(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年、車両の軽量化のために各構成部材の軽量化が要求されている。したがって、スタビリンクも軽量化が要求される。スタビリンクは、サスペンションに固定される接続部と、スタビライザに固定される接続部とが、サポートバーの両端に配設されて構成される。つまり、サポートバーが2つの接続部をつないでスタビリンクが構成される。サポートバーは、中実の鋼材(鋼棒)であるため、樹脂製やアルミニウム製のスタビリンクに比べて、重量が大きくなっている。
【0005】
そこで、樹脂製のスタビリンクが開発されている。
図13は、従来の樹脂製のスタビリンクの正面図である。
樹脂製のスタビリンク101は、中央部のサポートバー102と、サポートバー102の両端部に接続されるケーシング部103とを有している。スタビリンク101は、射出成形で形成される。スタビリンク101のインジェクションゲートの位置は長手方向の中央に位置する。
図13では、ケーシング部103には、ボールスタッド109が接続された状態を示している。
【0006】
図14(a)、(b)は、
図13のX−X断面図であり、寸法の一例を示す。
サポートバー102は、中央板102aと上・下ウイング102b、102cと支板102dを有している。
上・下ウイング102b、102cは、中央板102aの上下に連続して形成される。
支板102dは、上・下ウイング102b、102cと中央板102aとに連結して形成され、強度材を成す。
【0007】
上・下ウイング102b、102cの各板厚は、4.2mmである。中央板102aの板厚は、3.2mmである。支板102dの板厚は、2.2mmである。
樹脂製のスタビリンク101のサポートバー102は、
図14に示すように、断面I字状である。
この場合、Iy(
図14に示すY軸廻りの断面二次モーメント)は、軸廻りの断面形状の違いより、Ix(X軸廻りの断面二次モーメント)より、大きく低下する。
【0008】
IyとIxとを同等にするには、
図12(a)の幅寸法24.1mmを、
図12(b)に示すように幅寸法28mm以上の29.7mmにする必要がある。
オール樹脂製のサポートバーは、ナイロン66(グラスファイバ30%含)、常温、吸水率1.75%の条件下で、曲げ弾性率は、約6GPaである。これに対して、鉄鋼製のサポートバーは、縦弾性係数約210GPaである。
【0009】
従って、同じ軸荷重が印加された場合、オール樹脂製のサポートバーは、鉄鋼製のサポートバーと比べると、約35倍の伸縮量が生じる。
スタビリンク101の使用に際しては、荷重に対する変位量(弾性リフト量)が定められており、軸方向の伸縮量によりオール樹脂製のサポートバーでは、弾性リフト量を満足できないおそれがある。
【0010】
本発明は上記実状に鑑み、変位量が小さく軽量でありながら強度が高いリンクアーム部材の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記課題を解決するため、第1の本発明のリンクアーム部材は、車両においてサスペンションとスタビライザとが連結されるリンクアーム部材であって、金属製の中空管の両端部
が封止され
た形状を有するサポートバー部と、前記サポートバー部の両端にそれぞれ設けられ、前記サスペンションと前記スタビライザとがそれぞれ固定されるボールスタッドのボール部が収容される収容孔を有する樹脂製の一対のハウジング部とを有し、前記サポートバー部の端部は、それぞれ前記ハウジング部を形成する樹脂に覆われ、前記サポートバー部の両端縁に、
前記中空管の両端縁が押し潰された形状であり、素材の
前記中空管の厚さより10%〜35%薄い厚さ寸法
をもつ第1封止部を有している。
【0012】
第1の本発明のリンクアーム部材によれば、サポートバー部の端部がハウジング部を形成する樹脂に覆われるので、軽量でありながら荷重に対する変位量を満足することができる。
また、リンクアーム部材のサポートバー部の両端縁に
、中空管の両端縁が押し潰された形状であり、素材の
中空管の厚さより10%〜35%薄い厚さ寸法
をもつ第1封止部を有するので、サポートバー部を確実に封止することができる。
【0019】
第2の本発明のリンクアーム部材は、車両においてサスペンションとスタビライザとが連結されるリンクアーム部材であって、金属製の中空管の両端部
が封止され
た形状を有するサポートバー部と、前記サポートバー部の両端にそれぞれ設けられ、前記サスペンションと前記スタビライザとがそれぞれ固定されるボールスタッドのボール部が収容される収容孔を有する樹脂製の一対のハウジング部とを有し、前記サポートバー部の端部は、それぞれ前記ハウジング部を形成する樹脂に覆われ、前記サポートバー部の端部は、長手方向に交差して単数回または複数回曲げた形状の第2封止部を有している。
【0020】
第
2の本発明のリンクアーム部材によれば、サポートバー部の端部に長手方向に交差して単数回または複数回曲げた形状の第2封止部を有するので、サポートバー部を確実に封止することができる。
【0023】
第3の本発明のリンクアーム部材は、車両においてサスペンションとスタビライザとが連結されるリンクアーム部材であって、金属製の中空管の両端部
が封止され
た形状を有するサポートバー部と、前記サポートバー部の両端にそれぞれ設けられ、前記サスペンションと前記スタビライザとがそれぞれ固定されるボールスタッドのボール部が収容される収容孔を有する樹脂製の一対のハウジング部とを有し、前記サポートバー部の端部は、それぞれ前記ハウジング部を形成する樹脂に覆われ、前記ハウジング部は、前記収容孔の周壁廻りの樹脂が前記サポートバー部の端縁から中央側にかけて厚みが次第に薄くなり、当該端縁から前記中央側に2mm以上入った箇所で、前記サポートバー部の中央側を覆う樹脂の厚みとほぼ同じとなっている。
【0024】
第
3の本発明のリンクアーム部材によれば、ハウジング部の収容孔の周壁廻りの樹脂とサポートバー部を覆う樹脂との連結強度を向上することができる。
【0027】
第4の本発明のリンクアーム部材は、車両においてサスペンションとスタビライザとが連結されるリンクアーム部材であって、金属製の中空管の両端部
が封止され
た形状を有するサポートバー部と、前記サポートバー部の両端にそれぞれ設けられ、前記サスペンションと前記スタビライザとがそれぞれ固定されるボールスタッドのボール部が収容される収容孔を有する樹脂製の一対のハウジング部とを有し、前記サポートバー部の端部は、それぞれ前記ハウジング部を形成する樹脂に覆われ、前記収容孔の周壁を形成する樹脂と前記サポートバー部を覆う樹脂との間には、2〜3mmの距離を有している。
【0028】
第
4の本発明のリンクアーム部材によれば、収容孔の周壁を形成する樹脂とサポートバー部を覆う樹脂との間には、
2〜3mmの距離を有するので、収容孔の周壁を形成する樹脂の強度とサポートバー部を覆う樹脂の強度の低下を防ぐことができる。
【発明の効果】
【0037】
本発明によれば、変位量が小さく軽量でありながら強度が高いリンクアーム部材を実現できる。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
<<実施形態1>>
図1は、本発明に係わる実施形態1のスタビリンクがサスペンションとスタビライザとを連結する状態を示す斜視図である。
実施形態1のスタビリンク(リンクアーム部材)1は、車両(図示せず)の走行時の車輪Wの変動を軽減するために用いられる部品の一つである。
【0040】
車両(図示せず)は、走行に使用される車輪Wを前部と後部とに備えている。
車輪Wは、サスペンション3を介して車体(図示せず)に取り付けられている。サスペンション3は、サスペンションダンパ3aと、サスペンションダンパ3aの廻りに設けられるコイルスプリング3bとを有する。
サスペンションダンパ3aは、車輪Wを回転可能に支持し、車輪Wの変動を粘性減衰力などで減衰する。
【0041】
コイルスプリング3bは、車輪Wを支持するサスペンションダンパ3aと車体間に取り付けられる。コイルスプリング3bは、スプリングの弾性力や弾性エネルギで車輪Wから車体に加わる衝撃を緩衝する。
このようなサスペンション3のサスペンションダンパ3aの粘性減衰力、コイルスプリング3bの弾性力などによって、車体に伝わる振動や衝撃が減衰される。
【0042】
左右のサスペンション3の間には、捩じり剛性で左右のサスペンション3の変位を抑えるスタビライザ2が連結されている。スタビライザ2は、左右の車輪Wの変位に起因する車体のロールに対する剛性(捩れに対する剛性)を高めて車両(図示せず)のローリングを抑制する。
【0043】
スタビライザ2は、トーションアーム2aとトーションバー2bとを有する。スタビライザ2は、車両の形状に合わせて適宜折り曲げられる棒状のばね鋼で構成される。 スタビライザ2は、左右の一対の車輪W,Wをそれぞれ支持する一方のサスペンション3から他方のサスペンションダンパ3aに向かう方向に延設される。スタビライザ2は、左右のサスペンションダンパ3a、3aがそれぞれ左右の一対のスタビリンク1を介して連結される。
【0044】
スタビライザ2は、車両が旋回するときなど、2つのサスペンションダンパ3a,3bの伸縮量の違いによって主に中央部のトーションバー2bが捩れ、その捩れを復元する弾性力で車両のローリングを抑制する。
【0045】
図2は
図1のA部を分解した状態を示す分解斜視図である。
スタビリンク1は、中央部のサポートバー1aの両端にそれぞれハウジング1bを有して構成されている。
ハウジング1bは、接続部9を構成する。
接続部9のハウジング1b内にはボールスタッド10が傾倒可能に収容されている。
接続部9には、ハウジング1b内への異物の侵入を防止するためのダストブーツ13が備わっている。
【0046】
そして、一方の接続部9に支持されるボールスタッド10がサスペンションダンパ3aが固定されるブラケット3cに締結固定される。また、他方の接続部9に備わるボールスタッド10がスタビライザ2のトーションアーム2aに締結固定される。
【0047】
ブラケット3cは、スポット溶接等でサスペンションダンパ3aに取り付けられている。ブラケット3cは、スタビライザ2のトーションアーム2aの側(図示しない車両の中心側)を臨む平板部を有する。ブラケット3cの平板部に取付孔3c1が開口している。一方のボールスタッド10は、周囲に広がる鍔部10aの位置までスタッド部10sが取付孔3c1に挿通される。そして、取付孔3c1を挿通したボールスタッド10のスタッド部10sに螺刻される雄ねじ10cにナットN1が螺合される。
【0048】
また、スタビライザ2のトーションバー2aの先端部近傍の封止部2a1には、取付孔2a2が貫通している。例えば、
図2に示すように、トーションバー2aの先端部及びその近傍がサスペンションダンパ3aの側を臨む平面状に押しつぶされ封止部2a1が形成される。そして、封止部2a1に取付孔2a2が貫設される。
【0049】
他方のボールスタッド10は鍔部10aの位置まで、スタビライザ2の取付孔2a1がスタッド部10sに挿通される。そして、スタビライザ2の取付孔2a2を挿通したボールスタッド10のスタッド部10sの雄ねじ10cにナットN1が螺合し、スタビライザ2がスタビリンク1に固定される。
【0050】
こうして、スタビリンク1は、サポートバー1aの両端のボールスタッド10を介して、サスペンション3のサスペンションダンパ3aとスタビライザ2のトーションアーム2aに固定される。
2つのボールスタッド10は、それぞれ傾倒可能にスタビリンク1の両端部のハウジング1bに支持されている。したがって、スタビリンク1は、サスペンション3のサスペンションダンパ3a及びスタビライザ2のトーションアーム2aに対して可動になる。
【0051】
このように、スタビリンク1は、スタビライザ2と、サスペンション3に固定されて、スタビライザ2とサスペンションとを連結するリンクアーム部材である。
【0052】
図3は、スタビリンクのハウジングとボールスタッド廻りの構造を示す断面図である。
スタビリンク1のサポートバー1a両端に、ハウジング1bを含んで接続部9が配設されている。 換言すれば、接続部9は、サポートバー1aの両端にそれぞれ固定されるカップ状のハウジング1bを有する。そのため、スタビリンク1には2つの接続部9が備わる。
ハウジング1bは、サポートバー1aの両端にインサート成形で取り付けられている。ハウジング1bの内側に樹脂製のボールシート12が収容されている。
【0053】
ボールスタッド10は、略球体状のボール部10bとスタッド部10sを有する。スタッド部10sは、ボール部10bから一方向に延設されている。
ボールスタッド10は、ボール部10bがボールシート12に収容されて接続部9に備わる。
【0054】
樹脂製のボールシート12は、本体部12aとフランジ部12bからなり、本体部12aがハウジング1bに収容される。ボールシート12の本体部12aはカップ状を呈する。ボールシート12の本体部12aは、熱カシメ、接着、圧入などの方法でハウジング1b内に固定される。なお、本実施形態では、ボールシート12の本体部12aが熱カシメの方法でハウジング1b内に固定される場合を説明する。
本体部12aは、ハウジング1bの収容孔1b3の底板1btに形成される孔1k1(
図4(a)参照)に熱カシメ12k(
図3)されて、ボールシート12がハウジング1bに固定される。
フランジ部12bは、本体部12aの開口側が外方に周囲に広がって形成される。
【0055】
ボールシート12の本体部12aは、内側に収容空間12a1が形成されている。そして、ボールスタッド10のボール部10bがボールシート12の収容空間12a1に転動自在に収容される。また、ボールスタッド10において、スタッド部10sはボール部10bと一体に動作する。したがって、ボールシート12に収容されたボールスタッド10は、スタッド部10sがスタビリンク1に対して傾倒可能になる。換言すれば、スタビリンク1のハウジング1bは、スタビリンク1のボールスタッド10を傾倒可能に支持する。
このように、接続部9には、スタッド部10sとボール部10bからなるボールスタッド10が傾倒可能に備わってボールジョイント構造を構成している。
【0056】
ボールスタッド10のスタッド部10sには、周囲に広がった鍔部10aが形成されている。また、スタッド部10sの鍔部10aよりも先端側の先端部には、雄ねじ10cが形成されている。
【0057】
この構成により、前記の
図2に示すように、サポートバー1aの一端に配設されるボールスタッド10のスタッド部10sがサスペンションダンパ3aのブラケット3cに開口する取付孔3c1に鍔部10aまで挿通する。その状態で雄ねじ10cにナットN1が螺合して、ボールスタッド10がサスペンションダンパ3aに固定される。
【0058】
また、サポートバー1aの他端に配設されるボールスタッド10のスタッド部10sが、スタビライザ2のトーションアーム2aに開口する取付孔2a2に鍔部10aまで挿通する。その状態で雄ねじ10cにナットN1が螺合して、ボールスタッド10が、スタビライザ2のトーションアーム2aに固定される。
【0059】
なお、スタビリンク1においてスタッド部10sが延出する方向は、サスペンション3のサスペンションダンパ3a(
図2参照)と、スタビライザ2のトーションアーム2a(
図2参照)の位置関係に応じて適宜決定される。
【0060】
図3に示すように、ハウジング11にボールシート12の本体部12aが収容された状態で、ハウジング1bとボールシート12のフランジ部12bが互いに対向する。 そして、互いに対向するハウジング1bとボールシート12のフランジ部12bでダストブーツ13の端辺が挟持される。
【0061】
ダストブーツ13は、ゴムなどの弾性体からなる中空の部材である。ダストブーツ13は、ハウジング1b内やボールシート12内への異物(ゴミなど)の侵入を防止する部材である。ダストブーツ13は、鍔部10aとハウジング1bとの間でボールスタッド10の周囲に配設される。ダストブーツ13は、対向する位置に2つの開口部を有する。一方の開口部は周囲が内側に向かって折れ曲がり、この部分が対向するハウジング1bとボールシート12のフランジ部12bとで挟持される。ダストブーツ13の他方の開口部は、ボールスタッド10のスタッド部10sに密着して固定されている。
ダストブーツ13は、スタッド部10sが傾倒する動作を妨げない形状になっている。例えば、ダストブーツ13は、大きく外方に膨らんだ形状であることが好ましい。
【0062】
<スタビリンク1>
図4(a)はスタビリンク1の上面図であり、
図4(b)は
図4(a)のA方向矢視図であり、
図4(c)は
図4(a)のB−B断面図である。
前記したように、スタビリンク1は、中央部のサポートバー1aと両端部のハウジング1bとを有している。
サポートバー1aは金属製であり、ハウジング1bは樹脂製である。スタビリンク1は、サポートバー1aとハウジング1bとが、インサート成形により一体に形成される。
【0063】
<サポートバー1a>
図5(a)はサポートバー1aを示す上面図であり、
図5(b)はC−C断面図であり、
図5(c)はD−D断面図である。
サポートバー1aは、鋼製の中空パイプを用いて形成される。サポートバー1aは、鉄鋼材料のばね鋼、STK11A、STK13A、STK13Cなどが用いられるが、鋼などの金属材料であり所定の強度や疲労強度(疲労限度)を満たせば限定されない。例えば、サポートバー1aは、鉄鋼製の他、アルミニウム、チタン、その他の金属でもよい。
【0064】
サポートバー1aは、所定長さの中空パイプの両端が平板状に塑性変形され封止された形状に形成される。つまり、サポートバー1aは、中央の中空パイプ部1a1と両端部の平板部1a2と両端縁の封止部1a3とを有している。
中空パイプ部1a1は素材のパイプ形状を成す。
【0065】
平板部1a2は中空パイプ部1a1の端部にほぼ平板状に、プレス加工で形成される。これにより、サポートバー1aの平板部1a2が中央側の中空パイプ部1a1に対してヘラ状に広がることとなる。
【0066】
平板部1a2を形成することにより、サポートバー1aの両端部にそれぞれ設けられるハウジング1b間に軸廻りの角度に位相差が存在する場合がある。この場合、サポートバー1aを形成するパイプ素材の一方端の先端部をプレス加工した後、その他方端のプレス加工の際に一方端の平板部1a2を検出して位置を明らかにする。そして、当該パイプ素材を位相差の角度分回転させて、パイプ素材の他方端の先端部をプレス加工することができる。なお、
図4のスタビリンク1では位相差が180度である場合を示している。
封止部1a3は両端の平板部1a2の端縁が押し潰される塑性変形により、封止された状態、すなわち密閉した状態に形成される。
【0067】
換言すれば、サポートバー1aは、素材の所定長さのパイプの先端縁が押し潰され封止部1a3が形成される。そして、封止部1a3から平板形状の平板部1a2、パイプ形状に至るテーパー部1a4を経て、中央側のパイプ形状の中空パイプ部1a1に至る。
【0068】
サポートバー1aの封止部1a3の端縁からの寸法s1は、約0.5〜3mmとする。封止部1a3の厚さは、素材のパイプ厚の2倍の厚さより10%〜35%薄い寸法とする。つまり、封止部1a3は、素材のパイプの厚さより約10%〜35%薄い寸法となるように塑性変形させて、封止(密閉)される構成とする。これにより、サポートバー1aの封止(密閉)性が確保される。例えば、径10mmで厚さ1.2mmのパイプをサポートバー1aに用いる場合、2倍の厚さ2.4mmより10%〜35%の範囲薄い寸法の厚さs2を、1.9mmとする。
【0069】
図6(a)は、サポートバーの
図5(a)のE部拡大相当図であり、
図6(b)は、サポートバーの平板部および封止部の形成過程を示す
図5(a)のE部拡大相当図である。
図6(a)に示すサポートバー1aの封止部1a3は、
図6(b)に示すように、上型Kuと下型Ksとを用いて白抜き矢印のように素材のパイプをプレスすることにより成形される。
【0070】
端部に形成される平板部1a2は、基本的には平板形状とするが、サポートバー1aの材質と、一体成形されるハウジング1bの樹脂材料の違いによる線膨張係数差で成形時にボイドなどの空隙、ずれの発生が考えられる。例えば、インサート成形でのインサートインジェクション時の成形収縮で、ハウジング1bを形成する樹脂により、サポートバー1aはグリップされるが、サポートバー1aにグリップできないほどの大きな力が印加される場合等々である。
【0071】
そこで、本サポートバー1aは下記の構成を採っている。
図5(a)〜(c)に示すように、平板形状の平板部1a2またはその近傍に、凹んだ形状の凹部1a5を設ける。凹部1a5は、平板部1a2や封止部1a3を形成する際に同時にプレス加工してもよいし、平板部1a2を形成後にプレス加工してもよい。
【0072】
凹部1a5の存在により、サポートバー1aとハウジング1bを形成する樹脂とが強固に固定される。
こうして、中空パイプ部1a1、平板部1a2、封止部1a3が形成されたパイプ素材は、単体でカチオン塗装またはメッキ処理がなされる。これにより、
図5に示すサポートバー1aが製作される。
【0073】
<ハウジング1b>
ハウジング1bは、上述の如く樹脂製であり、樹脂に強化材が用いられるのが好ましい。ハウジング1bの母材としては、PA66(Polyamide 66)、PA6(Polyamide6)、PPS(Polyphenylenesulfide)、POM(Polyacetal)などのエンジニアリングプラスチックもしくはスーパーエンジニアリングプラスチックが用いられる。エンジニアリングプラスチックは、強度に優れ、耐熱性のような特定の機能を強化してある工業用プラスチックである。スーパーエンジニアリングプラスチックは、エンジニアリングプラスチックの中でも、特に優れた性能を備え、高温で長期間使用できる樹脂である。例えば、FRP(繊維強化プラスチック)、GRP(ガラス繊維強化プラスチック)、CFRP(炭素繊維強化プラスチック)などが用いられる。
【0074】
一例として、強化材はグラスファイバー細繊維が主に使用される。含有率は、強化効果と高温(約80℃)での強度が常温(約23℃)での強度に比べ、50%以下にならないように、約25%以上が望ましい。また、成形性で射出成形機の寿命を勘案し、上限は60%程度が好ましい。つまり、強化材の含有率は、約25%以上約60%以下が望ましい。なお、強化材はグラスファイバー以外のものを用いてもよい。
【0075】
図4に示すように、本例の場合、サポートバー1aの他方端側のハウジング1bは、一方端側のハウジング1bを逆さにして形成されるものであり、一方端側のハウジング1bと他方端側のハウジング1bとは、同じ形状を有している。
【0076】
ハウジング1bは、サポートバー1aの封止部1a3、平板部1a2、テーパー部1a4、および中空パイプ部1a1の一部を覆った形状に形成される。
ハウジング1bは、収容部1b1(
図4(a)参照)と固定部1b2とを有している。ハウジング1bの厚さは4mm以下とされている。ハウジング1bの厚さを、4mm以下とすることで気泡などのボイドの発生を防いでいる。
【0077】
収容部1b1は、ボールシート12の本体部12aとボールスタッド10のボール部10bとが収容される有底円筒形状の収容孔1b3が形成される。
固定部1b2は、サポートバー1aの封止部1a3、平板部1a2、テーパー部1a4、および中空パイプ部1a1の一部が内部に固定される。
収容部1b1には、収容孔1b3の廻りの周壁の外方に円板形状のフランジ部1f1、1f2、1f3が3つ形成されている。
【0078】
図4(b)に示すように、フランジ部1f1、1f2、1f3の間には、強度を高めるために、フランジ部1f1、1f2、1f3の軸方向中心に配置される補強リブr1、r2、r3rと補強リブrとが、フランジ部1f1、1f2、1f3を連結する形状に形成される。フランジ部1f1、1f2、1f3、補強リブr、r1、r2、r3により、ボールスタッド10のボール部10bから印加される外力に耐えられる構造となっている。
【0079】
収容部1b1の底板1btには、ボールシート12の本体部12aを熱カシメ12k(
図3参照)するための孔1k1が複数形成されている。
収容部1b1の収容孔1b3の円筒面を覆う樹脂(約3〜4mm厚)と、サポートバー1aの封止部1a3の先端縁を覆う樹脂との間の寸法s3(
図4(a)参照)は、2〜3mm程度の空間を介在させている。これにより、サポートバー1aの封止部1a3の先端縁を覆う樹脂の厚さおよび収容部1b1の収容孔1b3の円筒面を覆う樹脂の厚さが削られないようにしている。
【0080】
サポートバー1aの封止部1a3の先端縁は、3〜4mm程度の厚さs4(
図4(a)参照)の樹脂に覆われている。
そして、フランジ部1f1、1f2、1f3、補強リブr3を形成する樹脂は、収容部1b1から固定部1b2への樹脂の移行を円滑にし、応力集中を回避するとともに強度向上のため、サポートバー1aの先端縁からその中央側に寸法s5(約2mm以上)(
図4(a)参照)クロスした箇所で、サポートバー1aの中央側を覆う樹脂の厚みとほぼ同じとなる。こうして、収容部1b1が形成される樹脂(フランジ部1f1、1f2、1f3、補強リブr3を含む)から固定部1b2が形成される樹脂に移行するようにしている。
【0081】
<スタビリンク1の形成>
前記の表面処理が施されたサポートバー1a(
図5(a)〜(c)参照)を用いて、インサート成形でサポートバー1aの両端部にハウジング1bが一体に固定され、スタビリンク1が製作される。
射出成形型が水平開閉の場合、サポートバー1aの先端を検出し、平板部1a2(
図5参照)の平らに広がる延在面を水平にして、サポートバー1aを冶具で固定する。
【0082】
射出成形型を閉じる際、サポートバー1aの横断面真円形状の中空パイプ部1a1をグリップする。そして、閉じた射出成形型内に樹脂を注入し、冷却して射出成形型を外し、サポートバー1aの両端にそれぞれハウジング1bが一体に固定される。
ハウジング1bの成形は、サポートバー1aの片側ずつ行ってもよいし、スライド型などを用いて、両端同時成形でもよい。
以上により、スタビリンク1(
図4参照)が成形される。
【0083】
上記構成によれば、下記の効果を奏する。
1.スタビリンク1の収容部1b1を強化材入り樹脂と金属製のパイプを用いることで、スタビリンク1の軽量化が図れる。全鉄鋼製のスタビリンクに比較して、約30%の重量減を図れる。また、スタビリンク1は全樹脂製のスタビリンクと同等の重量とでき、軽量化を図れる。
【0084】
2.スタビリンク1は、バー部が鋼管などの金属製パイプであるので、例えば鉄鋼の縦弾性係数約210GPaに従い、通常の鉄鋼製のサポートバーと同等であり、既定の荷重に対する変位量(弾性リフト量)を満足することができる。
【0085】
3.スタビリンク1のサポートバー1aの両端部の端縁からの寸法s1は、約0.5〜3mm塑性変形により封止され封止部1a3が設けられるので、封止性(密閉性)が確保される。そのため、サポートバー1aの表面をカチオン塗装もしくはメッキ処理を施す際、内部に水、溶液が浸入することが防止される。また、スタビリンク1のインサート成形時に、樹脂がサポートバー1aの内部に流入することが防止できる。
加えて、実際の車両の使用に際して、スタビリンク1の内部に水分などが浸入することが防止され、腐食などによる経時劣化を可及的に食い止めることができる。
【0086】
4.スタビリンク1のサポートバー1aの両端部を塑性変形させて、中空パイプ部1a1からヘラ状に広がる平板部1a2が成形され中央側の樹脂より端部側の樹脂が寸法が一部大きい。そのため、スタビリンク1に対して、サポートバー1aの軸方向のハウジング1bが抜ける方向の荷重が加わっても、樹脂が破壊しない限り、ハウジング1bがサポートバー1aから抜けることがない。
【0087】
5.平板部1a2が形成されることにより、サポートバー1aの両端部にそれぞれ設けられるハウジング1b間に軸廻りの角度に位相差が存在する場合、一方側の平板部1a2を位置決めして基準にし、他方側の平板部1a2を成形でき、加工が容易である。
【0088】
6.スタビリンク1のサポートバー1aは、ハウジング1bの樹脂の成形収縮により締め付けられているが、ハウジング1bの樹脂とサポートバー1aの金属材料との線膨張係数の違いにより、隙間、ズレなどが生じることが考えられる。しかし、サポートバー1aの端部の平板部1a2近傍に、凹んだ形状の凹部1a5を設ければ、物理的なアンカー効果により抑止することが可能である。
【0089】
7.ハウジング1bが形成される樹脂は厚さが約3〜4mmで成形されており、収容孔1b3(
図4(c)参照)廻りには、フランジ部1f1、1f2、1f3が設けられるので、外力が印加される収容孔1b3を形成する壁板の強度が確保される。
【0090】
8.
図4に示すように、円板形状のフランジ部1f1、1f2、1f3の軸方向のセンターには、タテ壁の補強リブr1、r2、r3が形成される。またフランジ部1f1、1f2、1f3を形成する樹脂が、補強リブr3ともどもサポートバー1aの先端縁から中央側に寸法s5(=約2mm以上)(
図4(a)参照)の長さ分クロスして成形される。そのため、ハウジング1bの収容孔1b3の中心軸方向の力(ボールスタッド10の抜け荷重や押し荷重など)による収容孔1b3を形成する樹脂の付け根部の剛性が向上する。また、収容孔1b3の樹脂がサポートバー1a側の強度への移行が円滑になる。
【0091】
9.ハウジング1bを形成する樹脂中に、グラスファイバー細繊維などの強化材を含むので、ハウジング1bの強度が向上するとともに軽量であり、射出成形機の寿命にも影響がない。
以上より、変位量が小さく軽量でありながら強度が高いスタビリンク1を実現できる。
【0092】
<<実施形態2>>
図7(a)は、実施形態2のスタビリンクの上面図であり、
図7(b)は
図7(a)のF方向矢視図であり、
図7(c)は
図7(a)のG−G断面図である。
実施形態2のスタビリンク1Aは、ハウジング21bの収容孔21b3の廻りを囲んで形成されるフランジ部21f1、21f2を2つとする。そして、ハウジング21bの収容孔21b3の底壁21btとサポートバー1aの平板部1a2およびテーパー部1a4との間に筋交い状の補強用のリブ2rを有する。
その他の構成は実施形態1と同様であるから同様な構成要素には同一の符号を付して示し、詳細な説明は省略する。
【0093】
実施形態2のハウジング21bは、収容部21b1と固定部21b2とを有している。
収容部21b1は、ボールシート12の本体部12aとボールスタッド10のボール部10bとが収容される有底円筒形状の収容孔21b3が形成される。
固定部21b2は、サポートバー1aの封止部1a3、平板部1a2、テーパー部1a4、および中空パイプ部1a1の一部が内部に固定される。
【0094】
収容部21b1には、収容孔21b3の廻りの周壁の外方に連続して円板形状のフランジ部21f1、21f2(
図7(b)参照)が2つ形成されている。フランジ部21f1、21f2の間には、強度を高める補強リブr、r1、r2、r3が複数、フランジ部21f1、21f2を連結する形状に形成されている。フランジ部21f1、21f2、補強リブr、r1、r2、r3により、ボールスタッド10のボール部10bから印加される外力に耐えられる構造となっている。
【0095】
スタビリンク1Aは、ハウジング21bの高さ寸法s6が短いことから、ハウジング21bに形成するフランジ部21f1、21f2を2つ形成している。
そして、ハウジング21bの収容孔21b3を形成する底壁21btと、サポートバー1aの平板部1a2およびテーパー部1a4を覆う樹脂との間に、収容孔21b3の軸方向に下方(
図7(b)の紙面下側)に延びる筋交い状の補強用のリブ2rが形成され、強度を高めている。
【0096】
実施形態2によれば、フランジ部21f1、21f2、補強用のリブ2を設けたので、ハウジング21bの収容孔21b3の中心軸方向の力(ボールスタッド10の抜け荷重や押し荷重など)による収容孔21b3を形成する樹脂の付け根部の剛性が向上する。
その他、実施形態1の効果は同様に奏する。
【0097】
図8(a)は、実施形態2の他例のスタビリンクの上面図であり、
図8(b)は
図8(a)のI方向矢視図であり、
図8 (c)は
図8(a)のJ−J断面図であり、
図8 (d)は
図8(a)のK−K断面図である。
【0098】
実施形態2の他例のスタビリンク1A1は、実施形態2のハウジング21bの収容孔21b3の内周面21b4とサポートバー1aの端縁の封止部1a3との距離s7を、約3〜4mmに近付け、両者間に樹脂を充填(形成)したものである。
【0099】
そして、ハウジング21bの収容孔21b3の底壁21btとサポートバー1aの平板部1a2およびテーパー部1a4との間の筋交い状の補強用のリブは形成しない構成としている。
【0100】
これは、サポートバー1aの端縁がハウジング21bの収容孔21b3に近付いたため、補強用のリブの役割を、収容孔21b3を形成する樹脂の周壁21sで代替できるためである。つまり、筋交い状の補強用のリブの役割、機能を収容孔21b3のサポートバー1a側の周壁21sが担うことができる。
【0101】
また、
図8(a)、(b)、(d)に示すように、ハウジング21bのサポートバー1aの平板部1a2およびテーパー部1a4を覆う樹脂には、これらに沿って扁平な略直方体形状の空間の4つの逃げ部21n1、21n2、21n3、21n4が形成されている。逃げ部21n1、21n2、21n3、21n4は、平板部1a2およびテーパー部1a4の一部に対向する位置に、平板部1a2およびテーパー部1a4の一部までの樹脂の厚さが略同じになるように形成されている(
図8(b)参照)。
【0102】
その他の構成は実施形態2と同様であるから同様な構成要素には同一の符号を付して示し、詳細な説明は省略する。
【0103】
実施形態2の他例によれば、荷重(外力)が印加されるハウジング21bの収容孔21b3の内周壁面21b4と強度部材であるサポートバー1aの端縁との距離(最短距離)s7を約3〜4mmに近付けたので、収容孔21b3で受けた荷重(外力)を耐荷重の機能をもつサポートバー1aに、より直接的に伝達できる。そのため、スタビリンク1A1全体として、耐荷重の強度や疲労強度(疲労限度)が向上する。
【0104】
加えて、荷重(外力)が印加されるハウジング21bの収容孔21b3とサポートバー1aとの距離s7が近いので、ハウジング21bの収容孔21b3とサポートバー1aとの間に発生する曲げ応力を低減することができる。そのため、ハウジング21bの収容孔21b3とサポートバー1aとの間の樹脂に発生する応力が低下し、ハウジング21bの繰り返し荷重に起因する劣化を抑制できる。そのため、ハウジング21bの長寿命化を図れる。
【0105】
また、前記したように、例えば曲げ弾性率約6GPaのハウジング21bと、縦弾性係数約210GPaのサポートバー1aとでは、同じ荷重に対する伸縮量が大きく異なる。 そこで、荷重を受けるハウジング21bの収容孔21b3と、サポートバー1aとの距離が近い場合、ハウジング21bの変形量に対してサポートバー1aの変形量が小さく、ハウジング21bの収容孔21b3とサポートバー1aとの間の境界部の樹脂に大きな応力が発生し、破損が懸念される。
【0106】
そこで、本実施形態では、ハウジング21bの収容孔21b3とサポートバー1aとの間の境界部の樹脂に扁平な略直方体形状の空間である逃げ部21n1、21n2、21n3、21n4を形成した。これにより、両者間の境界部の樹脂がより変形し易くなるので、当該境界部の樹脂の応力を変形で逃がすことができる。そのため、過大な応力の発生や分布応力が大きくなることを抑制でき、当該境界部の樹脂の破損が回避される。従って、ハウジング21bの応力を低下することができ、スタビリンク1Aの長寿命化を図ることができる。
【0107】
<<変形例1>>
図9(a)は、本発明の変形例1のサポートバーの
図5(a)のE部拡大相当図であり、
図9(b)は、変形例1のサポートバーの平板部および封止部の形成過程を示す
図5(a)のE部拡大相当図である。
図9(a)に示す変形例1のサポートバー31aは、封止部31a3を1回曲げの曲げ加工により形成したものである。
【0108】
サポートバー31aは、実施形態1と同様、その両端部には、それぞれ中空パイプ部31a1の外側に平板部31a2が設けられ、平板部31a2の外側に封止部31a3がそれぞれ設けられている。平板部31a2には、凹部31a5が形成されている。
封止部31a3は、平板部31a2の外側を1回曲げm1(1ベンド)を施して形成される。
【0109】
サポートバー31aの平板部31a2および封止部31a3は、
図9(b)に示すように、下型K1sと上型K1uと用いて白抜き矢印のように素材のパイプをプレス(曲げ加工)することにより形成される。
なお、凹部31a5は、平板部31a2や封止部31a3と同時に形成してもよいし、独立して形成してもよい。
【0110】
サポートバー31aの封止部31a3の封止性能を測るため、サポートバー31aの封止部31a3を水中に没して中空パイプ部31a1側から0.5Pa圧のエアーを送ったところ、エアーの封止部31a3からの漏出はなく封止性が確認された。
【0111】
<<変形例2>>
図10(a)は、本発明の変形例2のサポートバーの
図5(a)のE部拡大相当図であり、
図10(b)は、変形例2のサポートバーの平板部および封止部の形成過程を示す
図5(a)のE部拡大相当図である。
図10(a)に示す変形例2のサポートバー41aは、封止部41a3を2回曲げの曲げ加工により形成したものである。
【0112】
サポートバー41aは、実施形態1と同様、その両端部には、それぞれ中空パイプ部41a1の外側に平板部41a2が設けられ、平板部41a2の外側に封止部41a3がそれぞれ設けられている。平板部41a2には、凹部41a5が形成されている。
封止部41a3は、平板部41a2の外側を1回曲げm1(1ベンド)と2回曲げm2(2ベンド)を施して形成される。
【0113】
サポートバー41a平板部41a2および封止部41a3は、
図10(b)に示すように、1回・2回曲げ部km1、km2をもつ下型K2sおよび上型K2uを用いて白抜き矢印のように素材のパイプをプレス(曲げ加工)することにより形成される。
なお、凹部41a5は、平板部41a2や封止部41a3と同時に形成してもよいし、独立して形成してもよい。
変形例2のサポートバー41aの封止部41a3は、変形例1の封止部31a3に比較して、曲げ形状が1つ加わり封止箇所が増加するので、より封止性(密閉性)が向上する。
【0114】
<<変形例3>>
図11(a)は、本発明の変形例3のサポートバーの
図5(a)のE部拡大相当図であり、
図11(b)は、変形例3のサポートバーの平板部および封止部の形成過程を示す
図5(a)のE部拡大相当図である。
図11(a)に示す変形例3のサポートバー51aは、変形例2の封止部41a3における1回曲げm1(1ベンド)と2回曲げm2(2ベンド)を段つき構造に変えたものである。
【0115】
サポートバー51aは、実施形態1と同様、その両端部には、それぞれ中空パイプ部51a1の外側に平板部51a2が設けられ、平板部51a2の外側に封止部51a3がそれぞれ設けられている。平板部51a2には、凹部51a5が形成されている。
サポートバー51aの封止部51a3は、鉛直部d1と水平部d2とをもつ段つき構造である。
【0116】
鉛直部d1は、サポートバー51aの長手方向に延びる平板部51a2から略垂直に立ち上がる形状である。
水平部d2は、鉛直部d1に略垂直であって鉛直部d1の外方にサポートバー51aの長手方向に沿った形状である。
【0117】
サポートバー51aの平板部51a2および封止部51a3は、
図11(b)に示すように、段つき形状kd1、kd2をもつ下型K3sおよび上型K3uを用いて白抜き矢印のように素材のパイプをプレス(曲げ加工)することにより形成される。
【0118】
変形例3のサポートバー51aの封止部51a3は、変形例1の封止部31a3に比較して、封止性をもつ曲げ形状が1つ加わり、かつ、段付き状により曲げ角度がより鋭角に近いのでより封止性(密閉性)が向上する。
【0119】
<<変形例4>>
変形例1、2、3では、実施形態1、2の端縁が塑性変形で押し潰される形状の封止部1a3に変えて、曲げ形状や段付形状で封止部31a3、41a3、51a3を形成する場合を示したが、塑性変形で押し潰され形成される形状の封止部と、曲げ形状や段付形状の封止部31a3、41a3、51a3とを両方を形成してもよい。
【0120】
つまり、サポートバーの平板部1a2の外側に第1の曲げ形状や段付形状で封止部31a3、41a3、51a3を形成し、封止部31a3、41a3、51a3の外側に端縁が塑性変形で押し潰される形状の第2の封止部を形成する。或いは、サポートバーの平板部の外側に端部が塑性変形で押し潰される形状の第1の封止部を形成し、第1の封止部に曲げ形状や段付形状の第2の封止部を形成してもよい。
【0121】
変形例4では、塑性変形で押し潰される形状および曲げ形状や段付形状の第1の封止部と第2の封止部とを形成するので、封止性(密閉性)が更に向上する。
【0122】
<<変形例5>>
図12 (a)は、本発明の変形例5のサポートバーの
図5のH部拡大相当図であり、
図12(b)は、
図12(a)のL方向矢視図である。
変形例5のサポートバー61aは、中空パイプ部61a1の外側の平板部61a2を下記のようにしてパイプ素材から形成する。
【0123】
つまり、中空パイプ部61a1と平板部61a2との境界のテーパー部61a4を、短手方向における中心軸C(
図12(a)参照)に近い側がサポートバー61aの中央部に近づくとともに、端側がサポートバー61aの端部に近づくような曲率を有する形状に形成したものである。
【0124】
換言すれば、平板部61a2とテーパー部61a4との境界線buは、短手方向の中心側bu1がサポートバー61aの長手方向の中央部側に突出するとともに短手方向の端部側bu2がサポートバー61aの長手方向の端部側に突出する形状の曲率を有して形成される。
【0125】
同様に、中空パイプ部61a1とテーパー部61a4との境界線bxは、短手方向の中心側bx1がサポートバー61aの長手方向の中央部側に突出するとともに短手方向の端部側bx2がサポートバー61aの長手方向の端部側に突出する形状の曲率を有して形成される。
【0126】
ここで、平板部61a2と、平板部61a2から傾斜して形成されるテーパー部61a4とのなす角度θ(
図11(b)参照)は、15度〜60度が好ましい。角度θが15度未満である場合、テーパー部61a4が長くなり過ぎる。一方、角度θが60度を超える場合、テーパー部61a4平板部61a2との成す角度が急峻で応力集中の発生が懸念される。
なお、角度θ(
図11(b)参照)は、30〜45度が最も好ましい。角度θを、30〜45度にすることで、中空パイプ部61a1から平板部61a2に短い距離で移行でき、応力集中の発生を効果的に抑制することができる。
【0127】
変形例5によれば、
図12に示すように、サポートバー61aの中空パイプ部61a1と平板部61a2との境界bu、2buが曲率をもつ形状に形成されるので、応力集中が低下し、伸縮・曲げ強度や疲労強度(疲労限度)が高くなる。そのため、スタビリンク1の耐久信頼性が向上する。
【0128】
<<その他の実施形態>>
1.前記実施形態1、2、変形例1〜5では様々な構成を説明したが、各構成を適宜選択して組み合わせて構成してもよい。
【0129】
2.変形例1〜4で説明した曲げ部は、サポートバー31a、41a、51aの長手方向に交差して形成されていればよく、必ずしもサポートバー31a、41a、51aの長手方向に垂直に交差していなくてもよい。
【0130】
3.変形例1〜4では、1回または2回曲げて封止部31a3、41a3、51a3を形成する場合を例示したが、3回以上の曲げで封止部を構成してもよい。
【0131】
4.なお、本発明は前記実施形態1、2、変形例1〜5に限定されるものでなく、様々な実施形態が含まれる。例えば、上記した実施形態は本発明を分り易く説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。例えば、説明した構成の一部を含むものであってもよい。また、特許請求の範囲に記載した範囲内で様々な形態が可能である。