特許第5923404号(P5923404)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 花王株式会社の特許一覧

<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5923404
(24)【登録日】2016年4月22日
(45)【発行日】2016年5月24日
(54)【発明の名称】TRPV4活性抑制剤
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/192 20060101AFI20160510BHJP
   A61P 13/10 20060101ALI20160510BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20160510BHJP
【FI】
   A61K31/192
   A61P13/10
   A61P43/00 111
【請求項の数】2
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2012-167588(P2012-167588)
(22)【出願日】2012年7月27日
(65)【公開番号】特開2014-24807(P2014-24807A)
(43)【公開日】2014年2月6日
【審査請求日】2015年6月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000084
【氏名又は名称】特許業務法人アルガ特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100077562
【弁理士】
【氏名又は名称】高野 登志雄
(74)【代理人】
【識別番号】100096736
【弁理士】
【氏名又は名称】中嶋 俊夫
(74)【代理人】
【識別番号】100117156
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 正樹
(74)【代理人】
【識別番号】100111028
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 博人
(72)【発明者】
【氏名】藤井 明彦
【審査官】 鳥居 福代
(56)【参考文献】
【文献】 Japan.J.Pharmacol.,1990年,Vol.53,p.157-164
【文献】 Neurourology and Urodynamics,2005年,Vol.24,p.369-373
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/192
A61P 13/10
A61P 43/00
A23L 33/10
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
3,4−ジメトキシけい皮酸又はその塩を有効成分とするTRPV4活性抑制剤。
【請求項2】
3,4−ジメトキシけい皮酸又はその塩を有効成分とする過活動膀胱の予防又は改善剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、TRPV4チャネルの活性化を抑制するTRPV4活性抑制剤に関する。
【背景技術】
【0002】
TRPV4は、カチオンチャネルの一過性受容器電位(TRP)スーパーファミリーのメンバーであり、低浸透圧、温熱(24℃<)、アラキドン酸代謝物などにより活性化されることがわかっている(非特許文献1、2)。
【0003】
TRPV4は、腎、肺、膀胱、心臓、皮膚、脳、消化管など幅広い組織で発現しており、異なった幅広い生理的役割を果たしていると考えられている。腎の遠位尿細管上皮細胞には特に強く発現しており、尿の浸透圧や流量を感知していると示唆されている(非特許文献3)。また消化管における低浸透圧を感知し、交感神経活動を亢進させる機能を持つことも示唆されている(非特許文献4)。
【0004】
また最近、TRPV4チャネルは膀胱の機能に関与することが報告されている(非特許文献5)。すなわち、膀胱内側の膀胱上皮細胞に存在するTRPV4やTRPV1が存在し、尿が溜まって膀胱上皮細胞が伸展した場合に当該TRPVチャネルを介して細胞内にカルシウムが流入し、これによってATPが細胞から放出され、膀胱の膨らみが神経に伝わることが明らかにされている。また、TRPV4欠損マウスを用いた検討で、TRPV4の排尿間隔に及ぼす影響はTRPV1より大きいことが報告されている(非特許文献6)。
したがって、TRPV4の活性化を抑制することにより、尿意の増加及び排尿頻度の増加を特徴とする過活動膀胱に治療効果をもたらすと考えられる。
【0005】
一方、ロブスタコーヒーノキ(Coffea canephora var. robusta)等に多く含まれる3,4−ジメトキシけい皮酸は、苦味抑制作用を有すること(特許文献1)、また細菌の細胞膜を損傷させ、当該細菌に対する抗生剤の作用を増強することが報告されている(非特許文献7)。
しかし、3,4−ジメトキシけい皮酸がTRPV4活性抑制作用を有することや過活動膀胱等の膀胱障害に有用であることは知られていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特表2012−501634号公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Guler AD. J. Neurosci. 22: 6408-6414 (2002)
【非特許文献2】Vriens J. Proc. Natl. Acad. Sci. USA 106: 1626-1631 (2004)
【非特許文献3】Tian W. Am. J. Physiol. Renal. Physiol.287: F17-F24 (2004)
【非特許文献4】Gao F. Hypertension. 55: 1438-1443 (2010)
【非特許文献5】Nilius B. Physiol. Rev. 87: 165-217 (2007)
【非特許文献6】Gevaert T. J. Clin. Invest. 117: 3453-3462 (2007)
【非特許文献7】S. Hemaiswarya and M. Doble, Journal of Medical Microbiology (2010), 59, 1469-1476
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、過活動膀胱の予防又は改善に有効なTRPV4活性抑制剤を提供することに関する。
【0009】
本発明者らは、TRPV4の活性を抑制する素材について検討したところ、3,4−ジメトキシけい皮酸にTRPV4の活性化を効果的に抑制する作用があることを見出した。
【0010】
すなわち本発明は、3,4−ジメトキシけい皮酸又はその塩を有効成分とするTRPV4活性抑制剤に係るものである。
また本発明は、3,4−ジメトキシけい皮酸又はその塩を有効成分とする過活動膀胱及の予防又は改善剤に係るものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明のTRPV4活性抑制剤は、TRPV4の活性化を効果的に抑制するという作用を有する。したがって、本発明のTRPV4活性抑制剤は、TRPV4チャネルが活性化されることによって生じる症状や疾患を改善するために有用である。具体的には、過活動膀胱(尿意切迫感、頻尿、切迫性尿失禁)を予防又は改善することが可能である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明で用いる3,4−ジメトキシけい皮酸は、これを含有する天然物、特に植物から抽出することもでき、化学合成により工業的に製造することもできる。また、市販品を使用することもできる。
【0013】
3,4−ジメトキシけい皮酸の塩としては、薬学的に許容される塩であればよく、塩形成用の塩基物質としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物;水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等のアルカリ土類金属の水酸化物;アンモニア;アルギニン、リジン、ヒスチジン、オルニチン等の塩基性アミノ酸;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の有機塩基が挙げられ、特にアルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物が好ましい。
尚、3,4−ジメトキシけい皮酸塩は、上記の塩を調製してから、その塩を医薬又は食品中に添加してもよいし、3,4−ジメトキシけい皮酸と塩形成成分を医薬又は食品中に別々に添加して処方系中で塩を形成することでもよい。
【0014】
3,4−ジメトキシけい皮酸は、後記実施例に示すように、TRPV4刺激物質(アゴニスト)と共に、TRPV4を形質導入した細胞(TRPV4発現細胞)に接触させた場合に、TRPV4刺激物質による細胞内の陽イオン量の流入を抑制するというTRPV4活性抑制作用を有する(実施例)。
【0015】
ここで、「TRPV4の活性抑制」とは、受容体であるTRPV4の活性を抑制すること、具体的には例えばTRPV4刺激物質がTRPV4に結合することによって発現する活性、例えばイオン流束の調節能(例えば、細胞外から細胞内へのカルシウムイオン、ナトリウムイオンなどの陽イオンの輸送能など)、膜電位の調節能(例えば、電流の発生能など)を抑制或いは阻害することを云う。
【0016】
TRPV4は、膀胱内側の膀胱上皮細胞に存在し、尿が溜まって膀胱上皮細胞が伸びた場合に当該TRPVチャネルを介して細胞内にカルシウムが取り込まれ、これによってATPが細胞表面から放出され、膀胱の膨らみが神経に伝わることが明らかにされている(前記非特許文献5)。したがって、TRPV4の活性を抑制することにより、尿意の増加及び排尿頻度の増加を特徴とする過活動膀胱等に治療効果をもたらすと考えられる。
【0017】
したがって、3,4−ジメトキシけい皮酸又はその塩は、TRPV4活性抑制のため、或いは過活動膀胱の予防又は改善のために使用することができる。当該使用は、ヒト若しくは非ヒト動物、又はそれらに由来する検体における使用であり得、また治療的使用であっても非治療的使用であってもよい。ここで、「非治療的」とは、医療行為、すなわち治療による人体への処理行為を含まない概念である。
【0018】
また、3,4−ジメトキシけい皮酸又はその塩は、TRPV4活性抑制剤、過活動膀胱の予防又は改善剤(以下、TRPV4活性抑制剤等)として使用することができ、さらにこれらの剤を製造するために使用することができる。
【0019】
当該TRPV4活性抑制剤等は、それ自体、TRPV4活性抑制、過活動膀胱の予防又は改善効果を発揮する、ヒト若しくは動物用の医薬品、医薬部外品又は食品であってもよく、又は当該医薬品、医薬部外品等に配合して使用される素材又は製剤であってもよい。このとき、当該TRPV4活性抑制剤等には、本発明の3,4−ジメトキシけい皮酸又はその塩を単独で、又はこれ以外に、必要に応じて、後述の配合すべき対象物において許容される担体等を配合してもよい。なお、当該製剤は配合すべき対象物に応じて常法により製造することができる。
また、食品としては、TRPV4活性抑制、過活動膀胱の予防又は改善等の生理機能をコンセプトとし、必要に応じてその旨を表示した飲食品、機能性飲食品、病者用飲食品、特定保健用食品等を包含する。
【0020】
尚、本発明において、「過活動膀胱」とは、尿意切迫感を必須とした症状症候群であり、通常は頻尿と夜間頻尿を伴うものである。
【0021】
上記医薬品(医薬部外品も含む)の剤形は、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、シロップ剤、静脈内注射、筋肉注射剤、坐剤、吸入剤、経皮吸収剤、点眼剤、点鼻剤、湿布剤、パップ剤、軟膏、ローション、クリーム、口腔用製剤等の何れでもよく、投与形態も、経口投与(内用)、非経口投与(外用、注射)の何れであってもよい。
このような種々の剤型の医薬製剤は、3,4−ジメトキシけい皮酸又はその塩を単独で、又は他の薬学的に許容される賦形剤、結合剤、増量剤、崩壊剤、界面活性剤、滑沢剤、分散剤、緩衝剤、保存剤、嬌味剤、香料、被膜剤、担体、希釈剤等を適宜組み合わせることにより調製することができる。
【0022】
これらの投与形態のうち、好ましい投与形態は経口投与であり、この場合、製剤中の3,4−ジメトキシけい皮酸又はその塩の含有量は、通常0.01質量%以上、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、そして20質量%以下、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下である。例えば、0.01〜20質量%、好ましくは0.1〜10質量%、より好ましくは0.5〜5質量%が挙げられる。
【0023】
上記食品の形態は、固形、半固形又は液状であり得、例えば、パン類、ケーキ類、麺類、菓子類、ゼリー類、冷凍食品、アイスクリーム類、乳製品、飲料等の各種食品の他、上述した経口投与製剤と同様の形態(錠剤、カプセル剤、シロップ等)が挙げられる。
種々の形態の食品は、3,4−ジメトキシけい皮酸又はその塩を単独で、又は他の食品材料や、溶剤、軟化剤、油、乳化剤、防腐剤、香科、安定剤、着色剤、酸化防止剤、保湿剤、増粘剤等を適宜組み合わせることにより調製することができる。当該食品中の3,4−ジメトキシけい皮酸又はその塩の含有量(抽出物の乾燥物換算)は、通常0.001質量%以上、好ましくは0.005質量%以上、より好ましくは0.01質量%以上であり、そして、10質量%以下、好ましくは5質量%以下、より好ましくは1質量%以下である。例えば、0.001〜10質量%、好ましくは0.005〜5質量%、より好ましく0.01〜1質量%が挙げられる。
【0024】
本発明のTRPV4活性抑制剤等の投与量又は摂取量は、対象者の状態、体重、性別、年齢又はその他の要因に従って変動し得るが、経口投与又は摂取の場合成人1人当たり、3,4−ジメトキシけい皮酸又はその塩として、1日あたり通常0.1mg以上、好ましくは1mg以上、より好ましくは5mg以上であり、そして1000mg以下、好ましくは300mg以下、より好ましくは5mg以下である。例えば、0.1mg〜1000mg、好ましくは1mg〜300mg、より好ましくは5mg〜100mgが挙げられる。また、上記製剤は、任意の投与計画に従って投与又は摂取され得るが、1日1回〜数回に分けて投与又は摂取することが好ましい。
【0025】
本発明のTRPV4活性抑制剤等の投与又は摂取対象者としては、それを必要としている者であれば特に限定されないが、TRPV4活性抑制及び過活動膀胱の予防又は改善を図ることができることから、特に、尿意切迫感があるヒト、頻尿又は尿漏れのあるヒトへの投与又は摂取が有効である。
【0026】
上述した実施形態に関し、本発明においては以下の態様が開示される。
<1>3,4−ジメトキシけい皮酸又はその塩を有効成分とするTRPV4活性抑制剤。
<2>3,4−ジメトキシけい皮酸又はその塩を有効成分とする過活動膀胱の予防又は改善剤。
【0027】
<3>TRPV4活性抑制剤を製造するための、3,4−ジメトキシけい皮酸又はその塩の使用。
<4>過活動膀胱の予防又は改善剤を製造するための、3,4−ジメトキシけい皮酸又はその塩の使用。
<5>TRPV4活性抑制に使用するための3,4−ジメトキシけい皮酸又はその塩。
<6>過活動膀胱の予防又は改善に使用するための3,4−ジメトキシけい皮酸又はその塩。
<7>3,4−ジメトキシけい皮酸又はその塩を、それらを必要とする対象に投与又は摂取するTRPV4活性抑制方法。
<8>3,4−ジメトキシけい皮酸又はその塩を、それらを必要とする対象に投与又は摂取する過活動膀胱の予防又は改善方法。
<9>非治療的な方法である前記<7>〜<8>の方法。
【実施例】
【0028】
参考例1 ヒトTRPV4遺伝子発現ベクターの作製
ヒト十二指腸由来細胞株であるHutu−80細胞(American Type Culture Collectionより購入)から抽出したtotalRNAを逆転写して得られたcDNAを鋳型にして、公開されているヒトTRPV4遺伝子配列を参考に合成した、下記に示す塩基配列で表されるオリゴヌクレオチドからなるプライマーセットを用いて、下記の条件下でポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を行った。
【0029】
<プライマーセット>
フォワードプライマー;5’-CACCATGGCGGATTCCAGCGAAGGCCC-3’:配列番号1
リバースプライマー;5’-CTAGAGCGGGGCGTCATCAGTCC-3’:配列番号2
【0030】
<PCR条件>
a) PCR溶液組成
cDNA(Template) 15μl
5x PrimeStar GXL Buffer 10μl
dNTPs mixture (2.5mM) 4μl
PrimeStar GXL DNA Polymerase (タカラバイオ) 1μl
Forward Primer (10μM) 1μl
Reverse Primer (10μM) 1μl
Water 18μl
b) 温度とサイクル条件
95℃ 2min

98℃ 10sec 33 cycles
70℃ 2min
【0031】
得られたPCR産物をHigh Pure PCR Product Purification Kit(ロッシュ)用いて精製した。精製したPCR産物と、pcDNA3.1 Directional TOPO Expression Kit(インビトロジェン社)を用いて、発現用ベクターを作製した。
【0032】
実施例1 ヒトTRPV4発現細胞の作製と細胞内Ca2+流入活性の測定
10%牛胎児血清を含むDMEM/F12培地(インビトロジェン)を用いてHEK293細胞(American Type Culture Collectionより購入)の培養を行った。HEK293細胞をT−75細胞培養用フラスコに5×105cells/Flaskで播種した。培養3日後、参考例1で作製したヒトTRPV4発現ベクター(8μg)をTransIT−293(Mirus)を用いて細胞にトランスフェクションし1日培養した。Detachin(Genlantis)で細胞をはがし96well Optical bottom plate (Nunc)に10%牛胎児血清を含むDMEM/F12培地で1.5×104cells/90μl/wellの細胞密度で播き、さらに1日培養した。
【0033】
細胞内Ca2+流入活性の測定はCalcium Kit II− fluo 4(DOJINDO)を用いて行った。fluo4−AM を含有したLoading bufferを上記の細胞に90μl/well添加し、37℃で1時間インキュベートした後、37℃で蛍光プレートリーダーFDSS3000(浜松ホトニクス)により蛍光強度(励起波長;488nm,蛍光波長;524nm)を2秒毎に測定した。測定開始30秒後にTRPV4作動薬であるGSK1016790a(Sigma社)と、以下に示す検体を含有する溶液(GSK1016790a;50nM(終濃度5nM)、検体;終濃度の10倍濃度)を20μl/well添加し、300秒まで2秒毎に蛍光強度変化を測定した。
【0034】
<検体>
【化1】
【0035】
尚、検体は、3,4−ジメトキシけい皮酸(東京化成)、3−メトキシけい皮酸(東京化成)をジメチルスルオキシド(DMSO)(ナカライテスク)で溶解し、使用した。
【0036】
また、検体のTRPV4活性の阻害率は次式により算出した。
(数1)
阻害率(%)=〔 (F300C1/F0C1−F300/F0)/(F300C1/F0C1−F300C2/F0C2) 〕x 100
F300 ;測定開始300秒後のGSK1016790aと検体を添加したウェルの蛍光強度
F300C1;測定開始300秒後のGSK1016790aとDMSOを添加したウェルの蛍光強度
F300C2;測定開始300秒後のDMSOのみを添加したウェルの蛍光強度
F0 ;測定開始直後のGSK1016790aと検体を添加したウェルの蛍光強度
F0C1 ;測定開始直後のGSK1016790aとDMSOを添加したウェルの蛍光強度
F0C2 ;測定開始直後のDMSOのみを添加したウェルの蛍光強度
【0037】
<検定方法・結果>
コントロールであるDMSOの阻害率を0%とした時、コントロールに対する検体の阻害率をDunnetにより検定した。結果を表1に示す。
表1より、コントロールに比べて、本発明の3,4−ジメトキシけい皮酸は300μMでTRPV4活性を有意に阻害した。それに対して、3,4−ジメトキシけい皮酸の類縁化合物である比較化合物1に有意な阻害は認められなかった。
【0038】
【表1】
【配列表】
[この文献には参照ファイルがあります.J-PlatPatにて入手可能です(IP Forceでは現在のところ参照ファイルは掲載していません)]