特許第5922747号(P5922747)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5922747
(24)【登録日】2016年4月22日
(45)【発行日】2016年5月24日
(54)【発明の名称】植木鉢
(51)【国際特許分類】
   A01G 9/02 20060101AFI20160510BHJP
   A01G 27/02 20060101ALI20160510BHJP
【FI】
   A01G9/02 101R
   A01G27/02 F
【請求項の数】4
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2014-236084(P2014-236084)
(22)【出願日】2014年11月21日
【審査請求日】2014年11月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】595020883
【氏名又は名称】株式会社はくぶん
(74)【代理人】
【識別番号】100101409
【弁理士】
【氏名又は名称】葛西 泰二
(74)【代理人】
【識別番号】100175385
【弁理士】
【氏名又は名称】葛西 さやか
(72)【発明者】
【氏名】塚本 修
【審査官】 木村 隆一
(56)【参考文献】
【文献】 登録実用新案第3095556(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3166675(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3092791(JP,U)
【文献】 特開2014−027909(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0139650(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01G 9/00−9/10
A01G 27/00−27/02
A01G 27/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
給水用ボトルが保持される植木鉢であって、
上方が開放された胴体と、
前記胴体の上端の一部に形成された突起体と、
一方端が前記突起体に係合すると共に、他方端が前記胴体の内方に位置するように延びて倒立状態の給水用ボトルに固定されるアーム体とを備え、
前記アーム体の前記他方端は、前記給水用ボトルの注水口に螺合すると共に、その先端には少なくとも1個の開口が形成されるキャップ部を構成し、
前記アーム体の前記一方端は、上下反転した状態で前記突起体に脱着自在に係合し、前記他方端は、前記胴体の外方に位置することが可能に構成され、前記給水用ボトルを前記胴体の外で正立状態に保持する、植木鉢。
【請求項2】
前記アーム体の前記一方端は、前記突起体に対して脱着自在に、且つ回動自在に係合する、請求項1記載の植木鉢。
【請求項3】
前記突起体が形成される前記胴体の部分は、平面視において内方側に凹んだ形状を有し、正立時の前記給水用ボトルの一部は前記凹んだ形状に沿って保持される、請求項2記載の植木鉢。
【請求項4】
給水用ボトルが保持される植木鉢であって、
上方が開放された胴体と、
前記胴体の上端の一部に形成された凹み体と、
一方端が前記凹み体に係合すると共に、他方端が前記胴体の内方に位置するように延びて倒立状態の給水用ボトルに固定されるアーム体とを備え、
前記アーム体の前記他方端は、前記給水用ボトルの注水口に螺合すると共に、その先端には少なくとも1個の開口が形成されるキャップ部を構成し、
前記アーム体の前記一方端は、上下反転した状態で前記凹み体に脱着自在に係合し、前記他方端は、前記胴体の外方に位置することが可能に構成され、前記給水用ボトルを前記胴体の外で正立状態に保持する、植木鉢。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は植木鉢に関し、特に小学校等で教材として用いられ、給水用ボトルが保持される植木鉢に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図15は、特許文献1で開示された従来の植木鉢の使用状態を示す分解斜視図である。
【0003】
図を参照して、従来の植木鉢71は、特に小学校等で教材として用いられるものであって、その内部に土5を収容することができる胴部73と、胴部73の上端に接続され、ホルダー用孔79が形成され、水平方向の外方に延びるフランジ部75と、フランジ部75のホルダー用孔79に脱着自在に取り付けられ、給水用ボトル1を保持することができる容器ホルダー81とから構成される。
【0004】
容器ホルダー81は、フランジ部75のホルダー用孔79に回動自在に嵌合する軸形状部分を有する取付部82と、取付部82に一体的に接続されて、給水用ボトル1の胴部をその周囲で保持することができるリング形状の保持部83とから構成される。
【0005】
図16は、図15で示した植木鉢の使用状態を示す斜視図であり、図17は、図16で示したXVII−XVIIラインから見た断面図である。
【0006】
使用に際して、図16を参照して、容器ホルダー81は、その取付部82を介して植木鉢71に一体的に取り付けられている。上下逆さまに倒立状態にされた給水用ボトル1は、その胴部を容器ホルダー81の保持部83で保持され、その先端に位置する灌水キャップ3は、植木鉢71の胴部73の内部に収容された土5に挿し込まれている。そして、給水用ボトル1の内部に充填された図示しない水が、灌水キャップ3を介して土5に注がれることになる。これにより、植木鉢71が小学校等で教材(朝顔の生育観察等)として用いられるとき、小学校等で休日が連続するような場合でも、学童による給水に代って、給水が自動的に行われることになる。
【0007】
図17を参照して、給水用ボトル1を保持する容器ホルダー81は、前述のように水平方向に回動自在となるように、取付部82を介して図15で示したホルダー用孔79に取り付けられている。そのため、実線の矢印で示したように容器ホルダー81は、ホルダー用孔79を回動中心として回動できるので、給水用ボトル1は二点鎖線で示されたような位置に移動できる。従って、給水用ボトル1による給水位置を適宜変えることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】実用新案登録第3095556号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記のような従来の植木鉢71において、給水用ボトル1を使用しないときは、図16で示した状態の容器ホルダー81から給水用ボトル1を取り外して、植木鉢71とは別に保管する必要があり、給水用ボトル1を紛失する虞があった。又、給水用ボトル1は、容器ホルダー81の保持部83によって保持されているものの、保持部83に固定されたものではなかったので、保持状態が不安定であり、強風等で不用意に移動する虞があった。更に、植木鉢71に取り付けられた容器ホルダー81は、図17で示したように水平方向に回動自在であったが、回動範囲は狭いものであった。
【0010】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、給水用ボトルの紛失や不用意な移動がないと共に、使い勝手が向上する植木鉢を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の目的を達成するために、請求項1記載の発明は、給水用ボトルが保持される植木鉢であって、上方が開放された胴体と、胴体の上端の一部に形成された突起体と、一方端が突起体に係合すると共に、他方端が胴体の内方に位置するように延びて倒立状態の給水用ボトルに固定されるアーム体とを備え、アーム体の他方端は、給水用ボトルの注水口に螺合すると共に、その先端には少なくとも1個の開口が形成されるキャップ部を構成し、アーム体の一方端は、上下反転した状態で突起体に脱着自在に係合し、他方端は、胴体の外方に位置することが可能に構成され、給水用ボトルを胴体の外で正立状態に保持するものである。
【0012】
このように構成すると、給水用ボトルは、アーム体を介して胴体に保持される。又、アーム体と給水用ボトルとの接続や分離が容易になる。更に、給水用ボトルの不使用時にもアーム体を介して保持することが可能になる。
【0015】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の構成において、アーム体の一方端は、突起体に対して脱着自在に、且つ回動自在に係合するものである。
【0016】
このように構成すると、給水用ボトルの不使用時にはアーム体ごと取り外し、使用時には給水用ボトルの給水位置を変えることが可能になる。
【0019】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明の構成において、突起体が形成される胴体の部分は、平面視において内方側に凹んだ形状を有し、正立時の給水用ボトルの一部は凹んだ形状に沿って保持されるものである。
【0020】
このように構成すると、植木鉢の全体がコンパクトになると共に、給水用ボトルの回動範囲が拡大する。
【0021】
請求項4記載の発明は、給水用ボトルが保持される植木鉢であって、上方が開放された胴体と、胴体の上端の一部に形成された凹み体と、一方端が凹み体に係合すると共に、他方端が胴体の内方に位置するように延びて倒立状態の給水用ボトルに固定されるアーム体とを備え、アーム体の他方端は、給水用ボトルの注水口に螺合すると共に、その先端には少なくとも1個の開口が形成されるキャップ部を構成し、アーム体の一方端は、上下反転した状態で凹み体に脱着自在に係合し、他方端は、胴体の外方に位置することが可能に構成され、給水用ボトルを胴体の外で正立状態に保持するものである。
【0022】
このように構成すると、給水用ボトルは、アーム体を介して胴体に保持される。又、アーム体と給水用ボトルとの接続や分離が容易になる。更に、給水用ボトルの不使用時にもアーム体を介して保持することが可能になる。
【発明の効果】
【0023】
以上説明したように、請求項1記載の発明は、給水用ボトルは、アーム体を介して胴体に保持されるため、給水用ボトルの紛失や不用意な移動がない。又、アーム体と給水用ボトルとの接続や分離が容易になるため、使い勝手が向上する。更に、給水用ボトルの不使用時にもアーム体を介して保持することが可能になるため、不使用時の給水用ボトルやアーム体の紛失の虞がない。
【0025】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の効果に加えて、給水用ボトルの不使用時にはアーム体ごと取り外し、使用時には給水用ボトルの給水位置を変えることが可能になるため、使い勝手がより向上する。
【0027】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明の効果に加えて、植木鉢の全体がコンパクトになると共に、給水用ボトルの回動範囲が拡大するため、効率的な配置となる。
【0028】
請求項4記載の発明は、給水用ボトルは、アーム体を介して胴体に保持されるため、給水用ボトルの紛失や不用意な移動がない。又、アーム体と給水用ボトルとの接続や分離が容易になるため、使い勝手が向上する。更に、給水用ボトルの不使用時にもアーム体を介して保持することが可能になるため、不使用時の給水用ボトルやアーム体の紛失の虞がない。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】この発明の第1の実施の形態による植木鉢を示す概略斜視図である。
図2図1で示した植木鉢の概略正面図である。
図3図2で示したIII−IIIラインから見た概略拡大断面図である。
図4図2で示したIV−IVラインから見た概略拡大断面図である。
図5図1で示した植木鉢に係合する、この発明の第1の実施の形態によるアーム体を示す概略斜視図である。
図6図5で示したVI−VIラインから見た概略拡大断面図である。
図7図1で示した植木鉢において、図5で示したアーム体を介して、給水用ボトルを正立状態で保持した概略斜視図である。
図8図7で示したVIII−VIIIラインから見た概略断面図である。
図9図1で示した植木鉢において、図5で示したアーム体を介して、給水用ボトルを倒立状態で保持した概略斜視図であって、図7に対応した図である。
図10図9で示したX−Xラインから見た概略断面図であって、図8に対応した図である。
図11図9で示したXI−XIラインから見た概略断面図である。
図12図9で示したXII−XIIラインから見た概略断面図である。
図13】この発明の第2の実施の形態による植木鉢に係合するアーム体であって、図5に対応した図である。
図14】この発明の第2の実施の形態による植木鉢において、図13で示したアーム体を介して、給水用ボトルを正立状態で保持した際の概略拡大断面図であって、図8で示した“X”部分の概略拡大図に対応した図である。
図15】特許文献1で開示された従来の植木鉢の使用状態を示す分解斜視図である。
図16図15で示した植木鉢の使用状態を示す斜視図である。
図17図16で示したXVII−XVIIラインから見た断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1は、この発明の第1の実施の形態による植木鉢を示す概略斜視図であり、図2は、図1で示した植木鉢の概略正面図であり、図3は、図2で示したIII−IIIラインから見た概略拡大断面図であり、図4は、図2で示したIV−IVラインから見た概略拡大断面図である。
【0031】
これらの図を参照して、植木鉢11は、特に小学校等で教材として用いられ、後述する給水用ボトルが保持されるものであって、合成樹脂等を射出成形することによって形成され、その内部に図示しない土を収容することができ、上方が開放された胴体20と、胴体20の上端の一部に形成された略円柱形状を有する突起体23とから構成される。
【0032】
植木鉢11の胴体20の上端の四隅付近には、朝顔等を生育する際に蔓の巻き付け用に用いられる図示しない支柱を取り付けるための支柱用孔26a〜26dが形成されている。
【0033】
植木鉢11の突起体23は、支柱用孔26aと支柱用孔26bとの間の位置に形成されている。この突起体23が形成される胴体20の部分22は、平面視において内方側に凹んだ形状を有し、後述する正立時の給水用ボトルの一部はこの凹んだ形状に沿って保持されるように形成されている。このように構成した理由については、後述する。尚、胴体20の部分22は、図4で示すように所定長さLだけ内方側に凹んでいる。ここでの所定長さLは、突起体23の中心から正面側の胴体20の上端位置までの水平距離である。
【0034】
胴体20の部分22の外方側に開口28を形成するように、胴体20の部分22に接続されたガイド部29が形成されている。このガイド部29の正面側には、植木鉢11の所有者名等を記入するためのネーム部30が形成されている。尚、開口28の大きさは、後述する正立時の給水用ボトルが挿通することができる大きさに設定されている。
【0035】
図5は、図1で示した植木鉢に係合する、この発明の第1の実施の形態によるアーム体を示す概略斜視図であり、図6は、図5で示したVI−VIラインから見た概略拡大断面図である。
【0036】
これらの図を参照して、アーム体31は、合成樹脂等を射出成形することによって形成され、後述する給水用ボトルに固定されると共に、図1で示した植木鉢11の突起体23に係合するものである。アーム体31の一方端32は、略筒形状を有し、その側面には開口33と通じる切欠き34が形成されている。アーム体31の他方端38は、その内部にネジ山44が形成され、その先端40に複数の開口42が形成されたキャップ部39からなる。このように構成した理由については、後述する。
【0037】
図7は、図1で示した植木鉢において、図5で示したアーム体を介して、給水用ボトルを正立状態で保持した概略斜視図であり、図8は、図7で示したVIII−VIIIラインから見た概略断面図である。
【0038】
これらの図を参照して、いわゆるPETボトル(500ml程度)等である給水用ボトル1は、正立状態で、植木鉢11の開口28に挿通され、その注水口2がアーム体31の他方端38であるキャップ部39に固定されている。アーム体31の一方端32は、植木鉢11の突起体23に対して脱着自在に、且つ回動自在に係合している。
【0039】
取り付けに際して、図8を参照して、まず、二点鎖線で示したアーム体31の他方端38であるキャップ部39のネジ山44を、二点鎖線で示した給水用ボトル1の注水口2に、一点鎖線で示した矢印の方向へ螺合させる。固定態様を螺合するように構成することで、アーム体31と給水用ボトル1との接続や分離が容易となり、使い勝手が向上する。
【0040】
次に、実線の矢印の方向へ、給水用ボトル1を、植木鉢11の開口28に挿通させる。同時に、アーム体31の一方端32の開口33を、植木鉢11の突起体23に嵌合させて係合させる。尚、アーム体31の一方端32には、図5で示したように切欠き34が形成されているため、略円柱形状の突起体23に脱着自在に、且つ回動自在に係合し易くなっている。
【0041】
このとき、前述したように、突起体23が形成された胴体20の部分22は、平面視において内方側に凹んだ形状を有し、正立時の給水用ボトル1の一部はこの凹んだ形状に沿って保持されるように形成されているため、給水用ボトル1を保持した植木鉢11の全体がコンパクトになり、効率的な配置となっている。
【0042】
又、正立状態で保持された給水用ボトル1の底面と、植木鉢11の胴部20の底面(地面に対応)との間に、距離Hが設けられるようにアーム体31は形成されることが好ましい。このように構成することにより、植木鉢11に一体化された給水用ボトル1の底面は地面に接触しないので、給水用ボトル1に接続されたアーム体31の一方端32が植木鉢11の突起体23から外れたり、ずれたりせずに、給水用ボトル1と植木鉢11との係合状態が安定して維持される。そのため、植木鉢11を持ち上げて移動する際においては、給水用ボトル1と植木鉢11との係合状態を維持したままで移動可能となる。又、距離Hを設けることで、給水用ボトル1と植木鉢11との係合状態を維持したままで、大きさの異なる給水用ボトル1にも適用できるようになる。尚、距離Hは必ずしも設けられていなくても良く、この場合には給水用ボトル1の底面は地面に付くことになる。又、同一の大きさの給水用ボトル1に対して距離Hが相違するアーム体31を別途用意しておくことで、大きさの異なる給水用ボトル1に対して、植木鉢11を変更することなく、アーム体31のみを変更して対応することが可能になり、コスト的に有利となる。
【0043】
これらの図で示した状態において、アーム体31の他方端38は、植木鉢11の胴体20の外方に位置しており、給水用ボトル1は、植木鉢11の胴体20の外で正立状態で保持されている。即ち、給水用ボトル1の不使用時にもアーム体31を介して保持することが可能となり、不使用時の給水用ボトル1やアーム体31の紛失の虞がない。
【0044】
図9は、図1で示した植木鉢において、図5で示したアーム体を介して、給水用ボトルを倒立状態で保持した概略斜視図であって、図7に対応した図であり、図10は、図9で示したX−Xラインから見た概略断面図であって、図8に対応した図であり、図11は、図9で示したXI−XIラインから見た概略断面図であり、図12は、図9で示したXII−XIIラインから見た概略断面図である。
【0045】
これらの図を参照して、給水用ボトル1は、倒立状態で、その注水口2がアーム体31の他方端38であるキャップ部39に固定されている。アーム体31の一方端32は、植木鉢11の突起体23に対して脱着自在に、且つ回動自在に係合している。
【0046】
取り付けに際して、図10を参照して、まず、二点鎖線で示した給水用ボトル1の注水口2に、二点鎖線で示したアーム体31の他方端38であるキャップ部39のネジ山44を、一点鎖線で示した矢印の方向へ螺合させる。
【0047】
次に、実線の矢印の方向へ、倒立状態の給水用ボトル1の注水口2に螺合固定されたアーム体31のキャップ部39を、植木鉢11の胴体20の内部に入れる。同時に、アーム体31の一方端32の開口33を、植木鉢11の突起体23に嵌合させて係合させる。このとき、アーム体31の他方端38は胴体20の内方に位置するように延びて倒立状態の給水用ボトル1に固定されるように形成されている。このように構成することにより、給水用ボトル1は、アーム体31を介して胴体20に保持されるため、給水用ボトル1の紛失や不用意な移動がない。
【0048】
又、このとき、アーム体31のキャップ部39の先端40が、植木鉢11の胴体20内部の二点鎖線で示した土5に挿入されるようになっている。これにより、給水用ボトル1の内部に充填された図示しない水等が、キャップ部39の先端40に形成された開口42を介して、土5に注がれることになる。
【0049】
更に、アーム体31の一方端32は、略筒形状を有し、上下反転した状態で突起体23に対して脱着自在に係合できるように形成されている。そのため、給水用ボトル1が保持されたアーム体31ごと、突起体23から取り外して、上下反転させた状態で再び突起体23に係合させることで、図9で示した倒立状態(使用時)で給水用ボトル1が植木鉢11に保持された状態から、図7で示した正立状態(不使用時)で給水用ボトル1が植木鉢11に保持された状態へと変更することができる。従って、給水用ボトル1の不使用時にはアーム体31ごと、植木鉢11から取り外しても良く、使い勝手がより向上したものとなっている。又、逆に、正立状態(不使用時)から倒立状態(使用時)への変更も可能である。
【0050】
使用に際して、図11及び図12を参照して、倒立状態で給水用ボトル1が保持されたアーム体31は、その一方端32が係合している突起体23を回動中心として、水平方向に回動自在となっている。前述したように、突起体23が形成された胴体20の部分22は、平面視において所定長さLだけ内方側に凹んだ形状を有している。このように構成することにより、実線で示した給水用ボトル1の状態から、二点鎖線で示した給水用ボトル1の状態へと回動させたとき、突起体23の中心を回動中心としたときの回動角θは、図17で示した従来の植木鉢71を回動させたときよりも大きくなる。即ち、給水用ボトル1の回動範囲が拡大するため、給水位置の範囲が広がり、効率的な配置となる。
【0051】
図13は、この発明の第2の実施の形態による植木鉢に係合するアーム体であって、図5に対応した図であり、図14は、この発明の第2の実施の形態による植木鉢において、図13で示したアーム体を介して、給水用ボトルを正立状態で保持した際の概略拡大断面図であって、図8で示した“X”部分の概略拡大図に対応した図である。
【0052】
尚、この第2の実施の形態による植木鉢12は、図1で示した第1の実施の形態による植木鉢11と基本的な構成は同一であり、植木鉢11と同様の効果を奏する。ここでは、その相違点を中心に説明する。
【0053】
これらの図を参照して、第2の実施の形態による植木鉢12のアーム体31の一方端32は、下方に略円柱形状を有する突起部36aと、上方に略円柱形状を有する突起部36bとから構成される。即ち、植木鉢12のアーム体31の一方端32は、図5で示した第1の実施の形態による植木鉢11のアーム体31の一方端32における筒形状を円柱形状(突起部36a及び36b)に置き換えたものである。
【0054】
第2の実施の形態による植木鉢12は、胴体20の上端の一部に形成された凹み体24を含んで構成される。この植木鉢12の凹み体24は、図1で示した植木鉢11において突起体23の代りに置き換えたものである。
【0055】
使用に際して、図14を参照して、アーム体31の一方端32の突起部36aは、植木鉢12の凹み体24(底面が開口されているものや側壁に切れ目が形成されているものも含む)に係合する。これにより、正立状態の給水用ボトル1はアーム体31を介して植木鉢12の胴体20に保持される。同様にして、図示しない倒立状態の給水用ボトル1は、その他方端38が胴体20の内方に位置する状態で、アーム体31(突起部36b)を介して植木鉢12の胴体20に保持される。
【0056】
又、植木鉢12のアーム体31の突起部36a及び36bの直径を、植木鉢12の支柱の直径に合わせ、支柱用孔26a〜26d(図示せず)に係合するように形成することで、アーム体31の係合位置を増やすことができ、給水位置の範囲が更に拡大する。
【0057】
尚、上記の各実施の形態では、植木鉢は、特に小学校等で教材として用いられるものであったが、教材以外の目的で、例えば純粋に植物を栽培するために用いられるものであっても良い。
【0058】
又、上記の各実施の形態では、植木鉢は、特定の植物を生育するためのものであったが、それ以外の植物を生育するために用いられても良い。
【0059】
更に、上記の各実施の形態では、胴体の上端は、支柱用孔が形成されたものであったが、支柱用孔は形成されていなくても良い。
【0060】
更に、上記の各実施の形態では、給水用ボトルは、その内部に給水用の水が充填されたものであったが、例えば植物を生育させる栄養分等が含まれた肥料や液体が充填されたボトルを含むものである。
【0061】
更に、上記の各実施の形態では、植木鉢は、特定の素材及び成形方法で形成されたものであったが、それ以外の素材及び成形方法で形成されても良い。
【0062】
更に、上記の各実施の形態では、給水用ボトルは、いわゆるPETボトルであったが、給水を目的とするものであれば、それ以外の液体容器であっても良い。
【0063】
更に、上記の各実施の形態では、給水用ボトルは、特定の形状及びサイズを有するものであったが、それ以外の形状及びサイズを有するものであっても良い。
【0064】
更に、上記の各実施の形態では、アーム体は、特定の素材及び成形方法で形成されたものであったが、それ以外の素材及び成形方法で形成されても良い。
【0065】
更に、上記の各実施の形態では、アーム体の他方端は、その先端に複数の開口が形成されたものであったが、開口は少なくとも1個あれば良い。
【0066】
更に、上記の各実施の形態では、アーム体の他方端は、給水用ボトルの注水口に螺合するものであったが、給水用ボトルを固定するものであれば、それ以外の固定方法であっても良い。
【0067】
更に、上記の各実施の形態では、胴体の部分は、正立時の給水用ボトルの一部は凹んだ形状に沿って保持されるものであったが、平面視において内方側に凹んだ形状を有していれば、正立時の給水用ボトルの一部は凹んだ形状に沿わずに保持されるものであっても良い。
【0068】
更に、上記の各実施の形態では、植木鉢は、ネーム部を有するものであったが、ネーム部はなくても良い。
【0069】
更に、上記の各実施の形態では、胴体の部分は、ガイド部が形成されたものであったが、ガイド部は形成されていなくても良い。
【0070】
更に、上記の第1の実施の形態では、突起体が形成された胴体の部分は、平面視において所定長さだけ内方側に凹んだ形状であったが、平面視において内方側に凹んだ形状であれば、所定長さは自由に決めて良い。
【0071】
更に、上記の第1の実施の形態では、突起体は、特定の形状を有するものであったが、アーム体の一方端が係合するものであれば、その他の形状であっても良い。
【0072】
更に、上記の第1の実施の形態では、突起体は、1個のみ形成されたものであったが、胴体の上端の一部に形成されたものであれば、複数個形成されていても良い。
【0073】
更に、上記の第1の実施の形態では、アーム体の一方端は、特定の形状を有するものであったが、植木鉢の突起体に係合するものであれば、他の形状であっても良い。
【0074】
更に、上記の第1の実施の形態では、突起体が形成される胴体の部分は、特定の形状に形成されたものであったが、それ以外の形状に形成されても良い。
【0075】
更に、上記の第1の実施の形態では、アーム体の一方端は、上下反転した状態で突起体に係合するものであったが、他方端が胴体の内方に位置するようにして倒立状態の給水用ボトルを固定するものであれば、上下反転した状態で突起体に係合できない形状であっても良い。
【0076】
更に、上記の第1の実施の形態では、アーム体の一方端は、突起体に対して脱着自在に、且つ回動自在に係合するものであったが、突起体に係合するものであれば、脱着自在に、又は、回動自在に係合していなくても良い。
【0077】
更に、上記の第2の実施の形態では、凹み体が形成された胴体の部分は、平面視において所定長さだけ内方側に凹んだ形状であったが、平面視において内方側に凹んだ形状であれば、所定長さは自由に決めて良い。
【0078】
更に、上記の第2の実施の形態では、凹み体は、特定の形状を有するものであったが、アーム体の一方端が係合するものであれば、その他の形状であっても良い。
【0079】
更に、上記の第2の実施の形態では、凹み体は、1個のみ形成されたものであったが、胴体の上端の一部に形成されたものであれば、複数個形成されていても良い。
【0080】
更に、上記の第2の実施の形態では、アーム体の一方端は、特定の形状を有するものであったが、植木鉢の凹み体に係合するものであれば、他の形状であっても良い。
【0081】
更に、上記の第2の実施の形態では、凹み体が形成される胴体の部分は、特定の形状に形成されたものであったが、それ以外の形状に形成されても良い。
【0082】
更に、上記の第2の実施の形態では、アーム体の一方端は、上下反転した状態で凹み体に係合するものであったが、他方端が胴体の内方に位置するようにして倒立状態の給水用ボトルを固定するものであれば、上下反転した状態で凹み体に係合できない形状であっても良い。
【0083】
更に、上記の第2の実施の形態では、アーム体の一方端は、凹み体に対して脱着自在に、且つ回動自在に係合するものであったが、凹み体に係合するものであれば、脱着自在に、又は、回動自在に係合していなくても良い。
【符号の説明】
【0084】
1…給水用ボトル
2…注水口
11、12…植木鉢
20…胴体
22…部分
23…突起体
24…凹み体
31…アーム体
32…一方端
38…他方端
39…キャップ部
40…先端
42…開口
尚、各図中同一符号は同一又は相当部分を示す。
【要約】
【課題】 給水用ボトルの紛失や不用意な移動がないと共に、使い勝手が向上する植木鉢を提供する。
【解決手段】 植木鉢11は、上方が開放された胴体20と、胴体20の上端の一部に形成された略円柱形状を有する突起体23と、その一方端32が突起体23に脱着自在、且つ回動自在に係合すると共に、その他方端38が胴体20の内方に位置するように延びて倒立状態の給水用ボトル1に固定されるアーム体31とから構成される。アーム体31の一方端32は略筒形状に形成され、アーム体31の他方端38は給水用ボトル1の注水口に螺合するキャップ部39が形成されている。このように構成することにより、給水用ボトル1は、アーム体31を介して胴体20に保持されるため、給水用ボトル1の紛失や不用意な移動がないと共に、使い勝手が向上する。
【選択図】 図9
図1
図2
図3
図4
図5
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図17