(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
混合ガスに含まれた複数のガスの内、流速を測定しようとする特定ガスが吸収する波長の光を放出する光源と、該放出された光を検出して検出された光量に相応する検出信号を提供する光検出器と、を含む少なくとも一つのガス検知部;
前記流速を測定しようとする特定ガスの濃度を変化させるガス処理部;および
前記ガス検知部から提供された前記検出信号に基づき前記測定しようとする特定ガスの流速を算出する制御部;を含み、
少なくとも一つのガス検知部は、
予め設定された基準の位置から第1位置(L1)に位置し、第1時間(t1)に前記特定ガスが吸収する波長の光を放出し、前記放出された光を検出し、検出された光量に相応する検出信号を提供する第1ガス検知部、
前記予め設定された基準の位置から第2位置(L2)に位置し、第2時間(t2)に前記特定ガスが吸収する波長の光を放出し、前記放出された光を検出し、検出された光量に相応する検出信号を提供する第2ガス検知部、および
前記予め設定された基準の位置から第3位置(L2)に位置し、第3時間(t3)に前記特定ガスが吸収する波長の光を放出し、前記放出された光を検出し、検出された光量に相応する検出信号を提供する第3ガス検知部を含み、
前記制御部は、
前記第1ガス検知部、前記第2ガス検知部および前記第3ガス検知部から各々提供された検出信号に基づき第1速度(v1)、第2速度(v2)、第3速度(v3)を算出し、前記算出された第1速度(v1)、第2速度(v2)、第3速度(v3)に基づき、前記特定ガスの終端速度を測定することを特徴とするガス流速測定装置。
【背景技術】
【0002】
一般的にガス流量の測定はガスの流速を測定し、ガスの単位時間当たりの移動距離を測定して流速を測定した地点での流れの断面積(cross section)を掛け合わせて測定する。また、多種のガスが混在して流れる場合、特定ガスの比率を算出し、計算する。
【0003】
現在、主に使われる流速計の種類としては、差圧式、タービン式、面積式、超音波式および電子式の流速計などがある。
【0004】
図1は一般的な流速計の種類および動作方式を示す概念図である。
【0005】
差圧式の流速計は
図1の(a)に図示したように流体が流れるパイプの断面積の一部を透過口が形成された遮断幕を使って、一部遮断することにより、遮断幕の両端から発生する圧力の差を測定して流速に換算する。
【0006】
タービン式の流速計は、
図1の(b)に図示したように流体が流れるパイプの中央に回転子を設置し、流体の流れに沿って回転する回転子の回転速度を測定して流速に換算する。
【0007】
面積式の流速計は、
図1の(c)に図示したように流体の流れの方向に弾性変形体を設置し、流速により発生する弾性変形量を測定したり、弾性変形体を漏斗型の通路に設置して流速による圧力と重力を重ね合わせて発生する弾性変形体を測定し、流速に換算する。
【0008】
超音波式の流速計は、
図1の(d)に図示したように流速に相応する超音波の伝送速度の差を利用して流速による超音波の速度の変化量を測定し、流速に換算する。
【0009】
電子式の流速計は、
図1の(e)に図示したように、電荷を持つガスに外部の電気場を加え、流速に相応する電気場の変化量を測定し、流速に換算する。
【0010】
図1に図示したような従来の流速計の中で差圧式、タービン式および面積式の流速計は流速を測定しようとするガスの種類のより別途の較正(calibration)を必要とする短所がある。
【0011】
具体的に、
図1の(a)に図示したような差圧式の流速計は、微視的な観点から見て、遮断幕の両端にかかる圧力の差が遮断幕にガス分子が追突して発生する衝撃量に比例する。ここで、該衝撃量はガス分子が遮断幕に追突して発生する運動量の変化によるもので、運動量はニュートン力学で定義されたように、質量と速度の積で定義されるため同一の運動量の変化又は衝撃量であってもガス分子の分子量が大きければその速度は変わる。従って、差圧式の流速計を使用する場合は流速を測定しようとするガスの種類を事前に調べて同一条件、即ち、同じガスの流れの条件に対して遮断幕の両端にかかる圧力の差を事前に較正しなければならない。このような較正は、タービン式の流速計又は面積式の流速計にも同様に適用される。
【0012】
また、差圧式、タービン式および面積式の流速計は、流速が時間に比べ急速に変化する場合、流速の変化を実時間で測定できない問題点がある。例えば、差圧式の流速計の場合、流速が急速に変化する場合、それに応じて遮断幕の両端にかかる圧力の差が発生する。しかし、このような圧力の差に相応して圧力の差を指示する流体は、上下に揺れ、このような揺れが安定するまで相当の時間がかかる。このような問題点を解消するため、圧力の差を指示する流体として粘性の高い流体を使用する場合、高い粘性のため遮断幕の両端にかかる圧力の変化を実時間で反映出来なくなる。
【0013】
上述のような問題点はタービン式および面積式の流速計でも必然的に現れる。例えば、タービン式の流速計の場合、回転子と回転軸の摩擦が少ないと流速の変化を実時間で反映出来ると思いがちだが、風車に瞬間的に風を吹いても風車は一定時間の間回転するのと同様に、流速がないにも関わらず、流速があるように測定されることもあり得るし、それを解決するため回転子と回転軸の間の摩擦力を大きくすると差圧式と同様に流速の変化を実時間で測定出来なくなる。このような問題点は面積式の流速計でも同様に挙げられる問題である。
【0014】
結果的に、差圧式、タービン式および面積式の流速計は流速の変化が時間に比べてとてもゆっくり発生する場合に限って使用すべきであるという短所がある。
【0015】
超音波式の流速計は、外部の雑音に影響を受け、音波の伝送速度が温度により違ってくるので、超音波流速計を使用の際は、外部の雑音を遮断したり、雑音が少ない所に限って使わなければならないし、温度を別途に測定してそれを流速に換算する際に較正しなければならない短所がある。
【0016】
電子式の流速計はガス分子が電荷を持っていなければならないので、イオン状態のガス分子や電気の極性が大きいガスの流速だけを測定できる制約がある。また、流速を測定しようとするガスの種類、より正確にはガス分子が持つ電荷量により別途の較正しなければならない短所がある。
【0017】
従来の流速計は上述したような短所以外にも多様な種類のガスが混在して流れる場合、特定のガスだけを選択してその流速を測定することが出来ない問題点がある。
【0018】
具体的には、従来の流速計は、全体ガスの平均流速を測定するため、各ガスの流速の差を分けることが出来ないし、それによりガスの流量が経済的な価値で換算される場合、相当の誤差が発生する恐れがある。
【0019】
気体の状態方程式によりガス分子の速度はガス分子の質量の平方根に反比例するが、例えば窒素と二酸化炭素が混在して流れる場合、二酸化炭素の流速を1とすれば、窒素の流速はこれより25%ほど早い。しかし、既存の流速計はこのような流速の差を分けることが出来なかったため、窒素と二酸化炭素の平均流速を測定して用いるため、二酸化炭素流量を測定して経済的な価値として換算する場合、その評価価値が大目に計算される問題が生じた。
【0020】
例えば、メタンを燃焼して発生するガスを外部に排出する場合、二酸化炭素の流速を測定しようとする際、大気の中に約80%が窒素であることを考えると従来の流速計は全体ガスの平均流速を測定するため、窒素の流速に近い値が測定できるだろう。具体的に排出ガスが窒素と二酸化炭素であれば、大気中の酸素の濃度が約20%であるため、完全燃焼の際、二酸化炭素の濃度は最大10%となる。ここで、二酸化炭素が最大に排出されると仮定すれば、窒素と二酸化炭素の濃度は各々8/9と1/9となり、従来の流速計を用いて流速を測定するのであれば、有効質量(m
e)のガスの移動速度として測定される。
【0021】
有効質量(m
e)は、数学式1のように定義される。
数学式1
(m
e)=(第1ガスの質量×第1ガスの構成比)+(第2ガスの質量×第2ガスの構成比)
【0022】
即ち、窒素と二酸化炭素が各々8/9および1/9の構成比で排出される場合、窒素の分子量が28、二酸化炭素の分子量が44であるため、約29.8の分子量を持つガスが排出されるのと同じである。結局、従来の流速計は、29.8の分子量を持つガスの流速を測定する結果となる。しかし、実際の二酸化炭素の分子量は44であるため、既存の流速計で測定した値の0.82倍に該当する。従って、従来の流速計で二酸化炭素の流速を測定する場合、約22%((1/0.82−1)×100=22)ほど早く測定されるためそれを用いて二酸化炭素の排出量を算出する場合、排出量が22%多く算出される。
【0023】
もし、二酸化炭素の排出量を経済的な価値として換算する場合、上述のように、従来の流速計で測定した結果を適用すると、二酸化炭素の排出量が最大22%多く算出されるし、該排出量が経済的な価値と単純比例するとすれば、22%の費用が過大に算出される問題が生じる。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明は多様な変更を加えることが出来、様々な実施例があり得るので特定実施例を図面に例示し詳細に説明しようとする。
【0031】
しかし、これは本発明を特定の実施形態に限定しようとするものではなく、本発明の思想および技術の範囲に含まれる全ての変更、均等物ないし代替物を含むものとして理解されるべきである。
【0032】
第1、第2などの用語は、多用な構成要素を説明するため用いることができるが、前記の構成要素は、前記の用語により限定されてはいけない。前記の用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的のみ使用される。例えば、本発明の権利範囲から外れないながら第1構成要素は第2構成要素として命名することが出来るし、同じく第2構成要素も第1構成要素として命名することが出来る。および/またという用語は、複数の関連した記載項目の組み合わせ又は複数の関連した、記載項目の中のある項目を含む。
【0033】
ある構成要素が他の構成要素に“繋がっている”又は“接続されている”と言われる時は、その他の構成要素に直接的に繋がっているか又は接続されている場合もあり得るが、中間に他の構成要素が存在する可能性もあると理解されるべきである。一方、ある構成要素が他の構成要素に“直接繋がっている”又は“直接接続されている”と言われる時は、中間に他の構成要素が存在しないことと理解されるべきである。
【0034】
本出願において使用した用語は、ただ特定の実施例を説明するために使用したものとして、本発明を限定しようとする意図はない。単数の表現は文脈上明確に他の意味を持っていない限り、複数の表現を含む。本出願において“含む”または“持つ”という用語は明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品又はそれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするもので、一つ又はそれ以上の他の特徴や数字、段階、構成要素、部品又はそれらの組み合わせによる物たちの存在又は付加可能性を予め排除しないものとして理解されるべきである。
【0035】
他の意味で定義されない限り、技術的用語や科学的な用語を含みここで使用される全ての用語は、本発明が属する技術分野において通常の知識を持つ者により一般的に理解されるものと同じ意味を持っている。一般的に使われる辞書に定義されているのと同じ用語は、関連技術の文脈上に持つ意味と一致する意味を持つものとして解釈されるべきで、本出願において明確に定義しない限り、理想的な意味や過度に形式的な意味として解釈されない。
【0036】
以下、添付した図面を参考にしながら、本発明の望ましい実施例をより詳細に説明したいと思う。本発明を説明するに当たり、全体的な理解を深めるため、図面上の同一の構成要素については同一の参考符号を使い、同一の構成要素についての重複される説明は省略する。
【0037】
以下、本発明の実施例によるガス流速測定装置およびガス流速測定方法の技術および動作原理についての理解を高めるため、本発明の実施例によるガス流速測定装置およびガス流速測定方法に適用される理論的な解釈方法を説明する。
【0038】
1.ガス種類による拡散速度
ガス分子の運動エネルギーは、自由空間の場合、絶対温度Tに比例して数学式2のような関係式が成立される。
【0040】
数学式2において、mはガス分子の質量、vは速度、kはボルツマンの定数、Tは絶対温度を意味する。数学式2から分かるように温度がTの時、ガス分子の運動速度はガス分子の質量の平方根に反比例する。従って、ガス分子の分子量が大きければ速度は小さく、反対にガス分子の分子量が小さいと速度は大きい。
【0041】
図2は、ガス分子の分子量によるガスの流速を説明するための概念図である。
図2を参考にしてガス分子の分子量によるガスの流速を説明すると、同一の体積を持つ二つの密閉された部屋(ルーム1およびルーム2)の真ん中に通路が設置されていて、該通路が遮断バルブにより閉じられている状態で各々のルームの圧力がP1およびP2(ここで、P1>P2)と仮定する。圧力がP1であるルーム(ルーム1)に二酸化炭素と窒素が混合されている状態で中間の遮断バルブを開けると圧力の差により二酸化炭素と窒素は他のルーム(ルーム2)へと拡散して進行する。ここで圧力がP2であるルーム(ルーム2)は、他の種類のガスで埋められていると仮定する。
【0042】
上述のように遮断バルブが開放されると二酸化酸素および窒素の拡散速度は分子量が小さい窒素がより速い速度で移動する。前記の数学式2から分子量と移動速度の関係を表すと数学式3のようである。
【0044】
数学式3において二酸化炭素の分子量は44であり、窒素の分子量は28であるため、窒素の移動速度が二酸化炭素の移動速度に比べ約1.26倍早い。もし、このような状況の中で従来の流速計で二酸化炭素の流速を測定するのであれば、最大26%まで高く測定できる。
【0045】
例えば、メタノール(CH
4)を燃焼して発生するガスを外部へ排出する場合、メタノールの完全燃焼の際に発生するガスは反応式1に表示されたように二酸化炭素と水蒸気である。
【0047】
又は、外部の空気を使ってメタノールを燃焼させる場合に、排出ガスは反応式1に表示された二酸化炭素および水蒸気以外に燃焼されない窒素が含まれ排出される(ここで、窒素が燃焼され発生する窒素酸化物(NO
x)系列のガスは論外とする)。結局メタノールを燃焼させ、煙突を通して排出する場合、従来の流速計を用いて二酸化炭素の流速を測定するのであれば、二酸化炭素の流速ではない窒素、酸素、水蒸気および二酸化炭素の平均速度が測定され、上述のように二酸化炭素の速度は最大26%まで多く測定される。
【0048】
2.ガス分子の光学的特性
本発明が一実施例によるガス流速測定装置およびガス流速測定方法においては、混合ガスの内、特定ガスの流速を選択的に測定するため前記の特定ガスが反応する物理的刺激を認可したり、指示子(indicator)を取り入れ該特定ガスの識別および流速測定を簡単に行った後、特定ガスの移動速度を測定することにより測定しようとする特定ガスの流速を選択的に測定する。
【0049】
以下、本発明の一実施例によるガス流速測定装置およびガス流速測定方法において特定ガスを選択的に測定するための理論的な背景を説明する。
【0050】
1)ガスの光吸収スペクトル
本発明の一実施例によるガス流速測定装置および方法は、混合ガスの内、特定ガスの流速を選択的に測定するための基本的な原理として、ガス分子の光吸収特性を用いる。
【0051】
図3はガス分子の光吸収スペクトルを表す。
一般的にガス分子は2つ以上の原子として結合されていて、二つの原子の結合エネルギー状態に該当する振動エネルギーを持つ。このような振動エネルギーは、結合状態に対し固有のものとして振動エネルギーに共鳴する波長(又は振動数)の光を吸収してエネルギーの準位が高い状態のまま転移したり光を放出してエネルギーの準位が低い状態のまま転移する。このような転移はエネルギーの状態が量子化(quantized)されていて、特定波長(また、振動数)の光を吸収する特徴を持つ。
【0052】
例えば、
図3に図示したように二酸化炭素は4.26μmの波長を持つ光に対してとても優秀な吸収特性を持ち、メタノールは約3.4μm、一酸化炭素は4.64μm、アンモニアは10.5μmの波長の光に対し、他の波長帯に比べ強い吸収特性を持つ。このような吸収特徴はガス分子固有の物理的な特性によるものである。
【0053】
本発明の一実施例によるガス流速測定装置および方法においてガス分子の光吸収特性を用いて混合ガスの内、特定ガスだけの移動速度(即ち、流速)を測定する。例えば二酸化炭素の流速を測定するために波長が4.26μmである光を用いるが、例えて説明すると二酸化炭素の動きだけを見られる特殊メガネを使って二酸化炭素の移動速度を測定するのと同じことだと言える。また、測定しようとする対象ガスの流れに物理的な攪乱を生じさせ、前記の攪乱が維持される状態で移動するガスの速度を測定する。
【0054】
2)ランベルトベールの法則(Beer-Lambert)
ランベルトベールの法則は、ガス分子が特定波長の光を吸収する場合、ガス濃度と透過された光量との相互関係を定義する。光源から放出された光が光検出器まで到達する経路を光経路と言うが、光経路上に位置したガス分子は光源から放出された光の一部は吸収し、一部は透過させる。
【0055】
ガスの濃度が0の時を基準にガス濃度が大きくなるほど光検出器に到達する光量は少なくなる。即ち、ガス濃度と光検出器から検出される光量は相互反比例する。このような関係式は次のように導出することが出来る。ガス分子の濃度が0の時、光検出器に到達する光量をI0とし、任意のガス濃度Xに対し、一部が吸収されてから残った光量をIとする場合ガス濃度が微小変化Dxだけの変化が生じたとすれば、光量の微小変化(dI)との関係は数学式4のような微分方程式で表現される。
【0057】
数学式4においてaはガス分子の光の吸収率を表す値として光量とは関連がなく、単位濃度に対する光吸収率として定義することが出来る。また、数学式4において光量の変化は濃度に反比例するので(−)符号が付き、光量の変化は全体の光量に比例する。結局数学式4の解を求めると数学式5が導出される。
【0059】
例えば、上述のように二酸化炭素は4.26μm波長の光を吸収するという事実を用いて煙突に多種のガスが混在して移動する場合、二酸化炭素の分布を攪乱する物理的な刺激を加え、それに相応して攪乱が生じた二酸化炭素が移動する過程において二酸化炭素が吸収する波長である4.26μmの光を照射して光量の変化を測定すると、光検出器から検出される光量は濃度の攪乱により攪乱が生じる形態が現れる。前記の過程をガスが流れる方向へと二つの地点から測定すると攪乱が生じた二酸化炭素の移動速度を求めることが出来る。
【0060】
上述のように、4.26μm波長の光は二酸化炭素のみによって吸収されるので、結果的に攪乱が生じたガスの速度は二酸化炭素の速度となる。前記の方法を用い、高原が3.4μmの波長が光を放出するとすれば、メタノールの移動速度を測定することが出来るし、10.5μmの波長の光を放出するとすればアンモニア又はエチレンの速度を測定することが出来る。
【0061】
特定ガスの測定のための光源の選択において光源は必ず該当するガスが吸収する波長の光だけを放出する必要はない。例えば、光検出器に特定ガスの測定のための所定の波長の光だけを透過させる光フィルターを取り付ける場合、光検出器は該当波長の光量だけを測定するので、該当波長だけを放出する光源を使用するのと該当波長だけを透過させる光検出器を使用することは物理的に同一である。従って、本発明の一実施例によるガス流速測定装置においては、測定対象となる特定ガスが吸収できる波長の光を照射できる光源を提供する装置であれば、その種類や構造を限定しまい。
【0062】
3.速度
1)速度の定義
速度は、運動している対象が任意のある地点から他の地点へと移動する際、移動変位と所要時間を測定し、変位量を時間に割った値として定義される物理量である。一般的に速力は移動距離を所要時間に割った値として定義されるが、1次元運動の場合、二つの物理量は、同一の概念を持つ。本発明においては、説明の便意のため、1次元運動を用い例と挙げ説明する。従って、本発明の実施例において速度と速力は同一に取り扱うことが出来るが、本発明の実施例においては速度を代表的な用語として使用する。
【0063】
速度(v)と加速度(a)の定義は各々数学式6および数学式7の通りである。
数学式6および数学式7においてvは速度、Lは変位(距離)、tは時間、aは加速度を意味する。
【0064】
2)終端速度(terminal velocity)
粒子が外力により運動すると外力が持続的に維持される場合、粒子の運動速度は持続的に増加する。また、速度に比例して抵抗力が発生する場合があって、このような抵抗力は速度が増加するほど大きくなる場合が生じ、結局、外力と抵抗力が平行をなし、粒子は等速度運動をするようになり、これを終端速度(terminal velocity)と言う。例えば、雨雲の中で作られた雨滴は重力により自由落下するように見えるが雨滴の速度が増加するに連れ、空気の抵抗が高まり重力と空気の抵抗力が平行となる時点からは等速度運動をする。
【0065】
上述のような法則を煙突からガスが排出される場合に適応すると、煙突の低い地点と高い地点との間の圧力の差により圧力が重力より大きければ、ガス分子は煙突の低い所から高い所へと移動して排出される。このようなガス分子の運動においてガス分子は圧力により速度がずっと増加するが、ガス分子速度の増加に対する周囲空気などの抵抗力が作用し、結局にはガス分子は一定の速度で移動して排出される。このような運動の方程式は、数学式8のように整理できる。即ち、ガス分子1個に対して作用する力は一定の圧力とガス分子の速度の増加に比例する抵抗力であり、二つに力は互いに反対の方向である。それにガス分子に作用する力に対する運動方程式は数学式8のように整理できる。
【0067】
数学式8においてmはガス分子の質量、vはガス分子の速度、pは圧力によりガス分子1個に作用する平均の力、βは一種の抵抗係数として定義できるが、ガス分子が他の分子と追突するために移動した平均距離(mean free path length)に反比例し、この移動距離の間所要される時間に比例する値で運動方向の反対の方向に作用するので(−)の符号を持つ。
【0068】
また、数学式8に表示した微分方程式の解を求めると、数学式の9のように表示される。
数学式9においてv
0は初期速度を意味し、v
fは終端速度を意味する。数学式9をグラフで表すと
図4の通りである。
【0069】
図4は、加速運動と抵抗力による速度の変化を表すグラフである。
図4を参考すると、速度に比例する抵抗力がある場合に初期の速度がv
0である場合、外力(例えば、ガス排出の場合は圧力)と抵抗力が作用し、最終的には終端速度であるv
fに到達されることを意味する。これをガス排出システムに適用すると、初期のガス分子は燃焼により自然にガスが発生するか(v
0<v
f)或いは強く排出されるか(v
0>v
f)、一定の時間が経つと一定の速度(即ち、終端速度)で煙突を通して排出されることを意味する。
【0070】
前記の解釈はただ煙突の初端から終端までに限定するものではない。例えば、煙突の中間に障害物があり、ガスの流れを邪魔する場合、即ち、ガスの速度に変化が生じてもそれは、すぐ一定の時間の経過後に再び終端速度として収れんすると言える。
【0071】
本発明の一実施例において終端速度に対する考慮は、本発明において提示する方法によりガスの流速を測定するに当り、物理的な攪乱を加える場合、一部のガスの速度に変化が生じる場合があり得るが、区間別速度の変化を測定することにより数学式9から終端速度を求め、ガス排出速度である終端速度を算出することに意義がある。
【0072】
4.ガス分子の光吸収を利用した選択的なガス流速測定方法
1)物理的な攪乱の発生および移動
多様な種類のガスが混合され流れる場合、ガスの流れに攪乱を発生させると移動距離により攪乱の強度が小さくなるが、ガスの流れにより攪乱は一定の距離を移動する。本発明の実施例によるガス流速測定装置および方法においては、前記のような攪乱を用いて混合されたガスの内、特定のガスだけを感知できるようし、攪乱の移動速度を測定して特定のガスだけの流速を測定する。
【0073】
本発明の実施例においては、前記の攪乱の方法により流速を測定しようとする特定のガスに対し、高濃度の支持ガスを噴射する方法とチョッパー(chopper)などを用いてガスの流れで過流を発生させる方法を例を挙げて説明する。しかし、前記の攪乱方法は本発明の技術的な思想に対する一部の実施例に過ぎないし、前記の方法以外にも多様な方法が適用できることは言うまでもない。
【0074】
図5は、本発明の一実施例によるガス流速測定方法において測定対象ガスに攪乱を生じさせる方法を表す概念図である。
図5においては測定しようとする特定のガスと同一の、高濃度の指示ガスを噴射し濃度を攪乱することを例を挙げて図示した。
【0075】
図5を参考にすると、噴射口から噴射された指示ガスは局所的高濃度を形成し、ガスの流れの方向へと移動する。ここで、指示ガスの種類は測定しようとするガスと同一であり、前記の指示ガスの濃度は前記の測定しようとする特定ガスの濃度より高い濃度を持つ。噴射された高濃度の指示ガスが任意の初地点(L1)を過ぎ、二つ目に地点(L2)へと移動する場合、たとえ指示ガスの局所的濃度は少なくなり、範囲も拡散により広まるが、それにも関わらず濃度の分布中心の移動速度は指示ガスの移動速度となる。
【0076】
従って、最初に地点(L1)から二つ目の地点(L2)の間の距離を測定し、指示ガスが最初の地点から二つ目の地点へと移動した時間を測定することにより指示ガスの移動速度を測定することが出来る。同様に指示ガスが二つ目の地点(L2)から三つ目の地点(L3)へと移動した移動速度も測定することができ、指示ガスが拡散により濃度分布がなくなるまで指示ガスの移動速度は区間別に測定することができる。
【0077】
指示ガスは測定しようとするガスと同一のガスであるため、結局指示ガスの移動速度を測定すると様々なガスが混合されたガスの中から測定しようとする特定のガスだけの移動速度を測定することが出来るようになる。
【0078】
図6は、本発明の他の実施例によるガス流速測定方法において測定対象ガスに攪乱を生じさせる方法を表す概念図である。
図6においては所定の構造物の内部を流れるガスにチョッパーなどを用いて過流を発生させることにより流れるガスの濃度を攪乱させることを例を挙げて図示している。
【0079】
図6を参考すると、チョッパーにより発生された過流は、流れるガスの濃度の攪乱を発生させ一定時間の間維持されながらガスの流れの方向へと移動する。従って上述の指示ガスの場合(
図5参照)と同様にチョッパーにより形成された下流の移動速度、即ち、濃度の攪乱速度を測定することにより混合されたガスの中から特定ガスの移動速度を測定することが出来るようになる。
【0080】
2)物理的攪乱を用いたガス移動速度測定方法
図7は本発明の一実例によるガス流速測定方法において流れるガスに攪乱が生じた後、攪乱されたガスの移動速度を測定する方法を表す概念図である。
図7では混合ガスの内、二酸化炭素の流速を測定することを例に挙げて図示し、測定過程で物理的な攪乱方法で高濃度の指示ガスを使用したものを例に挙げ図示した。
【0081】
図7を参考すると、攪乱されたガスの移動速度を測定するため、光源a、光検出器a、光源bおよび光検出器bを用いる。ここで、光源aから放出された光は、光検出器aに到達し、光検出器bには到達しない。同様に光源bから放出された光は光検出器bだけに到達し、光検出器aには到達しない。また、光源aと光検出器aの間の光経路aおよび光源bと光検出器bの間の光経路bは、互いに平行である。
【0082】
図7において光源aおよび光源bは、測定しようとする特定ガスが吸収する波長の光を放出できるように構成されるか光検出器aおよび光検出器bは上述のフィルターなどを使って蒸気の特定ガスが吸収する波長の光だけを検出できるように構成することができる。
【0083】
例えば、多様なガスが混在され流れる場合、二酸化炭素だけの流速を測定しようとする時、前記の光源aおよび光源bは二酸化炭素が吸収する波長である4.26μmの光だけを放出するか、光検出器aおよび光検出器bは4.26μmの波長を持つ光だけを検出できるように構成される。光源aおよび光源bから放出された4.26μmの波長の光は各々光検出器aおよび光検出器bに到達する過程において一部は二酸化炭素により吸収され、残りだけが光検出器aおよび光検出器bに到達する。光検出器aおよび光検出器bにおいて検出された光量は、二酸化炭素の濃度により異なってくるがこれは上述のランベルトベールの法則で説明したのと同じである。即ち、二酸化炭素の濃度が低ければ光検出器aおよびbに各々到達した光量は大きくて、反対に二酸化炭素の濃度が高いほど光検出器aおよびbに各々到達した光量は小さいだろう。
【0084】
図7に図示したように指示ガスにより形成された濃度の分布は第1地点(La)及第2地点(Lb)において各々濃度のパルスの形で各々光検出器aおよび光検出器bにおいて検知される。従って、指示ガスの濃度に応じるパルスの移動時間と光検出器aおよび光検出器bの間の離隔距離を測定することにより二酸化炭素の移動速度を測定する。
【0085】
図8は本発明の一実施例によるガス流速測定装置の構成を表す。また、
図9は
図8に図示したガス検知部のより詳細な構成および動作原理を表す概念図である。
【0086】
図8を参考すると、本発明の一実施例によるガス流速測定装置はガス処理部(110)、ガス検知部(130a、130b、130c)、制御部(150)、ディスプレー部(160)および通信インターフェース部(170)を含むことができ、製造の形によりガスガイド部(180)および固定部(190)をより含むことが出来る。
【0087】
具体的に、ガス処理部(110)は制御部(150)の制御に基づき流れるガスに物理的な攪乱を生じさせることによりガス検知部(130a、130b、130c)が発生された攪乱に基づき測定しようとする特定のガスを検知できるようにする。ここで、前記の攪乱は例えば、指示ガスの挿入や過流などによる発生することができる。
【0088】
ガス処理部(110)は、多様な形で構成することが出来る。例えば、ガス処理部(110)は、
図5に図示したように高濃度の指示ガス(ここで、該指示ガスは測定しようとするガスと同一のガスである)を噴射するガス噴射装置として構成されることもあり、
図6に図示したように流れるガスに過流を発生させるチョッパーなどで構成されることもある。
【0089】
ガス検知部(130a、130b、130c)は少なくとも一つで構成することができ、各々のガス検知部(130a、130b、130c)は測定しようとする特定ガスが吸収する波長の光を放出する少なくとも一つの光源と前記の少なくとも光源各々から放出される光に相応する前記の当光量を各々検出する少なくとも一つの光検出器を含むことが出来る。
【0090】
図8に図示した本発明の一実施例によるガス流速測定装置において、ガス検知部が3つ(即ち、130a、130b、130c)で構成されたものとして、例えて図示したが、ガス検知部の個数は3つに限定されず、多様な測定環境により追加されたりより少ない数で構成することもある。
【0091】
図8においてガス検知部(130a、130b、130c)を3つ挙げ図示した理由としては、ガス処理部(110)により攪乱が生じる場合、発生された攪乱の初期速度がガスの流れの速度と同一ではなく、攪乱がガスガイド部(180)の内部で移動しながらガスの終端速度まで到達するまで速度の変化が生じるため、このような速度を各々測定して数学式9に3つのパラメータに対する3つの方程式を導出し、方程式の解を求めることにより終端速度を求めるためである。
【0092】
しかし、各々のガス検知部(130a、130b、130c)から検出された信号に基づき測定されるガスの瞬間速度が他の要因により邪魔される場合より正確な終端速度を求めるため、より多くの速度の値が必要なこともあり得るし、このような場合にはより多くのガス検知部が設置されることになる。また、発生された攪乱が十分に維持される状態において一定の誤差範囲内で終端速度に近づく場合には単純に一つのガス検知部だけが設置されることもあり得る。
【0093】
各々のガス検知部(130a、130b、130c)は、制御部(150)の制御に基づき、特定の波長の光を放出した後、放出された光に相応して検出された光量に相応する電気信号(例えば、電圧または電流信号)を制御部(150)に提供する。
【0094】
図9を参考にガス検知部(130a、130b、130c)のより詳細な構成および動作原理を説明すると、各ガス検知部は第1光源(131)、第1光検出器(132)、第2光源(133)および第2光検出器(134)として構成できる。ここで、第1光源(131)から放出される光は第1光検出器(132)へのみ到達され、第2光検出器(134)には到達しない。また、第2光光源(133)から放出される光は第2光検出器(134)へのみ到達し、第1光検出器(132)へは到達しない。
【0095】
第1光源(131)と第1光検出器(132)の間の光の進行方向である第1光経路(135)および第2光源(133)と第2光検出器(134)の間の光の進行方向である第2光経路(136)は、ガスの流れの方向と垂直になるように第1光源(131)、第1光検出器(132)、第2光源(133)および第2光検出器(134)が配置される。
【0096】
第1光源(131)および第2光源(133)は、流速を測定しようとする特定ガスが吸収する波長帯の光又は前記の特定ガスを吸収する光だけを放出し、第1光検出器(132)および第2光検出器(134)は流速を測定しようとする特定のガスが吸収する波長帯の光又は前記の特定ガスが吸収する光だけを検出する。もし、第1光源(131)および第2光源(133)が流速を測定しようとする特定のガスが吸収する波長を含む波長帯の光を放出するのであれば、第1光検出器(132)および第2光検出器(134)は、前記の特定ガスが吸収する波長帯乃光だけを検出し、第1光源(131)および第2光源(133)が流速を測定しようとする特定ガスが吸収する波長帯の光だけを放出するのであれば、第1光検出器(132)および第2光検出器(134)は、前記の特定ガスが吸収する波長帯を含むほかの波長帯の光を検出しても構わない。
【0097】
第1光源(131)から放出された光は第1光検出器(132)へ到達する過程において第1光経路(135)を形成し、第2光源(133)から放出された光は第2光検出器(134)へ到達する過程において第2光経路(136)を形成する。そして、第1光経路(135)および第2光経路(136)は、ガスの流れの方向へ所定の距離(L
D)ほど離れていて、第1光経路(135)および第2光経路(136)は、互いに平行でガスの流れの方向と垂直である。その時、L
Dは各ガス検知部の距離L1、L2、L3に比べ十分に小さい。
【0098】
ガスの流れの中の攪乱は第1光経路(135)を過ぎ、第2光経路(136)を通過するが、その時かかる時間をt
Dとすれば、攪乱がガス検知部を通過する速度vは数学式10により算出することができる。
【0100】
ここで、vはガス検知部を通して測定される攪乱の移動速度を意味し、上述の攪乱は発生以後終端速度に到達するまで加速度を持って移動するため、をL
D図8に図示した攪乱発生地点から各検知部までの距離であるL1、L2、およびL3に比べ十分小さくすると、Vは攪乱がガス検知部を通過する瞬間速度として見なすことができる。
【0101】
制御部(150)は、ガス処理部(110)、ガス検知部(130a、130b、130c)、ディスプレー部(160)および通信インターフェース部(170)の動作を制御する。
【0102】
特に、制御部(150)は、ガス検知部(130a、130b、130c)から提供された電気信号に相応して測定しようとする特定ガスの流速を算出した後、算出された流速値をディスプレー部(160)に提供したり、通信インターフェース部(170)を通して予め決められた装置として算出された流速の値を伝送する。
【0103】
具体的に制御部(150)がガス検知部(130a、130b、130c)から提供された電気信号(即ち、検出された光量に相応する電圧又は電流)に基づき、特定ガスの終端速度を求めうる方法は下記のようである。
【0104】
先ず、ガス処理部(110)が攪乱を生じ時点をt=0において、生じた攪乱がガス処理部(110)からの距離L1に位置した第1ガス検知部(130a)に到達すると、第1ガス検知部(130a)は測定しようとする特定ガスが吸収される波長の光を放出した後、放出された光を検出し、それに相応する第1電気信号を制御部(150)に提供する。
【0105】
制御部(150)は、第1ガス検知部(130a)から提供された第1電気信号に基づき、攪乱の移動速度v1を算出し、その時の時間をt=t1と言う。
【0106】
その後、攪乱はガス処理部(110)から各々L2およびL3ほど離れた距離に位置した第2ガス検知部(130b)および第3ガス検知部(130c)は、各々第1ガス検知部(130a)と同一の方法を用い、光を検出した後、それに応じる第2電気信号および第3電気信号を制御部(150)に提供する。
【0107】
制御部(150)は、前記の第2電気信号および第3電気信号に基づき、攪乱の移動速度v2およびv3を測定すると、そのときの時間を各々t=t2およびt=t3と言う。
【0108】
ここで、ガス処理部(110)から発生させた攪乱の初期速度は0の場合もあり、0ではない場合もある。
【0109】
制御部(150)は、上述のように、測定した時間および速度(t1、v1)、(t2、v2)、(t3、v3)を用い、数学式9から終端速度を算出する。即ち、数学式9から下記の数学式11のような3元連立方程式を導出することができる。
【0111】
前記の数学式11の3元連立方程式は、自然の指数関数を含み、解を求めることが簡単ではない。従って、数学式9を積分して数学式12のように時間に対する移動距離の関数として変形する。
【0113】
また、時間に対する移動距離の関数をL(t)とすれば数学式13および数学式14のように表すことができる。
【0115】
そして、前記の数学式14を数学式13に代入して整理すると、数学式15として表現される。
【0117】
前記の数学式15にt=t1の場合、L=L1、t=t2の場合L=L2、v=v2の場合、L=L3、v=v3を代入して整理すると、数学式16のような3元連立方程式が導出される。
【0119】
そして、前記の数学式16において、A(即ち、終端速度Vf)を求めると数学式17の通りである。
【0121】
上述のように、制御部(150)は少なくとも一つのガス検知部(130a、130b、130c)から提供された光検出信号(即ち、検出された光量に相応する電気信号)に基づき、特定ガスの終端速度を測定する。
【0122】
ディスプレー部(160)は、制御部(150)の制御に基づき、ガス流速の測定値を表示する。
【0123】
通信インターフェース部(170)は、無線又有線方式の通信インターフェースとして構成され、制御部(150)の制御に基づき、ガス流速の測定値を伝送する。
【0124】
ガス流速測定装置は、製造の形によりガスガイド部(180)および固定部(190)をおより多く含むことが出来る。
【0125】
例えば、ガス流速測定装置を移動が便利な形に製造する場合、
図8に図示したようにガスガイド部(180)を含むことが出来、少なくとも一つのガス検知部(130a、130b、130c)は、前記のガスガイド部(180)の内部を流れるガスに光を放出し、放出された光を検出できる位置に設置することが出来、ガス処理部(110)は、ガスガイド部(180)の内部を流れるガスに物理的な攪乱を生じさせる位置に設置することができる。ここで、前記のガスガイド部(180)は、両端が開放された形で形成することができ、両端のガスの流れの断面積が同一でガスガイド部(180)内部のガスの流れの圧力がガスガイド部(180)が外部のガスの流れの圧力と同一にするとガスガイド部の形は制限がない。
【0126】
また、ガス流速測定装置が移動が可能な形として製造される場合、ガス流速測定装置は、前記のガスガイド部を煙突などのようなガス測定を望む位置に固定する固定部(190)をより多く含むことができる。
【0127】
図10は、本発明の一実施例によるガス流速測定方法を表すフローチャートとして、3つのガス検知部を用いて、特定ガスの流速を測定する場合を例を挙げて図示した。
【0128】
図10を参考すると、先ずガス処理部は時間t0において流れるガスに攪乱を生じさせる(段階210)。ここで、前記の攪乱は例えば、指示ガスの挿入や過流などにより発生できる。
【0129】
その後、ガス処理部から離れた距離L1に位置した第1ガス検知部は時間t1において測定しようとするガスが吸収する波長の光を放出および検出してそれに応じる第1電気信号を制御部に提供し、制御部は前記の第1電気信号に基づき速度v1を算出する(段階220)。
【0130】
また、攪乱されたガスの流れによるガス処理部から離れた距離L2に位置した第2ガス検知部は時間t2において測定しようとするガスが吸収する波長の光を放出および検出してそれに応じる第2電気信号を制御部に提供し、制御部は前記の第2電気信号に基づき速度v2を算出する(段階230)。
【0131】
また、攪乱されたガスの流れによりガス処理部から離れた距離L3に位置した第3ガス検知部は、時間t3において測定しようとするガスが吸収する波長の光を放出および検出して、それに相応する第3電気信号を制御部に提供し、制御部は前記の第3電気信号に基づき速度v3を算出する(段階240)。
【0132】
その後、制御部は段階220乃至240の遂行により算出した時間および速度(t1、v1)、(t2、v2)、(t3、v3)を用い、数学式9から測定しようとする特定ガスの終端速度を算出する(段階250)。
【0133】
図10においては3つの速度検知部から提供された信号に基づき、特定ガスの速度を算出することを例を挙げて図示したが、
図8において記述したようにガス検知部の個数は3つに限定されず、多様な測定環境により追加されたり、より少ない数で構成できるため、
図10に図示した段階220ないし段階240の遂行の可否もガス検知部の個数に応じて遂行の可否決定される。例えば、ガス処理部において発生させた攪乱が十分に維持される状態で一定の誤差範囲内で終端速度に近づく場合には単純に一つのガス検知部だけで特定ガスの終端速度を算出することが出来、それによって
図10の段階230ないし段階250は遂行されないように構成することも可能である。
【0134】
以下、上述のような本発明の実施例によるガス流速測定装置およびガス流速測定方法を用いて混合ガスの内、二酸化炭素を測定する過程を例を挙げて説明する。
【0135】
二酸化炭素(CO
2)は炭素を含んでいる燃料の燃焼により発生する。例えば大気(O2+N2)を用いてメタノール(CH
4)を燃焼する場合前記の反応式1が成立される。
【0136】
メタンが燃焼された後、煙突を通して放出されるガスは二酸化炭素、水蒸気および燃焼に関わらない窒素が放出される。もし、メタンが不完全燃焼すると、二酸化炭素以外に一酸化炭素が追加で発生し、燃焼温度がとても高い場合、窒素も燃焼に参加し、窒素酸化物(NO
X)も放出される。なお、燃焼に参加しないで残った残存酸素も放出するようになる。
【0137】
一般的にメタンを燃焼させる場合、排気ガスは二酸化炭素、水蒸気、窒素、酸素、一酸化炭素および窒素酸化物が放出され、各ガスは煙突を通して排出される。これは、上述のように各ガスの分子量の差によるものである。
【0138】
二酸化炭素は4.26μmの赤外線に対し、強い吸収性を持つ。従って、ガス検知部の光源と光検出器は4.26μmの波長の赤外線を放出し、放出された光を検出するのであれば、二酸化炭素だけの移動速度を測定することができる。また、全体ガスの内、二酸化炭素の濃度を測定し二酸化炭素の排出量を算出する。
【0139】
以上実施例を参考に説明をしたが、前記の当技術分野の熟練された当業者は下記の特許請求の範囲に記載された本発明の思想および領域から離れない範囲内において、本発明を多様に修正および変更することが出来ることを理解できると思う。