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特許5922311ポテトスライス装置用のブレードクランプ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5922311
(24)【登録日】2016年4月22日
(45)【発行日】2016年5月24日
(54)【発明の名称】ポテトスライス装置用のブレードクランプ
(51)【国際特許分類】
   B26D 3/28 20060101AFI20160510BHJP
【FI】
   B26D3/28 620L
   B26D3/28 620K
【請求項の数】14
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2015-534460(P2015-534460)
(86)(22)【出願日】2013年3月12日
(65)【公表番号】特表2015-535752(P2015-535752A)
(43)【公表日】2015年12月17日
(86)【国際出願番号】US2013030540
(87)【国際公開番号】WO2014051681
(87)【国際公開日】20140403
【審査請求日】2015年3月30日
(31)【優先権主張番号】13/630,502
(32)【優先日】2012年9月28日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】500208519
【氏名又は名称】フリト−レイ ノース アメリカ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】FRITO−LAY NORTH AMERICA,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】オーネラズ、ジュニア リチャード ディ.
【審査官】 細川 翔多
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭60−153796(JP,U)
【文献】 特表2001−523587(JP,A)
【文献】 米国特許第03395742(US,A)
【文献】 特開昭60−263695(JP,A)
【文献】 米国特許第05694824(US,A)
【文献】 米国特許第05555787(US,A)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0150345(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0000344(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B26D 1/29
B26D 1/36−1/38
B26D 1/42
B26D 3/28
B26D 7/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポテトスライス装置で使用するためのブレードクランプであって、
前縁を有する切断ヘッド本体を含む切断ヘッドと、
前記切断ヘッドとスライド式に係合するブレード取付具であって、前記ブレード取付具は平面領域およびブルノーズ部分を含み、前記ブルノーズ部分はナイフ要素を受け入れるように構成されたスロットを有する、ブレード取付具と、
前記切断ヘッドと前記ブレード取付具との間にある第1のナイフ要素であって、前記切断ヘッド本体の前記前縁と整列した第1の切刃を有する第1のナイフ要素と、
第2の切刃を有する第2のナイフ要素であって、前記第2のナイフ要素はハンドル部分を有し、前記ハンドル部分は前記ブレード取付具の前記ブルノーズ部分を越えて後方に延びて、前記ブレード取付具の前記平面領域の下に位置し、前記第2のナイフ要素の切刃は、前記第1および第2の切刃が互いに対してほぼ直角となるように前記ブレード取付具の前記スロットを貫通する、第2のナイフ要素と
を含むブレードクランプ。
【請求項2】
前記切断ヘッドは、前記第1の切刃を前記切断ヘッドと位置合わせするための、前記ナイフ要素の穴と係合する小隆起をさらに含む、請求項1に記載のブレードクランプ。
【請求項3】
前記切断ヘッドは、前記切断ヘッドの後部側に沿って延びる長尺状の溝をさらに含む、請求項1に記載のブレードクランプ。
【請求項4】
レバーハンドルと、前記切断ヘッドの前記長尺状の溝内に収まるように構成された長尺状部分とを有する揺動アームをさらに含む、請求項3に記載のブレードクランプ。
【請求項5】
前記揺動アームの前記長尺状部分は略円筒形であり、少なくとも部分的に前記長尺状部分の長手方向に延びる平坦領域を含み、前記平坦領域は、前記クランプの使用時に、前記ブレード取付具の面に対向する、請求項4に記載のブレードクランプ。
【請求項6】
前記揺動アームの前記レバーハンドルの動作により、前記揺動アームの前記長尺状部分が前記溝内で回転することにより、前記ブレード取付具の前記切断ヘッドからのスライドによる解放が可能であり、前記ブレードクランプを前記スライス装置から取り外すことなく、前記切断ヘッドと前記ブレード取付具との間にある前記第1のナイフ要素の取り外しおよび交換が可能である、請求項5に記載のブレードクランプ。
【請求項7】
前記揺動アームの前記レバーハンドルの動作により、前記揺動アームの前記長尺状部分が前記溝内で回転することにより、前記ブレード取付具の前記切断ヘッドからのスライドによる解放が可能であり、前記ブレードクランプを前記スライス装置から取り外すことなく、前記第1のナイフ要素か、または前記第2のナイフ要素のいずれか、あるいは両方の取り外しおよび交換が可能である、請求項4に記載のブレードクランプ。
【請求項8】
第1の端部および第2の端部を有する留め具をさらに含み、前記留め具の前記第1の端部は前記切断ヘッドに固定され、前記留め具の前記第2の端部は、前記ブレード取付具のスロットとスライド式に係合し、揺動アームが第1の方向に回転することで、前記ブレード取付具が前記切断ヘッドにロックされ、反対の方向に回転することで、工具を使用して前記ブレードクランプを前記スライス装置から取り外すことなく、前記ブレード取付具を前記切断ヘッドからスライドさせて解放することが可能である、請求項1に記載のブレードクランプ。
【請求項9】
ポテトスライス装置で使用するためのブレードクランプであって、
切断ヘッドの後側部分に沿って長手方向に延びる溝を有する切断ヘッドと、
前記切断ヘッドとスライド式に係合するブレード取付具であって、前記ブレード取付具は平面部分およびブルノーズ部分を含み、前記ブルノーズ部分はナイフ要素を受け入れるように構成されたスロットを有する、ブレード取付具と、
前記切断ヘッドと前記ブレード取付具との間に挟み込まれ、第1の切刃を有する第1のナイフ要素と、
第2の切刃を有する第2のナイフ要素であって、前記第2のナイフ要素はハンドル部分を有し、前記ハンドル部分は前記ブレード取付具の前記ブルノーズ部分を越えて後方に延びて、前記ブレード取付具の前記平面部分の下に位置し、前記第2のナイフ要素の切刃は、前記第1および第2の切刃が互いに対してほぼ直角となるように前記ブレード取付具の前記スロットを貫通する、第2のナイフ要素と、
レバーハンドルおよび略円筒形の長尺状部分を有する揺動アームであって、前記長尺状部分は、片側に沿って平坦領域を有し、前記長尺状部分は、前記平坦領域が前記ブレード取付具の裏面に対向するように、前記切断ヘッドの前記溝内に収まる大きさおよび構成とされる、揺動アームと
を含み、前記揺動アームの第1の方向の動作により、前記ブレード取付具が前記切断ヘッドにロックされ、反対の方向の動作により、前記ブレード取付具の前記切断ヘッドからのスライドによる解放が可能であることにより、前記ブレードクランプを前記スライス装置から取り外すことなく、前記第1のナイフ要素および前記第2ナイフ要素を取り外して交換するための出し入れが可能である、ブレードクランプ。
【請求項10】
前記切断ヘッドは、前記第1の切刃を前記切断ヘッドと位置合わせするための、前記ナイフ要素の穴と係合する小隆起をさらに含む、請求項9に記載のブレードクランプ。
【請求項11】
前記ブルノーズ部分は傾斜しているとともに前縁を有し、前記前縁は、前記クランプの使用時に、前記第1のナイフ要素に密着する、請求項9に記載のブレードクランプ。
【請求項12】
前記ブレード取付具は、留め具と係合するスロットを含み、前記留め具は、前記ブレード取付具を貫通して前記切断ヘッドに入り込む、請求項9に記載のブレードクランプ。
【請求項13】
前記揺動アームの動作により、前記ブレード取付具の前記切断ヘッドからのスライドによる解放が可能であり、前記第1のナイフ要素、または前記第2のナイフ要素、あるいは両方を取り外して交換するための出し入れが可能である、請求項9に記載のブレードクランプ。
【請求項14】
ポテトスライス装置で使用するためのブレードクランプであって、
切断ヘッドの後側部分に沿って長手方向に延びる溝を有する切断ヘッドと、
横方向に延びるスロットを含むブルノーズ部分を有するブレード取付具であって、切断ヘッドまで延びる留め具を受け入れるスロットを有するブレード取付具と、
前記切断ヘッドと前記ブレード取付具との間に挟み込まれ、第1の切刃を有する第1のナイフ要素と、
第2のナイフ刃を有する第2のナイフ要素であって、前記第2のナイフ要素は、前記第1および第2の切刃が互いに対してほぼ直角になるように、前記ブレード取付具の前記横方向に延びるスロットから突出し、前記第2のナイフ要素はハンドル部分を含み、前記ハンドル部分は、前記ブレード取付具の前記ブルノーズ部分を越えて後方に延び、前記ハンドル部分は、前記ブレード取付具と前記第1のナイフ要素との間に締め付けられる、第2のナイフ要素と、
レバーハンドルおよび略円筒形の長尺状部分を有する略L字形状の揺動アームであって、前記長尺状部分は、片側に沿って平坦領域を有し、前記長尺状部分は、前記平坦領域が前記ブレード取付具の裏面に対向するように、前記切断ヘッドの前記溝内に収まる大きさおよび構成とされる、揺動アームと
を含み、前記揺動アームの第1の方向の回転により、前記ブレード取付具が前記切断ヘッドに締め付けられ、前記揺動アームの反対方向の回転により、前記ブレードクランプを前記スライス装置から取り外すことなく、前記第1のナイフ要素および前記第2のナイフ要素を取り外すことが可能である、ブレードクランプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、ポテトスライス切断ヘッドに関し、さらに、ポテトスライス切断ヘッドを使用してポテトチップスを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ポテトチップスを製造するのに、ポテトを薄いスライスに切り分ける回転切断装置を使用することは公知である。50年以上にわたり使用されてきた公知の切断装置は、環状の切断ヘッドと、ポテトなどの食品を切断ヘッドに向かって半径方向外側に送るための、切断ヘッド内で回転するように同軸上に取り付けられた中央インペラアセンブリとを含む。
【0003】
一連のナイフは、切断ヘッドのまわりに環状に取り付けられ、ナイフの切刃は、ほぼ周方向であるが、インペラアセンブリに向かって若干半径方向内側に延びる。各ナイフブレードは、ブレードの切刃とヘッドとの間で半径方向に延びる隙間を形成するように、切断ヘッドに締め付けられる。隙間は、カッタによって形成されるポテトスライスの厚さを画定する。
【0004】
ポテトチップスの製造において、ポテトはスライスに切り分けられ、例えば揚げられることにより加熱調理され、さらに調味されてポテトチップスが生成され、次いで、このポテトチップスは消費者用に包装される。
【0005】
現在の製造方法および装置に関する問題の1つは、割合としては小さいポテトチップスの一部が、いずれ、ポテトチップスを包装するのが困難になる恐れのある最大幅寸法を有することである。通常、一定量のポテトチップスが、規定された重量のポテトチップスを包装するように選択された容積の軟質袋からなる包装袋に充填される。袋は、例えば、公知の垂直型充填および封止(VFFS:vertical form,fill and seal)機械によって並べられる。充填ステップ中に、包装袋は、最大幅寸法(最も典型的には開口の直径)をもつ上側開口を有し、ポテトチップスは重力を受けて下方に向かい、上側開口を通って袋に詰められる。
【0006】
ポテトチップスが寸法的に大きすぎる場合、確実かつ高速に袋を満たすのは困難である。散発的ではあるが、ポテトチップスの一部は、偶発的に袋の上側シールに当たることがあり、これは製品品質を損なう。場合によっては、最大で包装品の約0.5%がこの現象のために無駄になることがある。さらに、消費者は、誤って包装された製品を購入することがあり、これは消費者の望ましくない苦情の原因となることがある。
【0007】
さらに、大きなポテトスライスにより、所与の重量のポテトチップスを包装袋に同時に詰める能力が低下することがある。これにより、包装ラインの速度を落とす必要が生じることがあり、このため、生産コストが上がり、生産効率が落ちる。さらに、チップ充填密度の不足に対処できるようにするために、充填容積を大きくする必要がある。
【0008】
過度に大きいポテトチップスの問題を解決する試みとして、これらの包装問題を最小化する十分に小さいポテトであるように、加工の前に等級分けしたポテトを使用することは公知である。これらの等級分けは、手作業でまたは自動で行うことができる。しかし、小さいポテトを使用することで、ポテトチップス製造工程の生産性および効率が低下する。さらに、生産ラインのコストが上がる。
【0009】
さらに、ポテトチップスの製造工程の生産性および効率を高めるために、大きいポテトを使用してポテトチップスを製造するという要望が高まっている。大きいポテトは、エーカー当たりの作物収穫高が高く、農学的に生産性が高い。フレンチフライなどの他のポテト製品を製造するのに使用されるいくつかのポテトの変種があるが、これらの変種は大きすぎるために、公知のポテトチップス製造装置および方法を用いてポテトチップスを製造するのに効率的に使用することができない。
【0010】
切断ヘッドにとって加工するのに大きすぎるポテトを使用する場合、ポテトスライス装置の上流で「選別2分割機」を使用することは公知である。選別2分割機は、スライス寸法を小さくするために、スライスする前に、ポテトを半分に切断する。ポテト2分割機の使用についてはいくつかの問題がある。第1に、生産ラインのコストが上がる。第2に、選別2分割機はあまり効率的でなく、生産速度を遅くすることがある。第3に、ポテトチップスの包装袋の中に、縁部が直線状のポテトチップスが存在することは、通常、消費者の許容範囲にない。
【0011】
包装機械のすぐ上流で過度に大きいポテトチップスを除去する、または粉砕する「チップ破砕機」を有する包装機械を使用することも公知である。しかし、これは製品廃棄物を発生させ、かつ/または大量の屑または小片を発生させ、この場合も、通常、消費者の許容範囲にない。
【発明の概要】
【0012】
本発明の例示的な非限定的実施形態は、ポテトスライス装置で使用するためのブレードクランプを含む。ブレードクランプは、切断ヘッド;切断ヘッドとスライド式に係合するブレード取付具;および切断ヘッドとブレード取付具との間に配置された第1のナイフ要素を含む。第1のナイフ要素は第1の切刃を有する。任意選択で、ブレードクランプは、第2の切刃を有する第2のナイフ要素を含む。任意選択の第2のナイフ要素は、第1および第2の切刃が互いに対してほぼ直角であるように、ブレード取付具のスロットを貫通する。
【0013】
任意選択で、例示的な実施形態の切断ヘッド、ブレード取付具、および第1のナイフ要素は同一平面上にある。任意選択で、切断ヘッドは、第1の切刃を切断ヘッドと位置合わせするために、ナイフ要素の穴と係合する小隆起をさらに含むことができる。任意選択で、切断ヘッドは、切断ヘッドの後部側に沿って延びる長尺状の溝をさらに含むことができる。さらに、任意選択で、ブレードクランプは、レバーハンドルと、切断ヘッドの長尺状の溝内に収まるように構成された長尺状部分とを有する揺動アームを含むことができる。任意選択で、揺動アームの長尺状部分は略円筒形とすることができ、少なくとも部分的に、長尺状部分の全長に沿って延びる平坦領域を含むことができ、平坦領域は、クランプの使用時に、ブレード取付具の面に対向する。さらに任意選択で、揺動アームのレバーハンドルの動作により、揺動アームの長尺状部分は溝内で回転することができ、それにより、ブレード取付具の切断ヘッドからのスライドによる解放が可能であり、ブレードクランプをスライス装置から取り外すことなく、切断ヘッドとブレード取付具との間にある第1のナイフ要素の取り外しおよび交換が可能である。任意選択で、ブレード取付具はブルノーズを含むことができ、ブルノーズは傾斜しているとともに前縁を有し、この前縁は、クランプの使用時に、第1のナイフ要素に密着する。任意選択で、ブレード取付具のブルノーズはスロットを含むことができ、第2の切刃は、ブルノーズのスロットを貫通することができる。任意選択で、揺動アームのレバーハンドルの動作により、揺動アームの長尺状部分は溝内で回転することができ、それにより、ブレード取付具の切断ヘッドからのスライドによる解放が可能であり、ブレードクランプをスライス装置から取り外すことなく、第1のナイフ要素か、または第2のナイフ要素のいずれか、あるいは両方の取り外しおよび交換が可能である。任意選択で、第2のナイフ要素はハンドル部分を含むことができ、ハンドル部分は、ブレード取付具と第1のナイフ要素との間に締め付けられるように、ブレード取付具のブルノーズ部分を越えて後方に延びる。任意選択で、例示的なブレードクランプは留め具を含むことができ、留め具は、切断ヘッドに固定された一端と、他端の留め具ヘッドとを有する。留め具はブレード取付具のスロットとスライド式に係合し、揺動アームが第1の方向に回転することで、ブレード取付具が切断ヘッドにロックされ、反対の方向に回転することで、ブレードクランプをスライス装置から取り外すことなく、ブレード取付具を切断ヘッドから解放することが可能である。
【0014】
別の例示的な実施形態では、切断ヘッドの後側部分に沿って長手方向に延びる溝を備えた切断ヘッドを有するブレードクランプが提供される。ブレードクランプは、切断ヘッドとスライド式に係合するブレード取付具、および切断ヘッドとブレード取付具との間に挟み込まれた第1のナイフ要素を含む。第1のナイフ要素は第1の切刃を有する。クランプは、レバーハンドルおよび長尺状の略円筒形部分を有する揺動アームを含む。長尺状部分は、長尺状部分の片側に沿った平坦領域を有し、平坦領域がブレード取付具の裏面に対向するように、切断ヘッドの溝内に収まる大きさおよび構成とされる。任意選択で、例示的なブレードクランプの切断ヘッドは、第1の切刃を切断ヘッドと位置合わせするための、ナイフ要素の穴と係合する小隆起を含むことができる。任意選択で、ブレード取付具は、クランプがロックされ使用されているときに、第1のナイフ要素に密着する前縁を有する傾斜したブルノーズを含むことができる。任意選択で、ブレード取付具は、ブルノーズのスロットから突出する第2のナイフ要素をさらに含むことができ、切刃は、第1のナイフ要素の切刃に対して直角に向けられる。任意選択で、ブレード取付具は、ブレード取付具を貫通して切断ヘッドに入り込む留め具と係合するスロットを含む。さらに任意選択で、揺動アームの第1の方向の動作により、ブレード取付具を切断ヘッドにロックすることができ、反対の方向の動作により、ブレード取付具の切断ヘッドからのスライドによる解放が可能であり、それにより、ブレードクランプをスライス装置から取り外すことなく、第1のナイフ要素を取り外して交換するための出し入れが可能である。別の選択肢では、揺動アームの動作により、ブレード取付具の切断ヘッドからのスライドによる解放が可能であり、第1のナイフ要素、または第2のナイフ要素、または両方を取り外して交換するための出し入れが可能である。
【0015】
さらに別の例示的実施形態では、ポテトスライス装置で使用するためのブレードクランプが提供され、このブレードクランプは、
切断ヘッドの後側部分に沿って長手方向に延びる溝を有する切断ヘッドと、
横方向に延びるスロットを含むブルノーズ部分を有するブレード取付具であって、切断ヘッドまで延びる留め具を受け入れるスロットを有するブレード取付具と、
切断ヘッドとブレード取付具との間に挟み込まれ、第1の切刃を有する第1のナイフ要素と、
第2のナイフ刃を有する任意選択の第2のナイフ要素であって、第2のナイフ要素は、第1および第2の切刃が互いに対してほぼ直角になるように、ブレード取付具の少なくとも1つのスロットから突出し、第2のナイフ要素はハンドル部分を有し、ハンドル部分はブレード取付具のブルノーズ部分を越えて後方に延び、ハンドル部分はブレード取付具と第1のナイフ要素との間に締め付けられる、第2のナイフ要素と、
レバーハンドルおよび長尺状の略円筒形部分を有する略L字状の揺動アームであって、長尺状部分は、片側に沿った平坦領域を有し、長尺状部分は、平坦領域がブレード取付具の裏面に対向するように、切断ヘッドの溝内に収まる大きさおよび構成とされる、揺動アームと
を含み、揺動アームの第1の方向の回転により、ブレード取付具が切断ヘッドに締め付けられ、揺動アームの反対方向の回転により、ブレードクランプをスライス装置から取り外すことなく、第1のナイフ要素および任意選択の第2のナイフ要素を取り外すことが可能である。
【0016】
さらに、本発明の他の例示的な実施形態は、ポテトスライスを切り出す装置を提供し、その装置は、環状の切断ヘッドと、ポテトを切断ヘッドに向かって半径方向外側に送るために切断ヘッド内で回転するように同軸上に取り付けられた中央インペラとを含み、インペラは、上側面を備えたベースを有し、ポテトは、使用時に、上側面を横切って切断ヘッドに送られ、複数のナイフは、切断ヘッドのまわりに環状に連続して取り付けられ、各ナイフは、ほぼ垂直に延びる第1の切刃であって、切断ヘッドとの間に半径方向に延びる隙間を形成するように切断ヘッドから離間した第1の切刃を有し、各ナイフはまた、ほぼ水平に延びる第2の切刃であって、少なくとも部分的に上記隙間にわたって半径方向に延びる第2の切刃を有し、第2の切刃は、インペラの上側面よりも少なくとも50mm上に配置されて、インペラの上側面と第2の切刃との間の、1枚のポテトスライスを切断する切断領域を画定する。
【0017】
任意選択で、第2の切刃は、インペラの上側面よりも60mm〜90mm上に配置される。さらに任意選択で、第2の切刃は、インペラの上側面よりも70mm〜80mm上に配置される。
【0018】
任意選択で、第2の切刃は第1の切刃に対して直角である。
任意選択で、第2の切刃は概して少なくとも1mm、通常は4mm〜10mm、典型的には約8mmだけ第1の切刃の後方に配置される。
【0019】
任意選択で、各ナイフにおいて、第1および第2の切刃はそれぞれ第1および第2のナイフ要素上に形成される。
通常、第1のナイフ要素は、第1のナイフ要素に隣接して取り付けられた長尺状のクランプ部材によって切断ヘッドに取り外し可能に締め付けられる、長尺状かつほぼ平面状のブレードを含む。
【0020】
通常、第2のナイフ要素は、ベース部分からほぼ直角に延びるブレード部分を含み、ベース部分は、長尺状のクランプ部材によって、切断ヘッドに取り外し可能に締め付けられる。
【0021】
任意選択で、ベース部分は、第1のナイフ要素に取り外し可能に押し付けられる。
一部の実施形態では、長尺状のクランプ部材は、第2のナイフ要素のブレード部分が貫通するスロットを含む。
【0022】
任意選択で、スロットは、長尺状のクランプ部材の前縁の後ろに配置された閉じたスロットである。
いくつかの例示的な実施形態では、長尺状のクランプ部材は、長尺状のクランプ部材に沿って長手方向に離間した少なくとも2つのスロットを含み、各スロットは、インペラの上側面からそれぞれの所定の距離に第2のナイフ要素を取り付けるために設けられる。別例として、他の実施形態では、クランプ部材には単一のスロットがある。
【0023】
本発明の例示的な実施形態は、ポテトチップスを製造するためのポテトスライスを生成する方法をさらに提供し、その方法は、
a.複数のポテトを用意するステップと、
b.ポテトをスライスに切り分けるように構成された切断ヘッドにポテトを供給し、切断ヘッドは複数のナイフを有するステップと、
c.各ポテトを切断ヘッドのそれぞれのナイフに送り、ナイフは、ポテトをスライスに切り分けるように構成された第1の切刃と、所定の寸法よりも幅が広いポテトスライスを2つのスライス部分に切断するように構成された第2の切刃とを有し、2つのスライス部分は、上記所定の寸法に一致する第1の最大幅を有する第1のスライス部分と、第1の最大幅よりも短い第2の最大幅を有する第2のスライス部分とを含むステップと、
d.各ポテトを第1の切刃によって複数のスライスに切り分けるステップと、
e.上記所定の寸法よりも幅が広い各スライスを第2の切刃によって第1および第2のスライス部分に切断するステップと
を含む。
【0024】
任意選択で、ステップbにおいて、切断ヘッドに供給されるポテトは最初は切断されていない。
任意選択で、上記所定の寸法は少なくとも50mm、さらに任意選択で60mm〜90mm、さらに任意選択で70mm〜80mmである。
【0025】
通常、切断ステップd、eは実質的に同時に実施される。
通常、切断ステップeは、スライスを2つのスライス部分だけに切断する。
任意選択で、ステップaで用意される複数のポテトは、ポテト径中央値を有し、上記所定の距離は、ポテト径中央値よりも大きく、そのため、切断ステップd、eの後に生成されたスライスの少なくとも50%、さらに任意選択で少なくとも60%はステップeで切断されていない。
【0026】
任意選択で、切断ヘッドは、環状の切断ヘッドであり、中央インペラは、ポテトを切断ヘッドに向かって半径方向外側に送出するために、切断ヘッド内で同軸上に、回転可能に取り付けられる。
【0027】
任意選択で、インペラは上側面を備えたベースを有し、使用時、ポテトは上側面を横切って切断ヘッドに送られ、ナイフは、切断ヘッドのまわりに環状に連続して取り付けられる。
【0028】
任意選択で、各第1の切刃はほぼ垂直に延び、第1の切刃と切断ヘッドとの間に半径方向に延びる隙間を形成するように切断ヘッドから離間し、各第2の切刃はほぼ水平に延び、少なくとも部分的に上記隙間にわたって半径方向に延びる。
【0029】
任意選択で、各第2の切刃は、インペラの上側面よりも少なくとも50mm上に配置されて、インペラの上側面と第2の切刃との間の、1枚のポテトスライスを切断する切断領域を画定する。
【0030】
本発明の例示的な実施形態は、ポテトチップスを製造する方法をさらに提供し、その方法は、
f.本発明の例示的な方法によって生成された複数のポテトスライスを用意するステップと、
g.ポテトスライスを加熱調理および調味して、味付けされたポテトチップスを生成するステップと、
h.一定量のポテトチップスを包装袋に充填し、充填ステップ時に、包装袋は、最大幅寸法をもたらす開口を有し、ポテトチップスは、開口の最大幅寸法の90%以下の最大幅を有するステップと
を含む。
【0031】
通常、ポテトチップスは、開口の最大幅寸法の80%以下の最大幅を有する。
本発明の例示的な実施形態は、ポテトチップスを製造する方法をさらに提供する。例示的な方法は、
a.ポテト径中央値を有するポテト径分布を得るために等級分けされた複数の未切断ポテトを用意するステップと、
b.未切断ポテトを、ポテトをスライスに切り分けるように構成された切断ヘッドに供給するステップと、
c.切断ヘッドにおいて、各ポテトを複数のスライスに切り分けるステップと、
d.切断ヘッドにおいて、切断ステップc、dの後に生成されたスライスの少なくとも50%がステップdで切断されていないように、少なくともポテト径中央値よりも幅が広い各スライスを第1および第2のスライス部分に切断するステップと
を含む。
【0032】
典型的には、切断ステップc、dは、切断ステップc、dの後に生成されたスライスの少なくとも60%がステップdで切断されていないように実施される。
任意選択で、切断ステップdにおいて、70mmまたは60mmまたは50mmよりも幅が広い各スライスは、第1および第2のスライス部分に切断される。
【0033】
任意選択で、切断ステップc、dは実質的に同時に実施される。
任意選択で、切断ステップdは、スライスを2つのスライス部分だけに切断する。
任意選択で、切断ヘッドは環状の切断ヘッドであり、中央インペラは、ポテトを切断ヘッドに向かって半径方向外側に送るために切断ヘッド内で回転するように同軸上に取り付けられる。
【0034】
任意選択で、インペラは上側面を備えたベースを有し、使用時、ポテトは上側面を横切って切断ヘッドに送られる。
任意選択で、切断ヘッドは、切断ヘッドのまわりに環状に連続して取り付けられた複数のナイフを有し、各ナイフは、ステップcでスライスを切り出す第1の切刃と、ステップdでスライスを切断する第2の切刃とを有する。
【0035】
任意選択で、各第1の切刃はほぼ垂直に延び、第1の切刃と切断ヘッドとの間に半径方向に延びる隙間を形成するように切断ヘッドから離間し、各第2の切刃はほぼ水平に延び、少なくとも部分的に上記隙間にわたって半径方向に延びる。
【0036】
任意選択で、各第2の切刃は、インペラの上側面よりも少なくとも50mm上に配置されて、インペラの上側面と第2の切刃との間の、1枚のポテトスライスを切断する切断領域を画定する。
【0037】
典型的には、上記方法は、
e.切断ステップc、dからのポテトスライスを加熱調理および調味して、味付けされたポテトチップスを生成するステップと、
f.一定量のポテトチップスを包装袋に充填し、充填ステップ時に、包装袋は最大幅寸法をもたらす開口を有し、ポテトチップスは、開口の最大幅寸法の90%以下の最大幅を有するステップと
をさらに含む。
【0038】
任意選択で、ポテトチップスは、開口の最大幅寸法の80%以下の最大幅を有する。
【発明の効果】
【0039】
本発明の例示的な実施形態は、ポテトスライスおよびこれらから作られるポテトチップスを製造する公知の方法および装置にいくつかの技術上および商業上の利点および利益を付与する。
【0040】
第1に、ポテトチップスは、最大幅寸法を制御されるので、特に、公知の垂直型充填および封止(VFFS)機械を使用することで、軟質袋に容易に包装することができる。袋は、確実かつ高速に充填されることができる。包装廃棄物および消費者の苦情を減らすことができる。
【0041】
包装ラインの速度を高めることができ、これにより、生産コストが下がり、生産効率が上がる。本発明の例示的な実施形態で使用される改良型2ブレードアセンブリの導入によっても、資本コストおよびランニングコストはほとんど上がらない。
【0042】
さらに、チップスの充填密度が高くなるので、所与の製品重量に対する充填容積を小さくすることができる。
さらに、加工前の上流でのポテトの等級分けを減らすか、またはなくすことができる。選別2分割機を使用する必要は全くない。生産ラインの資本コストおよびランニングコストを削減することができる。
【0043】
さらに、ポテトチップスの製造工程の生産性および効率を高めるために、大きいポテトを使用してポテトチップスを製造することができる。これまでポテトチップスを効率的に製造するために商業的に大量使用されることがなかったいくつかのポテトの変種を使用して、ポテトチップスを製造することができる。
【0044】
加工される投入ポテト個体群の大きさに対する第2の切刃の寸法位置を制御することで、ポテトチップスの包装品における直線状の縁部を有するポテトチップスの割合を最小限にしながら、大きいポテトが使用されるのを可能にする、効果的で効率的な装置および方法が提供される。さらに、「チップ粉砕機」をなくすことができ、製品廃棄物および/または過剰な屑もしくは小片を最小限にすることができる。
【0045】
添付の図面を参照して、本発明の例示的な実施形態が、単なる例として以下に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0046】
図1】本発明の例示的な実施形態によるポテトスライス切断装置の切断ヘッドの概略的な側面図である。
図2】ポテトスライスを切り出すのに使用されている時の図1の切断ヘッドの概略的な側面図であり、2つの異なるサイズのポテトに対する切断加工を示している。
図3図1の切断ヘッドのナイフアセンブリの概略的な分解斜視図である。
図4図1の切断ヘッドのナイフアセンブリの概略的な斜視図である。
図5】本発明の例示的な実施形態によるポテトチップスの製造時の一連のステップを示す概略的な工程流れ図である。
図6】本発明の例示的な実施形態によるブレードクランプの分解図である。
図7図6の例示的なブレードクランプの部分組立図の概略的な斜視図である。
図8】組み立てられた図6の例示的なブレードクランプの概略的な斜視図であり、ブレードクランプアセンブリを全体としてロックするようにレバーハンドルが回転されている。
図9】組み立てられた図6の例示的なブレードクランプの概略的な斜視図であり、ナイフを交換できるように、ブレード取付具を切断ヘッドから解放可能にするように回転されたレバーハンドルを示している。
【発明を実施するための形態】
【0047】
図1〜4を参照すると、本発明の例示的な実施形態による例示的なポテトスライス切断装置2は、環状の切断ヘッド4を含む。切断ヘッド4は円筒壁6を含み、円筒壁6には、複数のナイフ8が切断ヘッド4のまわりに環状に連続して取り付けられる。ナイフの切刃10は、ほぼ周方向であるが若干半径方向内側に向かって延びている。各ナイフ8は、ほぼ垂直に延びる第1の切刃10を有する。ナイフの第1の切刃10は、ほぼ周方向であるが、若干半径方向内側に延びている。各ナイフの第1の切刃10は、第1の切刃10と切断ヘッド4との間にほぼ半径方向に延びるそれぞれの隙間12を形成するように、切断ヘッド4から離間している。隙間12は、ポテトチップス切断装置2によって切り出されるスライスの厚さを画定する。
【0048】
中央インペラ14は、ポテトを切断ヘッド4に向かって半径方向外側に送るために切断ヘッド4内で回転するように、同軸上に取り付けられている。インペラ14は、上側面18を備えたベース16を有し、使用時、ポテトは上側面を横切って切断ヘッド4に送られる。ベース16は、円筒壁6の下縁20から離間している。ポテト供給開口24を有するカバー22は、円筒壁6の上縁26に取り付けられている。円筒壁6、ベース16、およびカバー22は中央空洞25を画定する。
【0049】
第1の切刃10は、第1のナイフ要素28上に形成されている。第1のナイフ要素28は、第1のナイフ要素28に隣接したブレード取付具34(「ブレードクランプ」としても知られる)の長尺状のクランプ部材32によって、切断ヘッド4(「ブレードホルダ」としても知られる)に取り外し可能かつ調整可能に締め付けられた長尺状かつほぼ平面状のブレード要素30を含む。ポテトチップスカッタ技術の分野で公知のように、露出した第1の切刃10はほぼ周方向に向いているが、半径方向内側に方向付けられている。隙間12の幅は、ブレード取付具34内の第1のナイフ要素28を移動させることで変えることができる。
【0050】
各ナイフ8はまた、ほぼ水平に延び、少なくとも部分的に隙間12にわたって半径方向に延びる第2の切刃36を有する。第2の切刃36は、インペラ14の上側面18よりも少なくとも50mm上である所定の距離Dに配置されて、インペラ14の上側面18と第2の切刃36との間の、1枚のポテトスライスを切断する切断領域38を画定する。
【0051】
任意選択で、第2の切刃36は、インペラ14の上側面18よりも60mm〜90mm、典型的には70mm〜80mm上に配置される。
例示的な実施形態では、第2の切刃36は、第1の切刃10に対して直角であり、例えば、第1の切刃10は垂直に向けられ、第2の切刃36は水平に向けられる。第2の切刃36は、概して少なくとも1mm、任意選択で4mm〜10mm、典型的には約8mmの距離Rだけ第1の切刃10の後方に配置することができる。第2の切刃36は、第1の切刃10と平行に延びていてもよいし、または第2の切刃36から後方に延びるように傾けることもできる。
【0052】
第2の切刃36は、第2のナイフ要素40のそれぞれに形成されている。第2のナイフ要素40は、ベース部分44からほぼ直角に延びるブレード部分42を含む。ベース部分44は、長尺状のクランプ部材32によって、切断ヘッド4に調整可能かつ取り外し可能に締め付けられる。特に、ベース部分44は、第1のナイフ要素28に取り外し可能に押し付けられる。第2のナイフ要素40のブレード部分42は、第1のナイフ要素28に対し直角とすることができ、例えば、第1のナイフ部分28は垂直に向けられ、第2のナイフ要素40のブレード部分42は水平に向けられる。
【0053】
長尺状のクランプ部材32は、第2のナイフ要素40のブレード部分42が貫通するスロット(細長い穴)46を含む。スロット46は、長尺状のクランプ部材32の前縁48の後方に配置された閉じたスロットである。特定の実施形態では、図示したように、長尺状のクランプ部材32は、長尺状のクランプ部材32に沿って長手方向に離間した少なくとも2つのスロット46を含み、各スロット46は、インペラ14の上側面18からそれぞれの所定の距離Dの位置に第2のナイフ要素40を取り付けるために設けられている。別例として、他の実施形態では、クランプ部材32の長さに沿った個々の長手方向位置にブレード部分42を取り付けるための単一のスロット46が、クランプ部材32に存在する。
【0054】
図示した例示的な実施形態では、ナイフ8は複数のナイフアセンブリを含み、第1のナイフ要素28および第2のナイフ要素40は独立しており、分離可能である。2つの分離可能なナイフ要素28、40が各ナイフ8に設けられる場合、個々のナイフ要素28、40は、それぞれのブレードが摩耗したときに単独で交換することができる。さらに、上記のように、第1のナイフ要素28を移動させることなく距離Dを変えるために、第2のナイフ要素40を第1のナイフ要素28に対して、特に、第1のナイフ要素28の長手方向に選択的に移動させることができる。
【0055】
代替の例示的な実施形態では、ナイフは、第1のナイフ要素28および第2のナイフ要素40が(例えば溶接によって)互いに接合されるか、または単一体化および一体化された単一のナイフアセンブリ要素を含む。
【0056】
通常、第1のナイフ要素28および第2のナイフ要素40はステンレス鋼からなる。
使用時、ポテトチップスを製造するためにポテトチップス切断装置2によってスライスされる、通常は前もって切断されていないポテト全体が、中央空洞24に供給される。ポテトは、遠心力の作用のもとで、インペラ14によって半径方向外側に押しやられ、それぞれインペラ14の内側円筒面に押し当てられて保持される。ポテトの半径方向外側面は、ポテトを保持するインペラ14とともに切断ヘッド4の円筒壁6内で回転するナイフ8の第1の切刃10によって切断される。この動作により、個々のスライス54が、連続的に取り付けられたナイフ8によって、ポテトから順次切り出される。各スライス54は、第1の切刃10と切断ヘッド4との間の所定の隙間12を通って半径方向外側に進む。スライス54は、切断ヘッド4から半径方向外側に飛び出し、ポテトチップスを形成するための次の工程、例えば、揚げて調味するために、公知の態様で収集される。
【0057】
第2の切刃36は、所定の距離Dよりも幅が広いポテトスライス54を2つのスライス部分50、52に長手方向に切断する。2つのスライス部分50、52は、所定の距離Dに一致する第1の最大幅W1を有する第1のスライス部分50と、第1の最大幅W1よりも短い第2の最大幅W2を有する第2のスライス部分52とからなる。第2の切刃36は各ナイフ8に1つだけ設けられているので、所定の距離Dよりも幅が長い各スライス54は、2つのスライス部分50、52だけに切断される。
【0058】
第1の切刃10でスライス54に切り分けるのと、第2の切刃36でスライス54を2つの部分50、52に切断するのとは実質的に同時に行われる。
図5を参照すると、本発明による方法の例示的な実施形態では、所与のポテト径中央値を有するポテト径分布を得るために等級分けされた複数の未切断ポテトが、ステップ70で用意される。ポテト全体を機械や手で2分割または4分割することはない。未切断ポテトは、ステップ72でポテトをスライスに切り分けるように構成された切断ヘッドに送られる。切断ヘッドにおいて、各ポテトは複数のスライスに切り分けられる。ステップ74に示すように、少なくともポテト径中央値よりも幅が広いスライスだけが、長手方向に、第1のスライス部分50と第2のスライス部分52とにさらに切断される。ステップ72、74における切断ヘッドによるスライス加工および切断加工の後、次いで、ステップ76でポテトスライスが揚げられ、ステップ78で調味され、ステップ80でVFFS機械を使用して袋詰めされる。
【0059】
例示的な実施形態による方法では、所定の距離Dは、特定の切断加工で切断される特定の個体群またはバッチをなすポテトの寸法によって決まる。その目的は、大きいポテトをポテトチップス切断装置2で加工してポテトスライスを形成できるようにし、その上、得られたスライスが(a)包装損失を最小限にし、なおかつ(b)第2の切刃36の切断作用によって、直線状の縁部を形成するように切断されるスライスの数量および割合を最大化し、さらに(b)小さい寸法のスライスの数量および割合を最小限にするサイズ分布を有するように、所定の距離Dを設定することである。ポテトチップスの包装袋の中の、縁部が直線状のポテトチップス、および小さい寸法のポテトチップスの数量および割合が過剰であることは、通常、消費者の許容範囲にない。
【0060】
典型的には、この目的を満たすために、ポテトスライス、次いでポテトチップスを形成する加工のために最初に用意される複数のポテトはポテト径中央値を有し、所定の距離Dは、ポテト径中央値よりも大きい。切断される特定のポテトの寸法と、ポテトチップス切断装置2の設定との間のこの技術的関係により、第1の切刃10および第2の切刃36による切断ステップ後に生成されたスライスの少なくとも50%を無切断とすることが可能になる。例示的な実施形態では、所定の距離Dは、これらの切断ステップ後に生成されたスライスの少なくとも60%が無切断であるように、ポテト径中央値よりも大きくなっている。
【0061】
本発明のポテトチップスを製造する方法の例示的な実施形態では、複数のポテトスライスが切り出された後、ポテトスライスは加熱調理および調味されて、味付けされたポテトチップスが生成される。その後、一定量のポテトチップスが包装袋に充填される。通常、包装袋は、規定の重量のポテトチップスを包装するように選択された寸法の軟質袋からなる。袋は、例えば公知の垂直型充填および封止(VFFS)機械によって並べられる。充填ステップ中に、包装袋は、最大幅寸法をもつ上側開口を有し、ポテトチップスは重力を受けて下方に向かい、上側開口を通って袋に詰められる。本発明の例示的な実施形態では、ポテトチップスは、開口の最大幅寸法の90%以下の最大幅を有する。通常、ポテトチップスは、開口の最大幅寸法の80%以下の最大幅を有する。
【0062】
本発明の例示的な実施形態において、および図5を再度参照して、ポテト径中央値を有するポテト径分布を得るために等級分けされた複数の未切断ポテトが、ステップ70で用意される。ポテト全体を機械や手で2分割または4分割することはない。未切断ポテトは、ステップ72でポテトをスライスに切り分けるように構成された切断ヘッドに送られる。切断ヘッドにおいて、各ポテトは複数のスライスに切り分けられる。切断ヘッドでの切断は、切断ステップ後に生成されたスライスの少なくとも50%、特に、一部の例示的実施形態では少なくとも60%が無切断であるように行われる。そのようなスライス個体群は、ステップ74に示すように、少なくともポテト径中央値よりも幅の広いスライスだけが、長手方向に、第1のスライス部分50と第2のスライス部分52とにさらに切断されるように、所定の距離Dを設定することで得られる。
【0063】
1つの例示的な実施形態では、70mmよりも幅の広い各スライスが、第1および第2のスライス部分に切断される。別の例示的な実施形態では、60mmよりも幅の広い各スライスが、第1および第2のスライス部分に切断される。さらに別の例示的な実施形態では、50mmよりも幅の広い各スライスが、第1および第2のスライス部分に切断される。例えば、Dが70mm、60mm、または50mmに設定された上記の実施形態では、特定の所定の距離Dは、通常、スライスされるポテト供給物の寸法解析に基づいて選択され、通常、ポテト供給物は、特定の寸法範囲を持たせるために前もって等級分けされている。
【0064】
繰り返しになるが、その目的は、ポテト供給物の寸法解析に基づいて所定の距離Dを設定することで、長手方向に切断されるスライス、または過度に小さいスライスの生成を最小限にしながら、包装廃棄物を最小限にするのに十分な程度に、過度に大きいスライスを長手方向に分割することである。この設定は、ポテトチップス生産ラインでの大量加工用の典型的なバッチにおける大きい個体群を代表する小規模個体群について、最初に短期間操業することにより試行錯誤的に行うことができる。
【0065】
例示的な実施形態では、特定の切断ヘッドが開示されている。しかし、本技術は、様々に異なる形状および大きさの切断ヘッドと共に利用することができる。
さらに、本発明の図示した例示的な実施形態では、切断ヘッドは静止しており、インペラは、静止した切断ヘッド内で回転する。本発明の代替の実施形態では、切断ヘッドも回転し、インペラは、回転する切断ヘッド内で回転し、切断ヘッドおよびインペラは、同じ回転方向であるが異なる回転速度で回転するか、または反対の回転方向に回転する。
【0066】
さらに、本技術は、様々な形状および構成のブレードと共に利用することができ、したがって、切断ヘッドは、一般的なポテトチップス製造用などの直線状平面ブレード、または波形の、もしくは他の3次元形状のポテトチップス製造用などのために形作られたブレードと共に使用することができる。
【0067】
本発明の例示的な実施形態の切断ヘッドは、2リングまたは単リングタイプとすることができる。
ブレードクランプの別の例示的実施形態は、最小限の作業および以前よりも短い設備中断時間で、ブレードクランプからのナイフ要素の取り外しを可能にする「クイックリリース」機能を含む。この例示的な実施形態では、クイックリリース機能には、2つの機械的ステップ、すなわち、(切断ヘッドおよびブレード取付具と位置合わせされた)ナイフ要素と切断ヘッドとに作用するブレード取付具の圧力の解放と、ブレード取付具の、切断ヘッドとの係合位置からのスライドによる取り外しとが含まれる。こうして、ナイフ要素を取り外して交換することができる。交換後、ブレード取付具を再度スライドさせて切断ヘッドと係合させ、ブレード取付具、ナイフ要素、および切断ヘッド間の圧力が再度機械的に加えられる。クイックリリース機能を使用する実施形態のさらなる例では、第1のナイフ要素は、切断ヘッドと位置合わせされ、第2のナイフ要素は、第1のナイフ要素に対して直角をなして、ブレードクランプに取り付けられる。この例示的な実施形態では、同じクイックリリース機能により、ブレードクランプの各ナイフ要素のいずれか、または両方の取り外しが可能である。クイックリリース機能を用いた例示的な実施形態は、複数のナイフブレードを有するブレードクランプと共に使用することができる。
【0068】
クイックリリース機能を有するブレードクランプ100の例示的な実施形態が、図6〜9に示されている。主に図6を参照して、この実施形態では、ブレードクランプ100は、本体125を有する切断ヘッド120を含む。切断ヘッド本体125は、本体125の厚い方の中央領域から薄い前縁123まで傾斜した前側部分122を含む。溝124は、本体125の後側部分の全長に沿って延びている。溝124は、レバーハンドル102の長尺状部分106を受け入れる大きさおよび形状に構成されている。ブレードクランプ100を組み立てる場合、長尺状部分106は、平坦領域108が溝から離れる方を向くような向きで溝に受け入れられる。後で説明するように、レバーハンドル102の動作と、ブレード取付具130の切断ヘッド120からのスライドによる解放とにより、ブレードクランプをスライス装置から分解する必要なく、ブレードクランプの1つまたは両方のブレードの容易な取り外しおよび交換が可能である。これは、設備の中断時間を短縮し、労働コストを削減する有効な時間節減機能である。第1のナイフ要素110は、片側の長手方向に延びる切刃114を備えた本体112を有する。さらに、第1のナイフ要素は、切断ヘッド120の小隆起126に合わせた間隔および大きさに形成された穴、この例では、一対の貫通穴116を有する。これは、切断ヘッド120の前縁123に対する切刃114の正確な配置(「位置合わせ」)を可能にする。
【0069】
例示的な実施形態は、平面領域132と、片側の長手方向の傾斜したブルノーズ140とを有するブレード取付具130を含む。ブルノーズは、組み立てた時に、第1のナイフ要素110の上側面に密着するように構成された傾斜した前縁142を有する。したがって、この密着は、ポテトまたは他の材料を切断して得られた材料が、ブレード取付具130と第1のナイフ要素110との間の空間に進入するのを妨げる。さらに、ブレード取付具130と切断ヘッド120および第1の切断ナイフ110との位置合わせを容易にするために、ブルノーズ140は、スロット136として例示された、一対の離間した貫通穴を有し、スロット136は、切断ヘッド120の小隆起126を受け入れる大きさに形成されている。円形の貫通穴ではなく、この例示的なスロット136を使用することで、組み立て時に、ある程度の調整が可能になる。ブルノーズ140はまた、第2のナイフ要素150を受け入れるような大きさおよび形状とされたスロット144として示された貫通穴を含む。1つのスロットだけが必要であるが、チップスの制限すべき最大寸法に基づいて、またはスライス形成の目的に基づいて、ブルノーズ140に沿って所定の距離d、d等の位置にいくつかのスロット144を設けることができる。必要に応じて、各スロット144の中に切刃を備えた複数のスロット144を使用することができる。または、複数のスロットのうちの1つだけを、所望するスライスの最大寸法に応じて選択して使用することができる。この第2のナイフ要素150は、ハンドル部分154に直角な切刃152を有する。組み立てた時、ハンドル部分はブレード取付具130の下に収まり、後方に延びてブルノーズを越え、平面領域132の下の空間に入る。その結果、ハンドル部分154は圧力のかかった状態になり、所定の位置に強固に保持される。これは、第2のナイフ要素の切刃152が、切断中のポテトから衝撃を受けた時の、スロット144内での切刃152の向きの安定化に寄与する。これは、例えば、SS 11R51などのより延性かつばね性の鋼が第2のナイフ要素に使用される場合に特に有用である。
【0070】
ブレード取付具130の平面領域132はまた、切断ヘッド120の貫通穴128を通って延びる留め具138を受け入れる一対の貫通穴134を含む。図示した例では、留め具138は支柱であって、留め具の柄よりも幅広いヘッドを有し、ヘッドの裏面が、貫通穴134を取り囲む上側面と係合して、ブレード取付具130を切断ヘッド120に向かって押し付ける。例示的な実施形態では、留め具のヘッドが貫通穴134に入り込み、これらの穴134にスライド式に係合することができるように、これらの留め具138の先端は貫通穴128に固定され、一方、留め具138の柄は、所定の高さまで切断ヘッドから突出する。そのような係合位置では、ブレード取付具を切断ヘッドに保持する圧力はわずかである。このスライド係合機能は、ねじ回し、レンチなどの工具を必要とすることなく、ブレードクランプ100の組み立てを容易にする。アセンブリは次いで、例えば図8に示すように、揺動アームをロック位置に動かすことでロックされる。さらに、例えば、図9に示すように、揺動アームをロック解除位置まで回転させた後、ブレード取付具を切刃からスライドさせて解放することで、第1のナイフ要素110および第2のナイフ要素150の両方の出し入れが可能となり、ブレードクランプ100を円筒状の切断ヘッドから取り外す必要なく、第1および第2のナイフ要素を交換することができる。したがって、ブレードの数量またはブレードの向きに関係なく、ブレード取付具130を切断ヘッドからスライドさせて解放することで、ブレードの取り外しおよび交換を可能にするクイックリリース機能を含む例示的な実施形態は、ブレードの交換において、時間および労力の節減という点で大きな利益をもたらす。留め具としての支柱またはショルダボルトの使用は利益をもたらすが、他の実施形態では、ねじ付きボルトを使用して、ブレード取付具を切断ヘッドに取り付けることができる。
【0071】
ここで特に図8および図9を参照すると、これらは、(1)クランプが使用中である場合と、(2)第1のナイフ要素を取り外すために、揺動アームによりクランプを開いた状態にした場合との揺動アーム102の位置を示している。図6を参照すると、この実施形態では、レバーハンドル102の平坦領域108がL字形状の内側に示されている。ここで図8を再度参照して、揺動アーム102が、ブレードクランプ100の平面とより近い向きにある時に、ブレードクランプ100を円筒状の切断装置に装着して使用することができる。その向きの揺動アーム位置では、ブレードクランプの平坦領域は、回転して溝124に入り込むことができ、長尺状部分106の円筒側は、ブレード取付具130の後部を上方に押し上げる。留め具は回転支点となるので、ブレード取付具の前縁144は、第1のナイフ要素を強くしっかりと下方に押し付けて、切断装置での過酷な使用時に、第1のナイフ要素を所定の位置に保持する。
【0072】
図9では、揺動アーム102がより垂直な位置に移動すると、平坦領域108は溝から回転してブレード取付具130に対向し、それにより、ブレード取付具130の後部の上向きの力を弱め、前縁144の第1のナイフ要素110に作用する圧力を弱める。これは、ブレードクランプをスライスアセンブリから取り外す必要のない、任意のナイフ要素の取り外しおよび交換を可能にする。これは、時間および労働コストを節減し、設備の中断時間を短縮し、それにより、スライス機械の処理量が限界である場合に生産性を上げる可能性がある。
【0073】
ここで、次の非限定的な例を参照して、本技術をさらに説明する。
(実施例)
図1〜4の構造を有するポテトスライス切断装置を使用して、ポテトチップス製造用のポテトスライスを切り出した。そのスライスを使用して、図5の工程流れ図に従いポテトチップスを生産した。
【0074】
寸法Dを70mmに設定した。この寸法により、投入ポテト原料に対して、得られたポテトチップスの少なくとも約60%がそれらの周縁に直線状の切り口を持たず、第2の切刃によって長手方向に切断されずに、代わりに第2の切刃の下を通過したという点で「無切断」とされることが可能になった。従来のVFFS機械を使用して、ポテトチップスを25グラムの袋に包装した。
【0075】
かなりの生産期間にわたって、ポテトチップスが袋の上側シールを損傷させることで生じる包装廃棄物を計量した。ポテトスライス切断ヘッドのブレードが従来の直線状ブレードであり、第2の切刃が設けられていないことを除いて、同じ投入ポテト原料と、同じ生産および包装機械とを有する2つの平行なポテトチップス生産ラインと比較して、包装廃棄物が少なくとも約0.5%削減されることが分かった。
【0076】
大規模なポテトチップス製造オレイション(oration)の場合、包装廃棄物のこの0.5%の節減は、生産コストにおける100万ドルの年間節減に相当する。
当業者には、本発明の例示的な実施形態のポテトスライス切断装置の他の変更形態が容易に分かるであろう。
【0077】
さらなる開示
以下の各項は、本明細書で開示した技術および発明のさらなる説明として提示されている。
1.ポテトスライスを切り出す装置であって、環状の切断ヘッドと、ポテトを切断ヘッドに向かって半径方向外側に送るために切断ヘッド内で回転するように同軸上に取り付けられた中央インペラとを含み、インペラは、上側面を備えたベースを有し、ポテトは、使用時に、上側面を横切って切断ヘッドに送られ、切断ヘッドのまわりに環状に連続して複数のナイフが取り付けられ、各ナイフは、ほぼ垂直に延びる第1の切刃であって、切断ヘッドとの間に半径方向に延びる隙間を形成するように切断ヘッドから離間した第1の切刃を有し、各ナイフはまた、ほぼ水平に延びる第2の切刃であって、少なくとも部分的に上記隙間にわたって半径方向に延びる第2の切刃を有し、第2の切刃は、インペラの上側面よりも少なくとも50mm上に配置されて、インペラの上側面と第2の切刃との間の、1枚のポテトスライスを切断する切断領域を画定する、装置。
2.第2の切刃は、インペラの上側面よりも60mm〜90mm上に配置される、第1項に記載の装置。
3.第2の切刃は、インペラの上側面よりも70mm〜80mm上に配置される、第1項または第2項に記載の装置。
4.第2の切刃は、第1の切刃に対して直角である、第1〜3項のいずれか一項に記載の装置。
5.第2の切刃は、第1の切刃の後方に配置される、第1〜4項のいずれか一項に記載の装置。
6.第2の切刃は、少なくとも1mm、任意選択で4mm〜10mmの距離だけ第1の切刃の後方に配置される、第5項に記載の装置。
7.各ナイフにおいて、第1および第2の切刃が、それぞれ第1および第2のナイフ要素上に形成される、第1〜6項のいずれか一項に記載の装置。
8.第1のナイフ要素は、第1のナイフ要素に隣接して取り付けられた長尺状のクランプ部材によって切断ヘッドに取り外し可能に締め付けられる、長尺状かつほぼ平面状のブレードを含む、第7項に記載の装置。
9.第2のナイフ要素は、ベース部分からほぼ直角に延びるブレード部分を含み、ベース部分は、長尺状のクランプ部材によって、切断ヘッドに取り外し可能に締め付けられる、第8項に記載の装置。
10.ベース部分は、第1のナイフ要素に取り外し可能に押し付けられる、第9項に記載の装置。
11.長尺状のクランプ部材は、第2のナイフ要素のブレード部分が貫通するスロットを含む、第9項または第10項に記載の装置。
12.スロットは、長尺状のクランプ部材の前縁の後方に配置された閉じたスロットである、第11項に記載の装置。
13.長尺状のクランプ部材は、長尺状のクランプ部材に沿って長手方向に離間した少なくとも2つのスロットを含み、各スロットは、インペラの上側面からそれぞれの所定の距離の位置に第2のナイフ要素を取り付けるために設けられる、第11項または第12項に記載の装置。
14.ポテトチップスを製造するためのポテトスライスを生成する方法であって、
a.複数のポテトを用意するステップと、
b.ポテトをスライスに切り分けるように構成された切断ヘッドにポテトを供給し、切断ヘッドは複数のナイフを有するステップと、
c.各ポテトを切断ヘッドのそれぞれのナイフに送り、ナイフは、ポテトをスライスに切り分けるように構成された第1の切刃と、所定の寸法よりも幅が広いポテトスライスを2つのスライス部分に切断するように構成された第2の切刃とを有し、2つのスライス部分は、上記所定の寸法に一致する第1の最大幅を有する第1のスライス部分と、第1の最大幅よりも短い第2の最大幅を有する第2のスライス部分とを含むステップと、
d.各ポテトを第1の切刃によって複数のスライスに切り分けるステップと、
e.上記所定の寸法よりも幅が広い各スライスを第2の切刃によって第1および第2のスライス部分に切断するステップと
を含む方法。
15.ステップbにおいて、切断ヘッドに供給されたポテトは、最初は切断されていない、第14項に記載の方法。
16.上記所定の寸法は少なくとも50mmである、第14項または第15項に記載の方法。
17.上記所定の寸法は60mm〜90mmである、第16項に記載の方法。
18.上記所定の寸法は70mm〜80mmである、第17項に記載の方法。
19.切断ステップd、eは実質的に同時に実施される、第14〜18項のいずれか一項に記載の方法。
20.切断ステップeは、スライスを2つのスライス部分だけに切断する、第14〜19項のいずれか一項に記載の方法。
21.ステップaで用意された複数のポテトはポテト径中央値を有し、上記所定の距離は、ポテト径中央値よりも大きいことにより、切断ステップd、eの後に生成されたスライスの少なくとも50%は切断されていない、第14〜20項のいずれか一項に記載の方法。
22.切断ステップd、eの後に生成されたスライスの少なくとも60%が切断されていない程度に、上記所定の距離はポテト径中央値よりも大きい、第21項に記載の方法。
23.切断ヘッドは環状の切断ヘッドであり、中央インペラは、ポテトを切断ヘッドに向かって半径方向外側に送るために切断ヘッド内で回転するように同軸上に取り付けられる、第14〜22項のいずれか一項に記載の方法。
24.インペラは上側面を備えたベースを有し、使用時、ポテトは上側面を横切って切断ヘッドに送られ、ナイフは切断ヘッドのまわりに環状に連続して取り付けられる、第23項に記載の方法。
25.各第1の切刃はほぼ垂直に延び、第1の切刃と切断ヘッドとの間に半径方向に延びる隙間を形成するように切断ヘッドから離間し、各第2の切刃はほぼ水平に延び、少なくとも部分的に上記隙間にわたって半径方向に延びる、第24項に記載の方法。
26.各第2の切刃は、インペラの上側面よりも少なくとも50mm上に配置され、インペラの上側面と第2の切刃との間の、1枚のポテトスライスを切断する切断領域を画定する、第25項に記載の方法。
27.ポテトチップスを製造する方法であって、
f.第14〜26項のいずれか一項に記載の方法によって生成された複数のポテトスライスを用意するステップと、
g.ポテトスライスを加熱調理および調味して、味付けされたポテトチップスを生成するステップと、
h.一定量のポテトチップスを包装袋に充填し、充填ステップ時に、包装袋は最大幅寸法をもたらす開口を有し、ポテトチップスは開口の最大幅寸法の90%以下の最大幅を有するステップと
を含む方法。
28.ポテトチップスは、開口の最大幅寸法の80%以下の最大幅を有する、第23項に記載の方法。
29.ポテトチップスを製造する方法であって、
i.ポテト径中央値を有するポテト径分布を得るために等級分けされた複数の未切断ポテトを用意するステップと、
j.未切断ポテトを、ポテトをスライスに切り分けるように構成された切断ヘッドに送るステップと、
k.切断ヘッドにおいて、各ポテトを複数のスライスに切り分けるステップと、
l.切断ヘッドにおいて、切断ステップc、dの後に生成されたスライスの少なくとも50%が切断されていないように、少なくともポテト径中央値よりも幅が広い各スライスを第1および第2のスライス部分に切断するステップと
を含む方法。
30.切断ステップc、dは、切断ステップc、dの後に生成されたスライスの少なくとも60%が切断されていないように実施される、第29項に記載の方法。
31.切断ステップdで、70mmよりも幅の広い各スライスが、第1および第2のスライス部分に切断される、第29項または請求項30に記載の方法。
32.切断ステップdで、60mmよりも幅の広い各スライスが、第1および第2のスライス部分に切断される、第31項に記載の方法。
33.切断ステップdで、50mmよりも幅の広い各スライスが、第1および第2のスライス部分に切断される、第32項に記載の方法。
34.切断ステップc、dは実質的に同時に実施される、第29〜33項のいずれか一項に記載の方法。
35.切断ステップdは、スライスを2つのスライス部分だけに切断する、第29〜34項のいずれか一項に記載の方法。
36.切断ヘッドは環状の切断ヘッドであり、中央インペラは、ポテトを切断ヘッドに向かって半径方向外側に送るために切断ヘッド内で回転するように同軸上に取り付けられる、第29〜35項のいずれか一項に記載の方法。
37.インペラは上側面を備えたベースを有し、使用時、ポテトは上側面を横切って切断ヘッドに送られる、第36項に記載の方法。
38.切断ヘッドは、切断ヘッドのまわりに環状に連続して取り付けられた複数のナイフを有し、各ナイフは、ステップcでスライスを切り出す第1の切刃と、ステップdでスライスを切断する第2の切刃とを有する、第36項または第37項に記載の方法。
39.各第1の切刃はほぼ垂直に延び、第1の切刃と切断ヘッドとの間に半径方向に延びる隙間を形成するように切断ヘッドから離間し、各第2の切刃はほぼ水平に延び、少なくとも部分的に上記隙間にわたって半径方向に延びる、第38項に記載の方法。
40.各第2の切刃は、インペラの上側面よりも少なくとも50mm上に配置され、インペラの上側面と第2の切刃との間の、1枚のポテトスライスを切断する切断領域を画定する、第39項に記載の方法。
41.
e.切断ステップc、dからのポテトスライスを加熱調理および調味して、味付けされたポテトチップスを生成するステップと、
f.一定量のポテトチップスを包装袋に充填し、充填ステップ時に、包装袋は最大幅寸法をもたらす開口を有し、ポテトチップスは開口の最大幅寸法の90%以下の最大幅を有するステップと
をさらに含む、第29〜40項のいずれか一項に記載の方法。
42.ポテトチップスは、開口の最大幅寸法の80%以下の最大幅を有する、第41項に記載の方法。
43.ポテトスライス装置で使用するためのブレードクランプであって、
切断ヘッドと、
切断ヘッドとスライド式に係合するブレード取付具と、
切断ヘッドとブレード取付具との間にあり、第1の切刃を有する第1のナイフ要素と、
第2の切刃を有する任意選択の第2のナイフ要素であって、第2のナイフ要素は、第1および第2の切刃が互いに対してほぼ直角になるように、ブレード取付具のスロットを貫通する第2のナイフ要素と
を含むブレードクランプ。
44.切断ヘッド、ブレード取付具、および第1のナイフ要素は同一平面上にある、第43項に記載のブレードクランプ。
45.切断ヘッドは、第1の切刃を切断ヘッドと位置合わせするための、ナイフ要素の穴と係合する小隆起をさらに含む、第43項または第44項に記載のブレードクランプ。
46.切断ヘッドは、切断ヘッドの後部側に沿って延びる長尺状の溝をさらに含む、第1〜45項のいずれか一項に記載のブレードクランプ。
47.レバーハンドルと、切断ヘッドの長尺状の溝内に収まるように構成された長尺状部分とを有する揺動アームをさらに含む、第46項に記載のブレードクランプ。
48.揺動アームの長尺状部分は略円筒形であり、少なくとも部分的に長尺状部分に沿って延びる平坦領域を含み、平坦領域は、クランプの使用時に、ブレード取付具の面に対向する、第47項に記載のブレードクランプ。
49.揺動アームのレバーハンドルの動作により、揺動アームの長尺状部分が溝内で回転することにより、ブレード取付具の切断ヘッドからのスライドによる解放が可能であり、ブレードクランプをスライス装置から取り外すことなく、切断ヘッドとブレード取付具との間にある第1のナイフ要素の取り外しおよび交換が可能である、第48項に記載のブレードクランプ。
50.ブレード取付具はブルノーズを含み、ブルノーズは傾斜しているとともに前縁を有し、この前縁は、クランプの使用時に、第1のナイフ要素に密着する、第1〜49項のいずれか一項に記載のブレードクランプ。
51.ブレード取付具のブルノーズはスロットを含み、第2の切刃はブルノーズのスロットを貫通し、第2の切刃は第1の切刃に対して直角に向けられる、第50項に記載のブレードクランプ。
52.揺動アームのレバーハンドルの動作により、揺動アームの長尺状部分が溝内で回転することにより、ブレード取付具の切断ヘッドからのスライドによる解放が可能であり、ブレードクランプをスライス装置から取り外すことなく、第1のナイフ要素か、または第2のナイフ要素のいずれか、あるいは両方の取り外しおよび交換が可能である、第51項に記載のブレードクランプ。
53.第2のナイフ要素はハンドル部分を有し、ハンドル部分は、ブレード取付具のブルノーズ部分を越えて後方に延び、ハンドル部分は、ブレード取付具と第1のナイフ要素との間に締め付けられる、第52項に記載のブレードクランプ。
54.一方の端部が切断ヘッドに固定された留め具をさらに含み、留め具の他方の端部におけるヘッドは、ブレード取付具のスロットにスライド式に係合し、揺動アームが第1の方向に回転することで、ブレード取付具が切断ヘッドにロックされ、反対の方向に回転することで、ブレードクランプをスライス装置から取り外すことなく、ブレード取付具を切断ヘッドから解放することが可能である、第43項に記載のブレードクランプ。
55.ポテトスライス装置で使用するためのブレードクランプであって、
切断ヘッドの後側部分に沿って長手方向に延びる溝を有する切断ヘッドと、
切断ヘッドとスライド式に係合するブレード取付具と、
切断ヘッドとブレード取付具との間に挟み込まれ、第1の切刃を有する第1のナイフ要素と、
レバーハンドルおよび長尺状の略円筒形部分を有する揺動アームであって、長尺状部分は、片側に沿って平坦領域を有し、長尺状部分は、平坦領域がブレード取付具の裏面に対向するように、切断ヘッドの溝内に収まる大きさおよび構成とされる揺動アームと
を含むブレードクランプ。
56.切断ヘッドは、第1の切刃を切断ヘッドと位置合わせするための、ナイフ要素の穴と係合する小隆起をさらに含む、第55項に記載のブレードクランプ。
57.ブレード取付具はブルノーズを含み、ブルノーズは傾斜しているとともに前縁を有し、この前縁は、クランプの使用時に第1のナイフ要素に密着する、第55項または第56項に記載のブレードクランプ。
58.ブレード取付具は、留め具と係合するスロットを含み、留め具は、ブレード取付具を貫通して切断ヘッドに入り込む、第55〜57項のいずれか一項に記載のブレードクランプ。
59.ブレード取付具はブルノーズをさらに含み、ブルノーズは傾斜しているとともにスロットを有し、第2のナイフの切刃はスロットから突出し、第2のナイフ要素の切刃は、第1のナイフ要素の切刃に対して直角に向けられる、第1〜58項のいずれか一項に記載のブレードクランプ。
60.揺動アームの動作により、ブレード取付具の切断ヘッドからのスライドによる解放が可能であり、第1のナイフ要素、または第2のナイフ要素、または両方を取り外して交換するための出し入れが可能である、第59項に記載のブレードクランプ。
61.揺動アームの第1の方向の動作により、ブレード取付具が切断ヘッドにロックされ、反対の方向の動作により、ブレード取付具の切断ヘッドからのスライドによる解放が可能であることにより、ブレードクランプをスライス装置から取り外すことなく、第1のナイフ要素を取り外して交換するための出し入れが可能である、第55〜60項のいずれか一項に記載のブレードクランプ。
62.ポテトスライス装置で使用するためのブレードクランプであって、
切断ヘッドの後側部分に沿って長手方向に延びる溝を有する切断ヘッドと、
横方向に延びるスロットを含むブルノーズ部分を有するブレード取付具であって、切断ヘッドまで延びる留め具を受け入れるスロットを有するブレード取付具と、
切断ヘッドとブレード取付具との間に挟み込まれ、第1の切刃を有する第1のナイフ要素と、
第2のナイフ刃を有する任意選択の第2のナイフ要素であって、第2のナイフ要素は、第1および第2の切刃が互いに対してほぼ直角になるように、ブレード取付具の少なくとも1つのスロットから突出し、第2のナイフ要素はハンドル部分を有し、ハンドル部分は、ブレード取付具のブルノーズ部分を越えて後方に延び、ハンドル部分は、ブレード取付具と第1のナイフ要素との間に締め付けられる、第2のナイフ要素と、
レバーハンドルおよび長尺状の略円筒形部分を有する略L字状の揺動アームであって、長尺状部分は、片側に沿って平坦領域を有し、長尺状部分は、平坦領域がブレード取付具の裏面に対向するように、切断ヘッドの溝内に収まる大きさおよび構成とされる、揺動アームと
を含み、揺動アームの第1の方向の回転により、ブレード取付具が切断ヘッドに締め付けられ、揺動アームの反対方向の回転により、ブレードクランプをスライス装置から取り外すことなく、第1のナイフ要素および任意選択の第2のナイフ要素を取り外すことが可能である、ブレードクランプ。
図1
図2
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図6
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図8
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