(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5923336
(24)【登録日】2016年4月22日
(45)【発行日】2016年5月24日
(54)【発明の名称】ボールペンチップ及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
B43K 1/08 20060101AFI20160510BHJP
【FI】
B43K1/08 Z
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-39321(P2012-39321)
(22)【出願日】2012年2月24日
(65)【公開番号】特開2013-173276(P2013-173276A)
(43)【公開日】2013年9月5日
【審査請求日】2015年2月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000108328
【氏名又は名称】ゼブラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100145012
【弁理士】
【氏名又は名称】石坂 泰紀
(72)【発明者】
【氏名】青柳 秀麿
【審査官】
吉田 英一
(56)【参考文献】
【文献】
特開2011−177982(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B43K 1/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
チップ本体の先端にボールが装着され、前記チップ本体内に前記ボールを付勢する螺旋バネが挿入されたボールペンチップの製造方法において、
前記ボールを収容するボール収容部と、前記螺旋バネを収容するバネ収容部と、前記ボール収容部と前記バネ収容部とを連通させると共に、前記螺旋バネの螺旋本体の先端から突出するストレート部が挿入される連通部と、をドリル加工する工程と、
前記チップ本体の後端側から前記バネ収容部内に第1のブローチを挿入して、前記バネ収容部の前記連通部側の円錐台形状の端部の壁面に、インクを流動させるための前記第1の溝部を形成する工程と、
前記チップ本体の先端側から前記ボール収容部内に第2のブローチを挿入して、前記連通部の壁面に、前記チップ本体の軸線方向に延在して前記第1の溝部に連通する第2の溝部を形成する工程と、を備え、
前記螺旋本体を収容するために形成された前記バネ収容部の直径は、前記ボール収容部の直径より大きく、
前記第1のブローチの直径は前記バネ収容部の直径以下であり、前記第2のブローチの直径は、前記ボール収容部の直径以下且つ前記連通部の直径より大きく且つ前記第1のブローチの直径より小さく、
前記第1の溝部の幅は、前記第2の溝部の幅より広く形成され且つ前記螺旋バネの前記ストレート部の直径より小さく形成され、前記第2の溝部の壁面と前記第1の溝部の壁面とは、段差面により連結されていることを特徴とするボールペンチップの製造方法。
【請求項2】
チップ本体の先端にボールが装着され、前記チップ本体内に前記ボールを付勢する螺旋バネが挿入されたボールペンチップにおいて、
前記チップ本体は、
前記ボールを収容するボール収容部と、
前記螺旋バネを収容するバネ収容部と、
前記ボール収容部と前記バネ収容部とを連通させると共に、前記螺旋バネの螺旋本体の先端から突出するストレート部が挿入される連通部と、を有し、
前記バネ収容部の前記連通部側の円錐台形状の端部の壁面には、インクを流動させるための第1の溝部が形成され、前記連通部の壁面には、前記チップ本体の軸線方向に延在して前記第1の溝部に連通する第2の溝部が形成され、
前記第1の溝部の幅は、前記第2の溝部の幅より広く形成され、前記第2の溝部の壁面と前記第1の溝部の壁面とは、段差面により連結されていることを特徴とするボールペンチップ。
【請求項3】
前記第1の溝部の幅は、前記螺旋バネの前記ストレート部の直径より小さく形成されていることを特徴とする請求項2記載のボールペンチップ。
【請求項4】
前記バネ収容部の前記連通部側の円錐台形状の端部の壁面は、120度未満(0度含まず)の頂角を有することを特徴とする請求項2又は3記載のボールペンチップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、中芯と呼ばれるリフィールの先端に設けられる金属(例えばステンレス)製のボールペンチップ及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、このような分野の技術として、特開2011−177982号公報がある。この公報に記載されたボールペンチップの製造方法は、後孔及び中心孔形成工程と、放射状溝形成工程と、貫通放射状溝形成工程と、放射状溝バリ除去工程と、カシメ工程と、凹部形成工程と、を備えている。後孔及び中心孔形成工程にあっては、螺旋バネを収容するための後孔(バネ収容部)をドリル加工し、その後、後孔の先端に中心孔(連通部)を形成する。また、放射状溝形成工程にあっては、後孔内に切削治具を挿入して後孔の先端側の壁面に放射状の溝を形成する。その後の貫通放射状溝形成工程にあっては、先端側からドリル加工してボール抱持室(ボール収容部)を形成する。このような工程により、ボールペンチップの穴開け加工が一応完了するが、ボール抱持室の底面を切削した際に、放射状溝のバイトの回転方向側の肉が放射状溝側に延びて、横バリが発生し、この横バリにより放射状溝の一部が塞がれ、インク流路の減少を引き起こす。そこで、放射状溝バリ除去工程にあっては、後孔側から非貫通状態に放射状溝を形成する際に使用した切削冶具と同一の物をボール抱持室側から挿入して後孔を貫通させ、ボール抱持室を形成する際に発生した前述の横バリを除去する。この工程によって、インク流通路が塞がれてインクの流通が阻害されることが防止され、ボールペンチップの穴開け加工が全て完了する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−177982号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前述した従来のボールペンチップにあっては、穴加工時や溝加工時にバリが発生するので、そのバリを除去する加工が必要であり、このバリは、完全に除去することは非常に難しく、バリによって溝が塞がれる量が大きければ大きい程、インクの流通に影響を与え、しかもコイルスプリングをボールペンチップ内に組み込む際に、コイルスプリングのストレート部がバリに引っ掛かって、スプリングの組み込み不良を引き起こす虞もある。
【0005】
本発明は、溝部を塞ぐバリやバネ収容部へ出るバリの除去作業を必要としないボールペンチップの製造方法、連続する異なる幅の溝部をもったボールペンチップを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、チップ本体の先端にボールが装着され、チップ本体内にボールを付勢する螺旋バネが挿入されたボールペンチップの製造方法において、
ボールを収容するボール収容部と、螺旋バネを収容するバネ収容部と、ボール収容部とバネ収容部とを連通させると共に、螺旋バネの螺旋本体の先端から突出するストレート部が挿入される連通部と、をドリル加工する工程と、
チップ本体の後端側からバネ収容部内に第1のブローチを挿入して、バネ収容部の連通部側の円錐台形状の端部の壁面に、インクを流動させるための第1の溝部を形成する工程と、
チップ本体の先端側からボール収容部内に第2のブローチを挿入して、連通部の壁面に、チップ本体の軸線方向に延在して第1の溝部に連通する第2の溝部を形成する工程と、を備え、
螺旋本体を収容するために形成されたバネ収容部の直径は、ボール収容部の直径より大きく、
第1のブローチの直径はバネ収容部の直径以下であり、第2のブローチの直径は、ボール収容部の直径以下且つ連通部の直径より大きく且つ第1のブローチの直径より小さく、
第1の溝部の幅は、第2の溝部の幅より広く形成され且つ螺旋バネのストレート部の直径より小さく形成され、第2の溝部の壁面と第1の溝部の壁面とは、段差面により連結されていることを特徴とする。
【0007】
このボールペンチップの製造方法においては、ボール収容部と、バネ収容部と、連通部と、をドリル加工した後、チップ本体の後端側からバネ収容部内に第1のブローチを挿入して第1の溝部を形成する。その後、チップ本体の先端側からボール収容部内に第2のブローチを挿入して第2の溝部を形成する。このような工程を実施するにあたって、バネ収容部の直径は、ボール収容部の直径より大きく、第1のブローチの直径はバネ収容部の直径以下であり、第2のブローチの直径は、ボール収容部の直径以下且つ連通部の直径より大きく且つ第1のブローチの直径より小さく、第1の溝部の幅は、第2の溝部の幅より広く形成され且つ螺旋バネのストレート部の直径より小さく形成されている。このような条件下でボールペンチップを製造すると、第2の溝部の壁面と第1の溝部の壁面とを段差面により連結させ、そして、この段差面にバリを出現させることができるので、ブローチ加工時に発生するバリによって第1及び第2の溝部が塞がれることがない。しかも、螺旋バネをチップ本体内に組み込む際に、螺旋バネのストレート部がバリに引っ掛かって、螺旋バネの組み込み不良を引き起こす虞も無いので、組み立て作業性と製造時の歩留まりが良くなる。そして、本発明にあっては、溝部を塞ぐバリの除去作業を必要としないので、製造工程の簡素化を図ることもできる。
【0008】
本発明は、チップ本体の先端にボールが装着され、チップ本体内にボールを付勢する螺旋バネが挿入されたボールペンチップにおいて、
チップ本体は、
ボールを収容するボール収容部と、
螺旋バネを収容するバネ収容部と、
ボール収容部とバネ収容部とを連通させると共に、螺旋バネの螺旋本体の先端から突出するストレート部が挿入される連通部と、を有し、
バネ収容部の連通部側の円錐台形状の端部の壁面には、インクを流動させるための第1の溝部が形成され、連通部の壁面には、チップ本体の軸線方向に延在して第1の溝部に連通する第2の溝部が形成され、
第1の溝部の幅は、第2の溝部の幅より広く形成され、第2の溝部の壁面と第1の溝部の壁面とは、段差面により連結されていることを特徴とする。
【0009】
このボールペンチップにおいては、第1の溝部の幅を、第2の溝部の幅より広く形成させることで、第1の溝部によってインクの流入量を大きく維持させながら、第2の溝部の幅を変えるだけで、インクの流量をコントロールでき、インクの排出量を容易に調整することができる。従って、このような構成のチップ本体は、様々なボールの径に対応させ易く、インクの流動性に応じた様々な設計変更を容易にすることができる。
【0010】
また、第1の溝部の幅は、螺旋バネのストレート部の直径より小さく形成されている。
このような構成を採用すると、螺旋バネをチップ本体内に組み込む際に、螺旋バネのストレート部が溝部内に入り込んで、螺旋バネのストレート部が溝部に引っ掛かってしまうような事態を回避させることができる。
【0011】
また、バネ収容部の連通部側の円錐台形状の端部の壁面は、120度未満(0度含まず)の頂角を有する。
このような角度を採用すると、螺旋バネをチップ本体内に組み込む際に、螺旋バネのストレート部を連結部内に挿入させ易く、しかもインクの流動性を高めることができる。すなわち、120度以上では、螺旋バネのストレート部がバネ収容部の壁面に引っ掛かって連結部に入り難くなる。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係わるボールペンチップの製造方法によれば、溝部を塞ぐバリやバネ収容部へ出るバリの除去作業を必要としない。また、本発明に係わるボールペンチップによれば、ボール径やインクの流動性に応じた溝部の設計変更を容易にする。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明に係るボールペンチップの一実施形態を示し、溝部と軸線を通って長手方向に延在する面で切断された断面図である。
【
図2】ボールペンチップを先端側から見た斜視図である。
【
図3】ボールペンチップを先端側から見た平面図である。
【
図4】ボールペンチップを後端側から見た斜視図である。
【
図5】ボールペンチップを後端側から見た底面図である。
【
図6】(a)は、棒材にドリル加工を施工した後の状態を示す断面図、(b)は、第1のブローチにより溝部を形成している状態を示し、隣接する二本の溝部の中央を通って長手方向に延在する面で切断された断面図である。
【
図7】(a)は、第1のブローチにより溝部を形成している状態を示す断面図、(b)は、穴開け加工完了後のボールペンチップを示す断面図であり、(a)及び(B)は、隣接する二本の溝部の中央を通って長手方向に延在する面で切断された断面図である。
【
図8】バリの出現状態を示すボールペンチップの底面図である。
【
図9】バリの出現状態を示すボールペンチップの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照しつつ本発明に係るボールペンチップ及びその製造方法の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、ペン先側を「前方側」として以下説明する。
【0015】
図1に示されるように、ボールペンチップ1は、ステンレスなどの金属からなるチップ本体2と、チップ本体2の先端に配置されるボール3と、ボール3を付勢する螺旋バネ4と、から構成されている。チップ本体2の中央には、前端から後端まで長手方向に延在するインク流動孔5が形成されている。
【0016】
このインク流動孔5は、ボール3を収容するボール収容部6と、螺旋バネ4を収容するバネ収容部7と、ボール収容部6とバネ収容部7とを連通させると共に、螺旋バネ4の螺旋本体(不図示)の先端から突出するストレート部4aが挿入される連通部8と、を有している。そして、ボール収容部6内で保持されたボール3は、螺旋バネ4のストレート部4aの先端で押圧されている。
【0017】
さらに、インク流動孔5において、バネ収容部7の連通部8側の円錐台形状の端部の壁面7aには、インクを流動させるための第1の溝部11が形成され、連通部8の壁面8aには、チップ本体2の軸線L方向に延在して第1の溝部11に連通する第2の溝部12が形成されている。そして、後方に位置する第1の溝部11は、軸線Lを中心に120度の位相角をもって等間隔に配置されると共に、軸線Lに対して鋭角で延在している。前方に位置する第2の溝部12の中心線と第1の溝部11の中心線とは、軸線L方向において一致しており、第2の溝部12は、軸線Lを中心に120度の位相角をもって等間隔に配置されると共に、軸線L方向に延在している。
【0018】
図2〜
図5に示されるように、第1の溝部11の幅W1は、第2の溝部12の幅W2より広く形成され、第2の溝部12の壁面と第1の溝部11の壁面とは、段差面Dにより連結されている。そして、この段差面Dは、コ字形状をなしている。
【0019】
このボールペンチップ1において、第1の溝部11の幅W1を、第2の溝部12の幅W2より広く形成させることで、第1の溝部11によってインクの流入量を大きく維持させながら、第2の溝部12の幅W2を変えるだけで、インクの流量をコントロールでき、インクの排出量を容易に調整することができる。従って、このような構成のチップ本体2は、様々なボール3の径に対応させ易く、インクの流動性に応じた様々な設計変更を容易にすることができる。
【0020】
また、第1の溝部11の幅W1は、螺旋バネ4のストレート部4aの直径より小さく形成されている。このような構成を採用すると、螺旋バネ4をチップ本体2のインク流動孔5内に挿入する際に、螺旋バネ4のストレート部4aが第1及び第2の溝部11,12内に入り込んで、螺旋バネ4のストレート部4aが第1及び第2の溝部11,12に引っ掛かってしまうような事態を回避させることができる。これによって、螺旋バネ4の組み込み不良を引き起こす虞も無いので、組み立て作業性と製造時の歩留まりが良くなる。
【0021】
また、バネ収容部7の連通部8側の円錐台形状の端部の壁面7aは、120度未満の頂角αを有する。このような角度を採用すると、螺旋バネ4をチップ本体2内に組み込む際に、螺旋バネ4のストレート部4aを連結部8内に挿入させ易く、しかもインクの流動性を高めることができる。すなわち、120度以上では、螺旋バネ4のストレート部4aがバネ収容部7の壁面7aに引っ掛かって連結部8に入り難くなる。なお、円錐台形状を考慮して円錐台の高さが高くなり過ぎないために、頂角αは80度以上が好ましい。
【0022】
次に、ボールペンチップ1の製造方法について説明する。
【0023】
図6(a)に示されるように、ステンレス等からなる棒材を所定長さに切断した後、切削バイトによって棒材の先端に円錐台形状のテーパー面2aを成形する。また、この成形と同時又は時差をもって、棒材の中心に連通部8をドリル加工する。その後、棒材の先端側からドリル加工してボール収容部6を成形し、棒材の後端側からドリル加工してバネ収容部7を成形する。この場合、チップ本体2において、連通部8の直径<ボール収容部6の直径≦バネ収容部7の直径の関係を有する。
【0024】
図6(b)に示されるように、チップ本体2の後端側からバネ収容部7内に第1のブローチAを挿入して、バネ収容部7の連通部8側の円錐台形状の端部の壁面7a(
図6(a)参照)に、インクを流動させるための第1の溝部11(
図7(b)参照)を形成する。この場合、第1のブローチAの直径はバネ収容部7の直径以下である。
【0025】
図7(a)に示されるように、チップ本体2の先端側からボール収容部6内に第2のブローチBを挿入して、連通部8の壁面8a(
図6(a)参照)に、チップ本体2の軸線L方向に延在して第1の溝部11に連通する第2の溝部12(
図7(b)参照)を形成する。この場合、第2のブローチBの直径は、ボール収容部6の直径より以下且つ連通部8の直径より大きく且つ第1のブローチAの直径より小さい。
【0026】
また、ブローチA,Bを利用するにあたって、第1のブローチAによって形成される第1の溝部11の幅W1は、第2のブローチBによって形成される第2の溝部12の幅W2より広く形成され且つ、螺旋バネ4のストレート部4aの直径より小さく形成される。そして、このような条件下で成形された第2の溝部12の壁面と第1の溝部11の壁面とは、段差面Dにより連結されることになる。
【0027】
ドリル加工及びブローチ加工完了後、ボール収容部6内にボール3を挿入し、チップ本体2の先端2b(
図7(b)参照)をカシメて、ボール3をボール収容部6内に保持させる。その後、チップ本体2の後端側からバネ収容部7内に螺旋バネ4を挿入させて、螺旋バネ4のストレート部4aの先端をボール3に突き当てる。
【0028】
このボールペンチップ1の製造方法においては
図7(b)、
図8及び
図9に示されるように、第2の溝部12の壁面と第1の溝部11の壁面とを段差面Dにより連結させ、そして、この段差面DにバリR(
図9の斜線部分参照)を出現させることができるので、ブローチ加工時に発生するバリRによって第1及び第2の溝部11,12が塞がれることがない。しかも、
図7(b)に示されるように、螺旋バネ4をチップ本体2内に組み込む際に、螺旋バネ4のストレート部4aがバリRに引っ掛かって、螺旋バネ4の組み込み不良を引き起こす虞も無いので、組み立て作業性と製造時の歩留まりが良くなる。そして、第1及び第2の溝部11,12を塞ぐバリRの除去作業を必要としないので、製造工程の簡素化を図ることもできる。
【0029】
本発明は、前述した実施形態に限定されないことは言うまでもない。例えば、第1及び第2の溝部11,12は、軸線Lを中心とした周方向に等間隔に3本形成されているが、その本数は、何本であってもよい。
【符号の説明】
【0030】
1…ボールペンチップ 2…チップ本体 3…ボール 4…螺旋バネ 4a…螺旋バネのストレート部 5…インク流動孔 6…ボール収容部 7…バネ収容部 7a…バネ収容部の壁面 8…連通部 8a…連通部の壁面 11…第1の溝部 12…第2の溝部 A…第1のブローチ B…第2のブローチ D…段差面 L…軸線 W1…第1の溝部の幅 W2…第2の溝部の幅 R…バリ