【実施例】
【0187】
(本発明の化合物の合成および特性化)
実施例1.1 3−アセチルオキシム−O−アセテート―6,12−ジエチル−12−メチル−6,12−ジヒドロ−6−アザ−インデノ[1,2−b]フルオレン
3−アセチルオキシム−O−アセテート−6,12−ジエチル−12−メチル−6,12−ジヒドロ−6−アザ−インデノ[1,2−b]フルオレンの合成は、
図1に示される反応スキームにより行った。
【0188】
(a)3−アセチル−6,12−ジエチル−12−メチル−6,12−ジヒドロ−6−アザ−インデノ[1,2−b]フルオレンの合成:
塩化アルミニウム(3.43g、25.6mmol)を、窒素雰囲気下、0℃で6,12−ジエチル−12−メチル−6アザ−インデノ[1,2−b]フルオレン(5.95g、20.0mmol)および塩化アセチル(1.83mL、25.7mmol)を溶解したジクロロメタン溶液(80mL)にゆっくり添加した。室温で一晩攪拌した後、反応混合液を氷水に注いだ。生成物をジクロロメタンで2回抽出した。混合した有機層を塩水で洗浄し、MgSO
4上で乾燥させた。ジクロロメタンを高真空下で除去し、このようにして得られた生成物を、さらなる精製なしに次のステップに使用した。
【0189】
(b)3−アセチルオキシム−6,12−ジエチル−12−メチル−6,12−ジヒドロ−6−アザ−インデノ[1,2−b]フルオレンの合成:
3−アセチルオキシム−6,12−ジエチル−12−メチル−6,12−ジヒドロ−6−アザ−インデノ[1,2−b]フルオレン(3.39g、10.0mmol)を、100mLの1,3−ジオキサン、酢酸ナトリウム(1.06g、13.0mmol)、塩化ヒドロキシルアンモニウム(0.83g、12.0mmol)および水(60mL)を含有する混合溶液に添加した。反応混合液を一晩かん流させ、室温に冷却した後、水に注いだ。生成物を酢酸エチルで抽出した。混合した有機層を水で2回洗浄し、MgSO
4上で乾燥させ、濃縮して残渣を得て、さらに40℃の真空オーブン内で乾燥させた。このようにした得られた生成物を、さらなる精製なしに次のステップに使用した(3.22g、収率92%)。
【0190】
(c)3−アセチルオキシム−O−アセテート−6,12−ジエチル−12−メチル−6,12−ジヒドロ−6−アザ−インデノ[1,2−b]フルオレンの合成:
トリエチルアミン(1.7mL、12.2mmol)および塩化アセチル(915μL、12.8mmol)を、3−アセチルオキシム−6,12−ジエチル−12−メチル−6,12−ジヒドロ−6−アザ−インデノ[1,2−b]フルオレン(3.54g、10.0mmol)を含有する、100mLのテトラヒドロフラン溶液に窒素雰囲気下、0℃でゆっくり添加した。室温で3時間攪拌した後、反応混合液を水に注いだ。生成物を酢酸エチルで抽出した。混合した有機層を水で2回洗浄し、MgSO
4で乾燥させて、真空蒸発により濃縮した残渣を得て、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィにより、酢酸エチルおよびヘキサンを溶離剤として用いて精製した。真空蒸発を使用して溶媒を除去し、収率32%および99%純度を持つ白色粉末生成物を生じた。
【0191】
実施例1.2 7−アセチルオキシム−O−アセテート−10−エチル−12,12−ジヘキシル−10,12−ジヒドロ−10−アザ−インデノ[2,1−b]フルオレン
7−アセチルオキシム−O−アセテート−10−エチル−12,12−ジヘキシル−10,12−ジヒドロ−10−アザ−インデノ[2,1−b]フルオレンの合成は、
図2に示される反応スキームにより行った。
【0192】
(a)7−アセチル−10−エチル−12,12−ジヘキシル−10,12−ジヒドロ−10−アザ−インデノ[2,1−b]フルオレンの合成:
塩化アルミニウム(3.43g、25.6mmol)を、窒素雰囲気下、0℃で10−エチル−12,12−ジヘキシル−10,12−ジヒドロ−10−アザ−インデノ[2,1−b]フルオレン(5.95g、20.0mmol)および塩化アセチル(1.83mL、25.7mmol)を溶解したジクロロメタン溶液(80mL)にゆっくり添加した。室温で一晩攪拌した後、反応混合液を氷水に注いだ。生成物をジクロロメタンで2回抽出した。混合した有機層を塩水で洗浄し、MgSO
4上で乾燥させた。ジクロロメタンを高真空下で除去し、このようにして得られた生成物を、さらなる精製なしに次のステップに使用した。
【0193】
(b)7−アセチルオキシム−10−エチル−12,12−ジヘキシル−10,12−ジヒドロ−10−アザ−インデノ[2,1−b]フルオレンの合成:
7−アセチル−10−エチル−12,12−ジヘキシル−10,12−ジヒドロ−10−アザ−インデノ[2,1−b]フルオレンを、100mLの1,3−ジオキサン、酢酸ナトリウム(1.06g、13.0mmol)、塩化ヒドロキシルアンモニウム(0.83g、12.0mmol)および水(60mL)を含有する混合溶液に添加した。反応混合液を一晩かん流させ、室温に冷却した後、水に注いだ。生成物を酢酸エチルで抽出した。混合した有機層を水で2回洗浄し、MgSO
4上で乾燥させ、濃縮して残渣を得て、さらに40℃の真空オーブン内で乾燥させた。このようにした得られた生成物を、さらなる精製なしに次のステップに使用した(3.22g、収率92%)。
【0194】
(c)6−アセチルオキシム−O−アセテート−1,1−ジヘキシルインデノ−[2,3−b]−9−カルバゾールエチルの合成:
トリエチルアミン(1.7mL、12.2mmol)を、窒素雰囲気下、0℃で7−アセチルオキシム−10−エチル−12,12−ジヘキシル−10,12−ジヒドロ−10−アザ−インデノ[2,1−b]フルオレン(3.54g、10.0mmol)および塩化アセチル(915μL、12.8mmol)を含有する、100mLのテトラヒドロフラン溶液にゆっくり添加した。室温で3時間攪拌した後、反応混合液を水に注いだ。生成物を酢酸エチルで抽出した。混合した有機層を水で2回洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、真空蒸発により濃縮して残渣を得て、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィにより、酢酸エチルおよびヘキサンを溶離剤として用いて精製した。真空蒸発を使用して溶媒を除去し、収率32%および純度99%の白色粉末生成物を得た。
【0195】
実施例1.3 9−アセチルオキシム−O−アセテート−2−メトキシ−12,12−ジエチル−6,12−ジヒドロ−6−チア−インデノ[1,2−b]フルオレン
9−アセチルオキシム−O−アセテート−2−メトキシ−12,12−ジエチル−6,12−ジヒドロ−6−チア−インデノ[1,2−b]フルオレンの合成は、
図3に示される反応スキームにより行った。
【0196】
(a)9−アセチル−2−メトキシ−12,12−ジエチル−6,12−ジヒドロ−6−チア−インデノ[1,2−b]フルオレンの合成:
塩化アルミニウム(3.43g、25.6mmol)を、窒素雰囲気下、0℃で2−メトキシ−12,12−ジエチル−6,12−ジヒドロ−6−チア−インデノ[1,2−b]フルオレン(6.60g、20.0mmol)および塩化アセチル(1.83mL、25.7mmol)を溶解したジクロロメタン溶液(100mL)にゆっくり添加した。室温で一晩攪拌した後、反応混合液を氷水に注いだ。生成物をジクロロメタンで2回抽出した。混合した有機層を塩水で洗浄し、MgSO
4上で乾燥させた。ジクロロメタンを高真空下で除去し、このようにして得られた生成物を、さらなる精製なしに次のステップに使用した。
【0197】
(b)9−アセチルオキシム−2−メトキシ−12,12−ジエチル−6,12−ジヒドロ−6−チア−インデノ[1,2−b]フルオレンの合成:
9−アセチル−2−メトキシ−12,12−ジヘキシル−6,12−ジヒドロ−6−チア−インデノ[1,2−b]フルオレン(3.56g、10.0mmol)を、100mLの1,3−ジオキサン、酢酸ナトリウム(1.06g、13.0mmol)、塩化ヒドロキシルアンモニウム(0.83g、12.0mmol)および水(60mL)を含有する混合溶液に添加した。反応混合液を一晩かん流させ、室温に冷却した後、水に注いだ。生成物を酢酸エチルで抽出した。混合した有機層を水で2回洗浄し、MgSO
4上で乾燥させ、濃縮して残渣を得て、さらに40℃の真空オーブン内で乾燥させた。このようにした得られた生成物を、さらなる精製なしに次のステップに使用した。
【0198】
(c)9−アセチルオキシム−O−アセテート−2−メトキシ−12,12−ジエチル−6,12−ジヒドロ−6−チア−インデノ[1,2−b]フルオレンの合成:
トリエチルアミン(1.7mL、12.2mmol)を、窒素雰囲気下、0℃で9−アセチルオキシム−2−メトキシ−12,12−ジエチル−6,12−ジヒドロ−6−チア−インデノ[1,2−b]フルオレン(3.87g、10.0mmol)および塩化アセチル(915μL、12.8mmol)を含有する、100mLのテトラヒドロフラン溶液にゆっくり添加した。室温で3時間攪拌した後、反応混合液を水に注いだ。生成物を酢酸エチルで抽出した。混合した有機層を水で2回洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、真空蒸発により濃縮して残渣を得て、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィにより、酢酸エチルおよびヘキサンを溶離剤として用いて精製した。真空蒸発を使用して溶媒を除去し、収率32%および純度99%の白色粉末生成物を得た。
【0199】
実施例1.4 7−アセチルオキシム−O−アセテート−12,12−ジメチル−10,12−ジヒドロ−10−オキソ−インデノ[2,1−b]フルオレン
7−アセチルオキシム−O−アセテート−12,12−ジメチル−10,12−ジヒドロ−10−オキソ−インデノ[2,1−b]フルオレンの合成は、
図4に示されるスキームにより行った。
【0200】
(a)7−ブチリル−12,12−ジメチル−10,12−ジヒドロ−10−オキソ−インデノ[2,1−b]フルオレンの合成:
塩化アルミニウム(3.43g、25.6mmol)を、窒素雰囲気下、0℃で12,12−ジメチル−10,12−ジヒドロ−10−オキソ−インデノ[2,1−b]フルオレン(5.68g、20.0mmol)および塩化アセチル(1.83mL、25.7mmol)を溶解したジクロロメタン溶液(80mL)にゆっくり添加した。室温で一晩攪拌した後、反応混合液を氷水に注いだ。生成物をジクロロメタンで2回抽出した。混合した有機層を塩水で洗浄し、MgSO
4上で乾燥させた。ジクロロメタンを高真空下で除去し、このようにして得られた生成物を、さらなる精製なしに次のステップに使用した。
【0201】
(b)7−ブチリルオキシム−12,12−ジメチル−10,12−ジヒドロ−10−オキソ−インデノ[2,1−b]フルオレンの合成:
7−ブチリル−12,12−ジメチル−10,12−ジヒドロ−10−オキソ−インデノ[2,1−b]フルオレン(3.26g、10.0mmol)を、100mLの1,3−ジオキサン、酢酸ナトリウム(1.06g、13.0mmol)、塩化ヒドロキシルアンモニウム(0.83g、12.0mmol)および水(60mL)を含有する混合溶液に添加した。反応混合液を一晩かん流させ、室温に冷却した後、水に注いだ。生成物を酢酸エチルで抽出した。混合した有機層を水で2回洗浄し、MgSO
4上で乾燥させ、濃縮して残渣を得て、さらに40℃の真空オーブン内で乾燥させた。このようにした得られた生成物を、さらなる精製なしに次のステップに使用した。
【0202】
(c)7−ブチリルオキシム−O−12,12−ジメチル−10,12−ジヒドロ−10−オキソ−インデノ[2,1−b]フルオレンの合成:
トリエチルアミン(1.7mL、12.2mmol)を、窒素雰囲気下、0℃で7−ブチルオキシム−12,12−ジメチル−10,12−ジヒドロ−10−オキソ−インデノ[1,2−b]フルオレン(3.41g、10.0mmol)および塩化アセチル(915μL、12.8mmol)を含有する、テトラヒドロフラン溶液(100mL)にゆっくり添加した。室温で3時間攪拌した後、反応混合液を水に注いだ。生成物を酢酸エチルで抽出した。混合した有機層を水で2回洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、真空蒸発により濃縮して残渣を得て、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィにより、酢酸エチルおよびヘキサンを溶離剤として用いて精製した。真空蒸発を使用して溶媒を除去し、収率37%および純度99%の白色粉末生成物を得た。
【0203】
実施例1.5 8−アセチルオキシム−O−アセテート−11,13,13−トリエチル−6,6−ジメチル−11,13−ジヒドロ−6H−11−アザ−インデノ[2,1−b]アントラセン
8−アセチル−11,13,13−トリエチル−6,6−ジメチル−11,13−ジヒドロ−6H−11−アザ−インデノ[2,1−b]アントラセンの合成は、
図5に示されるスキームにより行った。
【0204】
(a)8−アセチルオキシム−O−アセテート−11,13,13−トリエチル−6,6−ジメチル−11,13−ジヒドロ−6H−11−アザ−インデノ[2,1−b]アントラセンの合成
塩化アルミニウム(3.43g、25.6mmol)を、窒素雰囲気下、0℃で11,13,13−トリエチル−6,6−ジメチル−11,13−ジヒドロ−6H−11−アザ−インデノ[2,1−b]アントラセン(6.80g、20.0mmol)および塩化アセチル(1.83mL、25.7mmol)を溶解したジクロロメタン溶液(80mL)にゆっくり添加した。室温で一晩攪拌した後、反応混合液を氷水に注いだ。生成物をジクロロメタンで2回抽出した。混合した有機層を塩水で洗浄し、MgSO
4上で乾燥させた。ジクロロメタンを高真空下で除去し、このようにして得られた生成物を、さらなる精製なしに次のステップに使用した。
【0205】
(b)8−アセチルオキシム−11,13,13−トリエチル−6,6−ジメチル−11,13−ジヒドロ−6H−11−アザ−インデノ[2,1−b]アントラセンの合成
8−アセチル−11,13,13−トリエチル−6,6−ジメチル−11,13−ジヒドロ−6H−11−アザ−インデノ[2,1−b]アントラセン(3.82g、10.0mmol)を、100mLの1,3−ジオキサン、酢酸ナトリウム(1.06g、13.0mmol)、塩化ヒドロキシルアンモニウム(0.83g、12.0mmol)および水(60mL)を含有する混合溶液に添加した。反応混合液を一晩かん流させ、室温に冷却した後、水に注いだ。生成物を酢酸エチルで抽出した。混合した有機層を水で2回洗浄し、MgSO
4上で乾燥させ、濃縮して残渣を得て、さらに40℃の真空オーブン内で乾燥させた。このようにした得られた生成物を、さらなる精製なしに次のステップに使用した。
【0206】
(c)8−アセチルオキシム−O−アセテート−11,13,13−トリエチル−6,6−ジメチル−11,13−ジヒドロ−6H−11−アザ−インデノ[2,1−b]アントラセンの合成
トリエチルアミン(1.7mL、12.2mmol)を、窒素雰囲気下、0℃で8−アセチルオキシム−11,13,13−トリエチル−6,6−ジメチル−11,13−ジヒドロ−6H−11−アザ−インデノ[1,2−b]アントラセン(3.97g、10.0mmol)および塩化アセチル(915μL、12.8mmol)を含有する、100mLのテトラヒドロフラン溶液にゆっくり添加した。室温で3時間攪拌した後、反応混合液を水に注いだ。生成物を酢酸エチルで抽出した。混合した有機層を水で2回洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、真空蒸発により濃縮して残渣を得て、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィにより、酢酸エチルおよびヘキサンを溶離剤として用いて精製した。真空蒸発を使用して溶媒を除去し、収率46%および純度99%の白色粉末生成物を得た。
【0207】
実施例1.6 10−(4−アセチルオキシム−O−アセテートフェニル)−7−アセチルオキシム−O−アセテート−2−メトキシ−12,12−ジヘキシル−10,12−ジヒドロ−10−アザ−インデノ[2,1−b]フルオレン
10−(4−アセチルオキシム−O−アセテートフェニル)−7−アセチルオキシム−O−アセテート−2−メトキシ−12,12−ジヘキシル−10,12−ジヒドロ−10−アザ−インデノ[2,1−b]フルオレンの合成は、
図6に示されるスキームにより行った。
【0208】
(a)10−(4−アセチルフェニル)−7−アセチル−2−メトキシ−12,12−ジヘキシル−10,12−ジヒドロ−10−アザ−インデノ[2,1−b]フルオレンの合成:
塩化アルミニウム(8.00g、60.0mmol)を、窒素雰囲気下、0℃で2−メトキシ−10−フェニル−12,12−ジヘキシル−10,12−ジヒドロ−10−アザ−インデノ[2,1−b]アントラセン(7.47g、20.0mmol)および塩化アセチル(3.56mL、50.0mmol)を溶解したジクロロメタン溶液(120mL)にゆっくり添加した。室温で一晩攪拌した後、反応混合液を室温に冷却し、氷水に注いだ。生成物をジクロロメタンで2回抽出した。混合した有機層を塩水で洗浄し、MgSO
4上で乾燥させた。ジクロロメタンを高真空下で除去し、このようにして得られた生成物を、さらなる精製なしに次のステップに使用した。
【0209】
(b)10−(4−アセチルオキシムフェニル)−7−アセチルオキシム−2−メトキシ−12,12−ジヘキシル−10,12−ジヒドロ−10−アザ−インデノ[2,1−b]フルオレンの合成:
10−(4−アセチルフェニル)−7−アセチル−2−メトキシ−12,12−ジヘキシル−10,12−ジヒドロ−10−アザ−インデノ[2,1−b]フルオレン(4.58g、10.0mmol)を、120mLの1,3−ジオキサン、酢酸ナトリウム(2.46g、30.0mmol)、塩化ヒドロキシルアンモニウム(2.08g、30.0mmol)および水(80mL)を含有する混合溶液に添加した。反応混合液を一晩かん流させ、室温に冷却した後、水に注いだ。生成物を酢酸エチルで抽出した。混合した有機層を水で2回洗浄し、MgSO
4上で乾燥させ、濃縮して残渣を得て、さらに40℃の真空オーブン内で乾燥させた。このようにした得られた生成物を、さらなる精製なしに次のステップに使用した。
【0210】
(c)10−(4−アセチルオキシム−O−アセテートフェニル)−7−アセチルオキシム−O−アセテート−2−メトキシ−12,12−ジヘキシル−10,12−ジヒドロ−10−アザ−インデノ[2,1−b]フルオレン:
トリエチルアミン(4.18mL、30.0mmol)を、窒素雰囲気下、0℃で10−(4−アセチルオキシムフェニル)−7−アセチルオキシム−2−メトキシ−12,12−ジヘキシル−10,12−ジヒドロ−10−アザ−インデノ[2,1−b]フルオレン(4.88g、10.0mmol)および塩化アセチル(2.13mL、30.0mmol)を含有する、100mLのテトラヒドロフラン溶液にゆっくり添加した。室温で5時間攪拌した後、反応混合液を水に注いだ。生成物を酢酸エチルで抽出した。混合した有機層を水で2回洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、真空蒸発により濃縮して残渣を得て、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィにより、酢酸エチルおよびヘキサンを溶離剤として用いて精製した。真空蒸発を使用して溶媒を除去し、収率56%および純度99%の白色粉末生成物を得た。
【0211】
実施例1.7 10−(4−アセチルオキシム−O−アセテートフェニル)−2,7−ジアセチルオキシム−O−アセテート−12,12−ジヘキシル−10,12−ジヒドロ−10−アザ−インデノ[2,1−b]フルオレン:
10−(4−アセチルオキシム−O−アセテートフェニル)−2,7−ジアセチルオキシム−O−アセテート−12,12−ジヘキシル−10,12−ジヒドロ−10−アザ−インデノ[2,1−b]フルオレンの合成は、
図7に示されるスキームにより行った。
【0212】
(a)10−(4−アセチルフェニル)−2,7−ジアセチル−12,12−ジヘキシル−10,12−ジヒドロ−10−アザ−インデノ[2,1−b]フルオレンの合成:
塩化アルミニウム(12.0g、90.0mmol)を、窒素雰囲気下、0℃で10−エチル−12,12−ジヘキシル−10,12−ジヒドロ−10−アザ−インデノ[2,1−b]フルオリン(7.20g、20.0mmol)および塩化アセチル(6.40mL、90.0mmol)を溶解したジクロロメタン溶液(120mL)にゆっくり添加した。一晩かん流した後、反応混合液を室温に冷却し、氷水に注いだ。生成物をジクロロメタンで2回抽出した。混合した有機層を塩水で洗浄し、MgSO
4上で乾燥させた。ジクロロメタンを高真空下で除去し、このようにして得られた生成物を、さらなる精製なしに次のステップに使用した。
【0213】
(b)10−(4−アセチルオキシムフェニル)−2,7−ジアセチルオキシム−12,12−ジヘキシル−10,12−ジヒドロ−10−アザ−インデノ[2,1−b]フルオレンの合成:
10−(4−アセチルフェニル)−2,7−ジアセチル−12,12−ジヘキシル−10,12−ジヒドロ−10−アザ−インデノ[2,1−b]フルオレン(4.86g、10.0mmol)を、150mLの1,3−ジオキサン、酢酸ナトリウム(4.92g、60.0mmol)、塩化ヒドロキシルアンモニウム(4.17g、60.0mmol)および水(100mL)を含有する混合溶液に添加した。反応混合液を一晩かん流させ、室温に冷却した後、水に注いだ。生成物を酢酸エチルで抽出した。混合した有機層を水で2回洗浄し、MgSO
4上で乾燥させ、濃縮して残渣を得て、さらに40℃の真空オーブン内で乾燥させた。このようにした得られた生成物を、さらなる精製なしに次のステップに使用した。
【0214】
(c)10−(4−アセチルオキシム−O−アセテートフェニル)−2,7−ジアセチルオキシム−O−アセテート−12,12−ジヘキシル−10,12−ジヒドロ−10−アザ−インデノ[2,1−b]フルオレン:
トリエチルアミン(8.36mL、60.0mmol)を、窒素雰囲気下、0℃で10−(4−アセチルオキシムフェニル)−2,7−ジアセチルオキシム−12,12−ジヘキシル−10,12−ジヒドロ−10−アザ−インデノ[2,1−b]フルオレン(5.31g、10.0mmol)および塩化アセチル(4.27mL、60.0mmol)を含有する、100mLのテトラヒドロフラン溶液にゆっくり添加した。室温で3時間攪拌した後、反応混合液を水に注いだ。生成物を酢酸エチルで抽出した。混合した有機層を水で2回洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、真空蒸発により濃縮して残渣を得て、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィにより、酢酸エチルおよびヘキサンを溶離剤として用いて精製した。真空蒸発を使用して溶媒を除去し、収率45%および純度99%の白色粉末生成物を得た。
【0215】
実施例1.8 3,9−ジアセチルオキシム−O−アセテート−6−ヘキシル−6H−12−チア−6−アザ−インデノ[1,2−b]フルオレン
3,9−ジアセチルオキシム−O−アセテート−6−ヘキシル−6H−12−チア−6−アザ−インデノ[1,2−b]フルオレンの合成は、
図8に示されるスキームにより行った。
【0216】
(a)3,9−ジアセチル−6−ヘキシル−6H−12−チア−6−アザ−インデノ[1,2−b]フルオレンの合成:
塩化アルミニウム(8.00g、60.0mmol)を、窒素雰囲気下、0℃で6−ヘキシル−6H−12−チア−6−アザ−インデノ[1,2−b]フルオレン(5.75g、20.0mmol)および塩化アセチル(3.56mL、50.0mmol)を溶解したジクロロメタン溶液(120mL)にゆっくり添加した。室温で一晩攪拌した後、反応混合液を室温に冷却し、氷水に注いだ。生成物をジクロロメタンで2回抽出した。混合した有機層を塩水で洗浄し、MgSO
4上で乾燥させた。ジクロロメタンを高真空下で除去し、このようにして得られた生成物を、さらなる精製なしに次のステップに使用した。
【0217】
(b)3,9−ジアセチルオキシム−6−ヘキシル−6H−12−チア−6−アザ−インデノ[1,2−b]フルオレンの合成:
3,9−ジアセチルオキシム−6−ヘキシル−6H−12−チア−6−アザ−インデノ[1,2−b]フルオレン(3.71g、10.0mmol)を、120mLの1,3−ジオキサン、酢酸ナトリウム(3.28g、40.0mmol)、塩化ヒドロキシルアンモニウム(2.78g、40.0mmol)および水(80mL)を含有する混合溶液に添加した。反応混合液を一晩かん流させ、室温に冷却した後、水に注いだ。生成物を酢酸エチルで抽出した。混合した有機層を水で2回洗浄し、MgSO
4上で乾燥させ、濃縮して残渣を得て、さらに40℃の真空オーブン内で乾燥させた。このようにした得られた生成物を、さらなる精製なしに次のステップに使用した。
【0218】
(c)3,9−ジアセチルオキシム−O−アセテート−6−ヘキシル−6H−12−チア−6−アザ−インデノ[1,2−b]フルオレンの合成:
トリエチルアミン(5.78mL、40.0mmol)を、窒素雰囲気下、0℃で3,9−ジアセチルオキシム−6−ヘキシル−6H−12−チア−6−アザ−インデノ[1,2−b]フルオレン(4.01g、10.0mmol)および塩化アセチル(3.45mL、40.0mmol)を含有する、100mLのテトラヒドロフラン溶液にゆっくり添加した。室温で3時間攪拌した後、反応混合液を水に注いだ。生成物を酢酸エチルで抽出した。混合した有機層を水で2回洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、真空蒸発により濃縮して残渣を得て、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィにより、酢酸エチルおよびヘキサンを溶離剤として用いて精製した。真空蒸発を使用して溶媒を除去し、収率68%および純度99%の白色粉末生成物を得た。
【0219】
実施例1.9 10−ヘキシル−10H−10−アザ−インデノ[2,1−b]フルオレン−12−O−アセチルオキシム
10−ヘキシル−10H−10−アザ−インデノ[2,1−b]フルオレン−12−O−アセチルオキシムの合成は、
図9に示されるスキームにより行った。
【0220】
(a)10−ヘキシル−10H−10−アザ−インデノ[2,1−b]フルオレン−12−オキシムの合成:
10−ヘキシル−10H−10−アザ−インデノ[2,1−b]フルオレン−12−オン(2.8g、10.0mmol)および塩化ヒドロキシアンモニウム(3.35g、40.0mmol)を、120mLの1,3−ジオキサン中に溶解した。ピリジン(3.96、50mmol)を、シリンジを介して溶液に添加した。反応混合液を一晩攪拌した。真空蒸発により溶媒を除去した後、水に注いだ。生成物を酢酸エチルで抽出した。混合した有機層を水および塩水で2回洗浄し、MgSO
4上で乾燥させ、濃縮して残渣を得て、さらに40℃の真空オーブン内で乾燥させた。このようにした得られた生成物を、さらなる精製なしに次のステップに使用した。
【0221】
(b)10−ヘキシル−10H−10−アザ−インデノ[2,1−b]フルオレン−12−O−アセチルオキシム:
トリエチルアミン(3.40mL、24.4mmol)を、窒素雰囲気下、0℃で10−ヘキシル−10H−10−アザ−インデノ[2,1−b]フルオレン−12−オキシム(2.98g、10.0mmol)および塩化アセチル(1.83mL、25.6mmol)を含有する、80mLのテトラヒドロフラン溶液にゆっくり添加した。室温で3時間攪拌した後、反応混合液を水に注いだ。生成物を酢酸エチルで抽出した。混合した有機層を水で2回洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、真空蒸発により濃縮して残渣を得て、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィにより、酢酸エチルおよびヘキサンを溶離剤として用いて精製した。真空蒸発を使用して溶媒を除去し、収率86%および純度99%の白色粉末生成物を得た。
【0222】
実施例1.10 7,7′−アセチルオキシム−O−アセテート−1,1′−ジメチル−ビスインデノ[3,2−b:2′,3′−h]−9−sec−ブチルカルバゾール
7,7′−アセチルオキシム−O−アセテート−1,1′−ジメチル−ビスインデノ[3,2−b:2′,3′−h]−9−sec−ブチルカルバゾールの合成は、
図10に示されるスキームにより行った。
【0223】
(a)7,7′−アセチル−1,1′−ジメチル−ビスインデノ[3,2−b:2′,3′−h]−9−sec−ブチルカルバゾールの合成:
塩化アルミニウム(8.00g、60.0mmol)を、窒素雰囲気下、0℃で1,1′−ジメチル−ビスインデノ[3,2−b:2′,3′−h]−9−sec−ブチルカルバゾール(9.12g、20.0mmol)および塩化アセチル(3.56mL、50.0mmol)を溶解したジクロロメタン溶液(150mL)にゆっくり添加した。室温で一晩攪拌した後、反応混合液を室温に冷却し、氷水に注いだ。生成物をジクロロメタンで2回抽出した。混合した有機層を塩水で洗浄し、MgSO
4上で乾燥させた。ジクロロメタンを高真空下で除去し、このようにして得られた生成物を、さらなる精製なしに次のステップに使用した。
【0224】
(b)7,7′−アセチルオキシム−1,1′−ジメチル−ビスインデノ[3,2−b:2′,3′−h]−9−sec−ブチルカルバゾールの合成:
7,7′−アセチル−1,1′−ジメチル−ビスインデノ[3,2−b:2′,3′−h]−9−sec−ブチルカルバゾール(5.40g、10.0mmol)を、120mLの1,3−ジオキサン、酢酸ナトリウム(2.46g、30.0mmol)、塩化ヒドロキシルアンモニウム(2.08g、30.0mmol)および水(80mL)を含有する混合溶液に添加した。反応混合液を室温で一晩攪拌し、室温に冷却した後、水に注いだ。生成物を酢酸エチルで抽出した。混合した有機層を水で2回洗浄し、MgSO
4上で乾燥させ、濃縮して残渣を得て、さらに40℃の真空オーブン内で乾燥させた。このようにした得られた生成物を、さらなる精製なしに次のステップに使用した。
【0225】
(b)7,7′−アセチルオキシム−O−アセテート−1,1′−ジメチル−ビスインデノ[3,2−b:2′,3′−h]−9−sec−ブチルカルバゾールの合成:
トリエチルアミン(4.18mL、30.0mmol)を、窒素雰囲気下、0℃で7,7′−アセチルオキシム−1,1′−ジメチル−ビスインデノ[3,2−b:2′,3′−h]−9−sec−ブチルカルバゾール(5.70g、10.0mmol)および塩化アセチル(2.13mL、30.0mmol)を含有する、100mLのテトラヒドロフラン溶液にゆっくり添加した。室温で5時間攪拌した後、反応混合液を水に注いだ。生成物を酢酸エチルで抽出した。混合した有機層を水で2回洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、真空蒸発により濃縮して残渣を得て、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィにより、酢酸エチルおよびヘキサンを溶離剤として用いて精製した。真空蒸発を使用して溶媒を除去し、収率76%および純度99%の白色粉末生成物を得た。
【0226】
実施例1.11以降
実施例1.11以降の光開始剤の合成は、機械攪拌器、水凝縮器、加熱マントル、窒素ガス入口、および温度制御器を備えた、フレーム乾燥したガラス製品内で行った。得られた生成物および中間物は、FTIR分光光度計(Perkin Elmer,Model Spectrum 100)、NMR(Nicolet 500MHz)、UV−Vis分光光度計(Perkin Elmer,Model Lambda 25)、DSC(TA Instruments,Model Q2000)、TGA(TA Instrument,Model Q500)、およびHPLC(Waters,Model Breeze 2)により特性化した。
【0227】
実施例1.11 2,7,12トリアセチルオキシム−O−アセテート−5,5′,10,10′,15,15′−ヘキサヘキシルトルキセン
2,7,12トリアセチルオキシム−O−アセテート−5,5′,10,10′,15,15′−ヘキサヘキシルトルキセンの合成は、以下のように行った。
【0228】
(a)2,7,12−トリアセチルオキシム−5,5′,10,10′,15,15′−ヘキサヘキシルトルキセンの合成:
2,7,12−トリアセチル−5,5′,10,10′,15,15′−ヘキサヘキシルトルキセン(以下の実施例1.16により調製される)を、500mLフラスコ中の180mLのジオキサンに溶解した。酢酸ナトリウム(283mg)およびヒドロキシルアミンHCl(256mg)を、100mLフラスコ中の60mLのジオキサンに溶解した。この溶液を、トリアセチルヘキサヘキシルトルキセン溶液に添加した後、かん流で一晩加熱した。低圧下でジオキサンの大部分を除去した(生成物を沈殿させた)後、次いで300mLの水を添加した。懸濁液を室温で30分間攪拌し、次に濾過して950mg(91%)の帯黄色粉末を得た。
【0229】
H
1NMR(500MHz,CDCl
3)δ:8.51〜8.46(m,3H);8.12〜8.07(m,3H);7.84〜7.79(m,3H);3.05〜2.92(m,6H);2.70〜2.60(m,9H);2.65〜2.57(m,6H);2.32〜2.17(m,36H);1.05〜0.82(m,18H);0.65〜0.49(m,12H)。
【0230】
(b)2,7,12−トリアセチルオキシム−O−アセテート−5,5′,10,10′,15,15′−ヘキサヘキシルトルキセンの合成:
2,7,12−トリアセチルオキシム−5,5′,10,10′,15,15′−ヘキサヘキシルトルキセンを、N
2下、フレーム乾燥した100mLフラスコ中の60mLのTHFに溶解した。溶液を氷浴中で0℃に冷却した。トリエチルアミン(225μL)を添加した後、塩化アセチル(120μL)をゆっくり添加した。白色沈殿物が形成された。反応を、ヘキサン中の15% EtOAcを使用してTLCで監視した。室温で2時間後、EtOAcおよび水を使用して反応混合物を抽出し、MgSO
4上で乾燥させて、真空下で慎重に乾燥させた後、メタノールに懸濁した。この懸濁液を30分間音波処理した後、濾過して、235mg(32%、HPLC純度+99%)の白色粉末を得た。
【0231】
【化143】
【0232】
H
1NMR(500MHz,CDCl
3)δ8.42(d,J=8.5Hz,3H);7.88(dd,J
1=1.7Hz,J
2=8.4Hz,3H);7.82(d,J=1.7Hz,3H);2.97−2.91(m,6H);2.54(s,9H);2.35(s,9H);2.18−2.11(m,6H);0.98−0.80(m,36H);0.62(t,J=7.2Hz,18H);0.52−0.45(m,12H)。
【0233】
実施例1.12 3,8,13−トリアセチル−5,10,15−トリヘキシル−10,15−ジヒドロ−5H−5,10,15−トリアザジインデノ[1,2−a;1′,2′−c]フルオレントリオキシムトリ−O−アセテート(2E)
3,8,13−トリアセチル−5,10,15−トリヘキシル−10,15−ジヒドロ−5H−5,10,15−トリアザジインデノ[1,2−a;1′,2′−c]フルオレントリオキシムトリ−O−アセテートの合成は、以下のように行った。
【0234】
(a)3,8,13−トリアセチル−5,10,15−トリヘキシル−10,15−ジヒドロ−5H−5,10,15−トリアザジインデノ[1,2−a;1′,2′−c]フルオレントリオキシムの合成:
3,8,13−トリアセチル−5,10,15−トリヘキシル−10,15−ジヒドロ−5H−5,10,15−トリアザジインデノ[1,2−a;1′,2′−c]フルオリン(800g、1.10mmol、以下の実施例1.17から)を、窒素下で1,4−ジオキサン(120mL)に溶解した。反応混合液をやさしく加熱して固体を溶解した。水(40mL)中の酢酸ナトリウム(285mg、4.32mmol)および塩化ヒドロキシルアンモニウム(255mg、3.67mmol)溶液を、反応混合液に添加し、次に24時間かん流させた。酢酸エチル(20%)およびヘキサン(80%)を溶離剤として使用して、TLCにより反応を監視した。反応が完了した後、生成物を冷水(200mL)中で沈殿させた。真空濾過により、ベージュ色の固体生成物が得られ、水で繰り返し洗浄して、一定重量になるまで30℃で真空下乾燥させた(790mg、収率93%)。
【0235】
(b)3,8,13−トリアセチル−5,10,15−トリヘキシル−10,15−ジヒドロ−5H−5,10,15−トリアザジインデノ[1,2−a;1′,2′−c]フルオリントリオキシムトリ−O−アセテートの合成:
塩化アセチル(167μL、2.34mmol)を、3,8,13−トリアセチル−5,10,15−トリヘキシル−10,15−ジヒドロ−5H−5,10,15−トリアザジインデノ[1,2−a;1′,2′−c]フルオレントリオキシム(500mg、0.65mmol)およびトリエチルアミン(312μL、2.24mmol)を含有する、テトラヒドロフラン溶液(500mL)にゆっくり添加した。反応混合液を一晩攪拌した。次に溶媒を減圧下で蒸発させて、暗茶色の油を得た。シリカゲル移動相および酢酸エチルとヘキサンの混合物を溶離剤として使用し、カラムクロマトグラフィにより精製した。真空下で溶媒を蒸発させて、薄茶色の固体を得た(207mg、40%)。示差走査熱量計および熱重量分析により、融点および分解温度がそれぞれ約124℃および260℃であることを決定した。
【0236】
【化144】
【0237】
1H NMR(500MHz,CDCl
3)δ8.71(s,3H)、7.88(d,J=8.6Hz,3H)、7.66(d,J=8.6Hz,3H)、4.98(t,J=7.5Hz,6H)、2.60(s,9H)、2.36(s,9H)、1.95(p,J=6.6Hz,6H)、1.20−1.11(m,18H)、0.76(t,J=7.1Hz,9H)。
【0238】
実施例1.13 4,9,13−トリエトキシアセチルオキシム−O−トリアセテートトルキセノン
4,9,13−トリエトキシアセチルオキシム−O−トリアセテートトルキセノンの合成は、
図11に示されるスキームにより行った。
【0239】
(a)4,9,13−トリエトキシアセチルトルキセノンの合成(3B):
三塩化アルミニウム(1.47g、11.02mmol)を、ジクロロメタン(10mL)およびトルキセノン(3A、1.29g、3.35mmol)を含有する溶液にゆっくり添加した。溶液は暗赤色になった。次に、塩化エトキシアセチル(1.81g、14.75mmol)を、2分間の期間をかけて滴下添加した。反応を36時間継続した。次に、反応混合液を速やかに濾過し、真空下で濃縮して、粘性の生成物を得た。無水エタノール(15mL)を添加してスラリーを形成し、30分間の音波浴に入れた。固体生成物を濾過し、エタノールで繰り返し洗浄して、高真空下30℃で一晩乾燥させて、薄黄色固体を得た(1.83g、収率85%)。
【0240】
(b)4,9,13−トリエトキシアセチルオキシムトルキセノンの合成(3C):
4,9,13−トリエトキシアセチルオキシムトルキセノン(707mg、1.10mmol)を、窒素下で1,4−ジオキサン(120mL)に溶解した。反応混合液をやさしく加熱して、固体を溶解した。水(40mL)中の酢酸ナトリウム(285mg、4.32mmol)および塩化ヒドロキシルアンモニウム(255mg、3.67mmol)溶液を、反応混合液に添加し、次に24時間かん流させた。酢酸エチル(20%)およびヘキサン(80%)を溶離剤として使用して、TLCにより反応を監視した。反応が完了した後、生成物を冷水(200mL)中で沈殿させた。真空濾過により、ベージュ色の固体生成物が得られ、水で繰り返し洗浄して、一定重量になるまで30℃で真空下乾燥させた(680mg、収率90%)。
【0241】
(c)4,9,13−トリエトキシアセチルオキシム−O−トリアセテートトルキセノン(3D):
塩化アセチル(167μL、2.34mmol)を、4,9,13−トリエトキシアセチルオキシムトルキセノン(447mg、0.65mmol)およびトリエチルアミン(312μL、2.24mmol)を含有する、テトラヒドロフラン溶液(500mL)にゆっくり添加した。反応混合液を一晩攪拌した。次に溶媒を減圧下で蒸発させて、暗茶色の油を得た。シリカゲル移動相および酢酸エチルとヘキサンの混合物を溶離剤として使用し、カラムクロマトグラフィにより精製した。真空下で溶媒を蒸発させて、薄色の固体を得た(158mg、30%)。
【0242】
実施例1.14 3,8,13−トリヘキサノイル−5,10,15−トリヘキシル−10,15−ジヒドロ−5H−5,10,15−トリアザジインデノ[1,2−a;1′,2′−c]フルオレントリオキシムトリ−O−アセテート
3,8,13−トリヘキサノイル−5,10,15−トリヘキシル−10,15−ジヒドロ−5H−5,10,15−トリアザジインデノ[1,2−a;1′,2′−c]フルオレントリオキシムトリ−O−アセテート(以下に示す)の合成は、ステップ(b)において、塩化アセチルを塩化ヘキサノイルで置換したことを除いて、実施例1.11と同様に行った。
【0243】
【化145】
【0244】
3,8,13−トリヘキサノイル−5,10,15−トリヘキシル−10,15−ジヒドロ−5H−5,10,15−トリアザジインデノ[1,2−a;1′,2′−c]フルオレントリオキシムトリ−O−アセテートは、白色の固体生成物として、全体収率28%で得られた。
【0245】
1H NMR(500MHz,CDCl
3)δ:8.69(s,3H)、7.83(d,J=8.4Hz,3H)、7.67(d,J=8.7Hz,3H)、5.00(t,J=7.1Hz,6H)、3.05(t,J=7.8Hz,6H)、2.35(s,9H)、1.95(p,J=7.1Hz,6H)、1.72(p,J=7.6Hz,6H)、1.50−1.44(m,6H)、1.41(p,J=7.4Hz,6H)、1.25−1.13(m,18H)、0.94(t,J=7.3Hz,9H)、0.76(t,J=7.1Hz,9H)。
【0246】
3,8,13−トリアセチル−5,10,15−トリヘキシル−10,15−ジヒドロ−5H−5,10,15−トリアザジインデノ[1,2−a;1′,2′−c]フルオレントリオキシムトリ−O−アセテートのUV−Visスペクトルを
図12に示す。このスペクトルは、300〜400nmの強力な吸収帯を示す。より具体的には、スペクトルは、365nmで強力な吸収を示し、続いて急激に減少した。これは感度を強化する一方で、色干渉を回避する。
【0247】
実施例1.15 2,7,12−トリ(4−アセチルフェニル)−5,5,10,10,15,15−ヘキサヘキシル−10,15−ジヒドロ−5H−ジインデノ[1,2−a;1′,2′−c]フルオレントリオキシムトリ−O−アセテート
(a)2,7,12−トリ(4−アセチルフェニル)−5,5,10,10,15,15−ヘキサヘキシル−10,15−ジヒドロ−5H−ジインデノ[1,2−a;1′,2′−c]フルオレントリオキシムの合成:
100mLの3首フラスコに、2,7,12−トリ(4−アセチルフェニル)−5,5,10,10,15,15−ヘキサヘキシルトルキセン(6g)を、窒素下でジオキサン(50mL)に溶解した。水(15mL)中の塩化ヒドロキシルアンモニウム(346mg)および酢酸ナトリウム(329mg)溶液を、この溶液に添加した。反応混合液を12時間かん流させた。トルエン中の5%酢酸エチルを使用して、TLCにより反応を監視した。減圧下で溶媒を蒸発させた。次に水(250mL)を添加し、化合物を濾過して、粘性の固体を得た。メタノール中で再結晶化することにより生成物を精製し、−20℃で一晩放置した。化合物(以下に示される)を濾過して、4g(65%)の白色粉末を得た。
【0248】
【化146】
【0249】
1H NMR(500MHz,CDCl
3)δ8.52−8.50(m,3H);8.03−7.94(m,6H);7.91−7.85(m,6H);7.79−7.73(m,6H);3.05(s,6H);2.71(s,9H);2.22(s,6H);0.96−0.90(m,36H);0.63−0.61(m,30H)。
【0250】
(b)2,7,12−トリ(4−アセチルフェニル)−5,5,10,10,15,15−ヘキサヘキシル−10,15−ジヒドロ−5H−ジインデノ[1,2−a;1′,2′−c]フルオレントリオキシムトリ−O−アセテートの合成:
フレーム乾燥した1Lの3首フラスコに、乾燥テトラヒドロフランおよび2,7,12−トリ(4−アセチルフェニル)−5,5,10,10,15,15−ヘキサヘキシル−10,15−ジヒドロ−5H−ジインデノ[1,2−a;1′,2′−c]フルオレントリオキシム(3g)を、窒素下で添加した。トリエチルアミン(1.1mL)の添加前に、反応液を氷浴中で0℃に冷却した。塩化アセチル(0.591mL)をゆっくり添加する前に5分間、反応液を攪拌した。反応液を0℃で2時間攪拌し、トルエン中の5%酢酸エチルを溶離剤として使用し、TLC上で監視した。反応混合物を酢酸エチルおよび水中で抽出し、硫酸マグネシウム上で乾燥させて、減圧下で溶媒を蒸発させた。次にメタノール(500mL)を粗生成物に添加し、溶液を加熱および濾過した。粗生成物を2−プロパノールに溶解し、溶液を加熱して、−20℃で1時間放置した後、濾過して2g(60%)の白色粉末を得た。
【0251】
【化147】
【0252】
1H NMR(500MHz,CDCl
3)δ8.48(d,J=8.4Hz,3H);7.94(d,J=8.6Hz,6H);7.84(d,J=8.6Hz,6H);7.74−7.72(m,6H);3.08−3.01(m,6H);2.50(s,9H);2.34(s,9H) 2.24−2.15(m,6H);1.03−0.85(m,36H);0.64−0.58(m,30H)。
【0253】
UV−Vis(THF):338nm.DSC:124℃.IR(KBr):2955,2924,2855,1772,1603,1478,1364,1318,1199,984,933,890,830,808。
【0254】
図13は、Carba−05(BASFからのIrgacure OXE−02である)、およびTruxe−08、およびTruxe−07(上記から)、ならびにTruxe−12(実施例1.15から)のUVスペクトルを示す。これらのスペクトルは、Carba−05の最大吸収が1であるように正規化された。この図において、Carba−05は、277nmで最大吸収および365nmで0.161の相対吸収を有する曲線である。Truxe−08は、304および333nmで2つの吸収ピーク、および365nmで0.754の相対吸収を有する。Truxe−07は、325nmで1つの吸収ピーク、および365nmで0.043の相対吸収を有する。最後に、Truxe−12は、338nmで1つの吸収ピーク、および365nmで0.666の相対吸収を有する。Truxe−12は、OXE−02より高い吸収を有することに留意されたい。
【0255】
実施例1.16 2,7,12−トリアセチル−5,5′,10,10′,15,15′−ヘキサヘキシルトルキセン(INDENO 332)
2,7,12−トリアセチル−5,5′,10,10′,15,15′−ヘキサヘキシルトルキセンの合成は、N
2下、50mLのジクロロメタンを含有する250mLのフレーム乾燥したフラスコ内で、4.3グラムの5,5′,10,10′,15,15′−ヘキサヘキシルトルキセンを溶解することにより生じた。塩化アセチル(1.83mL)を添加し、次に塩化アルミニウム(3.27g)を15分の期間をかけてゆっくり添加した。反応混合液を室温で一晩攪拌した。トルエン中の2.5% EtOAcを溶離剤として使用し、TLCにより反応を監視した。ジクロロメタンおよび水を使用して、抽出を行った。次に混合液を硫酸マグネシウム上で乾燥させた。粗生成物を高真空下で慎重に乾燥させ、メタノール中で沈殿させた後、濾過してオフホワイト色の粉末を得た(5.5g、72%)。
【0256】
【化148】
【0257】
H
1NMR(500MHz,CDCl
3)δ8.49(d,J=8.4Hz,3H);8.12(d,J=1.7Hz,3H);8.07(dd,J1=1.7,J2=8.3Hz,3H);3.00 2.94(m,6H);2.76(s,9H);2.25 2.19(m,6H);0.98 0.79(m,36H);0.61(t,J=7.1,18H);0.52 0.44(m,12H)。
【0258】
テトラヒドロフラン溶液中の2,7,12−トリアセチル−5,5′,10,10′,15,15′−ヘキサヘキシルトルキセンの最大吸収ピークおよび吸収係数は、それぞれ332nmおよび8.66×104L/mol.cmである。融点は、DSCにより217℃であることが測定された。
【0259】
実施例1.17 3,8,13−トリアセチル−5,10,15−トリヘキシル−10,15−ジヒドロ−5H−5,10,15−トリアザジインデノ[1,2−a;1′,2′−c]−フルオレン(INDENO 336)
3,8,13−トリアセチル−5,10,15−トリヘキシル−10,15−ジヒドロ−5H−5,10,15−トリアザジインデノ[1,2−a;1′,2′−c]−フルオレンの合成は、三塩化アルミニウム(1.47g、11.02mmol)を、ジクロロメタン(10mL)および5,10,15−トリヘキシル−10,15−ジヒドロ−5H−5,10,15−トリアザジインデノ[1,2−a;1′,2′−c]フルオレン(2g、3.35mmol)を含有する溶液にゆっくり添加することにより行った。溶液は暗赤色になった。次に、塩化アセチル(750μL、14.75mmol)を、2分間の期間をかけて滴下添加した。酢酸エチル(30%)およびヘキサン(70%)の混合物を溶離剤として使用し、TLCにより反応を監視した。反応が完了した後、反応混合液を速やかに濾過し、真空下で濃縮して、粘性の赤色生成物を得た。無水エタノール(15mL)を添加してスラリーを形成し、音波浴中に30分間置いた。固体生成物を濾過し、エタノールで繰り返し洗浄して、高真空下30℃で一晩乾燥させて、薄赤色の固体を得た(1.93g、収率80%)。
【0260】
【化149】
【0261】
1H NMR(500MHz,CDCl
3)δ9.02(s,3H)、8.13(d,J=8.6Hz,3H)、7.66(d,J=8.5Hz,3H)、5.00(t,J=7.7Hz,6H)、2.80(s,9H)、1.99(p,J=7.6Hz,6H)、1.33(p,J=7.3Hz,6H)、1.26−1.17(m,12H)、0.78(t,J=7.1Hz,9H)。
【0262】
テトラヒヂロフラン溶液中の3,8,13−トリアセチル−5,10,15−トリヘキシル−10,15−ジヒドロ−5H−5,10,15−トリアザジインデノ[1,2−a;1′,2′−c]−フルオレンの最大吸収ピークおよび吸収係数は、それぞれ336nmおよび7.40×10
4L mol
−1cm
−1である。
【0263】
実施例1.18 2,7,12−トリ(4−アセチルフェニル)−5,5′,10,10′,15,15′−ヘキサヘキシルトルキセン
TRUXE−03(8.5g)、4−アセチルフェニルボロン酸(4.2g)およびトルエン(500mL)を、500mLフラスコに入れ、窒素で洗浄した。水(100mL)に溶解した炭酸カリウム(28g)をこの混合液に添加した。反応混合液を窒素で30分間発泡させた。次に酢酸パラジウム(52mg)およびトリフェニルホスフィン(62mg)を溶液に添加した。反応混合液をかん流で2日間加熱した後、4−アセチルフェニルボロン酸(4.2g)を添加した。反応液を再度2日間かん流させた後、4−アセチルフェニルボロン酸(4.2g)を最後に添加した。次に反応液を4日間再かん流させたた。100%トルエンを溶離剤として使用して、反応を監視した。反応混合液を水で3回洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させて、減圧下で濃縮した。100%トルエンを溶離剤として使用して、混合液をシリカゲル上で速やかに通過させて、7g(75%)の所望の生成物を得た。
【0264】
【化150】
【0265】
1H NMR(500MHz,CDCl
3)δ8.50(d,J=8.3Hz,3H);8.14(d,J=8.6Hz,6H);7.89(d,J=8.5Hz,6H);7.77−7.75(m,6H);3.08−3.02(m,6H);2.72(s,9H);2.25−2.19(m,6H);1.05−0.85(m,36H);0.64−0.58(m,30H)。
【0266】
テトラヒドロフラン溶液中の2Cの最大吸収ピークおよび吸収係数は、それぞれ340nmおよび12.64×10
4L mol
−1cm
−1である。融点は85℃である。
【0267】
実施例1.19 2,7,12−トリ−(o−トルロイル)−5,5′,10,10′,15,15′−ヘキサヘキシルトルキセン(INDENO 337)
5,5′,10,10′,15,15′−ヘキサヘキシルトルキセン(1.1g)を、100mLフラスコ内で10mLのCH
2Cl
2にN
2下で溶解した。o−塩化トルロイル(638mg、3.20eq)を添加し、次に塩化アルミニウム(525mg、3.05eq)を15分の期間をかけてゆっくり添加した。反応混合液を室温で一晩攪拌した。100%トルエンを溶離剤として使用して、TLCにより反応を監視した。必要に応じて、塩化アルミニウム(130mg、0.76eq)およびo−塩化トルロイル(160mg、0.80eq)を反応混合液に添加し、反応を室温で一晩攪拌した。水を慎重にゆっくり添加することにより、反応液を急冷した。CH
2Cl
2および水を使用して、抽出を行った。次に混合液をMgSO
4上で乾燥させた。トルエン中の50%ヘキサン:100%トルエンを使用し、粗生成物をシリカゲルカラム上で精製した。得られた粘性の油をメタノール中で粉砕し、薄黄色の粉末を得た(720mg、46%)。
【0268】
【化151】
【0269】
1H NMR(500MHz,CDCl
3)δ8.42(d,J=8.4Hz,3H)、7.99(d,J=1.5Hz,3H)、7.80(dd,J
1=1.4Hz,J
2=8.3Hz,3H)、7.47−7.41(m,6H)、7.35(d,J=7.6Hz,3H)、7.31(t,J=7.4Hz,3H)、2.95−2.86(m,6H)、2.40(s,9H)、2.17−2.09(m,6H)、0.97−0.79(m,36H)、0.61(t,J=7.0Hz,18H)、0.53−0.44(m,12H)。
【0270】
テトラヒドロフラン溶液中の2,7,12−トリ−(o−トルロイル)−5,5′,10,10′,15,15′−ヘキサヘキシルトルキセンの最大吸収ピークおよび吸収係数は、それぞれ336nmおよび7.90×10
4L mol
−1cm
−1である。融点は125℃である。
【0271】
実施例1.20 2,7,12−トリ−(フェノイル)−5,5′,10,10′,15,15′−ヘキサヘキシルトルキセン(INDENO 333)
5,5′,10,10′,15,15′−ヘキサヘキシルトルキセン(5.0g)を、100mLフラスコ内で50mLのCH
2Cl
2にN
2下で溶解した。塩化ベンゾイル(2.6g、3.20eq)を添加し、次に塩化アルミニウム(3.3g、3.05eq)を5分の期間をかけてゆっくり添加した。反応混合液を室温で2日間攪拌した。100%トルエンを溶離剤として使用して、HPLC(8分でピーク)およびTLCにより反応を監視した。必要に応じて、塩化アルミニウム(825mg、0.76eq)および塩化ベンゾイル(650mg、0.80eq)を反応混合液に添加し、反応を室温で一晩攪拌した。水を慎重にゆっくり添加することにより、反応液を急冷した(注意:高度に発熱性である)。CH
2Cl
2および水を使用して、抽出を行った。有機層をNaHCO
3の1M溶液で洗浄し、次に混合液をMgSO
4上で乾燥させた。溶液を減圧下で濃縮した。得られたタール状固体をメタノール中で1時間粉砕し、濾過した。濾過後、粗生成物を2−プロパノールから再結晶化し、3.3g(48%、100%:6.84g)を得た。必要に応じて、トルエン中の50%ヘキサン:100%トルエンを使用し、シリカゲルカラム上でさらなる精製を行った(500mgから開始し、60mgを回収した、12%)。
【0272】
【化152】
【0273】
1H NMR(500MHz,CDCl
3)δ8.48(d,J=8.4Hz,3H)、7.96(d,J=1.6Hz,3H)、7.93−7.88(m,9H)、7.65(tt,J
1=7.5Hz,J
2=1.3Hz,3H)、7.55(t,J=7.7Hz,6H)、3.00−2.92(m,6H)、2.21−2.13(m,6H)、1.00−0.83(m,36H)、0.63(t,J=7.3Hz,18H)、0.58−0.50(m,12H)。
【0274】
テトラヒドロフラン溶液中の2,7,12−トリ−(フェノイル)−5,5′,10,10′,15,15′−ヘキサヘキシルトルキセンの最大吸収ピークおよび吸収係数は、それぞれ332nmおよび8.55×10
4L mol
−1cm
−1である。融点は155℃である。
【0275】
実施例1.21 2,7,12−トリ−(2−チエニルオイル)−5,5′,10,10′,15,15′−ヘキサヘキシルトルキセン
5,5′,10,10′,15,15′−ヘキサヘキシルトルキセン(5.0g)を、100mLフラスコ内で50mLのCH
2Cl
2にN
2下で溶解した。2−塩化チオフェンカルボニル(2.8g、3.20eq)を添加し、次に塩化アルミニウム(3.3g、3.05eq)を5分の期間をかけてゆっくり添加した。反応混合液を室温で2日間攪拌した。100%トルエンを溶離剤として使用して、HPLC(5分でピーク)およびTLCにより反応を監視した。必要に応じて、塩化アルミニウム(825mg、0.76eq)および2−塩化チオフェンカルボニル(700mg、0.80eq)を反応混合液に添加し、反応を室温で一晩攪拌した。水を慎重にゆっくり添加することにより、反応液を急冷した(注意:高度に発熱性である)。CH
2Cl
2および水を使用して、抽出を行った。有機層をNaHCO
3の1M溶液で洗浄し、次にMgSO
4上で乾燥させた。溶液を減圧下で濃縮した。得られたタール状固体をメタノール中で1時間粉砕し、濾過した。濾過後、粗生成物を2−プロパノールから再結晶化し、580mg(8%、100%:6.95g)の分析に適した化合物、および1.6g(23%)の許容可能に純粋な化合物を得た。いずれの留分もHPLCにより1つのみのピークを示したが、1.6gの留分は、TLC上でわずかな不純物を示した。
【0276】
【化153】
【0277】
1H NMR(500MHz,CDCl
3)δ8.51(d,J=8.2Hz,3H)、8.03−7.99(m,6H)、7.78(dd,J
1=4.9Hz,J
2=1.1Hz,3H)、7.77(dd,J
1=3.8Hz,J
2=1.1Hz,3H)、7.24(dd,J
1=4.8Hz,J
2=3.8Hz,3H)、3.00−2.95(m,6H)、2.24−2.17(m,6H)、1.01−0.82(m,36H)、0.62(t,J=7.0Hz,18H)、0.58−0.49(m,12H)。
【0278】
テトラヒドロフラン溶液中の2,7,12−トリ−(2−チエニルオイル)−5,5′,10,10′,15,15′−ヘキサヘキシルトルキセンの最大吸収ピークおよび吸収係数は、それぞれ338nmおよび8.53×10
4L mol
−1cm
−1である。融点は125℃である。
【0279】
実施例1.22 2,7,12−トリ−(4−メトキシフェニルオイル)−5,5′,10,10′,15,15′−ヘキサヘキシルトルキセン
5,5′,10,10′,15,15′−ヘキサヘキシルトルキセン(5.0g)を、100mLフラスコ内で50mLのCH
2Cl
2にN
2下で溶解した。3−塩化メトキシベンゾイル(3.2g、3.20eq)を添加し、次に塩化アルミニウム(3.3g、3.05eq)を5分の期間をかけてゆっくり添加した。反応混合液を室温で2日間攪拌した。トルエン中の2%酢酸エチルを溶離剤として使用して、HPLC(6分でピーク)およびTLCにより反応を監視した。必要に応じて、塩化アルミニウム(825mg、0.76eq)および3−塩化メトキシベンゾイル(800mg、0.80eq)を反応混合液に添加し、反応を室温で一晩攪拌した。水を慎重にゆっくり添加することにより、反応液を急冷した(注意:高度に発熱性である)。CH
2Cl
2および水を使用して、抽出を行った。有機層をNaHCO
3の1M溶液で洗浄し、次にMgSO
4上で乾燥させた。溶液を減圧下で濃縮した。得られたタール状固体をメタノール中で1時間粉砕し、濾過した。濾過後、粗生成物を2−プロパノールから再結晶化し、700mg(9%、100%:7.37g)を得た。必要に応じて、トルエン中の100%トルエン:10%酢酸エチルを使用し、シリカゲルカラム上でさらなる精製を行った(30mgを回収した)。
【0280】
【化154】
【0281】
1H NMR(500MHz,CDCl
3)δ8.48(d,J=8.4Hz,3H)、7.95(d,J
1=1.5Hz,3H)、7.93(dd,J
1=8.3Hz,J
2=1.6Hz,3H)、7.46−7.42(m,9H)、7.21−7.18(m,3H)、3.91(s,9H)、3.00−2.93(m,6H)、2.20−2.13(m,6H)、1.00−0.82(m,36H) 0.63(t,J=7.0Hz,18H)、0.59−0.48(m,12H)。
【0282】
テトラヒドロフラン溶液中の2,7,12−トリ−(4−メトキシフェニルオイル)−5,5′,10,10′,15,15′−ヘキサヘキシルトルキセンの最大吸収ピークおよび吸収係数は、それぞれ333nmおよび8.55×10
4L mol
−1cm
−1である。融点は137℃である。
【0283】
実施例1.23 2,7,12−トリ−(2−アセチルフェニル)−5,5′,10,10′,15,15′−ヘキサヘキシルトルキセン
2,7,12−トリブロモ−5,5′,10,10′,15,15′−ヘキサヘキシルトルキセン(1.7g)、2−アセチルフェニルボロン酸(0.84g)、およびトルエン(100mL)を、500mLフラスコに入れ、窒素で洗浄した。水(20mL)に溶解した炭酸ナトリウム(5.6g)および臭化テトラブチルアンモニウム(100mg)をこの混合液に添加した。反応混合液を窒素で30分間発泡させた。次に酢酸パラジウム(48mg)およびトリフェニルホスフィン(60mg)を溶液に添加した。反応混合液をかん流で2日間加熱した。反応混合液を3回洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させて、減圧下で濃縮した。100%トルエン、次にトルエン中1〜3%アセトンを溶離剤として使用して、混合液をシリカゲル上で速やかに通過させて、500mg(27%)の所望の生成物を得た。
【0284】
【化155】
【0285】
1H NMR(500MHz,CDCl3)δ8.42(d,J=8.2Hz,3H)、7.61−7.55(m,9H)、7.48−7.45(m,6H)、7.42(dd,J1=8.2Hz,J2=1.7Hz,3H)、3.04−2.96(m,6H)、2.15−2.07(m,6H)、2.01(s,9H)、1.00−0.80(m,36H)、0.60(t,J=7.3Hz,18H)、0.58−0.52(m,12H)。
【0286】
テトラヒドロフラン溶液中の2,7,12−トリ−(2−アセチルフェニル)−5,5′,10,10′,15,15′−ヘキサヘキシルトルキセンの最大吸収ピークおよび吸収係数は、それぞれ323nmおよび9.20×10
4L mol
−1cm
−1である。融点は136℃である。
【0287】
図13は、実施例1.16および1.18〜1.23の光開始剤の相対UV−Vis吸収度を示す。
【0288】
(赤色、緑色、青色、および黒色フィルターレジスト)
実施例2.1〜2.10および比較実施例1
異なる光開始剤を持つ赤色、緑色、および青色レジストおよび黒色マトリックスは、1.0部の光開始剤、13部のレジスト媒体、6.0部の対応する色素分散液、すなわち、それぞれ赤−254、緑−36、青−15、および黒−250を、高いせん断ミキサーを使用して2時間混合することにより調製した。得られた混合液を、1μm孔フィルターを通じて濾過した。色素性溶液を、回転コーターを使用してガラス上にコーティングし、100℃で2分間乾燥させて、約3μmの厚さを有する均一な膜を生成した。
【0289】
250W超高圧水銀ランプを、空気下、1,000mJ/cm
2の用量で使用し、21−灰色−スケールステップ標的マスク(Stouffer Graphic Arts T2115)を通じて使用し、カラーレジスト膜を曝露した。曝露された膜は、水性水酸化カリウム溶液(pH12)を使用して現像し、脱イオン化水で繰り返し洗浄した後、100℃で30分間乾燥させた。結果を以下の表にまとめる。
【0290】
【表2】
【0291】
この表において、感度について報告された値は、カラーレジスト膜を完全に硬化させるために必要な最小用量である。現像後に残る最高ステップ数の透過率から計算した。必要とされる最小用量(mJ/cm
2)は、できる限り小さいことが望ましく、高感度化合物を示す。一般に、光開始剤の感度が高いほど、組成物の硬化にかかる時間が短い。
【0292】
上記表から、本発明の化合物は、Irgacure OXE−2とほぼ同等、および場合によってはさらに高い感度であることがわかる。
【0293】
実施例2.11〜2.18および比較実施例(CE)2〜5
赤色、緑色、青色、および黒色フィルターレジストは、色素分散液、レジスト媒体、ならびに実施例1.11および1.12の光開始剤を、高いせん断ミキサーを使用して2時間混合することにより調製した。得られた混合液を、1μm孔フィルターを通じて濾過した。色素性溶液を、回転コーターを使用してガラス上にコーティングし、100℃で2分間乾燥させて、約3μmの厚さを有する均一な膜を生成した。比較するために、市販の光開始剤、Irgacure OXE−02も使用した。
【0294】
250W超高圧水銀ランプを、空気下、1,000mJ/cm
2の用量で使用し、21−灰色−スケールステップ標的マスク(Stouffer Graphic Arts T2115)を通じて、カラーレジスト膜を曝露した。曝露した膜は、水性水酸化カリウム溶液(pH12)を使用して現像し、脱イオン化水で繰り返し洗浄した後、100℃で30分間乾燥させた。結果を以下の表にまとめる。
【0295】
この表において、光感度について報告された値は、カラーレジスト膜を完全に硬化させるために必要な最小用量である。現像後に残る最高ステップ数の透過率から計算した。必要とされる最小用量(mJ/cm
2)は、できる限り小さいことが望ましく、高感度化合物を示す。一般に、光開始剤の感度が高いほど、組成物の硬化にかかる時間が短い。
【0296】
【表3】
【0297】
上記からわかるように、試験した本発明の化合物は、すべての場合において、Irgacure OXE−02より高い。
【0298】
(リソグラフオフセット印刷プレート)
実施例3.1
コーティング組成物は、高せん断ミキサーを使用して、250gのBR10−010、67gのUR07−009、1.0gのベーシックグリーン−4、33gの青色−15、および実施例1.7の5.0gの光開始剤、ならびに900gのシクロヘキサノン溶液を5時間混合することにより調製した。得られた溶液を5μ孔フィルターを通して濾過した。それを陽極酸化アルミニウム基材の上にコーティングし、ワイヤを巻き付けた棒を使用して、リン酸フッ化物(PF)で後処理した後、100℃の温風オーブン内で5分間乾燥させた。
【0299】
250W超高圧水銀ランプを、空気下、100mJ/cm
2のエネルギー密度で使用し、21−灰色−スケールステップ標的マスク(Stouffer Graphic Arts T2115)を通じて、プレートを曝露した。曝露したプレートは、Tung Sung800プロセッサを使用して、1%の石鹸溶液を含有する水溶液を用いて、25℃で20秒間の滞留時間で現像し、高解像度の画像を得た。現像したプレートを、黒色インク(Toyo Black)および湿し水(UF300、Mylan Group,Vietnamから入手)を使用して、Heidelberg 46プレス上に置き、良質の複製を20,000部生成した。
【0300】
実施例3.2
印刷プレートは、実施例1.10からの光開始剤を、実施例1.7からの光開始剤の代わりに使用したことを除いて、実施例3.1に記載されるものと同様の方法で調製した。
【0301】
250W超高圧水銀ランプを、空気下、100mJ/cm
2のエネルギー密度で使用し、21−灰色−スケールステップ標的マスク(Stouffer Graphic Arts T2115)を通じて、プレートを曝露した。曝露したプレートは、Tung Sung800プロセッサを使用して、1%の石鹸溶液を含有する水溶液を用いて、25℃で20秒間の滞留時間で現像し、高解像度の画像を得た。
【0302】
現像したプレートを、黒色インク(Toyo Black)および湿し水(UF300、Mylan Group,Vietnamから入手)を使用して、Heidelberg 46プレス上に置き、良質の複製を20,000部生成した。
【0303】
実施例3.3
コーティング組成物は、高せん断ミキサーを使用して、250gのBR10−010、67gのUR07−009、1.0gの基本的な緑−4、33gの青−15、および5.0gの光開始剤1E(実施例1.11)、ならびに900gの2−メトキシプロパノール溶液を5時間混合することにより調製した。得られた溶液を5μ孔フィルターを通して濾過した。それを陽極酸化アルミニウム基材の上にコーティングし、ワイヤを巻き付けた棒を使用して、リン酸フッ化物(PF)で後処理した後、100℃の温風オーブン内で5分間乾燥させた。
【0304】
250W超高圧水銀ランプを、空気下、100mJ/cm
2のエネルギー密度で使用し、21−灰色−スケールステップ標的マスク(Stouffer Graphic Arts T2115)を通じて、プレートを曝露した。曝露したプレートは、Tung Sung800プロセッサを使用して、1%のMr.Clean石鹸溶液を含有する水溶液を用いて、25℃で20秒間の滞留時間で現像し、高解像度の画像を得た。
【0305】
現像したプレートを、黒色インク(Toyo Black)および湿し水(UF300、Mylan Group,Vietnamから入手)を使用して、Heidelberg 46プレス上に置き、良質の複製を20,000部生成した。
【0306】
実施例3.4
印刷プレートは、実施例1.12からの光開始剤を、実施例1.11からの光開始剤の代わりに使用したことを除いて、実施例3.3に記載されるものと同様の方法で調製した。
【0307】
250W超高圧水銀ランプを、空気下、100mJ/cm
2のエネルギー密度で使用し、21−灰色−スケールステップ標的マスク(Stouffer Graphic Arts T2115)を通じて、プレートを曝露した。曝露したプレートは、Tung Sung800プロセッサを使用して、1%のMr.Clean石鹸溶液を含有する水溶液を用いて、25℃で20秒間の滞留時間で現像し、高解像度の画像を得た。
【0308】
現像したプレートを、黒色インク(Toyo Black)および湿し水(UF300、Mylan Group,Vietnamから入手)を使用して、Heidelberg 46プレス上に置き、良質の複製を20,000部生成した。
【0309】
(紫外線硬化性インクジェット印刷インク)
実施例4.1〜4.4
以下の表に示される組成物を有する紫外線放射硬化性インクジェット印刷インクは、均一な溶液を形成するように、高せん断ミキサーを使用することにより調製した。これらの溶液を、1.0μmプロピレンフィルターを通じて濾過した。濾過したインクは、50℃で噴射されて、Richol G4印字ヘッドを使用して、異なる検査パターンおよび300DPI解像度を有してポリエステル膜上に印刷された。印刷されたパターンは、UV−LED硬化ユニット(モデル:8ワット/cm
2Fireline、Phoseon Technology,Oregon,USAから入手)を用いて、1分当たり10メートルの速度で硬化させた。UV−LED硬化ユニットは、印刷された膜の周囲5cmに置いた。発明の光開始剤を含むインクジェットインクからの完全に硬化した印刷パターンは、高解像度およびポリエステル基材への良好な接着を有して得られた。
【0310】
【表4】
【0311】
(酸素除去樹脂膜)
本発明の光開始剤を含むポリマー膜の酸素除去活性は、調製した膜試料による酸素の消費の結果として、酸素濃度の減少を監視することにより実証された。したがって、シクロヘキサンペンダント基(PACH−001)、コバルト(II)オレイン酸塩、および光開始剤を含むアセタールコポリマーから生成した1.0グラムの膜試料を、ガラス瓶内に入れた。酸素蛍光プローブを含む自製のキャップでガラス瓶を密閉した。次にガラス瓶を、約21%の酸素を含有する窒素ガスで洗浄した。次に瓶を密閉し、254nm、室温、100mJ/cm
2の用量で紫外線に曝露することにより活性化した。経時的な酸素濃度の減少は、OxysenseのGEN III5000非侵襲性酸素監視および浸透システムを使用して監視した。
【0312】
実施例4.1
シクロヘキサンペンダント基(PACH−001)を含む100部のアセタールコポリマーを、1,3−ジオキサンに溶解し、20%溶液を形成した。この溶液に、0.1部のコバルト(II)オレイン酸塩および0.1部の実施例1.16の光開始剤を添加した。溶液が透明になった後、平坦なテフロン(登録商標)表面の上に注ぎ、溶媒を室温で蒸発させた。得られたポリマー膜を、真空で一晩さらに乾燥させ、約200μmの厚さを有する光学的に透明な膜を生じた。この膜を、酸素除去活性の後次実証に使用した。経時的な酸素減少の結果を
図15に示す。
【0313】
比較目的で、類似のPACH−001膜を、実施例1.16の光開始剤なしに調製した。酸素除去活性も監視し、
図15に示す。
【0314】
実施例4.2
100分のPACH−001を、等量のテトラヒドロフランおよび2−メトキシプロパノールを含む溶媒混合液に溶解して、20%溶液を形成した。この溶液に、0.1部のコバルト(II)オレイン酸塩および0.2部の実施例1.17の光開始剤を添加した。溶液が透明になった後、平坦なテフロン(登録商標)表面の上に注ぎ、溶媒を室温で蒸発させた。得られたポリマー膜を、真空で一晩さらに乾燥させ、約200μmの厚さを有する光学的に透明な膜を生じた。この膜を、酸素除去活性の後次実証に使用した。経時的な酸素減少の結果を
図16に示す。
【0315】
実施例4.1および4.2の結果は、トルキセン光開始剤が、酸素除去組成物中で非常に有効であることを示す。
【0316】
請求項の範囲は、実施例に記載される好適な実施形態により制限されるべきではないが、全体として記述と一致する広義の解釈を付与するものである。
【0317】
[参考文献]
以下の文書の内容は、参照することによりそれら全体が本明細書に組み込まれる。
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