【実施例】
【0059】
以下、本発明について具体的に例を挙げて説明するが、本発明は必ずしもその実施例に限定されるものではない。なお、実施例、比較例における各物性は次の方法にて測定した。
(1)成形性
フィルム成形状態を目視確認し、下記のように評価した。
○:不具合なく、成形可能
×:破れや亀裂を生じ、成形不可能
(2)透湿抵抗
評価機は、株式会社 大栄科学精器製作所製 DH−400を使用し、JIS A 6111(2004)に準じて測定を行った。得られた数値が小さいほど、湿気が多く屋外に放出される。
(3)防水性
評価機は、株式会社 大栄科学精器製作所製のWP−100Kを使用し、JIS L 1092(2009)に規定するA法に準じて測定を行った。初期の防水性の評価基準は、10KPa以上保持しておれば、実際の使用上において問題とならないと判断した。
【0060】
(4)赤外線反射率、透過率
赤外線反射率、透過率は、紫外・可視・近赤外線分光光度計(株式会社島津製作所製 UV−3600)を使用し、試験片の表側面(施工時の外壁側面)を計測波長2000〜2600nmの条件下で赤外線反射率及び透過率を測定した。
(5)腐食処理(高温高湿処理)後の赤外線反射率の保持率
試験片を恒温乾燥機(ADVANTEC製 FC−612)70℃×90%RHの環境に72時間放置する。その後、紫外・可視・近赤外線分光光度計(株式会社島津製作所製 UV−3600)を使用し、試験片の表側面(施工時の外壁側面)を計測波長2000〜2600nmの条件下で赤外線反射率を測定し、次の式にて保持率を算出した。
赤外反射率の保持率=(耐久処理後の赤外反射率/初期の赤外反射率)×100
(6)腐食処理(高温高湿処理)後の変色判定
試験片を恒温乾燥機(ADVANTEC製 FC−612)70℃×90%RHの環境に72時間放置する。その後、CCM(コニカミノルタセンシング株式会社製 CM−3700A、CM−S100W)を用いて、可視光(400〜700nm)の反射率を測定し、その積分値を求めた
防食性の変色判定は、初期値を基準として下記のように評価した。
○:腐食処理後の値が初期値の70%以上である
×:腐食処理後の値が初期値の70%未満である
【0061】
(7)耐久処理(20年相当の促進曝露処理)後の防水性
JIS A 6111(2004)透湿防水シートの耐久性における処理内容に基づき、日射に促進曝露試験JIS A 1415(2013)に準じて、試験片にサンシャインウェザーメ−ター((SWM):スガ試験機株式会社製 WEL−SUN−MCH,B型)を使用し、2時間/サイクルを100サイクルで照射し、その後、JIS K 7212(1999)に準じ加熱処理を行った。処理の温度と時間は、80±2℃で28週間とした。このようにして、20年相当の促進曝露処理を行った後、防水性の評価を、JIS L 1092(2009)に規定するA法の静水圧法によって行った。ただし、水圧の加圧面は試験片の表面(施工時の外壁面)とした。耐久処理後の防水性の評価基準は、8KPa以上保持しておれば、実際の使用上において問題とならなく、耐久性があると判断した。
【0062】
(8)耐久処理(20年相当の促進曝露処理)後の赤外線反射率の保持率
上記(7)と全く同様にして、20年相当の促進曝露処理を行った後、紫外・可視・近赤外線分光光度計(株式会社島津製作所製 UV−3600)を使用し、試験片の表側の面(施工時の外壁側の面)について、計測波長2000〜2500nmの条件下で赤外線反射率を測定し、次の式にて保持率を算出した。
赤外反射率の保持率=(耐久処理後の赤外反射率/初期の赤外反射率)×100
そして、この平均値が試験前の70%以上であることを確認する。
(9)引張強伸度
JIS L 1906に基づく引っ張り試験により、積層シートの引張強度及び引張伸度を測定し、全ての実施例及び比較例にて裏打ちに用いたポリエステルスパンボンド不織布(東洋紡株式会社製 3701A)のものと、ほぼ同一となっていることを確認した。すなわち、不織布のタテ方向(不織布製造時における帯状シート送り出し方向)にて、いずれも、269N/5cm前後の強度、及び27%前後の伸びが見られ、不織布のヨコ方向(不織布製造時における帯状シートの幅方向)にて、104N/5cm前後の強度、及び33%前後の伸びが見られることを確認した。これらの結果は、表中には記載していない。
(10)カバー率及び接着面積率
所定のカバー率となっていることを、走査型電子顕微鏡を使用し拡大倍率300倍での撮像後、画像解析により確かめた。また、ドライラミネート時の接着面積率は、不織布を多孔質フィルムから引き剥がした後、多孔質フィルム上における、不織布の繊維が付着している箇所、及び、繊維が剥離した跡がある箇所の総面積が全体の面積に占める比率について、実体顕微鏡で観察することにより、10%単位で判定したものである。これらの結果も、表中には記載していない。
【0063】
[実施例1]
樹脂基材のポリエチレン(日本ポリエチレン株式会社製、ノバテックHD、HF560;フィルム用高密度ポリエチレン樹脂、融点128℃、密度0.963、メルトフローレート7.0)100質量部に対し、粒子径が1μm、粒子の厚み0.05μm、アスペクト比が20のアルミニウムマスターバッチ(東京インキ株式会社製、PEX496Silver AL;32質量%がアルミニウム粒子、残りは低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)、及び少量のコーティング材としてのアクリレート樹脂)を25質量部、粒子径が40μmの無機フィラー(重質炭酸カルシウム;白石カルシウム株式会社製、BF−400)を25質量部、紫外線吸収剤(チバ・ジャパン株式会社製、TINUVIN 120)を2質量部、光安定剤(チバ・ジャパン株式会社製、CHIMASSORB 2020 FDL)を2質量部、酸化防止剤(チバ・ジャパン株式会社製、IRGANOX 1098)を2質量部添加し同方向回転二軸押出機で温度210℃により溶解させ混練して均一化した。次いで、Tダイにより厚み30μmのフィルムを押し出した。その後、フィルム形成(長さ)方向に、1.1倍延伸を行い、厚み27μmの多孔質フィルムを得た。さらに、このフィルムの片面(表面)に処方1のアルミニウム印刷を固形分で5g/m
2となるようにグラビアコーティング法により付与し(直径0.3cm円のドット柄。カバー率65%)、送風定温乾燥機中にて80℃で30秒熱処理した。加えて、上記印刷面とは反対の面に、目付け70g/m
2のポリエステルスパンボンド不織布(東洋紡株式会社製 3701A、引張強度(伸度)タテ269N/5cm(27%)、ヨコ104N/5cm(33%))をドライラミネート法により接着しハウスラップ材を得た。なお、ポリエチレン透湿防水性フィルムに対する不織布の接着においては、ホットメルト系の食品包装フィルム用ドライラミネート接着剤(旭化学合成株式会社製のアサヒメルトK1217)を230度で溶解し、スプレー法により塗布し、不織布に塗布されたドライラミネート接着剤の量が、その固形分換算で、5g/m
2となるようにし、接着面積が不織布の全面積あたりの50%となるようにした。そして一対のローラー間で圧締を行った。評価結果を表1に示す。
〔処方1〕
ハイドランHW−201 50質量部
(エーテル系ポリウレタン樹脂 固形分35% DIC株式会社製)
イソプロピルアルコール 15質量部
水 100質量部
EMR―D3422 10質量部
(アルミニウムペースト、金属含有量60%、平均粒子径22μm、東洋アルミニウム株式会社製)
【0064】
[実施例2]
樹脂基材のポリエチレン(日本ポリエチレン株式会社製、ノバテックHD、HF560;フィルム用高密度ポリエチレン樹脂、融点128℃、密度0.963、メルトフローレート7.0)100質量部に対し、粒子径が0.1μm、粒子の厚み0.01μm、アスペクト比が10のアルミニウムマスターバッチ(東京インキ株式会社製、PEX526Silver;40質量%がアルミニウム粒子、残りは低密度ポリエチレン樹脂、及び少量のコーティング材としてのアクリレート樹脂)を40質量部、粒子径が0.1μmの無機フィラー(合成炭酸カルシウム;白石カルシウム株式会社製、ソフトン23000)を10質量部、紫外線吸収剤(チバ・ジャパン株式会社製、TINUVIN 120)を2質量部、光安定剤(チバ・ジャパン株式会社製、CHIMASSORB 2020 FDL)を2質量部、酸化防止剤(チバ・ジャパン株式会社製、IRGANOX 1098)を2質量部添加し同方向回転二軸押出機で温度210℃により溶解させ混練して均一化した。次いで、Tダイにより厚み7.5μmのフィルム形成した。その後、フィルム形成(長さ)方向に、1.5倍延伸を行い、厚み5μmの多孔質フィルムを得た。さらに、実施例1と同様にフィルムの片面にアルミニウム印刷を、もう一方の面に不織布の積層処理を行った。評価結果を表1に示す。
【0065】
[実施例3]
樹脂基材のポリエチレン(日本ポリエチレン株式会社製、ノバテックHD、HF560;フィルム用高密度ポリエチレン樹脂、融点128℃、密度0.963、メルトフローレート7.0)100質量部に対し、粒子径が10μm、粒子の厚み7.6μm、アスペクト比が1.32のアルミニウムマスターバッチ(東洋アルミニウム株式会社製、NME010T6B;70質量%がアルミニウム粒子、残りは低密度ポリエチレン樹脂、及びポリエチレンワックス、少量のコーティング材としてのアクリレート樹脂)を20質量部、粒子径が5μmの無機フィラー(重質炭酸カルシウム;白石カルシウム株式会社製、BF−200)を50質量部、紫外線吸収剤(チバ・ジャパン株式会社製、TINUVIN 120)を2質量部、光安定剤(チバ・ジャパン株式会社製、CHIMASSORB 2020 FDL)を2質量部、酸化防止剤(チバ・ジャパン株式会社製、IRGANOX 1098)を2質量部添加し同方向回転二軸押出機で温度210℃により溶解させ混練して均一化した。次いで、Tダイにより厚み135μmのフィルム形成した。その後、フィルム形成(長さ)方向に、5倍延伸を行い、厚み27μmの多孔質フィルムを得た。さらに、実施例1と同様にフィルムの片面にアルミニウム印刷を、もう一方の面に不織布の積層処理を行った。評価結果を表1に示す。
【0066】
[実施例4]
樹脂基材のポリエチレン(日本ポリエチレン株式会社製、ノバテックHD、HF560;フィルム用高密度ポリエチレン樹脂、融点128℃、密度0.963、メルトフローレート7.0)100質量部に対し、粒子径が10μm、粒子の厚み0.5μm、アスペクト比が20のアルミニウムマスターバッチ(東洋アルミニウム株式会社製、NME010T6;70質量%がアルミニウム粒子、残りは低密度ポリエチレン樹脂、及びポリエチレンワックス、少量のコーティング材としてのアクリレート樹脂)を20質量部、粒子径が5μmの無機フィラー(重質炭酸カルシウム;白石カルシウム株式会社製、BF−200)を70質量部、紫外線吸収剤(チバ・ジャパン株式会社製、TINUVIN 120)を2質量部、光安定剤(チバ・ジャパン株式会社製、CHIMASSORB 2020 FDL)を2質量部、酸化防止剤(チバ・ジャパン株式会社製、IRGANOX 1098)を2質量部添加し同方向回転二軸押出機で温度210℃により溶解させ混練して均一化した。次いで、Tダイにより厚み60μmのフィルム形成した。その後、フィルム形成(長さ)方向に、5倍延伸を行い、厚み12μmの多孔質フィルムを得た。さらに、実施例1と同様にフィルムの片面にアルミニウム印刷を、もう一方の面に不織布の積層処理を行った。評価結果を表1に示す。
【0067】
[実施例5]
樹脂基材のポリエチレン(日本ポリエチレン株式会社製、ノバテックHD、HF560;フィルム用高密度ポリエチレン樹脂、融点128℃、密度0.963、メルトフローレート7.0)100質量部に対し、粒子径が20μm、粒子の厚み0.05μm、アスペクト比が400のアルミニウムマスターバッチ(東洋アルミニウム株式会社製、NME020T2;70質量%がアルミニウム粒子、残りは低密度ポリエチレン樹脂、及びポリエチレンワックス、少量のコーティング材としてのアクリレート樹脂)を1質量部、粒子径が8μmの無機フィラー(重質炭酸カルシウム;白石カルシウム株式会社製、BF−300)を60質量部、紫外線吸収剤(チバ・ジャパン株式会社製、TINUVIN 120)を2質量部、光安定剤(チバ・ジャパン株式会社製、CHIMASSORB 2020 FDL)を2質量部、酸化防止剤(チバ・ジャパン株式会社製、IRGANOX 1098)を2質量部添加し同方向回転二軸押出機で温度210℃により溶解させ混練して均一化した。次いで、Tダイにより厚み60μmのフィルム形成した。その後、フィルム形成(長さ)方向に、1.5倍延伸を行い、厚み40μmの多孔質フィルムを得た。さらに、実施例1と同様にフィルムの片面にアルミニウム印刷を、もう一方の面に不織布の積層処理を行った。評価結果を表1に示す。
【0068】
[実施例6]
樹脂基材のポリエチレン(日本ポリエチレン株式会社製、ノバテックHD、HF560;フィルム用高密度ポリエチレン樹脂、融点128℃、密度0.963、メルトフローレート7.0)100質量部に対し粒子径が40μm、粒子の厚みが0.04μm、アスペクト比が1000のSUSマスターバッチ(東洋アルミニウム株式会社製、RFA−3000;70質量%がステンレス(SUS316L)粒子、残りは低密度ポリエチレン樹脂、及びポリエチレンワックス、少量のコーティング材としてのアクリレート樹脂)を1質量部、粒子径が5μmの無機フィラー(重質炭酸カルシウム;白石カルシウム株式会社製、BF−200)を50質量部、紫外線吸収剤(チバ・ジャパン株式会社製、TINUVIN 120)を2質量部、光安定剤(チバ・ジャパン株式会社製、CHIMASSORB 2020 FDL)を2質量部、酸化防止剤(チバ・ジャパン株式会社製、IRGANOX 1098)を2質量部添加し高速で同方向回転二軸押出機で温度210℃により溶解させ混練して均一化した。次いで、Tダイにより厚み450μmのフィルム形成した。その後、フィルム形成(長さ)方向に、3倍延伸を行い、厚み150μmの多孔質フィルムを得た。さらに、実施例1と同様にフィルムの片面にアルミニウム印刷を、もう一方の面に不織布の積層処理を行った。評価結果を表1に示す。
【0069】
[実施例7]
樹脂基材のポリエチレン(日本ポリエチレン株式会社製、ノバテックHD、HF560;フィルム用高密度ポリエチレン樹脂、融点128℃、密度0.963、メルトフローレート7.0)100質量部に対し粒子径が10μm、粒子の厚みが1μm、アスペクト比が10のアルミニウムマスターバッチ(東洋アルミニウム株式会社製、NME010T6;70質量%がアルミニウム粒子、残りは低密度ポリエチレン樹脂、及びポリエチレンワックス、少量のコーティング材としてのアクリレート樹脂)を5質量部、粒子径が5μmの無機フィラー(重質炭酸カルシウム;白石カルシウム株式会社製、BF−200)を50質量部、マスターバッチ化した紫外線吸収剤(チバ・ジャパン株式会社製、TINUVIN 120)を2質量部、光安定剤(チバ・ジャパン株式会社製、CHIMASSORB 2020 FDL)を2質量部、酸化防止剤(チバ・ジャパン株式会社製、IRGANOX 1098)を2質量部添加し高速で同方向回転二軸押出機で温度210℃により溶解させ混練して均一化した。次いで、Tダイにより厚み60μmのフィルム形成した。その後、フィルム形成(長さ)方向に、2倍延伸を行い、30μmの多孔質フィルムを成形した。さらに、このフィルムの片面(表面)に処方2のステンレス印刷を固形分で0.5g/m
2となるようにグラビアコーティング法により付与し(直径2.5cm円のドット柄。カバー率80%)、80℃で30秒熱処理した。加えて、上記印刷面の反対面に、実施例1と同様に不織布の積層処理を行った。評価結果を表1に示す。
〔処方2〕
ハイムレンT−21−1 100質量部
(エーテル系ポリウレタン樹脂、固形分25%、大日精化工業株式会社製)
IPA 15質量部
RFA−4000 10質量部
(SUSフレーク、金属含有量60%、平均粒子径30μm、東洋アルミニウム株式会社製)
【0070】
[実施例8]
樹脂基材のポリエチレン(日本ポリエチレン株式会社製、ノバテックHD、HF560;フィルム用高密度ポリエチレン樹脂、融点128℃、密度0.963、メルトフローレート7.0)100質量部に対し粒子径が40μm、粒子の厚みが0.04μm、アスペクト比が1000のSUSマスターバッチ(東洋アルミニウム株式会社製、RFA−3000;70質量%がステンレス(SUS316L)粒子、残りは低密度ポリエチレン樹脂、及びポリエチレンワックス、少量のコーティング材としてのアクリレート樹脂)を1質量部、粒子径が5μmの無機フィラー(重質炭酸カルシウム;白石カルシウム株式会社製、BF−200)を50質量部、マスターバッチ化した紫外線吸収剤(チバ・ジャパン株式会社製、TINUVIN 120)を2質量部、光安定剤(チバ・ジャパン株式会社製、CHIMASSORB 2020 FDL)を2質量部、酸化防止剤(チバ・ジャパン株式会社製、IRGANOX 1098)を2質量部添加し高速で同方向回転二軸押出機で温度210℃により溶解させ混練して均一化した。次いで、Tダイにより厚み450μmのフィルム形成した。その後、フィルム形成(長さ)方向に、3倍延伸を行い、150μmの多孔質フィルムを成形した。さらに、このフィルムの片面(表面)に処方2のステンレス印刷を固形分で50g/m
2となるようにグラビアコーティング法により付与し(直径0.5cm円のドット柄。カバー率10%)、90℃で30秒熱処理した。加えて、上記印刷面の反対面に、実施例1と同様に不織布の積層処理を行った。評価結果を表1に示す。
【0071】
[実施例9]
実施例7と同様にフィルムを成形し、さらに、実施例1と同様にフィルムの片面にアルミニウム印刷を、もう一方の面に不織布の積層処理を行った。評価結果を表1に示す。
【0072】
[実施例10]
実施例7と同様にフィルムを成形し、さらに、このフィルムの片面(表面)に処方2のステンレス印刷を固形分で5g/m
2となるようにグラビアコーティング法により付与し(直径0.3cm円のドット柄。カバー率65%)、80℃で30秒熱処理した。加えて、上記印刷面の反対面に、実施例1と同様に不織布の積層処理を行った。評価結果を表1に示す。
【0073】
[実施例11]
実施例7と同様にフィルムを成形し、さらに、このフィルムの片面(表面)に処方2のステンレス印刷を固形分で2g/m
2となるようにグラビアコーティング法により付与し(直径0.5cm円のドット柄。カバー率15%)、80℃で30秒熱処理した。加えて、上記印刷面の反対面に、実施例1と同様に不織布の積層処理を行った。評価結果を表2に示す。
【0074】
[実施例12]
実施例7と同様にフィルムを成形し、さらに、このフィルムの片面(表面)に処方2のステンレス印刷を固形分で8g/m
2となるようにグラビアコーティング法により付与し(直径0.5cm円のドット柄。カバー率73%)、80℃で30秒熱処理した。加えて、上記印刷面の反対面に、実施例1と同様に不織布の積層処理を行った。評価結果を表2に示す。
【0075】
[実施例13]
実施例7と同様にフィルムを成形し、さらに、実施例10と同様にフィルムの片面にステンレス印刷処理を行った。加えて、上記印刷面の反対面に、目付け70g/m
2のポリエステルスパンボンド不織布(東洋紡株式会社製 3701A、引張強度(伸度)タテ269N/5cm(27%)、ヨコ104N/5cm(33%))をドライラミネート法により接着しハウスラップ材を得た。なお、ポリエチレン透湿防水性フィルムに対する不織布の接着においては、ホットメルト系の食品包装フィルム用ドライラミネート接着剤(旭化学合成株式会社製のアサヒメルトK1217)を230度で溶解し、スプレー法により塗布し、不織布に塗布されたドライラミネート接着剤の量が、その固形分換算で、4g/m
2となるようにし、接着面積が不織布の全面積あたりの17%となるようにした。そして一対のローラー間で圧締を行った。評価結果を表2に示す。
【0076】
[実施例14]
実施例7と同様にフィルムを成形し、さらに、実施例10と同様にフィルムの片面にステンレス印刷処理を行った。加えて、上記印刷面の反対面に、目付け70g/m
2のポリエステルスパンボンド不織布(東洋紡株式会社製 3701A、引張強度(伸度)タテ269N/5cm(27%)、ヨコ104N/5cm(33%))をドライラミネート法により接着しハウスラップ材を得た。なお、ポリエチレン透湿防水性フィルムに対する不織布の接着においては、ホットメルト系の食品包装フィルム用ドライラミネート接着剤(旭化学合成株式会社製のアサヒメルトK1217)を230度で溶解し、スプレー法により塗布し、不織布に塗布されたドライラミネート接着剤の量が、その固形分換算で、8g/m
2となるようにし、接着面積が不織布の全面積あたりの76%となるようにした。そして一対のローラー間で圧締を行った。評価結果を表2に示す。
【0077】
[実施例15]
実施例7と同様にフィルムを成形し、さらに、このフィルムの片面に処方3のプライマー処理用溶液を乾燥固形分で0.5g/m
2となるようにグラビアコーティング法により付与し、80℃で30秒熱処理した。次にフィルムのプライマー処理面に450±50Åの膜厚となるようアルミニウム蒸着加工を行った(カバー率98%)。さらに、この蒸着面に下記処方4の水溶液を乾燥固形分で1.0g/m
2となるようにナイフコーティング法により付与し、80℃で30秒熱処理して、膜厚1.0μmの保護層を形成した。加えて、フィルムの上記処理面とは反対面に、目付け70g/m
2のポリエステルスパンボンド不織布(東洋紡株式会社製 3701A、引張強度(伸度)タテ269N/5cm(27%)、ヨコ104N/5cm(33%))をドライラミネート法により接着しハウスラップ材を得た。なお、ポリエチレン透湿防水性フィルムに対する不織布の接着においては、ホットメルト系の食品包装フィルム用ドライラミネート接着剤(旭化学合成株式会社製のアサヒメルトK1217)を230度で溶解し、スプレー法により塗布し、不織布に塗布されたドライラミネート接着剤の量が、その固形分換算で、4.5g/m
2となるようにし、接着面積が不織布の全面積あたりの30%となるようにした。そして一対のローラー間で圧締を行った。評価結果を表2に示す。
〔処方3〕
パーマリンUA−99 10重量部
(エーテル系ポリウレタン樹脂 固形分20% 三洋化成工業株式会社製)
水 100重量部
〔処方4〕
ハイドランHW−201 100重量部
(エーテル系ポリウレタン樹脂 固形分35% DIC株式会社製)
コロミンW 1重量部
(ポリオキシエチレンアルキルエーテル 固形分10% 花王株式会社製)
シャインガードF−70 1重量部
(脂肪族アミン誘導体 固形分10% センカ株式会社製)
ドライポン600E 2重量部
(シリコーン活性剤 固形分54% 日華化学株式会社製)
IPA 30重量部
水 100重量部
【0078】
[比較例1]
樹脂基材のポリエチレン(日本ポリエチレン株式会社製、ノバテックHD、HF560)100質量部に対し、粒子径が5μmの無機フィラー(重質炭酸カルシウム;白石カルシウム株式会社製、BF−200)を50質量部、マスターバッチ化した紫外線吸収剤(チバ・ジャパン株式会社製、TINUVIN 120)を2質量部、光安定剤(チバ・ジャパン株式会社製、CHIMASSORB 2020 FDL)を2質量部、酸化防止剤(チバ・ジャパン株式会社製、IRGANOX 1098)を2質量部添加し同方向回転二軸押出機で温度210℃により溶解させ混練して均一化した。次いで、Tダイにより厚み135μmのフィルム形成した。その後、フィルム形成(長さ)方向に、5倍延伸を行い、27μmの多孔質フィルムを成形した。さらに、実施例10と同様にフィルムの片面にアルミニウム印刷を、もう一方の面に実施例1と同様に不織布の積層処理を行った。評価結果を表2に示す。
【0079】
[比較例2]
樹脂基材のポリエチレン(日本ポリエチレン株式会社製、ノバテックHD、HF560)100質量部に対し、粒子径が10μm、粒子の厚み6.5μm、アスペクト比が1.54のアルミニウムマスターバッチ(東洋アルミニウム株式会社製、NME010T6;70重量%がアルミニウム粒子、残りは低密度ポリエチレン樹脂、及びポリエチレンワックス、少量のコーティング材としてのアクリレート樹脂)を20質量部、紫外線吸収剤(チバ・ジャパン株式会社製、TINUVIN 120)を2質量部、光安定剤(チバ・ジャパン株式会社製、CHIMASSORB 2020 FDL)を2質量部、酸化防止剤(チバ・ジャパン株式会社製、IRGANOX 1098)を2質量部添加し同方向回転二軸押出機で温度210℃により溶解させ混練して均一化した。次いで、Tダイにより厚み135μmのフィルム形成した。その後、フィルム形成(長さ)方向に、5倍延伸を行い、27μmの多孔質フィルムを成形した。さらに、実施例10と同様にフィルムの片面にアルミニウム印刷を、もう一方の面に実施例1と同様に不織布の積層処理を行った。評価結果を表2に示す。
【0080】
[比較例3]
実施例7と同様にフィルムを成形し、さらに、このフィルムの片面(表面)に処方1のアルミニウム印刷を固形分で20g/m
2となるようにグラビアコーティング法により付与し(直径1.5cm円のドット柄。カバー率8%)、80℃で30秒熱処理した。加えて、上記印刷面の反対面に、実施例1と同様に不織布の積層処理を行った。評価結果を表2に示す。
【0081】
[比較例4]
実施例7と同様にフィルムを成形し、さらに、実施例10と同様にフィルムの片面にステンレス印刷処理を行った。加えて、上記印刷面の反対面に、目付け70g/m
2のポリエステルスパンボンド不織布(東洋紡株式会社製 3701A、引張強度(伸度)タテ269N/5cm(27%)、ヨコ104N/5cm(33%))をドライラミネート法により接着しハウスラップ材を得た。なお、ポリエチレン透湿防水性フィルムに対する不織布の接着においては、ホットメルト系の食品包装フィルム用ドライラミネート接着剤(旭化学合成株式会社製のアサヒメルトK1217)を230度で溶解し、スプレー法により塗布し、不織布に塗布されたドライラミネート接着剤の量が、その固形分換算で、2.5g/m
2となるようにし、接着面積が不織布の全面積あたりの8%となるようにした。そして一対のローラー間で圧締を行った。評価結果を表2に示す。
【0082】
[比較例5]
実施例7と同様にフィルムを成形し、さらに、実施例10と同様にフィルムの片面にステンレス印刷処理を行った。加えて、上記印刷面の反対面に、目付け70g/m
2のポリエステルスパンボンド不織布(東洋紡株式会社製 3701A、引張強度(伸度)タテ269N/5cm(27%)、ヨコ104N/5cm(33%))をドライラミネート法により接着しハウスラップ材を得た。なお、ポリエチレン透湿防水性フィルムに対する不織布の接着においては、ホットメルト系の食品包装フィルム用ドライラミネート接着剤(旭化学合成株式会社製のアサヒメルトK1217)を230度で溶解し、スプレー法により塗布し、不織布に塗布されたドライラミネート接着剤の量が、その固形分換算で、11g/m
2となるようにし、接着面積が不織布の全面積あたりの83%となるようにした。そして一対のローラー間で圧締を行った。評価結果を表2に示す。
【0083】
【表1】
【0084】
【表2】
【0085】
表1〜2の結果から知られるように、実施例1〜15により、優れた透湿防水性、及び、優れた赤外線遮蔽性、及びそれらの長期耐久性が得られた。特に、実施例5では、少量の金属粒子の添加により、特に優れた赤外線遮蔽能、及びその耐久性が得られた。実施例5では、少量の添加であるものの、粒径及びアスペクト比が好適な範囲内であるため、良好なリーフィング効果が得られたものと考えられる。一方、表2に結果を示す、実施例9〜10及び12〜14は、特に好ましい条件のものであり、初期の赤外線反射率が85%以上であって、その保持率が、いずれの耐久性試験でも90%を超える値となった。実施例11では、金属印刷の塗布量(膜厚)及びカバー率がいずれも少なめであるため、初期の赤外線の反射率及び透過率において、少し劣る結果となった。また、実施例9と実施例10との比較から知られるように、金属印刷層に、ステンレス粒子及び透湿防水膜を用いた実施例10にて、アルミニウム粒子及び非透湿性のウレタン膜を用いた実施例9よりも、透湿性が高く、耐久性も優れていた。しかし、初期の赤外線反射率は、アルミニウムを用いた実施例9の方が高かった。なお、金属印刷層に、アルミニウム粒子及び透湿防水膜を用いた実施例は示していないが、透湿性及び耐久性において実施例10とほぼ同等であり、初期の赤外線反射率においては、実施例9とほぼ同等であることが、予備的な実験により確かめられている。
【0086】
実施例10と同様の条件で、金属印刷の塗布量(膜厚)及びカバー率をいずれも大きくした実施例12では、透湿性は低下したが、初期の赤外線の反射率及び透過率、並びに2つの試験による耐久性は、いずれも、非常に優れていた。また、実施例10とほぼ同様の条件で、補強布との接着面積率を17%と小さくした実施例13では、実施例10に比べ、透湿性が少し向上したが、他の性能に影響は見られなかった。このことから、接着面積率は、小さい方が好ましく、例えば10〜30%が好ましいと考えられた。一方、補強布との接着面積率を73%と大きくした実施例14では、赤外線の透過率が少し向上したものの、透湿性が低下した。しかし、他の点では、特に影響が見られなかった。また、実施例15では、金属蒸着層を設けると、耐久性は低下したが、初期の赤外線の反射率及び透過率、並びに透湿性はいずれも、非常に優れていた。なお、詳細な結果は省くが、いずれかの条件が、好適な範囲から外れると、成形性、透湿防水性、赤外線遮蔽性、及びその耐久性のうちのいずれかが劣る結果となった。