特許第5922503号(P5922503)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5922503
(24)【登録日】2016年4月22日
(45)【発行日】2016年5月24日
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20160510BHJP
【FI】
   A63F7/02 315Z
【請求項の数】1
【全頁数】34
(21)【出願番号】特願2012-130027(P2012-130027)
(22)【出願日】2012年6月7日
(65)【公開番号】特開2013-252306(P2013-252306A)
(43)【公開日】2013年12月19日
【審査請求日】2014年6月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000135210
【氏名又は名称】株式会社ニューギン
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(72)【発明者】
【氏名】神 光太郎
(72)【発明者】
【氏名】笹岡 賢二
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 武文
【審査官】 ▲高▼木 尚哉
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−045136(JP,A)
【文献】 特開2003−010503(JP,A)
【文献】 特開2001−029598(JP,A)
【文献】 特開2004−113292(JP,A)
【文献】 特開2007−054438(JP,A)
【文献】 特開2010−046558(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
図柄変動ゲームの始動条件を付与可能な始動口と、
前記始動口へ入球した遊技球を検知する入球検知手段と、
第1の抽選用乱数を用いて、大当りか否かの大当り抽選を行う大当り抽選手段と、
第2の抽選用乱数を用いて、前記大当り抽選とは異なる抽選を行う抽選手段と、
所定のクロック周波数でクロック信号を発するクロック発振器と、
前記クロック信号をもとに第1の数値範囲内で周期的に数値データを更新することで、前記第1の抽選用乱数を生成する第1の乱数生成器と、
前記クロック信号をもとに第2の数値範囲内で周期的に数値データを更新することで、前記第2の抽選用乱数を生成する第2の乱数生成器と、
記第1の乱数生成器の生成した数値を前記第1の抽選用乱数の値として取得する第1の乱数取得手段と、
記第2の乱数生成器の生成した数値を前記第2の抽選用乱数の値として取得する第2の乱数取得手段と、を備え、
前記大当り抽選手段、前記抽選手段、前記第1の乱数取得手段及び前記第2の乱数取得手段として演算処理を行うCPUと、前記CPUの動作用プログラムを格納するROMと、前記CPUの演算処理に伴うデータを一時的に格納するRAMと、前記クロック発振器、前記第1の乱数生成器及び前記第2の乱数生成器を有する乱数生成回路と、を少なくとも1チップに集積したマイクロコンピュータを搭載し、
前記CPUは、予め定めた制御周期で演算処理を実行し、
前記第1の乱数生成器及び前記第2の乱数生成器における前記数値データの変更周期は、前記CPUの制御周期に比して短く、
前記CPUは、少なくとも制御周期毎に数値データを1更新することで前記第1の抽選用乱数及び第2の抽選用乱数とは別の乱数を生成する乱数生成処理を実行することを特徴とする遊技機
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の周期で乱数値が更新され、当該乱数値を取得することによって、各種抽選を実行可能な遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技機の一種であるパチンコ遊技機では、各種乱数を用いて遊技にかかる各種抽選や判定などが行われる。例えば、特許文献1に記載のパチンコ遊技機のように、所定の乱数値を用いて大当り抽選などを行っている。具体的には、特許文献1に記載のパチンコ遊技機では、主制御回路のメインCPUが実行する乱数更新処理によって大当り判定用乱数の乱数値を生成するとともに、当該乱数値を始動入賞口への入球検知を契機に取得し、当該乱数値を大当り抽選に使用している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−305168号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、パチンコ遊技機の中には、不正対策の観点から乱数生成器を搭載し、当該乱数生成器が生成するハードウェア乱数を用いて各種の遊技状態に関する抽選(判定)を行うパチンコ遊技機もある。しかしながら、このような乱数生成器を搭載したパチンコ遊技機において、不正対策の観点だけではなく、更にハードウェア乱数を用いた抽選を活用することにより、当該抽選結果に基づく各種演出の興趣を高めることが期待されている。
【0005】
この発明は、上記従来技術に鑑みてなされたものであり、その目的は、ハードウェア乱数を用いた抽選を活用することにより、当該抽選結果に基づく各種演出の興趣を向上させることのできる遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、図柄変動ゲームの始動条件を付与可能な始動口と、前記始動口へ入球した遊技球を検知する入球検知手段と、第1の抽選用乱数を用いて、大当りか否かの大当り抽選を行う大当り抽選手段と、第2の抽選用乱数を用いて、前記大当り抽選とは異なる抽選を行う抽選手段と、所定のクロック周波数でクロック信号を発するクロック発振器と、前記クロック信号をもとに第1の数値範囲内で周期的に数値データを更新することで、前記第1の抽選用乱数を生成する第1の乱数生成器と、前記クロック信号をもとに第2の数値範囲内で周期的に数値データを更新することで、前記第2の抽選用乱数を生成する第2の乱数生成器と、前記第1の乱数生成器の生成した数値を前記第1の抽選用乱数の値として取得する第1の乱数取得手段と、前記第2の乱数生成器の生成した数値を前記第2の抽選用乱数の値として取得する第2の乱数取得手段と、を備え、前記大当り抽選手段、前記抽選手段、前記第1の乱数取得手段及び前記第2の乱数取得手段として演算処理を行うCPUと、前記CPUの動作用プログラムを格納するROMと、前記CPUの演算処理に伴うデータを一時的に格納するRAMと、前記クロック発振器、前記第1の乱数生成器及び前記第2の乱数生成器を有する乱数生成回路と、を少なくとも1チップに集積したマイクロコンピュータを搭載し、前記CPUは、予め定めた制御周期で演算処理を実行し、前記第1の乱数生成器及び前記第2の乱数生成器における前記数値データの変更周期は、前記CPUの制御周期に比して短く、前記CPUは、少なくとも制御周期毎に数値データを1更新することで前記第1の抽選用乱数及び第2の抽選用乱数とは別の乱数を生成する乱数生成処理を実行することを要旨とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、ハードウェア乱数を用いた抽選を活用することにより、当該抽選結果に基づく各種演出の興趣を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】遊技盤を示す正面図。
図2】パチンコ遊技機の電気的構成を示すブロック図。
図3】主制御基板の乱数生成回路の内部構成を示すブロック図。
図4】メイン処理を示すフローチャート。
図5】タイマ割込み処理を示すフローチャート。
図6】特別図柄入力処理を示すフローチャート。
図7】特別図柄開始処理を示すフローチャート。
図8】普図入力処理を示すフローチャート。
図9】普図開始処理を示すフローチャート。
図10】別例において、第1のカウンタと第2のカウンタに第1の手法を採用した際のブロック図。
図11】別例において、第1のカウンタと第2のカウンタに第2の手法を採用した際のブロック図。
図12】別例において、第1のカウンタと第2のカウンタに第3の手法を採用した際のブロック図。
図13】(a)〜(c)は、別例におけるランダムパターンの例を示す模式図。
図14】別例において、第1のカウンタと第2のカウンタに、第1の手法〜第3の手法を採用した際のブロック図。
図15】別例において、第1のカウンタに第1の手法及び第2の手法を採用し、第2のカウンタに第3の手法を採用した際のブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明をパチンコ遊技機に具体化した一実施形態を図1図9にしたがって説明する。
図1に示すように、パチンコ遊技機の遊技盤10のほぼ中央には、液晶ディスプレイ型の画像表示部GHを有する演出表示装置11が配設されている。演出表示装置11には、複数の図柄列(本実施形態では、3列)の図柄を変動表示させて行う演出図柄変動ゲームを含み、該演出図柄変動ゲームに関連して実行される各種の表示演出が画像表示される。本実施形態において演出表示装置11の演出図柄変動ゲームでは、複数列(本実施形態では、3列)の図柄からなる図柄組み合わせ(表示結果)を導出する。演出表示装置11の演出図柄変動ゲームは、表示演出を多様化するための飾り図柄(演出図柄)を用いて行われる。
【0020】
また、遊技盤10における右下方部には、7セグメント型の第1特別図柄表示装置12が配設されている。また、第1特別図柄表示装置12の右方には7セグメント型の第2特別図柄表示装置13が配設されている。
【0021】
第1特別図柄表示装置12や第2特別図柄表示装置13では、複数種類の特別図柄を変動させて表示する特別図柄変動ゲームが行われる。特別図柄は、大当りか否か(大当り抽選)などの内部抽選の結果を示す報知用の図柄である。なお、以下の説明において、第1特別図柄表示装置12にて行われる特別図柄変動ゲームを「第1特別図柄変動ゲーム」といい、第2特別図柄表示装置13にて行われる特別図柄変動ゲームを「第2特別図柄変動ゲーム」という。また、以下の説明において単に「特別図柄変動ゲーム」という場合には、第1特別図柄変動ゲーム及び第2特別図柄変動ゲームを意味する。
【0022】
本実施形態において第1特別図柄表示装置12及び第2特別図柄表示装置13には、複数種類の特別図柄の中から、大当り抽選の抽選結果に対応する1つの特別図柄が選択され、その選択された特別図柄が確定停止表示される。複数種類の特別図柄は、大当りを認識し得る大当り図柄と、はずれを認識し得るはずれ図柄と、に分類される。また、第1特別図柄表示装置12又は第2特別図柄表示装置13に大当り図柄が確定停止表示された場合、遊技者には、大当り遊技が付与される。
【0023】
また、本実施形態において演出表示装置11には、各列に[1]〜[8]の8種類の数字が飾り図柄として表示される。そして、演出表示装置11には、特別図柄表示装置12,13の表示結果に応じた表示結果が表示される。具体的には、第1特別図柄表示装置12又は第2特別図柄表示装置13に大当り図柄が確定停止表示される場合、原則として、演出表示装置11にも大当りの図柄組み合わせ(大当り表示結果)が確定停止表示される。本実施形態の大当りの図柄組み合わせは、全列の飾り図柄が同一の図柄組み合わせ([222][777]など)である。また、第1特別図柄表示装置12又は第2特別図柄表示装置13にはずれ図柄が確定停止表示される場合、演出表示装置11にもはずれの図柄組み合わせ(はずれ表示結果)が確定停止表示される。本実施形態のはずれの図柄組み合わせは、全列の飾り図柄が異なる図柄組み合わせ([123]など)、又は1列の飾り図柄が他の2列の飾り図柄と異なる図柄組み合わせ([122][767]など)である。
【0024】
また、本実施形態において、演出表示装置11における各列の飾り図柄は、特別図柄変動ゲームが開始すると、予め定めた変動方向(縦スクロール方向)に沿って変動表示されるようになっている。そして、各列の飾り図柄が変動を開始すると(演出図柄変動ゲームが開始すると)、演出表示装置11において遊技者側から見て左列(左図柄)→右列(右図柄)→中列(中図柄)の順に、変動表示された飾り図柄が一旦停止表示されるようになっている。そして、一旦停止表示された左図柄と右図柄が同一の場合には、その図柄組み合わせ([1↓1]など、「↓」は変動中を示す)からリーチ状態を認識できる。リーチ状態は、複数列のうち、特定列(本実施形態では、左列と右列)の飾り図柄が同一となって一旦停止表示され、かつ前記特定列以外の列(本実施形態では、中列)の飾り図柄が変動表示されている状態である。このリーチ状態を認識できる図柄組み合わせが飾り図柄によるリーチの図柄組み合わせとなる。
【0025】
なお、演出表示装置11における図柄(飾り図柄)の表示には、「変動表示」、「一旦停止表示」及び「確定停止表示」がある。演出表示装置11における飾り図柄の変動表示とは、飾り図柄の種類が変化して表示されている状態(表示)である。また、演出表示装置11における飾り図柄の一旦停止表示とは、確定停止していないことを報知するため一定の停止位置に停止されている飾り図柄が所定の動作(例えば、上下方向に揺れる)を伴って停止して表示されている状態である。また、演出表示装置11における飾り図柄の確定停止表示とは、飾り図柄が確定停止表示されたこと(特別図柄変動ゲームが終了したこと)を報知するため動作を伴わずに確定停止している状態である。
【0026】
また、第1特別図柄表示装置12及び第2特別図柄表示装置13における図柄(特別図柄)の表示には、「変動表示」及び「確定停止表示」がある。第1特別図柄表示装置12における特別図柄の変動表示とは、特別図柄の種類が変化しているように見せるため、7セグメント型の第1特別図柄表示装置12を形成する7つの発光体のうち少なくとも1つの発光体が点滅している状態である。また、第1特別図柄表示装置12における特別図柄の確定停止表示とは、7セグメント型の第1特別図柄表示装置12を形成する各発光体の点灯や消灯の組み合わせによって構成される特別図柄が表示されている状態である。同様に、第2特別図柄表示装置13における特別図柄の変動表示とは、特別図柄の種類が変化しているように見せるため、7セグメント型の第2特別図柄表示装置13を形成する7つの発光体のうち少なくとも1つの発光体が点滅している状態である。また、第2特別図柄表示装置13における特別図柄の確定停止表示とは、7セグメント型の第2特別図柄表示装置13を形成する各発光体の点灯や消灯の組み合わせによって構成される特別図柄が表示されている状態である。
【0027】
そして、第1特別図柄変動ゲームが終了する際には、演出表示装置11の飾り図柄と、第1特別図柄表示装置12の特別図柄が同時に確定停止表示する。同様に、第2特別図柄変動ゲームが終了する際には、演出表示装置11の飾り図柄と、第2特別図柄表示装置13の特別図柄が同時に確定停止表示する。
【0028】
また、本実施形態のパチンコ遊技機は、演出表示装置11にてリーチ演出を実行可能に構成されている。リーチ演出は、演出図柄変動ゲームにおいて、リーチの図柄組み合わせが一旦停止表示されてから、最終的に飾り図柄によって構成される図柄組み合わせ(表示結果)が導出されるまでの間に行われる演出である。このため、リーチ演出は、実行中の特別図柄変動ゲームが大当りとなるか否かを期待させるための演出となる。
【0029】
また、演出表示装置11の上方には、発光体(LED、ランプなど)の発光(点灯や点滅)により、発光演出を実行する発光手段としての装飾ランプSLが配設されている。
また、演出表示装置11の下方には、遊技球が入球するための第1入球口15を有する始動口としての第1始動口16が配設されている。第1始動口16の奥方には、第1始動口16に入球(入賞)した遊技球を検知する入球検知手段としての第1始動口スイッチSW1(図2に示す)が配設されている。本実施形態のパチンコ遊技機では、第1始動口スイッチSW1によって第1始動口16に入球した遊技球を検知することにより、第1特別図柄変動ゲームの始動条件を付与し得る。更に、第1始動口スイッチSW1によって第1始動口16に入球した遊技球を検知することにより、予め定めた個数(本実施形態では、3個)の遊技球を賞球として払い出す。
【0030】
また、第1始動口16の下方には、遊技球が入球するための第2入球口17を有する始動口としての第2始動口18が配設されている。第2始動口18は普通電動役物とされ、開閉羽根ソレノイドSOL1(図2に示す)の作動により開閉動作を行う開閉部材としての開閉羽根19を備えている。すなわち、本実施形態では、第2始動口18が開閉式始動口となる。第2始動口18は、開閉羽根19が開動作することにより入口が拡大されて遊技球が入球し易い開放状態とされる一方、開閉羽根19が閉動作することにより入口が拡大されず遊技球が入球し難い閉鎖状態とされる。すなわち、開閉羽根19は、第2始動口18の第2入球口17を、遊技球が入球し難い閉鎖状態(第1の状態)から遊技球が入球し易い開放状態(第2の状態)に可変させる。そして、第2始動口18の奥方には、第2始動口18に入球した遊技球を検知する入球検知手段としての第2始動口スイッチSW2(図2に示す)が配設されている。本実施形態のパチンコ遊技機では、第2始動口スイッチSW2で第2始動口18に入球した遊技球を検知することにより、第2特別図柄変動ゲームの始動条件を付与し得る。更に、第2始動口スイッチSW2によって第2始動口18に入球した遊技球を検知することにより、予め定めた個数(本実施形態では、1個)の遊技球を賞球として払い出す。
【0031】
また、第1特別図柄表示装置12の右方には、複数個(本実施形態では、2個)の第1特別図柄保留発光部20a,20bを備えた第1特別図柄保留表示装置20が配設されている。第1特別図柄保留表示装置20は、機内部で記憶した特別図柄用の第1始動保留球の記憶数(以下、「第1保留記憶数」という)を遊技者に報知する。第1保留記憶数は、第1始動口16に遊技球が入球することで1加算される一方で、第1特別図柄変動ゲームの開始により1減算される。したがって、特別図柄変動ゲーム中に第1始動口16へ遊技球が入球すると、第1保留記憶数は更に加算されるとともに、所定の上限数(本実施形態では、「4」)まで累積される。そして、本実施形態において左右に位置する2個の第1特別図柄保留発光部20a,20bは、第1保留記憶数に応じて点灯、点滅又は消灯する。なお、第1保留記憶数は、実行が保留されている第1特別図柄変動ゲームの数を示す。
【0032】
また、第2特別図柄表示装置13の右方には、複数個(本実施形態では、2個)の第2特別図柄保留発光部21a,21bを備えた第2特別図柄保留表示装置21が配設されている。第2特別図柄保留表示装置21は、機内部で記憶した特別図柄用の第2始動保留球の記憶数(以下、「第2保留記憶数」という)を遊技者に報知する。第2保留記憶数は、遊技盤10に配設した第2始動口18に遊技球が入球することで1加算される一方で、第2特別図柄変動ゲームの開始により1減算される。したがって、特別図柄変動ゲーム中に第2始動口18へ遊技球が入球すると、第2保留記憶数は更に加算されるとともに、所定の上限数(本実施形態では、「4」)まで累積される。そして、本実施形態において左右に位置する2個の第2特別図柄保留発光部21a,21bは、第2保留記憶数に応じて点灯、点滅又は消灯する。なお、第2保留記憶数は、実行が保留されている第2特別図柄変動ゲームの数を示す。
【0033】
また、第2始動口18の下方には、大入賞口ソレノイドSOL2(図2に示す)の作動により開閉動作を行う大入賞口扉22を備えた特別入賞手段としての大入賞口23が配設されている。大入賞口23の奥方には、入球した遊技球を検知するカウントスイッチSW3(図2に示す)が配設されている。本実施形態のパチンコ遊技機では、カウントスイッチSW3によって大入賞口23に入球した遊技球を検知することにより、予め定めた個数(本実施形態では、15個)の遊技球を賞球として払い出す。大入賞口23は、大当り遊技中に大入賞口扉22の開動作によって開放されることで遊技球の入球が許容される。このため、大当り遊技中、遊技者は、賞球を獲得できるチャンスを得ることができる。
【0034】
また、第1特別図柄保留表示装置20の右方には、複数個(本実施形態では、2個)の普図発光部24a,24bを備えた普図表示装置24が配設されている。普図表示装置24では、各普図発光部24a,24bの点灯や消灯の組み合わせによって構成される普通図柄(以下、「普図」という)を変動させて表示する普通図柄変動ゲーム(以下、「普図ゲーム」という)が行われる。普図は、普図当りか否かの内部抽選(普図当り抽選)の結果を示す報知用の図柄である。また、普図ゲームは、第2始動口18の開閉羽根19を開放状態とする普図当り遊技を付与するか否かの普図当り抽選(開放抽選)の抽選結果を導出するために行われる演出である。普図表示装置24には、普図当り抽選に当選した場合、普図当り抽選に当選したことを認識できる普通当り図柄が確定停止表示される。また、普図表示装置24には、普図当り抽選に当選しなかった場合(非当選の場合)、普図当り抽選に当選しなかったことを認識できる普通はずれ図柄が確定停止表示される。そして、普図当り抽選に当選すると(普通当り図柄が確定停止表示されると)、開閉羽根19の開放によって、第2始動口18に遊技球を入球させ易くなり、遊技者は、第2特別図柄変動ゲームの始動条件を容易に獲得できる機会を得ることができる。
【0035】
また、演出表示装置11の左方及び右方には、ゲート25がそれぞれ配設されている。ゲート25の奥方には、入球(通過)した遊技球を検知するゲート入球検知手段としての普図スイッチSW4(図2に示す)が配設されている。ゲート25は、入球した遊技球を普図スイッチSW4によって検知することにより、普図ゲームの始動条件を付与し得る。
【0036】
また、普図表示装置24の右方には、複数個(本実施形態では、2個)の普図保留発光部26a,26bを備えた普図保留表示装置26が配設されている。普図保留表示装置26は、機内部で記憶した普通図柄用の始動保留球の記憶数(以下、「普図保留記憶数」という)を遊技者に報知する。普図保留記憶数は、ゲート25に遊技球が入球することで1加算される一方で、普図ゲームの開始により1減算される。したがって、普図ゲーム中にゲート25に遊技球が入球すると、普図保留記憶数は更に加算されるとともに、所定の上限数(本実施形態では、「4」)まで累積される。そして、本実施形態における2個の普図保留発光部26a,26bは、普図保留記憶数に応じて点灯、点滅又は消灯する。なお、普図保留記憶数は、実行が保留されている普図ゲームの数を示す。
【0037】
また、本実施形態のパチンコ遊技機では、第1特別図柄変動ゲームと第2特別図柄変動ゲームが同時に実行され得ないように構成されている。一方、本実施形態のパチンコ遊技機では、特別図柄変動ゲームと普図ゲームは同時に実行可能に構成されている。また、本実施形態のパチンコ遊技機では、第2特別図柄変動ゲームの実行が保留されている場合(第2保留記憶数>1の場合)、第1特別図柄変動ゲームよりも第2特別図柄変動ゲームが優先して実行されるように構成されている。
【0038】
また、本実施形態のパチンコ遊技機では、大当り抽選の当選確率が、通常の低確率状態から、通常よりも高確率となる高確率状態へ変動(向上)する場合がある。大当り抽選の当選確率が低確率状態であるときは、大当り抽選の当選確率が高確率状態であるときよりも、大当り抽選に当選し難くなる。なお、本実施形態のパチンコ遊技機において、低確率状態であるときの大当り抽選の当選確率は「289/65536(=約1/226.77)」と定めており、高確率状態であるときの大当りの当選確率は「1093/65536(=約1/59.96)」と定めている。このように、大当り抽選の当選確率が高確率状態であるときは、大当り抽選の当選確率が高くなるため、大当り遊技が付与され易くなる。すなわち、大当り抽選の当選確率が高確率状態であるときは、遊技者にとって有利な状態といえる。なお、以下の説明において、大当り抽選の当選確率が高確率状態であることを「確変状態である」といい、大当り抽選の当選確率が低確率状態であることを「非確変状態である」又は「確変状態でない」という。
【0039】
また、確変状態は、大当り抽選の当選確率を維持すること(確率継続)と、大当り抽選の当選確率を変更すること(確率変更)と、のうち何れか一方を決定する転落抽選にて、確率変更が決定されるまでの間、継続する。この転落抽選は、特別図柄変動ゲームを実行させるための処理にて行われる。転落抽選にて確率変更が決定される確率(転落抽選の当選確率)は、確変状態であるときの大当り抽選の当選確率よりも低い確率に定められている。一方、転落抽選の当選確率は、非確変状態であるときの大当り抽選の当選確率よりも高い確率に定められている。具体的に本実施形態のパチンコ遊技機における転落抽選の当選確率は、1001/65536(=約1/65.47)に定められている。また、本実施形態において転落抽選は、確変状態であるときにのみ行われる。このように本実施形態では、転落抽選において確率変更が決定されなければ、確変状態であり続ける。なお、転落抽選にて確率変更が決定されなくても、大当り遊技が付与された場合には、確変状態から非確変状態へと切り替わる。そして、大当り遊技が終了すると、確変状態となる。以下の説明において、転落抽選にて確率変更が決定されることを「転落抽選に当選」といい、転落抽選にて確率継続が決定されることを「転落抽選に非当選」という場合がある。
【0040】
本実施形態において非確変状態であるときは、大当り抽選の抽選確率状態が低確率抽選状態であることに相当する。更に、本実施形態において確変状態であるときは、大当り抽選の抽選確率状態が高確率抽選状態であることに相当する。
【0041】
また、本実施形態のパチンコ遊技機では、遊技状態が、遊技者にとって有利な変動時間短縮状態(以下、「変短状態」という)となる場合がある。変短状態であるときは、変短状態でないとき(非変短状態であるとき)と比較して、普図ゲームの変動時間が短縮されるとともに、普図当り抽選の当選確率が低確率(通常確率)から高確率へ変動(向上)される。なお、本実施形態のパチンコ遊技機において、変短状態であるときの普図当り抽選(開放抽選)の当選確率は「65535/65536」、非変短状態であるときの普図当り抽選の当選確率は「8192/65536」としている。
【0042】
また、変短状態であるときは、変短状態でないときと比較して、開閉羽根19の開放時間が長くなる。このため、変短状態であるときは、変短状態でないときよりも単位時間あたりの開閉羽根19の開放時間が長くなる。このため、変短状態であるときには第2始動口18へ遊技球が入球する確率(入球率)が通常(非変短状態であるとき)よりも高確率となる。また、第1始動口16へ遊技球が入球する確率は、変短状態であるか否かに関係なく一定確率である。このため、変短状態であるときには、始動口16,18へ遊技球が入球する確率が通常よりも高確率となる入球率向上状態といえる。一方、非変短状態であるときは、始動口16,18へ遊技球が入球する確率が高確率でないため、非入球率向上状態といえる。
【0043】
また、変短状態は、大当り遊技終了後から予め決められた回数(本実施形態では、50回)の特別図柄変動ゲームの実行が終了するまでの間、又はそれまでに大当り遊技が付与されるまでの間、継続する。すなわち、大当り遊技の終了後から予め決められた回数の特別図柄変動ゲームの実行が終了した場合、又はそれまでに大当り遊技が付与された場合には、変短状態から非変短状態へと切り替わる。
【0044】
次に、本実施形態のパチンコ遊技機に規定する大当り遊技について説明する。
大当り遊技は、第1特別図柄表示装置12又は第2特別図柄表示装置13に大当り図柄が確定停止表示された後、開始される。大当り遊技が開始すると、最初に大当り遊技の開始を示すオープニング演出が行われる。オープニング演出終了後には、大入賞口23が開放されるラウンド遊技が予め定めた規定ラウンド数を上限として複数回行われる。1回のラウンド遊技中に大入賞口23は、規定個数(入球上限個数)の遊技球が入球するまでの間、又は規定時間(ラウンド遊技時間)が経過するまでの間、開放される。また、ラウンド遊技では、ラウンド演出が行われる。そして、予め定めた規定ラウンド数のラウンド遊技の終了後には、大当り遊技の終了を示すエンディング演出が行われ、大当り遊技は終了される。
【0045】
なお、本実施形態のパチンコ遊技機では、大当り抽選に当選した場合に、規定ラウンド数を「16回」とする16R大当り及び規定ラウンド数を「8回」とする8R大当りのうち何れか一方の大当りに基づく大当り遊技が付与される。なお、16R大当りに基づく大当り遊技と8R大当りに基づく大当り遊技における全てのラウンド遊技に設定されたラウンド遊技時間は同一時間(本実施形態では、25sec)となっている。このため、8R大当りよりも規定ラウンド数が多い16R大当りは、8R大当りよりも遊技者にとって有利な種類の大当りとなる。
【0046】
次に、パチンコ遊技機の制御構成を図2に基づき説明する。
パチンコ遊技機の機裏側には、遊技場の電源(例えば、AC24V)を、パチンコ遊技機を構成する各種構成部材に供給する電源基板28が装着されている。また、パチンコ遊技機の機裏側には、パチンコ遊技機全体を制御する主制御基板30が装着されている。主制御基板30は、パチンコ遊技機全体を制御するための各種処理を実行し、該処理結果に応じて遊技を制御するための各種の制御信号(制御コマンド)を演算処理し、該制御信号(制御コマンド)を出力する。また、パチンコ遊技機の機裏側には、演出制御基板31が装着されている。演出制御基板31は、主制御基板30が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、演出表示装置11の表示態様(背景などの表示画像)、装飾ランプSLの発光態様(点灯のタイミングなど)及び遊技盤10を装着する遊技枠に配設されている音声出力手段としてのスピーカSPの音声出力態様(音声出力のタイミングなど)を制御する。
【0047】
以下、電源基板28、主制御基板30、演出制御基板31の具体的な構成を説明する。
電源基板28には、遊技場の電源をパチンコ遊技機への供給電圧として電源電圧V1(例えば、DC30V)に変換処理する電源回路28aが設けられている。電源回路28aには、主制御基板30及び演出制御基板31が接続されている。そして、電源回路28aは、変換処理された後の電源電圧V1を主制御基板30及び演出制御基板31に対応する供給すべき所定の電源電圧V2,V3にさらに変換処理し、変換後の電源電圧V2,V3を主制御基板30及び演出制御基板31に供給するようになっている。
【0048】
また、電源基板28には、電源断監視回路28bが設けられている。電源断監視回路28bは、電源回路28aに接続されている。電源断監視回路28bは、電源回路28aから供給される電源電圧V1の電圧値を監視する。すなわち、電源断監視回路28bは、電源電圧V1が所定の電圧V(例えば、DC20V)に降下したか否かを判定している。なお、この電圧Vは、遊技に支障をきたすことなくパチンコ遊技機を動作させるために最低限必要な電圧である。ここで、電源電圧V1が電圧Vに降下するのは、例えば、電源断(電源OFF)時や停電時の場合である。この場合、パチンコ遊技機に電源が供給されなくなってしまうため、電源電圧V1から電圧Vに降下する。これとは逆に、電源投入(電源ON)時や復電(復旧電源)時の場合は、パチンコ遊技機に電源が供給されるので、電圧が上昇して電源電圧V1となる。
【0049】
また、電源基板28には、リセット信号回路28cが設けられている。リセット信号回路28cは、電源断監視回路28bに接続されている。電源断監視回路28bは、その判定結果が肯定(即ち、電源電圧V1≦電圧V)である場合に、主制御基板30及びリセット信号回路28cに対して電源電圧V1が電圧Vに降下したことを示す電源断信号を出力する。また、リセット信号回路28cは、電源供給の開始時(電源投入時或いは復電時)又は電源断信号の入力時に、主制御基板30及び演出制御基板31に対してリセット信号を出力し、主制御基板30及び演出制御基板31の動作を規制する。
【0050】
また、電源基板28は、例えば、電気二重層コンデンサからなるバックアップ用電源を備えている。そして、バックアップ用電源は、電源回路28aに接続されており、該電源回路28aから電源電圧が当該バックアップ用電源に供給される。また、電源基板28は、主制御基板30の主制御用RAM30cに記憶保持され、パチンコ遊技機の動作中に適宜書き換えられる各種制御情報(記憶内容)を消去したい場合に操作されるRAMクリアスイッチCSを備えている。そして、RAMクリアスイッチCSは、該RAMクリアスイッチCSの操作を受けて、記憶保持された記憶内容の消去(初期化処理)を指示する初期化指示信号を、主制御基板30に出力するためのRAMクリアスイッチ回路29が接続されている。本実施形態においてRAMクリアスイッチCSは、遊技者が操作不可能な位置となるパチンコ遊技機の機裏側に設けられている。そして、RAMクリアスイッチCSを操作すると、RAMクリアスイッチ回路29から初期化指示信号が出力される。そして、RAMクリアスイッチCSを操作しながら(操作と同時に)電源を投入すると、RAMクリアスイッチ回路29から初期化指示信号が出力されて、初期化処理が実行される。
【0051】
次に、主制御基板30の構成について、説明する。
主制御基板30には、主制御用CPU30a、主制御用ROM30b、主制御用RAM30c、乱数生成回路30d、リセット入力回路30e及び遊技開始信号生成回路30fが設けられている。本実施形態では、主制御用CPU30a、主制御用ROM30b、主制御用RAM30c及び乱数生成回路30dは、遊技制御用マイクロコンピュータに内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータは、1チップマイクロコンピュータである。
【0052】
主制御用CPU30aは、演算処理などの制御動作を所定の手順で実行する。また、主制御用ROM30bには、主制御用CPU30aの制御プログラム(動作用プログラム)が格納(記憶)されている。また、主制御用RAM30cは、演算処理に伴うデータを一時的に格納することができる。また、乱数生成回路30dでは、ハードウェア乱数が生成される。
【0053】
図3に示すように乱数生成回路30dは、クロック発振器CH、第1のカウンタCt1、第2のカウンタCt2、第1のラッチ回路La1及び第2のラッチ回路La2から構成されている。クロック発振器CHは、クウォーツ発振回路等によって一定の振動数(発振周波数)で発生する電気的信号を「クロック信号」として、第1のカウンタCt1と第2のカウンタCt2へ出力する。
【0054】
また、第1のカウンタCt1と第2のカウンタCt2は、16ビットカウンタである。2の16乗が65536であることから、第1のカウンタCt1と第2のカウンタCt2では、0〜65535の範囲の値をカウントする。また、第1のカウンタCt1と第2のカウンタCt2は、クロック発振器CHからのクロック信号を入力する毎に、1カウントする。
【0055】
因みに、本実施形態におけるクロック発振器CHの発振周波数は、10MHzに設定されている。このため、第1のカウンタCt1及び第2のカウンタCt2は、それぞれ0.1μsec毎に1カウントする。すなわち、65536通りの乱数値をカウントし、一巡するまでに要する時間は、約6.6msecである。また、第1のカウンタCt1と第2のカウンタCt2は、上限となる65535までカウントした場合、0に戻って値をカウントする。また、第1のカウンタCt1と第2のカウンタCt2は、65536通りの乱数値をカウントし終わると、無作為にハードウェア初期値を決め、当該値から順にカウントをする。
【0056】
例えば、第1のカウンタCt1は、0から順に65535までカウントした後、「2012」をハードウェア初期値として決めた場合、2012から順に65535までカウントした後、0に戻って、0〜2011までカウントする。すなわち、第1のカウンタCt1や第2のカウンタCt2では、カウント周期毎に、カウントする乱数の順序(並び)が異なり得る。つまり、先の例によれば、初めのカウント周期目では最初にカウントする値が「0」である一方、次のカウント周期では「2012」を最初にカウントする。
【0057】
また、第1のカウンタCt1と第2のカウンタCt2では、各別に値がカウントされ、各別に値が生成される。また、第1のカウンタCt1と第2のカウンタCt2では、それぞれ別々にハードウェア初期値が決められる。このため、各カウンタCt1,Ct2にてカウントしている値が同値となる可能性は極めて低い。なお、本実施形態では、第1のカウンタCt1が、第1の乱数生成器として機能する。すなわち、本実施形態において「第1の数値範囲」とは、「0〜65535」の数値範囲をいう。また、本実施形態では、第2のカウンタCt2が、第2の乱数生成器として機能する。すなわち、本実施形態において「第2の数値範囲」とは、「0〜65535」の数値範囲をいう。また、第1のカウンタCt1や第2のカウンタCt2がカウントする値が、数値データに相当する。
【0058】
また、第1のカウンタCt1には第1のラッチ回路La1が接続されている。また、第2のカウンタCt2には第2のラッチ回路La2が接続されている。第1のラッチ回路La1及び第2のラッチ回路La2には、第1始動口16や第2始動口18への遊技球の入球が検知されたタイミングと略同時期に出力される始動口用ラッチ信号を入力可能に構成されている。また、第2のラッチ回路La2には、ゲート25への遊技球の入球が検知されたタイミングと略同時期に出力されるゲート用ラッチ信号を入力可能に構成されている。なお、始動口用ラッチ信号及びゲート用ラッチ信号は、主制御用CPU30aによって出力される。
【0059】
第1のラッチ回路La1は、始動口用ラッチ信号を入力した際、当該入力時に第1のカウンタCt1にてカウントしている値をバッファにラッチする。同様に、第2のラッチ回路La2は、始動口用ラッチ信号やゲート用ラッチ信号を入力した際、当該入力時に第2のカウンタCt2にてカウントしている値をバッファにラッチする。
【0060】
そして、本実施形態のパチンコ遊技機では、始動口用ラッチ信号の入力を契機に第1のラッチ回路La1にラッチされた値は、大当り判定用乱数の値として使用される。また、始動口用ラッチ信号の入力を契機に第2のラッチ回路La2にラッチされた値は、転落抽選用乱数の値として使用される。また、ゲート用ラッチ信号の入力を契機に第2のラッチ回路La2にラッチされた値は、普図当り判定用乱数の値として使用される。大当り判定用乱数は、大当り抽選に用いる乱数である。転落抽選用乱数は、転落抽選に用いる乱数である。普図当り判定用乱数は、普図当り抽選に用いる乱数である。
【0061】
また、リセット入力回路30eは、電源基板28のリセット信号回路28cに接続されている。そして、リセット入力回路30eは、リセット信号回路28cが出力したリセット信号を入力する。また、リセット入力回路30eは、入力したリセット信号回路28cからのリセット信号を主制御用CPU30aに出力する。
【0062】
また、遊技開始信号生成回路30fは、パチンコ遊技機に電源投入されてから遊技を可能とするまでの時間を遅延させる。なお、「遊技を可能とする」とは、後述するタイマ割込み処理を行うことが可能とすることを意味しており、当該タイマ割込み処理ではパチンコ遊技機における遊技の展開、進行を行うための処理である。また、遊技開始信号生成回路30fでは、パチンコ遊技機に電源が投入された場合、無作為に遅延時間が決められる。そして、遅延時間の経過後、遊技開始信号生成回路30fは、遊技を可能とすることを指示する遊技開始信号を主制御用CPU30aに出力する。
【0063】
また、主制御用CPU30aには、各種スイッチSW1〜SW4が遊技球を検知して出力する検知信号を入力可能に接続されている。また、主制御用CPU30aには、第1特別図柄表示装置12、第2特別図柄表示装置13、第1特別図柄保留表示装置20、第2特別図柄保留表示装置21、普図表示装置24、普図保留表示装置26が接続されている。また、主制御用CPU30aには、開閉羽根ソレノイドSOL1及び大入賞口ソレノイドSOL2が接続されている。
【0064】
また、主制御用ROM30bには、メイン制御プログラムが記憶されている。主制御用ROM30bに記憶されているメイン制御プログラムには、変短状態とする制御を行なうための制御プログラムや、確変状態とする制御を行なうための制御プログラム、大入賞口23を開放させるための制御プログラムなどがある。そして、主制御用CPU30aは、制御プログラムに基づき、各種遊技にかかる制御(例えば、変短状態とする制御)を行う。
【0065】
また、主制御用ROM30bには、複数種類の変動パターンが記憶されている。変動パターンは、特別図柄変動ゲームが開始してから当該特別図柄変動ゲームが終了するまでの演出時間(変動時間)等の変動内容を特定し得る。また、変動パターンには、大当りのときに決定される大当り演出用の変動パターンと、はずれのときに決定されるはずれ演出用の変動パターンがある。また、はずれ演出用の変動パターンには、リーチ演出を実行させるためのはずれリーチ演出用の変動パターンと、リーチ演出を実行させないはずれ通常演出用の変動パターンと、がある。
【0066】
また、主制御用RAM30cには、所定の周期(ハードウェア乱数の値が更新される時間(0.1μsec)よりも長い時間)毎に、主制御用CPU30aが行う処理によって値が更新されるソフトウェア乱数が記憶されている。なお、本実施形態のパチンコ遊技機において主制御用RAM30cには、4種類の第1のソフトウェア乱数〜第4のソフトウェア乱数が記憶されている。
【0067】
また、本実施形態において、第1のソフトウェア乱数が取り得る数値範囲は、0〜99までの100通りの整数と定められている。また、第2のソフトウェア乱数が取り得る数値範囲は、0〜99までの100通りの整数と定められている。すなわち、第1のソフトウェア乱数と第2のソフトウェア乱数は、それぞれ同じ数値範囲の値を取り得る。また、第3のソフトウェア乱数が取り得る数値範囲は、0〜238までの239通りの整数と定められている。また、第4のソフトウェア乱数が取り得る数値範囲は、0〜240までの241通りの整数と定められている。
【0068】
そして、本実施形態のパチンコ遊技機において、第1のソフトウェア乱数は特別図柄振分用乱数として使用され、第2のソフトウェア乱数は特別図柄初期値用乱数として使用される。また、本実施形態において第3のソフトウェア乱数はリーチ判定用乱数として使用され、第4のソフトウェア乱数は変動パターン振分用乱数として使用される。特別図柄振分用乱数は、大当り抽選に当選した場合の大当りの種類を決定する際に用いる乱数である。特別図柄初期値用乱数は、特別図柄振分用乱数をカウントする際の初期値を決定する際に用いる乱数である。リーチ判定用乱数は、大当り抽選に非当選の場合にリーチ演出を実行するか否かを決定するためのリーチ抽選(リーチ判定)に用いる乱数である。変動パターン振分用乱数は、変動パターンを決定する際に用いる乱数である。
【0069】
また、主制御用ROM30bには、各種の判定値(大当り判定値など)が記憶されている。例えば、主制御用ROM30bには、大当り判定値が記憶されている。大当り判定値は、大当り抽選で用いる判定値である。また、大当り判定値は、大当り判定用乱数として取得する第1のカウンタCt1がカウント可能な数値範囲(0〜65535の整数)内の中から定められている。なお、確変状態であるときの大当り判定値の個数は、非確変状態であるときの大当り判定値の個数よりも多くなっている。それとともに、確変状態であるときの大当り判定値には、非確変状態であるときの大当り判定値が含まれるように、大当り判定値としての値が定められている。
【0070】
また、主制御用ROM30bには、第2の状態判定値としての普図当り判定値が記憶されている。普図当り判定値は、普図当り抽選で用いる判定値である。また、普図当り判定値は、普図当り判定用乱数として取得する第2のカウンタCt2がカウント可能な数値範囲(0〜65535の整数)内の中から定められている。なお、変短状態であるときの普図当り判定値の個数は、非変短状態であるときの普図当り判定値よりも多くなっている。それとともに、変短状態であるときの普図当り判定値には、非変短状態であるときの普図当り判定値が含まれるように、普図当り判定値としての値が定められている。
【0071】
また、主制御用ROM30bには、転落判定値が記憶されている。転落判定値は、転落抽選で用いる判定値である。また、転落判定値は、転落抽選用乱数として取得する第2のカウンタCt2がカウント可能な数値範囲内の中から定められている。
【0072】
また、主制御用ROM30bには、リーチ判定値が記憶されている。リーチ判定値は、リーチ抽選で用いる判定値であり、リーチ判定用乱数として取得する第3のソフトウェア乱数としてカウント可能な数値範囲内の中から定められている。
【0073】
また、主制御用RAM30cには、パチンコ遊技機の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)される。例えば、主制御用RAM30cには、確変状態であるか否かを示す値が設定される確変フラグが記憶されている。確変フラグには、確変状態であるとき「1」が設定される一方、非確変状態であるとき「0」が設定される。また、主制御用RAM30cには、変短状態であるか否かを示す値が設定される作動フラグが記憶されている。また、主制御用RAM30cには、大当り遊技終了後から実行が終了した特別図柄変動ゲームの回数が予め決められた回数(本実施形態では、50回)に達するまでの回数をカウントする作動リミッタが記憶されている。
【0074】
また、主制御用RAM30cには、電源基板28のバックアップ用電源が接続されている。そして、主制御用RAM30cは、電源電圧V1(電源)の遮断時(電圧Vへの降下時)において、バックアップ用電源から供給される電源電圧(例えば、DC5V)に基づき各種制御情報を記憶保持可能に構成されている。このため、電源遮断時における遊技状態や遊技内容をバックアップすることが可能となる。
【0075】
次に、図2に示す演出制御基板31について説明する。
図2に示すように、演出制御基板31には、制御動作を所定の手順で実行する演出制御用CPU31aと、演出制御用CPU31aの制御プログラムを格納する演出制御用ROM31bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる演出制御用RAM31cが設けられている。また、演出制御用CPU31aには、演出表示装置11が接続されている。また、演出制御用CPU31aには、装飾ランプSLが接続されている。また、演出制御用CPU31aには、スピーカSPが接続されている。また、演出制御用ROM31bには、各種の画像表示用データ(図柄、背景、文字、キャラクタなどの画像データ)、各種の発光用データ及び各種の音声用データが記憶されている。また、演出制御用RAM31cには、パチンコ遊技機の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)される。
【0076】
次に、主制御基板30の主制御用CPU30aが実行する各種処理について説明する。
主制御用CPU30aは、電源断監視回路28bから電源断信号を入力すると、主制御用ROM30bに格納された制御プログラムのうちの電源断処理プログラムに基づき、バックアップ処理を実行する。即ち、主制御用CPU30aは、電源断信号の入力を契機にバックアップ処理を実行し、電源断信号を入力していない場合にはバックアップ処理を実行しない。バックアップ処理にて主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶保持されている確変フラグに設定されている値などの各種制御情報に加えて、レジスタ及びスタックポインタなどの制御情報を主制御用RAM30cに記憶保持させる。また、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cのチェックサムを算出して保存する。また、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cにバックアップフラグを設定する。なお、バックアップフラグは、パチンコ遊技機への電源投入時に主制御用RAM30cに記憶保持されている各種制御情報が正しいか否かを判定するためのフラグである。
【0077】
その後、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cへのアクセスを禁止し、リセット入力回路30eがリセット信号回路28cによって出力されるリセット信号を入力するまで待機する。そして、主制御用CPU30aは、リセット信号を入力すると、主制御用CPU30aの動作を規制する。電源断後は、電源基板28のバックアップ用電源から主制御用RAM30cへ電源が供給され、電源断時における主制御用RAM30cの記憶内容がバックアップデータとして記憶保持される。
【0078】
次に、メイン制御プログラムに基づく電源投入時のメイン処理について説明する。
主制御基板30のリセット入力回路30eは、電源供給の開始に伴いリセット信号回路28cから出力されたリセット信号を入力すると、主制御用CPU30aに対して所定の規制時間の間、リセット信号を継続出力する。そして、リセット信号回路28cからのリセット信号の出力が停止されて、主制御用CPU30aへのリセット信号の入力が停止すると、主制御用CPU30aは起動し、メイン制御プログラムに基づくメイン処理を実行する。
【0079】
図4に示すように、主制御用CPU30aは、メイン制御プログラムに基づき、まず、タイマ割込み処理の割込みを禁止するとともに(ステップMA1)、CPU内蔵のRAMのアクセスを許可し(ステップMA2)、更にCPU周辺デバイスとウォッチドッグタイマの初期設定を行い(ステップMA3,MA4)、電源投入時に必要な各種設定を行う。次に、主制御用CPU30aは、RAMクリアスイッチCSが操作されているか否かを確認する(ステップMA5)。すなわち、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶保持された各種制御情報の消去を指示する初期化指示信号を入力したか否かを判定する。なお、主制御用CPU30aは、RAMクリアスイッチCSが操作されているか否かの確認を電源投入時にしか行わない。
【0080】
ステップMA5の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、パチンコ遊技機の電源断時に主制御用RAM30cに設定されるバックアップフラグを確認し、該バックアップフラグが正常か否かを判定する(ステップMA6)。すなわち、主制御用CPU30aは、正常にバックアップの処理が行われているか否かを判定する。そして、主制御用CPU30aは、ステップMA6の判定結果が肯定の場合にはステップMA7の処理へと移行し、ステップMA6の判定結果が否定の場合にはステップMA16の処理へと移行する。
【0081】
ステップMA7にて主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cのチェックサムを算出する。その後、主制御用CPU30aは、算出したチェックサムが電源断時に算出したチェックサムの値と一致するか否かを判定する(ステップMA8)。このように、ステップMA6及びステップMA8の処理により、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶保持された各種制御情報が存在するか否かと、また記憶保持された各種制御情報が存在する場合には記憶保持された各種制御情報に異常があるか否かを判定する。そして、これらの判定結果が肯定、即ち、主制御用RAM30cに記憶保持された各種制御情報に異常がある場合、主制御用CPU30aはステップMA16の処理へ移行して主制御用RAM30cの記憶内容を初期化する。
【0082】
なお、ステップMA8の判定結果が肯定となる場合としては、電源断時に電源断処理プログラムを実行したものの、バックアップ処理が正常に行われなかった場合やバックアップ処理後にノイズ等によって、記憶内容に異常が発生した場合などがある。このような場合には、バックアップフラグやチェックサムが異常(異常値)を示すことになる。その他にも、電源が遮断されていない時に、主制御用CPU30aがリセット信号を入力し、メイン制御プログラムを最初から実行した場合、すなわち、主制御用CPU30aが再起動した場合などがある。この場合にはバックアップ処理を実行していないことから、バックアップフラグは設定されていない。主制御用CPU30aが再起動する要因としては、電源基板28のリセット信号回路28cの誤動作、又はリセット信号と同様の機能(役割)を果たす類似の制御信号(以下、「不正リセット信号」という)が出力されたことが考えられる。なお、この不正リセット信号は、不正に取り付けられた不正基板から出力される制御信号をいう。
【0083】
メイン制御プログラムの説明に戻り、主制御用CPU30aは、ステップMA8の判定結果が肯定の場合にはステップMA9の処理へ移行し、ステップMA8の判定結果が否定の場合にはステップMA16の処理へ移行する。主制御用CPU30aは、ステップMA5の判定結果が肯定、ステップMA6の判定結果が否定又はステップMA8の判定結果が否定の場合には主制御用RAM30cに記憶されているバックアップデータを消去し、初期値に基づきパチンコ遊技機を起動させる(ステップMA16以降の処理)。その一方で、主制御用CPU30aは、ステップMA8の判定結果が肯定の場合には前記バックアップデータの設定値に基づきパチンコ遊技機を起動させる(ステップMA9以降の処理)。
【0084】
ステップMA8の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、RAMクリアスイッチCSが操作されておらず、かつ正常にバックアップが行われていることから、ステップMA9以降で復電時の処理を行う。ステップMA9にて主制御用CPU30aは、電源断前のスタックポインタを復帰させる。次に、主制御用CPU30aは、演出制御基板31に対して電源断時の遊技状態(確変状態や変短状態などを含む)に復帰させるための復帰コマンドを送信する(ステップMA10)。この復帰コマンドにより演出制御基板31は、電源断時の遊技状態を報知させる。次に、主制御用CPU30aは、割込みのインターバルタイマを設定(例えば、4ms)するとともに(ステップMA11)、電源断前のレジスタを復帰する(ステップMA12)。次に、主制御用CPU30aは、電源断前に割込みが許可されていたか否かを判定する(ステップMA13)。主制御用CPU30aは、ステップMA13の判定結果が肯定の場合には割込み許可を設定するとともに(ステップMA14)、前記判定結果が否定の場合には割込みを許可せずにステップMA15の処理へ移行し、割込みの許可/不許可(禁止)を電源断前の状態に復帰させる。そして、主制御用CPU30aは、ステップMA15にて電源断前のアドレスを設定し、その設定したアドレスへ戻る。
【0085】
一方、ステップMA16において主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cの初期化処理を行う。この処理は、最初の電源投入時、RAMクリアスイッチCSが操作された時、及びバックアップが異常である時に行う。ステップMA16にて主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている記憶内容を全てクリアする。すなわち、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cの全記憶領域に記憶されている各種制御情報を消去(クリア)する。このステップMA16の処理により、第1のソフトウェア乱数〜第4のソフトウェア乱数の初期値として「0(零)」が設定される。次に、主制御用CPU30aは、スタックポインタに8000Hを設定する(スタックポインタを初期設定する)(ステップMA17)。その後、主制御用RAM30cに初期値を設定する(ステップMA18)。
【0086】
次に、主制御用CPU30aは、遊技開始信号生成回路30fによって出力される遊技開始信号を入力したか否かを判定する(ステップMA19)。このステップMA9の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、遅延時乱数更新処理を行い(ステップMA20)、再びステップMA19の判定処理を行う。すなわち、主制御用CPU30aは、遊技開始信号を入力するまでの間、ステップMA20における遅延時乱数更新処理の実行を繰り返す。なお、ステップMA20において主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている第1のソフトウェア乱数〜第4のソフトウェア乱数の全てのソフトウェア乱数の値に1を加算し、各ソフトウェア乱数の値を更新する。なお、1周期の第1のソフトウェア乱数の更新が終了すると、当該終了時における第2のソフトウェア乱数の値を初期値として、再び第1のソフトウェア乱数の値が更新される。
【0087】
また、遊技開始信号を入力してステップMA19の判定結果が肯定となった場合、主制御用CPU30aは、割込みのインターバルタイマ(例えば、4ms)を設定する(ステップMA21)。そして、主制御用CPU30aは、ステップMA22で割込みを禁止に設定するとともに、ステップMA23で待機時間乱数更新処理を実行し、さらにステップMA24で割込みを許可に設定する。また、主制御用CPU30aは、ステップMA22〜ステップMA24の処理を繰り返し実行する。
【0088】
また、本実施形態のパチンコ遊技機では、割込みを許可に設定されているとき、主制御用CPU30aが、所定の周期(4msec)毎に、タイマ割込み処理を実行する。
そして、タイマ割込み処理が行われてから4msecが経過するまでの間、主制御用CPU30aは、ステップMA23における待機時間乱数更新処理が繰り返し実行する。すなわち、待機時間乱数更新処理は、タイマ割込み処理の実行後、次のタイマ割込み処理が行われるまでの間、ソフトウェア乱数の値を更新するための処理である。また、ステップMA23が繰り返し実行される時間(回数)は、タイマ割込み処理に要する時間に応じて変動する。つまり、例えば、遊技が行われていない時などタイマ割込み処理に要する時間が短い場合には、待機時間乱数更新処理が繰り返し実行される回数が多くなる。一方、例えば、図柄変動ゲームの開始時など処理量が多くタイマ割込み処理に要する時間が長い場合には、待機時間乱数更新処理が繰り返し実行される回数が少なくなる。
【0089】
なお、この待機時間乱数更新処理では、第1のソフトウェア乱数〜第4のソフトウェア乱数のうち一部のソフトウェア乱数の値のみが更新される。本実施形態において待機時間乱数更新処理では、特別図柄振分用乱数として用いられる第1のソフトウェア乱数以外の第2のソフトウェア乱数〜第4のソフトウェア乱数の値が更新される。
【0090】
次に、タイマ割込み処理について、図5に基づき説明する。
図5に示すようにタイマ割込み処理において主制御用CPU30aは、最初にウォッチドッグタイマをクリアする(ステップMB1)。その次に、主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理を行う(ステップMB2)。その後、主制御用CPU30aは、割込み時乱数更新処理を行う(ステップMB3)。なお、ステップMB3において主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている第1のソフトウェア乱数〜第4のソフトウェア乱数の全てのソフトウェア乱数の値に1を加算し、各ソフトウェア乱数の値を更新する。そして、1周期の第1のソフトウェア乱数の更新が終了すると、当該終了時における第2のソフトウェア乱数の値を初期値とする。
【0091】
また、ステップMB3の処理を終えた主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を行う(ステップMB4)。その後、主制御用CPU30aは、大当り遊技中処理を行う(ステップMB5)。ステップMB5において主制御用CPU30aは、大入賞口23の開放及び閉鎖にかかる制御を行い、大当り遊技を付与する。
【0092】
また、ステップMB5の処理を終えた主制御用CPU30aは、普図入力処理を行い(ステップMB6)、その後、普図開始処理を行う(ステップMB7)。また、普図開始処理を行った後、主制御用CPU30aは、普図当り遊技中処理を行い(ステップMB8)、タイマ割込み処理を終了する。ステップMB8において主制御用CPU30aは、開閉羽根19の開放及び閉鎖にかかる制御を行い、普図当り遊技を付与する。なお、ステップMB8において主制御用CPU30aは、変短状態であるときには、非変短状態であるときよりも開閉羽根19の1回あたりの開放時間が長くなるように、開閉羽根19の開放を制御する。
【0093】
ここで、ステップMB2にて行われる特別図柄入力処理について、図6に基づき説明する。
図6に示すように、特別図柄入力処理において主制御用CPU30aは、第1始動口16に遊技球が入球したか否かを判定する(ステップMC1)。すなわち、ステップMC1において主制御用CPU30aは、第1始動口スイッチSW1が遊技球を検知したときに出力する検知信号を入力したか否かを判定する。そして、ステップMC1の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、ステップMC5の処理へ移行する。一方、ステップMC1の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている第1保留記憶数が上限数の4未満であるか否かを判定する(ステップMC2)。ステップMC2の判定結果が否定(第1保留記憶数=4)の場合、主制御用CPU30aは、ステップMC5の処理へ移行する。
【0094】
一方、ステップMC2の判定結果が肯定(第1保留記憶数<4)の場合、主制御用CPU30aは、第1保留記憶数に1加算し、第1保留記憶数を書き換える(ステップMC3)。また、主制御用CPU30aは、1加算後の第1保留記憶数を表すように第1特別図柄保留表示装置20の表示内容を変更する。続いて、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cと、乱数生成回路30dの第1のラッチ回路La1や第2のラッチ回路La2から各種乱数の値を取得し、主制御用RAM30cの所定の記憶領域(第1保留記憶数に対応する記憶領域)に記憶する(ステップMC4)。
【0095】
ステップMC4において主制御用CPU30aは、第1のラッチ回路La1と第2のラッチ回路La2に対して始動口用ラッチ信号を出力する。そして、主制御用CPU30aは、第1のラッチ回路La1にてラッチされた値を、大当り判定用乱数の値として取得する。それとともに、主制御用CPU30aは、第2のラッチ回路La2にてラッチされた値を、転落抽選用乱数の値として取得する。また、ステップMC4において主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cから第1のソフトウェア乱数の値を特別図柄振分用乱数の値として取得する。それとともに、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cから第3のソフトウェア乱数の値をリーチ判定用乱数の値として取得する。また、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cから第4のソフトウェア乱数の値を変動パターン振分用乱数の値として取得する。そして、ステップMC4の処理を行った後、主制御用CPU30aは、ステップMC5の処理へ移行する。
【0096】
ステップMC5において主制御用CPU30aは、第2始動口18に遊技球が入球したか否かを判定する。すなわち、ステップMC5において主制御用CPU30aは、第2始動口スイッチSW2が遊技球を検知したときに出力する検知信号を入力したか否かを判定する。そして、ステップMC5の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理を終了する。一方、ステップMC5の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている第2保留記憶数が上限数の4未満であるか否かを判定する(ステップMC6)。ステップMC6の判定結果が否定(第2保留記憶数=4)の場合、主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理を終了する。
【0097】
一方、ステップMC6の判定結果が肯定(第2保留記憶数<4)の場合、主制御用CPU30aは、第2保留記憶数に1加算し、第2保留記憶数を書き換える(ステップMC7)。また、主制御用CPU30aは、1加算後の第2保留記憶数を表すように第2特別図柄保留表示装置21の表示内容を変更する。続いて、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cと、乱数生成回路30dの第1のラッチ回路La1や第2のラッチ回路La2から各種乱数の値を取得し、主制御用RAM30cの所定の記憶領域(第2保留記憶数に対応する記憶領域)に記憶する(ステップMC8)。ステップMC8において主制御用CPU30aは、ステップMC4と同様に、第1のラッチ回路La1にてラッチされた値を、大当り判定用乱数の値として取得する。それとともに、主制御用CPU30aは、第2のラッチ回路La2にてラッチされた値を、転落抽選用乱数の値として取得する。また、ステップMC4において主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cから第1のソフトウェア乱数の値を特別図柄振分用乱数の値として取得する。それとともに、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cから第3のソフトウェア乱数の値をリーチ判定用乱数の値として取得する。また、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cから第4のソフトウェア乱数の値を変動パターン振分用乱数の値として取得する。そして、ステップMC8の処理を行った後、主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理を終了する。
【0098】
このように、特別図柄入力処理において、第1のラッチ回路La1から大当り判定用乱数の値を取得する主制御用CPU30aが、本実施形態において第1の乱数取得手段として機能する。また、特別図柄入力処理において第2のラッチ回路La2から転落抽選用乱数の値を取得する主制御用CPU30aが、本実施形態において第2の乱数取得手段として機能する。
【0099】
次に、ステップMB4にて行われる特別図柄開始処理について、図7に基づき説明する。
図7に示すように、特別図柄開始処理において主制御用CPU30aは、特別図柄変動ゲーム中又は大当り遊技中であるか否かを判定する(ステップMD1)。ステップMD1の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。一方、ステップMD1の判定結果が否定の場合、つまり、特別図柄変動ゲーム中でなく、且つ大当り遊技中でもない場合、主制御用RAM30cから第2保留記憶数を読み出し、当該読み出した第2保留記憶数が「0(零)」よりも大きいか否かを判定する(ステップMD2)。ステップMD2の判定結果が肯定(第2保留記憶数>0)の場合、主制御用CPU30aは、ステップMD4の処理へと移行する。一方、ステップMD2の判定結果が否定(第2保留記憶数=0)の場合、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cから第1保留記憶数を読み出し、当該読み出した第1保留記憶数が「0(零)」よりも大きいか否かを判定する(ステップMD3)。そして、ステップMD3の判定結果が否定(第1保留記憶数=0)の場合、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。一方、ステップMD3の判定結果が肯定(第1保留記憶数>0)の場合、主制御用CPU30aは、ステップMD4の処理へと移行する。
【0100】
ステップMD4において主制御用CPU30aは、保留記憶数から1減算する。なお、ステップMD2の判定結果が肯定となってステップMD4の処理を行う場合、主制御用CPU30aは、第2保留記憶数から1減算する。一方、ステップMD3の判定結果が肯定となってステップMD4の処理を行う場合、主制御用CPU30aは、第1保留記憶数から1減算する。また、ステップMD4において主制御用CPU30aは、第1保留記憶数を減算した場合、減算後の第1保留記憶数を表すように第1特別図柄保留表示装置20の表示内容を制御する。また、主制御用CPU30aは、第2保留記憶数を減算した場合、減算後の第2保留記憶数を表すように第2特別図柄保留表示装置21の表示内容を制御する。その後、主制御用CPU30aは、所定の記憶領域に記憶されている各種乱数(大当り判定用乱数、転落抽選用乱数、特別図柄振分用乱数、リーチ判定用乱数及び変動パターン振分用乱数)の値を読み出す(ステップMD5)。
【0101】
その後、主制御用CPU30aは、確変状態であるか否かを判定する(ステップMD6)。ステップMD6において主制御用CPU30aは、確変フラグに確変状態であることを示す値「1」が設定されているか否かを判定する。そして、ステップMD6の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、ステップMD9の処理へ移行する。一方、ステップMD6の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、読み出した転落抽選用乱数の値が、主制御用ROM30bに記憶されている転落判定値と一致するか否かを判定し(ステップMD7)、転落抽選を行う。
【0102】
そして、ステップMD7の判定結果が否定(転落抽選に非当選)の場合、主制御用CPU30aは、ステップMD9の処理へ移行する。一方、ステップMD7の判定結果が肯定(転落抽選に当選)の場合、主制御用CPU30aは、確変フラグに確変状態でないことを示す値「0」を設定する(ステップMD8)。すなわち、ステップMD8において主制御用CPU30aは、確変フラグに設定されている値を「1」から「0」に変更して設定する。その後、主制御用CPU30aは、ステップMD9の処理へ移行する。
【0103】
ステップMD9において主制御用CPU30aは、読み出した大当り判定用乱数の値が、主制御用ROM30bに記憶されている大当り判定値と一致するか否かを判定し、大当り抽選を行う。このとき、主制御用CPU30aは、確変状態であるときは高確率状態の当選確率で大当り抽選を行い、確変状態でないときは低確率状態の当選確率で大当り抽選を行う。
【0104】
また、ステップMD9の判定結果が肯定(大当り抽選に当選)の場合、主制御用CPU30aは、読み出した特別図柄振分用乱数の値に基づき、大当り図柄を決定する(ステップMD10)。ステップMD10において主制御用CPU30aは、16R大当りに分類される大当り図柄と8R大当りに分類される大当り図柄の中から1つの大当り図柄を決定する。このステップMD10の処理により、大当りの種類が決定される。すなわち、ステップMD10の処理により、大当り抽選に当選した場合の特典の内容(遊技特典)が決定される。その後、主制御用CPU30aは、読み出した変動パターン振分用乱数の値に基づき、複数種類の大当り演出用の変動パターンの中から変動パターンを決定する(ステップMD11)。
【0105】
その後、ステップMD11にてメイン変動パターンを決定した主制御用CPU30aは、演出制御用CPU31aに対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する等、特別図柄変動ゲームにかかわる各種処理を実行する(ステップMD12)。具体的には、主制御用CPU30aは、少なくとも変動パターンを指定するとともに、特別図柄変動ゲームの実行が開始することを示す変動パターン指定コマンドを最初に出力する。同時に、主制御用CPU30aは、特別図柄を変動表示させて特別図柄変動ゲームを開始させるように第1特別図柄表示装置12又は第2特別図柄表示装置13の表示内容を制御する。因みに、主制御用CPU30aは、第1特別図柄変動ゲームを開始させる場合には第1特別図柄表示装置12の表示内容を制御する一方、第2特別図柄変動ゲームを開始させる場合には第2特別図柄表示装置13の表示内容を制御する。また、主制御用CPU30aは、特別図柄変動ゲームの演出時間の計測を開始する。そして、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
【0106】
その後、特別図柄開始処理とは別の処理において、主制御用CPU30aは、指定した変動パターンに定められている演出時間の経過時、変動表示させる特別図柄として決定した特別図柄を停止表示させるように第1特別図柄表示装置12又は第2特別図柄表示装置13の表示内容を制御する。因みに、主制御用CPU30aは、第1特別図柄変動ゲームを終了させる場合には第1特別図柄表示装置12の表示内容を制御する一方、第2特別図柄変動ゲームを終了させる場合には第2特別図柄表示装置13の表示内容を制御する。また、主制御用CPU30aは、指定した変動パターンに定められている演出時間の経過時、特別図柄変動ゲームが終了することを示す終了コマンドを出力する。
【0107】
一方、ステップMD9の判定結果が否定(大当り抽選に非当選)の場合、主制御用CPU30aは、読み出したリーチ判定用乱数の値が、主制御用ROM30bに記憶されているリーチ判定値と一致するか否かを判定し、リーチ抽選を行う(ステップMD13)。そして、ステップMD13の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、はずれ図柄を決定する(ステップMD14)。その後、主制御用CPU30aは、読み出した変動パターン振分用乱数の値に基づき、複数種類のはずれリーチ演出用の変動パターンの中から変動パターンを決定する(ステップMD15)。
【0108】
そして、ステップMD15にて変動パターンを決定した主制御用CPU30aは、ステップMD12の処理へと進み、前述同様、演出制御用CPU31aに対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する等、特別図柄変動ゲームにかかわる各種処理を実行し、特別図柄開始処理を終了する。
【0109】
その後、特別図柄開始処理とは別の処理において、主制御用CPU30aは、指定した変動パターンに定められている演出時間の経過時、変動表示させる特別図柄として決定した特別図柄を停止表示させるように第1特別図柄表示装置12又は第2特別図柄表示装置13の表示内容を制御する。因みに、主制御用CPU30aは、第1特別図柄変動ゲームを終了させる場合には第1特別図柄表示装置12の表示内容を制御する一方、第2特別図柄変動ゲームを終了させる場合には第2特別図柄表示装置13の表示内容を制御する。また、主制御用CPU30aは、指定した変動パターンに定められている演出時間の経過時、特別図柄変動ゲームが終了することを示す終了コマンドを出力する。
【0110】
一方、ステップMD13の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、はずれ図柄を決定する(ステップMD16)。その後、主制御用CPU30aは、読み出した変動パターン振分用乱数の値に基づき、複数種類のはずれ通常演出用の変動パターンの中から変動パターンを決定する(ステップMD17)。
【0111】
そして、ステップMD17にて変動パターンを決定した主制御用CPU30aは、ステップMD12の処理へと進み、前述同様、演出制御用CPU31aに対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する等、特別図柄変動ゲームにかかわる各種処理を実行し、特別図柄開始処理を終了する。
【0112】
その後、特別図柄開始処理とは別の処理において、主制御用CPU30aは、指定した変動パターンに定められている演出時間の経過時、変動表示させる特別図柄として決定した特別図柄を停止表示させるように第1特別図柄表示装置12又は第2特別図柄表示装置13の表示内容を制御する。因みに、主制御用CPU30aは、第1特別図柄変動ゲームを終了させる場合には第1特別図柄表示装置12の表示内容を制御する一方、第2特別図柄変動ゲームを終了させる場合には第2特別図柄表示装置13の表示内容を制御する。また、主制御用CPU30aは、指定した変動パターンに定められている演出時間の経過時、終了コマンドを出力する。
【0113】
そして、本実施形態では、大当り抽選を行う主制御用CPU30aが、大当り抽選手段として機能する。更には、転落抽選を行う主制御用CPU30aが、確率移行抽選手段として機能する。
【0114】
次に、ステップMB6にて行われる普図入力処理について、図8に基づき説明する。
普図入力処理において主制御用CPU30aは、ゲート25へ遊技球が入球したか否かを判定する(ステップME1)。ステップME1において主制御用CPU30aは、普図スイッチSW4が出力する検知信号を入力したか否かを判定する。そして、ステップME1の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、普図入力処理を終了する。一方、ステップME1の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている普図保留記憶数が上限の4未満であるか否かを判定する(ステップME2)。そして、ステップME2の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、普図入力処理を終了する。
【0115】
一方、ステップME2の判定結果が肯定(普図保留記憶数<4)の場合、主制御用CPU30aは、普図保留記憶数を1加算し、普図保留記憶数を書き換える(ステップME3)。このとき、主制御用CPU30aは、加算後の普図保留記憶数を表すように普図保留表示装置26の表示内容を制御する。
【0116】
その後、主制御用CPU30aは、乱数生成回路30dの第2のラッチ回路La2から普図当り判定用乱数の値を取得し、主制御用RAM30cの所定の記憶領域(普図保留記憶数に対応する記憶領域)に記憶する(ステップME4)。
【0117】
ステップME4において主制御用CPU30aは、第2のラッチ回路La2に対してゲート用ラッチ信号を出力する。そして、主制御用CPU30aは、第2のラッチ回路La2にてラッチされた値を、普図当り判定用乱数の値として取得する。そして、主制御用CPU30aは、普図入力処理を終了する。
【0118】
次に、ステップMB7にて行われる普図開始処理について、図9に基づき説明する。
図9に示すように、普図開始処理において主制御用CPU30aは、普図ゲーム中であるか否か、及び普図当り遊技中であるか否かを判定する(ステップMF1)。ステップMF1の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、普図開始処理を終了する。一方、ステップMF1の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、普図保留記憶数を読み出し、当該普図保留記憶数が「0」よりも大きいか否かを判定する(ステップMF2)。ステップMF2の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、普図開始処理を終了する。その一方で、ステップMF2の判定結果が肯定の場合、普図保留記憶数の数を1減算し(ステップMF3)、書き換える。このとき、主制御用CPU30aは、減算後の普図保留記憶数を表すように普図保留表示装置26の表示内容を制御する。そして、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cにおける所定の記憶領域に記憶されている普図当り判定用乱数の値を読み出す(ステップMF4)。
【0119】
その後、主制御用CPU30aは、読み出した普図当り判定用乱数の値が主制御用ROM30bに記憶されている普図当り判定値と一致するか否かを判定し(ステップMF5)、普図当り抽選を行う。ステップMF5において主制御用CPU30aは、変短状態であるときは、変短状態であるときの普図当り判定値と普図当り判定用乱数の値を比較して普図当り抽選を行う。一方、主制御用CPU30aは、非変短状態であるときは、非変短状態であるときの普図当り判定値と普図当り判定用乱数の値を比較して普図当り抽選を行う。
【0120】
そして、ステップMF5の判定結果が肯定の場合、つまり、普図当り抽選に当選した場合、主制御用CPU30aは、普図表示装置24に確定停止表示させる普図として普通当り図柄を決定する(ステップMF6)。その後、主制御用CPU30aは、普図ゲームの変動時間を決定する(ステップMF7)。ステップMF7において主制御用CPU30aは、変短状態であるときには、非変短状態であるときよりも普図ゲームの変動時間として短い時間を決定する。また、普図ゲームの変動時間を決定した主制御用CPU30aは、ステップMF8の処理へと移行する。
【0121】
一方、ステップMF5の判定結果が否定の場合、つまり、普図当り抽選に非当選の場合、主制御用CPU30aは、普図表示装置24に確定停止表示させる普図として普通はずれ図柄を決定する(ステップMF9)。その後、主制御用CPU30aは、普図ゲームの変動時間を決定する(ステップMF10)。ステップMF10において主制御用CPU30aは、ステップMF7と同様、変短状態であるか否かに応じて普図ゲームの変動時間を決定する。その後、主制御用CPU30aは、ステップMF8の処理へと移行する。
【0122】
ステップMF8において主制御用CPU30aは、普図ゲームを開始させるように普図表示装置24の表示内容を制御する等、普図ゲームにかかわる各種処理を実行する。また、同時に、主制御用CPU30aは、普図ゲームの変動時間の計測を開始する。そして、主制御用CPU30aは、普図開始処理を終了する。
【0123】
その後、普図開始処理とは別の処理で、主制御用CPU30aは、決定した普図ゲームの変動時間が経過したとき、普図表示装置24に確定停止表示させる普図として決定した普図を確定停止表示させるように普図表示装置24の表示内容を制御し、普図ゲームを終了させる。
【0124】
また、主制御用CPU30aは、大当り遊技の終了後に、作動フラグに「1」を設定するとともに、作動リミッタに変短付与回数となる値「50」を設定する。そして、主制御用CPU30aは、特別図柄変動ゲームが終了した際の作動リミッタの値が1以上である場合、当該作動リミッタの値を1減算し、当該値を書き換える。また、減算後の作動リミッタの値が「0」となった場合、主制御用CPU30aは、作動フラグに「0」を設定し、変短状態から非変短状態へと切り替える。また、主制御用CPU30aは、大当り遊技が付与された場合、作動フラグに「0」を設定する。
【0125】
次に、演出制御基板31の演出制御用CPU31aが、演出制御用ROM31bに記憶されている制御プログラムに基づき実行する各種処理について説明する。
演出制御基板31の演出制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、当該コマンドの指示内容に応じて演出表示装置11に確定停止表示させる飾り図柄を決定する。
【0126】
具体的には、演出制御用CPU31aは、大当り演出用の変動パターンが指定された場合、大当りの図柄組み合わせ(例えば、[222]や[777])の中から確定停止表示させる飾り図柄(大当り表示結果)を決定する。また、演出制御用CPU31aは、はずれリーチ演出用の変動パターンが指定された場合、リーチの図柄組み合わせを含むはずれの図柄組み合わせ(例えば、[323])の中から確定停止表示させる飾り図柄(はずれ表示結果)を決定する。また、演出制御用CPU31aは、はずれ通常演出用の変動パターンが指定された場合、リーチの図柄組み合わせを含まないはずれの図柄組み合わせ(例えば、[426]や[211])の中から確定停止表示させる飾り図柄(はずれ表示結果)を決定する。
【0127】
また、演出制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、各列の飾り図柄を変動表示させて演出図柄変動ゲームを開始するように、演出表示装置11の表示内容を制御する。そして、演出制御用CPU31aは、終了コマンドを入力すると、確定停止表示させる飾り図柄として決定した飾り図柄の図柄組み合わせ(表示結果)を演出表示装置11に確定停止表示させる。
【0128】
また、演出制御用CPU31aは、指定された変動パターンに基づき、装飾ランプSLの発光態様を制御する。また、演出制御用CPU31aは、指定された変動パターンに基づき、スピーカSPの音声出力態様を制御する。
【0129】
このように、本実施形態のパチンコ遊技機においては、大当り抽選に使用する大当り判定用乱数と転落抽選に使用する転落抽選用乱数は、異なる乱数生成器(カウンタ)によって生成される。具体的には、大当り判定用乱数は、第1のカウンタCt1で生成される。一方で、転落抽選に使用する転落抽選用乱数は、第2のカウンタCt2で生成される。この結果、大当り判定用乱数と転落抽選用乱数の同期性を抑制することができ、演出の幅を広げることが可能となる。
【0130】
ここで、単一の乱数生成器によって生成される値を、大当り判定用乱数と転落抽選用乱数として使用する場合について説明する。因みに、大当り判定用乱数と転落抽選用乱数が取得される時期は同時期(同じタイミング)である。このため、単一の乱数生成器から同値の乱数値を2つ取得しなくても、1つの乱数値を取得するだけで大当り抽選や転落抽選を行うことができる。しかしながら、同一の乱数値によって、大当り抽選及び転落抽選を行う場合、各抽選にて使用する大当り判定値や転落判定値の値を同じ数値範囲内から異なる値で設定する必要がある。このため、転落抽選に当選し、且つ大当り抽選に当選する事象が生じ得ないことから、転落抽選に当選し、且つ大当り抽選に当選した際に特定の演出を実行させることは不可能となる。
【0131】
更に、転落抽選に当選した際には、大当り抽選に当選した際の演出が行われることがなく、転落抽選に当選した時点で、大当り抽選に当選することを期待できないことになる。よって、転落抽選に当選した際に実行する演出が行われた際には、遊技者の興趣を低下させてしまうことになる。
【0132】
このように、単一の乱数生成器にて生成された同値を大当り抽選及び転落抽選に使用する際には、各種演出及び抽選を行う際に、様々な問題点が考えられた。しかし、大当り抽選及び転落抽選に使用する乱数を、異なる乱数生成器によって生成することによって、単一の乱数生成器にて生じる問題点を解決することができる。よって、単一の乱数生成器にて大当り抽選及び転落抽選を行う場合と比較して、各別の乱数生成器にて生成された乱数値によって大当り抽選及び転落抽選を行う場合には、様々な抽選結果の組み合わせに応じた演出を実行可能となるため、演出の幅を広げることが可能となる。
【0133】
以上詳述したように、本実施形態は、以下の効果を有する。
(1)大当り抽選に使用する大当り判定用乱数は、第1のカウンタCt1で生成される。一方で、転落抽選に使用する転落抽選用乱数は、第2のカウンタCt2で生成される。このため、大当り判定用乱数の値に基づく演出と、転落抽選用乱数の値に基づく演出と、を別けて行うことが可能となる。よって、演出のバリエーションを増やすことが可能となり、遊技に対する興趣をより向上させることができる。
【0134】
(2)主制御用CPU30a(CPU)、主制御用ROM30b(ROM)、主制御用RAM30c(RAM)及び乱数生成回路30dを、1チップに集積したマイクロコンピュータに搭載した。これによれば、主制御用CPU30a、主制御用ROM30b、主制御用RAM30c及び乱数生成回路30dを別々に主制御基板30に搭載させて主制御基板30を製造するよりも容易に主制御基板30を製造することが可能となる。また、主制御用ROM30bのみを取り替えることが不可能となるため、不正に主制御用ROM30bが取り替えられることを防止することができる。
【0135】
(3)第1のカウンタCt1(第1の乱数生成器)にて生成される値と、第2のカウンタCt2(第2の乱数生成器)にて生成される値と、が更新される周期(更新周期)は、主制御用CPU30aによる制御周期(4msec)と比較して短い周期とした。このため、例えば、第1のカウンタCt1にて生成される値が所定値(例えば、大当り抽選に当選する値)となるタイミングを狙って、始動口16,18に遊技球を入球させることがより困難となる。すなわち、不正に大当り遊技が付与されることを防ぐことができる。
【0136】
(4)ソフトウェア乱数とハードウェア乱数の値を用いて各種抽選や判定を行う。このため、ソフトウェア乱数の値とハードウェア乱数の値の組み合わせによって各種遊技演出を行うことが可能となる。その結果、演出のバリエーションを増やすことが可能となり、遊技に対する興趣を効果的に向上させることができる。
【0137】
(5)第2のカウンタCt2にて更新される値は、転落抽選と普図当り抽選にて用いられるように構成した。但し、転落抽選に用いるための転落抽選用乱数は第1始動口16又は第2始動口18に遊技球が入球したことを契機に取得される一方で、普図当り抽選に用いるための普図当り判定用乱数はゲート25に遊技球が入球することを契機に取得される。このため、単一のカウンタから乱数の値を取得する場合であっても、同値が取得されない。よって、カウンタの個数を増やすことなく、異なる値を取得可能となる。更に、単一のカウンタを備えるだけで、各乱数値に基づく各種演出を実行可能となり、遊技に対する興趣を更に向上させることができるようになる。
【0138】
(6)第1のカウンタCt1(第1の乱数生成器)で生成される値と、第2のカウンタCt2(第2の乱数生成器)で生成される値は、同期しない。このため、異なる値を用いて大当り抽選と転落抽選が行われることになる。この結果、例えば、大当り判定値と転落判定値が重複しないように、大当り判定値や転落判定値を設定する必要がなくなる。
【0139】
なお、上記実施形態は、次のような別の実施形態(別例)にて具体化できる。
・上記実施形態において、特別図柄と飾り図柄を用いるパチンコ遊技機に具体化したが、特別図柄のみを用いるパチンコ遊技機に具体化しても良い。
【0140】
・上記実施形態の特別図柄開始処理において、転落抽選を行うよりも前に大当り抽選を行うように構成しても良い。
・上記実施形態における転落抽選の当選確率を変更しても良い。例えば、転落抽選の当選確率を、確変状態であるときの大当り抽選の当選確率よりも高い確率に変更しても良い。
【0141】
・上記実施形態の転落抽選は、非確変状態であるときであっても行われるように構成しても良い。更に、その転落抽選の抽選結果に応じて変動パターンなどの決定率を変更しても良い。
【0142】
・上記実施形態における大当りの種類として、大当り遊技終了後が非変短状態となる(変短状態とならない)大当りを追加しても良い。この場合、大当り遊技終了後が変短状態となることが、遊技特典に相当する。
【0143】
・上記実施形態における大当りの種類として、大当り遊技終了後が非確変状態となる(確変状態とならない)大当りを追加しても良い。この場合、大当り遊技終了後が確変状態となることが、遊技特典に相当する。
【0144】
・上記実施形態において、主制御用CPU30aによって値が更新されるソフトウェア乱数の値を、普図当り判定用乱数の値として取得するように構成しても良い。この場合、普図当り判定値は、前記ソフトウェア乱数が取り得る数値範囲の中から定められることになる。
【0145】
・上記実施形態において、転落抽選の抽選結果を、大当り抽選が行われた後に反映させても良い。例えば、転落抽選に当選した場合、大当り抽選を行った後に確変フラグに「0」を設定するように構成しても良い。
【0146】
・上記実施形態において、演出表示装置11、装飾ランプSL及びスピーカSPを、それぞれ専用の制御基板にて制御するように構成しても良い。
・上記実施形態において、第1のカウンタCt1又は第2のカウンタCt2にて更新される値を、変動パターン振分用乱数として取得するように構成しても良い。このように構成する場合、変動パターンの選択率を詳細に設定することも可能となる。
【0147】
・上記実施形態において、第1のカウンタCt1又は第2のカウンタCt2にて更新される値を、特別図柄振分用乱数として取得するように構成しても良い。このように構成する場合には、特別図柄の選択率を詳細に設定することも可能となる。
【0148】
・上記実施形態において、大当りの種類を決定した後、当該大当りの種類に応じて特別図柄表示装置12,13に表示させる特別図柄の種類(特別図柄の形状)を決定しても良い。このとき、大当りの種類を決定する際に、第1のカウンタCt1又は第2のカウンタCt2にて更新される値を用いても良い。また、特別図柄の種類(特別図柄の形状)を決定する際に、第1のカウンタCt1又は第2のカウンタCt2にて更新される値を用いても良い。なお、このとき大当りの種類を決定することが、遊技特典を決定することに相当する。そして、このとき大当りの種類を決定するための処理が、特典抽選処理に相当する。また、特別図柄の種類(特別図柄の形状)を決定することが、確定図柄を決定することに相当する。そして、このとき特別図柄の種類を決定するための処理が、図柄抽選処理に相当する。
【0149】
・上記実施形態において、第1のカウンタCt1又は第2のカウンタCt2にて更新される値を、リーチ判定用乱数として取得するように構成しても良い。このように構成する場合には、リーチ抽選に当選する確率を詳細に設定することが可能となる。
【0150】
・上記実施形態において、リーチ抽選の当選確率を、リーチ抽選を行う際の第1保留記憶数や第2保留記憶数に応じて変更しても良い。
・上記実施形態において、変短状態であるときや、非変短状態であるときの普図ゲームの変動時間をそれぞれ2種類以上備えても良い。更に、変動時間を決定する際には、第2のカウンタCt2にて更新される値を転落抽選用乱数と兼用しても良い。
【0151】
・上記実施形態において、変短状態であるときや、非変短状態であるときの開閉羽根19の開放態様を2種類以上備えても良い。更に、開閉羽根19の開放態様を決定する際には、第1のカウンタCt1又は第2のカウンタCt2にて更新される値を用いても良い。
【0152】
・上記実施形態において、主制御用CPU30a、主制御用ROM30b、主制御用RAM30c及び乱数生成回路30dを、1チップマイクロコンピュータに内蔵する必要はない。
【0153】
・上記実施形態において、主制御用CPU30aの制御周期を変更しても良い。例えば、ハードウェア乱数の値が更新される周期(クロック発振器CHの振動数)よりも短い制御周期に設定しても良い。
【0154】
・上記実施形態において、第1のカウンタCt1や第2のカウンタCt2が値を更新する周期、すなわち、クロック発振器CHの振動数(発振周波数)を、主制御用CPU30aの制御周期以下又は同一に設定しても良い。
【0155】
・上記実施形態において、全ての抽選に用いる乱数の値として、第1のカウンタCt1や第2のカウンタCt2にて更新される値を用いるように構成しても良い。
・上記実施形態において、始動口用ラッチ信号及びゲート用ラッチ信号は、同一の制御コマンドであっても良い。この場合、制御信号が出力されるタイミングによって始動口用ラッチ信号とゲート用ラッチ信号に分類することが可能となる。
【0156】
・上記実施形態において、始動口16,18へ遊技球が入球した際にスイッチSW1,SW2から出力される検知信号を第1のラッチ回路La1と第2のラッチ回路La2にも出力されるように構成しても良い。そして、各ラッチ回路La1,La2は、検知信号の入力を契機に、各カウンタCt1,Ct2の値をラッチするように構成しても良い。このように構成する場合には、始動口ラッチ信号やゲート用ラッチ信号を出力しなくても、大当り判定用乱数の値を取得することが可能となる。また、乱数取得契機の発生タイミング(大当り判定用乱数で言えば、第1始動口16に遊技球が入球したタイミング)と、実際に乱数の値が取得されるタイミングの時間差を短くすることが可能となる。
【0157】
・上記実施形態において、第1のカウンタCt1や第2のカウンタCt2にて更新される値を同期させない方法として、以下に記載する第1の手法〜第3の手法の方法を採用しても良い。
【0158】
まず、第1の手法について、図10に基づき説明する。第1の手法は、図10に示すように、発振周波数に応じてクロック発振器CHから発生されるクロック信号を、当該発振周波数よりも低い周波数に変換して、カウンタCt1,Ct2に前記クロック信号を出力する更新速度変更手段としての分周回路BS1,BS2を備える手法である。第1の手法において第1の分周回路BS1の分周比と、第2の分周回路BS2の分周比が異なる場合には、第1のカウンタCt1にて値が更新される速度(更新速度)と、第2のカウンタCt2にて値が更新される速度を異ならせることができる。この結果、第1のカウンタCt1でカウントされる値と、第2のカウンタCt2でカウントされる値と、同期させないようにすることができる。なお、第1の分周回路BS1と第2の分周回路BS2のうち何れか一方を備える場合でも、第1のカウンタCt1と第2のカウンタCt2の値を同期させないようにすることが可能となる。
【0159】
次に、第2の手法について、図11に基づき説明する。第2の手法は、図11に示すように、第1の初期値設定手段としての第1の初期値生成回路Sk1と、第2の初期値設定手段としての第2の初期値生成回路Sk2を備える手法である。この第1の初期値生成回路Sk1は、第1のカウンタCt1に接続されており、第1のカウンタCt1におけるハードウェア初期値を生成し、設定するための手段である。また、第2の初期値生成回路Sk2は、第2のカウンタCt2に接続されており、第2のカウンタCt2におけるハードウェア初期値を生成し、設定するための手段である。第1の初期値生成回路Sk1と、第2の初期値生成回路Sk2では、各別にハードウェア初期値が生成される。このため、第2の手法を採用する場合には、同じクロック信号の入力に対して、第1のカウンタCt1がカウントする値と、第2のカウンタCt2がカウントする値を異なり得る。すなわち、第1のカウンタCt1でカウントされる値と、第2のカウンタCt2でカウントされる値と、同期させないようにすることができる。
【0160】
次に、第3の手法について、図12及び図13に基づき説明する。第3の手法は、図12に示すように、順序変更手段としての、第1の順序変更回路Jh1と第2の順序変更回路Jh2を備える手法である。この第1の順序変更回路Jh1は、第1のカウンタCt1が1周期に生成する値の順序を、更新周期毎に変更する処理が行われる。同様に、第2の順序変更回路Jh2は、第2のカウンタCt2が1周期に生成する値の順序を、更新周期毎に変更する処理が行われる。なお、生成する値の順序が設定されたランダムパターンが複数種類備えられており、第1の順序変更回路Jh1と第2の順序変更回路Jh2は、使用するランダムパターンに応じて、各カウンタCt1,Ct2が生成する値の順序を変更する。なお、ランダムパターンの例を図13(a)〜(c)に示す。図13(a)に示すように、ランダムパターンRd1では、0〜65535のうち奇数の値を小さい値から順に生成した後、0と偶数の値を小さい値から順に生成する値の順序が定められている。また、図13(b)に示すように、ランダムパターンRd2では、0〜65535のうち大きい値から順に生成する値の順序が定められている。また、図13(c)に示すようにランダムパターンRd3では、0〜65535の中から規則性を有することなく無作為に生成する値の順序が定められている。この第3の手法を採用する場合には、ランダムパターンが異なれば、同じクロック信号の入力に対して、第1のカウンタCt1がカウントする値と、第2のカウンタCt2がカウントする値を異なり得る。すなわち、第1のカウンタCt1で生成される値と、第2のカウンタCt2で生成される値と、同期させないようにすることができる。なお、ランダムパターンを備えず、例えば、順序変更回路Jh1,Jh2が、カウンタCt1,Ct2が生成する値の順序を変更するように構成しても良い。また、カウンタCt1,Ct2がカウントした回数に応じて値を生成することによって、生成される値の順序を変更するように構成しても良い。
【0161】
また、図14に示すように、第1のカウンタCt1に第1の手法〜第3の手法を採用するとともに、第2のカウンタCt2に第1の手法〜第3の手法を採用するようにしても良い。図14に記載の構成では、第1の分周回路BS1の分周比と、第2の分周回路BS2の分周比を異ならせることで、第1のカウンタCt1における値の更新速度と、第2のカウンタCt2における値の更新速度を異ならせることができる。更に、異なる初期値生成回路Sk1、Sk2にて各別に生成されたハードウェア初期値に基づき、各カウンタCt1,Ct2が各別に値をカウントする。それとともに、異なる順序変更回路Jh1,Jh2によってカウンタCt,Ct2が生成する値の順序が各別に変更される。この結果、第1のカウンタCt1から生成される値と、第2のカウンタCt2から生成される値と、を同期させないようにすることができる。
【0162】
更に、第1のカウンタCt1にて採用する手法と、第2のカウンタCt2にて採用する手法を異ならせても良い。例えば、第1のカウンタCt1に第1の手法のみを採用する際、第2のカウンタCt2に第1の手法のみ採用するように構成しても良い。このとき、第2のカウンタCt2に第2の手法のみを採用したり、第3の手法のみを採用したりしても良い。また、第2のカウンタCt2に第1の手法と第2の手法を採用しても良い。また、第2のカウンタCt2に第1の手法と第3の手法を採用しても良い。また、第2のカウンタCt2に第2の手法と第3の手法を採用しても良い。また、第2のカウンタCt2に第1の手法〜第3の手法の全ての手法を採用しても良い。
【0163】
また、第1のカウンタCt1に第2の手法のみを採用する際、第2のカウンタCt2に第1の手法のみ採用するように構成しても良い。このとき、第2のカウンタCt2に第2の手法のみを採用したり、第3の手法のみを採用したりしても良い。また、第2のカウンタCt2に第1の手法と第2の手法を採用しても良い。また、第2のカウンタCt2に第1の手法と第3の手法を採用しても良い。また、第2のカウンタCt2に第2の手法と第3の手法を採用しても良い。また、第2のカウンタCt2に第1の手法〜第3の手法の全ての手法を採用しても良い。
【0164】
また、第1のカウンタCt1に第3の手法のみを採用する際、第2のカウンタCt2に第1の手法のみ採用するように構成しても良い。このとき、第2のカウンタCt2に第2の手法のみを採用したり、第3の手法のみを採用したりしても良い。また、第2のカウンタCt2に第1の手法と第2の手法を採用しても良い。また、第2のカウンタCt2に第1の手法と第3の手法を採用しても良い。また、第2のカウンタCt2に第2の手法と第3の手法を採用しても良い。また、第2のカウンタCt2に第1の手法〜第3の手法の全ての手法を採用しても良い。
【0165】
また、第1のカウンタCt1に第1の手法と第2の手法を採用する際、第2のカウンタCt2に第1の手法のみ採用するように構成しても良い。このとき、第2のカウンタCt2に第2の手法のみを採用したり、第3の手法のみを採用したりしても良い。また、第2のカウンタCt2に第1の手法と第2の手法を採用しても良い。また、第2のカウンタCt2に第1の手法と第3の手法を採用しても良い。また、第2のカウンタCt2に第2の手法と第3の手法を採用しても良い。また、第2のカウンタCt2に第1の手法〜第3の手法の全ての手法を採用しても良い。
【0166】
また、第1のカウンタCt1に第1の手法と第3の手法を採用する際、第2のカウンタCt2に第1の手法のみ採用するように構成しても良い。このとき、第2のカウンタCt2に第2の手法のみを採用したり、第3の手法のみを採用したりしても良い。また、第2のカウンタCt2に第1の手法と第2の手法を採用しても良い。また、第2のカウンタCt2に第1の手法と第3の手法を採用しても良い。また、第2のカウンタCt2に第2の手法と第3の手法を採用しても良い。また、第2のカウンタCt2に第1の手法〜第3の手法の全ての手法を採用しても良い。
【0167】
また、第1のカウンタCt1に第2の手法と第3の手法を採用する際、第2のカウンタCt2に第1の手法のみ採用するように構成しても良い。このとき、第2のカウンタCt2に第2の手法のみを採用したり、第3の手法のみを採用したりしても良い。また、第2のカウンタCt2に第1の手法と第2の手法を採用しても良い。また、第2のカウンタCt2に第1の手法と第3の手法を採用しても良い。また、第2のカウンタCt2に第2の手法と第3の手法を採用しても良い。また、第2のカウンタCt2に第1の手法〜第3の手法の全ての手法を採用しても良い。
【0168】
また、第1のカウンタCt1に第1の手法〜第3の手法の全ての手法を採用する際、第2のカウンタCt2に第1の手法のみ採用するように構成しても良い。このとき、第2のカウンタCt2に第2の手法のみを採用したり、第3の手法のみを採用したりしても良い。また、第2のカウンタCt2に第1の手法と第2の手法を採用しても良い。また、第2のカウンタCt2に第1の手法と第3の手法を採用しても良い。また、第2のカウンタCt2に第2の手法と第3の手法を採用しても良い。また、第2のカウンタCt2に第1の手法〜第3の手法の全ての手法を採用しても良い。
【0169】
上記手法の組み合わせの一例として、第1のカウンタCt1に第1の手法と第2の手法を採用する一方で、第2のカウンタCt2に第3の手法を採用する場合について、図15に基づき説明する。
【0170】
図15に示すように、第1のカウンタCt1には第1の手法が採用されている一方で、第2のカウンタCt2には第1の手法が採用されていない。このため、第1のカウンタCt1における値の更新速度と、第2のカウンタCt2における値の更新速度を異ならせることができる。更に、第1のカウンタCt1では、1周期分の値の更新を終了すると、第1の初期値生成回路Sk1にて生成されたハードウェア初期値に基づき、再び1周期分の値の更新が行われる。一方、第2のカウンタCt2では、第2の順序変更回路Jh2により生成される値をランダムパターンに基づく順序で値が生成される。よって、第1のカウンタCt1から生成される値と、第2のカウンタCt2から生成される値と、を同期させないようにすることができる。
【0171】
なお、例えば、第1のカウンタCt1に第2の手法と第3の手法を採用する際には、第1の初期値生成回路Sk1が生成したハードウェア初期値に基づき、ランダムパターンが決められるように構成しても良い。その他にも、第1のカウンタCt1に第2の手法と第3の手法を採用する際、1周期目の最初にカウントする値は、第1の初期値生成回路Sk1が生成したハードウェア初期値をカウントし、以降はランダムパターンに基づき前記第1の初期値生成回路Sk1が生成したハードウェア初期値以外の値が生成されるように構成しても良い。
【0172】
因みに、第1のカウンタCt1と第2のカウンタCt2のうち何れか一方のカウンタに、第1の手法〜第3の手法のうち少なくとも1つの手法が採用されている場合には、他方のカウンタには第1の手法〜第3の手法を採用しなくても良い。すなわち、第1のカウンタCt1に第1の手法〜第3の手法のうち少なくとも1つの手法を採用する場合には、第2のカウンタCt2には第1の手法〜第3の手法の全てを採用しなくても良い。同様に、第2のカウンタCt2に第1の手法〜第3の手法のうち少なくとも1つの手法を採用する場合には、第1のカウンタCt1には第1の手法〜第3の手法の全てを採用しなくても良い。このように構成する場合であっても、第1のカウンタCt1から生成される値と、第2のカウンタCt2から生成される値と、を同期させないようにすることができる。
【0173】
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ)前記第1の乱数生成器及び前記第2の乱数生成器は、乱数列のスタート値と2周期目以降の乱数列の並びを、各別に設定可能に構成されている。
【0174】
(ロ)前記第2の乱数取得手段は、前記始動口とは異なるゲートへ遊技球が入球したことをゲート入球検知手段によって検知されたことを契機に前記第2の抽選用乱数の値を取得し、前記CPUは、前記第2の乱数取得手段が取得した第2の抽選用乱数と前記ROMに予め記憶された第2の状態判定値と一致するか否かを判定することによって前記開閉式始動口の入球口を前記第2の状態に切り替えるか否かの抽選を行い、当該抽選に当選した場合に前記開閉部材を制御することにより前記開閉式始動口の入球口を前記第2の状態とする。
【符号の説明】
【0175】
CH…クロック発振器、CS…RAMクリアスイッチ、Ct1…第1のカウンタ、Ct2…第2のカウンタ、GH…画像表示部、La1…第1のラッチ回路、La2…第2のラッチ回路、LS…装飾ランプ、SOL1…開閉羽根ソレノイド、SOL2…大入賞口ソレノイド、SP…スピーカ、10…遊技盤、11…演出表示装置、12…第1特別図柄表示装置、13…第2特別図柄表示装置、16…第1始動口、18…第2始動口、19…開閉羽根、22…大入賞口扉、23…大入賞口、24…普図表示装置、25…ゲート、28…電源基板、30…主制御基板、30a…主制御用CPU、30b…主制御用ROM、30c…主制御用RAM、30d…乱数生成回路、30e…リセット入力回路、30f…遊技開始信号生成回路、31…演出制御基板、31a…演出制御用CPU、31b…演出制御用ROM、31c…演出制御用RAM。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15