(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係る加熱調理器を、誘導加熱による調理鍋載置部を左右手前に二口、中央奥側に一口備えた、ビルトイン型(組み込み型)のIHクッキングヒータに適用した場合を例に説明する。なお、以下に示す図面の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0014】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る加熱調理器の構成を示す分解斜視図である。
図2は、実施の形態1に係る加熱調理器の構成を説明する平面図であり、冷却風の流れを矢印で示している。
なお、以下の説明において、理解を容易にするために方向を表す用語(例えば「上」、「下」、「右」、「左」、「前」、「後」など)を適宜用いるが、これは説明のためのものであって、これらの用語は本願発明を限定するものではない。
【0015】
図1に示すように、加熱調理器100は、筐体1と、加熱調理器100の上面を構成し鍋などの被加熱物が載置されるトッププレート10とを備える。トッププレート10は、耐熱強化ガラスにより形成されており、筐体1の上面開口外周との間にゴム製パッキンやシール材を介して水密状態に固定される。筐体1の内部には、トッププレート10上に載置される被加熱物を誘導加熱するための複数の右コイルユニット2a、左コイルユニット2b、中央コイルユニット2c(以下、コイルユニット2と総称する場合がある)が設けられており、各コイルユニットの下側にはこれと対向するようにコイル冷却ダクト3a、3b、3c(以下、コイル冷却ダクト3と総称する場合がある)が設けられている。筐体1内の左側には、ロースター4が配置され、その側方である筐体1内の右側には、制御基板5などを収容した基板ケース6が設けられている。基板ケース6の後方には、冷却ファン7が配設されている。
【0016】
筐体1は、加熱調理器100のうち上面以外を構成する外郭である。
図1では、上面が開放された略箱形状の筐体1を例示しているが、特にこの形状に限定されるものではない。
図1に図示されるように、筐体1の正面から見て左側にロースター4が設置され、正面から見て右側に基板ケース6が設置されている。なお、ロースター4と基板ケース6の左右の配置は逆でもよい。ロースター4と基板ケース6の上方には、コイルユニット2が配置される。
【0017】
ロースター4は、ほぼ直方体の外郭を有し、引出し可能なロースター扉49を備える。ロースター4の内部には、例えばシーズヒーターなどの加熱手段が設けられており、この加熱手段によりロースター4内に収容された食材を加熱する。
【0018】
コイルユニット2は、トッププレート10上に載置される鍋などの被加熱物を誘導加熱する加熱手段である。コイルユニット2は、誘導加熱コイル、誘導加熱コイルを支持するコイルベース、及びフェライト(それぞれ図示省略)などから構成されている。誘導加熱コイルは、高周波電流が流れることにより高周波磁界を発生させ、その磁力線によってトッププレート10上に載置される被加熱物8に渦電流が生じ、被加熱物8が発熱することで加熱されるようになっている。コイルベースには、誘導加熱コイルが接着剤等により固定されるとともに、発生した磁力線が下方に流れるのを防止し磁力線を被加熱物8へと集中させる目的としてフェライトが設けられている。本実施の形態1では、3つの加熱口のそれぞれに右コイルユニット2a、左コイルユニット2b、中央コイルユニット2cを設けた例を示すが、コイルユニットに代え、商用周波数の交流電力が供給されることによってヒータそのものが発熱し、その輻射熱で被加熱物8を加熱するラジエントヒータを加熱手段として用いてもよい。また、加熱口の数についても図示のものに限定されない。
【0019】
トッププレート10には、被加熱物8を載置する位置を示す鍋位置表示部12a、12b、12c(以下、鍋位置表示部12と総称する場合がある)が形成されている。各鍋位置表示部12は、各コイルユニット2にそれぞれ対応して、筐体1の手前左右の2箇所と、筐体1の奥ほぼ中央の1箇所に配置されている。
【0020】
また、トッププレート10の手前側には、液晶画面やランプ等の視覚的な表示手段を備えた操作部9が設けられている。また、筐体1の前面にも、操作部9が設けられている。操作部9は、加熱調理器100における加熱動作の設定を受け付けるための操作ボタンやスイッチ等で構成されている。操作部9の具体的構成を限定するものではなく、例えばタッチパネルにより構成された操作部9を設けてもよい。また、本実施の形態1では、トッププレート10と筐体1の前面に操作部9を設ける例を示しているが、いずれかにのみ操作部9を設けてもよい。
【0021】
トッププレート10の後方(奥側)には、吸気口15と、排気口16とが開口している。筐体1内の吸気口15の下方には、冷却ファン7が設けられており、冷却ファン7が回転することにより、筐体1の外部から空気が吸気口15へ吸い込まれ、吸い込まれた空気は基板ケース6内へと流入する。また、排気口16は、筐体1内を流れた冷却風を筐体1の外部へと流出させるための開口部である。なお、ここでは、トッププレート10の後方に吸気口15と排気口16という通気口を形成した例を示しているが、これら通気口の配置を限定するものではない。例えば、トッププレート10の後方に通気口を設けるのではなく、筐体1の前面及び背面に通気口を形成して冷却風の吸気口15と排気口16としてもよい。
【0022】
基板ケース6内には、複数の制御基板5が収納されている。各制御基板5には、誘導加熱コイルに高周波電流を供給させるためのインバータ11や、インバータ11やロースター4、冷却ファン7などを駆動制御するマイクロコンピュータを含む制御回路が実装されている。本実施の形態1では、制御基板5に実装され、この加熱調理器100の動作を制御する制御回路群を、制御部13と称する。インバータ11は、スイッチング素子等の発熱部分で形成された回路と、その回路に接続されている1又は2個以上のコンデンサとを備える。なお、各コイルユニット2の誘導加熱コイルに個別に高周波電流を供給できるよう、誘導加熱コイルに対応して複数のインバータ11が設けられている。
【0023】
基板ケース6には、冷却ファン7の空気流れの下流側と対向する位置に、冷却ファン7からの冷却風を内部に導入するための流入口(図示せず)が形成され、また、コイル冷却ダクト3aと対向する位置には、冷却風の出口となる流出口(図示せず)が形成されている。基板ケース6は、制御基板5を収容するためのケースであると同時に、冷却ファン7により供給される冷却風によって制御基板5を冷却するための冷却風路を兼ねている。
【0024】
次に、ロースター4及びロースター4の脱臭・排煙を行うための構成について説明する。
図3は、実施の形態1に係る加熱調理器の断面模式図であり、
図2のA−A’線における断面を示している。
図4は、実施の形態1に係る加熱調理器の脱臭・排煙装置を示す斜視図である。
図5は、実施の形態1に係る加熱調理器の脱臭・排煙装置の要部断面模式図であり、
図4のB面における断面を示している。
以下、
図2〜
図5を適宜参照しつつ説明する。
【0025】
ロースター4は、前面を開口した金属製の筐体により構成された加熱室41と、加熱室41の前面開口を開閉可能に覆う引出し式のロースター扉49とを備えている。ロースター扉49には、ロースター4内の煙を排気するための空気を外部からロースター4内に取り込むための開口部として、通風穴49aが設けられている。また、加熱室41内に収容される食材を加熱するための加熱手段として、加熱室41内の上部には例えばシーズヒーターからなる上ヒータ42aが配置され、下部には下ヒータ42bが配置されている。
【0026】
ロースター4の底面には、ロースター4を支持する脚部としてロースター脚19が取り付けられており、ロースター4はロースター脚19を介して筐体1の底面に設置される。このため、ロースター脚19の高さの分だけ、ロースター4の底面と筐体1の底面との間に、通風可能な隙間(空間)が形成される。このロースター4の底面と筐体1の底面との間に形成される隙間を、底部通風路50と称する。
【0027】
ロースター4の背面には、被加熱物である魚などの調理中に発生する煙や臭いなどを除去する脱臭・排煙装置43が設けられている。本実施の形態1では、脱臭・排煙装置43は、ロースター4の左右方向(幅方向)の略真ん中に位置するように配置されており(
図2参照)、ロースター4内の煙をムラなく均一に排出できるようになっている。この脱臭・排煙装置43は、大まかには、排煙ダクト44と、排煙ダクト44の下側に設けられた煙誘引装置45とを備える。
【0028】
排煙ダクト44は、板金によって構成され、立体形状がほぼL字状に形成されている。
排煙ダクト44の入口側の端部である吸込口44aは、ロースター4の加熱室41の背面に形成された背面排気口41aと連通し、出口側の端部である排出口44bは、トッププレート10の排気口16と連通している。
【0029】
図4、
図5に示すように、排煙ダクト44の下面44cは、吸込口44aの中心軸方向に水平に延びており、この下面44cには、下面44cとの成す角が鈍角になるように設けられ上方に向かって延びる起立面44dが連なっている。また、排煙ダクト44の上面44eは、同一中心軸方向に延びるに従って上方に向かって傾斜しており、この上面44eには、上面44eの端部との成す角が鈍角になるように設けられ上方に向かって延びる起立面44fが連なっている。
【0030】
そして、排出口44bの開口面積は、吸込口44aの開口面積よりも小さく構成されている。また、排煙ダクト44内において、上面44eと下面44cとで挟まれた部分の風路断面積は、起立面44dと起立面44fとで挟まれた部分の風路断面積よりも大きく構成されている。
【0031】
また、排煙ダクト44の下面44cにおいて、排出口44bの下方には、平面形状が三角形の通風口44gが設けられている(
図4参照)。
【0032】
この排煙ダクト44内の吸込口44a近傍には、例えばシーズヒーターからなる触媒ヒータ46と、例えばパラジウム触媒からなる脱臭触媒47とが設けられている。また、脱臭触媒47の温度を検出して検出結果を制御部13に出力する図示しない温度センサが設けられている。
【0033】
煙誘引装置45は、例えば、合成樹脂材により一体に成形され、内部にほぼS字状の風路(
図5参照)が形成された誘引ダクト45aと、この誘引ダクト45aの風路内のほぼ中央に防振部材(図示せず)を介在して嵌合された排煙ファン48と、板金よりなるスペーサ45dとを備えている。
【0034】
誘引ダクト45a内の排煙ファン48は、本実施の形態1では軸流ファンである。この軸流ファンには、一般に市販されているファンモーター(ここではDCモーター)が使用されている。
【0035】
誘引ダクト45aのほぼS字状の風路の入口として、平面形状が四辺形の開口部が形成されており、以下、この開口部を空気吸引口45bという。また、誘引ダクト45aの風路の出口として、空気吸引口45bと同様に平面形状が四辺形の開口部が形成されており、以下、この開口部を上面開口部45cという。この誘引ダクト45aの両側壁の下部には、外側に突出するように設けられた平板状の取付部45kが設けられており、誘引ダクト45aは、取付部45kに形成された取り付け穴を介してネジ等によって筐体1の底部に固定される(
図4参照)。
【0036】
筐体1の底面には、一又は複数の貫通穴17が設けられており、誘引ダクト45aが筐体1に取り付けられた状態において、空気吸引口45bは、筐体1底面に設けられた貫通穴17の開口面を覆うような位置関係となる。より好ましくは、空気吸引口45bの中心と貫通穴17の中心とがほぼ同じ軸上となるようにする。誘引ダクト45aは、空気吸引口45bと、筐体1の底部に形成された貫通穴17とを介して、筐体1の外部と連通した状態となる。
【0037】
また、誘引ダクト45aにおいて、ロースター4に対向する面である前面の下部には、空気取込穴45hが設けられている。空気取込穴45hは、ロースター4に対向する位置に開口しているのが好ましい。さらに好ましくは、空気取込穴45hは、ロースター4の下方に形成された底部通風路50と対向するように、底部通風路50とほぼ同じ高さに開口しているのがよい。このようにすることで、後述するように、前方貫通穴18から空気取込穴45hまで圧力損失の少ない空気の流路を形成することができる。この空気取込穴45hは、主にロースター4の底面と筐体1底面との間の空間である底部通風路50の空気を吸い込むためのものであるが、コイルユニット2やロースター4、制御基板5から発生する熱で温められた筐体1内の空気の一部も、この空気取込穴45hから誘引ダクト45a内へ吸い込まれる。
【0038】
スペーサ45dは、誘引ダクト45aの上面に形成された上面開口部45cを覆うように設けられ、このスペーサ45dの上に排煙ダクト44が載置される。すなわち、誘引ダクト45aの上面に、スペーサ45dを介して排煙ダクト44が取り付けられる。排煙ダクト44は、スペーサ45d上に接着剤で固定される。
スペーサ45dには、排煙ダクト44の下面44cに設けられた通風口44gと同じサイズの三角形状の通風口45eが設けられている。スペーサ45dに排煙ダクト44を載せて所定位置に設置した場合、双方の通風口44g、45eが重なる。
図4において、通風口44g、45eの形状が、紙面手前から奧(
図4の矢印S方向)に行くに従って一方の辺が他方の辺に斜めに接近して小さくなっているのは、排煙ファン48からの風量のバラツキを低減させるためである。すなわち、本実施の形態1において軸流ファンである排煙ファン48は、ロースター4の前面から見て反時計回りに回転するものであり、排煙ファン48からの風量はロースター4の幅方向にバラツキがあるため、幅方向において風量が大きい側の通風口44g、45eの開口面積を相対的に小さくすることで、風量のバラツキを低減して風が効率よく通風口44g、45eを通過するようにしている。
【0039】
筐体1の前方底面において、ロースター4の下側位置には、
図2及び
図3に示すように、複数の前方貫通穴18a、18b、18c(以下、前方貫通穴18と総称する場合がある)が設けられている。この前方貫通穴18は、ロースター4の底面と筐体1底面との間の空間である底部通風路50に送風するためのものであり、主に加熱調理器100の周辺下部の空気を取り入れる役割を果たす。前方貫通穴18は、ロースター4の奥側(背面側)に設けられた空気取込穴45hに対し、これと奥行き方向において対向するようにロースター4の手前側に設けられている。このように構成しているのは、前方貫通穴18から空気取込穴45hに至る空気の流路を、ロースター4の奥行き方向においてなるべく長く形成するためである。
【0040】
また、本実施の形態1では、複数の前方貫通穴18は、筐体1の底面に、ロースター4の幅方向に対して左右対称に配置されている。また、複数の前方貫通穴18のうち、ロースター4の筐体1への設置部となるロースター脚19の近傍に設けられた前方貫通穴18a、18cは、ロースター脚19から遠い位置に設けられた前方貫通穴18bよりも開口面積が大きくなるように構成されている。
【0041】
なお、本実施の形態1における「貫通穴17」は、本発明における「第一貫通口」に相当する。
また、本実施の形態1における「前方貫通穴18」は、本発明における「第二貫通口」に相当する。
また、本実施の形態1における「空気吸引口45b」は、本発明における「第一吸引口」に相当する。
また、本実施の形態1における「空気取込穴45h」は、本発明における「第二吸引口」に相当する。
【0042】
次に、加熱調理器100使用中の筐体1内の冷却風路について、
図2を参照して説明する。
トッププレート10に被加熱物8が載置され、操作部9にてコイルユニット2による加熱開始が指示されると、制御部13はインバータ11を駆動してコイルユニット2の誘導加熱コイルに高周波電流を流す。これと並行して、制御部13は、冷却ファン7を回転させる。
【0043】
冷却ファン7が回転すると、トッププレート10の後方上面に形成された吸気口15から空気が吸い込まれ(矢印X1参照)、その空気が冷却風として基板ケース6内へと流入する。基板ケース6内に流入した冷却風は(矢印X2参照)、基板ケース6内の制御基板5に実装されたインバータ11のスイッチング素子などの発熱部品や耐熱温度の低い部品の冷却を行い、その後、基板ケース6と接続された右側のコイル冷却ダクト3aへと供給される。コイル冷却ダクト3aに到達した空気の一部は、コイル冷却ダクト3a上壁面の複数の吐出穴(図示省略)から噴き出され、一部はコイル冷却ダクト3aの側方に接続された左コイル冷却ダクト3bへと供給される。吐出穴から噴き出された冷却風は、右コイルユニット2a、左コイルユニット2bのコイルベース(図示省略)底面の開口部を通過して誘導加熱コイルへと到達し、主に衝突噴流による熱伝達により冷却を行う。中央コイルユニット2cは右コイルユニット2a又は左コイルユニット2bを冷却した後の風により冷却される。制御基板5及びコイルユニット2を冷却した冷却風は、熱交換により温度が上昇した状態で、トッププレート10の下面に沿って流れて、矢印X3に示すように、トッププレート10の後方上面の排気口16から本体外部へと排出される。
【0044】
次に、本発明の実施の形態1の加熱調理器100が、ロースター4内の煙を外部に排出させるときの動作について、
図2、
図3、
図5を参照して説明する。
ロースター4による加熱を行っている際に、例えば脱臭・排煙装置43の触媒ヒータ46に加熱されることによって脱臭触媒47が所定の高温になったことが検知されると、制御部13は、煙誘引装置45の排煙ファン48を回転させる。この排煙ファン48の回転により、筐体1外の空気が筐体1底面後方の貫通穴17と誘引ダクト45aの下部の空気吸引口45bを介して、誘引ダクト45a内の風路内に流れ込む(矢印Y1参照)。
【0045】
また、排煙ファン48の回転により、筐体1外の空気が筐体1の底面前方に設けられた前方貫通穴18から流入し、筐体1の底面とロースター4の底面との間に形成された底部通風路50を通り、誘引ダクト45a前面下部の空気取込穴45hから誘引ダクト45a内の風路内に流れ込む(矢印Y2参照)。
【0046】
このように、本実施の形態1の脱臭・排煙装置43は、排煙ファン48の回転によって、筐体1底面の貫通穴17を通過した空気及び前方貫通穴18を通過した空気を吸い込むように構成されている。
【0047】
誘引ダクト45a内の風路に導かれた空気は、排煙ファン48により送出されて誘引ダクト45a上部の上面開口部45c、その上に設けられたスペーサ45dに形成された三角形状の通風口45e、及び排煙ダクト44の下面44cに設けられた三角形状の通風口44gを抜けて、排煙ダクト44内に流入し、上方の排気口16から排出される。
【0048】
そして、排煙ファン48から吐き出された空気は、通風口45e、44gを通過することで、比較的大きな流速で排煙ダクト44内に流入する。このとき、排煙ダクト44内において相対的に大きな風路断面積で形成されたロースター4側の部分(上面44eと下面44cで挟まれた部分)の方が相対的に高静圧となり、通風口44g、45e付近が低静圧となる。このため、排煙ダクト44内の脱臭触媒47側の空気が誘引されて排気口16側に流れるようになり、結果的にロースター4内の煙が誘引される。これに伴い、外部の空気が、ロースター4の前面に設けたロースター扉49の通風穴49aを通って加熱室41内に流入し、加熱室41に流入した空気は、加熱室41を通って排煙ダクト44に流入する。そして、加熱室41から排煙ダクト44に流入した空気は、脱臭触媒47を通過する過程で脱臭された後、通風口44g、45eを通って排煙ダクト44内に吐き出された空気とともに、上方の排気口16から排出される。
【0049】
以上のように本実施の形態1によれば、排煙ダクト44の下側に、排煙ファン48を内蔵し排煙ダクト44と連通する煙誘引装置45を設置した。そして、排煙ファン48を内蔵する煙誘引装置45の誘引ダクト45aに、筐体1外の空気を吸引する空気吸引口45bと空気取込穴45hとを設け、排煙ファン48の回転によって、筐体1外の空気を空気吸引口45b及び空気取込穴45hから排煙ダクト44内に送り込むことで加熱室41内の煙を誘引し、排気口16から排出させるようにした。このように、排煙ファン48は、ロースター4の加熱室41から排気される高温の煙の風路上に配置されていないため、加熱室41内の高温空気に耐え得るような特殊なファンを排煙ファン48として用いる必要がない。そのため、金属製のファンではなく市販されている安価な排煙ファン48を用いることができ、そのようにすることで、構造が複雑化せずに効率良く排煙が可能になり、低コスト化に加えて、ロースター4の後方スペースをロースター4のサイズ拡大などに有効的に使用することが可能となる。
【0050】
また、本実施の形態1によれば、ロースター4の底面と筐体1の底面との間に底部通風路50を設けるとともに、底部通風路50の他端側に位置しロースター4と対向する誘引ダクト45aには空気取込穴45hを設けた。したがって、排煙ファン48の回転によって、ロースター4と筐体1底面との間の底部通風路50に空気が流れるので、ロースター4の底面から筐体1への伝熱を抑制し、筐体1の外郭表面の高温化を抑制することができる。また、底部通風路50の入口側である筐体1の底面前方には、前方貫通穴18を設けたので、排煙ファン48の回転によって、筐体1外の空気が、筐体1底面前方の前方貫通穴18から流入して底部通風路50を通り、誘引ダクト45a内に流れ込む。このように、筐体1外の空気が底部通風路50を流れるようにしたので、ロースター4の底面から筐体1への伝熱や、筐体1の外郭表面の高温化を、さらに抑制することができる。したがって、本実施の形態1によれば、使用者が筐体1の外郭に触れてもやけどしにくく、また、キッチン内の雰囲気温度を上昇させにくい加熱調理器100を得ることができる。
【0051】
このようにロースター4使用時における筐体1外郭表面の高温化を抑制できることにより、ロースター4の側面や上面と筐体1との隙間を従来よりも狭めることができ、ロースター4のサイズを大型化することが可能となる。また、ロースター4のヒータ等の加熱手段の出力を大きくすることも可能であり、高火力化によって調理時間の短縮を実現することができる。また、筐体1の外郭表面の高温化を抑制することで、筐体1の表面が熱により劣化するのを抑制でき、加熱調理器100を長期間使用することが可能となる。
【0052】
また、本実施の形態1によれば、煙誘引装置45内の排煙ファン48の回転により、筐体1外部の空気が、前方貫通穴18から流入して底部通風路50を通り、誘引ダクト45aの前面下部の空気取込穴45hを介して誘引ダクト45a内の風路内に流れ込むことで筐体1外郭表面温度を冷却している。このように、ロースター4の底面を冷却するための冷却風は、冷却ファン7によって生成される制御基板5やコイルユニット2を冷却するための冷却風とは別に、排煙ファン48によって生成される。このため、ロースター4の底面を冷却するための構成が、筐体1内部の制御基板5やコイルユニット2の冷却に影響を与えることが無い。その結果、筐体1の外郭表面温度を冷却するために冷却ファン7の回転数を上げる必要がなく、加熱調理器100の運転騒音を低下させることが可能となる。
【0053】
また、本実施の形態1によれば、排煙ファン48は、筐体1底面の貫通穴17に加え、前方貫通穴18からも空気を吸い込む。このため、筐体1底面の貫通穴17を通過した空気のみを吸い込む場合と比較して、吸込風路の圧力損失を低下させることができるため、排煙ファン48の動作負荷が低減され、吐き出し風量をさせることができ、また、回転数を低下させることができる。その結果、通風口44g、45eから吐き出す風量が増加することから誘引効果が高くなり、ロースター4内から排煙ダクト44を経て排気口16へと排出される煙の量が増加し、より確実にロースター4内の煙を排出することが可能となる。また、排煙ファン48の回転数を低下させることで、排煙ファン48の駆動により発生する騒音を低減することが可能となる。
【0054】
また、本実施の形態1では、誘引ダクト45a前面下部のロースター4に対向する位置に空気取込穴45hを設け、排煙ファン48の回転により、筐体1外部の空気が前方貫通穴18から流入して底部通風路50を通るようにして、筐体1の外郭表面を冷却している。このように、前方貫通穴18を筐体1の底面前方に設け、空気取込穴45hを誘引ダクト45aの前面下部に設けることで、前方貫通穴18から空気取込穴45hに至る空気の流路はほぼ直線状となり、流路の曲がりが少ない。したがって、例えば空気取込穴45hを誘引ダクト45aの側面などに設けた場合と比較して、筐体1底面とロースター4との間に形成された底部通風路50に流れる空気の流速を増加させることができ、筐体1外郭表面温度の冷却効果を向上させることが可能となる。
【0055】
また、本実施の形態1によれば、誘引ダクト45aの空気取込穴45hをロースター4の左右方向ほぼ真ん中に設けるとともに、筐体1の底面前方に設けた複数の前方貫通穴18を、ロースター4に対して左右対称に配置したので、筐体1の底面にまんべんなく冷却風を流すことができる。また、複数の前方貫通穴18のうち、ロースター4の筐体1への設置部となるロースター脚19の近傍のものの開口面積を相対的に大きく構成したので、筐体1の外郭表面の中で最も高温となるロースター4の設置部を積極的に冷却することができ、筐体1の外郭表面温度の冷却効果を向上させることが可能となる。
【0056】
さらに、本実施の形態1によれば、煙誘引装置45の誘引ダクト45aを樹脂材で一体成形しているので、誘引ダクト45a内の気密性が向上するとともに、部品点数を抑えることができ、部品点数の削減による構造の簡素化が可能となる。
【0057】
なお、本実施の形態1では、前方貫通穴18を設ける例を示したが、前方貫通穴18を設けない構成とすることもできる。この場合でも、排煙ファン48の回転によって底部通風路50内の空気を空気取込穴45hから誘引ダクト45a内へ吸い込むことができ、底部通風路50内に空気の流れを形成することでロースター4の底面から筐体1の底面へ伝わる熱を低減することができる。
【0058】
実施の形態2.
図6は、実施の形態2に係る加熱調理器の構成を説明する平面図である。なお、実施の形態2では実施の形態1との相違点を中心に説明し、実施の形態1と同一部分には、同一符号を付して説明を省略するものとする。
【0059】
図6に示すように、本実施の形態2では、脱臭・排煙装置43は、ロースター4の水平左右方向の一方に寄った位置(
図6の例では上面から見て右側)に配置されている。このような構成となる背景としては、例えば、触媒ヒータ46の接続端子などの周辺部品との干渉により、ロースター4の背面の左右中心に脱臭・排煙装置43を配置できないという場合が考えられる。なお、この脱臭・排煙装置43は、実施の形態1と同様に、被加熱物である魚などの調理中に発生する煙や臭いなどを除去する役割を果たすものであり、排煙ダクト44と、排煙ダクト44の下側に設けられた煙誘引装置45とを備える。
【0060】
筐体1の前方底面には、複数の前方貫通穴118a、118b、118c、118d(以下、前方貫通穴118と総称する場合がある)が設けられている。この前方貫通穴118は、加熱調理器100の使用時にロースター4と筐体1底面との間の空間である底部通風路50に送風すべく、主に加熱調理器100の周辺下部の空気を取り入れるための役割を果たす。本実施の形態1では、複数の前方貫通穴118は、ロースター4の水平方向に対して左右の真ん中から片側(上面から見て左側)に設けられたものの開口面積の合計が、他方の側よりも大きくなるように構成されている。
図6の例では、上面から見て左側に位置する前方貫通穴118a、118b、118cの開口面積の合計が、右側に位置する前方貫通穴118dの開口面積の合計よりも大きい。すなわち、ロースター4を平面的に見て、煙誘引装置45の誘引ダクト45aに設けられた空気取込穴45hと対角に位置する側の前方貫通穴118の開口面積を、相対的に大きくしているのである。
【0061】
また、複数の前方貫通穴118のうち、ロースター4の筐体1への設置部となるロースター脚19の近傍のものは、ロースター脚19から遠いものよりも開口面積を大きくして設けられている。
【0062】
また、本実施の形態2では、筐体1の側面に、複数の側面貫通穴20が設けられている。この側面貫通穴20は、前方貫通穴18と同様に、加熱調理器100の使用時にロースター4と筐体1底面との間に形成された底部通風路50に送風するためのものであり、主に加熱調理器100の周辺側方部の空気を取り入れる役割を果たす。
【0063】
なお、本実施の形態2における「側面貫通穴20」は、本発明における「第三貫通口」に相当する。
【0064】
次に、本発明の実施の形態2の加熱調理器100が、ロースター4内の煙を外部に排出させるときの動作について、
図6を参照して説明する。
ロースター4による加熱を行っている際に、例えば脱臭・排煙装置43の触媒ヒータ46に加熱されることによって脱臭触媒47が所定の高温になったことが検知されると、制御部13は、煙誘引装置45の排煙ファン48を回転させる。この排煙ファン48の回転により、筐体1外の空気が筐体1底面後方の貫通穴17と誘引ダクト45aの下部の空気吸引口45bを介して、誘引ダクト45a内の風路内に流れ込む(矢印Y1参照)。
【0065】
また、排煙ファン48の回転により、筐体1外の空気が筐体1底面前方の前方貫通穴18から流入し、筐体1の底面とロースター4の底面との間に形成された底部通風路50を通り、誘引ダクト45a前面下部の空気取込穴45hから誘引ダクト45a内の風路内に流れ込む(矢印Y2参照)。
【0066】
また、同じく排煙ファン48の回転により、筐体1外の空気が筐体1側面の側面貫通穴20から流入し(矢印Y3参照)、筐体1の底面とロースター4の底面との間に形成された底部通風路50を通り、誘引ダクト45a前面下部の空気取込穴45hから誘引ダクト45a内の風路内に流れ込む。また、側面貫通穴20から筐体1内に流入した空気の一部は、ロースター4の側面と筐体1の側面との間を通過しつつ、空気取込穴45hから誘引ダクト45a内の風路内に流れ込む。
【0067】
このように、本実施の形態2の加熱調理器100は、排煙ファン48の回転により、筐体1底面の貫通穴17を通過した空気、前方貫通穴18を通過した空気、及び側面貫通穴20を通過した空気を吸い込むように構成されている。
【0068】
誘引ダクト45a内の風路に導かれた空気は、排煙ファン48により送出されて誘引ダクト45a上部の上面開口部45c、その上に設けられたスペーサ45dに形成された三角形状の通風口45e、及び排煙ダクト44の下面44cに設けられた三角形状の通風口44gを抜けて、排煙ダクト44内に流入し、上方の排気口16から排出される。
【0069】
そして、排煙ファン48から吐き出された空気は、通風口45e、44gを通過することで、比較的大きな流速で排煙ダクト44内に流入する。このとき、排煙ダクト44内において相対的に大きな風路断面積で形成されたロースター4側の部分(上面44eと下面44cで挟まれた部分)の方が相対的に高静圧となり、通風口44g、45e付近が低静圧となる。このため、排煙ダクト44内の脱臭触媒47側の空気が誘引されて排気口16側に流れるようになり、結果的にロースター4内の煙が誘引される。これに伴い、外部の空気が、ロースター4の前面に設けたロースター扉49の通風穴49aを通って加熱室41内に流入し、加熱室41に流入した空気は、加熱室41を通って排煙ダクト44に流入する。そして、加熱室41から排煙ダクト44に流入した空気は、脱臭触媒47を通過する過程で脱臭された後、通風口44g、45eを通って排煙ダクト44内に吐き出された空気とともに、上方の排気口16から排出される。
【0070】
以上のように本実施の形態2によれば、実施の形態1と同様に、排煙ファン48がロースター4の加熱室41から排気される高温の煙の風路上に配置されていないため、加熱室41内の高温空気に耐え得る必要のない排煙ファン48を使用できる。そのため、金属製のファンではなく市販されている安価な排煙ファン48を用いることができ、そのようにすることで、構造が複雑化せずに効率良く排煙が可能になり、低コスト化に加えて、ロースター4の後方スペースをロースター4のサイズ拡大などに有効的に使用することが可能となる。
【0071】
また、本実施の形態2によれば、ロースター4の底面と筐体1の底面との間に底部通風路50を設けるとともに、底部通風路50の他端側に位置しロースター4と対向する誘引ダクト45aには空気取込穴45hを設けた。したがって、排煙ファン48の回転によって、ロースター4と筐体1底面との間の底部通風路50に空気が流れるので、ロースター4の底面から筐体1への伝熱を抑制し、筐体1の外郭表面の高温化を抑制することができる。また、底部通風路50への外部の空気の流入口として、筐体1の底面前方には前方貫通穴18を設けるとともに、筐体1の側面に側面貫通穴20を設けた。このような構成により、排煙ファン48の回転によって、筐体1外の空気が、筐体1底面前方の前方貫通穴18と側面貫通穴20から流入して底部通風路50を通り、誘引ダクト45a内に流れ込むようにした。このように、ロースター4と筐体1底面との間の底部通風路50を外部の空気が流れることで、ロースター4の底面から筐体1への伝熱を抑制し、筐体1の外郭表面の高温化を抑制することができる。したがって、本実施の形態2の加熱調理器100によれば、使用者が筐体1の外郭に触れてもやけどしにくく、また、キッチン内の雰囲気温度を上昇させにくい。
【0072】
また、本実施の形態2によれば、煙誘引装置45内の排煙ファン48の回転により、筐体1外部の空気が、前方貫通穴18及び側面貫通穴20から流入して底部通風路50を通り、誘引ダクト45aの前面下部の空気取込穴45hを介して誘引ダクト45a内の風路内に流れ込むことで筐体1外郭表面温度を冷却している。このように、ロースター4の底面を冷却するための冷却風は、冷却ファン7によって生成される制御基板5やコイルユニット2を冷却するための冷却風とは別に、排煙ファン48によって生成される。このため、ロースター4の底面を冷却するための構成が、筐体1内部の制御基板5やコイルユニット2の冷却に影響を与えることが無い。その結果、筐体1の外郭表面温度を冷却するために冷却ファン7の回転数を上げる必要がなく、加熱調理器100の運転騒音を低下させることが可能となる。
【0073】
また、本実施の形態2によれば、排煙ファン48は、筐体1底面の貫通穴17に加え、前方貫通穴18、及び側面貫通穴20からも空気を吸い込む。このため、筐体1底面の貫通穴17を通過した空気のみを吸い込む場合と比較して、吸込風路の圧力損失を低下させることができるため、排煙ファン48の動作負荷が低減され、吐き出し風量をさせることができ、また、回転数を低下させることができる。その結果、通風口44g、45eから吐き出す風量が増加することから誘引効果が高くなり、ロースター4内から排煙ダクト44を経て排気口16へと排出される煙の量が増加し、より確実にロースター4内の煙を排出することが可能となる。また、排煙ファン48の回転数を低下させることで、排煙ファン48の駆動により発生する騒音を低減することが可能となる。
【0074】
また、本実施の形態2では、誘引ダクト45a前面下部のロースター4に対向する位置に空気取込穴45hを設け、排煙ファン48の回転により、筐体1外部の空気が前方貫通穴18及び側面貫通穴20から流入して底部通風路50を通るようにして、筐体1の外郭表面温度を冷却している。このように、前方貫通穴18を筐体1の底面前方に設け、空気取込穴45hを誘引ダクト45aの前面下部に設けることで、前方貫通穴18から空気取込穴45hに至る空気の流路はほぼ直線状となり、流路の曲がりが少ない。また、側面貫通穴20から空気取込穴45hに至る流路は、前方貫通穴18から空気取込穴45hに至る流路と比べて曲がる部分が多いものの、空気取込穴45hを誘引ダクト45aの側面に設けた場合と比較すると流路の曲がりが少ない。したがって、例えば空気取込穴45hを誘引ダクト45aの側面などに設けた場合と比較して、筐体1底面とロースター4との間に形成された底部通風路50に流れる空気の流速を増加させることができ、筐体1外郭表面温度の冷却効果を向上させることが可能となる。
【0075】
また、本実施の形態2によれば、ロースター4の水平方向の左右片側(上面から見て右側)に寄せて脱臭・排煙装置43を設けた構成において、ロースター4を平面的に見て煙誘引装置45の空気取込穴45hと対角に位置する部分の前方貫通穴118の開口面積を、相対的に大きくした。すなわち、ロースター4の前方の水平方向において、左右片側(上面から見て左側)の前方貫通穴118の開口面積の合計を、他方(上面から見て右側)の前方貫通穴118の開口面積の合計よりも大きくした。このように構成することで、上面から見て前方左側に形成された前方貫通穴118a、118b、118cから、後方右側に設けられた空気取込穴45hへ向かう空気の流れが形成される。このように、ロースター4の前方から後方に向かって略斜めに流れる大きな流れを形成することで、筐体1の底面を全体にわたって冷却することができる。
【0076】
さらに、本実施の形態2によれば、筐体1側面に複数の側面貫通穴20を設けているので、側面貫通穴20から流入した空気の一部は、ロースター4の側面と筐体1側面との間で形成された通風路内にも流れる。このため、筐体1の底面だけでなく側面の外郭表面温度も低温化させることが可能となる。
なお、本実施の形態2で示した側面貫通穴20を、前述の実施の形態1で示した加熱調理器に組み合わせてもよく、同様の効果を得ることができる。
【0077】
実施の形態3.
前述の実施の形態1、2では、複数の前方貫通穴を設ける例を示したが、本実施の形態3では、1つの開口部からなる前方貫通穴を設ける例を説明する。
図7は、実施の形態3に係る加熱調理器の構成を説明する要部の平面図である。
図7では、ロースター4の近傍のみを図示している。なお、実施の形態3では実施の形態1、2との相違点を中心に説明し、実施の形態1、2と同一部分には、同一符号を付して説明を省略するものとする。
【0078】
図7(a)は、実施の形態1と同様に脱臭・排煙装置43をロースター4の幅方向中央に設けた場合において、一つの開口部からなる前方貫通穴218を設けた例を示している。
図7(a)に示すように、前方貫通穴218は、筐体1の底面に、ロースター4の幅方向に対して左右対称の開口面積となるように形成されている。また、ロースター脚19に近づくほど、前方貫通穴218の開口面積が大きくなるように構成されている。
このように、一つの開口部によって前方貫通穴218を構成しても、実施の形態1と同様の作用効果を得ることができる。
【0079】
図7(b)は、実施の形態2と同様に脱臭・排煙装置43をロースター4の左右一方に寄せて設けた場合において、一つの開口部からなる前方貫通穴318を設けた例を示している。
図7(b)に示すように、前方貫通穴318は、ロースター4の左右方向において、煙誘引装置45の空気取込穴45hと対角に位置する側の開口面積の方が、相対的に大きくなるように構成されている。さらに、ロースター脚19に近づくほど、前方貫通穴218の開口面積が大きくなるように構成されている。
このように、一つの開口部によって前方貫通穴318を構成しても、実施の形態2と同様の作用効果を得ることができる。