(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0003】
埋め込み可能な神経刺激デバイスは、心不整脈を治療するペースメーカー、心細動を治療する除細動器、難聴を処置する蝸牛刺激器、盲目を処置する網膜刺激器、協働四肢運動を引き起こす筋肉刺激器、慢性疼痛を処置する脊髄刺激器、運動障害及び精神障害を治療する脳皮質及び脳深部刺激器、及び尿失禁、睡眠時無呼吸、肩亜脱臼などを治療する他の神経刺激器のような様々な生物学的疾患を治療するために電気刺激を発生させてこれらを体内神経及び組織へ送出するデバイスである。
【0004】
図1A及び
図1Bは、例えば、チタンのような導電材料で形成された生体適合性のデバイスケース30を含む従来の「埋め込み可能なパルス発生器(IPG)」100を示している。ケース30は、典型的には、IPG(埋込み可能なパルス発生器)100が機能するのに必要な回路及びバッテリを保持するが、IPG(埋込み可能なパルス発生器)はまた、外部RFエネルギにより、かつバッテリなしで給電することができる。IPG(埋込み可能なパルス発生器)100は、この簡単な例では、電極106の直線的配置を収容する電極アレイ102を含む。電極106は、可撓性本体108に担持され、これもまた、各電極に結合された個々の電極リード112を収容する。図示の実施形態において、アレイ102上にE
1〜E
8の符号を付した8つの電極があるが、電極の数は、用途特定のものであるので異なる場合がある。アレイ102は、リードコネクタ38を使用してケース30に結合され、リードコネクタ38は、例えば、エポキシのような非導電性ヘッダ材料36に固定される。公知のように、アレイ102は、患者の適切な位置に埋め込まれて適切な刺激治療を提供し、かつ患者の組織を通じてIPG(埋込み可能なパルス発生器)100に結合され、これは、アレイの位置から幾分離れて埋め込むことができる。
【0005】
図1Bに示すように、IPG(埋込み可能なパルス発生器)100は、典型的には、プリント基板(PCB)16、並びにプリント基板(PCB)16上に装着されたマイクロプロセッサ、集積回路、及びコンデンサのような様々な電子構成要素を含む電子基板アセンブリ14を含む。2つのコイル(より一般的にはアンテナ)が、一般的にIPG(埋込み可能なパルス発生器)100に存在し、すなわち、外部コントローラ(図示せず)へ/から経皮的にデータを送信/受信するのに使用する遠隔通信コイル13、及び外部充電器(同様に図示せず)を使用してIPG(埋込み可能なパルス発生器)のバッテリ26を経皮的に充電又は再充電するための充電コイル18である。
【0006】
IPG(埋込み可能なパルス発生器)100の回路20の一部分は、電極106への治療電流の供給専用である。かかる電流は、典型的には、
図2A及び
図2Bに示すように、電流供給源150によって提供される。多くの電流供給源ベースのアーキテクチャでは、何らかの数の電流供給源150は、特定の数の電極106に関連付けられる。例えば、
図2Aでは、N個の電極E
1〜E
Nは、N個の専用電流供給源150
1〜150
Nによってサポートされることを見ることができる。この例では及び公知のように、電流供給源150は、プログラマブル(プログラム信号は図示せず)であり、一定の大きさ及び極性の電流を提供して、特定の治療電流を患者に提供する。例えば、供給源150
2が、5mA電流のソースになるようにプログラムされ、かつ供給源150
3が、5mA電流のシンクになるようにプログラムされる場合に、5mAの電流は、願わくは良好な治療効果を予想して、患者の組織を通してアノードE
2からカソードE
3に流れると考えられる。典型的には、かかる電流は、持続時間にわたって流れることができ、従って、電流パルスを形成し、かかる電流パルスは、典型的には、所定の周波数で患者に適用される。治療効果が患者に対して良好でない場合に、刺激に対して選択された電極、これらが提供する電流の大きさ、これらの極性、これらの持続時間、又はこれらの周波数は、変更することができる。
【0007】
(
図2Aは、電極の各々が減結合コンデンサに結ばれていることを示している。公知のように、減結合コンデンサは、IPG(埋込み可能なパルス発生器)100から患者への電流の直接注入を阻止することによって安全性を促進する。簡単にするために、たとえ減結合コンデンサが典型的には実際の実施において存在しても、減結合はその後の図面では示されていない。)
【0008】
図2Bは、スイッチマトリックス160を使用する別の例示的な電流供給源アーキテクチャを示している。このアーキテクチャでは、スイッチマトリックス160を使用して、供給源150
Pのいずれかから電極E
Nのいずれかに電流を送る。例えば、供給源105
2が、5mA電流のソースになるようにプログラムされ、供給源105
1が、5mA電流のシンクになるようにプログラムされ、かつ供給源105
2が、スイッチマトリックス160によって電極E
2に接続され、供給源105
1が、スイッチマトリックス160によって電極E
3に接続される場合に、5mAの電流は、患者の組織Rを通してアノードE
2からアノードE
3に流れると考えられる。この例では、電流供給源150のいずれも、電極のいずれかに接続することができるので、厳密には、電極の数(N)と電流供給源の数(P)は同じである必要はない。実際に、恐らく、一度にN個の電極全てを活性化することはまれであると考えられるので、PをN未満にして、IPG(埋込み可能なパルス発生器)アーキテクチャの供給源150の数を低減することが実用にかなっている場合がある。しかし、これは、そうであるとは限らず、供給源及び電極の数は、等しくすることができる(P=N)。図示していないが、スイッチマトリックス160は、PxNのスイッチと同数の制御信号(C
1,1〜C
P,N)を含み、供給源150
Pの全てをN個の電極のいずれかに制御可能に相互接続することが理解されなければならない。適切なスイッチマトリックスの更なる詳細は、本明細書に引用により組み込まれている米国特許公開第2007/0038250号明細書に見出すことができる。
【0009】
図2Bのアーキテクチャも、
図2Aのアーキテクチャと同様に、特定の数の電極106(N)に関連付けられた何らかの数の電流供給源150(P)を含む。他のより複雑なアーキテクチャも、埋め込み可能な刺激器の技術分野に存在する。例えば、上記で組み込まれた‘250公開を参照することができる。しかし、この場合も同じく、一般的にかかる手法の全ては、特定の数の電極106に関連付けられるある数の電流供給源150を必要とする。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図3は、以前に例示した電極よりも多い数の電極を収容し、かつIPG(埋込み可能なパルス発生器)技術の今後の発展を示すことができるより複雑なIPG(埋込み可能なパルス発生器)200を示す図である。図示の例では、アレイ102
1上に電極E
1〜E
8、アレイ102
2上に電極E
9〜E
16、及びアレイ102
3上に電極E
17〜E
24を有する8つの電極を各々が収容する3つの電極アレイ102
1〜102
3がある。アレイ102の各々は、好ましいリードコネクタ38
1〜38
3においてIPG(埋込み可能なパルス発生器)200に結合し、リードコネクタは、いずれかの便利な様式でヘッダ36に配置することができる。これは単に一例に過ぎず、異なる数のアレイ及び各アレイ上の異なる数の電極を使用することができることは理解されなければならない。
【0014】
この例では、アレイ102
1〜102
3の各々は、患者の身体の異なる位置に埋め込まれた(又は埋め込み可能な)1群の電極を含み、従って、患者の身体のより広い部分にわたって複雑な刺激パターン及び/又は刺激の提供を可能にする。例えば、坐骨神経痛を緩和するように設計された治療では、アレイ102
1のグループ1電極(E
1〜E
8)に対するロケーション1は患者の右脚、アレイ102
2のグループ2電極(E
9〜E
16)に対するロケーション2は左脚、及びアレイ102
3のグループ3電極(E
17〜E
24)に対するロケーション3は患者の脊柱を含むことができる。腰痛を緩和するように設計された治療では、グループ1のロケーション1は患者の脊柱の右側、グループ2のロケーション2は脊柱の左側、かつグループ3のロケーション3は脊柱の中心位置を含むことができる。代替的に、ロケーション1〜3の各々は、脳深部刺激例では患者の脳の異なる部分を含むことができる。アレイの各々の正確な位置、各アレイの電極の数、及びこれらが提供する特定の治療は、本明細書に説明する概念に関して重要ではない。ロケーションは、患者の身体において重なり合っていないことが好ましい。
【0015】
「背景技術」の節で上述したように、定説は、電極の数を3倍にすることにより(この例では、8から24に)、これらの電極をサポートするのに使用するIPG(埋込み可能なパルス発生器)200の電流供給源の数を3倍にする必要があることを示唆している。この理由は、従来の手法が電流供給源の数を特定の数の電極に関連付けて、従って、2つがスケーリングすると考えられるからである。上述したように、本発明者は、典型的な電流供給源回路の複雑性及びサイズを考えると、これは残念であることを見出している。
【0016】
本発明の電流供給源アーキテクチャは、電極の数の増加に伴って電流供給源を共有することによって最初に
図4Aに示すように、従来の手法から分岐するものである。
図3と合致して、24の全電極は、
図4Aの電流供給源回路によってサポートされ、身体の3つの異なるロケーションに存在する3つのアレイ102
1〜102
3(例えば、グループ)を含む。
図4Aは、所定のグループ内に電流供給源150に対する電極の1対1対応があるという点で、上述の
図2Aのアーキテクチャに幾分類似している。例えば、各グループにおいて8つの電流供給源150と8つの電極がある。
図4Aに対して目新しいのは、グループ選択マトリックス170である。グループ選択マトリックス170は、電流供給源150からの電流がグループの各々の特定の電極に送られることを可能にする。例えば、電流供給源150
1は、その電流をグループ1の電極E
1に、グループ2の電極E
9に、かつグループ3の電極E
17に送ることができる。電流供給源150
2は、その電流をグループ1のE
2に、グループ2のE
10に、かつグループ3のE
18などに送ることができる。
【0017】
グループ制御は、この例では、3つのグループ制御信号G1〜G3の使用によって可能になる。G1がアサートされると、グループスイッチマトリックス170のスイッチ(例えば、トランジスタ)が閉じて、それぞれ電流供給源150
1〜150
8の各々からグループ1電極E
1〜E
8に電流を送る。(勿論、電流供給源150
1〜150
8の全てが所定の瞬間にプログラムされて電流を提供することができるとは限らないので、電流は、単にG1のアサーションによって電極E
1〜E
8において必ずしも流れるとは限らない。)G2がアサートされると、電流供給源150
1〜150
8の各々は、グループ2電極E
9〜E
16に結合され、同様にG3がアサートされると、電流供給源150
1〜150
8の各々は、グループ3電極E
17〜E
24に結合される。スイッチとして示すが、グループスイッチマトリックス170はまた、複数のマルチプレクサを含むことができることは理解されなければならない。
【0018】
電極E
13は、5mAの電流を出力することになり、一方、電極E
12は、その5mAの電流を受け入れることになると仮定する。この例では、供給源150
5は、5mA相当の電流のソースになるようにプログラムされ、供給源150
4は、5mAの電流のシンクになるようにプログラムされ、グループ制御信号G2がアサートされる。
【0019】
このアーキテクチャにより、電流供給源の数をスケーリングする必要はなく、例えば、この例の電流供給源150の数は、たとえ24の電極がサポートされても8に等しい。電極の第4のグループ(例えば、E
25〜E
32)も、これらの同じ8つの電流供給源などによってサポートすることができる。これは、大きな利益であり、IPG(埋込み可能なパルス発生器)200によって電流供給源のリソースを節約する。
【0020】
図4Bは、グループ選択マトリックス170を使用する別の電流供給源アーキテクチャを示している。
図4Bのアーキテクチャは、そのアーキテクチャが、P個の電流供給源150
1〜150
Pを各グループの電極の数(N=8)に等しいスイッチマトリックス出力の数に関連付けるためにスイッチマトリックス160を使用するという点で、上述の
図2Bのアーキテクチャに幾分類似している。従って、スイッチマトリックス160は、電流供給源150
1〜150
Pのいずれかの電流をスイッチマトリックス160出力のいずれかに提示することを可能にし、グループ選択マトリックス170は、次に、これらの出力を選択されたグループの特定の電極に送る。
【0021】
ここでもまた、電極E
13は、5mAの電流を出力することになり、一方、電極E12は、その5mAの電流を受け入れることになると仮定する。この例では、P個の供給源のいずれも、電流のソース及びシンクになるように選ぶことができ、供給源150
1は電流のソースであるが、供給源150
2は、電流のシンクであることになると仮定する。電極信号C
1,5及びC
2,4をアサートして、スイッチマトリックス160の必要なスイッチ(図示せず)を閉じ、供給源150
1を第5のスイッチマトリックス出力にかつ供給源150
2を第4のスイッチマトリックス出力にそれぞれ接続する。グループ制御信号G2をアサートして、これらのスイッチマトリックス出力をそれぞれ電極E
13及びE
12に送る。
【0022】
図5は、
図4A又は
図4Bの電流供給源アーキテクチャを使用して可能にすることができる治療の例を示している。従来通り、3つのグループを定める3つの電極のアレイを使用して、患者の3つの異なるロケーションに治療を提供する。これらのロケーションの各々における適切な治療は、既に判断されていると仮定することができる。例えば、ロケーション1において、電極E
3から電流をソースさせ、電極E
2及びE
4からその電流をシンクさせ、かつこの例示目的のためには重要でない特定の大きさ及び持続時間t
dにおいてそうするように判断されていると仮定することができる。かかる治療は、図示のようなfの周波数で提供されなければならないと更に仮定することができる。ロケーション2において、この場合も同様にfの周波数で電極E
11から電流をシンクさせ、電極E
10及びE
12からその電流をソースさせるように判断されていると更に仮定することができる。ロケーション3において、この場合も同様にfの周波数で電極E
18から電流をソースさせ、電極E
19からその電流をシンクさせるように判断されていると更に仮定することができる。
【0023】
図4Aのアーキテクチャを使用する場合に、かかる治療は、
図5に示すように適用することができる。図示のように、ロケーションの各々における治療は、様々な治療が重なり合わないように交互配置される。それによって電流供給源150を時分割様式で共有及び作動させることを可能にし、最初にロケーション1、次にロケーション2、次にロケーション3での治療の付与専用にして、更にロケーション1になどに戻る。所定のグループ内、すなわち、特定のロケーションにおいて電流供給源150
1〜150
8に対する電極の1対1対応がある
図4Aのアーキテクチャを使用すると仮定する。この場合には、電流供給源150
2〜150
4を使用してグループ1/ロケーション1の電極E
2〜E
4に治療を提供する。グループ制御信号G1は、
図5に示すようにこの時間中にアサートされることに注意すべきである。次に、その後に、例えば、以下で更に説明するような回復期間t
rp後に、これらの同じ電流供給源150
2〜150
4を使用して、グループ2/ロケーション2の電極E
10〜E
12に治療を提供するが、今度はグループ制御信号G2がアサートされた状態である。この場合も同様に別の回復期間後に、これらの3つの同じもののうち2つの電流供給源150
2〜150
3を使用して、グループ3/ロケーション3の電極E
18及びE
19に治療を提供するが、今度はグループ制御信号G3がアサートされた状態である。要約すると、異なるグループ/ロケーションにおいて治療パルスを交互配置することにより、電流供給源150は、共有することができ、増加した数の電極をサポートするために数を増加させる必要はない。
【0024】
公知のように、
図5に示すような刺激パルスの後に、一般的に、活性化された電極において反対の極性のパルスが続くと考えられ、更にその後に、注入電荷の蓄積を低減し、次の刺激パルスの提供を準備するために付加的ステップを取ることができる。かかる時間の各部分は、一般的に回復段階と呼ばれる場合があり、期間t
rp中に起こることが
図5に示されている。先行する回復段階が終了するまで次の刺激パルスを発しないことが好ましい。回復段階中に起こる詳細は、簡単にするために
図5には示されていない。
【0025】
異なるロケーションにおける治療を交互配置することができる程度は、刺激の周波数f、刺激パルスの持続時間t
d、及び回復期間t
rpの持続時間のようないくつかのファクタに依存することになる。図示のように電流供給源の交互配置及び共有が行われるために、これらの様々なタイミング期間は、電流供給源へのアクセスを時分割することができるように衝突してはならない。
【0026】
それを説明した上で、開示する技術に修正を行って、少なくとも一部の潜在的な衝突に適応させることができる。例えば、
図6Aに示すように、グループ2/ロケーション2の電極に提供される治療の周波数(f
2)は、グループ1/ロケーション1及びグループ3/ロケーション3の電極に提供される周波数(f
1)と異なることが分かる。これは、時に、グループ2/ロケーション2の刺激が他のグループ/ロケーションの刺激と重なり合う衝突の期間t
cを密封する。例えば、
図6Aに具体的に示されているのは、グループ2/ロケーション2とグループ1/ロケーション1の間の衝突であり、これらのグループ/ロケーションの両方は、同じ電流供給源150
2〜150
4からのサポートを呼んでいると考えられる。この状況においてかつ衝突が頻繁には起こらないと仮定すると、IPG(埋込み可能なパルス発生器)200の論理250(
図7を参照して後に説明する)は、望ましい電流供給源150
2〜150
4へのグループ1/ロケーション1電極アクセスのみを可能にすることによって衝突を調整するように判断することができる。換言すれば、グループ2/ロケーション2電極は、
図6Aに点線によって表されているように、衝突中に簡単にはパルス駆動されないと考えられる。ここでもまた、かかる衝突は頻繁には起こらないと仮定すると、時折グループ/ロケーションにおいて刺激パルスが足りないことは、患者の治療に実質的な影響を与えるはずはない。また、かかる治療間隙のマイナス面は、衝突中に電流供給源へのアクセスを可能にされているグループ/ロケーションを交替させることにより、例えば、第1の衝突事例でグループ1/ロケーション1、第2の衝突事例でグループ2/ロケーション2、第3の衝突事例でグループ1/ロケーション1などを可能にすることによって緩和することができる。
【0027】
このタイプの衝突も、使用する電流供給源アーキテクチャに応じて異なる方法で解決することができる。
図6Bは、
図6Aに示すグループ1/ロケーション1とグループ2/ロケーション2の間の同じ衝突を示している。しかし、ここではIPG(埋込み可能なパルス発生器)の論理250は、電流供給源を共有することではなく、異なる電流供給源をグループ1/ロケーション1及びグループ2/ロケーション2に提供することによって衝突を解決する。勿論、これは、スイッチマトリックス160を使用する
図4Bのアーキテクチャのように特定の電極に電流供給源を自由に割り当てることができるより柔軟なアーキテクチャを使用すると仮定するものである。衝突を認識して、論理250は、代わりにグループ1/ロケーション1の電極に割り当てられるそうでなければ予想されたと考えられる電流供給源(すなわち、供給源150
2〜150
4)ではなく、電流供給源150
1、150
5、及び150
6をグループ2/ロケーション2の電極E
10、E
11、及びE
12に割り当てる。衝突中に、両グループ制御信号G1及びG2をアサートすることができることに注意すべきである。電流供給源150
2〜150
3は、グループ3/ロケーション3の電極にも割り当てられ、これは、グループ1/ロケーション1とグループ3/ロケーション3の間に衝突がないので可能である点にも注意すべきである。
【0028】
上述したように、本明細書に開示する様々な電流供給源アーキテクチャの制御は、
図7に示すように、適正にプログラムされた論理回路250によって達成することができる。論理250は、一例では、IPG(埋込み可能なパルス発生器)に一般的であるようにマイクロコントローラを含むことができる。マイクロコントローラ250は、多くの異なるIPG(埋込み可能なパルス発生器)機能を実施することができるが、本明細書に関連することとして、マイクロコントローラは、患者に対して治療を指示する1つ又はそれよりも多くの刺激プログラム255を処理し、相応に電流供給源及びグループを有効にする役割を担う。一実施形態において、刺激プログラム255は、各グループ/ロケーションに対して個別の刺激プログラムを含み、特定のプログラムは、患者が特定の設定に対する患者の好みを表す適合手順を通して得られる。図示のように、マイクロコントローラ250は、最終的に、特定の電流供給源150を有効にすること及び電流パルスの大きさ、極性、及び持続時間を識別することを含め、適切な時に電流供給源アーキテクチャに指令を出す。また、最終的にマイクロコントローラ250によって出されるのは、グループ選択マトリックス170において受け入れられるグループ制御信号(G1、G2、その他)である。例えば、
図4Bに図示かつ説明するように、電流供給源アーキテクチャがスイッチマトリックス160を使用する場合に、マイクロコントローラ250はまた、そのマトリックスに対して制御信号(C
1,1〜C
P,N)を出すことができる。
図6A及び
図6Bに関して上述したような衝突を刺激プログラム255が提示する限り、特定の調整論理260を使用して、ある一定の刺激パルスを省略すること(
図6A)、可能である場合は代替の電流供給源150をルート変更すること(
図6A)、又は他の方法によるなどして衝突を解決することができる。
【0029】
この点で、電極のグループ/ロケーションは、IPG(埋込み可能なパルス発生器)に結合された特定のアレイ102に対応すると仮定されている。しかし、これは、必ずしも当て嵌まらず、電極のグループ及びこれらの位置は、他の方法で確立することができる。例えば、
図8Aは、8つの3グループに分けられた24の電極を有する単一電極アレイを示している。これらのグループの各々は、たとえ同じアレイ102上に存在しても治療に対して異なるロケーションに対応し、従って、このタイプの電極グループ分け配置は、本明細書に説明する電流供給源アーキテクチャから依然として利益を得ることができる。例えば、
図4Aのアーキテクチャを使用する場合に、8つの電流供給源150を使用することができ、又は
図4Bのアーキテクチャを使用する場合に、P個の電流供給源を使用することができる。
図8Bは、複数のアレイ(102
1及び102
2)が、たとえかかるアレイが正確に患者の同じ位置になくても、8つの電極の1グループとして処理される別の例を示している。それにも関わらず、
図8Bに存在する24電極は、8電流供給源(
図4A)又はP個の電流供給源(
図4B)によってサポートすることができる。
【0030】
「電流供給源」は、一定電流供給源、一定電圧供給源、又はかかる供給源の組合せのような電極に刺激電流を送出することが可能なあらゆるタイプの電源を含むことが理解されなければならない。
【0031】
「マイクロコントローラ」は、一体化されるか否か、又はハードウエア又はソフトウエアに実施されるか否かに関わらず、あらゆる適切な論理回路として理解されなければならない。
【0032】
本発明の特定の実施形態を図示かつ説明したが、上記説明は、本発明をこれらの実施形態に限定するように意図していないことは理解されなければならない。本発明の精神及び範囲から逸脱することなく様々な変形及び修正を行うことができることは、当業者には明らかであろう。従って、本発明は、特許請求の範囲によって定める本発明の精神及び範囲に該当する場合がある代替物、修正物、及び均等物をカバーするように意図している。