(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
開口(6)を有するケース(7)と、開口(6)を塞ぐ蓋(8)とを有し、蓋(8)が、ケース(7)と蓋(8)との間に設けたロック構造を介してケース(7)に着脱可能に装着されているハウジングであって、
蓋(8)は、開口(6)を塞ぐ蓋体(46)と、蓋体(46)で回動可能に支持される操作ノブ(47)とを備えており、
操作ノブ(47)は、蓋体(46)を貫通してケース(7)内に位置する連結軸(51)を備えており、
ロック構造は、操作ノブ(47)の連結軸(51)に連結されるロック体(48)と、ケース(7)側に設けられてロック体(48)が係脱する係止部(22)とを含み、
操作ノブ(47)とロック体(48)とは、連結軸(51)を介して相対回動不能に係合する状態で同行回転可能に連結されており、
蓋体(46)が開口(6)を塞ぐ状態で、ロック体(48)を操作ノブ(47)で回転操作して、ロック体(48)が係止部(22)に対して係脱できるように構成されており、
操作ノブ(47)の連結軸(51)が、径方向へ拡縮自在な弾性軸で形成されて、その一端に係合爪(53)が張り出されており、
ロック体(48)は、連結ボス(63)と、連結ボス(63)を貫通する装着孔(66)と、連結ボス(63)の一部から張り出される係止体(64)と、装着孔(66)に連続して形成される段部(65)とを備えており、
操作ノブ(47)の連結軸(51)を、ロック体(48)の装着孔(66)に挿通した状態において、係合爪(53)が段部(65)と係合して、操作ノブ(47)とロック体(48)とが軸心方向へ分離不能に連結されており、
操作ノブ(47)の連結軸(51)が、同軸(51)を径方向へ拡縮自在な少なくとも2個の弾性腕(52)を備え、弾性腕(52)の一端のそれぞれに係合爪(53)が外向きに張り出されており、
弾性腕(52)の内方に形成される空間に、弾性腕(52)の縮径方向の変形を規制する規制体(130)が設けられており、
係合爪(53)が段部(65)と係合して、操作ノブ(47)とロック体(48)とが軸心方向へ分離不能に連結されている状態であって、
蓋(8)のケース(7)側への装着に先立って規制体(130)を連結軸(51)に装填し、
規制体(130)は、軸部(134)と軸部(134)に設けられるリブ(133)とを含み、
リブ(133)が、弾性腕(52)間に形成されるスリット(52a)に係合していることを特徴とするハウジング。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1および2の電気かみそりは、固定カムと、固定カムを回動操作するダイアルを、ねじで締結して一体化するが、そのとき、ダイアルの位置表示と蓋体の位置表示とが一致するように、固定カムをダイアルに締結する必要がある。そのため、組み立て作業が煩わしく、多くの手間を要する。また、ダイアルと固定カムとは、断面円形の軸と孔を介して接続してあるので、ねじが緩んだ場合には、ダイアルで固定カムを操作することができず、底蓋の着脱操作に支障をきたす不利もある。また、ねじの締め付けによりダイアルに内部応力が生じ、ダイアルに亀裂が発生する可能性があり、亀裂が進行すれば底蓋が脱落し内蔵部品の電池が落下する虞れがある。
【0005】
本発明の目的は、底蓋のケースに対する着脱構造を簡素化して、底蓋をより少ない手間で組み立てることができ、さらに底蓋の着脱を常に的確に行えるハウジング、およびこのハウジングを備えた電気かみそりを提供することにある。
本発明の目的は、スイッチの誤動作を防止できる電気かみそりを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るハウジングは、開口6を有するケース7と、開口6を塞ぐ蓋8とを有し、蓋8が、ケース7と蓋8との間に設けたロック構造を介してケース7に着脱可能に装着されている。蓋8は、開口6を塞ぐ蓋体46と、蓋体46で回動可能に支持される操作ノブ47とを備えている。操作ノブ47は、蓋体46を貫通してケース7内に位置する連結軸51を備えている。ロック構造は、操作ノブ47の連結軸51に連結されるロック体48と、ケース7側に設けられてロック体48が係脱する係止部22とを含んでいる。操作ノブ47とロック体48とは、連結軸51を介して相対回動不能に係合する状態で同行回転可能に連結されており、蓋体46が開口6を塞ぐ状態で、ロック体48を操作ノブ47で回転操作して、ロック体48が係止部22に対して係脱できるように構成されている。操作ノブ47の連結軸51が、径方向へ拡縮自在な弾性軸で形成されて、その一端に係合爪53が張り出されている。ロック体48は、連結ボス63と、連結ボス63を貫通する装着孔66と、連結ボス63の一部から張り出される係止体64と、装着孔66に連続して形成される段部65とを備えている。操作ノブ47の連結軸51を、ロック体48の装着孔66に挿通した状態において、係合爪53が段部65と係合して、操作ノブ47とロック体48とが軸心方向へ分離不能に連結されている。
【0007】
操作ノブ47の連結軸51が、同軸51を径方向へ拡縮自在な少なくとも2個の弾性腕52を備え、弾性腕52の一端のそれぞれに係合爪53が外向きに張り出されており、弾性腕52の内方に形成される空間に、弾性腕52の縮径方向の変形を規制する規制体130が設けられる。
【0008】
係合爪53が段部65と係合して、操作ノブ47とロック体48とが軸心方向へ分離不能に連結されている状態であって、蓋8のケース7側への装着に先立って規制体130を連結軸51に装填した。
【0009】
規制体130は、軸部134と軸部134に設けられるリブ133とを含み、リブ133が、弾性腕52間に形成されるスリット52aに係合している。
【0010】
規制体130は、軸部134から外方に向けて突出する突起132を含み、連結軸51或いはロック体48に、突起132と協同して規制体130の抜け外れを規制する段部48aが設けられている。
【0011】
規制体130には、弾性腕52の縮径方向の変形を規制する軸部134と軸部134から外方に向けて突出するリブ133とリブ133から外方に向けて突出する突起132とが設けられている。リブ133が、弾性腕52間に形成されるスリット52aに係合している。突起132が、ロック体48に形成された段部48aと係合することで、規制体130の抜け外れを規制している。
【0012】
操作ノブ47の連結軸51が、同軸51を径方向へ拡縮自在な少なくとも2個の弾性腕52を備え、弾性腕52の上端のそれぞれに係合爪53が外向きに張り出されている。ロック体48の連結ボス63の一部には、係止部22に対して係脱する係止体64が設けられており、ケース7側に設けた突起23が両弾性腕52の一端に位置して、弾性腕52の縮径方向の変形を規制している。
【0013】
ケース7が、ケース本体9と、ケース本体9に収容されて内装部品が組み付けてあるインナーブラケット10とを含んでいる。ロック構造の係止部22と、弾性腕52の縮径方向の変形を規制する突起23とが、インナーブラケット10に形成されている。
【0014】
また、本発明のハウジングを備えた電気かみそりにおいては、ケース7が、ケース本体9と、ケース本体9に収容されて内装部品が組み付けてあるインナーブラケット10とを含んでいる。インナーブラケット10に、偏心カム29を備えるモーター3と、モーター3に電力を供給する電池4とが組付けられている。モーター3の回転動力を往復動力に変換し、往復動力を切断刃2に伝動する振動子21が、インナーブラケット10と一体に形成している。
【0015】
振動子21の左右両側に設けた締結ボス20が、インナーブラケット10と一体に形成されている。ケース本体9とインナーブラケット10とが、ケース本体9の側から締結ボス20にねじ込んだ締結ビス42で一体化している。
【0016】
振動子21が、ケース本体9とインナーブラケット10との間に区画された振動子室Rに配置されている。振動子室Rに臨むケース本体9の内面に、モーター3への通電状態をオン・オフする可動側および固定側の端子75・76を配置している。
【0017】
振動子室Rは、インナーブラケット10の上壁17、および左右一対の締結ボス20と、ケース本体9の上壁35、および前後壁32・33とに挟まれた空間である。
【0018】
スイッチ74は、上下に対向配置される可動側端子75および固定側端子76と、可動側端子75を固定側端子76に対して接離操作する切換え機構とで構成されている。切換え機構が、ケース本体9の外面に沿って左右に往復スライド操作されるスライドノブ5と、スライドノブ5の往復動作を回転動作に変換する偏心カム78と、偏心カム78に同行回転して、可動側端子75の接離状態を切換える操作軸83とで構成している。
【0019】
スライドノブ5を振動子室Rを区画するケース本体9の前壁32に配置していることを特徴とする。
【0020】
偏心カム78とケース本体9との間に、スイッチ74がオン状態とオフ状態にあるとき、偏心カム78を各切換え位置に位置保持する節度構造が設けられている。節度構造は、偏心カム78に形成された弾性変形可能な環状の節度体85と、節度体85の移動軌跡に重なる状態でケース本体9に設けた節度突起88とで構成されている。スライドノブ5をスライド操作することにより、節度体85が節度突起88の一端と他端との間を弾性変形しながら通過して、偏心カム78がオン状態とオフ状態のいずれかに位置保持される。
【0021】
ハウジング1の一端に設けた切断刃2の外面を覆う保護キャップ100が、ハウジング1に対して着脱可能に設けられており、不使用状態におけるスライドノブ5の外面が、保護キャップ100で覆われている。
【0022】
スライドノブ5は、リブ5aを含み、保護キャップ100は、溝100aを含んでいる。不使用状態におけるスライドノブ5の外面が、保護キャップ100で覆われているとき、スライドノブ5のリブ5aが、保護キャップ100の溝100aに係合している。
【発明の効果】
【0023】
本発明のハウジングにおいては、ロック体48を操作ノブ47の連結軸51に連結するだけで、操作ノブ47とロック体48とが、同行回転できるように蓋8を構成した。このような蓋8によれば、従来のように組み立て時にねじで締結する必要がなく、より少ない手間で簡単に、しかも確実に蓋8を組み立てることができる。また、ねじの緩みによる操作不良が発生することはなく、蓋8の着脱を常に的確に行うことができる。また、ねじの締め付けにより連結軸51に亀裂が発生する虞れがあったがそれを防止できる。加えて、蓋体46が開口6を塞ぐ状態で、ロック体48を操作ノブ47で回転操作して係止部22に対して係脱するので、より簡単な操作で蓋8をケース7に着脱できる。
【0024】
操作ノブ47の連結軸51を、ロック体48の連結ボス63に挿通した状態において、係合爪53を段部65に係合して、操作ノブ47とロック体48とを分離不能に連結した。これによれば、連結軸51を装着孔66に挿通するだけで、操作ノブ47とロック体48とを軸心方向へ分離不能に連結できるので、操作ノブ47とロック体48の連結構造を簡素化しながら、組み立ての手間を省くことができる。ここで、分離不能とは、操作ノブ47とロック体48に分離させる力を働かせたとき、係合爪53や段部65を破壊しなければ分離させることができないほどの係合力があるという意味ではなく、人の力など軽い力を作用させて分離できるものも含む。後述するように、規制体130や突起23を連結軸51の内部に位置させて係合状態を強化する構造がより好ましい。
【0025】
弾性腕52の内方に形成される空間に、弾性腕52の縮径方向の変形を規制する規制体130を設けたことにより、操作ノブ47とロック体48の連結構造を簡素化しながら係合状態を強化することができる。
【0026】
係合爪53が段部65と係合して、操作ノブ47とロック体48とが軸心方向へ分離不能に連結されている状態であって、蓋8のケース7側への装着に先立って、すなわち蓋8をケース7側に装着する前の段階において規制体130を連結軸51に装填したことにより、蓋8をケース7側に装着した状態のときも、蓋8をケース7側から脱した状態のときも、その状態を問わず操作ノブ47とロック体48の係合状態が強化されているため、操作ノブ47とロック体48とが不測に分離するのを防止できる。
【0027】
規制体130のリブ133が、弾性腕52間に形成されるスリット52aに係合していることにより、リブ133により弾性腕52が縮径方向に変形するのを防止でき、操作ノブ47とロック体48の係合状態が不安定になるのを防止できる。
【0028】
規制体130は、軸部134から外方に向けて突出する突起132を含み、連結軸51或いはロック体48に、突起132と協同して規制体130の抜け外れを規制する段部48aが設けられていることにより、規制体130の抜け外れを防止でき、操作ノブ47とロック体48の係合状態が不安定になるのを防止できる。
【0029】
弾性腕52の縮径方向の変形を規制する軸部134を備えることにより、弾性腕52が縮径方向に変形するのを確実に防止でき、操作ノブ47とロック体48の係合状態が不安定になるのを防止できる。それに加えて、リブ133が弾性腕52間に形成されるスリット52aに係合することにより、リブ133により弾性腕52が縮径方向に変形するのを防止でき、操作ノブ47とロック体48の係合状態が不安定になるのをさらに防止できる。また、突起132が、ロック体48に形成された段部48aと係合することで、規制体130の抜け外れを防止でき、操作ノブ47とロック体48の係合状態が不安定になるのを防止できる。さらに、連結軸51の内部に規制体130を差し込み装填するとき、弾性腕52間に形成される一端が開放したスリット52aにリブ133が差し込み装填されるので、スリット52aとリブ133とが規制体130の差し込み装填時の案内ガイドとなる。このとき、スリット52aとリブ133との係合状態が規制体130の軸心まわりの回り止めとなるため、突起132と段部48aとが位置ずれすることがなく両者の係合が確実となる。
【0030】
ケース7側に設けた突起23で弾性腕52の縮径方向の変形を規制すると、蓋8に落下衝撃が加わるような場合でも、弾性腕52が変形して係合爪53が段部65から外れるのを防止できる。したがって、蓋8のケース7に対する装着状態を維持して、ハウジング1内に収容された電池などの内装部品の脱落を確実に防止できる。また、ケース7側に設けた突起23が両弾性腕52の一端に位置して、弾性腕52の縮径方向の変形を規制していることにより、操作ノブ47とロック体48の連結構造を簡素化しながら係合状態を強化することができる。ここでの突起23は規制体130と同じ意味を持つ。
【0031】
インナーブラケット10に、ロック構造の係止部22と、弾性腕52の縮径方向の変形を規制する突起23を形成すると、係止部22および突起23を独立した部品として形成する場合に比べて、部品点数を削減することができる。また、係止部22および突起23を組み付ける手間を省くことができる。また、ねじを使用しないので部品点数を削減することができ、ハウジングの製造コストを削減できる利点もある。
【0032】
上記のハウジングを備えた電気かみそりにおいて、モーター3および電池4を組み付けたインナーブラケット10に振動子21を一体に形成すると、部品点数を削減し、振動子21を組み付ける手間も省くことができる。
【0033】
インナーブラケット10と一体に設けた振動子21の左右の締結ボス20に締結ビス42をねじ込んで、ケース本体9とインナーブラケット10とを締結すると、ケース本体9とインナーブラケット10と振動子21の三者を強固に一体化できる。また、振動子21が締結ビス42で締結された締結ボス20と一体に設けてあるので、振動子21の振動が周囲部品へ伝わってビビリ音が発生するのをよく防止でき、電気かみそりを静音化できる。
【0034】
振動子室Rの内部に可動側および固定側の端子75・76を配置すると、振動子21の振動で、両端子75・76の接触部分を相対摺動させることができる。したがって、両端子75・76の接触部分に電気抵抗となる酸化皮膜が形成されるのを防止できる。また、長期間にわたって不使用状態が続いて、酸化皮膜が形成された場合でも、微振動により酸化皮膜を剥離することができるので、電気かみそりの信頼性を向上することができる。また、振動子21の往復駆動に伴う振動子室R内の空気流により、両端子75・76に付着した埃等を吹き飛ばして両端子75・76の接触状態を好適化できる。
【0035】
インナーブラケット10の上壁17、および左右一対の締結ボス20と、ケース本体9の上壁35、および前後壁32・33とに挟まれた空間を振動子室Rとした電気かみそりによれば、電気かみそりを静音化することができる。これは、偏心カム29と振動子21との接触部分、つまり叩打音の発生源の周囲全体を、先の各部材17・20・32・33・35で覆うことにより、外部への音漏れを防止できるからである。
【0036】
スライドノブ5を左右にスライド操作して、偏心カム78を介してスイッチ74を接離操作すると、使用時に誤ってスライドノブ5が操作されることを防止できる。これは、使用時に電気かみそりを握る手指は、多くの場合スライドノブ5のスライド方向に沿ってハウジング1を握っているため、スライドノブ5をスライド操作するのが困難になるからである。
【0037】
振動子室Rを区画するケース本体9の前壁32にスライドノブ5を配置すると、少なくとも振動子室Rの前面側を2重の壁で覆うことができる。したがって、使用時に人体と正対する側の騒音を、ケース本体9の前壁32とスライドノブ5とで遮蔽できるので、電気かみそりをさらに静音化できる。
【0038】
偏心カム78に設けた環状の節度体85と、ケース本体9に設けた節度突起88とで節度構造を構成すると、節度構造を簡素化できる。また、節度体85を環状に形成するので、片持ち状に形成された節度体に比べて、小さなスペースで大きな弾性力を発揮させて、節度突起88の両端において的確に節度機能を発揮できる。
【0039】
不使用状態において、切断刃2の外面とスライドノブ5の外面とを、保護キャップ100で覆うと、例えば、鞄等に収めた状態で電気かみそりを携行する場合に、スライドノブ5が他物と衝突してオン操作されるのを確実に防止できる。スライドノブ5の全体が覆われるので、スライドノブ5が他物と衝突して傷つきデザイン性が損なわれるといった虞れがない。
【0040】
不使用状態におけるスライドノブ5の外面が保護キャップ100で覆われているとき、スライドノブ5のリブ5aが保護キャップ100の溝100aに係合していることにより、落下等の強い衝撃が加わった場合であっても、スライドノブ5がオン操作され難い。
【発明を実施するための形態】
【0042】
(実施例)
図1から
図13に、本発明に係るハウジングを備えた電気かみそりの実施例を示す。なお、本発明における前後、左右、上下とは、図中に示す交差矢印と、各矢印の近傍に表記した前後、左右、上下の表示に従う。
【0043】
図2において、電気かみそりは、横方向より縦方向が長い長軸状のハウジング1と、ハウジング1の上端(一端)に設けられる切断刃2と、切断刃2を駆動するモーター3、およびモーター3に電力を供給する2個の電池4などで構成する。ハウジング1の前面上部には、モーター3を起動するスライドノブ5が配置されている。
図3および
図6に示すように、ハウジング1は、下端(一端)に開口6を有する筒状のケース7と、開口6を塞ぐように配置される底蓋(蓋)8とを備えている。ケース7は、筒状のケース本体9と、ケース本体9の内部に収容されるインナーブラケット10とで構成されている(
図6参照)。底蓋8は、ケース7に着脱可能に設けられており、底蓋8を取り外すことにより、内装された電池4を交換することができる。
図3および
図4に示すように、ハウジング1の上部には、不使用時に切断刃2を保護するための保護キャップ100が着脱可能に設けられている。なお、ハウジング1は、上下(軸心方向)に二分割されていて、上部ハウジング(ヘッド部)と下部ハウジング(グリップ部)とに分離した形態を含む。この場合、上部ハウジングと下部ハウジングは左右傾動機構、前後傾動機構、または上下フロート機構を介して連結し、下部ハウジングに対して上部ハウジングが左右傾動、前後傾動、または上下フロートの動きを行わせる。
【0044】
図3および
図5に示すように、切断刃2は、スリット刃からなる内刃12と、外刃ホルダー14でアーチ状に保形される網刃構造の外刃13とで構成する。外刃ホルダー14は、ハウジング1の上部のホルダーベース36に着脱可能に外嵌装着されて、ケース本体9の両側に設けたロック爪15で、取り外し不能にロック保持されている。
【0045】
図3および
図6に示すように、インナーブラケット10は、上壁17と、上壁17の中央下部に設けられモーター3を固定するモーターホルダー18と、モーターホルダー18の左右に設けられる電池ホルダー19と、上壁17の左右端から上方に向かって突出形成される左右一対の締結ボス20と、一対の締結ボス20の間に設けられる振動子21とを一体に形成したプラスチック成形品からなる。一対の締結ボス20は、ケース本体9とインナーブラケット10とを固定する締結ビス42の締結座を兼ねている。さらに、インナーブラケット10には、モーターホルダー18の下端に設けられる左右一対のL字状の係止部22と、モーターホルダー18の下端中央に下向きに突設される突起23(規制体130)とが一体に形成されている。一対の係止部22には、その前後にケース本体9に対するインナーブラケット10の組み付け位置を規定し、ケース本体9の内向きの変形を防止する支持アーム24が4箇所に突出形成されている(
図5参照)。
【0046】
図3および
図4に示すように、振動子21は、門形の振動枠25と、振動枠25の下面に形成されたカム溝26と、振動枠25の両側の下端から連出される左右一対の振動腕27と、振動枠25の上面に形成される駆動軸28とで構成してある。振動腕27の上端は、先の締結ボス20と一体に形成されている。モーター3の回転動力は、その出力軸に設けた偏心カム29と振動子21とで往復動力に変換されたのち、駆動軸28を介して内刃12に伝動される。振動子21の駆動軸28と内刃12とは、上下フロート自在なフロート構造を介して連結されており、内刃12はフロートばね28aで外刃13と密着する向きに押付け付勢されている。
【0047】
図4から
図6に示すように、ケース本体9は、横断面形状が長円状の筒壁31と、筒壁31の上部前後に設けられる前後壁32・33(
図4参照)と、前後壁32・33の左右端を繋ぐ階段状の左右壁34と、前後壁32・33および左右壁34の上端を繋ぐ上壁35とで、筒状に一体に形成されたプラスチック成形品からなる。前後壁32・33および左右壁34と、上壁35とでケース本体9の上側開口を塞いで、外刃ホルダー14を支持するホルダーベース36を構成している。これにより、ケース本体9は、上側開口が塞がれて下端に開口6を有する筒状に形成されている。上壁35の中央には、駆動軸28を露出させるための軸窓37が開口されており、軸窓37の左右には、締結ビス42を挿通するための挿通孔38が形成されている。上壁35の左右端に、外刃ホルダー14をロック保持するためのロック爪15が、ばねで外向きに付勢された状態で設けられる(
図3参照)。
【0048】
ケース本体9とインナーブラケット10とは、以下の要領で組み付ける。まず、インナーブラケット10のモーターホルダー18にモーター3を固定し、さらに、可動端子板70、固定端子板71、および第1端子板72をインナーブラケット10に組み付ける。これらの端子板70〜72の詳細については後述する。各端子板70〜72を組み付けた状態で、インナーブラケット10を開口6からケース本体9内に挿入する。次に、振動子21の駆動軸28と軸窓37との間にシール体40を装着して両者28・37の隙間を塞ぎ、その周囲壁を軸窓37の周囲壁の上面に密着させる。締結ビス42を挿通するための挿通孔38のそれぞれには、Oリング41を配置し、上壁の左右端部にロック爪15を配置しておく。最後に、ステンレス板材を打ち抜いて形成した押え板43をケース本体9の上壁35の上面に載置したのち、そのビス挿通孔に挿通した締結ビス42を締結座を兼ねる締結ボス20に形成したビス孔44にねじ込んで、インナーブラケット10と、ケース本体9と、押え板43とを共締め固定する。同時に、シール体40の周縁壁とロック爪15の上面を押え板43で挟持する。
【0049】
ケース本体9とインナーブラケット10とを組み付けた状態では、ケース7の上部に、振動子21を収容する振動子室Rが区画形成される。振動子室Rは、インナーブラケット10の上壁17、および左右一対の締結ボス20と、ケース本体9の上壁35、および前後壁32・33とに挟まれた内部空間であり、この振動子室R内に振動子21が配置される。このように、振動子室Rに振動子21を配置すると、偏心カム29と振動子21との接触部分、つまり叩打音の発生源の周囲全体を、先の各部材17・20・32・33・35で覆うことにより、外部への音漏れを防止でき、したがって、電気かみそりを静音化することができる。また、軸窓37および挿通孔38は、シール体40とOリング41とで隙間を封止してあるので、髭剃り時あるいは電気かみそりを水洗い洗浄するときに、毛屑や水がハウジング1内に浸入するのを防止できる。
【0050】
図9に示すように、左右の電池ホルダー19の下端は開口6に臨んでおり、電池4を電池ホルダー19内に挿入する電池挿入口19aになっている。
図1、
図6、
図9および
図10に示すように、挿入口19aには、それぞれ表示部110がインナーブラケット10と一体に形成されている。詳しくは、表示部110は、係止部22の下端に形成される突出部112と、装填方向表示体113とで形成されている。突出部112には、開口6に臨むように、前方から後方へ行くに従い下り傾斜する傾斜面111が形成されており、この傾斜面111に装填方向表示体113が形成されている。装填方向表示体113は、電池4の外観形状を模した形状に、傾斜面111から突出形成して、凸状の模様としてある。
【0051】
上記のように、ケース7をケース本体9とインナーブラケット10とで構成し、振動子21、係止部22、および突起23などをインナーブラケット10と一体に形成すると、部品点数を削減し、各部品を組み付ける手間を著しく省くことができる。また、締結ボス20が締結ビス42を締結する締結座を兼ねることも、部品点数の削減と、各部品の組み付けの手間を省くことに役立っており、全体として電気かみそりの製造コストを削減できる。加えて、締結ビス42により、ケース本体9とインナーブラケット10と振動子21の三者を強固に一体化できる。また、振動子21が締結ビス42で締結された締結ボス20と一体に設けてあるので、振動子21の振動が周囲部品へ伝わってビビリ音が発生するのをよく防止でき、電気かみそりを静音化できる。
【0052】
左右一対の電池ホルダー19の電池挿入口19aに、電池4の挿入方向を表示する表示部110を設けた。また、表示部110は、開口6の側へ突出する突出部112と、電池4の形状を模した形状の装填方向表示体113とで構成した。このように、表示部110を設けると、電池4の挿入方向を一見して理解することができるので、電池4の挿入位置および方向を明確に表示することができる。また、表示部110をインナーブラケット10と一体に形成したので、表示部110を独立した部品として形成する場合に比べて、部品点数を削減することができる。また、表示部110を組み付ける手間を省くことができる。さらに、装填方向表示体113を突出部112と一体に形成して、凸状の模様として形成したので、装填方向の表示を塗装あるいはシール等の印刷物とした場合とは異なり、使用期間が長期にわたる場合であっても、装填方向表示体113が劣化し、あるいは消失するのを解消できる。したがって、装填方向表示体113の表示機能を長期にわたって安定した状態で発揮できる。装填方向表示体113を指先で触って、電池4の装填方向を判別することもできる。加えて、開口6に臨んで前方から後方へ行くに従い下り傾斜する傾斜面111を設けたので、装填方向表示体113を見やすい方向に指向させることができ、電池4の挿入位置および方向をさらに明確化することができる。
【0053】
図1および
図7に示すように、底蓋8は、蓋体46と、蓋体46に回動可能に設けられる操作ノブ47と、操作ノブ47に連結されるロック体48とからなる。さらに、底蓋8には、モーター3に電力を供給する給電回路を構成する第2端子板(端子板)73が配置されている。第2端子板73の詳細については後述する。操作ノブ47は、ノブ本体50と、ノブ本体50から上方に向かって突出形成される連結軸51とが一体に形成されたプラスチック成形品からなる。連結軸51は、径方向へ二分するスリット52aで区分された一対の弾性腕52と、弾性腕52の上端(一端)に外向きに張り出し形成される係合爪53と、弾性腕52とノブ本体50とを接続する段付き状の基軸部54とで構成されている。なお、弾性腕52は、連結軸51をスリット52aで区分した一対の弾性腕52に限らず、放射状に拡縮自在な3個以上の弾性腕52として構成してもよい。ノブ本体50は、平面視でケース本体9の筒壁31の横断面形状と略同一形状に形成されており、一対の弾性腕52はその横断面外郭形状が平坦部を有する非円形断面となっている。弾性腕52が、3個の弾性腕52で形成される場合は、3個の弾性腕52の横断面外郭形状が3つの頂点部にスリット(空隙)を有する3角形状断面となる。基軸部54の左右近傍には、後述する蓋体46の規制溝61に挿入されて、操作ノブ47の回動限界を規定する規制突起55が、上向きに設けられている。
【0054】
図1および
図7に示すように、蓋体46は、蓋本体57の下端(一端)周縁にフランジ部58を張り出し形成したプラスチック成形品からなる。蓋本体57には、上下に貫通するように段付き状の軸孔59が開設されている。蓋本体57の周縁には、リング状のシールリング60が嵌め込み装着されており、蓋本体57の底面には、先の規制突起55が挿入される部分円弧状の規制溝61が、2箇所に形成されている。また、蓋体46の上面には、第2端子板73の回転を阻止する規制壁62が、前後一対ずつ設けられている(
図8参照)。規制突起55と規制溝61とにより、操作ノブ47と蓋体46とは、蓋体46の長手方向と操作ノブ47の長手方向とが一致するロック位置と、蓋体46の長手方向と操作ノブ47の長手方向とが直交するアンロック位置との間で、90度回動できるように組み付けてある。
【0055】
図7および
図8に示すように、底蓋8のケース内面側には、切断刃2の周辺、あるいはスライドノブ5の周辺に付着した毛屑を掃除するための棒状の清掃体115を設けてある。清掃体115は、底蓋8をケース7に装着した状態では、ハウジング1内に収容されている(
図5参照)。清掃体115は、丸軸状のブラシ本体116と、ブラシ本体116に植設されるブラシ部117とで形成されている。蓋体46のケース内面側には、蓋体46の強度を増すための4個の補強リブ118が形成されている。4個の補強リブ118は、清掃体115を装着するための装着部119を兼ねている。詳しくは、
図5に示すようにブラシ本体116の軸端を受止めるコ字状の補強リブ118と、ブラシ本体116の中途部を保持する前後一対の補強リブ118と、ブラシ部117の近傍に設けた補強リブ118とで、装着部119を構成している。本実施例では、補強リブ118で装着部119を構成したが、蓋体46に凹部を形成し、この凹部を装着部119としてもよい。
【0056】
清掃体115は蓋体46の長手方向と、清掃体115の長手方向、すなわちブラシ本体116の軸心方向とが一致するように、装着部119に着脱可能に装着されている。具体的には、
図8に示すように、左右中央に位置する2個の補強リブ118の突端には、対向する向きの爪が形成してあり、この爪でブラシ本体116を係合保持している。コ字状の補強リブ118は、清掃体115の左方向の位置規制を行い、清掃体115を適正な位置に保持できるようになっている。右側の補強リブ118は、ブラシ部117の広がりを規制しており、底蓋8をケース7に装着する際に、開口6の周縁と底蓋8との間にブラシ部117が挟み込まれるのを防いでいる。
【0057】
図1および
図7に示すように、ロック体48は、円柱状の連結ボス63と、連結ボス63の上部の対向位置に突出形成される係止体64とが一体に形成されたプラスチック成形品からなる。係止体64の内部と、連結ボス63の内部には、段部65と装着孔66とが、ロック体48を上下に貫通(ロック体48の筒軸方向(軸心方向)に貫通)するように形成されている。装着孔66の横断面形状は、先の一対の弾性腕52の横断面外郭形状(平坦部を有する非円形断面形状)と一致させてあり、ロック体48の連結ボス63を連結軸51に係合装着した状態で、操作ノブ47とロック体48とが同行回転可能に連結される。装着孔66の横断面形状は、弾性腕52が、3個の弾性腕52で形成される場合は、3個の弾性腕52の横断面外郭形状(3角形状断面)と一致させる。また、装着孔66は、操作ノブ47とロック体48とを連結した状態において、ロック体48の係止体64が、操作ノブ47の長手方向と同方向に指向する状態で連結されるように形成されている。さらに、連結ボス63の外周面には、第2端子板73に設けた節度片96とともに操作ノブ47を蓋体46に対して位置保持する節度構造を構成する溝状の保持部67が等角度間隔で4箇所に設けてある。また、連結ボス63の下端周縁には、円周状のリブ69が下向きに形成されており、ロック体48を連結軸51に係合装着した状態において、蓋体46のケース内面側とリブ69とで、第2端子板73を挟持固定する。なお、リブ69は、断続する部分円弧状に形成してもよい。上記の挟持固定とは、浮き上がりを防止できる程度に固定されていればよく、蓋体46のケース内面側とリブ69との間に、僅かな隙間が存在しても問題はない。
【0058】
蓋体46、操作ノブ47、およびロック体48は、以下の要領で組み付ける。まず、操作ノブ47の連結軸51の基端部にシールリング68を装着した状態で、蓋体46の軸孔59に、弾性腕52および連結軸51を挿通する。次に、弾性腕52および連結軸51に、上方から第2端子板73の挿通孔97を挿通する。さらに、ロック体48の装着孔66に弾性腕52を挿入して、弾性腕52の係合爪53を装着孔66の段部65に係合させて、操作ノブ47とロック体48とを分離不能に連結する。これにて、蓋体46と操作ノブ47とは、操作ノブ47を回動操作することで、係止体64が蓋体46の長手方向と一致する向きへ指向するロック姿勢と、係止体64が蓋体46の長手方向と直交する向きへ指向するアンロック姿勢とに切り替えることができる。また、第2端子板73は、ロック体48を連結軸51に連結した状態において、挿通孔97の周囲が円周状のリブ69と蓋体46とで挟持固定されるので、第2端子板73の上下の動きを規制することができる。なお、シールリング60の装着は、三者の組み付け時、あるいは組み付け後など、いつ行ってもよい。
【0059】
底蓋8をケース7に装着する場合には、
図8に示すように、操作ノブ47を反時計回転方向のアンロック位置に回動操作して、操作ノブ47と蓋体46との長手方向を直交させる。この状態では、ロック体48の係止体64は、蓋体46の長手方向と直交する方向を指向している。次に、フランジ部58がケース本体9の下端(一端)周縁部に接触するまで、蓋体46をケース本体9の開口6内に挿入する。最後に、操作ノブ47を
図8において時計回転方向へ90度回動操作してロック体48をロック姿勢にすることにより、ロック体48の係止体64を、インナーブラケット10に形成した係止部22に係止させ、底蓋8をケース7に引寄せた状態で装着する。このとき、フランジ部58とケース本体9の下端周縁部、および係止体64と係止部22の間には、隙間は存在せず、ケース7に対して底蓋8をガタつきのない状態で固定できる。底蓋8を取り外す際には、操作ノブ47を
図8において反時計回転方向へ回動操作して、ロック体48をアンロック姿勢に切り替えることにより、開口6から取り外すことができる。これにて、ハウジング1内に配置された電池4を交換することができる。底蓋8を開口6から取り外した状態では、操作ノブ47の長手方向は、蓋体46の長手方向と直交している。この状態の清掃体115は、ロック体48の連結ボス63や連結軸51と、操作ノブ47の長手方向端部とで保護されており、手指等が触れて清掃体115が誤って取り外されることを防止できる。
【0060】
図1に示すように、底蓋8をケース7に装着した状態では、インナーブラケット10に設けた突起23は、2個の弾性腕52の間(弾性腕52の内方に形成される空間)に挿入されて、弾性腕52が内側に変形することを阻止している。すなわち突起23は、操作ノブ47とロック体48の係合状態を強化することができる。そのため、底蓋8に落下衝撃が加わるような場合でも、弾性腕52が変形して係合爪53が段部65から外れるのを防止できる。したがって、底蓋8のケース7に対する装着状態を維持して、ハウジング1内に収容された電池などの内装部品の脱落を確実に防止できる。また、ケース7と蓋体46の間、および蓋体46と操作ノブ47との間は、シールリング60とシールリング68とで、隙間を封止してあるので、髭剃り時あるいは電気かみそりを水洗い洗浄するときに、毛屑や水がハウジング1内に浸入するのを防止できる。
【0061】
上記のような底蓋8の構成によれば、装着孔66に弾性腕52を差し込み、係合爪53を段部65に係合させるだけで、操作ノブ47とロック体48と第2端子板73とを軸心方向へ分離不能に連結して、同行回転できように組み立てることができる。したがって、従来のように組み立て時にねじで締結する必要がなく、より少ない手間で簡単に、しかも確実に底蓋8を組み立てることができる。また、ねじを使用しないので部品点数を削減することができ、ハウジングの製造コストを削減できる利点もある。また、ねじの緩みによる操作不良が発生することはなく、底蓋8の着脱を常に的確に行うことができる。さらに、ねじの締め付けにより連結軸51に亀裂が発生する虞れがあったがそれを防止できる。加えて、装着孔66の上端に連続して段部65を形成するので、係合爪53が段部65に係合したかどうかを目視で簡単に確認することができ、底蓋8を確実に組み立てることができる。
【0062】
底蓋8のケース内面側に、清掃体115を着脱可能に装着すると、ハウジング1内に清掃体115を収容することができ、例えば、鞄等に収めた状態で電気かみそりを携行する場合でも、別途清掃体115を携行する必要がなく、手軽に清掃体115による清掃を行うことができる。また、清掃体115の紛失または、破損を防止することができる。さらに、清掃体115が外面に露出することがないので、シンプルな外観デザインとすることができる。蓋体46を補強する補強リブ118を利用して構成した装着部119に清掃体115を着脱可能に装着したので、別途、装着部119を設ける必要がなく、ハウジング1の製造コストを削減することができる。加えて、蓋体46の長手方向に沿う状態で、棒状に形成した清掃体115を装着部119に装着したので、蓋体46の左右方向寸法の範囲内で長尺の清掃体115を設けることができる。長尺の清掃体115は、短尺の清掃体に比べて、手指で操作しやすい反面、その収納に大きなスペースを必要とする。しかし、清掃体115を蓋体46の長手方向に沿う状態で収容することにより、取扱いが容易な清掃体115を蓋体46の内面のスペースを利用して好適に収容することができる。
【0063】
図6および
図11に示すように、ハウジング1内には、電池4の電力をモーター3に供給するための給電回路が内装されている。給電回路は、可動端子板70と、固定端子板71と、第1端子板72と、第2端子板(端子板)73とで構成する。可動端子板70、固定端子板71、および第1端子板72は、インナーブラケット10に組み付けてあり、第2端子板73は蓋体46に組み付けてある。各端子板70〜73は、ステンレス板材で形成してある。
【0064】
図4、
図11および
図12に示すように、ハウジング1と給電回路との間に、給電回路をオン・オフするためのスイッチ74が設けてある。スイッチ74は、上下に対向配置される可動側端子75および固定側端子76と、可動側端子75を固定側端子76に対して接離操作する切換え機構とで構成されている。可動側端子75は、可動端子板70の一端に設けられており、他端が左側電池4の上端極である正極に接続されている。固定側端子76は、固定端子板71の一端に設けられており、他端がモーター3の正極端子に接続されている。可動側端子75と固定側端子76とは、振動子21が配置される振動子室Rに、両端子75・76が上下に位置する状態で配置されている。第1端子板72は、一端が右側電池4の上端極である負極に接続されており、他端がモーター3の負極端子に接続されている。第2端子板73は、その左右端が左右の電池4の下端極である負極と正極とにそれぞれ接続されている。これにて、電池4は直列に接続され、可動側端子75および固定側端子76の接離により、電池4の電力をモーター3に供給することができる。
【0065】
図7および
図11に示すように第2端子板(端子板)73は、主リード部94と、主リード部94の左右端に設けられる断面く字状のばね接点(接点)95と主リード部94の中央部前後から上方に向かって折り曲げ形成される節度片96とが折り曲げ加工で一体に形成されている。一対の節度片96の間の主リード部94の中央には、操作ノブ47の連結軸51が挿通される挿通孔97が開設してある。挿通孔97とばね接点95との間の板面には、一対の変形吸収部99が階段状に折り曲げ形成されている。節度片96は、保持腕96aと保持腕96aの上端に形成される部分球面状の保持突起98とで形成されている。一対の節度片96を結ぶ直線は、一対の接点95を結ぶ直線と直交している。先に説明したロック体48に設けた溝状の保持部67と節度片96とで、操作ノブ47の節度構造を構成している。節度構造は、節度片96に設けた保持突起98が、保持部67と係合することにより、蓋体46に対して操作ノブ47を、ロック位置とアンロック位置とに位置保持することができる(
図8参照)。上記の実施例では、2個の節度片96と4個の保持部67とで、節度構造を構成したが、1個の節度片96と2個の保持部67とで、節度構造を構成してもよい。主リード部94の左右端をばね接点95とすることにより、各電池4を上方側の端子に押し付けることができ、確実に給電回路を接続することができる。
【0066】
上記のような第2端子板73によれば、接点95に電池4を接続した際に、接点95に発生する弾性変形と、節度構造を操作する際に、節度片96に発生する弾性変形とに起因する主リード部94に発生する撓み等の変形を、変形吸収部99で遮断して、弾性変形の影響が一方から他方へと及ぶことを防止することができる。したがって、それぞれの弾性力を、あらかじめ設定された適正な状態に維持することができる。また、ロック体48を一対の節度片96で挟み込むので、確りとした節度感が得られる節度構造とすることができる。
【0067】
スイッチ74の切換え機構は、ケース本体9の外面に沿って左右に往復スライド操作されるスライドノブ5と、スライドノブ5の往復動作を回転動作に変換する偏心カム78と、偏心カム78に同行回転して、可動側端子75の接離状態を切換える操作軸83とで構成してある。スライドノブ5はプラスチック成形品からなり、後面に偏心カム78を操作する長孔状の操作溝79が凹み形成されており、その上辺部および下辺部には、4個の係合爪81が突出形成されている。これらの係合爪81をケース本体9に形成したガイド溝80に係合することにより、スライドノブ5はガイド溝80に沿って左右スライドできる。スライドノブ5は、偏心カム78の外面を覆う状態で、ケース本体9の前壁32の外面に配置されている。
図2に示すようにスライドノブ5が、左端に位置する状態が給電回路がオフとなる位置であり、右端に位置する状態が給電回路がオンとなる位置である。
【0068】
図12に示すように、偏心カム78は、円板状のカムベース82と、カムベース82の後面に突出形成される操作部を備えた操作軸83と、スライドノブ5の操作溝79で操作される操作突起84と、弾性変形可能な環状に形成された節度体85とを一体に形成したプラスチック成形品からなる。操作軸83には平坦面86を設けて、断面半月状の操作部が形成されている。ケース本体9の前壁32に、節度体85の移動軌跡と重なる状態で、部分円弧状の節度突起88が突設されている。節度構造は、節度体85と節度突起88とにより構成されている。
【0069】
スライドノブ5と偏心カム78は、以下の要領で組み付ける。まず、ケース本体9の前壁32に開設された挿通孔89に、Oリング90を装着した操作軸83を、操作部の平坦面86が可動側端子75の操作片92に接触するように挿入する。こののち、スライドノブ5の操作溝79と偏心カム78の操作突起84とが係合する位置で、係合爪81をガイド溝80に嵌め込む。これにより、スライドノブ5は、給電回路がオフとなる左端の位置で組み付けられ、先に説明した節度構造で位置保持される。また、挿通孔89はOリング90で隙間を封止してあるので、髭剃り時あるいは電気かみそりを水洗い洗浄するときに、毛屑や水がハウジング1内に浸入するのを防止できる。
【0070】
スライドノブ5を右方向にスライド操作すると、操作溝79で操作突起84が操作されて、偏心カム78が時計回りに回転する。このとき、偏心カム78は、節度体85が弾性変形し、節度突起88を乗り越えながら回転する。スライドノブ5が、右端までスライド操作されると、偏心カム78は時計方向へ約90度回転し、操作軸83の平坦面86が傾斜する状態となる(
図11参照)。平坦面86が傾斜すると、可動側端子75の操作片92が下方に押し下げられて、可動側端子75と固定側端子76とが接触する。これにより、電池4の電力がモーター3に供給され、モーター3が回転する。モーター3の回転は、偏心カム29と振動子21とで回転動力が往復動力に変換され、振動子21の駆動軸28に連結された内刃12へ動力が伝動される。
【0071】
電気かみそりの不使用時には、保護キャップ100を筒状のケース7(ハウジング1)の軸心方向(上下方向)からホルダーベース36に装着することにより、外刃ホルダー14およびスライドノブ5の外面を覆うことができる(
図4参照)。このように外刃13を保護する保護キャップ100で、スライドノブ5を覆うと、例えば、鞄等に収めた状態で電気かみそりを携行する場合に、スライドノブ5が他物と衝突してオン操作されるのを確実に防止できる。スライドノブ5のスライド操作方向は、ハウジング1の軸心方向と直交する方向(左右方向)となっている。このようにスライドノブ5を左右にスライド操作して、偏心カム78を介してスイッチ74を接離操作すると、使用時に誤ってスライドノブ5が操作されることを防止できる。これは、使用時に電気かみそりを握る手指は、多くの場合スライドノブ5のスライド方向に沿ってハウジング1を握っているため、スライドノブ5をスライド操作するのが困難になるからである。また、スライドノブ5の中央部にはスライドノブ5のスライド操作方向(左右方向)と直交する向き(上下方向)に長いリブ5aが形成されている。このリブ5aは、スライドノブ5のオンオフ操作時の使用者の指の引っ掛かり(指当部)となるため、その操作を確実に行うことができる。一方、保護キャップ100の内壁には、同キャップ100の装着方向、つまりスライドノブ5のスライド操作方向(左右方向)と直交する向き(上下方向)に長い溝100aが形成されている。保護キャップ100をホルダーベース36に装着すると、溝100aの下端が開放しているため、リブ5aは保護キャップ100に干渉することなく、溝100aの内部空間にリブ5aを位置させることができる。この状態では、溝100aによりリブ5aの左右動が規制されるためスライドノブ5全体の左右動が規制される。したがってスイッチ74が不測にオンされるのを確実に防止できる。つまり、電気かみそりの不使用時の保護キャップ100をホルダーベース36に装着している状態においては、スライドノブ5を保護キャップ100で覆うことができるとともに、このときスライドノブ5のリブ5aが、保護キャップ100の溝100aに係合しているため、電気かみそり本体に強い衝撃が加わったとしてもスライドノブ5がオン操作されるのをさらに確実に防止できる。上下方向に長いリブ5aは、複数の突起が上下方向に断続的かつ直線列状に形成される形態を含む概念である。また、リブ5aは、溝100aで左右動が規制できれば上下方向に長いリブ5aに限らず、丸棒状の突起がひとつスライドノブ5から突出する形態であってもよい。
【0072】
溝100aは、
図4に示すように保護キャップ100の内壁に彫り込むように形成される形態に限らず、保護キャップ100の内壁から2本のリブを突出させてリブの内側と保護キャップ100の内壁とで溝を形成する形態であってもよい。
【0073】
本実施例では、スライドノブ5側にリブ5aを、保護キャップ100の内壁に溝100aを形成したが、スライドノブ5側に溝を、保護キャップ100の内壁にリブを形成してもよい。この場合、上記溝は、スライドノブ5の中央部にスライドノブ5のスライド操作方向(左右方向)と直交する向き(上下方向)に長く形成する。上記溝は、スライドノブ5のオンオフ操作時の使用者の指の引っ掛かり(指当部)となるため、その操作を確実に行うことができる。一方、保護キャップ100の内壁には、同キャップ100の装着方向、つまりスライドノブ5のスライド操作方向(左右方向)と直交する向き(上下方向)に長いリブを形成する。保護キャップ100をホルダーベース36に装着すると、上記溝の上端が開放しているため、上記リブはスライドノブ5に干渉することなく、上記溝の内部空間に上記リブを位置させることができる。この状態では、上記溝により上記リブの左右動が規制されるためスライドノブ5全体の左右動が規制される。したがってスイッチ74が不測にオンされるのを確実に防止できる。つまり、電気かみそりの不使用時の保護キャップ100をホルダーベース36に装着している状態においては、スライドノブ5を保護キャップ100で覆うことができるとともに、このときスライドノブ5の上記溝が、保護キャップ100の上記リブに係合しているため、電気かみそり本体に強い衝撃が加わったとしてもスライドノブ5がオン操作されるのを確実に防止できる。
【0074】
上記のように、壁で区画された振動子室Rにスイッチ74を構成する、可動側端子75および固定側端子76を配置すると、振動子21の振動で、両端子75・76の接触部分を相対摺動させることができる。したがって、両端子75・76の接触部分に電気抵抗となる酸化皮膜が形成されるのを防止できる。また、長期間にわたって不使用状態が続いて、酸化皮膜が形成された場合でも、微振動により酸化皮膜を剥離することができるので、電気かみそりの信頼性を向上することができる。また、振動子21の往復駆動に伴う振動子室R内の空気流により、両端子75・76に付着した埃等を吹き飛ばして両端子75・76の接触状態を好適化できる。
【0075】
振動子室Rを区画するケース本体9の前壁32にスライドノブ5を配置すると、使用時に人体と正対する側の騒音を、ケース本体9とスライドノブ5とで2重に遮蔽できるので、電気かみそりを静音化できる。また、スライドノブ5を左右にスライド操作して、偏心カム78を介して可動側および固定側の端子75・76を接離操作すると、スライドノブ5のスライド方向に沿ってハウジング1を握っている手指により、使用時に誤ってスライドノブ5が操作されることを防止できる。
【0076】
偏心カム78に設けた環状の節度体85と、ケース本体9に設けた節度突起88とで節度構造を構成すると、節度構造を簡素化できる。また、節度体85を環状に形成すると、片持ち状に形成された節度体に比べて、小さなスペースで大きな弾性力を発揮させて、節度突起88の両端において的確に節度機能を発揮できる。
【0077】
ケース7と、蓋体46と、操作ノブ47の寸法関係は
図13に示すように設定する。底蓋8をロック構造でケース7の開口6に装着した状態のとき、蓋体46の両側端で規定される外郭寸法(V)が、操作ノブ47の両側端で規定される外郭寸法(W)よりも小さく設定されている形態を採ることができる。このように、蓋体46の外郭寸法(V)が、操作ノブ47の外郭寸法(W)よりも小さく設定されている(V<W)と、操作ノブ47を操作する際に、手指で両者46・47を同時に掴むことがなく、操作ノブ47だけを確実に掴んで回動操作できる。したがって、操作ノブ47の回動操作を行いやすく、操作性の良好な底蓋8とすることができる。
【0078】
また、蓋体46の両側端で規定される外郭寸法(V)が、ケース7の両側端で規定される外郭寸法(X)よりも小さく設定されている形態を採ることができる。このように、蓋体46の外郭寸法(V)が、ケース7の外郭寸法(X)よりも小さく設定されている(V<X)と、蓋体46が操作ノブ47およびケース7よりも内側に配置されるため、例えば、落下によりに蓋体46に直接衝撃が加わることを防止でき、蓋体46の破損を防止することができる。したがって、ハウジング1内に収容された電池4などの内装部品が散乱することを防止できる。
【0079】
さらに、操作ノブ47はノブ本体50を含み、ノブ本体50の上下寸法(Y)が、ケース7の下端面とノブ本体50の上端面とで規定される隙間寸法(Z)よりも大きく設定されている形態を採ることができる。このように、ノブ本体50の上下寸法(Y)が、ケース7とノブ本体50との隙間寸法(Z)よりも大きく設定されている(Y>Z)と、蓋体46の存在を誇示しないシンプルな外観デザインとすることができる。なお、ハウジング1は平面視において、長円形状を呈しており、その中心を通る垂直面では、どの位置においても上記寸法関係を満足している。
【0080】
上記実施例のハウジング1およびこのハウジング1を備えた電気かみそりは以下の形態で実施することができる。
蓋(底蓋)8は、前記開口6を塞ぐ蓋体46と、蓋体46で回動可能に支持される操作ノブ47とを備えており、操作ノブ47は、蓋体46を貫通してケース7内に臨む連結軸51を備えており、ロック構造は、操作ノブ47の連結軸51に連結されるロック体48と、ケース7側に設けられてロック体48が係脱する係止部22とを含み、操作ノブ47とロック体48とは、連結軸51を介して相対回動不能に係合する状態で同行回転可能に連結されており、蓋体46が開口6を塞ぐ状態で、ロック体48を操作ノブ47で回転操作して、ロック体48を係止部22に対して係脱できるように構成してあり、底蓋(蓋)8をロック構造でケース7の開口6に装着した状態において、蓋体46の両側端で規定される外郭寸法(V)が、操作ノブ47の両側端で規定される外郭寸法(W)よりも小さく設定されているハウジング、およびこのハウジングを備えた電気かみそり。なお、ハウジング1は平面視において、長円形状を呈しており、その中心を通る垂直面では、どの位置においても上記寸法関係を満足している。
【0081】
また、上記実施例のハウジング1およびこのハウジング1を備えた電気かみそりは以下の形態で実施することができる。
下端(一端)に開口6を有する筒状のケース7と、開口6を塞ぐ底蓋(蓋)8とを有し、底蓋(蓋)8が、ケース7と底蓋(蓋)8との間に設けたロック構造を介してケース7に着脱可能に装着されているハウジングであって、
底蓋(蓋)8は、開口6を塞ぐ蓋体46と、蓋体46で回動可能に支持される操作ノブ47とを備えており、
操作ノブ47は、蓋体46を貫通してケース7内に位置する連結軸51を備えており、
ロック構造は、操作ノブ47の連結軸51に連結されるロック体48と、ケース7側に設けられてロック体48が係脱する係止部22とを含み、
操作ノブ47とロック体48とは、連結軸51を介して相対回動不能に係合する状態で同行回転可能に連結されており、
蓋体46が開口6を塞ぐ状態で、ロック体48を操作ノブ47で回転操作して、ロック体48が係止部22に対して係脱できるように構成されており、
操作ノブ47の連結軸51が、径方向へ拡縮自在な弾性軸で形成されて、その上端(一端)に係合爪53が張り出されており、
ロック体48は、連結ボス63と、連結ボス63を上下に貫通する装着孔66と、連結ボス63の上部に張り出される係止体64と、装着孔66の上端(一端)に連続して係止体64の内部に形成される段部65とを備えており、
操作ノブ47の連結軸51を、ロック体48の装着孔66に挿通した状態において、係合爪53が段部65と係合して、操作ノブ47とロック体48とが軸心方向へ分離不能に連結されており、
操作ノブ47の連結軸51が、同軸51を径方向へ拡縮自在な少なくとも2個の弾性腕52を備え、弾性腕52の上端(一端)のそれぞれに係合爪53が外向きに張り出されており、
ロック体48の連結ボス63の上端(一端)には、係止部22に対して係脱する係止体64が設けられており、
ケース7側に設けた下向きの突起23が両弾性腕52の上端に位置して、弾性腕52の縮径方向の変形を規制しているハウジング、およびこのハウジングを備えた電気かみそり。
このように、ケース7側に設けた突起23で弾性腕52の縮径方向の変形を規制すると、蓋8に落下衝撃が加わるような場合でも、弾性腕52が変形して係合爪53が段部65から外れるのを防止できる。したがって、蓋8のケース7に対する装着状態を維持して、ハウジング1内に収容された電池などの内装部品の脱落を確実に防止できる。また、ケース7側に設けた突起23が両弾性腕52の上端(一端)の内方空間に位置して、弾性腕52の縮径方向の変形を規制していることにより、操作ノブ47とロック体48の連結構造を簡素化しながら係合状態を強化することができる。ここでの突起23は規制体130と同じ意味を持つ。
【0082】
上記構成であって、
ケース7が、ケース本体9と、ケース本体9に収容されて内装部品が組み付けてあるインナーブラケット10とを含み、
ロック構造の係止部22と、弾性腕52の縮径方向の変形を規制する突起23とが、インナーブラケット10に形成されているハウジング、およびこのハウジングを備えた電気かみそり。
このようにインナーブラケット10に、ロック構造の係止部22と、弾性腕52の縮径方向の変形を規制する突起23を形成すると、係止部22および突起23を独立した部品として形成する場合に比べて、部品点数を削減することができる。また、係止部22および突起23を組み付ける手間を省くことができる。また、ねじを使用しないので部品点数を削減することができ、ハウジングの製造コストを削減できる利点もある。
【0083】
長軸状のハウジング1の一端に設けた切断刃2の外面を覆う保護キャップ100が、ハウジング1に対してハウジング1の軸心方向に着脱可能に設けられており、不使用状態におけるスライドノブ5の外面が、保護キャップ100で覆われており、
スライドノブ5のスライド操作方向は、ハウジング1の軸心方向と直交する方向(左右方向)となっており、
スライドノブ5は、ハウジング1の軸心方向に長く形成されるリブ5aを含み、
保護キャップ100は、リブ5aと同方向に長く形成される溝100aを含み、
不使用状態におけるスライドノブ5の外面が、保護キャップ100で覆われているとき、スライドノブ5のリブ5aが保護キャップ100の溝100aに係合している電気かみそり。
このようにスライドノブ5を左右にスライド操作する構成であれば、使用時に誤ってスライドノブ5が操作されることを防止できる。これは、使用時に電気かみそりを握る手指は、多くの場合スライドノブ5のスライド方向に沿ってハウジング1を握っているため、スライドノブ5をスライド操作するのが困難になるからである。
また、不使用状態において、切断刃2の外面とスライドノブ5の外面とを、保護キャップ100で覆うと、例えば、鞄等に収めた状態で電気かみそりを携行する場合に、スライドノブ5が他物と衝突してオン操作されるのを確実に防止できる。
また、不使用状態におけるスライドノブ5の外面が保護キャップ100で覆われているとき、スライドノブ5のリブ5aが保護キャップ100の溝100aに係合していることにより、落下等の強い衝撃が加わった場合であっても、スライドノブ5がオン操作され難い。
また、スライドノブ5の全体が覆われるので、スライドノブ5が他物と衝突して傷つきデザイン性が損なわれるといった虞れがない。
なお、ハウジング1は、上下に二分割されていて、上部ハウジング(ヘッド部)と下部ハウジング(グリップ部)とに分離した形態を含む。この場合、上部ハウジングと下部ハウジングは左右傾動機構、前後傾動機構、または上下フロート機構を介して連結し、下部ハウジングに対して上部ハウジングが左右傾動、前後傾動、または上下フロートの動きを行わせる。上述の構成は、この上部ハウジングにスライドノブ5が配設されて、スライドノブ5が保護キャップ100で覆われる形態も含むものである。
【0084】
長軸状のハウジング1の一端に設けた切断刃2の外面を覆う保護キャップ100が、ハウジング1に対して着脱可能に設けられており、不使用状態におけるスライドノブ5の外面が、保護キャップ100で覆われており、
スライドノブ5のスライド操作方向は、ハウジング1の軸心方向と直交する方向(左右方向)となっており、
スライドノブ5は、ハウジング1の軸心方向に長く形成される溝を含み、
保護キャップ100は、上記溝と同方向に長く形成されるリブを含み、
不使用状態におけるスライドノブ5の外面が、保護キャップ100で覆われているとき、スライドノブ5の上記溝が保護キャップ100の上記リブに係合している電気かみそり。
このようにスライドノブ5を左右にスライド操作する構成であれば、使用時に誤ってスライドノブ5が操作されることを防止できる。これは、使用時に電気かみそりを握る手指は、多くの場合スライドノブ5のスライド方向に沿ってハウジング1を握っているため、スライドノブ5をスライド操作するのが困難になるからである。
また、不使用状態において、切断刃2の外面とスライドノブ5の外面とを、保護キャップ100で覆うと、例えば、鞄等に収めた状態で電気かみそりを携行する場合に、スライドノブ5が他物と衝突してオン操作されるのを確実に防止できる。
また、不使用状態におけるスライドノブ5の外面が保護キャップ100で覆われているとき、スライドノブ5の溝が保護キャップ100のリブに係合していることにより、落下等の強い衝撃が加わった場合であっても、スライドノブ5がオン操作され難い。
また、スライドノブ5の全体が覆われるので、スライドノブ5が他物と衝突して傷つきデザイン性が損なわれるといった虞れがない。
なお、ハウジング1は、上下に二分割されていて、上部ハウジング(ヘッド部)と下部ハウジング(グリップ部)とに分離した形態を含む。この場合、上部ハウジングと下部ハウジングは左右傾動機構、前後傾動機構、または上下フロート機構を介して連結し、下部ハウジングに対して上部ハウジングが左右傾動、前後傾動、または上下フロートの動きを行わせる。上述の構成は、この上部ハウジングにスライドノブ5が配設されて、スライドノブ5が保護キャップ100で覆われる形態も含むものである。
【0085】
図17から
図19に、本発明の別の実施例に係るハウジングを備えた電気かみそりを示す。本実施例については、
図1〜
図13の実施例とは操作ノブ47、ロック体48、規制体130の形状以外の構造は制御も含めてすべて同じであるので、その部分の詳述は省略する。また、操作ノブ47、ロック体48についても、
図1〜
図13の実施例と同じ符号のものは同じ意味を持つのでその説明は省略する。
【0086】
本実施例では、新たな部材として規制体130がある。規制体130は、長軸状の規制軸134と、規制軸134の側面に一対設けられる上下方向に長いリブ133と、リブ133から外方に向けて突出する突起132と、規制軸134の上部に設けられる凹部131とから構成される。規制体130は、規制軸134とリブ133と突起132とが一体に形成されたプラスチック成形品である。
【0087】
操作ノブ47は、ノブ本体50と、ノブ本体50から上方に向かって突出形成される連結軸51とが一体に形成されたプラスチック成形品からなる。連結軸51は、径方向へ二分するスリット52aで区分された一対の弾性腕52と、弾性腕52の上端(一端)に外向きに張り出し形成される係合爪53と、弾性腕52とノブ本体50とを接続する段付き状の基軸部54とで構成されている。なお、弾性腕52は、連結軸51をスリット52aで区分した一対の弾性腕52に限らず、
図1〜
図16の実施例で説明したように放射状に拡縮自在な3個以上の弾性腕52として構成してもよい。ノブ本体50は、平面視でケース本体9の筒壁31の横断面形状と略同一形状に形成されており、一対の弾性腕52はその横断面外郭形状が平坦部を有する非円形断面となっている。本実施例の弾性腕52は
図1〜
図16の実施例のそれに比べて少し薄く形成されている。
【0088】
ロック体48は、円柱状の連結ボス63と、連結ボス63の上部の対向位置に突出形成される係止体64とが一体に形成されたプラスチック成形品からなる。係止体64の内部と、連結ボス63の内部には、段部65と装着孔66とが、ロック体48を上下に貫通(ロック体48の筒軸方向(軸心方向)に貫通)するように形成されている。装着孔66の横断面形状は、先の一対の弾性腕52の横断面外郭形状(平坦部を有する非円形断面形状)と一致させてあり、ロック体48の連結ボス63を連結軸51に係合装着した状態で、操作ノブ47とロック体48とが同行回転可能に連結される。また、連結ボス63の内部の平坦部を構成する内壁には、連結ボス63の筒軸方向(軸心方向(上下方向))に長い溝48bが形成されている。溝48bの上端(一端)は突き当りの壁となっており、下端(他端)は開放されている。この上端(一端)側の壁が後述する段部48aとなる。
【0089】
しかして、蓋体46、操作ノブ47、およびロック体48は、以下の要領で組み付ける。まず、操作ノブ47の連結軸51の基端部にシールリング68を装着した状態で、蓋体46の軸孔59に、弾性腕52および連結軸51を挿通する。次に、弾性腕52および連結軸51に、上方から第2端子板73の挿通孔97を挿通する。さらに、ロック体48の装着孔66に弾性腕52を挿入して、弾性腕52の係合爪53を装着孔66の段部65に係合させて、操作ノブ47とロック体48とを分離不能に連結する。係合爪53の下端には傾斜面53aが形成されており、この傾斜面53aが段部65に形成された傾斜面65aに当接して、操作ノブ47とロック体48とが軸心方向へ分離するのを防止している。さらにこの状態から、つまり底蓋8のケース7側への装着に先立って棒状の規制体130を連結軸51の内部に形成される長軸状の空間に装填する。これにより、操作ノブ47とロック体48の係合状態が強化されるため、操作ノブ47とロック体48とが不測に分離するのを確実に防止できる。係合爪53の下端に傾斜面53aが形成されていることにより、ロック体48或いは操作ノブ47に不具合な箇所があった場合に、操作ノブ47からロック体48を軸心方向に抜き出し易く、交換作業が容易となる。
【0090】
ロック体48の装着孔66に弾性腕52を挿入して、弾性腕52の係合爪53を装着孔66の段部65に係合させ、その後、連結軸51の内部に規制体130を装填する。このとき、軸部134が弾性腕52の縮径方向の変形を規制していることにより、弾性腕52が縮径方向に変形するのを防止でき、操作ノブ47とロック体48の係合状態が不安定になるのを防止できる。また、このとき弾性腕52間に形成される上端(一端)が開放したスリット52aにリブ133が差し込み装填される。これにより、リブ133が弾性腕52間に形成されるスリット52aに係合することにより、リブ133により弾性腕52が縮径方向に変形するのを防止でき、操作ノブ47とロック体48の係合状態が不安定になるのをさらに防止できる。また
図18に示すように、連結軸51の内部に規制体130を差し込み装填するとき、弾性腕52間に形成される一端が開放したスリット52aにリブ133が差し込み装填されるので、スリット52aとリブ133とが規制体130の差し込み装填時の案内ガイドとなる。また
図19に示すように、突起132が、ロック体48に形成された段部48aと係合することで、規制体130の軸心方向(上下方向)への抜け外れを防止でき、操作ノブ47とロック体48の係合状態が不安定になるのを防止できる。規制体130の突起132は、操作ノブ47側に段部48aを形成して、これに係合させてもよいが、ロック体48に形成した段部48aと係合させる方が都合がよい。操作ノブ47の弾性腕52に段部48aを形成する場合、この部分は、係合状態を保持するための要部となる部分であり係合が不安定になり易い。つまりロック体48の装着孔66に弾性腕52を挿入する場合には挿入しやすいように弾性変形させる部分であり、弾性腕52の係合爪53と装着孔66の段部65とが係合した後は、係合状態が解除されないように弾性変形し難く規制すべき部分であって、ここに突起132と係合する段部48aを形成すれば、挿入時の突起132の拡開作用により係合状態が不安定になる虞れがある。したがって、操作ノブ47の弾性腕52に影響が少ないロック体48側に段部48aを形成する方が係合状態が安定する。スリット52aとリブ133との係合状態が規制体130の軸心まわりの回り止めとなるため、突起132と段部48aとが位置ずれすることがなく両者の係合が確実となる。なお、
図19に示す底蓋8は、シールリング68、蓋体46、第2端子板73、シールリング60は省いて表示している。一対の係合爪53及び一対の係止体64を結ぶ線と、一対の突起132及び一対のリブ133を結ぶ線は直交している。
【0091】
上述した底蓋8をケース7に装着する場合には、
図1〜
図13の実施例と同様な手順で行う。すなわち、操作ノブ47を反時計回転方向のアンロック位置に回動操作して、操作ノブ47と蓋体46との長手方向を直交させる。この状態では、ロック体48の係止体64は、蓋体46の長手方向と直交する方向を指向している。次に、フランジ部58がケース本体9の下端(一端)周縁部に接触するまで、蓋体46をケース本体9の開口6内に挿入する。最後に、操作ノブ47を時計回転方向へ90度回動操作してロック体48をロック姿勢にすることにより、ロック体48の係止体64を、インナーブラケット10に形成した係止部22に係止させ、底蓋8をケース7に引寄せた状態で装着する。このとき、フランジ部58とケース本体9の下端周縁部、および係止体64と係止部22の間には、隙間は存在せず、ケース7に対して底蓋8をガタつきのない状態で固定できる。底蓋8を取り外す際には、操作ノブ47を反時計回転方向へ回動操作して、ロック体48をアンロック姿勢に切り替えることにより、開口6から取り外すことができる。これにて、ハウジング1内に配置された電池4を交換することができる。底蓋8を開口6から取り外した状態では、操作ノブ47の長手方向は、蓋体46の長手方向と直交している。
【0092】
図17に示すように、底蓋8をケース7に装着した状態では、インナーブラケット10に設けた突起23は、規制体130に形成された凹部131に挿入される。これにより、規制体130が変形するのを防止して、弾性腕52が内側に変形することをさらに強力に阻止している。したがって突起23も規制体130の意味を持つ。さらに突起23は、操作ノブ47を回転操作する場合の回転軸となっており、操作ノブ47の回転操作が安定する。
【0093】
上記のような底蓋8の構成によれば、装着孔66に弾性腕52を差し込み、係合爪53を段部65に係合させるだけで、操作ノブ47とロック体48と第2端子板73とを軸心方向へ分離不能に連結して、同行回転できように組み立てることができる。 したがって、従来のように組み立て時にねじで締結する必要がなく、より少ない手間で簡単に、しかも確実に底蓋8を組み立てることができる。ハウジングの製造コストを削減できる利点もある。また、ねじの緩みによる操作不良が発生することはなく、底蓋8の着脱を常に的確に行うことができる。さらに、ねじの締め付けにより連結軸51に亀裂が発生する虞れがあったがそれを防止できる。加えて、装着孔66の上端(一端)に連続して段部65を形成するので、係合爪53が段部65に係合したかどうかを目視で簡単に確認することができ、底蓋8を確実に組み立てることができる。また、係合爪53が段部65と係合して、操作ノブ47とロック体48とが軸心方向へ分離不能に連結されている状態であって、底蓋8のケース7側への装着に先立って、すなわち底蓋8をケース7側に装着する前の段階において個別形成された規制体130を連結軸51に装填したことにより、底蓋8をケース7側に装着した状態のときも、底蓋8をケース7側から脱した状態のときも、その状態を問わず操作ノブ47とロック体48の係合状態が強化されているため、操作ノブ47とロック体48とが不測に分離するのを防止できる。
【0094】
上記実施例のハウジング1およびこのハウジング1を備えた電気かみそりは以下の形態で実施することができる。
下端(一端)に開口6を有する筒状のケース7と、開口6を塞ぐ底蓋8とを有し、底蓋(蓋)8が、ケース7と底蓋8との間に設けたロック構造を介してケース7に着脱可能に装着されているハウジングであって、
底蓋(蓋)8は、開口6を塞ぐ蓋体46と、蓋体46で回動可能に支持される操作ノブ47とを備えており、
操作ノブ47は、蓋体46を貫通してケース7内に位置する連結軸51を備えており、
ロック構造は、操作ノブ47の連結軸51に連結されるロック体48と、ケース7側に設けられてロック体48が係脱する係止部22とを含み、
操作ノブ47とロック体48とは、連結軸51を介して相対回動不能に係合する状態で同行回転可能に連結されており、
蓋体46が開口6を塞ぐ状態で、ロック体48を操作ノブ47で回転操作して、ロック体48が係止部22に対して係脱できるように構成されており、
操作ノブ47の連結軸51が、径方向へ拡縮自在な弾性軸で形成されて、その上端(一端)に係合爪53が外向きに張り出されており、
ロック体48は、連結ボス63と、連結ボス63を上下(軸心方向)に貫通する装着孔66と、連結ボス63の上部(一部)から(連結ボス63の一端側にて)外向きに張り出される係止体64と、装着孔66の上端(一端)に連続して係止体64の内部に形成される段部65とを備えており、
操作ノブ47の連結軸51を、ロック体48の装着孔66に挿通した状態において、係合爪53が段部65と係合して、操作ノブ47とロック体48とが軸心方向へ分離不能に連結されていることを特徴とするハウジング、およびこのハウジングを備えた電気かみそり。
このような底蓋8によれば、従来のように組み立て時にねじで締結する必要がなく、より少ない手間で簡単に、しかも確実に底蓋8を組み立てることができる。また、ねじの緩みによる操作不良が発生することはなく、底蓋8の着脱を常に的確に行うことができる。また、ねじの締め付けにより連結軸51に亀裂が発生する虞れがあったがそれを防止できる。加えて、蓋体46が開口6を塞ぐ状態で、ロック体48を操作ノブ47で回転操作して係止部22に対して係脱するので、より簡単な操作で蓋8をケース7に着脱できる。操作ノブ47の連結軸51を、ロック体48の連結ボス63に挿通した状態において、係合爪53を段部65に係合して、操作ノブ47とロック体48とを分離不能に連結した。これによれば、連結軸51を装着孔66に挿通するだけで、操作ノブ47とロック体48とを軸心方向へ分離不能に連結できるので、操作ノブ47とロック体48の連結構造を簡素化しながら、組み立ての手間を省くことができる。ここで、分離不能とは、操作ノブ47とロック体48に分離させる力を働かせたとき、係合爪53や段部65を破壊しなければ分離させることができないほどの係合力があるという意味ではなく、人の力など軽い力を作用させて分離できるものも含む。後述するように、規制体130や突起23を連結軸51の内部に位置させて係合状態を強化する構造がより好ましい。
【0095】
上記構成であって、
操作ノブ47の連結軸51が、同軸51を径方向へ拡縮自在な少なくとも2個の弾性腕52を備え、弾性腕52の上端(一端)のそれぞれに係合爪53が外向きに張り出されており、
弾性腕52の内方に形成される空間に、弾性腕52の縮径方向の変形を規制する規制体130が設けられることを特徴とするハウジング、およびこのハウジングを備えた電気かみそり。
このように弾性腕52の内方に形成される空間に、弾性腕52の縮径方向の変形を規制する規制体130を設けたことにより、操作ノブ47とロック体48の連結構造を簡素化しながら係合状態を強化することができる。
【0096】
上記構成であって、
係合爪53が段部65と係合して、操作ノブ47とロック体48とが軸心方向へ分離不能に連結されている状態であって、
底蓋(蓋)8のケース7側への装着に先立って個別形成された規制体130を連結軸51の軸心方向に装填したことを特徴とするハウジング、およびこのハウジングを備えた電気かみそり。
これにより、底蓋8をケース7側に装着した状態のときも、底蓋8をケース7側から脱した状態のときも、その状態を問わず操作ノブ47とロック体48の係合状態が強化されているため、操作ノブ47とロック体48とが不測に分離するのを防止できる。
【0097】
上記構成であって、
規制体130は、軸部134と軸部134に設けられる外方に向けて突出するリブ133とを含み、
リブ133が、弾性腕52間に形成されるスリット52aに係合していることを特徴とするハウジング、およびこのハウジングを備えた電気かみそり。
このように規制体130のリブ133が、弾性腕52間に形成されるスリット52aに係合していることにより、リブ133により弾性腕52が縮径方向に変形するのを防止でき、操作ノブ47とロック体48の係合状態が不安定になるのを防止できる。
【0098】
上記構成であって、
規制体130は、軸部134から外方に向けて突出する突起132を含み、
連結軸51或いはロック体48に、突起132と協同して規制体130の抜け外れを規制する段部48aが設けられていることを特徴とするハウジング、およびこのハウジングを備えた電気かみそり。
これにより、規制体130の抜け外れを防止でき、操作ノブ47とロック体48の係合状態が不安定になるのを防止できる。
【0099】
規制体130には、弾性腕52の内壁に当接して縮径方向の変形を規制する軸部134と軸部134から外方に向けて突出するリブ133とリブ133から外方に向けて突出する突起132とが設けられており、
リブ133が、弾性腕52間に形成されるスリット52aに係合しており、
突起132が、ロック体48に形成された段部48aと係合することで、規制体130の抜け外れを規制していることを特徴とするハウジング、およびこのハウジングを備えた電気かみそり。
このように、弾性腕52の縮径方向の変形を規制する軸部134を備えることにより、弾性腕52が縮径方向に変形するのを確実に防止でき、操作ノブ47とロック体48の係合状態が不安定になるのを防止できる。それに加えて、リブ133が弾性腕52間に形成されるスリット52aに係合することにより、リブ133により弾性腕52が縮径方向に変形するのを防止でき、操作ノブ47とロック体48の係合状態が不安定になるのをさらに防止できる。また、突起132が、ロック体48に形成された段部48aと係合することで、規制体130の抜け外れを防止でき、操作ノブ47とロック体48の係合状態が不安定になるのを防止できる。さらに、連結軸51の内部に規制体130を差し込み装填するとき、弾性腕52間に形成される一端が開放したスリット52aにリブ133が差し込み装填されるので、スリット52aとリブ133とが規制体130の差し込み装填時の案内ガイドとなる。このとき、スリット52aとリブ133との係合状態が規制体130の軸心まわりの回り止めとなるため、突起132と段部48aとが位置ずれすることがなく両者の係合が確実となる。
【0100】
図14に底蓋8の別実施例を示す。この実施例では、
図14に示すように、ロック体48は、基部48aと、基部48aの対向位置に突出形成される係止体64とが一体に形成されたプラスチック成形品からなる。基部48aの内部には、段部65と装着孔66とが、ロック体48を上下に貫通するように形成されている。連結軸51には、節度片96とともに節度構造を構成する1個の保持部67が一体に形成されている。第2端子板73は、主リード部94から1個の節度片96が、折り曲げ加工により形成されている。第2端子板73は、接着またはCリング等で、蓋体46または連結軸51に固定することができる。上記の実施例の節度構造は、操作ノブ47がアンロック位置にあるときにのみ、位置保持できるようになっているが、操作ノブ47がロック位置にあるときにのみ、位置保持できるようになっていてもよい。それ以外の点は、先の実施例と同様であるので、同一の部材には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0101】
図15に、第2端子板(端子板)73の別実施例を示す。この実施例では、階段状に折り曲げ形成した変形吸収部99に連続して、へ字状のばね接点95を形成した点が、先の実施例とは異なる。それ以外の点は、先の実施例と同様であるので、同一の部材には同一の符号を付してその説明を省略する。このようなばね接点95によれば、プレス機で変形吸収部99を形成する工程で、ばね接点95を同時に形成することができるので、第2端子板73の製造コストを削減することができる。
【0102】
図16は、第2端子板73の変形吸収部99の変形例を示している。
図16(a)では、変形吸収部99を逆U字状の曲げ部により形成した。
図16(b)では、変形吸収部99を蛇腹状の連続曲げ部により形成した。
図16(a)および
図16(b)のように、変形吸収部99を曲げ部で形成すると、ばね接点95あるいは節度片96の弾性変形によって主リード部94に発生した変形応力は、変形吸収部99の屈曲部分が弾性変形することにより吸収されて、一方の弾性変形の影響が他方に及ぶのを遮断することができる。また、
図16(c)では、変形吸収部99を前後方向に延びるV字状の切り込みにより形成した。
図16(d)では、変形吸収部99を板厚を減少させた板厚減少部により形成した。
図16(c)および
図16(d)のように、変形吸収部99を板厚減少部で形成すると、ばね接点95あるいは節度片96の弾性変形によって主リード部94に発生した変形応力は、変形吸収部99の薄肉部が弾性変形することにより吸収されて、一方の弾性変形の影響が他方に及ぶのを遮断することができる。このように、変形吸収部99は、主リード部94に設けた曲げ部、あるいは板厚減少部で形成することができる。
図16(e)では、変形吸収部99を主リード部94の板幅方向に設けた切欠きにより形成される幅狭部で形成した。このように、幅狭部を設けた場合にも、上記と同様に、変形応力は、幅狭部が弾性変形することにより吸収されて、一方の弾性変形の影響が他方に及ぶのを遮断することができる。また、プレス機により打ち抜き成形するだけで、変形吸収部99を形成することができるので、第2端子板73の製造コストを削減することができる。
【0103】
上記の実施例では、切断刃2は内刃12と外刃13とで構成したがその必要はなく、内刃12の刃面に、切刃と交差する複数の細いワイヤーを配置する形態の切断刃、つまり、外刃を省略した切断刃であってもよい。節度体85は環状に形成したが、その必要はなく、直線部を備える多角形状、またはM字状に形成してもよい。要は、節度体85が2箇所以上でカムベース82に弾性変形可能に接続されていればよい。上述した何れの実施例も、開口6がケース7の底部分に形成されていて、この底部分の開口6を底蓋8で塞ぐ形態の構成であるが、これに限定されるものではなく、ケースの側面に開口が形成されていて、この側面の開口を蓋で塞ぐ形態の構成であってもよい。