【文献】
清原將裕 外3名,車両周辺監視のための移動体検出技術の開発,映像情報インダストリアル,産業開発機構(株),2012年 5月 1日,第44巻 第5号,第45−51頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記駐車枠認識部は、自車速が予め設定された閾値以下の場合、前記第1駐車枠認識処理を行い、自車速が前記閾値よりも高い場合、前記第1駐車枠認識処理と前記第2駐車枠認識処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の車載画像処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、本発明の各実施の形態について図面を用いて説明する。
【0012】
[第1実施の形態]
図1は、本実施の形態にかかわる車載画像処理装置の構成を説明するブロック図、
図2は、俯瞰画像生成部の構成を説明するイメージ図である。
【0013】
車載画像処理装置は、自車10に搭載されるカメラ装置内のハードウエアとソフトウエアによって実現される。車載画像処理装置は、その内部機能として、画像取得部12、俯瞰画像生成部13、画像合成部14、駐車枠認識部15を有する。
【0014】
画像取得部12は、自車10の前部、後部、右側部、左側部にそれぞれ取り付けられた前方カメラ1、後方カメラ2、右側方カメラ3、左側方カメラ4でそれぞれ撮像されたスルー画像を取得する。
【0015】
俯瞰画像生成部13は、画像取得部12で取得した各スルー画像を変換して、自車10の上方に視点を移動させた俯瞰画像25を生成する。俯瞰画像25の生成は、公知技術を用いて行う。画像合成部14は、各スルー画像の少なくとも一つと俯瞰画像を合成する。外界認識部である駐車枠認識部15は、画像合成部14により合成された合成画像からスルー画像と俯瞰画像の少なくともいずれか一方を用いて外界の駐車枠WLを認識する処理を行う。
【0016】
図2に示す例は、自車10の前部から駐車枠WLに進入した状態を各カメラ1〜4で撮像したものである。駐車枠WLは、車両1台分の大きさを区画するために、白色や黄色の塗料等を用いて地面に標示線WL1〜WL3を標示することによって形成されている。
【0017】
駐車枠WLは、車幅方向両側を区画する標示線WL1、WL2と、車両前後方向を区画する標示線WL3を有している。各スルー画像21〜24には、自車の周囲に位置する駐車枠WLが映し出されている。そして、各スルー画像21〜24を変換して生成した俯瞰画像25には、標示線WL1、WL2と、車両前側の標示線WL3が、自車10の周りを囲むように映し出されている。
【0018】
図3は、駐車枠認識に用いる画像を合成する方法を説明するフローチャート、
図4は、俯瞰画像とリヤカメラ画像を合成したイメージ図、
図5は、俯瞰画像とフロントカメラ画像を合成したイメージ図である。
【0019】
画像合成部14は、自車10のシフトポジション情報を取得する(ステップS101)。シフトポジション情報は、自車10の駆動系を制御する制御装置からCANなどを介して取得される。シフトポジション情報には、自車10のシフトポジションの位置の情報、例えばマニュアルトランスミッションの場合はシフトレバーの位置、オートマチックトランスミッションの場合はセレクタレバーの位置の情報が含まれている。
【0020】
そして、シフトポジション情報から後退(リバース)Rの位置が選択されているか否かを判断し(ステップS102)、後退Rの位置が選択されている場合は(ステップS102でYES)、俯瞰画像25と後方カメラ2のスルー画像22を合成する(ステップS103)。後退R以外の位置が選択されている場合は(ステップS102でNO)、俯瞰画像25と前方カメラ1のスルー画像21を合成する(ステップS104)。なお、上記した例では、一つのスルー画像と俯瞰画像とを合成する場合について説明したが、複数のスルー画像と俯瞰画像を合成してもよい。
【0021】
図6は、駐車枠の認識方法の一例を説明するフローチャート、
図7は、俯瞰画像を用いた駐車枠の認識方法を説明するフローチャート、
図8は、スルー画像を用いた駐車枠の認識方法を説明するフローチャートである。
【0022】
駐車枠認識部15は、まず、俯瞰画像25を用いて駐車枠を認識する第1駐車枠認識処理を行い(ステップS111)、次いで、スルー画像を用いて駐車枠を認識する第2駐車枠認識処理を行う(ステップS112)。
【0023】
第1駐車枠認識処理では、
図7に示すように、まず、全ラインで横方向のエッジフィルタを適用し(ステップS121)、ピーク(立ち上がり・立ち下がり)を抽出する(ステップS122)。そして、所定間隔で立ち上がりと立ち下がりのペアが成り立つエッジのみを残し(ステップS123)、グルーピングした後(ステップS124)、長さでフィルタリングする(ステップS125)。そして、立ち上がりエッジ・立ち下がりエッジの上端と下端の座標を抽出し(ステップS126)、白線(標示線)2本を選択する(ステップS127)。
【0024】
そして、選択した2本の白線の角度差が所定値以下(〜Thθmax)であるか(ステップS128)、2本の白線の間隔が所定範囲内(ThWminからThWmax)であるか(ステップS129)、2本の白線の下端のずれが所定範囲内(ThBmin〜ThBmax)であるか(ステップS130)を判断し、これらステップS129〜S130の全ての条件を満たす場合には、ステップS131に移行する。ステップS131では、駐車枠WLの四隅の点、すなわち、車両左側の白線(標示線WL2)の上端と下端、及び、車両右側の白線(標示線WL1)の上端と下端の4点の座標位置を登録する。
【0025】
そして、全ての組み合わせで確認したか否かを判断し(ステップS132)、確認した場合は(ステップS132でYES)、第1駐車枠認識処理を終了し、未確認の場合は(ステップS132でNO)、白線を2本選択する処理(ステップS127)に戻り、全ての組み合わせで確認したと判断されるまで(ステップS132でYES)、以降の処理を繰り返し行う。
【0026】
第2駐車枠認識処理では、
図8に示すように、まず、画像処理領域を設定する(ステップS141)。画像処理領域は、俯瞰画像25よりも遠方の領域のみを処理するように設定する。そして、俯瞰画像を用いた駐車枠認識方法のステップS121、S122と同様に、全ラインで横方向のエッジフィルタを適用し(ステップS142)、ピーク(立ち上がり・立ち下がり)を抽出する(ステップS143)。それから、エッジ点全点についてカメラ幾何を用いて俯瞰変換する(ステップS144)。そして、俯瞰画像を用いた駐車枠認識方法のステップS123〜S132と同様の処理(ステップS145〜S154)を行い、第2駐車枠認識処理を終了する。
【0027】
本実施の形態における車載画像処理装置によれば、俯瞰画像とスルー画像をそれぞれ用いて駐車枠認識を行うので、俯瞰画像のみを用いたものと比較して、より広い遠方の領域までに亘って駐車枠認識を行うことができる。
【0028】
図9は、駐車枠の認識方法の他の一例を説明するフローチャートである。
【0029】
上記した駐車枠認識方法では、第1駐車枠認識処理と、第2駐車枠認識処理の両方を常に行う場合について説明したが、第1駐車枠認識処理と、第2駐車枠認識処理の両方を用いた駐車枠認識を行う場合と、第1駐車枠認識処理のみを行う場合のいずれか一方を状況に応じて適宜選択する構成としてもよい。
【0030】
駐車枠認識部15は、
図9に変形例1として示すように、まず、俯瞰画像25を用いて駐車枠を認識する第1駐車枠認識処理を行う(ステップS161)。そして、自車10の自車速vspの情報を取得し(ステップS162)、自車速vspが所定の閾値thvsp1よりも高いか否かを判断する(ステップS163)。
【0031】
ここで、自車速vspが所定の閾値thvsp1よりも高いと判断した場合は(ステップS163でYES)、スルー画像を用いた第2駐車枠認識処理を行い、自車速vspが閾値thvsp1以下であると判断した場合は(ステップS163でNO)、処理を終了する。
【0032】
図9に示す構成例によれば、自車10の車速が高い場合には、俯瞰画像を用いた第1駐車枠認識処理と、スルー画像を用いた第2駐車枠認識処理の両方を行うので、俯瞰画像よりも広い遠方の領域までに亘って駐車枠認識を行うことができる。一方、車速が低い場合には、俯瞰画像を用いた第1駐車枠認識処理のみを行い、スルー画像を用いた第2駐車枠認識処理を行わないので、第2駐車枠認識処理の分だけ演算処理負荷を減らすことができ、他のアプリケーションの演算処理に用いるなど、ハードウエア資源の有効活用を図ることができる。また、スルー画像を用いた第2駐車枠認識処理に使用する演算処理の分を、俯瞰画像を用いた第1駐車枠認識処理に用いて高精度の駐車枠認識を行ってもよい。
【0033】
[第2実施の形態]
次に、本発明の第2実施の形態について
図10から
図13を参照しつつ以下に説明する。
【0034】
図10は、第2実施の形態にかかわる車載画像処理装置の構成を説明するブロック図、
図11は、表示の切り替え方法を説明するフローチャート、
図12は、表示の切り替えの一例を示すイメージ図である。なお、第1実施の形態と同様の構成要素には同一の符号を付することでその詳細な説明を省略する。
【0035】
本実施の形態において特徴的なことは、ユーザによって合成画像の表示を切り替えることが可能な構成としたことである。
【0036】
車載画像処理装置は、
図10に示すように、ユーザからの表示切替要求を取得する表示切替要求取得部16を有する。表示切替要求取得部16は、
図11に示すように、ユーザの表示切替要求の有無を判断し(ステップS201)、要求有りの場合は(ステップS201でYES)、画像合成部14に対して表示切替を指示し(ステップS202)、要求無しの場合は(ステップS201でNO)、表示切替を指示しない。
【0037】
画像合成部14は、例えば
図12に示すように、俯瞰画像とスルー画像を合成した合成画像31を生成する。そして、表示切替要求を取得した表示切替要求取得部16から表示切替要求の入力を受けた場合に、俯瞰画像とナビゲーション画面(地図情報と自車位置情報を示す画面)を合成した合成画像32を生成する。これらの合成画像31、32は、車内モニター(図示せず)に選択表示される。なお、上記した例では、合成画像32の例として俯瞰画像とナビゲーション画面を合成した場合について説明したが、スルー画像とナビゲーション画面を合成したものであってもよい。
【0038】
図13は、駐車枠の認識方法の他の一例を説明するフローチャートである。
【0039】
駐車枠認識部15は、俯瞰画像を用いて駐車枠認識を行っている状態で(ステップS211)、車内モニターの現在の表示が俯瞰画像とスルー画像を合成した合成画像であるか否かを判断する(ステップS212)。そして、俯瞰画像とスルー画像の合成画像であると判断された場合は(ステップS212でYES)、スルー画像を用いて駐車枠認識を行う(ステップS213)。一方、現在の表示が俯瞰画像とスルー画像の合成画像ではないと判断された場合は(ステップS212でNO)、俯瞰画像を用いた駐車枠認識を継続して行う。
【0040】
本実施の形態によれば、本実施の形態によれば、例えばユーザが複数の表示内容から任意に選択したモニター表示画像を選択できるシステム、かつ、車載画像処理装置の入力画像がモニター表示画面と同一である装置において、表示画面の状態に応じた駐車枠認識を実現することができる。
【0041】
[第3実施の形態]
次に、本発明の第3実施の形態について
図14から
図16を参照しつつ以下に説明する。
【0042】
図14は、第3実施の形態にかかわる車載画像処理装置の構成を説明するブロック図、
図15は、歩行者検知方法の一例を説明するフローチャート、
図16は、歩行者検知方法の一例を説明するフローチャートである。なお、上記した各実施の形態と同様の構成要素には同一の符号を付することでその詳細な説明を省略する。
【0043】
本実施の形態において特徴的なことは、上記した第1実施の形態の駐車枠認識に加えて、歩行者検知を俯瞰画像とスルー画像を用いて行う構成としたことである。
【0044】
車載画像処理装置は、
図14に示すように、各車載カメラ1〜4で撮像した画像を用いて歩行者検知を行う歩行者検知部17を有する。歩行者検知部17は、
図15に示すように、俯瞰画像を用いた第1歩行者検知処理(ステップS311)と、スルー画像を用いた第2歩行者検知処理(ステップS312)を行う。
【0045】
俯瞰画像を用いた第1歩行者検知処理と、スルー画像を用いた第2歩行者検知処理は、それぞれ公知技術を適用することができ、例えば俯瞰画像から歩行者検知する第1歩行者検知処理は、特開2011−77772号公報(特許文献2)に記載のオプティカルフローを用いた方法を適用し、スルー画像から歩行者を検知する第2歩行者検知処理は、特開2010−146478号公報(特許文献3)に記載のオプティカルフローを用いた方法を適用することができる。
【0046】
図16は、歩行者検知方法の他の一例を説明するフローチャートである。
【0047】
歩行者検知部17は、
図16に変形例として示すように、まず、自車速vspの情報を取得し(ステップS321)、自車速vspが所定の閾値thvsp2を超えているか否かを判断する(ステップS322)。
【0048】
ここで、自車速vspが所定の閾値thvsp2を超えていると判断した場合は(ステップS322でYES)、スルー画像を用いた第2歩行者検知処理を行い、自車速vspが閾値thvsp2以下と判断した場合は(ステップS322でNO)、俯瞰画像を用いた第1歩行者検知処理を行う(ステップS324)。
【0049】
図16に示す構成例によれば、自車10の車速が高い場合には、スルー画像を用いた第2歩行者検知処理のみを行うので、俯瞰画像よりも広い遠方の領域までに亘って歩行者検知を行うことができる。
【0050】
[第4実施の形態]
次に、本発明の第4実施の形態について
図17から
図19を参照しつつ以下に説明する。
【0051】
図17は、第4実施の形態にかかわる車載画像処理装置の構成を説明するブロック図、
図18は、スケジューリング方法を説明するフローチャート、
図19は、CPUの利用配分の一例を示す図である。なお、上記した各実施の形態と同様の構成要素には同一の符号を付することでその詳細な説明を省略する。
【0052】
本実施の形態において特徴的なことは、第3実施の形態の構成にスケジューリング部18を加えたことである。
【0053】
車載画像処理装置は、
図17に示すように、車速に応じて外界認識部による外界認識処理を実行するか否かを決定するスケジューリング部18を有する。
【0054】
スケジューリング部18は、
図18に示すように、自車速vspの情報を取得し(ステップS411)、自車速vspが所定の閾値th_vlow以下か否かを判断する(ステップS412)。そして、自車速vspが所定の閾値th_vlow以下であると判断した場合は(ステップS412でYES)、駐車枠認識処理と歩行者検知処理の両方を行わせる(ステップS413)。一方、自車速vspが閾値th_vlowよりも高いと判断した場合は(ステップS412でNO)、駐車枠認識処理のみを行わせる(ステップS414)。
【0055】
車載画像処理装置のハードウエアのCPUは、例えば画像処理専用チップにより構成された第1画像処理回路と、汎用性チップにより構成された第2画像処理回路を有している。スケジューリング部18は、車速条件に応じて、第1画像処理回路と第2画像処理回路の利用配分を行う。
【0056】
例えば、
図19に示すように、自車速vspが閾値th_vlow以下の場合、ステップS413で駐車枠認識処理と歩行者検知処理の両方が行われるが、第1画像処理回路に歩行者検知処理の全て(100%)を行わせ、第2画像処理回路に駐車枠認識処理の全て(100%)を行わせるように利用配分する。
【0057】
一方、自車速vspが閾値th_vlowよりも早い場合、ステップS414で駐車枠認識のみが行われるが、第1画像処理回路に駐車枠認識処理の50%を行わせ、第2画像処理回路に駐車枠認識処理の残りの50%の処理を行わせるように利用配分する。
【0058】
本実施の形態によれば、2つのアプリケーションを同時動作する場合は、それぞれのチップに別々の処理を割り当て同時動作を実現することができ、1つのアプリケーションのみを動作させる場合は2つのチップを使い分けて処理周期を上げることができる。
【0059】
[第5実施の形態]
次に、本発明の第5実施の形態について
図20から
図24を参照しつつ以下に説明する。
【0060】
図20は、第5実施の形態にかかわる車載画像処理装置の構成を説明するブロック図、
図21は、レーン逸脱予測方法を説明するフローチャート、
図22は、レーン逸脱予測方法を説明するイメージ図である。なお、上記した各実施の形態と同様の構成要素には同一の符号を付することでその詳細な説明を省略する。
【0061】
本実施の形態において特徴的なことは、第4実施の形態の歩行者検知部17の代わりにレーン逸脱予測部19を設けたことである。
【0062】
車載画像処理装置は、
図20に示すように、レーン逸脱予測部19を有する。レーン逸脱予測部19は、自車10が走行中に走行レーンから逸脱するのを予測するレーン逸脱予測処理を行う。
【0063】
レーン逸脱予測部19は、
図21に示すように、スルー画像を用いてレーン認識を行い(ステップS511)、その結果を俯瞰画像に投影する(ステップS512)。スルー画像を用いたレーン認識方法は、公知の技術を用いて行うことができる。そして、その俯瞰画像を用いて自車両の走行レーンからの逸脱を予測する(ステップS513)。例えば、自車10の走行中に走行レーンに対して予め設定された距離まで接近した場合に、走行レーンから逸脱するおそれがあると予測する。
【0064】
ステップS511のレーン認識により、
図22に示すように、合成画像31のスルー画像22上で自車10の進行方向に沿って延在する2本の走行レーンWL5、WL6が認識される。そして、ステップS512により、スルー画像22で認識された走行レーンWL5、WL6が、合成画像31’の俯瞰画像25に投影されて、ステップS513で俯瞰画像25を用いたレーン逸脱の予測が行われる。
【0065】
俯瞰画像25は、スルー画像22よりも画像処理的に扱いやすい。したがって、スルー画像22を用いるよりも俯瞰画像25を用いた方が、レーン逸脱の予測を迅速且つ正確に行うことができる。
【0066】
図23は、スケジューリング方法を説明するフローチャート、
図24は、CPUの利用配分の一例を示す図である。
【0067】
スケジューリング部18は、
図23に示すように、自車速vspの情報を取得し(ステップS521)、自車速vspが所定の低速閾値th_vlow以下か否かを判断する(ステップS522)。そして、自車速vspが低速閾値th_vlow以下であると判断した場合は(ステップS522でYES)、駐車枠認識処理のみを行わせる(ステップS523)。
【0068】
一方、自車速vspが低速閾値th_vlowよりも高いと判断した場合は(ステップS522でNO)、自車速vspが高速閾値th_vhigh以下か否かを判断する(ステップS524)。そして、自車速vspが高速閾値th_vhigh以下であると判断した場合は(ステップS524でYES)、駐車枠認識処理とレーン逸脱予測処理の両方を行わせる(ステップS525)。一方、自車速vspが高速閾値th_vhighよりも高いと判断した場合は(ステップS524でNO)、レーン逸脱予測処理のみを行わせる(ステップS526)。
【0069】
車載画像処理装置のハードウエアのCPUは、例えば画像処理専用チップにより構成された第1画像処理回路と、汎用性チップにより構成された第2画像処理回路を有している。スケジューリング部18は、車速条件に応じて、第1画像処理回路と第2画像処理回路の利用配分を行う。
【0070】
例えば
図24に示すように、自車速vspが低速閾値th_vlow以下の場合、ステップS523で駐車枠認識処理のみが行われるが、第1画像処理回路に駐車枠認識処理の50%を行わせ、第2画像処理回路に駐車枠認識の残りの50%を行わせるように、利用配分する。
【0071】
そして、自車速vspが低速閾値th_vlowよりも高く、かつ、高速閾値th_vhigh以下の場合、ステップS525で駐車枠認識とレーン逸脱予測の両方が行われるが、第1画像処理回路に駐車枠検知処理の全て(100%)を行わせ、第2画像処理回路にレーン逸脱予測処理の全て(100%)を行わせるように利用配分する。
【0072】
そして、自車速vspが高速閾値th_vhighよりも高い場合、ステップS526でレーン逸脱判定のみが行われるが、第1画像処理回路にレーン逸脱判定の50%を行わせ、第2画像処理回路にレーン逸脱判定の残りの50%を行わせるように、利用配分する。
【0073】
本実施の形態によれば、2つのアプリケーションを同時動作する場合は、それぞれのチップに別々の処理を割り当て同時動作を実現することができ、1つのアプリケーションのみを動作させる場合は2つのチップを使い分けて処理周期を上げることができる。
【0074】
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明は、前記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の精神を逸脱しない範囲で、種々の設計変更を行うことができるものである。例えば、前記した実施の形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。さらに、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。