(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5923563
(24)【登録日】2016年4月22日
(45)【発行日】2016年5月24日
(54)【発明の名称】塗布装置及び塗布方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/027 20060101AFI20160510BHJP
B05C 5/02 20060101ALI20160510BHJP
B05D 1/26 20060101ALI20160510BHJP
【FI】
H01L21/30 564Z
B05C5/02
B05D1/26 Z
【請求項の数】14
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-161104(P2014-161104)
(22)【出願日】2014年8月7日
(65)【公開番号】特開2015-62219(P2015-62219A)
(43)【公開日】2015年4月2日
【審査請求日】2014年8月7日
(31)【優先権主張番号】201310433419.1
(32)【優先日】2013年9月22日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】511219674
【氏名又は名称】ティーピーケイ タッチ ソリューションズ インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】フアン ジュンヤオ
(72)【発明者】
【氏名】チェン インチェ
(72)【発明者】
【氏名】ハング ポピン
(72)【発明者】
【氏名】チャング イツェング
【審査官】
植木 隆和
(56)【参考文献】
【文献】
特開平10−099764(JP,A)
【文献】
特開平06−224114(JP,A)
【文献】
特開昭57−187063(JP,A)
【文献】
特開2000−126666(JP,A)
【文献】
特開2004−313874(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/027
G03F 7/16
B05C 5/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
塗布層を形成さるために基板上に塗布液を塗布するための塗布装置であって、
塗布液排出口を有し、前記塗布液排出口を介して前記塗布液を前記基板に塗布するために、前記基板に対して第1の軸に沿って移動するように適合した塗布ヘッドと、
前記塗布ヘッドに接続され、そして、前記塗布液排出口に配置され、前記塗布液排出口の開口の大きさを調整するために第2の軸に沿って移動するように適合された可動パッドを含む調整ユニットと、
前記第2の軸に沿って前記調整ユニットの動作を制御するために、前記調整ユニットに接続された駆動アセンブリと、
を備え、
前記調整ユニットは、前記可動パッドに接続されたセンサホイールと、前記塗布ヘッドの収容空間内で前記第2の軸方向に伸縮可能に配置され、前記塗布ヘッド及び前記センサホイールによって押し込まれる伸縮ユニットと、を備え、
前記駆動アセンブリは、前記塗布層の形状に対応したエッジを有するパターン化された片であり、
前記センサホイールは、前記パターン化された片の前記エッジに沿って移動する塗布装置。
【請求項2】
前記基板を搬送するための搬送台を備える請求項1に記載の塗布装置。
【請求項3】
前記基板は、吸引、静電気又は機械的手段によって前記搬送台に取り付けられる請求項2に記載の塗布装置。
【請求項4】
前記塗布ヘッドは、相互に連結される雄型及び雌型を含み、
前記可動パッドは、前記雄型と前記雌型との間に配置されている請求項1乃至3のいずれか1項に記載の塗布装置。
【請求項5】
前記雄型と前記雌型との間に配置され、前記可動パッドに対して第3の軸に沿って並べられた固定パッドを備える請求項4に記載の塗布装置。
【請求項6】
前記塗布ヘッドが前記基板に対して前記第1の軸に沿って移動すると、前記可動パッドは、前記塗布液排出口の開口の大きさを調整するために前記第2の軸に沿って移動する請求項1乃至5のいずれか1項に記載の塗布装置。
【請求項7】
前記パターン化された片は、前記塗布ヘッドの少なくとも一側に配置されている請求項1に記載の塗布装置。
【請求項8】
塗布液格納部及び塗布液搬送アセンブリを備え、
前記塗布液格納部は、前記塗布ヘッドに接続され、
前記塗布液搬送アセンブリは、前記塗布液格納部に外部から前記塗布液を搬送する請求項1乃至7のいずれか1項に記載の塗布装置。
【請求項9】
前記塗布液搬送アセンブリはポンプである請求項8に記載の塗布装置。
【請求項10】
前記塗布液格納部から前記塗布ヘッドに搬送される前記塗布液の圧力を制御するために塗布液圧力制御アセンブリを備える請求項8又は9に記載の塗布装置。
【請求項11】
前記塗布液圧力制御アセンブリはモータである請求項10に記載の塗布装置。
【請求項12】
ニューラルネットワークシステム又はプログラマブルコントロールシステムを含む制御ユニットを備える請求項1乃至11のいずれか1項に記載の塗布装置。
【請求項13】
前記駆動アセンブリは、コンピュータプログラミングを介して前記調整ユニットの動作を制御するコンピュータ数値制御システムである請求項1乃至12のいずれか1項に記載の塗布装置。
【請求項14】
塗布液排出口を有し、基板に対して第1の軸に沿って移動する塗布ヘッドと、
前記塗布ヘッドに接続され、前記塗布液排出口に配置された可動パッドを有する調整ユニットと、
前記調整ユニットに接続された駆動アセンブリと、を備え、
前記調整ユニットは、前記可動パッドに接続されたセンサホイールと、前記塗布ヘッドの収容空間内で第2の軸方向に伸縮可能に配置され、前記塗布ヘッド及び前記センサホイールによって押し込まれる伸縮ユニットと、を備え、
前記駆動アセンブリは、塗布層の形状に対応したエッジを有するパターン化された片である塗布装置を得て、
前記塗布ヘッドを前記第1の軸に沿って移動させて、前記センサホイールを前記パターン化された片の前記エッジに沿って移動させ、
同時に、前記塗布液排出口の開口の大きさを調整するために、前記エッジに沿って移動するセンサホイールの前記第2の軸方向への移動に基づいて前記可動パッドを第2の軸方向に移動させる塗布方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塗布装置に関し、特にパターニング塗布装置及びパターニング塗布方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体製造、パネル処理及び光学膜製造における共通の技術である溶剤型塗布は、均一で薄いコーティングを形成するために、固体担体表面に粘性溶媒液を塗布する。現在の塗布方法は、自己計量浸漬塗布(self-metering dip coating)、ローラ塗布、ブレード塗布、インクジェット塗布、及びディスペンシングを含む。基板上に塗布される光学塗布液又は機能的塗布液は、一般的に後処理に採用することによって、パターン化されるために必要である。例えば、フォトレジスト層は、最初に基板上に塗布されて膜に硬化され、その後、フォトリソグラフィを介してパターン化される。さらに、光学接着剤が基板上にプリントされて硬化された後、パターン化された塗布層を得るために除去される。後処理が生産コストを増加させるだけでなく、無関係な汚染物質に起因する塗布層の出現に影響を与える。
【0003】
従来のスリット塗布装置は、特定の幅(例えば、矩形パターン)、又は規則的な形状を有するパターンのみを形成することができる。しかしながら、設計要求に起因して、多様なパターンが要求され(即ち、不規則な形状)、従来の設備は、これらの要求を満足させることができない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の目的は、塗布の二次元パターンを実現するために、可動パッドの調整を介して基板上の塗布液のパターンを制御する塗布装置を提供する。
【0005】
本開示は、塗布層を形成するために基板上に塗布液を塗布するための塗布装置を得る。塗布装置は、塗布液排出口を有し、塗布液排出口を介して塗布液を基板に塗布するために基板に対して第1の軸に沿って移動するように適合する塗布ヘッドと、塗布液排出口の開口の大きさを調整するために第2の軸に沿って移動するように適合された可動パッドを含む調整ユニットと、第2の軸に沿って調整ユニットの動作を制御するために調整ユニットに接続された駆動アセンブリと、を備える。
【0006】
本開示は、以下の工程を含む塗布方法も得る。先ず、塗布液排出口を有する塗布ヘッドと、塗布ヘッドに接続され、塗布液排出口に配置された可動パッドを有する調整ユニットと、調整ユニットに接続された駆動アセンブリと、を有する塗布装置を得る。その後、塗布ヘッドの下に基板を配置する。そして、基板に対して第1の軸に沿って塗布ヘッドを移動させ、同時に、塗布液排出口の開口の大きさを調整するために駆動アセンブリを介して調整ユニットを駆動することによって、可動パッドを第2の軸に沿って移動させる。
【0007】
本開示によって得られた塗布装置及び塗布方法は、塗布ヘッドが移動したとき、塗布ヘッドに対して可動パッドを移動させることによって、塗布されたパターンが不規則な形状を有するように、塗布液排出口の開口の大きさを調整する。
【0008】
本開示の理解を進めるために、以下の実施形態は、本開示を手助けするために図面に沿って提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1A】
図1Aは、本開示の実施形態にかかる動作中の塗布装置の斜視図を示す。
【
図1B】
図1Bは、本開示の実施形態にかかる動作中の塗布装置の斜視図を示す。
【
図1C】
図1Cは、本開示の実施形態にかかる動作中の塗布装置の斜視図を示す。
【
図2】
図2は、本開示の実施形態にかかる塗布装置の部分斜視図を示す。
【
図5】
図5は、本開示の実施形態にかかる塗布装置の上面図を示す。
【
図6A】
図6Aは、他の実施形態にかかる雌型の断面図を示す。
【
図6B】
図6Bは、他の実施形態にかかる塗布装置の上面図を示す。
【
図7A】
図7Aは、さらに他の実施形態にかかる雌型の断面図を示す。
【
図7B】
図7Bは、さらに他の実施形態にかかる他の塗布装置の上面図を示す。
【
図8】
図8は、本開示の実施形態にかかる塗布装置の側面図を示す。
【
図9】
図9は、本開示の実施形態にかかる塗布方法のフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
前述の図面及び以下の詳細な説明は、本開示の範囲を説明するための一例である。本開示に関する他の目的及び効果は、後述の説明及び添付の図面に示される。
【0011】
本開示にかかる塗布装置の塗布方法の説明のための
図1A〜
図1Cを参照して下さい。
図1A〜
図1Cは、本開示の実施形態にかかる動作中の塗布装置の斜視図を示している。
【0012】
図1Aに示すように、塗布装置1は、3つの主要素を含み、即ち、塗布ヘッド110、調整ユニット120、及び駆動アセンブリ130を含む。調整ユニット120は、塗布ヘッド110に接続されている。駆動アセンブリ130は、調整ユニット120に接続されている。各要素の詳細な構成は、後述する。
【0013】
本実施形態において、塗布装置1は、さらに塗布される基板2を搬送するための搬送台140を含む。基板2は、吸引、静電気、又は機械的手段によって搬送台140に設置される。基板2は、ガラス基板やプラスチック基板のようなコイル材料であることができる。また、基板2は、積層ガラス基板のような積層された基板であることもできる。
【0014】
図1B及び
図1Cに関して、塗布ヘッド110は、塗布液排出口(詳細は後述)を有し、塗布工程の間、塗布ヘッド110は、塗布液排出口を介して塗布液を基板2に塗布するために、基板2に対してX軸に沿って移動可能である。本実施形態において、塗布工程中、搬送台140は動かず、そして、塗布ヘッド110が動く。他の実施形態において、塗布ヘッド110が動かず、搬送台140が動いてもよい。さらに他の実施形態において、塗布ヘッド110及び搬送台140の両方が動いてもよい。
【0015】
塗布ヘッド110が基板2に対してX軸に沿って移動すると、駆動アセンブリ130は、塗布ヘッド110によって塗布される塗布液の塗布範囲を調整し、
図1Cに示す塗布層3を形成するためにY軸に沿って調整ユニット120を駆動することができる。
【0016】
本開示の塗布装置1の構成及び動作原理を以下に説明する。
【0017】
図2は、本開示の実施形態にかかる塗布装置の部分斜視図を示している。
図3は、
図2の塗布装置の部分分解図を示している。
図4A及び
図4Bは、動作中の塗布装置の雌型の断面図を示している。
図5は、本開示の実施形態にかかる塗布装置の上面図を示している。
【0018】
図2及び
図3に示すように、塗布ヘッド110は、互いに連結される雄型111及び雌型112を含む。雄型111及び雌型112は夫々、部品表面P1及び部品表面P2を有する。雄型111の部品表面P1及び雌型112の部品表面P2は、実質的に等しい形状及び大きさを有する。本実施形態において、第1の凹部1011は、雄型111の部品表面P1から窪んでおり、第2の凹部1012は、雌型112の部品表面P2から窪んでいる。第1の凹部1011及び第2の凹部1012は、実質的にY軸方向に延在し、実質的に等しい形状及び大きさ、例えば細長い形状を有する。第1の凹部1011及び第2の凹部1012は、対応する位置に配置されている。例えば第1の凹部1011及び第2の凹部1012は夫々、雄型111の部品表面P1の下部及び雌型112の部品表面P2の下部に配置されている。すなわち、第1の凹部1011は、雄型111の下部に露出し、第2の凹部1012は、雌型112の下部に露出する。
図5に示すように、塗布ヘッド110は、第1の凹部1011及び第2の凹部1012によって規定される塗布液排出口101を有する。本実施形態において、雄型111及び雌型112は夫々、収容空間M1及びM2を有する。
【0019】
複数の塗布液注入口103は、塗布ヘッド110において外部から塗布液経路102(詳細は後述する。)に塗布液を導くために、雌型112の第2の凹部1012に形成されている。他の実施形態において、塗布液注入口103は、雄型111に形成することができる。塗布液経路102は、塗布液排出口101の上方に配置されている。塗布液経路102の幅は、スリット形状の塗布液排出口101の幅より僅かに大きい、僅かに小さい又は等しくすることができる。塗布装置1は、雄型111と雌型112との間に固定パッド150を含んでもよい。特に、本実施形態において、固定パッド150は第1の凹部1011及び第2の凹部1012によって規定された空間に配置され、可動パッド121は、固定パッド150に対してZ軸に沿って並べられている。本実施形態において、固定パッド150は、雄型111及び雌型112に、例えばボルトによって固定することができる。
【0020】
調整ユニット120は、塗布ヘッド110に接続されている。調整ユニット120は、塗布液排出口101に配置された可動パッド121、可動パッド121のための接続ユニット122、センサホイール123、及びフレーム124を含む。フレーム124は、ロッド1241及び伸縮ユニット1242を含む。センサホイール123は、フレーム124及び接続ユニット122を介して可動パッド121に接続されている。
【0021】
雄型111及び雌型112が連結されると、可動パッド121は、雄型111と雌型112との間に配置される。本実施形態において、可動パッド121は、第1の凹部1011と第2の凹部1012とで規定された空間に配置され、伸縮ユニット1242及びロッド1241は、収容空間M1及びM2内に配置されている。特に、可動パッド121は、塗布液排出口101の一方の側(又は両側)に配置され、可動パッド121は、塗布液排出口101の短辺に配置され、そして、可動パッド121の高さは、塗布液排出口101の高さより僅かに高い、僅かに低い又は等しくすることができる。伸縮ユニット1242の一方の端部は、塗布ヘッド110に隣接し、伸縮ユニット1242の他方の端部は、ロッド1241に隣接する。伸縮ユニット1242は、ロッド1241及び塗布ヘッド110によって押し込まれることができる。
【0022】
駆動アセンブリ130は、Y軸に沿って調整ユニット120の可動パッド121の動作を制御するために、調整ユニット120に接続されている。本実施形態において、駆動アセンブリ130は、塗布層3の形状に対応するエッジ131Lを有するパターン化された片131である。エッジ131Lは、X軸方向に沿って延在し、センサホイール123がエッジ131Lに沿って移動する。
【0023】
図1A〜
図1Cから明らかなように、塗布ヘッド110が基板2に対してX軸に沿って移動すると、センサホイール123がパターン化された片131のエッジ131L上を回転し、そして、伸縮ユニット1242及びロッド1241の関連付けられた動作を介して可動パッド121が塗布液排出口101の開口の大きさを調整(
図4A及び
図4Bに示すように、塗布液排出口101の開口の大きさは幅d1及びd2に異ならせることができる。)するためにY軸に沿って移動する。
【0024】
パターン化された片131は、異なる製品の必要に応じて取り外し及び取り付け可能である。パターン化された片131は、少なくとも一方の側に配置することができる(本実施形態では、パターン化された片131が塗布ヘッド110の両側に配置されている。)。パターン化された片131のエッジ131Lは、多様な特定の形状を有することができる。パターン化された片131の大きさは、塗布パターンの長さや幅に応じて設計することもできる。
【0025】
スリット状の塗布液排出口101の開口の大きさを調整するためにコンピュータを用いることによって調整ユニット120の動作を制御することができる駆動アセンブリ130を実現することができる他の制御システムについて言及する価値がある。特に、駆動アセンブリ130は、パターン化された片131の代わりにコンピュータ数値制御(CNC)であることもできる。可動パッド121のための接続ユニット122は、制御システムに接続されており、制御システムは、プログラムを介して可動パッド121の動作を調整することができる。
【0026】
上述の要素の相対位置は、必要に応じて変更することができる。以下に、本開示にかかる塗布装置の他の実施形態を説明する。上述の実施形態と同様の要素は説明を省略する。
【0027】
図3、
図6A及び
図6Bを参照する。
図6Aは、他の実施形態にかかる雌型の断面図を示している。
図6Bは、他の実施形態にかかる塗布装置の上面図を示している。
図6A及び
図4Aを比較し、本実施形態では、例えば固定パッド150を省略するなどの必要に応じて、雌型112の第2の凹部1012の位置を改変することができる。
図6Bと
図5とを比較し、雄型111は第1の凹部1011を形成しなくてもよい。
【0028】
図3、
図7A及び
図7Bを参照する。
図7Aは、さらに他の実施形態にかかる雌型の断面図を示している。
図7Bは、さらに他の実施形態にかかる他の塗布装置の上面図を示している。
図7Aと
図4、及び
図7Bと
図5とを比較し、雌型112の形状は必要に応じて改変することができ、雌型112の第2の凹部1012は、塗布液経路102だけを形成することができる。同時に、雄型111は、第1の凹部1011を形成する必要がない。
【0029】
本実施形態において、可動パッド121及び固定パッド150は、雄型111と雌型112との間でZ軸方向に沿って並べられている。固定パッド150は、雄型111と雌型112との間で隙間が生じるように、雄型111と雌型112との間に配置されている。言い換えれば、雄型111と雌型112とが連結され、雄型111の部品表面P1と雌型112の部品表面P2との間に間隔を生じ、その結果、スリット状の塗布液排出口101が形成される。本実施形態において、雄型111、雌型112及び固定パッド150は各々、少なくともネジ穴を有する。雄型111、雌型112及び固定パッド150を固定するために、ネジや固定手段が雄型111、雌型112、固定パッド150の対応するネジ穴を通過することができるように、雄型111、雌型112及び固体パッド150のネジ穴の位置及び大きさが対応している。言い換えると、雄型111及び雌型112は、ネジ穴を通過したネジによって固定パッド150に固定することができる。ネジは、固定パッド150への等しい力配分を確保するために均一に配置されている。他の実施形態において、固定パッド150は雄型111又は雌型112の一方に一体的に形成することもできる。
【0030】
上述の実施形態において、雄型111、雌型112、固定パッド150及び可動パッド121の材料は、例えばステンレス鋼であることができる。
【0031】
上述の実施形態を考慮すると、塗布ヘッド110と調整ユニット120との要素の間の関係(例えば、凹部及び雄型や雌型の収容空間の位置や形状、雄型及び雌型に対する調整ユニットの位置)は必要に応じて改変することができる。
【0032】
以下は、どのように塗布液注入口103を介して塗布液経路102に塗布液を注入するかを説明している。
図7A及び
図8を参照する。
図8は、本開示の実施形態にかかる塗布装置の側面図を示している。本開示の実施形態において、塗布装置1は、塗布液格納部160及び塗布液搬送アセンブリ180も含む。塗布液格納部160は、例えば雌型112の塗布液注入口103にチューブによって、塗布ヘッド110に接続されている。塗布液搬送アセンブリ180は、塗布液格納部160に塗布液を搬送する。塗布液搬送アセンブリ180は、例えばポンプであることができ、搬送バルブ181及び搬送チューブ182を有することができる。本実施形態において、塗布装置1は、塗布液格納部160から塗布ヘッド110に搬送される塗布液の圧力を制御するための塗布液圧力制御アセンブリ170も含む。塗布液圧力制御アセンブリ170は、例えばモータであることができ、制御バルブ171を有することができる。
【0033】
必須要素の相対関係を示すために、本開示の図面は、いくつかの必須でない要素を省略している。例えば、
図1Aにおいて、駆動アセンブリ130は、空間内に浮いているように見える。当業者は、図面が一例に過ぎないことを理解するべきであり、実際には駆動アセンブリ130は外付け要素によって固定することができる。同じことが本明細書に記載されていない他の要素についても言い得る。
【0034】
本開示の実施形態において、塗布装置1は、例えばニューラルネットワークシステム又はプログラマブルコントロールシステムなどの制御ユニットを含むことができる。プログラマブルコントロールシステムは、塗布ヘッド110と搬送台140との相対速度及び位置を制御し、塗布液の流量や速度及び可動パッド121の移動速度や位置を正確に算出する。塗布制御の基本原理は、ベルヌーイの方程式によって得ることができる。
【0035】
ρ1V1A1=ρ2V2A2
ρは塗布液の密度、Vは流速、Aは塗布液排出口の面積
【0036】
言い換えれば、一定の液体流出密度を得るには、可動パッド121が塗布液排出口の面積を狭くすると、塗布ヘッド110と搬送台140との間の相対速度は遅くするか、又は塗布ヘッド110の塗布液排出口の圧力を下げる必要がある。制御ユニットは、塗布パターンに応じて塗布液流速を制御することができ、塗布工程を制御する。このような構成によって、塗布装置1は、幾何学的な形状のパターンの塗布を行うことができる。加えて、制御ユニットは、塗布液によって形成された塗布層3の厚さを安定させるために塗布ヘッド110の塗布液を抽出するために動作する。
【0037】
上述の実施形態は、本開示の実施形態にかかる塗布方法である。
図9は、本開示の実施形態にかかる塗布方法のフローチャートを示している。先ず、塗布液排出口101を有する塗布ヘッド110を含む塗布装置1を得て;可動パッド121を含む調整ユニット120は、塗布液排出口101に配置され;駆動アセンブリ130は、調整ユニット120に接続する(S1)。塗布装置1の要素間の関係は上述を参照する。その後、塗布ヘッド110の下に基板2を配置する(S2)。最後に、基板2に対してX軸方向に沿って塗布ヘッド110を移動させ、同時に塗布液排出口101の開口の大きさを調整するために駆動アセンブリ130を介して調整ユニット120の駆動によってY軸方向に沿って可動パッド121を移動させる(S3)。
【0038】
本実施形態によって得られた塗布装置1は、基板2上に塗布液を塗布することができる。塗布装置1は、不規則な二次元形状の必要性を満足するために、調整ユニット120の可動パッド121を介して基板2上に塗布されるパターンを調整することができる。特に、塗布ヘッド110が移動すると、雌型112に対する可動パッド121の相対位置が調整される。塗布ヘッド110の動作中にスリット状の塗布液排出口101の開口の大きさを調整することによって、塗布パターンが不規則な形状を有することができる。塗布装置1は、厚さ及び特定の形状毎の塗布層3を塗布することができる。
【0039】
塗布装置1は、膜の厚さ及び化学的、物理的な信頼性を維持しつつ、特定の塗布形状及び薄膜を実現することができる。塗布装置1は、無駄な塗布液を再利用するために有する問題を回避することができる。塗布装置1は、表面粗さの少ない膜をより均一に形成することができる。光学膜製造の間、光学的影響上の荒い表面の影響は軽減され、光分散及び光勾配の影響を軽減する。加えて、塗布装置1は、異なる粘度及び材料の塗布液を用いることができる。さらに、塗布装置1は、パターニングの間、基板の使用率を増加させることができ、膜を速く生成することができる。
【0040】
図示された本明細書は、本開示の好ましい実施形態のみを開示している。しかしながら、本開示の特徴は、決してこれらに限定されない。当業者によって考慮される全ての変更、交換及び改変は、以下の特許請求の範囲で規定される本開示の範囲に含まれる。