(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記収納モジュールが、他の構造を受けかつ支持できるだけでなく、構造体内の負荷支持部品としても機能できる負荷支持構造体である、請求項1記載のコンピュータ処理システム。
前記マルチ平面状コンピュータ部品が、前記収納モジュール内に3基板構造に配置された電気プリント回路基板を備えている、請求項1記載のコンピュータ処理システム。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本明細書において、全体を説明し、図面に示す本発明の部品は、種々の異なる配置に配置し、設計できることが容易に理解できよう。従って、
図1〜14Bに示されている本発明のシステムおよび方法の実施例の次のより詳細な説明は、特許請求の範囲に記載の発明の範囲を限定するものではなく、本発明の現時点で好ましい実施例を単に示すにすぎない。
【0022】
以下、図面を参照すれば、本発明の現時点で好ましい実施例について最良に理解できよう。図中、同様な部品は同様な番号で示す。
【0023】
本発明は、ユニークで、所有権のある非周辺機器に基づく処理制御ユニットおよびこの所有権のある非周辺機器に基づく処理制御ユニット内に種々の回路およびその他のコンピュータ部品を収納し、または具現化するのに利用される収納モジュールを提供するための方法およびシステムに関するものであり、非周辺機器に基づく処理制御ユニットに関連し、本発明は、収納モジュールの戦略的な設計および組み立てに関し、処理制御ユニット内に存在し、機能する処理部品、回路およびその他の部品から生じる、処理制御ユニットからの熱を放散または伝達するためのユニークな方法およびシステムにも関する。
【0024】
以下、2つの主な説明の章において、本発明の特定の特徴および特性について説明する。第1章および説明の領域は所有権のある非周辺機器に基づく処理制御ユニット、すなわち処理制御ユニットの部品を具現化するようになっている所有権のある収納モジュールまたはハウジングの特定の物理的な特性、特徴、機能、能力および利点に焦点を絞り、これらについて記載するものである。第2章は処理制御ユニット、すなわち熱発生特性および処理制御ユニットのない得からの熱を放散させ、または処理制御ユニットを冷却するのに使用されるユニークなデバイス、システム、設計要素および部品を含む収納モジュールの熱力学について焦点を絞る。
【0025】
所有権のある収納モジュール
特に
図1および2を参照すると、一実施例における本発明の特徴および図面は、斜視図に示された所有権のある非周辺機器、すなわち非周辺機器に基づく処理制御ユニット2(以下、処理制御ユニット2と称す)を示す。最も簡単な形態では、処理制御ユニット2は所有権のある収納モジュール10(以下収納モジュール10)のみならず、(
図8に示された)所有権のあるプリント回路基板構造も含む。処理制御ユニット2は収納モジュールの特定の計算された設計により、従来の処理ユニットまたは計算機では見られない非並列的なコンピュータ処理上の利点および特徴を提供する。本明細書に説明し、請求の範囲に示した本発明の処理制御ユニットは、従来のコンピュータまたは処理制御ユニットから完全な概念上のシフト、すなわちパラダイムのシフトを提供するものであり、特許請求の範囲に要旨として記載した、下記の明細書の要旨からこのパラダイムのシフトが明らかとなろう。
【0026】
図1および2は完全に組み立てられた状態にある処理制御ユニット2を示し、ここでは処理制御ユニット2の主な部品の多くが示されている。説明するように、処理制御ユニット2は収納モジュール10を含み、この収納モジュール自身は
図3により完全に示されているような、かなり特徴のあるユニークな支持構造体および幾何学的構造を有する。一実施例および好ましい実施例では、この収納モジュール10はメインサポートシャーシ14と、第1インサート66と、第2インサート70と、第3インサート74(図示せず)と、ダイナミックな背面34(図示せず)と、第1エンドプレート38と、第2エンドプレート42(図示せず)と、第1エンドキャップ46と、第2エンドキャップ50とを備え、1つ以上の処理部品およびその他のコンピュータ部品、例えばプリント回路基板、処理チップおよびそれらの内部に配置された回路のための密閉されたハウジング、すなわち収納体を提供している。
【0027】
図3および4はメインサポートシャーシ14およびこのメインサポートシャーシ14に取り付けまたは結合されるようになっている収納モジュール10の部品の一部の実施例を示す。これら部品は図示するように、取り外し自在にメインシャーシ14に結合され、本明細書に説明するように、処理制御ユニット2のユニークな特徴および機能を可能にするようになっていることが好ましい。メインサポートシャーシ14は収納モジュール10および処理制御ユニット2のための第1サポート構造体として働く。その小さい寸法および所有権のある構造によって、従来技術の設計で見られなかった利点が得られている。基本的には、メインサポートシャーシ14は任意の追加的物理的アタチメント、処理部品およびその他の回路基板部品を含む処理制御ユニット2の部品に対する構造的支持体となるだけでなく、処理制御ユニット2を任意のタイプの環境に適合できるようにすること、例えば任意の公知の構造体またはシステムに組み込みできるようにしたり、クラスター状およびマルチ環境で使用できるようにしている。
【0028】
特に図面の各々に示されるように、処理制御ユニット2および特に収納モジュール10は、基本的にはキューブ(立方)状の構造から成り、この構造ではメインサポートシャーシ14のうちの第1壁サポート18、第2壁サポート22および第3壁サポート26が、取り付けられたときのダイナミックな背面34と共に収納モジュール10の4つの側面を構成し、この場合、収納モジュール10の各コーナーに1つの合体モジュール54が位置する。
【0029】
接合センター54は第1壁サポート18と、第2壁サポート22と、第3壁サポート26とを一体に接合するだけでなく、ベースを提供するように機能し、このベースには下記のエンドプレートを取り付けできる。取り付け受け部90内へ挿入される取り付け手段を使ってメインサポートシャーシ14にエンドプレートが結合される。取り付け受け部は
図3ではアパーチャとして示されており、使用する取り付け手段の特定のタイプに応じてこのアパーチャにネジ切りしてもいし、しなくてもよい。接合センター54は更に下記のように処理制御ユニット2内に存在する所有権のあるプリント基板構造に対するメインサポートおよび接合センターとなっている。
図3に示されるように、1つ以上のチャンネル状基板受け部62内にプリント回路基板を挿入し、固定することができる。
図3に示し、本明細書に説明する特定の構造は、処理制御ユニット2内にプリント回路基板を固定し、係合するための一実施例または手段の一例にすぎない。当業者であれば認識できるように、その他の構造、組立体または装置を想到し、使用することができよう。例えば処理部品を固定するための手段として、ネジ、リベット、縛り嵌めおよびその他の一般に知られているものが挙げられる。
【0030】
メインサポートシャーシ14は更に1つ以上のインサート部材上に位置する対応するインサートを受けるようになっている複数のスライド受け部82、ダイナミックな背面または2つ以上の処理制御ユニットを一体に結合するか、または処理制御ユニットを別の構造体、例えばテンペスト(Tempest)スーパー構造体内に組み込みできるようにするのに使用されるあるタイプの取り付けブラケットを更に含む。スライド受け部82は構造体の適当な要素または構造体、もしくはデバイス自身を取り込むか、または受けるのにも使用でき、この場合、処理制御ユニットおよび特に収納モジュールは負荷支持部材として働く。処理制御ユニット2が負荷支持部材として機能できる能力は、そのユニークなシャーシ構造から得られる。例えば処理制御ユニット2は2つの構造体を一体に架橋し、かつ構造体の全体の構造的支持および安定性に寄与するように使用できる。更に、処理制御ユニット2はメインサポートシャーシ14に直接取り付けられた負荷を支持できる。例えば処理制御ユニット2によってコンピュータスクリーン、すなわちモニタ170を物理的に支持し、プロセス制御できる。別の例として種々の家庭用器具、例えば照明器具またはブレーカーボックスなどを物理的に支持し、プロセス制御するのに処理制御ユニット2を使用できる。更に、必要であれば、処理制御ユニット2に増設ヒートシンクアセンブリを同じように結合してもよい。その他の多くの可能な負荷支持状況または環境が可能であり、本発明においてこれらを考えつくことができる。従って、本明細書で特に引用するものは単に説明のためのものであり、発明をいかなる意味でも限定するものではない。スライド受け部82はメインサポートシャーシ14の接合センター54の長さにわたって走行する実質的に円筒形のチャンネルとして示されている。これらスライド受け部82は外部部品をメインサポートシャーシ14に結合する1つの手段しか含んでいない。当業者が認識するように、上記のような種々の部品を取り付けるための手段を提供する意図する機能を実施するのに、その他の構造または組立体も可能であり、これらを使用することができる。
【0031】
図3および4はメインサポートシャーシ14および特に第1壁サポート18、第2壁サポート22および第3壁サポート26の凹状の性質を更に示す。第1インサート部材66、第2インサート部材70および第3インサート部材74は対応する凹状構造を構成している。これら部品の各々は第1壁サポート18が第1インサート16内に対して設計された一致する曲率半径に対応するような曲率半径20を有するように、特別に計算された曲率半径を更に有する。同様に、第2壁サポート22は第2インサート70に対して設計された一致する曲率半径に対応するような曲率半径24を有し、第3壁サポート26は第3インサート74に対して設計された一致する曲率半径に対応するような曲率半径28を有する。
図5および6に示されるように、エンドプレート38および42のみならず、エンドキャップ46および50の各々は、メインサポートシャーシ14の凹状構造プロフィルに一致するような同様な構造プロフィルを有する。これら図に示された実施例では、壁サポートは約7.2cm(約2.8インチ)の曲率半径を有し、インサート部材は約6.9cm(約2.7インチ)の曲率半径を有する。凹状構造および計算された曲率の各々はメインサポートシャーシ14の構造全体の剛性および強度に寄与するだけでなく、処理制御ユニット2の熱力学的熱放散特性にも寄与する。例えば後により詳細に説明する自然対流式冷却システムでは、この凹状構造は収納モジュール10の外側の、主に上のコーナーへの加熱された空気の分散を促進するので、熱または加熱された空気を処理制御ユニット2の内側部分の頂部および中心から上部左右のコーナーに向けて分散できこれらコーナーにおいて熱および加熱された空気は換気ポート98を通って逃れたり、またはこれらコーナーにおいて収納モジュール10の頂部を通って更に伝達できる。必要に応じて収納モジュール10の構造を最適にするためにこれら要素の曲率半径が互いに異なるような別の実施例を想到することができる。
【0032】
好ましい実施例では、メインサポートシャーシ14は処理制御ユニット2およびその内部に含まれる部品に対して極端に強力な支持構造体となるように設計され、そのような構造とされたフルメタルシャーシを含む。正常な状況および極端な状況でも、このメインサポートシャーシ14は種々の外部ソース、例えば従来のコンピュータ収納体を通常変形または抑止させるか、またはそれらの能力を他の環境または極端な環境で使用するように制限させるような外部ソースから生じる極めて大きい印加衝撃力に耐えることができる。基本的には、メインサポートシャーシ14は処理制御ユニット2に対する実質的に破壊不能なコンピュータ収納体を提供する主な寄与部材となっている。コンピュータ収納体のこのようなユニークな特徴は、幾何学的形状、これら部品が一体に適合している方法、それらの材料の組成およびその他の要因、例えば材料の厚みを含む、収納モジュール10を製造するのに使用されている部品の特定のデザインに直接関連している。特に収納モジュール10は完全にアール状に製造することが好ましく、存在するほとんどどの特徴部および要素もアールを含む。このようなアールの原理は処理制御ユニット2に加えられる負荷が処理制御ユニット2の外側エッジに伝えられるように機能するのに使用されている。従って、収納モジュール10の頂部に負荷または圧力が加えられた場合、その負荷は側面に沿って頂部およびベースに伝えられ、かつ実質的に収納モジュール10のコーナーへ伝えられる。基本的には、加えられたすべての負荷は最大強度が集中している処理制御ユニット2のコーナーへ伝えられる。
【0033】
処理制御ユニット2およびその部品、すなわち収納モジュール10、メインサポートシャーシ14、インサート66、70および74、ダイナミックな背面34およびエンドプレート38、42の各々は、押し出しプロセスを使って金属から製造することが好ましい。一実施例では、メインサポートシャーシ14、第1インサート66、第2インサート70および第3インサート74、ダイナミックな背面34および第1エンドプレート38および第2エンドプレート42は、収納モジュール10に強力で軽量の特性を与えるために高級アルミニウムから製造されている。更に金属ケーシングを使用することによって良好な熱伝達特性が得られている。アルミニウム、種々のグレードのアルミニウムおよび/またはアルミ複合材料から製造することが好ましいが、ユーザーの特定のニーズおよび/または要求に応じて他の種々の金属、チタン、銅、マグネシウム、新しく得られたハイブリッド金属合金、スチールおよび他の金属、ならびに金属合金だけでなく、プラスチック、グラファイト、複合体、ナイロンまたはこれらの組み合わせを使用し、収納モジュール10の主要部品を製造できる。基本的には処理制御ユニットのための意図する環境または処理制御ユニットの使用は、製造される部品の特定の材料の組成を大きく決定する。説明するように、本発明の重要な特徴は、種々の異なる、および/または極端な環境内において、種々の用途に対し、処理制御ユニットを適合し、使用できる能力にある。このように、処理制御ユニットの特定の設計は適当な材料を利用しようとする努力に応じて決まる。表現を変えれば、本発明の処理制御ユニットは意図する用途に鑑み、ニーズを最良に満たす所定の特別に識別された材料組成を使用しようとするものである。例えば液体冷却式モデルまたは構造では処理制御ユニットに対する絶縁特性をより大きくするのに、チタンのようなより密な材料を使用できる。
【0034】
好ましいアルミニウムの組成を仮定した場合、収納モジュール10は極めて強力で軽量となり、移動が容易であるので、エンドユーザーおよびメーカーの双方に対して大きな利点を提供できる。例えばエンドユーザーの見地から、従来の関連するコンピュータを使用できないような種々の環境内での使用に適す。更にエンドユーザーは基本的には見かけをよりすっきりとし、あまり散らかっていない部屋にし、またはより美的に魅力のあるワークステーションを提供するよう、基本的には処理制御ユニット2を隠したり、マスクしたり、カモフラージュしたりすることができる。
【0035】
製造の見地から、収納モジュール10および処理制御ユニット2は1つ以上の自動化された組み立てプロセス、例えば上記のような部品の各々を設置し、または組み立てるための自動化されたロボットプロセスと結合された自動化されたアルミ押し出しプロセスを使って製造できる。押し出しプロセスおよびロボット組み立てプロセスを適用できる結果、収納モジュール10を迅速に大量生産できることも同じように有利である。当然ながら、処理制御ユニットの特定の用途および所望する特定の特性に応じて、他の公知の方法、例えばダイキャストおよび射出成形、手による組み立てを使って処理制御ユニット2を製造することもできる。
【0036】
更に収納モジュール10はサイズが小さく、比較的軽量であるので、出荷コストだけでなく製造コストも大幅に低減される。
【0037】
図4を参照すると、ここには収納モジュール10の主要部品、すなわちメインサポートシャーシ14の側面に取り外し自在に取り付けまたは結合されるようになっているいくつかのインサートおよびメインサポートシャーシ14が示されている。
図4はメインサポートシャーシ14の後部部分に取り外し自在に取り付けまたは結合されるようになっているダイナミックな背面34も示す。
【0038】
特に第1壁サポート18に第1インサート66が取り付けられており、第2壁サポート22には第2インサート70が取り付けられており、第3壁サポート26には第3インサート74が取り付けられている。更に第1インサート66、第2インサート70および第3インサート74、ならびに第1壁サポート18、第2壁サポート22および第3壁サポート26の各々は実質的にこれらを入れ子状に、一体に嵌合できるよう、ほぼ同じ曲率半径を有する。
【0039】
第1インサート66、第2インサート70および第3インサート74の各々はメインサポートシャーシ14を結合するための手段を構成する。
図4に示された一実施例では、各インサートはインサートの両端部に位置する2つのインサート係合部材78を含み、これら係合部材78はメインサポートシャーシ14内に形成された外部部材に係合またはこれを結合するための手段内に嵌合されるようになっている。図示された実施例では、この外部部材係合手段は
図3に示され、かつ上記のようなメインサポートシャーシ14に沿って位置する複数のスライド受け部82を含む。その他の手段、例えばスナップ、ネジ、リベット、連結システムおよび当技術分野で一般に知られるその他の手段を含む種々のアタッチメントを利用する他の手段も使用が可能である。
【0040】
ダイナミックな背面34はメインサポートシャーシ14を解放自在に結合するようにもなっており、かつこのように結合できる。ダイナミックな背面34はメインサポートシャーシ14を係合するための手段を含む。図示された実施例では、この係合手段はダイナミックな背面34の両端に位置する2つの係合部材86から構成されている。これら係合部材86はインサート66、70および74がそれぞれの位置においてメインサポートシャーシ14に取り付けられているのと同じように、ダイナミックな背面34をメインサポートシャーシ14に取り外し自在に取り付けるよう、メインサポートシャーシ14の後部部分に沿ったそれぞれの位置(スペース30として示されている)にてスライド受け部82内に嵌合している。これら特定の特徴はいくつかの可能な構成、構造または組み立てのうちの1つとして意図したものである。従って、当業者であれば、図面に特別に示し、本明細書で説明したものと異なる、ダイナミックな背面34をメインサポートシャーシ14に取り付けるのに利用できる別の手段も想到できよう。
【0041】
外部部材を係合するための手段および特にスライド受け部82は、種々のタイプの外部部材、例えばインサート66、70および74、ダイナミックな背面34、取り付けブラケット、別の制御処理ユニットまたは他の必要なデバイス、構造体またはアセンブリを解放自在に結合できる。
図4に示されるように、スライド受け部82は各インサートを必要に応じて内外にスライドできるよう、対応する結合部材78に解放自在に係合する。上記のように、本発明ではメインサポートシャーシ14を結合するための他の手段および外部部材を結合するための他の手段も使用でき、これら手段は当業者には明らかとなろう。
【0042】
各インサートおよびダイナミックな背面34をメインサポートシャーシ14に取り外し自在に、すなわち解放自在に結合できるようにすることにより、従来の関連するコンピュータ収納体よりも大きな、いくつかの処理制御ユニット2の利点が得られる。例えば限定する意図は全くないが、第1インサート66、第2インサート70および第3インサート74を美的な観点から除去したり、置換したり、または交換してもよい。これらインサート部材は異なるカラーおよび/またはテクスチャーを有することができるので、処理制御ユニット2を特定の好みに合わせたり、または所定の環境または設定により適合できるようにカスタム化することができる。更に各エンドユーザーが特定のユニットの外観および全体の感じを指定できるようにすることによって、より大きな汎用性が得られる。取り外し自在な、または相互交換可能なインサート部材は、任意の会社エンティティまたはユニットを使用する個人に対して(例えばロゴまたは商標を付けることにより)処理制御ユニット2をブランド化する能力も提供できる。これら部材がメインサポートシャーシ14の外側にあるので、インサート部材は必要な形態またはブランドをとることができる。
【0043】
美的な観点とは別に、その他の利点も認識される。より高いレベルの汎用性では、外部部材に係合するための手段は処理制御ユニット2に、ロバストで、かつカスタム化できる能力を提供する。すなわち処理制御ユニット2をモバイル設定または所有権のあるドッキングステーションにドッキングでき、このドッキングステーションで処理制御ユニットは任意の考えつくことができる物体、例えばボート、自動車、飛行機およびこれまで処理制御ユニットを含むことができなかったその他のアイテムまたはデバイスに対する制御ユニットとして働くことができる。これらの場所はこれまではそのようにすることが困難または現実的ではなかった場所である。
【0044】
図5を参照すると、ここにはメインサポートシャーシ14の第1端部部分40および第2端部部分44にそれぞれ結合し、処理制御ユニット2の内部の内外に空気を流入または流出させることができるようにするための手段を提供するように機能する、第1エンドプレート38または第2エンドプレート32の1つの図が示されている。第1エンドプレート38および第2エンドプレート42は(
図6に示される)第1エンドキャップ46、第2エンドキャップ50と共にそれぞれ機能し、収納モジュール10に対する保護機能カバーとなっている。第1エンドプレート38および第2エンドプレート42は(
図1に示されるような)取り付け手段110を使って、メインサポートシャーシ1414に取り付けられており、この取り付け手段110としては、一般に種々のタイプのネジ、リベットまたは当技術分野で一般に知られているその他の締結具を挙げることができるが、当技術分野で一般に知られているように、メインサポートシャーシ14に対し、第1エンドキャップ46および第2エンドキャップ50と共に、第1エンドプレート38および第2エンドプレート42を取り付けるためのその他のシステムおよび装置を挙げることもできる。一実施例では、この取り付け手段110はメインサポートシャーシ14の4つのコーナーにおいて、合体モジュール54内に位置するそれぞれの取り付け受け部90(
図3には取り付け受け部90および合体モジュール54が示されている)に嵌合できるネジを含む。
【0045】
第1エンドプレート38および第2エンドプレート42は構造的にはメインサポートシャーシ14の端部部分40および44に整合するような幾何学的形状および構造を含む。特に
図5に示されるように、第1エンドプレート38および第2エンドプレート42の周辺プロフィルは一連の凹状エッジを含み、各エッジはそれぞれの壁サポートおよびダイナミックな背面の曲率半径に一致するような曲率半径を有する。基本的には、エンドプレート38および42は、収納モジュール10の形状がどんなものであれ、その形状に一致することにより、収納モジュール10の端部を閉じるように働く。
【0046】
第1エンドプレート38および第2エンドプレート42の主な機能の1つは、収納モジュール10に対する空気の流入および流出を容易にするか、または可能にするための手段を提供することにある。
図5に示されるような実施例では、かかる手段はエンドプレート38および42の表面に沿って間欠的に離間し、これらプレートを貫通する複数のアパーチャ、すなわち換気ポート98を含む。下記の熱力学の章で説明するように、一実施例ではコンピュータ処理センター2は内部に収納された処理部品を冷却するのに自然対流を利用している。エンドプレート38および42に換気ポート98を設けたことにより、周辺空気は処理制御ユニット2の内部に進入することができ、他方、プロセッサおよび処理制御ユニット2内にある他の部品から生じた加熱された空気は、内部から外部環境へ流出できる。このような自然の物理現象により、加熱された空気は上昇し、より低温の空気が収納モジュール10に吸引されるにつれ、加熱された空気は収納モジュール10から強制的に排出される。周辺空気のこのような流入および加熱された空気の流出によって、処理制御ユニット2は自然の対流冷却系を利用して、処理制御ユニット2内で機能または作動するプロセッサおよびその他の内部部品を冷却できる。換気ポート98は多数あり、エンドプレート38および42の表面積の大部分、特に外側周辺領域に広がり、空気冷却式モデル内の内部部品の冷却を高め、かつ効率的にできることが好ましい。換気ポート98は空気流を最適にし、収納モジュール10への部分流れを制限するように、正確な仕様となるように機械加工されている。一部の流れを制限することにより、ゴミおよびその他のほこりまたは粒子が収納モジュール10の内部に進入することが防止できる。モジュール10内にこれらほこりが入った場合、処理制御ユニット2を破壊したり、または性能を低下させることがある。換気ポート98は空気粒子しか通過できないようなサイズとされている。
【0047】
収納モジュール10は金属製であることが好ましいので、収納体にほこりおよびその他の粒子またはゴミが付着するのを防止するように、構造全体またはその一部を正または負に帯電させることができる。かかる静電電荷は静電電荷がほこりまたはその他の要素をジャンプし、メインボードを破損する可能性も防止できる。静電電荷を設けることは単に逆のイオンフィルタリングすることと同様である。収納モジュール10を負に帯電させることにより、すべての正に帯電したイオン(すなわちほこり、ゴミなど)が反撥される。
【0048】
図6は第1エンドキャップ46および第2エンドキャップ50を示し、これらキャップは第1エンドプレート38および第2エンドプレート42にそれぞれフィットするだけでなく、メインサポートシャーシ14の各端部部分40および44にもフィットするようになっている。これらエンドキャップはあるタイプの衝撃吸収プラスチックまたはゴムから製造し、処理制御ユニット2の保護ワイヤーとなるだけでなく、全体の外観および感じをよくするようにも働く。
【0049】
好ましい一実施例では、処理制御ユニット2は従来のコンピュータ収納体と比較してかなり狭い設置面積、すなわちサイズを有する。例えば一実施例では、その幾何学的寸法は長さが約9.1cm(約3.6インチ)であり、幅が約9.1cm(3.6インチ)であり、高さが約9.1cm(3.6インチ)であり、これら寸法は従来の関連する処理制御ユニット、例えばデスクトップコンピュータまたはほとんどのポータブルコンピュータ、すなわちラップトップよりもかなり小さい。寸法上小さくなっている特徴の外に、処理制御ユニット2はかなりユニークな幾何学的特徴も有する。
図1および2はこのユニークな形状、すなわち幾何学的形状を示しており、これら形状のほとんどは既に説明したとおりである。これら寸法および幾何学的特徴は、形態に所有権があり、各特徴は処理制御ユニット2の特定のユニークな機能上の特徴および性能に寄与している。更にこれら特徴は、従来の関連する処理制御ユニットには見られなかった大きな特性および利点も提供している。言い換えれば、本明細書に記載し、図示したような処理制御ユニット2の所有権のある設計によって、このユニットは、従来の関連するコンピュータ収納体および処理ユニットでは不可能であった態様および環境でも作動できる。
【0050】
処理制御ユニット2は任意のサイズおよび/または幾何学的形状をとることができることを指摘することが重要である。好ましい実施例では、処理制御ユニット2は約9.1cm×9.1cm×9.1cm(3.6×3.6×3.6)サイズの実質的にキューブ(立方)形状となっているが、本発明の範囲では他の寸法および形状も可能である。特に本明細書で述べたように、この処理制御ユニットは当業者が想到できるような種々の構造またはスーパー構造での使用にも適合できる。このような意味において、処理制御ユニット2は使用する環境の物理的属性をとることができるような適当な寸法および構造を含むことができなければならない。例えば処理制御ユニットを薄いハンドヘルド装置内で使用しなければならない場合、このユニットは薄いプロフィルの物理構造を有するように製造されるので、好ましい実施例のキューブ(立方体)形状とは異なったものとなる。このように処理制御ユニット2内で使用される種々のコンピュータおよび処理部品は関連するサイズ、形状および構造となることもできる。
【0051】
処理制御ユニット2はそのサイズから明らかなように、一般に従来のコンピュータ収納体、例えばデスクトップパソコンまたはラップトップパソコンで一般に見られるような周辺部品を全く含まない。従って、「非周辺機器に基づく」なるフレーズが使用されている。処理制御ユニット2は所有権のある非周辺機器構造を有し、この場合「周辺」なる用語は従来技術で一般に公知の、かつ従来のコンピュータ収納体に一般に収納されるようないくつかのタイプの現在の部品のうちの1つまたは全てを有する。周辺デバイスは処理制御ユニット2にプロセス結合することが好ましいが、ユニットの構成には物理的に含まれないことが好ましい。本明細書に説明した方法を使って、例えばスライドオンシステムまたはスナップオンシステムを使って周辺デバイスを取り付けたり、結合したりできる。しかしながら、明らかに所望する場合、処理制御ユニット2は従来技術で見られるような従来の周辺デバイス、例えばハードディスクドライブ、CD−ROMドライブ、メモリ記憶デバイスなどを含むように設計できる。従って、本発明は非周辺構造だけに限定されるものではない。
【0052】
最も一般的なタイプの周辺デバイスまたは部品の一部は大量記憶デバイスまたはメディア記憶デバイス、例えばハードディスクドライブ、磁気ディスクドライブ、磁気カセットドライブおよび光ディスクドライブ(例えばハードドライブ、フロッピー(登録商標)ディスクドライブ、CD−ROMドライブ、DVDドライブ、Zipドライブなど)である。これら全てのタイプの周辺デバイスは部品であるが、実際には収納モジュール10および処理制御ユニット2によって物理的にサポートされているわけではなく、これらの内部に物理的に存在しているだけであり、これら周辺デバイスまたは部品は設計するように処理制御ユニット2とコンパーチブルであり、機能し、および/または作動するようになっている。これら上記デバイスは一般に周辺機器と見なされることに留意すべきである。しかしながら、これらアイテムは処理制御ユニット2のプリント回路基板構造に一体化したり、または組み込むこともできる。この場合、制御ユニットにおいて、これらアイテムは周辺機器を含まないか、または周辺機器と見なされるが、その代わりに処理制御ユニット2のプリント回路基板構造のロジックの一部となる。
【0053】
処理制御ユニット2は上記のように内部周辺デバイスを含まないことが好ましいが、内部アーキテクチャの一部としてシステムバスを含むことが好ましい。このシステムバスは当技術分野で一般に知られているように機能するようになっており、種々の外部部品またはこのシステムバスがない場合に内部のものとなる周辺デバイスを接続し、これらを作動可能にするように構成されている。システムバスはこれら部品と、処理制御ユニット2の処理部品との間でデータを交換できるようにもする。
【0054】
システムバスは、メモリバスまたはメモリコントローラ、周辺バスまたは種々のバスアーキテクチャのうちの任意の1つを使用するローカルバスを含む種々のバス構造体の1つを含むことができる。システムバスによって接続される代表的な部品として、処理システムおよびメモリがある。その他の部品は、1つ以上の大量記憶デバイスインターフェース、1つ以上の入力インターフェース、1つ以上の出力インターフェースおよび/または1つ以上のネットワークインターフェースを含むことができる。
【0055】
処理制御ユニット2は従来の関連するコンピュータシステムよりも性能が優れているが、少なくともこれらシステムと同じように機能するようになっている。従って、ユーザーが代表的な、または公知のコンピュータシステム(例えばデスクトップ計算システム)で行うことができることは、すべて本発明のコンピュータシステムで行うことができる。実際的な見地から、このことは機能または作動が犠牲になることはなく、多くのことが得られることを意味する。このように、本明細書で説明した所有権のある設計をこのように使用できるようにするためには、処理制御ユニット2は従来の関連するコンピュータまたはコンピュータプロセッサと同様なタスクを実行できるだけでなく、かかるタスクを実行するのに必要なこれら部品にアクセスしたり、これら部品を利用できなければならない。
【0056】
計算ユニットとして機能するために処理制御ユニット2は種々の識別された周辺機器およびその他のハードウェア部品を接続するための必要な手段を含むが、これら部品は収納モジュール10を用いることなく位置することが好ましいか、またはこれら収納モジュール10から離間していることが好ましい。従って、本発明の処理制御ユニット2は各周辺デバイスと処理制御ユニット2内に含まれる処理部品との間の必要なリンクを行うための種々の接続手段を含む。例えば処理制御ユニット2のシステムバスに1つ以上の大量記憶デバイスを接続するのに、1つ以上の大量記憶デバイスインターフェースを使用できる。これら大量記憶デバイスは処理制御ユニット2の周辺機器であるが、制御ユニットが大量のデータを保持できるようにする。上記のように、大量記憶デバイスの例としてはハードディスクドライブ、磁気ディスクドライブ、テープドライブおよび光ディスクドライブを挙げることができる。大量記憶デバイスは磁気ハードディスク、取り外し自在な磁気ディスク、磁気カセット、光ディスクまたは別のコンピュータで読み取り可能な媒体との間で読み出し/書き込みを行うことができる。これら大量記憶デバイスおよびそれらに対応するコンピュータで読み取り可能な媒体は、1つ以上のプログラムモジュール、例えばオペレーティングシステム、1つ以上のアプリケーションプログラム、その他のプログラムモジュール、またはプログラムデータを含むことができるデータおよび/または実行可能な命令を不揮発記憶できる。
【0057】
ユーザーが1つ以上の対応する入力デバイスを通して処理制御ユニット10内にデータおよび/または命令を入力できるようにするために、1つ以上の入力インターフェースを使用することもできる。かかる入力デバイスの例として、キーボードおよび別の入力デバイス、例えばマウス、トラックボール、ライトペン、スタイラスまたはその他のポインティングデバイス、マイク、ジョイスティック、ゲームパッド、衛星ディッシュ、スキャナ、ビデオカメラ、デジタルカメラなどを挙げることができる。同様に、システムバスに入力デバイスを接続するのに使用できる入力インターフェースの例として、シリアルポート、パラレルポート、ゲームポート、ユニバーサルシリアルバス(USB)、ファイヤーワイヤー(IEEE1394)または別のインターフェースを挙げることができる。
【0058】
システムバスに1つ以上の対応する入力デバイスを接続するのに、1つ以上の出力インターフェースを使用することもできる。この出力デバイスの例として、モニタまたはディスプレイスクリーン、スピーカーシステム、プリンタなどを挙げることができる。これら特定の出力デバイスも処理制御ユニット2(を用いない)周辺機器である。出力インターフェースの例としてビデオアダプタ、オーディオアダプタ、パラレルポートなどを挙げることができる。
【0059】
別の実施例では、インターフェースを使用することなく、システムバスに使用される任意の周辺デバイスが直接接続される。この実施例は「ダイナミックにモジュラー式の処理ユニットを提供するためのシステムおよび方法」を発明の名称とし、2003年10月22日に出願された継続中の米国特許出願第 号に完全に記載されており、この出願全体を本明細書で参考例として援用する。
【0060】
非周辺コンピュータシステムを提供すると、ユーザーに対し、より大きい周辺のパックされたコンピュータユニットよりも多数の利点を与えることができる。これら利点の一部はユーザーがコンピュータユニットおよびシステムを収納するのに必要なスペースを小さくできることである。本発明の処理制御ユニットは直接デスク上にセットできるし、または視界から完全に隠すこともできる。潜在的な保管一は無限である。処理制御ユニット2は、これを視界から隠すために、あるタイプのデスクトップ部分、例えば時計内にカモフラージュすることさえもできる。その他の特徴として、ノイズおよび発生する熱を比較的低減できること、またはインテリジェンスもしくはスマート技術を種々のアイテム、アセンブリまたはシステムに導入するためのユニバーサルアプリケーションを挙げることができる。これらおよびそれ以外の例は、本明細書から明らかである。
【0061】
上記のように、本発明にかかわる処理制御ユニット2は多数の理由から収納モジュール10の外側の所定のメインストリーム部品を有するように設計されている。第1に、その小さいサイズのために、処理制御ユニット2を種々のデバイス、システム、車両またはアセンブリに組み込み、必要に応じてこれらを強化することができることである。一般的な周辺デバイス、例えば特殊なディスプレイ、キーボードなどを従来のコンピュータワークステーションで使用することができるが、この処理制御ユニット2は周辺機器がなくてもよく、多くのアイテム、システムなどのための制御ユニットとなるようにカスタム化できる。換言すれば、この処理制御ユニット2を使用して任意のタイプの考えつくことができる制御アイテム内にスマート技術を導入できる。
【0062】
第2は、冷却問題に関するものであり、コンピュータの内部で発生する熱のほとんどは2つの場所、すなわちコンピュータプロセッサとハードドライブから生じる。収納モジュール10からハードドライブを除き、これを処理制御ユニット2の外部の自らの収納体に入れることにより、より良好で、かつより効率的な冷却を行うことができる。システムの冷却特性を改善することによりプロセッサ自身の寿命を長くすることができるので、コンピュータ全体の寿命も長くすることができる。
【0063】
第3に、処理制御ユニット2はアイソレートされた電源を含むことが好ましい。他の周辺機器から電源をアイソレートすることにより、システム内に存在する1つ以上の周辺部品、例えばハードドライブおよび/またはCD−ROMの外に、プロセッサに給電するのに同じ電圧を使って処理のために供給される電圧の多くを使用できる。ワークステーションモデルでは処理制御ユニット2がなくても、周辺部品が存在するが、この周辺部品にはモニタ電源によって給電することが好ましい。
【0064】
第4に、処理制御ユニット2がオンかオフであるか、またはディスクが作動しているかどうかを示すのにライトまたは他のインジケータを使用しないことが望ましい。作動および電源ライトを使用してもよいが、これらはモニタまたは他の周辺ハウジングデバイスに設けることが好ましい。ライトが見えないか、またはライトが使用されない多くのアプリケーション、またはライトが破壊的、例えばダークルームおよびその他の光検出環境となるアプリケーションで、システムを使用しようとしている場合に、このタイプのデザインが好ましい。しかしながら、明らかに外部照明、例えば電源のオンまたはディスクの使用を示すための従来のコンピュータシステムで見られるような照明を、必要であれば実際の処理制御ユニット2内に実現したり、または組み込んでもよい。
【0065】
第5に、あるタイプの機械式または強制的空気システム、例えばファンまたは他の任意の冷却部材もしくはシステムを必要とするのではなく、処理制御ユニットからの熱を放散させるのに受動式コーティングシステム、例えば自然対流システムを使用できる。当然ながら、かかる強制空気システムは必要であれば使用したり組み込んだりすることもできる。これら利点はすべて包括されるものではない。当業者であれば、それ以外の特徴および利点を認識できよう。
【0066】
図7を参照すると、ここには処理制御ユニット2および特に収納モジュール2が示されており、このモジュールは第1エンドプレート38および第2エンドプレート42(図示せず)と、第1エンドキャップ46および第2エンドキャップ50と、インサート66、70(図示せず)および74(図示せず)のみならず、これに取り付けられたダイナミックな背面34とを有する、組み立てられた状態にある。ダイナミックな背面34は種々の入出力デバイスおよび電源コード処理制御ユニット2に結合し、特にワークステーション環境内でユニットを制御できるようにするのに使用されている、接続に必要なポートおよび関連する手段を含むようになっている。利用できる全てのタイプのポートが特別に図示され、かつ本明細書に記載されているわけではないが、将来存在する他の任意のタイプのポートと共に、現在のポートまたは性質上所有権のあるポートも処理制御ユニット2とコンパーチブルとなるようになっており、かつこれらポートを処理制御ユニット2内に組み込んだり、処理制御ユニットと共に機能するようになっている。このようなことは、必要に応じて異なるダイナミックな相互交換式背面34を設計することによって達成することが好ましい。
【0067】
特にダイナミックな背面34はDVIビデオポート120、10/100イーサネット(登録商標)ポート124、USBポート128および132、SATAバスポート136および140、パワーボタン144およびパワーポート148を含む。2つの処理制御ユニットを一体に電気的に結合し、システム全体の処理能力を高め、かつ本明細書に定めたようなスケールされた処理を提供するために使用される、所有権のあるユニバーサルポートも想到できる。当業者であれば、本発明の処理制御ユニットと共に利用できる種々のポートを認識することができよう。
【0068】
一実施例では、収納モジュール10の構造および幾何学的形状は、これらポートのインターフェースに対する自然なくぼみを提供している。
図7にはこのへこみが示されていることに留意すべきである。従って、これらポートはダイナミックな背面内に形成されたくぼみにより、これらポートが保護されているので、不意に落としても、または処理制御ユニット2および収納モジュール10にその他の衝撃が与えられてもシステムが破損することはない。第1エンドキャップ46および第2エンドキャップ50もシステムを破壊から保護するのを助けている。
【0069】
パワーボタン144は3つのステーと、すなわちシステムオン、システムオフおよびパワーブートのためのシステムスタンバイステートを有する。最初の2つのステーと、すなわちシステムオンおよびシステムオフは処理制御ユニット2の電源がオンとなっているか、またはオフとなっているかをそれぞれ定めている。システムスタンバイステートはそれらの中間ステートである。電源がオンにされ、電力を受けると、処理制御ユニット2にサポートされたオペレーティングシステムをロードし、ブートするように、システムに命令が出される。電源がオフにされると、次に処理制御ユニット2は進行中の処理を中断し、クイックシャットダウンシーケンスを開始し、その後、システムがパワーオンステートが附勢されるよう、まず不活動状態に入るスタンバイステートが続く。
【0070】
好ましい実施例では、処理制御ユニット2はシステムをパワーアップするためのユニークなシステムまたはアセンブリも含む。このシステムは電源コードおよび対応するクリップをダイナミックな背面34に設けられた適当なポートにスナップ嵌合するとアクティブとなるようになっている。電源コードおよび対応するクリップを一旦パワーポート148にスナップ嵌合すると、システムは作動し、ブートし始める。電源が一旦接続されると、電源コードが電源ポート148内のリード線に接続されていても、処理制御ユニット2はクリップが所定の場所にスナップ嵌合されるまで電源がオンとならないので、このクリップは重要である。電源コードが完全にスナップ嵌合されていないか、または正しく所定場所にスナップ嵌合されていないことをユーザーに警告または通知するインジケータをモニタに設けてもよい。
【0071】
SATAバスポート136および140は記憶媒体周辺部品、例えばCD−ROMドライブおよびハードドライブを電子的に結合し、サポートするようになっている。
【0072】
USBポート128および132はキーボード、マウスおよびその他の周辺部品、例えば56kモデム、タブレット、デジカメ、ネットワークカード、モニタおよびその他のような周辺部品を接続するようになっている。
【0073】
本発明はスナップオン接続システムを介し、ダイナミックな背面にスナップ嵌合し、処理制御ユニット2のシステムバスに結合するようなスナップオン周辺機器も使用が可能である。既に述べたように、周辺機器または入出力デバイスを接続するためのその他のポートおよび手段を当業者が認識するように、処理制御ユニット2内に含め、組み込んでもよい。従って、本明細書で特別に説明した接続のための特定のポートおよび手段は単なる説明のためのものであり、発明を限定するものではない。
【0074】
図8を参照すると、本発明にかかわる処理制御ユニット2は収納モジュール10と共に、所有権のあるコンピュータ処理システム150を備え、収納モジュール10は処理システム150および処理制御ユニット2内で作動し、機能するようになっているプリント回路基板を収納するためのユニークな構造および構造上の構成を含む。
【0075】
処理システム150は基本的には1つ以上のプリント回路基板、好ましくは
図8に示されるように3基板構成152に配向され、形成された、好ましくは3つのプリント回路基板を含む。処理システム150および特に3基板構成152は第1プリント回路基板154と、第2プリント回路基板158と、第3プリント回路基板162とを備え、これら基板は図示するように収納モジュール10内に結合され、収納されている。処理システム150は更に少なくとも1つの中央プロセッサと、1つ以上の特定の機能またはタスクを実行するようになっているオプションの1つ以上のその他のプロセッサを含む。処理システム150は処理制御ユニット2の作動を実行するように機能し、特にコンピュータで読み取り可能な媒体、例えばメモリデバイス、磁気ハードディスク、取り外し自在な磁気ディスク、磁気カセット、光ディスク(例えばハードドライブ、CD−ROM、DVD、フロッピー(登録商標)ディスクなど)に設けられている命令、またはコンピュータで読み取り可能な媒体としても見なすことができる遠隔地の通信接続部からの命令を実行するように機能する。これらコンピュータで読み取り可能な媒体は処理制御ユニット2の外部または処理制御ユニット2を必要とすることなく設けられていることが好ましいが、処理システム150は一般に知られているようなかかるデバイス上の命令を制御し、実行するように機能するが、その差は、かかる実行がかかる周辺部品または入出力デバイスを処理制御ユニット2に電気的に接続するための1つ以上の手段を介して遠隔的に実行される点である。
【0076】
電気プリント回路基板に係合し、またはこれらを結合し、またはこれらをサポートするための手段を使って、メインサポートシャーシ14内に第1電気プリント回路基板154、第2電気プリント回路基板158および第3電気プリント回路基板162がサポートされている。
図8に示された実施例では、電気プリント回路基板に係合するための手段は収納モジュール10の各接合中心に設けられた一連の基板嵌合チャンネル62を備え、これら基板嵌合チャンネル62は電気プリント回路基板の端部部分162を受け入れるようになっている。収納モジュール10内に電気プリント回路基板を配置するためのいくつかの配置が存在し得るが、第1壁サポート18に隣接する基板嵌合チャンネル62内に第1電気プリント回路基板154の端部部分166が嵌合し、第2壁サポート22および第3壁サポート26に隣接する基板嵌合チャンネル62内に同様に第2電気プリント回路基板158および第3電気プリント回路基板162の端部部分166がそれぞれ嵌合し、
図8に示されるような配置となることが好ましい。
【0077】
3ボードメインボード構成152およびプリント回路基板はメインシャーシ14の壁サポートのいずれにもサポートされず、かつこの上に載らないことが好ましい。電気プリント回路基板の各々は特に接合センター内に位置する基板嵌合チャンネル62により、メインシャーシ14内に特に支持され、メインシャーシ14はこのように電気プリント回路基板の各々と対向する壁サポートとの間にギャップまたはスペースを設け、内部に提供されるユニークな自然の対流冷却特性に従って処理制御ユニット2内に適正な空気流を生じさせることができるようにしている。このように、各壁サポートに対して計算された各曲率半径は、このような制限を念頭に入れて設計されている。
【0078】
3基板タイプのメイン基板構成152は従来の基板構成よりも大きな利点を与えている。1つの利点として、3基板構成152は従来のコンピュータシステムで見られるような1つのメイン基板の代わりに3つの多層基板として構成されていることが挙げられる。更にこれら基板は異なる平面に構成できるので、狭い不動産面積しか占めない。
【0079】
別の利点はメイン基板のうちの2つが第3のメイン基板に結合できることである。このように、第1電気プリント基板154、第2電気プリント回路基板158および第3電気プリント回路基板162の各々を一体に結合することにより、メインシャーシ14および収納モジュール10内の正しい場所からこれら基板の各々が外れる機会が大幅に少なくなっている。処理制御ユニット2がさらされる実質的にいかなる状況および条件または環境においても、3基板構成152は無傷であり、かつ作動秩序を維持するので、システムの完全性を維持できる。このことは衝撃および負荷が加えられる状況にも当てはまる。
【0080】
製造中、および3基板構成152を収納モジュール10内に入れる前に、第3電気プリント回路基板158に第1電気プリント回路基板154および第3電気プリント回路基板162を取り付けることが好ましい。一旦3基板構成152を組み立てると、これら組立体を図示するようにメインサポートシャーシ14に挿入するように固定する。基板嵌合チャンネル62のすべてを必ずしも利用するわけではないことに留意すべきである。
【0081】
図8は電気プリント回路基板のそれぞれの端部部分を支持するのに、これらチャンネルのうちの4つしか使用されていない好ましい実施例を示す。処理システム150に対する他の構造も可能である。例えば処理制御ユニット2が1つの基板だけを含んでもよいし、または2つ以上の基板を含んでもよい。更に処理システム150は層状の構造となっていてもよく、この場合、含まれるプリント回路基板は多数の平面構造で存在する。当業者であればいくつかの構造および可能性について認識できよう。
【0082】
図14Aおよび14Bを参照する。本発明は
図14Aに示されるように、単一処理ユニットとして機能するように2つ以上の処理制御ユニットを一体にプロセス結合することにより、モジュラー式またはスケーリングされたコンピュータ処理を提供するためのシステムおよび方法を更に特徴とする。このことは、実質的には2つ以上の処理ユニットを一体に結合し、よって2つのプロセス結合されたユニットの合計または組み合わされた処理能力が単一ユニットの個々の処理能力よりも大きくなること意味する。言い換えれば、本発明によって2つ以上の処理制御ユニット2を1つにプロセス結合し、組み合わされたプロセッサを製造することを意味し、この場合、個々の各プロセッサは単一の集積処理ユニットとして他のプロセッサと共に機能する。基本的には、処理制御ユニット2をスタンドアローンユニットとして使用できるが、本発明の大きな利点として、
図14Bに示されるようにいくつかのユニットをクラスターとして1つにプロセス結合することを想到するものであり、この場合、「スケーリングされた処理」と称されるような利点が得られる。特に
図14Bは、マルチプレックス処理センター200(タワーとして示されている)を示し、この処理センターはクラスター状または複数の個々の処理制御ユニット2(クラスター202として示されている)を含み、各ユニットはマルチプレックス処理センター200内に一体にプロセス結合され、取り付けられている。各個々の処理制御ユニットは一実施例においてラックシステム212を含む取り付けのための手段を使用して取り付けられる。ラックシステム212は更に各処理制御ユニット2を物理的かつ取り外し自在に結合するように、システムの上部に係合手段を含む。この係合手段は収納モジュール10のメインサポートシャーシ14の各壁サポートに設けられたスライド受け部82内に嵌合し、この受け部に係合するようになっている取り付けブラケットを含むことが好ましい。図示するように、極めて限られた大きさのスペースにて、スケーリングされた処理能力を得るために、任意の数の処理制御ユニット2を一つにプロセス結合することは可能である。
【0083】
スケーリングされた処理とは、処理制御ユニット2のクラスターの処理能力全体として定義できる。更にスケーリングされた処理能力は電気的に一体にプロセス結合されたユニットの数に直接比例する。
【0084】
マルチプレックスセンターは常に望ましいとは言えないが、それにもかかわらず、上記のように外部部材に収納モジュール10またはメインシャーシ14を結合するための手段、または外部部材に係合し、2つのユニットを物理的に一体に結合するように働く手段を使って、2つ以上の処理ユニット2を一体にプロセス結合してもよい。一旦物理的に接続されると、ユニバーサルポートを通して2つ以上のユニットが電気的に接続される。ユニバーサルポートは1つのユニットの処理部品を別のユニットの処理部品に電気的に接続するようになっている。しかしながら、またはこれとは異なり、2つ以上の処理制御ユニット2を1つにプロセス結合することは、2つのユニットを一体に物理的に接続することではなく、電気的に接続する問題であるので、処理制御ユニットを互いに物理的に結合しなくても、2つ以上の処理制御ユニット2を一体にプロセス結合することができる。このように、有線または無線接続を使用して2つ以上のプロセスユニットをプロセス結合できる。
【0085】
上記のように、各処理制御ユニット2は所有権のあるユニバーサルポートを含み、このユニバーサルポートは2つ以上の処理制御ユニットを1つに電気的に接続するか、またはプロセス結合するように機能する。このような所有権のあるポートを通して電気的にプロセス結合されると、接続されて組み合わされた処理制御ユニットは個々のユニットよりも大きい処理能力を有するだけの単一プロセッサとして機能する。従って、より多数のユニットを1つにプロセッサ結合すればするほど、システム全体の処理能力も大きくなる。
【0086】
図14Aは1つにプロセス結合された2つ以上の処理制御ユニットの熱放散特性を更に示す。プロセス結合された関係では、放熱は上記と同じように機能する。しかしながら、
図14Bに示されるようなクラスターでは、空気が加熱され、各処理制御ユニット2から排出された後に、周辺空気を置換または新しくし、または再循環するために、ユニット間で周辺空気を循環させるための手段を設けなければならないことがある。
【0087】
本発明の別の大きな利点は、収納モジュール10はフル金属シャーシまたは妨害電磁波(EMI)の形態の電磁放射が極めて少ないか、または全くないように考慮したメインサポートシャーシ14を含むことである。このことは、収納モジュール10の材料の性質、小さいサイズ、構造体の厚み、および構造部品に対する処理部品の近接度に大部分が起因するものである。処理部品によって発生されるどのEMIも収納モジュール10によって吸収されるので、処理部品の処理能力には問題はない。
【0088】
更に別の利点は、収納モジュール10が従来のコンピュータ収納構造よりもよりクリーンな、より減菌された内部を可能にしていることにある。収納モジュール10の構造により、特にその小さいサイズおよび熱放散特性により、ほこり状の粒子およびその他のタイプの異物が収納体に進入することが極めて困難となっている。このことは、収納体全体がシールされた液冷式モデルに特に当てはまる。種々のタイプの異物またはゴミが処理制御ユニット2の部品を破壊したり、および/またはその性能を低下させ得るという点で、このように内部がより減菌された状態であることが重要である。
【0089】
一実施例では、処理制御ユニット2は自然の対流に依存するが、自然の対流プロセス中の空気の自然な流入および流出は、強制的な空気の流入がないので、処理制御ユニット2へのほこり状粒子またはその他のゴミの流入を大幅に低減する。本明細書で説明する自然な対流冷却システムでは、自然の物理原理に従い、収納モジュール10の内部に空気粒子が進入し、より重い異物を運ぶ力が少なければ、これら重い異物を運ぶ性質はより小さくなる。このことは、ほとんどの環境がより重い異物を含むように、かかる異物を含む環境で有利である。
【0090】
処理制御ユニット2のユニークな冷却方法によって、従来の関連する収納体を設置できなかった環境に、より適合できるようになっている。
本発明の処理制御ユニット2の更に別の利点は、その耐久性にある。コンパクトな構造およびアール状の構造のために、収納モジュール10は加えられる大きな衝撃力に耐えることができるので、処理制御ユニット2が考えられる任意のタイプの環境に適応できるようにする能力にも、この特徴が寄与している。収納モジュール10は電気回路の構造上の完全性にほとんど影響することなく、大小の衝撃力に耐えることができ、処理制御ユニット2の小さいサイズおよび携帯性として重要な利点によって、多くの想到可能な環境(この環境の一部は全く苛酷なものとなり得る)に適合できる。
【0091】
極めて耐久性のある収納モジュール10の構造部品の外に、電気プリント回路基板および関連する回路も極めて耐久性がある。プリント回路基板を一旦挿入した後に、例えば収納体が落下したり、収納体に衝撃が加わることにより不適性な力が与えられる結果、プリント回路基板は除去することが極めて困難となる。更に基板は極めて軽量であるので、落下中に破壊するような十分大きい質量を有していない。しかしながら、明らかに収納体10は完全に破壊不能というわけではない。多くの状況では、収納モジュール10は基板構造よりも耐久性があるので、処理制御ユニット2の全体の耐久性は回路基板および内部の回路によって最も制限されやすい。
【0092】
端的に述べれば、収納モジュール10は従来の関連する収納構造に見られなかった高レベルの耐久性を有する。これら収納構造体は破壊されるが、極めて小さい衝撃力または印加力によって破壊されることが多い。かかる破壊は本明細書に説明した処理制御ユニット2では生じない。
【0093】
収納モジュール10の耐久性は2つの主な特徴から生じている。まず第1に、収納モジュール10はアールをつけるように製造することが好ましい。各構造部品およびそれらの構造は1つ以上のアールを有する。アールに基づく構造体は、利用できる最強の構造の1つであるので、このことは収納モジュール10の強度を大幅に高めている。第2に、収納モジュール10の全体の形状は立方形状であるので、剛性をかなり大きくしている。この立法形状の剛性と組み合わされたアールに基づく構造部品は極めて耐久性があり、かつ機能的な収納体を提供する。
【0094】
本発明の処理制御ユニットは外部部材を取り付けるための手段および外部部材に係合するための手段(各手段はメインサポートシャーシの各壁サポートに存在するようなスライド受け部82を含むことが好ましい)を使って任意の構造体、デバイスまたは組立体に取り付けできること、またはこのユニットの上にこれらを取り付けできることを特徴とする。スライド受け部82に係合できる外部部材だけでなく、処理制御ユニット2を取り付けるべきホスト対象も本発明で保護すべきものである。更に、当業者であれば、収納モジュール10はスライド受け部82以外の外部部材に係合するための手段として別の形状または構造を含むことができることが理解できよう。
【0095】
基本的には、処理制御ユニットに取り付けできるようにするための重要性はどのようにそれを得るかとは無関係に、処理制御ユニット2を本明細書で説明したように、任意のタイプの環境に統合したり、または種々のアイテムまたは対象物を処理制御ユニット2に結合したり、または取り付けたりできるようにすべきである。この処理制御ユニットは種々の非活動的物品、例えばマルチプレックス処理センターまたは運搬用車両に取り付けるようになっているだけでなく、処理制御ユニット2に直接取り付けられる種々の周辺機器、例えばモニタもしくはLCDスクリーンを受けるようになっている。
【0096】
取り付けできる特徴は内蔵される特徴となるようになっており、このことは、処理制御ユニット2が構造部品内に直接内蔵される外部部材に係合するための手段を含むことを意味する。独立した取り付けブラケット(例えばホスト処理制御ユニットの接続を完成するためのアダプタとして機能するようなブラケット)を使った取り付け、およびホストへの直接の取り付け(例えばカーステレオの場所に自動社内にユニットを取り付けること)の双方も、本明細書の保護のために可能でもある。
【0097】
収納モジュールの追加硬化を実行する場合、処理制御ユニットの別の能力はスーパー構造体、例えばテンペストスーパー構造体内に取り付け、かつ実現できることである。かかる構造では、処理制御ユニット2は本明細書に説明したように構造体内に取り付けられ、構造体の部品または周辺部品をプロセス制御するように機能する。必要であれば、処理制御ユニット2は物理的構造体の負荷支持部材としても機能する。本発明では、すべての異なるタイプのスーパー構造体も使用が可能であり、これらスーパー構造体は任意のタイプの材料、例えばプラスチック、木、金属合金および/またはかかる材料の複合体から製造できる。
【0098】
本発明は、所有権のある処理制御ユニットを任意の想到できるシステム、デバイス、アセンブリ、装置または物体(総称としてアイテムと称す)に統合または組み込み、このアイテムにインテリジェンスを導入するための方法を特徴とする。このようにすることによって、アイテムは基本的にはスマートアイテムとなる。すなわちスマートアイテムに変換される。このユニークな特徴は従来の関連する計算デバイスにはなかったものであり、処理制御ユニット2の形状、構造および処理能力を組み合わせた結果、このような特徴が可能となっている。一実施例では、処理制御ユニット2はこの制御ユニット2のスライドオン機能またはスナップオン機能により、これら種々の環境で機能することが可能となっている。スライドオンまたはスナップオンとは、処理制御ユニット2に位置する適当なアクセプタまたは受け部、例えばスライド受け部82内にスライドまたはスナップ嵌合することにより、処理制御ユニット2が種々のブラケット、マウント、デバイスなどを受け入れできることを示している。更に同じ受け入部を使って別の構造体に処理制御ユニット2全体をスライドしたり、またはスナップ嵌合することもできる。基本的には、本発明は処理制御ユニット2が異なる周辺アイテムを受け入れできるようにしたり、またはユニットを別の構造体に組み込みできるようにする手段を提供するものである。別の実施例では、当業者には外部部材に処理制御ユニットを取り付けるのに使用される特定の方法および/またはシステムは周知のものである。
【0099】
本発明の処理制御ユニットを任意の想到できる環境に適合できるようにすることも可能であるが、主な機能の1つは、家庭またはオフィス用の通常のコンピュータシステムまたはワークステーションとして機能することである。家庭またはオフィスの設定に際し、処理制御ユニットはより必要とされるスペースを自由にできたり、カモフラージュしたり、視界から隠すことができる。このユニとのサイズおよび重量によって、ユニットが極めて携帯可能となり、かつ動き回ることが容易となるだけでなく、これまでの関連するコンピュータ収納体では得られなかったスペースの利点も提供できる。
【0100】
更に、このプロセス制御ユニットを別の処理制御ユニットにプロセス結合できることに起因し、従来のコンピュータシステム、例えば通信業界のために製造されたシステムを省略することができる。例えば現在実施されているような通信タワーにおけるビル内にいくつかのサーバーを収納する代わりに、本発明の複数の処理制御ユニットを1つにプロセス結合し、直接タワーに取り付けることができ、この場合、処理制御ユニットは従来技術のサーバーよりも多くなくても、同じ処理能力を提供できる。
【0101】
一例として、例えば種々の器具を設け、制御し、よってこれら器具をスマート器具に変換するために、802.11xネットワークまたはスマートホーム技術を家屋またはビル構造体に設置するのに使用するために、家またはその他の構造体、もしくはビルの内外にこの処理制御ユニットを取り付けできる。
【0102】
この処理制御ユニット2は有線ネットワークシステムまたは無線ネットワーク規格、例えば802.11a、802.11bおよびブルートゥースのための受け入れ可能な全方向アンテナおよび/または指向性アンテナとしても使用できる。このような使用はこのユニットが送信信号を受信し、捕捉するような種々の環境に設置するのに適合できる好ましい金属形状および能力によって可能となる。
処理制御ユニット2および特に第1インサート部材66、第2インサート部材70および第3インサート部材74は他の機能を実行するようにもできる。例えば他のスライドオン部品に電源およびデータを供給する配線ハーネスとして作動するように、軽量スライドを使用することができる。
【0103】
処理制御ユニットから熱を放散するための方法およびシステム
本発明は、コンピュータの収納体の熱力学特性を改善するためのユニークなシステムおよび方法、および特に上記のように処理制御ユニット2の内部から熱を放散させるためのユニークなシステムおよび方法を特徴とする。正常に作動している間、処理制御ユニットは、一般に熱の形態をした高レベルの熱活動を行い、これを放出する。処理部品およびこれら処理部品内に存在する回路は、これらが耐えることのできる温度を越えた高温の温度に到達することが認められている場合、これら部品および回路は字義どおり燃焼し、機能不能状態となる。このようにコンピュータシステムの処理部品およびその他の部品を直接冷却するか、または一般にコンピュータの内部を冷却するための適当な手段またはコンピュータの内部からの熱を放散させるための手段を設け、コンピュータ内の温度および処理部品の温度を許容できる範囲内に維持しなければならない。本発明は、改善された熱放散能力を提供するものである。収納体における冷却を改善することによって、同様に処理部品の作動および機能も改善されるので、コンピュータ処理システムの寿命も長くなる。
【0104】
冷却のためのほとんどの従来の構造手段または熱放散手段はコンピュータ内の空気を循環させるようになっているあるタイプのファンまたはブロワー装置を含み、この装置では換気口を通して収納体から高温の空気を吹き出し、同じ換気口または異なる換気口、もしくは収納体の壁と頂部部分および底部部分の間のしわを通して収納体に流入できるより低温の空気と置換される。これらしわは一般にはシールされていないし、均一でもない。
【0105】
処理制御ユニット2からの熱を放散させるための本発明の好ましいシステムは自然の対流系を通して熱を放散させるための手段を含み、自然対流を使って処理制御ユニット2から熱を放散させる好ましい実施例が達成される。別の実施例では、熱を放散させるための方法およびシステムは液体冷却系を含む。以下、これらシステムおよびそれに対応する方法の各々について詳細に説明する。
【0106】
上記のように、従来のコンピュータシステムは、あるタイプの冷却デバイスまたはシステム、例えばファンを使って冷却され、この冷却装置はコンピュータ収納体の内部の加熱された空気を置換し、循環させるので、空気は外部に逃れることができる。処理制御ユニット2はそのサイズおよび計算された構造に起因し、内部からの熱を放散させ、機械的な装置またはシステムを使用しなくても、内部に含まれる処理部品のための最適な作動環境を維持できる。その代わりに本発明の処理制御ユニットは、処理制御ユニット2内に存在し、熱を発生したり、冷却の必要のある処理部品、回路その他の部品の各々を冷却するように自然対流を利用できる。ここで、すべての従来の冷却システムおよび装置を除くことが好ましいが、所望する場合には処理制御ユニット2内にこれら従来のシステムおよび装置を組み込んでもよいことに留意すべきである。当業者であれば、これらシステムおよび装置が望ましい状況および環境について認識できよう。
【0107】
従来の構造のように、処理制御ユニット2内に機械式装置またはシステムが存在しないことが好ましいので、ユーザーの全ての経験はより快適なものとなる。まず第1に、ユニットの構造の結果、ノイズはほとんどまたは全く発生しないので、音が小さくなり、ユニットを設置したセッティングでの全体のノイズ汚染も低減される。従来のシステムに共通する不快な一定のハム音または音を発生するようなファンまたはその他のブロワーは存在しないので、処理制御ユニット2の作動は実質的にユーザーにとってその音を聞くことはできない。第2に、処理制御ユニット2は自然のノイズダンパーとして機能する。ユニットから発生するどの音も消音される。ユニットの構造は音の反射を小さくし易いので、このことは、生じる音はユニットの要素によって吸収されることを意味する。特にユニットの個々の部品の曲率はユニットから生じた音を消音し、変更し、または吸収するように働く。このことは、部品内の曲率に大部分起因するものである。平らな表面は最小限となっているので、音は容易に反射されることはなく、むしろ吸収される。どんな音が生じても、端部平面はノイズを収納モジュール10内に反射し、かつ側面の壁サポートの1つに反射する。この壁サポートはノイズを自然にコーナー内に、かつ収納モジュール10のほとんどの固体部分内に自然に駆動し、ここで無音にするような識別された曲率を有する。第3に、一部の実施例では、望ましくない熱を発生する周辺空気内に、加熱され、押し出された空気が吹き込まれるのが少なくなっている。第4に、好ましいことに、内部で移動する部品はないので、機械的な破壊または誤動作が生じる機会はない。第5に、移動部品がないので、かつユニットは実質的に無音であるので、これら特徴によって種々の非活動的物体にユニットをモルフォ化できる。機械式の冷却が必要とされても、対象が望ましくない可聴音を発生するので、このような機械式冷却はできない。
【0108】
設計により、処理制御ユニット2は収納モジュール10およびその内部に取り付けられた3基板構造150の特定の構造の直接の結果として、またはこれら特定の構造によって、本来的に可能とされたいくつかの熱特性を有し、これら熱特性の組み合わせによって処理制御ユニット2を冷却したり、または放熱または自然対流を使った内部からの熱を放散することが可能となっている。以下、単なる一実施例を示す
図9〜13を参照し、これら熱特性について説明する。
【0109】
図9を参照すると、ここには3基板構造150を有する収納モジュール10、特にメインサポートモジュール14が示されており、この3基板構造は第1電気プリント回路基板154と、第2電気プリント回路基板158と、第3電気プリント回路基板162とを備え、これらは内部において上記のような関係に結合されている。通常の作動条件では、これら電気プリント回路基板154、158および162はそれらの表面からかなりの量の放熱を発生する。処理部品およびこれら部品を接続するのに使用される回路の活動から生じるこの放熱は、熱の形態で存在し、電気プリント回路基板154、158および162の各側面から出ている矢印によって表示されている。図から判るように、これら電気プリント回路基板154、158および162は、ギャップまたはスペースが生じるようにメインシャーシ14内の壁サポートの各々から所定の距離だけずれている。このギャップによって、空気は本明細書で説明したような熱放散特性にしたがって内部を自然に循環できる。
【0110】
壁サポート18、22および26の各々は凹状形状となっているので、それぞれの各壁サポートの中心から収納モジュール10のコーナーへ加熱された空気の移動を促進できることも理解できよう。従って、電気プリント回路基板154、158および162は熱を発生し、むしろそれらの表面近くの空気を加熱するので、加熱された空気は各壁サポートの内側表面に接触し、各壁サポートの凹状形状および加熱された空気が最小抵抗の流路を通る結果として、それぞれのコーナーに向かって自然に移動する。
【0111】
設計により、収納モジュール10のコーナーにはより多くの材料が設けられている。これは壁サポートがそれらの曲率と共にフィンのように作動し、熱センターとして見なすことができるコーナーへ熱を伝えるためにこのような材料が設けられている。従って、コーナーではより多量の熱の移動が行われるが、これも設計によるものである。これによってできるだけ多くの熱を収納モジュール10内に含まれる電気プリント回路基板から離間させることができる。以下、
図11〜13を参照し、内部からどのように熱が放散するかをより詳細に説明する。
【0112】
図9は放熱モジュール10の更に別の2つの熱特性も示しており、第1の特性は放熱の中心ポイントであり、この中心ポイントは最大濃度の放熱を有する収納モジュール10の内部のポイントまたはエリアとして定義できる。この濃度は個々の各電気プリント回路基板154、158および162から生じる組み合わされた放熱を有する。放熱の中心点は図示されるような概略電気プリント回路基板158の中心ポイントのほぼ近くに位置する。
図9に示された収納モジュール10の第2熱特性は電気プリント回路基板158から離間し、電気プリント回路基板154および162の遠方端に向かって放熱の量および濃度が小さくなるということである。このような処理制御ユニット2の特定の熱特性は交差する点線によって示されており、この点線は熱活動が電気プリント回路基板158から遠い電気プリント回路基板154および162の端部に向かって次第に小さくなっていることを示す。交差しているラインは放射熱の分布と称すことができる分布を示す。各電気プリント回路基板154、158および162は等しい量の放熱量を発生するが、かかる放熱量の濃度は3つが交差する場所で明らかに最大となる。
【0113】
図10を参照すると、ここには収納モジュール10および別の重大な熱力学特性が示されている。自然対流を利用する収納モジュール10の能力はステップ状と見なすことができる。収納モジュール10はそのサイズにより、周辺空気が加熱され得る場所で周辺空気がトラップされることなく、モジュールの内部に対して周辺空気が内外へ流れることができるようにしている。熱を放散させるための本発明の方法およびシステムは、従来技術のコンピュータ収納体におけるプロセスのように、収納体の大きいサイズにより空気を収納体内にトラップし、空気が加熱された後でトラップされた空気を冷却し、次に加熱され、トラップされた空気をパージする代わりに、実質的に検知されていない収納モジュール10の内外に周辺空気が自然に流れるようにできる。このことは、処理制御ユニット内に存在するコンピュータ部品(すなわち処理部品)に対する収納体のサイズの結果として達成される。特に収納モジュールは含まれるコンピュータ部品によって出力される熱放射によって加熱される空気粒子の容積よりも小さい密閉体境界部を備えることが好ましい。言い換えれば、各コンピュータ部品は所定の量の熱放射を出力し、この熱放射は周囲の隣接する空気粒子を加熱する。この熱放射は発生される熱放射量に起因し、周辺の多数の空気粒子だけが加熱されるまで延長できるだけである。このように、加熱された空気粒子の容積はコンピュータ部品が発生する熱放射量に直接比例する。加熱された空気粒子の量よりも、密閉体の境界のほうが小さくなるように収納モジュールを設計した場合、作動中、空気流は連続的となる(熱は上昇し、最も小さい抵抗路を通るように流れる)。更に、収納体の構造の結果、加熱された空気が連続的に収納体から強制的に排出されるので、トラップされた空気に対するポテンシャルは低下するか、および/または解消される。このように収納最も10の特定のサイズは処理制御ユニットを自然に冷却するために重要である。
【0114】
特定の機能をより詳細に説明するため、収納モジュール10は十分小さいサイズとなっているものとし、この収納モジュール10内の空間の内部容積は従来の構造と比較して大幅に小さくされているので、外側周辺空気は自然の冷却をするという利点を活用できる。収納モジュール10はヒートポンプまたはヒートシンクと同じように機能し、ここで
図10で数本の矢印によって示される常温の周辺空気は収納体10の底部部分(この底部部分は
図10に示された収納体10の中間断面を横断する点線によって示されている)内に進入し、内部に含まれる処理部品を冷却できる。従来技術の構造も、これら部品を十分に冷却するのに周辺空気を利用している。追加冷却要素はほとんど必要ではない。しかしながら、従来技術の構造のように、収納体の空間の内部容積が過度に大きい場合、内部に進入する空気は内部にトラップ状態となるので、別個のアイソレートされた部屋のようになる。処理部品によって加熱された収納体内に急に過度の周辺空気が進入し、収納体の頂部に留まる。空気が自ら内部を冷却できるようにするには、収納体内に基本的には過度の空気が存在することになる。このことが、加熱された空気をパージし、処理部品が機能できなくなるレベルまで収納体内部の空気の温度が上昇しないようにするために、これらタイプの収納体内に種々の機械式冷却装置、例えばファンを設置しなければならない理由である。言い換えれば、空気が高い温度レベルまで上昇することが認められれば、プロセッサが燃えて不作動となるような十分な量の熱を、処理部品が出力し得る。
【0115】
従って、大きい内部容積の空間を備え、基本的には空気を冷却し、パージしなければならない収納体内部の空気をトラップする従来のシステム、すなわち構造とは異なり、この収納モジュール10は内部に空気をトラップせず、空気が常温で進入でき、ほとんど同じ温度で流出できる十分小さい容積の空間を有する。同じ温度で流出する理由は、常時加熱されている内部に空間がトラップされないからである。基本的には、収納モジュール10はその容積によって自然対流を使って高温の空気を外部に逃がすことができるようになっている。収納モジュール10の内部温度は使用する内部部品の数に応じて変動し得るが、処理部品または他の部品の作動に影響を与えるほど十分高くはない。
【0116】
収納モジュール10はあたかも収納構造体が全く存在しないかのように内部の処理部品を冷却できる自然な熱放散特性を有する。更に周辺の空気温度に対する収納モジュール10の内部に存在する加熱された空気の影響は実質的に無視できるものである。その理由は、従来の収納モジュールのように他の同様な装置を使って空気を強制移動していないからである。更に、収納モジュール10から流出する加熱された空気がすぐに周辺空気と混合されるように、収納モジュール10を通して循環される空気と混合できる、通常十分な量の常温の空気が存在する。
【0117】
処理制御ユニットの特定のサイズおよび形状は変わってもよく、本発明の意図する機能を実行できることに留意すべきである。従って、収納モジュールは種々の幾何学的サイズ、寸法および形状を含むように設計できる。内部で確立したいことは、自然対流を使ってコンピュータ収納体から放熱を放散するユニークな方法である。このように、図に示され、本明細書に詳細に説明する特定の処理制御ユニットは単なる一実施例にすぎないものである。当業者であれば、同様な形状および構造により、製造でき、かつ本明細書で説明したような物理的特性、熱特性および機能上の特性を有するその他の多くの構造について認識できよう。例えば処理制御ユニットは球形、三角形、円錐形、円筒形またはその他の想到できる形状を含むことができる。更に処理制御ユニットは本明細書に説明した機能を保つ限り、より大きいサイズでもよいし、より小さいサイズでもよい。本発明は必ずしも最適とは言えないが、種々の範囲の性能もカバーできる。例えば処理制御ユニットはより大きいサイズでもよいし、またはより小さいサイズでもよく、この場合、収納体内部と周辺空気との温度差は、(上記処理制御ユニット2内で生じる、ほとんど無視できる温度差と比較して)自然対流による熱放散を実行できる能力を潜在的に減少する値と実質的に同じではない。
【0118】
図11〜13は自然の対流のこのような熱特性をどのように実施するかを示す。図示されるように、電源がオンにされるとき、および処理制御ユニットが作動中は、収納モジュール10内の処理部品が加熱されるにつれ、第1エンド部分40および第2エンド部分44に位置する換気ポート98を通して、収納モジュール10内に周辺空気または空気粒子が自然に流入する。設計により処理部品と収納モジュール10の壁サポートとの間に空気が存在し、空気が流れるようにできる。
【0119】
周辺空気粒子の自然の流入は最終的に収納モジュール10内の処理部品の表面に接触する。正常の動作およびこれら処理部品がその機能を続けている際に、処理部品は高度の熱活動をし、または排熱を行う。このような熱は処理部品の表面から生じるか、または放射され、直接それらの表面に隣接する空気粒子を加熱する。空気が加熱されるにつれ、空気は自然の物理原則に従い、粒子は膨張し、上昇し始める。既に述べたように、収納モジュール10の壁サポート18、22および26の凹状形状の主な機能の1つは、加熱空気が従う物理経路を提供することにある。従って、上昇する空気が最も抵抗の少ない経路に従いたい場合、この空気は収納モジュール10の自然の輪郭に従う。
図9および10に示されるように、壁サポート18、22および26は凹状構造を有し、ここで、この構造ではこれら部品と処理部品、例えば電気プリント回路基板154、158および162との間にギャップまたはスペースが形成される。凹状側壁サポートを有する収納モジュール10を製造することにより、自然な空気流のための物理的経路が形成される。各側壁サポート18、22および26の中間において、これら壁サポートと電気プリント回路基板154、158および162との間のスペースまたはギャップは最小となる。このポイントまたは場所において、空気の自然な圧縮原理が実現される。特に壁サポートの端部ニオケルギャップ距離は中心のギャップ距離よりも大きいので、処理制御ユニット2の別の熱特性が生じ、処理制御ユニット2を通る空気の流入および流出を助けるのに、空気の自然圧縮が利用される。処理制御ユニット2は対流の他に、処理制御ユニット2の熱放散特性に寄与するのに、熱伝達も利用する。空気が加熱されるにつれ、収納モジュール10の構造部品、すなわち壁サポート18、22および26だけでなく、エンドプレート38および42も加熱される。空気が収納モジュール10の内部に進入するにつれ、空気は加熱され、上方への経路に従い始める。上記のように、収納モジュール10の構造部品と接触する加熱された空気の粒子は熱伝達により、熱の形態をしたできるだけ多くのエネルギーをこれら構造部品に伝える。特に熱濃度が最大である収納モジュール10の底部にある構造部品を加熱することは、空気粒子の自然の圧縮に更に寄与し、更にそれらの流れを促進する。その理由は、これら構造部品の組成、すなわちアルミ組成は基本的には空気と空気との間で熱交換をするように機能するからである。このように本発明の処理制御ユニットは2ティア式冷却、または熱放散システム、すなわち第1自然対流冷却システムと第2伝達冷却システムとを含む。これら2つは処理制御ユニット2に対して自然な冷却および熱放散をするように、共に機能し合う。しかしながら、処理制御ユニット2が別の材料、例えばプラスチックから製造されていても、自然の対流プロセスは処理制御ユニット2を冷却するのに十分であることに留意すべきである。プラスチックの場合、熱伝達体としてではなく絶縁体として作動することは実際にユニット全体の熱放散に寄与する。その理由は、処理部品によって発生される全ての熱は、ある時間の間熱をトラップできる場所の構造部品に対して熱伝達によって熱の一部を移動させる代わりに、処理部品が発生した全ての熱が、対流によってユニット内の空気粒子に移るからである。しかしながら、プラスチックの使用は妨害電磁波(EMI)の発生を増加させる。従って、密閉絶縁体を形成することなくEMIを減少させるために金属ライナーを使用できれば、プラスチックを使用することは、液体冷却式モデルに最良に適す。
【0120】
自然対流プロセスについてより詳細に説明すると、換気ポート98を通って空気粒子が進入するにつれ、空気粒子は底部でもこのような進入を行う。これは空気が進入するにつれ、処理部品から生じた放熱によって空気が加熱されるからである。加熱された空気粒子は膨張し、収納モジュール10の物理構造によって形成されたギャップまたはスペースを通って上昇し始める。更に空気粒子が上昇するにつれ、空気粒子は自然に壁サポート18、22および26が形成した凹状経路に従う。空気粒子が上昇するにつれ、加熱された空気粒子が、ギャップが最小となる中心部分に圧縮されるまで、ギャップまたはスペースは小さくなる(
図10参照)。空気粒子が圧縮されるにつれ、それらの速度も速くなる。従って、空気粒子は進入時よりも速い速度でこの特定の部分またはギャップを脱出する。空気のこのような自然の圧縮は収納モジュール10の構造の結果だけでなく、自然に生じる物理原理に従う空気流の物理的特性の結果でもある。
【0121】
一旦圧縮され、速度が速くなると、空気粒子は加熱され、圧縮されているために上昇を続ける。空気粒子がこのような上昇をするにつれ、これら粒子は凹状形状となっている収納モジュール10の上部部分または上部壁に接触する。これら空気粒子がこの上部壁に接触する際に、抵抗が最小である経路となっている外側コーナーまで空気粒子を移動させ、このコーナーで空気粒子が処理制御ユニット2の頂部または上部部分のエンドプレート38および42の近くに位置する換気ポート98を通って最終的に収納モジュール10から出る。加熱された空気が離脱する際に、収納モジュール10内に常温の周辺空気が吸引され、パージされた空気粒子と置き換わる。処理制御ユニット2の作動が続くので、このプロセス、すなわち底部近くの収納モジュール10への空気の流入により、空気は処理部品から生じる熱排出により加熱された状態となり、空気が上昇する際に空気に対する自然な流路が設けられ、空気を圧縮し、その速度を高め、空気を外側エッジコーナーに移動させ、空気を周辺空気内に脱出させる。このようなプロセスが連続的に繰り返され、空気流の自然な変形パターンが形成される。このような自然な円形空気流パターンは作動時の自然の対流であり、
図11内の円形矢印によって示されている。この図では、一方の空気流パターンは図示されるように時計回り方向であり、他方は反時計回り方向である。このように、処理制御ユニット2は本発明に従って自然対流による放熱を実行するために圧縮、すなわち空気の自然な圧縮を利用している。
【0122】
図12および13を参照すると、このような自然の圧縮および対流プロセスを別の方法で説明できる。図示するように収納モジュール10が2つの基本的な空気容積部、すなわち高温空気容積部と低温空気、すなわち常温空気容積部とを含む。処理部品は対向する各表面から熱を放射するので、収納モジュール10の内部全体が加熱される。このように、発生する熱のほとんどは収納体の中心に向き、
図9に示されるように分布する。処理部品から熱が発生される際に、
図12および13に示されるような低いスペース容積内の空気の粒子が加熱される。これら粒子が加熱されるにつれ、これら粒子が膨張し、質量を増加するので、収納モジュール10の下の半分内に、より大きい粒子容積が形成される。収納モジュール10の下方部分内の容積が増加し、上方部分内の粒子の容積よりも大きくなるので、高温の空気が自然に上昇するにつれ、底部の空気容積も収納体の頂部部分に移動する際に加速された状態となる。これは凹状構造となっていること、および通過する空気に対する収納モジュール10の中間部のスペースの面積が狭くなっていることに起因するものである。言い換えれば、底部の粒子容積は中間部または頂部よりも大きいこと、および高温の空気が上昇するので、より大きい容積の空気粒子が現在存在する空間よりも小さい空間(中間部分)を通過しようとする。収納モジュール10の中間部分(ここで凹状壁サポートは制限された空間を形成する)をこの容積の加熱された空気粒子が通過する際に、加熱された空気容積を収納体の頂部に向けて加速される自然の力が生じるので、もともとあった容積よりも大きい容積の空気粒子が頂部に生じる。この力は、加熱された空気粒子に作用し、これらが最も抵抗の少ない流路に従うようにさせる。この流路は最終的にはエンドプレート38および42の頂部に位置する換気ポート98である。収納最も10の中間部分で生じる力は大きくなくてもよい。収納最も10の頂部に向いて加熱された空気粒子を加速させるだけで十分である。実際に、加熱された空気が収納モジュール10の金属壁サポートまたはエンドプレート内に強制的に伝わらないような力とすべきである。この力が過度に大きい場合、加熱された空気粒子はそのエネルギーを壁サポートに伝え始める。収納体には基本的には熱がトラップされるので、このようなことは望ましくない。力の正確な大きさを正しく計算し、このような力を発生することにより、ボックスの頂部部分の容積が加熱された空気粒子で一旦満たされると、これら粒子は生じる小さい量の熱伝達により対流を介し、収納体から出るように、適当かつ自然に移動できる。加熱された空気粒子のエネルギーが収納モジュール10の構造部品内に伝わらないようにすることにより、最低抵抗の流路が保存される。このプロセスは移動する空気流を維持するように迅速に行うようになっている。
【0123】
3基板構造152は、発生した熱の大部分が中心に位置するように設計されている(
図9参照)。この理由は、ほとんどの熱が中心に位置すれば、上記のような自然の対流プロセスがユニットからの熱の大部分を捕捉し、ドラッグし、すなわち放散させるからである。加熱された空気粒子は圧縮され、容積が大きくなるので、ケースの頂部にある空気は収納体の上へ、かつ外へ押される。他方、空気が加熱され、その粒子容積が大きくなるにつれ、これら加熱された空気粒子は放散されるので、収納モジュール10の底部の半分に空隙が残る。従って、空気粒子の失われた容積を置き換える必要が生じる。この結果、対流によって失われた空気粒子の容積に置換するために、下方の半分にて収納モジュール10の底部内に周辺空気が自然に吸引される。
図12および13にはこれら2つの容積部が示されており、このプッシュプルの関係は本発明によって可能にある圧縮および自然の対流を簡単な用語で記述でき、
図11に示される円形の空気流れパターンを発生する。
【0124】
説明する価値のある別の大きな利点は、処理制御ユニット2をどの側にも両端に、またはその他の任意の方向に配向できることである。自然の対流プロセスはこれら配向のいずれにおいても機能するようになっている。
【0125】
上記説明は一実施例に関するものであることに留意すべきである。別の実施例では、自然の対流を使った熱放散路は変化し得る。従って、熱力学特性および処理制御ユニット2内で発生する自然の対流は収納モジュール10の特定の形状の構成だけでなく、その内部に含まれるプリント回路基板構造によっても決まる。例えばこれら別の構造の自然の対流特性は上記のものと変わることがあり得る別の構造を、処理制御ユニット2に対して想到することもできる。当業者にはこのことは明らかであろう。
【0126】
別の実施例では、収納モジュール10の全内容物はメインサポートシャーシを特別なエンドキャップでキャップすることにより、冷却ユニットによって液体冷却することができ、エンドキャップはシャーシ内部の液体を実際に冷却する冷却ユニットおよび冷却コイルを収納する。この実施例では、収納モジュールは処理制御ユニット2の実際の冷却にほとんど、または全く影響しないような任意の材料、例えばプラスチックまたは金属から製造できる。しかしながら、液体冷却モデルでは、収納体は皮膚が体の内部温度を調節するのに役立つのと全く同じように、収納体の内部温度を制御するように働くという意味で重要となる。金属の液体冷却構造では、収納体が一旦所定の温度以上となると、固体からの熱を液体に放射し始める。従って、液体冷却モデルでも金属製の収納モジュールが好ましい。
【0127】
更に液体冷却式処理制御ユニットでは、内部に含まれる処理部品から発生した熱が放散し、処理部品は冷却ユニットまたは液体冷却エンジンおよび当技術分野で一般に知られている冷却剤または冷凍剤を使って冷却される。この冷却湯にとは圧縮機と、凝縮機と、冷却剤の流れが処理制御ユニットを通過するのを容易にし、この流れの向きを定めるのに使用される一連の熱交換導管またはコイルを含むことが好ましい。冷却剤は導管内を流れることが認められるので、導管への吸収によって熱が放散される。
【0128】
更に液体冷却モデルではダストプレート用の条件はない。収納体の内部は完全にシールで切るので、ほこり、ゴミまたはその他の粒子が侵入するのを完全に禁止できる。かかるシールシステムは、全体の健康に寄与する他に、減菌性が重要な環境、例えばクリーンルームとなる。
【0129】
更に別の実施例では、当技術分野で一般に知られているような熱電冷却システムを使って処理制御ユニットを冷却してもよい。公知の原理によれば、熱電冷却システムはペルチエ効果に基づいて作動する固体熱ポンプを備える。このペルチエ効果は2つの導電体を電流が流れるときの加熱または冷却効果を生じさせる効果のことである。基本的には2つの異なる材料の自由端に電圧を印加すると、温度差が生じ、一端から他端に熱が移動する。代表的な熱電クーラーは2つのことなる導電体として働く半導体素子のアレイからなる。この阻止のアレイは2つのセラミックプレートの間にハンダ付けまたは他の方法で取り付けられる。これらセラミックプレートは電気的に直列に存在し、熱的に並列に存在する素子を、これらセラミックプレートが収納している。この冷却デバイスを作動させるには、直流電流を誘導し、この直流電流を素子の2つ以上のペアに流すことである。このようにすると、低温側の接合部で温度が低下する。このように温度が低下する結果、デバイスを設置した環境から熱が吸収される。
【0130】
本発明では、熱電冷却デバイスまたはシステムが処理制御ユニットの収納モジュールの内部に設置されており、この冷却デバイスが内部から熱を吸引し、ユニットの外部の周辺空気に熱を捨てるようになっている。更に冷却が必要な場合、冷却効果を増すために第2の、または多数の熱電クーラーを利用できる。
【0131】
本明細書に説明したこれまでの特徴、特性、機能および利点は、上記だけに限定されるものではない。当業者であればこれまで特別に引用し、記載し、述べた特徴および利点以外の本発明の別の明らかな特徴および利点について認識できよう。従って、所有権のある形状を有するコンピュータ処理システムまたはユニットはいずれも特別に記載したものであるが、かかる説明は当業者に明白な、または明白でない同様なシステムまたは同様なデバイス、または同様な方法を含むように記載されたものである。
【0132】
本発明は、本質的な特徴の精神から逸脱することなく、他の特定の形態で具現化できる。これまで説明した実施例はすべての点において単に説明のためのものであり、発明を限定するものではない。従って、本発明の範囲はこれまでの説明ではなく、特許請求の範囲によって定められるものである。この特許請求の範囲内には特許請求の範囲の用紙およびその均等の範囲内に入るすべての変更例が含まれるものである。