(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ポリ(アクリル酸メチル/アクリル酸2−エチルヘキシル)エマルジョンは、ポリ(オキシエチレン)ノニルフェニルエーテルを含有する、請求項1に記載のパップ剤。
前記膏体層における水の含有量が、前記ポリ(アクリル酸メチル/アクリル酸2−エチルヘキシル)エマルジョンの質量より大きい、請求項1〜3のいずれか一項に記載のパップ剤。
ポリアクリル酸中和物、ポリ(アクリル酸メチル/アクリル酸2−エチルヘキシル)エマルジョン及び水は、ポリアクリル酸中和物:ポリ(アクリル酸メチル/アクリル酸2−エチルヘキシル)エマルジョン:水=1:2.5〜7:5〜16の質量比で混合される、請求項1〜5のいずれか一項に記載のパップ剤。
付着力が前記ポリ(アクリル酸メチル/アクリル酸2−エチルヘキシル)エマルジョン中のポリ(アクリル酸メチル/アクリル酸2−エチルヘキシル)と、前記ポリアクリル酸中和物とに基づくものであり、
貼付時には、前記ポリアクリル酸中和物の付着力が前記ポリ(アクリル酸メチル/アクリル酸2−エチルヘキシル)の付着力より大きく、前記膏体層の水含有量の低下に伴い、前記ポリ(アクリル酸メチル/アクリル酸2−エチルヘキシル)の付着力が前記ポリアクリル酸中和物の付着力より大きくなる、請求項1〜10のいずれか一項に記載のパップ剤。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1及び2に記載のパップ剤では、膏体の厚みを小さくした場合又は長時間経過した場合等において、その付着力が十分でない場合がある。また、特許文献2に記載されたポリアクリル酸部分中和物とポリアクリル酸ナトリウムとを含有する含水系外用貼付剤では、pHが高くなり、外用貼付剤の成型性、保型性及び皮膚刺激性について課題が残っている。そこで、本発明は、時間経過によってパップ剤の水含有量が減少した場合においても、十分な付着力を有するパップ剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、支持体上に膏体層を備えるパップ剤であって、膏体層は、少なくとも、ポリアクリル酸中和物と、該中和物より質量基準で2.5倍以上、好ましくは3倍以上のポリ(アクリル酸メチル/アクリル酸2−エチルヘキシル)エマルジョン(以下、「アクリル酸メチル・アクリル酸2−エチルヘキシル共重合樹脂エマルジョン」ともいう)と、水とを混合して得られるものである、パップ剤を提供する。
【0006】
本発明のパップ剤は、膏体層を少なくとも、水、ポリアクリル酸中和物及びポリ(アクリル酸メチル/アクリル酸2−エチルヘキシル)エマルジョンから構成させ、ポリ(アクリル酸メチル/アクリル酸2−エチルヘキシル)エマルジョンの質量を、ポリアクリル酸中和物の質量の2.5倍以上、好ましくは3倍以上とした構成により、貼付してから長時間経過した後であっても、十分な付着力を維持することができる。
【0007】
ポリ(アクリル酸メチル/アクリル酸2−エチルヘキシル)エマルジョンは、ポリ(オキシエチレン)ノニルフェニルエーテルを含有するエマルジョンであることが好ましい。特には、ポリ(オキシエチレン)ノニルフェニルエーテルを界面活性剤又は保護コロイドとして用いたエマルジョンであることが好ましい。このようなエマルジョンを用いることにより、付着力の維持性能が高くなる。
【0008】
ポリアクリル酸塩はポリアクリル酸部分中和物であることが好ましい。ポリアクリル酸塩として、ポリアクリル酸完全中和物ではなくポリアクリル酸部分中和物を用いることにより、初期の付着性も、貼付してから長時間経過した後の付着性も、共に向上させることが可能になる。
【0009】
膏体層における水の含有量が、前記ポリ(アクリル酸メチル/アクリル酸2−エチルヘキシル)エマルジョンの質量より大きいことが好ましい。
【0010】
膏体層における水の含有量が、前記ポリアクリル酸中和物の質量の4倍以上であることが好ましい。
【0011】
膏体層は、ポリアクリル酸中和物、ポリ(アクリル酸メチル/アクリル酸2−エチルヘキシル)エマルジョン及び水は、ポリアクリル酸中和物:ポリ(アクリル酸メチル/アクリル酸2−エチルヘキシル)エマルジョン:水=1:2.5〜7:5〜16の質量比で混合させて得られるものであることが好ましく、ポリアクリル酸中和物、ポリ(アクリル酸メチル/アクリル酸2−エチルヘキシル)エマルジョン及び水は、ポリアクリル酸中和物:ポリ(アクリル酸メチル/アクリル酸2−エチルヘキシル)エマルジョン:水=1:2.5〜7:7〜16の質量比で混合させて得られるものであることがより好ましい。このような比で混合されることにより、付着力の維持性能がさらに向上する。
【0012】
膏体層における水の含有量は、膏体層の全質量を基準として20〜60質量%であることが好ましい。水の含有量を上記範囲にすることにより、ポリアクリル酸中和物の付着力とポリ(アクリル酸メチル/アクリル酸2−エチルヘキシル)の付着力によって、相乗的な付着力が得られやすくなる。
【0013】
膏体層におけるポリアクリル酸中和物の含有量は、膏体層の全質量を基準として1〜6質量%であることが好ましい。ポリアクリル酸中和物の含有量を上記範囲にすることにより、水含有量の高いときに十分な付着力が得られ、またパップ剤の硬度を低下させることができる。また、パップ剤の硬度が低下することにより、皮膚との密着性が向上し、付着力がさらに向上する。
【0014】
膏体層はポリアクリル酸をさらに含有することが好ましい。ポリアクリル酸を含有することにより、付着力の維持性能を高く保つと共にパップ剤の保型性が向上する。
【0015】
膏体層の質量は、例えば、214〜1000g/m
2であってもよく、400〜1000g/m
2であってもよく、400〜650g/m
2であってもよい。従来のパップ剤は膏体層の重量が小さいと、水含有量が低下しやすく、付着力が低下しやすい。しかしながら、本発明によれば、膏体層の質量が上記のように比較的小さい場合であっても、長時間経過した後でも十分な付着力が維持される。
【0016】
本発明のパップ剤においては、付着力がポリ(アクリル酸メチル/アクリル酸2−エチルヘキシル)エマルジョン中のポリ(アクリル酸メチル/アクリル酸2−エチルヘキシル)と、前記ポリアクリル酸中和物とに基づくものであり、膏体層の水含有量が30質量%以上における付着力は、ポリアクリル酸中和物の方がポリ(アクリル酸メチル/アクリル酸2−エチルヘキシル)より大きく、膏体層の水含有量が25質量%未満における付着力は、ポリ(アクリル酸メチル/アクリル酸2−エチルヘキシル)の方がポリアクリル酸中和物より大きくなることで、時間経過によってパップ剤の水含有量が減少した場合においても、十分な付着力を発揮するものと考えられる。
【0017】
本発明は、水含有量の減少によっても粘着力が維持される、支持体上に膏体層を備えるパップ剤の製造方法を提供する。すなわち、少なくとも、水及びポリアクリル酸中和物に、該中和物より質量基準で2.5倍以上のポリ(アクリル酸メチル/アクリル酸2−エチルヘキシル)エマルジョンを含有させて膏体層を得ることにより、水含有量の減少によっても粘着力が維持されるパップ剤となる。
【発明の効果】
【0018】
本発明のパップ剤によれば、貼付してから長時間経過し、膏体層中の水含有量が低下した後であっても、十分な付着力を維持することができる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
【0021】
実施形態に係るパップ剤は、支持体上に膏体層を備えている。支持体としては、少なくとも、ポリアクリル酸中和物と、ポリ(アクリル酸メチル/アクリル酸2−エチルヘキシル)エマルジョンと水とを混合して得られる水含有膏体を支持可能なものであればよい。このような支持体としては、例えば、織布、不織布、樹脂フィルム、発泡シート及び紙が挙げられ、織布としては、例えば、編布が挙げられる。支持体として織布、不織布又は樹脂フィルムを使用する場合、その素材としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、レーヨン、ポリウレタン及び綿が挙げられ、これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。支持体としては、ポリエステルがより好ましい。
【0022】
支持体としては、不織布又は織布が好ましく、所定の伸長回復率を有する不織布又は織布が特に好ましい。ここで、伸長回復率とは、「JIS L 1096織物及び編物の生地試験方法」にしたがって測定される値である。伸長回復率を有する不織布又は織布を用いることで、関節等の可動部に貼付した際に、貼付部位の動きに応じて、支持体が伸縮するため、好ましい。
【0023】
支持体が不織布である場合、50%伸長時荷重は、例えば、縦方向(長軸方向)1〜5N/2.5cmであり、横方向(短軸方向)0.1〜3N/2.5cmであることが好ましい。また、50%伸長回復率は、例えば、60〜99%であり、65〜95%であることが好ましく、70〜90%であることがより好ましい。好適な支持体の目付は、例えば、80〜120g/m
2であり、90〜110g/m
2であることが好ましい。好適な支持体の厚みは、例えば、0.5〜2mmである。また、支持体の剛軟度(剛軟度の測定方法はJIS L 1096 45°カンチレバー法による。)は、例えば、縦方向(長軸方向)20〜40mm、横方向(短軸方向)10〜35mmとすることができ、好ましくは縦方向(長軸方向)25〜35mm、横方向(短軸方向)15〜30mmである。
【0024】
本発明に用いる支持体として織布、特に編布を用いる場合には、例えば編目を丸編み、経(タテ)編み、緯(ヨコ)編み等により集合させて布状に加工した編布も含まれる。編布の好ましい例としては、ポリエステル系、ナイロン系、ポリプロピレン系、レーヨン系等の材料を1種または2種以上組み合わせてなる編布が挙げられ、中でも薬物との相互作用が少ない、ポリエステル系のポリエチレンテレフタレートからなる編布がより好ましい。
【0025】
特に、支持体が織布である場合、50%伸長時荷重は、例えば、縦方向(長軸方向)1〜5N/2.5cmであり、横方向(短軸方向)0.1〜3N/2.5cmであることが好ましい。また、50%伸長回復率は、例えば、60〜99%であり、65〜95%であることが好ましく、70〜90%であることがより好ましい。また、支持体の剛軟度は、例えば、縦方向(長軸方向)10〜30mm、横方向(短軸方向)10〜30mmとすることができ、好ましくは縦方向(長軸方向)15〜25mm、横方向(短軸方向)15〜25mmである。
【0026】
水を含有する膏体を織布に展延すると織布の網目を通して、水が染み出してくる虞があるが、ポリエチレンテレフタレート織布の目付けを80〜150g/m
2とすることにより膏体に含有される水が織布の網目を通して染み出すことなく展延できる傾向があり、かつ織布と膏体の間の投錨性を維持することができる。
【0027】
また、ポリエチレンテレフタレート織布は、縦方向(長軸方向)モジュラスが2〜12N/5cm、横方向(短軸方向)モジュラスが2〜8N/5cmであるのが好ましい(モジュラスの測定方法はJIS L 1018による。)。2N/5cmより低いモジュラスであると膏体を塗布する際に織布が延びて網目に粘着剤が染み込み、パップ剤としての機能が低下する場合がある。また、12N/5cm(縦方向)または8N/5cm(横方向)より高いモジュラスであると伸縮性が劣り、屈曲部へ適用した際に皮膚の伸張に追随しにくくなる場合がある。
【0028】
このような織布、特に編布に本発明の膏体を展延することにより、より長時間貼付が可能となる。
【0029】
パップ剤を構成する膏体層は、少なくとも、ポリアクリル酸中和物と、ポリ(アクリル酸メチル/アクリル酸2−エチルヘキシル)エマルジョンと水とを混合して得られる水含有膏体から成る。
【0030】
ポリアクリル酸中和物は、ポリアクリル酸完全中和物であっても、ポリアクリル酸部分中和物であっても、これらの混合物であってもよい。ポリアクリル酸中和物としては、ポリアクリル酸塩が挙げられ、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、アンモニウム塩等を用いることができる。
【0031】
ポリアクリル酸中和物としては、初期的な付着力も経時的な付着力も高くなることから、ポリアクリル酸部分中和物が好ましい。ポリアクリル酸部分中和物は、1つのポリマー鎖において、アクリル酸に由来する構造単位とアクリル酸塩に由来する構造単位が任意の割合で存在しているものである。ポリアクリル酸部分中和物としては、1つのポリマー鎖中のカルボキシ基のうち、50モル%が中和されたものを用いることが好ましい。
【0032】
膏体層におけるポリアクリル酸中和物の含有量は、膏体層の全質量を基準として1〜6質量%であることが好ましく、2〜6質量%であることがより好ましい。ポリアクリル酸中和物の含有量を1質量%以上にすることにより、ポリアクリル酸中和物の付着力が十分に得られるようになり、ポリアクリル酸中和物の含有量を6質量%以下にすることにより、膏体層の成型性及び保型性が向上する。
【0033】
膏体層を構成する、ポリ(アクリル酸メチル/アクリル酸2−エチルヘキシル)エマルジョン(アクリル酸メチル・アクリル酸2−エチルヘキシル共重合樹脂エマルジョン)としては、媒体として水を用いた水性エマルジョンが好ましい。ポリ(アクリル酸メチル/アクリル酸2−エチルヘキシル)エマルジョンとしてはまた、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルを界面活性剤又は保護コロイドとして用いたエマルジョンであることが好ましい。また、媒体の沸点以上の加熱(例えば、105℃で3時間)による蒸発残留物(不揮発分)が57〜61%であることが好ましい。このようなエマルジョンとしては、ニカゾールTS−620(商品名、日本カーバイド工業株式会社製)が挙げられる。医薬品添加物規格(2013年)によれば、ニカゾールTS−620を水浴上で蒸発乾固した後、105℃で3時間乾燥するとき、蒸発残留物の量が57〜61%である。
【0034】
膏体層におけるポリ(アクリル酸メチル/アクリル酸2−エチルヘキシル)エマルジョンの含有量は、膏体層の全質量を基準として5〜25質量%であり、10〜20質量%であることが好ましく、10〜18質量%であることがより好ましく、6〜22質量%であることがさらに好ましい。
【0035】
膏体層における水の含有量は、膏体層の全質量を基準として20〜60質量%であることが好ましく、25〜50質量%であることがより好ましい。水含有量が20〜60質量%にすることにより、貼付中に水が揮発してもポリアクリル酸塩およびポリ(アクリル酸メチル/アクリル酸2−エチルヘキシル)エマルジョンによる付着力が十分に発揮することができ、皮膚への密着性がより高めることができる。
【0036】
膏体層におけるポリ(アクリル酸メチル/アクリル酸2−エチルヘキシル)エマルジョンの質量が、前記ポリアクリル酸中和物の質量の2.5倍以上であることが好ましく、2.7倍以上であることがより好ましく、3倍以上であることが更に好ましい。また、膏体層におけるポリ(アクリル酸メチル/アクリル酸2−エチルヘキシル)エマルジョンの質量が、前記ポリアクリル酸中和物の質量の10倍以下であることが好ましく、7倍以下であることがより好ましく、5倍以下であることが更に好ましい。
【0037】
膏体層における水の質量が、前記ポリ(アクリル酸メチル/アクリル酸2−エチルヘキシル)エマルジョンの質量の1倍以上であることが好ましく、1.5倍以上であることがより好ましく、2倍以上であることが更に好ましい。また、膏体層における水の質量が、前記ポリ(アクリル酸メチル/アクリル酸2−エチルヘキシル)エマルジョンの質量の50倍以下であることが好ましく、20倍以下であることがより好ましく、7倍以下であることが更に好ましい。
【0038】
膏体層における水の質量が、前記ポリアクリル酸中和物の質量の4倍以上であることが好ましく、5倍以上であることがより好ましく、6倍以上であることが更に好ましい。また、膏体層における水の質量が、前記ポリアクリル酸中和物の質量の20倍以下であることが好ましく、15倍以下であることがより好ましい。
【0039】
膏体層は、ポリアクリル酸中和物、ポリ(アクリル酸メチル/アクリル酸2−エチルヘキシル)エマルジョン及び水を、ポリアクリル酸中和物:ポリ(アクリル酸メチル/アクリル酸2−エチルヘキシル)エマルジョン:水=1:2.5〜7:7〜16の質量比となるように混合して得られることが好ましい。この比率は、1:3〜5:7〜12がより好ましい。このような比率にすることにより、付着力の維持という本発明の効果がより顕著となる。
【0040】
上述した構成を有するパップ剤は、時間の経過によって水分が蒸発し、水含有量が25質量%未満となった場合であっても、ポリ(アクリル酸メチル/アクリル酸2−エチルヘキシル)が付着力を発揮するため、パップ剤全体として十分な付着力を維持することができる。
【0041】
膏体層は、上述の必須成分の他、薬剤を含んでいてもよい。このような薬剤としては、経皮吸収性を有するものであればよく、例えば、フェルビナク、フルルビプロフェン、ジクロフェナク、ジクロフェナクナトリウム、サリチル酸メチル、サリチル酸グリコール、インドメタシン、ケトプロフェン等の非ステロイド系抗炎症剤またはこれらのエステル、ジフェンヒドラミン等の抗ヒスタミン剤、アスピリン、アセトアミノフェン、イブプロフェン、ロキソプロフェンナトリウム等の鎮痛剤、リドカイン等の局所麻酔剤、塩化スキサメトニウム等の筋弛緩剤、クロトリマゾール等の抗真菌剤、クロニジン等の降圧剤、ニトログリセリン、硝酸イソソルビド等の血管拡張剤、ビタミンA、ビタミンE(トコフェロール)、トコフェロール酢酸エステル、ビタミンK、オクトチアシン、リボフラビン酪酸エステル等のビタミン類、プロスタグランジン類、スコポラミン、フェンタニール、l−メントール、トウガラシエキス、ノニル酸ワニリルアミドなどが挙げられる。
【0042】
また、膏体層は、エイジツエキス、オレンジエキス、オレンジ果汁、キイチゴエキス、キウイエキス、キューカンバーエキス、クチナシエキス、グレープフルーツエキス、サンザシエキス、サンショウエキス、セイヨウサンザシエキス、セイヨウネズエキス、タイソウエキス、デュークエキス、トマトエキス、ブドウエキス、ヘチマエキス、ライム果汁、リンゴエキス、リンゴ果汁、レモンエキス、レモン果汁等のフルーツ由来成分、水溶性プラセンタエキス、アラントイン、レシチン、アミノ酸類、コウジ酸、タンパク質、糖類、ホルモン類、胎盤抽出物、アロエおよびカンゾウ等の各種生薬からの抽出成分などが例示される。
【0043】
膏体層に配合できるその他の成分としては、アシタバエキス、アボカドエキス、アマチャエキス、アルテアエキス、アルニカエキス、イチョウエキス、ウイキョウエキス、ウコンエキス、ウーロン茶エキス、オウゴンエキス、オウバクエキス、オオムギエキス、オランダカラシエキス、海藻エキス、加水分解エラスチン、加水分解コムギ末、加水分解シルク、カモミラエキス、カワラヨモギエキス、カンゾウエキス、カルカデエキス、グアノシン、クマザサエキス、クルミエキス、クレマティスエキス、酵母エキス、ゴボウエキス、コンフリーエキス、コケモモエキス、サイコエキス、臍帯抽出液、サルビアエキス、サボンソウエキス、ササエキス、サンザシエキス、シイタケエキス、ジオウエキス、シコンエキス、シナノキエキス、シモツケソウエキス、ショウブ根エキス、シラカバエキス、スギナエキス、スイカズラエキス、セイヨウキズタエキス、セイヨウサンザシエキス、セイヨウニワトコエキス、セイヨウノコギリソウエキス、セイヨウハッカエキス、ゼニアオイエキス、センブリエキス、タイソウエキス、タイムエキス、チョウジエキス、チガヤエキス、チンピエキス、トウヒエキス、ドクダミエキス、納豆エキス、ニンジンエキス、ノバラエキス、ハイビスカスエキス、バクモンドウエキス、パセリエキス、蜂蜜、パリエタリアエキス、ヒキオコシエキス、ビサボロール、フキタンポポエキス、フキノトウエキス、ブクリョウエキス、ブッチャーブルームエキス、プロポリス、ペパーミントエキス、ボダイジュエキス、ホップエキス、マツエキス、マロニエエキス、ミズバショウエキス、ムクロジエキス、モモ葉エキス、ヤグルマギクエキス、ユーカリエキス、ユズエキス、ヨモギエキス、ラベンダーエキス、レタスエキス、レンゲソウエキス、ローズエキス、ローズマリーエキス、ローマカミツレエキス、ローヤルゼリーエキス等が例示される。
【0044】
膏体層には、ポリアクリル酸をさらに配合してもよい。ポリアクリル酸の含有量は、膏体層の質量を基準として、1〜5質量%であることが好ましい。ポリアクリル酸の含有量が1質量%以上であると、膏体層の成型性及び保型性が向上する。ポリアクリル酸の含有量が5質量%以下であると、膏体層の硬度が高くなりにくく、皮膚への密着性が高くなる。
【0045】
膏体層のpHは4〜8であることが好ましく、4.5〜6であることがより好ましい。pHを4以上にすることで、皮膚への刺激性が少なくなり、pHを8以下にすることにより、パップ剤の成型性及び保型性を向上させることができる。特に、支持体が織布、特に編布の場合には、膏体層を形成する際に染み出しを生じることがあるが、pHが5〜6.5である場合には染み出しが抑制される傾向にある。なお、pHは、例えば、日本薬局方 一般試験法のpH測定法に準じ、ガラス複合電極を用い、試料を精製水で20倍に希釈して測定することができる。
【0046】
膏体層には、さらにその他の成分として水溶性ポリマー、溶解補助剤、保湿剤、清涼化剤、安定化剤、無機粉体、着色料、着香料、pH調整剤等を添加してもよい。
【0047】
水溶性ポリマーとしては、パップ剤中の水分を保持できるものであれば、特に制限はなく、当業者に一般的に知られたものを用いることができる。水溶性ポリマーとしては、例えば、ゼラチン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、アルギン酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム(カルメロースナトリウム)、メチルセルロース、カラギーナンが挙げられ、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。水溶性ポリマーとしては、カルメロースナトリウム、ゼラチン又はポリビニルアルコールが好ましい。
【0048】
水溶性ポリマーの含有量は、膏体層の質量を基準として、3〜10質量%であることが好ましい。
【0049】
溶解補助剤としては、薬物を溶解できるものであれば、特に制限はなく、例えば、クロタミトン;N−メチルピロリドン;ポリエチレングリコール(PEG)、ポリブチレングリコール等のポリアルキレングリコール;ミリスチン酸イソプロピル、アジピン酸ジエチル等の脂肪酸エステル;モノステアリン酸ポリエチレングリコール等のオキシアルキレン脂肪酸エステル;ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル等の脂肪酸エステル;ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油;ポリソルベート80などの界面活性剤を挙げることができる。これらの溶解補助剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0050】
溶解補助剤の含有量は、膏体層の質量を基準として、0.1〜10質量%であることが好ましい。
【0051】
保湿剤としては、時間の経過に伴う膏体層からの水分の蒸発を抑制できるものであれば、特に制限はない。保湿剤としては、例えば、濃グリセリン、ソルビトール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、流動パラフィン、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール等の多価アルコールが挙げられる。これらの保湿剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組も合わせて用いてもよい。保湿剤としては、濃グリセリンが好ましい。
【0052】
保湿剤の含有量は、膏体層の質量を基準として、20〜40質量%であることが好ましい。
【0053】
清涼化剤としては、例えば、チモール、l−メントール、dl−メントール、l−イソプレゴール、ハッカ油等を挙げることができ、l−メントールを用いることが好ましい。
【0054】
清涼化剤の含有量は、膏体層の質量を基準として、0.5〜3質量%であることが好ましい。
【0055】
安定化剤としては、例えば、オキシベンゾン、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、エデト酸ナトリウム、UV吸収剤(例えば、ジベンゾイルメタン誘導体)等が挙げられる。
【0056】
パップ剤は、剥離ライナーを備えていてもよい。剥離ライナーは、膏体層に対して、支持体と反対側の面に積層されている。剥離ライナーを備えていると、保管時において、膏体層の水含有量が低下するのを抑制でき、膏体層へのゴミ等の付着を低減することができる傾向がある。
【0057】
剥離ライナーの素材としては、特に限定されず、当業者に一般的に知られているライナーを用いることができる。支持体として織布、不織布、編布又は樹脂フィルムを使用する場合、その素材としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリエチレンテレフタレート、レーヨン、ポリウレタンが挙げられ、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。剥離ライナーの素材としては、ポリプロピレンフィルムが好ましい。
【0058】
パップ剤は、パウチの内部で保管されていてもよい。パウチの内部に保管されることで、膏体層の水含有量の低下を抑制することでき、膏体層へのゴミ等の付着を低減することができる。
【0059】
パップ剤の膏体層の質量は、214〜1000g/m
2であってもよく、400〜1000g/m
2であってもよく、400〜650g/m
2であってもよい。好ましくは、400〜650g/m
2とすることにより、フィット感良く、より長期間の付着性を向上することができる。膏体層の質量が上記範囲であれば、パップ剤全体の厚みを小さくすることができ、皮膚に追従しやすく、さらに、貼付した際に周縁部との段差が小さくなるため、剥離しにくい傾向にある。
【0060】
特に、上記のように、ポリアクリル酸中和物:ポリ(アクリル酸メチル/アクリル酸2−エチルヘキシル)エマルジョン:水=1:2.5〜7:7〜16の質量比となるように混合したパップ剤の場合、更にはポリアクリル酸中和物、ポリ(アクリル酸メチル/アクリル酸2−エチルヘキシル)エマルジョン及び水は、ポリアクリル酸中和物:ポリ(アクリル酸メチル/アクリル酸2−エチルヘキシル)エマルジョン:水=1:2.5〜7:5〜16の質量比となるように混合したパップ剤の場合には、膏体質量が400g/m
2未満の場合には、膏体中の水分が揮発しやすくなり、付着力が低下する傾向があるため、膏体質量は400g/m
2以上とすることが好ましい。
【0061】
パップ剤は、ポリアクリル酸中和物と、該中和物より質量基準で2.5倍以上のポリ(アクリル酸メチル/アクリル酸2−エチルヘキシル)エマルジョンと、水とを混合し、必要により上述したような他の成分を添加して水含有膏体を得、この水含有膏体を剥離ライナー上に均一に展延し、その上に支持体を積層して、剥離ライナーを剥離することにより膏体層を支持体上に形成させて得ることができる。
【0062】
上述したパップ剤は、貼付してから長時間経過した後でも、十分な付着力を維持することができるが、付着力は、例えば、後述する付着性スコア又はピール強度等で測定することができる。ここで、付着性スコアは75以上であることが好ましい。
【実施例】
【0063】
以下に、本発明のパップ剤を実施例及び試験例を用いて、詳細に説明するが、本発明は実施例によって制限されるものではない。また、表1〜12に記載の含有量は特に記載のない限り、質量%を表すものとする。なお、実施例及び比較例におけるパップ剤の調製方法及び付着力の測定方法は以下のとおりである。
【0064】
(パップ剤の調製方法)
必要な成分を一定時間、撹拌し混合して膏体を得る。得られた膏体を、パップ剤1枚(140mm×100mm)当たりの膏体質量が5gとなるように、剥離ライナー上に均一に展延し、その後、直ちに不織布をさらに積層させて、パップ剤を調製する。
【0065】
[比較例1]
従来のパップ剤における付着力の経時変化
(1)試験試料
表1に記載の成分を一定時間、撹拌し混合して膏体を得た。得られた膏体を、パップ剤1枚(140mm×100mm)当たりの膏体質量が5gとなるように、剥離ライナー上に均一に展延した。展延後、直ちに不織布をさらに積層させて、パップ剤(比較例1)を調製した。
【表1】
(2)試験方法
得られたパップ剤を10人の適用者の膝に貼付し、0(貼付直後)、2、4、8、12時間後におけるパップ剤の付着状態を、以下の評価基準にしたがって付着性スコアとして評価し、平均値として算出した。
評価基準
100:製剤の剥離無し
80:製剤の端部が剥離している
60:製剤の皮膚への付着面の1/4の面積が剥離している
40:製剤の皮膚への付着面の1/3の面積が剥離している
20:製剤の皮膚への付着面の1/2の面積が剥離している
0:製剤が脱落した
(3)試験結果
図1に示すように、時間の経過にしたがい、比較例1の付着力は低下した。比較例1の付着性スコアは貼付直後に100であり、貼付してから12時間後、付着性スコアは約50%低下した。
【0066】
[実施例1]
ポリアクリル酸完全中和物とアクリル酸メチル・アクリル酸2−エチルヘキシル共重合体エマルジョンを配合したパップ剤における付着力の経時変化
(1)試験試料
ポリアクリル酸部分中和物に代えて、ポリアクリル酸完全中和物(商品名:ビスコメートF480SS,昭和電工株式会社製)を使用し、アクリル酸メチル・アクリル酸2−エチルヘキシル共重合樹脂エマルジョン(商品名:ニカゾールTS−620、日本カーバイド工業株式会社製)を16.7質量%配合し、濃グリセリンを30質量%、精製水を37.8質量%にしたこと以外は比較例1と同様にして、パップ剤(実施例1)を調製した。
(2)試験方法
[比較例1]と同様の方法により試験を行った。
(3)試験結果
図2に示すように、比較例2の付着性スコアは貼付直後に90であり、貼付してから12時間後、付着性スコアは約10%低下した。
【0067】
[実施例2]
ポリアクリル酸部分中和物とアクリル酸メチル・アクリル酸2−エチルヘキシル共重合体エマルジョンを配合したパップ剤における付着力の経時変化
(1)試験試料
アクリル酸メチル・アクリル酸2−エチルヘキシル共重合体(商品名:ニカゾールTS−620、日本カーバイド工業株式会社製)を16.7質量%配合し、濃グリセリンを30質量%、精製水を37.8質量%にしたこと以外は比較例1と同様にして、パップ剤(実施例2)を得た。
(2)試験方法
[比較例1]と同様の方法により試験を行った。
(3)試験結果
図3に示すように、実施例1の付着性スコアは貼付直後に100であり、貼付してから12時間後、付着性スコアは約9%低下した。実施例1の付着性スコアは、貼付してから4時間後から12時間後の間で、低下しなかった。
【0068】
[実施例1及び2、比較例1]
膏体層の水含有量に対する、パップ剤の付着力の変化を以下のとおり測定した。
(1)試験試料
実施例1及び2、比較例1を用いて試験を行った。
(2)試験方法
[実施例1]と同様の方法により試験を行い、同時に製剤中の水含有量を測定した。
(3)試験結果
図4に示すように、比較例1は、膏体層の水含有量の減少に伴って付着力が低下していくが、実施例1及び実施例2は、膏体層の水含有量の減少にかかわらず、付着力の大幅な低下は見られなかった。このことから、膏体層にポリ(アクリル酸メチル/アクリル酸2−エチルヘキシル)エマルジョンを配合すると、水含有量が少ないときには、ポリ(アクリル酸メチル/アクリル酸2−エチルヘキシル)エマルジョンの粘着力が寄与していることが明らかとなった。
【0069】
[比較例2、3及び4]
パップ剤におけるポリアクリル酸部分中和物、ポリ(アクリル酸メチル/アクリル酸2−エチルヘキシル)エマルジョン及び水分の濃度変化に対する付着力の変化、を以下のとおり測定した。
(1)試験試料
以下の表2に記載の成分を一定時間、撹拌し混合して膏体を得た。得られた膏体を、パップ剤1枚(140mm×100mm)当たりの膏体質量が5gとなるように、剥離ライナー上に均一に展延した。展延後、直ちに不織布をさらに積層させて、パップ剤(比較例2〜4)を調製した。
【表2】
(2)試験方法
パップ剤(比較例2〜4)を12時間貼付した結果を観察した。また、各パップ剤(比較例2〜4)における、貼付してから所定の時間経過後に該パップ剤の水含有量を測定し、各時点でのパップ剤のポリアクリル酸部分中和物及びニカゾールTS−620の濃度を算出した。なお、表3〜5中において「付着性」とは、付着性スコアが75以上であれば○、75未満であれば×とした。
(3)試験結果
パップ剤(比較例2〜4)の結果をそれぞれ表3〜5に示した。表3及び4の結果より、膏体層の水分がポリアクリル酸部分中和物の質量を基準にして4倍以上であると、パップ剤の付着性スコアを70以上に維持した。
【表3】
【表4】
【表5】
【0070】
[実施例3及び4、比較例5]
ポリアクリル酸部分中和物とアクリル酸メチル・アクリル酸2−エチルヘキシル共重合体エマルジョンの配合比と8時間後のピール強度の関係
(1)試験試料
以下の表6に記載の成分を一定時間、撹拌し混合して膏体を得た。得られた膏体を、パップ剤1枚(140mm×100mm)当たりの膏体質量が5gとなるように、剥離ライナー上に均一に展延した。展延後、直ちに不織布をさらに積層させて、パップ剤(比較例5、実施例3及び4)を調製した。
【表6】
(2)試験方法
貼付剤を2cm×7.5cmの矩形に切り抜き、剥離ライナーを除去し、ポリエチレン製の板に貼付し、温度25℃、湿度60%の条件下で8時間静置した。その後、30cm/分の速度で貼付剤を剥離し、貼付剤の剥離開始端が20、40、60、80及び100mm移動した時点における荷重(N)を測定した。当該測定を3回繰り返し、得られた荷重の平均値をそれぞれ算出し、8時間後のピール試験値とした。
(3)試験結果
図5に示すように、実施例3及び4は、比較例5に対して2倍以上の強い付着力を示した。なお、パップ剤全体の質量を基準にしてポリアクリル酸部分中和物の含有量が5%のパップ剤においても、同様に、ニカゾールTS−620の質量をポリアクリル酸部分中和物の質量の2.5倍以上とすることで、高い付着力を示した。
【0071】
[実施例5及び比較例6]
(1)試験試料
表7に記載の成分を混合し、パップ剤用膏体を作製した。得られた膏体を、1枚(14cm×10cm)あたり7gとなるように、プラスチックフィルム(剥離ライナー)上に展延し、さらに不織布(支持体)を積層した後、適宜裁断して比較例6および実施例5のパップ剤を調製した。
【表7】
【0072】
(2)試験1の方法
得られたパップ剤を、被験者15名の肘部に貼付し、パップ剤の付着状態を以下の評価基準にしたがい、付着性スコアを評価した。
評価基準
100:製剤の剥離無し
80:製剤の端部が剥離している
60:製剤の皮膚への付着面の1/4の面積が剥離している
40:製剤の皮膚への付着面の1/3の面積が剥離している
20:製剤の皮膚への付着面の1/2の面積が剥離している
0:製剤が脱落した
【0073】
(3)試験1の結果
ヒト皮膚付着性試験の評価結果を表8及び
図6に示す。比較例6のパップ剤の付着性スコアは、貼付してから12時間後には70を下回り、18時間後には50を下回った。一方、実施例5のパップ剤の付着性スコアは、貼付してから24時間後であっても、約70であった。
【表8】
【0074】
(4)試験2の方法
比較例6及び実施例5のパップ剤を、室温(温度:25℃、相対湿度:60%)にて、実験テーブルに膏体層が接するように静置し、時間経過に伴うパップ剤の質量変化を調べた。
【0075】
(5)試験2の結果
比較例6及び実施例5のパップ剤全体の質量を測定した結果を表9に示す。どちらもほぼ同等の速度で、質量が減少していた。
【表9】
次に、比較例6及び実施例5のパップ剤の各成分の質量の経時変化を、それぞれ表10及び表11に示す。貼付してから4時間後の実施例5のパップ剤の結果から、精製水の質量が、ポリアクリル酸部分中和物の質量に対して約7.5倍であり、その後20時間、付着性が持続することが理解できる。また、貼付してから18時間後の実施例5のパップ剤の結果から、精製水の質量が、ポリアクリル酸部分中和物の質量に対して約2倍であり、その後6時間、付着性が持続することが理解できる。一方、比較例6のパップ剤の結果によれば、ポリアクリル酸部分中和物とニカゾールTS−620の含有比が1:2である場合、水分含量の低下に伴い、付着性の低下が見られた。
【表10】
【表11】
【0076】
[実施例6〜13]
表12に記載の成分を混合し、パップ剤用膏体を作製した。ポリエチレンテレフタレートからなる編布に500g/m
2となるように展延し、パップ剤(実施例6〜13)を得た。かかるパップ剤は、8時間貼付後も非常に良好な付着性を示した。
【表12】
【0077】
また、実施例6、10及び13について、膏体の貼付面積140cm
2あたり、3g(214g/m
2)、5g(357g/m
2)、6g(429g/m
2)、7g(500g/m
2)又は14g(1000g/m
2)となる膏体層を備えるパップ剤をそれぞれ調製した。
【0078】
実施例1〜13のパップ剤のpHは、5であり、膏体層から支持体への水分の染み出しは見られなかった。また、同様に、pHが6.5となるように製造した場合においても、染み出しは見られなかった。
【0079】
さらに、実施例1〜13と同じ組成の膏体層を有し、支持体として目付が100g/m
2である織布、不織布または発泡シートを使用したパップ剤をそれぞれ調製した。