【文献】
Huawei,Congestion control by GGSN/PGW,3GPP TSG SA WG2 Meeting #79E (Electronic) TD S2-103157,2010年 6月29日
【文献】
Nokia Siemens Networks, Nokia,Clarification of back-off timer usage,3GPP TSG SA WG2 Meeting #81 S2-104939,2010年10月 6日
【文献】
3rd Generation Partnership Project;Technical Specification Group Services and System Aspects;General,3GPP TS 23.401 V10.1.0 (2010-09),2010年 9月,p.37-39
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
移動体通信装置へのデータ及び/又は移動体通信装置からのデータを伝達するための移動体通信ネットワークを制御する方法であって、前記移動体通信ネットワークは、複数の基盤機器を含むコアネットワーク部分と、前記移動体通信装置へのデータ又は前記移動体通信装置からのデータを伝達するための無線アクセスインターフェースを提供される複数の基地局を含む無線ネットワーク部分とを含み、前記方法は、
前記移動体通信装置からの要求に応じて前記移動体通信ネットワークにより提供される、通信セッションをサポートするための1つ以上の通信ベアラを介して伝達されるデータパケットの相対的な優先度の標識を受信すること
を含み、
前記データパケットの前記優先度の標識は、前記通信ベアラを構成するために使用され、
前記方法は、
前記移動体通信ネットワーク内で前記移動体通信装置に提供される複数の所定の優先度について、前記通信ベアラの優先度ごとのベアラの数を判定することと、
前記複数の所定の優先度の各々についての、前記通信ベアラの優先度ごとの前記数に従って、前記移動体通信ネットワークの状態を判定することと、
を含む、方法。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施形態は、3GPP LTE(Long Term Evolution)標準に従って動作する移動体通信ネットワークを使用する実装を参照しつつ、説明されるであろう。
図1は、LTEネットワークの例示的なアーキテクチャを提供する。
図1に示されるように、及び従来の移動体通信ネットワークのように、移動体通信装置(UE)1は、LTEにおいてエンハンストノードB(eNodeB)と呼ばれる基地局2へのデータ及び基地局2からのデータを伝達するように構成される。無線アクセスインターフェースを介してデータを送信/受信するために、通信装置1は、それぞれ、送信機/受信機部3を含む。
【0015】
基地局又はeNodeB2は、サービングゲートウェイ(S−GW)6に接続される。S−GW6は、通信装置1が移動体通信ネットワークの全体にわたりローミングする場合に当該通信装置1への移動体通信サービスのルーティング及び管理を実行するように構成される。移動性管理及び接続性を維持するために、移動性管理エンティティ(MME:mobility management entity)8は、ホーム加入者サーバ(HSS:home subscriber server)10に記憶される加入者情報を使用して通信装置1とのエンハンストパケットサービス(EPS)接続を管理する。他のコアネットワークコンポーネントは、ポリシー課金及びリソース機能(PCRF:policy charging and resource function)12と、インターネットネットワーク16及び最終的に外部のサーバ20に接続するパケットデータゲートウェイ(P−GW)14とを含む。LTEアーキテクチャについてのさらなる情報は、Holma H.及びToskala A.著 ”LTE for UMTS OFDN and SC-FDMA based radio access”と題された書物の25頁以降から収集され得る。
【0016】
以下の説明では、LTE/SAEの用語及び名称が使用される。しかし、本技術の実施形態は、UMTS、及びGPRSコアネットワークを伴うGERAN等の他の移動体通信システムに適用されることが可能である。
【0017】
ベアラ構成
本技術の例示的な実施形態は、MTCアプリケーション、及び共通目的の又は専用の装置に配置される通常のアプリケーションの共存を可能にするための構成を提供する。現在、LTE/EPC(Long Term Evolution/Enhanced Packet Communication)システム(リリース10)は、低優先度装置又はMTC装置のように装置を構成することを目的とする。MTC標識は、MTCアプリケーション(MTC装置)用に構成される移動体通信装置のために使用される。一方、低優先度標識は、全ての装置、即ち通常の人対人の装置及びMTC装置のために使用される。MTC標識は、MME、SGW及びPDN−GWにおいて、コンテキストデータとして記憶される。一方、低優先度標識は、課金記録の生成を支援するためにネットワーク内で記憶され得る。低優先度標識(low priority indicator)は、通常、ARP(Allocation Retention Priority)値により示される。ARP値は、通信ベアラについてのサービス品質(QoS)パラメータを定めるパラメータの1つである。ARP値は、これらの通信ベアラ上で送信されるデータパケットをネットワークがどのように扱うべきかを決定し、これらのデータパケットを生成するユーザをどのように扱うべきかを間接的に決定する。MTC標識等のこれらの追加のベアラパラメータは、QoSパラメータに反映されず、例えばS−GW及びPDN−GWにこの追加のMTC標識(MTC indicator)情報を記憶する論理エンティティにより考慮されることのみ可能である。
【0018】
現在、装置は、OMA DA及び/又は(U)SIM OTA手続きを用いて、製造プロセスの間又は製造プロセスの後に構成されることが可能である。装置が構成されると、構成は、少なくとも装置がネットワークにアタッチしている間は有効である。装置は、自装置の構成されるパラメータを変更できないが、ネットワークは、後述する手続きを用いてこれらのパラメータを変更できる。しかしながら、これは、頻繁に発生しないであろう。これらの手続きの主目的は、頻繁な再構成を可能にするというよりも、例えば、最初のアタッチ時に、又は機器が変更された場合に初期構成を可能にすることであるためである。さらに、既知の移動体通信ネットワークは、低優先度標識又はMTC標識に従って通信ベアラを確立せず、構成しない。
【0019】
本技術によれば、通信ベアラを確立するように構成される移動体通信装置は、ベアラを要求し、又は既存のベアラを変更する場合に、伝達されるデータの相対的なタイプ(relative type)を示す標識を移動体通信ネットワークに提供するように構成される。一例では、示されるデータのタイプは、低優先度標識である。また、別の例は、伝達されるデータがMTCアプリケーションのためのものであるという標識を提供する標識である。したがって、本技術の実施形態は、
・例えばMTC標識及び低優先度標識等、アプリケーションタイプ及び/又はトラフィックタイプごとのアクセス標識(いわゆるアクセス/トラフィックタイプ標識)を、動的に設定することができる;
・システム内に記憶されるコンテキスト情報の中の標識を設定し、及び/又は変更することができる;
・通信ネットワークエンティティの統計情報を収集することができる;
・示されるトラフィックに従って移動体通信ネットワークを制御することができる;
・柔軟な手法でこれらの標識を設定し、変更できるようにシステムを変更することができる。
【0020】
低優先度標識及びMTC標識は、アクセスストラタム(AS)アクセスメッセージ及び非アクセスストラタム(NAS)アクセスメッセージの中で使用される。これらの標識の使用は、通常、移動体通信装置がネットワークにアタッチされる時間の間固定されたままである構成パラメータにより統制(govern)される(上述したようにいくつかの例外が可能である)。本技術によれば、アプリケーションプロセスにより生成されるトラフィックタイプに基づいて通信ベアラの動的な構成を可能にする方式が提案される。例えば、MTCアプリケーションは、車、エネルギーハンドリングアプリケーション、各時間にメールボックスを同期するメールクライアント、VoIPを行うことを可能にするH2Hアプリケーション等のいくつかのメンテナンスパラメータを報告し得る。
【0021】
上述したように、現在提案されているLTE/EPC標準(リリース10)によれば、MTC装置及び低優先度装置を示すために2つの標識が導入された。MTC標識は、MTC(MTC装置)用に構成されるUEに使用されなければならない。一方、低優先度標識は、全ての装置、即ち通常の装置及びMTC装置に使用され得る。MTC標識は、MME、SGW及びPDN−GWでコンテキストデータとして記憶される。一方、低優先度標識は、課金記録の生成を支援するためにネットワーク内で記憶され得る。現在、これらの標識が使用されて、ASレベル及びNASレベルでのアクセス優先度が統制される。これらの標識は、準静的な手法で構成される移動体通信装置に関連付けられるので、同一の標識がアクセス時に常に使用される。これは、これらの装置により構成される通信ベアラのいくつか又は全てが、コンテキスト情報の一部として記憶される同一の標識を有するであろうという意味をもつ。
【0022】
本技術によれば、移動体通信装置は、(現在のように)装置タイプのみではなくアプリケーションタイプ又はトラフィックタイプもシグナリングし得る標識をASメッセージ及び/又はNASメッセージの中で送信することが可能になる。典型的には、アプリケーションタイプは、以下のとおりである。
・低優先度のMTCアプリケーション
・H2Hアプリケーション
・低優先度のH2Hアプリケーション
・MTCアプリケーション
【0023】
アプリケーションタイプは、以下のリストからのいずれかの特性を有し得るトラフィックタイプを反映してもよい。
1.耐遅延性(Delay tolerant)データ
2.同期アクセスが可能である、自動的に生成されるMTCデータ
3.通常特性データ
4.低優先度データ
5.高優先度データ
【0024】
この情報は、初期アクセスを許可(grant)する際に考慮される。後続のアクセスの試行では、移動体通信装置、及び、間接的に、アクセスをトリガするアプリケーションプログラムは、異なるアクセス標識を使用し得る。システムは、アプリケーションに、アクセス/トラフィック識別子を使用する権限を与えてもよい。例えば、アプリケーションは、デジタル署名されることが必要であり、アタッチ時に、システムは、アプリケーションがあるアクセス標識を使用する許可を与える。移動体通信装置のオペレーティングシステムは、アプリケーションの振るまいをチェックし、デジタル署名されたアプリケーションのみがインストールされ実行されているかを検証し、及び/又は、システムは、サービスプロバイダ若しくはオペレータと契約を結んだサービスレベルアグリーメント(SLA)に装置が従っているかどうかによらず、装置により使用されるアクセスパラメータを監視する。
【0025】
本技術のさらなる実施形態は、デフォルトベアラ(default bearer)の確立へと導くアタッチ手続きを提供することができる。デフォルトベアラのために、アクセス標識がシステム内に記憶される。しかしながら、移動体通信装置は、これらの標識を明示的にシグナリングすることもできる。
【0026】
専用のベアラが後に確立されるべきである場合に、アクセス時に使用される標識はベアラごとに記憶される。専用のベアラの確立の手続きが、ネットワークにより又は任意に移動体装置により開始される場合に、これらの標識は、ネットワークにより明示的に供給される。ベアラについてのアクセスパラメータが、アクセス時の移動体装置により使用されるアクセスパラメータと異なることになっているケースで、これは、移動体装置の初期手続きに適用可能である。複数のベアラが1つのアクセスの試行の中で生成される場合に、アクセス時に使用される標識が全てのベアラに使用されるのでなければ、移動体通信装置又はネットワークは、NASメッセージの中でベアラごとに明示的に標識をシグナリングすることができる。
【0027】
別の例示的な実施形態では、ネットワークは、どの標識が更新され/変更される必要があるかをシグナリングすることが可能なように新たなアクセスパラメータをメッセージに追加する小さな強化を伴う既存のベアラ変更手続きを使用することにより、コアネットワークエンティティ内に記憶されるアクセス標識情報を変更することができる。
【0028】
別の例では、移動体通信装置は、ベアラが変更されることを要求してもよい。そして、移動体通信装置は、使用されるアクセスパラメータを供給することができ、又は、この情報が提供されない場合には、アクセス時に使用される標識が代わりに使用される。
【0029】
さらなる例では、通信ベアラは、同一の又は異なるAPNに関連付けられる異なるアクセス標識を提供されてもよい。ベアラに関連付けられる標識がコンテキスト情報の一部として記憶されているので、通信ベアラはシステム内で見分けられることが可能である。これにより、ネットワークは、異なるアプリケーション及び/又はデータソースから来るCプレーンデータ及び/又はUプレーンデータのための処理を区別することが可能になる。同一のアプリケーションが異なるトラフィックタイプを生成し得ることが可能である。したがって、アクセス標識は後続のアクセスの試行について変わることが可能である。ベアラ変更手続きのみが使用されて、ベアラコンテキストが変更される場合に、移動体通信装置が、ベアラコンテキスト内に記憶されるアクセス標識に異なるアクセス標識を使用し得るということが、可能である。
【0030】
他の例は、以下の特徴を提供することができる。
・アクセスが許可されると、他のアプリケーションは、アクセス標識に関係なくデータを送信/受信してもよい。もしアクセスが拒否されると、より少ない制約を要求するアプリケーションが、異なる標識を使用して次のアクセスの試行をさらに開始してもよい。しかしながら、同一の又はより低い権利を伴ういずれかのアプリケーションは、ブロックされるであろう。
・システムは、最高優先度:MTC標識のセット、通常優先度:標識なしのセット、低優先度:低優先度標識のセット、最低優先度:MTC標識及び低優先度標識のセット等の、より高い優先度からより低い優先度へのリストに従って、アクセスの試行に優先度を与えてもよい。
・システムが、より高い優先度のアクセスをブロックする場合に、全てのより低い優先度のアクセスの試行は、それらの適用される同一の制約で暗黙的にブロックされる。
・システムがより低い優先度のアクセスをブロックする場合に、より高い優先度のアクセスが行われることが可能である。システムがより高い優先度のアクセスもブロックする場合に、システムが明示的に制約を提供していなければ、制約がより低い優先度のアクセスに暗黙的に適用される。
・ARP値により示されるような、より高い優先度レベルがあってもよい。
【0031】
本技術を具体化するより詳細な例示的な実装が、説明されるであろう。
図2は、移動体通信装置20が通信ベアラについての要求を伝送する例示的な説明を提供する。これは、移動体通信ネットワークへアタッチする際に、アタッチ手続きの一部として移動体通信装置20によりフォローされ得る。
図2に示されるように、移動体通信装置20は、アタッチ又は要求メッセージをeNodeB2に伝達する。上記メッセージは、eNodeB2にアタッチされているサービングゲートウェイS−GW6にさらに伝達され、その後、パケットデータゲートウェイPDN−GW14に伝達される。しかしながら、本技術によれば、移動体通信装置20は、1つ以上のアプリケーションプログラムを実行し得る。
【0032】
本技術によれば、移動体通信装置上で動作する1つ以上のアプリケーションプログラムの各々は、これらのアプリケーションプログラムにより提供される通信サービスをサポートするための1つ以上の通信ベアラにアクセスし得る。したがって、
図3で説明されるように、移動体通信装置20は、送受信機部30、制御プロセッサ32及びプログラム実行プロセッサ34を含み得る。制御プロセッサ32は、移動体通信ネットワークへの及び/又は移動体通信ネットワークからのデータパケットを伝達するためのeNodeB2への無線アクセスインターフェースを介して無線信号を伝達する送受信機部を制御する。
図3に示されるように、プロセッサ34は、複数のアプリケーションプログラムを実行するように構成される。この例では、4つのアプリケーションプログラムA1、A2、A3及びA4が、ユーザに通信サービスを提供するためにプロセッサにより実行されている。しかしながら、
図3で説明されるように、4つのアプリケーションプログラムA1、A2、A3、A4は、アプリケーションプログラムA1、A2、A3、A4のうちの1つ以上により確立される2つのベアラ36、38を介してデータを伝達する。
【0033】
LTE標準に詳しい人々によく知られるように、移動体通信装置は、デフォルトベアラ又は専用のベアラを確立し、変更することができる。例は、
図3に示される。
図3では、移動体通信装置20がまずスイッチをオンにされると、移動体通信ネットワークへ送信されるメッセージ22は、登録/アタッチメッセージである。したがって、移動体通信ネットワークは、例えば移動体通信ネットワークのHSS内で提供され得るパラメータを使用して、デフォルトベアラを確立する。しかしながら、通信装置20は、後に、例えば同じPDN−GW又はアクセスポイントネームAPN1への専用ベアラを確立するMMEへ対応するメッセージを送信することにより、あるパラメータに従った専用のベアラを要求し得る。同様に、移動体通信装置は、別のアクセスポイントネームAPN2を伴う別のPDN−GWへの専用のベアラを確立してもよい。しかしながら、本技術は、デフォルトベアラ又は専用ベアラ36、38を介して伝達されるデータの相対的な優先度をシグナリングするための構成を提供する。これにより、移動体通信ネットワークは、これらのベアラを介したデータパケットの伝達を区別することが可能になる。結果として、ベアラのタイプに応じて異なるように伝達が制御される。一例では、通信ベアラが、データパケットの低優先度ベアラであるという標識、又はデータパケットがMTCタイプ通信のために伝達されるという標識で確立される場合に、移動体通信ネットワークの1つ以上のノードは、例えば、ネットワークが輻輳していると、輻輳を制御するために、所定の時間これらのデータパケットをバッファリングすることができる。低優先度メッセージ又はMTC構成メッセージのいずれかの標識を提供する移動体通信装置20からの要求メッセージの伝達の例が、
図5において提供される。
【0034】
図5では、ベアラ構成メッセージ22.1は、低優先度メッセージ50及びMTC構成標識52を含むように示されている。しかしながら、ベアラ構成メッセージは、他の例では、移動体通信ネットワークへのアタッチの時点で伝達され得るが、移動体通信装置は、AS通信又はNAS通信の一部であり得るベアラを確立し、又は変更するために、アクセスパラメータを伝達し得る。したがって、
図5は、AS通信及びNAS通信の両方についての低優先度標識50又はMTC標識52の伝達を説明する例を提供する。
【0035】
LTEに詳しい人々によく知られるように、ベアラは、一度だけ構成され、その後、変更され、又は解放されることが可能である。しかしながら、ベアラが確立されるという事実にもかかわらず、アクセスパラメータはアクセスごとに変わることが可能である。これらのアクセスパラメータは、例えばRRC接続要求内のASレベル、及び、例えばサービス要求メッセージ内のNASレベルであることが可能である。
【0036】
図3に戻り、本技術によれば、複数のアプリケーションプログラムA1、A2、A3、A4の各々は、異なる優先度を有する異なるタイプに従ってデータパケットを伝達し得る。例えば、第1の2つのアプリケーションプログラムA1、A2は、通常の優先度に従ってデータパケットを伝達し、第2のアプリケーションプログラムA3、A4は、低優先度のデータを伝達する。一例では、通信ベアラ36、38のうちの1つ以上を介して通信するために第1のアプリケーションプログラムA1にアクセスが許可される場合に、伝達されるデータパケットの相対的な優先度についての要求を提供するベアラ構成メッセージ又はNASメッセージ若しくはASメッセージが受信された後に、第2のアプリケーションプログラムA2にアクセスが許可されるであろう。別の例では、第2の2つのアプリケーションプログラムA3、A4のうちの1つが、ベアラ38を介した低優先度通信の要求を伝達する場合に、その後この要求がMMEで拒否されると、通常の優先度のアクセスが要求され、システムが当該アクセスを許可しなければ、データは第1の2つのアプリケーションプログラムA1、A2を介して伝達されることができない。反対に、アプリケーションプログラムA1が、通常の優先度のデータを伝達することを許可されると、第3の及び第4のアプリケーションプログラムA3、A4からの低優先度のデータパケットは、許可されるであろう。
【0037】
理解されるように、通信ベアラへのアクセスは、移動体通信ネットワーク内の異なるエンティティにより許可されてもよい。例えば、ASレベルでは、eNodeBがアクセスを管理し、NASレベルでは、MMEがアクセスを管理する。ベアラ構成については、これは一度発生し、Uプレーンパス上の全てのノードが権限を提供する必要がある。
【0038】
したがって、本技術によれば、
図3、4及び5により説明されるように、本技術は、データパケットを伝達するためのベアラを構成する機能をアプリケーションプログラムに提供する。そして、アプリケーションプログラムは、通信ベアラにより伝達されるデータパケットのタイプを識別することができる。したがって、移動体通信ネットワークは、ベアラにより伝達されるパケットが、他のタイプのデータパケットに対して、データパケットの相対的なタイプに関して異なるように取り扱われるように、通信ベアラの構成を適合することができる。例えば、データパケットは、低優先度データパケット若しくはMTCデータパケットのいずれか又は両方として識別され得る。それに従って通信が適合される。本技術を説明する要約したプロセスが
図6において提供され、以下のように要約される。
【0039】
S2:移動体通信装置は、装置が移動体通信ネットワークへ最初にアタッチするアタッチ手続き又は登録手続きを実行する。これは、例えば、移動体通信装置の電源がオンにされた場合であり得る。アタッチ手続き又は登録手続きの一部として、移動体通信装置は、アクセスパラメータを含むあるコンテキストデータを伝達する。本技術に従ったアクセスパラメータは、低優先度標識、又は、通信ベアラを介して伝達されるデータパケットが、通信装置上で動作するMTCアプリケーションプログラムのためのものであるという標識等の、伝達されるデータパケットのタイプの標識を含み得る。タイプ標識は、低優先度標識とMTCアプリケーション標識との組合せを含み得る。
【0040】
S4:その後、移動体通信ネットワークは、移動体通信装置により提供されるアクセスパラメータを使用して、移動体通信装置からPDN−GWへのデフォルトタイプの通信ベアラを生成する。移動体通信ネットワークは、移動体通信装置により伝達されるアクセスパラメータ、及び/又は、例えば移動性管理エンティティ(MME)8若しくはホーム加入者サーバ(HSS)10内に記憶されるアクセス標識等の、ネットワーク内に記憶されるアクセス標識に基づいて、デフォルトベアラを生成する。
【0041】
S6:移動体通信ネットワーク内に記憶されるアクセス標識が、移動体通信装置により示されるデータパケットの要求されたタイプのための通信ベアラを移動体通信装置に提供することが可能であることを示す場合に、上記タイプのためのデフォルトベアラが提供される。または、アクセス標識が、要求されたタイプのための通信ベアラを移動体通信装置に提供すべきではないことを示す場合に、デフォルト通信ベアラは、ネットワーク内に記憶されるアクセス標識用に設定される。したがって、移動体通信ネットワークは、移動体通信装置に配置されるデフォルトベアラのタイプを制御するが、移動体通信装置により要求されるベアラのタイプを考慮する。例えば、移動体通信ネットワーク内に記憶されるアクセス標識が、通常タイプの通信ベアラを許可する場合には、低優先度ベアラ及び/又はMTCアプリケーションベアラについての要求は、デフォルトベアラとして提供されるであろう。
【0042】
移動体通信装置からの及び移動体通信装置へのデータパケットを伝達するための通信ベアラが確立されると、移動体通信装置は、専用の通信ベアラを提供することの要求を有し得る。専用の通信ベアラは、アクセスパラメータを使用して確立されることが可能であり、又は、確立された専用のベアラについてのアクセスパラメータは変更されることが可能である。同様に、デフォルトベアラのパラメータは、変更されることが可能である。これは、例えば、通信装置上で実行されるアプリケーションプログラムが特定のタイプのデータパケットの伝達を要求し得るからであり得る。したがって、
図7で説明されるフロー図が実行され得る。これは、以下のように要約される。
【0043】
S8:移動体通信装置上のアプリケーションプログラムは、ASシグナリングメッセージ又はNASシグナリングメッセージの一部として、専用のベアラを要求し得る。ASシグナリングメッセージ又はNASシグナリングメッセージは、従来型のシグナリングアクティビティの結果として移動体通信ネットワークへ伝達され得るが、伝達されるデータパケットのタイプの標識を含み得る。例えば、ASメッセージ又はNASメッセージは、低優先度のデータパケットの標識、若しくは、伝達されるデータパケットがMTCアプリケーションプログラムのためのものであるという標識、又は、これらの2つのメッセージの組合せを含み得る。そして、専用の通信ベアラは、既存のPDN−GW、又は別のアクセスポイントネームを使用する別のPDN−GWから、通信ネットワークにより確立され得る。
【0044】
S10:あるいは、移動体通信装置は、ベアラ変更メッセージを伝達することにより、アプリケーションプログラムのための専用のベアラを要求し得る。ベアラ変更メッセージは、他のパラメータと同様に通信ベアラを介して伝達されるデータパケットのタイプの標識を含み得る。
【0045】
S12:移動体通信ネットワークは、デフォルト通信ベアラと並行して動作する新たな通信ベアラを確立することにより、専用の通信ベアラを提供し得る。
【0046】
理解されるように、本技術によれば、移動体通信装置上で実行されるアプリケーションプログラムは、構成される通信ベアラ用に伝達されるデータパケットのタイプをシグナリングする役割を果たす。一例によれば、移動体通信ネットワークのオペレータは、MTC通信及び/又は低優先度通信により低いトラフィックを設定し得る。それによって、アプリケーションプログラムを動作させるユーザは、低優先度データパケット及び/又はMTCアプリケーションデータパケットのための通信ベアラを要求するようにアプリケーションプログラムを構成することを促進される。
【0047】
ユーザプレーン制御:ネットワークによるデータパケットの差別的な取扱い
上述したように、LTE/EPCシステム(リリース9)を規定する現在の状況は、MTC装置と通常のユーザとを見分けることができない。しかしながら、Cプレーンデータについてのこの欠陥を解決するために労力が費やされたが、Uプレーンデータは、通常ユーザ及びMTCユーザについて同じであるQoSパラメータの共通セットによってのみ、区別されることが可能である。このアプローチは、通信ネットワークがこれらのMTC通信装置により生成されるデータを処理する場合には十分ではない可能性がある。これは、ネットワークが完全に利用されようとしている場合、及び、ネットワークが輻輳を経験しそうであるか又は経験している場合等の状況に関連し得る。アイドルモードにある移動体通信装置についてデータが受信される場合に、S−GWが、ダウンリンクデータをバッファリングすること、及びダウンリンクデータ通知メッセージをMMEへ送信することを要求されるということが、現在提案されている。これは、低優先度標識及び/又はMTC標識を考慮し得る。データは、S−GWを横切る。S−GWでは、データは、ある状況でバッファリングされ、オプションで破棄される。データがダウンリンク上で移動体通信装置へ伝達されるときに、移動体通信装置がアイドルモードにある場合にのみ、このバッファリングが起こる。しかしながら、本技術は、移動体通信装置から移動体通信ネットワークへ送信されるアップリンクデータをバッファリングすることを提案する。
【0048】
移動体通信ネットワークは、PDN−DWとS−GWとの間のパス上に配置されることが可能なIPルータも含む。しかしながら、これらのノードは、ベアラの概念を理解せず、通常、あるマーキングを使用して、QoSパラメータの同一のセットを有するベアラのために同一のトラフィック処理を適用する。例えば、通信ネットワークは、完全に利用され、又は、輻輳を経験しようとしているか、若しくは輻輳を経験し得る。ルータは、標準の輻輳制御メカニズムを適用して、バッファリングを開始し、後に、全てのユーザに悪影響を与えるデータの破棄を開始する。利用可能なある追加の情報を有するノードは、輻輳が発生するのを防止しようとして、又は、輻輳を解決し、輻輳が解決される場合にネットワークが未処理のデータでストレスを与えられてさらなる輻輳につながるという波若しくはいわゆる同期効果(synchronization effect)を防ぐプロセスでルータを支援しようとして、IPルータをサポートするインテリジェントな手法で動作し得る。
【0049】
選択されたデータのグループがバッファからフラッシュされ又は破棄される場合に、アルゴリズムを使用してプロセスを制御するために、制御装置が導入され得る。アルゴリズムは、バッファがフラッシュされる時間を調整するために、例えば現在のシステムの利用及び/又は輻輳通知等のネットワークにより提供される追加のパラメータにより制御される様々なタイマを使用し得る。
【0050】
図8は、eNodeB2及びS−GW(サービングゲートウェイ)6を介した移動体通信装置20からPDN−GW14へのデータパケットの伝達の例示的な表現を提供する。これは、1次元の構成で、
図1により表される移動体通信ネットワークによるデータパケットの伝達を説明する。
図8に示されるように、2つの通信ベアラが通信装置20のために確立される。上記2つの通信ベアラは、双方向であり得るが、
図8に示される例では、ダウンリンクベアラ80及びアップリンクベアラ82を含む。
【0051】
上述したように、従来型の構成によれば、移動体通信装置20は、アイドル状態又は接続状態のいずれかであり得る。通信装置20がアイドルモードであり、データパケットがダウンリンク上で移動体通信装置20へ伝達される場合に、当該データパケットは、例えば移動体通信装置が接続状態に変更されるまで、PDN−GW14内のバッファとして動作するデータストア(data store)84内に記憶される。典型的には、これは、移動体通信装置がダウンリンクデータパケットを受信することを当該移動体通信装置にページングすることにより実行される。
【0052】
本技術によれば、移動体通信装置とPDN−GW(パケットデータネットワークゲートウェイ)との間の通信ベアラの制御又は知識を有するノードの各々は、上記ベアラにより伝達されるデータパケットのタイプの標識を提供される。一例では、データパケットの上記タイプは、低優先度データパケット、又は、MTCアプリケーションへの若しくはMTCアプリケーションからの伝達についてのデータパケットの、いずれかとして示され得る。通信ベアラにより伝達されるデータパケットのタイプの知識を提供することにより、移動体通信ネットワークは、低優先度のデータパケット及びMTCアプリケーションからのデータよりも高優先度のデータパケットを優遇して、異なる通信ベアラについてのデータパケットの伝達を差別的に制御することができる。一例では、データパケットの伝達の制御は、移動体通信ネットワーク内の輻輳を制御するために実行される。
【0053】
図9は、24時間の期間において移動体通信ネットワーク上で伝達されるデータパケットの結果として、移動体通信ネットワーク上の負荷の例示的なグラフ表現を提供する。したがって、
図9に示されるx軸は、24時間の期間のプロットであり、y軸は、1分あたりに伝達されるメッセージ数を説明する負荷を表す。
図9に見られるように、ネットワークは、要求の著しいピーク又は急増を経験する。これらの要求のピークは、例えば、例えばメールボックスを同期し、又は、状態若しくは接続性のアップデートのための要求をシグナリングし、及び、あるデータをダウンロードし、若しくは、情報をサーバへアップロードする例えばスマートフォン上で動作するアプリケーションプログラムの結果としてであり得る。説明したように、これは、例えば、メールボックスをチェックすること、若しくはプルベースの方法、又は、FACEBOOK(登録商標)又はTWITTER(登録商標)等のソーシャル・ネットワーキングポータルへアクセスすることのような、様々な通信の結果としてであり得る。
【0054】
本技術によれば、上述したように、移動体通信装置は、伝達されるデータパケットのタイプを示す、通信ベアラを確立するためのアクセルパラメータを伝達できる。したがって、移動体通信装置20と同様に、1つ以上の移動体通信装置20、eNodeB72、サービングゲートウェイ76、及び/又はPDN−GW74は、より高い優先度のタイプの他のベアラから伝達されるデータ通信パケットに優先して、低優先度ベアラ及び/又はMTCを示すベアラについてのデータパケットを記憶するように構成され得る。結果として、移動体通信ネットワークを介したデータパケットの伝達が制御される。上述したように、一例では、移動体通信ネットワークを介したデータパケットの制御は、ネットワークが輻輳を経験している際に行われ得る。したがって、輻輳が発生すると、低優先度ソース及び/又はMTCアプリケーションからのデータパケットは、輻輳が減少する時間までデータバッファに記憶される。データバッファ内のデータパケットは、輻輳を減らすために破棄されてもよい。
【0055】
上述したように、S−GW等のネットワーク要素は、アイドルモードにある移動体通信装置についてのダウンリンクデータをバッファリングする。しかしながら、アップリンク方向について、又は接続モードにある移動体通信装置についてのダウンリンク方向についてデータパケットを処理するための構成を提供することは、既知ではない。本技術によれば、S−GW等のネットワーク要素は、コンテキスト情報の中に記憶される低優先度標識又はMTCアプリケーション標識等の他の標識を考慮し得る。したがって、S−GWは、最初にバッファリングを開始し、その後オプションで以下の優先度のリストに従ってデータを破棄し始め得るということが、提案される。
1.MTC装置からくる低優先度データ
2.低優先度データ
3.通常ユーザ及び/又はMTCユーザ
4.高優先度ユーザ(例えば、高優先度MTC装置、等)
【0056】
この優先度リストは、バッファリングタスク及びデータ破棄タスクに別々に適用されることが可能である。
【0057】
ネットワークが、輻輳が減少したこと、又はシステムの利用がある閾値よりも下がったことを、基盤コンポーネントに通知する場合に、S−GWは、以下の優先度リストにより示される順序で、バッファリングされたデータを転送し始める。
1.MTC装置からくる低優先度データ
2.低優先度データ
3.通常ユーザ及び/又はMTCユーザ
4.高優先度ユーザ(例えば、高優先度MTC装置、等)
【0058】
ARP値により示されるようなより高い優先度レベルがあってもよい。
【0059】
このアプローチにより、通信ネットワークは、通常のユーザのためのデータをフラッシュして、輻輳が再発生するのを防止することが可能になり、データがルータにより破棄されるリスクを避けることが可能になる。
【0060】
システムが完全な利用に近い場合に、低優先度のMTCデータは、通常のユーザに被害を受けさせにくく、また、低優先度のMTCデータは、例えば、ソースで又はネットワークノードで、バッファリングされる。したがって、MTC装置は、データパケットを再送する必要はなく、よって、改善されたバッテリ及び無線リソースの利用を有するであろう(即ち、失われたデータを再送することが不要)。
【0061】
図8に示されるノードのうちの1つのノードの例示的な説明が、
図10において提供される。当該1つのノードは、サービングゲートウェイ(S−GW)76である。
図10に示されるように、S−GW76は、アップリンクベアラ82を介してデータパケットの伝達を制御するように構成される。S−GW76は、例えば輻輳を減らすためにアップリンクベアラ82を介したデータパケットの制御がバッファリングされるべきであることを示す標識をインプット102上で受信する制御プロセッサ100を含む。一例では、制御プロセッサ100により受信される入力102は、より低いIPレイヤにより提供される明示的な輻輳通知(Explicit Congestion Notification:ECN)である。ECNは、移動体通信ネットワーク上で輻輳があることを制御プロセッサ100に通知する。あるいは、以下に説明されるように、MMEにより、又は、移動体通信ネットワーク上で輻輳があるという他の標識を受信するオペレータ&メンテナンスセンタから、制御プロセッサ100への入力102が提供されてもよい。以下に説明される別の例では、移動体通信ネットワークにより提供されるベアラの数、並びに、これらのベアラのタイプ及び/又はこれらのベアラの利用をカウントすることにより、輻輳の予測が提供される。これらは、ネットワーク上での相対的な輻輳の標識を提供するために、所定の閾値と比較される。
【0062】
通信ベアラ82を介したデータパケットの伝達が制御されるべきであると判定したS−GW76の制御プロセッサ100は、その後、接続チャネル104を介してベアラ82からデータパケットを取得し、さらなる接続チャネル106によりデータパケットをバッファ108に記憶する。その後、制御プロセッサ100は、ネットワークはもはや輻輳していないと判定するまで、データパケットをデータバッファ108に維持する。制御プロセッサ100は、ネットワークはもはや輻輳していないと判定する場合に、再度、データパケットをバッファから通信ベアラ82へ送る。
【0063】
別の例では、制御プロセッサ100は、例えば輻輳を制御するために、データパケットをバッファ108から破棄してもよい。例えば、制御プロセッサは、どのくらいデータストア108に記憶されているかを判定するために使用されるクロック110を含んでもよい。ある期間の後に、データパケットが破棄されてもよい。
【0064】
制御プロセッサは、データパケットのタイプに依存しないアップリンク通信ベアラ82により受信されるデータパケットを差別的にバッファリングし、又は破棄するように動作する。よって、一例では、上記データパケットが低優先度のデータパケットである場合に、通信ベアラ82からのデータパケットは、他のベアラ112を介して伝達されるデータパケットに優先して記憶される。その結果、他のベアラ112に対して、データパケットが差別的に伝達される。したがって、例えば、移動体通信ネットワーク内で輻輳を制御することができる。
【0065】
理解されるように、本技術は、インターネットプロトコル(IP)ルータがサービスパラメータの品質に基づいてIPパケットの伝達を区別する従来型の構成とは異なる。よって、サービングゲートウェイ76からPDN−GW74への伝達は、
図11において説明されるように1つ以上のルータ120、122を介し得る。よって、ルータは、PDN−GWゲートウェイ74からS−GW76へデータパケットをIPパケットとしてルーティングするより低いレイヤで動作する。しかしながら、ルータは、通信ベアラを介して伝達されるデータパケットのタイプの知識を有さず、これらのデータパケットの伝達を区別するためにIPパケットヘッダの中で提供されるサービス品質(QoS)標識のみを使用することができる。したがって、本技術は、移動体通信ネットワークの各ベアラについて、通信ネットワークからのIPパケットのようなデータパケットのより高いレイヤでの伝達に取り組む。移動体通信ネットワークは、各アプリケーションプログラムについて、データパケットが低優先度データパケット及び/又はMTCデータパケットであるかに関してデータパケットのタイプを識別するように構成されることが可能である。
【0066】
一例では、S−GWにより受信される輻輳の標識は、他の通信ノードのうちのいずれかからであってもよく、通信ベアラを形成する伝達のチェーンにおける上記ノードの後続のノードからであってもよい。例えば、サービングゲートウェイ(S−GW)76は、PDN−GW74が輻輳しているか否かについて、パケットデータネットワークゲートウェイ(PDN−GW)74に確認を要求し、PDN−GW74から確認を受信してもよい。輻輳していなければ、バッファ108からデータパケットが転送され、輻輳していれば、データパケットがバッファ108内に保持される。
【0067】
LTE−Advanceが導入され、コアネットワーク要素が再利用され、それにより、例えばS−GWのようなデータ集約ポイント及びバックボーンの転送ネットワーク又はS5/S8インターフェースが過負荷/輻輳になり得る状況につながる場合に、上述したシナリオがより一層関連し得る。
【0068】
図10に示されるS−GWの上述した例が与えられたが、eNodeB、移動体通信装置20若しくはPDN−GWのいずれか、又は利用可能な追加の情報を有するいずれかの他のネットワークエンティティが、対応する制御装置及びデータバッファを含むことができるということが、理解されるであろう。したがって、例えば、本技術の例示的な実施形態は、以下のものを提供することができる:
−コンテキスト情報の中に記憶される追加の情報と、現在のシステムの利用若しくは輻輳の通知(例えば、IPレイヤでのECN通知)のようなネットワーク入力とを考慮する知的アルゴリズムに従ってデータをバッファリングし、若しくは破棄する1つ以上のコアネットワークエンティティ(例えば、S−GW)又は無線アクセスネットワークエンティティ;
−優先度リストが使用されて、ユーザのあるグループについてのバッファリング及び/又は破棄が開始/中止される;
−アルゴリズムが使用されて、入力データといくつかのCNエンティティ内に実装される処理機能とがつなげられる。
【0069】
要約すると、データパケットのタイプについてデータパケットのフローを差別的に制御するための移動体通信ネットワークの動作が、
図12の中で提供される。当該動作は、以下のように要約される
【0070】
S20:移動体通信ネットワークは、従来の動作に従って基地局(eNodeB)及びサービングゲートウェイを介して移動体通信装置からPDN−GWへデータパケットを伝達するための通信ベアラを確立する。
【0071】
S22:しかしながら、移動体通信装置、基地局、サービングゲートウェイ又はPDN−GWのうちの1つ以上は、ステップS20で確立された移動体通信装置とPDN−GWとの間の通信ベアラを介して伝達されるデータパケットのタイプの標識を提供され得る。通信ベアラにおいて伝達されるデータパケットの示されるタイプは、データパケットが低優先度ソースのものであるという標識、及び/又は、データパケットがMTCアプリケーションから生成されるという標識を含み得る。
【0072】
S24:通信ネットワークは、ネットワークが輻輳しているという標識を生成し、移動体通信装置、基地局、サービングゲートウェイ又はPDN−GWに、ネットワークが輻輳しているという信号を提供し得る。あるいは、これらの要素は、通信ネットワークが輻輳しているというECN標識を介して、IPレイヤから標識を受信し得る。
【0073】
S26:移動体通信装置、基地局、S−GW又はPDN−GWは、その後、通信ベアラを介したデータパケットの伝達を制御し得る。その結果、通信データパケットのタイプに従って伝達が区別される。例えば、データパケットが、低優先度ソース又はMTCアプリケーションからのデータパケットである場合に、例えば、基地局、移動体通信装置、S−GW又はPDN−GWは、データパケットをバッファリングするが、高優先度を伴う様々な他の通信からのデータパケットをバッファリングしなくてもよい。したがって、低優先度のデータパケットは、高優先度のデータパケットに優先してバッファリングされる。低優先度を伴うデータパケットは、所定の時間の後に、又は、輻輳が所定のレベルに達した後に、破棄されてもよい。
【0074】
S28:オプションで、移動体通信装置、基地局、サービングゲートウェイ又はPDN−GWのうちの1つ以上は、低優先度及び/又はMTCデータパケットのためのバファにデータパケットを記憶し、その後、いずれの輻輳もないという積極的な標識がある場合に、移動体通信ネットワークの次の要素にデータパケットを転送し得る。例えば、eNodeBは、移動体通信装置から受信される、低優先度ベアラ/MTC通信ベアラについてのデータパケットを記憶し、輻輳していないという積極的な標識をS−GWが提供する場合に、データパケットをS−GWへ転送し得る。
【0075】
コアネットワークエンティティに記憶されるコンテキスト情報を使用した通信ネットワークの制御
上述したように、移動体通信ネットワークは、コアネットワークエンティティ、例えば、MME、S−GW及び/又はPDN−GWに、MTC標識又は低優先度標識を記憶し得る。
これらの標識を使用して、以下をカウントすることができる。
・MTCユーザのために確立されたベアラの数、及び/又は
・MTCのために構成されたいくつかのベアラを有する装置の数
・MTCのために独占的に使用される確立されたベアラを有する装置(純粋にMTCアプリケーションのために使用される装置、いわゆるMTC装置、又はMTCのために構成されたUE)の数
・特定のタイプのベアラについての利用
【0076】
本技術のさらなる形態によれば、
図1の移動体通信ネットワークは、
図12に示され、移動体通信ネットワークにアタッチされる制御部130を含み得る。一例では、制御部130は、MME8にアタッチされ、又は、PDN−GW14又はS−GW6の一部を形成し得る。
【0077】
動作中に、制御部130は、ネットワーク内の移動体通信装置により確立される通信ベアラのタイプごとのベアラの数をカウントする。よって、移動体通信装置が、通信ベアラを介して伝達されるデータパケットのタイプを示す場合に、タイプの所定セットのうちの1つであるデータパケットのこのタイプは、制御部130によりモニタリングされ、各タイプのデータパケットを伝達する通信ベアラの数の全カウントを生成するためにカウントされる。したがって、制御部130は、通信ネットワークの状態の標識を生成し、例えば、通信ネットワークが輻輳しているか、及び、ネットワークのどの部分が輻輳しているかを判定し得る。よって、制御部は、その後、輻輳のレベルに従って移動体通信ネットワークのある動作をトリガすることができる。
【0078】
本技術によれば、いずれかの時点で、制御部130は、ネットワーク内で移動体通信装置により確立される通信ベアラのタイプごとのベアラの数をカウントし、又は、各タイプのベアラについての利用を測定する。ある時点でネットワークの所与の状態のカウント/測定を実行した後に、制御部130は、これらを閾値と比較し得る。これらの閾値は、ノードごとに統計的に定められることが可能であり、又は、装置及びベアラによるシステム利用とともに変えられることが可能である。閾値が決定されると、実際の測定値が閾値と比較される。そして、トリガ条件が満たされる場合に、以下の3つの例が使用されて、ネットワークが制御され得る。
【0079】
1:総苦丁を実行する装置:S−GW。動作は以下のとおりである:
・S−GWは、MTCトラフィックのために使用され、又はMTCのために構成されるMTC装置によって使用されるベアラにより生成される負荷が、閾値を上回る/下回ることを、MME/PDN−GWに通知し得る。
・S−GWは、ユーザのいくつかのカテゴリについてのデータを調整し始める。
○MTCのために構成されるUEであって、低優先度のUE;
○MTCのアプリケーションを実行するUEであって、低優先度かもしれないし、低優先度ではないかもしれないUE
○MTCアプリケーションを実行しないUE
○MTCのために構成されるUEであって、低優先度ではないUE
○アイドル状態又は接続状態にある移動体通信装置についての上記カテゴリのうちのいずれか
・測定された数字が上記閾値を上回る限り、調整が行われる。
・PDN−GWも、S−GWから受信される標識に基づいてS−GWと同様に調整を開始/中止し得る(又は、調整はPDN−GWのみで行われることが可能である)。S−GWが、アイドルモードの移動体通信装置のための新たなDLパケットのX%を調整するように要求された場合に、このXという数字は、PDN−GWで以下のようにスケーリングされることが可能である:
(PDN−GWでの)X1% = X%*(このP−GWを使用する全てのユーザの数/アイドルモードであってこのP−GWを使用するユーザの数)
この標識も、各ベアラタイプについて調整されるデータの%を含み得る。
・MMEは、S−GWから受信される標識に基づいて、S−GWが、装置のいくつかのグループについて移される(relocate)ように、又はサービングゲートウェイの選択プロセスに影響を与えるように、トリガし得る。
【0080】
2:測定を実行する装置:PDN−GW。動作は以下のとおりである:
・同様に、PDN−GWは、いくつかの条件が満たされることをMMEに示し得る。これにより、MMEは、PDN−GWを移すようにトリガされるであろう。
・MMEは、PDN−GWから受信される標識に基づいて、輻輳制御メカニズムに基づくAPNをトリガすることもできる。
・MMEは、標識(ベアラタイプのカウント及び/又はベアラタイプごとの利用)に基づいて、これらのデータを考慮するようにPDN−GWの選択機能を変更し得る。
【0081】
3:測定を実行する装置:MME。動作は以下のとおりである:
・装置の選択されるグループについてのサービングMMEは、例えば、MMEエリアにサービスを提供するMMEのプールの中の利用可能な別のMMEに移され得る。
・装置のいくつかのグループは、システムからデタッチされ、又は、別のネットワークへアタッチする許可なしで、制限された時間の間デタッチされ得る。
・ユーザのいくつかのグループは、システムへアタッチし又はアクセスしようとすると、X分/時間の間同一のPLMNへの再アタッチが許可されない場合に、休眠/登録抹消プラス状態で待機させられるであろう。しかしながら、ユーザのいくつかのグループは、この待機時間の間、他のネットワークへアタッチしようとしないであろう。あるいは、装置のいくつかのグループは、システムへアクセスすることを許可されないであろう。これは、アクセスの試行時にASメッセージの中でシグナリングされることが可能であり、又は、例えば報知チャネル上で、全ての他の装置のために同様にシグナリングされ得る。これにより、全ての他の装置がアクセス手続きを開始することが効果的に防がれる。
・MMEは、ユーザのいくつかのグループに、他のセル/eNodeBへのハンドオーバを行わせ、又は、AT間ハンドオーバ又はシステム間ハンドオーバを開始させてもよい。
【0082】
制御部130の動作は、
図13において要約され、以下のように表される。
【0083】
S30:移動体通信ネットワークは、基地局及びS−GWを介して移動体通信装置からPDN−GWへデータパケットを伝達するための1つ以上の通信ベアラを構成する。
【0084】
S32:移動体通信ネットワークは、通信ベアラを介して伝達されるデータパケットのタイプの標識を移動体通信装置から受信し、それに応じて通信ベアラを構成する。あるいは、通信ネットワークは、通信ネットワーク内に記憶されるアクセス標識に従って通信ベアラを構成する。当該アクセス標識は、通信ベアラを介して伝達されるデータパケットのタイプの標識を含み、通信ネットワークは、それに応じて通信ベアラを構成する。
【0085】
S34:伝達されるデータパケットのタイプの標識で通信装置により確立される通信ベアラの全てについて、移動体通信ネットワークは、各タイプの通信ベアラの数をカウントし(これは、例えば、MME又はPDN−GWの機能として実行され得る)、又は、サービングゲートウェイ又はPDNゲートウェイでベアラタイプごとの利用を測定する。
【0086】
S36:通信ネットワークは、1つ以上の所定の閾値に対して、複数の所定のタイプの各々について各タイプの通信ベアラの数を比較する。通信ネットワークは、その後、異なるタイプの各々についての通信ベアラの数及び/利用に基づいて、通信ネットワークの状態を判定することができる。例えば、通信ネットワークは、各タイプの通信ベアラの数及び/利用と、ノードのキャパシティとに基づいて、ネットワークが輻輳していると判定する。
【0087】
S38:通信ネットワークは、データパケットのタイプに従ってデータパケットの通信を制御する要素を含むコアネットワーク又は無線ネットワーク部分への輻輳標識をトリガし得る。例えば、低優先度データパケット又はMTCデータパケットは、バッファリングされ得る。また、他の高優先度パケットは、低優先度パケットに優先してバッファリングされることなく伝達される。さらに、高優先度パケットを保持するために、低優先度パケットは破棄され得る。
【0088】
S40:代替手段として、通信ネットワークは、通信ベアラに、ネットワークのいくつかの部分からデータパケットを伝達することを許可し、他の部分からデータパケットを伝達することを許可しない。よって、MTCタイプ通信は、基地局及びサービングゲートウェイを介してネットワークの一部で許可されるが、別のサービングゲートウェイを介した通信は許可されない。さらに、通信ベアラの各々により伝達されるデータパケットの異なるタイプの各々の数のカウントを、移動体通信ネットワークのノードの各々について判定することができる。したがって、移動体通信ネットワーク内においてMTC通信装置の相対的な分布が提供される。
【0089】
パケット標識のタイプの分配
図15は、
図1及び
図12に示される移動体通信ネットワークの一部の概略的なブロック図を提供する。当該一部は、通信ベアラを確立するように構成される要素を含み、これらのベアラについてのコンテキスト情報を含み得る。
図15に示されるように、ポリシー制御実行機能(Policy Control Enforcement Function:PCEF)200は、ポリシー課金ルール機能(Policy Charging and Rules Function:PCRF)202に接続されるPDN−GW14の一部を形成し得る。ポリシー課金ルール機能202は、ホーム加入者サーバ(Home Subscriber Server:HSS)及びアプリケーション機能(Application Function:AF)204に接続される。動作中に、アプリケーション機能204は、セッション開始プロトコル(Session Initiation Protocol:SIP)メッセージ交換を使用して通信ベアラについてのMTCタイプ及びアプリケーションタイプの標識を受信するように構成される。その後、上記標識は、PCRF202を介してPDN−GWの中のPCEF200へ伝えられる。その後、上記標識が使用されて、通信ベアラのタイプが、サービングゲートウェイ又はeNodeB等の他のネットワーク要素へ伝達されることが可能である。
【0090】
本発明の様々な形態及び特徴は、添付の特許請求の範囲において定められる。本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施形態に様々な変更が行われ得る。例えば、本発明の実施形態は、他のタイプの移動体通信ネットワークで応用され、LTEに限定されない。