(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記据え付け基礎施工方法では、前記金属管の頂部に前記金属蓋を固定した直後において前記空間に充填されたセメント硬化物が未硬化状態にあり、前記金属管の頂部に前記金属蓋を固定した後からセメント硬化物の養生期間が開始し、前記養生期間が経過した後に、前記アンカーボルトの自由端部のうちの前記コンクリート構造物の表面と前記金属管の底壁との間に延びる部分が前記空間に充填されたセメント硬化物と一体になる請求項1に記載の据え付け基礎施工方法。
前記据え付け基礎施工方法が、前記金属管を前記据え付け箇所に仮設置する仮設置工程と、前記金属管を仮設置した後に、前記アンカーボルトの自由端部に対する前記金属管の底壁の固定位置を調節して前記コンクリート構造物からの該金属管の設置高さを調節する設置高さ調節工程とを含み、前記金属管固定工程では、前記金属管の設置高さを調節した後に前記アンカーボルトの自由端部に該金属管の底壁を固定する請求項1または請求項2に記載の据え付け基礎施工方法。
前記据え付け基礎施工方法が、前記金属管の底壁に開口する螺着孔に螺着されて該金属管の高さ寸法を調節する高さ調節ボルトを含み、前記設置高さ調節工程では、前記高さ調節ボルトの前記金属管の底壁に対する螺着位置を調節することによって前記空間の高さ寸法を調節可能かつ前記コンクリート構造物の表面からの該金属管の高さ寸法を調節可能である請求項3に記載の据え付け基礎施工方法。
前記コンクリート構造物が、コンクリート躯体と、前記コンクリート躯体の上に施設された防水層と、前記防水層の上に施設されたコンクリート層とから形成され、前記アンカーボルト設置工程では、前記コンクリート構造物から前記コンクリート層と前記防水層とを取り除いて前記コンクリート躯体を露出させ、前記コンクリート躯体の据え付け箇所に前記アンカーボルトの固定端部を固定し、前記金属管固定工程では、前記金属管を前記コンクリート躯体から上方へ離間させた状態でそれらアンカーボルトの自由端部に固定する請求項1ないし請求項4いずれかに記載の据え付け基礎施工方法。
前記据え付け基礎施工方法が、前記金属管の周壁の外側に防水部材を設置する防水部材設置工程を含み、前記防水部材が、前記金属管の周壁の外側に固定された発泡材と、前記発泡材の外側に固定された防水層とから形成されている請求項1ないし請求項5いずれかに記載の据え付け基礎施工方法。
前記防水部材設置工程では、前記金属管の底壁の側に延びる前記防水部材の防水層を前記コンクリート構造物の防水層につなげる請求項6に記載の据え付け基礎施工方法。
前記据え付け基礎施工方法が、前記防水部材を衝撃から保護する乾式保護部材を該防水部材の外側に設置する保護部材設置工程を含む請求項6または請求項7に記載の据え付け基礎施工方法。
前記金属管の底壁の所定の箇所には、前記コンクリート構造物と前記金属管の底壁との間の空間に充填された前記セメント硬化物を確認するための確認孔が形成され、前記セメント硬化物充填工程では、前記確認孔から前記空間におけるセメント硬化物の充填状態を確認する請求項1ないし請求項9いずれかに記載の据え付け基礎施工方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記特許文献1に開示の太陽電池パネル据え付け構造では、施工現場でコンクリートを養生する必要はないが、基礎製造工場においてコンクリートを養生して基礎を作らなければならず、基礎の製造にコンクリートの養生が必要であることに変わりはない。さらに、製造した基礎を工場から施工現場に搬送することになり、相当な重量を有する基礎を搬送する手間を要するから、基礎を施工する労力やコストを低減することができない。また、工場で製造された基礎をスラブに固定する場合、コンクリート層を接着層としてスラブに固定する方法や凹部をスラブに形成して基礎の下端をその凹部に嵌め込む方法しか採用できず、基礎をスラブに強固に据え付けることができない。
【0007】
本発明の目的は、新設または既設のコンクリート構造物に機械機器や建築物を備え付ける強固な基礎を作ることができ、その基礎の据え付けに要する労力やコストを低減することができるとともに、その基礎の据え付けの工期を短縮することができる基礎施工方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するための本発明の前提は、新設または既設のコンクリート構造物の所定の据え付け箇所に据え付けられる据え付け基礎を施工する据え付け基礎施工方法である。
【0009】
前記前提における本発明の特徴は、据え付け基礎施工方法が、据え付け箇所に複数のアンカーボルトの固定端部を固定してそれらアンカーボルトの自由端部をコンクリート構造物から上方へ起立させるアンカーボルト設置工程と、底壁およびその底壁の周縁から上方へ延びる周壁を有する金属管をコンクリート構造物から上方へ離間させた状態でアンカーボルトの自由端部に固定手段を介して固定する金属管固定工程と、コンクリート構造物と金属管の底壁の周縁との間に延びる空隙を塞ぐ成型材を金属管の底壁の周縁の外側近傍に設置する成型材設置工程と、コンクリート構造物と金属管の底壁との間に形成された空間にセメント硬化物を充填するセメント硬化物充填工程と、金属管の頂部に金属蓋を固定して金属管の頂部開口を閉塞する頂部閉塞工程とを有し、セメント硬化物充填工程では、コンクリート構造物と金属管の底壁と成型材とに囲繞された空間にセメント硬化物を充填し、頂部
閉塞工程では、空間に充填されたセメント硬化物の養生期間を待つことなく、空間にセメント硬化物を充填した直後に金属蓋を金属管の頂部に固定することにある。
【0010】
本発明の他の一例として、据え付け基礎施工方法では、金属管の頂部に金属蓋を固定した直後において空間に充填されたセメント硬化物が未硬化状態にあり、金属管の頂部に金属蓋を固定した後からセメント硬化物の養生期間が開始し、養生期間が経過した後に、アンカーボルトの自由端部のうちのコンクリート構造物の表面と金属管の底壁との間に延びる部分が空間に充填されたセメント硬化物と一体になる。
【0011】
本発明の他の一例としては、据え付け基礎施工方法が、金属管を据え付け箇所に仮設置する仮設置工程と、金属管を仮設置した後に、アンカーボルトの自由端部に対する金属管の底壁の固定位置を調節してコンクリート構造物からの金属管の設置高さを調節する設置高さ調節工程とを含み、金属管固定工程では、金属管の設置高さを調節した後にアンカーボルトの自由端部に金属管の底壁を固定する。
【0012】
本発明の他の一例としては、据え付け基礎施工方法が金属管の底壁に開口する螺着孔に螺着されて金属管の高さ寸法を調節する高さ調節ボルトを含み、設置高さ調節工程では、高さ調節ボルトの金属管の底壁に対する螺着位置を調節することによって空間の高さ寸法を調節可能かつコンクリート構造物の表面からの金属管の高さ寸法を調節可能である。
【0013】
本発明の他の一例としては、コンクリート構造物が、コンクリート躯体と、コンクリート躯体の上に施設された防水層と、防水層の上に施設されたコンクリート層とから形成され、アンカーボルト設置工程では、コンクリート構造物からコンクリート層と防水層とを取り除いてコンクリート躯体を露出させ、コンクリート躯体の据え付け箇所にアンカーボルトの固定端部を固定し、金属管固定工程では、金属管をコンクリート躯体から上方へ離間させた状態でそれらアンカーボルトの自由端部に固定する。
【0014】
本発明の他の一例としては、据え付け基礎施工方法が金属管の周壁の外側に防水部材を設置する防水部材設置工程を含み、防水部材が、金属管の周壁の外側に固定された発泡材と、発泡材の外側に固定された防水層とから形成されている。
【0015】
本発明の他の一例として、防水部材設置工程では、金属管の底壁の側に延びる防水部材の防水層をコンクリート構造物の防水層につなげる。
【0016】
本発明の他の一例としては、据え付け基礎施工方法が防水部材を衝撃から保護する乾式保護部材を防水部材の外側に設置する保護部材設置工程を含む。
【0017】
本発明の他の一例として、金属管の底壁の中央部には、コンクリート構造物と金属管の底壁との間の空間にセメント硬化物を充填するための充填孔が形成され、セメント硬化物充填工程では、充填孔から空間にセメント硬化物を充填する。
【0018】
本発明の他の一例として、金属管の底壁の所定の箇所には、コンクリート構造物と金属管の底壁との間の空間に充填されたセメント硬化物を確認するための確認孔が形成され、セメント硬化物充填工程では、確認孔から空間におけるセメント硬化物の充填状態を確認する。
【発明の効果】
【0019】
本発明にかかる据え付け基礎施工方法によれば、据え付け箇所に複数のアンカーボルトを設置するアンカーボルト設置工程と、金属管をコンクリート構造物から上方へ離間させた状態でアンカーボルトの自由端部に固定する金属管固定工程と、コンクリート構造物と金属管の底壁の周縁との間に延びる空隙を塞ぐ成型材を金属管の底壁の周縁の外側近傍に設置する成型材設置工程と、空間にセメント硬化物を充填するセメント硬化物充填工程と、金属管の頂部に金属蓋を固定する頂部閉塞工程とから基礎が作られ、汎用部品化された各基礎部品を各工程によってユニットシステムとして組み立てるから、施工作業をマニュアル化することができるとともに、施工作業を簡略化することができる。据え付け基礎施工方法は、基礎を形成する際に施工現場において型枠を製作する必要がないことはもちろん、基礎製造工場や施工現場において基礎を作るためにセメント硬化物を養生する必要はなく、コンクリート構造物に固定された複数のアンカーボルトに中空の軽量な金属管を固定し、その金属管に金属蓋を固定するだけであり、型枠の製作やセメント硬化物の養生にかかる手間や時間を省くことができ、その分の工期を短縮することができる。据え付け基礎施工方法は、複数のアンカーボルトの固定端部をコンクリート構造物に固定し、それらアンカーボルトの自由端部に金属管を固定するから、据え付け基礎をコンクリート構造物に強固に据え付けることができ、ソーラーパネルやアンテナ、貯水槽、浄化槽、空調機器等の機械器具、鉄塔や鉄骨建設物等の建築物を強固に備え付けることができる。据え付け基礎施工方法は、コンクリート構造物の表面と金属管の底壁との間の空間にセメント硬化物を充填し、基礎の上に機械機器や建築物を強固に備え付けた場合の基礎にかかる荷重をアンカーボルトとセメント硬化物とで分担させるから、基礎にかかる荷重でそれが不用意に傾斜したり、基礎が崩壊することはなく、機械機器や建築物を確実に支持する基礎を作ることができる。
【0020】
据え付け基礎施工方法は、底壁の周縁の外側近傍に設置された成型材が硬化前のセメント硬化物の漏れを防ぐ堤防となり、空間に充填されたセメント硬化物がその空間から漏れ出すことがないから、底壁の周縁の外側近傍にセメント硬化物のための型枠を設置する必要がなく、型枠を設置するための手間や時間を省くことができ、据え付け基礎の工期を大幅に短縮することができる。据え付け基礎施工方法は、空間に充填されたセメント硬化物の養生期間を待つことなく、空間にセメント硬化物を充填した直後に金属蓋を金属管の頂部に固定することができ、セメント硬化物の養生期間を待つことなく次の基礎の施工を行うことができるから、セメント硬化物の養生期間の分の工期を短縮することができ、据え付け基礎の工期を大幅に短縮することができる。
【0021】
金属管の頂部に金属蓋を固定した直後において空間に充填されたセメント硬化物が未硬化状態にあり、金属管の頂部に金属蓋を固定した後からセメント硬化物の養生期間が開始し、養生期間が経過した後にアンカーボルトの自由端部のうちのコンクリート構造物の表面と金属管の底壁との間に延びる部分が空間に充填されたセメント硬化物と一体になる据え付け基礎施工方法は、空間に充填されたセメント硬化物が硬化する以前に金属蓋を金属管の頂部に固定することができ、セメント硬化物の養生期間を待つことなく次の基礎の施工を行うことができるから、セメント硬化物の養生期間の分の工期を短縮することができ、据え付け基礎の工期を大幅に短縮することができる。据え付け基礎施工方法は、養生期間が経過した後にアンカーボルトの部分がセメント硬化物と一体になり、基礎の上に機械機器や建築物を強固に備え付けた場合の基礎にかかる荷重をアンカーボルトとセメント硬化物とで分担するから、コンクリート構造物の据え付け箇所に強固に据え付けられた基礎を作ることができる。
【0022】
金属管を据え付け箇所に仮設置する仮設置工程と、金属管を仮設置した後にアンカーボルトの自由端部に対する金属管の底壁の固定位置を調節してコンクリート構造物からの金属管の設置高さを調節する設置高さ調節工程とを含む据え付け基礎施工方法は、基礎の施工中にその高さ寸法を自由に変えることができ、基礎の高さ寸法の変更要求に即座に対応することができる。据え付け基礎施工方法は、複数個のそれらを設置する場合にそれら基礎どうしの高さ寸法を容易に調節することができ、それら基礎の高さ寸法を均一に揃えることができる。
【0023】
設置高さ調節工程において、高さ調節ボルトの金属管の底壁に対する螺着位置を調節することによって空間の高さ寸法を調節可能かつコンクリート構造物の表面からの金属管の高さ寸法を調節可能な据え付け基礎施工方法は、高さ調節ボルトを利用することで基礎の施工中にその高さ寸法を自由に変えることができ、基礎の高さ寸法の変更要求に即座に対応することができる。据え付け基礎施工方法は、複数個のそれらを設置する場合にそれら基礎どうしの高さ寸法を容易に調節することができ、それら基礎の高さ寸法を均一に揃えることができる。
【0024】
アンカーボルト設置工程において、コンクリート構造物からコンクリート層と防水層とを取り除いてコンクリート躯体を露出させ、コンクリート躯体の据え付け箇所にアンカーボルトの固定端部を固定し、金属管固定工程において、金属管をコンクリート躯体から上方へ離間させた状態でそれらアンカーボルトの自由端部に固定する据え付け基礎施工方法は、機械機器や建築物を設置する設置箇所が既設のコンクリート構造物の屋上や地下に防水機能を施した防水処理層を備えたスラブである場合でも、設置箇所の防水処理層を取り除いた後の露出したコンクリート躯体に基礎を設置し、基礎を設置した直後に設置箇所近傍の防水処理層を補修する(新たな防水処理層を施す)ことができるから、基礎を迅速に設置することができ、基礎の設置に要する工期を短縮することができる。
【0025】
金属管の周壁の外側に防水部材を設置する防水部材設置工程を含み、防水部材が金属管の周壁の外側に固定された発泡材と発泡材の外側に固定された防水層とから形成される据え付け基礎施工方法は、基礎をコンクリート構造物の屋上に設置した場合に防水部材によって基礎の内部への水の侵入を防ぐことができ、内部に水が進入することによる基礎の劣化を防ぐことができる。
【0026】
防水部材設置工程において、金属管の底壁の側に延びる防水部材の防水層をコンクリート構造物の防水層につなげる据え付け基礎施工方法は、基礎をコンクリート構造物の屋上に設置した場合に防水層によって基礎の内部への水の侵入を防ぐことができることはもちろん、コンクリート構造物への水の進入を防ぐことができ、水の進入による基礎の劣化やコンクリート構造物の劣化を防ぐことができる。
【0027】
防水部材を衝撃から保護する乾式保護部材を防水部材の外側に設置する保護部材設置工程を含む据え付け基礎施工方法は、基礎の外側から衝撃が加えられたとしても、保護部材によってその衝撃が吸収されるから、衝撃によって防水部材が破損することはなく、防水部材によって基礎やコンクリート構造物の内部への水の侵入を防ぐことができ、内部に水が進入することによる基礎の劣化やコンクリート構造物の劣化を防ぐことができる。
【0028】
セメント硬化物充填工程において、金属管の底壁の中央部に形成された充填孔から空間にセメント硬化物を充填する据え付け基礎施工方法は、金属管をアンカーボルトに固定した後に充填孔を利用して空間にセメント硬化物を充填することができるから、空間にセメント硬化物を確実に充填することができる。据え付け基礎施工方法は、充填孔が金属管の底壁の中央部に形成されているから、セメント硬化物が空間に偏って充填されることはなく、セメント硬化物を空間全域に満遍なく充填することができる。据え付け基礎施工方法は、基礎の上に機械機器や建築物を備え付けた場合の基礎にかかる荷重をアンカーボルトとセメント硬化物とに分担させることができ、基礎にかかる荷重でそれが不用意に傾斜したり、基礎が崩壊することはなく、機械機器や建築物を確実に支持する基礎を作ることができる。
【0029】
セメント硬化物充填工程において、金属管の底壁の所定の箇所に形成された確認孔から空間におけるセメント硬化物の充填状態を確認する据え付け基礎施工方法は、確認孔を利用して空間に充填されたセメント硬化物の充填状態を確認することができ、セメント硬化物が空間に偏って充填されることはなく、セメント硬化物を空間全域に満遍なく充填することができる。据え付け基礎施工方法は、基礎の上に機械機器や建築物を備え付けた場合の基礎にかかる荷重をアンカーボルトとセメント硬化物とに分担させることができ、基礎にかかる荷重でそれが不用意に傾斜したり、基礎が崩壊することはなく、機械機器や建築物を確実に支持する基礎を作ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0031】
一例として示す据え付け基礎10の斜視図である
図1等の添付の図面を参照し、本発明にかかる据え付け基礎施工方法の詳細を説明すると、以下のとおりである。
図1では、コンクリート構造物11に設置された1個の据え付け基礎10を図示しているが、基礎10の個数を図示のそれに限定するものではなく、2個以上の基礎10がコンクリート構造物11に設置される場合もある。なお、
図2は、据え付け基礎10の作成手順の一例を示す図であり、
図3は、
図2から続く据え付け基礎10の作成手順を示す図である。
図2,3では、コンクリート構造物11を断面として示す。
図1や後記する
図10では、上下方向を矢印L、横方向を矢印Mで示し、前後方向を矢印N(
図1のみ)で示す。
【0032】
据え付け基礎10は、新設または既設のコンクリート構造物11の屋上や地下のスラブの所定の据え付け箇所に設置される。ここで、「スラブ」とは、厳密には「床版」を意味するが、この実施の形態では、コンクリート構造物11の地下の床のみならず屋上も含む意味で用いる。据え付け基礎施工方法は、中空の鋼管19(金属管)および蓋36(金属蓋)、複数の高さ調節ボルト24および複数のアンカーボルト15、モルタル35(セメント硬化物)、防水部材31、成型材34(面取材あるいはキャント)、ケイ酸カルシウム板41(乾式の保護部材)の汎用部品化された各基礎部品を利用し、それら基礎部品を所定のマニュアル化された手順で組み立てることで基礎10を作る。それら基礎部品(鋼管19、蓋36、アンカーボルト15、高さ調節ボルト24、防水部材31、成型材34、ケイ酸カルシウム板41)は、基礎部品製造工場で製造され、工場から設置現場に搬送される。
【0033】
据え付け基礎10をコンクリート構造物11の屋上に設置する場合を例として、基礎施工方法を説明すると、以下のとおりである。コンクリート構造物11の屋上のスラブは、
図2に示すように、コンクリート躯体12と、コンクリート躯体12の上に施設された防水層13と、防水層13の上に施設されたコンクリート層14とから形成されている。最初に、コンクリート構造物11の屋上における基礎10の据え付け箇所を位置決めし、その据え付け箇所にマーキングをするとともに、その据え付け箇所において、コンクリート構造物11からコンクリート層14と防水層13とを取り除いてコンクリート躯体12を露出させる。
【0034】
なお、図示のコンクリート構造物11は、コンクリート躯体12と防水層13とコンクリート層14とから形成されているが、コンクリート構造物11を図示のそれに限定するものではなく、現在使用されている他の構成のコンクリート構造物すべてにこの施工方法を実施することができる。たとえば、コンクリート層14の上にさらに合成樹脂を塗布して樹脂被膜を形成したコンクリート構造物の場合、基礎10の据え付け箇所では、コンクリート構造物から樹脂被膜とコンクリート層14と防水層13とを取り除いてコンクリート躯体12を露出させる。また、コンクリート構造物11が地下に構築された場合、防水層13とコンクリート層14とが存在せず、コンクリート躯体12単独でコンクリート構造物11を形成する。
【0035】
コンクリート躯体12を露出させた後、躯体12における基礎10の据え付け箇所にアンカーボルト15を挿入する複数のアンカーホール16を穿孔し、それらアンカーホール16に樹脂接着剤(図示せず)を注入する。アンカーホール16は、掘削機を利用し、コンクリート躯体12を所定の深さ掘削することから作られる。次に、
図3に示すように、それらアンカーホール16にアンカーボルト15を挿入する(アンカーボルト設置工程)。
【0036】
アンカーボルト設置工程では、アンカーボルト15の固定端部17をコンクリート躯体12に形成されたアンカーホール16に挿入し、アンカーボルト15の自由端部18をコンクリート躯体12(コンクリート構造物11)の表面から上方へ起立させる。アンカーボルト15の固定端部17は、その周面が樹脂接着剤を介してアンカーホール16に固定され、アンカーボルト15の自由端部18は、コンクリート躯体12(コンクリート構造物11)の表面から上方へ立ち上がる。なお、それらアンカーボルト15は、長さや直径が同一の規格化された汎用品であり、複数本のそれらが施工現場以外の基礎部品製造工場で製造される。アンカーボルト15は、鋼材から作られている。アンカーボルト15のそれら端部17,18には、雄螺子(図示せず)が作られている。
【0037】
図4は、鋼管19の側面図であり、
図5は、鋼管19の上面図である。
図6は、
図3から続く据え付け基礎の作成手順を示す図である。
図6では、コンクリート構造物11を断面として示し、一部を除く基礎10の部品を断面として示す。鋼管19は、形状や寸法が同一の規格化された汎用品であり、複数個のそれらが施工現場以外の基礎部品製造工場で製造される。鋼管19は、平面形状が略矩形の底壁20と、底壁20の周縁42から上方へ延びる平面形状が略矩形の各側壁21(周壁)とを備え、底を有する角筒状に成型されている。鋼管19は、鋼材から作られた各側壁21の底部に鋼材から作られた底壁20の周縁42を溶接することによって製造される。鋼管19の頂部には、それら側壁21によって囲繞された頂部開口22が形成されている。なお、金属管は、鋼材の他に、アルミニウムや合金から作ることもできる。
【0038】
鋼管19の側壁21の頂部には、複数の固定ボルト螺着孔23が作られている。固定ボルト螺着孔23には、雌螺子(図示せず)が作られている。鋼管19の底壁20には、高さ調節ボルト24(
図4参照)を螺着する複数の調節ボルト螺着孔25とアンカーボルト15を挿通する複数のアンカーボルト挿通孔26とが作られている(
図5参照)。アンカーボルト挿通孔26は、現場において作られる。ボルト螺着孔23には、雌螺子(図示せず)が作られている。
【0039】
高さ調節ボルト24は、雄螺子(図示せず)が作られた軸とボルトヘッドとから形成された六角ボルトである。高さ調節ボルト24の軸は、底壁20に作られた調節ボルト螺着孔25に螺着されている。なお、底壁20におけるボルト螺着孔26やアンカーボルト挿通孔26の穿孔箇所に特に限定はなく、それら孔25,26を底壁20の任意の箇所に作ることができる。底壁20の中央部には、円形の充填孔27が作られている。底壁20の四隅には、充填状態を確認するための確認孔28が作られている。
【0040】
アンカーボルト15をアンカーホール16に設置した後、鋼管19を据え付け箇所に仮設置する(仮設置工程)。仮設置工程では、ドリルを利用し、アンカーホール16の位置(アンカーボルト15の位置)にあわせて鋼管19の底壁20にアンカーボルト挿通孔26を穿孔する。鋼管19を据え付け箇所に移動させ、
図6に示すように、鋼管19の底壁20に形成されたアンカーボルト挿通孔26にアンカーボルト15を通し、高さ調節ボルト24のボルトヘッドをコンクリート躯体12の表面に当接させ、鋼管19を据え付け箇所に仮設置する。
【0041】
鋼管19を仮設置した後、アンカーボルト15の自由端部18に対する鋼管19の底壁20の固定位置を調節してコンクリート躯体12の表面からの鋼管19の設置高さを調節する(設置高さ調節工程)。設置高さ調節工程では、高さ調節ボルト24を時計回りと反時計回りとのいずれかに回転させ、鋼管19の底壁20に対するそれら高さ調節ボルト24の螺着位置を調節することによって、コンクリート躯体12の表面と鋼管19の底壁20との間の空間29の高さ寸法を調節し、コンクリート躯体12の表面からの鋼管19の底壁20の高さ寸法を調節する。
【0042】
具体的には、ボルトヘッドにおいて高さ調節ボルト24を反時計回りに回転させると、ボルト24のボルトヘッドがコンクリート躯体12の表面に当接しつつ、ボルト24の軸がボルト螺着孔25の下方へ次第に進むとともに、底壁20の下面から下方に延出する。それによって、鋼管19をコンクリート躯体12の表面から上方に離間させることができる。逆に、高さ調節ボルト24を時計回りに回転させると、ボルト24の軸がボルト螺着孔25の上方へ次第に進むとともに、底壁12の下面から上方へ延出する。それによって、鋼管19をコンクリート躯体12の表面に近づけることができる。
【0043】
高さ調節ボルト24を調節ボルト螺着孔25において回転させることによって鋼管19の底壁20がコンクリート躯体12の表面から上方へ離間し、コンクリート躯体12の表面と鋼管19の底壁20との間に所定の高さ寸法の空間29が形成される。鋼管19の底壁20に対するそれら高さ調節ボルト24の螺着位置を調節することによって、空間29の高さ寸法を調節することができ、コンクリート躯体12の表面からの鋼管19の底壁20の高さ寸法を調節することができる。
【0044】
なお、図示はしていないが、高さ調節ボルト24を利用せずにコンクリート躯体12の表面からの鋼管19の高さ寸法を調節することもできる。この場合は、アンカーボルト15の自由端部18のうちの底壁20の下面から下方へ露出する部分(コンクリート躯体12の表面と鋼管19の底壁20との間に延びる部分)に六角ナットを螺着する。そのナットを反時計回り回転させると、ナットがアンカーボルト15の自由端部18において下方へ移動し、鋼管19をコンクリート躯体12の表面に近づけることができる。逆に、ナットを時計回りに回転させると、ナットがアンカーボルトの自由端部において上方へ移動し、鋼管19をコンクリート躯体12の表面から上方に離間させることができる。
【0045】
アンカーボルト15の自由端部18のうちの底壁20の下面から下方へ露出する部分に螺着するナットの回転によって鋼管19の底壁20がコンクリート躯体12の表面から上方へ離間し、コンクリート躯体12の表面と鋼管19の底壁20との間に所定の高さ寸法の空間29が形成される。アンカーボルト15の自由端部18の部分に対するナットの螺着位置を調節することによって、空間29の高さ寸法を調節することができ、コンクリート躯体12の表面からの鋼管19の高さ寸法を調節することができる。
【0046】
据え付け基礎施工方法は、高さ調節ボルト24を利用することで基礎10の施工中にその高さ寸法を自由に変えることができ、基礎10の高さ寸法の変更要求に即座に対応することができる。据え付け基礎施工方法は、複数個の基礎10をコンクリート構造物11に設置する場合、それら基礎10どうしの高さ寸法を容易に調節することができ、それら基礎10の高さ寸法を均一に揃えることができる。
【0047】
図7は、
図6から続く据え付け基礎の作成手順を示す図であり、
図8は、
図7から続く据え付け基礎の作成手順を示す図である。
図7,8では、コンクリート構造物11を断面として示し、一部を除く基礎10の部品を断面として示す。高さ調節ボルト24を利用して空間29の高さ寸法を調節した後、
図7に示すように、アンカーボルト15の自由端部18のうちの鋼管19の底壁20から上方へ延びる部分に六角二重ナット30を螺着し、高さ調節ボルト24とそれら二重ナット30と(固定手段)で鋼管19をアンカーボルト15の自由端部18に固定する(金属管固定工程)。なお、高さ調節ボルト24を利用せずに空間29の高さ寸法を調節した後は、アンカーボルト15の自由端部18のうちの鋼管19の底壁20から上方へ延びる部分に六角二重ナット30を螺着し、六角二重ナット30と六角ナットと(固定手段)で鋼管19をアンカーボルト15の自由端部18に固定する(金属管固定工程)。
【0048】
次に、鋼管19の側壁21(周壁)の外側に防水部材31を設置する(防水部材設置工程)。防水部材31は、側壁21の外側に固定された所定厚みの発泡材32と、発泡材32の外側に固定された防水層33とから形成されている。発泡材32は、その平面形状が矩形の4個のそれらを側壁21に固着し、中空角柱状に組み立てることで作られている。発泡材32は、大きさや厚みが同一の規格化された汎用品であり、複数個のそれらが施工現場以外の基礎部品製造工場で製造される。
【0049】
防水部材設置工程では、平面形状が矩形の4個の発泡材32を用意し、それら発泡材32が各側壁21の外面全域を覆うように、それら発泡材32を側壁21の外側に配置し、それら発泡材32を各側壁21に接着剤(図示せず)およびビス(図示せず)を介して固着する。それら発泡材32を側壁21に固着した後、三角柱状の成型材34を鋼管19の底壁20の側であって発泡材32の外側(底壁20の周縁42の外側近傍)に設置する(成型材設置工程)。
【0050】
成型材34は、発泡材32の外面に接着剤(図示せず)を介して固着される。成型材34は、コンクリート躯体12の表面と鋼管19の底壁20の周縁42との間に延びる所定高さの空隙(空間29の周縁)を取り囲み、発泡材32とともにその空隙を塞ぐ。なお、
図7では発泡材32が空間29にも配置されているが、発泡材32の下端が空間29の直上で終わり、発泡材32の下端の下に成型材34が配置されていてもよい。この場合は、成型材34が空隙(空間29の周縁)を取り囲み、成型材34のみによって空隙が塞がれる。成型材34は、発泡材やプラスチック、木、金属(鉄やアルミニウム等)のいずれかから作られている。
【0051】
成型材34を設置した後、複数の薄いアスファルトシートを発泡材32の外面と成型材34の外面とに固着して防水層33を作るとともに、成型材34に固着した防水層33(鋼管19の底壁20の側に延びる防水層33)をコンクリート構造物11の防水層13につなげる。防水層33には、薄いアスファルトシートを複数重ね合わせて防水層33を作るアスファルト防水が利用されている。アスファルトシートは、その接着性によって発泡材32の外面と成型材34の外面とに固着している。なお、防水層33として、アスファルト防水の他に、塩ビシート防水やゴムシート防水、ウレタン防水やエポキシ防水、FRP防水を利用することもできる。
【0052】
なお、防水部材31が防水層33のみから形成されていてもよい。この場合は、図示はしていないが、成型材34を鋼管19の底壁20の側であって発泡材32の外側(底壁20の周縁42の外側近傍)に設置し(成型材設置工程)、成型材34によって空隙(空間29の周縁)を塞いだ後、複数の薄いアスファルトシートを鋼管19の外面と成型材34の外面とに固着して防水層33を作り、成型材34に固着した防水層33(鋼管19の底壁20の側に延びる防水層33)をコンクリート構造物11の防水層13につなげる。
【0053】
据え付け基礎施工方法は、鋼管19の側壁21の外側に防水部材31を設置するとともに、鋼管19の底壁20の側に延びる防水部材31の防水層33をコンクリート構造物11の防水層13につなげるから、基礎10をコンクリート構造物11の屋上に設置した場合に防水層13,33によって基礎10の内部への水の侵入を防ぐことができるとともに、コンクリート構造物11への水の進入を防ぐことができ、水の進入による基礎10の劣化やコンクリート構造物11の劣化を防ぐことができる。
【0054】
防水部材31を設置した後、
図8に示すように、コンクリート躯体12の表面と鋼管19の底壁20との間に形成された空間29(コンクリート躯体12の表面と鋼管19の底壁20と成型材34とに囲繞された空間29)にモルタル35(セメント硬化物)を充填する(セメント硬化物充填工程)。セメント硬化物充填工程では、確認孔28から空間29におけるモルタル35の充填状態を確認しつつ、充填孔27から空間29にモルタル35を充填する。
【0055】
据え付け基礎施工方法は、鋼管19の底壁20の中央部に形成された充填孔27から空間29にモルタル35を充填するから、モルタル35が空間29に偏って充填されることはなく、モルタル35を空間29全域に満遍なく充填することができる。また、確認孔28から空間29におけるモルタル35の充填状態を確認することができるから、確認孔28からモルタル35の充填状態を確認しつつ、充填作業を行うことで、空間29におけるモルタル35の偏りを防ぐことができ、モルタル35を空間29全域に満遍なく充填することができる。
【0056】
図9は、
図8から続く据え付け基礎の作成手順を示す図であり、
図10は、
図9から続く据え付け基礎の作成手順を示す図である。
図11は、蓋36を取り外した状態の据え付け基礎の上面図であり、
図12は、蓋36を取り付けた状態の据え付け基礎の上面図である。
図10,11では、コンクリート構造物11を断面として示し、一部を除く基礎10の部品を断面として示す。
【0057】
空間29にモルタル35を充填した後、モルタル35の養生期間を待つことなく、直ちに鋼管19の頂部に蓋36を嵌め込み(蓋36を鋼管19の頂部に固定)、鋼管19の頂部開口22を閉塞する(頂部閉塞工程)。なお、空隙(空間29の周縁)が発泡材32や成型材34によって塞がれているから、発泡材32や成型材34が硬化前のモルタル35の漏れを防ぐ堤防となり、空間29に充填されたモルタル35が空隙(空間29)から漏れ出すことはなく、モルタル35の充填後に直ちに蓋36で頂部開口22を閉塞することができる。据え付け基礎施工方法では、鋼管19の頂部に蓋36を嵌め込んだ(固定した)直後において空間29に充填されたモルタル35が未硬化状態にあり、鋼管19の頂部に蓋36を固定した後からモルタル35の養生期間が開始する。
【0058】
蓋36は、形状や寸法が同一の規格化された汎用品であり、複数個のそれらが施工現場以外の基礎部品製造工場で製造される。蓋36は、鋼材から作られ、その平面形状が略矩形に成型されている。蓋36の裏面であって蓋36の周縁の内側には、蓋36を鋼管19に固定するためのアングル材37(鋼材)が溶接によって取り付けられている。蓋36の裏面であって蓋36の周縁には、水切り用アングル38(鋼材)が溶接によって取り付けられている。アングル材37には、蓋固定ボルト39を挿通するボルト挿通孔(図示せず)が作られ、そのボルト挿通孔に六角ナット40が溶接によって取り付けられている。
【0059】
なお、蓋36の上面には、図示はしていないが、ソーラーパネルやアンテナ、貯水槽、浄化槽、空調機器等の機械器具、鉄塔や鉄骨建設物等の建築物を設置するための固定器具が取り付けられている。なお、金属蓋36は、鋼材の他に、アルミニウムや合金から作ることもできる。頂部閉塞工程では、鋼管19の頂部に蓋36を嵌め込んだ後、鋼管19の側壁21の上部に作られた固定ボルト螺着孔23に蓋固定ボルト39を螺着するとともに、蓋36のアングル材37の蓋固定ボルト挿通孔にボルト39を挿通し、ボルト挿通孔に取り付けられた六角ナット40にボルト39を螺着して蓋36を鋼管19の頂部に固定する。鋼管19の頂部開口22は、蓋36によって水密に閉塞される。
【0060】
空間29では、モルタル35の養生期間が経過し、そこに充填されたモルタル35が硬化することで、アンカーボルト15の自由端部18のうちのコンクリート躯体12の表面と鋼管19の底壁20との間に延びる部分(アンカーボルト15の自由端部18のうちの底壁20の下面から下方へ露出する部分)がモルタル35と一体になり、鉄筋モルタルを形成する。
【0061】
硬化したモルタル35は、基礎10の上にソーラーパネルやアンテナ、貯水槽、浄化槽、空調機器等の機械器具、鉄塔や鉄骨建設物等の建築物を備え付けた場合の基礎10にかかる荷重をアンカーボルト15とともに分担する。なお、空間29に充填するセメント硬化物には、モルタル35の他に、コンクリートを利用することもできる。コンクリートを利用する場合、アンカーボルト15の自由端部18のうちの底壁20の下面から下方へ露出する部分がコンクリートと一体になり、鉄筋コンクリートを形成する。
【0062】
鋼管19の頂部に蓋36を固定した後、ケイ酸カルシウム板41(乾式保護部材)を防水部材31の外側に設置する(保護部材設置工程)。ケイ酸カルシウム板41は、大きさや厚みが同一の規格化された汎用品であり、複数個のそれらが施工現場以外の基礎部品製造工場で製造される。保護部材設置工程では、平面形状が矩形の4個のケイ酸カルシウム板41を用意し、それらケイ酸カルシウム板41が防水部材31(アスファルトシート)全域を覆うように、それらケイ酸カルシウム板41を防水部材31の外側に配置し、板41の頂部を固定金具(図示せず)を介して蓋36の底面に固定し、板41の底部を固定金具(図示せず)を介してコンクリート構造物11のコンクリート層14の表面に固定する。以上の各工程が終了すると
図11に示す据え付け基礎10が完成する。
【0063】
据え付け基礎施工方法は、防水部材31を衝撃から保護するケイ酸カルシウム板41(保護部材)を防水部材31の外側に設置するから、基礎10の外側から衝撃が加えられたとしても、ケイ酸カルシウム板41によってその衝撃が吸収され、衝撃によって防水部材31が破損することはなく、防水部材31によって基礎10やコンクリート構造物11の内部への水の侵入を防ぐことができ、内部に水が進入することによる基礎10の劣化やコンクリート構造物11の劣化を防ぐことができる。
【0064】
据え付け基礎施工方法は、基礎10の据え付け箇所に複数のアンカーボルト15を設置するアンカーボルト設置工程と、鋼管19をコンクリート躯体12(コンクリート構造物11)から上方へ離間させた状態でアンカーボルト15の自由端部18に固定する金属管固定工程と、成型材34を鋼管19の底壁20の周縁42の外側近傍に設置する成型材設置工程と、鋼管19の側壁21の外側に防水部材31を設置する防水部材設置工程と、空間29にモルタル35を充填するセメント硬化物充填工程と、鋼管19の頂部に蓋36を固定する頂部閉塞工程と、ケイ酸カルシウム板41を防水部材31の外側に設置する保護部材設置工程とから基礎10が作られ、汎用部品化された各基礎部品をそれら工程によってユニットシステムとして組み立てるから、施工作業をマニュアル化することができるとともに、施工作業を簡略化することができる。
【0065】
据え付け基礎施工方法は、基礎10を形成する際に施工現場において型枠を製作する必要がないことはもちろん、基礎製造工場や施工現場において基礎10を作るためにモルタル35を養生する必要はなく、コンクリート躯体12に固定された複数のアンカーボルト15に中空の軽量な鋼管19を固定し、その鋼管19の外側に防水部材31とケイ酸カルシウム板41とを固定するとともに、鋼管19に蓋36を固定するだけであり、型枠の製作やモルタルの養生にかかる手間や時間を省くことができ、その分の工期を短縮することができる。
【0066】
据え付け基礎施工方法は、複数のアンカーボルト15の固定端部17をコンクリート躯体12に固定し、それらアンカーボルト15の自由端部18に鋼管19を固定するから、据え付け基礎10をコンクリート構造物11に強固に据え付けることができ、ソーラーパネルやアンテナ、貯水槽、浄化槽、空調機器等の機械器具、鉄塔や鉄骨建設物等の建築物を強固に備え付けることができる。据え付け基礎施工方法は、コンクリート躯体12の表面と鋼管19の底壁20との間の空間29にモルタル35を充填し、基礎10の上に機械機器や建築物を備え付けた場合の基礎10にかかる荷重をアンカーボルト15とモルタル35とで分担させることができるから、基礎10にかかる荷重でそれが不用意に傾斜したり、基礎10が崩壊することはなく、機械機器や建築物を確実に支持する基礎10を作る。
【0067】
据え付け基礎施工方法は、鋼管19の底壁20の周縁42の外側近傍に設置された成型材34が硬化前のモルタル35(セメント硬化物)の漏れを防ぐ堤防となり、空間29に充填されたモルタル35がその空間29から漏れ出すことがないから、底壁20の周縁42の外側近傍にモルタル35のための型枠を設置する必要がなく、型枠を設置するための手間や時間を省くことができ、据え付け基礎10の工期を大幅に短縮することができる。据え付け基礎施工方法は、空間29に充填されたモルタル35の養生期間を待つことなく、空間28にモルタル35を充填した直後に蓋36を鋼管19の頂部に固定することができ、モルタル35の養生期間を待つことなく次の基礎10の施工を行うことができるから、モルタル35の養生期間の分の工期を短縮することができ、据え付け基礎10の工期を大幅に短縮することができる。