(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
平坦な基板の一の面に長手方向に延びるリブが立設されてなる樹脂製の帯状部材と、前記帯状部材の前記一の面側に設置され長手方向に延びる金属製の補強材とから構成される帯状体を二本連結するために、帯状体に装着される接続治具であって、
一の帯状体に装着され、該一の帯状体の一の面に垂直となる面であって該面に沿って前記一の帯状体の端面が露出される第1ガイド面が設けられた第1装着部分と、
他の帯状体に装着され、該他の帯状体の一の面に垂直となる面であって該面に沿って前記他の帯状体の端面が露出される第2ガイド面が設けられた第2装着部分と、
前記第1ガイド面と前記第2ガイド面とを当接させた状態で、前記第1装着部分と前記第2装着部分とを結合する結合手段とを備え、
前記第1装着部分および前記第2装着部分は、前記一の帯状体と前記他の帯状体の一部を露出可能に構成されていることを特徴とする帯状体の接続治具。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0020】
まず、本発明の接続治具1の実施形態を説明するのに先立って、螺旋管の製管に用いられる帯状体100の構成について、
図1に基づいて説明する。
図1は長手方向に垂直な断面を示す、帯状体100の断面図である。
【0021】
帯状体100は、樹脂製の帯状部材110と、該帯状部材110に装着された、金属板からなる補強材120とから構成される。
【0022】
帯状部材110は、可撓性を有する合成樹脂、例えば、硬質塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレンなどを押出成形して形成され、帯板状の平坦な基板111の外面111aからは3つのリブ112,112,112が、基板111と垂直に立設されている。基板111の内面111b側には、幅方向の一側に縁部113が、その反対側に段差部114が設けられている。段差部114の深さは縁部113の厚さと同一とされており、すなわち、帯状体100を螺旋状に巻き回した場合、帯状体100の縁部113が、隣接する帯状体100の段差部114に収容されるよう構成されている。
【0023】
帯状部材110のリブ112の内部には、長手方向に連続した鋼板からなる補強材120が埋設されている。鋼板からなる補強材120を樹脂製の帯状部材110の内部に埋設する方法は、特に問われないが、例えばリブ112の頂部に設けた切れ目から補強材120を挿入した後、その切れ目を塞ぐなど、適宜な方法を用いて埋設することが可能である。
【0024】
なお、補強材120が帯状体100の長手方向に連続しているため、帯状体100を螺旋状に巻き回して製管された螺旋管Sは、自立強度を有する。また、帯状部材110の基板111が長手方向に連続していることにより、帯状体100を螺旋状に巻き回して製管された螺旋管Sは、水密に構成される。
【0025】
このように構成された帯状体100は、ドラムに巻き取られて、既設管の更生現場に輸送され、螺旋管の製管の際にはドラムから繰り出されて製管機に供給される。
【0026】
帯状体100は、基板111の外面111a側が螺旋管の外側になるように製管機に供給される。製管過程においては、互いに隣接す
る帯状体100,100のうち、先行する帯状体100の段差部114に、後続する帯状体100の縁部113が、溶融樹脂を介して収容されて挟み込まれることにより、これらの隣接する帯状体100,100が相互に接合されて、所定の管径の螺旋管が製管される。
【0027】
次に、帯状体100を螺旋状に巻き回して螺旋管を製管して既設管を更生する方法について、
図2に基づいて説明する。
【0028】
既設管Kには所定スパンごとにマンホールが設けられており、この例ではマンホールM1,M2を利用して既設管K内に螺旋管Sを製管する。螺旋管Sの製管は既設管Kの発進側マンホールM1から到達側マンホールM2に向けて行う。
【0029】
螺旋管Sの製管には、帯状体100が巻き重ねられたドラムDおよび製管機Pとともに、油圧ユニット(図示せず)および発電機からなる動力ユニット(図示せず)などを使用する。これらのうち、ドラムDおよび動力ユニットは発進側マンホールM1側の地上に設置する。また、製管機Pは発進側マンホールM1の下部内に設置する。
【0030】
ドラムDから繰り出された帯状体100は、発進側マンホールM1内に引き入れられ、発進側マンホールM1の下部において、製管機Pに導入される。製管機Pが帯状体100を順次螺旋状に巻き回し、溶融樹脂を介して接合することにより、螺旋管Sが製管される。製管された螺旋管Sは到達側マンホールM2に向けて進行していく。
【0031】
既設管の更生の工期が数日に及ぶ場合は、一日の作業終了時に製管作業を中断し、別の日に製管作業を再開することになる。そのため、帯状体100を切断することが必要となるが、この時、製管機側の帯状体102が地上にはみ出ることがないように、マンホールM1内に収容してマンホールの蓋を閉鎖せねばならない。そのため、帯状体100の切断箇所はマンホールM1内とする必要がある。切断箇所をこのように設定すると、製管機側の帯状体102はマンホールM1内に収まるため、問題なくマンホールの蓋を閉じることができる。一方、ドラムD側の帯状体101は、ドラムDに巻き取っておく。
【0032】
製管を再開する際には、接続治具1を帯状体101,102の端部に装着し、これを用いて帯状体101,102を接続する。具体的には、接続治具1は、第1装着部分10と第2装着部分20とから構成されており、第1装着部分10はドラムD側の帯状体101の端部に装着され、第2装着部分20は製管機P側の帯状体102側の端部に装着される。
【0033】
そして、第1装着部分10と第2装着部分20とを結合することで、帯状体101,102の端部同士が高い精度で位置決めされ、帯状体101と帯状体102とを、高い精度で確実に接続することが可能となる。
【0034】
次に、接続治具1の構成について
図3〜
図7に基づき説明する。まず第1装着部分10について、
図3および
図4に基づき説明する。
図3(a)は、帯状体に装着された状態での第1装着部分の正面図であり、(b)は側面図である。
図3(c)は(b)における矢視A−Aを示す図であり、(d)は(b)における矢視B−Bを示す図である。
図4は、第1装着部分を帯状体とともに示す分解斜視図である。
【0035】
第1装着部分10は、帯状体100の一の端部に装着される部分であって、本実施形態においてはドラム側の帯状体101の端部に装着される。第1装着部分10は、外面支持部材11、内面支持部材12および締結部材13,13を主たる構成要素としており、帯状体101を外面支持部材11と内面支持部材12とで挟み、締結部材13で締結することによって、帯状体101に装着される。
【0036】
また、第1装着部分10には、第1ガイド面10aおよび3つの溝10b,10c,10cが設けられている。断面三角形に形成された溝10b,10c,10cは、帯状体101の長手方向に延びる3つのリブ112a,112b,112bにそれぞれ係合するよう形成されている。そして、第1ガイド面10aは、溝10b,10c,10cの延びる方向に対して垂直な面に構成されている。そのため、第1装着部分10が帯状体101に装着されると、第1ガイド面10aは帯状体101の長手方向に垂直な面となる。そして第1ガイド面10aは、帯状体101の端面101aと同一面となるよう配置される。
【0037】
外面支持部材11は、帯状体101の外面に当接する部分であり、帯状体101の外面に立設されているリブ112と係合し、帯状体101の長手方向に垂直な面内における位置が、一意に決定されるよう構成されている。外面支持部材11は、金属からなる押圧部11aと樹脂から成る当接部11bとを有し、帯状体101に直接接触する当接部11bを押圧部11aが帯状体101に向けて押圧するよう構成されている。樹脂からなる当接部11bは、帯状体101を破損するおそれはなく、また、金属からなる押圧部11aは剛性が高いため、当接部11bを帯状体に向けて確実に押圧することができる。
【0038】
当接部11bには、前述の3つの溝10b,10c,10cが形成されている。幅方向中央に位置する溝10bの端面11fは、第1ガイド面10aと同一面であるが、幅方向両側に位置する溝10c,10cの端面11g,11gは、第1ガイド面10aより長手方向に沿ってドラム側に向けて所定の長さ離れて形成されている。そのため、帯状体101に第1装着部分10が装着された場合、幅方向中央のリブ112aは当接部11bにより隠れるが、リブ112b,112bは、第1ガイド面10aから端面11gまでの区間で、外部に露出することになる。
【0039】
押圧部11aは、金属製であるため高い剛性を有し、幅方向両側に配置された締結部材13,13によって、当接部11bを帯状体101に向けて押圧するよう構成されている。また、押圧部11aには直方体状の突起部11cが設けられており、さらに突起部11cには、帯状体101の長手方向に貫通するボルト孔11eが設けられている。
【0040】
突起部11cの突起外面11dは、後述するように、第1装着部分10と第2装着部分20とを位置決めするために用いられる。また、ボルト孔11eは、後述するように、位置決めした第1装着部分10と第2装着部分20とを結合するために用いられる。
【0041】
次に、内面支持部材12について説明する。内面支持部材12は、帯状体101の長手方向ドラムD側に位置する本体12aと、帯状体101の長手方向端面側に位置する蓋12bとから構成されている。本体12aおよび蓋12bの両方とも金属から構成されており、蓋12bは本体12aにボルト12cで分離可能に結合されている。
【0042】
内面支持部材12には、帯状体101の内面111bに当接する当接面12dが設けられており、当接面12dの形状は内面111bの形状に合わせて形成されている。また、本体12aには、幅方向両側において締結部材13,13が配置されており、内面支持部材12と押圧部11aとで外面支持部材11の当接部11bを帯状体101に向けて押圧し、帯状体101を挟持するよう構成されている。また、蓋12bは、帯状体101の長手方向端面側の縁に、第1ガイド面10aを構成する平面を有している。
【0043】
締結部材13は、押圧部11a、当接部11bおよび内面支持部材12を貫通する孔に挿入されたボルトとナットとにより構成されており、締結部材13を締めることによって、外面支持部材11と内面支持部材12とが帯状体101を挟持する。なお、締結部材13は、ボルト・ナットで構成することも可能であるが、押圧部11aおよび内面支持部材12のいずれかに雌ねじを形成することで、ボルトのみで締結する等適宜に変更することも勿論可能である。
【0044】
なお、外面支持部材11に設けられた溝10b,10c,10cと帯状体101のリブ112a,112b,112bとが係合することにより、帯状体101の長手方向に垂直な面内における第1装着部分10の位置が決まる。また、帯状体101を挟持することにより、帯状体101の長手方向についても第1装着部分10の位置が固定される。
【0045】
次に、第2装着部分20について、
図5に基づき説明する。第2装着部分20は、第1装着部分10と帯状体101の長手方向に垂直な面に関して、面対称に構成されている。
図5(a)は、帯状体に装着された状態での第2装着部分の側面図であり、(b)は正面図である。
図5(c)は(a)における矢視C−Cを示す図であり、(d)は(b)における矢視D−Dを示す図である。
【0046】
第2装着部分20は、帯状体100の一の端部に装着される部分であって、本実施形態においては製管機P側の帯状体102の端部に装着される。第2装着部分20は、外面支持部材21、内面支持部材22および締結部材23,23を主たる構成要素としており、帯状体102を外面支持部材21と内面支持部材22とで挟み、締結部材23で締結することによって、帯状体102に装着される。
【0047】
また第2装着部分20には、第2ガイド面20aおよび3つの溝20b,20c,20cが設けられている。断面三角形に形成された溝20b,20c,20cは、帯状体102の長手方向に延びる3つのリブ112a,112b,112bにそれぞれ係合するよう形成されている。そして、第2ガイド面20aは、溝20b,20c,20cの延びる方向に対して垂直な面に構成されている。そのため、第2装着部分20が帯状体102に装着されると、第2ガイド面20aは帯状体102の長手方向に垂直な面となる。そして、第2ガイド面20aは、帯状体102の端面102aと同一面となるよう配置される。
【0048】
外面支持部材21は、帯状体102の外面に当接する部分であり、帯状体102の外面に立設されているリブ112と係合し、帯状体102の長手方向に垂直な面内における位置が、一意に決定されるよう構成されている。外面支持部材21は、金属からなる押圧部21aと樹脂から成る当接部21bとを有し、帯状体102に直接接触する当接部21bを押圧部21aが帯状体102に向けて押圧するよう構成されている。樹脂からなる当接部21bは、帯状体102を破損するおそれはなく、また、金属からなる押圧部21aは剛性が高いため、当接部21bを帯状体に向けて確実に押圧することができる。
【0049】
当接部21bには、前述の3つの溝20b,20c,20cが形成されている。幅方向中央に位置する溝20bの端面21fは、第2ガイド面20aと同一面であるが、幅方向両側に位置する溝20c,20cの端面21g,21gは、第2ガイド面20aより長手方向に沿って製管機側に向けて所定の長さ離れて形成されている。そのため、帯状体102に第2装着部分20が装着された場合、幅方向中央のリブ112aは当接部21bにより隠れるが、リブ112b,112bは、第2ガイド面20aから端面21gまでの区間で、外部に露出することになる。
【0050】
押圧部21aは、金属製であるため高い剛性を有し、幅方向両側に配置された締結部材23,23によって、当接部21bを帯状体102に向けて押圧するよう構成されている。また、押圧部21aには直方体状の突起部21cが設けられており、さらに、突起部21cには、帯状体102の長手方向に貫通するボルト孔21eが設けられている。
【0051】
突起部21cの突起外面21dは、第1装着部分10の突起外面11dと対称に形成されている。また、ボルト孔11eは、後述するように、位置決めした第1装着部分10と第2装着部分20とを結合するために用いられる。
【0052】
次に、内面支持部材22について説明する。内面支持部材22は、帯状体102の長手方向製管機P側に位置する本体22aと、帯状体102の長手方向端面側に位置する蓋22bとから構成されている。本体22aおよび蓋22bの両方とも金属から構成されており、蓋22bは本体22aにボルト22cで分離可能に結合されている。
【0053】
内面支持部材22には、帯状体102の内面111bに当接する当接面22dが設けられており、当接面22dの形状は内面111bの形状に合わせて形成されている。また、本体22aには、幅方向両側において締結部材23,23が配置されており、本体22aと押圧部21aとで外面支持部材21の当接部21bを帯状体102に向けて押圧し、帯状体102を挟持するよう構成されている。また、蓋22bは、帯状体102の長手方向端面側の縁に、第2ガイド面20aを構成する平面を有している。
【0054】
締結部材23は、押圧部21a、当接部21bおよび内面支持部材22を貫通する孔に挿入されたボルトとナットとにより構成されており、締結部材23を締めることによって、外面支持部材21と内面支持部材22とが帯状体102を挟持する。なお、締結部材23は、ボルト・ナットで構成することも可能であるが、押圧部21aおよび内面支持部材22のいずれかに雌ねじを形成することで、ボルトのみで締結する等適宜に変更することも勿論可能である。
【0055】
なお、外面支持部材21に設けられた溝20b,20c,20cと帯状体102のリブ112a,112b,112bとが係合することにより、帯状体102の長手方向に垂直な面内における第2装着部分20の位置が決まる。また、帯状体102を挟持することにより、帯状体102の長手方向についても第2装着部分20の位置が固定される。
【0056】
次に、係止手段30について説明する。係止手段30は、第2装着部分20の突起部21cから延設されているとともに、突起部21cの突起外面21dを部分的に覆うように設けられており、さらに、製管機側と反対側に突出しており、突出部には、突起部21cの突起外面21dと同一面上に位置する内面30aを備えている。ここで、突起部21cは、第1装着部分10の突起部11cと対称に形成されているため、突起外面21dは、突起外面11dと同一面に位置する。したがって、係止手段30の内面30aは、第1装着部分10の突起部11cの突起外面11dとぴったり当接するため、突起部11cは係止手段30にぴったり嵌る。すなわち、第1装着部分10と第2装着部分20とが結合される際、帯状体101,102の長手方向に垂直な面内における相対的な位置が、一意に決まる。また帯状体の長手方向に垂直な面に関して面対称に形成されているため、ボルト孔21eはボルト孔11eと一直線上に位置する。
【0057】
また、突起部11cを係止手段30に嵌めると、帯状体101の端面101aと帯状体102の端面102aとは一致し、それに伴って補強材120同士の位置も一致することになる。したがって、接続治具1を帯状体101,102に装着した状態で、外部に露出している補強材120同士を繋ぐことが可能となる。また、この状態で、蓋12b,22bを取り外すと、帯状体101,102の内面側に位置する基板111が外部に露出する。そうすると、接続治具1を装着した状態で、基板111同士を繋ぐことが可能となる。
【0058】
なお、係止手段30の形状は上述の形態に限られない。例えば、互いに嵌合する凹凸を第1ガイド面10aおよび第2ガイド面20aにおける対称な位置にそれぞれ設けることが可能である。その場合、第1装着部分10と第2装着部分20とは帯状体の長手方向に垂直な面に関して面対称に形成されているため、第1ガイド面10aと第2ガイド面20aとを当接させて凹凸を嵌合させると、帯状体101の端面101aと帯状体102の端面102aとはぴったり一致し、それに伴って帯状体101および帯状体102それぞれの補強材120同士の位置も一致する。このように、帯状体101の補強材120の位置と帯状体102の補強材120の位置とがぴったり一致する位置で係止する適宜な手段を、係止手段30として採用することができる。
【0059】
次に、この接続治具1を使用した、帯状体の接続方法について、
図3〜
図8に基づき説明する。ここで説明する帯状体の接続方法は、
図2に示すように、既設管Kの更生作業の中断時に、マンホールM1内で切断された帯状体を、作業再開時にマンホールM1内で接続する方法である。
【0060】
まず、帯状体101の端部に第1装着部分10を
図3に示すように装着する。具体的には、当接部11bに形成されている溝10b,10c,10cをリブ112a,112b,112bに係合させ、当接部11bと帯状体101とを、押圧部11aと内面支持部材12とで内外方向に挟み、二つの締結部材13,13で、押圧部11aと内面支持部材12とを締結する。こうして帯状体101に第1装着部分10が装着される。このとき、第1ガイド面10aは帯状体101の長手方向に垂直となる。なお、第1ガイド面10aから帯状体101がはみ出るように装着しておく。
【0061】
次に、第1ガイド面10aに沿って帯状体101を切断する。このように切断することによって、第1ガイド面10aと帯状体101の端面101aとが同一面となり、したがって、端面101aが帯状体101の長手方向に垂直であることが担保される。
【0062】
このとき、帯状体101のリブ112bは、第1ガイド面10aから端面11gまでの区間で、外部に露出している。そこでリブ112bの外部に露出している区間について、補強材120を被覆している樹脂を剥離して、補強材120を露出させる。なお、リブ112bにおいて樹脂を剥離させる面は、幅方向外側の面のみである。
【0063】
この状態で、長手方向に垂直な端面101aを有する帯状体101に、第1ガイド面10aが端面101aと同一面となるよう、第1装着部分10が装着されており、リブ112bについては、端面101aの近傍において補強材120が外部に露出している。また、当接部11bに形成されている溝10b,10c,10cにリブ112a,112b,112bが係合しているため、帯状体101と突起外面11dとは所定の位置関係にあることが担保される。
【0064】
次に、帯状体102の端部に第2装着部分20を
図5に示すように装着する。具体的には、当接部21bに形成されている溝20b,20c,20cをリブ112a,112b,112bに係合させ、当接部21bと帯状体102とを、押圧部21aと内面支持部材22とで内外方向に挟み、二つの締結部材23,23で、押圧部21aと内面支持部材22とを締結する。こうして帯状体102に第2装着部分20が装着される。このとき、第2ガイド面20aは、帯状体102の長手方向に垂直となる。なお、第2ガイド面20aから帯状体102がはみ出るように装着しておく。
【0065】
次に、第2ガイド面20aに沿って帯状体102を切断する。このように切断することによって、第2ガイド面20aと帯状体102の端面102aとが同一面となり、したがって、端面102aが帯状体102の長手方向に垂直であることが担保される。
【0066】
このとき、帯状体102のリブ112bは、第2ガイド面20aから端面21gまでの区間で、外部に露出している。そこで、リブ112bの外部に露出している区間について、補強材120を被覆している樹脂を剥離して、補強材120を露出させる。なお、リブ112bにおいて樹脂を剥離させる面は、幅方向外側の面のみである。
【0067】
この状態で、長手方向に垂直な端面102aを有する帯状体102に、第2ガイド面20aが端面102aと同一面となるよう、第2装着部分20が装着されており、リブ112bについては、端面102aの近傍において補強材120が外部に露出している。また、当接部21bに形成されている溝20b,20c,20cにリブ112a,112b,112bが係合しているため、帯状体102と突起外面21dとは所定の位置関係にあることが担保される。
【0068】
次に、第1装着部分10と第2装着部分20とを結合させる。具体的には、まず、第1装着部分10の第1ガイド面10aと第2装着部分20の第2ガイド面20aとを当接させる。そして、第1装着部分10の突起部11cの突起外面11dを、係止手段30の内面30aにぴったり当接させる。これにより、帯状体101,102の長手方向に垂直な面内における位置が決まる。そして、この時一直線上に並ぶボルト孔11eおよびボルト孔21eにボルトを通し、ボルト・ナットからなる結合手段40を締結することによって、第1装着部分10と第2装着部分20とを長手方向に結合する。なお、結合手段40としては、ボルト・ナット以外に、ラッチ等他の適宜な部品が使用可能である。
【0069】
これにより、帯状体101の端面101aと帯状体102の端面102aとがぴったり一致するよう位置決めされて固定された状態となる。
【0070】
次に、帯状体の補強材120同士の接続方法について、
図6に基づき説明する。
図6は、第1装着部分と第2装着部分とを結合し、プレートを補強材に取り付けた状態を示す図であり、(a)は側面図であり、(b)は底面図である。
【0071】
帯状体101の補強材120と帯状体102の補強材120とは、プレートをビス止めすることによって接続する。具体的には、まず、帯状体101の補強材120と帯状体102の補強材120とを架け渡すように、鋼板からなる矩形のプレート2を配置する。なお、プレート2の四隅には予めビス孔が設けられている。そして、補強材120におけるビス止めする箇所に下孔を開ける。次いで、タッピングねじからなるビス3を、プレート2のビス孔を通して、補強材120に開けた下孔にねじ込み、締める。これを帯状体101の補強材120について2か所、帯状体102の補強材120について2か所行うことで、補強材120同士がプレート2を介して接続されることになる(
図6(a)参照)。この補強材120同士の接続は、二つのリブ112b,112bについて行う。なお、これにより、帯状体101,102のうち、自立強度を受け持つ部分が接続されることになる。
【0072】
なお、ビス3として、タッピングねじに代えてボルト・ナットを用いることも可能である。また、補強材120とプレート2とを接合する方法として、ビス止めに代えて、溶接等の他の適宜の方法を用いることも可能である。
【0073】
次に、帯状体の帯状部材110の基板111同士の接続方法について、
図6(b)および
図7に基づき説明する。
図7は、第1装着部分と第2装着部分とを結合し、プレートを補強材に取り付けた後に、蓋を取り外した状態を示す底面図である。
【0074】
補強材120同士の接続が終了した段階では、
図6(b)に示すように、帯状体の接続部近傍の基板111は隠れている。そこでまず、第1装着部分10および第2装着部分20それぞれのボルト12c,22cの締結を解除し、蓋12b,22bをそれぞれ本体12a,22aから取り外す。これにより、
図7に示すように、帯状体101,102の接続部近傍における基板111が外部に露出する。そして、露出している部分について樹脂溶接を施すことで、基板111同士が接続される。なお、これにより、帯状体101,102のうち、水密性を受け持つ部分が接続されることになる。
【0075】
なお、蓋12b,22bには、帯状体101,102の位置決めのために用いられる第1ガイド面10aおよび第2ガイド面20aがそれぞれ設けられており、蓋12bと蓋22bとが互いに当接することで、帯状体101,102の位置に寄与している。補強材120同士の接続が終了した後に、蓋12b,22bを取り外すのであれば、この段階では剛性の高い補強材120同士が既に接続されているので、帯状体同士の位置がずれるおそれはない。
【0076】
最後に、接続治具1を構成する第1装着部分10および第2装着部分20を、それぞれ帯状体101,102から取り外す。具体的には、締結部材13,23を完全に緩め、外面支持部材11,21と内面支持部材12,22とを分離することで、帯状体101,102から取り外される。帯状体101と帯状体102とが接続された状態を接続治具1を取り外してみた図が、
図8に示されている。
図8(a)は側面図であり、(b)は断面E−Eを示す断面図である。
【0077】
図8(a)に示すように、帯状体101と帯状体102とは、リブ112bの補強材120同士についてプレート2を介して接続され、また基板111同士についても樹脂溶接部Wを介して接続されている。帯状体101と帯状体102とは、リブ112bの補強材120同士について接続されることにより、連続的な自立強度を確保しており、また、基板111同士について接続されることにより、螺旋管に製管した際に水密性を確保している。
【0078】
なお、
図8に図示されている、リブ112bにおいて樹脂が剥離されて補強材120が露出した部分、およびプレート2の露出面については、適宜に溶融樹脂などを付着させて被覆することも可能である。これにより、既設管内で製管される螺旋管の腐食を防止できる。
【0079】
なお、帯状体101において、リブ112が基板111に対しての垂直を維持せず、倒れている場合がある。外面支持部材11がリブ112に係合して初めて、第1装着部分が帯状体に対して正しい位置に位置決めされるので、接続する帯状体同士の位置を一致させるためには、リブ112の倒れを矯正する必要がある。ここで、リブ112の倒れを矯正するため外面支持部材11の別の形態を
図9に示す。
図9(a)は、溝10bがリブ112の頂部112cと係合することによって、リブ112の倒れを矯正し、基板111に対し垂直に保つ形態である。また、
図9(b)は、リブ112を頂部112cから所定の長さ溝10bが収容することにより、リブ112の倒れを矯正し、基板111に対し垂直に保つ形態である。
図9(c)は、外面支持部材11が基板111に垂直な当接面Tを有するとともに、当接面Tに対して垂直に保持されたボルトBを有し、ボルトBによりリブ112を当接面Tに押し付けることによって、リブ112の倒れを矯正し、基板111に対し垂直に保つ形態である。
図9(d)は、外面支持部材11が、基板111に平行に保持され互いに対向して配置された二本のボルトB,Bを有し、リブ112をボルトB,Bで両側から押し付けることによってリブ112の倒れを矯正し、基板111に対し垂直に保つ形態である。
【0080】
また、前述の実施形態では、ボルト・ナットからなる締結部材13を二つ用いて、外面支持部材11と内面支持部材12とで帯状体100を挟持したが、帯状体100を挟持する手段はこれに限られない。帯状体100を挟持するための他の形態を
図10に示す。
図10(a)は、幅方向の縁に配置したヒンジ14で外面支持部材11と内面支持部材12とを結合し、幅方向反対側にボルト・ナットからなる締結部材13を配置したものであって、一つの締結部材13だけで着脱が可能となる。また、
図10(b)は、二組のボルト・ナットからなる締結部材13いずれにもスプリング15を挿入して構成した形態であって、スプリング15から帯状体100に押圧力を付与することが可能となる。また、
図10(c)は、(a)と同様に、幅方向の縁に配置したヒンジ14で外面支持部材11と内面支持部材12とを結合しているとともに、幅方向反対側に配置されたボルト・ナットからなる締結部材13にスプリング15を挿入して構成した形態であって、さらにヒンジ14側にもスプリング15を配置した構成であって、一つの締結部材13だけで着脱が可能であるとともに、スプリング15から帯状体100に押圧力を付与することが可能となる。また、
図10(d)は、内面支持部材12と一体化された外面支持部材11に保持された二本のボルト16,16で、基板111を直接押さえつけることにより、帯状体100を挟持する形態である。
【0081】
また、前述の実施形態では、リブ112に補強材120が埋設された帯状体100について説明したが、帯状体の形態としてはこれに限られず、例えば
図11に示すように、帯状部材210に補強材220が外から嵌め込まれた形態の帯状体200についても適用することが可能である。すなわち、前述の実施形態では、外面支持部材はリブに係合するよう設けられていたが、
図11に示す形態では、外面支持部材311は、帯状部材210の外に露出する補強材220に係合するよう構成されている。
【0082】
具体的には、外面支持部材311の係合部311aが、補強材220の頂部220aに係合し、且つ、外面支持部材311の係合部311bは、補強材220の底部220bに係合するよう構成されている。これによって、帯状体200の長手方向に垂直な面内における位置が、一意に決まる。また、前述の実施形態と同様な方法で帯状体を挟持することにより、長手方向における第1装着部分または第2装着部分の位置が固定される。
【0083】
なお、第1装着部分と第2装着部分とを帯状体の端部に接続する方法、第1装着部分と第2装着部分とを位置決めして結合する方法は、前述の方法と同様である。そして、第1装着部分と第2装着部分との結合のあと、補強材同士を接続する際には、露出している補強材220の直立部220c同士を、金属から成るプレートなどで、ビスを用いて接続することにより、連続的な自立強度を確保することが可能となる。そしてまた、前述の実施形態と同様に、基板210a同士を樹脂溶接で接続することにより、螺旋管に製管した際の水密性を確保することが可能となる。