【実施例】
【0135】
略語
通常使用される略語には、アセチル(Ac)、アゾ−ビス−イソブチリルニトリル(AIBN)、気圧(Atm)、9−ボラビシクロ[3.3.1]ノナン(9−BBN又はBBN)、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル(BINAP)、tert−ブトキシカルボニル(Boc)、ピロ炭酸ジtert−ブチル又はboc無水物(BOC
2O)、ベンジル(Bn)、ブチル(Bu)、ケミカル・アブストラクト登録番号(CASRN)、ベンジルオキシカルボニル(CBZ又はZ)、カルボニルジイミダゾール(CDI)、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)、三フッ化ジエチルアミノ硫黄(DAST)、ジベンジリデンアセトン(dba)、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン−5−エン(DBN)、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン(DBU)、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1,2−ジクロロエタン(DCE)、ジクロロメタン(DCM)、2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン(DDQ)、アゾジカルボン酸ジエチル(DEAD)、アゾジカルボン酸ジイソプロピル(DIAD)、水素化ジイソブチルアルミニウム(DIBAL又はDIBAL−H)、ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMA)、4−N,N−ジメチルアミノピリジン(DMAP)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、1,1’−ビス−(ジフェニルホスフィノ)エタン(dppe)、1,1’−ビス−(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(dppf)、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDCI)、2−エトキシ−1−エトキシカルボニル−1,2−ジヒドロキノリン(EEDQ)、エチル(Et)、酢酸エチル(EtOAc)、エタノール(EtOH)、2−エトキシ−2H−キノリン−1−カルボン酸エチルエステル(EEDQ)、ジエチルエーテル(Et
2O)、エチルイソプロピルエーテル(EtOiPr)、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム・ヘキサフルオロリン酸塩(HATU)、酢酸(HOAc)、1−N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、イソプロパノール(IPA)、塩化イソプロピルマグネシウム(iPrMgCl)、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)、液体クロマトグラフィー質量分析法(LSMS)、リチウムヘキサメチルジシラザン(LiHMDS)、メタ−クロロペルオキシ安息香酸(m−CPBA)、メタノール(MeOH)、融点(mp)、MeSO
2−(メシル又はMs)、メチル(Me)、アセトニトリル(MeCN)、m−クロロ過安息香酸(MCPBA)、質量スペクトル(ms)、メチルt−ブチルエーテル(MTBE)、メチルテトラヒドロフラン(MeTHF)、N−ブロモスクシンイミド(NBS)、n−ブチルリチウム(nBuLi)、N−カルボキシ無水物(NCA)、N−クロロスクシンイミド(NCS)、N−メチルモルホリン(NMM)、N−メチルピロリドン(NMP)、クロロクロム酸ピリジニウム(PCC)、ジクロロ−((ビス−ジフェニルホスフィノ)フェロセニル)パラジウム(II)(Pd(dppf)Cl
2)、酢酸パラジウム(II)(Pd(OAc)
2)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(Pd
2(dba)
3)、ジクロム酸ピリジニウム(PDC)、フェニル(Ph)、プロピル(Pr)、イソプロピル(i−Pr)、重量ポンド毎平方インチ(psi)、ピリジン(pyr)、1,2,3,4,5−ペンタフェニル−1’−(ジtert−ブチルホスフィノ)フェロセン(Q−Phos)、室温(周囲温度、rt、又はRT)、sec−ブチルリチウム(sBuLi)、tert−ブチルジメチルシリル又はt−BuMe
2Si(TBDMS)、フッ化テトラ−n−ブチルアンモニウム(TBAF)、トリエチルアミン(TEA又はEt
3N)、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシル(TEMPO)、トリフレート又はCF
3SO
2−(Tf)、トリフルオロ酢酸(TFA)、1,1’−ビス−2,2,6,6−テトラメチルヘプタン−2,6−ジオン(TMHD)、O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム・テトラフルオロホウ酸塩(TBTU)、薄層クロマトグラフィー(TLC)、テトラヒドロフラン(THF)、トリメチルシリル又はMe
3Si(TMS)、p−トルエンスルホン酸一水和物(TsOH又はpTsOH)、4−Me−C
6H
4SO
2−又はトシル(Ts)、及びN−ウレタン−N−カルボキシ無水物(UNCA)が含まれる。接頭辞のノルマル(n−)、イソ(i−)、二級(sec−)、三級(tert−)、及びネオ(neo−)が含まれる慣用の命名法は、アルキル部分とともに使用されるときにその通例の意味を有する(J. Rigaudy and D. P. Klesney,「Nomenclature in Organic Chemistry(有機化学の命名法)」IUPAC1979,ペルガモン・プレス、オックスフォード)。
【0136】
全般的な条件
本発明の化合物は、以下の「実施例」セクションに記載する例示の合成反応スキームにおいて図示される多様な方法によって作製することができる。
【0137】
上記の化合物を製造するときに使用する出発材料及び試薬は、一般に、アルドリッチ・ケミカル社のような市販供給業者から入手可能であるか、又は「Fieser and Fieser's Reagents for Organic Synthesis(フィーザーの有機合成試薬)」ウィリー・アンド・サンズ、ニューヨーク(1991)1-15 巻;「Rodd's Chemistry of Carbon Compounds(ロッドの炭素化合物の化学)」、エルセヴィエ・サイエンス・パブリッシャーズ(1989)1-5 巻、及び補遺;並びに、「Organic Reactions(有機反応)」ウィリー・アンド・サンズ:ニューヨーク(1991)、1-40 巻のような参考文献に示される手順に従って、当業者に知られた方法によって製造する。「実施例」セクションに示す合成反応スキームは、本発明の化合物を合成し得るいくつかの方法を単に例示するのであって、当業者には、本出願に含まれる開示を参考にして、これらの合成反応スキームへの様々な修飾をなし得て、それらが示唆され得ると理解されたい。
【0138】
合成反応スキームの出発材料及び中間体は、所望されるならば、限定されないが、濾過、蒸留、結晶化、クロマトグラフィー、等が含まれる慣用の技術を使用して、単離して精製することができる。このような材料は、物理定数及びスペクトルデータが含まれる、慣用の手段を使用して特性決定することができる。
【0139】
反対に特定されなければ、本明細書に記載の反応は、典型的には、大気圧での不活性な雰囲気下に、約−78℃〜約150℃、しばしば、約0℃〜約125℃の反応温度範囲で、そしてより頻繁で簡便には、ほぼ室温(又は周囲温度)、例えば、約20℃で行う。
【0140】
本発明の化合物上の様々な置換基は、出発化合物に存在し得るか又は、既知の置換又は変換反応の方法によって、中間体のいずれへ付加しても、最終生成物の形成の後で付加してもよい。置換基それ自体が反応性であるならば、置換基それ自体を当該技術分野で知られた技術に従って保護することができる。当該技術分野では多様な保護基が知られていて、利用することができる。Green et al. による「Protective Groups in Organic Synthesis(有機合成の保護基)」、ジョン・ウィリー・アンド・サンズ(1999)には、可能な基の多くの例を見出すことができる。例えば、ニトロ化によってニトロ基を付加することができて、そのニトロ基は、還元によってアミノのような他の基へ、そしてこのアミノ基のジアゾ化とジアゾ基のハロゲンでの置換によってハロゲンのような他の基へ変換することができる。フリーデル・クラフツアシル化によってアシル基を付加することができる。次いで、このアシル基は、ウォルフ・キッシュナー還元とクレメンゼン還元が含まれる様々な方法によって、対応するアルキル基へ変換することができる。アミノ基をアルキル化して、モノ及びジアルキルアミノ基を生成し得て、メルカプト基とヒドロキシ基をアルキル化して、対応するエーテルを生成することができる。一級アルコールを当該技術分野で知られた酸化剤によって酸化してカルボン酸又はアルデヒドを生成し得て、二級アルコールを酸化して、ケトンを生成することができる。このように、置換又は改変の諸反応を利用して、出発材料、中間体、又は最終生成物(単離生成物が含まれる)の分子を通して多様な置換基を提供することができる。
【0141】
製造の実施例
実施例1
{(2S,5S)−2−[(S)−2−(4’−{2−[(S)−1−((S)−2−メトキシカルボニルアミノ−3−メチル−ブチリル)−ピロリジン−2−イル]−3H−イミダゾール−4−イル}−ビフェニル−4−イルカルバモイル)−ピロリジン−1−カルボニル]−4−オキソ−1,2,4,5,6,7−ヘキサヒドロ−アゼピノ[3,2,1−hi]インドール−5−イル}−カルバミン酸メチルエステル
【0142】
【化15】
【0143】
(S)−1−(tert−ブトキシカルボニル)ピロリジン−2−カルボン酸(2.00g,9.29ミリモル)、4−ブロモアニリン(1.60g,9.29ミリモル)、HATU(3.53g,9.29ミリモル)、及びDMF(15ml)の不均質な混合物へN,N’−ジイソプロピルエチルアミン(3.60g,27.90ミリモル)を室温で滴下した。滴下が完了した後で、この反応物を室温で16時間撹拌した。この反応混合物を酢酸エチルで希釈して、水、1N塩酸、飽和重炭酸ナトリウム溶液、飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄して硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過して濃縮して、2−(4−ブロモフェニルカルバモイル)ピロリジン−1−カルボン酸(S)−tert−ブチル(3.40g,99%)を灰白色の固形物として得た:ESI-LRMS m/e C
16H
21BrN
2O
3[M
+] の計算値:369, 実測値:370 [M+H
+]。
【0144】
メタノール(20ml)中の2−(4−ブロモフェニルカルバモイル)ピロリジン−1−カルボン酸(S)−tert−ブチル(3.40g,9.21ミリモル)及び4.0M HCl/ジオキサン溶液(15ml)の混合物を室温で4時間撹拌した。この反応物を真空で濃縮して、(S)−N−(4−ブロモフェニル)ピロリジン−2−カルボキサミド塩酸塩(2.78g,99%)を淡褐色の固形物として得た:ESI-LRMS m/e C
11H
13BrN
2O HCl [M
+] の計算値:305.5, 実測値:270 [M+H
+](遊離塩基)。
【0145】
(2S,5S)−5−(((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニルアミノ)−4−オキソ−1,2,4,5,6,7−ヘキサヒドロアゼピノ[3,2,1−hi]インドール−2−カルボン酸(300mg,640ミリモル)、(S)−N−(4−ブロモフェニル)ピロリジン−2−カルボキサミド塩酸塩(196mg,640ミリモル)、HATU(243mg,640ミリモル)、及びDMF(15ml)の不均質な混合物へN,N’−ジイソプロピルエチルアミン(248mg,1.92ミリモル)を室温で滴下した。滴下が完了した後で、この反応物を室温で16時間撹拌した。この反応混合物を酢酸エチルで希釈して、水、1N塩酸、飽和重炭酸ナトリウム溶液、飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄して硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過して濃縮して、(2S,5S)−2−((S)−2−(4−ブロモフェニルカルバモイル)ピロリジン−1−カルボニル)−4−オキソ−1,2,4,5,6,7−ヘキサヒドロアゼピノ[3,2,1−hi]インドール−5−イルカルバミン酸(9H−フルオレン−9−イル)メチル(438mg,95%)を淡褐色の固形物として得た:ESI-LRMS m/e C
39H
35BrN
4O
5[M
+] の計算値:719, 実測値:720 [M+H
+]。
【0146】
(2S,5S)−2−((S)−2−(4−ブロモフェニルカルバモイル)ピロリジン−1−カルボニル)−4−オキソ−1,2,4,5,6,7−ヘキサヒドロアゼピノ[3,2,1−hi]インドール−5−イルカルバミン酸(9H−フルオレン−9−イル)メチルの20%ピペリジン/DMF(10ml)溶液を室温で1時間撹拌した。この反応物を真空で濃縮して、(S)−1−((2S,5S)−5−アミノ−4−オキソ−1,2,4,5,6,7−ヘキサヒドロアゼピノ[3,2,1−hi]インドール−2−カルボニル)−N−(4−ブロモフェニル)ピロリジン−2−カルボキサミド(170mg,57%)を黄色の固形物として得た:ESI-LRMS m/e C
24H
25BrN
4O
3[M
+] の計算値:497, 実測値: 498 [M+H
+]。
【0147】
DMF(10ml)中の(S)−1−((2S,5S)−5−アミノ−4−オキソ−1,2,4,5,6,7−ヘキサヒドロアゼピノ[3,2,1−hi]インドール−2−カルボニル)−N−(4−ブロモフェニル)ピロリジン−2−カルボキサミド(160mg,322ミリモル)の氷冷溶液へ炭酸ナトリウム(41mg,386ミリモル)とクロロギ酸メチル(33mg,354ミリモル)を加えた。この添加が完了した後で氷浴を外して、この反応物を室温で1時間撹拌した。この反応混合物を酢酸エチルで希釈して水と飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄して硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過して濃縮した。入手した粗生成物をISCOフラッシュクロマトグラフィー(Teledyne Isco RediSep Flash Column 40g;(0%〜100%酢酸エチル/ヘキサン)によって精製して、(2S,5S)−2−((S)−2−(4−ブロモフェニルカルバモイル)ピロリジン−1−カルボニル)−4−オキソ−1,2,4,5,6,7−ヘキサヒドロアゼピノ[3,2,1−hi]インドール−5−イルカルバミン酸メチル(64mg,36%)を白色の固形物として得た:ESI-LRMS m/e C
26H
27BrN
4O
5[M
+] の計算値:555, 実測値:556 [M+H
+]。
【0148】
密封管において、1,2−ジメトキシエタン(6ml)及び水(1ml)中の(2S,5S)−2−((S)−2−(4−ブロモフェニルカルバモイル)ピロリジン−1−カルボニル)−4−オキソ−1,2,4,5,6,7−ヘキサヒドロアゼピノ[3,2,1−hi]インドール−5−イルカルバミン酸メチル(200mg,360ミリモル)、(S)−3−メチル−1−オキソ−1−((S)−2−(5−(4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)−1H−イミダゾール−2−イル)ピロリジン−1−イル)ブタン−2−イルカルバミン酸メチル(179mg,360ミリモル)、及び重炭酸ナトリウム(91mg,1.08ミリモル)の混合物へ1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン−二塩化パラジウム(II)(26mg,36マイクロモル)を加えた。この反応混合物に窒素を流し、蓋をして、油浴(80℃)において16時間加熱した。この反応混合物を濃縮して20%メタノール/塩化メチレンと水の間で分配して、水相を20%メタノール/塩化メチレンで抽出した。合わせた有機相を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄して硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過して濃縮した。入手した粗生成物を、アセトニトリル/水(30%〜100%)で溶出させる50g Polaris C18Aカラムを使用する逆相HPLCによって精製して、{(2S,5S)−2−[(S)−2−(4’−{2−[(S)−1−((S)−2−メトキシカルボニルアミノ−3−メチル−ブチリル)−ピロリジン−2−イル]−3H−イミダゾール−4−イル}−ビフェニル−4−イルカルバモイル)−ピロリジン−1−カルボニル]−4−オキソ−1,2,4,5,6,7−ヘキサヒドロ−アゼピノ[3,2,1−hi]インドール−5−イル}−カルバミン酸メチルエステル(65mg,21%)を白色の固形物として得た:ESI-LRMS m/e C
46H
52N
8O
8[M
+] の計算値:844, 実測値:845 [M+H
+];
1H NMR (DMSO-d
6) d: 11.76 (br. s., 1H), 10.08 (br. s., 1H), 7.75 (d, J = 6.8 Hz, 2H), 7.60-7.70 (m, 5H), 7.43-7.53 (m, 2H), 7.21-7.33 (m, 1H), 6.91-7.15 (m, 3H), 5.32 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 5.07-5.25 (m, 1H), 4.43-4.75 (m., 1H), 4.02-4.14 (m, 1H), 3.32-3.80 (m, 8H), 2.89-3.17 (m, 6H), 1.85-2.30 (m, 12H), 0.79-0.96 (m, 6H)。
【0149】
実施例2
{(4S,7S)−4−[(S)−2−(4’−{2−[(S)−1−((S)−2−メトキシカルボニルアミノ−3−メチル−ブチリル)−ピロリジン−2−イル]−3H−イミダゾール−4−イル}−ビフェニル−4−イルカルバモイル)−ピロリジン−1−カルボニル]−6,10−ジオキソ−オクタヒドロ−ピリダジノ[1,2−a][1,2]ジアゼピン−7−イル}−カルバミン酸メチルエステル
【0150】
【化16】
【0151】
9−(1,3−ジオキソイソインドリン−2−イル)−6,10−ジオキソオクタヒドロ−1H−ピリダジノ[1,2−a][1,2]ジアゼピン−1−カルボン酸(1S,9S)−tert−ブチル(2.00g,4.68ミリモル)のエタノール(10ml)溶液へヒドラジン(180mg,5.61ミリモル)を加えた。この反応物を室温で3時間撹拌した。このエタノールと過剰のヒドラジンを真空で濃縮して、残渣をエタノールと同時蒸発させて、9−アミノ−6,10−ジオキソオクタヒドロ−1H−ピリダジノ[1,2−a][1,2]ジアゼピン−1−カルボン酸(1S,9S)−tert−ブチル(1.63g,100%)を白色の粉末として得た:ESI-LRMS m/e の計算値: C
14H
23N
3O
4 [M
+] 297, 実測値:298 [M+H
+]。
【0152】
DMF(15ml)中の9−アミノ−6,10−ジオキソオクタヒドロ−1H−ピリダジノ[1,2−a][1,2]ジアゼピン−1−カルボン酸(1S,9S)−tert−ブチル(1.50g,5.04ミリモル)の氷冷溶液へ炭酸ナトリウム(642mg,6.05ミリモル)に続いてクロロギ酸メチル(524mg,5.55ミリモル)を加えた。この添加が完了した後で氷浴を外して、この反応物を室温で2時間撹拌した。この反応混合物を酢酸エチルで希釈して、水、2N塩酸溶液、飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄して硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過して濃縮して、9−(メトキシカルボニルアミノ)−6,10−ジオキソオクタヒドロ−1H−ピリダジノ[1,2−a][1,2]ジアゼピン−1−カルボン酸(1S,9S)−tert−ブチル(1.28g,71%)を白色の固形物として得た:ESI-LRMS m/e C
16H
25N
3O
6 [M
+] の計算値:355, 実測値:356 [M+H
+]。
【0153】
塩化メチレン(10ml)へ溶かした9−(メトキシカルボニルアミノ)−6,10−ジオキソオクタヒドロ−1H−ピリダジノ[1,2−a][1,2]ジアゼピン−1−カルボン酸(1S,9S)−tert−ブチル(1.25g,3.52ミリモル)の溶液へトリフルオロ酢酸(10ml)を加えた。この反応物を室温で1時間撹拌して、真空で濃縮した。トルエン(5ml)を加えて、この反応物を真空で濃縮して、(1S,9S)−9−(メトキシカルボニルアミノ)−6,10−ジオキソオクタヒドロ−1H−ピリダジノ[1,2−a][1,2]ジアゼピン−1−カルボン酸(587mg,68%)を白色の固形物として得た:ESI-LRMS m/e C
12H
17N
3O
6 [M
+] の計算値:299, 実測値:300 [M+H
+]。
【0154】
(S)−N−(4−ブロモフェニル)ピロリジン−2−カルボキサミド塩酸塩(200mg,654ミリモル)、(1S,9S)−9−(メトキシカルボニルアミノ)−6,10−ジオキソオクタヒドロ−1H−ピリダジノ[1,2−a][1,2]ジアゼピン−1−カルボン酸(196mg,654ミリモル)、HATU(249mg,654ミリモル)、及びDMF(10ml)の不均質な混合物へN,N−ジイソプロピルエチルアミン(254mg,1.96ミリモル)を室温で滴下した。この滴下が完了した後で、この反応混合物を室温で16時間撹拌した。この反応混合物を酢酸エチルで希釈して、水、1N塩酸、飽和重炭酸ナトリウム溶液、飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄して硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過して濃縮して、(4S,7S)−4−((S)−2−(4−ブロモフェニルカルバモイル)ピロリジン−1−カルボニル)−6,10−ジオキソオクタヒドロ−1H−ピリダジノ[1,2−a][1,2]ジアゼピン−7−イルカルバミン酸メチル(150mg,42%)を白色の固形物として得た:ESI-LRMS m/e C
23H
28BrN
5O
6[M
+] の計算値:550, 実測値:551 [M+H
+]。
【0155】
密封管において、1,2−ジメトキシエタン(6ml)及び水(1ml)中の(4S,7S)−4−((S)−2−(4−ブロモフェニルカルバモイル)ピロリジン−1−カルボニル)−6,10−ジオキソオクタヒドロ−1H−ピリダジノ[1,2−a][1,2]ジアゼピン−7−イルカルバミン酸メチル(150mg,273ミリモル)、(S)−3−メチル−1−オキソ−1−((S)−2−(5−(4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)−1H−イミダゾール−2−イル)ピロリジン−1−イル)ブタン−2−イルカルバミン酸メチル(135mg,273ミリモル)、及び重炭酸ナトリウム(69mg,818ミリモル)の混合物へ1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン−二塩化パラジウム(II)(20mg,27マイクロモル)を加えた。この反応混合物に窒素を流し、蓋をして、油浴(80℃)において16時間加熱した。この反応混合物を濃縮して、20%メタノール/塩化メチレンと水の間で分配して、水相を20%メタノール/塩化メチレンで抽出した。合わせた有機相を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄して硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過して濃縮した。入手した粗生成物を、アセトニトリル/水(30%〜100%)で溶出させる50g Polaris C18Aカラムを使用する逆相HPLCによって精製して、{(4S,7S)−4−[(S)−2−(4’−{2−[(S)−1−((S)−2−メトキシカルボニルアミノ−3−メチル−ブチリル)−ピロリジン−2−イル]−3H−イミダゾール−4−イル}−ビフェニル−4−イルカルバモイル)−ピロリジン−1−カルボニル]−6,10−ジオキソ−オクタヒドロ−ピリダジノ[1,2−a][1,2]ジアゼピン−7−イル}−カルバミン酸メチルエステル(58mg,25%)を白色の固形物として得た:ESI-LRMS m/e C
43H
53N
9O
9[M
+] の計算値:839, 実測値:840 [M+H
+];
1H NMR (DMSO-d
6) d: 11.75 (br. s., 1H), 10.07 (s, 1H), 7.75 (br. s., 2H), 7.59-7.66 (m, 6H), 7.40 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.25 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 5.26 (t, J = 5.5 Hz, 1H), 5.08 (d, J = 3.5 Hz, 1H), 4.27-4.51 (m, 4H), 4.07 (t, J = 8.3 Hz, 1H), 3.60-3.85 (m, 2H), 3.54 (s, 3H), 3.30 (s, 3H), 2.89-3.17 (m, 2H), 1.53-2.35 (m, 18H), 0.87 (dd, J = 18.9, 6.4 Hz, 6H)。
【0156】
実施例3
{(2S,5S)−2−[(S)−2−(4’−{2−[(S)−1−((S)−2−メトキシカルボニルアミノ−3−メチル−ブチリル)−4,4−ジフルオロピロリジン−2−イル]−3H−イミダゾール−4−イル}−ビフェニル−4−イルカルバモイル)−ピロリジン−1−カルボニル]−4−オキソ−1,2,4,5,6,7−ヘキサヒドロ−アゼピノ[3,2,1−hi]インドール−5−イル}−カルバミン酸メチルエステル
【0157】
【化17】
【0158】
(2S,5S)−5−(メトキシカルボニルアミノ)−4−オキソ−1,2,4,5,6,7−ヘキサヒドロアゼピノ[3,2,1−hi]インドール−2−カルボン酸(2.49g,8.18ミリモル)、(S)−N−(4−ブロモフェニル)ピロリジン−2−カルボキサミド塩酸塩(2.50g,8.18ミリモル)、HATU(3.11g,8.18ミリモル)、及びDMF(10ml)の不均質な混合物へN,N−ジイソプロピルエチルアミン(3.17g,24.5ミリモル)を室温で滴下した。この滴下が完了した後で、この反応混合物を室温で4時間撹拌した。この反応混合物を酢酸エチルで希釈して、水、1N塩酸、飽和重炭酸ナトリウム溶液、飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄して硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過して濃縮した。入手した粗生成物をISCOフラッシュクロマトグラフィー(Teledyne Isco RediSep Flash Column 80g;0%〜100%メタノール/塩化メチレン)によって精製して、(2S,5S)−2−((S)−2−(4−ブロモフェニルカルバモイル)ピロリジン−1−カルボニル)−4−オキソ−1,2,4,5,6,7−ヘキサヒドロアゼピノ[3,2,1−hi]インドール−5−イルカルバミン酸メチル(3.40g,75%)を淡褐色の固形物として得た:ESI-LRMS m/e C
26H
27BrN
4O
6[M
+] の計算値:555, 実測値:556 [M+H
+]。
【0159】
密封管において、1,2−ジメトキシエタン(6ml)及び水(1ml)中の4,4−ジフルオロ−2−(5−(4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)−1H−イミダゾール−2−イル)ピロリジン−1−カルボン酸(S)−tert−ブチル(300mg,631ミリモル)、(2S,5S)−2−((S)−2−(4−ブロモフェニルカルバモイル)ピロリジン−1−カルボニル)−4−オキソ−1,2,4,5,6,7−ヘキサヒドロアゼピノ[3,2,1−hi]インドール−5−イルカルバミン酸メチル(351mg,631ミリモル)、及び重炭酸ナトリウム(159mg,1.89ミリモル)の混合物へ1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン−二塩化パラジウム(II)(46mg,63マイクロモル)を加えた。この反応混合物に窒素を流し、蓋をして、油浴(80℃)において16時間加熱した。この反応混合物を濃縮して、20%メタノール/塩化メチレンと水の間で分配して、水相を20%メタノール/塩化メチレンで抽出した。合わせた有機相を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄して硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過して濃縮した。入手した粗生成物をISCOフラッシュクロマトグラフィー(Teledyne Isco RediSep Flash Column 40g;0%〜100%メタノール/塩化メチレン)によって精製して、4,4−ジフルオロ−2−(5−(4’−((S)−1−((2S,5S)−5−(メトキシカルボニルアミノ)−4−オキソ−1,2,4,5,6,7−ヘキサヒドロアゼピノ[3,2,1−hi]インドール−2−カルボニル)ピロリジン−2−カルボキサミド)ビフェニル−4−イル)−1H−イミダゾール−2−イル)ピロリジン−1−カルボン酸(S)−tert−ブチル(150mg,29%)を白色の固形物として得た:ESI-LRMS m/e C
44H
47F
2N
7O
7[M
+] の計算値: 823, 実測値:824 [M+H
+]。
【0160】
メタノール(15ml)中の4,4−ジフルオロ−2−(5−(4’−((S)−1−((2S,5S)−5−(メトキシカルボニルアミノ)−4−オキソ−1,2,4,5,6,7−ヘキサヒドロアゼピノ[3,2,1−hi]インドール−2−カルボニル)ピロリジン−2−カルボキサミド)ビフェニル−4−イル)−1H−イミダゾール−2−イル)ピロリジン−1−カルボン酸(S)−tert−ブチル(150mg,182ミリモル)及び4.0M HCl/ジオキサン溶液(10ml)の混合物を室温で3時間撹拌した。この反応物を真空で濃縮して、(2S,5S)−2−((S)−2−(4’−(2−((S)−4,4−ジフルオロピロリジン−2−イル)−1H−イミダゾール−5−イル)ビフェニル−4−イルカルバモイル)ピロリジン−1−カルボニル)−4−オキソ−1,2,4,5,6,7−ヘキサヒドロアゼピノ[3,2,1−hi]インドール−5−イルカルバミン酸メチル塩酸塩(135mg,98%)を淡黄色の固形物として得た:ESI-LRMS m/e C
39H
39F
2N
7O
5 HCl [M
+] の計算値:760.5, 実測値:724 [M+H
+](遊離塩基)。
【0161】
(2S,5S)−2−((S)−2−(4’−(2−((S)−4,4−ジフルオロピロリジン−2−イル)−1H−イミダゾール−5−イル)ビフェニル−4−イルカルバモイル)ピロリジン−1−カルボニル)−4−オキソ−1,2,4,5,6,7−ヘキサヒドロアゼピノ[3,2,1−hi]インドール−5−イルカルバミン酸メチル塩酸塩(135mg,178ミリモル)、(S)−2−(メトキシカルボニルアミノ)−3−メチルブタン酸(31mg,178ミリモル)、HATU(68mg,178ミリモル)、及びDMF(5ml)の不均質な混合物へN,N−ジイソプロピルエチルアミン(69mg,533ミリモル)を室温で滴下した。この滴下が完了した後で、この反応混合物を室温で4時間撹拌した。この反応混合物を酢酸エチルで希釈して、水、1N塩酸、飽和重炭酸ナトリウム溶液、飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄して硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過して濃縮した。入手した粗生成物を、アセトニトリル/水(30%〜100%)で溶出させる50g Polaris C18Aカラムを使用する逆相HPLCによって精製して、{(2S,5S)−2−[(S)−2−(4’−{2−[(S)−1−((S)−2−メトキシカルボニルアミノ−3−メチル−ブチリル)−4,4−ジフルオロピロリジン−2−イル]−3H−イミダゾール−4−イル}−ビフェニル−4−イルカルバモイル)−ピロリジン−1−カルボニル]−4−オキソ−1,2,4,5,6,7−ヘキサヒドロ−アゼピノ[3,2,1−hi]インドール−5−イル}−カルバミン酸メチルエステル(42mg,27%)を白色の固形物として得た:ESI-LRMS m/e C
46H
50F
2N
8O
8[M
+] の計算値:880, 実測値:881 [M+H
+];
1H NMR (DMSO-d
6) d: 11.96 (br. s., 1H), 10.09 (s, 1H), 7.36-7.81 (m, 10H), 7.12 (d, J = 7.0 Hz, 1H), 7.03 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 6.90-6.98 (m, 1H), 5.23-5.35 (m, 1H), 4.39-4.57 (m, 2H), 4.05-4.29 (m, 2H), 3.93 (t, J = 8.3 Hz, 1H), 3.74-3.84 (m, 1H), 3.55 (s, 6H), 2.87-3.17 (m, 6H), 1.82-2.28 (m, 10H), 0.73-0.90 (m, 6H)。
【0162】
実施例4
{(2S,5S)−2−[(S)−2−(4’−{5−クロロ−2−[(S)−1−((S)−2−メトキシカルボニルアミノ−3−メチル−ブチリル)−ピロリジン−2−イル]−3H−イミダゾール−4−イル}−ビフェニル−4−イルカルバモイル)−ピロリジン−1−カルボニル]−4−オキソ−1,2,4,5,6,7−ヘキサヒドロ−アゼピノ[3,2,1−hi]インドール−5−イル}−カルバミン酸メチルエステル
【0163】
【化18】
【0164】
DMF(5ml)へ溶かした{(2S,5S)−2−[(S)−2−(4’−{2−[(S)−1−((S)−2−メトキシカルボニルアミノ−3−メチル−ブチリル)−ピロリジン−2−イル]−3H−イミダゾール−4−イル}−ビフェニル−4−イルカルバモイル)−ピロリジン−1−カルボニル]−4−オキソ−1,2,4,5,6,7−ヘキサヒドロ−アゼピノ[3,2,1−hi]インドール−5−イル}−カルバミン酸メチルエステル(200mg,237ミリモル)の溶液へN−クロロスクシンイミド(38mg,284ミリモル)を加えた。この反応物を50℃で16時間撹拌した。この反応混合物を酢酸エチルで希釈して、水と飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄して、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過して濃縮した。入手した粗生成物をISCOフラッシュクロマトグラフィー(Teledyne Isco RediSep Flash Column 40g;(0%〜100%メタノール/塩化メチレン)によって精製して、{(2S,5S)−2−[(S)−2−(4’−{5−クロロ−2−[(S)−1−((S)−2−メトキシカルボニルアミノ−3−メチル−ブチリル)−ピロリジン−2−イル]−3H−イミダゾール−4−イル}−ビフェニル−4−イルカルバモイル)−ピロリジン−1−カルボニル]−4−オキソ−1,2,4,5,6,7−ヘキサヒドロ−アゼピノ[3,2,1−hi]インドール−5−イル}−カルバミン酸メチルエステル(152mg,73%)を灰白色の固形物として得た:ESI-LRMS m/e C
46H
51ClN
8O
8[M
+]の計算値:879, 実測値:880 [M+H
+];
1H NMR (DMSO-d
6) d: 12.55 (s, 1H), 10.12 (s, 1H), 7.74 (s, 4H), 7.64 (d, J = 3.0 Hz, 4H), 7.44 (dd, J = 16.4, 8.2 Hz, 1H), 7.30 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 7.12 (d, J = 7.3 Hz, 1H), 7.03 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 6.92-6.98 (m, 1H), 6.84 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 5.32 (dd, J = 10.9, 2.9 Hz, 1H), 4.95-5.04 (m, 1H), 4.44 (dd, J = 8.0, 4.5 Hz, 1H), 4.00-4.15 (m, 2H), 3.78 (d, J = 5.3 Hz, 3H), 3.58-3.71 (m, 1H), 3.54 (d, J = 7.3 Hz, 7H), 2.90-3.18 (m, 3H), 1.88-2.26 (m, 10H), 0.81-0.90 (m, 6H)。
【0165】
実施例5
((S)−1−{(S)−2−[(S)−2−(4’−{2−[(S)−1−((S)−2−メトキシカルボニルアミノ−3−メチル−ブチリル)−ピロリジン−2−イル]−3H−イミダゾール−4−イル}−ビフェニル−4−イルカルバモイル)−ピロリジン−1−カルボニル]−ピロリジン−1−カルボニル}−2−メチル−プロピル)−カルバミン酸メチルエステル
【0166】
【化19】
【0167】
密封管において、1,2−ジメトキシエタン(6ml)及び水(1ml)中の(S)−1−((S)−2−((S)−2−(4−ブロモフェニルカルバモイル)ピロリジン−1−カルボニル)ピロリジン−1−イル)−3−メチル−1−オキソブタン−2−イルカルバミン酸メチル(211mg,403ミリモル)、(S)−3−メチル−1−オキソ−1−((S)−2−(5−(4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)−1H−イミダゾール−2−イル)ピロリジン−1−イル)ブタン−2−イルカルバミン酸メチル(200mg,403ミリモル)、及び重炭酸ナトリウム(102mg,1.21ミリモル)の混合物へ1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン−二塩化パラジウム(II)(30mg,40マイクロモル)を加えた。この反応混合物に窒素を流し、蓋をして、油浴(80℃)において16時間加熱した。この反応混合物を濃縮して、20%メタノール/塩化メチレンと水の間で分配して、水相を20%メタノール/塩化メチレンで抽出した。合わせた有機相を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄して硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過して濃縮した。入手した粗生成物を、アセトニトリル/水(30%〜100%)で溶出させる50g Polaris C18Aカラムを使用する逆相HPLCによって精製して、((S)−1−{(S)−2−[(S)−2−(4’−{2−[(S)−1−((S)−2−メトキシカルボニルアミノ−3−メチル−ブチリル)−ピロリジン−2−イル]−3H−イミダゾール−4−イル}−ビフェニル−4−イルカルバモイル)−ピロリジン−1−カルボニル]−ピロリジン−1−カルボニル}−2−メチル−プロピル)−カルバミン酸メチルエステル(83mg,25%)を灰白色の固形物として得た:ESI-LRMS m/e C
43H
56N
8O
8[M
+] の計算値:812, 実測値:813 [M+H
+];
1H NMR (DMSO-d
6) d: 11.70 (s, 1H), 10.30 (s, 1H), 7.65-7.95 (m, 9H) , 7.35- 7.45 (m, 2H), 5.20-5.30 (m, 1H), 4.55-4.65 (m, 1H), 4.10-4.30 (m, 3H), 3.70-3.85 (m, 4H), 3.60 (s, 6H), 3.30-3.50 (m, 2H), 1.60-2.35 (m, 14H), 0.80-0.95 (m, 12H)。
【0168】
実施例6
[(S)−1−((S)−2−{5−[4’−({(S)−1−[(S)−1−((R)−2−メトキシカルボニルアミノ−2−フェニル−アセチル)−ピロリジン−2−カルボニル]−ピロリジン−2−カルボニル}−アミノ)−ビフェニル−4−イル]−1H−イミダゾール−2−イル}−ピロリジン−1−カルボニル)−2−メチル−プロピル]−カルバミン酸メチルエステル
【0169】
【化20】
【0170】
水酸化ナトリウム(1.32g,33.10ミリモル)及び(R)−2−アミノ−2−フェニル酢酸(5.00g,33.10ミリモル)の水(25ml)溶液へ炭酸ナトリウム(2.10g,19.80ミリモル)を加えた。この溶液を氷浴中で冷やして、クロロギ酸メチル(3.44g,36.40ミリモル)を15分にわたり滴下した。この添加が完了した後で氷浴を外して、この反応物を室温で3時間撹拌した。この反応混合物をエーテルで洗浄して、水相を濃HClで1〜2のpHへ酸性化した。水相を塩化メチレンで抽出して水と飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄して硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過して濃縮して、(R)−2−(メトキシカルボニルアミノ)−2−フェニル酢酸(4.35g,63%)を白色の固形物として得た:ESI-LRMS m/e C
10H
11NO
4[M
+] の計算値:209, 実測値:210 [M+H
+]。
【0171】
(S)−N−(4−ブロモフェニル)−1−((S)−ピロリジン−2−カルボニル)ピロリジン−2−カルボキサミド塩酸塩(500mg,1.24ミリモル)、(R)−2−(メトキシカルボニルアミノ)−2−フェニル酢酸(260mg,1.24ミリモル)、HATU(472mg,1.24ミリモル)、及びDMF(10ml)の不均質な混合物へN,N−ジイソプロピルエチルアミン(481mg,3.72ミリモル)を室温で滴下した。この滴下が完了した後で、この反応混合物を室温で3時間撹拌した。この反応混合物を酢酸エチルで希釈して、水、1N塩酸、飽和重炭酸ナトリウム溶液、飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄して硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過して濃縮して、(R)−2−((S)−2−((S)−2−(4−ブロモフェニルカルバモイル)ピロリジン−1−カルボニル)ピロリジン−1−イル)−2−オキソ−1−フェニルエチルカルバミン酸メチル(640mg,93%)を黄色の固形物として得た:ESI-LRMS m/e C
26H
29BrN
4O
5[M
+] の計算値:557, 実測値:558 [M+H
+]。
【0172】
密封管において、1,2−ジメトキシエタン(6ml)及び水(1ml)中の(R)−2−((S)−2−((S)−2−(4−ブロモフェニルカルバモイル)ピロリジン−1−カルボニル)ピロリジン−1−イル)−2−オキソ−1−フェニルエチルカルバミン酸メチル(225mg,403ミリモル)、(S)−3−メチル−1−オキソ−1−((S)−2−(5−(4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)−1H−イミダゾール−2−イル)ピロリジン−1−イル)ブタン−2−イルカルバミン酸メチル(200mg,403ミリモル)、及び重炭酸ナトリウム(102mg,1.21ミリモル)の混合物へ1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン−二塩化パラジウム(II)(30mg,40マイクロモル)を加えた。この反応混合物に窒素を流し、蓋をして、油浴(80℃)において16時間加熱した。この反応混合物を濃縮して、20%メタノール/塩化メチレンと水の間で分配して、水相を20%メタノール/塩化メチレンで抽出した。合わせた有機相を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄して硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過して濃縮した。入手した粗生成物を、アセトニトリル/水(30%〜100%)で溶出させる50g Polaris C18Aカラムを使用する逆相HPLCによって精製して、[(S)−1−((S)−2−{5−[4’−({(S)−1−[(S)−1−((R)−2−メトキシカルボニルアミノ−2−フェニル−アセチル)−ピロリジン−2−カルボニル]−ピロリジン−2−カルボニル}−アミノ)−ビフェニル−4−イル]−1H−イミダゾール−2−イル}−ピロリジン−1−カルボニル)−2−メチル−プロピル]−カルバミン酸メチルエステル(120mg,31%)を灰白色の固形物として得た:ESI-LRMS m/e C
46H
54N
8O
8[M
+] の計算値:846, 実測値:847 [M+H
+];
1H NMR (DMSO-d
6) d: 11.70 (s, 1H), 10.30 (s, 1H), 7.25-8.25 (m, 14H), 5.20-5.30 (m, 2H), 4.55-4.65 (m, 1H), 4.10-4.30 (m, 2H), 3.70-3.85 (m, 5H), 3.60 (s, 6 H), 3.30-3.50 (m, 2H), 1.60-2.35 (m, 14H), 0.80-0.95 (m, 6H)。
【0173】
生物学の実施例
レプリコンルシフェラーゼレポーターアッセイを使用する、化合物のHCV GT1bレプリコン阻害活性の決定
2209−23細胞系は、先に記載のように、ヘパトーマ細胞系Huh−7のGT−1b Con1サブゲノムバイシストロニックレプリコンでの安定したトランスフェクションによってロシュ社で開発された。R. Bartenschlager より入手した治癒(cured)Huh7細胞においてサブゲノムレプリコン細胞系を確立した(J Virol. 2003 Mar; 77 (5):3007-19)。GT−1a H77サブゲノムレプリコンベクターのpRLuc H77 1b 75 S/Iは、GT−1b Con1株に由来するNS3タンパク質の最初の75アミノ酸を除くGT−1b Con1サブゲノムレプリコンの非構造領域をH77株のそれで置き換えることによって創出した(J Virol. 2001 77:5352-59)。GT−1a pRLuc H77 1b 75 S/Iサブゲノムレプリコン細胞系は、R. Bartenschlager より入手した治癒Huh7細胞において確立した(J Virol. 2003 Mar; 77 (5):3007-19)。
【0174】
いずれのサブゲノムレプリコン細胞系も、ダルベッコ改良イーグル培地(Dulbecco's Modified Eagle Medium)(DMEM−Glutamax
TM−I;Invitrogen カタログ番号:10569-010)において培養した。この培地には、10%胎仔ウシ血清(Invitrogen カタログ番号:10082-147)、1%ペニシリン/ストレプトマイシン(Mediatech カタログ番号:30-002-CI)と500μg/mlのG418(Mediatech カタログ番号:30-234-CI)を補充した。加湿した5% CO
2雰囲気において37℃で細胞を維持した。
【0175】
2209−23細胞を、96ウェルプレート(Becton Dickinson カタログ番号:353296)中に5000個の細胞/ウェルの細胞密度でプレート培養した。細胞を90μlのダルベッコ改良イーグル培地(DMEM−Glutamax
TM−I;Invitrogen カタログ番号:10569-010)においてプレート培養して、培地には、5%胎仔ウシ血清(Invitrogen カタログ番号:10082-147)、1%ペニシリン/ストレプトマイシン(Mediatech カタログ番号:30-002-CI)を補充した。pRluc H77 1b 75 S/I細胞は、90μlの最終容量に5% FBSと1%ペニシリン/ストレプトマイシンを含有するDMEM−Glutamax
TM−I中3000個の細胞/ウェルで、96ウェルプレートにおいてプレート培養した。細胞をそのまま37℃及び5% CO
2で24時間平衡化して、その時点で化合物を加えた。化合物(又は対照としての培地)は、プレート培養後24時間で、10μl容量中1%の最終DMSO濃度での3倍希釈液で加えた。化合物の添加から72時間後に Renilla ルシフェラーゼアッセイシステム(Promega,カタログ番号:E2820)を使用して、Renilla ルシフェラーゼレポーターシグナルを読み取った。EC50値は、化合物の非存在下での対照試料と比較してウミシイタケ(renilla)ルシフェラーゼレポーターレベルの50%低下が観測される化合物濃度として定義されて、化合物用量−応答データの非線形適合法によって決定した。EC50は、最大阻害百分率が90%未満で70%より高ければ、近似値とした。
【0176】
細胞生存度試験のために、WST1 2209−23細胞を透明な平底96ウェルプレート(Becton Dickinson,カタログ番号:35 3075)において5000個の細胞/ウェルの細胞密度でプレート培養した。WST−1細胞増殖アッセイ(Roche Diagnostic,カタログ番号:11644807001)を使用して、細胞生存度を決定した。レプリコンアッセイと同じフォーマットでアッセイプレートを設定した。製造業者の説明書に従って、3日間の化合物インキュベーションの後で、各ウェルへ10μlのWST−1試薬を37℃及び5% CO
2で2時間加えた。MRX Revelation マイクロタイタープレートリーダー(Lab System)を使用して、450nmでの吸光度読取り値(650nmでの基準フィルター)を決定した。CC
50値は、化合物の非存在下での無処置対照に比較して細胞生存度を50%低下させるのに必要とされる化合物濃度として定義されて、化合物用量−応答データの非線形適合法によって決定した。下記の表IIには、代表的なアッセイデータを見出すことができる:
表II
【0177】
【表6】
【0178】
上述の発明について、明確化と理解の目的で、例示と実施例によりやや詳しく記載してきた。当業者には、付帯の特許請求項の範囲内で種々の変更及び修飾を実践し得ることが明らかであろう。故に、上記の記載は、例示であることを企図するのであって、限定することを企図しないと理解されたい。故に、本発明の範囲は、上記の記載を参照して決定してはならず、むしろ、以下の付帯の特許請求項、並びにそのような特許請求項により権利化される均等物の全範囲を参照して決定されるべきである。
【0179】
本出願で引用されるすべての特許、特許出願、及び公表文献は、それぞれ個別の特許、特許出願、又は公表文献がそのように個別に示されるのと同じ程度で、すべての目的のために、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。