(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記UEを検出するステップが、ランダムアクセスチャネル(RACH)メッセージ、サウンディング基準信号(SRS)、シグネチャシーケンス、またはこれらの組み合わせを少なくとも受信するステップを備える、請求項1に記載の方法。
前記少なくとも1つのプロセッサがさらに、ランダムアクセスチャネル(RACH)メッセージ、サウンディング基準信号(SRS)、シグネチャシーケンス、またはこれらの組み合わせを少なくとも受信するように構成された、請求項7に記載の第1のUE中継ノード。
【発明を実施するための形態】
【0013】
添付の図面との関連で以下に示す詳細な記述は、様々な構成の記述とするものであり、本明細書に述べる概念を実践できる唯一の構成を表すものとはしない。この詳細な記述は、様々な概念の完全な理解を提供するための具体的な詳細を含む。しかし、これらの具体的な詳細がなくてもこれらの概念を実践できることは、当業者には明らかであろう。場合によっては、このような概念を曖昧にするのを避けるために、周知の構造およびコンポーネントはブロック図の形で示す。
【0014】
遠隔通信システムの態様を、様々な装置および方法に関して提示する。これらの装置および方法については、様々なブロック、モジュール、コンポーネント、回路、ステップ、プロセス、アルゴリズムなど(「要素」と総称する)によって、後続の詳細な記述において述べ、添付の図面において示す。これらの要素は、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、またはこれらの任意の組合せを使用して実現することができる。そのような要素がハードウェアによって実現されるかソフトウェアによって実現されるかは、特定の適用例、およびシステム全体に課される設計制約に依存する。
【0015】
例として、要素、または要素の任意の一部、または要素の任意の組合せは、1つまたは複数のプロセッサを備える「処理システム」を使用して実現することができる。プロセッサの例としては、本開示の全体を通して述べる様々な機能を実施するように構成された、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、ディジタル信号プロセッサ(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラム可能ロジックデバイス(PLD)、ステートマシン、ゲーテッドロジック、ディスクリートハードウェア回路、および他の適切なハードウェアが挙げられる。処理システム中の1つまたは複数のプロセッサは、ソフトウェアを実行することができる。ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれようと、または他の方法で呼ばれようと、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行のスレッド、プロシージャ、関数などを意味すると広く解釈されるものとする。
【0016】
したがって、1つまたは複数の例示的な実施形態では、述べる機能は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの任意の組合せにおいて実現することができる。ソフトウェアにおいて実現される場合、機能は、コンピュータ可読媒体上の1つまたは複数の命令またはコードとして記憶またはエンコードされてよい。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ記憶媒体を含む。記憶媒体は、コンピュータによってアクセスできる任意の利用可能な媒体とすることができる。限定ではなく例として、そのようなコンピュータ可読媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD-ROM、もしくは他の光ディスク記憶装置、磁気ディスク記憶装置もしくは他の磁気記憶デバイス、または、所望のプログラムコードを命令もしくはデータ構造の形で搬送もしくは記憶するのに使用できコンピュータによってアクセスできる他の任意の媒体を含んでよい。本明細書において、ディスク(disk、disc)は、コンパクトディスク(CD)、レーザディスク、光ディスク、ディジタル多用途ディスク(DVD)、フロッピー(登録商標)ディスク、およびブルーレイディスクを含み、ディスク(disk)は通常、データを磁気的に再生し、ディスク(disc)は、データをレーザで光学的に再生する。上記の組合せもまた、コンピュータ可読媒体の範囲内に含まれるべきである。
【0017】
図1は、LTEネットワークアーキテクチャ100を示す図である。LTEネットワークアーキテクチャ100は、発展型パケットシステム(EPS:Evolved Packet System)100と呼ばれることもある。EPS100は、1つまたは複数のユーザ機器(UE)102、発展型UMTS地上無線アクセスネットワーク(E-UTRAN:Evolved UMTS Terrestrial Radio Access Network)104、発展型パケットコア(EPC:Evolved Packet Core)110、ホーム加入者サーバ(HSS)120、およびオペレータのIPサービス122を含んでよい。EPSは、他のアクセスネットワークと相互接続する可能性があるが、簡単にするために、それらのエンティティ/インターフェースは示していない。図示のように、EPSはパケット交換サービスを提供する。しかし、当業者ならすぐに理解するであろうが、本開示の全体を通して提示する様々な概念は、回路交換サービスを提供するネットワークに拡張することができる。
【0018】
E-UTRANは、発展型NodeB(eNodeB:Evolved Node B)106および他のeNodeB108を含む。eNodeB106は、UE102へのユーザプレーンおよび制御プレーンプロトコル終端を提供する。eNodeB106は、バックホール(たとえばX2インターフェース)を介して他のeNodeB108に接続されてよい。eNodeB106は、基地局、ベーストランシーバステーション、無線基地局、無線送受信機、送受信機機能、基本サービスセット(BSS)、拡張サービスセット(ESS)と呼ばれるか、または他の何らかの適切な用語で呼ばれることもある。eNodeB106は、EPC110へのアクセスポイントをUE102に提供する。UE102の例は、セルラーフォン、スマートフォン、セッション開始プロトコル(SIP)フォン、ラップトップ、パーソナルディジタルアシスタント(PDA)、衛星無線、全地球測位システム、マルチメディアデバイス、ビデオデバイス、ディジタルオーディオプレーヤ(たとえばMP3プレーヤ)、カメラ、ゲームコンソール、または同様に機能するいずれか他のデバイスを含む。UE102はまた、当業者によって、移動局、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアントと呼ばれるか、または他の何らかの適切な用語で呼ばれることもある。
【0019】
eNodeB106は、たとえばS1インターフェースを介して、EPC110に接続される。EPC110は、モビリティ管理エンティティ(MME)112、他のMME114、サービングゲートウェイ116、およびパケットデータネットワーク(PDN)ゲートウェイ118を含む。MME112は、UE102とEPC110との間のシグナリングを処理する制御ノードである。一般に、MME112は、ベアラおよび接続管理を提供する。すべてのユーザIPパケットは、サービングゲートウェイ116を介して転送され、サービングゲートウェイ116自体は、PDNゲートウェイ118に接続される。PDNゲートウェイ118は、UE IPアドレス割振りならびに他の機能を提供する。PDNゲートウェイ118は、オペレータのIPサービス122に接続される。オペレータのIPサービス122は、インターネット、イントラネット、IPマルチメディアサブシステム(IMS)、およびPSストリーミングサービス(PSS)を含んでよい。
【0020】
図2は、LTEネットワークアーキテクチャにおけるアクセスネットワーク200の例を示す図である。この例では、アクセスネットワーク200は、いくつかのセルラー領域(セル)202に分割される。1つまたは複数の低電力クラスeNodeB208が、セル202のうちの1つまたは複数と重なるセルラー領域210を有することができる。低電力クラスeNodeB208は、リモート無線ヘッド(RRH)、フェムトセル(たとえばホームeNodeB (HeNodeB))、ピコセル、またはマイクロセルとすることができる。マクロeNodeB204は各々、それぞれのセル202に割り当てられ、セル202中のすべてのUE206にEPC110へのアクセスポイントを提供するように構成される。アクセスネットワーク200のこの例では集中型コントローラはないが、代替構成では集中型コントローラが使用されてもよい。eNodeB204は、無線ベアラ制御、アドミッション制御、モビリティ制御、スケジューリング、セキュリティ、およびサービングゲートウェイ116への接続性を含めた、すべての無線関連機能を担う。
【0021】
アクセスネットワーク200によって利用される変調および多元接続方式は、展開されている特定の遠隔通信標準に応じて異なる場合がある。LTE適用例では、ダウンリンク上ではOFDMが使用され、アップリンク上ではSC-FDMAが使用されて、周波数分割複信(FDD)と時分割複信(TDD)の両方がサポートされる。後続の詳細な記述から当業者はすぐに理解するであろうが、本明細書に提示する様々な概念は、LTE適用例によく適する。しかし、これらの概念は、他の変調および多元接続技術を利用する他の遠隔通信標準にも容易に拡張することができる。例として、これらの概念は、エボリューションデータオプティマイズド(EV-DO:Evolution-Data Optimized)またはウルトラモバイルブロードバンド(UMB)に拡張することができる。EV-DOおよびUMBは、CDMA2000標準ファミリの一部として第3世代パートナーシッププロジェクト2(3GPP2)によって発布されたエアインターフェース標準であり、CDMAを利用してブロードバンドインターネットアクセスを移動局に提供する。これらの概念はまた、ワイドバンドCDMA(W-CDMA)および他のCDMA異型(TD-SCDMAなど)を利用するユニバーサル地上無線アクセス(UTRA:Universal Terrestrial Radio Access)と、TDMAを利用するグローバルシステムフォーモバイルコミュニケーションズ(GSM(登録商標))と、OFDMAを利用する発展型UTRA(E-UTRA)、ウルトラモバイルブロードバンド(UMB)、IEEE802.11(Wi-Fi)、IEEE802.16(WiMAX)、IEEE802.20、およびフラッシュOFDMと、にも拡張することができる。UTRA、E-UTRA、UMTS、LTE、およびGSM(登録商標)は、3GPP組織からの文書に記載されている。CDMA2000およびUMBは、3GPP2組織からの文書に記載されている。利用される実際のワイヤレス通信標準および多元接続技術は、具体的な適用例、およびシステムに課される全体的な設計制約に依存することになる。
【0022】
eNodeB204は、MIMO技術をサポートする複数のアンテナを有することができる。MIMO技術の使用により、eNodeB204は、空間領域を利用して、空間多重化、ビームフォーミング、および送信ダイバーシティをサポートすることができる。空間多重化を使用して、異なるデータストリームを同じ周波数上で同時に送信することができる。データストリームを単一のUE206に送信してデータレートを増大させることができ、または、複数のUE206に送信して全体的なシステム容量を増大させることができる。これは、各データストリームを空間的にプリコーディングし(すなわち振幅および位相のスケーリングを適用し)、次いで、空間的にプリコーディングされた各ストリームをダウンリンク上で複数の送信アンテナを介して送信することによって、達成される。空間的にプリコーディングされたデータストリームは、種々の空間シグネチャとともにUE206に到達し、これにより、各UE206は、そのUE206に向けられた1つまたは複数のデータストリームを回復することができる。アップリンク上では、各UE206は、空間的にプリコーディングされたデータストリームを送信し、これにより、eNodeB204は、空間的にプリコーディングされた各データストリームのソースを識別することができる。
【0023】
空間多重化は、一般に、チャネル条件が良いときに使用される。チャネル条件が有利とは言い難いときは、ビームフォーミングを使用して、送信エネルギーを1つまたは複数の方向に集中させることができる。これは、複数のアンテナを介して送信するためにデータを空間的にプリコーディングすることによって達成することができる。セルのエッジで良いカバレッジを達成するために、単一ストリームのビームフォーミング送信を、送信ダイバーシティと組み合わせて使用することができる。
【0024】
後続の詳細な説明では、ダウンリンク上でOFDMをサポートするMIMOシステムに関して、アクセスネットワークの様々な態様について述べる。OFDMは、OFDMシンボル内でいくつかのサブキャリアにわたってデータを変調するスペクトル拡散技法である。サブキャリアは、正確な周波数で間隔があけられる。間隔があけられることで「直交性」がもたらされ、この直交性により、受信側は、サブキャリアからデータを回復することができる。時間領域では、ガードインターバル(たとえばサイクリックプレフィックス)を各OFDMシンボルに加えて、OFDMシンボル間干渉の抑制に努めることができる。アップリンクは、SC-FDMAをDFT拡散OFDM信号の形で使用して、高いピーク対平均電力比(PAPR)を補償することができる。
【0025】
図3は、LTEにおけるダウンリンクフレーム構造の例を示す
図300である。フレーム(10ミリ秒)を、等しいサイズの10個のサブフレームに分割することができる。各サブフレームは、連続する2つのタイムスロットを含むことができる。リソースグリッドを使用して2つのタイムスロットを表すことができ、各タイムスロットはリソースブロックを含む。リソースグリッドは、複数のリソース要素に分割される。LTEでは、リソースブロックは、周波数領域における連続する12個のサブキャリアを含み、また、各OFDMシンボル中の通常のサイクリックプレフィックスの場合、時間領域における連続する7つのOFDMシンボルを含み、すなわち84個のリソース要素を含む。拡張サイクリックプレフィックスの場合、リソースブロックは、時間領域における連続する6つのOFDMシンボルを含み、72個のリソース要素を有する。R302、304として示すいくつかのリソース要素は、ダウンリンク基準信号(DL-RS)を含む。DL-RSは、セル固有RS(CRS)(共通RSと呼ばれることもある)302およびUE固有RS(UE-RS)304を含む。UE-RS304は、対応する物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)のマッピング先であるリソースブロック上のみで送信される。各リソース要素によって搬送されるビットの数は、変調方式に依存する。したがって、UEが受信するリソースブロックが多いほど、かつ変調方式が高いほど、UEにとってのデータレートは高くなる。
【0026】
図4は、LTEにおけるアップリンクフレーム構造の例を示す
図400である。アップリンクの場合の利用可能なリソースブロックは、データセクションと制御セクションとに区分化することができる。制御セクションは、システム帯域幅の2端において形成されてよく、構成可能なサイズを有することができる。制御セクション中のリソースブロックは、制御情報の送信のためにUEに割り当てることができる。データセクションは、制御セクションに含まれないすべてのリソースブロックを含むことができる。このアップリンクフレーム構造により、データセクションは連続的なサブキャリアを含むことになり、これにより、単一のUEに、データセクション中の連続的なサブキャリアのすべてを割り当てることができる。
【0027】
UEには、制御情報をeNodeBに送信するために、制御セクション中のリソースブロック410a、410bを割り当てることができる。UEにはまた、データをeNodeBに送信するために、データセクション中のリソースブロック420a、420bを割り当てることができる。UEは、制御セクション中の割り当てられたリソースブロック上の物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)中で、制御情報を送信することができる。UEは、データセクション中の割り当てられたリソースブロック上の物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)中で、データのみ、またはデータと制御情報の両方を送信することができる。アップリンク送信は、サブフレームの両方のスロットにまたがることができ、周波数にわたってホップすることができる。
【0028】
1組のリソースブロックを使用して、初期システムアクセスを実施し、物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)430中でアップリンク同期を達成することができる。PRACH430は、ランダムシーケンスを搬送し、どんなアップリンクデータ/シグナリングも搬送できない。各ランダムアクセスプリアンブルは、連続する6つのリソースブロックに対応する帯域幅を占める。開始周波数は、ネットワークによって指定される。すなわち、ランダムアクセスプリアンブルの送信は、いくつかの時間リソースおよび周波数リソースに制限される。PRACHでは、周波数ホッピングはない。PRACH試行は、単一のサブフレーム(1ミリ秒)中で、または少数の連続的なサブフレームのシーケンス中で搬送され、UEは、1フレーム(10ミリ秒)につき単一のPRACH試行しか行うことができない。
【0029】
図5は、LTEにおけるユーザプレーンおよび制御プレーンの無線プロトコルアーキテクチャの例を示す
図500である。UEおよびeNodeBの無線プロトコルアーキテクチャが、レイヤ1、レイヤ2、レイヤ3の3層で示されている。レイヤ1(L1レイヤ)は、最下レイヤであり、様々な物理レイヤ信号処理機能を実現する。L1レイヤを、本明細書では物理レイヤ506と呼ぶ。レイヤ2(L2レイヤ)508は、物理レイヤ506の上にあり、物理レイヤ506を介したUEとeNodeBとの間のリンクを担う。
【0030】
ユーザプレーンでは、L2レイヤ508は、媒体アクセス制御(MAC)サブレイヤ510、無線リンク制御(RLC)サブレイヤ512、およびパケットデータ収束プロトコル(PDCP)514サブレイヤを含み、これらは、ネットワーク側でeNodeBにおいて終端する。図示されていないが、UEは、L2レイヤ508の上にいくつかの上位レイヤを有することができ、これらは、ネットワーク側でPDNゲートウェイ118において終端するネットワークレイヤ(たとえばIPレイヤ)と、接続の他方の端(たとえば遠端UE、サーバなど)で終端するアプリケーションレイヤとを含む。
【0031】
PDCPサブレイヤ514は、異なる無線ベアラおよび論理チャネルの間の多重化を提供する。PDCPサブレイヤ514はまた、無線送信オーバヘッドを低減するための上位レイヤデータパケットのヘッダ圧縮と、データパケットを暗号化することによるセキュリティと、eNodeB間におけるUEに対するハンドオーバサポートとを提供する。RLCサブレイヤ512は、上位レイヤデータパケットのセグメント化およびリアセンブリと、紛失データパケットの再送と、ハイブリッド自動再送要求(HARQ)のせいで順序の乱れた受信を補償するためのデータパケット並べ替えとを提供する。MACサブレイヤ510は、論理チャネルとトランスポートチャネルとの間の多重化を提供する。MACサブレイヤ510はまた、1つのセル中の様々な無線リソース(たとえばリソースブロック)をUE間で割り振ることも担う。MACサブレイヤ510はまた、HARQ動作も担う。
【0032】
制御プレーンでは、UEおよびeNodeBの無線プロトコルアーキテクチャは、物理レイヤ506およびL2レイヤ508についてはほぼ同じだが、例外として、制御プレーンにはヘッダ圧縮機能がない。制御プレーンはまた、レイヤ3(L3レイヤ)中に無線リソース制御(RRC)サブレイヤ516を含む。RRCサブレイヤ516は、無線リソース(すなわち無線ベアラ)を得ること、および、eNodeBとUEとの間でRRCシグナリングを使用して下位レイヤを構成することを担う。
【0033】
図6は、アクセスネットワーク中でeNodeB610がUE650と通信するブロック図である。ダウンリンクでは、コアネットワークからの上位レイヤパケットが、コントローラ/プロセッサ675に提供される。コントローラ/プロセッサ675は、L2レイヤの機能を実装する。ダウンリンクでは、コントローラ/プロセッサ675は、ヘッダ圧縮、暗号化、パケットセグメント化および並べ替え、論理チャネルとトランスポートチャネルとの間の多重化、ならびに、様々な優先順位メトリクスに基づくUE650への無線リソース割振りを提供する。コントローラ/プロセッサ675はまた、HARQ動作、紛失パケットの再送、およびUE650へのシグナリングも担う。
【0034】
TXプロセッサ616は、L1レイヤ(すなわち物理レイヤ)の様々な信号処理機能を実装する。これらの信号処理機能は、UE650における順方向誤り訂正(FEC)を容易にするための符号化およびインタリービングと、様々な変調方式(たとえば、2値位相シフトキーイング(BPSK)、直交位相シフトキーイング(QPSK)、M位相シフトキーイング(M-PSK)、M直交振幅変調(M-QAM))に基づく信号コンステレーションへのマッピングとを含む。次いで、符号化され変調されたシンボルは、並列ストリームに分離される。次いで、各ストリームは、OFDMサブキャリアにマッピングされ、時間および/または周波数領域で基準信号(たとえばパイロット)と多重化され、次いで逆高速フーリエ変換(IFFT)を使用して共に結合されて、時間領域OFDMシンボルストリームを搬送する物理チャネルが生成される。OFDMストリームは、空間的にプリコーディングされて、複数の空間ストリームが生成される。チャネル推定器674からのチャネル推定値を、符号化変調方式の決定ならびに空間処理に使用することができる。チャネル推定値は、UE650によって送信された基準信号および/またはチャネル条件フィードバックから導出することができる。次いで、各空間ストリームは、別々の送信機618TXを介して異なるアンテナ620に提供される。各送信機618TXは、送信用のそれぞれの空間ストリームによってRF搬送波を変調する。
【0035】
UE650では、各受信機654RXが、それぞれのアンテナ652を介して信号を受信する。各受信機654RXは、RF搬送波上に変調された情報を回復し、この情報を受信機(RX)プロセッサ656に提供する。RXプロセッサ656は、L1レイヤの様々な信号処理機能を実装する。RXプロセッサ656は、情報に対して空間処理を実施して、UE650に向けられた空間ストリームがあればそれを回復する。複数の空間ストリームがUE650に向けられている場合は、これらをRXプロセッサ656によって単一のOFDMシンボルストリームに結合することができる。次いでRXプロセッサ656は、高速フーリエ変換(FFT)を使用して、OFDMシンボルストリームを時間領域から周波数領域に変換する。周波数領域信号は、OFDM信号の各サブキャリアにつき別々のOFDMシンボルストリームを含む。各サブキャリア上のシンボル、および基準信号は、eNodeB610によって送信された最も可能性の高い信号コンステレーションポイントを決定することによって、回復され復調される。これらの軟判定は、チャネル推定器658によって計算されたチャネル推定値に基づくことができる。次いで、軟判定は復号されデインタリーブされて、物理チャネル上でeNodeB610によって元々送信されたデータおよび制御信号が回復される。次いで、データおよび制御信号は、コントローラ/プロセッサ659に提供される。
【0036】
コントローラ/プロセッサ659は、L2レイヤを実装する。コントローラ/プロセッサは、プログラムコードおよびデータを記憶したメモリ660に関連付けられてよい。メモリ660は、コンピュータ可読媒体と呼ぶことができる。アップリンクでは、コントローラ/プロセッサ659は、トランスポートチャネルと論理チャネルとの間の多重化解除、パケットリアセンブリ、暗号化解除、ヘッダ圧縮解除、制御信号処理を提供して、コアネットワークからの上位レイヤパケットを回復する。次いで、上位レイヤパケットはデータシンク662に提供される。データシンク662は、L2レイヤの上のすべてのプロトコルレイヤを表す。様々な制御信号もまた、L3処理のためにデータシンク662に提供されてよい。コントローラ/プロセッサ659はまた、HARQ動作をサポートするために、肯定応答(ACK)および/または否定応答(NACK)プロトコルを使用した誤り検出も担う。
【0037】
アップリンクでは、データソース667を使用して、上位レイヤパケットがコントローラ/プロセッサ659に提供される。データソース667は、L2レイヤの上のすべてのプロトコルレイヤを表す。eNodeB610によるダウンリンク送信に関して述べた機能と同様、コントローラ/プロセッサ659は、ヘッダ圧縮、暗号化、パケットセグメント化および並べ替え、ならびに、eNodeB610による無線リソース割振りに基づく論理チャネルとトランスポートチャネルとの間の多重化を提供することによって、ユーザプレーンおよび制御プレーンのL2レイヤを実装する。コントローラ/プロセッサ659はまた、HARQ動作、紛失パケットの再送、およびeNodeB610へのシグナリングも担う。
【0038】
eNodeB610によって送信された基準信号またはフィードバックからチャネル推定器658によって導出されたチャネル推定値を、TXプロセッサ668によって使用して、適切な符号化変調方式を選択し空間処理を容易にすることができる。TXプロセッサ668によって生成された空間ストリームは、別々の送信機654TXを介して、異なるアンテナ652に提供される。各送信機654TXは、送信用のそれぞれの空間ストリームによってRF搬送波を変調する。
【0039】
アップリンク送信は、eNodeB610において、UE650における受信機機能に関して述べたのと同様にして処理される。各受信機618RXは、それぞれのアンテナ620を介して信号を受信する。各受信機618RXは、RF搬送波上に変調された情報を回復し、この情報をRXプロセッサ670に提供する。RXプロセッサ670は、L1レイヤを実装することができる。
【0040】
コントローラ/プロセッサ675は、L2レイヤを実装する。コントローラ/プロセッサ675は、プログラムコードおよびデータを記憶したメモリ676に関連付けられてよい。メモリ676は、コンピュータ可読媒体と呼ぶことができる。アップリンクでは、コントローラ/プロセッサ675は、トランスポートチャネルと論理チャネルとの間の多重化解除、パケットリアセンブリ、暗号化解除、ヘッダ圧縮解除、制御信号処理を提供して、UE650からの上位レイヤパケットを回復する。コントローラ/プロセッサ675からの上位レイヤパケットは、コアネットワークに提供することができる。コントローラ/プロセッサ675はまた、HARQ動作をサポートするために、ACKおよび/またはNACKプロトコルを使用した誤り検出も担う。
【0041】
低電力ノードの休止状態
図7に、低電力ノードの動作をサポートする例示的なネットワーク構造700を示す。ネットワーク700は、eNodeB710、UE750、および低電力ノード730を含む。低電力ノード730は、UE機能とeNodeB機能の両方を備える低電力ノードであるUE中継器であってよく、ネットワーク全体に分散してUEとeNodeBとの間の通信を容易にすることができる。低電力ノードは、ワイヤレスバックホールを有する中継局、UE中継局、中継eNB、eNBとして動作するUE中継器(UeNB)、または、有線バックホールを有するスモールセル、と呼ばれることがある。UE中継器などの低電力ノードを利用するシステム中では、eNodeB710は、ドナー基地局またはドナーeNodeB(DeNB)と呼ばれることもある。
【0042】
通常、低電力ノード730は、アップストリーム局(たとえばeNodeBまたはUE)からデータおよび/または他の情報の送信を受け取り、ダウンストリーム局(たとえばUEまたはeNodeB)にデータおよび/または他の情報の送信を送る。低電力ノードは、UEのために送信を中継するのに専用とされた局とすることができる。低電力ノードはまた、他のUEのために送信を中継するのに専用とされたUEとすることもできる。低電力ノードは、UEとeNodeBとの間の通信を容易にするために、アクセスリンクを介してUEと通信することができ、バックホールリンクを介してeNodeBと通信することができる。
【0043】
低電力ノードをネットワーク中で利用して、ネットワーク容量を向上させることができる。特に、ネットワーク中で低電力ノードを展開することで、バックホールリンク上の信号対雑音干渉比(SNIR)を改善し、アクセスリンク上の干渉を低減することができる。
【0044】
本開示の一態様によれば、低電力ノードは、アクティブ状態と休止状態とを有するように構成されてよい。アクティブ状態と休止状態は、低電力ノードのアクセスリンクおよびバックホールリンクの状態を指す。場合によっては、低電力ノードは電池式であることがあり、したがって、低電力ノードのエネルギー消費を低減することが望ましい。また、非電池式の低電力ノードのエネルギー消費を低減することも望ましい場合がある。本開示の態様は、低電力ノードの電力消費を低減するための休止状態を提供する。
【0045】
一構成では、低電力ノード730は、休止状態に入る前に初期化プロセスを完了する。
図8に、本開示の一態様による初期化プロセス800を示す。一構成では、プロセスは、ブロック802の初期化要求で開始する。初期化要求(ブロック802)の後、ブロック804で、低電力ノードとeNodeBとの間でバックホール接続が確立される。eNodeBは、基地局またはドナーeNodeB(DeNB)と呼ばれることもある。一構成では、ブロック804で、低電力ノードはまた、バックホールリンクが使用に適するかどうか判定し、IPアドレスを取得し、接続を完了することもできる。低電力ノードは、帯域幅がしきい値以上ならば、バックホールリンクが使用に適すると判定することができる。
【0046】
バックホール接続が確立された後、ブロック806で、eNodeBは、動作のためにホワイトスペースを使用することができる。一構成では、バックホール接続は、ホワイトスペースを使用せず認可スペクトルを使用することができ、その場合、ブロック806は省略することができる。別の構成では、eNodeBは、ブロック808および810の後で、動作のためにホワイトスペースを使用することができる。ブロック808で、低電力ノードは、運用管理保守プロシージャを介して構成される。低電力ノードが構成された後、ブロック810で、コアネットワークインターフェースがセットアップされる。たとえば、S1およびS8インターフェースがセットアップされ、モビリティ管理エンティティ(MME)およびサービングゲートウェイとの通信がそれぞれ可能になる。最後に、ブロック812で、低電力ノードは中継器として動作することができる。
【0047】
本開示の一態様によれば、低電力ノードが初期化された後で、低電力ノードのアクセスリンクおよびバックホールリンクの状態を決定および制御することができる。バックホールリンクまたはアクセスリンクは、休止状態またはアクティブ状態にある場合がある。バックホールリンクとは、低電力ノードとeNodeBとの間のリンクを指す。アクセスリンクとは、低電力ノードとUEとの間のリンクを指す。本開示の一態様によれば、アクセスリンクおよびバックホールリンクを様々な状態で構成して、電池電力を節約することができる。
【0048】
本開示の一態様では、アクセスリンクおよびバックホールリンクは、大域的休止状態を含むように構成されてよい。大域的休止状態の間は、バックホールリンクとアクセスリンクは両方とも休止している。さらに、アクセスリンクおよびバックホールリンクは、低電力ノードをアクティブ化するための低電力ノード準備状態を含むように構成されてよい。低電力ノード準備状態では、バックホールリンクはアクティブであり、アクセスリンクは休止している。その上、アクセスリンクおよびバックホールリンクは、大域的アクティブ状態を含むように構成されてよい。大域的アクティブ状態では、バックホールリンクとアクセスリンクは両方ともアクティブである。最後に、アクセスリンクおよびバックホールリンクはまた、テザーフリー(tether-free)(ピアツーピア)状態を含むように構成されてよく、この状態では、バックホールリンクは休止しており、アクセスリンクはアクティブである。
【0049】
図9に、本開示の一態様による、低電力ノードのアクセスリンクおよびバックホールリンクの様々な状態間の遷移900を示す。休止状態902では、アクセスリンクは休止しており、バックホールリンクは、休止している場合とアクティブである場合とがある。休止状態902の間、低電力ノードは、低減されたデューティサイクルでシグナリングする。一例では、デューティサイクルは、1000ミリ秒当たり40ミリ秒にわたりオンとすることができる。低電力ノードは、低減されたデューティサイクル中にその存在を広告して、UEが低電力ノードにアクセスする機会を提供することができる。一構成では、休止状態902の間、低電力ノードは、低減されたデューティサイクルでオーバヘッドシグナリング(PSS/SSS、PBCH、CRS、システム情報ブロック1(SIB1)、およびシステム情報ブロック2(SIB2)信号など)を送信することによって、その存在を広告する。休止状態902にある中継器は、休止低電力ノードと呼ぶことができる。
【0050】
UEが休止低電力ノードから特定の範囲内にある場合、UEは、広告の結果として休止低電力ノードを検出することができる。UEは、低デューティサイクルで、物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)上で休止低電力ノードにアクセスすることができる。その上、UEは、低電力ノードの存在の広告から遅延した期間で、低電力ノードにアクセスすることができる。この遅延は、UEが低電力ノードを検出し、SIBメッセージを復号し、RACHプロシージャを実施するための時間を反映する。
【0051】
アクセスリンクの休止状態からアクティブ状態への遷移は、様々なイベントによってトリガされることがある。場合によっては、低電力ノードは、UEが検出されたときに休止状態902からアクティブ状態904に遷移する。アクティブ状態904の間、アクセスリンクはアクティブであり、バックホールリンクは、アクティブである場合と休止している場合とがある。一構成では、低電力ノードはまた、UEにサービスするために他の低電力ノードが利用可能かどうか判定することができる。すなわち、UEにサービスするために他の低電力ノードが利用可能なときは、低電力ノードはアクティブ状態904に遷移しなくてよい。より具体的には、UEが検出され、UEにサービスするために他の低電力ノードが利用可能でないときは、低電力ノードはアクティブ状態904に遷移することができる。トリガイベントはまた、ランダムアクセスチャネル上で送信されたプリアンブル、アップリンク共有チャネル上で送られたユーザデータメッセージ(Msg1)、またはアップリンク共有チャネル上で送信されたシグナリングメッセージ(Msg3)など、ランダムアクセスメッセージを受信することを含んでよい。他のトリガイベントはさらに、UEからのサウンディング基準信号またはシグネチャシーケンスを検出することを含んでよい。eNodeBは、UEおよび低電力ノードによって使用できる1組のシグネチャシーケンスをシグナリングすることができる。
【0052】
アクティブ状態904の間、低電力ノードは、獲得信号およびチャネル、基準信号、ならびにシステムブロードキャストを、公称デューティサイクルで送信することができる。一構成では、このデューティサイクルは低減することができる。しかし、アクティブ状態の904のデューティサイクルは、休止状態902のデューティサイクルよりも高頻度である。
【0053】
前に論じたように、アクティブ状態904では、バックホールリンクは、休止状態を有する場合とアクティブ状態を有する場合とがある。バックホールリンクの休止状態の間は、eNodeBからのオーバヘッド情報をリッスンするために、低減されたまたは低いデューティサイクルを低電力ノードに対して指定することができる。オーバヘッド情報は、eNodeBの存在を広告することができる。前述のように、eNodeBはドナーeNBと呼ばれることもある。バックホールリンクの休止状態ではまた、eNodeBにアクセスするために、低減されたまたはより低いデューティサイクルを低電力ノードに対して指定することもできる。
【0054】
eNodeBは、オーバヘッド信号(PSS/SSS、PBCH、基準信号、SIB1、およびSIB2メッセージなど)を含めた信号を送信する。バックホールリンク上で休止状態である低電力ノードは、より低いデューティサイクルでeNodeB信号を検出することができ、したがって、ネットワークタイミングおよび周波数の、低デューティサイクルのトラッキングを実施する。PRACH上でのアクセスのためには、より低頻度の機会がeNodeBによって低電力ノードに提供される。一構成では、低電力ノードがバックホールリンク上で休止状態であるとき、eNodeBは、低減されたデューティサイクルでバックホールリンク上の信号を監視するよう低電力ノードに指示する。
【0055】
一構成では、アクセスリンクのアクティビティおよび挙動が、バックホールリンクのアクティブ状態か休止状態かを決定することができる。すなわち、アクセスリンクからトリガイベントが発生したとき、低電力ノードは、バックホール上でアクティブ状態に遷移する。場合によっては、トリガイベントは、バックホールリンクを介してデータをネットワークに送信するようUEが要求することを含んでよい。たとえば、バックホールリンクを介してデータをeNodeB(DeNB)に送信するようUEが要求したとき、低電力ノードは、バックホールリンク上でアクティブ状態に遷移することができる。バックホールリンクは、eNodeB(DeNB)にアクセスしてシグナリングおよびデータ無線ベアラを確立することによって、大域的アクティブ状態906でアクティブ状態に遷移する。
【0056】
アクティブ状態になった後は、アクセスリンクまたはバックホールリンクは、休止状態に戻ることができる。バックホールリンクまたはアクセスリンクのいずれかの、休止状態への遷移は、リンク上でアクティビティがないとき、または、アクティブ状態をトリガしたUEが解放されたかもしくは範囲外に移動したときに、行われる。たとえば、
図9では、最後のUEが解放されたとき、低電力ノードは大域的アクティブ状態906からアクティブ状態904に遷移することができる。最後のUEがカバレッジ外に移動したとき、低電力ノードはさらに、アクティブ状態904から休止状態902に遷移する。
【0057】
図10に、本開示の一態様による、アクセスリンク上のアクティブ状態と休止状態との間での低電力ノードの遷移に関する例示的なフローチャート1000を示す。ブロック1002で、低電力ノードのアクセスリンクおよびバックホールリンクは、休止状態とすることができる。ブロック1004で低電力ノードがUEを検出した場合は、ブロック1006で、低電力ノードは、UEにサービスするために他の低電力ノードが利用可能かどうか判定する。一構成では、ブロック1004と1006の順序は入れ替わってもよい。というのは、別の適切な低電力ノードが利用可能な場合、低電力ノードはUEを無視できるからである。ブロック1004でUEが検出され、別の低電力ノードが利用可能でない(1006:NO)場合は、低電力ノードのアクセスリンクはアクティブ状態に遷移する(1008)。アクセスリンクがアクティブ状態になった後は、低電力ノードは、ブロック1010で最後のUEまたはトリガしたUEが離れた場合に、休止状態に戻ることができる。そうでない場合は、低電力ノードはアクティブ状態に留まる。UEが検出されない場合(1004:NO)、または他の低電力ノードが利用可能でない場合(1006:NO)は、プロセスはブロック1002に戻り、低電力ノードのアクセスリンクおよびバックホールリンクは休止状態に留まる。
【0058】
図11に、低電力ノードのアクティビティ状態を制御する方法1100を示す。ブロック1102で、低電力ノードは、UEを検出することに基づいて、低電力ノードのアクセスリンク上のオーバヘッドシグナリングを制御する。次にブロック1104で、アクセスリンク上のオーバヘッドシグナリングに応答して、低電力ノードのバックホールリンク上の接続を管理する。
【0059】
図12は、処理システム1214を利用する低電力ノード1200のハードウェア実装形態の例を示す図である。処理システム1214は、バス1224によって一般に表されるバスアーキテクチャを用いて実現することができる。バス1224は、処理システム1214の具体的な適用例と全体的な設計制約とに応じて、任意の数の相互接続バスおよびブリッジを含んでよい。バス1224は、1つまたは複数のプロセッサおよび/またはハードウェアモジュール(プロセッサ1222およびモジュール1202、1204で表される)ならびにコンピュータ可読媒体1226を含めた、様々な回路を共にリンクする。バス1224はまた、タイミングソース、周辺装置、電圧調整器、および電力管理回路など、他の様々な回路をリンクすることもできるが、これらは当技術分野で周知であり、したがってこれ以上は述べない。
【0060】
装置は、送受信機1230に結合された処理システム1214を備える。送受信機1230は、1つまたは複数のアンテナ1220に結合される。送受信機1230は、伝送媒体を介した他の様々な装置との通信を可能にする。処理システム1214は、コンピュータ可読媒体1226に結合されたプロセッサ1222を備える。プロセッサ1222は、コンピュータ可読媒体1226に記憶されたソフトウェアの実行を含めた処理一般を担う。ソフトウェアは、プロセッサ1222によって実行されたとき、いずれか特定の装置について述べる様々な機能を処理システム1214に実施させる。コンピュータ可読媒体1226はまた、ソフトウェア実行時にプロセッサ1222によって操作されるデータを記憶するのに使用することもできる。
【0061】
処理システム1214は、低電力ノードのアクセスリンク上のオーバヘッドシグナリングを制御するための制御モジュール1202を備える。処理システム1214はまた、低電力ノードのバックホールリンク上の接続を管理するための管理モジュール1204を備える。モジュールは、コンピュータ可読媒体1226に常駐する/記憶された、プロセッサ1222中で実行されるソフトウェアモジュールであってよく、またはプロセッサ1222に結合された1つもしくは複数のハードウェアモジュールであってよく、またはこれらの何らかの組合せであってよい。処理システム1214は、低電力ノード730のコンポーネントとすることができる。
【0062】
一構成では、低電力ノードはワイヤレス通信に向けて構成され、ユーザ機器(UE)を検出することに基づいて低電力ノードのアクセスリンク上のオーバヘッドシグナリングを制御するための手段を備える。一態様では、この手段はモジュール1202とすることができる。低電力ノードはまた、アクセスリンク上のオーバヘッドシグナリングに応答して低電力ノードのバックホールリンク上の接続を管理するための手段を備える。一態様では、この手段はモジュール1204とすることができる。別の態様では、前述の手段は、前述の手段によって挙げられる機能を実施するように構成された任意のモジュールまたは任意の装置とすることができる。
【0063】
本明細書の開示に関して述べた様々な例示的な論理ブロック、モジュール、回路、およびアルゴリズムステップは、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、またはこの両方の組合せとして実現できることを、当業者はさらに理解するであろう。この、ハードウェアとソフトウェアとの交換可能性を明確に例示するために、様々な例示的なコンポーネント、ブロック、モジュール、回路、およびステップを、それらの機能の点から一般に上述した。そのような機能がハードウェアとして実現されるかソフトウェアとして実現されるかは、特定の適用例と、システム全体に課される設計制約とに依存する。当業者なら、述べた機能を特定の適用例ごとに様々な方式で実現することができるが、そのような実現決定は、本開示の範囲からの逸脱を引き起こすと解釈すべきではない。
【0064】
本明細書の開示に関して述べた様々な例示的な論理ブロック、モジュール、および回路は、本明細書に述べた機能を実施するように設計された、汎用プロセッサ、ディジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)もしくは他のプログラム可能ロジックデバイス、ディスクリートゲートもしくはトランジスタロジック、ディスクリートハードウェアコンポーネント、またはこれらの任意の組合せを用いて実現または実施することができる。汎用プロセッサはマイクロプロセッサとすることができるが、代替方式では、プロセッサは任意の従来型プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、またはステートマシンとすることができる。プロセッサはまた、コンピューティングデバイスの組合せとして実現することもでき、たとえば、DSPとマイクロプロセッサとの組合せ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと結合した1つもしくは複数のマイクロプロセッサ、または他のそのような任意の構成として実現することができる。
【0065】
本明細書の開示に関して述べた方法またはアルゴリズムのステップは、ハードウェアにおいて直接に、または、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールにおいて、またはこの2つの組合せにおいて、具体化することができる。ソフトウェアモジュールは、RAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハードディスク、取外し可能ディスク、CD-ROM、または、当技術分野で知られているいずれか他の形の記憶媒体の中に存在してよい。例示的な記憶媒体はプロセッサに結合され、それにより、プロセッサは記憶媒体に対して情報を読み書きすることができる。代替方式では、記憶媒体はプロセッサに統合されてもよい。プロセッサおよび記憶媒体は、ASIC中に存在してよい。ASICは、ユーザ端末中に存在してよい。代替方式では、プロセッサおよび記憶媒体は、ユーザ端末中のディスクリートコンポーネントとして存在してよい。
【0066】
1つまたは複数の例示的な設計では、述べた機能をハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの任意の組合せにおいて実現することができる。ソフトウェアにおいて実現される場合、機能は、1つまたは複数の命令またはコードとして、コンピュータ可読媒体に記憶するかまたはコンピュータ可読媒体を介して送信することができる。コンピュータ可読媒体は、コンピュータプログラムをある場所から別の場所に転送するのを容易にする任意の媒体を含めた、コンピュータ記憶媒体と通信媒体の両方を含む。記憶媒体は、汎用または専用コンピュータによってアクセスできる任意の利用可能な媒体とすることができる。限定ではなく例として、そのようなコンピュータ可読媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD-ROM、または他の光ディスク記憶装置、磁気ディスク記憶装置または他の磁気記憶デバイスを含んでよく、あるいは、所望のプログラムコード手段を命令またはデータ構造の形で搬送または記憶するのに使用でき、汎用もしくは専用コンピュータ、または汎用もしくは専用プロセッサによってアクセスできる、いずれか他の媒体を含んでよい。また、どんな接続も、コンピュータ可読媒体と適切に呼ばれる。たとえば、ウェブサイト、サーバ、または他のリモートソースから、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、ディジタル加入者線(DSL)、またはワイヤレス技術(赤外線、無線、およびマイクロ波)を使用してソフトウェアが送信される場合は、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、DSL、またはワイヤレス技術(赤外線、無線、およびマイクロ波)は、媒体の定義に含まれる。本明細書において、ディスク(disk、disc)は、コンパクトディスク(CD)、レーザディスク、光ディスク、ディジタル多用途ディスク(DVD)、フロッピー(登録商標)ディスク、およびブルーレイディスクを含み、ディスク(disk)は通常、データを磁気的に再生し、ディスク(disc)は、データをレーザで光学的に再生する。上記の組合せもまた、コンピュータ可読媒体の範囲内に含まれるべきである。
【0067】
本開示に関する以上の記述は、どんな当業者でも本開示を作成または使用できるようにするために提供するものである。本開示に対する様々な修正も当業者にはすぐに明らかであろうし、本明細書に定義した一般原理は、本開示の主旨または範囲を逸脱することなく他の変形にも適用することができる。したがって、本開示は、本明細書に述べる例および設計に限定されるものとはせず、本明細書に開示する原理および新規な特徴と整合する最も広い範囲に一致するものとする。