特許第5923103号(P5923103)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5923103
(24)【登録日】2016年4月22日
(45)【発行日】2016年5月24日
(54)【発明の名称】雑草防除のための装置
(51)【国際特許分類】
   A01M 21/04 20060101AFI20160510BHJP
【FI】
   A01M21/04 Z
【請求項の数】12
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2013-538272(P2013-538272)
(86)(22)【出願日】2011年11月8日
(65)【公表番号】特表2014-500016(P2014-500016A)
(43)【公表日】2014年1月9日
(86)【国際出願番号】GB2011052174
(87)【国際公開番号】WO2012063060
(87)【国際公開日】20120518
【審査請求日】2014年10月6日
(31)【優先権主張番号】1112956.6
(32)【優先日】2011年7月28日
(33)【優先権主張国】GB
(31)【優先権主張番号】1018912.4
(32)【優先日】2010年11月9日
(33)【優先権主張国】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】513114308
【氏名又は名称】ウィーディング テクノロジーズ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100092093
【弁理士】
【氏名又は名称】辻居 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100082005
【弁理士】
【氏名又は名称】熊倉 禎男
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100103609
【弁理士】
【氏名又は名称】井野 砂里
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100170634
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 航介
(72)【発明者】
【氏名】ホッブス リチャード
(72)【発明者】
【氏名】モアヘン ジェイソン
(72)【発明者】
【氏名】マイヤーズ マルコム
【審査官】 大熊 靖夫
(56)【参考文献】
【文献】 特表平09−500263(JP,A)
【文献】 特開平04−131154(JP,A)
【文献】 特開2010−148441(JP,A)
【文献】 国際公開第02/007513(WO,A1)
【文献】 米国特許第05575111(US,A)
【文献】 特表平08−504097(JP,A)
【文献】 特開平04−063535(JP,A)
【文献】 特開平07−163285(JP,A)
【文献】 特開平06−335344(JP,A)
【文献】 特開平06−253715(JP,A)
【文献】 米国特許第05433758(US,A)
【文献】 登録実用新案第3147516(JP,U)
【文献】 特開昭54−058215(JP,A)
【文献】 特開2009−055847(JP,A)
【文献】 特開2002−331261(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01G 1/00−1/02,1/06−1/12,5/00−7/06,11/00−15/00、16/00−17/02,17/18
A01M 1/00−99/00
B05B 1/00−3/18,7/00−9/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
植物を防除するのに適した装置であって、
前記装置は、周囲の温度である水を含む貯蔵タンク(26)と、
前記貯蔵タンク(26)から液体が加熱されるリザーバ(28)へ水を含む液体を供給する手段(36)と、を備え、
高温液体のための前記リザーバ(28)は前記リザーバ(28)内の前記液体を加熱するための加熱手段を有し、前記加熱手段は電源(24)に接続可能であり、前記リザーバ(28)内の圧力が大気圧より高くなるように少なくとも102℃の温度まで液体を加熱するように構成されており、
前記加熱手段は、直列に配置された複数のヒーター(34)を有し、これにより、前記水は、連続的にヒーター(34)により加熱され、温度が複数の段階で上昇され、
前記加熱手段は、高温液体のための前記リザーバ(28)は、前記リザーバ(28)に接続された解放手段(38)と、蒸気を含有する泡の流れを適用するための少なくとも1つのノズル(74)とを含み、
前記ノズルは、前記解放手段(38)を通して前記リザーバに接続され、前記水が高圧になり、前記水はノズル(74)から出現するまで沸騰しないように、かつ、ノズル(74)から離れる際に前記液体が空気と結合して蒸気を含む泡を形成するように構成され、 各ノズル(74)は、ヘッダ箱(50)を介して前記解放手段(38)に接続され、前記ヘッダ箱(50)は、前記貯蔵タンク(26)へ余剰の液体を戻すように流出手段(53)を備え、
前記装置は、車両(5)によって推進される車輪付きトロリー(40、42)又はトレーラー上に取り付けられる、又は車両上に取り付けられることを特徴とする装置(12、14)。
【請求項2】
車両(5)と共に用いるために、前記装置は、前記装置を使用して植物を防除する間、前記車両(5)が電力(9)を前記加熱手段に与えるようになっていることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記装置は、前記車両(5)により駆動され、かつ、電力を前記加熱手段(34)に与える発電機(24)を含むことを特徴とする、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
記リザーバ(28)内の液体は、前記車両(5)により支持される燃料によって動力供給される燃焼器システムにより加熱されることを特徴とする、請求項2に記載の装置。
【請求項5】
界面活性剤を、液体が前記ノズル(74)に到達する前に、前記リザーバ(28)内の又はそこからの液体に導入するための手段をさらに含むことを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の装置。
【請求項6】
液体が、加熱されるときに、前記リザーバ(28)を通って流れるようにするポンプ(36)をさらに含み、前記ポンプ(36)は、前記リザーバ(28)内の前記液体の圧力を制御することを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の装置。
【請求項7】
前記ノズル(74)のためのシュラウド(75)をさらに含み、前記ノズル(74)は、前記シュラウド(75)内に又はその内側に取り付けられる、又は、前記シュラウド(75)により少なくとも一方の側が囲まれることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の装置。
【請求項8】
前記シュラウド(75)の各々は、移動方向に対して、前部及び側部においてそれぞれのノズル(74)又は複数のノズルを囲み、後部に開口部を残すように構成できることを特徴とする、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記ノズル(74)の各々のための支持手段を含み、前記ノズル(74)の各々は、ヒンジ(70)を含む支持バー(68)によって支持され、これにより、前記装置が地面の上を移動するときに、前記ノズル(74)が障害物と衝突した場合、前記ノズル(74)が揺れ戻って前記障害物をクリアできることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の装置。
【請求項10】
複数のグループで配置された幾つかのノズル(74)を含み、各グループは対応するノズル支持プレート(73)により支持され、前記ノズル支持プレート(73)のグループの配向及び前記ノズルのグループの配向は、移動方向に対して調整可能であることを特徴とする、請求項1〜9のいずれかに記載の装置。
【請求項11】
前記ノズルのグループにより処理される領域の幅と横幅の比率は3より大きいことを特徴とする、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
植物を防除する方法であって、
当該方法は、
周囲の温度である水を含む貯蔵タンク(26)と、
前記貯蔵タンク(26)から液体が加熱されるリザーバ(28)へ水を含む液体を供給する手段(36)と、を備えた装置(12、14)を使用し、
高温液体のための前記リザーバ(28)は、前記リザーバ(28)内の水を含む前記液体を加熱するための加熱手段を有し、
前記加熱手段は電源(24)に接続可能であり、
前記加熱手段は、直列に配置された複数のヒーター(34)を有し、これにより、前記水は、連続的にヒーター(34)により加熱され、温度が複数の段階で上昇され、
前記加熱手段は、高温液体のための前記リザーバ(28)は、前記リザーバ(28)に接続された解放手段(38)と、蒸気を含有する泡の流れを適用するための少なくとも1つのノズル(74)とを含み、
前記ノズルは、前記解放手段(38)を通して前記リザーバ(28)に接続され、
各ノズル(74)は、ヘッダ箱(50)を介して前記解放手段(38)に接続され、前記ヘッダ箱(50)は、前記貯蔵タンク(26)へ余剰の液体を戻すように流出手段(53)を備え、
前記装置(12、14)は、車両(5)によって推進される車輪付きトロリー(40、42)又はトレーラー上に取り付けられる、又は車両上に取り付けられ、
前記方法は、
前記加熱手段を、前記液体を少なくとも102℃の温度まで加熱することと、前記リザーバ(28)内の圧力が大気圧よりも高い状態で界面活性剤を前記液体に導入し、前記液体がノズル(74)から出現するまで沸騰しないように、かつ、ノズル(74)から出現する際に前記液体が蒸気を含む泡を形成することと、を含み、
前記泡は10重量%以下の蒸気を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、植物を防除する方法、及びこの方法を実施するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、雑草のような植物は、典型的には、手取り除草などの物理的除去、又は、除草剤の使用によって防除される。手取り除草は、非常にきつい作業であり得る。草木は、除草剤に対してますます耐性をもつようになってきている。さらに、環境における化学物質の使用に対する公衆の抵抗が高まっており、除草剤のような有毒化学物質の使用を減らすための法律改正もある。従って、合成化学物質を使用せず、手取り除草を回避する、植物防除方法に関心がもたれている。
【0003】
雑草防除のために、熱的方法が提案されている。雑草に熱を与えるために、例えば、温水、蒸気、熱風、火炎、及び高温の泡のような様々な方法が用いられている。これらの方法は、噴霧ドリフト、及び土壌汚染又は地下水汚染のような、除草剤の欠点の幾つかを克服することができる。特許文献1は、75℃から100℃までの間の温度を有し、かつ、容量分析で60%から75%までの生分解性発泡剤の水溶液と、40%から25%までの空気からなる泡を準備し、泡の流れを植物に向けることを含む、植物防除方法を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】欧州特許第1450603号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、植物の防除に用いるための移動式装置を提供しようと努める。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、植物を防除するのに適した装置を提供し、この装置は、高温液体のためのリザーバと、リザーバに接続された解放手段と、解放手段を通してリザーバに接続された、蒸気を含有する泡の流れを適用するためのノズルとを含み、かつ、車両によって推進され得る車輪付きトロリー又はトレーラー上に取り付けられるか、又は車両上に取り付けられる。車両は、例えば、トラクタ又は四輪バイクとすることができる。
【0007】
高温液体リザーバは、加熱手段を含むリザーバとすることができ、加熱手段は、電気の幹線又はバッテリなどの電源に接続される。従って、リザーバは、加熱された液体を貯蔵するのではなく、要求に応じてのみ、液体を加熱することができる。加熱手段は、典型的には、加熱要素である。装置は、主電源のための入力と、主電源への接続に適した加熱要素とを含むことができる。リザーバが自動車(トラクタなどの)と共に用いられる場合、電力を自動車により生成することができる。装置が電源に接続される場合、関連する加熱要素は、リザーバ内の圧力が大気圧より高くなるまで、液体を加熱するように構成することができる。水の場合、適切な温度は、95℃から105℃までの間である。解放手段は液体の流出を制御及び制限し、一方、高温液体リザーバ内の圧力は、大気圧より高いままである。例えば、圧力は、125kPaから300kPa(絶対)までの間とすることができ、例えば約200kPa又は225kPaのような175kPaから275kPa(絶対)までの間であることが好ましい。
【0008】
高温液体リザーバ内の圧力は、ポンプによってさらに上昇させることができる。例えば、圧力は、最大1.5MPa(15気圧)とすることができ、例えば1000kPa又は500kPaのように最大1.2MPaとすることがより好ましい。
【0009】
随意的に、高温液体リザーバ内の液体は、ガス、ディーゼル又はバイオ燃料などの燃料によって動力供給することができる燃焼器システムにより加熱することができる。このことは、装置が車輪付き装置である場合、又は車両若しくはトレーラー取り付け装置である場合に適用可能である。
【0010】
車輪付きトロリー装置又は車両若しくはトレーラー取り付け装置の高温液体リザーバは、電源又は車両の電力を用いることなしに、液体を、最大1時間、96℃から105℃までの温度に維持することができる容器とすることができる。従って、リザーバは、絶縁することができる。電力又は熱は、電力を生成するための車両のエンジン内のオルタネータから、又は、リザーバ内の液体温度を典型的には1時間又はそれより長く維持するために、車両から熱エネルギーを抽出するように車両に直接接続された熱交換器から、車両又はけん引車両によって与えることができる。
【0011】
車輪付きトロリー取り付け装置のための高温液体リザーバは、典型的には、最大30リットル、好ましくは5リットルから25リットルまで、より好ましくは10リットルから20リットルまでの容積の液体を保持することができる。高温液体リザーバは、装置が必要とする全ての液体を含有することができる。代替的に、装置はまた、周囲温度とすることができる液体のための貯蔵タンクと、液体を、貯蔵タンクから、液体が加熱されるリザーバに供給するための手段とを含むこともできる。この場合、高温液体リザーバの容積は、これが、加熱された液体を貯蔵するのではなく、要求に応じてのみ液体を加熱すればよいため、すぐ使用するのに必要な液体だけを含有すればよいので、より少ないものとすることができる。トレーラー内又は車両上に入れられる装置の総液体容量は、トレーラー又は車両のサイズ及び支持容量に依存するが、2000リットルより多くすることができ、トラクタのような車両については、例えば最大600リットルなど、最大1000リットルであることがより典型的であり、より小さい車両又はトレーラーについては、最大350リットルであることがより好ましく、約100リットルなど、例えば75リットルから125リットルまでなど、最大150リットルであることが典型的である。
【0012】
リザーバに供給される液体は、典型的には、界面活性剤と組み合わされた水である。界面活性剤は、典型的には、最大2%、好ましくは0.05%から2%まで、より好ましくは0.1%から1%まで、より好ましくは約0.1%の濃度で使用される。界面活性剤は、有機であっても無機であってもよい。界面活性剤は、アルキルポリグリコシドなどの生分解性発泡剤であることが好ましく、かつ、天然物であることが好ましい。界面活性剤は、リザーバ内で液体と混合することができ、又は、液体がリザーバから分配されたときに高温液体と混合することができる。
【0013】
解放手段は、例えば、開放時に液体がリザーバから出ることを可能にする弁である。1つの実施形態において、弁は、リザーバ内で蓄積される圧力を制限し、弁が解放されたときに液体がノズルから出ていくようにするのを可能にすることができる。装置は、リザーバ内の圧力が高くなりすぎるのを防止するための、圧力センサを含むことができる。しかしながら、上述のように、一部は液体を加熱することにより、及び、一部はポンプにより、リザーバ内の圧力を上昇させ、より高い圧力を達成することができる。
【0014】
リザーバの底部、側部又は上部において、解放手段をリザーバに接続することができる。好ましい実施形態においては、解放手段は、リザーバの底部に接続される。
【0015】
リザーバはまた、界面活性剤のための開口部を有することもできる。これは、例えば、点滴注入部を有する界面活性剤のボトルとしてもよく、又は、グリッドが界面活性剤をリザーバの主要部分から分離する、リザーバへの開口部を有する「タブレット・ホルダ」であってもよい。この実施形態においては、タブレットをグリッド上に置き、キャップを閉じることができる。次に、水をリザーバに加えて加熱し、これによりタブレットがグリッドを通って溶解し、リザーバ内の液体と混合される。
【0016】
ノズルは、単一の孔を有することができる。ノズルは、典型的には、指向性ノズルであるので、装置によって生成された高温泡を植物の上に正確に向けることができる。代替的に、装置には、装置の洗浄を可能にするため、及び、ノズルの幾何学的形状を容易に変更するために、交換可能なノズルを設けることができる。別の実施形態においては、泡の噴射又は噴霧を与えることができるノズルのような、可変の幾何学的形状を有するノズルを設けることもできる。ノズルは、雑草の根元の周りの幾つかの地点に泡を同時に向けるのを可能にする複数の開口部を有することができる。
【0017】
トラクタなどの車両と共に用いるのに適した、又は車両上に取り付けられた実施形態では、幾つかのノズルを含むことができるので、車両を一回通過させるだけで地面の広い面積を処理することができる。
【0018】
ノズルが単一の孔を有する場合、ノズルの孔の直径は、典型的には、最大2mm又は3mmであり、より好ましくは最大1mmである。しかしながら、ノズル孔のサイズは、装置の構成にも依存する。
【0019】
装置は、ノズルのためのシュラウドをさらに含むことができる。従って、ノズルは、シュラウド内若しくはその内側に取り付けることができ、又は、シュラウドによって一方の側を囲うことができる。ノズル及びシュラウドは、単一の品目とすることができ、又は別個の部品で形成することができる。ノズル及びシュラウドが別個の部品から成る場合、シュラウドは、装置から取り外し可能とすることができる。シュラウドは、小さい雑草を覆うようなサイズのものとすることができ、それによって蒸気/泡チャンバを生成し、熱ブランケット効果を与えることができる。関連した車両を移動させる間、ノズル及びシュラウド又は複数のノズル及びシュラウドを用いる場合、各シュラウドは、移動方向に対して、前部及び側部においてそれぞれのノズルを囲み、後部に開口部を残すように配置することができる。
【0020】
1つの実施形態において、各ノズルは、ヒンジを含む支持バーによって支持されるので、装置が地面の上を移動したとき、ノズルが障害物と衝突した場合、ノズルが揺れ戻って障害物をクリアすることができる。
【0021】
好ましい実施形態は、グループで配置された幾つかのノズルを含み、ノズルのグループの配向は、調整可能である。ノズルのグループの各々を、それぞれのシュラウドと関連付けることができる。例えば、ノズルを支持するトレーラーは、水平方向支持要素に沿って離間配置された位置でノズルのグループを支持する水平方向支持要素を含むことができる。各グループ内のノズルの配向を変更することにより、地面の上への泡の分布を変更することができる。例えば、各グループ内のノズルを移動方向に対してほぼ平行に位置合わせし、例えば、作物に影響を与えることなく、作物の列間の間隙に生えている雑草を除去することができる。ノズルのグループの各々が、移動方向に対して横断方向に延びるように回転された場合には、これにより、ノズルのグループの各々によって処理される地面の幅が増大する。ノズルのグループ間の間隔は、この配向において、ノズルのグループにより処理される地面のストライプ間に間隙がないようにされるので、表面積全体を処理することができる。
【0022】
装置が1つ又はそれ以上の加熱要素を含む場合には、各加熱要素は、典型的には、液体が要求温度に達したときにヒーターをオフにするのに用いられるサーモスタット(自動温度)調節器又は熱電対に接続される。装置は、液体が加熱要素により連続的に加熱されるように配置された、複数の加熱要素を含むことができる。例えば、リザーバには、各々が同じ量(例えば、25°又は30℃)だけ液体の温度を上昇させるように構成された、直列の3つの加熱要素があるとすることができ、液体は、液体が要求に応じて加熱されるリザーバ内で、3つの加熱要素を通って順番に流れる。
【0023】
装置は、リザーバ内の圧力を測定するように接続された、蒸気圧力計及びフィードバック・ループを含むことが好ましい。装置が動力源に接続されると、関連する加熱要素は、リザーバ内の圧力が大気圧より高くなるまで水を加熱し、次いで、フィードバック・ループが電力を遮断するように構成することができる。蒸気圧力計及びフィードバック・ループは、加熱を制御して、液体が用いられるときに、液体を沸点に維持し、蒸気圧を大気より高く維持することができる。
【0024】
更に別の実施形態において、本発明の装置を用いて、草木の害虫及び/又は地面の害虫などの害虫を防除することができる。草木の害虫は、ブヨ及びアブラムシを含むことができる。地面の害虫は、ワラジムシ、甲皮を有する他の害虫、ナメクジ及びカタツムリを含むことができる。地面の害虫防除のために、上述の装置を用いることができる。しかしながら、草木の害虫防除のためには、水と界面活性剤が45℃から57℃まで、より好ましくは50℃から57℃までの温度まで加熱されるような可変の温度制御を含むように装置を修正することが好ましい。
【0025】
本発明はまた、植物を防除するための本発明の装置の使用も提供する。
【0026】
本発明はまた、発泡剤として作用する、水と界面活性剤を含む高温泡混合物を準備し、泡を植物の上に向けることを含む、植物を防除するための方法も提供する。好ましい実施形態において、高温泡混合物は、例えば、最大10%の蒸気、又は最大5%の蒸気のような蒸気(これらは、重量比である)をさらに含む。
【0027】
本方法は、発泡剤として作用する、水及び界面活性剤を含む液体を、96℃から105℃まで、好ましくは少なくとも102℃、随意的には、107℃など最大110℃の温度まで加熱することをさらに含むことができる。液体は、電力を用いて加熱することができる。1つの実施形態において、液体は、最初に、主電源を用いて加熱される。さらに、加熱が始まる前に、例えば、家庭用温水蛇口から、温水をリザーバに与えることができる。
【0028】
1つの実施形態において、高温泡混合物は、染料をさらに含み、泡が着色されるか、又は、泡が崩壊したときに残る残留物が着色される。
【0029】
液体が加熱され蒸気が形成されると、解放手段が開放されるたびに、蒸気は、強制的に液体を装置のノズルから出す。液体はノズルから出るときに空気と組み合わされ、典型的には蒸気を含有する高温泡を形成する。水に溶解された空気も、水が加熱されると溶液から出てきて、泡の形成を助ける。例えば、120kPa(18psi)から135kPa(20psi)(絶対圧)までのような大気圧より高い低圧を用いることができるが、最大200kPa又はそれより高いものであってもよい。圧力を上昇させるのにポンプも用いられる場合は、圧力は著しく高くなり得る。
【0030】
高温泡混合物が噴霧された枝葉は、典型的には、1日以内に枯れる。これは、草木のタイプ、及び草木に接触する泡の量によって決まる。非常に蝋の多いコーティングを有する草木は、草木に十分な熱を与えるのに、より多量の泡を必要とし得る。一部の草木は、1時間以内にしおれて色が変化する。
【0031】
本発明の方法はまた、害虫を防除するためにも用いることができる。従って、本発明は、発泡剤及び水を含む高温泡混合物を準備し、泡を害虫に向けることを含む、害虫を防除するための方法を提供する。この方法は、害虫が地面上にいる場所で、水及び発泡剤を含む液体を、96℃から105℃まで、好ましくは少なくとも102℃の温度まで加熱することをさらに含むことができる。この方法は、害虫が草木又は地面上にいる場所で、水及び発泡剤を含む液体を45℃から57℃まで、より好ましくは50℃から57℃までの温度まで加熱することをさらに含むことができる。
【0032】
ここで本発明が、添付図面を参照して、単なる一例として、さらにより具体的に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】トラクタも示す、雑草処理装置の側面図を示す。
図2図1の雑草処理装置の斜視図を示す。
図3図1の雑草処理装置の背面図を示す(トラクタは示さない)。
図4図1の雑草処理装置の泡分配機械の平面図を示す。
図5図4の矢印Aの方向における正面図を示す。
図6図4の矢印Bの方向における側面図を示す。
図7図4の泡分配機械の部品の側面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0034】
図1を参照すると、雑草処理装置10及びトラクタ5が示されている(概略的に表される)。雑草処理装置10は、トラクタ5の後部に取り付けるように意図される泡生成装置12と、トラクタ5の前部に取り付けるように意図される泡分配機械14とを含む。装置10は、代わりに、本用途専用の車両とすることができる異なる農業用車両に取り付けてもよいことが理解されるであろう。泡分配機械14は、これにより運転者がこれを正確に位置合わせして、作物の列の間の雑草を除去するのが可能になるように、こうした車両の前部に取り付けられると考えられるが、雑草処理装置10の2つの構成部品を両方とも、こうした農業用車両の後ろにけん引されるトレーラーに取り付けてもよいことが理解されるであろう。
【0035】
トラクタ5は、エンジン6と、運転台7と、前部の三点連結機構6と、後部の動力取り出し装置9とを含む。こうした構造部は従来型のものである。トラクタ5はまた、三点連結機構8を上下させるための機構を備えることもできる。
【0036】
ここで図2を参照すると、トラクタのない状態で、泡分配機械14及び泡生成装置12が別個に示されている。泡生成装置12は、ブラケット21を有する鉄骨フレーム20を前側に含むので、これをトラクタ5の後部上に取り付けることができる。鉄骨フレーム20の下部内には、オーバーラン・クラッチを有する伸縮式駆動軸により、トラクタ5からの動力取り出し装置9に連結するように適合された発電機24が取り付けられるので、発電機24は、トラクタのエンジン6によって駆動される。本実施形態において、発電機24は、約80kVAを発生させる三相415V発電機である。発電機24の上には、例えば400リットル又は600リットルの容量を有することができる水貯蔵タンク26が、鉄骨フレーム20により支持される。鉄骨フレーム20はまた、ガラス繊維強化複合材料のものとすることができ、かつ、電気部品又は電子部品のためのエンクロージャを提供する4つの箱28、29、30、31も支持する。
【0037】
図3も参照すると、箱28(一部切り欠いた状態で示される)は、各々に断熱材が設けられた3つの電気ヒーター34を囲んでいる。発電機24の左側(図示のように)の箱30は、制御電子装置32(破線で概略的に示される)を囲み、一方、発電機24の右側(図示のように)の箱31は、ポンプ36(破線で概略的に示される)及び電磁弁38(概略的に示される)を囲む。ヒーター箱28の上の箱29も、電子部品を含むことができる。各々の電気ヒーター34は、電気加熱要素と鋳造アルミニウム・ブロックとを含む。
【0038】
泡生成装置12の動作において、加熱される水は、ポンプ36によって、水タンク26から、直列の3つの電気ヒーター34を通って連続して送出される。各ヒーター34は、24kWの公称電力を有することができ、各々には、発電機24からの異なる位相の出力によって動力供給することができる。各ヒーター34は、水の流量に従って制御電子装置32により制御されるので、水温は、典型的には各段階において20℃から30℃までの間の温度だけ、95℃から105℃までの間、又は例えば107℃といった102℃を上回り得る最大110℃の最終温度まで、段階的に上昇される。制御電子装置32は、例えば熱電対を用いて、各段階における水温、さらにヒーター34の温度を監視する。
【0039】
ヒーター箱28から出てくる温水は、例えば、120kPa(18psi)から135kPa(20psi)(絶対圧力)までの高圧であるが、より典型的には、ポンプ36により生成される圧力のために、400kPa、500kPa、又は最大1000kPa又は1200kPaのようなより高圧である。温水は、高圧のために、ノズルから出てくるまで、沸騰しない。一例として、水の流量は、最大10リットル/分とすることができ、本例においては、幾つかの泡分配ノズルに供給することができるが、全ての泡分配ノズルが使用されない場合には、ヒーター箱28内の電気ヒーター34への水の流量は、低減される。これは、電子制御式弁を用いて、ポンプ36からの水の一部を水タンク26に戻すように分流することができる。
【0040】
ヒーター箱28は温水のリザーバと呼ぶことができるが、水は、分配されるときにのみ加熱されるので、ヒーター箱28は、直ちに使用するのに必要な水しか含有しない。言い換えれば、水は、要求に応じて加熱される。
【0041】
アルキルポリグルコシドのような界面活性剤は、水タンク26内の液体と混合してもよく、又は水がヒーター箱28の中に入るときに水と混合してもよく、又は、温水がヒーター箱28から流出するとき若しくはヒーター箱28から出てきた後で、温水と混合してもよい。界面活性剤の量は、水の約0.1重量%、典型的には、0.05重量%から0.5重量%までの間とすることができるが、例えば、1重量%、1.5重量%、又は2重量%など、より多くすることもできる。
【0042】
電磁弁38は、種々の出口ノズルを通る高温流体の流出量を制御する。例えば、高温流体を、端部にノズルを有する手持ち式噴霧さおに供給することができるので、トラクタ5と並んで歩く操作者が、個々の雑草を処理することができ、又は高温流体をトラクタ5の後輪の後ろに取り付けられた噴霧ノズルに供給して、轍(wheel rut)内に生えている雑草を処理することができる。高温流体は、ノズルから出てくるとき、蒸気を含む泡を形成し、これが雑草の表面を覆って雑草を除去する。以下でより詳細に説明される泡分配機械14は、幾つかのそうした分配ノズルを支持することができ、広い面積を容易に処理することを可能にする。
【0043】
ここで図4を参照すると、泡分配機械14は、車輪42により各端部において支持される支持バー40で構成される。支持バー40の後面は、ブラケット43及びヒンジ式の平行板連結機構44によってクロス・バー46に接続される。クロス・バー46は、ブラケット48及び上向きに延びるリンク・バー41を支持し、これにより、トラクタ5の前部において、三点連結機構8に接続することが可能になる。
【0044】
クロス・バー46の前面は、各々がホース52(1つだけが概略的に示される)によって電磁弁38の1つに接続される入口51を有する2つのヘッダ箱50を熱絶縁マウント49上に支持し、こうしたホース52は、トラクタ5の裏面に沿って延びることができる。各ヘッダ箱50は、本例においては、ドライ・ブレーク(dry break)油圧コネクタを用いて出口ホース55(1つだけが概略的に示される)を接続することができる、4つの出口ポート54を有する。各ヘッダ箱50はまた、あらゆる余分な液体を水タンク26に運び戻すための、ホース52に相当するホースにより接続された出口53を有する。トラクタ5の裏面に沿って延びる各ホース52には、ドライ・ブレーク油圧コネクタが設けられる。
【0045】
同じく図5を参照すると、支持バー40の前面に沿って、ナイロン・ランナ58が固定され、ナイロン・ランナ58の前方に、支持管60が短い距離だけ固定され、これらは支持バー40の中間にあるブラケット59、及び支持バー40の両端部上にボルト留めされた端板62により支持される。幾つかのノズル・モジュール64をこの支持管60に沿って取り付けることができ、図2乃至図5においては、6つのノズル・モジュール64が示されている。
【0046】
図7において、1つのこうしたノズル・モジュール64が分離して示される。モジュール64は、ナイロン・ランナ58に押し当たり、支持バー40の裏面に押し当たるように成形されたL字形のクランプ・ブロック65を含む。このモジュール64は、支持管60が通る横孔66、及びブロック65を支持管60に固定するためのクランプ67を定める。このモジュール64はまた、支持バー68が摺動できる縦孔、及び支持バー68をブロック65に固定するためのクランプ69も定める。支持バー68の下端は、ヒンジ70によって、ノズル支持板73が接続される湾曲したL字形ブラケット72に連結される。ノズル支持板73は、直線に沿って離間配置され、かつ、高温の液体をノズル支持板73の下方に噴霧するように配置された3つのノズル74を支持し、平面図においては、図4に示されるように、ノズル支持板73は丸みを帯びた端部を有する菱形であるが、その長さは幅の約5倍である。ノズル支持板73の下方には、外に広がる可撓性ゴム・カーテン又はスカート75がある。カーテン又はスカート75の基部における寸法を考慮すると、長さは、350mm、及び横幅は100mmとすることができ、長さと横幅の比は、少なくとも2.5であることが望ましく、泡がいずれかの一度に噴霧される領域を考慮すると、少なくとも3であることが好ましい。
【0047】
カーテン又はスカート75は、複数の可撓性ゴム・カーテン部分からなり、カーテン部分の各々は、その上縁部に沿って、各々の長さが周辺部の長さより短い、ノズル支持板73の周辺部に隣接した2つの溝のうちの1つに沿って摺動することができる。これらのカーテン部分の位置、及びこれらが互いに重なり合う範囲を調整することにより、ノズル支持板73の後ろ側に、スカート75における間隙を設けることができる。結果的に、泡生成装置12から高温液体がノズル74を通して分配されると、泡は、前部及び側部は囲まれているが後部は囲まれていない空間において、ノズル支持板73の下方に生成される。各ノズル74は、泡の円錐形噴霧をもたらす(図7に74aで示される)。
【0048】
さらに、L字形ブラケット72はまた、ヘッダ箱50からのホース55(図4を参照)と連通するための入口78と、ホース82(1つだけが概略的に示される)によってノズル74に接続される3つの出口80(図7ではその2つだけが見える)とを有する、液体供給マニホルド76も支持する。
【0049】
L字形ブラケット72に対する、従って、泡分配機械14の移動方向に対するノズル支持板73の配向は、調整することができ、クランプ84により固定することができる。
【0050】
図6に示されるように、車輪42は、支持バー40の周りにクランプされたクランプ86及び傾斜シャフト87により、支持バー40の端部に固定され、車輪42が地面におけるいずれの轍の上にも乗り上がることを保証する。傾斜シャフト87は、ハンドル88を有するジャック機構を含むので、支持バー40に対する車輪42の位置を調整することができる。
【0051】
従って、ノズル・モジュール64は、支持管60によって支持される。一時的に1つの端板62を取り外し、車輪支持クランプ86を除去することによって、幾つかのノズル・モジュール64を除去することができ、又は、付加的なノズル・モジュール64を取り付けることができる。ヘッダ箱50は、合計8つの出口ポート54を備えるので、支持管60上には、最大8つのノズル・モジュール64があってもよい。各ノズル・モジュール64の横方向位置は、これを支持管60に沿って摺動させ、次にクランプ67により固定することによって調整することができる。ノズル支持板73の垂直方向高さは、支持バー68を上下させることによって調整し、クランプ69により固定することができる。ヒンジ70は、ノズル支持板73が揺れ戻り、石のような、その経路内のあらゆる障害物をクリアできることを保証する。
【0052】
図示される配向におけるノズル支持板73においては、泡で覆われる地面の領域間に狭い間隙がある。ノズル支持板73が、移動方向により緊密に位置合わせされるように調整された場合には、泡で覆われる領域間の間隙は、より大きくなる。一方、ノズル支持板73が、移動方向に対してより大きい角度で延びるように調整された場合には、泡で処理される領域間に間隙がないように構成することができる。従って、泡分配機械14は、草木の列の間に生えている雑草を処理するようにも、又は領域全体を処理するようにも調整することができる。
【0053】
ノズル支持板73の配向を調整することによる単一のノズル・モジュール64の影響を考慮すると、処理される地面の幅は、最小で約100mm(3つのノズル74が移動方向と位置合わせされている)から最大で約350mm(3つのノズル74が移動方向を横断するように位置合わせされている)までの間で変化し得る。
【0054】
典型的には、雑草処理装置10の動作は、運転台7内の制御パネルを用いて、操作者によって制御される。動作中、ポンプ36は、水タンク26から、ヒーター箱28内の電気ヒーター34に水の流れを供給し、この水は界面活性剤を含有している。ポンプ36は、流体流の圧力及び流量の両方を制御する。流量は、使用中のノズル74の数によって設定され、操作者は、例えば、制御電子装置32内のスイッチ又はタッチ・スクリーン・ボタンを作動させて、動作中のノズル74の数を示すことができる。結果としてもたらされる高圧の液体流は、電磁弁38及びホース52を通ってヘッダ箱50上の入口51に供給され、従ってホース55を通ってノズル・モジュール64に供給される。ヘッダ箱50におけるあらゆる余分な液体は、再び水タンク26に再循環される。
【0055】
望ましい選択肢として、運転台7は、GPSアンテナに連結される、又はこれを含み、かつ、制御電子装置32に連結されたコンピュータを含むことができる。従って、コンピュータは、どの領域が処理され、それがいつ処理されたかを示すデータを格納することができる。
【0056】
望ましい選択肢として、泡分配機械14は、上向きに延びるリンク・バー41と支持バー40との間に延びる空気圧ダンパ及び制御ラム90を含むことができる。空気圧ダンパ及び制御ラム90は、図6に概略的に示される。これは2つの効果を有する。泡分配機械14がでこぼこの地面の上で移動される場合、ラム90は、支持バー40及びそれに固定された部品の上下揺れ(bouncing)運動を抑制する。トラクタ5の運転者が、泡分配機械14が取り付けられた三点連結機構8を上昇させた場合には、ラム90は、支持バーが降下できる範囲を制限し、平行板連結機構44の移動を制限し、従って、運転者が、例えば作物の列の最後に、泡分配機械14を地面から持ち上げることを可能にする。
【0057】
泡分配機械14にはまた、図6に破線で示されるような、調整可能脚部又はジョッキー車輪92も設けられるので、トラクタ5から取り外されたときに、クロス・バー46が地面の上に載らない。
【0058】
雑草除去装置は、図に関連して説明されたものとは異なり得ることが理解されるであろう。例えば、雑草除去装置10は、トラクタ5のような汎用車両上に取り付けるのではなく、専用車両の一部として恒久的に取り付けることができる。泡分配機械14の幅は、説明されたものとは異なってもよく、泡分配機械14は、より少ない又はより多い数のノズル・モジュール64を支持することができる。より多数のノズル・モジュール64がある場合には、装置10が再充填なしで動作できる期間を延長するように、より大きい容量の水タンク26を用いることが適切であり得る。
【0059】
制御電子装置32は、温度、流量、及び圧力などのパラメータの値を示す、操作者が見ることができるインジケータを含むことが好ましい。一実施形態においては、タッチスクリーン・コントローラが、可撓性ケーブル又は導管コードを介して制御電子装置32に接続された携帯型の箱内に提供される。そうしたタッチスクリーン・コントローラは、スクリーン自体のためのオン/オフ・スイッチ、動力取り出し装置9が正しい速度であるかどうか示すインジケータ、並びにヒーター34及びポンプ36への電力を切るための非常停止ボタンのような、制御部を含むことができる。このタッチスクリーン・コントローラは、通常、例えばサッカー・パッド上など、運転台7内に取り付けられるので、操作者は、運転台7内にいるときにこれを用いることができる。代替的に、操作者は、タッチスクリーン・コントローラを取り外してこれを他の場所に取り付けること、又は、例えば、操作者が手持ち式噴霧さおを用いて雑草を防除するときにこれを手に保持することができ、従って、運転台7に上って戻ることなく、泡の生成を制御し続けることができる。
【符号の説明】
【0060】
5 トラクタ
6 エンジン
7 運転台
8 三点連結機構
9 動力取り出し機構
10 雑草処理装置
12 泡生成装置
14 泡分配機械
20 鉄骨フレーム
21 ブラケット
24 発電機
26 水貯蔵タンク
28 ヒーター箱
29、30、31 箱
32 制御電子装置
34 電気ヒーター
36 ポンプ
38 電磁弁
40、68 支持バー
41 リンク・バー
42 車輪
43、48、59 ブラケット
44 平行板連結機構
46 クロス・バー
49 マウント
50 ヘッダ箱
51、78 入口
52、55、82 ホース
53、80 出口
54 出口ポート
58 ナイロン・ランナ
60 支持管
62 端板
64 ノズル・モジュール
65 クランプ・ブロック
66 横孔
67、69、84 クランプ
70 ヒンジ
72 L字形ブラケット
73 ノズル支持板
74 ノズル
74a 泡の円錐形噴霧
75 カーテン又はスカート
76 液体供給マニホルド
86 車輪支持クランプ
87 傾斜シャフト
88 ハンドル
90 空気圧ダンパ及び制御ラム
92 ジョッキー車輪
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7