(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記トーチ出入調整部は、被加工材と平行な面内で台車の走行方向に対し直交する方向に配置された軸部材と、前記軸部材に駆動されて往復移動可能に構成され所定位置に回動軸を設けたブラケットと、を有して構成され、
前記トーチ角度調整部は、前記ブラケットに設けられた回動軸に回動可能に取り付けられ該回動軸から離隔した位置にナット部材を設けた回動部材と、前記ブラケットに回動可能に且つ被加工材に対し略垂直方向に配置され前記回動部材に設けたナット部材に螺合するねじ部材と、を有して構成され、
前記トーチホルダーは、一方の起立片を介して前記回動部材に取り付けられている
ことを特徴とする請求項1に記載したトーチ調整装置。
前記トーチ出入調整部は、被加工材と平行な面内で台車の走行方向に対し直交する方向に配置された軸部材と、前記軸部材に駆動されて往復移動可能に構成され所定位置に回動軸を設けたブラケットと、を有して構成され、
前記トーチ角度調整部は、前記ブラケットに設けられた回動軸に回動可能に取り付けられ該回動軸から離隔した位置にピニオンを設けた回動部材と、前記ブラケットに回動可能に且つ被加工材に対し略垂直方向に配置され前記回動部材に設けた前記ピニオンに螺合するラックと、を有して構成され、
前記トーチホルダーは、一方の起立片を介して前記回動部材に取り付けられている
ことを特徴とする請求項1に記載したトーチ調整装置。
【背景技術】
【0002】
直交して配置された2枚の大型の鋼板の交差部を隅肉溶接する場合、溶接トーチを搭載し、且つ水平に配置されている鋼板上を走行可能で、垂直に配置されている鋼板の表面をガイドする台車を用いている(例えば特許文献1参照)。また、鋼板やステンレス鋼板を切断する場合、ガス切断トーチやプラズマ切断トーチを搭載して鋼板やステンレス鋼板上を走行する台車を用いることもある。
【0003】
被加工材に載置されて走行する台車を用いて溶接或いは切断を行う場合、加工部位の鋼板を溶融或いは燃焼させるために、該加工部位に対しトーチから大きな熱が付与される。その結果、付与された熱の輻射によって台車も加熱されるため、台車に於けるトーチを配置した側の面には略全面にわたって防熱板が設けられている。
【0004】
また、隅肉溶接する場合、溶接トーチが正確に鋼板の交差部に向かうように、該溶接トーチの水平方向の位置及び高さ方向の位置、更に角度を調整することが必要となる。同様に、鋼板を切断する場合、切断トーチの水平方向の位置及び高さ方向の位置、更に目的の切断に対応させた角度(例えば、鋼板を垂直切断するか開先切断するかに応じた角度)を調整することが必要となる。
【0005】
このため、特許文献1に記載された台車を含む一般的な台車には、溶接トーチ又は切断トーチの位置や角度を調整するためのトーチ調整装置が設けられている。トーチ調整装置は、被加工材の表面と平行な面内で且つ台車の走行方向に対して直交する方向に設けたねじ軸或いはラックからなる出入調整部材と、この出入調整部材によって出入が調整され被加工材に対して略垂直方向に設けたねじ軸或いはラックからなる昇降部材と、この昇降部材に対し回動可能に取り付けられたトーチホルダーと、を有して構成されている。
【0006】
そして、トーチホルダーに溶接トーチ或いは切断トーチ等のトーチを取り付けて、出入調整部材、昇降部材を夫々操作することで、トーチの出入及び被加工材からの高さを調整し、且つトーチホルダーの昇降部材に対する取付角度を設定することでトーチの角度を調整している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記の如き溶接トーチ或いは切断トーチを搭載した台車では、被加工材に対する加工時の輻射熱を防ぐための防熱板を設けているが、より効果的な熱対策を施すことが要求されている。
【0009】
また、トーチの被加工材に対する角度の設定を容易にできるような調整装置が要求されているのが実情である。
【0010】
本発明の目的は、熱対策を向上させると共にトーチ角度を容易に設定することができるトーチ調整装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために本発明に係るトーチ調整装置は、被加工材に載置されて走行する台車に搭載される溶接トーチ又は切断トーチからなるトーチの被加工材に対する位置を調整するトーチ調整装置であって、トーチを着脱可能に保持するトーチホルダーと、前記トーチホルダーの被加工材に対する角度を調整するトーチ角度調整部と、前記トーチホルダーを被加工材と平行な面内で台車の走行方向に対し直交する方向に移動させて出入位置を調整するトーチ出入調整部と、を有し、前記トーチホルダーは、一対の起立片と該一対の起立片を連結する連結片とからなる溝型に形成され、前記連結片にはトーチを着脱可能に取り付ける取付部材が設けられると共に一方の前記起立片を介してトーチ角度調整部に取り付けられるものである。
【0012】
上記トーチ調整装置に於いて、前記トーチ出入調整部は、被加工材と平行な面内で台車の走行方向に対し直交する方向に配置された軸部材と、前記軸部材に駆動されて往復移動可能に構成され所定位置に回動軸を設けたブラケットと、を有して構成され、前記トーチ角度調整部は、前記ブラケットに設けられた回動軸に回動可能に取り付けられ該回動軸から離隔した位置にナット部材を設けた回動部材と、前記ブラケットに回動可能に且つ被加工材に対し略垂直方向に配置され前記回動部材に設けたナット部材に螺合するねじ部材と、を有して構成され、前記トーチホルダーは、一方の起立片を介して前記回動部材に取り付けられていることが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係るトーチ調整装置では、トーチホルダーを一対の起立片と連結片からなる溝型に形成し、連結片にトーチを取り付ける取付部材を設けたので、この取付部材にトーチを取り付けたとき、該トーチは一対の起立片及び連結片によって三方が囲まれる。このため、溶接部位或いは切断部位から生じる熱の一部をトーチホルダーによって遮ることができる。従って、熱の一部が台車に伝えられることを防ぐことが可能となり、熱対策を向上することができる。
【0014】
また、トーチ角度調整部が、ブラケットに設けられた回動軸に回動可能に取り付けられ且つ回動軸から離隔した位置にナット部材を設けた回動部材と、ブラケットに回動可能に且つ略垂直方向に配置されて回動部材に設けたナット部材に螺合するねじ部材と、を有して構成されている。トーチホルダーが、一方の起立片を介して回動部材に取り付けられている。このため、ブラケットに配置されたねじ部材を回転させることで、回動軸を中心として回動部材を回動させることができる。回動部材の回動に伴ってトーチホルダーが回動し、該トーチホルダーに設けた取付部材に取り付けたトーチも回動する。従って、トーチの被加工材に対する角度を容易に調整することができる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図を用いて本実施例に係るトーチ調整装置Aの構成と、該トーチ調整装置Aを有する台車Bの構成について説明する。本実施例に於いて、台車Bは図示しない2枚の鋼板を溶接する溶接用台車として構成されている。特に、前記2枚の一方を水平状に配置すると共に他方を規律させて配置しておき、互いの鋼板が交差する部位に隅肉溶接を施すことが可能なように構成されている。従って、トーチ調整装置Aには図示しない溶接トーチが取り付けられ、この溶接トーチにはガスを供給するホースや溶接線が通るホース等のホース類が接続される。
【0017】
しかし、取り付けるべきトーチは溶接トーチにのみ限定されるものではなく、ガス切断トーチやプラズマ切断トーチ等の切断トーチであっても取り付けることが可能である。そして、これらの切断トーチを選択して取り付けた場合、台車Bの所定位置にはガスを供給するための弁機構や、通電するためのキャップタイヤケーブルの中継部材などの選択された切断トーチに特有の機構や部材が搭載される。
【0018】
先ず、台車Bの構成について簡単に説明する。
図1〜
図3に示す台車Bは、矢印a、b方向(以下、矢印a方向を前方、矢印b方向を後方ということもある)に走行可能に構成されており、この走行過程で図示しない溶接トーチを駆動して目的の溶接を実行し得るように構成されている。
【0019】
台車Bは、上部がカバー1aによって覆われ下部が底板によって閉塞されたケーシング1を有しており、該ケーシング1の内部に図示しない駆動モーターや該駆動モーターを制御する制御装置が組み込まれている。
【0020】
ケーシング1の走行方向である前後方向の両端側に複数の車輪2が回転可能に配置されている。車輪2の少なくとも1個は駆動モーターによって駆動される駆動輪として構成され、他の車輪2は従動輪として構成されている。しかし、車輪2のうちのいくつを駆動輪とするかは限定するものではなく、2個の車輪或いは4個の車輪を駆動輪として構成しても良い。
【0021】
カバー1aの上面には、電源コードを接続するためのソケット3、台車Bの動作を操作するための押ボタンスイッチ4、台車Bの走行速度を調整するためのダイヤル5、台車Bの動作モードを表示するためのLED6が設けられている。
【0022】
ケーシング1の一方側の側面(矢印c方向側の側面、以下、台車Bの左側面ということがある。また矢印d方向側の側面を台車Bの右側面ということもある)には、前後方向の両端部分に夫々ガイドローラ7aが配置されている。これらのガイドローラ7aは、夫々伸縮可能に構成されたアーム7bの先端に回転可能に設けられており、隅肉溶接を実行する際には、垂直方向に配置された鋼板の表面に接触して台車Bの走行を案内し得るように構成されている。
【0023】
更に、
図2(b)に示すように、ケーシング1の内部には磁石8aが配置されており、ハンドル8bの操作に伴って姿勢が変化し得るように構成されている。そして、ハンドル8bの操作によって、同図に点線で示すように磁石8aが傾斜したとき、鋼板に対する吸着力が減少して台車Bを容易に鋼板から離隔させることが可能である。また、ハンドル8bの操作によって、磁石8aが鋼板と平行になったとき、吸着力が最大となって台車Bを安定した状態で鋼板に沿って走行させることが可能である。
【0024】
上記の如く構成された台車Bでは、磁石8aを被加工材となる鋼板に対して平行にして吸着力を増大させた状態で、押ボタンスイッチ4を押し操作することで、矢印a方向或いは矢印b方向への走行を開始する。そして、ダイヤル5を操作することで、台車Bの走行速度を調整することが可能である。
【0025】
次に、本実施例に係るトーチ調整装置Aの構成について説明する。
【0026】
トーチ調整装置Aは、台車Bを構成するケーシング1の前後方向の何れかの端部(本実施例では前方側の端部)に設けられており、図示しないトーチが台車Bの略中央に於いて矢印c方向側の側面に配置されるように構成されている。従って、台車Bを矢印b方向側から矢印a方向側に向かってみたとき、
図3(a)に示すように、磁石8aを操作するハンドル8bが右側面側に配置され、トーチは左側面側に配置されることとなる。
【0027】
ケーシング1の前方側の端部には、ねじ21によって取付ブラケット20が取り付けられている。この取付ブラケット20には縦方向の長穴20aが形成されており、ねじ21は長穴20aに挿通されてケーシング1に締結されている。従って、取付ブラケット20はケーシング1に対し上下方向の位置を調整し得るように構成されている。
【0028】
図2(b)に示すように、取付ブラケット20の上端部分に、トーチ出入調整部を構成する軸部材となるねじ軸22が水平に設けられている。そして、取付ブラケット20を台車Bを構成するケーシング1に取り付けたとき、ねじ軸22は車輪2の中心どうしを結ぶ線と平行に配置される。ねじ軸22の取付ブラケット20から突出した端部にはハンドル22aが固定されており、このハンドル22aを操作することによって回転し得るように構成されている。また、ねじ軸22の取付ブラケット20の内部に配置されている端部にはブラケット23が螺合しており、ねじ軸22の回転に応じて矢印c方向又は矢印d方向に移動し得るように構成されている。
【0029】
尚、上記ねじ軸22に代えてラックを形成した軸を用いることも可能である。この場合、ブラケット23にはピニオンが配置されることとなる。
【0030】
ブラケット23は、水平片23aと、垂下片23bとを有して構成されている。水平片23aはねじ軸22の延長方向に形成されており、垂下片23bは水平片23aから直角方向に垂下して形成されている。水平片23a、垂下片23bの寸法は特に限定するものではなく、溶接装置として或いは切断装置として設定される仕様に応じて適宜設定することが好ましい。
【0031】
ブラケット23を構成する水平片23aの所定位置には、トーチ角度調整部を構成するねじ部材24を回転可能に支持する支持部が設けられている。また垂下片23bの所定位置には、トーチ角度調整部を構成する回動部材25を回動可能に支持する回動軸23cが水平方向に配置されている。
【0032】
回動部材25はブラケット23の垂下片23bに設けた回動軸23cに回動可能に支持されている。従って、回動部材25は垂直な面内で回動軸23cを中心として回動し得るように構成されている。また、回動部材25には、回動軸23cから離隔した位置であって、水平片23aに設けたねじ部材24と対応する位置に長穴25aが形成されており、該長穴25aにねじ部材24と螺合するナット部材26が配置されている。更に、回動部材25の長穴25aに対応する位置であって台車Bの後方側に対応する面に支持アーム25bが突出して形成されている。
【0033】
上記の如く、ナット部材26は、回動部材25の回動に伴って長穴25aに沿って移動し得るように構成されている。即ち、ねじ部材24は、ブラケット23の水平片23aを略垂直方向に貫通して配置され、ナット部材26を垂直方向に貫通して螺合している。そして、ハンドル24aを操作してねじ部材24を回転させると、この回転に伴ってナット部材26が上昇或いは下降し、且つ回動部材25が回動軸23cを中心として回動する。このため、ナット部材26の中心と回動軸23cとの距離が変化することとなり、この変化を長穴25aによって吸収することが可能である。
【0034】
尚、本実施例では、ねじ部材24の回転に伴ってナット部材26を回動部材25に設けた長穴25aに沿って移動させるように構成したが、必ずしもこの構成に限定するものではない。例えば、ナット部材26を回動部材25に対して回動可能に配置すると共にねじ部材24をブラケット23の水平片23aに対して首振り可能に構成しても同様の動作を実現することが可能である。
【0035】
回動部材25に設けた支持アーム25bにトーチホルダー27が取り付けられている。トーチホルダー27は図示しない溶接トーチや切断トーチ(本実施例では溶接トーチ)を保持すると共に、溶接時や切断時に発生する熱の輻射を遮って台車に伝わることを防ぐ機能を有するものである。
図4に示すように、トーチホルダー27は、一対の起立片27a、27bと、これらの起立片27a、27bを連結する連結片27cとを有する溝型に形成されている。
【0036】
連結片27c所定位置には図示しないトーチを着脱可能に取り付けるための取付部材28が設けられている。この取付部材28は基部28aと、該基部28aに対し回動可能に構成され、基部28aと共にトーチを挟み込む挟持部28bと、挟持部28bを基部28aに固定する固定部28cと、を有して構成されている。そして、基部28aをトーチホルダー27の連結片27cに取り付けることで、トーチを着脱可能に取り付けることが可能となる。
【0037】
このため、連結片27cには、基部28aを固定するための孔27d及び長穴27eが並べて形成されており、この一組の孔27d、長穴27eにボルトを挿通して基部28aを締結することで取付部材28を固定することが可能である。特に、孔27d及び長穴27eの組は、連結片27cの上下2か所に夫々形成されており、上方の組又は下方の組を選択して取付部材28を固定することが可能である。従って、上下何れかの組を選択して取付部材28を固定することで、トーチを鋼板に対して接近又は離隔させて取り付けることが可能である。また、一方が長穴27eとして形成されているため、連結片27cに取付部材28を固定する際に、取付姿勢を調整することが可能である。
【0038】
トーチホルダー27を構成する一方の起立片27aは連結片27cに対し直角に形成されており、該起立片27aを介して回動部材25に設けた支持アーム25bに取り付けられる。起立片27aを支持アーム25bに取り付ける構造は特に限定するものではなく、該支持アーム25bに対し図示しないボルトを利用して取り付けることが可能である。また、支持アーム25bをハーフナット状に形成すると共に、起立片27aに軸部材を設けておき、該軸部材を前記ハーフナットに嵌合して取り付けることも可能である。
【0039】
本実施例では、図示しないボルトを利用してトーチホルダー17を支持アーム25bに取り付けるようにしている。このため、起立片27aの所定位置には、ボルトを挿通するための孔27fが形成されている。
図4に示す例では、起立片27aには円形の孔27fが形成されているが、直線状の長穴や円弧状の長穴であることが好ましい場合もあり、孔27fの形状を丸孔に限定するものではない。また、孔27fは起立片27aに於ける取付部材28に取り付けるトーチの中心と略一致するような位置に形成されている。
【0040】
トーチホルダー27は板金加工によって形成されており、一方の起立片27aは外側に折り返した状態で二重に形成されている。このため、起立片27aの孔27fにボルトを挿通して支持アーム25bに締結したとき、折り返された起立片27aがスプリングワッシャとして機能し、ボルトの緩みを防ぐことが可能である。
【0041】
また、ボルトを利用してトーチホルダー27を支持アーム25bに取り付けることで、該トーチホルダー27の支持アーム25bに対する取付角度を容易に調整し得るように構成することが可能である。即ち、1本のボルトによってトーチホルダー27を支持アーム25bに取り付けるように構成した場合には、該ボルトを緩めることで角度を調整することが可能である。また複数本のボルトを利用してトーチホルダー27を支持アーム25bに取り付けるように構成した場合には、起立片27aに形成する孔27fを円弧状の長穴とすることによって、トーチホルダー27の支持アーム25bに対する取付角度を調整することが可能である。
【0042】
更に、起立片27aに直線状の長穴を形成しておき、この長穴に挿通したボルトを利用して支持アーム25bに取り付けるように構成することによって、トーチホルダー27の支持アーム25bに対する取付位置を調整することが可能となる。この場合、トーチホルダー27の回動に伴う下端部分の鋼板との干渉を防ぐことが可能となり好ましい。
【0043】
トーチホルダー27を構成する他方の起立片27bは連結片27cに対し直角よりも外側に傾斜した状態で形成されている。このため、トーチホルダー27は直角の起立片を有する溝型ではなく、より開放された溝型に形成されている。このように起立片27bが外側に向けて傾斜することで、作業中のトーチの様子を容易に視認することが可能となる。
【0044】
トーチホルダー7を構成する一対の起立片27a、27bの高さ寸法は特に限定するものではないが、取付部材28にトーチを取り付けたとき、該トーチを包み込むように形成されていることが好ましい。
【0045】
トーチホルダー27の長さは特に限定するものではないが、目的の作業を行う際にトーチを鋼板に対して所定の高さで且つ所定の角度に設定したとき、下端部分が鋼板の表面に可及的に接近し得るような長さであることが好ましい。トーチホルダー27がこのような長さを有することによって、鋼板に対する溶接を実行しているときに発生する熱の台車Bに対する輻射を防ぐことが可能となる。しかし、余り接近しすぎて鋼板に接触すると台車Bの走行に障害を与える虞が生じる。
【0046】
次に、上記の如く構成されたトーチ調整装置Aによってトーチの位置や角度を調整する際の手順について、
図1(a)及び
図5により説明する。
【0047】
図1(a)は、ナット部材26が回動部材25に設けた長穴25aの略中央に位置した状態を示している。この状態でトーチホルダー27は、予め設定された角度、例えば45度を有している。従って、トーチホルダー27に固定した取付部材28に取り付けられた図示しないトーチも45度の角度を有している。
【0048】
トーチの角度を保持して該トーチを矢印c、d方向に移動させる場合、即ち、台車Bを鋼板上に設置してトーチの溶接すべき部位からの水平方向の位置を調整する場合、ハンドル22aを操作することで、ブラケット23を矢印c方向に移動させて取付ブラケット20から突出させ、或いはブラケット23を矢印d方向に移動させて取付ブラケット20に接近させることで良い。
【0049】
上記の如くしてハンドル22aの操作によって、ブラケット23、回動部材25、トーチホルダー27を同時に矢印c、d方向に移動させることが可能であり、これに伴ってトーチを矢印c、d方向に移動させて所望に位置に調整することが可能である。
【0050】
図1(a)に示す状態からトーチの鋼板に対する角度が大きくなる(鋼板に対してより起立させる)ように調整する場合、ねじ部材24の回転によって実現することが可能である。即ち、ねじ部材24を例えば回動限まで左回転させると、回動部材25は
図5(a)に示すように矢印e方向に回動する。この回動に伴ってトーチホルダー27も回動し、鋼板に対する角度を増加させつつ、下端部分は複数の車輪2を含む面よりも下側に至るまで下降する。従って、トーチホルダー27の回動及び下降と同時にトーチホルダー27に取り付けたトーチも回動及び下降することとなり、この過程で所望の角度に調整することが可能である。
【0051】
上記の如くしてトーチホルダー27を回動させつつ下降させることで、該トーチホルダー27に取り付けたトーチの鋼板に対する角度を予め設定された角度に調整することが可能である。そして、この回動に伴って、トーチホルダーの下端部分が鋼板に対して干渉するような場合には、トーチホルダー27の支持アーム25bに対する取付位置を調整して干渉を防止するように調整することが必要である。
【0052】
また、
図1(a)に示す状態からトーチの鋼板に対する角度が小さくなる(鋼板に対してより寝かせる)ように調整する場合、ねじ部材24を例えば回動限まで右回転させると、回動部材25は
図5(b)に示すように矢印f方向に回動する。この回動に伴ってトーチホルダー27も回動し、鋼板に対する角度を減少させつつ、下端部分は複数の車輪2を含む面よりも上方に上昇する。従って、トーチホルダー27の回動及び上昇と同時にトーチホルダー27に取り付けたトーチも回動及び上昇することとなる。
【0053】
上記の如くしてトーチホルダー27を回動させつつ上昇させることで、該トーチホルダー27に取り付けたトーチの鋼板に対する角度を予め設定された角度に調整することが可能である。そして、トーチホルダー27の回動に伴ってトーチの鋼板からの距離が大きくなったような場合には、取付部材28の連結片27cに於ける取付位置を下端側に変化させることで、より接近させることが可能である。