(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前部に荷を底部から支持する昇降支持体を有し、駆動車輪の駆動により自走する自走式の車体と、前記車体に設けられて前記昇降支持体を昇降駆動する車体部リフト装置と、前記昇降支持体の前端側で遊転車輪を介して昇降支持体を昇降駆動する前端部リフト装置とを備え、前記遊転車輪と前記駆動車輪により支持され、前記駆動車輪の駆動により、傾斜路を介してコンテナ等の荷室に荷を搬入、搬出する荷役車両であって、
前記昇降支持体の前後方向の傾斜角度を検出する傾斜センサと、
前記車体の走行加速度を検出する加減速度センサと、
前記傾斜センサにより検出された傾斜角度を、前記加減速度センサにより検出された前記車体の加減速度に基づいて補正して、傾斜角を無くす方向に、前記車体部リフト装置により前記昇降支持体を昇降駆動し、前記昇降支持体の姿勢を水平に制御する荷役制御装置と、を備え、
前記前端部リフト装置は、
前端部昇降駆動装置により前方に出退駆動されて前面に駆動くさび面を有する駆動くさびブロックと、
前記前端部リフト駆動装置の前部に配置されて幅方向の水平支軸を介して上下方向に揺動自在な回転アームと、
当該回転アームの後端部に設けられて前記駆動くさびブロックの駆動くさび面により受動くさび面を介して押し上げられる受動くさびブロックと、
前記回転アームの前端部に、幅方向の車輪支持軸を介して上下方向に揺動自在に支持された車輪支持体と、
当該車輪支持体で前記車輪支持軸の前後に所定間隔をあけて配置された複数の遊転車輪と、を有する
ことを特徴とする荷役車両。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、コンテナなどの荷室を最大限に有効利用するために、荷は、高さをできるだけ高く荷室の天井に接近させ、また荷の底部に形成された支持部材の挿入空間の天面を床面に接近させる。
【0007】
たとえばトラックに積載されたコンテナに対して、荷を出し入れする場合、トラックの種類や積載重量によりコンテナの床面の高さが異なるため、搬入出用床面から、傾斜角度が調整可能な段差調整用のスロープの先端部を出入り口の床部に掛け渡している。このように傾斜のあるスロープを使用した場合、先端車輪が床室の床面にあり、車体の車輪がスロープに乗り移った場合では、荷支持体に前後方向の傾斜が生じて、荷の上面部が荷室や出入り口の天井部に接触する恐れがあった。勿論、コンテナ以外に、出入り口の天井が限られた荷室に対して、傾斜路を走行して荷を出し入れする場合も、同様の問題がある。
【0008】
そこで、本発明は、傾斜路を走行して、出入り口の天井が限られたコンテナ等の荷室に最大限の高さの荷を搬入、搬出する場合、荷を水平に支持することにより、荷を荷室の天井や出入り口(開口部)に接触することなく、スムーズに搬入、搬出することができる荷役車両を提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前述した目的を達成するために、本発明のうち請求項1に記載の発明は、
前部に荷を底部から支持する昇降支持体を有し、駆動車輪の駆動により自走する自走式の車体と、前記車体に設けられて前記昇降支持体を昇降駆動する車体部リフト装置と、前記昇降支持体の前端側で遊転車輪を介して昇降支持体を昇降駆動する前端部リフト装置とを備え、前記遊転車輪と前記駆動車輪により支持され、前記駆動車輪の駆動により、傾斜路を介してコンテナ等の荷室に荷を搬入、搬出する荷役車両であって、
前記昇降支持体の前後方向の傾斜角度を検出する傾斜センサと、
前記車体の走行加速度を検出する加減速度センサと、前記傾斜センサにより検出された傾斜角度を
、前記加減速度センサにより検出された前記車体の加減速度に基づいて補正して、傾斜角を無くす方向に、前記車体部リフト装置により前記昇降支持体を昇降駆動し、前記昇降支持体の姿勢を水平に制御する荷役制御装置と、を備え、
前記前端部リフト装置は、前端部昇降駆動装置により前方に出退駆動されて前面に駆動くさび面を有する駆動くさびブロックと、前記前端部リフト駆動装置の前部に配置されて幅方向の水平支軸を介して上下方向に揺動自在な回転アームと、当該回転アームの後端部に設けられて前記駆動くさびブロックの駆動くさび面により受動くさび面を介して押し上げられる受動くさびブロックと、前記回転アームの前端部に、幅方向の車輪支持軸を介して上下方向に揺動自在に支持された車輪支持体と、当該車輪支持体で前記車輪支持軸の前後に所定間隔をあけて配置された複数の遊転車輪と、を有することを特徴とするものである。
【0010】
上記構成によれば、車体に設けた駆動車輪の駆動により、傾斜路を介してコンテナ等の荷室に出入りするとき、傾斜センサにより検出された傾斜角度を無くす方向(0゜とする方向)に、車体部リフト装置により昇降支持体を昇降駆動する。すると、遊転車輪を中心として昇降支持体は上下方向に傾動し、昇降支持体上の荷の姿勢は水平に保持される。よって、荷の上端部が荷室の出入り口や天井面に接触するが防止され、最大限の高さの荷をスロープを介して荷室にスムーズに搬入、搬出することができる。
【0011】
また加減速度センサにより検出された車体の加減速度に基づいて、傾斜センサにより検出された傾斜角度を補正することにより、急加速度、急減速時により発生する傾斜センサの誤検出を排除でき、実際の傾斜角度に応じて昇降支持体上の荷の姿勢を水平に保持することができる。
【0012】
さらに、遊転車輪の接地面積が小さいと、荷の荷重が傾斜路や荷室の床面に集中してしまい、床面を踏み抜いて損傷させるおそれがあるが、前端部リフト装置では、車輪支持フレームで車輪支持軸の前後に複数の遊転車輪が配置されるので、各遊転車輪をそれぞれ均等圧で床面に押し付けることができ、床面の損傷を未然に防止することができる。
【0013】
また
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明であって、前記荷役制御装置へ前記昇降支持体の水平保持指令を入力する操作手段を備え、前記荷役制御装置は、前記操作手段からの水平保持指令の入力により、前記昇降支持体の姿勢水平制御を実行することを特徴とするものである。
【0014】
上記構成によれば、操作手段が操作されて水平保持指令が入力されると、昇降支持体の姿勢水平制御が実行され、操作手段が操作されず水平保持指令は入力されないと、昇降支持体の姿勢水平制御は実行されない。したがって、水平床面走行時に、操作手段を操作せずに、昇降支持体の姿勢水平制御を外すことが可能となり、床面の凹凸に傾斜センサが反応して、昇降支持体が昇降することを回避でき、昇降支持体の先端が床面に接触したり、荷の水平が崩れることが回避される。
【0015】
また
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明であって、前記昇降支持体は、左右一対のフォークからなり、前記各フォークの前端部にそれぞれ、前記フォークの前端部を昇降駆動する前端部リフト装置が配置され、前記荷役制御装置は、前記操作手段からの水平保持指令の入力により、前記前端部リフト装置による前記フォークの前端部の昇降動作に応じて前記車体リフト装置を連動し、前記昇降支持体の姿勢水平制御を実行することを特徴とするものである。
【0016】
上記構成によれば、各フォークはそれぞれ、前端部リフト装置により、車体リフト装置とは別に、独立して昇降されるが、操作手段の操作により水平保持指令が入力されると、フォーク姿勢水平制御が実行され、前端部リフト装置の駆動により発生するフォークの傾斜に応じて、
車体部リフト装置が駆動(連動)されて、フォークの水平が維持される。
【発明の効果】
【0017】
本発明の荷役車両は、車体に設けた駆動車輪の駆動により、傾斜路を介して荷室に出入りするときに、傾斜センサにより検出された傾斜角度を無くす方向に、車体部リフト装置により昇降支持体を昇降駆動すると、遊転車輪を中心として昇降支持体は上下方向に傾動し、昇降支持体上の荷の姿勢は水平に保持されることにより、荷の上端部が出入り口や荷室の天井面に接触するのを防止することができ、高さが天井面に接近する最大限の高さの荷を、傾斜路を介して荷室にスムーズに搬入、搬出することができる、という効果を有している。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[実施例]
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図12(a)および
図13(a)に示すように、この荷役車両11は、出入り口の天井高さが限られた荷室であるコンテナ1の荷室3に対して、最大限の高さの荷10を、左右壁面3L,3Rに沿う収納位置Pにコンテナ1の出入り口2から出し入れするものである。
【0020】
コンテナ1を搭載した運搬車両5を、荷の積下ろし位置に停止させると、運搬車両5の特性やコンテナ1の重量などに起因して、コンテナ1の出入り口2の底面の高さと、搬入出用床面6との間に段差が生じることがある。このために段差調整用の起伏式スロープ4(傾斜路の一例)が掛け渡される。そして、荷役車両11を搬入出用床面6からスロープ4および出入り口2を介してコンテナ1の荷室3に出入りさせ、荷10を荷室3内の収納位置Pに搬入、搬出する。ここで、
図12(a)に示すように、荷10の最大限の高さHmaxとは、荷室3の高さHcから、リフト状態の荷10と荷室3の天井面3C(天井面の障害物や出入り口2の枠体2aを含む)までの余裕隙間δ、および荷役車両11により荷10が床面3Fより持ち上げられる高さ(距離)HS(
図8参照)を減算した時の高さをいう。
【0021】
図1〜
図3に示すように、この荷役車両11は、自走式である電動式(またはエンジン駆動式であってもよい)車体12と、この車体12の前部に設けられて、荷10を底部から支持する薄板状の左右一対のフォーク(昇降支持体)14L,14Rと、車体12とフォーク14L,14Rの間に設けられてフォーク14L,14Rを昇降駆動する車体部リフト装置13と、フォーク14L,14Rの前端側に設けられ従動輪(遊転車輪の一例)52を介してフォーク14L,14Rの前端部を昇降駆動するフォーク部リフト装置(前端部リフト装置)51とを具備し、図示しないが、車体12に充電式バッテリーや油圧ポンプなどが装備されている。
【0022】
[車体]
車体12の上部に、アクセルレバー21や荷役操作パネル22、ステアリングハンドル23、カラーモニタ(モニター装置)24が配置され、右後部に設けられた運転席25の床部にブレーキペダル26が設けられている。また車体12の上部で左右両側に立設されたポスト27に、前照灯28や方向指示器29などが設けられている。さらに車体12の底部で左側に、アクセルレバー21の操作に応じてドライブモータ(駆動モータ)77により走行駆動され、ステアリングハンドル23の操作によりステアリングモータ(図示せず)により操舵される駆動輪(駆動車輪)31が配置されている。さらにまた車体12およびフォーク14L,14Rは、1個の駆動輪31と2組の従動輪52とで支持され、さらに車体12の底部右側に、駆動輪31と幅方向で略同一の軸線上に垂直軸心周りに旋回自在に支持されたキャスター32が回転自在に設けられており、このキャスター32により車体12の姿勢が補助されている。
【0023】
[車体部リフト装置]
車体部リフト装置13は、
図2、
図5に示すように、車体12の前部に設置された車体前部フレーム41と、フォーク14L,14Rの後部に配置されたリフトフレーム42の左右のブラケットとの間に、案内機構として、幅方向のピンを介して回動自在に連結されて互いに平行な上下一対で左右二組のリンクアーム43aからなる平行リンク機構43が設けられ、リフトフレーム42が車体12に平行に昇降自在に連結されている。そして左右のリンクアーム43a間に、傾斜姿勢の車体側シリンダ(車体部リフトシリンダ;車体部昇降駆動装置)44が設けられており、そのシリンダ本体が車体前部フレーム41の下部に支持され、ピストンロッドがリフトフレーム42の中央上部に連結されている。したがって、車体側シリンダ44を伸縮駆動することにより、リフトフレーム42を平行リンク機構43を介して車体前部フレーム41に対して平行に昇降移動させ、リフトフレーム42の前部に設けられたフォーク14L,14Rを昇降駆動させることができる。これにより、車体12とフォーク14L,14Rが前後方向および幅方向に同一の傾斜姿勢となる。
なお、平行リンク機構43に替えて、複数のガイドレールとスライド体からなるスライド機構などの他の案内機構を設けてもよい。
【0024】
[シフト装置]
また
図4に示すように、リフトフレーム42の前部に、左右のフォーク14L,14Rをそれぞれ幅方向に移動可能なシフト装置45が設けられている。このシフト装置45は、リフトフレーム42の前部で左右のサイドプレート42L,42Rの間に上下一対のスライド軸46U,46Dが幅方向に連結され、フォーク14L,14Rの後端部に立設された左右のバックレスト47L,47Rが、スラスト軸受を介してスライド軸46U,46Dに幅方向にシフト自在に支持されている。そして、右サイドプレート42Rに連結された左シフトシリンダ(左シフト駆動装置)48Lが左バックレスト47Lの背面に連結され、左サイドプレート42Lに連結された右シフトシリンダ(右シフト駆動装置)48Rが右バックレスト47Rの背面に連結されている。したがって、左右シフトシリンダ48L,48Rを伸縮駆動することにより、左右のフォーク14L,14Rをセンター位置からそれぞれシフト距離SR,SLの範囲で幅方向に単独、または連動してシフトすることができる。
【0025】
[フォーク部リフト装置]
図6〜
図8に示すように、これら左右フォーク14L,14Rは、コンテナ1の荷室3の床面3Fとの間に荷10の底部に形成される高さHの低いフォーク挿入空間(底部空間)10Dに挿入可能な厚みTの薄板状に形成されており、複数の従動輪52が左右フォーク14L,14Rの底面から突出量tで少し下方に突出されている。そしてこれら従動輪52を介してフォーク14L,14Rを所定のリフト昇降ストロークLSだけ上昇させて、荷10を床面3Fから高さHS持ち上げるフォーク部リフト装置(前端部リフト装置)51が、左右のフォーク14L,14Rに前端部内にそれぞれ設けられている。またここで、従動輪52の接地面積が小さいと、荷10の荷重が床面3Fに集中してしまい、床面3Fを踏み抜いて損傷させるおそれがあるため、左右のフォーク部リフト装置51には、幅方向の軸心周りに回転自在な横長の従動輪52が4個ずつ、前後方向に一定間隔をあけて配置され、各従動輪52をそれぞれ均等圧で床面3Fに押し付けることができるようにフォーク部リフト装置51が構成されている。
【0026】
33は左右のフォーク14L,14Rの後端側上面に取り付けられたストッパで、フォーク挿入空間10Dへのフォーク14L,14Rの挿入限を形成している。
左右のフォーク14L,14Rに設けられるフォーク部リフト装置51は同一構造である。フォーク14L,14Rは、底面が開放されたチャンネル形断面で、左右の側板の内面に前端部分を除いて補強側板53がそれぞれ取り付けられ、補強側板53の前端部間に水平支軸54が幅方向に掛け渡されている。そして、この水平支軸54に左右一対の回転アーム55が上下方向に揺動自在に枢支されている。これら水平支軸54から前方に伸びる回転アーム55の前端部間に、水平方向の車輪支持軸56が掛け渡され、この車輪支持軸56に左右一対のローラフレーム(車輪支持フレーム;車輪支持体)57の中間部が上下方向に揺動自在に枢支されている。そして、ローラフレーム57間には、車輪支持軸56の前後に等間隔をあけて4個の従動輪52が回転自在に軸支されて、正転または反転することで前方または後方の直進方向にフォーク14L,14Rの前端部を案内する。
【0027】
一方、回転アーム55の後端側に受動くさびブロック58が取り付けられており、この受動くさびブロック58の後面に、前端側下部から後端側上方に傾斜する受動くさび面58tが形成されている。またフォーク14L,14R内で回転アーム55の後方に、支持部材であるブラケットに水平ピンを介して左右一対のフォーク側シリンダ(フォーク部リフトシリンダ;前端部昇降駆動装置)59が配置され、前方に出退されるピストンロッドの前端部間に、受動くさび面58tに当接される駆動くさびブロック60が取り付けられ、この駆動くさびブロック60は、底部に前後方向に配置されたガイド部材であるスライドベース61により前後方向にスライド自在に案内されている。駆動くさびブロック60の前部に、前端下部から後端側上方に傾斜する駆動くさび面60tが形成され、これら受動くさび面58tと駆動くさび面60tの傾斜角は、フォーク14L,14Rがリフトされたフォーク側シリンダ59のロッドの伸長位置で、面接触するように形成されている。また14cは、受動くさびブロック58の上方でフォーク14L,14Rの天板に形成された許容開口部で、持ち上げられた受動くさびブロック58がフォーク14L,14Rの天板に干渉するのを防止するためのものである。
【0028】
ここで、たとえばフォーク挿入空間10Dの高さHが100mmの場合、左右フォーク14L,14Rの厚みTが80mmで、従動輪52の突出量tは5mmに設定される。そしてリフト前のフォーク14L,14Rの非搬送高さDLは85mmである。さらにフォーク14L,14RのリフトストロークLSが30mmに設定されることにより、リフト後のフォーク14L,14Rの搬送高さHLは115mmとなっており、またフォーク14L,14Rにより持ち上げられる荷10の床面3Fから高さHSは、15mmとなっている。
【0029】
したがって、フォーク側シリンダ59のロッドが伸長されて、スライドベース61に案内されて駆動くさびブロック60が前方に押し出されると、駆動くさび面60tが受動くさびブロック58の受動くさび面58tを押圧して摺動し、このくさび面を利用した運動方向の変換機構により、受動くさびブロック58が上方に押し上げられる。これにより、後端部が上方に押し上げられた回転アーム55の前端部が、下方に押し下げられることにより、車輪支持軸56およびローラフレーム57を介して4個の従動輪52を均等に床面3Fに押し付け、フォーク14L,14Rを非搬送高さ(非リフト位置)DLから搬送高さ(リフト位置)HLまでリフトストロークLSだけ上昇されて荷10を持ち上げることができる。
【0030】
なお、2つのくさび面58t,60tのうち、駆動くさび面60tの前後長さが小さく形成されるとともに前後の上下端部に円弧面が形成されている。したがって、非搬送高さ(非リフト位置)DLから搬送高さ(リフト位置)HLの手前までは、くさび面58t,60t同士が線接触して受動くさびブロック58を押し上げ、搬送高さ(リフト位置)HLでくさび面58t,60t同士が面接触されるので、回転アーム55を安定して十分な力で支持することができる。
【0031】
[荷役制御]
図1に示すように、車体12の前部に、車体12およびフォーク14L,14Rの前後方向の傾きを検出する傾斜センサである水平検出センサ72が設けられ、またフォーク14L,14Rの左右一方(図では右側)の前端部に、前方の壁面や荷などとの距離を検出する距離センサである壁面検出センサ73が設けられ、さらに
図1および
図3に示すように、駆動輪31を駆動するドライブモータ77の回転軸に連結されてロータリエンコーダ78が設けられている。
前記水平検出センサ72には、搭載した物体や車両の急加速、急減速により検出する傾斜角度に影響がでる(誤検出が発生する)。例えば、水平検出センサ72が、
図9に示すように、容器72a内の液体72bの傾斜による液面変化を静電容量変化として捉える重力応用静電容量変化型であるとすると、前進時の急加速のとき、或いは後進時の急減速のときの液体72bの液面の変化は、
図9(a)に示すように、前方上向きのスロープ4に置かれたときと同じとなり、水平に置かれていても、前方で上向きに傾斜しているように傾斜角度が検出される。逆に前進時の急減速のとき、或いは後進時の急加速のときの液体72bの液面の変化は、
図9(b)に示すように、前方下向きのスロープ4に置かれたときと同じとなり、水平に置かれていても、前方で下向きに傾斜しているように傾斜角度が検出される。なお、水平検出センサ72が、いわゆる振り子型(振り子式)であっても同様である。
【0032】
図1に示すように、荷役車両11に設けられた荷役制御装置を構成するコントローラ71には、荷役操作パネル22からの操作信号と、水平検出センサ72の検出信号と、壁面検出センサ73の検出信号と、ロータリエンコーダ78のパルス信号が入力されている。そしてこのコントローラ71から、車体部リフト装置13の車体側シリンダ44の制御弁を操作する車体部リフト操作器74への操作信号と、フォーク部リフト装置51のフォーク側シリンダ59の制御弁を操作するフォーク部リフト操作器75への操作信号と、シフト装置45の左右のシフトシリンダ48L,48Rの制御弁をそれぞれ操作するシフト操作器76への操作信号がそれぞれ出力される。またコントローラ71では、壁面検出センサ73の検出信号に基づいて、カラーモニタ24に前方の壁面や荷までの距離を表示させる。
【0033】
図10に示すように、荷役操作パネル22には、車体部リフト操作器74を操作する車体上昇、下降スイッチ22BU,22BDと、フォーク部リフト操作器75を操作するフォーク上昇、下降スイッチ22FU,22FDと、シフト操作器76により左右のフォーク14L,14Rをそれぞれ左右に独立して操作する左右のフォーク右行、左行スイッチ22LSR,22LSL,22RSR,22RSLと、シフト操作器76により左右のフォーク14L,14Rを同期してまとめてサイドシフトするサイドシフト右行、左行スイッチ22SR,22SLが設けられており、前記各操作信号がそれぞれコントローラ71に出力される。
【0034】
さらに荷役操作パネル22には、荷10を水平姿勢に保持する水平保持指令を入力する水平スイッチ(昇降支持体の水平保持指令を入力する操作手段)22Hが設けられている。たとえば
図12(c)に示すように、スロープ4と床面3Fの段差により荷10が傾斜している場合、駆動輪31がスロープ4上に、従動輪52が荷室3の床面3F上にあると、荷10が傾斜して出入り口2や荷室3の天井面3Cに接触し、荷10が損傷したり搬入出が困難となるおそれがある。このような場合に、水平スイッチ22Hを押すと、コントローラ71は、水平検出センサ72により、フォーク14L,14Rと車体12の前後方向の傾斜角度を検出し、ロータリエンコーダ78により車体12の加減速度を検出し、これら検出信号に基づいて車体部リフト操作器74を操作し、車体側シリンダ44を伸縮して荷10の水平姿勢を保持するフォーク姿勢水平制御を実行する(詳細は後述する)。
【0035】
搬入動作において、フォーク14L,14Rを下限に下ろした状態で、荷10の底部に形成されたフォーク挿入空間10Dにフォーク14L,14Rを挿入し、フォーク上昇スイッチ22FUを押すことにより,コントローラ71は、フォーク部リフト操作器75を介してフォーク部リフト装置51を駆動し、フォーク14L,14Rを上昇させて荷10を底部から支持する。そして、ドライブモータ77による駆動輪31の駆動により荷役車両11を走行させて搬入出用床面6からスロープ4に移動し、さらにスロープ4から荷室3の床面3Fに荷役車両11の従動輪52が移動する。このとき、水平スイッチ22Hを押すことにより、コントローラ71は、上記フォーク姿勢水平制御を実行する。
【0036】
コントローラ71によるフォーク姿勢水平制御を
図11のブロック図を参照しながら説明する。
コントローラ71には、フォーク姿勢水平制御を実行するためにフォーク姿勢水平制御部71Aが設けられ、このフォーク姿勢水平制御部71Aは、アナログ入力モジュールからなるA−D変換器80と、高速カウンタからなるパルスカウンタ81と、シーケンサによる、微分器82、傾斜角度相当数値変換部83、単位変換部84、減算器85、および昇降判定部86等から構成され、水平検出センサ72より、フォーク14L,14Rと車体12の前後方向の傾斜角度に相当する電圧信号と、ロータリエンコーダ78のパルス信号と、水平スイッチ22Hの押し操作による水平保持指令信号が入力されている。
【0037】
前記A−D変換器80により、入力した水平検出センサ72の電圧信号は、ディジタルの傾斜角度(−β゜〜+β゜)に変換され、単位変換部84へ出力される。(−β゜)は、フォーク14L,14Rおよび車体12が前方下向きのスロープ4に置かれているときに水平検出センサ72により検出される(前方下向き)最大傾斜角、(+β゜)は、フォーク14L,14Rおよび車体12が前方上向きのスロープ4に置かれているときに水平検出センサ72により検出される(前方上向き)最大傾斜角である。
【0038】
またパルスカウンタ81は、ロータリエンコーダ78から入力されたパルス信号をカウントし、駆動輪31の回転数、すなわち車体12の走行速度を検出しており、この車体12の走行速度(前進時は+、後進時は−のデータ)は微分器82および傾斜角度相当数値変換部83へ入力され、微分器82により走行速度の変化、すなわち加減速度(加速時は+、減速時は−のデータ)が求められ、傾斜角度相当数値変換部83へ入力されている。
上記ロータリエンコーダ78、パルスカウンタ81および微分器82により加減速度センサが構成される。
【0039】
また単位変換部84は、入力された水平検出センサ72の傾斜角度(−β゜〜0〜+β゜)を(−1〜0〜+1)に正規化する機能を有しており、入力した傾斜角度をx(−1〜0〜+1)に変換して減算器85へ出力する。
【0040】
上記傾斜角度相当数値変換部83には、走行速度と加減速度が入力されている。
上述したように、前進時に急加速されると、あるいは後進時に急減速されると、水平検出センサ72は、フォーク14L,14Rおよび車体12が前方上向きに傾斜しているように見なし、傾斜角度は+側(前方上向きの角度が+)にシフトする。したがって、正確な傾斜角を求めるには、−(下向き)側に補正する必要がある。
そこで、傾斜角度相当数値変換部83は、走行速度により前進時かあるいは後進時かを判断し、加減速度により急加速かあるいは急減速かを判断し、前進時で急加速、あるいは後進時で急減速と判断すると、加減速度の絶対値を、絶対値の大きさに応じて、前方上向きの傾斜角度に変換し、この傾斜角度を、傾斜角度補正用データy(0〜+1)にして変換して減算器85へ出力する。
また上述したように、前進時に急減速されると、あるいは後進時に急加速されると、水平検出センサ72は、フォーク14L,14Rおよび車体12が前方下向きに傾斜しているように見なし、傾斜角度は−側(前方上向きの角度が+)にシフトする。したがって、正確な傾斜角を求めるには、+(上向き)側に補正する必要がある。
そこで、傾斜角度相当数値変換部83は、走行速度により前進時かあるいは後進時かを判断し、加減速度により急加速かあるいは急減速かを判断し、前進時で急減速、あるいは後進時で急加速と判断すると、加減速度の絶対値を、絶対値の大きさに応じて、前方下向きの傾斜角度に変換し、この傾斜角度を、傾斜角度補正用データy(−1〜0)にして変換して減算器85へ出力する。このとき減算器85では+の演算となる。
【0041】
減算器85において、傾斜角度x(−1〜0〜+1)より、傾斜角度補正用データy(−1〜0)あるいは(0〜+1)が減算され、加減速度に左右されない、補正後傾斜角度N(−1〜0〜+1)が求められ、昇降判定部86へ出力される。
【0042】
昇降判定部86は、減算器85から補正後傾斜角度N(−1〜0〜+1)を入力すると、補正後傾斜角度Nが、(0〜+1)のとき、傾斜は前方上向きと判定して、車体側下降信号を出力し、また補正後傾斜角度Nが、(−1〜0)のとき、傾斜は前方下向きと判定して、車体側上昇信号を出力する。
このような状態で、荷役車両11が段差調整用のスロープ4へ移動し荷室3に出入りし、従動輪52が荷室3上に、駆動輪31がスロープ4上に有るとき、水平スイッチ22Hが押し操作される。
この水平スイッチ22Hの押し操作により水平保持指令信号が入力されると、昇降判定部86から出力された車体側下降信号または車体側上昇信号は、論理積回路(AND回路)を通してフォーク姿勢水平制御部71Aから、実際に、車体側下降信号または車体側上昇信号として出力される。
【0043】
フォーク姿勢水平制御部71Aから出力された車体側下降信号は、車体下降スイッチ22BDの押し操作による車体下降指令信号と論理和(OR)がとられて、車体側シリンダ44のロッドの伸長信号として車体部リフト操作器74へ出力される。
これにより、車体側シリンダ44のロッドが伸長し、平行リンク機構43を介して、フォーク14L,14Rに対して車体12を下降して、従動輪52の車輪支持軸56を中心にフォーク14L,14Rが上方向に移動する。よって、前方上向きスロープ4を移動し、傾斜角度が(+)で上向きのとき、上向きのフォーク14L,14Rの傾斜が水平に補正され、荷10が水平姿勢とされる。
【0044】
またフォーク姿勢水平制御部71Aから出力された車体側上昇信号は、車体上昇スイッチ22BUの押し操作による車体上昇指令信号と論理和(OR)がとられて、信号として車体部リフト操作器74へ出力される。
これにより、車体側シリンダ44のロッドが収縮し、平行リンク機構43を介して、フォーク14L,14Rに対して車体12を上昇して、従動輪52の車輪支持軸56を中心にフォーク14L,14Rが下方向に移動する。よって、前方下向きスロープ4を移動し、傾斜角度が(−)で下向きのとき、下向きのフォーク14L,14Rの傾斜が水平に補正され、荷10が水平姿勢とされる。
【0045】
このように、段差を解消するために傾斜して設置されたスロープ4を介して荷室3に出入りし、従動輪52が荷室3上に、駆動輪31がスロープ4上に有るときに水平スイッチ22Hが操作されると、コントローラ71により、水平検出センサ72の傾斜角度およびロータリエンコーダ78のパルス信号により検出される加減速度に基づいて、車体リフト装置13が操作され、平行リンク機構43を介して、フォーク14L,14Rに対して車体12が上下に駆動され、従動輪52の車輪支持軸56を中心にフォーク14L,14Rが上下方向に傾動され、フォーク14L,14R上の荷10の姿勢が水平に保持されることにより、荷10の上端部が出入り口2や荷室3の天井面3Cに接触するのを防止することができ、段差調整用のスロープ4を介してコンテナ1に最大限の高さの荷10をスムーズに搬入、搬出することができる。
【0046】
また
図11に示すように、フォーク上昇スイッチ22FUが操作されると、フォーク上昇指令信号がコントローラ71へ入力され、コントローラ71より、フォーク部リフト操作器75へフォーク側シリンダ59のロッドを伸長させるリフトシリンダ伸長信号が出力され、フォーク側シリンダ59のロッドの伸長により、従動輪52を介してフォーク14L,14Rは、所定のリフト昇降ストロークLSだけ上昇する。またフォーク下降スイッチ22FDが操作されると、フォーク下降指令信号がコントローラ71へ入力され、コントローラ71より、フォーク部リフト操作器75へフォーク側シリンダ59のロッドを収縮させるリフトシリンダ収縮信号が出力され、フォーク側シリンダ59のロッドの収縮により、所定のリフト昇降ストロークLSだけ下降し、複数の従動輪52を介して左右フォーク14L,14Rの底面から突出量tで少し下方に突出した位置まで下降する。
このとき、水平スイッチ22Hが操作されていると、従動輪52の昇降に伴い発生するフォーク14L,14Rの傾斜角度に応じて、フォーク姿勢水平制御部71Aから車体側下降信号または車体側下降信号が出力され、車体側シリンダ44のロッドが伸長・収縮され、よってフォーク14L,14Rの水平姿勢を保持しつつ荷10が昇降され、荷10が水平姿勢で保持される。
このように、水平スイッチ22Hを押し、フォーク上昇、下降スイッチ22FU,22FDを押すことにより、車体部リフト装置13とフォーク部リフト装置51とが連動し、フォーク14L,14Rの水平姿勢を保持しつつ荷10が昇降され、荷10を水平姿勢で保持することができる。
【0047】
(荷室への荷役方法)
たとえばコンテナ1のように、奥行きがあり幅の狭い荷室3に、壁面3R,3Lに沿う収納位置Pに対して、前後方向に長さのある荷10を搬入、搬出する場合、荷役車両11の従来の動作は、たとえば
図15に示す2つのパターンA,Bが考えられる。
図15(a)に示すパターンAは、荷10の前端部を左壁面3Lに接近するよう車軸Oを傾斜させるとともに、駆動輪31を左前方に向く操向方向から直進方向に転舵しつつ曲線方向に沿って前進させ、左壁面3Lに沿う収納位置Pに荷を搬入する方法である。また
図15(b)に示すパターンBは、収納位置P前端を狙い位置とし、荷10の前端部を左壁面3Lに接近するよう車軸Oを傾斜させて、荷役車両11を直進させる。荷10の前端部が収納位置Pの前端に達すると、荷役車両11を一旦停止させ、さらに駆動輪31を左側に90°近く転舵して駆動させることにより、荷役車両11の後部を左側に振って、荷10の後端部を左壁面3Lに接近させる。
【0048】
しかしながら、上記パターンAやパターンBにより、壁面3R,3Lに沿う収納位置Pに荷10を精度よく搬入出するためには、作業者に十分な熟練度が必要となる。また、コンテナ1の出入り口2は、開閉扉を保持するために左右壁面3L,3Rから数十mmだけ内側に枠体2aが突出して間口が狭くなっている。そして、車体12がスロープ4の上にある。このため、枠体2aと車体12が干渉して、出入り口2近傍の収納位置Pに荷10を搬入、搬出するのが難しく、パターンBでも搬入が困難となる。
【0049】
(搬入動作)
この荷役車両11による荷の搬入方法を、
図13を参照して説明する。
1)
図13(a)に示すように、フォーク挿入空間10Dに挿入されたフォーク14L,14Rにより荷10を底部から支持する荷役車両11を、スロープ4から出入り口2を介して荷室3に入庫し、まず収納位置Pの後端近傍まで、荷10の前端部を接近させる。
【0050】
2)ここで、
図13(b)に示すように、荷10の前端部と左壁面3Lとの離間距離Laを、La≦2×SR(または2×SL)とする。SR,SLはシフト装置45によるフォーク14L,14Rのセンター位置からのシフトストロークである。ここで、La<SR(またはSL)の場合には、予めシフト装置45によりフォーク14L,14Rを右側にシフトしておく。
【0051】
そして、荷役車両11の直進方向前方の狙い位置(たとえば目視による荷10の左側面の前方の狙い位置)が、収納位置Pの前端(奥壁面または既に積み込まれた荷10の左後端部)となるように、車体の車軸Oを、後部が左壁面3Lから離間する右側に所定の侵入角θiだけ傾斜させる。
【0052】
3)壁面検出センサ73により、奥壁面や先に搬入された荷10とフォーク14R前端部との距離をカラーモニタ24で監視しつつ、荷役車両11を侵入角θiに沿って直線方向に前進させ、
図13(c)に示すように、荷10の前部左端が左壁面3Lに近接、または当接した収納位置Pで荷役車両11を停止させる。
【0053】
4)
図13(c)に示すように、シフト装置45を駆動してフォーク14L,14Rを介して荷10の後端部を左壁面3L側にシフトさせると、従動輪52間の中心位置を荷旋回中心Ocとして、荷10の後端部が左壁面3L側に回動される。同時に、駆動輪31を車体旋回中心Osとして、車体12が右側(荷10の回動方向と相対する方向)に回動される。
これにより荷10の左側面全面と荷室3の左壁面3Lとが互いに平行に近接(または接触)した状態となり、また荷役車両11の車軸Oが左壁面3Lと平行な姿勢となる。
【0054】
5)
図13(d)に示すように、車体部リフト装置13およびフォーク部リフト装置51を作動してフォーク14L,14Rを下降させ、荷10を収納位置Pに着地させる。そして、荷役車両11を後方に直進させてフォーク14L,14Rを荷10のフォーク挿入空間10Dから抜き出し、荷10の積み込みが完了する。この時、フォーク14L,14Rが左側で車体12がセンター位置より右側にあるため、車体12が左壁面3Lから離間されているので、荷役車両11の後退をスムーズに行うことができる。
【0055】
(搬出動作)
次に、荷室3の壁面3L,3Rに荷10の全側面が近接(または接触)した収納位置Pの荷10を、搬出する方法を、
図14を参照して説明する。
【0056】
1)
図14(a)に示すように、シフト装置45によりフォーク14L,14Rを左壁面3L側に所定距離またはシフト限までシフトさせ、さらにフォーク14L,14Rの狙い位置が荷10底部のフォーク挿入空間10Dとなるように、左壁面3Lに平行に前方に直進させ、そして
図14(b)に示すように、フォーク14L,14Rをフォーク挿入空間10Dに挿入する。
【0057】
2)車体部リフト装置13およびフォーク部リフト装置51によりフォーク14L,14Rを上昇させてフォーク14L,14R上に荷10を支持させる。
3)
図14(c)に示すように、フォーク14L,14Rを右壁面3R側にシフトすることにより、荷旋回中心Ocを中心として荷10の後端部を右壁面3R側に回動させる。同時に、車体旋回中心Osを中心として車体12をフォーク14L,14Rと反対側の左壁面3L側に回動させて、車軸Oが後部ほど左壁面3Lから離間する所定角度θoで傾斜させる。
【0058】
4)荷役車両11を斜め後方に後退させて荷室3から荷10を搬出する。
上記荷役車両11による荷役方法によれば、シフト装置45により従動輪52間の荷旋回中心Oc周りにフォーク14L,14Rを左右一方に回動させるとともに、車体12を駆動輪31の車体旋回中心Osとして左右他方に回動させることで、前端部が壁面3L,3Rに近接する荷10の後部側を壁面3L,3Rに幅寄せすることができる。反対に、壁面3L,3Rに沿う収納位置Pに積載された荷10を、シフト装置45を用いることで、荷10の後端部を壁面3L,3Rから離間させて車軸Oを後部から壁面3L,3Rから離間する方向に傾斜させることができる。これにより、壁面3L,3Rに干渉することなく、壁面3L,3Rに沿う収納位置Pに搬入、搬出することができ、コンテナ1などで幅の限られた荷室3に対して、熟練を要することなく容易かつスムーズに搬入、搬出することができる。また壁面3L,3Rや出入り口2に枠体2aのような突起物があっても、荷10を壁面3L,3Rに沿う収納位置Pに容易に搬入出することができる。特に、コンテナ1で出入り口2近傍の収納位置Pに搬入出する場合、車体12がスロープ4にあるが、シフト装置45により、出入り口2に設けられた枠体2aに干渉することなく、容易にかつスムーズに荷役作業を行うことができ有効性が高い。
【0059】
[実施例の効果]
以上のように、実施例によれば、駆動輪31を駆動してコンテナ1の出入り口2と搬入出用床面6との段差を解消するために傾斜して設置された段差調整用のスロープ4を介して荷室3に出入りし、従動輪52が荷室3上に、駆動輪31がスロープ4上に有るときに、水平検出センサ72により検出された傾斜角度を無くす方向(0゜とする方向)に、車体部リフト装置13を操作し、コンテナ1の荷室3上の従動輪52を中心としてフォーク14L,14Rを上下方向に傾動してフォーク14L,14R上の荷10の姿勢を水平に保持することにより、荷10の上端部が出入り口2や荷室3の天井面3Cに接触することを防止することができ、最大限の高さの荷10をスロープ4を介してコンテナ1の荷室3にスムーズに搬入、搬出することができる。
【0060】
また実施例によれば、ロータリエンコーダ78のパルス信号により、フォーク14L,14Rおよび車体12の加減速度を検出し、この加減速度に基づいて、水平検出センサ72により検出された傾斜角度を補正することにより、急加速度、急減速時により発生する水平検出センサ72の誤検出を排除でき、実際の傾斜角度に応じてフォーク14L,14R上の荷10の姿勢を水平に保持することができる。
【0061】
また実施例によれば、水平スイッチ22Hが操作されて水平保持指令が入力されると、フォーク姿勢水平制御が実行され、水平スイッチ22Hが操作されず水平保持指令は入力されないと、フォーク姿勢水平制御が実行されないことにより、水平床面走行時に、水平スイッチ22Hを操作せずに、フォーク姿勢水平制御を外すことが可能となり、水平床面走行時に、床面の凹凸に水平検出センサ72が反応して、フォーク14L,14Rに対して車体12が昇降することを回避でき、フォーク14L,14Rの先端が床面に接触したり、荷10の水平が崩れることを回避できる。
【0062】
また実施例によれば、フォーク上昇、下降スイッチ22FU,22FDを押し操作することによりフォーク部リフト装置51が動作してフォーク14L,14Rが昇降されるが、このとき水平スイッチ22Hを押すことにより、フォーク姿勢水平制御が実行され、フォーク部リフト装置51の駆動により発生するフォーク14L,14Rの傾斜に応じて、車体リフト装置13が駆動(連動)されて、フォーク14L,14Rの水平が維持され、よって水平姿勢を保持しつつ荷10を昇降し、荷10を水平姿勢で保持することができる。
【0063】
また実施例によれば、フォーク14L,14Rは、それぞれシフト装置45により、独立して左右方向へ移動できることにより、荷10のフォーク挿入空間10Dの位置に合わせてフォーク14L,14Rを配置でき、またフォーク14L,14Rをまとめて、左右の一方に移動でき、車体12に対して左右方向にずれて配置された荷10を掬うことが可能となり、また荷10を車体12に対して、左右の一方にずらして搬送し、卸すことが可能となる。
【0064】
なお、上記実施例では、昇降支持体として、左右一対のフォーク14R,14Lを使用したが、平板状のプラットホームであってもよく、この場合には前端部に少なくとも左右一対のフォーク部リフト装置51が、幅方向に所定間隔をあけて設けられる。
また上記実施例では、出入り口2の天井高さが限られた荷室3を、コンテナ1としているが、勿論、コンテナ1以外に、出入り口の天井高さが限られた倉庫、部屋、あるいは荷を保管する通路等であってもよい。
また本発明の荷役車両11は、荷室3に対して荷10の搬入、搬出を実行しているが、傾斜路を走行して、出入り口の天井高さが限られた水平通路を移動・通過する荷役車両に適用できる。