【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、使い心地がよく、比較的多量の組成物を保管することが可能な、化粧品をきれいに塗布することを可能にする新しいアプリケータを提供することを目的とするものである。
態様の1つにおいて、本発明は、パッケージ及びアプリケータ具を提供し、これは、
・塗布するための組成物を収容する容器と、
・容器に収容した組成物を塗布するためのアプリケータと、
を含み、このアプリケータは、柄と柄の一端にあるアプリケータ要素とを含み、このアプリケータ要素は、好ましくはほぼ平らな形状をなし、プラスチック材料、好ましくは射出成形されたプラスチック材料の少なくとも2つの分岐部を含み、この分岐部は、それらの端部で接し、それらの間に外側に開いた、例えば、組成物を塗布するために使用するアプリケータ要素の少なくとも1つの面に開いた空洞を形成し、分岐部の少なくとも1つは、少なくとも部分的にフロック加工され、空洞は、細長い形状であり、分岐部に沿って延びている。
【0010】
例えば、分岐部は、アプリケータ要素が組成物を離れてから組成物が塗布されるまでの間、空洞が実質的に変形しないように十分に剛性であるとすることができる。
空洞は、それが存在する時には、その実質的な変形がないことにより、組成物がそこから放出されるのを避けることが可能になる。
アプリケータ要素の分岐部は、適切な場合は、組成物の塗布中に実質的に変形しない場合がある。
【0011】
アプリケータ要素が製品を離れてから組成物が塗布されるまでの間に拭き取り部材を通る時に、空洞の変形の欠如は、アプリケータ要素をあまり変形させないほど十分に可撓性の拭き取り部材、例えば、波状のリップ部を含む拭き取り部材を使用することから、又は調節可能な拭き取り部材の特定の調節からもたらされる場合がある。
このような場合、拭き取り部材の別の調節は、空洞の可能な変形を生じる場合がある。
【0012】
分岐部の少なくとも1つは、例えば、その長さの少なくとも半分又は好ましくはその長さ全体にわたってフロック加工のコーティングを含むことができる。
塗布の前に、空洞を完全に又は部分的に組成物で満たすことができる。空洞にある組成物は、処置されている表面と直接接触することができる。
組成物は、例えば、唇、皮膚、爪、又は睫毛や眉毛などのケラチン繊維へ塗布する液体とすることができる。組成物はまた、固形物又は粉末の形態とすることができ、例えば、ケーキの形態であり、任意的に、組成物を取り込めるようにするために湿らす必要がある。
【0013】
組成物は、例えば、非気泡材料、例えばエラストマーで作られた拭き取り部材が設けられた容器にパッケージすることができ、これは、空洞により多くの組成物を残すことを可能にすることができる。一例として、拭き取り部材は、1つ又はそれよりも多くの溝穴を有することができる。
空洞は、組成物の供給を構成する働きをすることができ、アプリケータ要素がより長く使い続けられることを可能にし、又は、例えばリップグロスの明るさなど唇に塗布する組成物の色又は明るさのような化粧効果を強化するために、より多量の組成物を堆積させることを容易にする。また、爪やケラチン繊維、特に睫毛及び/又は眉毛に、化粧又はケアの目的で塗布を行うことができる。
【0014】
アプリケータ要素の一部分のみがフロック加工されている場合、例えば、利用者は、望ましい化粧効果に応じてフロック加工されるか又はフロック加工されていないアプリケータ要素の特定の分岐部、端部、側部、又は表面を選択することが可能になる。
分岐部の少なくとも1つは、少なくとも部分的に丸い形状の断面をなすことができる。このような形状は、塗布中の快適性を向上させることができ、アプリケータ要素が化粧品を塗布している領域へ移動する時に既に塗布した組成物を取り除く危険性を軽減することができる。一例として、分岐部の少なくとも1つは、円形、卵形、又は楕円形の断面をなすことができる。変形では、分岐部の少なくとも1つは、実質的に三角形、正方形、又は矩形の断面をなすことができる。
【0015】
各分岐部は、実質的に直線的又は曲線的、又は場合により波状の縦軸をなすことができる。
分岐部の少なくとも1つは、空洞の幅よりも大きい断面の寸法、例えば、空洞の幅よりも大きい幅又は高さをなすことができる。
空洞は、柄の直径よりも大きい最大幅をなすことができる。
アプリケータ要素又はアプリケータ全体でさえも、金属を使用しないで作り、例えば、電子レンジで加熱することができるようにすることができる。
【0016】
アプリケータ要素の形状は、特に組成物を塗布する身体又は顔面の領域によって決まる場合がある。
例えば、唇では、空洞は、アプリケータ要素が結合されている柄の縦軸と非ゼロの角度を形成する平面に実質的に平行に延びているのが有利である。従って、アプリケータ要素の少なくとも一部は、支持柄の縦軸と非ゼロ角度を形成する縦軸に沿って細長くすることができる。また、アプリケータ要素の縦軸は、アプリケータ要素を担持する柄の軸と実質的に一致させることができる。
【0017】
アプリケータ要素は、円対称である包絡面をなすことができ、又はそうでないこともある。アプリケータ要素は、中央面、特に支持柄の縦軸を含む中央面に関して対称的な形状をなすことができる。アプリケータ要素を担持する支持柄の端部から離れた支持柄の端部は、容器を閉じるキャップに結合させることができる。
アプリケータ部材が結合された柄から、アプリケータ部材の幅は増大し、次にアプリケータ部材の遠位端に向けて減少させることができる。アプリケータ部材の幅は、従って、少なくともその長さの一点で、例えば、長さの4分の1又は半分よりも大きい点で柄の直径よりも大きい場合がある。アプリケータ要素は、柄に対して横方向に外側にオフセットした少なくとも縦の側面を含むことができる。従って、アプリケータ要素は、少なくとも1つの側面で柄から横方向に突出することができる。
【0018】
アプリケータ要素は、柄の幅よりも大きい幅であるために及び/又はアプリケータ要素が突出している方向のために、柄から横方向に突出していることがある。
アプリケータ要素が柄から突出する距離は、例えば、フロック加工の繊維の長さに相当するか又はそれよりも大きいことがある。
空洞の周りの材料の厚さは、アプリケータ要素の少なくとも遠位側半分では、例えば、分岐部の接合部に形成されたより厚い領域のために一定ではないことがある。
アプリケータ要素は、中央軸を中心にした単一の先端を含んで、化粧に正確さを与えることができる。
アプリケータ要素は、アプリケータ要素の分岐部と一体成形されてそこから突出しているスパイクや歯などの細長い形状のいかなるレリーフ部分も有する必要はない。
【0019】
上述のように、容器は、容器に取り付けられた、例えば、容器のネックに固定された拭き取り部材を含むことができる。変形では、容器には拭き取り部材がない。容器の開口部の最小断面は、容器に拭き取り部材が取り付けられたか否かに関わらず円形とすることができる。
アプリケータ部材は、様々な方法で柄に固定することができ、特に、アプリケータ部材は、柄に係合したファスナ末端部を含むことができる。アプリケータ要素は、柄に圧着するか又はその中に又はその上にスナップ留めする末端部を含むことができる。柄に取り付ける代わりに、アプリケータ要素を少なくとも部分的に柄と一体的に作ることができる。
【0020】
柄は、2.5ミリメートル(mm)に等しいか又はそれよりも大きい、好ましくは3mmに等しいか又はそれよりも大きい、特に約4mmの外径をなし、従って、化粧品を塗布する精度を向上させるためにある一定量の剛性を与えることができる。
空洞は、アプリケータ要素の幅の半分よりも大きく延びることができる。
空洞の幅は、2つの分岐部を合わせた幅よりも小さくすることができる。空洞は、空洞の長さの半分よりも長い部分でアプリケータ要素を貫通して延びることができる。
【0021】
空洞は、幅が一定ではなく、例えば、ほぼ三角形の形状とすることができる。空洞がアプリケータ要素を貫通して延びておらず、かつアプリケータ要素が、分岐部と共に単体として成形されるか又は分岐部に固定された膜を含む時、膜の厚さは、1mmに等しいか又はそれよりも小さいとすることができる。
空洞は、アプリケータ要素の長さの半分よりも大きく延びることができる。
アプリケータ要素は、磁性を有することができ、特に磁性粒子を含むことができる。
アプリケータ要素は、拭き取り部材がある時に拭き取り部材を通過しやすくする形状をした近位及び遠位部分を含むことができる。例えば、遠位部分は、柄から離れる時に細くなっている。
アプリケータ要素は、少なくとも1つの分岐部がアプリケータ要素の縦軸と平行でない縦軸を有する2つよりも多い分岐部を有することができる。
【0022】
態様の別のものにおいて、本発明はまた、容器及びそれに付随する場合がある拭き取り部材から独立して、個別に考えられたアプリケータを提供する。一例として、このようなアプリケータは、アプリケータを挿入する際に通す必要があるネックを有する容器に必ずしも入っていない供給組成物に関連させるためのものである。一例として、供給組成物は、恐らくはカップに収容したケ−キや圧密パウダーの形態の組成物の塊とすることができる。
特に、組成物が例えば睫毛や眉毛などのケラチン繊維に塗布するためのものである時、アプリケータ要素の2つの分岐部は、例えば、異なる形状をなすことができる。組成物が化粧やケアの目的で唇に塗布するものである時も同様である。
【0023】
例えば、分岐部の1つがより厚く、それによって空洞が中心を外れるようにすることができる。空洞は1つだけとすることができる。
空洞は、空洞の長さをm、最大幅をnとすると、比m/nが3、又は4、又は5、又は6に等しいか又はそれも大きい比較的細長い形状とすることができる。空洞の比較的細い形状は、例えば、組成物の保持力を強化することができる。
空洞の幅は、その2つの自由端の間に極値を通り、例えば、その極値は最大値である。空洞は、柄の縦軸とは一致しない縦軸、例えば、柄の縦軸と平行であるがオフセットした軸、又は曲線の軸などに沿って延びることができる。
【0024】
分岐部は、例えば、分岐部の長さの中間付近で外側に凸状か、又は外側に凹状か、又は長さの少なくとも一部分が実質的に直線である縦の外縁をなすことができる。
アプリケータ要素は、少なくとも部分的に外側に向けて凸状の外縁を備えた第1の分岐部と、少なくとも部分的に凹状か又は直線の外縁を備えた第2の分岐部とを有することができる。
変形では、アプリケータ要素は、少なくとも部分的に外側が凹状である外縁を備えた第1の分岐部と、少なくとも部分的に外側が凹状か又は直線である外縁を備えた第2の分岐部とを有することができる。
【0025】
分岐部の少なくとも1つの外縁は、少なくとも部分的に溝をつけることができる。
これらの分岐部は、熱可塑性材料から一緒に成形することができ、それらは、成形した後に、少なくとも部分的にフロック加工することができる。
分岐部は、柄に向けて進むと、柄に到達する前に柄の側面で互いに接触する。
アプリケータ要素は、例えば、アプリケータ要素の遠位端付近により長い剛毛など、異なる長さ及び/又は直径をなすフロック加工した剛毛を含むことができ、従って、短い睫毛を化粧することを可能にする。剛毛は、様々な材料で作ることができる。
【0026】
態様の別のものにおいて、本発明はまた、皮膚、唇、又は睫毛及び/又は眉毛に塗布するための組成物のためのパッケージ及びアプリケータ具を提供し、この装置は、
・組成物を収容する容器と、
・睫毛及び/又は眉毛上に組成物を塗布するためのアプリケータと、
を含み、このアプリケータは、
・柄と、
・柄の端部のアプリケータ要素と、
を含み、このアプリケータ要素は、端部が1つになって空洞を間に形成したプラスチック材料、好ましくは射出成形されたプラスチック材料の少なくとも2つの分岐部を含み、このアプリケータ要素は、分岐部の間に突出するスパイク又は歯などの細長い形状のいかなるレリーフ部分もない。
【0027】
このような装置は、睫毛及び/又は眉毛に化粧品を塗布するか又は処置し、例えば、この装置自体にあるアプリケータの分岐部の1つを使用して組成物を側面に塗布し、又は両方の分岐部を使用して組成物を平らに塗布するいくつかの可能性を提供する。分岐部の数は、2つのみとすることができる。分岐部は、縞をつける必要はない。
このようなアプリケータは、任意的に、例えば、剛毛の混合、特に様々な直径及び/又は長さの剛毛を使用してフロック加工することができる。特に、フロック加工は、分岐部の少なくとも1つに、例えば、その長さの実質的に全体にわたって延びることができる。フロック加工の剛毛はまた、様々な材料から形成することができる。一例として、アプリケータ要素の遠位部分は、短い睫毛の化粧を容易にするために、より長い及び/又はより密集した剛毛で形成されたフロック加工を有することができる。
【0028】
態様の別のものにおいて、本発明はまた、アプリケータを提供し、これは、
・柄と、
・柄に固定された第1の端部及び自由な第2の端部を有するアプリケータ要素と、
・プラスチック材料で成形されて少なくとも部分的にフロック加工で覆われた少なくとも3つの分岐部と、
を含む。
第1及び第2の端部間の距離は、一定とすることができる。その間に、3つの分岐部が、組成物を満たすことができる空洞を形成する。
このようなアプリケータは、例えば、皮膚、粘膜、爪、又は、睫毛又は眉毛などのケラチン繊維に化粧又はケアの目的で使用することができる。
【0029】
態様の別のものにおいて、本発明はまた、上述の装置によって皮膚又は唇を化粧する方法を提供し、組成物は、柄と柄の一端に設けられたアプリケータ要素とを含むアプリケータによって皮膚又は唇に塗布され、アプリケータ要素は、プラスチック材料、特に射出成形されたプラスチック材料の少なくとも2つの分岐部を含み、少なくとも1つの分岐部は、少なくとも部分的にフロック加工され、分岐部は、それらの端部で接触してその間に空洞を形成し、空洞は、組成物を塗布するために使用するアプリケータ要素の少なくとも1つの面で外側に開き、空洞はまた、細長い形状を有して分岐部に沿って延び、分岐部は、アプリケータ要素が組成物を離れてから組成物が塗布されるまでの間に空洞が実質的に変形するのを防止するほど十分に剛性である。
本発明は、その非限定的な実施形態の以下の詳細説明を読み、添付図面を調べるとより良く理解することができる。