(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
携帯端末装置が非接触型ICカード通信を行っているとき、ユーザにその旨を振動で報知する振動報知部と、ユーザにその旨を光で報知する発光報知部と、を有する携帯端末装置の前記振動報知部及び前記発光報知部を制御する制御方法であって、
前記振動報知部の振動時間が所定の振動時間に制御されているとき、前記発光報知部を前記所定の振動時間より長い所定の発光時間で発光させるように制御し、
前記振動報知部による振動での報知と同時に光での報知を開始するように前記発光報知部を制御するとともに、前記振動報知部による振動停止の所定時間、光での報知を継続するように制御する
携帯端末装置の制御方法。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0016】
図1は、本発明の実施の形態に係る携帯端末装置(携帯電話機10)の構成を示すブロック図である。
本発明の実施の形態に係る携帯端末装置(携帯電話機10)は、非接触型ICカード通信を行う非接触型ICカード通信部30と、非接触型ICカード通信部30が非接触型ICカード通信を行っているとき、ユーザにその旨を振動で報知する振動報知部22と、振動報知部22の振動が非接触型ICカード通信部30の通信状態に影響を及ぼさないように振動報知部22の振動を抑制する制御を行うICカード振動報知制御部44と、を備える。
【0017】
本発明の携帯端末装置は、たとえば、携帯電話機、PHS(PersonalHandyphoneSystem)、およびPDA(PersonalDigitalAssistants)などである。本実施形態では、以下、携帯電話機10を例として説明する。なお、
図1において、本発明の本質に関わらない部分の構成については省略してある。
【0018】
また、携帯電話機10の各構成要素は、任意のコンピュータのCPU、メモリ、メモリにロードされた本図の構成要素を実現するプログラム、そのプログラムを格納するハードディスクなどの記憶ユニット、ネットワーク接続用インタフェースを中心にハードウエアとソフトウエアの任意の組合せによって実現される。そして、その実現方法、装置にはいろいろな変形例があることは、当業者には理解されるところである。以下説明する各図は、ハードウエア単位の構成ではなく、機能単位のブロックを示している。
【0019】
詳細には、携帯電話機10は、操作部12と、表示部14と、記憶部16と、音声入出力部18と、発光報知部20と、振動報知部22と、非接触型ICカード通信部30と、端末制御部40と、移動通信制御部50と、を備えている。
【0020】
操作部12は、操作キーなどの入力装置であり、ユーザが電話番号などを入力するためのテンキー(ダイヤルキー)を備える。操作部12は、ユーザの入力操作を受け付け、端末制御部40に通知する。表示部14は、白黒あるいはカラーの液晶パネルなどの表示装置であり、携帯電話機10の各種の状態をユーザに報知する。記憶部16は、携帯電話機10の制御プログラムを含む制御情報や、ユーザにて入力、あるいは外部から受信した情報を保存する記憶装置を備える。音声入出力部18は、マイク、スピーカなどの音声入出力装置である。発光報知部20は、ランプ、LEDなどで点灯にて状態をユーザに通知する発光報知装置である。振動報知部22は、バイブレータなどの振動にて状態をユーザに報知する振動報知装置である。
【0021】
非接触型ICカード通信部30は、アンテナ34を介して他の端末装置(不図示)やICカードリーダ/ライタ(不図示)と無線通信を行う無線装置32を含む。非接触型ICカード通信部30は、携帯電話機10が備えている図示されないICカードの通信部にあたる。ICカードは、ICカード機能を実現するために非接触型ICカード通信部30にて通信を行う。非接触型ICカード通信部30は、このICカードの動作を制御する制御プログラムやデータを格納するメモリと、無線装置32を介して外部のICカードリーダ/ライタとの間で無線通信を行うためのリーダ/ライタ機能およびICカード部全体の制御を行う制御部と、を含む。
【0022】
本実施形態において、非接触型ICカード通信部30は、無線装置32を介して外部の非接触型ICカードリーダ/ライタと通信可能範囲であるかを検出する。非接触型ICカード通信部30は、通信圏内であることを検出した場合、端末制御部40に通知する。そして、非接触型ICカード通信部30は、無線装置32を介してICカードリーダ/ライタとICカード利用通信を実施し、その通信結果を端末制御部40へ通知する。
【0023】
あるいは、非接触型ICカード通信部30は、端末制御部40からたとえば他の端末とICカード利用通信の通信要求を受け取ると、通信要求に呼応して、端末制御部40へ通信状態に入ることを通知するとともに、他の端末装置と無線装置32を介してICカード利用通信を実施し、その通信結果を端末制御部40へ通知する。
【0024】
端末制御部40は、携帯電話機10の各要素に接続され、各要素とともに装置全体を制御し、携帯電話機としての動作を実現する。端末制御部40は、ICカード発光報知制御部42と、ICカード振動報知制御部44と、を含む。ICカード発光報知制御部42およびICカード振動報知制御部44は、ICカード通信状況、通信結果について端末制御部40で整理された情報に基づき、発光報知部20および振動報知部22へそれぞれ制御指示を行い、ユーザへの報知を行うものである。
【0025】
詳細には、端末制御部40は、非接触型ICカードがICカードリーダ/ライタの通信圏内にあることを示す圏内通知、他の端末と通信状態に入ることを示す通信状態、あるいは、ICカード利用通信の結果通知を非接触型ICカード通信部30から受信する。端末制御部40は、これらの通知を検出したとき、ICカード振動報知制御部44およびICカード発光報知制御部42に、ユーザへの報知を指示制御する。
【0026】
あるいは、端末制御部40は、記憶部16の任意の情報を、他の端末装置と非接触型ICカード通信部30を使用して情報交換することの指示をユーザの操作部12の操作により通信要求として受け付け、その通信要求を非接触型ICカード通信部30に通知する。
【0027】
ICカード振動報知制御部44は、たとえば、非接触型ICカードがICカードリーダ/ライタと通信圏内にあること、他の端末装置と通信状態にあること、ICカード利用通信が終了したこと、などをユーザに報知するために振動報知部22に以下のようにICカード利用通信の通信状態に影響を及ぼさないように抑制された振動制御指示を行う。
【0028】
すなわち、ICカード振動報知制御部44は、振動報知部22を、所定の振動時間(後述する
図7のVTM1またはVTM2)、振動動作させ、かつ、所定の振動停止時間(VITM1)、振動を停止させて間欠動作させる(後述する
図6のS57〜S69)。
【0029】
ここで、所定の振動時間(VTM1またはVTM2)は、ユーザが振動を認識可能な時間を確保するとともに、携帯電話機10への振動影響のない時間設定を行う。すなわち、VTM1は、非接触型ICカード通信部30の通信状態に影響を及ぼさない程度で、通信エラー率を所望の閾値以下にするように設定するのが好ましい。
【0030】
ここで、また、所定の振動停止時間(VITM1)は、振動動作を終了した後、次の振動動作をユーザが認識可能な時間とする。所定の振動時間は、間欠動作ごとに異なってもよいし、同じであってもよいが、本実施形態の間欠動作では、1回目の振動の振動時間はVTM1とし、2回目の振動の振動時間はVTM2とする。
【0031】
本実施形態において、ICカード振動報知制御部44は、振動報知部22の振動動作を少なくとも1回行わせる(後述する
図6のS51〜S55)。あるいは、ICカード振動報知制御部44は、振動報知部22の複数の振動動作を間欠動作で繰り返して行わせてもよい(後述する
図6のS57〜S69)。
【0032】
また、本実施形態において、発光報知部20は、非接触型ICカード通信部30が非接触型ICカード通信を行っているとき、ユーザにその旨を光で報知する。このとき、ICカード発光報知制御部42は、発光報知部20を、振動報知部22の所定の振動時間より長い所定の発光時間で発光させるよう制御する。
【0033】
なお、本実施形態において、端末制御部40は、上述の振動時間、振動間隔時間、および発光時間などを計数して監視する監視タイマ(不図示)を含むことができる。
これらの設定時間は、携帯電話装置100のメモリ(不図示)に予め記憶されているものとする。携帯電話装置100のファームウェアのバージョンアップ時や、ユーザが任意に設定を変更できる構成とすることもできる。
【0034】
移動通信制御部50は、アンテナ54を介して移動通信網に接続して通信を行う無線装置52を含み、無線制御および無線状態の通知を端末制御部40との間で情報交換を行う。
【0035】
このように構成された本実施形態の携帯電話機10の動作について、以下に説明する。
はじめに、本実施形態の携帯電話機10の非接触型ICカード機能利用時の動作について、説明する。
図2は、本実施形態の携帯電話機10の非接触型ICカード通信部30の動作の一例を示すフローチャートである。
図3は、本実施形態の携帯電話機10におけるICカード機能利用時の端末制御部40の動作の一例を示すフローチャートである。以下、
図1乃至
図3を用いて説明する。
【0036】
図1の携帯電話機10を非接触型ICカードリーダ/ライタにかざした際に、非接触型ICカード通信部30は、無線装置32を介して非接触型ICカードリーダ/ライタと通信可能範囲であることを検出する(
図2のS11)。そして、非接触型ICカード通信部30が通信圏内であることを検出した場合(
図2のS11のYes)、非接触型ICカード通信部30は、通信圏内にいることを端末制御部40に通知する(
図2のS13)。
【0037】
図3に進み、このとき、非接触型ICカード通信部30から圏内通知を受信した端末制御部40は、通信圏内であることを検出し(
図3のS21のYes)、ユーザに非接触型ICカード通信圏内であることを報知するために、ICカード発光報知制御部42およびICカード振動報知制御部44へ発光報知制御および振動報知制御をそれぞれ指示する(
図3のS23およびS27)。指示を受けたICカード発光報知制御部42およびICカード振動報知制御部44は、それぞれ振動報知部22および発光報知部20に対して振動報知制御および発光報知制御を実施する(
図3のS25およびS29)。
【0038】
図2の戻り、この間、非接触型ICカード通信部30はICカード利用通信を実施し(
図2のS15)、ICカード利用通信の結果を端末制御部40へ通知する(
図2のS17)。
【0039】
図3に進み、非接触型ICカード通信部30から結果通知を受信した端末制御部40は、結果通知であることを検出し(
図3のS21のYes)、以下、結果をユーザへ報知する処理を行う。この処理については上述した
図3のステップS23〜S29の端末制御部40におけるICカード通信圏内検出時の処理と同様のため詳細説明は省略する。
【0040】
次に、本実施形態の携帯電話機10における非接触型ICカード機能利用以外で、たとえば、非接触型ICカード通信部30が他の携帯端末装置と通信を行う場合の動作の一例について説明する。例として、ユーザが操作部12にて端末操作を行い、端末情報が記憶されている記憶部16の任意の情報を他の携帯端末装置と交換するシーンが該当する。
【0041】
図4は、本実施形態の携帯電話機10のおけるICカード機能利用以外の時の端末制御部40の動作の一例を示すフローチャートである。
図5は、本実施形態の携帯電話機10の非接触型ICカード通信部30の動作の一例を示すフローチャートである。以下、
図1および
図3〜
図5を用いて説明する。
【0042】
たとえば、ユーザが操作部12を介して記憶部16の任意の情報を、非接触型ICカード通信部30を使用して情報交換するように指示すると、ICカード利用通信が端末制御部40に要求される。端末制御部40は、ICカード通信要求があることを検出する(
図4のS31)。ICカード通信要求を検出したとき(
図4のS31のYes)、端末制御部40は、非接触型ICカード通信部30へ通信要求を行う(
図4のS33)。
【0043】
図5に進み、非接触型ICカード通信部30が通信要求を検出した場合(
図5のS41のYes)、非接触型ICカード通信部30は、通信を開始するため、通信状態に入ることを端末制御部40へ通知する(
図5のS43)。
【0044】
図3に戻り、非接触型ICカード通信部30からの通知を受けて、端末制御部40は通信状態を検出し(
図3のS21のYes)、ユーザへ通信状態であることを報知するために、本発明であるICカード発光報知制御部42およびICカード振動報知制御部44へ報知制御を指示する(
図3のS23およびS27)。指示を受けたICカード発光報知制御部42およびICカード振動報知制御部44は、それぞれ振動報知部22および発光報知部20へ振動報知制御および発光報知制御を実施する(
図3のS25およびS29)。
【0045】
図5に戻り、この間、非接触型ICカード通信部30はICカード利用通信を実施し(
図5のS45)、ICカード利用通信の結果を端末制御部40へ通知する(
図5のS47)。
【0046】
図3に進み、非接触型ICカード通信部30から結果通知を受信した端末制御部40は、結果通知であることを検出し(
図3のS21のYes)、結果をユーザへ報知する処理を行う。この処理については上述した
図3のステップS23〜S29の端末制御部40におけるICカード通信圏内検出時の処理と同様のため詳細説明は省略する。
【0047】
次に、本実施形態の携帯電話機10におけるICカード振動報知制御時の動作について説明する。
図6は、本実施形態の携帯電話機10におけるICカード振動報知制御時の動作の一例を示すフローチャートである。
図7は、本実施形態の携帯電話機10のICカード発光報知制御部42およびICカード振動報知制御部44の動作を説明するための図である。以下、
図1、
図6および
図7を用いて説明する。
【0048】
上記特許文献記載の技術では振動制御および発光制御にて様々な状態をユーザに認識させることが目的であったため、動作制御も多様になっていた。本発明では以下に説明するように、特に振動報知部22に振動を抑制する制約を設けている。すなわち、本発明の実施形態の携帯電話機10の振動報知部22の制御方法は、携帯電話機10が非接触型ICカード通信を行っているとき、ユーザにその旨を振動で報知する振動報知部22を有する携帯電話機10の振動報知部22を制御する制御方法であって、振動報知部22の振動が携帯電話機10の通信状態に影響を及ぼさないように振動報知部22の振動を抑制する制
御を行う。
【0049】
具体的には、非接触型ICカード通信部30の動作状態を振動にて通知する方法として、所定時間での振動制御(
図6のS51〜S55)と、この所定時間の振動制御をある所定時間間隔で再度振動制御を行う間欠動作制御(
図6のS57〜S69)と、にてICカード動作状態を通知する方法がある。本実施形態では、たとえば、非接触型ICカード通信部30がICカードリーダ/ライタと無線通信を行い、ICカード振動報知制御部44が、非接触型ICカード通信部30が通信圏内通知、結果通知、通信状態を端末制御部40に通知したときの振動制御の例(
図3のフロー)として、
図6のS51〜S55に示される1回の振動動作の制御を行う場合について説明する。また、非接触型ICカード通信部30が他の端末装置と無線通信を行い、ICカード振動報知制御部44が、非接触型ICカード通信部30が他の端末とのICカード通信要求を通知したときの振動制御の例(
図4のフロー)として、
図6のS57〜S69に示される振動動作2回の間欠動作の制御を行う場合について説明する。
【0050】
なお、本実施形態では、ICカードリーダ/ライタとのICカード利用通信時、振動報知部22による報知制御を振動動作1回により行い、一方、他の端末装置とのICカード利用通信時、振動動作2回の間欠動作により行う場合について説明したが、これに限定されるものではない。ICカードリーダ/ライタの場合も、他の端末装置の場合も、動作を区別せずに、すなわち非接触型ICカード通信部30が無線通信を行う対象にかかわらず、何れかの処理を行うようにしてもよい。また、さらに異なる条件で処理を区別して行うようにしてもよい。異なる条件とは、たとえば、通信エラーの有無である。また、たとえば、同じ振動動作は1回でもよいし、振動動作複数回の間欠動作であってもよい。逆に、ICカードリーダ/ライタとの通信時には振動動作複数回の間欠動作とし、他の端末装置との通信時には振動動作1回としてもよい。
【0051】
図6のS51では、ICカード振動報知制御部44が振動報知部22に対して、振動動作の開始を指示し、振動報知部22が振動を開始する。そして、ICカード振動報知制御部44は所定のVTM1時間の経過を監視し(
図6のS53)、VTM1経過後に(
図6のS53のYes)、振動報知部22に振動の停止を指示し、振動報知部22が振動を停止する(
図6のS55)。
【0052】
このように、
図6のS51〜S55の処理では、ICカード振動報知のための振動動作が1回のみ、
図7のライン70に示すように、VTM1の時間の間のみ行われる。
【0053】
また、
図6のS57では、ICカード振動報知制御部44が振動報知部22に対して、振動動作の開始を指示し、振動報知部22が振動を開始する。そして、ICカード振動報知制御部44は所定のVTM1時間の経過を監視し(
図6のS59)、VTM1経過後に(
図6のS59のYes)、振動報知部22に振動の停止を指示し、振動報知部22が振動を停止する(
図6のS61)。
【0054】
さらに、ICカード振動報知制御部44は所定のVITM1時間の経過を監視し(
図6のS63)、VITM1経過後(
図6のS63のYes)、振動報知部22に振動動作の開始を指示し、振動報知部22が振動を開始する(
図6のS65)。そして、ICカード振動報知制御部44は、所定のVTM2時間の経過を監視し(
図6のS67)、VTM2経過後に(
図6のS67のYes)、振動報知部22に振動の停止を指示し、振動報知部22が振動を停止する(
図6のS69)。
【0055】
このように、
図6のS57〜S69の処理では、
図7のライン72に示すように、ICカード振動報知のための振動動作が2回行われる。ここでは、振動報知部22による振動動作は、ICカード利用通信の開始時のタイミングのみで行い、ICカード利用通信中全体(CT)にわたっての振動動作の繰り返しは行わないものとする。また、ICカード利用通信の終了時、通信エラー時などのタイミングで、通信結果を通知するために、抑制された振動動作を行ってもよい。
【0056】
このように、本実施形態の振動制御方法によれば、ICカードリーダ/ライタ上で携帯電話機10を安定させることが可能であり、ICカードリーダ/ライタと携帯電話機10の非接触型ICカード通信部30との無線通信の通信状態を良好に保つことが可能となる。これは、ICカード振動報知制御部44により振動報知部22を制御して、ICカード通信時に、所定時間での振動動作により報知することにより、携帯電話機10への振動による影響を抑制できるためであり、
図8(a)のように、携帯電話機80aが、平面に置かれたICカードリーダ/ライタ81上から通信可能範囲から外れたり、
図8(b)のように、携帯電話機80bが、斜めに置かれたICカードリーダ/ライタ83から落下したりする恐れを回避もしくは軽減できるためである。
【0057】
また、発光報知の制御を行うICカード発光報知制御部42は、
図7のライン74に示すように、ICカード振動報知制御部44の振動制御と同期して発光制御を行う。なお、発光報知部20の発光動作は携帯電話機10へ振動などを与える動作ではないため、本発明の振動制御例のように抑制制御を行う必要はなく、たとえば、
図7のライン74のように所定時間内(LTI1)の発光動作とすることができる。あるいは、ICカード動作状態に応じて変化のある発光制御にてユーザへ動作状態を通知することも可能である。振動報知部22は振動時間を制約しているため発光報知部20は振動報知部22より長く動作させユーザへ動作状態の認識効果を高める発光動作とするほうがよい。
【0058】
また、たとえば、ICカード利用通信中は、発光報知部20はLEDを常時点灯したり、点滅パターンで点滅させたりしてもよい。ICカード利用通信の通信結果に応じたパターンで発光動作させることもできる。また、これらの発光報知部20または振動報知部22による報知動作はそれぞれ、ユーザにより操作部12により任意に有効/無効化を選択可能とする。
【0059】
以上説明したように、本発明の実施の形態の携帯電話機10によれば、非接触型ICカード通信時に、振動を抑制する制御を行うことで、たとえば、ICカードリーダ/ライタ上に携帯電話機を放置して通信を行わせても、振動によって携帯電話機が移動して通信可能範囲から外れたり、ICカードリーダ/ライタ上から落下したりすることを防ぎ、これにより、非接触型ICカード通信時の通信障害を軽減し、携帯端末装置の誤動作を防ぐことができる。すなわち携帯端末装置の信頼性が向上する。
【0060】
また、ユーザが振動を認識可能な程度に振動時間を短縮させることができるので、振動動作による消費電力を低減することができる。さらに、振動報知に連動させて発光にて動作状態を報知することができ、本発明の振動動作の時間より長い発光時間を設定することで、ユーザが状態認識し損なうのを防止することができる。
【0061】
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
【0062】
たとえば、上記実施形態では、振動による影響のある振動報知部22の制御方法として、振動時間を所定時間に制約する方法を用いたが、携帯電話機でよく使用される着信時の振動の駆動力より小さい駆動力に抑えてICカード利用時の報知振動制御を行うこともできる。小さい駆動力により振動を抑制することにより、振動時間の制約と組み合わせて間欠動作の回数も増やすことができ広い状態通知効果も可能となる。
【0063】
また、他の実施形態において、ICカードリーダ/ライタとのICカード利用通信を検出する手段を設け、ICカード振動報知制御部44は、ICカードリーダ/ライタとの通信時にのみ、振動抑制制御、たとえば間欠動作制御を行うようにしてもよい。これにより、ICカードリーダ/ライタ上で携帯電話機10を安定させることができ、ICカードリーダ/ライタと携帯電話機10の非接触型ICカード通信部30との無線通信の通信状態を良好に保つことが可能となる。
【0064】
以上、実施形態および実施例を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態および実施例に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。