特許第5921476号(P5921476)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5921476
(24)【登録日】2016年4月22日
(45)【発行日】2016年5月24日
(54)【発明の名称】炊飯器
(51)【国際特許分類】
   A47J 27/00 20060101AFI20160510BHJP
【FI】
   A47J27/00 109K
   A47J27/00 109P
【請求項の数】7
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-61764(P2013-61764)
(22)【出願日】2013年3月25日
(65)【公開番号】特開2014-184044(P2014-184044A)
(43)【公開日】2014年10月2日
【審査請求日】2015年6月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000176866
【氏名又は名称】三菱電機ホーム機器株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085198
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 久夫
(74)【代理人】
【識別番号】100098604
【弁理士】
【氏名又は名称】安島 清
(74)【代理人】
【識別番号】100087620
【弁理士】
【氏名又は名称】高梨 範夫
(74)【代理人】
【識別番号】100125494
【弁理士】
【氏名又は名称】山東 元希
(74)【代理人】
【識別番号】100141324
【弁理士】
【氏名又は名称】小河 卓
(74)【代理人】
【識別番号】100153936
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 健誠
(74)【代理人】
【識別番号】100160831
【弁理士】
【氏名又は名称】大谷 元
(72)【発明者】
【氏名】古山 拓也
【審査官】 白土 博之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−5273(JP,A)
【文献】 特開2012−130545(JP,A)
【文献】 特開2006−136368(JP,A)
【文献】 特開2008−307328(JP,A)
【文献】 特開昭62−246322(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 27/00−27/13
A47J 27/20−29/06
A47J 33/00−36/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面に開口を有する本体と、
前記本体の開口を開閉する蓋体と、
前記本体の開口から当該本体の内部に収容される内釜と、
前記内釜を加熱する加熱手段と、
前記加熱手段を制御する制御手段と、
報知手段とを備え、
前記制御手段は、予め設定保温時間、その設定保温時間で消費する設定電力量、及びその設定電力量にかかる設定電気代の少なくとも1つが設定され、保温工程において、保温経過時間、使用電力量及び使用電気代の少なくとも1つをカウントし、そのカウントが、対応する前記設定保温時間、前記設定電力量及び前記設定電気代の何れかを超えたときに、保温中の炊飯物を冷凍させた方が省エネになる旨を前記報知手段から報知することを特徴とする炊飯器。
【請求項2】
前記制御手段は、保温工程を手動あるいは予約で終了した際に、前記カウントが、対応する前記設定保温時間、前記設定電力量及び前記設定電気代の何れかを超えたか否かの情報を前記報知手段から報知することを特徴とする請求項1記載の炊飯器。
【請求項3】
前記内釜内の炊飯物の重量を検出する重量検出手段を備え、
前記制御手段は、予熱工程に入る前に、前記重量検出手段により検出された重量を基に前記内釜内の炊飯量を判定し、予熱工程の開始時に、判定した炊飯量の設定保温時間を前記報知手段から報知することを特徴とする請求項1又は2記載の炊飯器。
【請求項4】
前記内釜の底部の温度を検出する底部温度検出手段を備え、
前記制御手段は、炊飯工程の開始の際に底部温度検出手段の検出温度を読み込み、その検出温度が一定温度に到達するまでの時間を計測し、計測した時間を基に前記内釜内の炊飯量を判定し、炊飯工程の終了時に、判定した炊飯量の設定保温時間を前記報知手段から報知することを特徴とする請求項1又は2記載の炊飯器。
【請求項5】
前記設定保温時間は、炊飯物を冷凍・解凍した際にかかる電力量あるいは電気代と同等の電力量あるいは電気代を消費する時間であることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の炊飯器。
【請求項6】
前記設定保温時間、前記設定電力量及び前記設定電気代の少なくとも1つを変更することができることを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の炊飯器。
【請求項7】
前記設定保温時間、前記設定電力量及び前記設定電気代の少なくとも1つを外部機器から変更できることを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載の炊飯器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば保温工程における使用電力の抑制が可能な炊飯器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の炊飯器として、炊飯動作を行う炊飯手段と、積算電力を記憶する積算電力記憶手段と、この記憶した積算電力を積算代金に変換する積算電力・積算代金変換手段と、その積算代金を表示するための積算代金表示手段とを備えたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭62−246322号公報(特許請求の範囲)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述した従来の炊飯器では、利用者が炊飯や保温にかかった電気代のみしか把握できず、保温にかかる電気代と冷凍・解凍するのにかかる電気代の何れが省エネになるかまでは一目で把握することができない。また、炊飯量によらず一定の電気代が表示されるため、米1合と1升で同じ電気代が表示されてしまうという課題がある。
【0005】
本発明は、前述のような課題を解決するためになされたもので、保温中の炊飯物を冷蔵庫にて冷凍させた方が省エネになるタイミングを報知することができる炊飯器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る炊飯器は、上面に開口を有する本体と、本体の開口を開閉する蓋体と、本体の開口から当該本体の内部に収容される内釜と、内釜を加熱する加熱手段と、加熱手段を制御する制御手段と、報知手段とを備え、制御手段は、予め設定保温時間、その設定保温時間で消費する設定電力量、及びその設定電力量にかかる設定電気代の少なくとも1つが設定され、保温工程において、保温経過時間、使用電力量及び使用電気代の少なくとも1つをカウントし、そのカウントが、対応する設定保温時間、設定電力量及び設定電気代の何れかを超えたときに、保温中の炊飯物を冷凍させた方が省エネになる旨を前記報知手段から報知する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、保温工程において、保温経過時間、使用電力量及び使用電気代の少なくとも1つをカウントし、そのカウントが、対応する設定保温時間、設定電力量及び設定電気代の何れかを超えたときに、今後、保温中の炊飯物を冷凍させた方が省エネになる旨を前記報知手段から報知するようにしている。この報知により、保温経過時間から炊飯物を冷蔵庫にて冷凍させた方が省エネになるタイミングを認識するようになり、次回からの省エネの啓蒙に繋げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1に係る炊飯器の蓋体の開放状態を示す斜視図。
図2】実施の形態1に係る炊飯器の構成を示す縦断面図。
図3】実施の形態1に係る炊飯器のブロック回路図。
図4】実施の形態1に係る炊飯器の変形例を示すブロック回路図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態1.
図1は実施の形態1に係る炊飯器の蓋体の開放状態を示す斜視図、図2は実施の形態1に係る炊飯器の構成を示す縦断面図、図3は実施の形態1に係る炊飯器のブロック回路図である。
実施の形態1における炊飯器1は、図1に示すように、内釜3が出し入れ自在に収容された本体2と、本体2の上部に開閉自在に取り付けられ、内釜3を密閉状態で覆う蓋体4とを備えている。
【0010】
本体2には、図2に示すように、内釜3の底部を誘導加熱する加熱コイル5(加熱手段)と、本体2の背面と内釜3との間の空間に設置された回路基板6と、内釜3の底部の温度を検出する底部温度センサー7と、内釜3の周囲に配置され、内釜3の側面を加熱する側面ヒーター11(加熱手段)とが設けられている。
【0011】
また、本体2の底板の前部には、複数の固定脚10が設けられ、その底板の後部には可動脚8が設けられている。可動脚8には、重量検出手段である例えば歪みセンサー9が設けられている、この可動脚16は、炊飯器1の重量を歪みセンサー9に伝達する。歪みセンサー9は、可動脚16からの押圧力により歪み、その歪み量に応じて信号に変換し、回路基板6上の制御回路21に入力する。蓋体4には、正面側の上部に操作表示部12が設けられている。
【0012】
回路基板6には、例えば図3に示すように、加熱コイル5に高周波電流を供給するインバーター回路22、側面ヒーター11に電流を供給する通電回路23、インバーター回路22及び通電回路23を制御する制御回路21等が実装されている。操作表示部12には、液晶表示部12a、発音部12b、炊飯を開始する炊飯スイッチ、炊飯メニューを選択するメニュースイッチ、保温を取り消す取消スイッチ、保温の取消予約スイッチ等を備えている。なお、液晶表示部12aと発音部12bは、報知手段の機能を有している。取消予約スイッチとは、保温を取り消すための時間を設定するスイッチである。
【0013】
また、制御回路21は、予熱工程に入る前に、歪みセンサー9からの信号を読み込み、この信号を基に内釜3内の炊飯量(米と水)を判定する。例えば、制御回路21は、読み込んだ信号から現在の炊飯器1の総重量を判定し、判定した総重量から予め設定された基準重量を減算して、内釜3内の炊飯物の重量を算出する。そして、制御回路21は、求めた重量に対する内釜3内の炊飯量を予め設定された炊飯量対応表から判定する。
【0014】
その炊飯量対応表は、予め想定される内釜3内の重量に対して、それぞれ異なる炊飯量が書き込まれたデータである。前述の炊飯器1の総重量とは、本体2の重量、蓋体4の重量、内釜3の重量、内釜3内の炊飯物(米と水)の重量の合計である。基準重量とは、内釜3内に炊飯物が入っていないときの炊飯器1の重量である。
【0015】
制御回路21は、操作表示部12のメニュースイッチの操作により設定された炊飯メニュー、及び炊飯量に応じて、内釜3内の炊飯物(米と水)を予熱温度で予熱する予熱工程、予熱後に炊飯物が沸騰温度になるようにし、ドライアップ温度になったときに炊飯を終了する炊飯工程、沸騰した米飯を蒸らす蒸らし工程、及びその米飯を保温温度で保温する保温工程の各工程を実行する。なお、制御回路21は、各工程において、炊飯物の温度を底部温度センサー7の検出温度から判定して、各工程における温度と比較する。
【0016】
また、制御回路21は、例えば、炊飯物を保温する設定保温時間をデータとして有している。この設定保温時間は、炊飯物を冷蔵庫にて冷凍・解凍した際にかかる電力量(又は電気代)と同等の電力量(又は電気代)を消費する時間である。制御回路21は、保温工程に入った際に、時間のカウントを行い、その時間のカウントによる保温経過時間が設定保温時間を超えたときに、液晶表示部12aに設定保温時間を超えた保温経過時間を表示すると共に、今後、設定保温時間を超える前に、炊飯物を冷蔵庫にて冷凍・解凍した方が省エネになる旨を発音部12bから音声にて報知する。
【0017】
なお、発音部12bから音声でなくブザー音を発するようにしても良い。この場合、設定保温時間を超えた保温経過時間の表示に加えて、今後、設定保温時間を超える前に、炊飯物を冷蔵庫にて冷凍・解凍した方が省エネになる旨を液晶表示部12aに表示する。
【0018】
また、制御回路21は、炊飯物の保温中に、取消スイッチの操作による保温取消の指示を受けたときに、炊飯物の保温を終了する。また、制御回路21は、炊飯物の保温中に、取消予約スイッチの操作による保温の取消予約時間を受けたときには、その時点から新たに時間のカウントを開始し、そのカウント時間が取消予約時間を経過したときに炊飯物の保温を終了する。
【0019】
次に、実施の形態1に係る炊飯器1の炊飯動作を説明する。なお、以下に示す炊飯動作は一例であって、限定されるものではない。
制御回路21は、炊飯スイッチの操作による炊飯開始の指示を受けると、予熱工程に入る前に、歪みセンサー9からの信号を読み込む。そして、制御回路21は、読み込んだ信号から現在の炊飯器1の総重量を判定し、判定した総重量から予め設定された基準重量を減算して、内釜3内の炊飯物の重量を算出し、かつ、その重量から内釜3内の炊飯量を判定する。予熱工程に入る前に炊飯量を判定することで、予熱段階から最適な炊飯制御を行うことができる。
【0020】
その後、制御回路21は、予熱工程に入って、内釜3内の炊飯物の温度が予熱温度に達するように、インバーター回路22を駆動して、加熱コイル5に高周波電流を供給させる。そして、制御回路21は、内釜3内の炊飯物が予熱温度で予熱されるように、インバーター回路22の駆動を制御し、その後、炊飯工程に入る。制御回路21は、炊飯工程に入ると、内釜3内の炊飯物が沸騰するように、インバーター回路22を駆動して、加熱コイル5に高周波電流を供給させる。また、制御回路21は、通電回路23を制御して側面ヒーター11に通電させる。制御回路21は、その加熱制御により、炊飯物の温度が沸騰温度に達したときには、沸騰温度が保たれるように、加熱コイル5と側面ヒーター11への通電を制御する。
【0021】
そして、制御回路21は、炊飯物の米の吸水糊化と蒸発により炊飯水がなくなるドライアップ温度に炊飯物の温度が到達すると、加熱コイル5への通電を停止すると共に、側面ヒーター11への通電を停止し、蒸らし工程に入る。制御回路21は、例えば、炊飯量から導き出した蒸らし時間が経過するまで炊飯物を蒸らし、その時間を経過したときに蒸らし工程を終了し、保温工程に移行する。
【0022】
この時、制御回路21は、側面ヒーター11への通電を開始し、炊飯物の温度が保温温度となるように通電制御する。また、制御回路21は、保温工程に入った際に、時間のカウントを開始し、その時間のカウントによる保温経過時間が設定保温時間を超えたかどうかを判定する。制御回路21は、炊飯物の保温中に、保温経過時間が設定保温時間を超えたときには、液晶表示部12aに設定保温時間を超えた保温経過時間を表示すると共に、今後、炊飯物を冷蔵庫にて冷凍・解凍した方が省エネになる旨を発音部12bから音声にて報知する。
【0023】
また、制御回路21は、炊飯物の保温中に、取消スイッチの操作による保温取消の指示を受けたときには、保温工程を終了し、かつ保温開始からの保温経過時間が設定保温時間を超えたか否かの情報を液晶表示部12aに表示する。制御回路21は、その情報を液晶表示部12aに表示した際に、保温経過時間が設定保温時間を超えていた場合には、今後、炊飯物を冷蔵庫にて冷凍・解凍した方が省エネになることを発音部12bから音声にて報知する。
【0024】
また、制御回路21は、炊飯物の保温中に、取消予約スイッチの操作による保温の取消予約時間を受けたときには、その時点から新たに時間のカウントを開始し、カウント時間が取消予約時間を経過したかどうかを判定する。そして、制御回路21は、カウント時間が取消予約時間を経過したときには、前記と同様に、保温工程を終了して、保温開始からの保温経過時間が設定保温時間を超えたか否かの情報を液晶表示部12aに表示する。制御回路21は、その情報を液晶表示部12aに表示した際に、保温経過時間が設定保温時間を超えていた場合には、今後、炊飯物を冷蔵庫にて冷凍・解凍した方が省エネになることを発音部12bから音声にて報知する。
【0025】
以上のように実施の形態1においては、保温工程に入った際に、時間のカウントを行い、その時間のカウントによる保温経過時間が設定保温時間を超えたときに、液晶表示部12aに設定保温時間を超えた保温経過時間を表示すると共に、今後、炊飯物を冷蔵庫にて冷凍・解凍した方が省エネになる旨を発音部12bから音声にて報知するようにしている。この報知により、保温経過時間から炊飯物を冷蔵庫にて冷凍させた方が省エネになるタイミングを認識するようになり、次回からの省エネの啓蒙に繋げることができる。
【0026】
また、炊飯物の保温中に、取消スイッチの操作により炊飯物の保温を終了した際、あるいは取消予約スイッチの操作により設定された保温の取消予約時間の経過後に保温を終了した際に、保温開始からの保温経過時間が設定保温時間を超えたか否かの情報を液晶表示部12aに表示する。また、これに加えて、保温経過時間が設定保温時間を超えていたときには、炊飯物を冷蔵庫にて冷凍・解凍した方が省エネになることを発音部12bから音声にて報知するようにしている。この報知により、保温を終了したタイミングが良かったかどうかを確認でき、次回からの省エネの啓蒙に繋げることができる。
【0027】
なお、実施の形態1では、制御回路21に、炊飯物を保温する設定保温時間がデータとして設定されていることを述べたが、その設定保温時間を、操作表示部12から変更できるようにしても良い。これにより、設定保温時間の変更に伴って、保温を終了させるタイミングを知ることができ、より省エネの啓蒙に繋げることができる。
【0028】
なお、実施の形態1では、制御回路21には、炊飯物を保温する設定保温時間がデータとして設定されていることを述べたが、炊飯量(米と水)毎に設定保温時間を設定したデータを制御回路21に持たせるようにしても良い。この場合、制御回路21は、炊飯工程に入った際に、予熱工程に入る前に判定した炊飯量の設定保温時間を液晶表示部12aに表示すると共に、その設定保温時間を発音部12bから音声にて報知する。炊飯量毎の設定保温時間は、それぞれ炊飯物を冷蔵庫にて冷凍・解凍した際にかかる電力量(又は電気代)と同等の電力量(又は電気代)を消費する時間である。これにより、液晶表示部12aを通して炊飯量毎の設定保温時間を確認でき、また、保温を終了させるタイミングを知ることができ、次回からの省エネの啓蒙に繋げることができる。
【0029】
また、実施の形態1では、予熱工程に入る前に読み込んだ歪みセンサー9からの信号を基に内釜3内の炊飯量(米と水)を判定するようにしたが、これに代えて、炊飯工程のときに内釜3内の炊飯量を判定するようにしても良い。例えば、制御回路21は、炊飯工程の開始の際に底部温度センサー7の検出温度を読み込み、その検出温度が一定温度に達するまでの時間を計測し、計測した時間から内釜3内の炊飯量を判定する。そして、制御回路21は、炊飯工程の終了時に、判定した炊飯量の設定保温時間を液晶表示部12aに表示すると共に、その設定保温時間を発音部12bから音声にて報知する。この場合、制御回路21には、炊飯量毎に設定保温時間がデータとして設定されている。
【0030】
この場合も、制御回路21は、炊飯量から選択した保温経過時間が設定保温時間を超えたときに、炊飯物を冷蔵庫にて冷凍・解凍した方が省エネになることを発音部12bから音声にて報知する。この報知により、保温経過時間から炊飯物を冷蔵庫にて冷凍させた方が省エネになるタイミングを認識するようになり、次回からの省エネの啓蒙に繋げることができる。
【0031】
また、炊飯量毎に設定された設定保温時間を、操作表示部12から変更できるようにしても良い。これにより、設定保温時間の変更に伴って、保温を終了させるタイミングを知ることができ、より省エネの啓蒙に繋げることができる。
【0032】
更に、実施の形態1では、保温工程に入った際に、時間のカウントを行い、その時間のカウントによる保温経過時間が設定保温時間を超えたかどうかを判定するようにしたが、これに限定されるものではなく、例えば、以下、(1)、(2)に示すような構成でも良い。なお、ブロック回路の構成は、図3と同様である。
【0033】
(1)制御回路21は、保温工程に入ると、時間の経過に伴う側面ヒーター11の使用電力量を積算し、その積算した使用電力量が予め設定された設定電力量を超えたときに、液晶表示部12aに設定電力量を超えた使用電力量を表示する。この使用電力量の表示により、保温経過時間から炊飯物を冷蔵庫にて冷凍させた方が省エネになるタイミングを認識するようになり、次回からの省エネの啓蒙に繋げることができる。
また、制御回路21は、炊飯物の保温中に、取消スイッチの操作により炊飯物の保温を終了した際、あるいは取消予約スイッチの操作により設定された保温の取消予約時間の経過後に保温を終了した際に、保温開始から保温終了までに積算した使用電力量が設定電力量を超えたか否かの情報を液晶表示部12aに表示する。また、これに加えて、使用電力量が設定電力量を超えていたときには、炊飯物を冷蔵庫にて冷凍・解凍した方が省エネになることを発音部12bから音声にて報知する。この報知により、保温を終了したタイミングが良かったかどうかを確認でき、次回からの省エネの啓蒙に繋げることができる。
【0034】
なお、前記(1)においては、設定電力量を超えた使用電力量を液晶表示部12aに表示したり、取消スイッチの操作又は取消予約スイッチの取消予約時間の設定により保温を終了したときに、使用電力量が設定電力量を超えたか否かの情報を液晶表示部12aに表示するようにしたが、使用電力量に加えて保温経過時間も表示しても良いし、また、使用電力量が設定電力量を超えたか否かの情報に加えて、保温経過時間が設定保温時間を超えたか否かの情報も表示するようにしても良い。
【0035】
(2)制御回路21は、保温工程に入ると、時間の経過に伴う側面ヒーター11の使用電力量を積算すると共に、積算した使用電力量から使用電気代を算出し、その使用電気代が予め設定された設定電気代を超えたときに、液晶表示部12aに設定電気代を超えた使用電気代を表示する。この使用電気代の表示により、保温工程における使用電気代を認識させることができ、次回から使用電気代の節約に伴う省エネの啓蒙に繋げることができる。
また、制御回路21は、炊飯物の保温中に、取消スイッチの操作により炊飯物の保温を終了した際、あるいは取消予約スイッチの操作により設定された保温の取消予約時間の経過後に保温を終了した際に、保温開始から保温終了までに算出した使用電気代が設定電気代を超えたか否かの情報を液晶表示部12aに表示する。また、これに加えて、使用電気代が設定電気代を超えていたときには、炊飯物を冷蔵庫にて冷凍・解凍した方が省エネになることを発音部12bから音声にて報知する。この報知により、保温を終了したタイミングが使用電気代の無駄かどうかを促すことができ、次回から使用電気代の節約に伴う省エネの啓蒙に繋げることができる。
【0036】
なお、前記(2)においては、設定電気代を超えた使用電気代を液晶表示部12aに表示したり、取消スイッチの操作又は取消予約スイッチの取消予約時間の設定により保温を終了したときに、使用電気代が設定電気代を超えたか否かの情報を液晶表示部12aに表示するようにしたが、使用電気代に加えて、設定電力量を超えた使用電力量も表示するようにしても良いし、また、使用電気代が設定電気代を超えたか否かの情報に加えて、使用電力量が設定電力量を超えたか否かの情報も表示するようにしても良い。
【0037】
前述の(1)で述べた設定電力量を、操作表示部12から変更できるようにしても良い。これにより、設定電力量の変更に伴って、保温を終了させるタイミングを知ることができ、より省エネの啓蒙に繋げることができる。
また、前述の(2)で述べた設定電気代を、操作表示部12から変更できるようにしても良い。これにより、設定電気代の変更に伴って、保温を終了させるタイミングを知ることができ、より省エネの啓蒙に繋げることができる。
【0038】
また、図4に示すように、外部機器25から制御回路21に設定された設定保温時間、設定電力量、設定電気代を、外部機器25から変更できるようにしても良い。この図4は実施の形態1に係る炊飯器の変形例を示すブロック回路図である。
この制御回路21に設定された設定保温時間、設定電力量、設定電気代を変更する際、外部機器25から本体データ送受信部24を介して、制御回路21に設定された設定保温時間、設定電力量、設定電気代のデータを読み込み、外部機器25の表示部に表示する。そして、外部機器25の操作によりデータの書き換えが終了したときには、そのデータを外部機器25から本体データ送受信部24に送信し、制御回路21に入力させる。外部機器25として、例えば、パソコン、携帯電話機、携帯端末機などがある。この場合も、予め設定されたデータよりも少なく変更することができ、より省エネの啓蒙に繋げることができる。
【符号の説明】
【0039】
1 炊飯器、2 本体、3 内釜、4 蓋体、5 加熱コイル、6 回路基板、7 底部温度センサー、8 可動脚、9 歪みセンサー、10 固定脚、11 側面ヒーター、12 操作表示部、12a 液晶表示部、12b 発音部、21 制御回路、22 インバーター回路、23 通電回路、24 本体データ送受信部、25 外部機器。
図1
図2
図3
図4