(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5923158
(24)【登録日】2016年4月22日
(45)【発行日】2016年5月24日
(54)【発明の名称】自動車データを処理するためのシステム及び運転を評価する方法
(51)【国際特許分類】
G08G 1/00 20060101AFI20160510BHJP
G08C 17/00 20060101ALI20160510BHJP
【FI】
G08G1/00 D
G08C17/00 A
【請求項の数】9
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-241587(P2014-241587)
(22)【出願日】2014年11月28日
(65)【公開番号】特開2015-106416(P2015-106416A)
(43)【公開日】2015年6月8日
【審査請求日】2014年12月1日
(31)【優先権主張番号】10 2013 224 518.1
(32)【優先日】2013年11月29日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】505450755
【氏名又は名称】ビステオン グローバル テクノロジーズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100092093
【弁理士】
【氏名又は名称】辻居 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100082005
【弁理士】
【氏名又は名称】熊倉 禎男
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100103609
【弁理士】
【氏名又は名称】井野 砂里
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100170715
【弁理士】
【氏名又は名称】岡本 和道
(72)【発明者】
【氏名】フランク−レネ シェーファー
(72)【発明者】
【氏名】アクセル トーシュマイト
(72)【発明者】
【氏名】マティアス コッホ
(72)【発明者】
【氏名】ティナ フリードリッヒ
【審査官】
高田 基史
(56)【参考文献】
【文献】
特開2007−315335(JP,A)
【文献】
特開2012−208741(JP,A)
【文献】
特開2013−222235(JP,A)
【文献】
特開2003−044556(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 21/00−21/36
23/00−25/00
G08G 1/00−99/00
G08C 17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車(2)からのデータを処理するためのシステム(1)であって、
−データバンク(4)及びマスターコンピュータ(5)、並びに送受信要素(6)を有するサーバ(3)と、
−前記自動車(2)に一体化された送受信要素(8)であって、これにより、各自動車(2)と前記サーバ(3)とが双方向接続されるように、前記サーバ(3)の前記送受信要素(6)と前記自動車(2)の前記送受信要素(8)とが無線接続(7)を介して通信する、送受信要素(8)と、
−車両固有データを表示するための、前記自動車(2)に一体化された表示装置(9)と、
を備え、
−前記サーバ(3)は、複数の自動車(2)から車両固有データを受信し、このデータを処理し、処理されたデータを前記複数の自動車(2)に送信するように設計され、
−前記自動車(2)は、前記サーバ(3)によって送信されたデータを受信し、それを前記表示装置(9)に表示するように設計され、
それにより、前記車両固有データは、リアルタイムで送受信可能であり、前記自動車(2)内に比較可能な様式で表示されることが可能であり、
前記サーバは、複数の自動車(2)に関する前記車両固有データの個々の値(11)並びに最大値(13)、最小値(14)、及び平均値(15)を前記自動車(2)に送信するように設計され、また、各自動車(2)の前記表示装置(9)は、前記複数の自動車(2)の前記車両固有データの前記最大値(13)、前記最小値(14)、及び前記平均値(15)、並びに前記個々の値(11)を表示するように設計されている
ことを特徴とする、システム(1)。
【請求項2】
前記表示装置(9)は、前記複数の自動車(2)の前記車両固有データを、運転区間(10)の関数として表示するように設計されている
ことを特徴とする、請求項1記載のシステム(1)。
【請求項3】
前記表示装置(9)は、前記複数の自動車(2)の前記車両固有データを、期間(Z)の関数として表示するように設計されている
ことを特徴とする、請求項1又は2記載のシステム(1)。
【請求項4】
前記自動車(2)は、車両ナビゲーションシステムに属する衛星支援測位システムを備えて構成され、その測位システムから、前記自動車(2)の地理的な位置が導出され得ることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のシステム(1)。
【請求項5】
運転者の脈拍を測定するためのセンサが構成され、前記センサによって、前記運転者のストレスが判定され得る
ことを特徴とする、請求項1〜4の1項に記載のシステム(1)。
【請求項6】
前記自動車(2)から前記自動車(2)の環境内の物体までの距離を測定するための距離センサが構成される
ことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載のシステム(1)。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載のシステム(1)を用いて運転を評価するための方法であって、
−複数の自動車(2)からの車両固有データを判定し、前記自動車(2)からの前記データをサーバ(3)に送信するステップと、
−前記自動車(2)から送信された前記データを前記サーバ(3)によって受信し、前記サーバ(3)によって前記データを処理し、前記処理されたデータを前記複数の自動車(2)に送信するステップであって、前記処理されたデータは、前記複数の自動車(2)の前記車両固有データの前記最大値(13)、前記最小値(14)、及び前記平均値(15)、並びに前記個々の値(11)を含む、というステップと、
−前記サーバ(3)によって処理された前記データを前記自動車(2)によって受信し、前記データを表示装置(9)上に表示するステップであって、前記複数の自動車(2)の前記車両固有データの前記最大値(13)、前記最小値(14)、及び前記平均値(15)、並びに前記個々の値(11)が、比較可能な様式で表示される、ステップと、
−前記車両固有データを用いて、前記複数の自動車(2)のうちの各自動車(2)の運転を評価するステップと、を含む
ことを特徴とする、方法。
【請求項8】
前記複数の自動車(2)のうちの各自動車(2)の前記運転の比較評価がリアルタイムで起こるように、前記複数の自動車(2)の前記車両固有データが同時に判定され、前記サーバ(3)に送信され、前記サーバ(3)によって受信され、処理されて前記複数の自動車(2)に送信され、前記自動車(2)によって受信され前記表示装置(2)に表示される
ことを特徴とする、請求項7記載の方法。
【請求項9】
前記運転の評価は、燃費及び二酸化炭素排出量に基づく
ことを特徴とする、請求項7又は8記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サーバと各自動車との間の無線接続を介して送信され得る車両固有データを示すための、自動車に一体化されたサーバ及び表示装置を有する自動車データを処理するためのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車内では、運転者はもはや、性能、燃費、外観、又は室内の気候の快適さだけでなく、環境又は運転状況、娯楽、及びナビゲーションへの適応を認識するための機能などの付加的な設備の機能にも注意を払う。
【0003】
比較的長時間の旅行において、運転者が車両を運転する際の単調な作業及び行動には、よりいっそうの注意力及び集中力が要求される。生じる退屈さは、先行技術から既知の、例えば、旅行する地域又は娯楽手段としてのゲームについての情報を送信するための、付加的な情報システムにより中和される。これは、道路交通に対する注意力を高めることが可能である。
【0004】
ドイツ国特許出願公開第10327208号明細書は、旅行情報システム用の計算ユニットを有するデバイスを開示する。そのシステムは、最小の操作努力で情報及び娯楽を運転者及び/又は乗客が利用できるようにする。視覚的又は聴覚的に伝えられた旅行情報は、車両の地理的な位置及び車両の特定の状況に依存する。情報は、近くの景色、湖、河川、ガソリンスタンド、交通渋滞、ホテル、レストラン、会社の場所などのあらゆる範疇から受け取ることができる。データは、車両内のデバイスがサーバと通信する無線ネットワークを介して利用でき、あるいは車両内に配置されたデータ記憶媒体に記憶されている。
【0005】
車両の周囲における特別な物体についての情報を有するデジタルロードマップに対するアクセスを有する、情報提供システムと、正確な場所を有する、接触しているのと類似した様式で特定の対象物を示すためのヘッドアップ表示システムとを備える車両用の運転者情報システムは、ドイツ国特許出願公開第102008042734号明細書から明白である。特定の対象物についての情報は、聴覚的に提示されることができ、聴覚的な提示は、かかる様式で光学的な提示、及び、運転者が音声提示を関連する視覚的位置表示と関連付けることができるヘッドアップ表示システムにおける位置の表示と関連付けられる。特定の対象物についてのすべての関連情報が利用可能となり、記録され、かつ、情報供給システムによるシステム、例えば、データバンクを有し又はインターネットとの適切な接続を有するナビゲーションシステム、によって処理される。
【0006】
さらに、メディア製品を再生するための手動装置を備えた車載メディアシステムは、情報及び娯楽形式の特徴が組み合わされている先行技術により知られている。デバイスの動作が高い程度の注意力と関連しているため、それらは運転者の包括的な娯楽には適していない。
【0007】
米国特許出願公開第2010/0160013号明細書は、GPSナビゲーションシステム、特別なハードウェア及びソフトウェアを備えた車両追跡システムを記載している。ここで、車両は、例えば、プロセッサのソフトウェアを確立し、かつ、車両電子システム、内部ナビゲーションシステム、及び遠隔データバンクとプロセッサとの接続を確立するモバイルユニットを備える。走行区間に関するデータが、ナビゲーションシステムによって判定され、かつ集められる。そのデータは、他の車両のデータも記憶されている中央データバンクに送信される。車両のモバイルユニットは、運転者固有データを、収集し、処理し、確保し、送信する。運転者固有データは比較され、サーバ上に記憶され、インターネットを介して呼び出すことができる。
【0008】
従来のシステムにおいては、比較は、車両固有パラメータ及び/又は加速、速度、走行区間、及び制動距離のような、運転者によって発生するパラメータに基づいており、この場合、パラメータをリアルタイムで比較するのか、あるいはそれらを送信するのかは重要ではない。
【0009】
さらに、例えば、燃費を用いて判定された時間にわたる運転の環境適合性を判定すること、及びそれをディスプレイに表示することは、先行技術から知られている。環境に配慮した運転のための対策が、ディスプレイ上の青葉の成長によってここに示される。他の交通参加者の環境に配慮した運転と比較することはできない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】ドイツ国特許出願公開第10327208号明細書
【特許文献2】ドイツ国特許出願公開第102008042734号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2010/0160013号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、自動車の運転者の注意力と集中力とを促進させ、増加させるためのシステムを利用可能にさせる課題を有する。システムは、特に単調な作業を伴う長い旅行中に精神を刺激し、その結果として、退屈さを防がなければならない。同時に、システムは、運転者を刺激して、燃費及び環境適合性に関する最適な運転行為を行わせなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明によれば、前記課題は、自動車のデータを処理するためのシステムによって解決される。システムは、一方では、データバンクと、マスターコンピュータと、サーバに属する送受信要素とを有するサーバを備え、他方では、車両に一体化された送受信要素を備える。サーバの送受信要素は、無線接続を介して、自動車の送受信要素と通信する。各自動車は、サーバに対して双方向接続を有する。さらにまた、システムは、車両固有データを表示するための自動車に一体化された表示装置を備える。
【0013】
本発明の概念によると、サーバは、それが同時に送受信要素を介して、複数の自動車から車両固有データを受信するような様式で構成され、データバンクとマスターコンピュータの組み合わせによってデータを処理し、送受信要素を介して、処理されたデータを複数の自動車に送信する。さらに、自動車は、送受信要素を介して、サーバから送信されたデータを受信し、それを表示装置上に表示するように設計されている。車両固有データは、リアルタイムで送受信され、比較可能な様式で自動車内に表示されることが可能であるように設計されている。
【0014】
車両固有データは、特定の自動車の動きや行為に基づいた1つの車両又は複数の車両によって生成される値や質であると理解されている。同時又はリアルタイムとは、処理されたデータでさえも、所定の短期間内で利用可能であるように、処理用の車両固有データの累積が、常時、動作的に準備されていることをいう。システムは、この状態の維持を避けるような遅延の発生を確実に回避する。データの処理は、特定のアプリケーションに必要である時間内で起こる。そのディスプレイまでのデータの全体的な処理は、実際には、対応する過程とほぼ同時に起こる。
【0015】
1つ以上の自動車と、したがって少なくとも2つ以上の自動車は、複数の自動車として指定されている。
【0016】
本発明の有利な実施形態によると、自動車内に一体化するように設置された表示装置は、複数の自動車の車両固有データを、設定された走行区間の関数として、又は設定された期間の関数として表示するように設計されている。
【0017】
本発明の更なる発展例によると、サーバは、すべての自動車に関する車両固有データの最大値、最小値、及び平均値を判定し、それらを自動車に送信するように設計されている。さらに、各自動車の表示装置は、ディスプレイ内の複数の自動車の車両固有データの最大値、最小値、及び平均値、並びに個々の値を表示するように構成されている。
【0018】
本発明の別の実施形態によると、自動車は、車両ナビゲーションシステムに属する衛星支援位置評定システムを備えて構成されている。自動車の即時及び/又は時間に依存した地理的な位置は、衛星支援位置評定システムから導出され得る。したがって、有利な運転ルート及び自動車の速度は、位置評定システムのデータから判定され得る。
【0019】
システムは、好適には、運転者の脈拍を測定するためのセンサを備えて構成される。運転者の所定の期間にわたる緊張感におけるストレスと変化は、脈拍及びその時間経過により判定され得る。
【0020】
さらに、システムは有利には、自動車から自動車の周囲における物体、例えば他の交通参加者までの距離を測定するための距離センサを備えて構成される。運転者の脈拍及び周囲の物体との間隔の測定値も、サーバに車両固有データとして送信されることが可能であり、更にサーバによって処理されることが可能である。
【0021】
自動車からのデータを処理するための上述のシステムを用いて自動車の運転者の運転を評価するための本発明の方法は、
−複数の自動車からの車両固有データを判定し、自動車からのデータをサーバに送信するステップと、
−自動車から送信されたデータをサーバによって受信し、サーバによってデータを処理し、処理されたデータを複数の自動車に送信するステップと、
−サーバによって処理されたデータを自動車によって受信し、データを表示装置上に表示するステップであって、複数の自動車からのデータが、比較可能な様式で表示されるステップと、
−車両固有データを用いて、複数の自動車のうちの各自動車の運転を評価するステップと、を含む。
【0022】
本発明の更なる発展例によると、複数の自動車の車両固有データが同時に判定され、サーバに送信され、サーバによって受信され、処理されて複数の自動車に送信され、自動車によって受信され、自動車内の表示装置に表示される。複数の自動車のうちの各自動車の運転及び/又はそれらの運転者の比較評価は、有利にリアルタイムで起こる。
【0023】
本発明の有利な実施形態によると、運転の評価は、燃費及び二酸化炭素排出量に基づいている。他の車両固有データは特に、信号機での行為、他の交通参加者からの距離又は速度制限に関する。
【0024】
他の本発明の好適な実施形態によると、運転区間が判定される。その結果として、複数の自動車の車両固有データを比較するために用いられる特定の運転経路が定義される。
【0025】
運転者の運転は、所定の運転区間における車両固有データの対比を用いて互いに比較され得る。
【0026】
自動車は、有利には、あるグループ又は分類と関連している、すなわち、複数の自動車は、ユーザに固有な様式でグループ内に組み込まれている。用いられる可能な分類基準は、自動車ブランド又はブランドのあるモデルシリーズ、運転者の性別又は年齢である。
【0027】
複数の自動車の車両固有データは、設定された運転区間の関数として、またはある時間枠の関数として好適に表示される。表示装置にデータを表示することに加えて、またはその代わりに、運転者の運転及び他の運転者の運転との比較を判定するための車両固有データを音声信号によって提示することができる。
【0028】
先行技術に対する本システムの他の利点は、以下のように要約することができる。
−運転者が直接、反応できるような、リアルタイムの運転に基づく車両固有データの視聴覚の比較、
−運転者の注意力と集中力とを促進させ、高めること、
−単調な作業を伴う長い移動中の退屈さを防ぎ、それによって他の交通関係者に関する安全性をも増加させること、
−例えば、燃費及び環境との互換性に関して運転者の運転行為を最適化すること、
−車両が互いに比較され得るように、一般的なグループと関連している車両の異なる車両固有データを表示すること、及び
−システムの単純な動作。
【0029】
本発明の他の詳細、特徴、及び利点は、添付の図面を参照して、例示的な実施形態の以下の説明からもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】システムを介して互いにリンクしたグループの自動車を示す。
【
図2】通過すべき運転区間の関数として、あるグループの異なる自動車のパラメータのディスプレイを備えた表示装置の図を示す。
【
図3】所定の期間の間、そのグループにおける他の自動車の値との比較において、自動車のパラメータのディスプレイを備えた表示装置の図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図1は、システム1を介して互いにリンクしたあるグループの自動車2を示す。各自動車2は運転者、すなわち、参加者によって運転される。システム1は、例えば、関連データ及び情報を受信し、処理し、記憶しかつ比較し、並びにそれらを送信するためのサーバ3を備える。サーバ3は、自動車2の燃費、速度、場所、車線変更又は自動車2の出発点又は目的地までの距離などのすべての関連パラメータを収集する。
【0032】
サーバ3は、データバンク4及びホストとしても指定されたマスターコンピュータ5から構成される。データバンク4及びマスターコンピュータ5は、互いに通信するために互いに接続されている。さらに、サーバ3は、無線接続7を介して、自動車2の送受信要素8と通信する送受信要素6を備える。自動車2の送受信要素8は、車両固有データ、パラメータ及び情報を、データを受信するサーバ3の送受信要素6に送信する。一方で、サーバ3の送受信要素6は、処理データ及び情報を、データバンク4と併用してマスターコンピュータ5から、このデータを受信する自動車2の送受信要素8へ送信する。したがって、各自動車2は、双方向に中央サーバ3にリンクする。運転者は、メッセージによって互いに接触することが可能である。
【0033】
サーバ3は、個々の構成要素と共に固定された場所に配置される。あるいは、サーバ3はまた、移動可能に設計することもできる。
【0034】
データは、有利にはインターネットに対応して準備され、インターネットを介して利用可能となる。
【0035】
サーバ3及び自動車2によって利用可能となるデータは、無線送信の従来技術を使用することができる無線ネットワークによって送信される。自動車2の可動要素は、インターネットを介して利用可能である間、サーバ3に接続されている。自動車2に配置されたデバイスは、無線ネットワークを介して、サーバ3と通信し、関連データを送信する。
【0036】
自動車2の地理的な位置は、衛星支援測位システム、例えば、全地球測位システムから導出することが可能であり、また、車両ナビゲーションシステムの先行技術に属し、サーバ3に供給されるGPSとして指定することもできる。自動車2のルート及び速度は、全地球測位システムのデータから決定することができる。
【0037】
図2は、通過すべき運転区間10の関数として、あるグループの異なる車両2の燃費、速度、位置、車線変更又は距離のようなパラメータを表示する表示装置9の図を示す。
図2に示されるパラメータは、例えば、燃費である。
【0038】
運転区間10は、出発点としての位置Aから目的地としての位置Bまで延びる。そのグループの自動車2のあるパラメータの特定の個々の値11の表示は、運転区間10に関して、特定の運転者の自動車2が、時間における所定の点におけるどの位置で全ての運転区間10に関連しているかを明確にする。個々の値11は、設定可能な記号として表示される。記号は、所定のボーナスシステム又は閾値の上回り又は下回りにより異なる形式及び形状を有することができる。さらに、異なるパラメータは、異なる記号と関連している。
【0039】
個々の値11のリアルタイム又はほぼリアルタイムでの送信中に、他の自動車2に関して、また運転区間10に関しても、特定の自動車2が時間におけるその瞬間に位置する位置が示される。運転者が、種々のパラメータを用いて、他の運転者と比較して自分の行動及び能力を確認できるように、自動車2の特定のパラメータが走行中に表示される。
【0040】
自分の自動車2の特定のパラメータの値12は、自分の値12の迅速かつ複雑でない図をそのグループの個々の値11内の運転者に提供するために、印をつけた記号によって特に強調される。運転者の注意力は、値12を捜す必要がないために保持される。
【0041】
自分の自動車2のパラメータの値12のより良い分類を達成するために、パラメータの最大値13、最小値14、及び平均値15は、線を用いて、すべての自動車2に関して表示される。
【0042】
自分の自動車2の燃費は平均値15を下回る。
【0043】
表示装置は、そのグループの運転者又は自動車の数Xも示すこともできる。グループは、具体的にはユーザに関して構成することができ、グループは、例えば、所定の自動車ブランド又はそのブランドの所定の型シリーズ又は運転者の性別について参照可能である。
【0044】
図3は、ループの他の自動車2の値との比較を用いて、あらかじめ定められた期間Zにわたる自動車2のパラメータを表示する表示装置9を示す。例として、燃費は、
図2に示すように、パラメータとして選択される。その結果として、期間中の全消費量が重要となる。
【0045】
自分の自動車2の値12を分類するために、すべての自動車のパラメータ、特に燃費の最大値13、最小値14及び平均値15は、線を用いて、この図面においても、含まれる。自分の自動車2に関する特定のパラメータの判定値の80%が、表示要素19が燃費の判定値の80%を表していることを意味する表示要素19の境界線の中に含まれる。自分の自動車2の燃費の最大値16がすべての運転者についての平均値15を超えている一方、自分の自動車2の燃費の平均値18はすべての自動車についての平均値15を下回る。自分の自動車2の燃費の最小値17は、グループのすべての自動車2についての最小値14より幾分、高い。
【0046】
燃費は、具体的な期間Zに関しての全消費量として、又は合計時間に関しての時間区分、例えば、数週又は数月として比較され、表示され得る。
【0047】
燃費及び速度の値の比較に加えて、システム1はまた、所定の運転ルートの間、加速及び制動点の値を判定し処理するように指定もされる。これらの値さえも、運転者の運転を評価するように用いられる。運転結果は、一方で、環境適合性の評価となり、よって二酸化炭素排出量の評価となる。その結果として、運転は、二酸化炭素排出量が最小のときに、正と評価される。
【0048】
他の例示的な実施形態によると、例えば、アウトバーン、入口及び出口、幹線道路又は信号機又は交差点における市中などでの運転が互いに区別され得るように、運転区間が非常に小さい単位に分けられ、又は運転ルートが非常に小さい単位に分けられ得る。
【0049】
距離センサ及び自動距離警告装置は、システム1に一体化され得る。他の自動車2又は他の交通参加者までの測定された距離は、サーバ3に送信され、比較可能な様式で処理され得る。
【0050】
運転者の運転行為は、最大限に許可された速度を用いる基準に従って評価することもできる。自動車2に一体化されたナビゲーションシステムを、そのナビゲーションシステムが、例えば、所定の街路区分上の許容可能最大速度についてのデータも含むシステム1に組み込むことにより「許容制限内で可能な限り迅速に運転する」。自動車2に一体化されたナビゲーションシステムは、運転者が迂回を避けたかどうかについての結論も許し、したがって、運転区間10の延長も許す。
【0051】
運転者の運転行為は、許容可能最大速度及び/又は所定の運転区間10を観測するときに正に評価され、許容可能最大速度及び/又は運転区間を超えるときに、負に評価される。正と負の評価は、例えば、ボーナスシステムの中に含まれ、それによって、点の一般的な割り当てに含まれる。
【0052】
正の評価の別の基準は、「時間対目的地」の関数として前もって決められた、又は所定の到着時間の観測である。すべての逸脱は、逸脱時間の程度の関数としてその評価を変化させる。
【0053】
システム1は、あるいは、運転者の脈拍を測定するためのセンサを備えて構成され、そのセンサによって運転者のストレスが間接的に判定され得る。したがって、運転者にストレスを軽減させ、それによりストレスを避けさせる可能性がある。
【0054】
運転者の行為を測定するための他のセンサは、落ち着いた、又は攻撃的な運転を判定する働きをし、運転者が叫んでいる、クラクションを鳴らしている、又は他の交通参加者を苛立たせているかどうかが測定され得る。一方で、落ち着いた運転が正の評価につながる一方、攻撃的な運転が評価を下げる。
【0055】
図2及び
図3による画像表示に加えて、運転者の注意散漫を更に減少させるために、運転を判定するための個々のパラメータ及び他の運転者の運転との比較も、自動車2の拡声器システムを介して音声信号によって出力され得る。
【符号の説明】
【0056】
1 システム
2 自動車
3 サーバ
4 データバンク
5 マスターコンピュータ
6 サーバ3の送受信要素
7 無線接続
8 自動車2の送受信要素
9 表示装置
10 運転区間
11 自動車のパラメータの個々の値
12 自分の自動車に関するパラメータの値
13 すべての自動車に関するパラメータの最大値
14 すべての自動車に関するパラメータの最小値
15 すべての自動車に関するパラメータの平均値
16 自分の自動車に関するパラメータの最大値
17 自分の自動車に関するパラメータの最小値
18 自分の自動車に関するパラメータの平均値
19 表示要素
A 位置−出発点
B 位置−目的地
X 自動車の数
Z 期間