特許第5921686号(P5921686)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 電信科学技術研究院の特許一覧

特許5921686端末装置の能力を報告するための方法および装置
<>
  • 特許5921686-端末装置の能力を報告するための方法および装置 図000007
  • 特許5921686-端末装置の能力を報告するための方法および装置 図000008
  • 特許5921686-端末装置の能力を報告するための方法および装置 図000009
  • 特許5921686-端末装置の能力を報告するための方法および装置 図000010
  • 特許5921686-端末装置の能力を報告するための方法および装置 図000011
  • 特許5921686-端末装置の能力を報告するための方法および装置 図000012
  • 特許5921686-端末装置の能力を報告するための方法および装置 図000013
  • 特許5921686-端末装置の能力を報告するための方法および装置 図000014
  • 特許5921686-端末装置の能力を報告するための方法および装置 図000015
  • 特許5921686-端末装置の能力を報告するための方法および装置 図000016
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5921686
(24)【登録日】2016年4月22日
(45)【発行日】2016年5月24日
(54)【発明の名称】端末装置の能力を報告するための方法および装置
(51)【国際特許分類】
   H04W 8/22 20090101AFI20160510BHJP
   H04W 72/04 20090101ALI20160510BHJP
【FI】
   H04W8/22
   H04W72/04 111
【請求項の数】24
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2014-524255(P2014-524255)
(86)(22)【出願日】2012年8月2日
(65)【公表番号】特表2014-527347(P2014-527347A)
(43)【公表日】2014年10月9日
(86)【国際出願番号】CN2012079578
(87)【国際公開番号】WO2013023531
(87)【国際公開日】20130221
【審査請求日】2014年3月27日
(31)【優先権主張番号】201110231335.0
(32)【優先日】2011年8月12日
(33)【優先権主張国】CN
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】502012727
【氏名又は名称】電信科学技術研究院
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】▲趙▼ ▲亞▼利
(72)【発明者】
【氏名】▲許▼ 芳▲麗▼
(72)【発明者】
【氏名】蒋 守▲ニン▼
【審査官】 桑江 晃
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2011/085200(WO,A1)
【文献】 特開2013−005366(JP,A)
【文献】 InterDigital Communications,Support for multiple Timing Advance in LTE CA,3GPP TSG-RAN WG2 #74 Tdoc R2-113255,3GPP,2011年 5月 3日,1-5 pages,URL,http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_74/Docs/R2-113255.zip
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00−99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−2
CT WG1
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ装置(UE)の能力を報告するための方法であって、
前記UEにより、能力問合せメッセージを基地局から受信するステップと、
前記UEにより、能力報告メッセージを前記基地局に送信するステップであって、前記能力報告メッセージは明示モードと暗黙モードのうち少なくとも1つにより前記UEのマルチ時間整列(TA)能力情報を含むステップと、
を含み、
前記能力報告メッセージが、前記暗黙モードにより前記UEの前記マルチTA能力情報を含む場合には、前記基地局は、前記能力報告メッセージに含まれる帯域結合情報または前記UEのUEカテゴリ情報に従って、前記UEが前記マルチTA能力をサポートするかどうかを判定
前記能力報告メッセージが前記明示モードによりUEのマルチTA能力情報を含む場合には、前記能力報告メッセージが、各帯域結合における各帯域が単一のTAグループかどうかを示す情報を少なくとも含む、
方法。
【請求項2】
前記能力報告メッセージが前記明示モードにより前記UEの前記マルチTA能力情報を含む場合には、
前記能力報告メッセージが、前記UEがマルチTA能力をサポートするかどうかを示す情報および前記UEによりサポートされるTAグループの数を示す情報のうち少なくとも1つを含み、
または、
前記能力報告メッセージが、前記UEにより報告される帯域結合ごとにマルチTA能力がサポートされるかどうかを示す情報、および各帯域結合によりサポートされるTAグループの数を示す情報うち少なくとも1つを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記能力報告メッセージが、前記UEにより報告される帯域結合ごとにマルチTA能力がサポートされるかどうかを示す情報を含む場合には、前記UEにより、1つの帯域を含む帯域結合に対してのみ前記マルチTA能力を報告する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記能力報告メッセージが、前記暗黙モードにより前記UEの前記マルチTA能力情報を含む場合には、
前記能力報告メッセージに含まれる帯域結合情報が、前記UEがマルチTA能力をサポートするかどうかを示す情報を暗黙的に含み、
前記UEのUEカテゴリ情報と前記UEがマルチTA能力をサポートするかどうかを示す情報との間の関係が予め決定される、
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記能力報告メッセージに含まれる帯域結合情報が、前記UEが前記マルチTA能力をサポートするかどうかを示す前記情報を暗黙的に含む場合には、
前記能力報告メッセージに含まれる無線周波数(RF)能力情報は前記帯域結合情報を含み、前記帯域結合情報は前記UEが帯域間集約をサポートするかどうかを示し、前記UEが帯域間集約をサポートする場合には前記UEは前記マルチTA能力をサポートする、
請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記能力報告メッセージに含まれる帯域結合情報が、前記UEが前記マルチTA能力をサポートするかどうかを示す前記情報を暗黙的に含む場合には、前記帯域結合情報は高々前記UEにより集約できる帯域の数を示し、その結果、前記基地局は、前記帯域結合情報に従って、高々前記UEによりサポートできるTAグループの数を決定することができる、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記能力報告メッセージは前記暗黙モードにより前記UEの前記マルチTA能力情報を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項8】
前記TAグループの数は、一次セル(Pセル)TAグループ(PTAG)の数と二次セル(Sセル)TAグループ(STAG)の数の和に等しいか、または、STAGの数に等しい、請求項2乃至6の何れか1項に記載の方法。
【請求項9】
ユーザ装置(UE)であって、
基地局から能力問合せメッセージを受信するための受信モジュールと、
能力報告メッセージを前記基地局に送信するための送信モジュールであって、前記能力報告メッセージは明示モードと暗黙モードのうち少なくとも1つにより前記UEのマルチ時間整列(TA)能力情報を含む送信モジュールと、
を備え、
前記能力報告メッセージが、前記暗黙モードにより前記UEの前記マルチTA能力情報を含む場合には、前記基地局は、前記能力報告メッセージに含まれる帯域結合情報または前記UEのUEカテゴリ情報に従って、前記UEが前記マルチTA能力をサポートするかどうかを判定
前記能力報告メッセージが前記明示モードによりUEのマルチTA能力情報を含む場合には、前記能力報告メッセージが、各帯域結合における各帯域が単一のTAグループかどうかを示す情報を少なくとも含む、
ユーザ装置(UE)。
【請求項10】
前記能力報告メッセージが前記明示モードにより前記UEの前記マルチTA能力情報を含む場合には、
前記能力報告メッセージは、前記UEがマルチTA能力をサポートするかどうかを示す情報、および前記UEでサポートされるTAグループの数を示す情報のうち少なくとも1つを含むか、
または、
前記能力報告メッセージは、マルチTA能力が前記UEに対して報告された各帯域結合に対してサポートされるかどうかを示す情報、および各帯域結合でサポートされるTAグループの数を示す情報うち少なくとも1つを含む、
請求項9に記載のUE。
【請求項11】
前記能力報告メッセージが、前記UEによりサポートされる帯域結合ごとにマルチTA能力がサポートされるかどうかを示す情報を含む場合には、前記UEにより、1つの帯域を含む帯域結合に対してのみマルチTA能力を報告する、請求項9に記載のUE。
【請求項12】
前記UEカテゴリ情報と前記UEがマルチTA能力をサポートするかどうかを示す情報との関係が予め決定される、
請求項9に記載のUE。
【請求項13】
基地局により能力問合せメッセージを前記UEに送信するステップと、
前記基地局により能力報告メッセージを前記UEから受信するステップであって、前記能力報告メッセージは明示モードと暗黙モードのうち少なくとも1つにより前記UEのマルチ時間整列(TA)能力情報を含むステップと、
前記基地局により、前記能力報告メッセージに含まれる前記UEの前記マルチTA能力情報に従って、前記UEがマルチTA能力をサポートするかどうかを判定するステップと、
を含み、
前記能力報告メッセージが、前記暗黙モードにより前記UEの前記マルチTA能力情報を含む場合には、前記基地局は、前記能力報告メッセージに含まれる帯域結合情報または前記UEのUEカテゴリ情報に従って、前記UEが前記マルチTA能力をサポートするかどうかを判定

前記能力報告メッセージが前記明示モードによりUEのマルチTA能力情報を含む場合には、前記能力報告メッセージが、各帯域結合における各帯域が単一のTAグループかどうかを示す情報を少なくとも含む、
ユーザ装置(UE)の能力を報告するための方法。
【請求項14】
前記能力報告メッセージが前記明示モードにより前記UEの前記マルチTA能力情報を含む場合には、
前記能力報告メッセージが、前記UEが前記マルチTA能力をサポートするかどうかを示す情報、および前記UEによりサポートされるTAグループの数を示す情報のうち少なくとも1つを含み、
または、
前記能力報告メッセージが、前記UEにより報告される帯域結合ごとに前記マルチTA能力がサポートされるかどうかを示す情報、および各帯域結合によりサポートされるTAグループの数を示す情報うち少なくとも1つを含む、
請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記能力報告メッセージが、前記UEにより報告される帯域結合ごとにマルチTA能力がサポートされるかどうかを示す情報を含む場合には、前記UEにより、1つの帯域を含む帯域結合に対してのみ前記マルチTA能力を報告する、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記能力報告メッセージが前記暗黙モードにより前記UEの前記マルチTA能力情報を含む場合には、
前記能力報告メッセージに含まれる帯域結合情報が、前記UEがマルチTA能力をサポートするかどうかを示す情報を暗黙的に含み、
前記UEのUEカテゴリ情報と前記UEがマルチTA能力をサポートするかどうかを示す情報との間の関係が予め決定される、
請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記能力報告メッセージに含まれる帯域結合情報が、前記UEが前記マルチTA能力をサポートするかどうかを示す前記情報を暗黙的に含む場合には、前記能力報告メッセージに含まれる無線周波数(RF)能力情報は前記帯域結合情報を含み、前記帯域結合情報は前記UEが帯域間集約をサポートするかどうかを示し、前記UEが帯域間集約をサポートする場合には前記UEは前記マルチTA能力をサポートする、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記能力報告メッセージに含まれる帯域結合情報が、前記UEが前記マルチTA能力をサポートするかどうかを示す前記情報を暗黙的に含む場合には、前記帯域結合情報は高々前記UEにより集約できる帯域の数を示し、その結果、前記基地局は、前記帯域結合情報に従って、高々前記UEによりサポートできるTAグループの数を決定することができる、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記能力報告メッセージは前記暗黙モードにより前記UEの前記マルチTA能力情報を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記TAグループの数は、一次セル(Pセル)TAグループ(PTAG)の数と二次セル(Sセル)TAグループ(STAG)の数の和に等しいか、または、STAGの数に等しい、請求項14乃至18の何れか1項に記載の方法。
【請求項21】
能力問合せメッセージをUEに送信するための送信モジュールと、
能力報告メッセージを前記UEから受信するための受信モジュールであって、前記能力報告メッセージは明示モードと暗黙モードのうち少なくとも1つにより前記UEのマルチ時間整列(TA)能力情報を含む受信モジュールと、
前記能力報告メッセージに含まれる前記UEの前記マルチTA能力情報に従って、前記UEがマルチTA能力をサポートするかどうかを判定するための判定モジュールと、
を備え、
前記能力報告メッセージが、前記暗黙モードにより前記UEの前記マルチTA能力情報を含む場合には、前記判定モジュールは、前記能力報告メッセージに含まれる帯域結合情報または前記UEのUEカテゴリ情報に従って、前記UEが前記マルチTA能力をサポートするかどうかを判定
前記能力報告メッセージが前記明示モードによりUEのマルチTA能力情報を含む場合には、前記能力報告メッセージが、各帯域結合における各帯域が単一のTAグループかどうかを示す情報を少なくとも含む、
基地局。
【請求項22】
前記能力報告メッセージが前記明示モードにより前記UEの前記マルチTA能力情報を含む場合には、
前記能力報告メッセージは、前記UEが前記マルチTA能力をサポートするかどうかを示す情報、および前記UEでサポートされるTAグループの数を示す情報のうち少なくとも1つを含むか、
または、
前記能力報告メッセージは、前記マルチTA能力が前記UEに対して報告された各帯域結合に対してサポートされるかどうかを示す情報、および各帯域結合でサポートされるTAグループの数を示す情報うち少なくとも1つを含む、
請求項21に記載の基地局。
【請求項23】
前記能力報告メッセージが、前記UEにより報告される帯域結合ごとにマルチTA能力がサポートされるかどうかを示す情報を含む場合には、前記UEにより、1つの帯域を含む帯域結合に対してのみ前記マルチTA能力を報告する、請求項22に記載の基地局。
【請求項24】
前記UEのUEカテゴリ情報と前記UEが前記マルチTA能力をサポートするかどうかを示す情報との間の関係が予め決定される、
請求項21に記載の基地局。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、発明の名称を「UEの能力を報告するための方法および装置」とした、2011年8月12日出願の中国特許出願第201110231335.0号に対する優先権を主張し、その内容全体を引用により本明細書に組み込む。
【0002】
本発明は通信技術に関し、特に、UEの能力を報告するための方法と装置に関する。
【背景技術】
【0003】
ロング・ターム・エボリューション(LTE)システムのピーク速度と比べると、LTEアドバンスト(LTE−A)システムのピーク速度は非常に向上している。LTE−Aシステムのダウンリンク速度とアップリンク速度は、夫々1Gbpsおよび500Mbpsまでが要求される。さらに、LTE−AシステムはまたLTEシステムと互換である必要がある。ピーク速度を改善し、LTE−AシステムをLTEシステムと互換にし、周波数リソースを最大限に利用するために、キャリア集約(CA)技術がLTE−Aシステムに導入されている。
【0004】
CA技術により、複数のセルをユーザ装置(UE)により同時に集約することができる。UEは端末装置である場合もある。これらのセルが同一帯域に属する場合もある。このケースでは、当該CA技術は帯域内CA技術と呼ばれる。これらのセルが異なる帯域に属する場合もある。このケースでは、当該CA技術は帯域間CA技術と呼ばれる。これらのセルが同一帯域に属するか否かに関わらず、UEの能力がこれらのセルの集約をサポートできる限り、これらのセルはUEにデータ送信サービスを同時に提供することができる。LTE−AシステムをLTEシステムと互換とできるようにするために、各セルの最大帯域幅が20MHzであることがあり、メンバ・キャリア間の帯域幅が同一であることも異なることもある。
【0005】
時間整列(TA)機構により、UEが集約した全てのセルのアップリンク信号が同時に基地局に到達して干渉を回避することを保証することができる。UEに対しては、非同期なアップリンクデータ送信を回避すべきである。
【0006】
LTE−A R10は単一のTAシナリオをサポートするにすぎない。当該シナリオでは、UEが集約した全てのセルのTAは同一である。
【0007】
マルチTAシナリオがLTE−A R11に導入されている。当該シナリオでは、UEが集約した全てのセルのTAは異なることがある。マルチTAシナリオが、帯域間CAシナリオまたは帯域内CAシナリオであることもある。帯域内CAシナリオでは、当該帯域に属する部分セルのデータ送信がRRH(Remote Radio Head)または中継器を通過する。
【0008】
第三世代パートナシップ・プロジェクト(3GPP)により定義されている幾つかのマルチTAのシナリオを以下で説明する。
【0009】
図1に示すシナリオ1では、UEがF1とF2を集約し、F1のカバレッジはF2のカバレッジより小さく、F1とF2は異なる帯域に属する。即ち、シナリオ1は帯域間CAのシナリオである。
【0010】
図2に示すシナリオ2では、UEがF1とF2を集約し、F1とF2は異なる帯域に属する。即ち、シナリオ2は帯域間CAのシナリオである。
【0011】
図3に示すシナリオ3aでは、UEがF1とF2を集約し、F1とF2は同一の帯域に属するが、F2は中継器を通る。即ち、シナリオ3aは帯域内CAのシナリオであるが、部分セルのデータ送信が中継器を通る。
【0012】
図3に示すシナリオ3bでは、UEがF1とF2を集約し、F1とF2は異なる帯域に属し、F2が中継器を通る。即ち、シナリオ3bは帯域間CAのシナリオであり、部分セルのデータ送信が中継器を通る。
【0013】
図4に示すシナリオ4aでは、UEがF1とF2を集約し、F1とF2は同一帯域に属すが、F2が中継器を通る。即ち、シナリオ4aは帯域内CAのシナリオであるが、部分セルのデータ送信がRRHを通る。
【0014】
図4に示すシナリオ4bでは、UEがF1とF2を集約し、F1とF2は異なる帯域に属し、F2が中継器を通る。即ち、シナリオ4bは帯域間CAのシナリオであるが、部分セルのデータ送信がRRHを通る。
【0015】
マルチTAシステムにおけるTAを維持するために、TAグループの概念を導入する。或るTAグループに属するセルのアップリンク・コンポーネント・キャリア(UL CC)が同一のTA値を使用してもよく、別のTAグループに属するセルのUL CCが別のTA値を使用してもよい。UEがTAグループ内の1つのセルとアップリンク同期を維持する限り、UEはTAグループ内の全てのセルとアップリンク同期を維持することができる。
【0016】
一次セル(Pセル)を含むTAグループをPセルTAグループ(PTAG)と呼ぶことができ、二次セル(Sセル)を含むTAグループをSセルTAグループ(STAG)と呼ぶことができる。
【0017】
UEがネットワーク、例えば、EUTRAN(Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network)にアクセスした後、ネットワーク内の基地局がUEの能力を問い合わせることができる。能力問合せ要求を基地局から受信した後、UEがUEの能力を当該基地局に報告する。UEの能力を報告するシグナリング・プロセスを図5に示す。
【0018】
LTE R8/9におけるUEの能力に基づいて、非重要拡張(non Critical Extension)により、幾つかの新たな能力をLTE−A R10におけるUEに追加することができる。当該新たな能力が、UEカテゴリ能力、無線周波数(RF)能力、測定能力、不連続リソース割当て能力等を含んでもよい。無線周波数(RF)能力は、UEにより集約できる全ての帯域結合を提供する。
【0019】
帯域結合の情報要素(IE)は、2つのパラメータ、即ち、CABandwidthClassとMIMO(Multiple−Input Multiple−Output)能力を含む。表1に示すように、CABandwidthClassは、UEにより集約できるCCの数を定義する。
【0020】
【表1】
【0021】
LTE−A R10では、帯域内集約のみがアップリンクでサポートされるので、帯域結合で示される集約セルは全て当該帯域に属する。発明者らは先行技術において以下の課題を発見した。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
3GPPにより定義されるマルチTAシナリオによれば、複数のTAをLTE−A R11で考慮すべきであるが、複数のTAをサポートする能力はLTE−A R11のUEには必要ではない。したがって、当該UEがマルチTA能力をサポートするかどうかを示す情報を、どのようにUEが基地局に報告するかを考慮する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0023】
本発明の諸実施形態ではUEの能力を報告するための方法と装置を提供し、それにより、UEがそのマルチTA能力情報を報告できない問題を解決する。
【0024】
1実施形態によれば、UEの能力を報告するための方法が、UEにより、能力問合せメッセージを基地局から受信するステップと、UEにより、能力報告メッセージを基地局に送信するステップであって、当該能力報告メッセージは明示モードと暗黙モードのうち少なくとも1つによりUEのマルチ時間整列(TA)能力情報を含むステップとを含む。
【0025】
別の実施形態によれば、UEが、基地局から能力問合せメッセージを受信するための受信モジュールと、能力報告メッセージを基地局に送信するための送信モジュールであって、当該能力報告メッセージは明示モードと暗黙モードのうち少なくとも1つによりUEのマルチ時間整列(TA)能力情報を含む送信モジュールとを備える。
【0026】
別の実施形態によれば、UEの能力を報告するための方法が、基地局により能力問合せメッセージをUEに送信するステップと、基地局により能力報告メッセージをUEから受信するステップであって、当該能力報告メッセージは明示モードと暗黙モードのうち少なくとも1つによりUEのマルチ時間整列(TA)能力情報を含むステップと、基地局により、当該能力報告メッセージに含まれるUEのマルチTA能力情報に従って、UEがマルチTA能力をサポートするかどうかを判定するステップとを含む。
【0027】
別の実施形態によれば、基地局が、能力問合せメッセージをUEに送信するための送信モジュールと、能力報告メッセージをUEから受信するための受信モジュールであって、当該能力報告メッセージは明示モードと暗黙モードのうち少なくとも1つによりUEのマルチ時間整列(TA)能力情報を含む受信モジュールと、当該能力報告メッセージに含まれるUEのマルチTA能力情報に従って、UEがマルチTA能力をサポートするかどうかを判定するための判定モジュールとを備える。
【0028】
従来技術と比べて、本発明の解決策には以下の利点がある。本発明の解決策により、能力問合せメッセージを基地局から受信した後に、UEは能力報告メッセージを基地局に送信する。当該能力報告メッセージは、明示モードと暗黙モードのうち少なくとも1つによりUEのマルチTA能力情報を含む。したがって、UEのマルチTA能力情報を基地局に報告することができ、基地局はUEの能力を正確に学習することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】先行技術の3GPPで定義されるマルチTAシナリオのシナリオ1を示す図である。
図2】先行技術の3GPPで定義されるマルチTAシナリオのシナリオ2を示す図である。
図3】先行技術の3GPPで定義されるマルチTAシナリオのシナリオ3aおよび3bを示す図である。
図4】先行技術の3GPPで定義されるマルチTAシナリオのシナリオ4aおよび4bを示す図である。
図5】先行技術のUEの能力を報告するシグナリング・プロセスを示す図である。
図6】本発明の1実施形態に従うUEの能力を報告する方法を示す流れ図である。
図7】本発明の1実施形態に従う帯域結合の構造を示す図である。
図8】本発明の別の実施形態に従う帯域結合の構造を示す図である。
図9】本発明の1実施形態に従うUEの構造を示す図である。
図10】本発明の1実施形態に従う基地局の構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
背景技術で述べたように、LTE−A R11におけるマルチTA能力をサポートするUEが最初にネットワークにアクセスすると、基地局がUEの能力を問い合わせる。しかし、先行技術においては、UEがマルチTA能力をサポートするかどうかを基地局に報告する必要はなく、これは複数のTAをLTE−A R11で考慮すべきシナリオとは対照的である。したがって、基地局は、UEがマルチTA能力をサポートするかどうかを学習することができない。
【0031】
この問題を解決するために、本発明の1実施形態では、UEの能力を報告するための方法を提供する。当該方法により、基地局から能力問合せメッセージを受信した後、UEは能力報告メッセージを基地局に送信することができる。当該能力報告メッセージは、明示モードと暗黙モードのうち少なくとも1つによりUEのマルチTA能力情報を含む。したがって、UEのマルチTA能力情報を基地局に報告することができ、基地局はUEの能力を正確に学習することができる。
【0032】
図6は、本発明の1実施形態に従う、UEの能力を報告するための方法を示す流れ図である。図6に示すように、当該方法は以下のブロックを含む。ブロックS601で、UEが能力問合せメッセージを基地局から受信する。ブロックS602で、UEが能力報告メッセージを基地局に送信する。当該能力報告メッセージは、明示モードと暗黙モードのうち少なくとも1つによりUEのマルチTA能力情報を含む。ブロックS602から分かるように、UEのマルチTA能力情報を含めるための3つのモードが存在する。
【0033】
第1のモードでは、当該能力報告メッセージは、明示モードによりUEのマルチTA能力情報を含む。実際の適用事例では、当該第1のモードを以下の3つの実施形態のうち1つにより実装してもよい。
【0034】
実装形態(1)では、当該能力報告メッセージが、UEがマルチTA能力をサポートするかどうかを示す情報を含んでもよい。実際の適用事例では、UEがマルチTA能力をサポートするかどうかを示す情報を1ビットで表現してもよい。実装形態(1)では、場合によっては、能力報告メッセージが、UEによりサポートされるTAグループの数を示す情報を含んでもよい。実際の適用事例では、UEによりサポートされるTAグループの数を示す情報を1つまたは複数のビットで表してもよい。
【0035】
実装形態(2)では、能力報告メッセージが、UEによりサポートされるTAグループの数を示す情報を含んでもよい。実際の適用事例では、UEによりサポートされるTAグループの数を示す情報を1つまたは複数のビットで表してもよい。
【0036】
実装形態(3)では、能力報告メッセージが、UEにより報告される帯域結合ごとにマルチTA能力がサポートされるかどうかを示す情報を含んでもよい。実際の適用事例では、マルチTA能力が帯域結合に対してサポートされるかどうかを示す情報、当該帯域結合によりサポートされるTAグループの数を示す情報、および帯域結合内の各帯域が単一のTAグループであるかどうかを示す情報のうち少なくとも1つを、各帯域結合において示してもよい。
【0037】
さらに、UEが様々なキャリア集約のケースにおいてマルチTA能力を、1つの能力のみを含む帯域結合に対してのみ報告してもよい。
【0038】
第2のモードでは、能力報告メッセージが、暗黙モードによりUEのマルチTA能力情報を含む。実際の適用事例では、当該第2のモードを以下の2つの実施形態のうち1つにより実装してもよい。
【0039】
実装形態(1)では、能力報告メッセージに含まれる帯域結合情報が、UEがマルチTA能力をサポートするかどうかを示す情報を暗黙的に含み、その結果、基地局はUEがマルチTA能力をサポートするかどうかを帯域結合情報に従って判定することができる。能力報告メッセージに含まれるRF能力情報は帯域結合情報を含む。帯域結合情報はUEが帯域間集約をサポートするかどうかを示す。UEが帯域間集約をサポートする場合には、UEはマルチTA能力をサポートする。実際の適用事例では、能力報告メッセージに含まれる帯域結合情報が、UEがマルチTA能力をサポートするかどうかを示す情報を暗黙的に含むとき、当該帯域結合情報はまた、UEにより高々集約できる帯域の数を示し、その結果、基地局は当該帯域結合情報に従って、UEにより高々サポートできるTAグループの数を決定することができる。
【0040】
実装形態(2)では、UEのUEカテゴリ情報と当該UEがマルチTA能力をサポートするかどうかを示す情報との間の関係が予め決定される。能力報告メッセージは当該UEのUEカテゴリ情報を含み、その結果、基地局は、当該UEカテゴリ情報に従って、UEがマルチTA能力をサポートするかどうかを判定することができる。実際の適用事例では、上記第2のモードを帯域間集約シナリオに適用してもよい。
【0041】
第3のモードでは、能力報告メッセージが、明示モードと暗黙モードによりUEのマルチTA能力情報を含む。実際の適用事例では、能力情報報告プロセスを、第1のモードの実装形態(3)と第2のモードの任意の1つの実装形態とを組み合わせることによって実装してもよい。これについては、上の説明を参照できるので、ここでは説明しない。
【0042】
どのモードを使用しても、UEによりサポートされるTAグループの数を能力報告メッセージが含む必要がある場合には、2つのカウント・モードが存在し、そのうち一方はPATGとSTAGの数をカウントし、他方はSTAGの数のみをカウントする。
【0043】
能力報告メッセージをUEから受信した後、基地局はUEのマルチTA能力情報に従ってUEがマルチTA能力をサポートするかどうかを判定する。当該能力報告メッセージは、明示モードと暗黙モードのうち少なくとも1つによりUEのマルチTA能力情報を含む。能力報告メッセージ内のマルチTA能力情報を含むモードについては、上の説明を参照できるので、ここでは説明しない。
【0044】
従来技術と比べると、本発明の解決策には以下の利点がある。本発明の解決策により、能力問合せメッセージを基地局から受信した後に、UEは当該能力報告メッセージを基地局に送信する。当該能力報告メッセージは、明示モードと暗黙モードのうち少なくとも1つによりUEのマルチTA能力情報を含む。したがって、UEのマルチTA能力情報を基地局に報告することができ、基地局はUEの能力を正確に学習することができる。以下では、実際の適用例を参照して本発明の解決策を説明する。
【0045】
第1の実施形態では、上述の第1のモードの実装形態(1)に対応する明示モードを使用する。第1の実施形態では、UEは能力報告メッセージを介して1ビットの情報のみを報告する。
【0046】
UEがR11でマルチTA能力情報を報告しようとする場合には、R11におけるUEの能力を、R10におけるUEの能力での非キー拡張により記述してもよい。1ビットを追加して、UEがマルチTA能力をサポートするかどうかを示してもよい。当該ビットを、列挙型または論理型で表してもよい。1例を提供する。この例では、下線を引いたワードが拡張された情報である。
UE-EUTRA-Capability-v10xy-IEs ::= SEQUENCE {
ue-Category-v10xy INTEGER (6..8) OPTIONAL,
rf-Parameters-v10xy RF-Parameters-v10xy OPTIONAL,
measParameters-v10xy MeasParameters-v10xy OPTIONAL,
interRAT-ParametersCDMA2000-v10xy
IRAT-ParametersCDMA2000-1XRTT-v10xy OPTIONAL,
ue-BasedNetwPerfMeasParameters-r10
UE-BasedNetwPerfMeasParameters-r10 OPTIONAL,
nonCriticalExtension UE-EUTRA-Capability-v11xy-IEs OPTIONAL
}
【0047】
さらに、追加した1ビットの情報を以下のように定義してもよい。
修正モード1:
UE-EUTRA-Capability-v11xy-IEs ::= SEQUENCE {
supportMultiTA ENUMERATED {supported} OPTIONAL
}
修正モード2:
UE-EUTRA-Capability-v11xy-IEs ::= SEQUENCE {
supportMultiTA BOOLEAN
}
修正モード 3:
UE-EUTRA-Capability-v11xy-IEs ::= SEQUENCE {
supportMultiTA ENUMERATED {n0, n1}
}
【0048】
実際の適用事例では、修正モードは以上の説明には限定されない。以上の修正モードと同じ技術的効果を実現できる限り、他の修正モードを本発明の解決策に適用してもよい。
【0049】
第2の実施形態では、上述の第1のモードの実装形態(2)に対応する明示モードを使用する。第2の実施形態では、UEは能力報告メッセージを介して、サポートされるTAグループの数のみを報告する。
【0050】
R11でサポートされるTAグループの数が高々Nであるとすると、能力報告メッセージを列挙型、整数型、または文字型で表現してもよい。
【0051】
文字型を使用する場合には、能力報告メッセージをx個のビットで表してもよい。xの値が、
【0052】
【数1】
【0053】
または
【0054】
【数2】
【0055】
に等しくてもよい。基地局とUEが同じ値を使用すると定めてもよい。例えば、後者の値を使用する場合には、基地局とUEは、サポートされるTAグループ(TAG)の数が、UEが報告したTAGの値に1を加えた値に等しいと定めてもよい。
【0056】
例えば、UEによりサポートされるTAGの数が高々5である場合には、能力報告メッセージを2ビットまたは3ビットで表現してもよい。当該ビットを表2および表3に示すように定義してもよい。
【0057】
【表2】
【0058】
【表3】
【0059】
関連する無線リソース制御(RRC)シグナリングのフォーマットを以下に示す。当該フォーマットでは、下線を引いたワードは拡張された情報である。
UE-EUTRA-Capability-v10xy-IEs ::= SEQUENCE {
ue-Category-v10xy INTEGER (6..8) OPTIONAL,
rf-Parameters-v10xy RF-Parameters-v10xy OPTIONAL,
measParameters-v10xy MeasParameters-v10xy OPTIONAL,
interRAT-ParametersCDMA2000-v10xy
IRAT-ParametersCDMA2000-1XRTT-v10xy OPTIONAL,
ue-BasedNetwPerfMeasParameters-r10
UE-BasedNetwPerfMeasParameters-r10 OPTIONAL,
nonCriticalExtension UE-EUTRA-Capability-v11xy-IEs OPTIONAL
}
修正モード1(列挙型)
UE-EUTRA-Capability-v11xy-IEs ::= SEQUENCE {
SupportTAGroupNumber ENUMERATED {n1, n2, n3, n4, n5} (PTAGを含む)
or
SupportSTAGroupNumber ENUMERATED {n0, n1, n2, n3,n4} (PTAGを含まない)
or
SupportSTAGroupNumber ENUMERATED {n1, n2, n3, n4} OPTIONAL(PTAGを含まない)
}
【0060】
当該修正モードでは、「ni」はi個のTAGが存在することを表す。例えば、n0はTAGが存在しないことを表す。
修正モード2(整数型)
UE-EUTRA-Capability-v11xy-IEs ::= SEQUENCE {
SupportTAGroupNumber INTEGER (1..5) (PTAGを含む)
or
SupportTAGroupNumber INTEGER (0..4) (PTAGを含まない)
or
SupportTAGroupNumber INTEGER (1..4) OPTIONAL (PTAGを含まない)
}
修正モード3(文字型)
UE-EUTRA-Capability-v11xy-IEs ::= SEQUENCE {
SupportSTAGroupNumber BIT STRING (SIZE(3)) (PTAGを含む)
or
SupportSTAGroupNumber BIT STRING (SIZE(3)) (PTAGを含まない)
or
SupportSTAGroupNumber BIT STRING (SIZE(2)) OPTIONAL (PTAGを含まない)
}
【0061】
実際の適用事例では、修正モードは以上の説明には限定されない。上の修正モードと同じ技術的効果を実現できる限り、他のモードを本発明の解決策に適用してもよい。
【0062】
第3の実施形態では上述の第1のモードの実装形態(3)に対応する明示モードを使用する。第3の実施形態ではUEは帯域結合に基づいてマルチTA能力を報告してもよい。
【0063】
R10におけるUEの能力により定義される帯域結合を拡張するための幾つかの拡張モードがある。第1の拡張モードでは、UEは、マルチTA能力が帯域結合ごとにサポートされるかどうかを示す情報を報告する。例えば、マルチTA能力が帯域結合ごとにサポートされるかどうかを示す情報、各帯域結合によりサポートされるTAグループの数を示す情報、および帯域結合内の各帯域が単一のTAグループであるかどうかを示す情報のうち少なくとも1つを、R11の1つのRFパラメータであるBandcombinationパラメータに追加してもよい。1例を示すと、図7に示すように、マルチTA能力が帯域結合ごとにサポートされるかどうかを示す情報がBandcombinationパラメータに追加される。マルチTA能力が帯域結合ごとにサポートされるかどうかを示す情報(場合によっては、各帯域結合によりサポートされるTAグループの数を示す情報)が新たに追加される。さらに、マルチTA能力が帯域結合ごとにサポートされるかどうかを示す情報が帯域内CAのシナリオのケースでのみ現れるように制限してもよい。
【0064】
第2の拡張モードでは、帯域内CAのシナリオに対してのみマルチTA能力がサポートされるかどうかを報告し、場合によっては、サポートされるTAグループの数を報告してもよい。
【0065】
例として、R11におけるUL CA&MIMO能力の指示であるCA−MIMO−ParametersULパラメータを図8に示す。マルチTA能力が帯域結合ごとにサポートされるかどうかを示す情報(場合によっては、各帯域結合によりサポートされるTAグループの数を示す情報)が新たに追加される。マルチTA能力が帯域結合ごとにサポートされるかどうかを示す情報が、任意のシナリオで現れてもよく、または、帯域内CAのシナリオでのみ現れてもよい。
【0066】
第4の実施形態では、上述の第2のモードの実装形態(1)に対応する暗黙モードを使用する。第4の実施形態では、基地局は、UEの帯域間CAに従って、UEがマルチTA能力をサポートするかどうかを判定してもよい。
【0067】
UEは、R10における帯域結合IEのフォーマットに従って能力報告メッセージを報告し、基地局は、UEが帯域間CAをサポートするかどうかを帯域結合に従って決定する。UEが帯域間CAをサポートする場合には、UEはマルチTA能力をサポートする。
【0068】
第5の実施形態では、上述の第2のモードの実装形態(2)に対応する暗黙モードを使用する。第5の実施形態では、基地局はUEカテゴリ情報に従って、UEがマルチTA能力をサポートするかどうかを判定する。
【0069】
或るプロトコルでは、UEのUEカテゴリ情報と当該UEがマルチTA能力をサポートするかどうかを示す情報の間の関係が予め定義される。UEの能力報告メッセージがUEカテゴリ情報を含む場合には、基地局は当該UEカテゴリ情報に従って、UEがマルチTA能力をサポートするかどうかを判定してもよい。
【0070】
第6の実施形態では、暗黙モードと明示モードを組み合わせる。これは上述の第3のモードに対応する。
【0071】
帯域間CAに対しては、マルチTA能力がサポートされるかどうかを、帯域間CAがサポートされるかどうかに従って判定してもよい。帯域内CAに対しては、マルチTA能力がサポートされるかどうかを、UEの能力報告メッセージで示された情報に従って判定してもよい。UEの能力報告メッセージで示された情報が、第3の実施形態におけるフォーマットを使用してもよい。
【0072】
従来技術と比べると、本発明の解決策には以下の利点がある。本発明の解決策により、能力問合せメッセージを基地局から受信した後に、UEは能力報告メッセージを基地局に送信する。当該能力報告メッセージは、明示モードと暗黙モードのうち少なくとも1つによりUEのマルチTA能力情報を含む。したがって、UEのマルチTA能力情報を基地局に報告することができ、基地局はUEの能力を正確に学習することができる。
【0073】
本発明の1実施形態では、図9に示すようにUEを提供する。当該UEは、以下のモジュールを備える。
【0074】
受信モジュール91は能力問合せメッセージを基地局から受信する。送信モジュール92は、能力報告メッセージを基地局に送信する。当該能力報告メッセージは、明示モードと暗黙モードのうち少なくとも1つによりUEのマルチTA能力情報を含む。
【0075】
1実装形態では、送信モジュール92は、UEがマルチTA能力をサポートするかどうかを示す情報を含む能力報告メッセージを送信する。別の実装形態では、送信モジュール92は、UEによりサポートされるTAグループの数を示す情報を含む能力報告メッセージを送信する。別の実装形態では、送信モジュール92は、UEにより報告される帯域結合ごとにマルチTA能力がサポートされるかどうかを示す情報を含む能力報告メッセージを送信する。
【0076】
送信モジュール92は、UEによりサポートされる帯域結合情報を含む能力報告メッセージを送信し、その結果、基地局は、UEがマルチTA能力をサポートするかどうかを当該帯域結合情報に従って判定することができる。別の実装形態では、送信モジュール92は、UEのUEカテゴリ情報を含む能力報告メッセージを送信する。UEカテゴリ情報と当該UEがマルチTA能力をサポートするかどうかを示す情報との間の関係が予め決定され、その結果、基地局は、UEがマルチTA能力をサポートするかどうかを、当該UEカテゴリ情報に従って判定することができる。
【0077】
本発明の1実施形態では、図10に示すように基地局を提供する。当該基地局は以下のモジュールを備える。
【0078】
送信モジュール101は、能力問合せメッセージをUEに送信する。受信モジュール102は、能力報告メッセージをUEから受信する。当該能力報告メッセージは、明示モードと暗黙モードのうち少なくとも1つによりUEのマルチTA能力情報を含む。
【0079】
判定モジュール103は、受信モジュール102により受信された当該能力報告メッセージに含まれるUEのマルチTA能力情報に従って、当該UEがマルチTA能力をサポートするかどうかを判定する。
【0080】
1実装形態では、受信モジュール102は、UEがマルチTA能力をサポートするかどうかを示す情報を含む能力報告メッセージを受信する。別の実装形態では、受信モジュール102は、UEによりサポートされるTAグループの数を示す情報を含む能力報告メッセージを受信する。別の実装形態では、受信モジュール102は、UEにより報告される帯域結合ごとにマルチTA能力がサポートされるかどうかを示す情報を含む能力報告メッセージを受信する。
【0081】
受信モジュール102が、UEにより報告される帯域結合ごとに当該マルチTA能力がサポートされるかどうかを示す情報を含む能力報告メッセージを受信したとき、判定モジュール103は、マルチTA能力が帯域結合ごとにサポートされるかどうかを示す情報に従って、UEがマルチTA能力をサポートするかどうかを判定する。別の実装形態では、UEのUEカテゴリ情報と当該UEがマルチTA能力をサポートするかどうかを示す情報の間の関係が予め定義される。受信モジュール102がUEのUEカテゴリ情報を含む能力報告メッセージを受信したとき、判定モジュール103はUEカテゴリ情報に従って、UEがマルチTA能力をサポートするかどうかを判定してもよい。
【0082】
従来技術と比べると、本発明の解決策には以下の利点がある。本発明の解決策により、能力問合せメッセージを基地局から受信した後に、UEは能力報告メッセージを基地局に送信する。当該能力報告メッセージは、明示モードと暗黙モードのうち少なくとも1つによりUEのマルチTA能力情報を含む。したがって、UEのマルチTA能力情報を基地局に報告することができ、基地局はUEの能力を正確に学習することができる。
【0083】
以上の実施形態の説明によれば、本発明の諸実施形態を、ハードウェアにより実現してもよく、または、必要な一般的なハードウェア・プラットフォームを伴うソフトウェアにより実現してもよいことは当業者には明らかに理解される。これに基づくと、本発明の解決策がソフトウェア製品の形であってもよい。当該ソフトウェア製品を、(CD−ROM、フラッシュ・メモリ・ディスクまたはモバイル・ハード・ディスクのような)非一時的な記憶媒体に格納してもよく、当該ソフトウェア製品は(パーソナル・コンピュータ、サーバ、またはネットワーク装置のような)コンピュータ装置に本発明の諸実施形態で説明した方法を実施させる幾つかの命令を含む。
【0084】
添付図面は幾つかの実施形態の略図にすぎず、添付図面で示した一部のモジュールまたはプロセスを当該実施形態に対して必要としなくともよいことは当業者に理解される。
【0085】
装置の実施形態で示したモジュールを、実施形態の説明に従って当該実施形態の装置において構成してもよく、または、以上の実施形態とは異なる1つまたは複数の装置に配置してもよいことは当業者に理解される。以上の実施形態におけるモジュールを1つのモジュールにマージしてもよく、または、複数のサブモジュールにさらに分割してもよい。
【0086】
以上の本発明の諸実施形態における符号は説明のために使用したにすぎず、諸実施形態の良し悪しを示すものではない。
【0087】
以上は本発明の諸実施形態にすぎず、本発明の保護範囲はこれらに限定されない。当業者が行いうる任意の修正は本発明の保護範囲に入る。
【符号の説明】
【0088】
91 受信モジュール
92 送信モジュール
101 送信モジュール
102 受信モジュール
103 判定モジュール
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10