(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5922177
(24)【登録日】2016年4月22日
(45)【発行日】2016年5月24日
(54)【発明の名称】局部発振器信号のためのデューティサイクル調整
(51)【国際特許分類】
H03K 5/04 20060101AFI20160510BHJP
【FI】
H03K5/04
【請求項の数】18
【外国語出願】
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2014-85619(P2014-85619)
(22)【出願日】2014年4月17日
(62)【分割の表示】特願2011-538693(P2011-538693)の分割
【原出願日】2009年11月25日
(65)【公開番号】特開2014-161086(P2014-161086A)
(43)【公開日】2014年9月4日
【審査請求日】2014年4月24日
(31)【優先権主張番号】12/277,882
(32)【優先日】2008年11月25日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】595020643
【氏名又は名称】クゥアルコム・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100109830
【弁理士】
【氏名又は名称】福原 淑弘
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100140176
【弁理士】
【氏名又は名称】砂川 克
(74)【代理人】
【識別番号】100158805
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 守三
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100124394
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 立志
(74)【代理人】
【識別番号】100112807
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 貴志
(74)【代理人】
【識別番号】100111073
【弁理士】
【氏名又は名称】堀内 美保子
(72)【発明者】
【氏名】ビノド・ブイ.・パニカット
(72)【発明者】
【氏名】リ・リウ
【審査官】
白井 亮
(56)【参考文献】
【文献】
特開平09−191238(JP,A)
【文献】
特開平05−067951(JP,A)
【文献】
米国特許第04959557(US,A)
【文献】
特開平04−096416(JP,A)
【文献】
特開2005−244416(JP,A)
【文献】
米国特許第06426660(US,B1)
【文献】
特開2002−064367(JP,A)
【文献】
特開2002−218283(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03K 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
局部発振器(LO)モジュールであって、
デューティサイクルを有する局部発振器信号を生成するための、電源電圧でバイアスがかけられた局部発振器と、
前記局部発振器信号の電圧レベルを表す第1の電圧信号と、前記局部発振器信号に関する希望されるデューティサイクルに対応する前記電源電圧の部分の電圧レベルを表す第2の電圧信号との間の差に応答して、および、前記局部発振器信号の前記デューティサイクルに影響を与える情報を情報源から受信することに応答して、前記希望されるデューティサイクルからの、前記局部発振器信号の前記デューティサイクルの変化を小さくするために絶対的調整を行うためのフィードバック回路と、を備え、
前記フィードバック回路は、前記第1の電圧信号と前記第2の電圧信号との間の電圧差がゼロの電圧差になるように操作するように調整信号を決定し、前記調整信号に基づいて制御信号を生成するように構成され、
前記局部発振器は、
電圧制御発振器(VCO)信号を生成するためのVCOと、
分割された信号を生成するために前記VCO信号を分割するための分割器と、
前記制御信号を受信することに応答して、前記局部発振器信号を表す、バッファリングされた信号を生成するために前記分割された信号をバッファリングするための、前記電源電圧でバイアスがかけられた、局部発振器バッファと、
を備える、局部発振器(LO)モジュール。
【請求項2】
前記局部発振器信号は、複数の局部発振器信号を含み、
前記フィードバック回路は、複数の局部発振器信号の平均電圧レベルを用いて、1つの対応する差に応答して前記複数の局部発振器信号の各々を調整する請求項1に記載のLOモジュール。
【請求項3】
前記局部発振器信号は、複数の局部発振器信号を含み、
前記フィードバック回路は、複数の局部発振器信号の各々に関する電圧レベルを用いて、複数の対応する差に応答して前記複数の局部発振器信号の各々を独立して調整する請求項1に記載のLOモジュール。
【請求項4】
前記フィードバック回路は、前記局部発振器信号の前記デューティサイクルに影響を与える情報を提供するための情報源を備え、
前記フィードバック回路は、前記情報を受信することに応答して前記局部発振器信号の前記デューティサイクルの絶対的調整を行う請求項1に記載のLOモジュール。
【請求項5】
電源電圧でバイアスがかけられ及びデューティサイクルを有する局部発振器信号を生成することと、
前記局部発振器信号の電圧レベルを表す第1の電圧信号と、前記局部発振器に関する希望されるデューティサイクルに対応する前記電源電圧の部分の電圧レベルを表す第2の電圧信号との間の差に応答して、および、前記局部発振器信号の前記デューティサイクルに影響を与える情報を情報源から受信することに応答して、前記希望されるデューティサイクルからの、前記局部発振器信号の前記デューティサイクルの変化を小さくするために絶対的調整を行うこと、とを備え、
前記デューティサイクルの変化を小さくするために前記絶対的調整を行うことは、前記第1の電圧信号と前記第2の電圧信号との間の電圧差がゼロの電圧差になるように操作するように調整信号を決定し、前記調整信号に基づいて制御信号を生成することを備え、
前記局部発振器信号を生成することは、
VCO信号を生成することと、
分割された信号を生成するために前記VCO信号を分割することと、
前記制御信号を受信することに応答して、前記局部発振器信号を表す、バッファリングされた信号を生成するために前記分割された信号をバッファリングすることと、
を備える、方法。
【請求項6】
複数の局部発振器信号の平均電圧レベルを用いて、1つの対応する差に応答して前記複数の局部発振器信号の各々を調整することを備える請求項5に記載の方法。
【請求項7】
複数の局部発振器信号の各々に関する電圧レベルを用いて、複数の対応する差に応答して前記複数の局部発振器信号の各々を独立して調整することを備える請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記局部発振器信号の前記デューティサイクルの前記絶対的調整を行うことは、
前記局部発振器信号の前記デューティサイクルに影響を与える情報を提供することと、
前記情報を受信することに応答して前記局部発振器信号の前記デューティサイクルの前記絶対的調整を行うこと、とを備える請求項5に記載の方法。
【請求項9】
デューティサイクルを有する局部発振器信号を生成するための、電源電圧でバイアスがかけられた、局部発振器と、
前記局部発振器信号の電圧レベルを表す第1の電圧信号と、前記局部発振器に関する希望されるデューティサイクルに対応する前記電源電圧の部分の電圧レベルを表す第2の電圧信号との間の差に応答して、および、前記局部発振器信号の前記デューティサイクルに影響を与える情報を情報源から受信することに応答して、前記希望されるデューティサイクルからの、前記局部発振器信号の前記デューティサイクルの変化を小さくするために絶対的調整を行うためのフィードバック回路と、を備える、局部発振器(LO)モジュールと、
調整されたデューティサイクルを有する前記局部発振器信号を受信することに応答して対象となる受信された信号を第1の周波数から第2の周波数にダウンコンバージョンするための周波数ダウンコンバージョンモジュールと、を備え、
前記フィードバック回路は、前記第1の電圧信号と前記第2の電圧信号との間の電圧差がゼロの電圧差になるように操作するように調整信号を決定し、前記調整信号に基づいて制御信号を生成するように構成され、
前記局部発振器は、
電圧制御発振器(VCO)信号を生成するためのVCOと、
分割された信号を生成するために前記VCO信号を分割するための分割器と、
前記制御信号を受信することに応答して、前記局部発振器信号を表す、バッファリングされた信号を生成するために前記分割された信号をバッファリングするための、前記電源電圧でバイアスがかけられた、局部発振器バッファと、
を備える、無線周波数(RF)受信機。
【請求項10】
前記周波数ダウンコンバージョンモジュールは、
前記調整されたデューティサイクルを有する前記局部発振器信号を受信することに応答して対象となる前記受信された信号を前記第1の周波数から前記第2の周波数に混合するための少なくとも1つの混合器を備える請求項9に記載のRF受信機。
【請求項11】
前記局部発振器信号の前記デューティサイクルは、前記RF受信機における望ましい線形性性能及び望ましい雑音性能を提供するために調整される請求項9に記載のRF受信機。
【請求項12】
電源電圧でバイアスがかけられ及びデューティサイクルを有する局部発振器信号を生成するための手段と、
前記局部発振器信号の電圧レベルを表す第1の電圧信号と、前記局部発振器に関する希望されるデューティサイクルに対応する前記電源電圧の部分の電圧レベルを表す第2の電圧信号との間の差に応答して、および、前記局部発振器信号の前記デューティサイクルに影響を与える情報を情報源から受信することに応答して、前記希望されるデューティサイクルからの、前記局部発振器信号の前記デューティサイクルの変化を小さくするために絶対的調整を行うための手段と、を備え、
前記デューティサイクルの変化を小さくするために前記絶対的調整を行うための手段は、前記第1の電圧信号と前記第2の電圧信号との間の電圧差がゼロの電圧差になるように操作するように調整信号を決定し、前記調整信号に基づいて制御信号を生成するように構成され、
前記局部発振器信号を生成するための手段は、
VCO信号を生成するための手段と、
分割された信号を生成するために前記VCO信号を分割するための手段と、
前記制御信号を受信することに応答して、前記局部発振器信号を表す、バッファリングされた信号を生成するために前記分割された信号をバッファリングするための手段と、
を備える、装置。
【請求項13】
複数の局部発振器信号の平均電圧レベルを用いて、1つの対応する差に応答して前記複数の局部発振器信号の各々を調整するための手段を備える請求項12に記載の装置。
【請求項14】
複数の局部発振器信号の各々に関する電圧レベルを用いて、複数の対応する差に応答して前記複数の局部発振器信号の各々を独立して調整するための手段を備える請求項12に記載の装置。
【請求項15】
コンピュータプログラムで符号化された非一時的なコンピュータ可読媒体であって、前記コンピュータプログラムは、
電源電圧でバイアスがかけられ及びデューティサイクルを有する局部発振器信号を生成することと、
前記局部発振器信号の電圧レベルを表す第1の電圧信号と、前記局部発振器に関する希望されるデューティサイクルに対応する前記電源電圧の部分の電圧レベルを表す第2の電圧信号との間の差に応答して、および、前記局部発振器信号の前記デューティサイクルに影響を与える情報を情報源から受信することに応答して、前記希望されるデューティサイクルからの、前記局部発振器信号の前記デューティサイクルの変化を小さくするために絶対的調整を行うことと、
が実行可能な命令を備えており、
前記デューティサイクルの変化を小さくするために前記絶対的調整を行うことは、前記第1の電圧信号と前記第2の電圧信号との間の電圧差がゼロの電圧差になるように操作するように調整信号を決定し、前記調整信号に基づいて制御信号を生成することを備え、
前記局部発振器信号を生成することが実行可能な前記命令は、
VCO信号を生成することと、
分割された信号を生成するために前記VCO信号を分割することと、
前記制御信号を受信することに応答して、前記局部発振器信号を表す、バッファリングされた信号を生成するために前記分割された信号をバッファリングすることと、
が実行可能な命令を備える、非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項16】
複数の局部発振器信号の平均電圧レベルを用いて、1つの対応する差に応答して前記複数の局部発振器信号の各々を調整することが実行可能な命令を備える、請求項15に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項17】
複数の局部発振器信号の各々に関する電圧レベルを用いて、複数の対応する差に応答して前記複数の局部発振器信号の各々を独立して調整することが実行可能な命令を備える、請求項15に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項18】
前記局部発振器信号の前記デューティサイクルの前記絶対的調整を行うことは、
前記局部発振器信号の前記デューティサイクルに影響を与える情報を提供することと、
前記情報を受信することに応答して前記局部発振器信号の前記デューティサイクルの前記絶対的調整を行うことと、を備える、請求項15に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、無線周波数(RF)通信に関するものである。より具体的には、本発明は、RF通信において採用された局部発振器信号のデューティサイクルを調整することに関するものである。
【背景技術】
【0002】
無線周波数(RF)通信用途においては、RF受信機又はRFトランシーバの受信機部は、アンテナからの入力を受信し、電子フィルタを用いてアンテナによって受信されたすべてのその他の無線信号から対象となる無線信号を分離する電子回路である。増幅器は、対象となる無線信号を処理に適するレベルに増幅する。局部発振器は、混合器が増幅された対象となる無線信号を異なる周波数に変換するための局部発振器信号を生成する。変換された周波数信号は、さらにフィルタリング、増幅、復調、及び復号されて使用可能な形態、例えば、音、ピクチャ、デジタルデータ、測定値、ナビゲーション位置、等になる。
【0003】
RF受信機は、対象となる通信チャネルに対応する通過帯域内における大きな干渉信号の存在に耐えることが要求されることがある。これらの干渉信号は、隣接チャネルのユーザに及び/又は対象となるチャネルから周波数の点では相対的に遠い存在であるがその大きな送信電力が有意な干渉問題を依然として引き起こすことがある送信源に起因していることがある。これらの干渉信号は、ブロッカと呼ばれることがあり、希望される信号の周波数及び/又は電力に対するそれらの相対的なそれ及び/又は検出されたそれは、送信方式及び/又は動作条件に基づいて変化することがある。対象となるチャネル内での干渉信号の影響は、例えば、デジタルRFシステムにおいてはビット誤り率(BER)の劣化及びアナログRFシステムにおいては聴覚及び/又は視覚上の信号対雑音比(SNR)の劣化という結果になることがある。
【0004】
無線受信機によって利用される回路では2次及び/又は3次の歪みの影響が徐々に大きい制約になってきているため、干渉に耐えるRF受信機設計を提供する能力は達成させるのが困難なことがある。例えば、混合器及び/又は対象となる周波数信号をゼロの中間周波数(IF)信号に又は低IF信号にダウンコンバージョンするために採用することができるその他の回路は、2次及び/又は3次の非線形性の結果、ブロッカ信号からスペクトル成分を生成することができ、それは、直流(DC)又はほぼ直流であることができる。これらのスペクトル成分の影響は、ゼロIFにおいて希望される信号に対してDCオフセットを導入し、その結果、信号飽和、又は上述されるように、例えば雑音指数によって表されるようなシステムの雑音性能の著しい劣化、に至ることがある。
【0005】
線形性及び雑音指数の概念は、RF受信機設計の当業者によく知られている。2次及び/又は3次非線形性は、2次及び3次インターセプトポイント(IP2及びIP3)によって典型的に表される。雑音指数(NF)は、RF受信機内のコンポーネントに起因する信号対雑音比(SNR)の劣化の尺度である。雑音指数は、RF受信機の出力雑音電力と標準雑音温度T
0(通常は290°K)での入力終端における熱雑音に起因する部分の比である。従って、雑音指数は、実際の出力雑音とRF受信機自体が雑音を導入しなかった場合に残ることになるそれとの比である。
【0006】
局部発振器のデューティサイクルは、RF受信機の雑音指数及び線形性(例えば、IP2)に対して影響を与える。伝統的には、RF受信機のIP2校正は、試験装置を用いて製造環境において混合器バイアス電圧を調整してRF受信機の線形性を向上させることによって行われる。
【0007】
図面を参照して本出願の残りの部分において説明されるように、該システムと本発明の幾つかの態様との比較を通じて、従来の及び伝統的な手法のさらなる限界及び欠点がRF受信機設計の当業者にとって明らかになるであろう。
【発明の概要】
【0008】
本発明の一態様により、局部発振器(LO)モジュールは、局部発振器と、フィードバック回路と、を備える。局部発振器は、電源電圧でバイアスがかけられ、デューティサイクルを有する局部発振器信号を生成する。フィードバック回路は、局部発振器信号の電圧レベルを表す第1の電圧信号と、局部発振器信号に関する希望されるデューティサイクルに対応する電源電圧の部分の電圧レベルを表す第2の電圧信号との間の差に応答した局部発振器信号のデューティサイクルの絶対的調整を行う。
【0009】
本発明のその他の態様により、本発明は、装置、方法、システム、及びコンピュータに
よって読み取り可能なメモリを採用する。
【0010】
本発明のこれらの及びその他の態様は、添付された図面から及び以下の詳細な発明を実施するための形態から明確になるであろう。
【0011】
本発明の態様は、添付図面の図においては、例として示され、限定されるものではなく、同様の参照数字は対応する要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、本発明の一態様による、無線周波数(RF)トランシーバのブロック図表示を示す。
【
図2】
図2は、本発明の一態様による、
図1に示されるRFトランシーバにおいて用いることができる局部発振器(LO)モジュールのブロック図表示の第1の例を示す。
【
図3】
図3は、本発明の一態様による、
図1に示されるRFトランシーバにおいて用いることができる局部発振器(LO)モジュールのブロック図による表示の第2の例を示す。
【
図4】
図4は、本発明の一態様による、
図2又は3においてそれぞれ示される第1及び第2の局部発振器(LO)モジュールとともに用いることができる局部発振器信号のパルス幅を調整するための方法を示す。
【0013】
以下の説明及び図面は、本発明の態様及び例を示すものであり、本発明を限定するとは解釈されるべきでない。本発明についての徹底的な理解を可能にするために数多くの具体的な詳細が説明される。しかしながら、一定の事例においては、本発明の説明を曖昧にするのを回避するためによく知られた又は従来の詳細は説明されない。本開示における一実施形態又はある実施形態への言及は、必ずしも同実施形態への言及ではなく、該言及は、1つ以上の実施形態を含むことがある。
【0014】
図1は、本発明の一態様による、無線周波数(RF)トランシーバ100のブロック図による表現を示す。RFトランシーバ100は、アンテナ102と、受信機モジュール104と、送信機モジュール106と、アンテナ切り換えモジュール108と、局部発振器(LO)モジュール110と、メモリ112と、を含む。実際上は、すべての各々のRFトランシーバ設計が
図1に示されるすべての要素を有することになるわけではなく、さらに、
図1に示されるRFトランシーバ100は、その他のRFトランシーバ設計の複雑さを伝えていない。
【0015】
受信機モジュール104は、受信機フィルタモジュール114と、低雑音増幅器(LNA)116と、周波数ダウンコンバージョンモジュール118と、フィルタリング及び利得モジュール120と、アナログ−デジタル変換器(ADC)122と、デジタル受信機処理モジュール124と、データ出力モジュール126と、をさらに含む。デジタルRFトランシーバ設計の当業者によく知られるように、受信機モジュール104においては、デジタル受信フォーマット化されたデータがADC122の出力部において提供される。
【0016】
送信機モジュール106は、データ入力モジュール128と、デジタル送信機処理モジュール130と、デジタル−アナログ変換器(DAC)132と、フィルタリング及び利得モジュール134と、周波数アップコンバージョンモジュール136と、電力増幅器(PA)138と、送信機フィルタモジュール140と、をさらに含む。デジタルRFトランシーバ設計の当業者によく知られるように、送信機モジュール106においては、デジタル送信フォーマット化されたデータがDAC132の入力部において提供される。
【0017】
アンテナ切り換えモジュール108は、単一のアンテナ102が受信機モジュール104と送信機モジュール106との間で切り換わるのを可能にする。代替として、RFトランシーバ設計の当業者によく知られるように、アンテナ150及びアンテナ152は、受信機モジュール104及び送信機モジュール106にそれぞれ直接結合することができ、それにより、単一のアンテナ102及びアンテナ切り換えモジュール108を取り除くのを可能にする。
【0018】
LOモジュール110は、受信機モジュール104及び送信機モジュール106のための1つ以上のLO信号を生成し、及び、Rx LO信号142及びTx LO信号144をそれぞれ生成するためのRx LOモジュールとTx LOモジュールとを含む。
【0019】
デジタルRFトランシーバ設計の当業者によく知られるように、受信機モジュール104、送信機モジュール106、及びLOモジュール110の各々は、デジタル信号、例えば、同相(“I”)及び直交位相(Q)信号、の1つ以上の対を処理、提供、又は生成することができる。
【0020】
RFトランシーバ設計の当業者によく知られるように、メモリ112は、受信機モジュール104及び送信機モジュール106による使用のために格納された命令及び/又はデータの源及び/又は行先を提供する。
【0021】
RFトランシーバ100内において示される各々の個々の要素又はブロックの設計、機能及び/又は目的及びRFトランシーバ100における該要素又はブロック間での相互接続は、RFトランシーバ設計の当業者によく知られている。
【0022】
本発明の態様は、LOモジュール110、そして特に、受信機モジュール104による使用のためにLOモジュール110によって生成されるLO信号(Rx LO)142、に関する。
【0023】
一般に、LOモジュール110は、受信機モジュール104によって受信及び検出されている信号の周波数に近い周波数で信号を生成する。典型的には、周波数ダウンコンバージョンモジュール118内の1つ以上の混合器が、周波数ダウンコンバージョンモジュール118の出力部において1つ以上の混合された信号を典型的に提供するために、LOモジュール110によって生成されたLO信号(Rx LO)142をLNA116の出力部に存在する受信された信号と混合する。
【0024】
RFトランシーバ及び通信システムを設計する当業者によってよく知られるように、RFトランシーバ100は、通信システム、例えば、全地球航法衛星システム(GNSS)(示されていない)、セルラーシステム(示されていない)、固定電話システム(示されていない)、において採用することができる。通信システムは、移動局のための無線通信を提供し、セルラーシステム、固定された無線システム、PCS、又は衛星通信システムに限定されない。
【0025】
セルラーシステムは、典型的に、複数のセルラー基地局(“基地局”又は“BS”)(示されていない)と、モバイルスイッチングセンター(示されていない)と、位置決定エンティティ(PDE)とも呼ばれる位置サーバ(示されていない)と、を含む。セルラーシステムは、あらゆる規格又はプロトコル、例えば、CDMA、TDMA、FDMA、又はGSM(登録商標)、又はそれらの組み合わせ、による複数のアクセス通信に備えることができる。
【0026】
RFトランシーバ100は、セルラー移動局(“移動局”又は“MS”)として又はセルラー移動局(“移動局”又は“MS”)において使用することができる。送信機モジュール106は、BS受信機(示されていない)に通信信号を送信する。受信機モジュール104は、BS送信機(示されていない)から通信信号を受信する。
【0027】
移動局は、固定型(すなわち、静止型)及び/又は移動型(すなわち、携帯式)であることができる。移動局は、限定されることなしに、次のもの、すなわち、パソコン(PC)、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、ワークステーション、ミニコンピュータ、メインフレーム、スーパーコンピュータ、ネットワークに基づくデバイス、データプロセッサ、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、スマートカード、携帯電話、ページャ、及び腕時計、のうち1つ以上を含む様々な形態で実装することができる。
【0028】
図2は、本発明の一態様による、
図1に示されるRFトランシーバにおいて用いることができる局部発振器(LO)モジュール200のブロック図による表現の第1の例を示す。LOモジュール200は、電圧制御発振器(VCO)201と、分割器(divider)202と、局部発振器(LO)バッファ204と、低域通過フィルタ206と、抵抗ラダーネットワーク(resistor ladder network)208と、アナログ−デジタル変換器(ADC)210と、プロセッサ212と、情報源214と、シリアルバスインタフェース(SBI)216と、デジタル−アナログ変換器(DAC)218と、制御デバイス221、223、225、及び227と、を含む。
【0029】
VCO設計の当業者によく知られるように、VCOは、VCO_P252及びVCO_N254としてそれぞれ表されるプラス及びマイナスのVCO信号を生成する。
【0030】
分割器設計の当業者によく知られるように、分割器は、プラス及びマイナスのVCO信号252及び254を分割する。分割器は、あらゆる数で分割する、例えば、2で分割することができ、あらゆるデューティサイクル、例えば、25%デューティサイクル、を有することができ、それにより、IP_25 256、IN_25 258、QP_25 260、及びQN_25 262、として表される4つの分割された信号を生成することができる。
【0031】
LOバッファ204は、バッファ222、224、226、及び228をさらに含む。4つのLOバッファ222、224、226、及び228は、IP_25 256、IN_25 258、QP_25 260、及びQN_25 262としてそれぞれ表される4つの分割された信号を受信及びバッファリングし、IP_OUT264、IN_OUT266、QP_OUT268、及びQN_OUT270としてそれぞれ表される4つのLO出力信号を生成する。LOバッファの数は、典型的に、分割器202から受信された分割器信号の数に対応し、各バッファは、1つの分割された信号を受信及びバッファリングし、それは、
図2の例では4つである。RFトランシーバ設計の当業者によく知られるように、IP_OUT264、IN_OUT266、QP_OUT268、及びQN_OUT270として表される、4つのLO出力信号は、全体で、
図1のRFトランシーバ100において示されるLO信号、Rx LO142を概して表し、周波数ダウンコンバージョンモジュール118とともに動作する。
【0032】
4つのLOバッファ222、224、226、及び228の各々は、4つのLOバッファの各々のためのバイアス電圧を提供するためにローカル電源(VDD_local)272も受信する。ローカル電源(VDD_local)272は、LOモジュール200にとって最も有利な効果を提供するために、LOモジュール200にとってローカルであり、及び典型的にRFトランシーバ100内のその他の箇所における他の機能に対してはローカルでない電源電圧である。一例においては、ローカル電源(VDD_local)272は、1.3V±5%であり、1.25V乃至1.35Vの電圧範囲を含む。
【0033】
以下においてさらに詳細に説明されるように、4つのLOバッファ222、224、226、及び228は、対応する4つのLOバッファ222、224、226、及び228を制御するための制御信号CS1、CS2、CS3、及びCS4も受信する。本発明の態様によれば、以下においてさらに詳細に説明されるように、制御信号CS1、CS2、CS3、及びCS4を受信するのに応答して、IP_OUT264、IN_OUT266、QP_OUT268、及びQN_OUT270として表される4つのLO出力信号の各々のパルス幅が調整される。
【0034】
フィルタ設計の当業者に個々によく知られるように、低域通過フィルタ206は、キャパシタ238と個々に組み合わせて用いられるときに抵抗器230、232、234、及び236をさらに含む。抵抗器230及びキャパシタ238によって表される低域通過フィルタは、QN_OUT270によって表されるバッファ出力信号の平均電圧レベルを決定する。抵抗器232及びキャパシタ238によって表される低域通過フィルタは、QP_OUT268によって表されるバッファ出力信号の平均電圧レベルを決定する。抵抗器234及びキャパシタ238によって表される低域通過フィルタは、IN_OUT266によって表されるバッファ出力信号の平均電圧レベルを決定する。抵抗器236及びキャパシタ238によって表される低域通過フィルタは、IP_OUT264によって表されるバッファ出力信号の平均電圧レベルを決定する。各バッファ出力信号の電圧レベルは、信号が1つの期間において高及び低である平均である。例えば、25%のデューティサイクルを有するLO信号に関しては、電圧は、期間の25%の間高(例えば、1.3V)であり、期間の75%の間低(例えば、0V)である。従って、この例においては、各バッファ出力信号に関する平均電圧レベルは、約0.325V(すなわち、1.3V×.25)である。
【0035】
4つの抵抗器230、232、234、及び236が、キャパシタ238上の同じ端子に各々接続されるため、低域通過フィルタ206の出力は、4つの低域通過フィルタのすべての平均電圧レベルの平均電圧レベルを表す共通モード電圧(VCM)信号276である。換言すると、VCM信号276は、IP_OUT264、IN_OUT266、QP_OUT268、及びQN_OUT270として表され、合計され及び4で分割された4つのLO出力信号の平均電圧レベルによって表される平均電圧レベルである。理想的な状況下において、ローカル電源(VDD_local)272が1.3V±5%、又は1.25V乃至1.35Vである例においては、VCM信号276は、LO出力信号のデューティサイクルが25%であるときには約0.325V(すなわち、1.3V÷4)であることができる。しかしながら、状況は、典型的には理想的でないため、この例においては、VCM信号276は、例えば、約0.3125V乃至0.3375Vの間で変化することがある。LO出力信号の電圧レベルを決定するためのその他の回路又は方法を、低域通過フィルタ206の代わりに用いることができる。
【0036】
抵抗ラダーネットワーク208は、抵抗器240、242、244、及び246をさらに含む。抵抗ラダーネットワーク208の最上部は、ローカル電源(VDD_local)272に結合され、それは、4つのLOバッファ222、224、226、及び228の各々のためのバイアス電圧を提供する。抵抗ラダーネットワーク208の最下部は、アース電位に結合される。ローカル基準電源信号(VREF_local)274は、抵抗器244と246との間において抵抗ラダーネットワーク208から分岐(tap)される。
図2に示される抵抗ラダーネットワーク208の例においては、抵抗器240、242、244、及び246の各々は、実質的に同じ抵抗値を有する。この例において、25%のデューティサイクルを有するLO信号に関しては、ローカル基準電源信号(VREF_local)274は、ローカル電源(VDD_local)272の約1/4を占める。理想的な状況下においては、ローカル電源(VDD_local)272が1.3V±5%、又は1.25V乃至1.35Vである例では、ローカル基準電源信号(VREF_local)274は、約0.325V(すなわち、1.3V÷4)であることができる。他の例において、50%のデューティサイクルを有するLO信号に関しては、VREF_local274が抵抗器242と244の間において抵抗ラダーネットワーク208から分岐されるときには、VREF_local274は、ローカル電源(VDD_local)274の約1/2を占める。従って、ローカル電源272の一部分の決定された電圧レベルは、局部発振器信号の希望されるデューティサイクルに対応する。ローカル基準電源信号(VREF_local)274の小部分又は一部分を決定するためのその他の回路又は方法を、抵抗ラダーネットワーク208の代わりに用いることができる。
【0037】
ADC210は、VCM信号276及びローカル基準電源信号(VREF_local)274を受信し、デジタル電圧信号278を生成する。ADC210は、ADC210がLOモジュール200及び/又はRFトランシーバ100において1つ以上の目的のためにADC機能を実行するときにはハウスキーピングADC又はHKADCと呼ぶことができる。一例においては、ADC210は、VCM信号276及びローカル基準電源信号(VREF_local)274をアナログ信号からデジタル信号に変換するために10ビットを採用することができる。一例においては、ADC210は、選択された信号をプロセッサ212に提供するために、デジタル選択信号286に応答してVCM信号276又はローカル基準電源信号(VREF_local)274のいずれかを選択的に受信するための切り換え機能を採用することができる。VCM信号276又はローカル基準電源信号(VREF_local)274を変換する、VCM信号276とローカル基準電源信号(VREF_local)274の間で切り換わる、又はVCM信号276又はローカル基準電源信号(VREF_local)274を提供するためのその他の回路又は方法を、ADC210の代わりに用いることができる。
【0038】
プロセッサ212は、VCM信号276及びローカル基準電源信号(VREF_local)274の各々を受信する。プロセッサ212は、VCM信号276及びローカル基準電源信号(VREF_local)274を比較する。プロセッサ212は、ADC210から一度に1つずつ受信される場合は、受信されたVCM信号276及び受信されたローカル基準電源信号(VREF_local)274の各々をメモリに格納することができ、又は、例えば2つの別個のADCから受信された場合は、受信されたVCM信号276及び受信されたローカル基準電源信号(VREF_local)274を、メモリに格納せずに、比較することができる。
【0039】
プロセッサ212は、VCM信号276とローカル基準電源信号(VREF_local)274との間の差を、存在する場合に、決定する。理想的な状況下においては、本例では、4つのLOバッファ出力信号264、266、268、及び270のうちの各々の1つに関する平均電圧レベル、及びすべての4つのバッファ出力信号264、266、268、及び270の平均電圧レベルは、ローカル電源(VDD_local)272の1/4に等しいべきであるため、VCM信号276及びローカル基準電源信号(VREF_local)274は同じであるべきである。このとおりであるべき理由は、この例においては、LO信号が25%のデューティサイクルを有するときには、VCM信号276は、ローカル電源(VDD_local)272の1/4に等しいべきであるためである。他の例においては、LO信号が50%のデューティサイクルを有するときには、VCM信号276は、ローカル電源(VDD_local)272の1/2に等しくあるべきである。
【0040】
しかしながら、理想的な状況は常に存在するわけではなく、それは、4つのLOバッファ出力信号264、266、268、及び270のうちの1つ以上のパルス幅を変化させ、それにより、4つのLOバッファ出力信号264、266、268、及び270のうちの1つ以上の対応するデューティサイクルを変化させる。
図1においてRx LO142によって表されるLO信号のデューティサイクルの該変化は、
図1のRFトランシーバ100における性能パラメータ、例えば、雑音指数及び線形性、に対して悪影響を有することがある。非理想的な状態、例えば、集積回路プロセス、電源電圧範囲、及び温度(すなわち、PVT)等、におけるLO信号のデューティサイクルのインテリジェントで正確な制御は、RFトランシーバ100が、
図1のRFトランシーバ100における性能パラメータの望ましいバランスを達成させる望ましいデューティサイクルでLO信号を動作させるのを可能にする。
【0041】
LO信号のデューティサイクルのインテリジェントで正確な制御を達成させるために、プロセッサは、VCM信号276とローカル基準電源信号(VREF_local)274との間の差を、存在する場合に、最小にするようにLO信号のパルス幅を調整(すなわち、修正、変更、シフト、等)する。換言すると、プロセッサ212は、2つの信号間の電圧差がゼロの電圧差になるように操作(すなわち、指示、同調、修正、等)するようにLO信号のパルス幅を調整する。ゼロの電圧差は、4つのLO信号264、266、268、及び270の平均電圧レベルがローカル電源(VDD_local)272の電圧レベルの1/4(又は、例えば50%のデューティサイクルを有するLO信号の場合は1/2)と同じであることを表す。
【0042】
プロセッサ212は、情報源214からの1つ以上の入力に応答してLO信号のパルス幅を調整する。該入力は、非理想的な状態、例えば、集積回路プロセス(例えば、CMOS)、電源電圧範囲、温度、動作パラメータ(例えば、周波数チャネル帯域)、性能パラメータ(例えば、高速又は低速チップ)、等、を引き起こすことを含むことがある。該入力は、静的に又は動的に決定することができる。静的入力は、例えば、実験室での複数の集積回路のデータ測定、決定、又はその要約を含むことができ、それらは、
図1に示される、RFトランシーバ100、受信機モジュール104、又はLOモジュール110のメモリ112に格納される。換言すると、静的入力は、RFトランシーバ100が製造される前に決定される。動的入力は、例えば、RFトランシーバ100、受信機モジュール104、又はLOモジュール110が製造されて動作可能になった後に行われた決定のデータ測定を含むことができる。動的入力は、入力値が変わるいずれの時点においても、例えば、リアルタイムで、定期的に、特定の動作時間において、例えば周波数帯域の変更、又はパーアップ時、等において、決定することができる。
【0043】
プロセッサ212は、例えば、ソフトウェア(すなわち、メモリに格納されたプログラマブル命令)内のバイナリサーチアルゴリズム(すなわち、プロセス又はメソッド)を用いて調整を行う。バイナリサーチアルゴリズムは、ソフトウェア調整を行う当業者によく知られており、データセットの中央において開始することと、おそらく5つ乃至6つのステップ(例えば、128ビットのデータセットの場合は、64、32、16、8、4、2)において合理的な決定が行われるまで、上方又は下方に1/2だけ移動するかどうかを決定することと、次に上方又は下方に1/4だけ移動するかどうかを決定することと、次に上方又は下方に1/8だけ移動するかどうかを決定すること、とを含む。バイナリサーチアルゴリズムは、高速の決定を行うのを有利に可能にする。調整を行うためのその他の回路又は方法を、バイナリサーチアルゴリズムの代わりに用いることができる。
【0044】
SBI216は、レジスタ1 248とレジスタ2 250とを含む数多くのレジスタをさらに含む。プロセッサ212は、例えば、命令282の形でSBI 216にパルス幅調整を提供する。プロセッサ212は、上述される、デジタル選択信号286を制御するために例えばSBI216に命令282も提供する。SBI216は、デジタル調整信号284及びデジタル選択信号286をそれぞれ提供するために、パルス幅調整及びADC210のための命令を受信し、レジスタ1 248及びレジスタ2 250をそれぞれ制御する。SBIの動作及び設計は、個々に、インタフェース通信の当業者によく知られている。デジタル調整信号284及びデジタル選択信号286を提供するためのその他の回路又は方法を、SBI216の代わりに用いることができる。
【0045】
DAC218は、アナログ電圧信号288を提供するためデジタル調整信号284をデジタル信号からアナログ信号に変換する。一例においては、DAC218は、6ビットを有することができる。アナログ電圧信号288は、局部発振器バッファ222、224、226、228のアナログ又は連続的フィードバック制御を提供する。
【0046】
制御デバイス221、223、225、及び227の各々は、例えば、N型電界効果トランジスタ(FET)又はP型FETとして表すことができ、同じアナログ電圧信号288を受信し、制御信号CS1、CS2、CS圧源272から、各バッファ222、224、226、及び228を通り、及び各々の対応する制御デバイス221、223、225、及び227を通り、アース電圧電位(制御デバイス内に示されない)までドレインされる電流の量を調整する。各バッファ222、224、226、及び228を通る電流を変化させることは、4つのLO出力信号264、266、268、及び270の各々のスルーレートを変化させる。従って、制御デバイス221、223、225、及び227は、4つのLO出力信号264、266、268、及び270の各々のスルーレートを調整するために、LOバッファ222、224、226、及び228の各々に制御信号CS1、CS2、CS3、及びCS4をそれぞれ提供し、それは、4つのLO出力信号264、266、268、及び270の各々のパルス幅を調整する。
【0047】
信号のスルーレート(slew rate)は、回路内のいずれかの地点における信号の最大変化率(例えば、信号パルスの傾き)を表す。スルーレートの限度は、電子回路において非線形の効果を発生させる可能性がある。4つのLO出力信号264、266、268、及び270の各々のパルス幅を調整することは、対応する4つのLO出力信号264、266、268、及び270の各々のデューティサイクルの調整を可能にする。従って、非理想的な状態、例えば、集積回路プロセス、電源電圧範囲、及び温度(すなわち、PVT)等、における4つのLO出力信号264、266、268、及び270のデューティサイクルのインテリジェントで正確な制御は、RFトランシーバ100が、
図1のRFトランシーバ100における性能パラメータ(例えば、線形性及び雑音指数)の望ましいバランスを達成させる望ましいデューティサイクルで4つの出力信号LO信号264、266、268、及び270を動作させるのを有利に可能にする。制御信号CS1、CS2、CS3、及びCS4を提供するためのその他回路及び方法を、制御デバイス221、223、225、及び227の代わりに用いることができる。
【0048】
さらに、制御信号CS1、CS2、CS3、及びCS4は、4つのLO出力信号264、266、268、及び270の各々のパルス幅をそれぞれ調整するためにフィードバックループ内において直接又は間接的に印加することができる。制御信号CS1、CS2、CS3、及びCS4は、LOバッファ222、224、226、及び228にそれぞれ印加されることによって、4つのLO出力信号264、266、268、及び270の各々のパルス幅を直接調整する。制御信号CS1、CS2、CS3、及びCS4は、フィードバックループ内の他のポイントに対して、例えば、分割器202に対して又はLOモジュール200の入力バッファに対して、印加することによって、4つのLO出力信号264、266、268、及び270の各々のパルス幅を間接的に調整する。
【0049】
LOモジュール200において、命令282、デジタル調整信号284、アナログ電圧信号288、制御信号CS1、CS2、CS3、及びCS4は、プロセッサ212によって決定されたパルス幅調整を異なる信号形式で各々表す。従って、RxLO信号142のデューティサイクルを調整するためのフィードバックを提供するためにこれらの信号のうちのいずれか1つ(又は示されていないその他の中間信号)を用いることができる。概して、これらの信号は、デジタル形式で(例えば、命令282、デジタル調整信号284)又はアナログ形式で(例えば、アナログ電圧信号288、及び制御信号CS1、CS2、CS3、及びCS4)表される。
図2、及び
図3において示される例では、フィードバック信号は、LOバッファ204への印加のためにデジタル形式からアナログ形式に変換される。
図2、及び
図3において採用することができる他の例では、フィードバック信号は、LOバッファ204への印加のためにデジタル形式のままであることができる。この場合は、アナログ電圧信号288はもはや必要でなく、制御デバイス221、223、225、及び227がアナログ信号ではなくデジタル信号を受信するために好適化されるためDAC218は取り除かれる。例えば、制御デバイス221、223、225、及び227は、6ビット(例えば、1x、2x、4x、8x、16x、及び32x)を有する、バイナリバンクとも呼ばれるバイナリ加重制御(binary weighted control)デバイスであることができる。制御デバイス内のビット数は、受信されたデジタル信号に応答する制御信号CS1、CS2、CS3、及びCS4の分解能を決定する。分解能は、フィードバックプロセス中におけるRx LO信号のデューティサイクルの微調整(すなわち、相対的に小さい又は大きい調整)に対応する。
【0050】
上述のように、低域通過フィルタ206は、4つのLO出力信号264、266、268、及び270の平均を表すVCM信号276を提供し、抵抗ラダーネットワーク208は、ローカル電源272の一部分を表すローカル基準電源274を提供する。
図1のLOモジュール200内のフィードバック制御ループは、1つの平均信号276が相対的に正確な信号274と比較され、制御信号CS1、CS2、CS3、及びCS4が4つのLO出力信号264、266、268、及び270の各々のパルス幅をそれぞれ調整するという点で相対的に単純である。
【0051】
4つのLO出力信号264、266、268、及び270の各々のパルス幅を調整するための制御信号CS1、CS2、CS3、及びCS4を生成するために平均信号276が相対的に正確な信号274と比較されることを考慮した場合、該フィードバック制御ループは、簡略化されているが、4つのLO出力信号264、266、268、及び270の各々に関して正確でないことがある。例えば、4つのLO出力信号264、266、268、及び270のうちの1つは、VCM信号276の平均電圧レベルよりも高かった、低かった、又は同じであった可能性がある。この場合は、制御信号CS1、CS2、CS3、及びCS4の各々のための1つのアナログ電圧信号288は、4つのLO出力信号264、266、268、及び270の各々のパルス幅をそれぞれ過度に又は過小に調整することがある。
図2に示される簡略化された設計は、幾つかの又はほとんどの設計にとって許容可能であると思われるが、幾つかの設計は、4つのLO出力信号264、266、268、及び270の各々のパルス幅の個々の調整を要求するか又は有利に採用することができる。
【0052】
4つのLO出力信号264、266、268、及び270の各々のパルス幅のこのような個々の調整は、
図3に示され、本発明の一態様による、
図1に示されるRFトランシーバにおいて用いることができる局部発振器(LO)モジュール300のブロック図による表現の第2の例として示される。
【0053】
図3に示されるLOモジュール300と
図2に示されるLOモジュール200との間の主な相違点は、
図3の低域通過フィルタ206が4つのLO出力信号の4つの別個の平均電圧レベル測定値を提供する4つ別個の低域通過フィルタを今は含むことである。例えば、低域通過フィルタ206は、フィルタ設計の当業者に個々によく知られるように、4つの別個の低域通過フィルタを提供するために、キャパシタ302、304、306、及び308と組み合わせて用いられる抵抗器230、232、234、及び236を今は含む。抵抗器230及びキャパシタ302によって表される低域通過フィルタは、QN_OUT270によって表されるバッファ出力信号の第1の平均電圧レベルを決定する。抵抗器232及びキャパシタ304によって表される低域通過フィルタは、QP_OUT268によって表されるバッファ出力信号の第2の平均電圧レベルを決定する。抵抗器234及びキャパシタ306によって表される低域通過フィルタは、IN_OUT266によって表されるバッファ出力信号の第3の平均電圧レベルを決定する。抵抗器236及びキャパシタ308によって表される低域通過フィルタは、IP_OUT264によって表されるバッファ出力信号の第4の平均電圧レベルを決定する。
【0054】
低域通過フィルタ206の4つの出力は、4つの各々のLO出力信号264、266、268、及び270の第1、第2、第3及び第4の平均電圧レベルをそれぞれ表す共通モード電圧(VCM)信号310、312、314、及び316である。LO出力信号の4つの個々の平均電圧レベルを決定するためのその他の回路又は方法を、4つの個々の低域通過フィルタ206の代わりに用いることができる。
【0055】
図3に示されるLOモジュール300と、
図2に示され、
図3では詳細には示されないLOモジュール200との間の2次的な相違点は、4つの別個のアナログ電圧信号AVS4、AVS3、AVS2、及びAVS1をそれぞれ生成するための4つのVCM信号310、312、314、及び316を受け入れることができるADC210と、プロセッサ212と、SBI216と、DAC218と、制御デバイス221、223、225、及び227と、を含む。
【0056】
図3における一般的プロセスは、プロセッサが4つのVCM信号の各々に関する電圧差信号を決定しそれにより対応する4つのLO出力信号264、266、268、及び270の各々のための対応するパルス幅調整を決定するために4つのVCM信号の各々を1つのローカル基準電源電圧信号274と比較するという点で
図2に示されるそれと同様である。
【0057】
DAC218(例えば、4つのDAC又は1つのDAC+4つのデルタDAC)は、4つの別個の及び独立した制御信号(CS1乃至CS4)をそれぞれ4つのLOバッファ222、224、226、228、にそれぞれ提供するために、4つの制御デバイス221、223、225、及び227のための4つのアナログ電圧信号(AVS1乃至AVS4)を生成する。4つのLOバッファ222、224、226、228の個々の制御は、4つの対応するLO出力信号264、266、268、及び270の個々の制御を可能にする。4つの対応するLO出力信号264、266、268、及び270の個々の制御は、4つの対応するLO出力信号264、266、268、及び270の各々のデューティサイクルを調整するための4つの対応するLO出力信号264、266、268、及び270の各々のパルス幅の個々の制御を可能にする。換言すると、1つのLO信号は、そのパルス幅を上方調整する(adjusted up)ことができ及び他のLO信号は、そのパルス幅を下方調整する(adjusted down)か又はまったく調整しないことができる。
【0058】
独立したLO信号のパルス幅の調整が有利であることができる一例は、
図1に示される受信機モジュール104の第2のインターセプトポイント(IP2)の校正を含む。受信機モジュール104におけるIP2の性能は、I及びQの差動(differential)LO出力信号のデューティサイクルの歪み又は不均衡(すなわち、歪み又は不均衡に起因する劣化)に典型的には大きく依存する。LO出力信号264、266、268、及び270のパルス幅を独立して調整する能力は、RFトランシーバ100の外部の時間のかかる試験装置を用いた、
図1に示される周波数ダウンコンバージョンモジュール118における混合器バイアス電圧を調整することによって行われる従来のIP2校正をなくす又は縮小することを有利に可能にし、及び、例えば、RFIC又は移動局において“急いで”(すなわち、ここにおいて説明されるように、リアルタイムで、定期的に、等)IP2校正を行う。該調整は、実験室において、RFICの製造又は生産中に、最終製品(例えば、移動局)内への取り付け後に、最終製品が現場で販売された後に、最終製品の使用中に、等、において行うことができる。換言すると、LO出力信号264、266、268、及び270のパルス幅の独立した調整は、受信機モジュール104の動作中におけるIP2の校正を有利に可能にする。
【0059】
図2を参照して説明されるように、制御信号CS1、CS2、CS3、及びCS4は、
図2及び3に示されるようにアナログ形式であること、又はデジタル形式であることができる。
図3のデジタル実装に関しては、DAC218が取り除かれ、制御デバイス221、223、225、及び227が、
図2に関して説明されるように、デジタル信号を受信するために好適化される。従って、
図3において、LO信号264、266、268、及び270の各々のデューティサイクルの個々の制御をそれぞれ提供するためのLOバッファ222、224、226、及び228の各々を通る電流のデジタル式の独立した制御を提供するために、(個々にではなく全体として示される)4つのデジタル調整信号284が4つの制御デバイス221、223、225、及び227に印加される。
【0060】
LOモジュール200及び300の各々において、LO出力信号のデューティサイクルの調整は、相対的調整とは対照的に、絶対的調整である。換言すると、LO出力信号のデューティサイクルは、いずれかの特定の又は希望される値に合わせて調整することができ、位相差を小さくして誤りを最小にするために単に調整するだけでないことができる。このような絶対的なデューティサイクル調整は、異なる、様々な、及び特定の状況に基づいてデューティサイクルを調整するのを有利に可能にする。
【0061】
図4は、本発明の一態様による、
図2又は3に示される第1の200又は第2の300局部発振器(LO)モジュールとともに用いることができる局部発振器信号142のパルス幅を調整するため方法400を示す。さらなる明確化を目的として、方法400の高位のステップが
図4に示される。方法400の追加のステップ及びさらなる詳細は、
図2及び3及び関連する記述を参照して明示で又は黙示で説明される。
【0062】
ブロック401において、方法400が開始する。
【0063】
ブロック402において、方法400は、電源電圧272でバイアスがかけられ及びデューティサイクルを有する局部発振器信号264、266、268、及び270を生成する。
【0064】
ブロック403において、方法400は、局部発振器信号264、266、268、及び270の電圧レベルを表す第1の電圧信号276(又は310、312、314、及び316)と、局部発振器200(又は300)のための希望されるデューティサイクルに対応する電源電圧272の部分の電圧レベルを表す第2の電圧信号274との間の差に応答して局部発振器信号264、266、268、及び270のデューティサイクルの絶対的調整を行う。
【0065】
ブロック404において、方法400が終了する。
【0066】
要約すると、LOモジュールの第1の例200及び第2の例300の利点の一部は、次を含む。LOモジュール200及び300は、非理想的な状態、例えば、集積回路プロセス、電源レベル及び温度の変動、において4つのLO出力信号264、266、268、及び270のデューティサイクルに対する正確な制御を維持する。LOモジュール200及び300は、受信機モジュール104内の雑音指数と線形性の性能パラメータ間での希望されるバランスを達成させるための4つのLO出力信号264、266、268、及び270のデューティサイクルの最適な選択(例えば、約25%)を可能にする。LOモジュール200及び300は、(例えば、集積回路(IC)チップ上の)RFトランシーバ設計の組み込み式セルフテスト(built−in−self−test)(BIST)の特徴を採用し、それらは、ICチップ外部の時間がかかる試験装置又は方法を要求しない。BISTは、校正が“急いで”行われることを可能にする。LOモジュール200及び300は、各々が、“検知及び調整”閉ループ動作を用いるため、LOモジュール200及び300は、LO出力信号264、266、268、及び270のデューティサイクルを連続的にモニタリング及び調整することができる。
【0067】
本発明の態様は、周波数ダウンコンバージョンモジュール118での受信機モジュール104への適用のためにLOモジュール200及び300に関して説明されているが、それらは、例えば、周波数アップコンバージョンモジュール136を制御するために送信機モジュール106とともに採用することもできる。
【0068】
代替実装
ここに含まれるシステム、要素、モジュール、方法、及び/又はプロセスは、ハードウェア、ソフトウェア、又は両方の組み合わせにおいて実装することができ、及び、1つ以上のプロセッサを含むことができる。プロセッサは、タスクを実行するためのデバイス及び/又は機械によって読み取り可能な命令の組である。プロセッサは、プロセスを具現化した一連の命令を実行することが可能なあらゆるデバイスであることができ、限定されることなしに、コンピュータ、マイクロプロセッサ、コントローラ、特定用途向け集積回路(ASIC)、有限ステートマシン、デジタル信号プロセッサ(DSP)、又は何らかのその他の機構を含む。プロセッサは、ハードウェア、ファームウェア、及び/又はソフトウェアのあらゆる組み合わせを含む。プロセッサは、実行可能なアプリケーション又はプロシージャ(procedure)又は情報デバイスによる使用のために情報を計算、処理、解析、修正、変換、又は送信することによって、及び/又はその情報を出力デバイスにルーティングすることによって、格納された及び/又は受信された情報に作用する。
【0069】
実行可能なアプリケーションは、例えば、ユーザのコマンド又は入力に応答して、オペレーティングシステム、ソフトウェアアプリケーションプログラム、又はその他の情報処理システムの機能を含む予め決定されたそれらを実装するためのマシンコード又は機械によって読み取り可能な命令を備える。
【0070】
実行可能なプロシージャは、1つ以上の特定のプロセスを実行するための符号のセグメント(すなわち、機械によって読み取り可能な命令)、サブルーチン、又は符号のその他の個別のセクション又は実行可能なアプリケーションの一部分であり、受信された入力パラメータに基づいて(又は受信された入力パラメータに応答して)動作を行うことと、その結果得られた出力パラメータを提供すること、とを含むことができる。
【0071】
様々な実施形態において、本発明を実装するためにハードワイヤド回路をソフトウェア命令と組み合わせて用いることができる。従って、技法は、ハードウェア回路とソフトウェアの特定の組み合わせ、又はデータ処理システムによって実行される命令に関する特定のソースに限定されない。さらに、この説明全体を通じて、様々な機能及び動作は、説明を簡略化するためにソフトウェアコードによって実行されるか又は生じさせられるものとして説明される。しかしながら、該表現によって意味することは、機能はプロセッサによる符号の実行の結果得られるということであることを当業者は認識するであろう。
【0072】
本発明の態様は、少なくとも部分的にはソフトウェア内において実装できることがこの説明から明確であろう。すなわち、技法は、そのプロセッサが機械によって読み取り可能な媒体内に内蔵された命令のシーケンスを実行することに応答してコンピュータシステム又はその他のデータ処理システムにおいて実行することができる。
【0073】
機械読み取り可能媒体は、機械(例えば、コンピュータ、ネットワークデバイス、パーソナルデジタルアシスタント、コンピュータ、データプロセッサ、製造ツール、1つ以上のプロセッサの組を有するデバイス)によってアクセス可能な形で情報を提供する(すなわち、格納及び/又は送信する)あらゆる機構を含む。機械によって読み取り可能な媒体は、データ処理システムによって実行されたときに、本発明の様々な方法を実行することをシステムに行わせるソフトウェア及びデータを格納するために用いることができる。この実行可能なソフトウェア及び/又はデータの一部分は、様々な場所に格納することができる。例えば、機械によって読み取り可能な媒体は、記録可能な/記録不能な媒体(例えば、読み取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気ディスク記憶媒体、光学記憶媒体、フラッシュメモリデバイス、非揮発性メモリ、キャッシュ、遠隔記憶デバイス、等)、及び、電気的、光学的、音響的又はその他の形態の伝搬される信号(例えば、搬送波、赤外線信号、デジタル信号、等)、等を含む。
【0074】
上記の明細書において、本発明は、それの特定の典型的な実施形態を参照して説明されている。以下の請求項において示される本発明のより広範な精神及び適用範囲を逸脱することなしに様々な修正をそれらに対して行うことができることが明らかであろう。明細書及び図面は、制限する意味ではなく例示する意味であると適宜みなされるべきである。
なお、本願の出願当初の請求項と同一の記載を以下に付記する。
[C1] 局部発振器(LO)モジュールであって、
デューティサイクルを有する局部発振器信号を生成するための、電源電圧でバイアスがかけられた局部発振器と、
前記局部発振器信号の電圧レベルを表す第1の電圧信号と、前記局部発振器信号に関する希望されるデューティサイクルに対応する前記電源電圧の部分の電圧レベルを表す第2の電圧信号との間の差に応答して前記局部発振器信号の前記デューティサイクルの絶対的調整を行うためのフィードバック回路と、を備える、局部発振器(LO)モジュール。
[C2] 前記局部発振器信号は、複数の局部発振器信号を含み、
前記フィードバック回路は、複数の局部発振器信号の平均電圧レベルを用いて、1つの対応する差に応答して前記複数の局部発振器信号の各々を調整するC1に記載のLOモジュール。
[C3] 前記局部発振器信号は、複数の局部発振器信号を含み、
前記フィードバック回路は、複数の局部発振器信号の各々に関する電圧レベルを用いて、複数の対応する差に応答して前記複数の局部発振器信号の各々を独立して調整するC1に記載のLOモジュール。
[C4] 電圧制御発振器(VCO)信号を生成するためのVCOと、
分割された信号を生成するために前記VCO信号を分割するための分割器と、
制御信号を受信することに応答して、前記局部発振器信号を表す、バッファリングされた信号を生成するために前記分割された信号をバッファリングするための、前記電源電圧でバイアスがかけられた、局部発振器バッファと、を備えるC1に記載のLOモジュール。
[C5] 前記フィードバック回路は、
前記第1の電圧信号を決定するための第1の手段と、
前記第2の電圧信号を決定するための第2の手段と、
前記第1及び第2の電圧信号を受信するための第3の手段と、
前記第1及び第2の電圧信号を受信することに応答して前記第1及び第2の電圧信号を比較するための第4の手段と、
前記第1及び第2の電圧信号を比較することに応答して前記第1と第2の電圧信号の間の差を決定するための第5の手段と、
前記第1と第2の電圧信号の間の差を決定する前記差を決定することに応答して調整信号を決定するための第6の手段と、
前記調整信号を決定することに応答して前記制御信号を生成するための第7の手段と、
を備えるC1に記載のLOモジュール。
[C6] 前記第1の手段は、低域通過フィルタを備えるC5に記載のLOモジュール。
[C7] 前記第2の手段は、抵抗器分割器ネットワークを備えるC5に記載のLOモジュール。
[C8] 前記第3の手段、第4の手段、第5の手段、及び第6の手段は、プロセッサを備えるC5に記載のLOモジュール。
[C9] 前記第7の手段は、制御デバイスを備えるC5に記載のLOモジュール。
[C10] 前記フィードバック回路は、第1のデジタル信号及び第2のデジタル信号をそれぞれ生成するために前記第1の電圧信号及び前記第2の電圧信号の各々をアナログ信号形式からデジタル信号形式に変換するためのアナログ−デジタル変換器を備えるC5に記載のLOモジュール。
[C11] 前記フィードバック回路は、
アナログ電圧信号を生成するために前記調整信号をデジタル形式からアナログ形式に変換するためのデジタル−アナログ変換器を備えるC5に記載のLOモジュール。
[C12] 前記フィードバック回路は、前記局部発振器信号の前記デューティサイクルに影響を与える情報を提供するための情報源を備え、
前記フィードバック回路は、前記情報を受信することに応答して前記局部発振器信号の前記デューティサイクルの絶対的調整を行うC1に記載のLOモジュール。
[C13] 電圧制御発振器(VCO)信号を生成するためのVCOと、
分割された信号を生成するために前記VCO信号を分割するための分割器と、
制御信号を受信することに応答して、局部発振器信号を表す、バッファリングされた信号を生成するために前記分割された信号をバッファリングするための、電源電圧でバイアスがかけられた、局部発振器バッファと、
前記発振器信号の電圧レベルを表す第1の電圧信号を決定するための低域通過フィルタと、
前記局部発振器信号の希望されるデューティサイクルに対応する前記電源電圧の部分の電圧レベルを表す第2の電圧信号を決定するための抵抗器分割器ネットワークと、
第1のデジタル信号及び第2のデジタル信号をそれぞれ生成するために前記第1の電圧信号及び前記第2の電圧信号の各々をアナログ信号形式からデジタル信号形式に変換するためのアナログ−デジタル変換器と、
前記局部発振器信号のデューティサイクルに影響を与える情報を提供するための情報源と、
前記第1のデジタル信号及び前記第2のデジタル信号を受信し、前記第1のデジタル信号及び前記第2のデジタル信号を比較し、前記第1のデジタル信号と前記第2のデジタル信号との間の差を決定し、及び前記差を決定することに応答して及び前記情報を受信することに応答して調整信号を決定するためのプロセッサと、
前記局部発振器信号の前記デューティサイクルを調整するために前記調整信号を受信することに応答して前記制御信号を生成するための制御デバイスと、を備える、局部発振器(LO)モジュール。
[C14] アナログ電圧信号を生成するために前記調整信号をデジタル形式からアナログ形式に変換するためのデジタル−アナログ変換器を備え、
前記制御デバイスは、前記アナログ電圧信号を受信することに応答して前記制御信号を生成するC13に記載のLOモジュール。
[C15] 電源電圧でバイアスがかけられ及びデューティサイクルを有する局部発振器信号を生成することと、
前記局部発振器信号の電圧レベルを表す第1の電圧信号と、前記局部発振器に関する希望されるデューティサイクルに対応する前記電源電圧の部分の電圧レベルを表す第2の電圧信号との間の差に応答して前記局部発振器信号の前記デューティサイクルの絶対的調整を行うこと、とを備える、方法。
[C16] 複数の局部発振器信号の平均電圧レベルを用いて、1つの対応する差に応答して前記複数の局部発振器信号の各々を調整することを備えるC15に記載の方法。
[C17] 複数の局部発振器信号の各々に関する電圧レベルを用いて、複数の対応する差に応答して前記複数の局部発振器信号の各々を独立して調整することを備えるC15に記載の方法。
[C18] VCO信号を生成することと、
分割された信号を生成するために前記VCO信号を分割することと、
制御信号を受信することに応答して、前記局部発振器信号を表す、バッファリングされた信号を生成するために前記分割された信号をバッファリングすることと、を備えるC15に記載の方法。
[C19] 前記局部発振器信号の前記デューティサイクルの前記絶対的調整を行うことは、
前記第1の電圧信号を決定することと、
前記第2の電圧信号を決定することと、
前記第1及び第2の電圧信号を受信することと、
前記第1及び第2の電圧信号を受信することに応答して前記第1及び第2の電圧信号を比較することと、
前記第1及び第2の電圧信号を比較することに応答して前記第1と第2の電圧信号の間の差を決定することと、
前記第1と第2の電圧信号の間の差を決定する前記差を決定することに応答して調整信号を決定することと、
前記調整信号を決定することに応答して前記制御信号を生成することと、を備えるC15に記載の方法。
[C20] 第1のデジタル信号及び第2のデジタル信号をそれぞれ生成するために前記第1の電圧信号及び前記第2の電圧信号の各々をアナログ信号形式からデジタル信号形式に変換することを備えるC19に記載の方法。
[C21] アナログ電圧信号を生成するために前記調整信号をデジタル形式からアナログ形式に変換することを備えるC19に記載の方法。
[C22] 前記局部発振器信号の前記デューティサイクルの前記絶対的調整を行うことは、
前記局部発振器信号の前記デューティサイクルに影響を与える情報を提供することと、
前記情報を受信することに応答して前記局部発振器信号の前記デューティサイクルの前記絶対的調整を行うことと、を備えるC15に記載の方法。
[C23] デューティサイクルを有する局部発振器信号を生成するための、電源電圧でバイアスがかけられた、局部発振器と、
前記局部発振器信号の電圧レベルを表す第1の電圧信号と、前記局部発振器に関する希望されるデューティサイクルに対応する前記電源電圧の部分の電圧レベルを表す第2の電圧信号との間の差に応答して前記局部発振器信号の前記デューティサイクルの絶対的調整を行うためのフィードバック回路と、を備える、局部発振器(LO)モジュールと、
調整されたデューティサイクルを有する前記局部発振器信号を受信することに応答して対象となる受信された信号を第1の周波数から第2の周波数にダウンコンバージョンするための周波数ダウンコンバージョンモジュールと、を備える、無線周波数(RF)受信機。
[C24] 前記周波数ダウンコンバージョンモジュールは、
前記調整されたデューティサイクルを有する前記局部発振器信号を受信することに応答して対象となる前記受信された信号を前記第1の周波数から前記第2の周波数に混合するための少なくとも1つの混合器を備えるC23に記載のRF受信機。
[C25] 前記局部発振器信号の前記デューティサイクルは、前記RF受信機における望ましい線形性性能及び望ましい雑音性能を提供するために調整されるC23に記載のRF受信機。
[C26] 電源電圧でバイアスがかけられ及びデューティサイクルを有する局部発振器信号を生成するための手段と、
前記局部発振器信号の電圧レベルを表す第1の電圧信号と、前記局部発振器に関する希望されるデューティサイクルに対応する前記電源電圧の部分の電圧レベルを表す第2の電圧信号との間の差に応答して前記局部発振器信号の前記デューティサイクルの絶対的調整を行うための手段と、を備える、装置。
[C27] 複数の局部発振器信号の平均電圧レベルを用いて、1つの対応する差に応答して前記複数の局部発振器信号の各々を調整するための手段を備えるC26に記載の装置。
[C28] 複数の局部発振器信号の各々に関する電圧レベルを用いて、複数の対応する差に応答して前記複数の局部発振器信号の各々を独立して調整するための手段を備えるC26に記載の装置。
[C29] VCO信号を生成するための手段と、
分割された信号を生成するために前記VCO信号を分割するための手段と、
制御信号を受信することに応答して、前記局部発振器信号を表す、バッファリングされた信号を生成するために前記分割された信号をバッファリングするための手段と、を備えるC26に記載の装置。
[C30] 前記局部発振器信号の前記デューティサイクルの前記絶対的調整を行うための前記手段は、
前記第1の電圧信号を決定するための手段と、
前記第2の電圧信号を決定するための手段と、
前記第1及び第2の電圧信号を受信するための手段と、
前記第1及び第2の電圧信号を受信することに応答して前記第1及び第2の電圧信号を比較するための手段と、
前記第1及び第2の電圧信号を比較することに応答して前記第1と第2の電圧信号の間の差を決定するための手段と、
前記第1と第2の電圧信号の間の差を決定する前記差を決定することに応答して調整信号を決定するための手段と、
前記調整信号を決定することに応答して前記制御信号を生成するための手段と、を備えるC26に記載の装置。