特許第5921671号(P5921671)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5921671
(24)【登録日】2016年4月22日
(45)【発行日】2016年5月24日
(54)【発明の名称】ベールワイヤカッタ
(51)【国際特許分類】
   B65B 69/00 20060101AFI20160510BHJP
【FI】
   B65B69/00 102
【請求項の数】12
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2014-506812(P2014-506812)
(86)(22)【出願日】2012年4月12日
(65)【公表番号】特表2014-516878(P2014-516878A)
(43)【公表日】2014年7月17日
(86)【国際出願番号】EP2012056634
(87)【国際公開番号】WO2012146486
(87)【国際公開日】20121101
【審査請求日】2014年12月15日
(31)【優先権主張番号】102011017770.1
(32)【優先日】2011年4月29日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】506408818
【氏名又は名称】フォイト パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】VOITH PATENT GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100099483
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 琢也
(72)【発明者】
【氏名】フランク ケアン
(72)【発明者】
【氏名】インゴ ヨーネン
(72)【発明者】
【氏名】シュテファン リーデマン
【審査官】 谿花 正由輝
(56)【参考文献】
【文献】 特開平03−098838(JP,A)
【文献】 特開平04−339745(JP,A)
【文献】 特開昭57−204841(JP,A)
【文献】 米国特許第05105527(US,A)
【文献】 米国特許第02820282(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 69/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
直方体形状のベール(2)のストラップ(1)を、該ベール(2)に対して可動の少なくとも1つのカッタバー(3)を用いて切断する装置であって、この場合前記ベール(2)は、搬送装置(5)によって、前記カッタバー(3)に沿って案内され、前記カッタバー(3)は、前記ベール(2)の、搬送方向(4)に対して垂直方向に向いた側面の側に配置されている、装置において、
少なくとも2つのカッタバー(3)が、前記ベール()の互いに隣接した側に配置されており、かつ前記カッタバー(3)は、前記ベール(2)との接触中に、トラバース装置(6)において搬送方向(4)に案内されることを特徴とする、装置。
【請求項2】
前記トラバース装置(6)は搬送方向(4)において、前記搬送装置(5)と同じ速度を有する、請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記搬送装置(5)は、前記ベール(2)の下において走行するコンベヤベルトによって形成される、請求項1又は2記載の装置。
【請求項4】
少なくとも1つのカッタバー(3)が、前記ベール(2)の上に配置されている、請求項1から3までのいずれか1項記載の装置。
【請求項5】
記搬送装置()の両側において、前記ベール(2)と共に側壁(7,8)が移動する、請求項1から4までのいずれか1項記載の装置。
【請求項6】
少なくとも1つのカッタバー(3)が、前記ベール(2)の側部に配置されていて、前記側壁(8)は、該側部のカッタバー(3)の側において、トラバース装置(6)に結合されている、請求項1から5までのいずれか1項記載の装置。
【請求項7】
前記搬送装置(5)の両側に、少なくとも1つのカッタバー(3)が配置されている、請求項6記載の装置。
【請求項8】
前記搬送装置(5)に、それぞれ2つのベール(2)が前記搬送方向(4)に対して横方向に並んで位置している、請求項7記載の装置。
【請求項9】
前記トラバース装置(6)に結合された前記側壁(8)は、該側壁(8)を越えて前記ベール(2)に向かう前記カッタバー(3)の運動を可能にするスリット(9)を有する、請求項6から8までのいずれか1項記載の装置。
【請求項10】
前記トラバース装置(6)に結合された前記側壁(8)の、前記搬送方向(4)に位置する端部及び/又は前記搬送方向(4)とは反対側に位置する端部は、それぞれ、前記側壁(8)に隣接していて位置固定の側部における側壁(7)の端部を、前記カッタバー(3)の各ポジションにおいて覆う、請求項6又は9記載の装置。
【請求項11】
前記カッタバー(3)は、前記ベール(2)に向いた少なくとも1つの切刃(10)を有する、請求項1から10までのいずれか1項記載の装置。
【請求項12】
前記ベール(2)は、すべての面を取り囲むストラップ(1)を備えた、プラスチックベール、織物ベール、繊維ベール又は古紙ベールから形成される、請求項1から11までのいずれか1項記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、直方体形状のベールのストラップを、該ベールに対して可動の少なくとも1つのカッタバーを用いて切断する装置であって、この場合前記ベールは、搬送装置によって、前記カッタバーに沿って案内され、前記カッタバーは、前記ベールの、搬送方向に対して垂直方向に向いた側面の側に配置されている、装置に関する。
【0002】
古紙、化学パルプ、古い織物、古いプラスチックボトル及びこれに類したものは、ほとんどもっぱらベール(圧縮梱包された貨物もしくは梱)として処理もしくは加工のために供給され、この場合ベールの重量は、例えば100〜1500kgである。そしてベールは一般的に、金属、プラスチック又はその他の材料から成るストラップによって括られている。
【0003】
材料を加工するためには、ストラップを切り開くこと、及びさらなる加工に応じて可能な限り、ストラップを除去することも必要である。そのために今日では、手による切り開きの他に、カッタバーを特に上からベールに押圧して、ストラップを離す機械が使用されている。
【0004】
カッタバーの運動中、ベールの搬送は短時間中断され、このことは時間がかかり、搬送装置に負荷をかける。
【0005】
さらにそのために、切断されるすべてのストラップがベールの上側を延びていることが、保証されていなくてはならない。このようなことは、ベールが誤った側で載置されている場合、又はストラップがベールのすべての側を取り囲んでいる場合に、問題を生ぜしめることがある。
【0006】
ゆえに本発明の課題は、ベールのすべてのストラップの効果的な切断を保証することである。
【0007】
前記課題を解決するために、本発明の構成では、少なくとも2つのカッタバーが、ベールの互いに隣接した側に配置されており、かつカッタバーは、ベールとの接触中に、トラバース装置において搬送方向に案内されるようにした。
【0008】
搬送方向におけるこの運動は、駆動装置なしにベールとの摩擦力接続によって行われても、又は駆動されて行われてもよい。
【0009】
ベールの互いに隣接した側における2つのカッタバーを使用することによって、ベールを取り囲むすべてのストラップを、ベールの位置とは無関係に切断することができる。しかもカッタバーがその都度切断されるベールと一緒に移動することによって、切断中における搬送装置の停止を省くことができる。それぞれのカッタバーは、好ましくは、ベールとの接触の間中、特にベールへの強い圧着中に、ベールと一緒に移動させられることが望ましい。
【0010】
この場合好適な態様では、トラバース装置は搬送方向において、搬送装置と同じ速度を有する。しかしながら切断工程は、カッタバーの切断装置の構成に関連して、場合によっては、カッタバーとベールとの間における僅かな相対運動によっても促進することができる。
【0011】
切断工程後に、カッタバーはベールから離反運動させられ、トラバース装置はカッタバーと共に再び出発ポジションに戻される。
【0012】
頑丈かつ単純な構成を得るために好適な態様では、搬送装置は、ベールの下において走行するコンベヤベルトによって形成される。
【0013】
ベールは通常搬送装置上に載置されていて、この搬送装置によって固定されるので、別の好適な態様では、少なくとも1つのカッタバーが、ベールの上に配置されている。
【0014】
ストラップの切断時におけるベールの移動、並びに、ベールの解離した部分に起因する搬送装置及び切断装置の障害を阻止するために、別の好適な態様では、カッタバーの領域において側部で、好ましくは搬送装置の両側において、ベールと共に側壁が移動する。搬送装置においてベールを予め固定するために、上側のカッタバーは側部のカッタバーの前で、つまり側部のカッタバーより先に、その都度のベールに圧着させられると、有利である。
【0015】
切断を完全に行うために好適な態様では、少なくとも1つのカッタバーが、好ましくは搬送方向に対して横方向に、ベールの側部に位置しており、この場合しかしながらまた別の位置も可能である。この側部のカッタバーの側における側壁は、トラバース装置に結合されている。
【0016】
一緒に移動する側壁は、カッタバー及びトラバース装置を、ベールから解離する材料によって機能が損なわれることから、効果的に保護する。
【0017】
両側における固定及び分離のためには、しかしながら特に、搬送装置にそれぞれ2つのベールが搬送方向に対して横方向に並んで位置している場合には、搬送装置の両側に少なくとも1つのカッタバーが配置されていると、好適である。
【0018】
別の好適な態様では、トラバース装置に結合された側壁は、該側壁を越えてベールに向かうカッタバーの運動を可能にするスリットを有する。しかしながらまた、カッタバーの主要な部分がベールと側壁との間に配置されているような他の構造も可能である。
【0019】
ベールから解離した部分が、走行可能な側壁の前及び/又は後ろにおいて搬送装置から落下することを阻止するために、本発明の別の態様では、トラバース装置に結合された側壁の、搬送方向に位置する端部及び/又は搬送方向とは反対側に位置する端部は、それぞれ、側壁に接続もしくは隣接していて位置固定の側部における側壁の端部を、覆う。
【0020】
ベールに対するカッタバーの押圧時における本来の切断過程を実施するために、別の好適な態様では、カッタバーは、ベールに向いた少なくとも1つの切刃を有する。
【0021】
しかしながらまた、他の構成を有する切断装置がカッタバーに固定されていてもよい。
【0022】
本発明による装置の使用時に、ベールが、好ましくはすべての面を取り囲むストラップを備えた、プラスチックベール、織物ベール、繊維ベール又は古紙ベールから形成されると、特に好適である。
【0023】
次に図面を参照しながら本発明の1実施形態を詳説する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】切断装置を示す平面図である。
図2】切断装置の縦断面図である。
図3】別の切断装置を示す平面図である。
【0025】
例えば古紙から成る直方体形状のベール2は、コンベヤベルトとして形成された搬送装置5によって、さらなる加工のために搬送方向4で、後続の加工ユニット、例えばパルパ(Stoffloeser)に搬送される。そのために、ベール2のすべての側に見いだすことができるストラップ1は、切り離されねばならない。
【0026】
このようなストラップ1の切離しは、図1及び図2に示す実施形態によれば、ベールワイヤカッタとも呼ばれる切断装置を用いて行われ、この切断装置は主として、2つのカッタバー3から形成され、この両カッタバー3はそれぞれ、ベール2に向いた切刃10を有する。
【0027】
ストラップ1を切り離すために、カッタバー3は、それぞれのベール2に向かって押圧される。切離し後に、カッタバー3は戻される。
【0028】
ストラップ1の切離しが、搬送装置5におけるベール2の運動によって損なわれないようにするため、しかしながらまた他方では搬送装置5を連続的に運転できるようにするために、カッタバー3は、切離し中、つまり圧着中に、トラバース装置6によって連続的に搬送装置5と共に同期して移動させられる。切断後、トラバース装置6はカッタバー3を再び出発位置に戻す。
【0029】
可能な限りすべてのストラップ1が切り離されることを保証するために、1つのカッタバー3がベール2の上に位置し、別のカッタバー3が側部において傍らに位置している。上側のカッタバー3が切断のために下方に向かってベール2に押し付けられるのに対して、側部のカッタバー3は、ベール2の対応する側に押圧される。
【0030】
この場合、ベール2の一部が、特に切断装置の領域において、搬送装置5から落下し、ひいては搬送装置5の機能を損なうことは、阻止することが望まれている。従ってベール2は、側部において、搬送方向4に延びる側壁7,8によって導かれ、これらの側壁7,8は、簡単な構成ではガイド金属薄板によって形成される。
【0031】
切断時に、搬送装置5はベール2を上側のカッタバー3に対して不動に支持し、かつ側部の側壁7はベール2を側部のカッタバー3に対して不動に支持することができる。
【0032】
また、側部のカッタバー3の周りにおける領域を、汚れから保護するために、側部の側壁8はこの領域においてトラバース装置6に結合されており、すなわち側壁8は側部のカッタバー3と一緒に搬送方向4に移動し、かつ再び戻される。
【0033】
側部のカッタバー3が、側壁8によって妨げられることなく、ベール2に対して接近・離反運動できるようにするために、この側部の側壁8はスリット9を有する。
【0034】
ガイドをより完全なものにするために、トラバース装置6に結合された側部の側壁8は、搬送方向4における端部と搬送方向4とは反対側の端部の両端部においてそれぞれ、定置の側壁7に移行している。そのために移動する側壁8と定置の側壁7とは、カッタバー3の各ポジションにおいて互いに重なっている。
【0035】
上に述べた実施形態とは異なり、図3に示した切断装置では、搬送装置5の上には、搬送方向4に対して横方向にそれぞれ2つのベール2が並べて載置されている。
【0036】
両方のベール2のすべてのストラップ1を切り離すために、ここでは、上側のカッタバー3の他に、搬送装置5の両側にそれぞれ1つの側部のカッタバー3が配置されている。両方の側部のカッタバー3は、それぞれの側壁8及び上側のカッタバー3と共に、共通のトラバース装置6に結合されている。側部のカッタバー3は、ベール2を挟んで互いに反対の側から該ベール2に押圧されるので、これによって、ストラップ1の切断中に同時にベール2の固定も行われる。
図1
図2
図3