例えば次のように予め設定することができる。すなわち、ある放送局やコンテンツプロバイダが視聴可能な地域ごとや、チューナーやIPアドレスで選択した放送局やコンテンツプロバイダで取得可能な放送予定表が同一の世帯などで、グループを決定することができる。例えば、地上デジタル放送では、局ごと(NHK総合、NHK Eテレ、日本テレビ・・・等)に分けることができる。
【0026】
図2に、端末パラメータの説明図を示す。各調査端末は、「端末番号」「地域番号」「グループコード」「グループ内順位」を、
図2の端末パラメータ501として予め保持している。
以下に、端末パラメータ501の各データの説明を記す。
・端末番号・・・調査対象端末全てがユニークになるように割り付けられている番号。
・地域番号・・・エリアによって受信可能な放送やコンテンツプロバイダが異なる。この地域番号により、マスターデータが作成可能な局やプロバイダを特性する。
・グループコード・・・局やコンテンツプロバイダを特定するコード。同じグループコードを持つ端末は、必ず同じ地域番号となる。
・グループ内順位・・・同一グループ内での優先順位。あるタイミング(時分割、周期的等)で通信可能なグループの内、最も優先順位が高い調査端末は「グループマスター」となり、そのグループのどの端末にチャンネルコードやマスター採取の方式を指定する。
【0027】
2.マスターの割り当て処理
図3に、マスターの割当て処理についてのフローチャートを示す。また、
図4に、グループマスター決定の流れについてのシーケンス図を示す。
各調査端末がどのようなマスターデータを作成するかは、「グループマスター」が放送予定表(番組表など)を基に決定する。この処理は、調査端末の処理部1200が実行する。
各グループは、対象世帯別の調査期間や機器の故障などの影響により、動作可能な装置が刻々と変化する。これらを管理するために、一定周期又は予め定められた時刻等のタイミングでグループマスターを決定する。
グループマスター決定のフローは、主に、
図3のステップS101〜ステップS107およびステップS111となる。
【0028】
処理部1200は、マスター割当てを、決められたマスター確認時刻になったら開始する(S101)。放送であればEPG(電子番組表:Electric Program Guide)が更新されるタイミングなどに合わせるようにしてもよい。通常は、数日間先の番組表が放送局やコンテンツプロバイダから取得可能であるため、マスター確認時刻は1日に1回あれば十分である。ただし、臨時放送などで番組内容が変更される事がある放送などでは、グループマスターや端末は一定周期で番組表を確認し、内容が変更された際に、マスター確認時刻を更新する事が可能である。
処理部1200は、マスター確認時刻(S101)になったら、調査端末確認の要求を送信する(S102)。もし、処理部1200は、端末パラメータ(
図3参照)グループ内順位が1位であれば、調査端末へ要求を送信する(S103)。
この送信方法は、
図4のようにネットワーク上の各調査端末に同報し(S201)、同一グループにある各調査端末がそれぞれ応答する(S202)という方法が可能である。ネットワーク構成により同報範囲を同一グループに限定する事も可能である。
【0029】
図5に、調査端末確認の要求/応答の説明図を示す。
ステップS201およびステップS202において、調査端末確認の要求/応答として送信されるコマンドは、
図5のようになる。
【0030】
図6に、グループテーブルの説明図を示す。
グループテーブル502は、地域番号、グループコード、グループ内順位、グループに属する端末番号が記憶される。これらの各データは予め設定され、マスターの割り当て処理等の処理に従い更新・再構築される。
グループ内順位が1位となっている調査端末(例、♯1)では、処理部1200は、調査端末確認の要求に、予め割り当てられた端末番号、地域番号、グループコードと自己のグループ順位をセットする。そして、処理部1200は、グループテーブルを参照し、自己と同一のグループ内の端末番号の各調査端末へ、その要求を送信する。さらに、処理部1200は、グループテーブルのグループ内順位をクリアすることで初期化する。なお、地域番号及び/又はグループコードをさらにクリアするようにしてもよい。処理部1200は、各調査端末(例、♯2、♯3)が、受信した調査端末確認の要求コマンドとして送信された地域番号およびグループコードが、自己のパラメータ(
図3参照)の地域番号とグループコードと一致したならば、
図5のフォーマット502にて、調査端末確認の応答に、自己の端末番号、地域番号、グループコードグループ順位をセットして、応答する。
グループ内順位1位の調査端末(例、♯1)の処理部1200は、は、各調査端末(例、♯2、♯3)から応答を返す事が可能な一定時間待つ(S104)。応答してきた調査端末があった場合、処理部1200は、
図5に示すフォーマットの受信データ中の、端末番号に対応するグループ内順位等のデータを、
図6のグループテーブルに記憶する。
【0031】
処理部1200は、全ての同一グループの調査端末から応答が戻り得る時間を応答タイムアウト時間と予め設定し、このタイムアウトになるまで、調査端末からの応答を待つ(S107)。処理部1200は、タイムアウトとなり、1台以上の端末から応答を受信出来ていたら(S108)、応答を受信した全ての調査端末の情報から、
図6のグループテーブル503を再構築する。ここでは、処理部1200は、応答しなくなった端末をリストから外し、グループ内順位をソートするなどして、グループ順位の再構築を行う(S109)。処理部1200は、そこで更新されたグループテーブルを、同一グループの各調査端末に送信する(S110, S204)。グループテーブルを受信した調査端末では、処理部1200は、自己のパラメータ501のグループ内順位を、
図6のようなフォーマットで受信したグループテーブルを元に更新する(S205)。各調査端末では、処理部1200は、グループテーブルの受信確認を行う(S206)。この時の通信内容は、通信の確認の意味しか持たないようにしてもよいし、例えば更新されたグループ内順位を含めた
図5のようなフォーマットで送信するようにしてもよい。
【0032】
次に、処理部1200は、放送局やコンテンツプロバイダから、放送予定表を取得する(S111)。この予定表は、例えばデジタル放送のEPG(電子番組表)などを示す。
図7のようにEPGでは、時間帯によって、複数チャンネルで同じ放送をしたり、2カ国語や多重音声による放送をしたりなど、番組の放送タイプの情報が取得可能である。
処理部1200は、これらの情報を使いマスターテーブルを作成する(S112)。
【0033】
図8に、マスターテーブルの説明図を示す。ここでのマスターデータ種別は、視聴機器により視聴状況判定に使用する信号が異なるため、これらに対応したマスターを採取するためである(
図10参照)。
【0034】
図20に、マスターテーブルの作成方法についての説明図を示す。以下に、処理部1200が、マスターテーブルを作成する(S112)の具体的な作成方法について説明する。
・処理部1200は、EPGからは、チャンネルコード、放送開始時間、放送分数、音声数、映像数を取得する。なお、映像数については、例えば、プロ野球放送で“普通のカメラ”とずっと監督の映像が映っている映像が流れる“監督カメラ”とがある場合、映像数は2となる。
・処理部1200は、この音声数、映像数から、マスターテーブルの音声種別、映像種別を割り振る。
・処理部1200は、地域番号、グループコードはプリセットで、端末番号はシーケンシャル又はランダム等で適宜プリセットしておく。
・マスターデータ種別は、視聴状況調査の対象とする機器(テレビ等)から、どの端子を使うかによって、どのようなマスターデータと比較するかが異なるため、この種別が割当てられる。どのようなデータを取るべきかは、予め決めておく。例えば、図のように、入力端子とマスターデータ種別を割り付ければ、アナログ音声/アナログ映像/デジタル音声/デジタル映像の4種類となる。種別は色々と増やすことも考えられるが、調査形態で決めることが出来る。
【0035】
処理部1200は、このマスターテーブルを、各調査端末に送信する(S113, S208)。各調査端末では、処理部1200は、マスターテーブルを受信したら、全マスターテーブル(自己の保存すべきマスター以外の情報も含む)を保存し(S209)、受信確認の応答を行う(S210)。
【0036】
次に、
図11に、自己グループ順位1位の調査端末が通信出来ない状態であるときのシーケンス図を示す。もし、グループ順位1位の調査端末が通信出来ないと、グループ順位2位以下の調査端末は、
図3のステップS114、ステップS115のように調査端末確認の要求待ちでタイムアウトとなる。処理部1200は、タイムアウトになると自己グループ順位を1上げて、それまでグループ順位2位だったマスターはグループ順位1となり、マスター確認時刻になると、ステップS101及びステップS102を経て、調査端末確認の要求を送信する(S103,S301)。以下、処理部1200は、それまでに保持していたマスターテーブルを元に、グループ順位が自己順位より低い端末に対して、確認要求を出す。
【0037】
なお、グループ順位1位の調査端末が通信不可の場合はステップS108に示す応答端末が1台も無い状態となる。この時には、自己グループ順位を予め決めておいた最下位の順位にして、自己パラメータを書き換える。
また、グループ順位が2位以下の調査端末が通信出来ない状態になった時は、その2位以下の調査端末はグループテーブルから外される。この2位以下の調査端末が一時的な通信不良等で機器は動作しながら通信が出来ない状態だった場合は、ステップS114〜ステップS116が順に繰り返され、最後はグループ順位1位となりステップS104〜ステップS108の処理を行った結果、応答を受信できないので、ステップS117の自己グループ順位を最下位順位にすることになる。
【0038】
図12に、グループテーブルが変更された時の例を示す。処理部1200は、マスター確認時刻(S101)に達する前のそのグループテーブルが図(A)のようになっていた時に、グループ内順位1位および4位の端末が通信出来なくなったとした場合、ステップS107の後、図(B)のように通信出来た端末だけで更新され、さらにステップS109で、図(C)のようにソートして、新しいグループテーブルを作る。
このテーブルを元にマスターテーブル(
図8)が作られる。
さらに、新たに設置された端末や上記処理で通信が出来ずグループテーブルから漏れた端末は、次のマスター確認時刻に、受信した調査端末確認の要求(S201)に応答して、又は、自ら調査端末確認の応答をグループ内1位の端末に送信して、グループに加わる事が出来る。
【0039】
本実施の形態では、グループテーブル作成の際に、同一グループの端末に同報したが、グループ順位1位の端末が2位以下に順に問い合わせる形や、一つ下の順位の端末(応答が無い時はその次の順位)に問い合わせるという方法でも実現可能である。
このように同報が出来ない場合は、新規に増えた調査端末や通信不良等によりグループテーブルから除外された調査端末は、そのグループのいずれかの端末からグループテーブルを採取して、その時点のグループ順位1位の端末に端末追加要求を送信する。グループ順位1位の端末は、追加された新規端末を最下位順位とした新たなグループテーブルを作成し、次回のマスター確認時刻に反映させる。
【0040】
3.照合処理
図13に、ネットワーク上へ問い合わせを行い、データ照合を行うシーケンス図を示す。この処理は、調査端末の例えば視聴データ照合部127−1が実行する。
まず、視聴データ照合部127−1は、自己の視聴状況データのテーブル等に基づき、照合すべき時刻を求め、その照合すべき時刻のマスターテーブル(
図8)を検索し(S501)、照合すべきマスターが自端末であれば、自局の局別マスターデータの特徴化データと比較し、照合すべきマスターが他の端末であれば、その端末に照合要求データを送信する(S502)。
【0041】
図14に、照合要求データフォーマットの説明図を示す。照合要求データは、要求先(照合先)の端末番号と、マスターテーブルにあるチャンネルコード、放送開始時刻、放送分数、音声種別、映像種別、マスターデータ種別に加え、データ採取時刻、照合開始時刻、要求元端末番号、視聴機器番号、データサイズ、特徴化データを含む。照合開始時刻は局別マスターデータの中から照合を開始する時刻を示すものとなり、放送開始時刻と同じかそれ以降となる。リアルタイムの視聴のみを判定する際には、照合開始時刻とデータ採取時刻は同じとなり、録画視聴の番組を判定する際には、データ採取時刻以前の時刻をセットし、要求先の照合では照合開始時刻〜データ採取時刻の間の類似度を算出する。
要求先の端末では、視聴データ照合部127−1は、照合要求データの特徴化データに基づき自己の持つ局別マスターデータの特徴化データとを比較し(S503)、比較時刻、類似度を求め、これらデータを含む照合結果データを返信する(S504)。
【0042】
図15に、返信する照合結果データフォーマットの説明図を示す。
視聴データ照合部127−1は、マスターテーブルを元に照合要求を行うが、その調査端末が返信をしなかった場合(S505)、同じマスターを持つ別の調査端末要求する(S506)。
同一グループに一致するマスターが無かった場合(S509)は、視聴データ照合部127−1は、別のグループに対してマスターテーブルを要求する(S510)。
【0043】
図16に、マスターテーブル要求フォーマットの説明図を示す。マスターテーブル要求は、地域番号、グループコードの他、マスターテーブルとして参照したい時刻の範囲(マスター対象開始時刻・終了時刻)を指定する。また、各調査端末は、端末データ記憶部122等の適宜のメモリに、グループ毎に、各グループに属する端末番号を記憶したグループリストを予め保持している。なお、調査端末の増減、グループ変更等の変更があった場合は、マニュアル又は、変更した調査端末からの通知信号により、グループリストを自動的に変更するようにしてもよい。この要求先は、その各グループに属する調査端末なら全て保存されているため(S112, S209)、視聴データ照合部127−1は、グループリストを参照し、各グループに属する任意の端末を選択することができる。視聴データ照合部127−1は、その端末が通信エラー等で応答が無かったり、参照したい時刻の範囲のマスターテーブルを持ってなく結果データの返信がなかったりした場合は、グループリストを参照し、別の端末に問い合わせを行う。
【0044】
マスターテーブルを要求された調査端末では、視聴データ照合部127−1又は処理部1200は、そのグループのマスターテーブル504を返信する(S511)。
視聴データ照合部127−1は、このマスターテーブルを元に照合先を判別する(S512)。以下は、上述と同様に、視聴データ照合部127−1は、各局別マスターデータを持つ調査端末に照合要求データを送信し(S513)、要求を受け取った調査端末では視聴データ照合部127−1は、上述のような特徴化データの照合処理をし(S514)、結果を返信する(S515)。
【0045】
この照合順は、過去の履歴からデータ採取時刻は、リアルタイムでXチャンネルを視聴しているケースが多い、とか、Yというシリーズ番組を定期的録画視聴しているなどの過去の傾向が分かれば、そのチャンネルや番組を優先して比較する事により、通信頻度や処理時間の短縮をする事が可能である。
このような処理は、番組情報と、自己調査端末の視聴状況がその番組情報と関連して分かる本システムにより実現出来る方法である。
【0046】
図21に、視聴データ照合処理のフローチャートを示す。以下の各ステップは、視聴データ照合部127が実行する。
まず、視聴データ照合部127は、端末データ記憶部122のデータ数から、データが増加しているかどうかチェックする(S401)。もし、増加していたら(S402)、所定のフォーマットで視聴状況データ(後述する
図10)を作成し、それを視聴状況データ記憶部122に追加する(S403)。S403で新たに作成された視聴状況データを、端末データ記憶部122を参照して、端末番号、視聴機器番号、データ採取時刻、マスターデータ種別、データサイズおよび特徴化データを、端末データ101からコピーし、状態を未照合に設定し、グループコード、チャンネルコード、音声種別、映像種別、放送時刻を空白の状態として、作成する。
【0047】
続いて、視聴状況データ記憶部128を参照し、視聴状況データの状態を確認し、未照合のデータがあるかをチェックする(S404)。もし、未照合データがあれば(S405)、そのデータの特徴化データから無音や無信号であるかどうかをチェックする(S406)。
もし、一定時間の無音や無信号を検出したら(S407)、視聴状況データの状態をデータなし(無視聴)とし、グループコード、チャンネルコード、音声種別、映像種別、放送時刻は空白のままにしておく。
【0048】
S407で無音や無信号では無かったら、その視聴状況データの特徴化データを、自己が保存する局別マスターデータ記憶部125に蓄積されている局別マスターデータの特徴化データと照合をする(S409)。この照合結果、類似度が高ければ(S410)、所定の時刻範囲で、その局別マスターデータ102のヘッダ部からグループコード、チャンネルコード、音声種別、映像種別、放送時刻をセットし、状態を照合済みとする(S411)。ここで、照合における所定の時刻範囲は、例えば、データ採取時刻又はデータ採取時刻から予め決められた時刻を遡った時刻を「照合開始時刻」とし、予め定められた時間(時刻範囲)とすることができる。ここでの照合開始時刻は、視聴状況データ103を照合したい放送時刻の開始時刻を示し、放送のリアルタイム視聴や録画番組のタイムシフト視聴を調査するために使用する。もし、リアルタイム視聴だけを調査する場合は、照合開始時刻はデータ採取時刻と一致し、タイムシフト視聴を含めて調査する場合の照合開始時刻はデータ採取時刻より遡った時刻となる。
【0049】
S410で類似するマスターデータが無かった場合は、
図13のシーケンス図及び
図14の照合要求フォーマットに示すように、ネットワーク上の他の調査世帯1に対してマスターデータへの問い合わせを行い、調査世帯1からの応答から照合可能なマスターデータの状態(有無等)を確認する(S412)。未照合のマスターデータが見つかったら、未照合のマスターデータを持つ調査世帯1の調査端末12に対し、照合要求データを送信する(S414)。未照合マスターデータを持つ調査端末は、受信した照合要求データの特徴化データと自調査端末の持つマスタデータの特徴化データとを照合し、
図15に示すようなフォーマットで類似度を含んだ照合結果データ109返信するため、それを受信して照合結果データ109を内部の適宜の記憶部に保存する(S415)。
【0050】
S413で全てのマスターデータとの照合が終わったら、内部に保存した照合結果データ109の類似度を比較し、規定値以上の類似度があるマスターデータがあるかを確認する(S416)。この規定値とは、類似度が一定以上高いだけでは無く、複数の高い類似度のマスターデータがあった場合は、前後の類似度から判断するなど複数の条件から決められた値とすることができる。
【0051】
S416で規定値以上の類似度のある照合結果データが見つかった場合は、照合結果データのヘッダ部からグループコード、チャンネルコード、音声種別、映像種別、放送時刻をセットし、状態を照合済みとして、視聴状況データを作成する(S417)。
S416で規定値以上の類似度があるマスターデータが見つからなかった場合は、状態を接触状況不明で照合済みとして、視聴状況データを作成する(S419)。接触状況不明には、ゲーム使用やブルーレイディスク、DVDディスクの再生なども考えられるが、音声/映像取得部120によって取得したマスターデータ種別情報により、視聴機器11の使用状態が特定出来る場合は、使用状態別に予め決められたグループコード、チャンネルコード、枝番を視聴状況データ103にセットする。
【0052】
4.照合結果・集計センター
視聴状況データは、照合前にデータを採取した段階では、
図18のように各採取時間のデータは未照合の状態となっている。これに対し、照合をした結果、
図19のようなデータとなる。
【0053】
図17に、各端末が持っている視聴状況データフォーマットの説明図を示す。
視聴状況データ103は、例えば、端末データ101から得られた端末番号、視聴機器番号、データ採取時刻、マスターデータ種別、データサイズおよび特徴化データと、局別マスターデータ102または類似と見なした照合結果データから得られたグループコード、チャンネルコード、音声種別、映像種別、放送時刻を含む。データサイズ、特徴化データを除く部分を視聴状況判定ヘッダとし、この視聴状況判定ヘッダは決められた時刻又は所定周期等に通信装置13およびネットワーク2を介し、集計センター3に送信される。
視聴状況データは、照合前にデータを採取した段階では、
図18のように各採取時間のデータは未照合の状態となっている。これに対し、照合をした結果、
図19のようなデータとなる。
【0054】
図18に、視聴状況データの初期化状態の説明図を示す。
初期化時点の視聴状況データ104は、端末番号、視聴機器番号、データ採取時刻、マスターデータ種別、データサイズ、特徴化データは、端末データ101よりセットされるが、グループコード、チャンネルコード、音声種別、映像種別、放送時刻は空白となる。
図11の例では、
図9のフローチャートS2で端末データ蓄積部122に、2010年10月10日10:00:00、同日10:01:00、同日10:02:00の3個の端末データが増えているのを検出し、S3で視聴状況データを作成した時の状態を示している。
【0055】
図19に、照合済みデータがある視聴状況データの説明図を示す。
無音/無信号の検出を含め照合が完了すると状態が変更され、特定出来たグループコードやチャンネルコード、音声種別、映像種別、放送時刻がセットされる。
図12の例では、
図9のフローチャートS8で2010年10月10日10:00:00は未視聴と判定し、S417で2010年10月10日10:01:00は地上デジタル放送101チャンネルの枝番0の2010年10月09日20:30:00の放送と類似し、S418で2010年10月10日10:02:00は視聴状況不明であったが、音声/映像取得部120によって取得したマスターデータ種別情報によってDVD再生と判定出来た場合の視聴状況データの状態を示している。
【0056】
図27に、集計センターのシステム構成図を示す。
集計センター4は、例えば、通信装置41と、端末データ収集装置42と、集計部43と、視聴率データ等の出力ファイル44を備える。
調査世帯1から送信された視聴状況データは、ネットワーク2を介し、通信装置41で受信する。通信装置41は、受信した視聴状況データを端末データ収集装置42の収集部421へ送る。収集部421は、調査世帯の端末番号および視聴機器ごとに視聴状況データファイル422を作成し、収集状況を端末データ収集情報ファイル423を更新する。
【0057】
集計部43は調査毎に決められた周期で、視聴状況データファイル422のデータを集計し、各局の調査対象期間の視聴率やコンテンツ接触率などの集計データファイル44を作成する。なお、その際には端末データ収集情報ファイル423に保存されている収集件数を収集率として付加する場合もある。
【0058】
5.特徴化されたデータの計算例
以下に、特徴化されたデータ(特徴化データ)を計算するための処理の一例(特開平11−275032号公報参照)を説明するが、これに限らず適宜の処理方法を用いることができる。
まず、10秒区間の振幅データをさらに100のフレームという時間枠に分割し、その各々の平均振幅V
j(i)に置き換える。1フレームはすなわち100ミリ秒区間である。第i番フレーム区間に採取された振幅データの総数をN、この総数Nの中で、第j番帯域フィルタ出力の第k番データの振幅をS
j(k)とすると、第i番フレーム区間の平均振幅V
j(i)は次式(1)で求まる。
【数1】
【0059】
次に、第i番フレーム区間における、第j番帯域フィルタ出力の平均振幅V
j(i)を、次式(2)により対数変換し、パワーP
j(i)を求める。
【数2】
【0060】
このパワーP
j(i)は4つの帯域の各々について求められ、この4つの帯域に分割算出されたパワーのベクトルをパワーベクトルP(i)とし、次式(3)のように表し、これを第i番フレーム区間の特徴化データとする。
【数3】
【0061】
以上のようなフレーム区間の特徴化データは100のフレームの各々について求められ、この100フレームの特徴化データのベクトルをブロックデータCB(i)として次式(4)のように定義し、これを今回測定したオーディオ信号にかかる特徴化データとする。
【数4】
【0062】
特徴量取得部122、313等は以上のようにして、各測定時期毎に、受信している未知の放送局Rに関する次式(5)に示すブロックデータCB
R(i,b)を生成する。
【数5】