特許第5922518号(P5922518)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5922518
(24)【登録日】2016年4月22日
(45)【発行日】2016年5月24日
(54)【発明の名称】シンチレータパネル及び放射線検出器
(51)【国際特許分類】
   G21K 4/00 20060101AFI20160510BHJP
   G01T 1/20 20060101ALI20160510BHJP
【FI】
   G21K4/00 A
   G01T1/20 L
   G01T1/20 E
   G01T1/20 G
   G01T1/20 D
【請求項の数】5
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2012-161766(P2012-161766)
(22)【出願日】2012年7月20日
(65)【公開番号】特開2014-21003(P2014-21003A)
(43)【公開日】2014年2月3日
【審査請求日】2015年3月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】000236436
【氏名又は名称】浜松ホトニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100124291
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100148013
【弁理士】
【氏名又は名称】中山 浩光
(72)【発明者】
【氏名】上西 秀典
(72)【発明者】
【氏名】式田 宗功
(72)【発明者】
【氏名】楠山 泰
【審査官】 鳥居 祐樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−262671(JP,A)
【文献】 特開2006−058124(JP,A)
【文献】 国際公開第2008/117821(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0017911(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G21K 4/00
G21K 1/00−7/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射線透過性を有する厚さ150μm以下のガラス基板と、
前記ガラス基板の一面側と側面側とを覆うように形成された第1の有機樹脂層と、
前記第1の有機樹脂層が形成された前記ガラス基板の他面側と側面側とを覆うように形成された第2の有機樹脂層と、
前記第1の有機樹脂層及び前記第2の有機樹脂層が形成された前記ガラス基板の前記一面側に形成されたシンチレータ層と、
前記第1の有機樹脂層及び前記第2の有機樹脂層が形成された前記ガラス基板と共に前記シンチレータ層を覆うように形成された耐湿性の保護層と、を備え
前記第1の有機樹脂層は、白色顔料を含有し、前記第2の有機樹脂層は、黒色顔料を含有していることを特徴とするシンチレータパネル。
【請求項2】
前記白色顔料は、二酸化チタン、酸化イットリウム、酸化亜鉛、及び酸化アルミニウムから選択され、前記黒色顔料は、カーボンブラック又は四三酸化鉄から選択されることを特徴とする請求項記載のシンチレータパネル。
【請求項3】
放射線透過性を有する厚さ150μm以下のガラス基板と、
前記ガラス基板の他面側と側面側とを覆うように形成された第1の有機樹脂層と、
前記第1の有機樹脂層が形成された前記ガラス基板の一面側と側面側とを覆うように形成された第2の有機樹脂層と、
前記第1の有機樹脂層及び前記第2の有機樹脂層が形成された前記ガラス基板の前記一面側に形成されたシンチレータ層と、
前記第1の有機樹脂層及び前記第2の有機樹脂層が形成された前記ガラス基板と共に前記シンチレータ層を覆うように形成された耐湿性の保護層と、を備え
前記第1の有機樹脂層は、黒色顔料を含有し、前記第2の有機樹脂層は、白色顔料を含有していることを特徴とするシンチレータパネル。
【請求項4】
前記白色顔料は、二酸化チタン、酸化イットリウム、酸化亜鉛、及び酸化アルミニウムから選択され、前記黒色顔料は、カーボンブラック又は四三酸化鉄から選択されることを特徴とする、請求項記載のシンチレータパネル。
【請求項5】
請求項1〜のいずれか一項に記載のシンチレータパネルと、
前記保護層が形成された前記シンチレータ層に対向して配置された受光素子と、を備えたことを特徴とする放射線検出器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シンチレータパネル及び放射線検出器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のシンチレータパネルとして、例えば特許文献1に記載のものがある。この従来の構成では、シンチレータ層の支持体として0.05mmのガラス基板が用いられている。また、筐体の外部からの力を緩和する緩衝材と、シンチレータ層よりも剛性の高い高剛性部材とが筐体とシンチレータ層との間に配置されている。
【0003】
また、特許文献2に記載のシンチレータパネルでは、ポリイミド系樹脂膜又はポリパラキシリレン膜で被覆されたグラファイト基板が支持体として用いられている。さらに、特許文献3に記載のシンチレータパネルでは、アモルファスカーボンなどからなる基板の全面がポリパラキシリレン膜などの中間膜で覆われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−58124号公報
【特許文献2】国際公開WO2009/028275号パンフレット
【特許文献3】特開2007−279051号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
例えば薄膜トランジスタ(TFT)パネルといった固体検出器に適用するシンチレータパネルでは、固体検出器に対する形状の追従性を満足し得る可撓性が要求される。また、TFTパネルの熱膨張係数とシンチレータパネルの基板の熱膨張係数との間に差があると、動作時の熱によってシンチレータパネルの基板上の細かい傷やシンチレータ層を蒸着によって形成する場合に生じる異常成長部によってTFTパネルとの間に生じる傷が受光面に対して移動し、キャリブレーションの手間が煩雑になるという問題が生じるおそれがある。
【0006】
このような可撓性の問題や熱膨張係数の問題を解決するためには、例えば厚さが150μm以下の極薄ガラスをシンチレータパネルの基板として用いることが考えられる。しかしながら、極薄ガラスを用いる場合、ガラスの端部(エッジ部分)が衝撃に対して脆く、欠けやクラックの発生が問題となる。
【0007】
本発明は、上記課題の解決のためになされたものであり、ガラス基板の欠けやクラックの発生を防止しつつ、可撓性を確保できるシンチレータパネル、及びこれを用いた放射線検出器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題の解決のため、本発明に係るシンチレータパネルは、放射線透過性を有する厚さ150μm以下のガラス基板と、ガラス基板の一面側と側面側とを覆うように形成された第1の有機樹脂層と、第1の有機樹脂層が形成されたガラス基板の他面側と側面側とを覆うように形成された第2の有機樹脂層と、第1の有機樹脂層及び第2の有機樹脂層が形成されたガラス基板の一面側に形成されたシンチレータ層と、第1の有機樹脂層及び第2の有機樹脂層が形成されたガラス基板と共にシンチレータ層を覆うように形成された耐湿性の保護層と、を備えたことを特徴としている。
【0009】
このシンチレータパネルでは、厚さ150μm以下のガラス基板が支持体となっていることにより、優れた放射線透過性及び可撓性が得られ、熱膨張係数の問題も緩和できる。また、このシンチレータパネルでは、ガラス基板の一面側と側面側とを覆うように第1の有機樹脂層が形成され、第1の有機樹脂層が形成されたガラス基板の他面側と側面側とを覆うように第2の有機樹脂層が形成されている。これにより、ガラス基板が有機樹脂層によって補強され、エッジ部分の欠けやクラックの発生を効果的に抑制できる。また、ガラス基板の側面からの迷光を防止できるほか、第1の有機樹脂層と第2の有機樹脂層とで表面全体が覆われる結果、ガラス基板の反りの抑制が可能となる。
【0010】
また、第1の有機樹脂層は、白色顔料を含有し、第2の有機樹脂層は、黒色顔料を含有していることが好ましい。この場合、第1の有機樹脂層に光反射機能を持たせて用途に応じた放射線特性を得ることができる。また、第2の有機樹脂層に光吸収機能を持たせて光の漏れを防止し、解像度を高めることができる。
【0011】
また、上記白色顔料は、二酸化チタン、酸化イットリウム、酸化亜鉛、及び酸化アルミニウムから選択され、上記黒色顔料は、カーボンブラック又は四三酸化鉄から選択されてもよい。
【0012】
また、本発明に係るシンチレータパネルは、放射線透過性を有する厚さ150μm以下のガラス基板と、ガラス基板の他面側と側面側とを覆うように形成された第1の有機樹脂層と、第1の有機樹脂層が形成されたガラス基板の一面側と側面側とを覆うように形成された第2の有機樹脂層と、第1の有機樹脂層及び第2の有機樹脂層が形成されたガラス基板の一面側に形成されたシンチレータ層と、第1の有機樹脂層及び第2の有機樹脂層が形成されたガラス基板と共にシンチレータ層を覆うように形成された耐湿性の保護層と、を備えたことを特徴としている。
【0013】
このシンチレータパネルでは、厚さ150μm以下のガラス基板が支持体となっていることにより、優れた放射線透過性及び可撓性が得られ、熱膨張係数の問題も緩和できる。また、このシンチレータパネルでは、ガラス基板の他面側と側面側とを覆うように第1の有機樹脂層が形成され、第1の有機樹脂層が形成されたガラス基板の一面側と側面側とを覆うように第2の有機樹脂層が形成されている。これにより、ガラス基板が2重の有機樹脂層によって補強され、エッジ部分の欠けやクラックの発生を効果的に抑制できる。また、ガラス基板の側面からの迷光を防止できるほか、第1の有機樹脂層と第2の有機樹脂層とで表面全体が覆われる結果、ガラス基板の反りの抑制が可能となる。
【0014】
また、第1の有機樹脂層は、黒色顔料を含有し、第2の有機樹脂層は、白色顔料を含有していることが好ましい。この場合、第1の有機樹脂層に光吸収機能を持たせて光の漏れを防止し、解像度を高めることができる。また、第2の有機樹脂層に光反射機能を持たせて用途に応じた放射線特性を得ることができる。
【0015】
また、上記白色顔料は、二酸化チタン、酸化イットリウム、酸化亜鉛、及び酸化アルミニウムから選択され、上記黒色顔料は、カーボンブラック又は四三酸化鉄から選択されてもよい。
【0016】
また、本発明に係る放射線検出器は、上記のシンチレータパネルと、保護層が形成されたシンチレータ層に対向して配置された受光素子と、を備えたことを特徴としている。
【0017】
この放射線検出器では、厚さ150μm以下のガラス基板がシンチレータパネルの支持体となっていることにより、優れた放射線透過性及び可撓性が得られ、熱膨張係数の問題も緩和できる。また、この放射線検出器では、ガラス基板が有機樹脂層によって補強されているので、エッジ部分の欠けやクラックの発生を効果的に抑制できる。また、ガラス基板の側面からの迷光を防止できるほか、第1の有機樹脂層と第2の有機樹脂層とで表面全体が覆われる結果、ガラス基板の反りの抑制が可能となる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、ガラス基板の欠けやクラックの発生を防止しつつ、可撓性を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の第1実施形態に係る放射線検出器の構成を示す断面図である。
図2】本発明の第2実施形態に係る放射線検出器の構成を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照しながら、本発明に係るシンチレータパネル及び放射線検出器の好適な実施形態について詳細に説明する。
【0021】
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係る放射線検出器の構成を示す断面図である。同図に示すように、放射線検出器1Aは、シンチレータパネル2Aに受光素子3を固定することによって構成されている。受光素子3は、例えばガラス基板上にフォトダイオード(PD)と薄膜トランジスタ(TFT)とを配列してなるTFTパネルである。
【0022】
受光素子3は、シンチレータパネル2における後述のシンチレータ層13に対して受光面3aが対向するようにして、シンチレータパネル2の一面側に貼り付けられている。なお、受光素子3としては、TFTパネルのほか、CCDなどのイメージセンサをファイバオプティクプレート(FOP:数ミクロンの光ファイバを束にした光学デバイスであり、例えば、浜松ホトニクス社製J5734)を介して接続したものを用いることもできる。
【0023】
シンチレータパネル2は、支持体となるガラス基板11と、ガラス基板11を保護する有機樹脂層(第1の有機樹脂層)12及び有機樹脂層(第2の有機樹脂層)15と、入射した放射線を可視光に変換するシンチレータ層13と、シンチレータ層13を湿気から保護する耐湿性の保護層14とによって構成されている。
【0024】
ガラス基板11は、例えば厚さが150μm以下、好ましくは100μm以下の極薄の基板である。ガラス基板11の厚さが極薄となっていることにより、十分な放射線透過性と可撓性が得られ、受光素子3の受光面3aに貼り付けを行う際のシンチレータパネル2の追従性が確保されている。
【0025】
有機樹脂層12及び有機樹脂層15は、例えばシリコン系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、フッ素系樹脂などを真空蒸着或いはスピンコート等によって塗布することによって形成されている。有機樹脂層12及び有機樹脂層15の厚さは、例えば100μm程度となっている。
【0026】
有機樹脂層12は、ガラス基板11の一面11a側と側面11c側とを覆うように形成されている。一方、有機樹脂層15は、有機樹脂層12が形成されたガラス基板11の他面11b側と側面11c側とを覆うように形成されている。これにより、ガラス基板11は、一面側11aが有機樹脂層12で覆われ、他面側11bが有機樹脂層15で覆われ、側面側11cが内側から有機樹脂層12・有機樹脂層15の順で2重に覆われた状態となっている。また、有機樹脂層12には、例えば二酸化チタン、酸化イットリウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウムなどの白色顔料が含有されており、有機樹脂層15には、例えばカーボンブラック、四三酸化鉄などの黒色顔料が含有されている。
【0027】
シンチレータ層13は、例えばTlをドープしたCsIの柱状結晶を蒸着法によって成長及び堆積させることにより、有機樹脂層12及び有機樹脂層15が形成されたガラス基板11の一面11a側(有機樹脂層12上)に形成されている。シンチレータ層13の厚さは、例えば250μmとなっている。シンチレータ層13は、吸湿性が高く、露出したままにしておくと空気中の湿気によって潮解してしまうおそれがある。このため、シンチレータ層13には耐湿性の保護層14が必要となっている。
【0028】
保護層14は、例えばポリパラキシリレンなどをCVD法などの気相堆積法を用いて成長させることにより、有機樹脂層12が形成されたガラス基板11と共にシンチレータ層13を覆うように形成されている。保護層14の厚さは、例えば10μm程度となっている。
【0029】
以上のような構成を有する放射線検出器1Aでは、ガラス基板11側から入射した放射線がシンチレータ層13において光に変換され、受光素子3によって検出される。シンチレータパネル2Aでは、厚さ150μm以下のガラス基板11が支持体となっていることにより、優れた放射線透過性及び可撓性が得られる。
【0030】
ガラス基板11が十分な可撓性を有することにより、シンチレータパネル2Aを受光素子3の受光面3aに貼り付ける際の形状の追従性を満足できる。また、受光素子3としてTFTパネルを用い、受光面3aがガラス製のパネルである場合、受光面3aの熱膨張係数とシンチレータパネル2Aのガラス基板11の熱膨張係数とを一致させることができる。このため、動作時の熱によってガラス基板11上の細かい傷やシンチレータ層13を蒸着によって形成する場合に生じる異常成長部によってTFTパネルとの間に生じる傷が受光面3aに対して移動してしまうことを防止でき、キャリブレーションの手間が煩雑になることも回避できる。
【0031】
また、このシンチレータパネル2Aでは、ガラス基板11の一面11a側と側面11c側とを覆うように有機樹脂層12が形成され、有機樹脂層12が形成されたガラス基板11の他面11b側と側面11c側とを覆うように有機樹脂層15が形成されている。これにより、ガラス基板11が有機樹脂層12,15によって補強され、エッジ部分の欠けやクラックの発生を効果的に抑制できる。また、ガラス基板11の側面11cが有機樹脂層12,15によって二重に覆われることにより、側面11cからの迷光を防止できるほか、有機樹脂層12と有機樹脂層15とで表面全体が覆われる結果、ガラス基板11の反りの抑制が可能となる。
【0032】
また、ガラス基板11の表面全体を覆うように有機樹脂層12と有機樹脂層15とが形成されていることで、シンチレータ層13を形成する際に好適な表面エネルギー及び表面粗さとなるように、ガラス基板11の表面状態を調整することも可能となる。
【0033】
また、シンチレータパネル2Aでは、有機樹脂層12は、白色顔料を含有し、有機樹脂層15は、黒色顔料を含有している。この場合、有機樹脂層12に光反射機能を持たせることで、シンチレータパネル2Aにおいて、マンモグラフィや胸部X線撮影といった各種の用途に応じた放射線特性を得ることができる。また、有機樹脂層15に光吸収機能を持たせることで、光の漏れを防止し、解像度を高めることができる。
【0034】
[第2実施形態]
図2は、本発明の第2実施形態に係る放射線検出器の構成を示す断面図である。同図に示すように、第2実施形態に係る放射線検出器1Bは、シンチレータパネル2Bにおいて、有機樹脂層12及び有機樹脂層15の配置箇所が第1実施形態と異なっている。
【0035】
より具体的には、有機樹脂層12は、ガラス基板11の他面11b側と側面11c側とを覆うように形成されている。一方、有機樹脂層15は、有機樹脂層12が形成されたガラス基板11の一面11a側と側面11c側とを覆うように形成されている。これにより、ガラス基板11は、一面側11aが有機樹脂層15で覆われ、他面側11bが有機樹脂層12で覆われ、側面側11cが内側から有機樹脂層12・有機樹脂層15の順で2重に覆われた状態となっている。また、有機樹脂層12には、例えばカーボンブラック、四三酸化鉄などの黒色顔料が含有されており、有機樹脂層15には、例えば二酸化チタン、酸化イットリウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウムなどの白色顔料が含有されている。
【0036】
このような構成においても、上記実施形態と同様に、有機樹脂層12,15によってガラス基板11が補強されているので、エッジ部分の欠けやクラックの発生を抑制できる。また、ガラス基板11の側面11cからの迷光を防止できるほか、表面全体に有機樹脂層12,15が形成されることで、ガラス基板11の反りの抑制が可能となる。さらに、ガラス基板11の側面11cにおいて、黒色顔料を含有する有機樹脂層12が内側に位置するため、側面11cからの迷光をより効果的に防止できる。
【符号の説明】
【0037】
1A,1B…放射線検出器、2A,2B…シンチレータパネル、3…受光素子、11…ガラス基板、11a…一面、11b…他面、11c…側面、12…有機樹脂層(第1の有機樹脂層)、13…シンチレータ層、14…保護層、15…有機樹脂層(第2の有機樹脂層)。
図1
図2