(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記自宅エリアの特性を示す重みは、前記自宅エリアの人口に対する、当該自宅エリアに自宅が存在するとして前記記憶手段に記憶された前記ユーザの数に応じた値であり、
前記対象エリアにおける前記指標は、前記測位のときに前記対象エリアに滞在していた人の数の推定値であることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
前記自宅エリアの特性を示す重みは、前記自宅エリアの人口に対する、当該自宅エリアに自宅が存在するとして前記記憶手段に記憶された前記ユーザの数に応じた値をさらに用いて算出された値であり、
前記対象エリアにおける前記指標は、前記測位のときに前記対象エリアに滞在していた人の総購買力の推定値であることを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
前記自宅エリアの範囲は、同一の前記自宅エリアに自宅を有する人が同様の特性を示すように設定されることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、同じ通信事業者からサービスを受けている携帯端末の所有率は、エリアによって異なる。従って、引用文献1において、あるエリアで位置情報が収集された携帯端末の中には、そのエリアとは所有率が異なる他のエリアに自宅を有する人が所有する携帯端末が含まれている場合がある。この場合、事業者Aによってあるエリアで位置情報が収集された携帯端末の数と、事業者Aの携帯端末の全国平均の所有率とを用いて算出された当該エリアに滞在する人の数の推定値は、実際に当該エリアに滞在している人の数と大きく異なる場合がある。
【0005】
また、測位情報を用いて算出できる他の指標として、ある通信事業者によりあるエリアで位置情報が収集された携帯端末の数と、商品の1人当たりの購買力の値とを用いて、その対象エリアに滞在する人の総購買力の推定値を算出することができる。ここで、1人当たりの購買力は、エリアによって異なる。従って、購買力が異なるエリアから移動してきた人が移動先のエリアで位置情報が収集された場合、算出された総購買力の推定値は実際の総購買力と大きく異なる場合がある。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものである。本発明の目的は、あるエリアに滞在する人に関する指標をより正確に算出する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る情報処理装置は、携帯端末のユーザの自宅が存在する自宅エリアの情報と、測位情報とを記憶する記憶手段と、対象エリアにおいて測位された携帯端末の数を、前記自宅エリア別に前記記憶された測位情報から取得する測位情報取得手段と、前記取得した前記自宅エリア別の携帯端末の数のそれぞれに対して対応する前記自宅エリアの特性を示す重みを乗じてエリア特性量を算出し、前記自宅エリア別に算出された前記エリア特性量を合算して前記対象エリアに滞在する人に関する指標を算出する算出手段とを備えたことを特徴とする。
【0008】
本発明に係る方法は、制御手段と記憶手段とを有する情報処理装置において実施される方法であって、前記記憶手段は、携帯端末のユーザの自宅が存在する自宅エリアの情報と、測位情報とを記憶し、前記制御部が、対象エリアにおいて測位された携帯端末の数を、前記自宅エリア別に前記記憶された測位情報から取得する測位情報取得ステップと、前記制御部が、前記取得した前記自宅エリア別の携帯端末の数のそれぞれに対して対応する前記自宅エリアの特性を示す重みを乗じてエリア特性量を算出し、前記自宅エリア別に算出された前記エリア特性量を合算して前記対象エリアに滞在する人に関する指標を算出する算出ステップとを備えたことを特徴とする。
【0009】
本発明に係るプログラムは、コンピュータを、携帯端末のユーザの自宅が存在する自宅エリアの情報と、測位情報とを記憶する記憶手段、対象エリアにおいて測位された携帯端末の数を、前記自宅エリア別に前記記憶された測位情報から取得する測位情報取得手段、前記取得した前記自宅エリア別の携帯端末の数のそれぞれに対して対応する前記自宅エリアの特性を示す重みを乗じてエリア特性量を算出し、前記自宅エリア別に算出された前記エリア特性量を合算して前記対象エリアに滞在する人に関する指標を算出する算出手段として機能させることを特徴とする。
【0010】
また、本発明のプログラムは、CD−ROM等の光学ディスク、磁気ディスク、半導体メモリなどの各種の記録媒体を通じて、又は通信ネットワークなどを介してダウンロードすることにより、コンピュータにインストール又はロードすることができる。
【0011】
また、本明細書等において、「部」とは、単に物理的な構成を意味するものではなく、その構成が有する機能をソフトウェアによって実現する場合も含む。また、1つの「部」が有する機能が2つ以上の物理的な構成により実現されても、2つ以上の「部」の機能が1つの物理的な構成により実現されてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、あるエリアに滞在する人に関する指標をより正確に算出する技術を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。ただし、発明の範囲をこれらに限定するものではない。
【0015】
測位情報を用いて、あるエリアに存在する人に関する様々な指標を算出することができる。例えば、当該指標としてのあるエリアに滞在する人の数の推定値は、ある通信事業者によってそのエリアで測位情報が収集された携帯端末の数と、その通信事業者によって測位情報を収集可能な携帯端末の所有率とを用いて算出することができる。しかしながら、同じ通信事業者によって測位情報を収集可能な携帯端末の所有率は、エリアによって異なる。また、あるエリアで測位情報の収集を行ったとき、測位情報が収集された携帯端末には他のエリアから移動してきたユーザの携帯端末が含まれている場合もある。そのため、ある通信事業者によってあるエリアで測位情報が収集された携帯端末の数と、その通信事業者により測位情報を収集可能な携帯端末の全国平均の所有率とを用いて算出されたそのエリアに滞在する人の数の推定値は、実際にそのエリアに滞在している人の数と大きく異なる場合がある。そこで、携帯端末のユーザが自宅を有するエリアの情報と、エリア毎の人口とに基づきエリア毎の携帯端末の所有率が算出可能である点に着目し、当該所有率を考慮してあるエリアに滞在している人の数の推定値を算出することで、より正確な推定値を算出することができる。すなわち、あるエリアに存在する人に関する指標は、携帯端末のユーザの自宅が存在するエリアにおける所有率を考慮することで、より正確に算出することができる。本実施形態は、このような技術思想に基づいている。
【0016】
[1.情報処理システムの構成]
図1は、本実施形態に係る情報処理システムの概略構成の一例を示す図である。情報処理システム1は、サーバ装置10及び携帯端末20などの情報処理装置を主に備える。サーバ装置10と携帯端末20は、ネットワークNを介して相互に通信することができる。なお、
図1では、1つの携帯端末20が記載されているが、サーバ装置10と通信可能な携帯端末20は、複数存在するものとする。
【0017】
ネットワークNは、サーバ装置10と携帯端末20との間で情報を送受信するための通信回線である。例えば、インターネット、LAN、専用線、パケット通信網、電話回線、企業内ネットワーク、その他の通信回線、それらの組み合わせ等のいずれであってもよく、有線であるか無線であるかを問わない。
【0018】
サーバ装置10は、ハードウェア構成として、制御部11、通信部14、及び記憶部15を主に備える。制御部11は、CPU(Central Processing Unit)12及びメモリ13を主に備えて構成される。サーバ装置10は、専用又は汎用のサーバ・コンピュータなどの情報処理装置を用いて実現することができ、例えば、CPU12がメモリ13等に格納された所定のプログラムを実行することにより、各種の機能実現手段として機能する。なお、サーバ装置10は、単一の情報処理装置より構成されるものであっても、ネットワーク上に分散した複数の情報処理装置より構成されるものであってもよい。
【0019】
制御部11では、CPU12は、記憶部15等に記憶されたプログラムをメモリ13に展開して実行することにより、サーバ装置10が備える各種構成の動作を制御し、また、各種処理の実行を制御する。制御部11において実行される処理の詳細は後述する。
【0020】
通信部14は、ネットワークNを介して携帯端末20等の各種情報処理装置と通信するための通信インタフェースである。通信部14は、例えば、携帯端末20からの測位情報を受信する。
【0021】
記憶部15は、ハードディスク等の記憶装置によって構成される。記憶部15は、制御部11における処理の実行に必要な各種プログラムや各種の情報を記憶する。記憶部15に記憶されている情報の具体例については後述する。
【0022】
携帯端末20は、例えば、携帯電話機、PDA、パーソナルコンピュータなどの現在位置を測位した測位情報を所定時間間隔でアップロードする機能を備えた情報端末を適用することができる。携帯端末20は、図示しないが、主制御部、通信部、表示部、操作部、記憶部、測位処理部などの各種機能実現手段を主に備える。
【0023】
図2を参照して、サーバ装置10の機能構成の一例を説明する。サーバ装置10は、機能構成として、自宅エリア設定部111、測位情報取得部112、指標算出部113、及びデータベース151を主に備える。これらの機能は、制御部11において、CPU12が、記憶部15等に記憶されたプログラムをメモリ13に展開して実行すること等により、ソフトウェアとハードウェアの協働により実現される。
【0024】
自宅エリア設定部111は、複数の携帯端末20の各ユーザについて測位情報に基づいて行動パターンを分析し、地図を区分することで予め定義したエリア(自宅エリア)の中からユーザの自宅が存在するエリアを選択して設定し、当該設定された自宅エリアの情報をユーザの情報と関連付けてデータベース151に記憶する。
【0025】
自宅エリアの設定方法の具体的な例として、自宅エリア設定部111は、まず、データベース151に記憶された測位情報に基づいて、あるユーザの所定の期間における測位回数、滞在秒数及び滞在日数のうちの少なくとも2つ以上の組合せが、所定の閾値以上であるエリアを特定する。自宅エリア設定部111は、特定されたエリアの内、滞在秒数が最大であるエリアをそのユーザの自宅エリアとして設定する。なお、自宅エリアをユーザの行動パターンを分析することによって設定しているが、この方法に限定されず、例えば、ユーザからの申告(例えば、Webやメールを介しての登録申請、又はアンケートの提出)等によって得られた自宅の位置の情報に基づいて設定してもよい。また、設定された自宅エリアの情報をサーバ装置10のデータベース151に記憶しているが、これに限定されず、サーバ装置10以外の他の装置に記憶してもよい。
【0026】
ここで、本実施形態においてエリアとは、1つ又は複数のメッシュ領域で定義された領域を示すものとする。メッシュ領域とは、緯度経度に基づいて地図を分割して得られる複数の分割領域のことであり、仕様や設計に応じて適宜分割領域の形状やサイズを設定することができる。例えば、メッシュ領域の形状は、四角形、六角形、ひし形等の多角形や、円等の曲線で囲まれた領域とすることができる。また例えば、ユーザが頻繁に滞在するエリアを特定したい場合はメッシュ領域のサイズを大きく設定し、一方、ユーザが頻繁に訪れる店などを特定したい場合はメッシュ領域のサイズを小さく設定することができる。またメッシュ領域のサイズは一定でなくてもよい。例えば、都市部のメッシュはより小さく(細かく)するようにしてもよい。また、人口統計情報によって地域毎にメッシュのサイズを変えたり(例えば人口が多い地域のメッシュは小さくする。)、市区町村の分類、宅地種別、日常圏の情報などに基づいてサイズを設定してもよい。また、ある期間(例えば8月、平日の朝等)の測位情報や現在の測位情報に基づいてサイズを設定してもよい。例えば、ある期間に測位したユーザが少ない場合、ある期間の測位情報の測位精度が低い場合、メッシュを大きくすることが考えられる。なお、ある期間に測位したユーザが多い場合であっても、測位精度が低い場合は、メッシュは大きくすることが望ましい。測位点に該当するメッシュ領域とは、測位点の座標情報が属するメッシュ領域を意味する。なお、本実施形態で用いられるエリアの定義の方法は単なる一例であり、この方法に限定されず、任意の方法で定義することができる。
【0027】
測位情報取得部112は、携帯端末20から受信した測位情報をデータベース151に記憶し、また、あるエリアにおいて測位情報が収集された携帯端末の数を上述の自宅エリア別にデータベース151の測位情報から取得する。例えば、北海道で収集された同時刻の測位情報に、自宅エリアが東京であるユーザの携帯端末20の測位情報が2万台分、自宅エリアが沖縄であるユーザの携帯端末20の測位情報が1万台分含まれていたとする。このとき、測位情報取得部112は、データベース151に記憶されている北海道における測位情報を分析して、自宅エリアが東京であるユーザの携帯端末20の数「2万」、及び自宅エリアが沖縄であるユーザの携帯端末20の数「1万」をそれぞれカウントして取得する。
【0028】
指標算出部113は、あるエリア(対象エリア)に滞在する人に関する指標を算出する。当該指標としては、例えば、対象エリアに滞在する人の数の推定値、対象エリアに滞在する人(携帯端末20のユーザ以外の人を含む意味での人)の総購買力の推定値、及び対象エリアに滞在する携帯端末20のユーザの総購買力の推定値等が考えられる。この指標を算出するために、指標算出部113は、まず、算出の対象となるエリアの対象となる日時における測位情報から測位情報取得部112により取得された自宅エリア別の携帯端末の数のそれぞれに対して、対応する自宅エリアの特性を示す重みを乗じた値をエリア特性量として自宅エリア別に算出する。指標算出部113は、自宅エリア別に算出されたエリア特性量を合算して、上記の指標を算出する。なお、自宅エリアの特性を示す重みの情報は、自宅エリアの情報と対応付けて、データベース151に記憶されている。
【0029】
図3を参照して、指標算出部113によって、あるエリアに滞在する人に関する指標を算出する方法の具体例を説明する。以降の説明において、「自宅エリア別所有率」とは、ある自宅エリアの人口に対する、当該自宅エリアに自宅が存在するとしてデータベース151に記憶された携帯端末20のユーザの数に応じて設定される値を示す。例えば、ある自宅エリアの人口が10万人であり、この自宅エリアに自宅が存在するとしてデータベース151に記憶された携帯端末20のユーザの数が1万人である場合、自宅エリア別所有率を10%(=1万÷10万×100)とすることができる。また、「自宅エリア別購買力単価」とは、ある自宅エリアにおける1人あたりの購買力に応じて設定される値を示す。例えば、ある自宅エリアに自宅が存在する人における1日平均の食料品の購入金額が100円である場合、自宅エリア別購買力単価を100円とすることができる。
【0030】
図3(A)を参照して、まず、自宅エリア別所有率を用いて、対象エリアに滞在する人に関する指標として、測位のときに対象エリアに滞在していた人の数の推定値を算出する方法の例について説明する。この例において、自宅エリアとしての東京の自宅エリア別所有率が10%であるとする。このとき、対象エリアで東京を自宅エリアとするユーザの携帯端末20の測位情報が1台分取得された場合、対象エリアに滞在する人で東京に自宅がある人の数は、1(人)÷0.1=10(人)と推定できる。従って、このとき、自宅エリアとしての東京の特性を示す重みを10とする。
【0031】
また、自宅エリアとしての沖縄の自宅エリア別所有率が5%であるとする。このとき、あるエリアで沖縄を自宅エリアとするユーザの携帯端末20の測位情報が1台分取得された場合、対象エリアに滞在する人で沖縄に自宅がある人の数は、1(人)÷0.05=20(人)と推定できる。従って、このとき、自宅エリアとしての沖縄の特性を示す重みを20とする。
【0032】
また、自宅エリアとしての北海道の自宅エリア別所有率が8%であるとする。このとき、あるエリアで北海道を自宅エリアとするユーザの携帯端末20の測位情報が1台分取得された場合、対象エリアに滞在する人で北海道に自宅がある人の数は、1(人)÷0.08=12.5(人)と推定できる。従って、このとき、自宅エリアとしての北海道の特性を示す重みを12.5とする。
【0033】
上記のような状況において、北海道のエリアAである日時において、携帯端末20の測位情報が300台分取得され、その内、100台分が東京を自宅エリアとするユーザのものであり、100台分が沖縄を自宅エリアとするユーザのものであり、残りの100台分が北海道を自宅エリアとするユーザのものであったとする。
【0034】
このとき、エリアAに滞在する人に関する指標としてのエリアAに滞在する人の数の推定値は、エリアAで測位された自宅エリア別の携帯端末の数のそれぞれに対して対応する自宅エリアの特性を示す重みを乗じた値(エリア特性量)を算出し、自宅エリア別に算出されたエリア特性量を合算することで算出することができる。すなわち、エリアAに滞在する人の数の推定値は、次のように算出できる。
100×10+100×20+100×12.5=4250(人)
【0035】
以上のように、本実施形態によれば、あるエリアに滞在する人の数の推定値(あるエリアに滞在する人に関する指標)をより正確に算出することができる。すなわち、同じ通信事業者によって測位情報を収集可能な携帯端末の所有率は、エリアによって異なるため、あるエリアで測位された携帯端末の中には、そのエリアとは所有率が異なる他のエリアに自宅を有する人が所有する携帯端末が含まれている場合がある。従って、例えば、全国平均の所有率を用いて算出されたあるエリアに滞在する人の数の推定値は、実際にそのエリアに滞在している人の数と大きく異なる場合がある。また、ある時点であるエリアに滞在している人には、一般に、様々なエリアから移動してきた人が含まれているため、測位が行われたエリアにおける所有率を単純に用いてそのエリアに滞在する人の数の正確な推定値を算出することは困難である。これに対し、本実施形態では、自宅エリア別所有率(自宅エリアの人口に対する、当該自宅エリアに自宅が存在するとしてデータベース151に記憶された携帯端末20のユーザの数)に基づいて算出された重み(自宅エリアの特性を示す重み)を用いてあるエリアに滞在する人の数の推定値を算出するため、より正確な推定値の算出を行うことができる。
【0036】
なお、本実施形態では、「自宅エリアの特性を示す重み」は、自宅エリア別所有率に基づいて設定されている。そのため、自宅エリア別所有率が非常に低いエリアについては、「自宅エリアの特性を示す重み」が極端に高い値となってしまい、推定値を算出するために用いる値として妥当ではない場合がある(例えば、あるエリアに1人滞在していることを検出したことが、1万人の滞在を推定することになる場合など)。従って、このような場合により妥当な推定値を算出するために、「自宅エリアの特性を示す重み」に上限値を設け、当該上限値を超える「自宅エリアの特性を示す重み」については、当該上限値で一定としてもよい。また、より妥当な推定値を算出するための他の方法として、「自宅エリアの特性を示す重み」が近隣のエリアと大きく異なる場合には、近隣のエリアの値を用いて、「自宅エリアの特性を示す重み」の値をスムージングする処理を行ってもよい。「自宅エリアの特性を示す重み」の設定方法については、以降の説明においても同様である。
【0037】
次に、
図3(B)を参照して、自宅エリア別所有率と自宅エリア別購買力単価とを用いて、対象エリアに滞在する人に関する指標として、ある時点で対象エリアに滞在している人の総購買力の推定値を算出する方法の例について説明する。この例において、自宅エリアとしての東京の自宅エリア別所有率が10%であるとする。また、例えば、東京を自宅エリアとする人の食料品の自宅エリア別購買力単価を100円とする。このとき、あるエリアで東京を自宅エリアとするユーザの携帯端末20の測位情報が1台分収集された場合、このエリアに滞在する人のうち東京に自宅を有する人による購買力は、1(人)÷0.1×100(円)=1000(円)と推定できる。従って、このとき、自宅エリアとしての東京の特性を示す重みを1000とする。
【0038】
また、自宅エリアとしての沖縄の自宅エリア別所有率が5%であるとする。また、例えば、沖縄を自宅エリアとする人の食料品の自宅エリア別購買力単価は、60円とする。このとき、あるエリアで沖縄を自宅エリアとするユーザの携帯端末20の測位情報が1台分収集された場合、このエリアに滞在する人のうち沖縄に自宅を有する人による購買力は、1(人)÷0.05×60(円)=1200(円)と推定できる。従って、このとき、自宅エリアとしての沖縄の特性を示す重みを1200とする。
【0039】
また、自宅エリアとしての北海道の自宅エリア別所有率が8%であるとする。また、例えば、北海道を自宅エリアとする人の食料品の自宅エリア別購買力単価を70円とする。このとき、あるエリアで北海道を自宅エリアとするユーザの携帯端末20の測位情報が1台分収集された場合、このエリアに滞在する人のうち北海道に自宅を有する人による購買力は、1(人)÷0.08×70(円)=875(円)と推定できる。従って、このとき、自宅エリアとしての沖縄の特性を示す重みを875とする。
【0040】
上記のような状況において、北海道のエリアBで、携帯端末20の測位情報が300台分収集され、その内、100台分が東京を自宅エリアとするユーザのものであり、100台分が沖縄を自宅エリアとするユーザのものであり、残りの100台分が北海道を自宅エリアとするユーザのものであったとする。
【0041】
このとき、エリアBに滞在する人に関する指標としてのエリアBに滞在する人の総購買力の推定値は、エリアBで測位された自宅エリア別の携帯端末の数のそれぞれに対して対応する自宅エリアの特性を示す重みを乗じた値(エリア特性量)を算出し、自宅エリア別に算出されたエリア特性量を合算することで算出することができる。すなわち、エリアBに滞在する人の総購買力の推定値は、次のように算出できる。
100×1000+100×1200+100×875=307500(円)
【0042】
以上のように、本実施形態によれば、あるエリアに滞在する人の総購買力の推定値(あるエリアに滞在する人に関する指標)をより正確に算出することができる。すなわち、上述したように同じ通信事業者によって測位情報を収集可能な携帯端末の所有率は、エリアによって異なるため、エリア毎の所有率を考慮せずに算出された総購買力の推定値は実際の総購買力とは大きく異なる場合がある。また、一般に、エリア毎に商品の購買力は異なると考えられるため、あるエリアで測位された携帯端末の中には、全国平均とは購買力が異なるエリアに自宅を有する人が所有する携帯端末が含まれている場合がある。従って、全国平均の購買力を用いて算出されたあるエリアに滞在する人の総購買力の推定値は、実際にそのエリアに滞在している人の総購買力と大きく異なる場合がある。また、ある時点であるエリアに滞在している人には、一般に、様々なエリアから移動してきた人が含まれているため、エリア別の購買力を単純に用いてそのエリアに滞在する人の総購買力の正確な推定値を算出することは困難である。
【0043】
これに対し、本実施形態では、自宅エリア別所有率(自宅エリアの人口に対する、当該自宅エリアに自宅が存在するとしてデータベース151に記憶された携帯端末20のユーザの数)と、自宅エリア別購買力単価(自宅エリアにおける1人あたりの購買力)とに基づいて算出された重み(自宅エリアの特性を示す重み)を用いてあるエリアに滞在する人の総購買力の推定値を算出するため、より正確な推定値の算出を行うことができる。
【0044】
なお、総購買力の推定値を算出するために、自宅エリア別所有率と、自宅エリア別購買力単価とに基づいて算出された重みを用いたが、総購買力の推定値の算出方法はこれに限定されない。例えば、自宅エリア別購買力単価に基づいて(自宅エリア別所有率を用いずに)算出された重みを用いて総購買力の推定値を算出してもよい。このように算出された推定値は、上記のように対象エリアに滞在する「人」(携帯端末20のユーザではない人を含めた意味での人)ではなく、対象エリアに滞在する「携帯端末20のユーザのみ」の総購買力の推定値となる。
【0045】
また、本実施形態では、自宅エリアを都道府県別に区分しているが自宅エリアを区分する方法はこれに限定されず、任意の方法で自宅エリアを区分することができる。例えば、自宅エリアをさらに小さい範囲又は大きい範囲に区分することも、同一の自宅エリアに自宅を有する人が同様の特性を示すように(例えば、同じ通信事業者により測位情報を収集可能な携帯電話の所有率が同様になるようにエリアをまとめて、購買力が同様になるようにエリアをまとめて、又は電車の沿線別にエリアをまとめて)自宅エリアを区分することも可能である。
【0046】
図2の説明に戻る。データベース151は、サーバ装置10において実行される上記の処理に必要な情報、及び当該処理により生成された情報など、各種情報を記憶する。データベース151は、例えば、測位情報、自宅エリア情報、ユーザ情報等を記憶する。測位情報は、測位された携帯端末20のユーザ、測位された時刻、及び場所についての情報である。自宅エリア情報は、自宅エリアの位置及び範囲、並びに自宅エリアの特性を示す重みについての情報である。ユーザ情報は、携帯端末20のユーザに関する情報であり、ユーザの自宅が存在する自宅エリアの情報を含む情報である。
【0047】
図4を参照して、データベース151に記憶された情報の構成の一例を説明する。
図4(A)は、測位情報の構成の一例を示している。測位情報には、測位時刻、ユーザID、緯度、経度等が含まれる。緯度及び経度は、携帯端末20が測位された位置を示す情報である。
【0048】
図4(B)は、自宅エリア情報の一例を示している。自宅エリア情報には、自宅エリアID、自宅エリアメッシュ番号、自宅エリア別所有率、重み1、自宅エリア別購買力単価、重み2、重み3等が含まれる。
【0049】
自宅エリアメッシュ番号は、自宅エリアの位置及び範囲をメッシュ領域のメッシュ番号で表した情報である。重み1は、自宅エリア別所有率を用いて設定された自宅エリアの特性を示す重みであり、対象エリアに滞在していた人の数の推定値を算出するための重みである。なお、各自宅エリアにおける人口、及び測位可能な携帯端末20の所有者数は時間の経過に伴って変化するため、自宅エリア別所有率もそれに応じて変化する。従って、自宅エリア別所有率を用いて設定される重み1の値は、所定の期間(例えば、1カ月、又は1日)ごとに最新の情報に基づいて設定された値がデータベース151に記憶されているものとする。
【0050】
重み2は、自宅エリア別購買力単価に基づいて設定された重みであり、対象エリアに滞在する携帯端末20のユーザの総購買力の推定値を算出するための重みである。重み3は、自宅エリア別所有率と自宅エリア別購買力単価とに基づいて設定された自宅エリアの特性を示す重みであり、対象エリアに滞在する人の総購買力の推定値を算出するための重みである。なお、重み1と同様に、重み2及び重み3の値も所定の期間ごとに最新の情報に基づいて設定された値がデータベース151に記憶されているものとする。
【0051】
図4(C)は、ユーザ情報の一例を示している。ユーザ情報には、自宅エリアID等が含まれる。自宅エリアIDは、携帯端末20のユーザが自宅を有するエリアであるとして自宅エリア設定部111によって設定された自宅エリアの自宅エリアIDである。また、自宅エリアIDは、ユーザからの申告(例えば、アンケートの提出)等によって得られた自宅の位置の情報に基づいて設定されてもよい。
【0052】
[2.サーバ装置の動作]
次に、上記のように構成されるサーバ装置10の動作の概要について説明する。なお、後述の各処理ステップは、処理内容に矛盾を生じない範囲で、任意に順番を変更して又は並列に実行することができるとともに、各処理ステップ間に他のステップを追加してもよい。また、便宜上1ステップとして記載されているステップは、複数ステップに分けて実行することができる一方、便宜上複数ステップに分けて記載されているものは、1ステップとして把握することができる。
【0053】
図5を参照して、サーバ装置10において、あるエリアに滞在する人に関する指標を算出する処理の制御フローについて説明する。
【0054】
ステップS11において、まず、測位情報取得部112は、指標を算出する対象となる日時及びエリアにおいて測位された携帯端末の数を自宅エリア別にデータベース151の測位情報から取得する。
【0055】
ステップS12において、指標算出部113は、ステップS11で取得された自宅エリア別の携帯端末の数のそれぞれに対して対応する自宅エリアの特性を示す重みを乗じた値をエリア特性量として自宅エリア別に算出する。自宅エリアの特性を示す重みは、データベース151から取得される。取得される重みは、ステップS13において算出される対象エリアに滞在する人に関する指標の内容に応じて異なる。対象エリアに滞在する人に関する指標としては、例えば、対象エリアに滞在する人の数の推定値、対象エリアに滞在する人の総購買力の推定値、対象エリアに滞在する携帯端末20のユーザの総購買力の推定値等がある。データベース151から取得される重みについての説明は、
図4を参照して上述したとおりである。例えば、対象エリアに滞在する人の数の推定値を算出する場合、指標算出部113は、エリア特性量を算出するために、測位情報取得部112によって取得された自宅エリア別の携帯端末の数のそれぞれに、
図4(B)に示された対応する自宅エリアにおける「重み1」の値を乗じる。
【0056】
ステップS13において、指標算出部113は、ステップS12で自宅エリア別に算出されたエリア特性量を合算して、対象エリアに滞在する人に関する指標を算出する。対象エリアに滞在する人に関する指標として、対象エリアに滞在する人の数の推定値、対象エリアに滞在する人の総購買力の推定値、対象エリアに滞在する携帯端末20のユーザの総購買力の推定値を算出するための具体的な方法は、
図3を参照して説明したとおりである。
【0057】
以上のように本実施形態によれば、自宅エリアの特性を示す重みを用いてあるエリアに滞在する人に関する指標を算出するため、より正確な指標の算出を行うことができる。
【0058】
[その他の実施形態]
本発明は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、他の様々な形で実施することができる。上記実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈されるものではない。