特許第5922600号(P5922600)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5922600
(24)【登録日】2016年4月22日
(45)【発行日】2016年5月24日
(54)【発明の名称】車両用ドアのアウトハンドル装置
(51)【国際特許分類】
   E05B 85/16 20140101AFI20160510BHJP
   E05B 77/34 20140101ALI20160510BHJP
   E05B 77/36 20140101ALI20160510BHJP
【FI】
   E05B85/16 C
   E05B77/34
   E05B77/36
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-30028(P2013-30028)
(22)【出願日】2013年2月19日
(65)【公開番号】特開2014-159684(P2014-159684A)
(43)【公開日】2014年9月4日
【審査請求日】2015年3月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】000155067
【氏名又は名称】株式会社ホンダロック
(74)【代理人】
【識別番号】100071870
【弁理士】
【氏名又は名称】落合 健
(74)【代理人】
【識別番号】100097618
【弁理士】
【氏名又は名称】仁木 一明
(74)【代理人】
【識別番号】100152227
【弁理士】
【氏名又は名称】▲ぬで▼島 愼二
(72)【発明者】
【氏名】野田 雄一郎
(72)【発明者】
【氏名】日高 晶貴典
【審査官】 川島 陵司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−196147(JP,A)
【文献】 特開2012−112223(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05B 85/16
E05B 77/34
E05B 77/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用ドア(D)側に向かって開放した横断面略U字状の収容凹部(32)が形成されるハンドル本体(30)と、前記収容凹部(32)を覆って前記車両ドア(D)側から前記ハンドル本体(30)に締結されるハンドルカバー(31)とを備える操作ハンドル(12)が前記車両用ドア(D)の外面側で操作可能に配置され、電子部品(34)を有する電子部品ユニット(33)が前記収容凹部(32)内に収容される車両用ドアのアウトハンドル装置において、前記電子部品ユニット(33)は、少なくとも前記電子部品(34)が弾性材料から成る被覆部材(35)で覆われて成り、前記被覆部材(35)に、前記ハンドル本体(30)および前記ハンドルカバー(31)の合わせ部間に挟まれる延出部(35c)が一体に設けられることを特徴とする車両用ドアのアウトハンドル装置。
【請求項2】
前記電子部品(34)に接続されるコード(39)を挿通せしめて保持するようにして弾性材料により形成される保持部材(37)と、前記コード(39)の長手方向に直交する平面内で前記保持部材(37)の外周の全周に密接するようにして前記保持部材(37)に装着される合成樹脂製のカバー部材(38)と、前記電子部品(34)とが、インサートモールドで前記被覆部材(35)に埋め込まれることを特徴とする請求項1記載の車両用ドアのアウトハンドル装置。
【請求項3】
前記コード(39)を挿通せしめるようにして前記保持部材(37)に設けられるコード挿通孔(46)の内周に、前記コード(36)の外周に食い込む環状の第1突起(47)が形成され、前記カバー部材(38)の前記保持部材(37)に接触する面に、前記保持部材(37)に食い込むようにして無端状に連なる第2突起(48)が形成されることを特徴とする請求項2記載の車両用ドアのアウトハンドル装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用ドア側に向かって開放した横断面略U字状の収容凹部が形成されるハンドル本体と、前記収容凹部を覆って前記車両ドア側から前記ハンドル本体に締結されるハンドルカバーとを備える操作ハンドルが前記車両用ドアの外面側で操作可能に配置され、電子部品を有する電子部品ユニットが前記収容凹部内に収容される車両用ドアのアウトハンドル装置に関する。
【背景技術】
【0002】
このような車両用ドアのアウトハンドル装置は、特許文献1で既に知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−316163号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、上記特許文献1で開示されたものでは、操作ハンドルの操作時に、該操作ハンドルを協働して構成するようにして相互に締結されているハンドル本体およびハンドルカバーの合わせ部間で擦れが生じ、その擦れによる異音が発生する可能性がある。そのような擦れによる異音の発生を防止するために、前記ハンドル本体およびハンドルカバーの合わせ部に接着剤を塗布して固着することが考えられる。
【0005】
ところが接着剤を用いるようにすると、コスト高となるだけでなく、接着剤を塗布する作業が必要となるので作業工数が増大してしまう。また接着剤の硬化時間が必要となるので、すぐに次工程の作業を行うことができず、作業時間が増大してしまう。
【0006】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、接着剤を不要としつつ、ハンドル本体およびハンドルカバーの合わせ部間で擦れが生じることを防止した車両用ドアのアウトハンドル装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は、車両用ドア側に向かって開放した横断面略U字状の収容凹部が形成されるハンドル本体と、前記収容凹部を覆って前記車両ドア側から前記ハンドル本体に締結されるハンドルカバーとを備える操作ハンドルが前記車両用ドアの外面側で操作可能に配置され、電子部品を有する電子部品ユニットが前記収容凹部内に収容される車両用ドアのアウトハンドル装置において、前記電子部品ユニットは、少なくとも前記電子部品が弾性材料から成る被覆部材で覆われて成り、前記被覆部材に、前記ハンドル本体および前記ハンドルカバーの合わせ部間に挟まれる延出部が一体に設けられることを第1の特徴とする。
【0008】
また本発明は、第1の特徴の構成に加えて、前記電子部品に接続されるコードを挿通せしめて保持するようにして弾性材料により形成される保持部材と、前記コードの長手方向に直交する平面内で前記保持部材の外周の全周に密接するようにして前記保持部材に装着される合成樹脂製のカバー部材と、前記電子部品とが、インサートモールドで前記被覆部材に埋め込まれることを第2の特徴とする。
【0009】
さらに本発明は、第2の特徴の構成に加えて、前記コードを挿通せしめるようにして前記保持部材に設けられるコード挿通孔の内周に、前記コードの外周に食い込む環状の第1突起が形成され、前記カバー部材の前記保持部材に接触する面に、前記保持部材に食い込むようにして無端状に連なる第2突起が形成されることを第3の特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の第1の特徴によれば、ハンドル本体の収容凹部に収容される電子部品ユニットの一部を構成して少なくとも電子部品を覆う弾性材料製の被覆部材に、相互に締結されるハンドル本体およびハンドルカバーの合わせ部に間に挟まれる延出部が一体に設けられるので、操作ハンドルの操作時にハンドル本体およびハンドルカバーの合わせ部間で擦れが生じることを防止し、その擦れによる異音の発生を防止することができる。しかも被覆部材に延出部を一体に設けるだけであるので、接着剤が不要となり、コストの低減に寄与することができる。また接着剤を塗布する作業が不要であるので、作業工数を低減することができ、接着剤を硬化させる時間も不要であるので、すぐに次工程の作業を行うことができ、作業時間を低減することができる。
【0011】
また本発明の第2の特徴によれば、電子部品に接続されるコードを挿通、保持する弾性材料製の保持部材と、保持部材に装着される合成樹脂製のカバー部材とが、電子部品とともに被覆部材にインサートモールドで埋め込まれており、カバー部材が前記コードの長手方向に直交する平面内で保持部材の外周の全周に密接するので、電子部品側への水の浸入を効果的に防止することができる。すなわち弾性材料から成る被覆部材と、その被覆部材で覆われる弾性材料製の保持部材とでは相互の密着性が低いので、そのままの状態では、外部から操作ハンドル内に水が浸入したときに被覆部材および保持部材間を伝って電子部品側に水が浸入してしまう可能性があるが、コードの長手方向に直交する平面内で保持部材の外周の全周に密接するようにして合成樹脂製のカバー部材が保持部材に装着されるので、保持部材との間の密着性を高めたカバー部材および被覆部材間の密着性を高めて、電子部品側への水の浸入を効果的に防止することが可能となる。
【0012】
さらに本発明の第3の特徴によれば、保持部材のコード挿通孔の内周に形成される環状の第1突起がコードの外周に食い込み、カバー部材の保持部材に接触する面に無端状に連なって形成される第2突起が保持部材に食い込むので、電子部品に対する防水性をより高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】車両用ドアの一部側面図である。
図2図1の2−2線断面図である。
図3図2の要部拡大図である。
図4】操作ハンドルの分解斜視図である。
図5】電子部品ユニットの斜視図である。
図6】電子部品ユニットのうち図3の6矢示部の拡大図である。
図7】保持部材およびカバー部材の分解斜視図である。
図8図1の8−8線拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を、添付の図面に基づいて説明する。
【0015】
先ず図1および図2において、たとえばサイドドアである車両用ドアDのアウターパネル11には、車両の前後方向(図1の左右方向)に延びる操作ハンドル12が車両用ドアDの外面側で操作することを可能として回動可能に取付けられる。また前記アウターパネル11には、前記操作ハンドル12を把持する車両ユーザの手を挿入することを可能とするための窪み13を形成する彎曲部11aが車幅方向内方側に膨らむようにして設けられる。
【0016】
車両の前後方向で前記操作ハンドル12の後方には、非操作状態にある操作ハンドル12に円滑に連なるようにしてアウターパネル11から外方に隆起する後部ベース部材14がアウターパネル11の外面との間にシール部材15を介在させて配置されており、硬質の合成樹脂によって形成される前記後部ベース部材14にはナット16が圧入、固定される。一方、前記アウターパネル11の内面には第1取付部材17が当接され、この第1取付部材17および前記アウターパネル11に挿通されるボルト18を前記ナット16に螺合して締め付けることで後部ベース部材14および第1取付部材17が前記アウターパネル11に固定される。この後部ベース部材14の前部には、前記窪み13の後方で前記アウターパネル11を貫通して該アウターパネル11の内方に延びるガイド筒部14aが一体に設けられる。
【0017】
前記後部ベース部材14は、前記ガイド筒部14aの後方で前記アウターパネル11に設けられた開口部19を覆うように配置されており、後部ベース部材14に設けられたキー挿入孔20に挿入されるキー(図示せず)によって鎖錠および解錠操作が行われるようにして前記開口部19に配置されたシリンダ錠21のシリンダボディ22が第1取付部材17に締結される。また前記シリンダ錠21のロータ23は前記キー挿入孔20に対応した位置で前記シリンダボディ22に回動可能に支持される。
【0018】
車両の前後方向に沿う前記操作ハンドル12の前部に側面視で重なる位置には、前部ベース部材26がアウターパネル11の外面との間にシール部材27を介在させて配置されており、この前部ベース部材26の後部には、前記シール部材27および前記アウターパネル11を貫通してアウターパネル11内に突出する円筒状のボス部26aが一体に設けられる。一方、前記アウターパネル11の内面には第2取付部材28が当接され、この第2取付部材28に挿通されるボルト29を前記ボス部26aにねじ込んで締め付けることで前部ベース部材26および第2取付部材28が前記アウターパネル11に固定される。また前部ベース部材26の前部には、略L字状に屈曲して形成される支持部26bが一体に設けられており、この支持部26bは、前部ベース部材26が前記アウターパネル11に固定された状態で前記アウターパネル11内に突入される。
【0019】
図3および図4を併せて参照して、前記操作ハンドル12は、硬質の合成樹脂により形成されて車両の前後方向に延びるとともに前記アウターパネル11の外面側に配置されるハンドル本体30と、該ハンドル本体30に車両用ドアD側から締結される合成樹脂製のハンドルカバー31とを備える。
【0020】
前記ハンドル本体30は、車両の前後方向に延びて相互に対向する一対の側壁部30a,30bと、両側壁部30a,30bの前部間を結ぶ前壁部30cと、両側壁部30a,30bの後端間を結ぶ後壁部30dと、前記両側壁部30a,30b、前記前壁部30cおよび前記後壁部30dの前記アウターパネル11とは反対側の端部を連結する連結壁部30eと、前記前部ベース部材26の支持部26b内に突入するようにして略L字状に形成されつつ前記連結壁部30eの前部に連設される支持腕部30fと、前記後部ベース部材14のガイド筒部14a内に突入するようにして前記連結壁部30eの後部に連設される操作腕部30gとを一体に有する。
【0021】
前記ハンドル本体30の前記支持腕部30fは、前記前部ベース部材26の支持部26bに回動可能に支承される。また前記操作腕部30gは図示しないラッチ機構に連結されるものであり、車両用ドアDがアンロック状態にあるときに、前記操作腕部30gを車両用ドアDの外方側に引き出す方向に前記操作ハンドル12を操作することによって、前記ラッチ機構は車両用ドアDの閉状態を解除することになり、操作ハンドル12の操作により車両用ドアDを開放することが可能となる。しかも前記操作ハンドル12は、図示しない付勢手段によって前記操作腕部30gが車両用ドアDの内方側に引き込まれる側に付勢される。
【0022】
前記ハンドル本体30には、前記両側壁部30a,30b、前記前壁部30c、前記後壁部30dおよび前記連結壁部30eによって、前記車両用ドアD側に開いた略U字状の横断面形状を有する収容凹部32が形成され、電子部品34を有する電子部品ユニット33が前記収容凹部32に収容される。
【0023】
図5を併せて参照して、前記電子部品ユニット33は、少なくとも電子部品34が被覆部材35で覆われて成るものであり、この実施の形態において前記電子部品ユニット33は、前記電子部品34と、電子部品34に接続されるコード36…を挿通せしめて保持するようにして弾性材料たとえばゴム材により形成される保持部材37と、前記コード36…の長手方向に直交する平面内で前記保持部材37の外周の全周に密接するようにして前記保持部材37に装着される合成樹脂製のカバー部材38とが、弾性材料であるシリコンゴムから成る前記被覆部材35で覆われて成り、前記被覆部材35の型成形時に前記電子部品34、前記保持部材37および前記カバー部材38と、前記コード36…の一部とがインサートモールドで前記被覆部材35に埋め込まれる。
【0024】
前記電子部品34は、回路基板39に、車両ユーザが車両用ドアDをロックする意志を確認するためのタクトスイッチ40やアンテナ41等の複数の電気素子が配設されて成り、回路基板39に取付けられた前記タクトスイッチ40を覆う弾性材製のスイッチカバー42を外部に露出させるようにして前記電子部品34が前記被覆部材35で覆われる。
【0025】
一方、前記ハンドル本体30における連結壁部30eには、前記スイッチカバー42を介して前記タクトスイッチ40を押圧操作するためのスイッチボタン43を臨ませる開口部44が設けられ、該スイッチボタン43は前記連結壁部30eに支持される。
【0026】
図6および図7を併せて参照して、前記保持部材37は、前記ハンドル本体30の両側壁部30a,30bを結ぶ方向を長手方向とした矩形の横断面形状を有する矩形部37aと、前記ハンドル本体30の両側壁部30a,30bを結ぶ方向を長軸方向とした長円形の横断面形状を有するとともに前記矩形部37aの前記電子部品34側に臨む端面に段差をなして一体に連設される長円形部37bとを一体に有して、ゴム材によって形成されており、前記電子部品34側から延出される複数本たとえば6本のコード36…を個別に挿通せしめる複数個たとえば6個のコード挿通孔46…が保持部材37に設けられる。
【0027】
一方、カバー部材38は、前記保持部材37における長円形部37bの外周に内周を接触させるとともに外周を矩形部部37aの外周よりも内方に位置させるようにして、長円形の横断面形状を有するようにして合成樹脂により形成される。
【0028】
しかも前記保持部材37に設けられるコード挿通孔46…の内周には前記コード36…の外周に食い込む環状の第1突起47…が形成され、前記カバー部材38の前記保持部材37に接触する面すなわちカバー部材38の内周面には前記保持部材37における長円形部36bの外周に食い込むようにして無端状に連なる第2突起48が形成される。
【0029】
前記保持部材37の矩形部37aの前記車両用ドアD側に臨む側壁には、前記矩形部37aから前記車両用ドアD側に突出する位置決め突起37cが、矩形部37aの長手方向に長く延びて一体に突設されており、この位置決め突起37cは、前記被覆部材35から前記ハンドルカバー31側に突出する。また前記電子部品ユニット33は、前記電子部品34の回路基板39の後端に対応する部分から前記位置決め突起37cと同一方向に突出する突部33aを有している。
【0030】
前記電子部品ユニット33における前記被覆部材35には、その前端部から前方に突出する前部取付板部35aと、後端部から後方に突出する後部取付板部35bとが一体に設けられており、前記ハンドル本体30の前記前壁部30cの前記車両用ドアD側に臨む面には、前記前部取付板部35aを受ける平坦な受け座49が形成され、前記ハンドル本体30の前記後壁部30dの前記車両用ドアD側に臨む面には、前記後部取付板部35bを受ける平坦な受け座50が形成される。
【0031】
図8を併せて参照して、前記ハンドルカバー31は、前記ハンドル本体30が備える一対の側壁部30a,30bの内側に配置される一対の側壁31a,31bを有して、ハンドル本体30側に開いた略U字状の横断面形状を有するように形成されており、ハンドル本体30の前壁部30aおよび後壁部30bに形成される前記受け座49,50に、それらの受け座49,50との間に電子部品ユニット33の前記前部取付板部35aおよび前記後部取付板部35bを挟むようにした前記ハンドルカバー31がねじ部材51,52によって締結される。
【0032】
前記ハンドルカバー31のハンドル本体30への締結時に、前記電子部品ユニット33の位置決め突起37cは前記ハンドルカバー31に設けられる位置決め孔53に挿通され、前記電子部品ユニット33の前記突部33aは、前記ハンドルカバー31に設けられる逃がし凹部54に収容される。
【0033】
また電子部品ユニット33が前記ハンドルカバー31とともに前記ハンドル本体30に固定された状態で、電子部品ユニット33から延出される複数のコード36…は、前記ハンドル本体30の前壁部30cに設けられる導出孔55(図4参照)に挿通され、車両用ドアD内に導出される。
【0034】
前記電子部品ユニット33の前記被覆部材35には、電子部品ユニット33を収容凹部32に収容したハンドル本体30に収容凹部32を覆うようにしてハンドルカバー31が締結された状態で,ハンドル本体30およびハンドルカバー31の合わせ部間に挟まれるようにした延出部35c,35cが一体に設けられる。それらの延出部35c,35cは、ハンドル本体30の両側壁部30a,30bと、ハンドルカバー31の側壁31a,31b間に挟まれる。
【0035】
次にこの実施の形態の作用について説明すると、操作ハンドル12が、車両用ドアD側に向かって開放した横断面略U字状の収容凹部32を形成するハンドル本体30と、収容凹部32を覆って前記車両用ドアD側から前記ハンドル本体30に締結されるハンドルカバー31とで構成され、前記収容凹部32には、弾性材料たとえばシリコンゴムから成る被覆部材35で少なくとも電子部品34が覆われて成る電子部品ユニット33が収容され、被覆部材35に、ハンドル本体30およびハンドルカバー31の合わせ部間に挟まれる延出部35c…が一体に設けられるので、操作ハンドル12の操作時にハンドル本体30およびハンドルカバー31の合わせ部間で擦れが生じることを防止し、その擦れによる異音の発生を防止することができる。しかも被覆部材35に延出部35c…を一体に設けるだけであるので、接着剤が不要となり、コストの低減に寄与することができる。また接着剤を塗布する作業が不要であるので、作業工数を低減することができ、接着剤を硬化させる時間も不要であるので、すぐに次工程の作業を行うことができ、作業時間を低減することができる。
【0036】
また電子部品34に接続されるコード36…を挿通せしめて保持するようにして弾性材料たとえばゴムにより形成される保持部材37と、前記コード36…の長手方向に直交する平面内で前記保持部材37の外周の全周に密接するようにして前記保持部材37に装着される合成樹脂製のカバー部材38と、前記電子部品34とは、インサートモールドで前記被覆部材35に埋め込まれるので、電子部品34側への水の浸入を効果的に防止することができる。すなわち弾性材料から成る被覆部材35と、その被覆部材35で覆われる弾性材料製の保持部材37とでは相互の密着性が低いので、そのままの状態では、外部から操作ハンドル12内に水が浸入したときに被覆部材35および保持部材37間を伝って電子部品34側に水が浸入してしまう可能性があるが、コード36…の長手方向に直交する平面内で保持部材37の外周の全周に密接するようにして合成樹脂製のカバー部材38が保持部材37に装着されるので、保持部材37との間の密着性を高めたカバー部材38および被覆部材35間の密着性を高めて、電子部品34側への水の浸入を効果的に防止することが可能となる。
【0037】
さらにコード36…を挿通せしめるようにして前記保持部材37に設けられるコード挿通孔46…の内周に、前記コード36…の外周に食い込む環状の第1突起47…が形成され、前記カバー部材38の前記保持部材37に接触する面すなわちカバー部材38の内周面に、前記保持部材37の外周に食い込むようにして無端状に連なる第2突起48が形成されるので、電子部品34に対する防水性をより高めることができる。
【0038】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行うことが可能である。
【符号の説明】
【0039】
12・・・操作ハンドル
30・・・ハンドル本体
31・・・ハンドルカバー
32・・・収容凹部
33・・・電子部品ユニット
34・・・電子部品
35・・・被覆部材
35c・・・延出部
36・・・コード
37・・・保持部材
38・・・カバー部材
46・・・コード挿通孔
47・・・第1突起
48・・・第2突起
D・・・車両用ドア
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8