【実施例】
【0082】
製造例1:タキソール2'-O-コハク酸酸モノエステルの液相合成
(合成方法については、中国特許200510081265を参照)
合成経路は、以下のとおりである。
反応試薬と条件は、コハク酸無水物、DMAP、室温、4時間である。
【0083】
【化26】
【0084】
8.53g(1.0eq)のタキソール、1.2g(1.2eq)のコハク酸無水物と0.12g(0.1eq)の4-N,N-ジメチルピリジンをピリジンに溶かし、室温において4時間撹拌しながら反応させる。その後、順に酢酸エチルでピリジン溶液を希釈し、飽和硫酸銅溶液で酢酸エチル相を洗浄し、水で酢酸エチル相を洗浄する。最後に、酢酸エチル相を分離し、溶媒を減圧濃縮し、少量の残液に大量の水を加えてシステム内から白色固体を析出させる。濾過し、冷凍乾燥して8.1gの目的産物を得、産率は85%で、m.p.=178~180℃である。
【0085】
1H-NMR(600MHz, DMSO-d
6): 4.63(1H, br.s, 1-OH), 5.40(1H, d, J=8.4Hz, 2-H), 3.58(1H, d, J=8.4Hz, 3-H), 4.90(1H, d, J=10.8Hz, 5-H), 1.62(1H, t, J=14.4Hz, 6-Ha), 2.31(1H, m, 6-Hb), 4.10(1H, dd, J=12.0 and 8.4Hz, 7-H), 4.89(1H, d, J=10.8Hz, 7-OH), 6.29(1H, s, 10-H), 5.81(1H, t, J=10.8Hz, 13-H), 1.51(1H, m, 14-Ha), 1.81(1H, m, 14-Hb), 0.99(3H, s, 16-H), 1.02(3H, s, 17-H), 1.75(3H, s, 18-H), 1.49(3H, s, 19-H), 3.98(1H, d, J=10.2Hz, 20-Ha), 4.02(1H, d, J=10.2Hz, 20-Hb), 2.10(3H, s, 4-OCOCH
3), 2.23(3H, s, 10-OCOCH
3), 5.35(1H, d, J=10.8Hz, 2'-H), 5.54(1H, dd, J=10.8 and 10.2Hz, 3'-H), 9.21(1H, d, J=10.2Hz, 3'-NH), 7.49(2H, m, ph-o-H), 7.47(2H, m, ph-m-H), 7.54(1H, m, ph-p-H), 7.84(2H, d, J=10.2Hz, NBz-o-H), 7.43(2H, m, NBz-m-H), 7.19(1H, m, NBz-p-H), 7.97(2H, d, J=9.6Hz, OBz-o-H), 7.65(2H, m, OBz-m-H), 7.72(1H, m, OBz-p-H), 2.61(2H, t, J=7.2Hz, -CH
2-CH
2-COOH), 2.32(2H, m, -CH
2-CH
2-COOH), 12.23(1H, br.s, -CH
2-CH
2-COOH).
13C-NMR(150MHz, DMSO-d
6): 76.7(1-C), 74.5(2-C), 46.1(3-C), 80.2(4-C), 83.6(5-C), 36.5(6-C), 70.4(7-C), 57.3(8-C), 202.3(9-C), 74.7(10-C), 133.3(11-C), 139.4(12-C), 70.7(13-C), 34.4(14-C), 42.9(15-C), 26.3(16-C), 21.3(17-C), 13.8(18-C), 9.7(19-C), 75.2(20-C), 169.6(2-OCO), 169.6, 22.5(4-OCOCH
3), 168.7, 20.6(10-OCOCH
3), 169.0(1'-C), 74.7(2'-C), 53.9(3'-C), 166.4(3'-NHCO), 137.3(ph-q-C), 127.6(ph-o-C), 128.3(ph-m-C), 131.4(ph-p-C), 129.9(NBz-q-C), 127.4(NBz-o-C), 128.6(NBz-m-C), 128.2(NBz-p-C), 134.3(OBz-q-C), 129.5(OBz-o-C), 128.6(OBz-m-C), 133.4(OBz-p-C), 172.9, 28.4, 30.9, 171.6(-CO-CH
2-CH
2-COOH).
IR: 3471.3(ν
OH and ν
NH), 3065.2(ν
=C-H), 2957.5(ν
-C-H), 1717.3,1642.0(ν
C=O), 1602.4, 1579.8, 1525.9(ν
C=C), 1487.4, 1370.4(δ
-C-H), 1241.4(ν
C-O-C), 978.6, 904.7, 948.5, 776.0, 708.3(δ
=CH).
ESI-MS: 954.75 [M+H]
+, 1929.13 [2M+Na]
+.
HR-MS(TOF): 954.3552 [M+H]
+, 976.3352 [M+Na]
+, C
51H
55NO
17.
【0086】
実施例2-3:ムラミールジペプチド簡易体の固相合成
【0087】
実施例2:Fmoc-D-iso-Gln-OHの合成
合成経路は、以下のとおりである。
反応試薬と条件は、(a)室温、3日、(b) DCC、0℃、5時間、室温、20時間、(c)NH
3、-10℃、1.5時間である。
【0088】
【化27】
【0089】
ステップ1: Fmoc-D-Glu-OHの合成
【0090】
【化28】
【0091】
29.4g(1.0eq)のD型グルタミン酸(H-D-Glu-OH)をアセトン-水混合液(体積比1:1)に溶かし、氷水浴条件下において撹拌する。完全に溶解した後、少量且つ数回に分けて23.3g(1.1eq)のNaHCO
3を加え、その後、ゆっくリと67.4g(1.0eq)のFmoc-OSuを加え、氷水浴乃至室温条件下において3日間撹拌する。反応が終了した後、氷水浴条件下において2N塩酸で溶液系のpHを2~3となるように調整し、反応系の中のアセトン溶液を減圧留去し、残液を酢酸エチルで4回洗浄し、酢酸エチル層を併せ、無水硫酸マグネシウムで乾燥しながらオーバーナイトする。濾過し、酢酸エチル溶液を減圧留去し、残留物を酢酸エチル-シクロへキサンで再結晶させ、59.8gの目的産物を得、産率は81%である。
【0092】
ステップ2:Fmoc-D-iso-Gln-OHの合成
【0093】
【化29】
【0094】
59.8g(1.0eq)のFmoc-D-Glu-OHを324mLの無水テトラヒドロフランに(濃度=0.5 mol/L)に溶かし、氷水浴条件下において撹拌しながら徐々に40.1g(1.2eq)DCCを加え、氷水浴条件下において2時間反応させた後、引き続き室温において8時間反応させる。反応系から大量の白色沈殿(DCU)が析出し、濾過し、少量のテトラヒドロフランで濾餅を洗浄する。濾液を塩化ナトリウムの氷塩浴において撹拌しながら反応系に無水乾燥のアンモニアガスを通し、15分後に反応系から大量の白色沈殿が生成する。引き続き1.5時間反応させ、反応系から白色沈殿の生成が停止すると反応を中止する。そして、少量のメタノールを加えて固体を溶かし、溶かして得られた溶液を再び氷塩浴において冷却する。その後、2N塩酸を注意深くゆっくりと加え、pHが2~3となるように調整する。さらに30分間静置させた後、溶液系に少量の無水メタノールを加え、残液を酢酸エチル溶液で希釈し、順に希塩酸溶液、飽和炭酸水素ナトリウム溶液と水溶液で酢酸エチルを抽出洗浄し、酢酸エチル相を分離する。無水硫酸マグネシウムで乾燥オーバーナイトし、濾過し、酢酸エチル溶液を減圧留去し、残留物を酢酸エチル-シクロヘキサンで再結晶させ、46.5gの目的産物を得、産率は78%で、m.p.=204〜205℃、[α]=-4.2°(C=10mg/mL、DMF)である。
【0095】
1H-NMR(500MHz, DMSO): 7.88(2H, d, J=8.0Hz), 7.72(2H, m), 7.42(2H, m), 7.40(1H, m), 7.40(1H, br.s), 7.32(2H, m, 7.02(1H, br.s),4.27(2H, m), 4.20(1H, m), 3.93(1H, dd, J=13.5 and 8.5Hz), 2.25(2H, m), 1.89(1H, m),.1.73(1H, m).
13C-NMR(125MHz,DMSO): 173.9, 173.4, 155.9, 143.8, 140.7, 127.6, 127.0, 125.3, 120.0, 65.6, 53.8, 46.6, 30.4, 27.2.
ESI-MS: 369.03 [M+H]
+, 759.98 [2M+Na]
+.
HR-MS(TOF): 369.1448 [M+H]
+, 759.2623 [2M+Na]
+, C
20H
20N
2O
5.
【0096】
実施例3:ムラミールジペプチド簡易体MDAの固相合成
【0097】
【化30】
【0098】
合成経路は、以下のとおりである。
反応試薬と条件は、(a)20%ピペリジン/DMF、室温、1時間、(b)Fmoc-Lys(Boc)-OH、HOBt、DIC、室温、 8h、(C)Fmoc-D-iso-Gln-OH、HOBt、DIC、室温、12時間、(d)Fmoc-Ala-OH、HOBt、DIC、8時間、(e)4-クロロ-桂皮酸(R)、HOBt、DIC、室温、8時間(f)90%TFA/H
2O、室温、2時間である。
【0099】
【化31】
【0100】
100g(0.88 mmol/g、1.0eq)のRink-Amide AM樹脂を固相反応器に入れ、1時間減圧にて真空状態にした後、500mLの厳格級無水ジクロロメタンを加えて45分間膨潤させる。吸引にてジクロロメタン溶媒を十分に除去し、500mLの20%(体積比)ピペラジンを含むN,N-ジメチルホルムアミド溶液を加え、樹脂のFmoc保護基を除去する。1時間反応させた後、反応液を吸引にて十分に除去し、その後、順に500mLのN,N-ジメチルホルムアミドとジクロロメタンで樹脂を6回洗浄し、溶媒を吸引にて十分に除去する。反応器内へ61.8g(1.5eq)のFmoc-Lys(Boc)-COOH、17.8g(1.5eq)のHOBt、20.8mL(1.5eq)のDIC及び500mLのN,N-ジメチルホルムアミド溶媒を加え、樹脂に一番目のアミノ酸を導入する。8時間反応させた後、少量の樹脂を取ってニンヒドリン法で確認を行い、樹脂がブルーカラーを呈さずに陰性である場合、反応が十分に行われたと確定できる。反応液を吸引にて十分に除去し、500mLの20%(体積比)ピペラジンを含むN,N-ジメチルホルムアミド溶液を加え、アミノ酸のFmoc保護基を除去する。1時間反応させた後、反応液を吸引にて十分に除去してから順に500mLのN,N-ジメチルホルムアミドとジクロロメタンで樹脂を6回洗浄し、溶媒を吸引にて十分に除去する。反応器内へ48.5g(1.5eq)のFmoc-D-iso-Gln-COOH、17.8g(1.5eq)のHOBt、20.8mL(1.5eq)のDIC及び500mLのN,N-ジメチルホルムアミド溶媒を加え、樹脂へ二番目のアミノ酸を導入する。12時間反応させた後、少量の樹脂を取ってニンヒドリン法で確認を行い、樹脂がブルーカラーを呈さずに陰性である場合、反応が十分に行われたと確定できる。反応液を吸引にて十分に除去し、500mLの20%(体積比)ピペラジンを含むN,N-ジメチルホルムアミド溶液を加え、アミノ酸のFmoc保護基を除去する。1時間反応させた後、反応液を吸引にて十分に除去してから順に500mLのN,N-ジメチルホルムアミドとジクロロメタンで樹脂を6回洗浄し、溶媒を吸引にて十分に除去する。反応器内へ41.0g(1.5eq)のFmoc-Ala-COOH、17.8g(1.5eq)のHOBt、20.8mL(1.5eq)のDIC及び500mLのN,N-ジメチルホルムアミド溶媒を加え、樹脂に三番目のアミノ酸を導入する。8時間反応させた後、少量の樹脂を取ってニンヒドリン法で確認を行い、樹脂がブルーカラーを呈さずに陰性である場合、反応が十分に行われたと確定できる。反応液を吸引にて十分に除去し、500mLの20%(体積比)ピペラジンを含むN,N-ジメチルホルムアミド溶液を加え、アミノ酸のFmoc保護基を除去する。1時間反応させた後、反応液を吸引にて十分に除去してから順に500mLのN,N-ジメチルホルムアミドとジクロロメタンで樹脂を6回洗浄し、溶媒を吸引にて十分に除去する。反応器内へ24.1g(1.5eq)の4 -クロロ桂皮酸、17.8g(1.5eq)のHOBt、20.8mL(1.5eq)のDIC及び500mLのN,N-ジメチルホルムアミド溶媒を加え、樹脂へ四番目のアミノ酸を導入する。8時間反応させた後、少量の樹脂を取ってニンヒドリン法で確認を行い、樹脂がブルーカラーを呈さずに陰性である場合、反応が十分に行われたと確定できる。反応液を吸引にて十分に除去し、順に500mLのN,N-ジメチルホルムアミドとジクロロメタンで樹脂を6回洗浄し、溶媒を吸引にて十分に除去する。90%(体積比)のトリフルオロ酢酸水溶液を加え、2時間切り出し反応を行い、切り出し液を集める。その後、引き続き90%(体積比)のトリフルオロ酢酸水溶液で1時間切り出し反応を行い、切り出し液を集める。最後に、200mLのジクロロメタンで樹脂を洗浄し、濾液と切り出し液を併せる。溶媒を減圧留去し、氷水浴条件下において少量の残液の中に大量の無水エチルエーテルを加えると反応系から直ぐに白色固体が析出する。数時間静置し、上清液を取り、引き続き無水エチルエーテルで白色固体を研磨洗浄し、この処理を数回繰り返して行う。濾過し、39.8gの目的産物粗品を得、産率は89%である。39.8gの目的産物粗品をODSカラムクロマトグラフィーにかけ、メタノール-水勾配で溶出して精製する。目的産物を含む溶液を併せ、溶媒を減圧留去し、冷凍乾燥して35.8gの目的産物を純度98.5%で得、 m.p.=215〜217℃、[α]=+37.7°(C=11.05mg/mL,DMF)である。
【0101】
1H-NMR(600MHz, DMSO-d
6): 7.47(2H, d, J=8.4Hz, 2 and 6-H), 7.57(2H, d, J=8.4Hz, 3 and 5-H), 7.39(1H, d, J=15.9Hz, 7-H), 6.75(1H, d, J=15.9Hz, 8-H), 8.39(1H, d, J=6.6Hz, 10-H), 4.38(1H, m, 11-H), 1.26(3H, m, 12-H), 8.21(1H, d, J=8.4Hz, 14-H), 4.14(1H, m, 15-H), 6.98(1H, s, 17-Ha), 7.41(1H, s, 17-Hb), 1.71(1H, m, 18-Ha), 1.97(1H, m, 18-Hb), 2.15(2H, t, J=7.2Hz, 19-H), 7.90(1H, d, J=8.4Hz, 21-H), 4.11(1H, m, 22-H), 7.10(1H, s, 24-Ha), 7.30(1H, s, 24-Hb), 1.46(1H, m, 25-Ha), 1.63(1H, m, 25-Hb), 1.27(2H, m, 26-H), 1.53(2H, m, 27-H), 2.73(2H, m, 28-H), 7.75(2H, br.s, 29-H).
13C-NMR(150MHz,DMSO-d
6): 134.0(1-C), 129.0(2 and 6-C), 129.2(3 and 5-C), 133.8(4-C), 137.6(7-C), 122.7(8-C), 164.7(9-C), 48.8(11-C), 18.1(12-C), 172.4(13-C), 52.2(15-C), 173.8(16-C), 27.7(18-C), 31.7(19-C), 171.6(20-C), 52.1(22-C), 173.3(23-C), 31.3(25-C), 22.4(26-C), 26.8(27-C), 38.7(28-C).
IR: 3282.3, 3202.2(ν
OH and ν
NH), 3067.3(ν
=CH), 2938.0(ν
-CH), 1609.5(ν
-C=O), 1537.5, 1450.2(ν
C=C), 1199.0, 1180.2, 1130.6(δ
-CH), 972.4, 820.4, 799.4, 720.0(δ
=CHand ν
C-Cl).
ESI-MS: 509.60 [M+H]
+, 1017.24 [2M+H]
+.
HR-MS(TOF): 509.2292 [M+H]
+, C
23H
33ClN
6O
5.
【0102】
実施例4-10:ムラミールジペプチド簡易体MDAの液相合成
【0103】
合成経路は、以下のとおりである。
反応試薬と条件は、(a)HOSu、DIC、NH
3、-10℃、1.5時間、(b)50%TFA/DCM、室温、1時間、(c)HOSu、DIC、0℃、5時間、室温、20時間、(d)0℃、5時間、室温、24時間、(e)HBr/HOAc、室温、3時間、(f)BF
3・Et
2O、TFA、EtSH(9:9:2)、室温、2時間である。
【0104】
【化32】
【0105】
実施例4:Boc-D-Glu(OBzl)-NH
2の液相合成
【0106】
合成経路は、以下のとおりである。
反応試薬と条件は、(a)C
6H
5CH
2OH、BF
3・Et
2O、室温、15時間、(b)(Boc)
2O、NaHCO
3、室温、20時間、(c)HOSu、DCC、NH
3、-10℃、1.5時間である。
【0107】
【化33】
【0108】
ステップ1:H-D-Glu(OBzl)-OHの液相合成
【0109】
【化34】
【0110】
29.1g(1.0eq)のD型グルタミン酸(H-D-Glu-OH)を205.6mL(10.0eq)のベンジルアルコールに溶かし、室温において撹拌しながらゆっくりと47.7mLの三フッ化硼素エーテラート溶液を加え、10分後にサンプルが溶解する。15時間後に反応が終了し、反応系内に616.8mL(ベンジルアルコール体積の3倍)のテトラヒドロフランを加え、撹拌して均一にする。その後、ゆっくりと55.1mLのトリエチルアミン溶液(2.0eq)を加え、反応系内から大量の粘着性沈殿を析出させる。テトラヒドロフランを減圧留去し、冷却した後、適量の酢酸エチルを加えると粘着性沈殿が粉末状に変える。濾過し、減圧にて十分に乾燥させて36.6gの目的産物を得、産率は78%で、m.p.=174〜176℃である。
【0111】
ステップ2:Boc-D-Glu(OBzl)-OHの液相合成
【0112】
【化35】
【0113】
36.6g(1.0eq)のH-D-Glu(OBzl)-OHを500mLのジオキサン水溶液(体積比1:1)に溶かし、順に67.3g(2.0eq)のBoc無水物と25.3g(2.0eq)の炭酸水素ナトリウムを加え、油浴において加熱しながらサンプルを十分に溶解させる。その後、室温において20時間反応させる。反応終了後、ジオキサン溶媒を減圧留去し、大量の白色の粘着性固体を得る。500mLの水で希釈し、30分間撹拌してサンプルを溶解させる。氷水浴において、2N塩酸を使って溶液系のpHが2~3となるように調整すると溶液系に懸濁物が現われる。30分間静置した後、酢酸エチルで5回抽出を行い、分離して酢酸エチル相を併せる。無水硫酸マグネシウムでオーバーナイトして乾燥させ、濾過し、酢酸エチル溶液を減圧留去して48.6gの目的産物(黄色油状物)を得、産率は96%である。
【0114】
ステップ3: Boc-D-Glu(OBzl)-NH
2の液相合成
【0115】
【化36】
【0116】
48.6g(1.0eq)のBoc-D-Glu(OBzl)-OHをテトラヒドロフランに溶かし、順に24.8g(1.5eq)のHOSuと44.5g(1.5eq)のDCCを加え、氷水浴条件下において5時間反応させた後、室温において20時間反応させる。反応系内に大量の白色沈殿(DCU)が析出し、濾過し、少量のテトラヒドロフランで濾餅を洗浄する。塩化ナトリウム氷塩浴において、濾液を撹拌しながら同時に反応系に無水乾燥のアンモニウムガスを通し、15分後に反応系内から大量の白色沈殿が生成する。引き続き1.5時間反応させ、反応系内の白色沈殿の生成が停止すると反応を中止する。濾過し、少量のテトラヒドロフランで濾餅を洗浄し、テトラヒドロフランを減圧留去して黄色油状物を得る。適量の酢酸エチルで溶かし、氷水浴条件下において2N塩酸を使って溶液系のpHが7となるように調整する。30分間静置し、順に希塩酸溶液、飽和炭酸水素ナトリウム溶液と水溶液で酢酸エチル相を抽出洗浄する。酢酸エチル相を分離し、無水硫酸マグネシウムでオーバーナイトして乾燥させる。濾過し、酢酸エチル溶液を減圧留去し、残留物を酢酸エチル-シクロヘキサンで再結晶させて34.2gの目的産物を得、産率は75%で、m.p.=122〜123℃、[α]=-1.8°(C=9.8mg/mL、DMF)である。
【0117】
1H-NMR(300MHz,DMSO-d
6): 1.36(9H, s, -C(CH
3)
3), 6.82(1H, d, J=8.4Hz, 4-H), 3.86(1H, m, 5-H), 7.01(1H, s, 7-Ha), 7.31(1H, s, 7-Hb), 1.73(1H, m, 8-Ha), 1.88(1H, m, 8-Hb), 2.36(2H, t, J=7.2Hz, 9-H), 5.07(2H, s, 11-H), 7.25-7.39(5H, m, 12〜16-H).
13C-NMR(125MHz, DMSO-d
6): 28.1(1-C), 78.0(2-C), 155.3(3-C), 53.3(5-C), 173.5(6-C), 27.1(8-C), 30.2(9-C), 172.2(10-C), 65.4(11-C), 127.8(12 and 16-C), 128.4(13 and 15-C), 127.9(14-C).
ESI-MS: 337.75 [M+H]
+, 673.32 [2M+H]
+.
HR-MS(TOF): 337.1754 [M+H]
+, 359.1572 [M+Na]
+, C
17H
24N
2O
5.
【0118】
実施例5:Boc-Lys(Z)-NH
2の液相合成
【0119】
【化37】
【0120】
38.0g(1.0eq)のBoc-Lys(Z)-OHをテトラヒドロフランに溶かし、順に13.8g(1.2eq)のHOSuと18.9g(1.2eq)のDICを加え、氷水浴条件下において5時間反応させた後、室温において20時間反応させる。反応系内に大量の白色沈殿(DIU)が析出し、濾過し、少量のテトラヒドロフランで濾餅を洗浄する。塩化ナトリウム氷塩浴において、濾液を撹拌しながら同時に反応系に無水乾燥のアンモニウムガスを通し、15分後に反応系内から大量の白色沈殿が生成する。引き続き1.5時間反応させ、反応系内の白色沈殿の生成が停止すると反応を中止する。濾過し、少量のテトラヒドロフランで濾餅を洗浄し、テトラヒドロフランを減圧留去して白色固体を得る。適量の酢酸エチルで溶かし、氷水浴において2N塩酸を使って溶液系のpHが7となるように調整する。30分間静置し、順に希塩酸溶液、飽和炭酸水素ナトリウム溶液と水溶液で酢酸エチル相を抽出洗浄する。酢酸エチル相を分離し、無水硫酸マグネシウムでオーバーナイトして乾燥させる。濾過し、酢酸エチル溶液を減圧留去し、残留物を酢酸エチル-シクロヘキサンで再結晶させて35.0gの目的産物を得、産率は92%で、m.p.=137〜138℃である。
【0121】
1H-NMR(300MHz, DMSO-d
6): 1.37(9H, br.s, 1-H), 6.71(1H, d, J=8.1Hz, 4-H), 3.79(1H, m, 5-H), 7.23(2H, br.s, 7-H), 1.28(2H, m, 8-H), 1.45(2H, m, 9-H), 1.58(2H, m, 10-H), 2.95(2H, m, 11-H), 6.93(1H, br.s, 12-H), 5.00(2H, s, 14-H), 7.22-7.39(5H, m, 16〜20-H).
ESI-MS: 380.71 [M+H]
+, 759.50 [2M+H]
+.
HR-MS(TOF): 380.2201 [M+H]
+, 781.4102 [2M+Na]
+, C
19H
29N
3O
5.
【0122】
実施例6:ジペプチド断片Boc-Ala-D-Glu(OBzl)-NH
2の液相合成
【0123】
【化38】
【0124】
16.9g(1.0eq)のBoc-Ala-OHをテトラヒドロフランに溶かし、順に12.3g(1.2eq)のHOSuと16.9g(1.2eq)のDICを加え、氷水浴において5時間反応させた後、室温において20時間反応させる。反応系内に大量の白色沈殿(DIU)が析出し、濾過し、少量のテトラヒドロフランで濾餅を洗浄する。濾液(Boc-Ala-OSu)は、次の反応に用いる。
【0125】
30g(1.0eq)のBoc-D-Glu(OBzl)-NH
2を100mLのトリフルオロ酢酸-ジクロロメタン溶液(体積比1:1)に溶かし、室温において1時間撹拌することによってBoc保護基を除去する。反応が終了した後、トリフルオロ酢酸を減圧留去し、残液を無水エチルエーテルで繰り返して研磨洗浄する。蒸発にて留去し、少量のテトラヒドロフランに溶かし、氷水浴条件下においてN-メチルモルホリン(NMM)で溶液系のpHが7~8となるように調整する。その後、Boc-Ala-OSu溶液を少量且つ数回に分けて加え、氷水浴条件下において5時間反応させた後、室温において24時間反応させる。反応が十分に行われた後、溶媒を減圧留去し、残留物を適量の酢酸エチルで溶かし、順に希塩酸溶液、飽和炭酸水素ナトリウム溶液と水溶液で酢酸エチル相を抽出洗浄する。酢酸エチル相を分離し、無水硫酸マグネシウムでオーバーナイト乾燥させる。濾過し、酢酸エチル溶液を減圧留去し、残留物をメタノール-水で再結晶させてから大量の無水エチルエーテルで洗浄し、29.4gの目的産物を得、産率は81%で、m.p.=134〜135℃である。
【0126】
1H-NMR(300MHz, DMSO-d
6): 1.36(9H, br.s,.1-H), 7.92(1H, d, J=7.8Hz, 4-H), 4.17(1H, m, 5-H), 1.15(3H, d, J=7.2Hz, 6-H), 7.10(1H, d, J=6.6Hz, 8-H), 3.91(1H, m, 9-H), 7.18(1H, br.s, 11-Ha), 7.31(1H, br.s, 11-Hb), 1.75(1H, m, 12-Ha), 2.03(1H, m, 12-Hb), 2.33(2H, t, J=7.5Hz, 13-H), 5.07(2H, s, 15-H), 7.31-7.40(5H, m, 17〜21-H).
ESI-MS: 408.71 [M+H]
+, 815.44 [2M+H]
+.
HR-MS(TOF): 408.2137 [M+H]
+, 430.1955 [M+Na]
+, C20H29N3O6.
【0127】
実施例7:トリペプチド断片の液相合成
【0128】
【化39】
【0129】
13.2g(1.0eq)の4-クロロ桂皮酸をテトラヒドロフランに溶かし、順に9.9g(1.2eq)のHOSuと13.6g(1.2eq)のDICを加え、氷水浴において5時間反応させた後、室温において20時間反応させる。反応系内に大量の白色沈殿(DIU)が析出し、濾過し、少量のテトラヒドロフランで濾餅を洗浄する。濾液(Ac-OSu)は、次の反応に用いる。
【0130】
29.4g(1.0eq)のBoc-Ala-D-Glu(OBzl)-NH
2を100mLのトリフルオロ酢酸-ジクロロメタン溶液(体積比1:1)に溶かし、室温において1時間撹拌することによってBoc保護基を除去する。反応が終了した後、トリフルオロ酢酸を減圧留去し、残液を無水エチルエーテルで繰り返して研磨洗浄する。蒸発にて留去し、少量のテトラヒドロフランに溶かし、氷水浴条件下においてN-メチルモルホリン(NMM)で溶液系のpHが7~8となるように調整する。その後、Ac-OSu溶液を少量且つ数回に分けて加え、氷水浴条件下において5時間反応させた後、室温において24時間反応させ、更に2時間にかけて加熱還流させる。反応が十分に行われた後、30分間静置し、反応系内から大量の白色の粘着性沈殿が生成する。濾過し、少量のテトラヒドロフランで濾餅を洗浄し、残液を減圧除去する。得られた固体を適量の酢酸エチルで溶かし、順に希塩酸溶液、飽和炭酸水素ナトリウム溶液と水溶液で有機相を抽出洗浄する。酢酸エチル相を分離し、無水硫酸マグネシウムでオーバーナイト乾燥する。濾過し、酢酸エチル溶液を減圧留去し、残留物をメタノール-水で再結晶させてから大量の無水エチルエーテルで洗浄し、26.8gの目的産物を得、産率は79%で、m.p.=226〜228℃である。
【0131】
1H-NMR(300MHz, DMSO-d
6): 7.48(2H, d, J=8.7Hz, 2〜6-H), 7.59(2H, d, J=8.7
Hz, 3〜5-H), 7.39(1H, d, J=15.9Hz, 7-H), 6.76(1H, d, J=15.9Hz, 8-H), 8.39(1H, d, J=6.6Hz, 10-H), 4.38(1H, m, 11-H), 1.23(3H, d, J=6.9Hz, 12-H), 8.25(1H, d, J=8.1Hz, 14-H), 4.18(1H, m, 15-H), 7.16(1H, br.s, 17-Ha), 7.31(1H, br.s, 17-Hb), 1.78(1H, m, 18-Ha), 2.05(1H, m, 18-Hb), 2.38(2H, m, 19-H), 5.07(2H, s, 21-H), 7.31-7.36(5H, m, 23〜27-H).
ESI-MS: 472.33 [M+H]
+, 943.17 [2M+H]
+.
HR-MS(TOF): 472.1635 [M+H]
+, 943.3174 [2M+H]
+, C
24H
26ClN
3O
5.
【0132】
実施例8:トリペプチド断片の液相合成
【0133】
【化40】
【0134】
26.8gの実施例7において合成されたトリペプチド断片を臭化水素酸の酢酸溶液に溶かし、室温において2時間撹拌してBoc保護基を除去する。反応が終了した後、反応液を適量の氷水に注ぎ、10%のNaOH溶液で上記溶液のpHを10~11となるように調整し、酢酸エチルで水相を抽出する。その後、10%のHCl溶液で水相のpHを2~3となるように調整し、更に酢酸エチル溶液で水相を3回抽出し、酢酸エチル相を併せる。飽和NaCl溶液で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させる。濾過し、少量残液が残るところまで溶媒を減圧留去する。エチルエーテルを加えて溶液系内から大量の白色固体を析出させる。濾過し、乾燥してから重量を測り、18.5gの産物を産率85%で得る。
【0135】
1H-NMR(300MHz, DMSO-d
6): 7.45(2H, d, J=8.1Hz, 2〜6-H), 7.56(2H, d, J=8.1
Hz, 3〜5-H), 7.42(1H, d, J=15.3Hz, 7-H), 6.75(1H, d, J=15.3Hz, 8-H), 8.39(1H, d, J=6.6Hz, 10-H), 4.37(1H, m, 11-H), 1.25(3H, d, J=6.6Hz, 12-H), 8.21(1H, d, J=8.1Hz, 14-H), 4.16(1H, m, 15-H), 7.11(1H, br.s, 17-Ha), 7.30(1H, br.s, 17-Hb), 1.72(1H, m, 18-Ha), 1.98(1H, m, 18-Hb), 2.22(2H, m, 19-H), 12.25(1H, br.s, 21-H).
ESI-MS: 382.17 [M+H]
+, 785.04 [2M+Na]
+.
HR-MS(TOF): 382.1171 [M+H]
+, 785.2073 [2M+Na]
+, C
17H
20ClN
3O
5.
【0136】
実施例9:テトラペプチドの液相合成
【0137】
【化41】
【0138】
16.3gの実施例8においてBzl保護を除去したトリペプチド断片をテトラヒドロフランに溶かし、順に5.9g(1.2eq)のHOSuと8.1g(1.2eq)のDICを加え、氷水浴条件下において5時間反応させた後、室温において更に20時間反応させる。反応系内に大量の白色沈殿(DIU)が析出し、濾過し、少量のテトラヒドロフランで濾餅を洗浄する。濾液は、次の反応に用いる。
【0139】
16.2g(1.0eq)のBoc-Lys(Z)-NH
2を100mLのトリフルオロ酢酸-ジクロロメタン溶液(体積比1:1)に溶かし、室温において1時間撹拌することによってBoc保護基を除去する。反応が終了した後、トリフルオロ酢酸を減圧留去し、残液を無水エチルエーテルで繰り返して研磨洗浄する。蒸発にて留去し、少量のテトラヒドロフランに溶かし、氷水浴条件下においてN-メチルモルホリン(NMM)で溶液系のpHが7~8となるように調整する。その後、上記濾液を少量且つ数回に分けて加え、氷水浴条件下において5時間反応させた後、室温において更に24時間反応させる。反応系内から大量の白色の粘着性沈殿が生成し、濾過し、少量のテトラヒドロフランで濾餅を洗浄し、残液を減圧除去して14.6gの目的産物を得、産率は74%で、m.p.=195〜196℃である。
【0140】
1H-NMR(300MHz,DMSO-d
6): 7.47(2H, m, 2 and 6-H), 7.58(2H, m, 3 and 5-H), 7.38(1H, d, J=15.3Hz, 7-H), 6.79(1H, d, J=15.3Hz, 8-H), 8.45(1H, d, J=8.1Hz, 10-H), 4.40(1H, m, 11-H), 1.28(3H, m, 12-H), 8.29(1H, d, J=8.1Hz, 14-H), 4.19(1H, m, 15-H), 6.95(1H, s, 17a-H), 7.41(1H, s, 17b-H), 1.71(1H, m, 18a-H), 1.96(1H, m, 18b-H), 2.14(2H, m, 19-H), 7.92(1H, m, 21-H), 4.12(1H, m, 22-H), 7.09(1H, s, 24a-H), 7.33(1H, m, 24b-H), 1.49(1H, m, 25a-H), 1.65(1H, m, 25b-H), 1.27(2H, m, 26-H), 1.53(2H, m, 27-H), 2.91(2H, m, 28-H), 6.91(1H, br.s, 29-H), 5.00(2H, s, 31-H), 7.20-7.38(5H, m, 33〜37-H).
13C-NMR(125MHz, DMSO-d
6): 133.9(1-C), 129.0(2 and 6-C), 129.2(3 and 5-C), 133.8(4-C), 137.6(7-C), 122.8(8-C), 164.7(9-C), 48.9 (11-C), 18.1(12-C), 172.4(13-C), 52.1(15-C), 173.9(16-C), 27.6(18-C), 31.6(19-C), 171.5(20-C), 52.1(22-C), 173.3(23-C), 31.4(25-C), 22.7(26-C), 27.5(27-C), 38.7(28-C), 156.0(30-C), 65.1(31-C), 137.5(32-C), 127.7(33 and 37-C), 128.3(34 and 36-C), 127.0(35-C).
ESI-MS: 643.31 [M+H]
+.
HR-MS(TOF): 643.2635 [M+H]
+, 665.2451 [M+Na]
+, C
31H
39ClN
6O
7.
【0141】
実施例10:ムラミールジペプチド簡易体MDAの液相合成
【0142】
【化42】
【0143】
14.6gの実施例9において得られたテトラペプチド断片を三フッ化硼素エーテラート、トリフルオロ酢酸とエチルメルカプタンの混合溶液(体積比9:9:2)に溶かし、室温において2時間撹拌しながら十分に反応させる。溶媒を減圧留去し、氷水浴条件下において残液の中に大量の無水エチルエーテルを加え、白色固体沈殿を析出させる。遠心し、上清液を取り、更に大量の無水エチルエーテルで繰り返して研磨洗浄し、8.3gの目的産物粗品を産率72%で得る。8.3gの目的産物粗品をODSカラムクロマトグラフィーにかけ、メタノール-水勾配で溶出して精製する。目的産物を含む溶液を併せ、溶媒を減圧留去し、冷凍乾燥して6.8gの目的産物を純度98.5%で得、m.p.=215〜217℃で、[α]=+37.7°(C=11.05mg/ml、DMF)である。
【0144】
1H-NMR(600MHz, DMSO-d
6): 7.47(2H, d, J=8.4Hz, 2 and 6-H), 7.57(2H, d, J=8.4Hz, 3 and 5-H), 7.39(1H, d, J=15.9Hz, 7-H), 6.75(1H, d, J=15.9Hz, 8-H), 8.39(1H, d, J=6.6Hz, 10-H), 4.38(1H, m, 11-H), 1.26(3H, m, 12-H), 8.21(1H, d, J=8.4Hz, 14-H), 4.14(1H, m, 15-H), 6.98(1H, s, 17-Ha), 7.41(1H, s, 17-Hb), 1.71(1H, m, 18-Ha), 1.97(1H, m, 18-Hb), 2.15(2H, t, J=7.2Hz, 19-H), 7.90(1H, d, J=8.4Hz, 21-H), 4.11(1H, m, 22-H), 7.10(1H, s, 24-Ha), 7.30(1H, s, 24-Hb), 1.46(1H, m, 25-Ha), 1.63(1H, m, 25-Hb), 1.27(2H, m, 26-H), 1.53(2H, m, 27-H), 2.73(2H, m, 28-H), 7.75(2H, br.s, 29-H).
13C-NMR(150MHz,DMSO-d
6): 134.0(1-C), 129.0(2 and 6-C), 129.2(3 and 5-C), 133.8(4-C), 137.6(7-C), 122.7(8-C), 164.7(9-C), 48.8(11-C), 18.1(12-C), 172.4(13-C), 52.2(15-C), 173.8(16-C), 27.7(18-C), 31.7(19-C), 171.6(20-C), 52.1(22-C), 173.3(23-C), 31.3(25-C), 22.4(26-C), 26.8(27-C), 38.7(28-C).
IR: 3282.3, 3202.2(ν
OHand ν
NH), 3067.3(ν
=CH), 2938.0(ν
-CH), 1609.5(ν
-C=O), 1537.5, 1450.2(ν
C=C), 1199.0, 1180.2, 1130.6(δ
-CH), 972.4, 820.4, 799.4, 720.0(δ
=CH and ν
C-Cl).
ESI-MS: 509.60 [M+H]
+, 1017.24 [2M+H]
+.
HR-MS(TOF): 509.2292 [M+H]
+, C
23H
33ClN
6O
5.
【0145】
実施例11-22:ムラミールジペプチド簡易体の固相合成
【0146】
実施例11:ムラミールジペプチド簡易体MDA-201の固相合成
【0147】
【化43】
【0148】
製造は、固相合成方法を利用して行い、Rink-Amide AM樹脂(負荷量:0.88 mmol/g)を利用し、順にFmoc-Lys(Boc)-COOH、Fmoc-D-iso-Gln-COOH、Fmoc-Ala-COOHとパラヒドロキシ桂皮酸を樹脂に導入する。縮合反応が終了した後、樹脂を洗浄してから残液を十分に除去し、90%(体積比)のトリフルオロ酢酸水溶液で引き続き切り出し反応を1時間行い、溶媒を減圧留去する。氷水浴条件下において、少量の残液に大量の無水エチルエーテルを加えると反応系内から直ぐに白色固体が析出する。濾過して目的産物粗品を得、産率は85%である。粗品をODSカラムクロマトグラフィーにて精製し、冷凍乾燥させた後、白色固体を純度98.5%で得、m.p.=143〜144℃である。
【0149】
1H-NMR(300MHz, DMSO-d
6): 9.94(1H, s, 1-OH), 6.79(2H, d, J=8.7Hz, 2 and 6-H), 7.59(2H, d, J=8.7Hz, 3 and 5-H), 7.36(1H, d, J=15.9Hz, 7-H), 6.51(1H, d, J=15.9Hz, 8-H), 8.25(1H, d, J=6.3Hz, 10-H), 4.34(1H, m, 11-H), 1.24(3H, m, 12-H), 8.17(1H, d, J=8.4Hz, 14-H), 4.12(1H, m, 15-H), 6.98(1H, s, 17-Ha), 7.31(1H, s, 17-Hb), 1.72(1H, m, 18-Ha), 1.98(1H, m, 18-Hb), 2.15(2H, m, 19-H), 7.89(1H, d, J=7.8Hz, 21-H), 4.11(1H, m, 22-H), 7.10(1H, s, 24-Ha), 7.31(1H, s, 24-Hb), 1.48(1H, m, 25-Ha), 1.63(1H, m, 25-Hb), 1.25(2H, m, 26-H), 1.50(2H, m, 27-H), 2.74(2H, m, 28-H), 7.76(2H, br.s, 29-H).
13C-NMR(125MHz,DMSO-d
6): 159.0(1-C), 115.8(2 and 6-C), 129.3(3 and 5-C), 125.8(4-C), 139.2(7-C), 118.2(8-C), 165.5(9-C), 48.9(11-C), 17.9(12-C), 172.6(13-C), 52.2(15-C), 173.8(16-C), 27.6(18-C), 31.7(19-C), 171.6(20-C), 52.1(22-C), 173.3(23-C), 31.3(25-C), 22.4(26-C), 26.7(27-C), 38.7(28-C).
IR: 3273.8, 3194.6(ν
OH and ν
NH), 3064.6(ν
=CH), 2943.4(ν
-CH), 1663.6(ν
C=O), 1605.7, 1537.3, 1515.0, 1450.4(ν
C=C), 1201.6, 1180.2, 1135.7(δ
-CH), 983.8, 835.0, 800.4, 721.6(δ
=CH).
ESI-MS: 491.39 [M+H]
+, 981.21 [2M+H]
+.
HR-MS(TOF): 491.2597 [M+H]
+, C
23H
34N
6O
6.
【0150】
実施例12:ムラミールジペプチド簡易体MDA-202の固相合成
【0151】
【化44】
【0152】
製造は、固相合成方法を利用して行い、Rink-Amide AM樹脂(負荷量:0.88 mmol/g)を利用し、順にFmoc-Lys(Boc)-COOH、Fmoc-D-iso-Gln-COOH、Fmoc-Ala-COOHとパラメチル桂皮酸を樹脂に導入する。縮合反応が終了した後、樹脂を洗浄してから残液を十分に除去し、90%(体積比)のトリフルオロ酢酸水溶液で引き続き切り出し反応を1時間行い、溶媒を減圧留去する。氷水浴条件下において、少量の残液に大量の無水エチルエーテルを加えると反応系内から直ぐに白色固体が析出する。濾過して目的産物粗品を得、産率は86%である。粗品をODSカラムクロマトグラフィーにて精製し、冷凍乾燥させた後、白色固体を純度98.5%で得、 m.p.=150〜151℃である。
【0153】
1H-NMR(300MHz, DMSO-d
6): 2.30(3H, s, 1-CH
3), 7.44(2H, d, J=8.1Hz, 2 and 6-H), 7.21(2H, d, J=8.1Hz, 3 and 5-H), 7.37(1H, d, J=15.9Hz, 7-H), 6.69(1H, d, J=15.9Hz, 8-H), 8.35(1H, d, J=6.6Hz, 10-H), 4.37(1H, m, 11-H), 1.25(3H, m, 12-H), 8.21(1H, d, J=8.1Hz, 14-H), 4.12(1H, m, 15-H), 6.99(1H, s, 17-Ha), 7.32(1H, s, 17-Hb), 1.73(1H, m, 18-Ha), 1.97(1H, m, 18-Hb), 2.16(2H, m, 19-H), 7.90(1H, d, J=7.8Hz, 21-H), 4.10(1H, m, 22-H), 7.11(1H, s, 24-Ha), 7.34(1H, s, 24-Hb), 1.49(1H, m, 25-Ha), 1.63(1H, m, 25-Hb), 1.28(2H, m, 26-H), 1.51(2H, m, 27-H), 2.74(2H, m, 28-H), 7.80(2H, br.s, 29-H).
13C-NMR(125MHz,DMSO-d
6): 20.9(1-CH
3), 139.0(2 and 6-C), 129.6(2 and 6-C), 127.5(3 and 5-C), 132.1(4-C), 139.3(7-C), 120.8(8-C), 165.2(9-C), 48.9(11-C), 18.0(12-C), 172.5(13-C), 52.2(15-C), 173.9(16-C), 27.6(18-C), 31.8(19-C), 171.7(20-C), 52.1(22-C), 173.4(23-C), 31.3(25-C), 22.4(26-C), 26.7(27-C), 38.7(28-C).
IR: 3278.8, 3199.9(ν
OHand ν
NH), 3063.3(ν
=CH), 2941.3(ν
-CH), 1656.3(ν
C=O), 1540.7, 1452.5(ν
C=C), 1202.2, 1184.1, 1135.3(δ
-CH), 984.0, 835.8, 813.6, 800.7, 721.6(δ
=CH).
ESI-MS: 489.48 [M+H]
+, 977.29 [2M+H]
+.
HR-MS(TOF): 489.2819 [M+H]
+, C
24H
36N
6O
5.
【0154】
実施例13:ムラミールジペプチド簡易体MDA-203の固相合成
【0155】
【化45】
【0156】
製造は、固相合成方法を利用して行い、Rink-Amide AM樹脂(負荷量:0.88 mmol/g)を利用し、順にFmoc-Lys(Boc)-COOH、Fmoc-D-iso-Gln-COOH、Fmoc-Ala-COOHと2,4-ジフルオロ桂皮酸を樹脂に導入する。縮合反応が終了した後、樹脂を洗浄してから残液を十分に除去し、90%(体積比)のトリフルオロ酢酸水溶液で引き続き切り出し反応を1時間行い、溶媒を減圧留去する。氷水浴条件下において、少量の残液に大量の無水エチルエーテルを加えると反応系内から直ぐに白色固体が析出する。濾過して目的産物粗品を得、産率は80%である。粗品をODSカラムクロマトグラフィーにて精製し、冷凍乾燥させた後、白色固体を純度98.5%で得、m.p.=189〜190℃である。
【0157】
1H-NMR(300MHz, DMSO-d
6): 7.35(1H, m, 2-H), 7.72(1H, dd, J=15.2 and 8.7Hz, 5-H), 7.18(1H, td, J=8.4 and 2.4Hz, 6-H), 7.44(1H, d, J=15.9Hz, 7-H), 6.82(1H, d, J=15.9Hz, 8-H), 8.51(1H, d, J=6.6Hz, 10-H), 4.40(1H, m, 11-H), 1.27(3H, d, J=7.2Hz,, 12-H), 8.24(1H, d, J=8.1Hz, 14-H), 4.17(1H, m, 15-H), 7.00(1H, s, 17-Ha), 7.33(1H, s, 17-Hb), 1.71(1H, m, 18-Ha), 1.97(1H, m, 18-Hb), 2.17(2H, t, J=7.8Hz, 19-H), 7.91(1H, d, J=8.4Hz, 21-H), 4.13(1H, m, 22-H), 7.07(1H, s, 24-Ha), 7.32(1H, s, 24-Hb), 1.49(1H, m, 25-Ha), 1.64(1H, m, 25-Hb), 1.29(2H, m, 26-H), 1.50(2H, m, 27-H), 2.75(2H, m, 28-H).
13C-NMR(125MHz, DMSO-d
6): 163.7(m, 1-C), 104.7(t, J=26.0Hz, 2-C), 159.6(m, 3-C), 118.5(m, 4-C), 130.6(m, 5-C), 112.4(d, J=18.4Hz, 6-C), 137.4(s, 7-C), 124.3(s, 8-C), 164.7(s, 9-C), 48.9(11-C), 18.0(12-C), 172.2(13-C), 52.1(15-C), 173.2(16-C), 27.6(18-C), 31.7(19-C), 171.6(20-C), 52.0(22-C), 172.3(23-C), 31.3(25-C), 22.4(26-C), 26.8(27-C), 38.7(28-C).
IR: 3279.8, 3198.2(ν
OHand ν
NH), 3066.7(ν
=CH), 2939.5(ν
-CH), 1656.2(ν
C=O), 1616.4, 1544.6, 1504.2, 1454.1(ν
C=C), 1202.1, 1181.7, 1138.8(ν
C-F and δ
-CH), 967.5, 836.7, 800.7, 721.4(ν
C-Cl and δ
=CH).
ESI-MS: 511.28 [M+H]
+, 1021.02 [2M+H]
+.
HR-MS(TOF): 511.2482 [M+H]
+, C
24H
36N
6O
5.
【0158】
実施例14:ムラミールジペプチド簡易体MDA-204の固相合成
【0159】
【化46】
【0160】
製造は、固相合成方法を利用して行い、Rink-Amide AM樹脂(負荷量:0.88 mmol/g)を利用し、順にFmoc-Lys(Boc)-COOH、Fmoc-D-iso-Gln-COOH、Fmoc-Ala-COOHと2-フルオロ-4-クロロ桂皮酸を樹脂に導入する。縮合反応が終了した後、樹脂を洗浄してから残液を十分に除去し、90%(体積比)のトリフルオロ酢酸水溶液で引き続き切り出し反応を1時間行い、溶媒を減圧留去する。氷水浴条件下において、少量の残液に大量の無水エチルエーテルを加えると反応系内から直ぐに白色固体が析出する。濾過して目的産物粗品を得、産率は88%である。粗品をODSカラムクロマトグラフィーにて精製し、冷凍乾燥させた後、白色固体を純度98.5%で得、m.p.=149〜150℃である。
【0161】
1H-NMR(300MHz, DMSO-d
6): 7.54(1H, dd, J=10.8 and 1.8Hz, 2-H), 7.69(1H, t, J=8.7Hz, 5-H), 7.36(1H, dd, J=10.5 and 2.1Hz, 6-H), 7.44(1H, d, J=15.9Hz, 7-H), 6.87(1H, d, J=15.9Hz, 8-H), 8.57(1H, d, J=6.6Hz, 10-H), 4.40(1H, m, 11-H), 1.27(3H, d, J=7.2Hz,, 12-H), 8.27(1H, d, J=8.1Hz, 14-H), 4.13(1H, m, 15-H), 6.99(1H, s, 17-Ha), 7.35(1H, s, 17-Hb), 1.72(1H, m, 18-Ha), 1.98(1H, m, 18-Hb), 2.17(2H, t, J=7.8Hz, 19-H), 8.08(1H, d, J=8.1Hz, 21-H), 4.10(1H, m, 22-H), 7.12(1H, s, 24-Ha), 7.32(1H, s, 24-Hb), 1.49(1H, m, 25-Ha), 1.64(1H, m, 25-Hb), 1.29(2H, m, 26-H), 1.51(2H, m, 27-H), 2.74(2H, m, 28-H).
13C-NMR(125MHz, DMSO-d
6): 135.1(d, J=10.9Hz, 1-C), 117.2(d, J=25.8Hz, 2-C), 160.7(d, J=252.5Hz, 3-C), 122.1(d, J=11.6Hz, 4-C), 130.8(s, 5-C), 125.9(d, J=3.0Hz, 6-C), 137.3(m, 7-C), 125.8(d, J=6.3Hz, 8-C), 164.6(s, 9-C), 49.4(11-C), 18.5(12-C), 172.8(13-C), 52.7(15-C), 174.3(16-C), 28.1(18-C), 32.2(19-C), 172.1(20-C), 52.6(22-C), 173.8(23-C), 31.8(25-C), 22.9(26-C), 27.5(27-C), 38.7(28-C).
IR: 3358.7, 3284.3, 3199.3(ν
OH and ν
NH), 3067.3(ν
=CH), 2933.4(ν
-CH), 1654.7,1642.5, 1642.5, 1622.9(ν
-C=O), 1540.6, 1489.9, 1453.6(ν
C=C), 1202.4, 1129.9(ν
C-F and δ
-CH), 978.2, 815.0, 720.6, 690.2(ν
C-Cl and δ
=CH).
ESI-MS: 527.49 [M+H]
+, 1053.17 [2M+H]
+.
HR-MS(TOF): 527.2192 [M+H]
+, C
23H
32ClFN
6O
5.
【0162】
実施例15:ムラミールジペプチド簡易体MDA-205の固相合成
【0163】
【化47】
【0164】
製造は、固相合成方法を利用して行い、Rink-Amide AM樹脂(負荷量:0.88 mmol/g)を利用し、順にFmoc-Lys(Boc)-COOH、Fmoc-D-iso-Gln-COOH、Fmoc-Ala-COOHと2-クロロ-4-フルオロ桂皮酸を樹脂に導入する。縮合反応が終了した後、樹脂を洗浄してから残液を十分に除去し、90%(体積比)のトリフルオロ酢酸水溶液で引き続き切り出し反応を1時間行い、溶媒を減圧留去する。氷水浴条件下において、少量の残液に大量の無水エチルエーテルを加えると反応系内から直ぐに白色固体が析出する。濾過して目的産物粗品を得、産率は86%である。粗品をODSカラムクロマトグラフィーにて精製し、冷凍乾燥させた後、白色固体を純度98.5%で得、m.p.=137〜138℃である。
【0165】
1H-NMR(300MHz, DMSO-d
6): 7.55(1H, dd, J=8.7 and 1.8Hz, 2-H), 7.77(1H, m, 5-H), 7.36(1H, m, 6-H), 7.66(1H, d, J=15.9Hz, 7-H), 6.79(1H, d, J=15.9Hz, 8-H), 8.47(1H, d, J=6.6Hz, 10-H), 4.42(1H, m, 11-H), 1.27(3H, d, J=6.9Hz, 12-H), 8.24(1H, d, J=8.4Hz, 14-H), 4.16(1H, m, 15-H), 7.00(1H, s, 17-Ha), 7.31(1H, s, 17-Hb), 1.72(1H, m, 18-Ha), 1.99(1H, m, 18-Hb), 2.17(2H, t, J=7.8Hz, 19-H), 7.91(1H, d, J=8.7Hz, 21-H), 4.13(1H, m, 22-H), 7.12(1H, s, 24-Ha), 7.33(1H, s, 24-Hb), 1.49(1H, m, 25-Ha), 1.65(1H, m, 25-Hb), 1.30(2H, m, 26-H), 1.52(2H, m, 27-H), 2.75(2H, br.s, 28-H), 7.79(2H, br.s, 29-H).
13C-NMR(125MHz,DMSO-d
6): 162.7(d, J=250.0Hz, 1-C), 115.9(d, J=21.6Hz, 2-C), 134.6(d, J=10.0Hz, 3-C), 129.9(d, J=3.8Hz, 4-C), 129.7(d, J=10.0Hz, 5-C), 117.7(d, J=25.1Hz, 3-C), 137.5(7-C), 125.4(8-C), 164.8(9-C), 49.3(11-C), 18.6(12-C), 172.1(13-C), 52.6(15-C), 174.2(16-C), 28.2(18-C), 32.2(19-C), 172.1(20-C), 52.5(22-C), 173.7(23-C), 31.8(25-C), 22.9(26-C), 27.2(27-C), 38.2(28-C).
IR: 3279.8(ν
OH and ν
NH), 3066.0(ν
=CH), 2937.1(ν
-CH), 1776.1, 1656.3(ν
C=O), 1537.0, 1489.0, 1452.2(ν
C=C), 1238.1, 1201.1, 1181.0, 1135.6(ν
C-F and δ
-CH), 910.6, 835.5, 800.1, 721.3(ν
C-Cl and δ
=CH).
ESI-MS: 527.28 [M+H]
+, 1075.00 [2M+Na]
+.
HR-MS(TOF): 527.2201 [M+H]
+, C
23H
32ClFN
6O
5.
【0166】
実施例16:ムラミールジペプチド簡易体MDA-206の固相合成
【0167】
【化48】
【0168】
製造は、固相合成方法を利用して行い、Rink-Amide AM樹脂(負荷量:0.88 mmol/g)を利用し、順にFmoc-Lys(Boc)-COOH、Fmoc-D-iso-Gln-COOH、Fmoc-Ala-COOHと4-フルオロ桂皮酸を樹脂に導入する。縮合反応が終了した後、樹脂を洗浄してから残液を十分に除去し、90%(体積比)のトリフルオロ酢酸水溶液で引き続き切り出し反応を1時間行い、溶媒を減圧留去する。氷水浴条件下において、少量の残液に大量の無水エチルエーテルを加えると反応系内から直ぐに白色固体が析出する。濾過して目的産物粗品を得、産率は92%である。粗品をODSカラムクロマトグラフィーにて精製し、冷凍乾燥させた後、白色固体を純度98.5%で得、m.p.=218〜220℃である。
【0169】
1H-NMR(300MHz, DMSO-d
6): 7.26(2H, t, J=8.7Hz, 2 and 6-H), 7.63(2H, dd, J=8.4 and 5.7Hz, 3 and 5-H), 7.42(1H, d, J=15.9Hz, 7-H), 6.71(1H, d, J=15.9Hz, 8-H), 8.37(1H, d, J=6.6Hz, 10-H), 4.40(1H, m, 11-H), 1.27(3H, d, J=7.2Hz, 12-H), 8.21(1H, d, J=8.1Hz, 14-H), 4.15(1H, m, 15-H), 7.00(1H, s, 17-Ha), 7.32(1H, s, 17-Hb), 1.71(1H, m, 18-Ha), 1.99(1H, m, 18-Hb), 2.17(2H, t, J=7.8Hz, 19-H), 7.90(1H, d, J=8.1Hz, 21-H), 4.14(1H, m, 22-H), 7.12(1H, s, 24-Ha), 7.32(1H, s, 24-Hb), 1.49(1H, m, 25-Ha), 1.64(1H, m, 25-Hb), 1.29(2H, m, 26-H), 1.52(2H, m, 27-H), 2.76(2H, m, 28-H), 7.71(2H, br.s, 29-H).
13C-NMR(125MHz,DMSO-d
6): 163.2(d, J=245.8Hz, 1-C), 116.4(d, J=21.6Hz, 2 and 6-C), 130.1(d, J=8.5Hz, 3 and 5-C), 131.9(4-C), 138.3(7-C), 122.2(8-C), 165.3(9-C), 49.3(11-C), 18.5(12-C), 172.8(13-C), 52.6(15-C), 174.2(16-C), 27.2(18-C), 32.2(19-C), 172.1(20-C), 52.5(22-C), 173.7(23-C), 31.8(25-C), 22.9(26-C), 27.2(27-C), 38.5(28-C).
IR: 3278.5, 3198.1(ν
OHand ν
NH), 3068.1(ν
=CH), 2931.9(ν
-CH), 1672.8, 1639.9(ν
C=O), 1614.9, 1539.4, 1509.6, 1451.7(ν
C=C), 1201.7, 1134.3(ν
C-F and δ
-CH), 971.4, 831.4, 800.6, 721.0(δ
=CH).
ESI-MS: 493.25 [M+H]
+, 1007.02 [2M+Na]
+.
HR-MS(TOF): 493.2580 [M+H]
+, 515.2381 [M+Na]
+, C
23H
33FN
6O
5.
【0170】
実施例17:ムラミールジペプチド簡易体MDA-207の固相合成
【0171】
【化49】
【0172】
製造は、固相合成方法を利用して行い、Rink-Amide AM樹脂(負荷量:0.88 mmol/g)を利用し、順にFmoc-Lys(Boc)-COOH、Fmoc-D-iso-Gln-COOH、Fmoc-Ala-COOHと3-フルオロ桂皮酸を樹脂に導入する。縮合反応が終了した後、樹脂を洗浄してから残液を十分に除去し、90%(体積比)のトリフルオロ酢酸水溶液で引き続き切り出し反応を1時間行い、溶媒を減圧留去する。氷水浴条件下において、少量の残液に大量の無水エチルエーテルを加えると反応系内から直ぐに白色固体が析出する。濾過して目的産物粗品を得、産率は75%である。粗品をODSカラムクロマトグラフィーにて精製し、冷凍乾燥させた後、白色固体を純度98.5%で得、m.p.=195〜196℃である。
【0173】
1H-NMR(300MHz, DMSO-d
6): 7.21(1H, s, 2-H), 7.38(1H, m, 3-H), 7.41(1H, m, 5-H), 7.47(1H, m, 6-H), 7.47(1H, d, J=15.9Hz, 7-H), 6.79(1H, d, J=15.9Hz, 8-H), 8.39(1H, d, J=6.0Hz, 10-H), 4.38(1H, m, 11-H), 1.26(3H, d, J=6.9Hz, 12-H), 8.22(1H, d, J=7.5Hz, 14-H), 4.13(1H, m, 15-H), 6.97(1H, s, 17-Ha), 7.30(1H, s, 17-Hb), 1.65(1H, m, 18-Ha), 1.97(1H, m, 18-Hb), 2.15(2H, m, 19-H), 7.90(1H, d, J=8.4Hz, 21-H), 4.13(1H, m, 22-H), 7.01(1H, s, 24-Ha), 7.30(1H, s, 24-Hb), 1.48(1H, m, 25-Ha), 1.65(1H, m, 25-Hb), 1.28(2H, m, 26-H), 1.48(2H, m, 27-H), 2.72(2H, m, 28-H).
13C-NMR(125MHz,DMSO-d
6): 116.7(d, J=21.0Hz, 1-C), 162.9(d, J=242.3Hz, 2-C), 114.4(d, J=21.4Hz, 3-C), 137.9(d, J=7.8Hz, 4-C), 124.0(d, J=22.6Hz, 5-C), 131.4(6-C), 138.1(7-C), 124.0(8-C), 165.1(9-C), 49.3(11-C), 18.6(12-C), 172.8(13-C), 52.6(15-C), 174.3(16-C), 28.2(18-C), 32.2(19-C), 172.0(20-C), 52.5(22-C), 173.7(23-C), 31.8(25-C), 22.9(26-C), 27.2(27-C), 38.5(28-C).
IR: 3276.4, 3201.1(ν
OHand ν
NH), 3069.1(ν
=CH), 2938.1(ν
-CH), 1647.7(ν
C=O), 1539.0, 1448.0, 1421.8(ν
C=C), 1200.8, 1180.2, 1134.1(ν
C-F and δ
-CH), 972.1, 834.9, 798.7, 721.2(δ
=CH).
ESI-MS: 493.25 [M+H]
+, 1007.09 [2M+Na]
+.
HR-MS(TOF): 493.2582 [M+H]
+, C
23H
33FN
6O
5.
【0174】
実施例18:ムラミールジペプチド簡易体MDA-208の固相合成
【0175】
【化50】
【0176】
製造は、固相合成方法を利用して行い、Rink-Amide AM樹脂(負荷量:0.88 mmol/g)を利用し、順にFmoc-Lys(Boc)-COOH、Fmoc-D-iso-Gln-COOH、Fmoc-Ala-COOHと3,4-ジフルオロ桂皮酸を樹脂に導入する。縮合反応が終了した後、樹脂を洗浄してから残液を十分に除去し、90%(体積比)のトリフルオロ酢酸水溶液で引き続き切り出し反応を1時間行い、溶媒を減圧留去する。氷水浴条件下において、少量の残液に大量の無水エチルエーテルを加えると反応系内から直ぐに白色固体が析出する。濾過して目的産物粗品を得、産率は95%である。粗品をODSカラムクロマトグラフィーにて精製し、冷凍乾燥させた後、白色固体を純度98.5%で得、m.p.=139〜140℃である。
【0177】
1H-NMR(300MHz, DMSO-d
6): 7.66(1H, m, 3-H), 7.48(1H, m, 5-H), 7.45(1H, m, 6-H), 7.40(1H, d, J=15.9Hz, 7-H), 6.75(1H, d, J=15.9Hz, 8-H), 8.37(1H, d, J=6.9Hz, 10-H), 4.40(1H, m, 11-H), 1.27(3H, d, J=7.2Hz,, 12-H), 8.22(1H, d, J=7.8Hz, 14-H), 4.16(1H, m, 15-H), 700(1H, s, 17-Ha), 7.33(1H, s, 17-Hb), 1.71(1H, m, 18-Ha), 1.97(1H, m, 18-Hb), 2.17(2H, t, J=7.8Hz, 19-H), 7.90(1H, d, J=8.1Hz, 21-H), 4.13(1H, m, 22-H), 7.12(1H, s, 24-Ha), 7.31(1H, s, 24-Hb), 1.49(1H, m, 25-Ha), 1.65(1H, m, 25-Hb), 1.29(2H, m, 26-H), 1.52(2H, m, 27-H), 2.76(2H, m, 28-H) , 7.73(2H, br.s, 29-H).
13C-NMR(150MHz,DMSO-d
6): 149.3(dd, J=35.6 and 12.8Hz, 1-C), 151.2(dd, J=38.5 and 12.9Hz, 2-C), 118.6(d, J=17.5Hz, 3-C), 133.3(m, 4-C), 125.1(m, 5-C), 116.7(d, J=17.4Hz, 6-C), 137.3(s, 7-C), 123.8(s, 8-C), 165.0(9-C), 49.3(11-C), 18.6(12-C), 172.8(13-C), 52.6(15-C), 174.3(16-C), 28.2(18-C), 31.8(19-C), 172.1(20-C), 52.5(22-C), 173.7(23-C), 31.8(25-C), 22.9(26-C), 27.2(27-C), 38.2(28-C).
IR: 3275.8, 3196.4(ν
OHand ν
NH), 3064.8(ν
=CH), 2938.1(ν
-CH), 1673.1(ν
C=O), 1612.9, 1542.1, 1516.7, 1451.5(ν
C=C), 1201.6, 1135.4(ν
C-F and δ
-CH), 969.3, 834.3, 800.6, 721.2(δ
=CH).
ESI-MS: 511.30 [M+H]
+, 1021.09 [2M+H]
+.
HR-MS(TOF): 511.2479 [M+H]
+, C
23H
32F
2N
6O
5.
【0178】
実施例19:ムラミールジペプチド簡易体MDA-113の固相合成
【0179】
【化51】
【0180】
製造は、固相合成方法を利用して行い、Rink-Amide AM樹脂(負荷量:0.88 mmol/g)を利用し、順にFmoc-Lys(Boc)-COOH、Fmoc-D-iso-Gln-COOH、Fmoc-Ala-COOHと2-キノリンカルボン酸を樹脂に導入する。縮合反応が終了した後、樹脂を洗浄してから残液を十分に除去し、90%(体積比)のトリフルオロ酢酸水溶液で引き続き切り出し反応を1時間行い、溶媒を減圧留去する。氷水浴条件下において、少量の残液に大量の無水エチルエーテルを加えると反応系内から直ぐに白色固体が析出する。濾過して目的産物粗品を得、産率は80%である。粗品をODSカラムクロマトグラフィーにて精製し、冷凍乾燥させた後、白色固体MDA-113を純度98.5%で得る。
【0181】
実施例20:ムラミールジペプチド簡易体MDA-119の固相合成
【0182】
【化52】
【0183】
製造は、固相合成方法を利用して行い、Rink-Amide AM樹脂(負荷量:0.88 mmol/g)を利用し、順にFmoc-L-Lys(Boc)-COOH、Fmoc-D-iso-Gln-COOH、Fmoc-Ala-COOHと2-チェニルアクリル酸を樹脂に導入する。縮合反応が終了した後、樹脂を洗浄してから残液を十分に除去し、90%(体積比)のトリフルオロ酢酸水溶液で引き続き切り出し反応を1時間行い、溶媒を減圧留去する。氷水浴条件下において、少量の残液に大量の無水エチルエーテルを加えると反応系から直ぐに白色固体が析出する。濾過して目的産物粗品を得、産率は83%である。粗品をODSカラムクロマトグラフィーにて精製し、冷凍乾燥させた後、白色固体MDA-119を純度98.5%で得る。
【0184】
実施例21:ムラミールジペプチド簡易体MDA-130の固相合成
【0185】
【化53】
製造は、固相合成方法を利用して行い、Rink-Amide AM樹脂(負荷量:0.88 mmol/g)を利用し、順にFmoc-L-Lys(Boc)-COOH、Fmoc-D-iso-Gln-COOH、Fmoc-Ala-COOHと2-ニトロ-4-クロロ安息香酸を樹脂に導入する。縮合反応が終了した後、樹脂を洗浄してから残液を十分に除去し、90%(体積比)のトリフルオロ酢酸水溶液で更に切り出し反応を1時間行い、溶媒を減圧留去する。氷水浴条件下において、少量の残液に大量の無水エチルエーテルを加えると反応系から直ぐに白色固体が析出する。濾過して目的産物粗品を得、産率は81%である。粗品をODSカラムクロマトグラフィーにて精製し、冷凍乾燥させた後、白色固体MDA-130を純度98.5%で得る。
【0186】
実施例22:ムラミールジペプチド簡易体MDA-133の固相合成
【0187】
【化54】
製造は、固相合成方法を利用して行い、Rink-Amide AM樹脂(負荷量:0.88 mmol/g)を利用し、順にFmoc-L-Lys(Boc)-COOH、Fmoc-D-iso-Gln-COOH、Fmoc-Ala-COOHと2-ナフチルオキシ酢酸を樹脂に導入する。縮合反応が終了した後、樹脂を洗浄してから残液を十分に除去し、90%(体積比)のトリフルオロ酢酸水溶液で更に切り出し反応を1時間行い、溶媒を減圧留去する。氷水浴条件下において、少量の残液に大量の無水エチルエーテルを加えると反応系から直ぐに白色固体が析出する。濾過して目的産物粗品を得、産率は88%である。粗品をODSカラムクロマトグラフィーにて精製し、冷凍乾燥させた後、白色固体MDA-133を純度98.5%で得る。
【0188】
実施例23-35:抱合体MTCの液相合成
【0189】
実施例23:抱合体MTC-220の液相合成
【0190】
合成経路は、以下のとおりである。
反応試薬と条件は、(a)HOSu、EDC・HCl、DMSO,室温、 20時間、(b)MDA、DMSO,室温、12時間である。
【0191】
【化55】
【0192】
9.53g(1.0eq)のタキソール2'-O-琥珀酸モノエステル、1.15g(1.0eq)のHOSuと1.92g(1.0eq)のEDC・HClをジメチルスルホキシドに溶かし、室温において20時間反応させる。その後、5.08g(1.0eq)のムラミールジペプチド誘導体MDAを少量で数回に分けてジメチルスルホキシドに加え、N-メチルモルホリンで反応系のpHを7~8となるように調整し、更に12時間反応させる。十分に反応させた後、反応系に大量の水を加えて白色固体を析出させる。濾過し、目的産物粗品を得、ODSカラムクロマトグラフィーにて精製し、冷凍乾燥して11.8gの固体を産率82%で得、m.p.=180〜181℃、[α]=-9.8°(C=10.1mg/mL、DMF)である。
【0193】
1H-NMR(600MHz, DMSO-d
6): 4.63(1H, br.s, 1-OH), 5.42(1H, d, J=7.2Hz, 2-H), 3.58(1H, d, J=7.2Hz, 3-H), 4.90(1H, m, 5-H), 1.62(1H, m, 6-Ha), 2.30(1H, m, 6-Hb), 4.12(1H, m, 7-H), 4.91(1H, m, 7-OH), 6.30(1H, s, 10-H), 5.82(1H, t, J=9.0Hz, 13-H), 1.46(1H, m, 14-Ha), 1.79(1H, m, 14-Hb), 1.00(3H, s, 16-H), 1.03(3H, s, 17-H), 1.77(3H, s, 18-H), 1.50(3H, s, 19-H), 3.99(1H, d, J=9.0Hz, 20-Ha), 4.02(1H, d, J=9.0Hz, 20-Hb), 2.24(3H, s, 4-OCOCH
3), 2.11(3H, s, 10-OCOCH
3), 5.34(1H, d, J=9.0Hz, 2'-H), 5.54(1H, t, J=9.0Hz, 3'-H), 9.21(1H, d, J=9.0Hz, 3'-NH), 7.48(2H, m, ph-o-H), 7.46(2H, m, ph-m-H), 7.55(1H, t, J=7.2Hz, ph-p-H), 7.83(2H, m, NBz-o-H), 7.44(2H, m, NBz-m-H), 7.19(1H, m, NBz-p-H), 7.98(2H, d, J=7.2Hz, OBz-o-H), 7.66(2H, t, J=7.2Hz, OBz-m-H), 7.74(1H, t, J=7.2Hz, OBz-p-H), 2.61(2H, m, 22-H), 2.36(2H, t, J=7.2Hz, 23-H), 7.82(1H, m, 25-H), 2.90(1H, m, 26-Ha), 3.00(1H, m, 26-Hb), 1.22(2H, m, 27-H), 1.32(2H, m, 28-H), 1.45(1H, m, 29-Ha), 1.63(1H, m, 29-Hb), 4.11(1H, m, 30-H), 6.96(1H, s, 32-Ha), 7.30(1H, s, 32-Hb), 7.87(1H, m, 33-H), 2.16(2H, t, J=7.2Hz, 35-H), 1.71(1H, m, 36-Ha), 1.99(1H, m, 36-Hb), 4.13(1H, m, 37-H), 7.10(1H, s, 39-Ha), 7.30(1H, s, 39-Hb), 8.21(1H, d, J=8.4Hz, 40-H), 4.40(1H, t, J=7.2Hz, 42-H), 1.28(3H, d, J=6.6Hz, 43-H), 8.37(1H, d, J=7.2Hz, 44-H), 6.76(1H, d, J=15.6Hz, 46-H), 7.41(1H, d, J=15.6Hz, 47-H), 7.58(2H, d, J=9.0Hz, 49 and 53-H), 7.49(2H, d, J=9.0Hz, 50 and 52-H).
13C-NMR(150MHz, DMSO-d
6): 76.7(1-C), 74.5(2-C), 46.1(3-C), 80.2(4-C), 83.6(5-C), 36.5(6-C), 70.4(7-C), 57.4(8-C), 202.4(9-C), 74.7(10-C), 133.3(11-C), 139.2(12-C), 70.7(13-C), 34.7(14-C), 42.9(15-C), 26.3(16-C), 21.4(17-C), 13.9(18-C), 9.8(19-C), 75.3(20-C), 165.2(2-OCO), 169.6, 22.5(4-OCOCH
3), 168.8, 20.6(10-OCOCH
3), 169.1(1'-C), 74.4(2'-C), 54.0(3'-C), 166.4(3'-NHCO), 137.3(ph-q-C), 127.7(ph-o-C), 128.3(ph-m-C), 131.5(ph-p-C), 129.9(NBz-q-C), 127.4(NBz-o-C), 129.0(NBz-m-C), 128.2(NBz-p-C), 134.3(OBz-q-C), 129.6(OBz-o-C), 128.7(OBz-m-C), 133.5(OBz-p-C), 172.0(21-C), 28.8(22-C), 29.5(23-C), 170.0(24-C), 38.5(26-C), 28.5(27-C), 22.9(28-C), 31.6(29-C), 52.3(30-C), 173.9(31-C), 171.5(34-C), 31.7(35-C), 27.7(36-C), 52.1(37-C), 173.3(38-C), 172.3(41-C), 48.8(42-C), 18.1(43-C), 164.7(45-C), 122.7(46-C), 137.6(47-C), 133.8(48-C), 129.0(49 and 53-C), 129.2(50 and 52-C), 133.9(51-C).
IR: 3316.9(ν
OH and ν
NH), 3066.0(ν
=CH), 2935.0, 2873.1(ν
-CH), 1736.0, 1655.0(ν
C=O), 1537.3, 1492.9(ν
C=C), 1451.7, 1371.8(δ
-CH), 1241.5(ν
C-O-C), 980.2, 906.6, 822.6, 776.2, 708.9(δ
=CH).
ESI-MS: 1444.56 [M+H]
+, 1466.46 [M+Na]
+.
HR-MS(TOF): 1444.5645 [M+H]
+, 1466.5475 [M+Na]
+, C
74H
86ClN
7O
21.
【0194】
実施例24:抱合体MTC-301の液相合成
【0195】
【化56】
【0196】
953 mg(1.0eq)のタキソール2'-O-琥珀酸モノエステル、115 mg(1.0eq)のHOSuと192 mg(1.0eq)のEDC・HClをジメチルスルホキシドに溶かし、室温において4時間反応させる。その後、490 mg(1.0eq)のムラミールジペプチド誘導体MDA-201を少量で数回に分けてジメチルスルホキシドに加え、N-メチルモルホリンで反応系のpHを7~8となるように調整し、更に4時間反応させる。十分に反応させた後、反応系に大量の水を加えて白色固体を析出させる。濾過し、目的産物粗品を得、ODSカラムクロマトグラフィーにて精製し、冷凍乾燥して1.18gの固体を産率83%で得、m.p.=179〜180℃である。
【0197】
1H-NMR(500MHz, DMSO-d
6): 4.62(1H, br.s, 1-OH), 5.40(1H, d, J=7.0Hz, 2-H), 3.56(1H, d, J=7.0Hz, 3-H), 4.89(1H, m, 5-H), 1.62(1H, m, 6-Ha), 2.31(1H, m, 6-Hb), 4.12(1H, m, 7-H), 4.92(1H, m, 7-OH), 6.28(1H, s, 10-H), 5.81(1H, t, J=7.5Hz, 13-H), 1.46(1H, m, 14-Ha), 1.75(1H, m, 14-Hb), 1.01(3H, s, 16-H), 1.04(3H, s, 17-H), 1.78(3H, s, 18-H), 1.48(3H, s, 19-H), 3.99(1H, d, J=8.5Hz, 20-Ha), 4.00(1H, d, J=8.5Hz, 20-Hb), 2.23(3H, s, 4-OCOCH
3), 2.10(3H, s, 10-OCOCH
3), 5.33(1H, d, J=9.0Hz, 2'-H), 5.52(1H, t, J=9.0Hz, 3'-H), 9.21(1H, d, J=8.5Hz, 3'-NH), 7.48(2H, d, J=7.5Hz, ph-o-H), 7.47(2H, d, J=7.5Hz, ph-m-H), 7.55(1H, t, J=7.5Hz, ph-p-H), 7.83(2H, m, NBz-o-H), 7.43(2H, m, NBz-m-H), 7.17(1H, m, NBz-p-H), 7.98(2H, d, J=7.5Hz, OBz-o-H), 7.65(2H, t, J=8.0Hz, OBz-m-H), 7.74(1H, t, J=7.5Hz, OBz-p-H), 2.72(2H, m, 22-H), 2.35(2H, t, J=7.0Hz, 23-H), 7.82(1H, m, 25-H), 2.96(1H, m, 26-Ha), 3.00(1H, m, 26-Hb), 1.22(2H, m, 27-H), 1.32(2H, m, 28-H), 1.45(1H, m, 29-Ha), 1.62(1H, m, 29-Hb), 4.10(1H, m, 30-H), 6.96(1H, s, 32-Ha), 7.30(1H, m, 32-Hb), 7.86(1H, m, 33-H), 2.14(2H, t, J=8.0Hz, 35-H), 1.75(1H, m, 36-Ha), 1.99(1H, m, 36-Hb), 4.11(1H, m, 37-H), 7.10(1H, s, 39-Ha), 7.30(1H, m, 39-Hb), 8.19(1H, d, J=8.0Hz, 40-H), 4.36(1H, m, 42-H), 1.25(3H, d, J=7.0Hz, 43-H), 8.22(1H, d, J=6.5Hz, 44-H), 6.51(1H, d, J=15.5Hz, 46-H), 7.32(1H, d, J=15.5Hz, 47-H), 7.46(2H, d, J=8.5Hz, 49 and 53-H), 6.78(2H, d, J=8.5Hz, 50 and 52-H), 9.85(1H, s, 51-OH).
13C-NMR(125MHz, DMSO-d
6): 76.7(1-C), 74.5(2-C), 46.1(3-C), 80.3(4-C), 83.6(5-C), 36.5(6-C), 70.4(7-C), 57.4(8-C), 202.4(9-C), 74.7(10-C), 133.3(11-C), 139.2(12-C), 70.4(13-C), 34.7(14-C), 42.9(15-C), 26.3(16-C), 21.4(17-C), 13.9(18-C), 9.8(19-C), 75.3(20-C), 165.2(2-OCO), 169.6, 22.6(4-OCOCH
3), 168.8, 20.7(10-OCOCH
3), 169.2(1'-C), 74.4(2'-C), 54.0(3'-C), 166.4(3'-NHCO), 137.4(ph-q-C), 127.7(ph-o-C), 128.3(ph-m-C), 131.5(ph-p-C), 129.9(NBz-q-C), 127.5(NBz-o-C), 129.0(NBz-m-C), 128.2(NBz-p-C), 134.3(OBz-q-C), 129.6(OBz-o-C), 128.7(OBz-m-C), 133.5(OBz-p-C), 172.0(21-C), 28.8(22-C), 29.5(23-C), 170.0(24-C), 38.5(26-C), 28.5(27-C), 22.9(28-C), 31.6(29-C), 52.4(30-C), 173.9(31-C), 171.6(34-C), 31.8(35-C), 27.7(36-C), 52.1(37-C), 173.3(38-C), 172.3(41-C), 48.8(42-C), 18.0(43-C), 164.7(45-C), 118.2(46-C), 137.4(47-C), 125.8(48-C), 127.5(49 and 53-C), 115.8(50 and 52-C), 158.9(51-C).
IR: 3324.4(ν
OH and ν
NH), 3075.1(ν
=CH), 1740.6, 1657.2(ν
C=O), 1603.9, 1518.3, 1450.8(ν
C=C), 1243.4(ν
C-O-C), 980.6, 710.3(δ
=CH).
ESI-MS: 1426.31 [M+H]
+, 1449.03 [M+Na+H]
2+.
HR-MS(TOF): 1426.5974 [M+H]
+, 1448.5786 [M+Na]
+, C
74H
87N
7O
22.
【0198】
実施例25:抱合体MTC-302の液相合成
【0199】
【化57】
【0200】
953 mg(1.0eq)のタキソール2'-O-琥珀酸モノエステル、115 mg(1.0eq)のHOSuと192 mg(1.0eq)のEDC・HClをジメチルスルホキシドに溶かし、室温において4時間反応させる。その後、488 mg(1.0eq)のムラミールジペプチド簡易体MDA-202を少量で数回に分けてジメチルスルホキシドに加え、N-メチルモルホリンで反応系のpHを7~8となるように調整し、更に4時間反応させる。十分に反応させた後、反応系に大量の水を加えて白色固体を析出させる。濾過し、目的産物粗品を得、ODSカラムクロマトグラフィーにて精製し、冷凍乾燥して1.09gの固体を産率77%で得、m.p.=172〜174℃である。
【0201】
1H-NMR(500MHz, DMSO-d
6): 4.63(1H, br.s, 1-OH), 5.40(1H, d, J=7.0Hz, 2-H), 3.56(1H, d, J=7.0Hz, 3-H), 4.89(1H, m, 5-H), 1.62(1H, m, 6-Ha), 2.31(1H, m, 6-Hb), 4.12(1H, m, 7-H), 4.91(1H, m, 7-OH), 6.28(1H, s, 10-H), 5.81(1H, t, J=9.5Hz, 13-H), 1.46(1H, m, 14-Ha), 1.79(1H, m, 14-Hb), 0.98(3H, s, 16-H), 1.01(3H, s, 17-H), 1.75(3H, s, 18-H), 1.48(3H, s, 19-H), 3.99(1H, d, J=8.0Hz, 20-Ha), 4.01(1H, d, J=8.0Hz, 20-Hb), 2.23(3H, s, 4-OCOCH
3), 2.09(3H, s, 10-OCOCH
3), 5.34(1H, d, J=9.0Hz, 2'-H), 5.52(1H, t, J=9.0Hz, 3'-H), 9.21(1H, d, J=8.5Hz, 3'-NH), 7.49(2H, m, ph-o-H), 7.48(2H, m, ph-m-H), 7.55(1H, d, J=7.5Hz, ph-p-H), 7.85(2H, m, NBz-o-H), 7.46(2H, m, NBz-m-H), 7.18(1H, m, NBz-p-H), 7.97(2H, d, J=8.0Hz, OBz-o-H), 7.65(2H, d, J=7.5Hz, OBz-m-H), 7.72(1H, d, J=7.0Hz, OBz-p-H), 2.60(2H, m, 22-H), 2.36(2H, m, 23-H), 7.84(1H, m, 25-H), 2.91(1H, m, 26-Ha), 2.96(1H, m, 26-Hb), 1.22(2H, m, 27-H), 1.32(2H, m, 28-H), 1.44(1H, m, 29-Ha), 1.62(1H, m, 29-Hb), 4.11(1H, m, 30-H), 6.96(1H, s, 32-Ha), 7.30(1H, m, 32-Hb), 7.86(1H, m, 33-H), 2.16(2H, m, 35-H), 1.75(1H, m, 36-Ha), 1.99(1H, m, 36-Hb), 4.12(1H, m, 37-H), 7.10(1H, s, 39-Ha), 7.22(1H, m, 39-Hb), 8.21(1H, d, J=8.0Hz, 40-H), 4.37(1H, m, 42-H), 1.28(3H, d, J=7.0Hz, 43-H), 8.31(1H, d, J=6.5Hz, 44-H), 6.68(1H, d, J=15.5Hz, 46-H), 7.43(1H, d, J=16.0Hz, 47-H), 7.57(1H, m, 49 and 53-H), 7.49(1H, m, 50 and 52-H), 2.31(3H, m, 51-CH
3).
13C-NMR(125MHz, DMSO-d
6): 76.7(1-C), 74.5(2-C), 46.1(3-C), 80.2(4-C), 83.6(5-C), 36.5(6-C), 70.4(7-C), 57.4(8-C), 202.4(9-C), 74.7(10-C), 133.3(11-C), 139.4(12-C), 70.7(13-C), 34.7(14-C), 42.9(15-C), 26.3(16-C), 21.4(17-C), 13.9(18-C), 9.8(19-C), 75.3(20-C), 165.2(2-OCO), 169.7, 22.6(4-OCOCH
3), 168.8, 20.7(10-OCOCH
3), 169.1(1'-C), 74.6(2'-C), 54.0(3'-C), 166.4(3'-NHCO), 137.4(ph-q-C), 127.7(ph-o-C), 128.3(ph-m-C), 131.5(ph-p-C), 129.9(NBz-q-C), 127.5(NBz-o-C), 129.0(NBz-m-C), 128.3(NBz-p-C), 134.3(OBz-q-C), 129.6(OBz-o-C), 128.7(OBz-m-C), 133.5(OBz-p-C), 172.0(21-C), 28.8(22-C), 29.5(23-C), 170.0(24-C), 38.5(26-C), 28.7(27-C), 23.0(28-C), 31.6(29-C), 52.3(30-C), 173.9(31-C), 171.5(34-C), 31.7(35-C), 27.7(36-C), 52.1(37-C), 173.3(38-C), 172.4(41-C), 48.8(42-C), 18.1(43-C), 165.1(45-C), 120.8(46-C), 137.4(47-C), 132.1(48-C), 129.6(49 and 53-C), 128.7(50 and 52-C), 138.9(51-C), 20.9(51-CH
3).
IR: 3324.5(ν
OH and ν
NH), 3066.3(ν
=CH), 2938.3(ν
-CH), 1740.3, 1724.1, 1657.2(ν
C=O), 1603.9, 1535.1, 1451.8(ν
C=C), 1242.8(ν
C-O-C), 981.3, 709.7(δ
=CH).
ESI-MS: 1424.33 [M+H]
+, 1446.55 [M+Na]
+.
HR-MS(TOF): 1424.6184 [M+H]
+, 1446.5996 [M+Na]
+, C
75H
89N
7O
21.
【0202】
実施例26:抱合体MTC-303の液相合成
【0203】
【化58】
【0204】
953 mg(1.0eq)のタキソール2'-O-琥珀酸モノエステル、115 mg(1.0eq)HOSuと192 mg(1.0eq)EDC・HClをジメチルスルホキシドに溶かし、室温において4時間反応させる。その後、510 mg(1.0eq)のムラミールジペプチド簡易体MDA-203を少量で数回に分けてジメチルスルホキシドに加え、N-メチルモルホリンで反応系のpHを7~8となるように調整し、更に4時間反応させる。十分に反応させた後、反応系に大量の水を加えて白色固体を析出させる。濾過し、目的産物粗品を得、ODSカラムクロマトグラフィーにて精製し、冷凍乾燥して1.29gの固体を産率89%で得、m.p.=178〜180℃である。
【0205】
1H-NMR(500MHz, DMSO-d
6): 4.62(1H, br.s, 1-OH), 5.40(1H, d, J=7.0Hz, 2-H), 3.56(1H, d, J=7.0Hz, 3-H), 4.91(1H, m, 5-H), 1.62(1H, m, 6-Ha), 2.31(1H, m, 6-Hb), 4.13(1H, m, 7-H), 4.92(1H, m, 7-OH), 6.28(1H, s, 10-H), 5.80(1H, t, J=7.5Hz, 13-H), 1.45(1H, m, 14-Ha), 1.77(1H, m, 14-Hb), 0.98(3H, s, 16-H), 1.01(3H, s, 17-H), 1.75(3H, s, 18-H), 1.48(3H, s, 19-H), 3.98(1H, d, J=8.0Hz, 20-Ha), 4.00(1H, d, J=8.0Hz, 20-Hb), 2.23(3H, s, 4-OCOCH
3), 2.10(3H, s, 10-OCOCH
3), 5.33(1H, d, J=9.0Hz, 2'-H), 5.52(1H, t, J=9.0Hz, 3'-H), 9.21(1H, d, J=8.5Hz, 3'-NH), 7.48(2H, m, ph-o-H), 7.46(2H, m, ph-m-H), 7.55(1H, t, J=7.5Hz, ph-p-H), 7.82(2H, m, NBz-o-H), 7.44(2H, m, NBz-m-H), 7.18(1H, m, NBz-p-H), 7.97(2H, d, J=7.5Hz, OBz-o-H), 7.67(2H, m, OBz-m-H), 7.72(1H, d, J=8.0Hz, OBz-p-H), 2.60(2H, m, 22-H), 2.36(2H, m, 23-H), 7.82(1H, m, 25-H), 2.90(1H, m, 26-Ha), 2.96(1H, m, 26-Hb), 1.22(2H, m, 27-H), 1.32(2H, m, 28-H), 1.45(1H, m, 29-Ha), 1.62(1H, m, 29-Hb), 4.11(1H, m, 30-H), 7.06(1H, s, 32-Ha), 7.29(1H, m, 32-Hb), 7.87(1H, m, 33-H), 2.14(2H, m, 35-H), 1.75(1H, m, 36-Ha), 2.06(1H, m, 36-Hb), 4.13(1H, m, 37-H), 7.11(1H, s, 39-Ha), 7.29(1H, m, 39-Hb), 8.23(1H, d, J=8.5Hz, 40-H), 4.40(1H, m, 42-H), 1.27(3H, m, 43-H), 8.47(1H, d, J=6.5Hz, 44-H), 6.89(1H, d, J=17.0Hz, 46-H), 7.41(1H, d, J=16.0Hz, 47-H), 7.34(1H, td, J=11.5 and 2.0Hz, 50-H), 7.17(1H, m, 52-H), 7.74(1H, m, 53-H).
13C-NMR(125MHz, DMSO-d
6): 76.7(1-C), 74.5(2-C), 46.1(3-C), 80.2(4-C), 83.6(5-C), 36.5(6-C), 70.4(7-C), 57.4(8-C), 202.4(9-C), 74.7(10-C), 133.3(11-C), 139.6(12-C), 70.7(13-C), 34.7(14-C), 42.9(15-C), 26.3(16-C), 21.4(17-C), 13.9(18-C), 9.8(19-C), 75.3(20-C), 165.2(2-OCO), 169.7, 22.6(4-OCOCH
3), 168.8, 20.7(10-OCOCH
3), 169.1(1'-C), 74.6(2'-C), 54.0(3'-C), 166.4(3'-NHCO), 137.4(ph-q-C), 127.7(ph-o-C), 128.3(ph-m-C), 131.5(ph-p-C), 129.9(NBz-q-C), 127.5(NBz-o-C), 129.0(NBz-m-C), 128.2(NBz-p-C), 134.3(OBz-q-C), 129.6(OBz-o-C), 128.7(OBz-m-C), 133.5(OBz-p-C), 172.0(21-C), 28.8(22-C), 29.5(23-C), 170.0(24-C), 38.5(26-C), 28.7(27-C), 23.0(28-C), 31.6(29-C), 52.3(30-C), 173.9(31-C), 171.5(34-C), 31.7(35-C), 27.7(36-C), 52.1(37-C), 173.3(38-C), 172.3(41-C), 48.9(42-C), 18.1(43-C), 164.6(45-C), 124.4(s, 46-C), 137.4(s, 47-C), 118.5(m, 48-C), 161.7(m, 49-C), 104.6(t, J=26.1Hz, 50-C), 163.7(m, 51-C), 112.4(d, J=19.9Hz, 52-C), 130.5(m, 53-C).
IR: 3309.5(ν
OH and ν
NH), 3067.0(ν
=CH), 2945.0(ν
-CH), 1722.0, 1653.8(ν
C=O), 1531.1, 1451.5(ν
C=C), 1239.9(ν
C-O-C), 977.1, 708.3(δ
=CH).
ESI-MS: 1446.03[M+H]
+, 1468.26 [M+Na]
+.
HR-MS(TOF): 1446.5877 [M+H]
+, 1468.5646 [M+Na]
+, C
74H
85F
2N
7O
21
【0206】
実施例27:抱合体MTC-304の液相合成
【0207】
【化59】
【0208】
953 mg(1.0eq)のタキソール2'-O-琥珀酸モノエステル、115 mg(1.0eq)HOSuと192 mg(1.0eq)EDC・HClをジメチルスルホキシドに溶かし、室温において4時間反応させる。その後、526 mg(1.0eq)のムラミールジペプチド簡易体MDA-204を少量で数回に分けてジメチルスルホキシドに加え、N-メチルモルホリンで反応系のpHを7~8となるように調整し、更に4時間反応させる。十分に反応させた後、反応系に大量の水を加えて白色固体を析出させる。濾過し、目的産物粗品を得、ODSカラムクロマトグラフィーにて精製し、冷凍乾燥して1.26gの固体を産率86%で得、m.p.=179〜180℃である。
【0209】
1H-NMR(500MHz, DMSO-d
6): 4.63(1H, br.s, 1-OH), 5.40(1H, d, J=7.5Hz, 2-H), 3.56(1H, d, J=7.0Hz, 3-H), 4.91(1H, m, 5-H), 1.62(1H, m, 6-Ha), 2.31(1H, m, 6-Hb), 4.12(1H, m, 7-H), 4.91(1H, m, 7-OH), 6.28(1H, s, 10-H), 5.80(1H, t, J=9.0Hz, 13-H), 1.45(1H, m, 14-Ha), 1.78(1H, m, 14-Hb), 0.98(3H, s, 16-H), 1.01(3H, s, 17-H), 1.77(3H, s, 18-H), 1.48(3H, s, 19-H), 3.98(1H, d, J=8.0Hz, 20-Ha), 4.01(1H, d, J=8.0Hz, 20-Hb), 2.23(3H, s, 4-OCOCH
3), 2.10(3H, s, 10-OCOCH
3), 5.33(1H, d, J=9.0Hz, 2'-H), 5.52(1H, t, J=9.0Hz, 3'-H), 9.21(1H, d, J=8.5Hz, 3'-NH), 7.48(2H, m, ph-o-H), 7.45(2H, m, ph-m-H), 7.55(1H, m, ph-p-H), 7.84(2H, m, NBz-o-H), 7.44(2H, m, NBz-m-H), 7.16(1H, m, NBz-p-H), 7.97(2H, d, J=7.0Hz, OBz-o-H), 7.66(2H, m, OBz-m-H), 7.74(1H, d, J=7.5Hz, OBz-p-H), 2.61(2H, m, 22-H), 2.35(2H, m, 23-H), 7.84(1H, m, 25-H), 2.91(1H, m, 26-Ha), 2.96(1H, m, 26-Hb), 1.21(2H, m, 27-H), 1.32(2H, m, 28-H), 1.45(1H, m, 29-Ha), 1.62(1H, m, 29-Hb), 4.11(1H, m, 30-H), 6.96(1H, s, 32-Ha), 7.30(1H, m, 32-Hb), 7.87(1H, m, 33-H), 2.14(2H, m, 35-H), 1.75(1H, m, 36-Ha), 1.98(1H, m, 36-Hb), 4.13(1H, m, 37-H), 7.10(1H, s, 39-Ha), 7.30(1H, m, 39-Hb), 8.23(1H, d, J=8.0Hz, 40-H), 4.40(1H, m, 42-H), 1.29(3H, m 43-H), 8.51(1H, d, J=6.5Hz, 44-H), 6.85(1H, d, J=16.0Hz, 46-H), 7.43(1H, d, J=16.0Hz, 47-H), 7.54(1H, m, 50-H), 7.35(1H, dd, J=8.5 and 2.0Hz, 52-H), 7.71(1H, m, 53-H).
13C-NMR(125MHz, DMSO-d
6): 76.7(1-C), 74.5(2-C), 46.1(3-C), 80.2(4-C), 83.6(5-C), 36.5(6-C), 70.4(7-C), 57.4(8-C), 202.3(9-C), 74.7(10-C), 133.3(11-C), 139.4(12-C), 70.7(13-C), 34.4(14-C), 42.9(15-C), 26.3(16-C), 21.4(17-C), 13.9(18-C), 9.7(19-C), 75.2(20-C), 165.2(2-OCO), 169.6, 22.5(4-OCOCH
3), 168.7, 20.6(10-OCOCH
3), 169.1(1'-C), 74.7(2'-C), 54.0(3'-C), 166.4(3'-NHCO), 137.3(ph-q-C), 127.6(ph-o-C), 128.3(ph-m-C), 131.4(ph-p-C), 129.9(NBz-q-C), 127.4(NBz-o-C), 129.0(NBz-m-C), 128.1(NBz-p-C), 134.2(OBz-q-C), 129.5(OBz-o-C), 128.6(OBz-m-C), 133.5(OBz-p-C), 172.0(21-C), 28.8(22-C), 29.5(23-C), 170.0(24-C), 38.5(26-C), 28.7(27-C), 22.9(28-C), 31.6(29-C), 52.3(30-C), 173.9(31-C), 171.5(34-C), 31.7(35-C), 27.7(36-C), 52.1(37-C), 173.2(38-C), 172.2(41-C), 48.9(42-C), 18.0(43-C), 164.4(45-C), 125.3(m, 46-C), 137.3(m, 47-C), 122.1(d, J=11.8Hz, 48-C), 160.2(d, J=252.6Hz, 49-C), 116.7(d, J=25.5Hz, 50-C), 134.6(d, J=10.9Hz, 51-C), 125.4(s, 52-C), 130.3(s, 53-C).
IR: 3324.5(ν
OH and ν
NH), 3066.4(ν
=CH), 2939.7(ν
-CH), 1739.5, 1724.2, 1657.7(ν
C=O), 1604.5, 1534.2, 1451.8(ν
C=C), 1242.6(ν
C-O-C), 981.6, 708.7(δ
=CH).
ESI-MS: 1462.59 [M+H]
+, 1484.93 [M+Na]
+.
HR-MS(TOF): 1462.5540 [M+H]
+, 1484.5361 [M+Na]
+, C
74H
86ClFN
7O
21.
【0210】
実施例28:抱合体MTC-305の液相合成
【0211】
【化60】
【0212】
953 mg(1.0eq)のタキソール2'-O-琥珀酸モノエステル、115 mg(1.0eq)HOSuと192 mg(1.0eq)EDC・HClをジメチルスルホキシドに溶かし、室温において4時間反応させる。その後、526 mg(1.0eq)のムラミールジペプチド簡易体MDA-205を少量で数回に分けてジメチルスルホキシドに加え、N-メチルモルホリンで反応系のpHを7~8となるように調整し、更に4時間反応させる。十分に反応させた後、反応系に大量の水を加えて白色固体を析出させる。濾過し、目的産物粗品を得、ODSカラムクロマトグラフィーにて精製し、冷凍乾燥して1.18gの固体を産率81%で得、m.p.=171〜172℃である。
【0213】
1H-NMR(500MHz, DMSO-d
6): 4.63(1H, br.s, 1-OH), 5.40(1H, d, J=7.0Hz, 2-H), 3.56(1H, d, J=7.0Hz, 3-H), 4.91(1H, m, 5-H), 1.62(1H, m, 6-Ha), 2.31(1H, m, 6-Hb), 4.12(1H, m, 7-H), 4.92(1H, m, 7-OH), 6.28(1H, s, 10-H), 5.80(1H, t, J=9.0Hz, 13-H), 1.46(1H, m, 14-Ha), 1.77(1H, m, 14-Hb), 0.98(3H, s, 16-H), 1.01(3H, s, 17-H), 1.75(3H, s, 18-H), 1.48(3H, s, 19-H), 3.99(1H, d, J=8.0Hz, 20-Ha), 4.02(1H, d, J=8.0Hz, 20-Hb), 2.23(3H, s, 4-OCOCH
3), 2.10(3H, s, 10-OCOCH
3), 5.34(1H, d, J=9.0Hz, 2'-H), 5.52(1H, t, J=9.0Hz, 3'-H), 9.21(1H, d, J=8.5Hz, 3'-NH), 7.48(2H, m, ph-o-H), 7.47(2H, m, ph-m-H), 7.55(1H, m, ph-p-H), 7.84(2H, m, NBz-o-H), 7.44(2H, m, NBz-m-H), 7.18(1H, m, NBz-p-H), 7.97(2H, d, J=7.5Hz, OBz-o-H), 7.66(2H, m OBz-m-H), 7.74(1H, m, OBz-p-H), 2.58(2H, m, 22-H), 2.33(2H, t, J=7.0Hz, 23-H), 7.82(1H, m, 25-H), 2.91(1H, m, 26-Ha), 2.96(1H, m, 26-Hb), 1.23(2H, m, 27-H), 1.33(2H, m, 28-H), 1.45(1H, m, 29-Ha), 1.62(1H, m, 29-Hb), 4.11(1H, m, 30-H), 6.96(1H, s, 32-Ha), 7.30(1H, m, 32-Hb), 7.86(1H, m, 33-H), 2.15(2H, t, J=8.0Hz, 35-H), 1.71(1H, m, 36-Ha), 1.99(1H, m, 36-Hb), 4.13(1H, m, 37-H), 7.12(1H, s, 39-Ha), 7.30(1H, m, 39-Hb), 8.25(1H, d, J=8.5Hz, 40-H), 4.41(1H, m, 42-H), 1.28(3H, d, J=7.0Hz, 43-H), 8.45(1H, d, J=6.5Hz, 44-H), 6.77(1H, d, J=16.0Hz, 46-H), 7.66(1H, d, J=16.0Hz, 47-H), 7.54(1H, m, 50-H), 7.33(1H, td, J=8.5 and 1.5Hz, 52-H), 7.76(1H, m, 53-H).
13C-NMR(125MHz, DMSO-d
6): 76.7(1-C), 74.5(2-C), 46.1(3-C), 80.2(4-C), 83.6(5-C), 36.5(6-C), 70.4(7-C), 57.4(8-C), 202.4(9-C), 74.7(10-C), 133.3(11-C), 139.4(12-C), 70.7(13-C), 34.7(14-C), 42.9(15-C), 26.3(16-C), 21.4(17-C), 13.9(18-C), 9.8(19-C), 75.3(20-C), 165.2(2-OCO), 169.7, 22.6(4-OCOCH
3), 168.8, 20.7(10-OCOCH3), 169.1(1'-C), 74.6(2'-C), 54.0(3'-C), 166.4(3'-NHCO), 137.4(ph-q-C), 127.7(ph-o-C), 128.3(ph-m-C), 131.5(ph-p-C), 129.9(NBz-q-C), 127.5(NBz-o-C), 129.1(NBz-m-C), 128.3(NBz-p-C), 134.3(OBz-q-C), 129.6(OBz-o-C), 128.7(OBz-m-C), 133.5(OBz-p-C), 172.0(21-C), 28.8(22-C), 29.5(23-C), 170.0(24-C), 38.5(26-C), 28.7(27-C), 23.0(28-C), 31.6(29-C), 52.3(30-C), 173.9(31-C), 171.5(34-C), 31.7(35-C), 27.7(36-C), 52.1(37-C), 173.2(38-C), 172.2(41-C), 48.8(42-C), 18.2(43-C), 164.2(45-C), 124.9(46-C), 137.4(47-C), 128.8(48-C), 134.3(49-C), 115.4(d, J=21.5Hz, 50-C), 162.2(d, J=249.1Hz, 51-C), 117.2(d, J=25.1Hz, 52-C), 129.9(53-C).
IR: 3315.4(ν
OH and ν
NH), 3069.3(ν
=CH), 2935.0(ν
-CH), 1722.8, 1656.5(ν
C=O), 1601.8, 1534.3, 1451.5(ν
C=C), 1239.3(ν
C-O-C), 978.5, 709.7(δ
=CH).
ESI-MS: 1462.89 [M+H]
+, 1484.21 [M+Na]
+.
HR-MS(TOF): 1462.5541 [M+H]
+, 1484.5350 [M+Na]
+, C
74H
85ClFN
7O
21.
【0214】
実施例29:抱合体MTC-306の液相合成
【0215】
【化61】
【0216】
953 mg(1.0eq)のタキソール2'-O-琥珀酸モノエステル、115 mg(1.0eq)HOSuと192 mg(1.0eq)EDC・HClをジメチルスルホキシドに溶かし、室温において4時間反応させる。その後、492 mg(1.0eq)のムラミールジペプチド簡易体MDA-206を少量で数回に分けてジメチルスルホキシドに加え、N-メチルモルホリンで反応系のpHを7~8となるように調整し、更に4時間反応させる。十分に反応させた後、反応系に大量の水を加えて白色固体を析出させる。濾過し、目的産物粗品を得、ODSカラムクロマトグラフィーにて精製し、冷凍乾燥して1.24gの固体を産率87%で得、m.p.=176〜178℃である。
【0217】
1H-NMR(500MHz, DMSO-d
6): 4.61(1H, br.s, 1-OH), 5.41(1H, d, J=6.0Hz, 2-H), 3.56(1H, d, J=5.5Hz, 3-H), 4.91(1H, m, 5-H), 1.62(1H, m, 6-Ha), 2.30(1H, m, 6-Hb), 4.11(1H, m, 7-H), 4.91(1H, m, 7-OH), 6.28(1H, s, 10-H), 5.81(1H, m, 13-H), 1.49(1H, m, 14-Ha), 1.82(1H, m, 14-Hb), 0.99(3H, s, 16-H), 1.01(3H, s, 17-H), 1.76(3H, s, 18-H), 1.49(3H, s, 19-H), 3.99(1H, d, J=5.5Hz, 20-Ha), 4.00(1H, d, J=5.5Hz, 20-Hb), 2.23(3H, s, 4-OCOCH
3), 2.10(3H, s, 10-OCOCH
3), 5.33(1H, d, J=8.5Hz, 2'-H), 5.52(1H, t, J=8.5Hz, 3'-H), 9.20(1H, d, J=8.0Hz, 3'-NH), 7.48(2H, m, ph-o-H), 7.46(2H, m, ph-m-H), 7.52(1H, m, ph-p-H), 7.84(2H, m, NBz-o-H), 7.43(2H, m, NBz-m-H), 7.19(1H, m, NBz-p-H), 7.98(2H, d, J=7.5Hz, OBz-o-H), 7.67(2H, m, OBz-m-H), 7.72(1H, m, OBz-p-H), 2.59(2H, m, 22-H), 2.35(2H, m, 23-H), 7.81(1H, m, 25-H), 2.91(1H, m, 26-Ha), 2.96(1H, m, 26-Hb), 1.22(2H, m, 27-H), 1.32(2H, m, 28-H), 1.45(1H, m, 29-Ha), 1.62(1H, m, 29-Hb), 4.11(1H, m, 30-H), 6.94(1H, s, 32-Ha), 7.28(1H, m, 32-Hb), 7.85(1H, m, 33-H), 2.15(2H, m, 35-H), 1.76(1H, m, 36-Ha), 1.98(1H, m, 36-Hb), 4.13(1H, m, 37-H), 7.09(1H, s, 39-Ha), 7.28(1H, m, 39-Hb), 8.20(1H, d, J=7.5Hz, 40-H), 4.40(1H, m, 42-H), 1.26(3H, m, 43-H), 8.35(1H, d, J=4.5Hz, 44-H), 6.79(1H, d, J=15.5Hz, 46-H), 7.40(1H, d, J=15.5Hz, 47-H), 7.81(2H, m, 49 an 53-H), 7.39(2H, m, 50 snd 52-H).
13C-NMR(125MHz, DMSO-d
6): 76.7(1-C), 74.5(2-C), 46.1(3-C), 80.2(4-C), 83.6(5-C), 36.5(6-C), 70.4(7-C), 57.4(8-C), 202.3(9-C), 74.7(10-C), 133.3(11-C), 139.4(12-C), 70.7(13-C), 34.7(14-C), 42.9(15-C), 26.3(16-C), 21.4(17-C), 13.9(18-C), 9.7(19-C), 75.3(20-C), 165.2(2-OCO), 169.6, 22.5(4-OCOCH
3), 168.8, 20.6(10-OCOCH
3), 169.1(1'-C), 74.7(2'-C), 54.0(3'-C), 166.4(3'-NHCO), 137.3(ph-q-C), 127.6(ph-o-C), 128.3(ph-m-C), 131.5(ph-p-C), 129.9(NBz-q-C), 127.4(NBz-o-C), 129.0(NBz-m-C), 128.3(NBz-p-C), 134.2(OBz-q-C), 129.5(OBz-o-C), 128.6(OBz-m-C), 133.5(OBz-p-C), 172.0(21-C), 28.8(22-C), 29.5(23-C), 170.0(24-C), 38.5(26-C), 28.7(27-C), 23.0(28-C), 31.6(29-C), 52.3(30-C), 173.9(31-C), 171.5(34-C), 31.7(35-C), 27.7(36-C), 52.1(37-C), 173.2(38-C), 172.3(41-C), 48.9(42-C), 18.1(43-C), 164.5(45-C), 123.5(s, 46-C), 137.4(s, 47-C), 133.5(s, 48-C), 130.9(d, J=8.3Hz, 49 and 53-C), 116.2(d, J=21.2Hz, 50 and 52-C), 162.4(d, J=242.4Hz, 51-C).
IR: 3310.1(ν
OH and ν
NH), 3063.6(ν
=CH), 2939.5(ν
-CH), 1740.5, 1724.1, 1658.2(ν
C=O), 1582.5, 1536.0, 1450.0(ν
C=C), 1243.5(ν
C-O-C), 978.0, 779.7, 709.5(δ
=CH).
ESI-MS: 1429.41 [M+2H]
2+, 1451.54 [M+Na+H]
2+.
HR-MS(TOF): 1428.5950 [M+H]
+, 1450.5743 [M+Na]
+, C
74H
86FN
7O
21.
【0218】
実施例30:抱合体MTC-307の液相合成
【0219】
【化62】
【0220】
953 mg(1.0eq)のタキソール2'-O-琥珀酸モノエステル、115 mg(1.0eq)HOSuと192 mg(1.0eq)EDC・HClをジメチルスルホキシドに溶かし、室温において4時間反応させる。その後、492 mg(1.0eq)ムラミールジペプチド簡易体MDA-207を少量で数回に分けてジメチルスルホキシドに加え、N-メチルモルホリンで反応系のpHを7~8となるように調整し、更に4時間反応させる。十分に反応させた後、反応系に大量の水を加えて白色固体を析出させる。濾過し、目的産物粗品を得、ODSカラムクロマトグラフィーにて精製し、冷凍乾燥して1.21gの固体を産率85%で得、m.p.=167〜168℃である。
【0221】
1H-NMR(500MHz, DMSO-d
6): 4.63(1H, br.s, 1-OH), 5.40(1H, d, J=7.0Hz, 2-H), 3.56(1H, d, J=7.0Hz, 3-H), 4.91(1H, m, 5-H), 1.62(1H, m, 6-Ha), 2.30(1H, m, 6-Hb), 4.12(1H, m, 7-H), 4.92(1H, m, 7-OH), 6.28(1H, s, 10-H), 5.81(1H, t, J=7.5Hz, 13-H), 1.46(1H, m, 14-Ha), 1.78(1H, m, 14-Hb), 0.98(3H, s, 16-H), 1.01(3H, s, 17-H), 1.77(3H, s, 18-H), 1.48(3H, s, 19-H), 3.98(1H, d, J=8.5Hz, 20-Ha), 4.01(1H, d, J=8.5Hz, 20-Hb), 2.23(3H, s, 4-OCOCH
3), 2.09(3H, s, 10-OCOCH
3), 5.32(1H, d, J=9.0Hz, 2'-H), 5.52(1H, t, J=9.0Hz, 3'-H), 9.21(1H, d, J=8.5Hz, 3'-NH), 7.48(2H, m, ph-o-H), 7.44(2H, m, ph-m-H), 7.55(1H, t, J=7.5Hz, ph-p-H), 7.84(2H, m, NBz-o-H), 7.43(2H, m, NBz-m-H), 7.19(1H, m, NBz-p-H), 7.97(2H, d, J=7.0Hz, OBz-o-H), 7.65(2H, t, J=8.0Hz, OBz-m-H), 7.72(1H, t, J=7.5Hz, OBz-p-H), 2.60(2H, m, 22-H), 2.35(2H, t, J=7.0Hz, 23-H), 7.82(1H, m, 25-H), 2.90(1H, m, 26-Ha), 3.00(1H, m, 26-Hb), 1.22(2H, m, 27-H), 1.33(2H, m, 28-H), 1.46(1H, m, 29-Ha), 1.62(1H, m, 29-Hb), 4.11(1H, m, 30-H), 6.96(1H, s, 32-Ha), 7.32(1H, m, 32-Hb), 7.87(1H, m, 33-H), 2.15(2H, t, J=8.0Hz, 35-H), 1.71(1H, m, 36-Ha), 1.99(1H, m, 36-Hb), 4.13(1H, m, 37-H), 7.11(1H, s, 39-Ha), 7.30(1H, m, 39-Hb), 8.22(1H, d, J=8.0Hz, 40-H), 4.40(1H, m, 42-H), 1.26(3H, d, J=7.0Hz, 43-H), 8.37(1H, d, J=6.5Hz, 44-H), 6.79(1H, d, J=16.0Hz, 46-H), 7.49(1H, d, J=16.0Hz, 47-H), 7.38(1H, m, 49-H), 7.22(1H, m, 51-H), 7.47(1H, m, 52-H), 7.41(1H, m, 53-H).
13C-NMR(125MHz, DMSO-d
6): 76.7(1-C), 74.5(2-C), 46.1(3-C), 80.2(4-C), 83.6(5-C), 36.5(6-C), 70.4(7-C), 57.4(8-C), 202.4(9-C), 74.7(10-C), 133.3(11-C), 139.4(12-C), 70.7(13-C), 34.7(14-C), 42.9(15-C), 26.3(16-C), 21.4(17-C), 13.9(18-C), 9.8(19-C), 75.3(20-C), 165.2(2-OCO), 169.7, 22.6(4-OCOCH
3), 168.8, 20.6(10-OCOCH
3), 169.1(1'-C), 74.4(2'-C), 54.0(3'-C), 166.4(3'-NHCO), 137.5(ph-q-C), 127.7(ph-o-C), 128.3(ph-m-C), 131.5(ph-p-C), 129.9(NBz-q-C), 127.5(NBz-o-C), 129.0(NBz-m-C), 128.2(NBz-p-C), 134.3(OBz-q-C), 129.6(OBz-o-C), 128.7(OBz-m-C), 133.5(OBz-p-C), 172.0(21-C), 28.8(22-C), 29.5(23-C), 170.0(24-C), 38.5(26-C), 28.5(27-C), 23.0(28-C), 31.6(29-C), 52.3(30-C), 173.9(31-C), 171.5(34-C), 31.7(35-C), 27.7(36-C), 52.1(37-C), 173.3(38-C), 172.3(41-C), 48.8(42-C), 18.1(43-C), 164.6(45-C), 123.5(46-C), 137.5(47-C), 133.5(48-C), 113.9(d, J=21.6Hz, 49-C), 162.9(d, J=242.3Hz, 50-C), 116.7(d, J=21.0Hz, 51-C), 130.9(d, J=8.5Hz, 52-C), 123.6(d, J=2.5Hz, 53-C)..
IR: 3320.5(ν
OH and ν
NH), 3063.6(ν
=CH), 2939.0(ν
-CH), 1740.0, 1721.0, 1657.2(ν
C=O), 1582.7, 1536.7, 1450.0(ν
C=C), 1243.6(ν
C-O-C), 979.4, 780.5, 709.5(δ
=CH).
ESI-MS: 1429.41 [M+2H]
2+, 1451.54 [M+Na+H]
2+.
HR-MS(TOF): 1428.5950 [M+H]
+, 1450.5736 [M+Na]
+, C
74H
86FN
7O
21.
【0222】
実施例31:抱合体MTC-308の液相合成
【0223】
【化63】
【0224】
953 mg(1.0eq)のタキソール2'-O-琥珀酸モノエステル、115 mg(1.0eq)HOSuと192 mg(1.0eq)EDC・HClをジメチルスルホキシドに溶かし、室温において4時間反応させる。その後、510 mg(1.0eq)のムラミールジペプチド簡易体MDA-208を少量で数回に分けてジメチルスルホキシドに加え、N-メチルモルホリンで反応系のpHを7~8となるように調整し、更に4時間反応させる。十分に反応させた後、反応系に大量の水を加えて白色固体を析出させる。濾過し、目的産物粗品を得、ODSカラムクロマトグラフィーにて精製し、冷凍乾燥して1.14gの固体を産率79%で得、m.p.=167〜168℃である。
【0225】
1H-NMR(500MHz, DMSO-d
6): 4.62(1H, br.s, 1-OH), 5.40(1H, d, J=6.5Hz, 2-H), 3.56(1H, d, J=7.0Hz, 3-H), 4.91(1H, m, 5-H), 1.62(1H, m, 6-Ha), 2.31(1H, m, 6-Hb), 4.12(1H, m, 7-H), 4.92(1H, m, 7-OH), 6.27(1H, s, 10-H), 5.81(1H, t, J=8.0Hz, 13-H), 1.48(1H, m, 14-Ha), 1.80(1H, m, 14-Hb), 0.98(3H, s, 16-H), 1.01(3H, s, 17-H), 1.75(3H, s, 18-H), 1.48(3H, s, 19-H), 3.99(1H, m, 20-Ha), 4.00(1H, m, 20-Hb), 2.22(3H, s, 4-OCOCH
3), 2.13(3H, s, 10-OCOCH
3), 5.32(1H, d, J=8.5Hz, 2'-H), 5.51(1H, t, J=8.5Hz, 3'-H), 9.21(1H, d, J=8.5Hz, 3'-NH), 7.49(2H, m, ph-o-H), 7.47(2H, m, ph-m-H), 7.55(1H, m, ph-p-H), 7.84(2H, m, NBz-o-H), 7.43(2H, m, NBz-m-H), 7.17(1H, m, NBz-p-H), 8.06(2H, d, J=7.0Hz, OBz-o-H), 7.67(2H, m, OBz-m-H), 7.72(1H, d, J=8.0Hz, OBz-p-H), 2.59(2H, m, 22-H), 2.35(2H, m, 23-H), 7.84(1H, m, 25-H), 2.90(1H, m, 26-Ha), 3.00(1H, m, 26-Hb), 1.22(2H, m, 27-H), 1.31(2H, m, 28-H), 1.48(1H, m, 29-Ha), 1.64(1H, m, 29-Hb), 4.11(1H, m, 30-H), 6.96(1H, s, 32-Ha), 7.30(1H, m, 32-Hb), 7.87(1H, m, 33-H), 2.14(2H, m, 35-H), 1.70(1H, m, 36-Ha), 1.98(1H, m, 36-Hb), 4.13(1H, m, 37-H), 7.11(1H, s, 39-Ha), 7.30(1H, m, 39-Hb), 8.22(1H, d, J=8.0Hz, 40-H), 4.40(1H, m, 42-H), 1.37(3H, d, J=7.5Hz, 43-H), 8.34(1H, d, J=6.5Hz, 44-H), 6.73(1H, d, J=15.5Hz, 46-H), 7.40(1H, d, J=15.5Hz, 47-H), 7.67(1H, m, 50-H), 7.43(1H, m, 52-H), 7.48(1H, m, 53-H).
13C-NMR(125MHz, DMSO-d
6): 76.7(1-C), 74.5(2-C), 46.1(3-C), 80.2(4-C), 83.6(5-C), 36.5(6-C), 70.4(7-C), 57.4(8-C), 202.4(9-C), 74.7(10-C), 133.3(11-C), 139.5(12-C), 70.7(13-C), 34.7(14-C), 42.9(15-C), 26.3(16-C), 21.4(17-C), 13.9(18-C), 9.8(19-C), 75.3(20-C), 165.2(2-OCO), 169.7, 22.6(4-OCOCH
3), 168.8, 20.7(10-OCOCH
3), 169.2(1'-C), 74.6(2'-C), 54.0(3'-C), 166.4(3'-NHCO), 137.4(ph-q-C), 127.7(ph-o-C), 128.3(ph-m-C), 131.5(ph-p-C), 129.9(NBz-q-C), 127.5(NBz-o-C), 129.0(NBz-m-C), 128.2(NBz-p-C), 134.3(OBz-q-C), 129.6(OBz-o-C), 128.7(OBz-m-C), 133.5(OBz-p-C), 172.0(21-C), 28.8(22-C), 29.5(23-C), 170.0(24-C), 38.5(26-C), 28.5(27-C), 23.0(28-C), 31.6(29-C), 52.3(30-C), 173.9(31-C), 171.5(34-C), 31.7(35-C), 27.7(36-C), 52.1(37-C), 173.3(38-C), 172.3(41-C), 48.8(42-C), 18.2(43-C), 164.7(45-C), 123.3(s, 46-C), 137.4(s, 47-C), 133.3(m, 48-C), 118.6(m, 49-C), 151.2(m, 50-C), 149.3(m, 51-C), 116.7(m, 52-C), 125.1(m, 53-C).
IR: 3306.6(ν
OH and ν
NH), 3066.4(ν
=CH), 2932.6(ν
-CH), 1739.8, 1720.2 1658.2(ν
C=O), 1535.1, 1518.5, 1450.2(ν
C=C), 1274.4, 1243.6(ν
C-O-C), 979.7, 775.8, 709.5(δ
=CH).
ESI-MS: 1446.25 [M+H]
+, 1468.77 [M+Na]
+.
HR-MS(TOF): 1446.5861 [M+H]
+, 1468.5651 [M+Na]
+, C
74H
85F
2N
7O
21.
【0226】
実施例32:抱合体MTC-213の液相合成
【0227】
【化64】
【0228】
953 mg(1.0eq)のタキソール2'-O-琥珀酸モノエステル、115 mg(1.0eq)HOSuと192 mg(1.0eq)EDC・HClをジメチルスルホキシドに溶かし、室温において4時間反応させる。その後、499 mg(1.0eq)のムラミールジペプチド簡易体MDA-113を少量で数回に分けてジメチルスルホキシドに加え、N-メチルモルホリンで反応系のpHを7~8となるように調整し、更に4時間反応させる。十分に反応させた後、反応系に大量の水を加えて白色固体を析出させる。濾過し、目的産物粗品を得、ODSカラムクロマトグラフィーにて精製し、冷凍乾燥して1.18gの固体を産率82%で得、m.p.=167〜168℃である。
【0229】
1H-NMR(600MHz, DMSO-d
6): 4.64(1H, br.s, 1-OH), 5.40(1H, d, J=7.2Hz, 2-H), 3.56(1H, d, J=7.2Hz, 3-H), 4.91(1H, m, 5-H), 1.62(1H, m, 6-Ha), 2.31(1H, m, 6-Hb), 4.13(1H, m, 7-H), 4.92(1H, m, 7-OH), 6.28(1H, s, 10-H), 5.81(1H, t, J=9.0Hz, 13-H), 1.45(1H, m, 14-Ha), 1.79(1H, m, 14-Hb), 0.98(3H, s, 16-H), 0.99(3H, s, 17-H), 1.76(3H, s, 18-H), 1.51(3H, s, 19-H), 3.98(1H, d, J=8.4Hz, 20-Ha), 4.01(1H, d, J=8.4Hz, 20-Hb), 2.22(3H, s, 4-OCOCH
3), 2.09(3H, s, 10-OCOCH
3), 5.34(1H, d, J=9.0Hz, 2'-H), 5.52(1H, t, J=9.0Hz, 3'-H), 9.20(1H, d, J=9.0Hz, 3'-NH), 7.48(2H, d, J=7.8Hz, ph-o-H), 7.46(2H, m, ph-m-H), 7.55(1H, t, J=7.8Hz, ph-p-H), 7.82(2H, m, NBz-o-H), 7.43(2H, m, NBz-m-H), 7.17(1H, m, NBz-p-H), 7.97(2H, d, J=7.8Hz, OBz-o-H), 7.65(2H, t, J=7.8Hz, OBz-m-H), 7.72(1H, t, J=7.8Hz, OBz-p-H), 2.61(2H, m, 22-H), 2.35(2H, t, J=7.2Hz, 23-H), 7.82(1H, m, 25-H), 2.90(1H, m, 26-Ha), 2.98(1H, m, 26-Hb), 1.22(2H, m, 27-H), 1.32(2H, m, 28-H), 1.45(1H, m, 29-Ha), 1.64(1H, m, 29-Hb), 4.11(1H, m, 30-H), 6.96(1H, s, 32-Ha), 7.29(1H, s, 32-Hb), 7.87(1H, m, 33-H), 2.11(2H, t, J=7.2Hz, 35-H), 1.71(1H, m, 36-Ha), 1.99(1H, m, 36-Hb), 4.19(1H, m, 37-H), 7.09(1H, s, 39-Ha), 7.29(1H, s, 39-Hb), 8.16(1H, d, J=8.4Hz, 40-H), 4.62(1H, m, 42-H), 1.27(3H, d, J=6.6Hz, 43-H), 8.37(1H, d, J=7.8Hz, 44-H), 8.58(1H, d, J=8.4Hz, 47-H), 8.92(1H, d, J=8.4Hz, 48-H), 7.88(1H, m, 50-H), 7.49(1H, m, 51-H), 7.74(1H, m, 52-H), 8.08(1H, d, J=8.4Hz, 53-H).
13C-NMR(150MHz, DMSO-d
6): 76.7(1-C), 74.6(2-C), 46.1(3-C), 80.3(4-C), 83.6(5-C), 36.5(6-C), 70.4(7-C), 57.4(8-C), 202.4(9-C), 74.7(10-C), 133.3(11-C), 139.5(12-C), 70.7(13-C), 34.4(14-C), 42.9(15-C), 26.3(16-C), 21.4(17-C), 13.9(18-C), 9.8(19-C), 75.3(20-C), 165.2(2-OCO), 169.7, 22.6(4-OCOCH
3), 168.8, 20.7(10-OCOCH
3), 169.1(1'-C), 74.5(2'-C), 54.0(3'-C), 166.5(3'-NHCO), 137.4(ph-q-C), 127.7(ph-o-C), 128.3(ph-m-C), 131.5(ph-p-C), 129.9(NBz-q-C), 127.5(NBz-o-C), 128.9(NBz-m-C), 128.2(NBz-p-C), 134.3(OBz-q-C), 129.6(OBz-o-C), 128.7(OBz-m-C), 133.5(OBz-p-C), 171.9(21-C), 28.8(22-C), 29.5(23-C), 170.0(24-C), 38.5(26-C), 28.8(27-C), 23.0(28-C), 31.6(29-C), 52.3(30-C), 173.9(31-C), 171.5(34-C), 31.7(35-C), 27.8(36-C), 52.2(37-C), 173.2(38-C), 172.0(41-C), 48.6(42-C), 19.0(43-C), 163.3(45-C), 149.6(46-C), 118.5(47-C), 138.0(48-C), 128.1(49-C), 128.6(50-C), 129.2(51-C), 130.7(52-C), 130.3(53-C), 146.0(54-C).
IR: 3324.9(ν
OH and ν
NH), 2938.5(ν
-CH), 1739.6, 1721.9, 1655.0(ν
C=O), 1529.9, 1500.2, 1451.7, 1428.7(ν
C=C), 1371.6, 1242.5, 1177.0, 1070.8(δ
-CH), 980.0, 776.8, 708.9(δ
=CH).
ESI-MS: 1436.75 [M+2H]
2+.
HR-MS(TOF): 1435.6001 [M+H]
+, 1457.5774 [M+Na]
+, C
75H
86N
8O
21.
【0230】
実施例33:抱合体MTC-219の液相合成
【0231】
【化65】
【0232】
953 mg(1.0eq)のタキソール2'-O-琥珀酸モノエステル、115 mg(1.0eq)HOSuと192 mg(1.0eq)EDC・HClをジメチルスルホキシドに溶かし、室温において4時間反応させる。その後、480 mg(1.0eq)のムラミールジペプチド簡易体MDA-119を少量で数回に分けてジメチルスルホキシドに加え、N-メチルモルホリンで反応系のpHを7~8となるように調整し、更に4時間反応させる。十分に反応させた後、反応系に大量の水を加えて白色固体を析出させる。濾過し、目的産物粗品を得、ODSカラムクロマトグラフィーにて精製し、冷凍乾燥して1.12gの固体を産率79%で得、m.p.=169〜171℃である。
【0233】
1H-NMR(500MHz, DMSO-d
6): 4.61(1H, br.s, 1-OH), 5.41(1H, d, J=7.0Hz, 2-H), 3.56(1H, d, J=8.5Hz, 3-H), 4.89(1H, J=10Hz, 5-H), 1.62(1H, m, 6-Ha), 2.31(1H, m, 6-Hb), 4.09(1H, m, 7-H), 4.91(1H, m, 7-OH), 6.28(1H, s, 10-H), 5.81(1H, t, J=9.0Hz, 13-H), 1.44(1H, m, 14-Ha), 1.78(1H, m, 14-Hb), 1.01(3H, s, 16-H), 0.99(3H, s, 17-H), 1.76(3H, s, 18-H), 1.49(3H, s, 19-H), 3.98(1H, m, 20-Ha), 4.00(1H, m, 20-Hb), 2.22(3H, s, 4-OCOCH
3), 2.09(3H, s, 10-OCOCH
3), 5.32(1H, d, J=9.0Hz, 2'-H), 5.52(1H, t, J=8.5Hz, 3'-H), 9.19(1H, d, J=8.5Hz, 3'-NH), 7.48(2H, m, ph-o-H), 7.43(2H, m, ph-m-H), 7.55(1H, m, ph-p-H), 7.84(2H, m, NBz-o-H), 7.49(2H, m, NBz-m-H), 7.18(1H, m, NBz-p-H), 7.96(2H, d, J=8.0Hz, OBz-o-H), 7.65(2H, m, OBz-m-H), 7.72(1H, m, OBz-p-H), 2.63(2H, m, 22-H), 2.35(2H, m, 23-H), 7.88(1H, m, 25-H), 2.93(1H, m, 26-Ha), 3.21(1H, m, 26-Hb), 1.23(2H, m, 27-H), 1.38(2H, m, 28-H), 1.45(1H, m, 29-Ha), 1.62(1H, m, 29-Hb), 4.10(1H, m, 30-H), 6.95(1H, s, 32-Ha), 7.29(1H, s, 32-Hb), 7.87(1H, m, 33-H), 2.26(2H, m, 35-H), 1.76(1H, m, 36-Ha), 1.95(1H, m, 36-Hb), 4.12(1H, m, 37-H), 7.03(1H, s, 39-Ha), 7.29(1H, s, 39-Hb), 8.24(1H, d, J=8.0Hz, 40-H), 4.37(1H, m, 42-H), 1.25(3H, m, 43-H), 8.39(1H, m, 44-H), 6.97(1H, d, J=15.0Hz, 46-H), 7.45(1H, d, J=15.0Hz, 47-H), 8.17(1H, m, 50-H), 7.59(1H, m, 51-H), 7.72(1H, m, 52-H).
IR: 3331.9(ν
OH and ν
NH), 2963.6, 2936.7(ν
-CH), 1739.2, 1712.5, 1649.9(ν
C=O), 1538.4, 1452.3, 1438.2(ν
C=C), 1370.7, 1243.8, 1172.5, 1144.1(δ
-CH), 980.0, 833.2, 706.6(δ
=CH).
ESI-MS: 1417.21 [M+2H]
2+.
HR-MS(TOF): 1416.5542 [M+H]
+, 1438.5365 [M+Na]
+, C
72H
85N
7O
21S.
【0234】
実施例34:抱合体MTC-230の液相合成
【0235】
【化66】
【0236】
953 mg(1.0eq)のタキソール2'-O-琥珀酸モノエステル、115 mg(1.0eq)HOSuと192 mg(1.0eq)EDC・HClをジメチルスルホキシドに溶かし、室温において4時間反応させる。その後、553 mg(1.0eq)のムラミールジペプチド簡易体MDA-130を少量で数回に分けてジメチルスルホキシドに加え、N-メチルモルホリンで反応系のpHを7~8となるように調整し、更に4時間反応させる。十分に反応させた後、反応系に大量の水を加えて白色固体を析出させる。濾過し、目的産物粗品を得、ODSカラムクロマトグラフィーにて精製し、冷凍乾燥して1.28gの固体を産率86%で得、m.p.=172〜173℃である。
【0237】
1H-NMR(600MHz, DMSO-d
6): 4.62(1H, br.s, 1-OH), 5.40(1H, d, J=7.2Hz, 2-H), 3.56(1H, d, J=7.2Hz, 3-H), 4.90(1H, m, 5-H), 1.62(1H, m, 6-Ha), 2.31(1H, m, 6-Hb), 4.12(1H, m, 7-H), 4.91(1H, m, 7-OH), 6.28(1H, s, 10-H), 5.81(1H, t, J=9.0Hz, 13-H), 1.51(1H, m, 14-Ha), 1.79(1H, m, 14-Hb), 0.98(3H, s, 16-H), 0.99(3H, s, 17-H), 1.75(3H, s, 18-H), 1.48(3H, s, 19-H), 3.98(1H, d, J=7.8Hz, 20-Ha), 4.00(1H, d, J=7.8Hz, 20-Hb), 2.23(3H, s, 4-OCOCH
3), 2.09(3H, s, 10-OCOCH
3), 5.33(1H, d, J=7.8Hz, 2'-H), 5.52(1H, t, J=9.0Hz, 3'-H), 9.20(1H, d, J=9.0Hz, 3'-NH), 7.48(2H, m, ph-o-H), 7.43(2H, m, ph-m-H), 7.55(1H, t, J=7.8Hz, ph-p-H), 7.83(2H, m, NBz-o-H), 7.42(2H, m, NBz-m-H), 7.18(1H, m, NBz-p-H), 7.98(2H, d, J=7.2Hz, OBz-o-H), 7.66(2H, t, J=7.2Hz, OBz-m-H), 7.72(1H, t, J=7.2Hz, OBz-p-H), 2.60(2H, m, 22-H), 2.35(2H, m, 23-H), 7.82(1H, m, 25-H), 2.91(1H, m, 26-Ha), 2.96(1H, m, 26-Hb), 1.22(2H, m, 27-H), 1.30(2H, m, 28-H), 1.44(1H, m, 29-Ha), 1.62(1H, m, 29-Hb), 4.11(1H, m, 30-H), 6.95(1H, s, 32-Ha), 7.29(1H, s, 32-Hb), 7.87(1H, m, 33-H), 2.17(2H, t, J=7.8Hz, 35-H), 1.72(1H, m, 36-Ha), 1.97(1H, m, 36-Hb), 4.12(1H, m, 37-H), 7.09(1H, s, 39-Ha), 7.29(1H, s, 39-Hb), 8.16(1H, d, J=7.8Hz, 40-H), 4.46(1H, m, 42-H), 1.30(3H, d, J=6.6Hz, 43-H), 8.52(1H, d, J=6.6Hz, 44-H), 7.70(1H, m, 47-H), 7.84(1H, m, 48-H), 8.97(1H, m, 50-H).
13C-NMR(150MHz, DMSO-d
6): 76.7(1-C), 74.5(2-C), 46.1(3-C), 80.2(4-C), 83.6(5-C), 36.5(6-C), 70.4(7-C), 57.4(8-C), 202.4(9-C), 74.7(10-C), 133.3(11-C), 139.4(12-C), 70.7(13-C), 34.7(14-C), 42.9(15-C), 26.3(16-C), 21.5(17-C), 13.9(18-C), 9.8(19-C), 75.3(20-C), 165.2(2-OCO), 169.6, 22.5(4-OCOCH
3), 169.6, 20.6(10-OCOCH
3), 169.1(1'-C), 74.4(2'-C), 54.0(3'-C), 166.4(3'-NHCO), 137.4(ph-q-C), 127.7(ph-o-C), 128.7(ph-m-C), 131.5(ph-p-C), 129.9(NBz-q-C), 127.4(NBz-o-C), 129.0(NBz-m-C), 128.3(NBz-p-C), 134.3(OBz-q-C), 129.5(OBz-o-C), 128.6(OBz-m-C), 133.5(OBz-p-C), 172.0(21-C), 28.8(22-C), 29.5(23-C), 170.0(24-C), 38.5(26-C), 28.7(27-C), 22.9(28-C), 31.5(29-C), 52.4(30-C), 173.9(31-C), 171.6(34-C), 31.7(35-C), 27.8(36-C), 52.1(37-C), 173.1(38-C), 173.2(41-C), 48.8(42-C), 19.7(43-C), 164.4(45-C), 131.5(46-C), 130.6(47-C), 134.5(48-C), 147.7(49-C), 124.0(50-C), 149.7(51-C).
IR: 3277.6(ν
OH and ν
NH), 3065.0(ν
=CH), 2973.2, 2936.4(ν
-CH), 1719.3, 1646.9, 1629.8(ν
C=O), 1537.1, 1452.0(ν
C=C), 1350.0, 1240.9, 1151.2(δ
-CH), 978.4, 895.0, 706.3(δ
=CH).
ESI-MS: 1463.70 [M+H]
+.
HR-MS(TOF): 1463.5293 [M+H]
+, 1485.5120 [M+Na]
+, C
72H
83ClN
8O
23.
【0238】
実施例35:抱合体MTC-233の液相合成
【0239】
【化67】
【0240】
953 mg(1.0eq)のタキソール2'-O-琥珀酸モノエステル、115 mg(1.0eq)HOSuと192 mg(1.0eq)EDC・HClをジメチルスルホキシドに溶かし、室温において4時間反応させる。その後、528 mg(1.0eq)のムラミールジペプチド簡易体MDA-133を少量で数回に分けてジメチルスルホキシドに加え、N-メチルモルホリンで反応系のpHを7~8となるように調整し、更に4時間反応させる。十分に反応させた後、反応系に大量の水を加えて白色固体を析出させる。濾過し、目的産物粗品を得、ODSカラムクロマトグラフィーにて精製し、冷凍乾燥して1.17gの固体を産率80%で得、m.p.=155〜156℃である。
【0241】
1H-NMR(600MHz, DMSO-d
6): 4.61(1H, br.s, 1-OH), 5.40(1H, d, J=7.2Hz, 2-H), 3.56(1H, d, J=7.2Hz, 3-H), 4.90(1H, m, 5-H), 1.62(1H, m, 6-Ha), 2.31(1H, m, 6-Hb), 4.12(1H, m, 7-H), 4.91(1H, m, 7-OH), 6.28(1H, s, 10-H), 5.81(1H, t, J=9.0Hz, 13-H), 1.48(1H, m, 14-Ha), 1.79(1H, m, 14-Hb), 0.98(3H, s, 16-H), 0.99(3H, s, 17-H), 1.75(3H, s, 18-H), 1.49(3H, s, 19-H), 3.98(1H, d, J=8.4Hz, 20-Ha), 4.00(1H, d, J=8.4Hz, 20-Hb), 2.22(3H, s, 4-OCOCH
3), 2.09(3H, s, 10-OCOCH
3), 5.33(1H, d, J=9.0Hz, 2'-H), 5.52(1H, t, J=9.0Hz, 3'-H), 9.19(1H, d, J=9.0Hz, 3'-NH), 7.48(2H, m, ph-o-H), 7.43(2H, m, ph-m-H), 7.56(1H, m, ph-p-H), 7.83(2H, m, NBz-o-H), 7.42(2H, m, NBz-m-H), 7.18(1H, m, NBz-p-H), 7.97(2H, d, J=7.2Hz, OBz-o-H), 7.66(2H, m, OBz-m-H), 7.72(1H, m, OBz-p-H), 2.60(2H, m, 22-H), 2.35(2H, t, J=7.2Hz, 23-H), 7.82(1H, m, 25-H), 2.90(1H, m, 26-Ha), 2.96(1H, m, 26-Hb), 1.22(2H, m, 27-H), 1.33(2H, m, 28-H), 1.44(1H, m, 29-Ha), 1.62(1H, m, 29-Hb), 4.11(1H, m, 30-H), 6.94(1H, s, 32-Ha), 7.37(1H, s, 32-Hb), 7.87(1H, m, 33-H), 2.15(2H, t, J=7.8Hz, 35-H), 1.70(1H, m, 36-Ha), 1.97(1H, m, 36-Hb), 4.12(1H, m, 37-H), 7.09(1H, s, 39-Ha), 7.32(1H, s, 39-Hb), 8.21(1H, d, J=8.4Hz, 40-H), 4.43(1H, m, 42-H), 1.29(3H, d, J=6.6Hz, 43-H), 8.28(1H, d, J=7.8Hz, 44-H), 4.73(1H, s, 46-H), 6.20(1H, d, J=7.8Hz, 48-H), 7.32(1H, m, 49-H), 7.38(1H, m, 50-H), 7.97(1H, m, 52-H), 7.49(1H, m, 53-H), 7.54(1H, m, 54-H), 8.30(1H, m, 55-H).
13C-NMR(150MHz, DMSO-d
6): 76.7(1-C), 74.5(2-C), 46.1(3-C), 80.2(4-C), 83.6(5-C), 36.5(6-C), 70.4(7-C), 57.4(8-C), 202.3(9-C), 74.7(10-C), 133.3(11-C), 139.4(12-C), 70.7(13-C), 34.4(14-C), 42.9(15-C), 26.3(16-C), 21.4(17-C), 13.9(18-C), 9.8(19-C), 75.3(20-C), 165.2(2-OCO), 169.6, 22.5(4-OCOCH
3), 168.8, 20.6(10-OCOCH
3), 169.1(1'-C), 74.4(2'-C), 54.0(3'-C), 166.4(3'-NHCO), 137.4(ph-q-C), 127.7(ph-o-C), 128.3(ph-m-C), 131.5(ph-p-C), 129.9(NBz-q-C), 127.4(NBz-o-C), 129.0(NBz-m-C), 128.2(NBz-p-C), 134.3(OBz-q-C), 129.6(OBz-o-C), 128.7(OBz-m-C), 133.5(OBz-p-C), 172.0(21-C), 28.8(22-C), 29.5(23-C), 170.0(24-C), 38.5(26-C), 28.7(27-C), 22.9(28-C), 31.6(29-C), 52.4(30-C), 173.9(31-C), 171.5(34-C), 31.7(35-C), 27.7(36-C), 52.2(37-C), 173.2(38-C), 173.3(41-C), 48.2(42-C), 18.4(43-C), 167.2(45-C), 67.2(46-C), 153.1(47-C), 105.7(48-C), 126.1(49-C), 120.7(50-C), 134.0(51-C), 127.6(52-C), 126.1(53-C), 125.4(54-C), 121.7(55-C), 127.4(56-C).
IR: 3289.3(ν
OH and ν
NH), 3065.7(ν
=CH), 2937.8(ν
-CH), 1739.5, 1720.9, 1647.6(ν
C=O), 1577.5, 1537.2, 1450.4(ν
C=C), 1265.1, 1239.5, 1154.1(δ
-CH), 905.9, 853.3, 792.9, 771.3, 707.4(δ
=CH).
ESI-MS: 1465.32 [M+2H]
2+.
HR-MS(TOF): 1464.6128 [M+H]
+, 1486.5942 [M+Na]
+, C
77H
89N
7O
22.
【0242】
実施例36:ドセタキセル2'-O-琥珀酸モノエステルの液相合成
【0243】
合成経路は、以下のとおりである。
反応試薬と条件は、コハク酸無水物、DMAP、室温、2時間である。
【0244】
【化68】
【0245】
8.07g(1.0eq)のドセタキセル、1.2g(1.2eq)のコハク酸無水物 と0.61g(0.5eq)DMAPをDMFに溶かし、室温において2時間撹拌する。反応が終了した後、順にDCMでDMF溶液を希釈し、2N塩酸水溶液でDCM相を3回洗浄し、更に水でDCM相を1回洗浄する。その後、DCM相を分離し、溶媒を減圧濃縮し、少量の残液に大量の水を加えて白色固体を析出させる。濾過し、冷凍乾燥して7.9gの目的産物を産率87%で得、m.p.=181〜182℃である。
【0246】
1H-NMR(600MHz, DMSO-d
6): 4.43(1H, br.s, 1-OH), 5.39(1H, d, J=7.2Hz, 2-H), 3.62(1H, d, J=7.2Hz, 3-H), 4.89(1H, d, J=9.6Hz, 5-H), 1.62(1H, m, 6-Ha), 2.22(1H, d, J=9.6Hz, 6-Hb), 4.04(1H, m, 7-H), 5.09(1H, s, 10-H), 5.77(1H, t, J=9.0Hz, 13-H), 1.62(1H, m, 14-Ha), 1.85(1H, dd, J=15.0 and 9.0Hz, 14-Hb), 0.97(3H, s, 16-H), 0.99(3H, s, 17-H), 1.73(3H, s, 18-H), 1.51(3H, s, 19-H), 3.98(1H, d, J=9.0Hz, 20-Ha), 4.02(1H, d, J=9.0Hz, 20-Hb), 2.26(3H, s, 4-OCOCH
3), 5.06(1H, m, 2'-H), 5.07(1H, m, 3'-H), 7.86(1H, d, J=8.4Hz, 3'-NH), 7.35(2H, d, J=7.8Hz, ph-o-H), 7.40(2H, t, J=7.8Hz, ph-m-H), 7.17(1H, t, J=7.8Hz, ph-p-H), 7.97(2H, d, J=7.8Hz, OBz-o-H), 7.63(2H, d, J=7.8Hz, OBz-m-H), 7.71(1H, d, J=7.8Hz, OBz-p-H), 1.37(9H, s, -C(CH
3)
3), 2.50(2H, m, -CH
2-CH
2-COOH) , 2.60(2H, m, -CH
2-CH
2-COOH), 12.23(1H, br.s, -CH
2-CH
2-COOH).
13C-NMR(150MHz, DMSO-d
6): 76.8(1-C), 74.8(2-C), 46.0(3-C), 80.3(4-C), 83.7(5-C), 36.5(6-C), 70.8(7-C), 56.9(8-C), 209.3(9-C), 73.7(10-C), 135.9(11-C), 136.8(12-C), 71.7(13-C), 34.7(14-C), 42.9(15-C), 26.4(16-C), 20.8(17-C), 13.7(18-C), 9.8(19-C), 75.4(20-C), 165.3(2-OCO), 169.5, 22.5(4-OCOCH
3), 168.3(1'-C), 75.1(2'-C), 57.4(3'-C), 155.2(3'-NHCO), 78.5, 28.1(-C(CH
3)
3), 137.4(ph-q-C), 127.4(ph-o-C), 128.5(ph-m-C), 128.0(ph-p-C), 130.0(OBz-q-C), 129.5(OBz-o-C), 128.7(OBz-m-C), 133.4(OBz-p-C), 171.5, 28.4, 28.5, 172.9(-CO-CH
2-CH
2-COOH).
ESI-MS: 930.31 [M+Na]
+.
HR-MS(TOF): 930.3507 [M+Na]
+, C
47H
57NO
17.
【0247】
実施例37-43: 抱合体MDCの液相合成
【0248】
実施例37:抱合体MDC-400の液相合成
【0249】
【化69】
【0250】
90.7 mg(1.0eq)のドセタキセル2'-O-琥珀酸モノエステル、11.5 mg(1.0eq)HOSuと19.2 mg(1.0eq)EDC・HClをジメチルスルホキシドに溶かし、室温において4時間反応させる。その後、50.8 mg(1.0eq)のムラミールジペプチド簡易体MDAを少量で数回に分けてジメチルスルホキシドに加え、N-メチルモルホリンで反応系のpHを7~8となるように調整し、更に4時間反応させる。十分に反応させた後、反応系に大量の水を加えて白色固体を析出させる。濾過し、目的産物粗品を得、ODSカラムクロマトグラフィーにて精製し、冷凍乾燥して124 mgの固体を産率89%で得、m.p.=180〜181℃である。
【0251】
1H-NMR(600MHz, DMSO-d
6): 4.41(1H, br.s, 1-OH), 5.39(1H, d, J=6.6Hz, 2-H), 3.62(1H, d, J=6.6Hz, 3-H), 4.89(1H, d, J=10.2Hz, 5-H), 1.66(1H, m, 6-Ha), 2.26(1H, m, 6-Hb), 4.04(1H, m, 7-H), 5.07(1H, s, 10-H), 5.77(1H, t, J=9.0Hz, 13-H), 1.64(1H, m, 14-Ha), 1.82(1H, dd, J=15.6 and 9.0Hz, 14-Hb), 0.96(3H, s, 16-H), 0.97(3H, s, 17-H), 1.68(3H, s, 18-H), 1.50(3H, s, 19-H), 3.99(1H, m, 20-Ha), 4.01(1H, d, J=9.0Hz, 20-Hb), 2.22(3H, s, 4-OCOCH
3), 5.04(1H, m, 2'-H), 5.06(1H, m, 3'-H), 7.86(1H, m, 3'-NH), 7.30(2H, m, ph-o-H), 7.35(2H, d, J=7.8Hz, ph-m-H), 7.16(1H, t, J=7.2Hz, ph-p-H), 7.97(2H, d, J=7.8Hz, OBz-o-H), 7.64(2H, t, J=7.8Hz, OBz-m-H), 7.71(1H, t, J=7.2Hz, OBz-p-H), 1.36(9H, s, -C(CH
3)
3), 2.59(2H, m, 22-H), 2.36(2H, m, 23-H), 7.83(1H, m, 25-H), 2.92(1H, m, 26-Ha), 3.00(1H, m, 26-Hb), 1.21(2H, m, 27-H), 1.27(2H, m, 28-H), 1.52(1H, m, 29-Ha), 1.63(1H, m, 29-Hb), 4.11(1H, m, 30-H), 6.96(1H, s, 32-Ha), 7.30(1H, s, 32-Hb), 7.90(1H, m, 33-H), 2.15(2H, m, 35-H), 1.72(1H, m, 36-Ha), 1.99(1H, m, 36-Hb), 4.13(1H, m, 37-H), 7.02(1H, s, 39-Ha), 7.30(1H, s, 39-Hb), 8.29(1H, m, 40-H), 4.38(1H, m, 42-H), 1.26(3H, d, J=6.6Hz, 43-H), 8.38(1H, d, J=6.6Hz, 44-H), 6.75(1H, d, J=16.2Hz, 46-H), 7.37(1H, d, J=16.3Hz, 47-H), 7.57(2H, d, J=8.4Hz, 49 and 53-H), 7.46(2H, d, J=8.4Hz, 50 and 52-H).
13C-NMR(150MHz, DMSO-d
6): 76.8(1-C), 74.8(2-C), 46.1(3-C), 80.3(4-C), 83.7(5-C), 36.5(6-C), 70.7(7-C), 57.0(8-C), 209.3(9-C), 73.7(10-C), 136.0(11-C), 136.8(12-C), 71.1(13-C), 34.7(14-C), 42.9(15-C), 26.5(16-C), 20.8(17-C), 13.6(18-C), 9.8(19-C), 75.3(20-C), 165.3(2-OCO), 169.6, 22.5(4-OCOCH
3), 168.9(1'-C), 75.0(2'-C), 55.1(3'-C), 155.2(3'-NHCO), 78.5, 28.1(-C(CH
3)
3), 137.5(ph-q-C), 127.4(ph-o-C), 128.5(ph-m-C), 128.0(ph-p-C), 130.0(OBz-q-C), 129.6(OBz-o-C), 128.7(OBz-m-C), 133.4(OBz-p-C), 171.9(21-C), 28.9(22-C), 29.6(23-C), 170.0(24-C), 38.5(26-C), 28.9(27-C), 23.0(28-C), 31.4(29-C), 52.1(30-C), 174.1(31-C), 171.6(34-C), 31.7(35-C), 27.7(36-C), 52.4(37-C), 173.4(38-C), 172.3(41-C), 48.8(42-C), 18.1(43-C), 164.7(45-C), 122.7(46-C), 137.6(47-C), 133.8(48-C), 129.0(49 and 53-C), 129.2(50 and 52-C), 134.0(51-C).
IR: 3320.6(ν
OH and ν
NH), 2976.8, 2933.5(ν
-CH), 1739.7, 1658.6(ν
C=O), 1531.5, 1496.5, 1452.4(ν
C=C), 1246.2(ν
C-O-C), 983.5, 707.9(δ
=CH).
ESI-MS: 1398.14 [M+H]
+, 1420.32 [2M+Na]
+.
HR-MS(TOF): 1398.5791 [M+H]
+, 1420.5609 [M+Na]
+, C
70H
88ClN
7O
21.
【0252】
実施例38:抱合体MDC-403の液相合成
【0253】
【化70】
【0254】
90.7 mg(1.0eq)のドセタキセル2'-O-琥珀酸モノエステル、11.5 mg(1.0eq)HOSuと19.2 mg(1.0eq)EDC・HClをジメチルスルホキシドに溶かし、室温において4時間反応させる。その後、51 mg(1.0eq)のムラミールジペプチド簡易体MDA-203を少量で数回に分けてジメチルスルホキシドに加え、N-メチルモルホリンで反応系のpHを7~8となるように調整し、更に4時間反応させる。十分に反応させた後、反応系に大量の水を加えて白色固体を析出させる。濾過し、目的産物粗品を得、ODSカラムクロマトグラフィーにて精製し、冷凍乾燥して114 mgの固体を産率80%で得、m.p.=165〜166℃である。
【0255】
1H-NMR(500MHz, DMSO-d
6): 4.45(1H, br.s, 1-OH), 5.44(1H, d, J=6.0Hz, 2-H), 3.64(1H, d, J=6.0Hz, 3-H), 4.89(1H, m, 5-H), 1.66(1H, m, 6-Ha), 2.25(1H, m, 6-Hb), 4.03(1H, m, 7-H), 5.09(1H, s, 10-H), 5.80(1H, m, 13-H), 1.64(1H, m, 14-Ha), 1.82(1H, m, 14-Hb), 0.96(3H, s, 16-H), 0.96(3H, s, 17-H), 1.68(3H, s, 18-H), 1.52(3H, s, 19-H), 3.99(1H, m, 20-Ha), 4.01(1H, m, 20-Hb), 2.22(3H, s, 4-OCOCH
3), 5.04(1H, m, 2'-H), 5.06(1H, m, 3'-H), 7.86(1H, m, 3'-NH), 7.31(2H, m, ph-o-H), 7.38(2H, m, ph-m-H), 7.19(1H, m, ph-p-H), 7.99(2H, d, J=6.5Hz, OBz-o-H), 7.66(2H, m, OBz-m-H), 7.72(1H, m, OBz-p-H), 1.39(9H, s, -C(CH
3)
3), 2.62(2H, m, 22-H), 2.39(2H, m, 23-H), 7.83(1H, m, 25-H), 3.01(2H, br.s, 26-H), 1.21(2H, m, 27-H), 1.29(2H, m, 28-H), 1.52(1H, br.s, 29-Ha), 1.63(1H, br.s, 29-Hb), 4.14(1H, m, 30-H), 6.96(1H, s, 32-Ha), 7.31(1H, s, 32-Hb), 7.90(1H, m, 33-H), 2.17(2H, m, 35-H), 1.70(1H, m, 36-Ha), 1.99(1H, m, 36-Hb), 4.13(1H, m, 37-H), 7.02(1H, s, 39-Ha), 7.30(1H, s, 39-Hb), 8.22(1H, m, 40-H), 4.38(1H, m, 42-H), 1.26(3H, m, 43-H), 8.47(1H, d, J=6.0Hz, 44-H), 6.82(1H, d, J=16.0Hz, 46-H), 7.37(1H, m, 47-H), 7.18(1H,m, 51-H), 7.70(1H, m, 53-H).
13C-NMR(125MHz, DMSO-d
6): 77.2(1-C), 75.2(2-C), 46.4(3-C), 80.8(4-C), 84.2(5-C), 36.9(6-C), 71.2(7-C), 57.4(8-C), 209.3(9-C), 74.2(10-C), 136.0(11-C), 136.8(12-C), 71.2(13-C), 35.2(14-C), 43.3(15-C), 26.9(16-C), 21.2(17-C), 14.1(18-C), 10.3(19-C), 75.3(20-C), 165.1(2-OCO), 170.5, 22.9(4-OCOCH
3), 168.9(1'-C), 75.0(2'-C), 55.6(3'-C), 155.2(3'-NHCO), 79.0, 28.1(-C(CH
3)
3), 137.5(ph-q-C), 127.9(ph-o-C), 128.5(ph-m-C), 128.0(ph-p-C), 130.0(OBz-q-C), 129.2(OBz-o-C), 128.7(OBz-m-C), 133.4(OBz-p-C), 172.0(21-C), 28.6(22-C), 29.3(23-C), 170.0(24-C), 39.0(26-C), 28.6(27-C), 23.4(28-C), 31.4(29-C), 52.1(30-C), 174.1(31-C), 171.6(34-C), 31.7(35-C), 27.7(36-C), 52.6(37-C), 173.7(38-C), 172.3(41-C), 49.4(42-C), 18.5(43-C), 164.7(45-C), 122.7(46-C), 137.6(47-C), 118.5(m, 48-C), 161.7(m, 49-C), 104.6(m, 50-C), 163.7(m, 51-C), 112.4(m, 52-C), 130.5(m, 53-C).
IR: 3323.9(ν
OH and ν
NH), 2977.6, 2937.6(ν
-CH), 1739.5, 1659.3(ν
C=O), 1532.5, 1504.2, 1452.5(ν
C=C), 1368.2, 1272.7, 1246.8, 1161.2, 1069.2(δ
-CH), 983.0, 852.5, 708.8(δ
=CH).
ESI-MS: 1400.98 [M+H]
+, 1422.43 [M+Na]
+.
HR-MS(TOF): 1400.6008 [M+H]
+, 1422.5824 [M+Na]
+, C
70H
87F
2N
7O
21.
【0256】
実施例39:抱合体MDC-404の液相合成
【0257】
【化71】
【0258】
90.7 mg(1.0eq)のドセタキセル2'-O-琥珀酸モノエステル、11.5 mg(1.0eq)HOSuと19.2 mg(1.0eq)EDC・HClをジメチルスルホキシドに溶かし、室温において4時間反応させる。その後、52.6 mg(1.0eq)のムラミールジペプチド簡易体MDA-204を少量で数回に分けてジメチルスルホキシドに加え、N-メチルモルホリンで反応系のpHを7~8となるように調整し、更に4時間反応させる。十分に反応させた後、反応系に大量の水を加えて白色固体を析出させる。濾過し、目的産物粗品を得、ODSカラムクロマトグラフィーにて精製し、冷凍乾燥して116 mgの固体を産率82%で得、m.p.=175〜176℃である。
【0259】
1H-NMR(500MHz, DMSO-d
6): 4.42(1H, br.s, 1-OH), 5.41(1H, d, J=7.0Hz, 2-H), 3.65(1H, d, J=7.0Hz, 3-H), 4.90(1H, m, 5-H), 1.63(1H, m, 6-Ha), 2.28(1H, m, 6-Hb), 4.05(1H, m, 7-H), 5.09(1H, s, 10-H), 5.78(1H, t, J=8.5Hz, 13-H), 1.63(1H, m, 14-Ha), 1.83(1H, m, 14-Hb), 0.99(3H, s, 16-H), 1.02(3H, s, 17-H), 1.68(3H, s, 18-H), 1.51(3H, s, 19-H), 4.00(1H, m, 20-Ha), 4.02(1H, m, 20-Hb), 2.23(3H, s, 4-OCOCH
3), 5.02(1H, m, 2'-H), 5.09(1H, m, 3'-H), 7.86(1H, m, 3'-NH), 7.30(2H, m, ph-o-H), 7.37(2H, m, ph-m-H), 7.18(1H, m, ph-p-H), 7.99(2H, d, J=7.5Hz, OBz-o-H), 7.65(2H, m, OBz-m-H), 7.71(1H, m, OBz-p-H), 1.36(9H, s, -C(CH
3)
3), 2.61(2H, m, 22-H), 2.37(2H, m, 23-H), 7.83(1H, m, 25-H), 3.00(1H, m, 26-Ha), 3.01(1H, m, 26-Hb), 1.20(2H, m, 27-H), 1.29(2H, m, 28-H), 1.52(1H, m, 29-Ha), 1.63(1H, m, 29-Hb), 4.11(1H, m, 30-H), 6.96(1H, s, 32-Ha), 7.30(1H, s, 32-Hb), 7.88(1H, m, 33-H), 2.16(2H, m, 35-H), 1.74(1H, m, 36-Ha), 2.00(1H, m, 36-Hb), 4.13(1H, m, 37-H), 7.01(1H, s, 39-Ha), 7.30(1H, s, 39-Hb), 8.24(1H, d, J=8.5Hz, 40-H), 4.40(1H, m, 42-H), 1.28(3H, m, 43-H), 8.51(1H, d, J=7.0Hz, 44-H), 6.86(1H, d, J=16.0Hz, 46-H), 7.38(1H, d, J=16.0Hz, 47-H), 7.54(1H, dd, J=11.0 and 2.0Hz, 50-H), 7.37(1H, m, 52-H), 7.71(1H, m, 53-H).
13C-NMR(125MHz, DMSO-d
6): 76.8(1-C), 75.3(2-C), 46.4(3-C), 80.8(4-C), 84.2(5-C), 36.9(6-C), 71.2(7-C), 57.4(8-C), 209.8(9-C), 74.2(10-C), 136.5(11-C), 137.3(12-C), 71.5(13-C), 35.2(14-C), 42.6(15-C), 26.9(16-C), 21.3(17-C), 14.1(18-C), 10.3(19-C), 75.5(20-C), 165.7(2-OCO), 169.4, 23.4(4-OCOCH
3), 168.9(1'-C), 75.3(2'-C), 55.6(3'-C), 155.7(3'-NHCO), 79.0, 28.2(-C(CH
3)
3), 137.3(ph-q-C), 127.4(ph-o-C), 128.4(ph-m-C), 128.0(ph-p-C), 130.8(OBz-q-C), 129.0(OBz-o-C), 128.4(OBz-m-C), 133.7(OBz-p-C), 172.0(21-C), 28.9(22-C), 29.3(23-C), 170.0(24-C), 38.5(26-C), 28.6(27-C), 22.9(28-C), 32.1(29-C), 52.7(30-C), 174.4(31-C), 172.0(34-C), 32.2(35-C), 28.1(36-C), 52.8(37-C), 173.6(38-C), 172.3(41-C), 49.4(42-C), 18.5(43-C), 164.9(45-C), 122.2(46-C), 138.0(47-C), 122.1(d, J=11.8Hz, 48-C), 160.7(d, J=252.5Hz, 49-C), 117.3(d, J=28.8Hz, 50-C), 130.3(d, J=10.9Hz, 51-C), 125.2(s, 52-C), 130.4(s, 53-C).
IR: 3324.6(ν
OH and ν
NH), 2977.0, 2935.8(ν
-CH), 1739.5, 1660.5(ν
C=O), 1533.3, 1452.6(ν
C=C), 1368.2, 1269.0, 1248.3, 1162.0, 1070.6(δ
-CH), 984.2, 856.3, 708.8(δ
=CH).
ESI-MS: 1416.05 [M+H]
+, 1438.05 [M+Na]
+.
HR-MS(TOF): 1416.5693 [M+H]
+, 1438.5511 [M+Na]
+, C
70H
87ClFN
7O
21.
【0260】
実施例40:抱合体MDC-405の液相合成
【0261】
【化72】
【0262】
90.7 mg(1.0eq)のドセタキセル2'-O-琥珀酸モノエステル、11.5 mg(1.0eq)のHOSuと19.2 mg(1.0eq)のEDC・HClをジメチルスルホキシドに溶かし、室温において4時間反応させる。その後、52.6 mg(1.0eq)のムラミールジペプチド簡易体MDA-205を少量で数回に分けてジメチルスルホキシドに加え、N-メチルモルホリンで反応系のpHを7~8となるように調整し、更に4時間反応させる。十分に反応させた後、反応系に大量の水を加えて白色固体を析出させる。濾過し、目的産物粗品を得、ODSカラムクロマトグラフィーにて精製し、冷凍乾燥して99 mgの固体を産率70%で得、m.p.=174〜175℃である。
【0263】
1H-NMR(500MHz, DMSO-d
6): 4.42(1H, br.s, 1-OH), 5.41(1H, d, J=7.0Hz, 2-H), 3.65(1H, d, J=7.0Hz, 3-H), 4.90(1H, m, 5-H), 1.64(1H, m, 6-Ha), 2.28(1H, m, 6-Hb), 4.05(1H, m, 7-H), 5.09(1H, s, 10-H), 5.80(1H, t, J=8.5Hz, 13-H), 1.63(1H, m, 14-Ha), 1.83(1H, m, 14-Hb), 0.99(3H, s, 16-H), 1.02(3H, s, 17-H), 1.70(3H, s, 18-H), 1.51(3H, s, 19-H), 4.00(1H, m, 20-Ha), 4.02(1H, m, 20-Hb), 2.25(3H, s, 4-OCOCH
3), 5.09(1H, m, 2'-H), 5.09(1H, m, 3'-H), 7.86(1H, m, 3'-NH), 7.31(2H, m, ph-o-H), 7.35(2H, m, ph-m-H), 7.19(1H, t, J=7.0Hz, ph-p-H), 8.00(2H, d, J=7.5Hz, OBz-o-H), 7.65(2H, m, OBz-m-H), 7.71(1H, m, OBz-p-H), 1.36(9H, s, -C(CH
3)
3), 2.59(2H, m, 22-H), 2.36(2H, m, 23-H), 7.87(1H, m, 25-H), 3.00(1H, m, 26-Ha), 3.01(1H, m, 26-Hb), 1.20(2H, m, 27-H), 1.29(2H, m, 28-H), 1.52(1H, m, 29-Ha), 1.63(1H, m, 29-Hb), 4.11(1H, m, 30-H), 6.97(1H, s, 32-Ha), 7.32(1H, s, 32-Hb), 7.88(1H, m, 33-H), 2.16(2H, m, 35-H), 1.72(1H, m, 36-Ha), 1.99(1H, m, 36-Hb), 4.13(1H, m, 37-H), 7.11(1H, s, 39-Ha), 7.31(1H, s, 39-Hb), 8.25(1H, d, J=8.0Hz, 40-H), 4.38(1H, m, 42-H), 1.26(3H, m, 43-H), 8.45(1H, d, J=7.0Hz, 44-H), 6.79(1H, d, J=16.0Hz, 46-H), 7.38(1H, d, J=16.0Hz, 47-H), 7.56(1H, dd, J=9.0 and 3.0Hz, 50-H), 7.33(1H, m, 52-H), 7.75(1H, m, 53-H).
13C-NMR(125MHz, DMSO-d
6): 77.3(1-C), 75.3(2-C), 46.4(3-C), 80.8(4-C), 84.2(5-C), 36.9(6-C), 71.2(7-C), 57.0(8-C), 209.3(9-C), 74.2(10-C), 136.5(11-C), 137.3(12-C), 71.6(13-C), 35.2(14-C), 43.3(15-C), 26.9(16-C), 21.2(17-C), 14.1(18-C), 10.3(19-C), 75.9(20-C), 165.7(2-OCO), 170.0, 22.9(4-OCOCH
3), 169.4(1'-C), 75.5(2'-C), 55.5(3'-C), 155.7(3'-NHCO), 78.9, 28.2(-C(CH
3)
3), 137.3(ph-q-C), 127.9(ph-o-C), 129.0(ph-m-C), 129.1(ph-p-C), 130.5(OBz-q-C), 130.0(OBz-o-C), 129.1(OBz-m-C), 133.6(OBz-p-C), 172.0(21-C), 29.3(22-C), 30.1(23-C), 170.4(24-C), 38.5(26-C), 28.6(27-C), 23.4(28-C), 32.1(29-C), 52.6(30-C), 174.4(31-C), 172.3(34-C), 32.2(35-C), 26.9(36-C), 52.8(37-C), 173.7(38-C), 172.7(41-C), 49.3(42-C), 18.7(43-C), 164.7(45-C), 125.4(46-C), 133.9(47-C), 129.2(48-C), 134.6(49-C), 115.8(d, J=21.6Hz, 50-C), 162.7(d, J=249.6Hz, 51-C), 117.6(d, J=24.9Hz, 52-C), 129.6(53-C).
IR: 3316.8(ν
OH and ν
NH), 2977.3, 2938.6(ν
-CH), 1739.5, 1659.2(ν
C=O), 1533.0, 1490.7(ν
C=C), 1368.3, 1241.6, 1161.7, 1068.6(δ
-CH), 982.1, 858.0, 708.6(δ
=CH).
ESI-MS: 1416.52 [M+H]
+, 1438.42 [M+Na]
+.
HR-MS(TOF): 1416.5725 [M+H]
+, 1438.5523 [M+Na]
+, C
70H
87ClFN
7O
21.
【0264】
実施例41:抱合体MDC-406の液相合成
【0265】
【化73】
【0266】
90.7 mg(1.0eq)のドセタキセル2'-O-琥珀酸モノエステル、11.5 mg(1.0eq)のHOSuと19.2 mg(1.0eq)のEDC・HClをジメチルスルホキシドに溶かし、室温において4時間反応させる。その後、49.2 mg(1.0eq)のムラミールジペプチド簡易体MDA-206を少量で数回に分けてジメチルスルホキシドに加え、N-メチルモルホリンで反応系のpHを7~8となるように調整し、更に4時間反応させる。十分に反応させた後、反応系に大量の水を加えて白色固体を析出させる。濾過し、目的産物粗品を得、ODSカラムクロマトグラフィーにて精製し、冷凍乾燥して125.6 mgの固体を産率91%で得、m.p.=162〜163℃である。
【0267】
1H-NMR(500MHz, DMSO-d
6): 4.41(1H, br.s, 1-OH), 5.42(1H, d, J=7.0Hz, 2-H), 3.65(1H, d, J=7.0Hz, 3-H), 4.90(1H, m, 5-H), 1.66(1H, m, 6-Ha), 2.25(1H, m, 6-Hb), 4.03(1H, m, 7-H), 5.09(1H, s, 10-H), 5.80(1H, t, J=8.5Hz, 13-H), 1.64(1H, m, 14-Ha), 1.82(1H, m, 14-Hb), 0.99(3H, s, 16-H), 0.99(3H, s, 17-H), 1.68(3H, s, 18-H), 1.50(3H, s, 19-H), 3.99(1H, m, 20-Ha), 4.01(1H, m, 20-Hb), 2.22(3H, s, 4-OCOCH
3), 5.09(1H, m, 2'-H), 5.09(1H, m, 3'-H), 7.86(1H, m, 3'-NH), 7.30(2H, m, ph-o-H), 7.35(2H, m, ph-m-H), 7.16(1H, t, J=7.0Hz, ph-p-H), 7.99(2H, d, J=7.5Hz, OBz-o-H), 7.65(2H, m, OBz-m-H), 7.71(1H, m, OBz-p-H), 1.36(9H, s, -C(CH
3)
3), 2.55(2H, m, 22-H), 2.34(2H, m, 23-H), 7.83(1H, m, 25-H), 3.01(2H, br.s, 26-H), 1.21(2H, m, 27-H), 1.27(2H, m, 28-H), 1.52(1H, m, 29-Ha), 1.64(1H, m, 29-Hb), 4.11(1H, m, 30-H), 6.97(1H, s, 32-Ha), 7.31(1H, s, 32-Hb), 7.86(1H, m, 33-H), 2.17(2H, m, 35-H), 1.79(1H, m, 36-Ha), 2.00(1H, m, 36-Hb), 4.15(1H, m, 37-H), 7.11(1H, s, 39-Ha), 7.31(1H, s, 39-Hb), 8.22(1H, d, J=8.0Hz, 40-H), 4.38(1H, m, 42-H), 1.26(3H, m, 43-H), 8.35(1H, d, J=8.0Hz, 44-H), 6.71(1H, d, J=16.0Hz, 46-H), 7.38(1H, d, J=16.0Hz, 47-H), 7.87(2H, m, 49 an 53-H), 7.38(2H, m, 50 snd 52-H).
13C-NMR(125MHz, DMSO-d
6): 77.3(1-C), 75.3(2-C), 46.4(3-C), 80.7(4-C), 84.2(5-C), 36.9(6-C), 71.2(7-C), 57.4(8-C), 209.8(9-C), 74.2(10-C), 136.5(11-C), 137.2(12-C), 71.6(13-C), 35.1(14-C), 43.3(15-C), 26.9(16-C), 21.2(17-C), 14.1(18-C), 10.3(19-C), 75.9(20-C), 165.8(2-OCO), 170.0, 22.9(4-OCOCH
3), 169.4(1'-C), 75.5(2'-C), 55.5(3'-C), 155.7(3'-NHCO), 79.0, 28.5(-C(CH
3)
3), 137.9(ph-q-C), 127.9(ph-o-C), 129.2(ph-m-C), 128.5(ph-p-C), 130.5(OBz-q-C), 130.1(OBz-o-C), 129.3(OBz-m-C), 133.6(OBz-p-C), 172.3(21-C), 29.3(22-C), 30.0(23-C), 170.5(24-C), 38.7(26-C), 29.2(27-C), 23.4(28-C), 32.1(29-C), 52.6(30-C), 174.4(31-C), 172.0(34-C), 32.2(35-C), 28.2(36-C), 52.8(37-C), 173.7(38-C), 172.8(41-C), 49.3(42-C), 18.6(43-C), 165.3(45-C), 122.3(46-C), 137.9(47-C), 133.9(48-C), 131.9(m, 49 and 53-C), 116.4(d, J=21.8Hz, 50 and 52-C), 163.2(d, J=245.3Hz, 51-C).
IR: 3318.8(ν
OH and ν
NH), 2977.6, 2938.0(ν
-CH), 1659.3(ν
C=O), 1535.1, 1511.9, 1452.6(ν
C=C), 1368.5, 1246.7, 1160.7, 1069.1(δ
-CH), 983.0, 832.9, 708.1(δ
=CH).
ESI-MS: 1382.00 [M+H]
+, 1404.60 [M+Na]
+.
HR-MS(TOF): 1382.6064 [M+H]
+, 1404.5900 [M+Na]
+, C
70H
88FN
7O
21.
【0268】
実施例42:抱合体MDC-407の液相合成
【0269】
【化74】
【0270】
90.7 mg(1.0eq)のドセタキセル2'-O-琥珀酸モノエステル、11.5 mg(1.0eq)のHOSuと19.2 mg(1.0eq)のEDC・HClをジメチルスルホキシドに溶かし、室温において4時間反応させる。その後、49.2 mg(1.0eq)のムラミールジペプチド簡易体MDA-207を少量で数回に分けてジメチルスルホキシドに加え、N-メチルモルホリンで反応系のpHを7~8となるように調整し、更に4時間反応させる。十分に反応させた後、反応系に大量の水を加えて白色固体を析出させる。濾過して目的産物粗品を得、ODSカラムクロマトグラフィーにて精製し、冷凍乾燥して117.4 mgの固体を産率85%で得、m.p.=174〜175℃である。
【0271】
1H-NMR(500MHz, DMSO-d
6): 4.43(1H, br.s, 1-OH), 5.41(1H, d, J=7.5Hz, 2-H), 3.65(1H, d, J=7.5Hz, 3-H), 4.91(1H, m, 5-H), 1.66(1H, m, 6-Ha), 2.25(1H, m, 6-Hb), 4.05(1H, m, 7-H), 5.09(1H, s, 10-H), 5.80(1H, m, 13-H), 1.64(1H, m, 14-Ha), 1.82(1H, m, 14-Hb), 0.99(3H, s, 16-H), 102(3H, s, 17-H), 1.68(3H, s, 18-H), 1.51(3H, s, 19-H), 4.02(1H, m, 20-Ha), 4.05(1H, d, J=9.0Hz, 20-Hb), 2.22(3H, s, 4-OCOCH
3), 5.09(1H, m, 2'-H), 5.09(1H, m, 3'-H), 7.86(1H, m, 3'-NH), 7.31(2H, m, ph-o-H), 7.37(2H, d, J=7.5Hz, ph-m-H), 7.17(1H, m, ph-p-H), 7.99(2H, d, J=7.5Hz, OBz-o-H), 7.65(2H, t, J=7.5Hz, OBz-m-H), 7.74(1H, m, OBz-p-H), 1.39(9H, s, -C(CH
3)
3), 2.62(2H, m, 22-H), 2.36(2H, m, 23-H), 7.83(1H, m, 25-H), 3.00(2H, br.s, 26-H), 1.25(2H, m, 27-H), 1.26(2H, m, 28-H), 1.57(1H, m, 29-Ha), 1.64(1H, m, 29-Hb), 4.11(1H, m, 30-H), 6.97(1H, s, 32-Ha), 7.31(1H, s, 32-Hb), 7.92(1H, m, 33-H), 2.16(2H, m, 35-H), 1.74(1H, m, 36-Ha), 2.00(1H, m, 36-Hb), 4.14(1H, m, 37-H), 7.11(1H, s, 39-Ha), 7.31(1H, s, 39-Hb), 8.23(1H, d, J=8.5Hz, 40-H), 4.39(1H, m, 42-H), 1.28(3H, m, 43-H), 8.37(1H, d, J=6.5Hz, 44-H), 6.81(1H, d, J=16.5Hz, 46-H), 7.38(1H, d, J=16.5Hz, 47-H), 7.37(1H, m, 49-H), 7.22(1H, m, 51-H), 7.47(1H, m, 52-H), 7.41(1H, m, 53-H).
13C-NMR(125MHz, DMSO-d
6): 77.3(1-C), 75.3(2-C), 46.4(3-C), 80.8(4-C), 84.2(5-C), 36.9(6-C), 71.2(7-C), 57.4(8-C), 209.8(9-C), 74.2(10-C), 136.5(11-C), 137.3(12-C), 71.6(13-C), 35.2(14-C), 43.3(15-C), 26.9(16-C), 21.2(17-C), 14.1(18-C), 10.3(19-C), 75.9(20-C), 165.1(2-OCO), 170.0, 22.9(4-OCOCH
3), 169.4(1'-C), 75.5(2'-C), 55.6(3'-C), 155.7(3'-NHCO), 78.9, 28.6(-C(CH
3)
3), 137.9(ph-q-C), 127.9(ph-o-C), 129.2(ph-m-C), 128.5(ph-p-C), 130.5(OBz-q-C), 130.1(OBz-o-C), 129.3(OBz-m-C), 133.9(OBz-p-C), 172.3(21-C), 29.3(22-C), 30.1(23-C), 170.6(24-C), 38.7(26-C), 29.3(27-C), 23.4(28-C), 32.1(29-C), 52.6(30-C), 174.4(31-C), 172.0(34-C), 32.2(35-C), 28.2(36-C), 52.8(37-C), 173.7(38-C), 172.8(41-C), 49.3(42-C), 18.6(43-C), 165.8(45-C), 124.0(46-C), 138.0(47-C), 133.9(48-C), 114.4(d, J=21.4Hz, 49-C), 162.9(d, J=242.4Hz, 50-C), 116.7(d, J=21.3Hz, 51-C), 131.4(d, J=8.5Hz, 52-C), 124.1(d, J=2.5Hz, 53-C).
IR: 3301.8(ν
OH and ν
NH), 2969.9, 2932.2(ν
-CH), 1656.3(ν
C=O), 1529.6, 1449.4(ν
C=C), 1367.3, 1245.0, 1159.9, 1069.2(δ
-CH), 981.7, 783.2, 707.7(δ
=CH).
ESI-MS: 1382.83 [M+H]
+, 1404.64 [M+Na]
+.
HR-MS(TOF): 1382.6118 [M+H]
+, 1404.5942 [M+Na]
+, C
70H
88FN
7O
21.
【0272】
実施例43:抱合体MDC-408の液相合成
【0273】
【化75】
【0274】
90.7 mg(1.0eq)のドセタキセル2'-O-琥珀酸モノエステル、11.5 mg(1.0eq)のHOSuと19.2 mg(1.0eq)のEDC・HClをジメチルスルホキシドに溶かし、室温において4時間反応させる。その後、51 mg(1.0eq)のムラミールジペプチド簡易体MDA-208を少量で数回に分けてジメチルスルホキシドに加え、N-メチルモルホリンで反応系のpHを7~8となるように調整し、更に4時間反応させる。十分に反応させた後、反応系に大量の水を加えて白色固体を析出させる。濾過して目的産物粗品を得、ODSカラムクロマトグラフィーにて精製し、冷凍乾燥して117.5 mgの固体を産率84%で得、m.p.=172〜173℃である。
【0275】
1H-NMR(500MHz, DMSO-d
6): 4.43(1H, br.s, 1-OH), 5.41(1H, d, J=7.0Hz, 2-H), 3.64(1H, d, J=7.5Hz, 3-H), 4.90(1H, m, 5-H), 1.66(1H, m, 6-Ha), 2.25(1H, m, 6-Hb), 4.02(1H, m, 7-H), 5.09(1H, s, 10-H), 5.80(1H, m, 13-H), 1.64(1H, m, 14-Ha), 1.82(1H, m, 14-Hb), 0.99(3H, s, 16-H), 102(3H, s, 17-H), 1.70(3H, s, 18-H), 1.51(3H, s, 19-H), 4.02(1H, m, 20-Ha), 4.05(1H, m, 20-Hb), 2.25(3H, s, 4-OCOCH
3), 5.09(1H, m, 2'-H), 5.09(1H, m, 3'-H), 7.87(1H, m, 3'-NH), 7.31(2H, m, ph-o-H), 7.37(2H, d, J=7.5Hz, ph-m-H), 7.19(1H, m, ph-p-H), 7.99(2H, d, J=7.0Hz, OBz-o-H), 7.66(2H, t, J=7.0Hz, OBz-m-H), 7.73(1H, m, OBz-p-H), 1.39(9H, s, -C(CH
3)
3), 2.62(2H, m, 22-H), 2.39(2H, m, 23-H), 7.83(1H, m, 25-H), 3.01(2H, br.s, 26-H), 1.25(2H, m, 27-H), 1.26(2H, m, 28-H), 1.64(1H, m, 29-Ha), 1.67(1H, m, 29-Hb), 4.13(1H, m, 30-H), 6.97(1H, s, 32-Ha), 7.31(1H, s, 32-Hb), 7.92(1H, m, 33-H), 2.16(2H, m, 35-H), 1.78(1H, m, 36-Ha), 2.00(1H, m, 36-Hb), 4.14(1H, m, 37-H), 7.11(1H, s, 39-Ha), 7.31(1H, s, 39-Hb), 8.22(1H, d, J=8.0Hz, 40-H), 4.40(1H, m, 42-H), 1.28(3H, m, 43-H), 8.34(1H, d, J=7.0Hz, 44-H), 6.74(1H, d, J=15.5Hz, 46-H), 7.38(1H, d, J=15.5Hz, 47-H), 7.68(1H, m, 50-H), 7.45(1H, m, 52-H), 7.49(1H, m, 53-H).
13C-NMR(125MHz, DMSO-d
6): 77.3(1-C), 75.3(2-C), 46.4(3-C), 80.8(4-C), 84.2(5-C), 37.0(6-C), 71.2(7-C), 57.4(8-C), 209.8(9-C), 74.2(10-C), 136.5(11-C), 137.3(12-C), 71.6(13-C), 35.2(14-C), 43.3(15-C), 26.9(16-C), 21.2(17-C), 14.1(18-C), 10.3(19-C), 75.9(20-C), 165.0(2-OCO), 170.0, 22.9(4-OCOCH
3), 169.4(1'-C), 75.5(2'-C), 55.6(3'-C), 155.7(3'-NHCO), 79.0, 28.6(-C(CH
3)
3), 138.0ph-q-C), 127.9(ph-o-C), 129.1(ph-m-C), 128.5(ph-p-C), 130.5(OBz-q-C), 130.0(OBz-o-C), 129.1(OBz-m-C), 133.9(OBz-p-C), 172.3(21-C), 29.3(22-C), 30.1(23-C), 170.4(24-C), 38.7(26-C), 29.3(27-C), 23.4(28-C), 32.1(29-C), 52.6(30-C), 174.4(31-C), 172.0(34-C), 32.2(35-C), 28.2(36-C), 52.8(37-C), 173.7(38-C), 172.7(41-C), 49.3(42-C), 18.7(43-C), 165.7(45-C), 123.8(s, 46-C), 137.3(s, 47-C), 133.3(m, 48-C), 118.6(d, J=17.1Hz, 49-C), 151.2(m, 50-C), 149.3(dd, J=34.8 and 13.0Hz, 51-C), 116.7(d, J=17.6Hz, 52-C), 125.1(m, 53-C).
IR: 3308.5(ν
OH and ν
NH), 2977.6, 2936.9(ν
-CH), 1659.6(ν
C=O), 1517.9, 1452.4(ν
C=C), 1368.3, 1274.8, 1247.4, 1161.3(δ
-CH), 981.7, 775.8, 707.9(δ
=CH).
ESI-MS: 1400.82 [M+H]
+, 1422.63 [M+Na]
+.
HR-MS(TOF): 1400.6014 [M+H]
+, 1422.5825 [M+Na]
+, C
70H
87F
2N
7O
21.
【0276】
生物学実施例
【0277】
インビトロ活性測定部分
【0278】
実施例44:
本発明に係る化合物MTC-220、MTC-302、MTC-213、MTC-219、MTC-233とMDC-400、即ち、本発明の六つの化合物をアメリカ国立がん研究所(NCI)へ送り、インビトロ抗腫瘍活性についてスクリーニングを行った。60株のヒト由来腫瘍細胞株に対して実験を行った結果、該種類の抱合体の成長阻害50%値(GI
50値)はタキソールと同じ数字範囲内に保持されており、半数致死濃度(LC
50)は全て10 μM以上であることが証明された。実験結果の詳細については、
図1-6を参照することができる。
【0279】
本発明に係る化合物MTC-301、MTC-302、MTC-303、MTC-304、MTC-305、MTC-306、MTC-307、MDC-308、MDC-403、MDC-404、MDC-405、MDC-406、MDC-407とMDC-408についても、10株のヒト由来腫瘍細胞株に対してインビトロ実験を行った。スクリーニング研究の結果、これらの抱合体もタキソールまたはドセタキセルと同じ50%阻害濃度(IC50)を保持していることが証明された。実験結果の詳細については、
図7-10を参照することができる。
【0280】
インビボ活性測定部分
【0281】
実施例45:ヒト乳癌MDA-MB-231ヌードマウス異種移植腫に対するMTC-220の生長阻害作用
【0282】
実験材料及び受験物:
1. MTC-220は無色の透明液体で、それぞれ1.0 mg/mL、1.5 mg/mL、2.0 mg/mLの濃度で標記され、滅菌分注してそのまま使用する。投与量は、それぞれ10 mg/kg、15 mg/kg、及び20 mg/kgに設定され、投与体積は0.2mL/20gである。
2. タキソール注射液として、北京協和製薬の製品であり、承認番号が「国薬准字H10980069」で、製造ロット番号が「080704」で、規格は5mL、30 mgである。
3. タキソール+MDA[P0.54 mg/mL (0.001 M)+T0.9 mg/mL (0.001M)と標記]は、依頼側が調製し、滅菌分注してそのまま使用する。4℃に保存する。実験デザインとして、各自それぞれ0.2mL/20 kgで投与する。
4. MDA[P0.54 mg/mL (0.001 M)と標記、実施例10]は、無色の透明液体で、依頼側が調製し、滅菌分注してそのまま使用する。4℃に保存する。
腫瘍株は、ヒト乳癌高転移株MDA-MB-231のヌードマウス移植腫で、担癌マウスは北京中美冠科バイオテック(北京)有限会社より購入し、本研究室が飼育と繁殖を取り扱っている。
動物は、BALB/c nuマウスで、雌性(♀)、4~5週齢である。中国医学科学院実験動物所より提供される。合格証号は、SCXK(京)2005-0013である。
飼育施設は、中国医学科学院薬物研究所実験動物センターのSPF級の動物実験室で、合格証号は、SYSK(京)2004-0001である。
【0283】
実験方法:
腫瘍生長が良好で、全身状態が比較的理想な担癌マウスを選び、頸椎脱臼で殺す。無菌条件下において腫塊を取り出し、直径が2-3 mmになるようにメスで腫塊を切り、套管針でヌードマウスの脇後部皮下に接種する。腫瘍は、自然に生長する。11日後に、グループ分けて投与を始める。数匹の腫瘍体積が大きいマウスを選出し、ノギスで腫瘍の長さと幅径を測定し、腫瘍体積の大きさに基づいてグレード付けて幾つのグループに分ける。
八つの観察グループに分け、各グループは6~8匹の動物で構成される。陰性対照グループ、タキソール注射液24 mg/kg間隔投与グループ、MTC-220の投与量が10 mg/kg、15 mg/kg、20 mg/kgである三つのグループ、MDA液注射グループとタキソール+MDA液注射グループを設定する。この七つのグループにおいて、動物腫瘍の体積は概ね一致しており、平均値が約140 mm3である。その他の腫瘍体積が比較的大きいマウスをMTC-220 30 mg/kgグループとし、このグループにおいて平均腫瘍体積は340 mm3である。各薬液の投与は腹腔注射にて行い、その頻度は、開始した即日から動物体重に基づいて毎日1回である。
グループを分けて投与を開始した日をD1に設定し、3日置きに一回動物の腫瘍の長さ、幅径及び体重を測定する。タキソール対照グループが間隔的に4回投与、及びMTC-220 30 mg/kgグループが連続的に12回投与した後に投与を中止して観察する以外、その他の各グループについては連続的に24回投与を行う。最後の一回を投与してから24時間後に実験を終了する。
実験が終了すると動物を頸椎脱臼で殺し、腫瘍を剥離して重量を測定し、腫瘍生長に対する薬物の阻害率を算出する。t-検定法を用いて各グループ動物の腫瘍重量、腫瘍体積、RTVなどの指標差の統計学的意義を比較する。
【0284】
計算方法及び公式は、省略する。
【0285】
抗腫瘍活性の評価指標は、相対腫瘍増殖率T/C(%)を用いる。
【0286】
治療効果評価基準:
T/C(%)>40は、治療が無効であることを意味する。
T/C(%)≦40で、且つ統計学処理を経てP<0.05であれば、治療が有効であることを意味する。
【0287】
実験結果:
実験観察の過程において、陰性対照グループのマウス体重がゆっくりと上昇する傾向を示し、グループ分けの開始時と比べて平均体重が3.5g増加となっている。タキソールグループについて間隔的な投与が行われる場合、体重は基本的に動物の毒性副反応の寛容できる範囲内に維持されている。また、MTC-220 30 mg/kgの12回投与グループについて連続的に12日間投与を実施する期間において、動物体重は基本的にグループ分けする時のレベルを維持するが、投与を停止した後に徐々に上昇する傾向を見せ、実験終了時には開始時と比べて平均で2.6g増加となっており、体重増加量において総投与量が同様であるMTC-220 15 mg/kgの24回投与グループと比べて同じレベルである(後者は、2.7gである)。MTC-220 20 mg/kgの24日間連続投与グループの動物体重は、陰性対照グープと比べて体重増加が比較的に少なく、1.9gである。T(0.9 mg/mL)+P(0.54 mg/mL)グループの動物体重は、連続投与早期においてタキソール投与グループと似っているが、投与が引き続き進行される場合、腹部腫れ、倦怠、及び体重減少などと言ったマウスの毒性副反応が徐々に現れ、連続投与20日目には、当該グループにおいて2/3のマウスが死亡に至る。
【0288】
動物腫瘍生長曲線により示されるように、MDA液[P(0.54 mg/mL)と標記]投与グループのマウスの腫瘍生長速度は陰性対照グループと比べて一定程度の減少傾向を示し、腫瘍相対増殖率(T/C)が83.5%である。MTC-220 10 mg/kg、15 mg/kgと20 mg/kg投与は、動物腫瘍生長速度に対して顕著な用量反応関係を示しており、実験終了時において、三つのグループの腫瘍阻害率がそれぞれ37.3%、57.4%と72.2%で、腫瘍相対増殖率がそれぞれ70.0%、39.5%と29.4%である。その内、15 mg/kgと20 mg/kgグループについては、治療が有効であると評価を付けることができる。
【0289】
MTC-220 30 mg/kgの連続12回投与は、総投与量において15 mg/kgの連続24回投与と同様であり、実験開始時に当該グループの腫瘍体積がやや大きいが、投与期間においては当該グループの腫瘍が次第に減少する傾向を示し、投与停止後においても生長速度がかなり落ちっている。実験終了時と比較してみると、MTC-220 30 mg/kgグループの阻害率が明らかに高くなり(後者は57.4%、前者は>87%)、腫瘍相対増殖率(T/C)が明らかに減少している(後者は37.5%、前者は6.16%)。MTC-220 30 mg/kgの連続12回投与グループと20 mg/kgの連続24回投与グループを比較してみると、投与量は減少されているが、腫瘍阻害率が高く、腫瘍相対増殖率(T/C)が明らかに低くなり、マウスの体質も比較的に良好である。このことから、早期から担癌マウスに適宜用量の薬物を投与すれば、腫瘍生長のコントロールが比較的に容易で、投与量の減少、治療周期を縮短、及び毒性副反応の低減に有効であることが確認された。
【0290】
実験結論:ヒト乳癌MDA-MB-231ヌードマウスに対して腹腔注射にて投与を行う場合、MTC-220 10 mg/kg、15 mg/kgと20 mg/kgの連続 24回投与で、MDA-MB-231の腫瘍生長が顕著に阻害され、腫瘍阻害効果と投与量との関連性は有意である。この実験において、15 mg/kgと20 mg/kgの用量投与については、その治療効果が有効であると評価できる。
【0291】
MTC-220 30 mg/kgの連続12回投与は、MDA-MB-231の腫瘍生長に対して阻害作用が非常に顕著で、投与停止後の腫瘍生長が遅くなり、動物の体質回復も比較的に良い。また、総投与量において同じであっても15 mg/kgグループと比べて治療周期が短くなり、腫瘍阻害作用が顕著に増強される。実験結果については、
図11-14と表1-2を参照することができる。
【0292】
【表1】
【0293】
【表2】
【0294】
実施例46:ヒト肺癌H460ヌードマウス異種移植腫に対するMTC-220の生長阻害作用
【0295】
実験材料及び受験物:
MTC220:依頼側が調製し、それぞれ0.5 mg/mL、1.0 mg/mL、2.0 mg/mLの濃度で標記され、無色の透明液体である。滅菌分注してそのまま使用する。4℃に保存する。
タキソール注射液:北京協和製薬の製品であり、承認番号が「国薬准字H10980069」で、製造ロット番号が「080704」で、規格は5mL、30 mgである。溶媒(5%DMSOと5%ポリオキシエチレンヒマシ油(Cremphor EL)を含む生理塩水混合液)を滅菌分注してそのまま使用する。4℃に保存する。
腫瘍株:ヒト肺癌H460細胞株はATCCより入手し、本研究室が継代して保存する。体外細胞培養を経て、ヌードマウスに接種して腫瘍を形成させ、継代して使用する。
動物は、BALB/c nuマウスで、雌性(♀)、4~5週齢である。中国医学科学院実験動物所より提供される。合格証号は、SCXK(京)2005-0013である。
飼育施設は、中国医学科学院薬物研究所実験動物センターのSPF級の動物実験室で、合格証号は、SYSK(京)2004-0001である。
【0296】
実験方法:
腫瘍生長が良好で、全身状態が比較的理想な担癌マウスを選び、頸椎脱臼で殺す。無菌条件下において腫塊を取り出し、直径が2-3 mmになるようにメスで腫塊を切り、套管針でヌードマウスの脇後部皮下に接種する。腫瘍は自然に生長し、8日後に体積が130 mm3の大きさになる。ノギスで腫瘍の長さと幅径を測定し、腫瘍体積の大きさに基づいてグレード付けて幾つのグループに分ける。
実験は五つの観察グループに分け、各グループは8匹の動物で構成される。溶媒を陰性対照グループとし、MTC-220投与量が5 mg/kg、10 mg/kgと20 mg/kgである三つのグループを設定する。即日から実験を開始し、動物体重に合わせて0.2 ml/20gの体積で腹腔注射を施し、頻度は毎日1回である。陽性対照タキソール注射液グループとして、タキソール24 mg/kgの投与量を3日置きに一回投与し、グループ分けの当日から投与を始める。
グループを分けて投与を開始した日をD1に設定し、タキソール対照グループは間隔的に4回投与を行う。MTC-220の各グループは、連続的に25回投与を行う。最後の一回を投与してから24時間後に実験を終了する。
実験の過程において、3日置きに一回動物の腫瘍の長さ、幅径及び体重を測定する。関連文献に記載の方法に従って腫瘍体積(TV)及び相対腫瘍体積(RTV)を算出し、腫瘍体積生長変化図を作製する。
実験が終了すると動物を頸椎脱臼で殺し、腫瘍を剥離して重量を測定し、腫瘍生長に対する薬物の阻害率を算出する。t-検定法を用いて各グループ動物の腫瘍重量、腫瘍体積、RTVなどの指標差の統計学的意義を比較する。
【0297】
計算式は、以下のとおりである。
腫瘍阻害率(%)=(対照組平均腫瘍重量-治療組平均腫瘍重量)/対照組平均腫瘍重量×100
腫瘍体積(TV)=長さ×幅
2/2
相対腫瘍体積(RTV)の計算式は、V
t/V
0である。(V
0は、グループ分けて投与する際に測定したTV、V
tは、その後の毎回測定する際のTVである。)
抗腫瘍活性の評価指標は、相対腫瘍増殖率T/C(%)である。
T/C(%)=治療組(T)RTV/陰性対照組(C)RTV×100
【0298】
治療効果の評価基準:
T/C(%)>40は、治療が無効であることを意味する。
T/C(%)≦40で、且つ統計学処理を経てP<0.05であれば、治療が有効であることを意味する。
【0299】
実験結果:
観察よりわかるのは、実験観察が行われる25日間において、陰性対照グループ動物の体重が徐々に増加し、他の通常状態には明らかな変化がない。H460腫瘍の生長速度はやや早く、グループ分け開始時の腫瘍体積と比べて、陰性対照グループの実験終了時における相対腫瘍体積(RTV)の平均値は33.3である。
【0300】
陽性対照のタキソール注射液グループにおいて、24 mg/kgの投与量で2回投与する際にH460腫瘍生長に対して阻害作用を示し、投与回数の増加につれて腫瘍阻害率が徐々に高くなる。陰性対照グループと比較すると、4回目投与後における腫瘍阻害率は65%に達する。投与停止後、その効果が1週間ぐらい維持し、その後、治療効果が次第に減弱する。実験終了後に行った統計解析によると、腫瘍重量抑制率が61%で、腫瘍相対増殖率(T/C)が35.6%で、陰性対照グループと比べて統計学的有意差があり、治療効果が顕著であることが確認できる。実験と同時に観察できたのは、タキソール24 mg/kgの間隔投与2回後、動物は徐々に痩せて体重も次第に減り、グループ分け開始時に比べて平均で2g程度減り、投与停止してから1週間後に体重が一定程度で回復する。
【0301】
実験を始めてからの20日間において、MTC-220 10 mg/kgと5 mg/kg投与の二グループのマウス体重は、陰性対照グループと比べて基本的に同じレベルを維持し、その後の持続投与につれて当該二グループの体重が陰性対照グループと比べてやや減少する。MTC-220 5mg/kgの投与量で連続的に25日間投与する場合、腫瘍体積の増加速度は陰性対照グループと比べて明らかな差がない。10mg/kgの投与量で連続的に2週間投与した後、 H460腫瘍体積の測定値は陰性対照グループと比べて差を示し、実験終了時には、10mg/kg投与量グループの腫瘍体積抑制率が18.8%で、腫瘍体重抑制率が17.3%となる。
【0302】
MTC-220 20 mg/kgの投与量で10日間投与すると、腫瘍体積測定値が陰性対照グループと比べて差を示し、その後の投与につれて腫瘍生長速度が遅くなり、腫瘍阻害率が徐々に増加する。実験終了時には、腫瘍体重抑制率が52.9%で、腫瘍相対増殖率(T/C)が50.1%であり、陰性対照グループと比べて統計学的有意差がある。実験結果については、
図15-16と表3-4を参照することができる。
【0303】
【表3】
【0304】
【表4】
【0305】
実験結論:ヒト乳癌H460担癌マウスに対して腹腔注射にて25日間投与を行う場合、MTC-220 5 mg/kg、10 mg/kgと20 mg/kgの投与量でH460腫瘍生長に対して一定程度の阻害作用があり、その腫瘍阻害効果は投与量と関連性がある。その内、20 mg/kgの投与量グループが実験終了時において腫瘍重量に対する抑制率が52.9%で、相対腫瘍増殖率が50.1%で、陰性対照グループと比べて統計学的有意差を示している。
【0306】
実施例47:その他のMTC-220感性株のヌードマウス異種移植腫に対するスクリーニング結果
【0307】
実験目的:ヒト乳癌、肺癌、卵巣癌などの腫瘍細胞株のヌードマウス異種移植腫に対するMTC-220のインビボ作用を検討し、MTC-220の治療効果が良い感性株をスクリーニングし、同時に投与過程におけるヌードマウスの応答反応を観察する。
【0308】
実験動物:BALB/c nuマウスは、全て中国医学科学院実験動物所の飼育場より入手し、合格証号は、前と同じである。
【0309】
細胞株:実験用の腫瘍細胞株は、主に本研究室が継代培養したものであり、一部はATCCなどにより入手し、ヒト乳癌MX-1とMCF-7、ヒト卵巣癌A2780とヒト卵巣透明細胞癌ES-2、及びヒト肺癌H1975とA459などが用いられる。
【0310】
実験方法:
1. グループ設定は、陰性対照グループと、一つのMTC-220投与グループのみである。
2. 基本方法として、実施例52、実施例52と同じであり、以下の実験記述において更に具体的に詳述しない。
3. 投与量及び治療周期については、前期実験に基づき且つ治療効果が確実である範囲内で選び、最も短い治療周期は、30 mg/kg/日投与量で、一回の実験において最大で12日間投与を行う。
【0311】
実験結果:
MTC-220投与後、動物が負荷しているMCF-7腫瘍が進行的に縮小する。10回目投与を行う際には、その全体にかけていずれも相当小さくなり、投与を停止して観察を行う。更に1週後、当該腫瘍は徐々に消える。引き続き3週間の観察を行い、腫瘍発生がないと確認できる。但し、乳癌MCF-7腫瘍の生長速度が遅いので、接種から50日余り観察を行い、陰性対照グループの腫瘍体積が600 mm3の大きさより以下であることが確認できる。実験結果が確実であると確認し、観察を中止する。
【0312】
体重変化については、図面によって示されるように、薬物投与は、動物体重に一定程度の影響があり、体重が投与期間において減少する傾向を示す。投与停止後、動物体重が増加し、陰性対照グループの変化とほぼ平行になる。実験結果については、
図17-18と表5-6を参照することができる。
【0313】
【表5】
【0314】
【表6】
【0315】
実験結果(2):
MTC-220投与期間において、A459腫瘍が徐々に縮小するが、消えることはない。投与停止してから1週間後、1匹のマウスの腫瘍が消える。投与グループの平均腫瘍体積は、投与停止してから2週間内において基本的に投与停止時の大きさを保持しており、生長することはないと見られる。
【0316】
体重変化については、図面によって示されるように、薬物投与は、体重に対して明らかな影響がないが、体重が投与期間において進行的に減少する。投与停止してから数日後、体重が減少することが確認でき、投与停止してから1週間後に1匹のマウスの死亡が確認された。その他の動物については、体重が徐々に回復することが確認できる。実験結果については、
図19-20と表7-8を参照することができる。
【0317】
【表7】
【0318】
【表8】
【0319】
実験結果(3):
MTC-220投与は、肺癌H1975腫瘍生長に対して非常に顕著な阻害作用があり、投与期間において、薬物投与グループの腫瘍平均体積が徐所に減少し、一部のマウスにおいて腫瘍が消えることが確認できる。実験結果については、
図21-22と表9-10を参照することができる。
【0320】
【表9】
【0321】
【表10】
【0322】
MTC-220の抗腫瘍スペクトルについてのスクリーニング結果の検討
MTC-220を用いてヒト乳癌、肺癌、卵巣癌などの複数のヌードマウス異種移植腫についてスクリーニングを行った結果、MTC-220を30 mg/kgの投与量で連続的に10~12回腹腔注射すると、スクリーニング実験で使う腫瘍の生長に対して効果的には一定程度の差があっても薬物投与の阻害作用が確実であることが確認できる。
【0323】
実験より観察されたのは、MTC-220は、乳癌MX-1に対してその阻害作用が微弱である。卵巣癌A2780とES-2腫瘍に対して一定程度の阻害作用を示したが、いずれも有効基準に達していないことが確認された。乳癌MCF-7、肺癌A459とH1975腫瘍に対しては、MTC-220が非常に顕著な治療効果を示した。観察で確認されたように、MTC-220の感性腫瘍株において、担癌マウスの腫瘍体積が薬物投与過程において徐々に減少し、投与停止後も持続的に縮小し、一部マウスの腫瘍が消えた。その内、肺癌A459とH1975モデルにおいて、実験終了時の腫瘍阻害率がいずれも80%以上で、腫瘍相対増殖率(T/C)値がいずれも30%以下で、且つ陰性対照グループと比べて統計学的有意差を呈した。MTC-220は、乳癌MCF-7腫瘍生長に対して非常に顕著な阻害作用を示し、連続で10回投与する場合、受験動物グループの腫瘍が完全に消えることが確認された。
【0324】
結論:MTC-220は、乳癌及び肺癌に対して抗腫瘍作用が強く、特に、MDA-MB-231、MCF-7、H460、及びH1975とA459などの腫瘍株の移植腫に対して最も効果的である。
【0325】
実施例48:MTC-220の抗マウス乳癌自然転移
【0326】
マウス乳癌細胞株(4T1、ATCC CRL2539)は、中国科学院生物物理研究所の梁偉教授より提供されるものである。細胞培養は、10%牛胎児血清(Hyclone Crop, USA)、1%グルタミンと1%ペニシリン-ストレプトマイシンを含む1640培地(Gibco)で行う。
【0327】
対数増殖期の4T1細胞を集め、細胞濃度が2×106/mLとなるように調整する。雌性のBALB/cマウスを取り、腹部右側の4番目の乳腺脂肪組織内に4T1細胞を接種し、移植量は2×105/0.1mLである。接種してから5日目、マウスをランダムで五つのグループに分け、グループ毎に8匹である。それぞれタキソール(3 mg/kg)、MTC-220(2.5 mg/kg、5 mg/kg、10 mg/kg)または対照溶媒を腹腔注射にて投与し、その後の投与頻度は、1日1回である。接種後の9日目から、2日置きにノギスで一回腫瘍の長径と短径を測定し、算式(1/2)×長径×(短径)2で腫瘍の大きさを算出する。接種してから28日目に投与を終了し、頸椎脱臼法でマウス殺して体重を測定する。解剖して腫瘍、脾臓、肺臓を取リ出し、それぞれの重量を測定する。肺臓をBouin’s固定液に入れて24時間固定し、肺表面の転移結節数をカウントする。Mann-Whitney Uテストで肺転移結節数について統計学検定を行う。
【0328】
実験結果に示されているように、MTC-220が4T1マウスの肺転移結節数を著しく低減し、溶媒対照グループと比べる時に統計学的有意差を示し(P<0.01)、且つ用量依存性を示した。しかし、タキソールグループのマウスの肺転移結節数は、いずれも顕著な改善が見られなかった。溶媒対照グループと比べて、MTC-220とタキソールは共に原発性腫瘍の生長を著しく抑えた。実験過程において、MTC-220について明らかな毒性副作用が確認されなかった。実験結果については、
図23-25と表11を参照することができる。
【0329】
【表11】
【0330】
実施例49:MTC-220の抗マウス肺癌自然転移
【0331】
Lewis肺癌担癌のC57B1/6マウスを頸椎脱臼法で殺した後、解剖して腫瘍を取り出し、無菌条件下において腫瘍細胞懸液(5×106個/mL)を調製する。24匹のC57B1/6マウスを取り、脇部皮下に腫瘍細胞懸液を接種し、接種量は0.2mL/1匹(1×106個腫瘍細胞)である。接種後の3日目に、マウスをランダムに三つのグループに分け、グループ毎に8匹である。タキソール(6 mg/kg)、MTC-220(10 mg/kg)及び対照溶媒をそれぞれ腹腔注射にて投与し、投与頻度は1日1回である。接種後の7日目から、2日置きにノギスで一回腫瘍の長径と短径を測定し、算式(1/2)×長径×(短径)2で腫瘍の大きさを算出する。接種してから18日目に投与を終了し、頸椎脱臼法でマウス殺して体重を測定する。解剖して腫瘍、脾臓、肺臓を取リ出し、それぞれの重量を測定する。肺臓をBouin’s固定液に入れて24時間固定し、肺表面の転移結節数をカウントする。Mann-Whitney Uテストで肺転移結節数について統計学検定を行う。
【0332】
実験結果に示されているように、MTC-220がLCCマウスの肺転移結節数を著しく低減し、溶媒対照グループと比べる時に統計学的有意差を示した(P<0.05)。しかし、タキソールグループのマウスの肺転移結節数は、いずれも顕著な改善が見られなかった。溶媒対照グループと比べて、MTC-220とタキソールは共に原発性腫瘍の生長を著しく抑えた。実験過程において、MTC-220について明らかな毒性副作用が確認されず、マウス体重が増加する傾向を示した。実験結果については、
図26-28と表12を参照することができる。
【0333】
【表12】
【0334】
実施例50:MTC-220の抗マウスLewis肺癌人工転移
【0335】
Lewis肺癌担癌のC57B1/6マウスを頸椎脱臼法で殺した後、解剖して腫瘍を取り出し、無菌条件下において腫瘍細胞懸液(1.5×106個/mL)を調製する。50匹のC57B1/6マウスを取り、静脈注射で腫瘍細胞懸液を接種し、接種量は0.2mL/1匹(3×105個腫瘍細胞)である。接種後の2日目に、マウスをランダムに五つのグループに分け、グループ毎に10匹である。タキソール(3 mg/kg)、MTC-220(2.5 mg/kg、5 mg/kgまたは10 mg/kg)及び対照溶液をそれぞれ腹腔注射にて投与する。連続投与してから28日後に投与を終了し、頸椎脱臼法でマウス殺して体重を測定する。解剖して脾臓、肺臓を取リ出し、それぞれの重量を測定する。肺臓をBouin’s固定液に入れて24時間固定し、肺表面の転移結節数をカウントする。Mann-Whitney Uテストで肺転移結節数について統計学検定を行う。
【0336】
実験結果に示されているように、MTC-220がLCCマウスの肺転移結節数を著しく低減し、溶媒対照グループと比べる時に統計学的有意差を示し、且つ用量依存性を示した。しかし、タキソールグループのマウスの肺転移結節数は、いずれも顕著な改善が見られなかった。実験結果については、
図29と表13を参照することができる。
【0337】
【表13】
【0338】
実施例51:MTC-220単回投与の毒性実験
【0339】
実験方法:国家食品薬品監督管理局が発行する「細胞毒性類の抗腫瘍薬物の非臨床研究技術に関する指導原則」と「化学薬物急性毒性の研究技術に関する指導原則」を参照し、最大投与量法を用いてICRマウスのMTC-220静脈注射単回投与による毒性実験を行う。
【0340】
実験結果:112.5 mg/kgの投与量で動物へMTC-220を静脈注射にて投与した後、薬物投与組で一部の動物の自発的活動が減少し、個別の動物が飛び上がりの症状を見世、約10分後には回復することが確認できる。溶媒組(エポキシ化ヒマシ油:DMSO:生理塩水=5:5:90、体積比)及び対照組には異常がなかったと確認できる。14日間にかけて連続的に観察を行い、各組の動物の行為、自発的活動と身体状態がいずれも正常であり、1匹の死亡もなかったことが確認できる。
【0341】
各投与組、溶媒組の動物の体重は、対照組と比べる時に明らかな差がない。解剖学検査より、各組の動物の心臓、肝臓、脾臓、肺臓、腎臓、胃腸などの諸臓器は異常な変化がなかったことが確認される。
【0342】
実験結論:112.5 mg/kgでICRマウスへMTC-220を静脈注射にて一回投与した後、動物には明らかな毒性症状及び死亡状況が見られず、ICRマウス静脈注射における当該テストサンプルのMTD値は、その最大投与量(112.5 mg/kg)より大きいと確認できる。
【0343】
以上の薬理学的実験結果及び 単回投与の毒性実験結果が示されたように、タキサン類抗腫瘍試薬とムラミールジペプチド簡易体の抱合体は、その設計の考案が合理的で、且つ一類の安全な新規化合物であり、新型の抗腫瘍及び抗腫瘍転移のデューアル機能を備える新薬の開発に有用である。