【課題を解決するための手段】
【0006】
車両の本体に対する座席の高さを調整する座席調整装置によって本発明の目的は、解決される。この座席調整装置は、構造体を備え、座席部の高さの調整の間、座席部の動きを制限するガイド手段が構造体に設けられる。
【0007】
本発明は、車両本体に対する座席部の高さを調整する座席調整装置に関する。座席調整装置は、構造体、例えばフレームのような構造体を備える。この構造体にあって、例えば細長い穴(slot)又は長穴のような、高さ調整の間に座席部の動きを規制するガイド手段が提供される。
【0008】
さらに、座席調整装置はブラケットに固定的に取り付けられる構造要素を備える。特に構造要素は、ブラケットが動かされたときにブラケットに追随するようにブラケットに固定される。座席要素の構造体は、座席要素に結合されることによって垂直方向に対して平行
して座席要素をガイドするためのガイド手段を備える。特に、座席要素の動きは、座席要素がブラケットに対して実質的に水平な方向に動かないように構造要素によって阻止される。特に、ガイド手段は、座席要素の構造体に固定的に取り付けられるか、又は座席要素の構造体の一体化部品として提供される。座席調整装置は、伝達手段の動きを構造要素に対する座席要素の動きに、特に、垂直方向に平行にガイド手段と共同して伝達するための構造要素に結合される伝達手段をさらに備える。座席調整装置、特に垂直座席調整装置は、例えば座席要素に取り付けられるクッション、特に自動車の座席の座席要素用のクッションを持ち上げるように構成される。座席調整装置は、座席要素に座っているユーザを持ち上げるように設けられる。構造要素は、事故発生時に車両のシャーシに対して座席及び/又は座席要素をその位置に保持する目的でブラケットに固定的に取り付けられる。そのような構造要素は例えば、チューブであり、衝撃チューブとも呼ばれる。ガイド手段は、座席要素が
概ね垂直方向に沿ってガイドされるように配置される。垂直方向は、本明細書では、重力の方向に
概ね平行な方向として、及び/又は自動車のドライビング可能な平面に直交する方向として定義される。水平方向はドライビング方向に
概ね平行である。ガイド手段は、特に、水平方向に直交する動きに対する座席要素の動きを阻止するように構成される。座席要素はそのため垂直方向に沿ってのみ移動可能となる。ガイド手段は、長穴の主延伸方向、特に垂直方向に沿う衝撃チューブである、特に構造要素に沿ってスライドするための長穴である。構造要素又は衝撃チューブは、さらに伝達手段に接続される。伝達手段は、特に他の長穴として形成される。好ましくは、伝達手段は、変位手段の長穴である。変位手段は、構造要素又は衝撃チューブに沿って長穴の主延伸方向によって定義される方向にスライドする。好ましくは、長穴は変位手段の動きを阻止するように構成される。好ましくは、変位手段の動きはクッションパン又は座席要素の垂直の動きを引き起こす。変位手段は、ここでは、さらに楔要素とも呼ばれる。伝達手段はガイド手段に対して移動可能であり、特に水平方向に
概ね沿って移動可能である。伝達手段の構造要素への結合及び構造要素のガイド手段への結合のせいで、伝達手段のガイド手段に対する
概ね水平な動きが座席要素の垂直な動きに伝達又は変換される。構造要素がブラケットに固定的に結合されるので、座席要素はそれゆえ垂直方向、特に座席のユーザを上及び/又は下にリフトするように動かされる。特に、座席要素はそれゆえ、特に変位手段によって、下の座席位置及び上の座席位置の間に昇降される。伝達手段は、伝達手段の動きをガイド手段と共同して座席要素の動きに伝達するための構造要素に結合される。このため、
特に水平方向に略沿った、伝達手段の動きによって、第1エンド位置と第2エンド位置
において、下部位置と上部位置との間に座席要素を持ち上げることによって、座席要素が垂直に調整される。
【0009】
好ましくは、ブラケットは構造要素、好ましくはチューブを備える。
【0010】
好ましくは、構造要素は変位手段の長穴に係合される。長穴の主延伸方向は水平方向に対して好ましくは傾けられている。
【0011】
好ましくは、構造要素はガイド手段と係合する。ガイド手段は好ましくは垂直方向に平行に配置される主延伸方向を有する長穴である。
【0012】
好ましくは、構造要素はチューブであり、特に座席要素及び/又は座席用の、衝撃チューブである。
【0013】
好ましくは、ガイド手段はガイド要素の長穴であり、ガイド要素は構造体に固定的に取り付けられるか又は構造体の一体化部品である。好ましくは、座席要素は、ガイド手段の長穴の主延伸方向に沿ってガイドされる。ガイド手段の長穴の主延伸方向は垂直方向に平行に配置される。
【0014】
好ましくは、少なくとも車両のシャーシに対
するブラケットの垂直の動きについて、ブラケットは車両のシャーシに固定的に結合される。
【0015】
好ましくは、伝達手段は変位手段の長穴であり、変位手段は構造要素に対して変位手段の長穴の主延伸方向に沿ってガイドされる。変位手段の長穴の主延伸方向は、ガイド手段の長穴の主延伸方向に対してある角度で傾けられる。
【0016】
好ましくは、ランプが変位手段の長穴の端部によって形成され、変位手段は変位手段の長穴のランプに沿ってガイドされる。
【0017】
好ましくは、角度は、10°と80°の間、又は100°と170°の間、より好ましくは30°と60°の間、又は120°と150°の間、さらにより好ましくは約45°と215°の間である。
【0018】
好ましくは、変位手段は、ブラケットに対して移動可能である。変位手段の第1エンド位置にあって、ガイド手段の長穴のトップ位置は、変位手段での長穴のトップ位置と重なる。変位手段が第1エンド位置にあると、座席要素は下部位置にある。変位手段の第2エンド位置にあって、ガイド手段の長穴の下部は変位手段の下部と重なり、変位手段が第2エンド位置にあると、座席要素は下部位置上に垂直な上部位置ある。
【0019】
好ましくは、座席調整装置は、連結仕様にて伝達手段を駆動する駆動手段をさらに備え、駆動手段は手動及び/又は自動的に、特に電気的に、動作される。
【0020】
好ましくは、駆動手段はピニオン、特に座席要素に回転可能に取り付けられるピニオンを備える。ピニオンはラックと連結され、ラックは伝達手段に固定的に結合される。
【0021】
本発明によれば、座席用、特に自動車用の座席調整装置は、ユーザの快適さ及び衝撃時の安全性を向上するために提供される。
【0022】
ユーザの快適さは、水平方向又はドライビング方向に座席要素の動きなしに、座席要素の垂直調整のための座席調整装置を提供することによって向上される。さらに、特にブラケットに固定的に結合されるチューブ又は衝撃チューブのような構造要素を提供することによって、衝撃安全性が、構造要素を持たない従来の座席調整装置に比べて向上できる。特に、衝突事故にあって、構造要素は座席又は座席要素を車両のシャーシに対して元々の場所に保持できる。特に、衝突の間座席要素に及ぼされる力は座席要素の構造体及び構造要素を介したガイド手段から車両のシャーシに伝達される。
【0023】
駆動手段と変位手段との間にポジティブな連結結合を提供することによって、手動及び自動の両方による座席要素の高さの効果的な調整が可能となる。さらに、最小負荷が衝撃の間座席要素のロッキング機構に伝達される。さらに、座席調整装置は、持ち上げられる
質量の減少を可能とさせることによって、座席要素の垂直調
整、特に座席要素のクッション
の垂直調整を可能とさせる。
【0024】
好ましくは、ガイド手段は大腿当て部の領域に設けられる。
【0025】
好ましい具現化例にあって、座席要素の後部領域は、車両の本体に対する高さの調整を可能とする。
【0026】
好ましくは、座席要素の後部領域は、座席要素の後部領域を昇降する旋回レバーを備える。
【0027】
本発明の他の好ましい実施形態によれば、ガイド手段(21’)が座席要素の構造体の後部領域に設けられる。
【0028】
好ましくは、変位手段は後部端にて長穴を備える。
【0029】
本発明は、
図1乃至10に基づいた以下の記載にて説明される。これらの説明は単に例示によるものであり、本発明の全体的なコンセプトを制限するものではない。