特許第5921173号(P5921173)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5921173
(24)【登録日】2016年4月22日
(45)【発行日】2016年5月24日
(54)【発明の名称】車載装置、及び回転方法
(51)【国際特許分類】
   B60R 11/02 20060101AFI20160510BHJP
   H04N 5/64 20060101ALI20160510BHJP
【FI】
   B60R11/02 C
   H04N5/64 521F
   H04N5/64 581C
【請求項の数】11
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2011-270858(P2011-270858)
(22)【出願日】2011年12月12日
(65)【公開番号】特開2013-121768(P2013-121768A)
(43)【公開日】2013年6月20日
【審査請求日】2014年12月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】000237592
【氏名又は名称】富士通テン株式会社
(72)【発明者】
【氏名】古石 朋久
(72)【発明者】
【氏名】肥田 昌志
【審査官】 佐々木 訓
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第06233139(US,B1)
【文献】 特開平11−051662(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 11/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載される車載装置であって、
画像を表示する長辺と短辺とを有するディスプレイと、
前記ディスプレイを、前記長辺が上辺となる第一位置と、前記短辺が上辺となる第二位置との間で回転させる回転機構と、
を備え、
前記ディスプレイは、
前記回転機構による回転の中心となる中心軸と、
前記中心軸から所定距離だけ離間する補助軸と、
を備え、
前記回転機構は、前記中心軸を上下方向に移動させることにより、前記第一位置と前記第二位置とにおける前記ディスプレイの上辺を略一致させるよう前記ディスプレイを回転させ
前記補助軸は、前記中心軸が移動する方向に対して略直交する方向にガイドされることを特徴とする車載装置。
【請求項2】
請求項に記載の車載装置において、
前記ディスプレイの長辺と短辺との長さをそれぞれL1,L2としたとき、
前記中心軸の移動距離は、
(L1−L2)/2
であり、
前記中心軸と前記補助軸との距離は、
((L1−L2)/4)/cos45[deg]
であることを特徴とする車載装置。
【請求項3】
請求項またはに記載の車載装置において、
前記ディスプレイが前記第一位置に位置するときに所定の位置に移動し、端部に切り欠きを有する移動部材と、
前記ディスプレイに固定された固定軸と、
をさらに備え、
前記ディスプレイが前記第一位置に位置するとき、前記移動部材の前記切り欠きと前記固定軸とが嵌合することを特徴とする車載装置。
【請求項4】
請求項に記載の車載装置において、
前記移動部材との接触を検知する検知機構、
をさらに備え、
前記ディスプレイが前記第一位置に位置するときに、前記検知機構は前記移動部材と接触することを特徴とする車載装置。
【請求項5】
請求項1ないしのいずれかに記載の車載装置において、
前記回転機構は、前記ディスプレイを前記第一位置から前記第二位置に回転させる場合と、前記第二位置から前記第一位置に回転させる場合とで、回転力を異ならせることを特徴とする車載装置。
【請求項6】
請求項1ないしのいずれかに記載の車載装置において、
前記ディスプレイを前記車両の車室内へ突出させる突出機構、
をさらに備え、
前記回転機構は、前記ディスプレイが所定距離以上に突出した後に、前記ディスプレイを回転させることを特徴とする車載装置。
【請求項7】
請求項に記載の車載装置において、
前記回転機構と前記突出機構とは、並行して前記ディスプレイを移動させることを特徴とする車載装置。
【請求項8】
請求項1ないしのいずれかに記載の車載装置において、
前記ディスプレイへの物体の接近を検知する接近検知手段、
をさらに備え、
前記回転機構は、前記接近検知手段が前記物体の接近を検知すると、前記ディスプレイを回転させることを特徴とする車載装置。
【請求項9】
請求項1ないしのいずれかに記載の車載装置において、
前記ディスプレイに画像を表示させる表示制御手段、
をさらに備え、
前記表示制御手段は、前記ディスプレイの位置に応じた画像を前記ディスプレイに表示させることを特徴とする車載装置。
【請求項10】
請求項に記載の車載装置において、
前記表示制御手段は、前記回転機構による前記ディスプレイの回転の開始に応答して、
前記ディスプレイの回転完了後の位置に応じた画像を前記ディスプレイに表示させることを特徴とする車載装置。
【請求項11】
車両に搭載される車載装置のディスプレイを回転する回転方法であって、
接近検知手段が長辺と短辺とを有する前記ディスプレイへの物体の接近を検知する工程と、
回転機構が、前記ディスプレイを、前記物体の接近の検知に応答して、前記長辺が上辺となる第一位置から、前記短辺が上辺となる第二位置に回転させ、前記第一位置と前記第二位置とにおける前記ディスプレイの上辺を略一致させる工程と、
を備えることを特徴とする回転方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両で用いられるディスプレイを回転させる技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、車両に搭載されたナビゲーション装置の地図画像等を表示するために、タッチパネル等を備えたディスプレイを車両内に設置することが知られている。このディスプレイのユーザ(主に車両の運転者)は、表示された地図を参照して現在地を把握したり、タッチパネルを操作して目的地の入力等を行うことができる。また、このディスプレイは、一般的に横向きの長方形であるため、表示される内容がどのようなものであっても、当該形状に合うよう画像を処理していた。このため、ディスプレイ自体を回転可能とし、ディスプレイを縦又は横向きに回転させることで、表示すべき画像に適した向きにディスプレイを配置する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−143401号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の技術は、一つの固定された回転軸によりディスプレイを回転させるため、回転の前後においてディスプレイ外枠の位置、特に外枠上辺の位置が一致することがない。このため、車両内のディスプレイを回転させた場合に、ユーザが表示された画像を継続して参照しようとすると、回転の前後で視線を大きく移動させなければならず、必ずしも容易にディスプレイ画像を参照することができなかった。また、例えば、横向きのディスプレイを縦向きに回転させた場合は、エアコンの吹出口を塞いだり、ドライバの視界を悪化させる可能性があった。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、ユーザの参照しやすい向きにディスプレイを回転させて配置する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、車両に搭載される車載装置であって、画像を表示する長辺と短辺とを有するディスプレイと、前記ディスプレイを、前記長辺が上辺となる第一位置と、前記短辺が上辺となる第二位置との間で回転させる回転機構と、を備え、前記ディスプレイは、前記回転機構による回転の中心となる中心軸と、前記中心軸から所定距離だけ離間する補助軸と、を備え、前記回転機構は、前記中心軸を上下方向に移動させることにより、前記第一位置と前記第二位置とにおける前記ディスプレイの上辺を略一致させるよう前記ディスプレイを回転させ、前記補助軸は、前記中心軸が移動する方向に対して略直交する方向にガイドされる
【0010】
また、請求項の発明は、請求項に記載の車載装置において、前記ディスプレイの長辺と短辺との長さをそれぞれL1,L2としたとき、前記中心軸の移動距離は、(L1−L2)/2であり、前記中心軸と前記補助軸との距離は、((L1−L2)/4)/cos45[deg]である。
【0011】
また、請求項の発明は、請求項またはに記載の車載装置において、前記ディスプレイが前記第一位置に位置するときに所定の位置に移動し、端部に切り欠きを有する移動部材と、前記ディスプレイに固定された固定軸と、をさらに備え、前記ディスプレイが前記第一位置に位置するとき、前記移動部材の前記切り欠きと前記固定軸とが嵌合する。
【0012】
また、請求項の発明は、請求項に記載の車載装置において、前記移動部材との接触を検知する検知機構、をさらに備え、前記ディスプレイが前記第一位置に位置するときに、前記検知機構は前記移動部材と接触する。
【0013】
また、請求項の発明は、請求項1ないしのいずれかに記載の車載装置において、前記回転機構は、前記ディスプレイを前記第一位置から前記第二位置に回転させる場合と、前記第二位置から前記第一位置に回転させる場合とで、回転力を異ならせる。
【0014】
また、請求項の発明は、請求項1ないしのいずれかに記載の車載装置において、前記ディスプレイを前記車両の車室内へ突出させる突出機構、をさらに備え、前記回転機構は、前記ディスプレイが所定距離以上に突出した後に、前記ディスプレイを回転させる。
【0015】
また、請求項の発明は、請求項に記載の車載装置において、前記回転機構と前記突出機構とは、並行して前記ディスプレイを移動させる。
【0016】
また、請求項の発明は、請求項1ないしのいずれかに記載の車載装置において、前記ディスプレイへの物体の接近を検知する接近検知手段、をさらに備え、前記回転機構は、前記接近検知手段が前記物体の接近を検知すると、前記ディスプレイを回転させる。
【0017】
また、請求項の発明は、請求項1ないしのいずれかに記載の車載装置において、前記ディスプレイに画像を表示させる表示制御手段、をさらに備え、前記表示制御手段は、前記ディスプレイの位置に応じた画像を前記ディスプレイに表示させる。
【0018】
また、請求項10の発明は、請求項に記載の車載装置において、前記表示制御手段は、前記回転機構による前記ディスプレイの回転の開始に応答して、前記ディスプレイの回転完了後の位置に応じた画像を前記ディスプレイに表示させる。
【0019】
また、請求項11の発明は、車両に搭載される車載装置のディスプレイを回転する回転方法であって、接近検知手段が長辺と短辺とを有する前記ディスプレイへの物体の接近を検知する工程と、回転機構が、前記ディスプレイを、前記物体の接近の検知に応答して、前記長辺が上辺となる第一位置から、前記短辺が上辺となる第二位置に回転させ、前記第一位置と前記第二位置とにおける前記ディスプレイの上辺を略一致させる工程と、を備える。
【発明の効果】
【0020】
請求項1ないし10の発明によれば、中心軸の上下方向の移動によりディスプレイを回転させるので、簡易な構成でディスプレイを回転させることができる。
【0024】
また、特に請求項の発明によれば、ディスプレイを回転させるための中心軸と補助軸とを容易に配置することができる。
【0025】
また、特に請求項の発明によれば、移動部材の切り欠きと固定軸とが嵌合するので、ディスプレイを第一位置で固定できる。
【0026】
また、特に請求項の発明によれば、ディスプレイが第一位置に位置することを容易に検知することができる。
【0027】
また、特に請求項の発明によれば、ディスプレイの第一位置と第二位置との間で回転させる際に回転力を異ならせるので、双方向の回転におけるディスプレイの回転速度を調整することができる。
【0028】
また、特に請求項の発明によれば、ディスプレイが所定距離以上に突出した後に、ディスプレイを回転させるので、ディスプレイが回転中に付近の物体に接触することがない。
【0029】
また、特に請求項の発明によれば、ディスプレイの回転と突出とが並行してなされるので、ディスプレイの配置の変更を早期に完了することができる。
【0030】
また、特に請求項の発明によれば、ユーザは接近検知手段に手を翳すだけで、ディスプレイを回転させることができる。
【0031】
また、特に請求項の発明によれば、ディスプレイの位置に応じた適切な画像を表示することができる。
【0032】
また、特に請求項10の発明によれば、ユーザはディスプレイの回転の開始に応答して、前記ディスプレイの回転完了後の位置に応じた画像を認識できる。また、特に請求項11の発明によれば、ユーザの参照しやすい位置にディスプレイを配置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1図1は、車載装置を設置した車両の車室内を示す斜視図である。
図2図2は、第1の実施の形態の車載装置の構成を示すブロック図である。
図3図3は、車載装置を設置した車両の車室内を示す斜視図である。
図4図4は、縦向きに配置されたディスプレイ及び回転機構の背面図である。
図5図5は、縦向きに配置されたディスプレイ及び回転機構の側面図である。
図6図6は、回転途中のディスプレイ及び回転機構の背面図である。
図7図7は、横向きに配置されたディスプレイ及び回転機構の背面図である。
図8図8は、縦向きに配置されたディスプレイ及び回転機構の背面図である。
図9図9は、突出機構の上面図である。
図10図10は、チルト機構の側面図である。
図11図11は、チルト機構の側面図である。
図12図12は、ディスプレイを回転させる処理工程を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。
【0035】
<1.第1の実施の形態>
<1−1.概要>
図1は、車載装置3を設置した車両の車室100の内部を示す斜視図である。
【0036】
車両の車室100のセンターコンソール又はその付近にディスプレイ1を備えた車載装置3を設置することで、ユーザは車両内でディスプレイ1を参照し、所望の情報を取得することができる。また、ディスプレイ1がタッチパネル等を備える場合には、ユーザはかかるタッチパネルを操作して、車載装置3へ情報を入力することができる。例えば、ディスプレイ1に道路地図を表示し、経路案内などのナビゲーション機能を実行する場合、ユーザはディスプレイ1を操作して目的地等の情報を入力し、目的地までの経路を参照することができる。また、車両装備の操作をタッチパネルで行う場合には、ディスプレイ1に操作用ボタンを表示することで、例えばユーザはエアコンの温度や風量の調節を行うことができる。
【0037】
車載装置3の本体部2は、車両に対して固定されている。そして、ディスプレイ1は、この車載装置3の本体部2に対して回転可能に設置されている。すなわち、図1に示すように、長方形の形状からなるディスプレイ1を縦向きに設置した場合、横向きとなるようディスプレイ1を回転させることができる(図3参照。)。これにより、表示すべき情報に応じてディスプレイ1の向きを変えることができるため、ディスプレイ1の表示領域を有効に利用することができる。ディスプレイ1を回転させる機構については、後に詳述する。
【0038】
以下、図中に示す3次元のXYZ直交座標系を用いて、適宜、方向や向きを示す。X軸方向を車両の前後方向、Y軸方向を車両の左右方向、Z軸方向を鉛直方向とする。また、センターコンソールからみてユーザが着座する側(ユーザ側)、すなわち車両の後方側を+X側とし、鉛直上側を+Z側とし、車両の右側を+Y側とする。したがって、車両の前方側は−X側、鉛直下側は−Z側、車両の左側は−Y側となる。
【0039】
ディスプレイ1は、画像表示用の液晶画面と接触センサ(接触位置座標に応じた信号を出力する静電容量式や抵抗式のタッチパネルデバイス)とを備えたタッチパネルである。ディスプレイ1の画面は、ユーザの操作面となる。かかる画面には、ナビゲーション用の地図やオーディオ用の音声(音楽)情報、タッチパネル用のボタン画像等が表示される。なお、ディスプレイ1には、機械式のスイッチが設けられていてもよい。
【0040】
車載装置3は、ディスプレイ1を保持する保持部HMを有し、かかる保持部HMにディスプレイ1が取り付けられた状態で、車両の車室100のセンターコンソール又はその付近の車室内パネル内部に設置されている。車載装置3は、ディスプレイ1の取り付け面をやや上方(+Z側)に向けて設置することが好ましい。取り付けられたディスプレイ1の操作面が上方を向き易いよう、すなわちユーザの顔と向き合い易いように操作面を配置することが容易となるためである。尚、多くの自動車では、エアコン操作部等の操作性やデザイン上の関係から、センターコンソールは、その下方が車両後方に位置するように傾斜している。そのセンターコンソールの開口部に隙間無く車載機を設置するために、コンソール面に垂直に車載機を固定する構造が一般的である。その結果、多くの車載用ディスプレイの画面は車両後方やや上向きに設置されるが、本実施の形態においては、ディスプレイの画面は車両後方正面を向くものとして説明する。
【0041】
保持部HMは、ディスプレイ1を本体部2に取り付けるための保持部材、いわゆるブラケットである。保持部HMは、ディスプレイ1を本体部2に着脱可能に取り付けるよう構成されてもよい。
【0042】
以下、車両の車室100の内部に設置された車載装置3の構成及び処理の流れについて詳細に説明する。
【0043】
<1−2.構成>
車載装置3の構成について説明する。図2は、ディスプレイ1を備える車載装置3の構成を示すブロック図である。
【0044】
ディスプレイ1は、前述の液晶画面(図示せず)の他、操作SW11、近接センサ12、及び照度センサ13を備えている。ディスプレイ1は、タッチパネルが好ましいが、必ずしもこれに限定されるものではなく、ユーザによる操作情報が入力できるものであればよい。
【0045】
操作SW11は、機械式のスイッチ機構である。ユーザが押下することで、オン又はオフ情報を本体部2へ送信する。なお、操作SW11をポテンショメータとして、ユーザがスライダを操作するようにしてもよい。
【0046】
近接センサ12は、物体の接近を検知する赤外線センサである。物体の接近を検知すると、近接センサ12は、本体部2へ所定の検知信号を送信する。近接センサ12が設けられる箇所は、ディスプレイ1の画面の外枠である。特に外枠角部に1箇所づつ、合計4箇所に設けられる。ユーザが近接センサ12に手を翳すことで、本体部2は検知信号を受信する。本体部2は、近接センサ12から送信される検知信号に基づき、ディスプレイ1の位置の回転を開始させることができる。これにより、ユーザはディスプレイ1の画面外枠付近に手を翳すだけで、ディスプレイ1の位置の回転を開始させることができる。このため、近接センサ12は、数センチまで接近した物体のみを検知するようセンサ感度が調整される。なお、外枠上辺の各中央に近接センサ12を設け、近接センサ12からの信号に応答して、ディスプレイ1の傾動や車室内への突出を開始させてもよい。また、近接センサ12は、赤外線を利用するもののほか、電波や音波を利用するものでもよく、物体の接近を検知するものであればよい。
【0047】
照度センサ13は、車両の車室100の内部の照度を検出し、検出した照度情報を制御部27へ送信する。照度センサ13から送信された照度情報に基づき、制御部27はディスプレイ1の画面(操作面)へ照射される光の強度を推定することができる。ディスプレイ1の画面へ強い光が照射されると、光の反射作用により、運転者は画面に表示される画像を判読し難い。したがって、制御部27は、運転者が画面に表示される画像を判読し難い程度に画面に強い光が照射されていると推定すると、チルト角度を変更して反射を抑制したり(反射方向を変える)、また色調を調整して運転者が画像を判読し易いよう制御を行う。
【0048】
本体部2は、ディスプレイ1が取り付けられ、車両の車室100に設置される筐体である。本体部2は、車載機器の規格として適用されるいわゆる2DIN規格の筐体であり、その寸法は、X、Y、Z軸方向において、例えば約190mm×170mm×94mmである。また、本体部2は、回転機構21、位置検知機構22、突出機構23、チルト機構24、表示制御部25、制御部27、及びメモリ28を備えている。
【0049】
回転機構21は、ディスプレイ1の向きを縦向きから横向き、又は横向きから縦向きへ回転させる、すなわち所定の向きから略直交する向きへ回転させる機構である。さらに回転機構21は、回転の前後において、ディスプレイ1の上辺の位置を略一致させる機構である。なお、ディスプレイ1を車載装置3に対して着脱可能とした場合には、回転機構21は、保持部HMの一部として構成される。また回転機構21は、駆動部21aを備えている。回転機構21がディスプレイ1の向きを回転させる動作の詳細については、後に説明する。
【0050】
ここで、ディスプレイ1の縦向きとは、長方形のディスプレイ1の長辺が縦向きとなるよう配置される向きであり、例えば図1に示すディスプレイ1の向きである。また、ディスプレイ1の横向きとは、長方形のディスプレイ1の長辺が横向きとなるよう配置される向きであり、例えば後に説明する図3に示すディスプレイ1の向きである。
【0051】
駆動部21aは、回転機構21に対して、ディスプレイ1を回転させるための動力を与える機構であり、電動モータ及びギア(歯車)により構成される。駆動部21aは制御部27により制御され、電動モータの回転方向、回転速度及び回転力(トルク)が調整される。
【0052】
位置検知機構22は、ディスプレイ1の向きが縦向き又は横向きのいずれかであるかを検知するスイッチ機構である。位置検知機構22は、回転機構21の動作に基づき、ディスプレイ1の向きが縦向き及び横向きのとき、所定の信号を後に説明する制御部27へ送信する。
【0053】
突出機構23は、ディスプレイ1をセンターコンソールからみてユーザが着座する側(ユーザ側)、すなわち車両の後方側(+X側)へ突出させる機構である。突出機構23は、電動モータ、ギア、及びラックギアレバーにより構成される。また突出機構23は、位置センサ23aを備えている。突出機構23がディスプレイ1を車両の後方側(+X側)へ突出させる動作の詳細については、後に説明する。
【0054】
位置センサ23aは、突出機構23により突出されたディスプレイ1の本体部2に対する位置を検出し、検出した位置情報を制御部27へ送信する。位置センサ23aは、可変抵抗器や、所定間隔で配列したスリットを光学的に検出する光学センサ、ディスプレイ1を移動させるギアの回転数又は回転時間を制御するモータ等で構成することができる。
【0055】
チルト機構24は、ディスプレイ1の画面を傾動させて、チルト角度を変更する機構である。すなわち、チルト機構24は、ディスプレイ1の画面がY軸方向を軸として上下方向(Z軸方向)に傾斜するよう動作する。またチルト機構24は、角度センサ24aを備えている。チルト機構24がディスプレイ1のチルト角度を変更する動作の詳細については、後に説明する。
【0056】
角度センサ24aは、ディスプレイ1のチルト角度を検出して、チルト角度を示す角度情報を制御部27へ送信する。かかる角度情報は、ディスプレイ1がどの程度傾斜しているかを示すものであり、度数法([deg])や弧度法([rad])に変換できる値である。例えば、ディスプレイ1の操作面が鉛直方向(Z軸方向)に沿った状態のチルト角度が0[deg]であり、かかる状態から操作面が上側(+Z側)に向くに従い、チルト角度が増加する。なお、角度センサ24aは、可変抵抗器等で構成することができる。
【0057】
表示制御部25は、ディスプレイ1の画面へ所定の画像を表示させる。かかる画像は、地図画像やタッチパネル用のアイコン等である。また、表示制御部25は、ディスプレイ1の画面の表示領域を分割し、分割した領域に各画像を振り分けて表示させる。また、また、表示制御部25は、ディスプレイ1が回転して画面の向きが変更された場合、すなわちディスプレイ1が縦向きから横向き又は横向きから縦向きへ変更された場合、変更された向きに応じた画像をディスプレイ1に表示する。
【0058】
制御部27は、車載装置3に備えられた機構やセンサ等を統括的に制御するマイクロコンピュータである。制御部27は、CPU、RAM、及びROMを備えている。CPUがメモリ28に記憶されたプログラム28bに従い所定の演算を行うことで、機構やセンサ等の制御が実現される。
【0059】
メモリ28は、電子的データを記憶する不揮発性のメモリであり、例えばフラッシュメモリやEEPROMにより構成される。メモリ28は、制御部27と接続され、制御部27により記憶したデータの読出しや書き込みが行われる。また、メモリ28は、位置データ28a及びプログラム28bを記憶している。なお、メモリ28をメモリカード等の可搬性記憶媒体として構成し、メモリ28を車載装置3に対して着脱可能としてもよい。
【0060】
位置データ28aは、ディスプレイ1の位置を特定するデータであり、ディスプレイ1の突出位置(X軸方向の位置)及びチルト角度を含んでいる。なお、位置データ28aは、複数の位置及び角度を特定するデータを含んでいてもよい。これら複数の位置及び角度は、複数のユーザに対して個別に設定され、車両に乗車したユーザ(運転者)に応じて選択される。位置データ28aは、ディスプレイ1の備えるタッチパネル又は操作SW11を介してユーザによって入力され、メモリ28に記憶される。
【0061】
プログラム28bは、制御部27により読み出され、制御部27が車載装置3の各機構等を制御するために実行する、いわゆるシステムソフトウェアである。
【0062】
ステアリングSW4は、車両のステアリングに備えられたスイッチ機構である。ユーザはステアリングSW4を操作することで、所定の情報を本体部2の制御部27へ入力することができる。
【0063】
<1−3.ディスプレイ1の回転の例>
次に、ディスプレイ1の向きについて図を用いて説明する。
【0064】
図3は、ディスプレイ1を横向きに回転させた際の車両の車室100の内部を示す斜視図である。図3に示すディスプレイ1の向きは、図1に示すディスプレイ1の縦向きと比較して、X軸方向の軸線まわりに略90[deg]回転した向き、すなわち略直交した向きである。これは回転機構21が、ディスプレイ1を縦向きから回転させて横向きへ配置したものである。さらに回転機構21は、回転の前後において、ディスプレイ1の上辺の位置を略一致させる。すなわち、図1の縦向きディスプレイ1の上辺と図3の横向きディスプレイ1の上辺との位置は、略一致している。また、回転機構21は、回転の前後において、ディスプレイ1の左右中心を略一致させる。このため、ユーザは回転の前後において、ディスプレイに表示される画像を視認する視線の移動を少なくできる。車載装置3は、ユーザの参照しやすい位置にディスプレイを回転して配置することができる。
【0065】
<1−4.回転機構>
次に、ディスプレイ1を縦向きと横向きとの間で回転させる動作について説明する。
【0066】
図4図6及び図7は、ディスプレイ1及び回転機構21を車両前方側(−X側)から見た背面図である。各図は、ディスプレイ1が縦向きから横向きへ回転する動作を時系列で示している。なお、説明の便宜上、図中において各構成を重畳して記載する。したがって、他の構成よりX側(車両後方側)に位置する構成が、当該他の構成と重なって記載される場合がある。
【0067】
図4は、ディスプレイ1を縦向きに配置し、ディスプレイ1及び回転機構21を車両前方側(−X側)から見た背面図である。
【0068】
ディスプレイ1の背面には、回転機構21が設置されている。回転機構21は、保持部HMにより保持され、本体部2と接続されている。回転機構21は、ベースシャーシBC、ターンテーブルTT、カムレバーCL、及び駆動部21aから構成され、ディスプレイ1の向きを縦向きから横向き、及び横向きから縦向きへ回転駆動させる機構である。
【0069】
ベースシャーシBCは、保持部HMに固定される板状部材である。ベースシャーシBCが保持部HMに固定されることにより、回転機構21が保持部HMに設置される。すなわち、ベースシャーシBCは車両に対して固定される。このベースシャーシBCは、金属材料で構成されることが好ましい。一定の重量のあるディスプレイ1を支持できる程度の剛性が必要だからである。図中では、部材の相互の位置関係を明確にするため、ベースシャーシBCを示す線を他の部材を示す線よりも太くしている。また、ベースシャーシBCには、スリット状の開口部である、中心軸ガイド溝CG、補助軸ガイド溝DG、回転ガイド溝(縦)TG1、回転ガイド溝(横)TG2、回転ガイド溝TG3、カムレバーガイド溝LG1、カムレバーガイド溝LG2、及びカムレバーガイド溝LG3が形成されている。各ガイド溝は、ガイド溝内に軸が嵌合し、当該軸をその形状に沿ってガイドする。
【0070】
中心軸ガイド溝CGは、ベースシャーシBCのおよそ中央部において、上下方向(Z軸方向)に沿って形成される。中心軸ガイド溝CGは、ターンテーブルTTに設けられてディスプレイ1の回転の中心となる回転中心軸CAが嵌合され、かかる回転中心軸CAの移動をガイドする。
【0071】
補助軸ガイド溝DGは、中心軸ガイド溝CGの上下中央の位置の近傍に、中心軸ガイド溝CGに対して略直交する水平方向(Y軸方向)に延伸して形成される。補助軸ガイド溝DGは、ターンテーブルTTにおいて回転中心軸CAから所定距離だけ離間して設けられる補助軸DAをガイドする。
【0072】
回転ガイド溝(縦)TG1、回転ガイド溝(横)TG2、及び回転ガイド溝TG3は、ディスプレイ1の特定部分の回転に沿うように略円弧状に形成される。各ガイド溝は、ターンテーブルTTに設けられてディスプレイ1を支える3つの回転ロック軸TA1,TA2,TA3をガイドする。
【0073】
3つのカムレバーガイド溝LG1,LG2,LG3はそれぞれ水平方向(Y軸方向)に沿って形成される。カムレバーガイド溝LG1,LG2,LG3はそれぞれ、カムレバーCLに設けられる3つのガイド軸LA1,LA2,LA3をガイドする。これにより、カムレバーガイド溝LG1,LG2,LG3は、カムレバーCLの移動(Y軸方向)を水平方向に規定する。
【0074】
また、ベースシャーシBCには、位置検知機構22が設けられる。位置検知機構22は、縦ポジション検知スイッチVS及び横ポジション検知スイッチHSから構成される。両スイッチは、押下式のスイッチ機構で構成され、ディスプレイ1が縦向き又は横向きに回転したことを検知する。また、両スイッチは、カムレバーCLの一端に設けられた凸部と接触して押下される。したがって、縦ポジション検知スイッチVSはディスプレイ1が縦向きとなったときのカムレバーCLの凸部の位置に配置され、横ポジション検知スイッチHSはディスプレイ1が横向きとなったときのカムレバーCLの凸部の位置に配置される。なお、両者は押下式のスイッチ機構のほか、光学式のセンサやスライド式の可変抵抗により構成してもよい。
【0075】
ターンテーブルTTは、ディスプレイ1に固定される板状部材であり、回転機構21の回転動力をディスプレイ1に伝達する。また、ターンテーブルTTがディスプレイ1に固定されることにより、回転機構21がディスプレイ1に設置される。このターンテーブルTTは、金属材料で構成されることが好ましい。一定の重量のあるディスプレイ1を支持できる程度の剛性が必要だからである。ターンテーブルTTには、上記各ガイド溝に嵌合する、回転中心軸CA、補助軸DA、回転ロック軸(縦)TA1、回転ロック軸(横)TA2、及び回転ロック軸TA3が備えられている。
【0076】
回転中心軸CAは、回転機構21によるディスプレイ1の回転の中心となる軸である。回転中心軸CAは、ディスプレイ1の長辺及び短辺の略中央となる位置、すなわちディスプレイ1の対角線上の中心に位置し、中心軸ガイド溝CGに嵌め込まれている。また、回転中心軸CAは、カムレバーCLに形成された中心軸昇降カムHCにも嵌め込まれている。回転中心軸CAは、カムレバーCLが移動すると、中心軸昇降カムHCの傾斜部に沿ってガイドされ、中心軸ガイド溝CG内を上下方向(X軸方向)に移動する移動軸となる。
【0077】
補助軸DAは、回転機構21によるディスプレイ1の回転を補助する軸である。補助軸DAは、ディスプレイ1の回転の中心となる第2の軸であるともいえる。補助軸DAは、補助軸ガイド溝DGに嵌め込まれ、補助軸ガイド溝DGに沿って移動する移動軸である。補助軸DAが配置される位置は、回転中心軸CAの配置される位置に対して所定の距離だけ離間される。補助軸DAと回転中心軸CAとの双方が、所定のガイドに沿って移動した場合でも、両者の相対的な距離は一定に保たれる。
【0078】
回転ロック軸(縦)TA1、回転ロック軸(横)TA2、及び回転ロック軸TA3は、それぞれ、ベースシャーシBCに形成された回転ガイド溝(縦)TG1、回転ガイド溝(横)TG2、及び回転ガイド溝TG3に嵌め込まれている。各ロック軸TA1,TA2,TA3は、ターンテーブルTTを介してディスプレイ1に固定され、各ガイド溝TG1,TG2,TG3に沿って移動してディスプレイ1の回転の動作を支持する。
【0079】
カムレバーCLは、水平方向(Y軸方向)に移動可能にベースシャーシBC上に設けられる板状部材である。図中では、部材の相互の位置関係を明確にするため、カムレバーCLをハッチングで示している。カムレバーCLは、ラックギアレバーRG、中心軸昇降カムHC、ロック溝(縦)GG1、及びロック溝(横)GG2が形成され、ガイド軸LA1、ガイド軸LA2、及びガイド軸LA3を備えている。
【0080】
ラックギアレバーRGは、後に説明する駆動部21aのギアGE0と噛合し、カムレバーCLの上部端(+Z側端)に形成される。ラックギアレバーRGを介して駆動部21aの動力が伝達されることで、カムレバーCLは水平方向(Y軸方向)に移動する。なお、ラックギアレバーRGは、下部端(−Z側端)に形成されてもよい。
【0081】
中心軸昇降カムHCは、カムレバーCLに形成されるスリット状のカムである。中心軸昇降カムHCは、高さの異なる2つの終端部と、これら2つの終端部を繋げる傾斜部とを備えている。中心軸昇降カムHCの+Y側(図中左側)の終端部の位置は、−Y側(図中右側)の終端部の位置より低く(−Z側に)形成される。中心軸昇降カムHCの2つの終端部の形状は水平方向(Y軸方向)に延伸して形成される。中心軸昇降カムHCには、回転中心軸CAが嵌め込まれている。したがって、中心軸昇降カムHCは、水平方向(Y軸方向)に移動することにより、嵌め込まれた回転中心軸CAを傾斜部により上下方向(Z軸方向)に移動させる。
【0082】
ロック溝(縦)GG1及びロック溝(横)GG2は、それぞれカムレバーCLの−Y側端(図中右側)及び+Y側端(図中左側)に形成される切り欠きである。−Y側端(図中右側)のロック溝(縦)GG1は、カムレバーCLがディスプレイ1の縦向きとなる位置(図中右側)に移動した際に、回転ロック軸(縦)TA1が嵌め込まれるよう構成される。回転ロック軸(縦)TA1は、ディスプレイ1に固定されたターンテーブルTTに固定されている。このため、回転ロック軸(縦)TA1がロック溝(縦)GG1に嵌め込まれることで、ディスプレイ1は縦向きの状態でカムレバーCLに対して固定される。このため、回転ロック軸(縦)TA1は、ベースシャーシBCの回転ガイド溝(縦)TG1の上端部に固定される。したがって、ディスプレイ1は、ベースシャーシBCに対して固定され、縦向き状態で維持される。これにより、ディスプレイ1の縦向き状態における、いわゆるガタツキが防止される。
【0083】
また、+Y端側のロック溝(横)GG2は、カムレバーCLがディスプレイ1の横向きとなる位置(図中左側)に移動した際に、回転ロック軸(横)TA2が嵌め込まれるよう構成される(図7参照。)。これにより、ロック溝(横)GG2は、ロック溝(縦)GG1と同様に機能し、ディスプレイ1の横向き状態におけるガタツキを防止する。
【0084】
ガイド軸LA1、ガイド軸LA2、及びガイド軸LA3は、それぞれ、ベースシャーシBCに形成されたガイド溝LG1、ガイド溝LG2、及びガイド溝LG3に嵌め込まれている。各ガイド軸LA1,LA2,LA3は、水平方向(Y軸方向)に形成された各ガイド溝LG1,LG2,LG3に沿ってカムレバーCLと共に移動し、カムレバーCLの移動を支持する。
【0085】
駆動部21aは、回転機構21にディスプレイ1を回転させる動力を与える動力源である。駆動部21aは、駆動モータMO及びギアGE0から構成される。
【0086】
駆動モータMOは、図示しない電源に接続され、水平方向(Y軸方向)に沿ったモータ軸を備えた電動のモータである。モータ軸には、ギアGE0と噛合するウォームギアが固着されている。また、駆動モータMOは、制御部27によりその回転方向、回転速度及び回転力が制御される。
【0087】
ギアGE0は、駆動モータMOのウォームギア及びカムレバーCLのラックギアレバーRGと噛合し、駆動モータMOの動力をカムレバーCLへ伝達する。
【0088】
次に、ディスプレイ1及び回転機構21を側面から見た場合の各構成の配置について説明する。図5は、回転機構21及び縦向きに配置されたディスプレイ1を−Y方向から見た断面図であり、説明に必要な構成を抜粋して記載した図である。
【0089】
図において、ディスプレイ1に固定されてターンテーブルTTが設置される。ターンテーブルTTの車両前方(−X側)にベースシャーシBCが配置され、そのさらに車両前方(−X側)にカムレバーCLが配置される。
【0090】
回転中心軸CAは、ベースシャーシBCに形成された中心軸ガイド溝CG及びカムレバーCLに形成された中心軸昇降カムHCに嵌め込まれて、ターンテーブルTT上に固定されている。
【0091】
カムレバーCLは、上端部(+Z側端)において駆動モータMOにより回転するギアGE0と接し、下端部(−Z側端)において縦ポジション検知スイッチVSと接している。
【0092】
このように、回転機構21において、ターンテーブルTT、ベースシャーシBC及びカムレバーCL等の各構成はX軸方向に重層的に配置される。
【0093】
次に、回転機構21が、図4に示すように縦向きに配置されたディスプレイ1を、図7に示すように横向きに配置されるように回転させる動作について説明する。なお、回転動作の開始は、ユーザが近接センサ12に手を翳す等により、制御部27が駆動モータMOを駆動させることで開始される。
【0094】
図4において、駆動モータMOが駆動してギアGE0が回転を開始すると、カムレバーCLが+Y側(図中左側)に移動する。カムレバーCLの移動に伴い、回転中心軸CAが、カムレバーCLに形成された中心軸昇降カムHCの傾斜部により、中心軸ガイド溝に沿って上側(+Z側)へ移動する。この際の回転機構21の各部材の位置関係は、例えば図6に示すものとなる。図6において、回転中心軸CAは、図4の状態からディスプレイ1の長辺と短辺の長さの差の1/4だけ上側(+Z側)に移動し、回転中心軸CAと補助軸ガイド溝DGとの距離は一定に保持されている。この状態において、ディスプレイ1はX軸方向を軸として45[deg]回転している。カムレバーCLの移動に伴い縦ポジション検知スイッチVSのカムレバーCLによる押下が解除され、制御部27は、ディスプレイ1が回転途中であることを検出して駆動モータMOの回転を継続する。
【0095】
駆動モータMOの駆動により、さらにカムレバーCLが+Y側(図中左側)に移動すると、回転中心軸CAが、図4の状態からディスプレイ1の長辺と短辺との長さの差の1/2だけ上側(+Z側)の位置に達する。これにより、ディスプレイ1が横向き、すなわち縦向きから略直交した向きに配置され、かつディスプレイ1の上辺が回転の前後で略一致するよう配置される(図7)。この際、横ポジション検知スイッチHSがカムレバーCLにより押下され、制御部27は、ディスプレイ1が横向きとなったことを検出して駆動モータMOの回転を停止する。
【0096】
このように、中心軸昇降カムHCが形成されたカムレバーCLが、駆動部21aにより水平方向(Y軸方向)へ移動することにより、回転中心軸CAと補助軸DAとが、一定の距離を保持しつつ、所定の距離だけ移動し、ディスプレイ1を回転させることができる。すなわち、回転中心軸CAと補助軸DAとの距離を保持しつつ、補助軸DAが水平方向(Y軸方向)にガイドされた状態で、回転中心軸CAが中心軸ガイド溝CGの下端部(−Z側)の位置から上端部(+Z側)の位置へ移動する。これにより、補助軸DAと回転中心軸CAとの相対的な位置が変わる(補助軸DAに対して回転中心軸CAが上側となる)ことにより、ディスプレイ1は、これら2つの軸DA,CAを軸にして回転する。その結果、縦向きに配置されたディスプレイ1を横向きに回転して配置することができる。また、回転中心軸CAが、ディスプレイ1の長辺と短辺の長さの差の1/2の距離だけ上側(+Z側)に移動する。これにより、ディスプレイ1の回転の前後において、ディスプレイ1の上辺を略一致させることができる(詳細後述)。さらに、ディスプレイ1の対角線上にある回転中心軸CAが、上下方向にのみ移動するため、ディスプレイ1の回転の前後において、ディスプレイ1の左右中心を略一致させることができる。
【0097】
なお、上記の説明において、ディスプレイ1が縦向きから横向きに回転する例を説明したが、横向きから縦向きに回転する場合は、上記と逆の順序により説明される。すなわち、制御部27が駆動モータMOを上記の例とは逆方向に回転させることで、カムレバーCLを−Y側(図中右側)に移動させる。これにより、回転中心軸CAが下側に移動し、ディスプレイ1及び回転機構21の各構成は、図7から図6図4の順序で示す配置となり、ディスプレイ1が横向きから縦向きへ配置される。
【0098】
また、ディスプレイ1を縦向きから横向きに回転する場合と横向きから縦向きに回転する場合とでは、駆動モータMOの回転力を異ならせることが好ましい。ディスプレイ1を縦向きから横向きに回転させ、ディスプレイ1の上辺を略一致させる場合には、上記の通りディスプレイ1を所定距離だけ上方(+Z方向)に移動させる必要がある。ディスプレイ1を上方に移動させると、ディスプレイ1の自重により、駆動モータMOの回転力が低下する。駆動モータMOの回転力の低下により、ディスプレイ1の縦向きから横向きへの回転の速度は、横向きから縦向きへの回転速度に比較して減速する。したがって、ディスプレイ1を縦向きから横向きに回転させる際には、横向きから縦向きに回転する場合よりも、駆動モータMOの回転力を所定量だけ大きくすべきである。なお、回転力の制御は、駆動モータMOに加える電圧値を制御すればよい。また、大きくする回転力の量は、駆動モータMOの特性及びディスプレイ1の重量により決定すればよい。これにより、ディスプレイ1をどちらの方向に回転させる場合であっても、略同一の速度で回転させることができる。双方向の回転速度が略同一となることで、ユーザにとって違和感なくディスプレイ1を回転させることができる。
【0099】
次に、回転機構21における、回転中心軸CAの移動距離、及び回転中心軸CAと補助軸DAとの距離について説明する。ディスプレイ1は、回転中心軸CAと補助軸DAとが移動することにより回転の動作が行われる。したがって、回転中心軸CA及び補助軸DAが適切な距離に移動及び配置されることにより、ディスプレイ1を略直交する向きに回転させ、かつ回転の前後においてディスプレイ1の上辺及び左右中心を略一致させることができる。なお、以下の説明においては、ディスプレイ1の長辺の長さをL1、短辺の長さをL2として説明する。また、回転中心軸CAと補助軸DAとの距離は常に一定となるよう構成され、補助軸DAから回転中心軸CAの上端位置までの直線と、補助軸DAから回転中心軸CAの下端位置までの直線とのなす角は90[deg]である。したがって、回転中心軸CAの上下端位置及び補助軸DAは、回転中心軸CAの上下端位置を底辺とする直角二等辺三角形を形成する。
【0100】
図8は、ディスプレイ1を縦向きに配置し、車両前方側から見たディスプレイ1の背面図である。また、点線で示される図は、ディスプレイ1を横向きに配置し、車両前方側から見たディスプレイ1の背面図である。
【0101】
まず、回転中心軸CAの移動する距離D1について説明する。回転中心軸CAの位置は、ディスプレイ1の対角線上の中心である。さらにディスプレイ1が縦向きに配置された際の回転中心軸CAは、中心軸ガイド溝CGの下端部(−Z側端部)に位置する。また、ディスプレイ1が横向きに配置された際の回転中心軸CAは、中心軸ガイド溝CGの上端部(+Z側端部)に位置する。すなわち、回転中心軸CAは、ディスプレイ1の縦向きから横向き又は横向きから縦向きへの回転に従って、中心軸ガイド溝CGの下側及び上側の端部間を上下方向に移動する。そして、かかる回転中心軸CAの移動する距離D1は、次の式(1)で示される。
【0102】
D1=(L1−L2)/2 ・・・(1)
このように、中心軸ガイド溝CGの移動する距離を式(1)に示す距離とすることによって、ディスプレイ1の回転の前後において、ディスプレイ1の上辺を略一致させることができる。したがって、中心軸ガイド溝CGの長さは、この距離D1に準じて決定すればよい。
【0103】
次に、回転中心軸CAと補助軸DAとの距離D2について説明する。ディスプレイ1は、回転中心軸CA及び補助軸ガイド溝DGを移動する補助軸DAの移動により、回転の動作が行われる。また、回転中心軸CA及び補助軸DAの相対位置は、ディスプレイ1の回転動作において一定に保持されるよう配置されている。この回転中心軸CAと補助軸DAとの距離D2は、次の式(2)で示される。
【0104】
D2=((L1−L2)/4)/cos45[deg] ・・・(2)
このように、回転中心軸CAと補助軸DAとの距離を式(2)に示す距離とすることにより、中心軸ガイド溝CGを式(1)に示す距離D1だけ移動させることで、ディスプレイ1を略直交する位置に回転させることができる。
【0105】
以上説明したように、回転中心軸CAの移動距離D1、及び回転中心軸CAと補助軸DAとの距離D2をそれぞれ式(1)及び式(2)に示す距離とすることにより、ディスプレイ1を略直交する向きに回転させ、かつ回転の前後においてディスプレイ1の上辺及び左右中心を略一致させることができる。
【0106】
<1−5.突出機構>
次に、突出機構23が、ディスプレイ1をセンターコンソールから見てユーザが着座する側(ユーザ側)、すなわち車両の後方側(+X側)へ突出させる動作について説明する。突出機構23がディスプレイを所定距離以上突出させた後に、回転機構21がディスプレイを回転させると、付近の物体にディスプレイ1を接触させずに回転動作を行うことができる。
【0107】
図9は、突出機構23を+Z側(上側)から見た上面図である。突出機構23は、モータMT、ギアGE1、ギアGE2、ギアGE3、ギアGE4、及びラックギアレバーRGを備え、本体部2内に配置される。
【0108】
モータMTは、図示しない電源に接続され、Y軸方向に沿ったモータ軸を備えた電動のモータである。モータ軸には、ギアGE1と噛合するウォームギアが固着されている。また、モータMTは、制御部27によりその駆動が制御される。
【0109】
ギアGE1は、モータMTのウォームギアと噛合し、ギアGE2と同一の軸を備える歯車である。ギアGE2は、ギアGE3と噛合し、ギアGE1と同一の軸を備える歯車である。ギアGE1とギアGE2とは、バネで付勢され、モータMTの動力を伝達する程度に結合している。ギアGE3は、ギアGE2及びギアGE4と噛合する歯車である。ギアGE4は、ギアGE3及びラックギアレバーRGと噛合する歯車である。
【0110】
ラックギアレバーRGは、ギアGE4と噛合し、ディスプレイ1を保持する保持部HMと接合され、ギアGE4の回動により、X軸方向に移動する。
【0111】
このような構成において、ディスプレイ1を突出させていない状態、すなわちディスプレイ1を車載装置3と密接して配置された状態において、モータ軸をその軸線まわりに回動させると、その回転駆動力は順次、ウォームギア、ギアGE1、ギアGE2、ギアGE3、ギアGE4に伝達され、ラックギアレバーRGが車両後方側へ移動する。ラックギアレバーRGの動作に応じて、ディスプレイ1がユーザ側(+X側)に移動、すなわち突出する。
【0112】
突出機構23によりディスプレイ1を突出させる動作は、制御部27がモータMTのモータ軸を回動させることにより開始し、制御部27がモータMTのモータ軸の回動を停止させることにより終了する。
【0113】
制御部27は、操作SW11、近接センサ12、又はディスプレイ1に備えられたタッチパネルからの信号に基づき、モータMTのモータ軸の回動を開始させる。これにより、ユーザは操作SW11等を操作することにより、ディスプレイ1を突出させることができる。また、制御部27は、位置データ28aをメモリ28から読み出して、位置データ28aに基づきモータMTのモータ軸の回動を停止させる。すなわち、制御部27は、位置データ28aに含まれる回動時間の経過によりモータ軸の回動を停止させるので、適切な所定距離にディスプレイ1を突出して配置することができる。
【0114】
なお、ディスプレイ1を突出させた位置から車載装置3と密接して配置された位置へ配置する動作は、上記と逆の順を追って説明される。すなわち、ディスプレイ1が車両の後方側へ突出した位置から、モータを上記と逆方向に回転させることにより行われる。
【0115】
<1−6.チルト機構>
次に、ディスプレイ1のチルト角度を変更する動作について説明する。
【0116】
図10及び図11は、ディスプレイ1、本体部2、及びチルト機構24等を+Y側(車両右側)から見た側面図である。図において、ディスプレイ1は、チルト機構24及び保持ピンIMにより、保持部HMに取り付けられている。
【0117】
チルト機構24は、ディスプレイ1を、Y軸方向に沿った保持ピンIMを軸として上下方向に回動する機構、すなわち、チルトする機構である。チルト機構24は、ディスプレイ1の下部を支持する支持棒24bを備えている。支持棒24bの一端は、ディスプレイ1の下部に回動可能に接続されている。支持棒24bの他端は、図示しない本体部2内のモータと連結したシャフトと接続され、スライドレール24cに沿って上下方向に移動可能となっている。この支持棒24bの他端をスライドレール24cに沿って移動することにより、保持ピンIMを軸としてディスプレイ1の下部が上下方向に移動して、ディスプレイ1をチルトさせることができる。支持棒24bの他端は、図示しないモータによって移動させることができる。保持ピンIMを軸としてチルト機構24が変更可能なディスプレイ1の最大のチルト角度は、例えば20[deg]である。
【0118】
保持ピンIMは、ディスプレイ1の取り付け金具を保持部HMに接続するシャフトである。
【0119】
図10は、チルト機構24が、ディスプレイ1のチルト角度を変更していない状態(デフォルト状態)を示す図である。図において、ディスプレイ1は鉛直方向に対して傾斜しており、その操作面の正面は水平方向(X軸方向)よりも上側に向けられる。このようなデフォルト状態からディスプレイ1の角度変更が開始される。
【0120】
チルト機構24が、ディスプレイ1のチルト角度の変更を開始する条件は、照度センサ13が一定の照度を検出した場合である。照度センサ13が一定の照度を検出すると、ディスプレイ1の画面(操作面)に光が照射されて、ユーザが画面を視認し難い場合がある。この場合、チルト機構24が、ディスプレイ1のチルト角度を変更することで、画面への光の照射を抑制することができる。この際、チルト機構24が、ディスプレイ1の下部をY軸方向に沿った軸線まわりに−X側へ回動させ、ディスプレイ1のチルト角度が少なくなるように(ディスプレイ1が鉛直方向に近づくように)変更することが好ましい。照度センサ13が一定の照度を検出するのは、主にフロントガラスから差し込む日光に基づくためである。すなわち、ディスプレイ1の下部をY軸方向に沿った軸線まわりに−X側へ回動することで、ディスプレイ1より上部に位置するフロントガラスから差し込む日光が、ディスプレイ1の画面に反射して、ユーザに向けて照射されるのを防止できる。
【0121】
図11は、チルト機構24が、ディスプレイ1のチルト角度を変更した状態を示す図である。図において、ディスプレイ1は略鉛直方向(Z軸方向)に沿っており、その操作面の正面は略水平方向(X軸方向)に向けられる。なお、変更されたチルト角度は、角度センサ24aにより検出され、角度情報が制御部27へ入力される。
【0122】
チルト機構24は、操作SW11やステアリングSW4のユーザによる操作に応じて、ディスプレイ1のチルト角度を変更してもよい。この場合、操作SW11又はステアリングSW4がユーザにより操作される回数又は時間により、変更するチルト角度を設定してもよい。例えば、ユーザが操作SW11又はステアリングSW4を1度又は1秒操作する毎に5[deg]変更する。
【0123】
<1−7.処理工程>
次に、ディスプレイ1を回転させる処理の工程について説明する。
【0124】
図12は、ディスプレイ1を回転させる処理工程を示すフローチャートである。同図(a)に記載するフローチャートは、ディスプレイ1が縦向きかつ車室内へ突出されない状態から横向きかつ車室内へ突出した状態へ配置する処理である。また、同図(b)に記載するフローチャートは、ディスプレイ1が横向きかつ車室内へ突出した状態から縦向きかつ車室内へ突出しない状態へ配置する処理である。
【0125】
図12(a)及び(b)の処理は、操作SW11、ステアリングSW4、近接センサ12、又はディスプレイ1に備えられたタッチパネルからの信号に基づき開始される。これにより、ユーザは操作SW11等を操作することにより、ディスプレイ1の回転を開始させることができる。
【0126】
まず、図12(a)に記載するフローチャートについて説明する。処理が開始されると、制御部27は、角度センサ24aから送信されるディスプレイ1の角度情報に基づき、ディスプレイ1がチルトされた状態であるか判断する(ステップS11)。ディスプレイ1を回転又は突出させると、ディスプレイ1の画面に照射される光の角度が変わるため、ディスプレイ1の回転後又は突出後には、もはやディスプレイ1をチルトさせる必要がない。したがって、制御部27は、ディスプレイ1の回転後又は突出後に、チルト状態をデフォルト状態とさせるため、ステップS11における判断を行う。
【0127】
ディスプレイ1がチルトされた状態であると判断する場合には(ステップS11でYes)、制御部27は、ディスプレイ1のチルト状態をデフォルト状態に戻すようチルト機構24を制御する(ステップS12)。
【0128】
ステップS12が実行された場合、及び制御部27がディスプレイ1をチルトされた状態でないと判断する場合(ステップS11でNo)、処理はステップS13及びステップS14へ進む。
【0129】
ステップS13及びステップS14は、回転機構21及び突出機構23がそれぞれ個別に駆動することにより、並行に処理が実行される。すなわち、ディスプレイ1が、回転機構21により回転すると共に、突出機構23により車室内へ突出する。回転機構21と突出機構23とは、動力源を別個に備えるため、個別に駆動することができる。両ステップを並行に実行することにより、両ステップを時間的に前後させて実行した場合に比較して、ディスプレイ1の配置をより早期に完了することができる。なお、ステップS13及びステップS14に加えて、ステップS12を並行に実行してもよい。この場合、さらにディスプレイ1の配置を早期に完了することができる。もっとも、(a)のフローチャートに記載するように、ステップS12を別個に実行することで、複雑な同時処理が多数重複するのを回避して処理の簡素化を図ることができる。
【0130】
ステップS13では、回転機構21が、ディスプレイ1を縦向きから横向き、すなわち略直交する向きへ回転させると共に、ディスプレイ1の上辺を回転の前後で略一致させる。
【0131】
この際、ステップS14において、突出機構23がディスプレイ1を所定距離以上に突出した後に、回転機構21がディスプレイ1の回転を開始する。ディスプレイ1は、車載装置3と密接して配置された状態においては、一般にセンターコンソールに設けられる化粧板枠の内側に収容されている。このため、ディスプレイ1を突出させずに、回転機構21がディスプレイ1の回転を開始したとすると、ディスプレイ1が回転中に化粧板枠に接触する可能性がある。このため、突出機構23がディスプレイ1を化粧板枠を超える程度に突出した後に、回転機構21がディスプレイ1の回転を開始することで、このような接触を防止することができる。
【0132】
ディスプレイ1の回転が完了すると、制御部27は、位置検知機構22からの信号により、ディスプレイ1の向きが縦向きから横向きへ回転したことを検出する。
【0133】
ステップS14では、突出機構23が、ディスプレイ1を車室内へ突出させる。この際、制御部27は、位置データ28aに基づく位置へディスプレイ1を突出させる。
【0134】
また、ステップS13における回転機構21によるディスプレイ1の回転が開始されると、制御部27は表示制御部25を制御して、ディスプレイ1に横向き用画像を表示させる(ステップS15)。表示制御部25は、ディスプレイ1の回転の開始に応答して、すなわち回転開始と同時又は直後に縦向き用画像から横向き用画像に表示を切り替え、回転の完了前に横向き用画像の表示を行う。これにより、ユーザはディスプレイ1の回転の開始と同時又は直後に画像が切り替わることを認識でき、また回転の完了直後に横向き用画像を参照することができる。
【0135】
ステップS13、S14及びS15が実行されると、ディスプレイ1が縦向きかつ車室内へ突出されない状態から横向きかつ車室内へ突出した状態へ配置する処理は終了する。
【0136】
次に、図12(b)に記載するフローチャートについて説明する。処理が開始されると、制御部27は、角度センサ24aから送信されるディスプレイ1の角度情報に基づき、ディスプレイ1がチルトされた状態であるか判断する(ステップS21)。ディスプレイ1を回転又は突出させると、ディスプレイ1の画面に照射される光の角度が変わるため、ディスプレイ1の回転後又は突出後には、もはやディスプレイ1をチルトさせる必要がない。したがって、制御部27は、ディスプレイ1の回転後又は突出後に、チルト状態をデフォルト状態とさせるため、ステップS21における判断を行う。
【0137】
ディスプレイ1がチルトされた状態であると判断する場合には(ステップS11でYes)、ステップS22及びステップS23を同時に実行する。ステップS22及びステップS23は、チルト機構24及び回転機構21が同時に駆動することにより、同時に処理が実行される。チルト機構24と回転機構21とは、動力源を別個に備えるため、同時に駆動することができる。両ステップを同時に実行することにより、両ステップを時間的に前後させて実行した場合に比較して、ディスプレイ1の配置をより早期に完了することができる。
【0138】
ステップS22では、ディスプレイ1のチルト状態をデフォルト状態に戻すようチルト機構24を制御する。
【0139】
ステップS23では、回転機構21が、ディスプレイ1を横向きから縦向きへ、すなわち略直交する向きへ回転させると共に、ディスプレイ1の上辺を回転の前後で略一致させる。この際、制御部27は、位置検知機構22からの信号により、ディスプレイ1の向きが横向きから縦向きへ回転したことを検出する。
【0140】
また、ステップS23における回転機構21によるディスプレイ1の回転が開始されると、制御部27は表示制御部25を制御して、ディスプレイ1に縦向き用画像を表示させる(ステップS24)。表示制御部25は、ディスプレイ1の回転の開始に応答して、すなわち回転開始と同時又は直後に横向き用画像から縦向き用画像に表示を切り替え、回転の完了前に縦向き用画像の表示を行う。これにより、ユーザはディスプレイ1の回転の開始と同時又は直後に画像が切り替わることを認識でき、また回転の完了直後に縦向き用画像を参照することができる。
【0141】
ステップS22、S23及びS24が実行されると、処理はステップS25へ進む。
【0142】
ステップS25では、突出機構23が、車室内へ突出されたディスプレイ1を車載装置3に密接した位置へ戻す制御を行う。
【0143】
なお、ディスプレイ1の突出を戻すステップS25が、ディスプレイ1を回転させるステップS23の後に実行されることにより、すなわちディスプレイ1の回転が突出を戻す制御の前に実行されることにより、ディスプレイ1が車載装置3に密接した位置で回転するのを防止できる。これにより、車載装置3の付近に存在する物体に、回転中のディスプレイ1が接触することがない。
【0144】
ステップS25が実行されると、ディスプレイ1が横向きかつ車室内へ突出した状態から縦向きかつ車室内へ突出しない状態へ配置する処理は終了する。
【0145】
以上説明したように、本実施の形態に係る車載装置3は、ディスプレイ1の向きを略直行する向きへ回転させる際、回転の前後でディスプレイ1の上辺を略一致させる。これにより、ユーザの視線移動を低減し、ユーザの参照しやすい位置にディスプレイを配置することができる。
【0146】
<2.変形例>
本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。以下に変形例について説明する。上記実施の形態及び以下で説明する変形例は、適宜に組み合わせが可能である。
【0147】
上記実施の形態において、ディスプレイ1の向きを、車室内へ突出しない状態において縦向きとし、車室内へ突出した状態において横向きとして説明した。しかし、ディスプレイ1の向きを、車室内へ突出しない状態において横向きとし、車室内へ突出した状態において縦向きとしてもよい。突出の前後におけるディスプレイ1の向きは、縦横いずれでもよい。
【0148】
また、上記実施の形態において、プログラムに基づくCPUの演算により実現される処理の一部又は全部は、電気的なハードウェア回路により実現されてもよい。
【符号の説明】
【0149】
1 ディスプレイ
2 本体部
3 車載装置
21 回転機構
22 位置検知機構
23 突出機構
24 チルト機構
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12