特許第5923558号(P5923558)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5923558光路の切り換えが可能な光学震動防止機構
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5923558
(24)【登録日】2016年4月22日
(45)【発行日】2016年5月24日
(54)【発明の名称】光路の切り換えが可能な光学震動防止機構
(51)【国際特許分類】
   G03B 5/00 20060101AFI20160510BHJP
   G03B 17/17 20060101ALI20160510BHJP
   H04N 5/232 20060101ALI20160510BHJP
【FI】
   G03B5/00 J
   G03B17/17
   H04N5/232 Z
【請求項の数】9
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2014-131271(P2014-131271)
(22)【出願日】2014年6月26日
(65)【公開番号】特開2015-11353(P2015-11353A)
(43)【公開日】2015年1月19日
【審査請求日】2014年6月26日
(31)【優先権主張番号】102123439
(32)【優先日】2013年7月1日
(33)【優先権主張国】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】505259022
【氏名又は名称】台湾東電化股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100076233
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 進
(74)【代理人】
【識別番号】100101661
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 靖
(74)【代理人】
【識別番号】100135932
【弁理士】
【氏名又は名称】篠浦 治
(72)【発明者】
【氏名】胡 朝彰
(72)【発明者】
【氏名】翁 智偉
【審査官】 小倉 宏之
(56)【参考文献】
【文献】 特開平02−183216(JP,A)
【文献】 特開平07−104335(JP,A)
【文献】 特開2008−242207(JP,A)
【文献】 特開2000−010139(JP,A)
【文献】 特表2009−526257(JP,A)
【文献】 特開2010−145575(JP,A)
【文献】 特開平07−234191(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/077772(WO,A1)
【文献】 特開2009−265415(JP,A)
【文献】 特開2010−176073(JP,A)
【文献】 特開2007−206660(JP,A)
【文献】 特開2008−124763(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 5/00
G03B 19/12
H04N 5/232
G03B 17/17
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光路の切り換えが可能な光学震動防止装置は、光学システム中に設置され、
前記光学システムは、前記光学震動防止装置、光学レンズモジュール、前記光学レンズモジュールに対応するイメージピックアップモジュール、及び少なくとも2個異なる入射窓を備え、
前記少なくとも2個の入射窓から前記光学システムへと入射する光線は、少なくとも2個の異なる方向の光路を有すると定義され、
前記光学震動防止装置は、震動防止装置、スイッチ機構を備え、
前記震動防止装置は、光路調整部品、双軸回転部品及び駆動モジュールを備え、前記光路調整部品は、前記光学レンズモジュールに対応し、前記光路調整部品は、前記双軸回転部品上に設置され、それぞれ光路から来る光を調整し、前記光学レンズモジュールへと投射し、前記双軸回転部品は、少なくとも第一軸方向と第二軸方向上において、限定された幅の旋回運動を行い、前記駆動モジュールは、前記双軸回転部品に連結し、前記双軸回転部品を駆動し、前記第一軸方向と前記第二軸方向上で、前記限定された幅の旋回運動を行い、
前記スイッチ機構は、前記震動防止装置を搭載し、及び前記震動防止装置を光路調整部品と共に切り換え運動を行い、前記2個の異なる方向の光路の内の一つに位置する光線は、前記光路調整部品を通して屈折してスイッチされ、こうして、前記光学レンズモジュールを経由して、前記イメージピックアップモジュール上に投射され、
前記スイッチ機構は、固定部、回転部及び駆動装置を備え、前記回転部は、前記固定部の上に可動自在に接続され、前記回転部には、前記震動防止装置が搭載され、前記固定部と前記回転部との間に位置し、さらに、前記固定部上に固定する前記駆動装置に連動して前記回転部を旋回させ、
前記固定部上には弧状の導引槽が設置され、前記回転部上には突起である定位ブロックが設置され、さらに、前記定位ブロックは前記導引槽内に嵌め入れ、前記導引槽中でスライドを行わせ、こうして前記回転部は前記固定部上に相対して所定の角度の旋回を呈し、前記定位ブロックは、前記導引槽中の2個のエンドポイントにおいて移動し、2個の光路の移動路線とそれぞれ重なる
ことを特徴とする光路の切り換えが可能な光学震動防止機構。
【請求項2】
前記双軸回転部品は、薄い弾片で、
前記薄い弾片は、外枠部、中枠部、及び内板部を備え、
前記内板部は、前記光路調整部品が結合され、さらに、前記内板部上に前記第一軸方向と前記第二軸方向とを定義し、
前記中枠部は、前記内板部外周辺部を取り囲み、さらに、前記中枠部と前記内板部との間に、前記内板部外周辺部を取り囲む少なくとも1個の第一貫通溝、及び前記第一軸方向上に位置する2個の第一連接端を設置され、前記内板部は、前記2個の第一連接端により、前記中枠部に連結され、
前記外枠部は、前記中枠部外周囲を取り囲み、さらに、前記外枠部と前記中枠部との間に、前記中枠部外周辺部を取り囲む少なくとも1個の第二貫通溝、及び前記第二軸方向上に位置する2個の第二連接端が設置され、前記中枠部は、前記2個の第二連接端により前記外枠部に連結されることを特徴とする請求項1に記載の光路の切り換えが可能な光学震動防止機構。
【請求項3】
前記駆動モジュールは、電磁駆動モジュールで、さらに、少なくとも内搭載フレーム、外搭載フレーム、少なくとも1個の第一磁石、少なくとも1個の第二磁石、少なくとも1個の第一コイル、及び少なくとも1個の第二コイルを備え、
前記内搭載フレームは、前記内板部上に結合され、それと連動し、さらに、前記外搭載フレームは、前記外枠部上に結合され、さらに、動かない部品であって、
前記第一磁石と前記第一コイルの内のどちらかは、前記内搭載フレーム上に設置され、もう一方は、前記外搭載フレーム上に設置され、
前記第一コイルに通電することで電磁力を発生し、前記内搭載フレームを押して前記内板部を連動し、前記第一軸方向に沿って旋回運動を行わせることができ、
前記第二磁石と前記第二コイルの内のどちらかは、前記内搭載フレーム上に設置され、もう一方は、前記外搭載フレーム上に設置され、
前記第二コイルに通電することで電磁力を発生し、前記内搭載フレームを押して前記内板部を連動し、前記第二軸方向に沿って旋回運動を行わせることができることを特徴とする請求項2に記載の光路の切り換えが可能な光学震動防止機構。
【請求項4】
前記内搭載フレームは、楔形枠フレーム構造で、前記内板部に連接する矩形の第一接触部、及び前記矩形第一接触部の4個の辺から前記内板部から離れる方向へとそれぞれ延伸する4個の第一側面を備え、
前記4個の第一側面の内の2個の側面は、相互に対応する三角形を呈し、さらに、相互に平行で、別の2個の側面は、矩形を呈し、さらに、相互に垂直を呈して繋がり、さらに、
前記各第一側面上には、第一収容設置台がそれぞれ設置され、
前記外搭載フレームは、楔形枠フレーム構造で、前記外枠部に連接する、矩形の第二接触部、及び前記矩形の第二接触部の4個の辺から、前記外枠部から離れる方向へとそれぞれ延伸する4個の第二側面を備え、
前記4個の第二側面の内の2個の側面は、相互に対応する三角形を呈し、さらに、相互に平行で、別の2個の側面は、矩形を呈し、さらに、相互に垂直を呈して繋がり、さらに、前記各第二側面上には、それぞれ第二収容設置台が設置され、
前記第一磁石は、前記内搭載フレームの三角形第一側面の第一収容設置台上に設置され、前記第一コイルは、第一回路板を通して前記外搭載フレームの三角形第二側面の第二収容設置台上に設置され、
前記第二磁石は、前記内搭載フレームの矩形第一側面の第一収容設置台上に設置され、前記第二コイルは、第二回路板を通して、前記外搭載フレームの矩形第二側面の第二収容設置台上に設置されていることを特徴とする請求項3に記載の光路の切り換えが可能な光学震動防止機構。
【請求項5】
前記震動防止装置はさらに、震動探知モジュール、位置探知モジュール、コントロールモジュールを備え、
前記震動探知モジュールは、前記光学レンズモジュール上に設置され、前記光学レンズモジュールの震動量を探知し、
前記位置探知モジュールは、前記駆動モジュール上に設置され、前記双軸回転部品の、前記第一軸方向と前記第二軸方向上における旋回量を探知し、
前記コントロールモジュールは、前記震動探知モジュール、前記位置探知モジュール及び前記駆動モジュールに連接し、前記震動探知モジュールが探知した光学レンズモジュール震動量、及び前記位置探知モジュールが探知した前記双軸回転部品の旋回量に基づき、前記駆動モジュールをコントロールし、前記双軸回転部品を駆動して旋回させ、こうして光学レンズモジュールの震動がもたらした光路の不安定状態を補正することを特徴とする請求項3に記載の光路の切り換えが可能な光学震動防止機構。
【請求項6】
前記位置探知モジュールは、第一コイル中央に設置され、さらに、第一磁石に対応する第一感磁部品、及び第二コイル中央に設置され、さらに、第二磁石に対応する第二感磁部品を備え、
前記第一及び第二感磁部品は、磁力線の変化を探知でき、前記コントロールモジュールは、前記双軸回転部品の旋回量を計算し、
さらに、前記光路調整部品は、内板部の前記平面上に設置された楔形プリズム、或いは内板部の前記平面上に設置された光反射層の内の一つであることを特徴とする請求項5に記載の光路の切り換えが可能な光学震動防止機構。
【請求項7】
前記固定部は、一定の磁力機能を備える継鉄により構成され、
前記回転部は、磁石、或いは前記磁石を備えるキャリアにより構成されていることを特徴とする請求項1に記載の光路の切り換えが可能な光学震動防止機構。
【請求項8】
前記駆動装置はさらに、少なくとも1個のローリングボール、摩擦部品、及び圧電部品を備え、
前記ローリングボールは、前記固定部と前記回転部との間の所定位置に位置し、さらに、前記固定部及び前記摩擦部品とそれぞれ相互に接触し、
前記摩擦部品は、前記回転部の上に設置され、前記固定部上に設置された前記圧電部品と相互に対応し、前記圧電部品を通して、前記摩擦部品を連動し線性運動を行わせ、これにより前記回転部上の前記震動防止装置が回転を生じると、2個の異なる前記光学レンズモジュール上の光路は、前記光路調整部品を通して切り換えを行い、
前記摩擦部品は、セラミック材料により構成されることを特徴とする請求項7に記載の光路の切り換えが可能な光学震動防止機構。
【請求項9】
前記駆動装置はさらに、少なくとも1個の磁石、及び複数のコイルを備え、
前記磁石は、複数のNS磁極により構成され、前記回転部の上に設置され、前記複数のコイルは、特殊製造工程により、単一部品とし、前記固定部の上に設置され、前記磁石と相互に対応することを特徴とする請求項7に記載の光路の切り換えが可能な光学震動防止機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は光路の切り換えが可能な光学震動防止機構に関し、特にスイッチ機構を運用し震動防止装置を駆動して切り換えを行い、二つの光路の内の一つを光学レンズモジュールを経由してイメージピックアップモジュール上に投射する光路の切り換えが可能な光学震動防止機構に関する。
【背景技術】
【0002】
カメラ或いはビデオカメラ等の光学レンズユニット及びイメージピックアップモジュールにより構成する光学システムにおいては、外力、或いはカメラやビデオカメラを手で持つ際の震えにより、しばしば光路の震動変位を招く。
【0003】
これにより、イメージピックアップモジュール上の結像は不安定となり、こうして撮影した画像がぶれるといった事象が起こる。
【0004】
上記問題に対して、最もよく用いられる解決手段は、例えば、特許文献1に開示されるような手ブレ補正装置の技術が知られ、震動により起きるイメージがぼやける現象に対する補正メカニズムを提供するものである。
【0005】
これにより、撮影された画像をクリアにするもので、この種の補正メカニズムは、デジタル補正メカニズム或いは光学補正メカニズムとも呼ばれる。
【0006】
デジタル補正メカニズムとは、イメージピックアップモジュールがピックアップしたデジタルイメージデータに対して分析と処理を行い、これにより、比較的クリアなデジタルイメージを獲得することができる。
【0007】
このような方式は、デジタル震動防止メカニズムとも呼ばれる。
【0008】
光学補正メカニズムでは、通常は、光学レンズユニット或いはイメージピックアップモジュール上に震動補正装置を設置する。
【0009】
このような方式は、光学震動防止メカニズムとも呼ばれる。
【0010】
震動補正装置は、光学レンズユニット内の光学部品の震動過程における変位量を主に探知し、駆動装置を使用し、光路をその最良の状態に調整して戻す。
【0011】
これにより、震動によるイメージのぼやけを回避する。
【0012】
現在市販されているノート型コンピューター、タブレットPC、及びスマートフォン等のデジタル製品が内蔵するカメラ機能の多くは、単一レンズを主とする。
【0013】
ハイエンドのデジタル製品の中には、ダブルレンズを備えるイメージモジュールもあるが、ダブルレンズのイメージモジュールを備えるデジタル製品において、そのダブルレンズのイメージモジュールは、異なる光路上に位置する。
【0014】
例えば、スマートフォンの前、後レンズ或いはタブレットPCの前、後レンズのイメージピックアップルートは、おおよそ180度反対方向の異なる光路を呈する。
【0015】
よって、しばしば2組のイメージピックアップモジュールを使用し、異なる二つのルートのイメージをそれぞれ読み取り、後続のイメージ処理を行わなければならない。
【0016】
これでは、コンパクトで軽量との次世代デジタル製品の特色要求に応えることができないばかりか、ダブルレンズの効果を発揮することもできず、さらに、製造コストが増大してしまうという課題があった。
【0017】
そのため、いかにして、スイッチ機構を通して、二つの異なる光路で読み取ったイメージデータに対して、同一のイメージピックアップモジュールによりイメージ処理を行い、同時に、光学震動防止装置を用いて、写真撮影或いはビデオ撮影時のカメラの震動がもたらす変位量誤差をいかに補正するかは、業界にとって解決が早急に望まれる課題となっている。
【0018】
そこで、本発明は、従来のイメージモジュールの上記の課題に鑑みてなされたもので、その目的とするところはスイッチ機構を使用することで、震動防止装置を駆動し、異なる光路を、光学レンズモジュールを経由して、イメージピックアップモジュール上に投射させるスイッチの目的を達成する光路の切り換えが可能な光学震動防止機構を提供することである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0019】
【特許文献1】特開2011−244028号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
ところで、現在市販されているノート型コンピューター、タブレットPC、及びスマートフォン等のデジタル製品が内蔵するカメラ機能の多くは、単一レンズを主とする。
【0021】
ハイエンドのデジタル製品の中には、ダブルレンズを備えるイメージモジュールもあるが、ダブルレンズのイメージモジュールを備えるデジタル製品において、そのダブルレンズのイメージモジュールは、異なる光路上に位置する。
【0022】
例えば、スマートフォンの前、後レンズ或いはタブレットPCの前、後レンズのイメージピックアップルートは、おおよそ180度反対方向の異なる光路を呈する。
【0023】
よって、しばしば2組のイメージピックアップモジュールを使用し、異なる二つのルートのイメージをそれぞれ読み取り、後続のイメージ処理を行わなければならない。
【0024】
これでは、コンパクトで軽量との次世代デジタル製品の特色要求に応えることができないばかりか、ダブルレンズの効果を発揮することもできず、さらに、製造コストが増大してしまうという課題があった。
【0025】
そのため、いかにして、スイッチ機構を通して、二つの異なる光路で読み取ったイメージデータに対して、同一のイメージピックアップモジュールによりイメージ処理を行い、同時に、光学震動防止装置を用いて、写真撮影或いはビデオ撮影時のカメラの震動がもたらす変位量誤差をいかに補正するかは、業界にとって解決が早急に望まれる課題となっている。
【0026】
そこで、本発明は、従来のイメージモジュールの上記課題に鑑みてなされたもので、その目的とするところはスイッチ機構を使用することで、震動防止装置を駆動し、異なる光路を、光学レンズモジュールを経由して、イメージピックアップモジュール上に投射させるスイッチの目的を達成する光路の切り換えが可能な光学震動防止機構を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0027】
上記課題を解決するため、本発明は下記の光路の切り換えが可能な光学震動防止機構を提供する。
【0028】
光路の切り換えが可能な光学震動防止装置は、光学システム中に設置され、前記光学システムは、前記光学震動防止装置、光学レンズモジュール、前記光学レンズモジュールに対応するイメージピックアップモジュール、及び少なくとも2個異なる入射窓を備え、前記少なくとも2個の入射窓から前記光学システムへと入射する光線は、少なくとも2個の異なる方向の光路を有すると定義され、前記光学震動防止装置は、震動防止装置、スイッチ機構を備え、前記震動防止装置は、光路調整部品、双軸回転部品及び駆動モジュールを備え、前記光路調整部品は、前記光学レンズモジュールに対応し、前記光路調整部品は、前記双軸回転部品上に設置され、それぞれ光路から来る光を調整し、前記光学レンズモジュールへと投射し、前記双軸回転部品は、少なくとも第一軸方向と第二軸方向上において、限定された幅の旋回運動を行い、前記駆動モジュールは、前記双軸回転部品に連結し、前記双軸回転部品を駆動し、前記第一軸方向と前記第二軸方向上で、前記限定された幅の旋回運動を行い、前記スイッチ機構は、前記震動防止装置を搭載し、及び前記震動防止装置を光路調整部品と共に切り換え運動を行い、前記2個の異なる方向の光路の内の一つに位置する光線は、前記光路調整部品を通して屈折してスイッチされ、こうして、前記光学レンズモジュールを経由して、前記イメージピックアップモジュール上に投射され、前記スイッチ機構は、固定部、回転部及び駆動装置を備え、前記回転部は、前記固定部の上に可動自在に接続され、前記回転部には、前記震動防止装置が搭載され、前記固定部と前記回転部との間に位置し、さらに、前記固定部上に固定する前記駆動装置により、前記回転部を連動して旋回させ、前記固定部上には弧状の導引槽が設置され、前記回転部上には突起である定位ブロックが設置され、さらに、前記定位ブロックは前記導引槽内に嵌め入れ、前記導引槽中でスライドを行わせ、こうして前記回転部は前記固定部上に相対して所定の角度の旋回を呈し、前記定位ブロックは、前記導引槽中の2個のエンドポイントにおいて移動し、2個の光路の移動路線とそれぞれ重なる。
【発明の効果】
【0029】
本発明の光路の切り換えが可能な光学震動防止機構は、スイッチ機構を使用することで、震動防止装置を駆動し、異なる光路を、光学レンズモジュールを経由して、イメージピックアップモジュール上に投射させるスイッチの目的を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明光路の切り換えが可能な光学震動防止機構の第一実施形態を光学システムに設置する様子を示す実施形態図である。
図2】本発明光路の切り換えが可能な光学震動防止機構の第一実施形態中の双軸定位部品、内搭載フレームと磁石を組合せ後の立体視図(底視方向)図である。
図3】本発明光路の切り換えが可能な光学震動防止機構の第一実施形態中の双軸定位部品、内搭載フレームと磁石を組合せ後の立体視図(頂視方向)図である。
図4】本発明光路の切り換えが可能な光学震動防止機構の第一実施形態を光学システム中に設置する様子の側面方向における透視模式図である。
図5】本発明光路の切り換えが可能な光学震動防止機構の第一実施形態の磁石、コイル、回路板と感磁部品の相互に対応位置の模式図である。
図6】本発明光路の切り換えが可能な光学震動防止機構の第一実施形態から派生した別種の実施形態を光学システム中に設置する様子の側面方向における透視模式図である。
図7】本発明光路の切り換えが可能な光学震動防止機構の第一実施形態のスイッチ機構の立体分解模式図である。
図8】本発明光路の切り換えが可能な光学震動防止機構の第二実施形態の側視模式図である。
図9】本発明光路の切り換えが可能な光学震動防止機構の第二実施形態のスイッチ機構の立体分解模式図である。
図10】本発明光路の切り換えが可能な光学震動防止機構の第一実施形態の応用状態模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下に図面を参照しながら本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
【0032】
本発明の光路の切り換えが可能な光学震動防止機構は、主に光学システム中に設置される。
【0033】
該光学システムは、少なくとも2個の異なる入射窓を備え、該少なくとも2個の入射窓から該光学システムへと入射する光線が少なくとも2個の異なる方向の光路を有すると定義される。
【0034】
該光学システムは、該光学震動防止機構スイッチ機構を運用し、震動防止装置を駆動し、2個の異なる光路の内の一ヶ所から入射する光を、光学レンズモジュールを経由して、イメージピックアップモジュール上に投射する。
【0035】
本発明光路の切り換えが可能な光学震動防止機構の第一実施形態は、図1〜5に示す。
【0036】
図1は、本発明光路の切り換えが可能な光学震動防止機構の第一実施形態を光学システムに設置する様子を示す実施形態図である。
【0037】
図2は、本発明光路の切り換えが可能な光学震動防止機構の第一実施形態の双軸定位部品、内搭載フレームと磁石を組合せ後の立体視図(底視方向)である。
【0038】
図3は、本発明光路の切り換えが可能な光学震動防止機構の第一実施形態中の双軸定位部品、内搭載フレームと磁石を組合せ後の立体視図(頂視方向)である。
【0039】
図4は、本発明光路の切り換えが可能な光学震動防止機構の第一実施形態を光学システムに設置する様子の側面方向における透視模式図である。
【0040】
図5は、本発明光路の切り換えが可能な光学震動防止機構の第一実施形態の磁石、コイル、回路板と感磁部品の相互に対応位置の模式図である。
【0041】
図1に示すように、本発明光路の切り換えが可能な光学震動防止機構1は、光学システム中に設置する。
【0042】
該光学システムは、該光学震動防止機構1、少なくとも1個の光学レンズモジュール2、イメージピックアップモジュール3、及び異なる方向に位置する少なくとも2個の入射窓81、82を備える。
【0043】
該少なくとも2個の入射窓81、82から、該光学システム中へと入射した光線は、少なくとも2組の異なる光路A、Bを備えているものとする。
【0044】
これにより、異なる位置の外界物体のイメージを読み取り、該光学レンズモジュール2を通して、該イメージピックアップモジュール3上に結像される。
【0045】
本発明の第一実施形態中において、該光学レンズモジュール2は、複数のレンズを備える固定フォーカス或いは変動フォーカスレンズである。
【0046】
該イメージピックアップモジュール3は、電荷結合素子(CCD)或いは相補性金属酸化膜半導体(CMOS)等の感光部品により構成するイメージセンサーを備えることができる。
【0047】
該光学レンズモジュール2は、2個の光路A、Bの内の一つが投射する外界物体のイメージを、イメージピックアップモジュール3の感光部品上に結像する。
【0048】
該イメージピックアップモジュール3は、イメージ光をコンピューターが判読可能なデジタルイメージデータに転換し、デジタルカメラ或いはデジタルビデオカメラの機能に提供する。
【0049】
上記の光学レンズモジュール2とイメージピックアップモジュール3は、共に、既存の従来の技術中から選択して使用でき、本発明の技術特徴ではないため、その構成について記述しない。
【0050】
本発明の第一実施形態中において、本発明の光路の切り換えが可能な光学震動防止機構1は、2個の光路A、B(入射窓81、82)と該光学レンズモジュール2との間に設置されている。
【0051】
図1に示すように、本発明の光路の切り換えが可能な光学震動防止機構1の第一実施形態において、該光路の切り換えが可能な光学震動防止機構1は、震動防止装置10、スイッチ機構20、震動探知モジュール30、位置探知モジュール40、及びコントロールモジュール50を備える。
【0052】
該震動防止装置10は、光路調整部品11、双軸回転部品12、及び駆動モジュール13を備える。
【0053】
該光路調整部品11は、それぞれ、2個の光路A、Bの内の一つの上に位置しており、該光学レンズモジュール2に対応している。
【0054】
さらに、該光路調整部品11は、該双軸回転部品12上に設置され、光路A、Bの内の一つ上から届くイメージ光を調整し、該光学レンズモジュール2に投射し、こうしてイメージ光が該イメージピックアップモジュール3の上に結像される。
【0055】
該双軸回転部品12は、光路A、Bの内の一つの上に設置され、少なくとも第一軸方向91と第二軸92において、上方へと、限定された幅の旋回運動を行う。
【0056】
図2に示すように、本発明の第一実施形態中において、該双軸回転部品12は、矩形の薄い弾片であり、該薄い弾片が2個の側辺を備え、さらに外枠部121、中枠部122、及び内板部123を備えている。
【0057】
該内板部123は、一方の光路(入射窓)に向かう平面を備えており、そして、該平面上で該第一軸方向91と該第二軸方向92が定義される。
【0058】
該中枠部122は、該内板部123の外周辺部を取り囲み、さらに、中枠部122と内板部123との間には、該内板部123の外周辺部を取り囲む少なくとも1個の第一貫通溝1231、及び該第一軸方向91上に位置する2個の第一連接端1232が設置される。
【0059】
該2個の第一連接端1232は、該内板部123の相対する2個の側辺上にそれぞれ位置し、さらに、実質上、第一貫通溝1231を2個のU字形の第一貫通溝1231に区画されて、該内板部123が該2個の第一連接端1232により、中枠部122に連結されている。
【0060】
該外枠部121は、該中枠部122の外周辺部を取り囲み、さらに、外枠部121と中枠部122との間には、中枠部122の外周辺部を取り囲む少なくとも1個の第二貫通溝1221、及び該第二軸方向92上に位置する2個の第二連接端1222が設置される。
【0061】
該2個の第二連接端1222は、中枠部122の相対する2個の側辺上にそれぞれ位置し、実質上、第二貫通溝1221を2個のU字形の第二貫通溝1221に区画されて、該中枠部122が該2個の第二連接端1222により、外枠部121に連結されている。
【0062】
すなわち、該2個の第一連接端1232と該2個の第二連接端1222は、それぞれが相対する方式で、矩形の薄い弾片の4個の側辺にそれぞれ位置している。
【0063】
薄い弾片そのものの弾性により、該内板部123が該2個の第一連接端1232を軸として、該外枠部121に相対し、該第一軸方向91上の小幅な旋回運動を行うことができる他、該内板部123が該2個の第二連接端1222を軸として、該外枠部121に相対し、該第二軸方向92上の小幅な旋回運動を行うこともでき、双軸回転部品12の機能を達成する。
【0064】
上記したように、本発明は薄い弾片上にトレンチを形成する方式により、特殊な多枠フレーム構造を形成し、構造が簡単で、コンパクトで、コストが低く、さらに、組み立て不要な双軸回転部品12を形成することができる。
【0065】
図1〜5に示すように、該駆動モジュール13は、該双軸回転部品12に連結し、該双軸回転部品12を駆動し、該第一軸方向91と該第二軸方向92上で、該限定された幅の旋回運動を行う。
【0066】
本実施形態において、該駆動モジュール13は、電磁駆動モジュールであって、少なくとも内搭載フレーム131、外搭載フレーム132、少なくとも1個の第一磁石133、少なくとも1個の第二磁石134、少なくとも1個の第一コイル135、及び少なくとも1個の第二コイル136を備える。
【0067】
該内搭載フレーム131が該内板部123の底面上に結合されており、それと連動する部品であって、該外搭載フレーム132が該外枠部121の底面上に結合されており動かない部品である。
【0068】
第一磁石133と第一コイル135の内のどちらかは、該内搭載フレーム131上に設置され、もう一方は、該外搭載フレーム132上に設置されている。
【0069】
本実施形態において、内搭載フレーム131は、2個の第二連接端1222に近い両側辺上に第一磁石133がそれぞれ設置されている。
【0070】
外搭載フレーム132は、2個の第二連接端1222に近い両側辺上で、第一磁石133に対応する位置に、それぞれ第一コイル135が設置されている。
【0071】
該2個の第一コイル135に通電することで、電磁力を発生させ該内搭載フレーム131上の2個の第一磁石133を押し動かし、該内板部123を連動して、該第一軸方向91に沿って旋回運動を行わせることができる。
【0072】
該第二磁石134と第二コイル136の内のどちらかは、該内搭載フレーム131上に設置され、もう一方は、該外搭載フレーム132上に設置されている。
【0073】
本実施形態において、内搭載フレーム131は、2個の第一連接端1232に近い両側辺上に、第二磁石134がそれぞれ設置されている。
【0074】
そして、外搭載フレーム132は、2個の第一連接端1232に近い両側辺上で、第二磁石134に対応する位置に、第二コイル136がそれぞれ設置されている。
【0075】
該第二コイル136に通電することで、電磁力を発生させ、該内搭載フレーム131上の2個の第二磁石134を押し動かし、該内板部123を連動して、該第二軸方向92に沿って旋回運動を行わせることができる。
【0076】
該内搭載フレーム131は、楔形枠フレーム構造で、該内板部123の底面に連接する矩形の一第一接触部1311、及び該矩形第一接触部1311の4個の辺から該内板部123から離れる方向へとそれぞれ延伸する4個の第一側面1312a、1312bを備える。
【0077】
該4個の第一側面の内の2個の側面1312aが相互に対応して直角三角形を呈し、かつ、相互に平行となっており、別の2個の側面1312bが矩形を呈し、かつ、相互に垂直を呈して繋がっている。
【0078】
そして、各第一側面1312a、1312b上には、第一収容設置台1313がそれぞれ設置されている。
【0079】
該外搭載フレーム132は、楔形枠フレーム構造で、該外枠部121の底面に連接する矩形の第二接触部1321、及び該矩形の第二接触部1321の4個の辺から、該外枠部121から離れる方向へとそれぞれ延伸する4個の第二側面1322a、1322bを備える。
【0080】
該4個の第二側面1322a、1322bの内の2個の側面1322aが相互に対応して直角三角形を呈し、かつ、相互に平行で、別の2個の側面1322bが矩形を呈し、かつ、相互に垂直を呈して繋がっている。
【0081】
そして、各第二側面1322a、1322b上には、それぞれ第二収容設置台1323が設置されている。
【0082】
本発明の第一実施形態中において、該第一磁石133は、該内搭載フレーム131の三角形第一側面1312aの第一収容設置台1313上に設置され、該第一コイル135は、第一回路板1351を通して該外搭載フレーム132の三角形第二側面1322aの第二収容設置台1323上に設置されている。
【0083】
該第二磁石134は、該内搭載フレーム131の矩形第一側面1312bの第一収容設置台1313上に設置されている。該第二コイル136は、第二回路板1361を通して、該外搭載フレーム132の矩形第二側面1322bの第二収容設置台1323上に設置されている。
【0084】
上記に示すように、本発明は、直角側辺を備える楔形枠フレームの独特の内、外搭載フレーム131、132構造により、該各永久磁石133、134とコイル135、136とを設置して定位する。
【0085】
これにより、デジタルカメラ或いはデジタルビデオカメラ等の光学システム中に、非常に簡単に設置できる他、構造が簡単で、組み立てが容易で、コンパクトで、さらに、コストが低い電磁駆動装置を提供することができる。
【0086】
本発明の第一実施形態中において、該光路調整部品11は、双軸回転部品12の内板部123の該平面上に設置され、2個の光路A、B上の光をそれぞれ調整して、該光学レンズモジュール2へと投射し、こうして該イメージピックアップモジュール3へと投射する。
【0087】
図1に示す第一実施形態において、該光路調整部品11は、内板部123の該平面上の楔形プリズムに設置され、該楔形プリズムにより、左、右(前、後)両側の2個の光路A、B(入射窓81、82)の内の一つから来るイメージ光を、90度角の方向に屈折させた後、該光学レンズモジュール2に投射し、さらに該イメージ光を、該イメージピックアップモジュール3へと投射する。
【0088】
図6は、本発明光路の切り換えが可能な光学震動防止機構の第一実施形態から派生した別種の実施形態を光学システム中に設置する様子の側面方向における透視模式図である。
【0089】
図6に示すように、本発明第一実施形態から派生した別種の実施形態中では、該光路調整部品11を内板部123の該平面上に塗布する光反射層1239とすることができる。
【0090】
同様に、該光反射層1239により、左、右(前、後)両側の2個の光路A、B(入射窓81、82)の内の一つから来るイメージ光を、90度角の方向に屈折させた後、該光学レンズモジュール2に投射し、さらに該イメージ光を、該イメージピックアップモジュール3へと投射し、2個の光路A、Bを切り換えて調整する機能を達成することができる。
【0091】
図7は、本発明光路の切り換えが可能な光学震動防止機構の第一実施形態のスイッチ機構の立体分解模式図である。
【0092】
図7に合わせて図4に示すように、該スイッチ機構20は、固定部201、回転部202及び駆動装置203を備える。
【0093】
該固定部201は、一定の磁力機能を備える継鉄により構成する。
【0094】
該回転部202は、磁石或いは該磁石を備えるキャリアにより構成され、該回転部202が可動接続軸2021を通して、該固定部201の中心柱2011上に可動接続されている。
【0095】
そして、該回転部202の第一表面2022には、該震動防止装置10が搭載され、該固定部201と該回転部202との間に位置し、該固定部201上に固定された該駆動装置203を通して、該回転部202の旋回に連動する。
【0096】
こうして、2個の異なる光路A、Bを、該光学レンズモジュール2を経由して、該イメージピックアップモジュール3上に投射し、光投射ルートのスイッチを行う。
【0097】
該固定部201上には、弧状の導引槽2012が設置され、該回転部202上の該可動接続軸2021に位置する側辺には、突起を備える定位ブロック2023が設置されている。
【0098】
これにより、該定位ブロック2023を、該導引槽2012中に嵌めて入れ、該導引槽2012中でスライドさせることができる。
【0099】
さらに、該回転部202を連動し、該中心柱2011を回転の中心として、該固定部201に相対して、所定角度の旋回を行わせる。
【0100】
該定位ブロック2023が該導引槽2012中の2個のエンドポイント20121、20122において移動する時には、2個の光路A、Bの移動路線とそれぞれ重なる。
【0101】
よって、該導引槽2012の該2個のエンドポイント20121、20122は、該回転部202の回転最大角度をコントロールできる他、2個の光路A、Bが隔てる角度を設定することもでき、これにより該光路調整部品11が該スイッチ機構20を通して、該光路A、B上へと回転する目的を達成することができる。
【0102】
本発明の第一実施形態中において、該定位ブロック2023が該導引槽2012中の該エンドポイント20121にある時には、該光路Aはちょうど該光路調整部品11を通して、イメージを該イメージピックアップモジュール3上へと90度屈折して投射することができる。
【0103】
また、該定位ブロック2023は、該駆動装置203を通して、該導引槽2012中の該エンドポイント20121からもう一つのエンドポイント20122へと移動すると、該回転部202が該固定部201に相対して180 度回転する。
【0104】
この時、該光路調整部品11は、もう一つの光路Bを読み取ったイメージを、90度屈折して、同一の該イメージピックアップモジュール3上へと投射することができる。
【0105】
反対に、該定位ブロック2023が、該駆動装置203を通して、該導引槽2012中の該エンドポイント20122からもう一つのエンドポイント20121へと移動する時、該光路調整部品11を逆方向へと180度回転させ、該光路Bにより、もう一つの光路Aへと切り換える。
【0106】
これにより、同一のイメージピックアップモジュール3において二つの光路A、Bへと切り換える目的を達成する。
【0107】
本発明の第一実施形態中において、該スイッチ機構20の該駆動装置203は、少なくとも1個のローリングボール2031、摩擦部品2032、及び圧電部品2033を備えている。
【0108】
該ローリングボール2031は、該固定部201上の少なくとも1個の弧状面定位槽2013中と該回転部202の間の所定位置に設置され、該回転部202上に設置する該摩擦部品2032と相互に接触することで該回転部202が該固定部201上で安定的に回転する。
【0109】
該固定部201と該回転部202の両者は、共に、一定の磁力を備えるため、該圧電部品2033を該固定部201に付着させ、及び該各ローリングボール2031を該弧状面定位槽2013中に付着させる磁力を提供することができる。
【0110】
本発明の第一実施形態中において、該ローリングボール2031は、2個(或いは、2個以上の複数個)で、対応する2個の弧状面定位槽2013中にそれぞれ設置されている。
【0111】
さらに、該2個の弧状面定位槽2013は、2個のローリングボール2031を該固定部201上に定位するためのものである。
【0112】
該回転部202が該固定部201上で可動自在に接続されると、それと同時に、該各ローリングボール2031は、該弧状面定位槽2013の反対側に位置し、該摩擦部品2032の上に接触する。
【0113】
該弧状面定位槽2013の設置個数は、該ローリングボール2031の個数と相互に対応するものである。
【0114】
本発明の第一実施形態中において、該ローリングボール2031及びそれが結合する該弧状面定位槽2013は、それぞれ2組で、該圧電部品2033とおおよそ120度の間を隔て、該中心柱2011を取り囲み、該固定部201の上に環状に配列されている。
【0115】
該摩擦部品2032は、環状に形成されたシート状で、該回転部202の第二表面2024上に設置され、該固定部201上にそれぞれ設置された該圧電部品2033及び該各ローリングボール2031と相互に接触する。
【0116】
回路板20331上に設置された該圧電部品2033を通して、該摩擦部品2032を連動して線性運動を行わせることで、該回転部202の該第一表面2022上に設置された該震動防止装置が回転を生じ、異なる光路A、Bを、該光路調整部品11を通して切り換えることができる。
【0117】
本発明の第一実施形態中において、該摩擦部品2032は、セラミック材料により構成する。
【0118】
すなわち、該震動防止装置10の矩形に形成された該第二側面1322bの内の一つは、該スイッチ機構20の該回転部202の第一表面2022上に固定されている。
【0119】
これにより、該震動防止装置10上に設置された該光路調整部品11は、該回転部202に従い、該固定部201上の該駆動装置203を経由して、一緒に連動して回転される。
【0120】
すなわち、該光路調整部品11は、二つの内の一つの光路Aに対応し、該固定部201上の該圧電部品2033を通して、該回転部202上に位置する該摩擦部品2032を押して線性移動を行わせる。
【0121】
これにより、該回転部202上の該光路調整部品11は、180度回転(本実施形態中において、2個の光路A、Bの位置は、ちょうど180度角を呈して相互に対応する)し、もう一つの光路Bと相互に対応する。
【0122】
並びに、該イメージ光は、さらに、90度屈折し、該光学レンズモジュール2へと投射された後、該イメージピックアップモジュール3上へと投射される。
【0123】
反対に、該圧電部品2033を通して、該回転部202上の該光路調整部品11を、逆方向に180度回転させて、もともとの該光路Aに相互に対応させる。
【0124】
並びに、該イメージ光は、さらに90度屈折し、該光学レンズモジュール2へと投射された後、該イメージピックアップモジュール3上へと投射される。
【0125】
本発明の第一実施形態中において、該震動探知モジュール30は、該光学レンズモジュール2上に設置され、該光学レンズモジュール2の震動量、すなわち、光学レンズモジュール2において震動が引き起こす光路A、B位置の変位量をそれぞれ探知する。
【0126】
ここでいう震動探知モジュール30は、既存の従来の技術中から選択して運用でき、本発明の技術特徴ではないため、その構成について記述しない。
【0127】
本発明の第一実施形態中において、該位置探知モジュール40は、該駆動モジュール13上に設置され、該双軸回転部品12の、該第一軸方向91と該第二軸方向92上における旋回量を探知する。
【0128】
図5に示すように、該位置探知モジュール40は、それぞれ各第一コイル135の中央に設置されると共に、第一磁石133に対応する第一感磁部品41、及びそれぞれ第二コイル136の中央に設置され、さらに、第二磁石134に対応する第二感磁部品42を備えている。
【0129】
該第一及び第二感磁部品41、42が探知した磁力線の変化により、コントロールモジュール50が該双軸回転部品12の旋回量を計算する。
【0130】
本発明の第一実施形態中において、該コントロールモジュール50は、該震動探知モジュール30、位置探知モジュール40、及び駆動モジュール13に連接している。
【0131】
さらに、該震動探知モジュール30が探知した該光学レンズモジュール2の震動量、及び位置探知モジュール40が探知した該双軸回転部品12の旋回量に基づき、該駆動モジュール13の駆動をコントロールし、該双軸回転部品12を旋回させ、光学レンズモジュール2の震動がもたらした不安定状態が補正される。
【0132】
ここでいうコントロールモジュール50は、既存の従来の技術中から選択して使用でき、本発明の技術特徴ではないため、その構成について記述しない。
【0133】
上記を総合すると、本発明第一実施形態の光路の切り換えが可能な光学震動防止機構1は、2個の光路A、Bがそれぞれ投射するイメージ光と該光学レンズモジュール2との間に、スイッチが追加され、該スイッチ機構20を通して、該固定端201上に可動接続する該回転部202に搭載する該震動防止装置10を、180度回転さることで該震動防止装置10上に固定された該光路調整部品11(楔形プリズム)が回転され、2個の光路A、Bのイメージ光を対応して屈折させて2個の光路A、Bの内の一つへと投射させ、さらに2個の光路A、Bの内の一つが該光路調整部品11(楔形プリズム)により該光学レンズモジュール2へと投射され、次に、該光学レンズモジュール2により投射されたイメージ光を、該イメージピックアップモジュール3上に投射させ、2個の光路A、Bが該スイッチ機構20を通して、同一の該光学レンズモジュール2と該イメージピックアップモジュール3を共用し、しかも同時に震動防止動の目的を実現することができる。
【0134】
図10は、本発明光路の切り換えが可能な光学震動防止機構の第一実施形態の応用状態模式図である。
【0135】
図10に示すように、該光学システムは、スマートフォン(以下では該光学システムをスマートフォンと呼ぶ)の撮影モジュールで、該スマートフォンでは、表と裏両表面に、異なる光路A、B(入射窓81、82)が設置されている。
【0136】
これにより、異なる位置の外界物体のイメージ光ピックアップをそれぞれ提供し、該スマートフォン内部の該光学レンズモジュール2に結像することで該イメージピックアップモジュール3上へと投射する。
【0137】
すなわち、本発明の光路の切り換えが可能な光学震動防止機構1は、該スマートフォン内部に設置され、しかも2個の光路A、Bと該光学レンズモジュール2との間に位置する。
【0138】
該スイッチ機構20を通して、該震動防止装置10上に固定して設置する該光路調整部品11を、2個の光路A、B間で、180度回転させて切り換える。
【0139】
こうして、2個の異なる光路A、Bが投射するイメージ光は共に、同一の該光学レンズモジュール2により、該イメージピックアップモジュール3上に投射される。
【0140】
図8は、本発明光路の切り換えが可能な光学震動防止機構の第二実施形態の側視模式図で、図9は、本発明光路の切り換えが可能な光学震動防止機構の第二実施形態のスイッチ機構の立体分解模式図である。
【0141】
本発明の光路の切り換えが可能な光学震動防止機構の第二実施形態において、前記第一実施形態との相違点を以下に記載する。
【0142】
本発明第二実施形態の光路の切り換えが可能な光学震動防止機構1aは、スイッチ機構20aを備える。
【0143】
駆動装置203aは、少なくとも1個以上の磁石2034、及び複数のコイル2035を備える。
【0144】
該磁石2034は、複数のNS磁極により構成し、該複数のコイル2035は、特殊な製造工程により単一部品(ファインパターンコイル、Fine Pattern Coilなど)とする。
【0145】
該磁石2034は、該回転部202の該第二表面2024の上にそれぞれ環状に設置されている。
【0146】
該各コイル2035は、該固定部201の上に環状に設置され、該磁石2034と所定の距離を隔て、かつ、相互に対応する。
【0147】
該固定部201と該回転部202とは、共に、一定の磁力を備えるため、該磁石2034を該回転部202に吸着させ、及び該各コイル2035を該固定部201上に吸着させる磁力を提供することができる。
【0148】
本発明第二実施形態中において、該各コイル2035は、基板20351の上に環状に設置でき、相互に電気的に連接されている。
【0149】
該基板20351は、該中心柱2011を中心として、該固定部201の上に設置されることで、該各コイル2035と該回転部202上に設置された該各磁鉄2034が所定の距離を隔てて相互に対応する。
【0150】
すなわち、該駆動装置203aは、該固定部201と該回転部202との間に位置し、さらに該磁石2034及び該各コイル2035が該回転部202と該固定部201の上にそれぞれ固定されている。
【0151】
該回転部202の該第二表面2024上には、該可動接続軸2021を中心として環状に設置され、N極とS極を交互に該各磁石2034が設置されている。
【0152】
本発明第二実施形態中において、N/S磁極を備える磁石2034は、9組(該コイル2035と対応する組数を設置することもできる)備えて、該第二表面2024上に平均に環状に分布されている。
【0153】
また、本発明第二実施形態中において、該固定部201上には該磁石2034と相互に対応する複数のコイル2035が設置されている。
【0154】
該各コイル2035は、9組で、該固定部201の該中心柱2011を中心とし、該基板20351の上に平均に環状に設置されている。
【0155】
該基板20351は、該固定部201の上に固定し設置され、該各コイル2035が、それらの内一組のN/S磁極を備える磁石2034におおよそ対応している。
【0156】
すなわち、該基板20351上に設置された該各コイル2035に対して順番に同方向の電流を加えると、該各コイル2035が順番に同方向の磁場を生じる。
【0157】
これにより、該各コイル2035が対応する該磁石2034間には、磁力の吸着、或いは反発の現象が交互に生じる。
【0158】
該回転部202は、該可動接続軸2021により該固定部201の該中心柱2011上に可動状に接続するため、該磁石2034がそれぞれ対応する該各コイル2035で発生された磁力により、回転移動が生じる。
【0159】
こうして、該回転部202を連動し、該中心柱2011を中心として該固定部201に相対し所定の角度の回転を行い、電磁式回転モーターに類似の原理を利用し、該回転部202上に設置する該光路調整部品11を駆動する。
【0160】
これにより、異なる2個の光路A、Bを切り換え、同一のイメージピックアップモジュール3に投射させる目的を達成する。
【0161】
なお、本発明は、以上説明した各実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であり、本発明の精神に基づく等価応用或いは部品(構造)の転換、置換、個数の増減等は、全て本発明の技術的範囲内である。また、上述の各実施形態の構成を適宜組み合わせてもよいことは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0162】
本発明は特許の要件である新規性を備え、従来の同類製品に比べ十分な進歩を有し、実用性が高く、社会のニーズに合致しており、産業上の利用価値は非常に大きい。
【符号の説明】
【0163】
1、1a 光路の切り換えが可能な光学震動防止機構
2 光学レンズモジュール
3 イメージピックアップモジュール
10 震動防止装置
11 光路調整部品
12 双軸回転部品
121 外枠部
122 中枠部
1221 第二貫通溝
1222 第二連接端
123 内板部
1231 第一貫通溝
1232 第一連接端
1239 光反射層
13 駆動モジュール
131 内搭載フレーム
1311 第一接触部
1312a、1312b 第一側面
1313 収容設置台
132 外搭載フレーム
1321 第二接触部
1322a、1322b 第二側面
1323 第二収容設置台
133 第一磁石
134 第二磁石
135 第一コイル
1351 第一回路板
136 第二コイル
1361 第二回路板
20、20a スイッチ機構
201 固定部
2011 中心柱
2012 導引槽
2013 弧状面定位槽
20121、20122 エンドポイント
202 回転部
2021 可動接続軸
2022 第一表面
2023 定位ブロック
2024 第二表面
203、203a 駆動装置
2031 ローリングボール
2032 摩擦部品
2033 圧電部品
20331 回路板
2034 磁石
2035 コイル
20351 基板
30 震動探知モジュール
40 位置探知モジュール
41 第一感磁部品
42 第二感部品磁
50 コントロールモジュール
81、82 入射窓
91 第一軸方向
92 第二軸方向
A、B 光路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10