特許第5923623号(P5923623)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5923623
(24)【登録日】2016年4月22日
(45)【発行日】2016年5月24日
(54)【発明の名称】強化フェノールフォームボード
(51)【国際特許分類】
   B32B 3/12 20060101AFI20160510BHJP
   B32B 5/18 20060101ALI20160510BHJP
   E04B 1/90 20060101ALI20160510BHJP
【FI】
   B32B3/12 B
   B32B5/18
   E04B1/90 K
【請求項の数】9
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-554657(P2014-554657)
(86)(22)【出願日】2012年12月27日
(65)【公表番号】特表2015-510461(P2015-510461A)
(43)【公表日】2015年4月9日
(86)【国際出願番号】KR2012011563
(87)【国際公開番号】WO2013125782
(87)【国際公開日】20130829
【審査請求日】2014年7月25日
(31)【優先権主張番号】10-2012-0019077
(32)【優先日】2012年2月24日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】509286787
【氏名又は名称】エルジー・ハウシス・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】LG HAUSYS,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100096091
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 誠一
(72)【発明者】
【氏名】キム・ジムン
(72)【発明者】
【氏名】イ・ウンキ
(72)【発明者】
【氏名】キム・ミョンヒ
(72)【発明者】
【氏名】イ・ミンヒ
(72)【発明者】
【氏名】キム・ジョンクン
【審査官】 細井 龍史
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭57−131987(JP,U)
【文献】 実開昭62−019304(JP,U)
【文献】 特開2002−338784(JP,A)
【文献】 特開2007−070507(JP,A)
【文献】 特開2000−094620(JP,A)
【文献】 特開平07−227926(JP,A)
【文献】 実開昭57−002909(JP,U)
【文献】 実開平05−005440(JP,U)
【文献】 特開平05−009987(JP,A)
【文献】 特開平08−082020(JP,A)
【文献】 特開2003−236953(JP,A)
【文献】 特開2008−088208(JP,A)
【文献】 特公昭51−008423(JP,B1)
【文献】 米国特許第04973506(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B32B 1/00−43/00
E04B 1/62− 1/99
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一定厚さのプレートの形態を取り、ハニカム構造を有するハニカム平板体と、
前記ハニカム平板体の両側面に接着・固定されるフェノール発泡層と、を含んで構成され
前記ハニカム平板体は、内部の六角セルが空洞の状態で前記フェノール発泡層によって密閉されて、内部に空気層を維持しており、
最外郭に配置される前記フェノール発泡層の外側面には、それぞれ前記フェノール発泡層をカバーしながら保護する表面材がさらに積層され、
前記表面材は、一方がアルミホイルで、他方が不織布であることを特徴とする、外断熱建築材料用強化フェノールフォームボード。
【請求項2】
前記フェノール発泡層は、一定厚さを有するプレートの形態を取り、前記ハニカム平板体の表面に密着・固定されることを特徴とする、請求項1に記載の強化フェノールフォームボード。
【請求項3】
前記ハニカム平面板は、二重に積層して構成されており、
第1のハニカム平板体と、前記第1のハニカム平板体の両側面にフェノール発泡層が備えられ、前記第1のハニカム平板体の両側面に備えられるフェノール発泡層の一方の外側面に、第2のハニカム平板体と、前記第2のハニカム平板体をカバーするフェノール発泡層と、がさらに備えられることを特徴とする、請求項1に記載の強化フェノールフォームボード。
【請求項4】
前記ハニカム平板体は、合成樹脂や金属で製作されたものであって、厚さ方向に一定の断面を有することを特徴とする、請求項1に記載の強化フェノールフォームボード。
【請求項5】
前記フェノール発泡層は、25kg/m〜60kg/mの密度を有することを特徴とする、請求項1に記載の強化フェノールフォームボード。
【請求項6】
前記フェノール発泡層とハニカム平板体が接着されたボードは、15kg/m〜40kg/mの密度と0.020W/mK〜0.030W/mKの断熱性能を示すことを特徴とする、請求項1に記載の強化フェノールフォームボード。
【請求項7】
前記フェノール発泡層は、レゾールタイプのフェノール樹脂100に対して硬化触媒としてパラトルエンスルホン酸5重量部〜15重量部、発泡剤としてシクロペンタン5重量部〜10重量部を含むことを特徴とする、請求項1に記載の強化フェノールフォームボード。
【請求項8】
前記フェノール発泡層は、ポリシロキサン1重量%〜5重量%、パラトルエンスルホン酸10重量%〜18重量%、シクロペンタン5重量%〜15重量%、ポリオール2重量%〜6重量%を含むレゾール型フェノール樹脂硬化発泡体形成用スラリーを含むことを特徴とする、請求項1に記載の強化フェノールフォームボード。
【請求項9】
前記フェノール発泡層は、独立気泡率が80%〜97%であることを特徴とする、請求項に記載の強化フェノールフォームボード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、強化フェノールフォームボードに関する。
【背景技術】
【0002】
最近、断熱及び消防基準が強化される中、断熱材自体の性能改善のための多くの試みが進められている。建物の施工工法においても、従来の内断熱工法から逸脱し、断熱材を建物の外壁に施工する、いわゆる外断熱システムが注目されている。
【0003】
前記外断熱システムに使用可能な断熱用板材としては、発泡ポリスチレン、グラスウール、ウレタン発泡ボード、フェノール樹脂発泡ボードなどが提案されている。
【0004】
ところが、前記のポリスチレンやウレタンなどの合成樹脂で製作した断熱用板材は、耐熱性が不足するので火事発生時に有毒ガスを放出し、さらに、耐圧性と耐圧縮性が低下するので断熱用板材としての性能が良くなかった。また、前記フェノール樹脂発泡ボードに成形された断熱用板材は、耐熱性及び耐火性には優れるが、耐圧性、耐衝撃性及び屈曲弾性率が良くないという限界を有する。
【0005】
このようなフェノール樹脂発泡ボードの問題を解決するために、ハニカム材の六角セルの内部にフェノール樹脂を注入及び発泡させるタイプのいわゆる、フェノールフォームボードも提案されている。
【0006】
図1は、従来のフェノールフォームボードの一部を示した側断面図である。
【0007】
図示したように、従来のフェノールフォームボード11は、六角のセルが形成され、一定厚さの平板の形態を取るハニカム材13と、前記ハニカム材13の各セルの内部に充填されるフェノールフォーム15と、前記ハニカム材13の上面と底面に密着・結合する表面材17とを含んで構成される。
【0008】
前記ハニカム材13は、平板の形態を取り、その内部にハニカム構造の六角セルが密集・形成されたものであって、厚さ方向に一定の断面を有する。また、前記フェノールフォーム15は、前記それぞれのセルに充填され、セルの内壁面に密着・固定された状態に維持される。前記フェノールフォーム15は、フェノールが含まれている混合液を前記セルの内部に収容させた状態で発泡させ、前記セルの内部を充填した構造を有する。
【0009】
前記表面材17は、前記ハニカム材13の両面をカバーしながらハニカム材13とフェノールフォーム15を保護し、外部に美感を具現する板状部材である。前記表面材17は、アルミニウム材質からなり、エポキシ接着剤を通じてハニカム材13及びフェノールフォーム15の外側に接着・固定される。
【0010】
ところが、前記構造を有する従来のフェノールフォームボード11は、その制作方法が非常に煩雑であるという短所を有する。
【0011】
前記フェノールフォームボード11を製作する工程は、フェノール、ホルマリン、乳酸、苛性ソーダー及び発泡剤などが適正の比率で混合された撹拌溶液を、準備された容器内に注入した状態で、前記ハニカム材13を水平に下げて前記撹拌溶液に浸漬させた後、発泡を進行させる過程を含む。
【0012】
前記発泡を通じてハニカム材13の六角セルの内部にフェノールが充填されたら、前記ハニカム材13を持ち上げて冷却した後、後処理工程を行う。
【0013】
前記のように、一つのフェノールフォームボード11を製作するためには、溶液の混合及び加熱工程と、クレーンを用いたハニカム材13の移動などの工程が含まれなければならないので、その分煩雑になり、特に、場合に応じてそれぞれの六角セルの内部にフェノールフォーム15が完全に充填されないこともある。
【0014】
前記ハニカム材13の内部にフェノールフォーム15が均一な密度で充填されない場合、目的とする断熱性と機械的強度を期待できないことは勿論、さらに、フェノールフォーム15が均一な密度で充填されたとしても、その分重量が増加するという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】特開2011−140834号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明は、前記問題を解消するためになされたもので、予め完成されている部品を組み立てて構成する方式であるので、製作過程が簡単であることは勿論、特に、内部のハニカム平板体の内部が空洞になっているので、密度が低いと共に断熱性能と耐火性に優れ、また、屈曲弾性率が良いので、高い剛性が要求される外断熱建築資材としてより適している強化フェノールフォームボードを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
前記目的を達成するための本発明に係る外断熱建築材料用強化フェノールフォームボードは、一定厚さのプレートの形態を取り、ハニカム構造を有するハニカム平板体と、前記ハニカム平板体の両側面に接着・固定されるフェノール発泡層と、を含んで構成され、前記ハニカム平板体は、内部の六角セルが空洞の状態で前記フェノール発泡層によって密閉されて、内部に空気層を維持しており、
最外郭に配置される前記フェノール発泡層の外側面には、それぞれ前記フェノール発泡層をカバーしながら保護する表面材がさらに積層され、前記表面材は、一方がアルミホイルで、他方が不織布であることを特徴とする。
【0018】
また、前記フェノール発泡層は、一定厚さを有するプレートの形態を取り、前記ハニカム平板体の表面に密着・固定されることを特徴とする。
【0019】
また、前記フェノール発泡層の外側面には、一定厚さのプレート形態を取るハニカム平板体と、前記ハニカム平板体をカバーするフェノール発泡層とがさらに備えられることを特徴とする。
【0020】
併せて、前記ハニカム平板体は、合成樹脂や金属で製作されたものであって、厚さ方向に一定の断面を有することを特徴とする。
【0021】
また、前記合成樹脂はポリプロピレンを含み、前記金属はアルミニウムを含むことを特徴とする。
【0022】
また、前記フェノール発泡層は、25kg/m〜60kg/mの密度を有することを特徴とする。
【0023】
また、前記フェノール発泡層とハニカム平板体が接着された完成品は、15kg/m〜40kg/mの密度を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0026】
前記のように構成される本発明の強化フェノールフォームボードは、予め完成されている部品を組み立てて構成する方式であるので、製作過程が簡単であることは勿論、特に、内部のハニカム平板体の内部が空洞になっているので、全体のボードの密度が著しく減少しながらも断熱性能と耐火性に優れ、また、屈曲弾性率と圧縮強度に優れるので、高い剛性が要求される外断熱建築材料としてより適している。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】従来のフェノールフォームボードの一部を示した断面図である。
図2】本発明の一実施例に係る強化フェノールフォームボードの基本構成を説明するために示した図である。
図3】本発明の一実施例に係る強化フェノールフォームボードの他の構成を示した図である。
図4図3に示した強化フェノールフォームボードの一部を切り取って示した平面図である。
図5】本発明の一実施例に係る強化フェノールフォームボードの更に他の例を示した側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明に係る一つの実施例を添付の図面を参照してより詳細に説明する。
【0029】
図2は、本発明の一実施例に係る強化フェノールフォームボード31の基本構成を説明するために示した側断面図である。
【0030】
図示したように、本実施例に係るフェノールフォームボード31の基本構成は、一定厚さの平板形態を取るハニカム平板体33と、前記ハニカム平板体33の両側面(図面上、上下面)に密着・固定されるフェノール発泡層35とを含んで構成される。
【0031】
まず、前記ハニカム平板体33は、汎用プラスチックやアルミニウムで製作された板状部材であって、一般的なハニカムのように多数の六角形のセル(図4の33a)が密集された構成を有する。
【0032】
前記汎用プラスチックをなす材質としては、多様なものを使用することができ、例えば、ポリプロピレンを使用することもできる。
【0033】
ハニカム構造体の他の素材としては、アルミニウムも使用可能であり、この場合、ポリプロピレンハニカムよりも優れた機械的強度を示すことができるが、断熱性能の面ではポリプロピレンハニカム構造体の方が優れる。
【0034】
ハニカム平板体33は、使用目的に応じて異なる厚さに製作され、六角セルのサイズも多様に変更可能であることは当然である。
【0035】
特に、前記ハニカム平板体33は、内部の六角セルが空洞になっている状態で前記フェノール発泡層35によって密閉されるので、その内部に空気層を維持する。 前記空気層により、ハニカム平板体33自体の断熱及び耐火能力が高くなる。
【0036】
前記ハニカム平板体33の両側面に接着・固定されるフェノール発泡層35は、一定厚さに形成されたプレート状部材であって、前記ハニカム平板体33の両側面に密着・固定されている。前記フェノール発泡層35は、それ自体が耐火性を有し、特に、一対のフェノール発泡層35の間にハニカム平板体33が介在するので、非常に優れた耐火及び断熱性能を提供する。
【0037】
前記フェノール発泡層35は、一般的なレゾールタイプのフェノール樹脂100に対して硬化触媒としてパラトルエンスルホン酸5重量部〜15重量部、発泡剤としてシクロペンタン5重量部〜10重量部を混合し、高速ミキサーで混練されたスラリーを加熱・膨張させながら硬化された発泡体である。このフェノール発泡層35は、製作方法に応じて耐火及び断熱性能に少しの差を有するが、本実施例では、25kg/cm〜60kg/cmの密度を有するように製作することができる。併せて、前記フェノール発泡層35の熱伝導率は、0.018W/mk〜0.023W/mk程度である。
【0038】
併せて、前記フェノール発泡層35は、ポリシロキサン1重量%〜5重量%、パラトルエンスルホン酸10重量%〜18重量%、シクロペンタン5重量%〜15重量%、ポリオール2重量%〜6重量%を含み、その独立気泡率が80%〜97%であり得る。
【0039】
前記の性能を有するフェノール発泡層35の厚さも、必要に応じて変わり得ることは当然である。併せて、前記フェノール発泡層35とハニカム平板体33は、エポキシ樹脂やその他接着剤を通じて固定される。接着を通じて製作された強化フェノールフォームボードの密度は15kg/m〜40kg/mの低い密度になり、熱伝導率は0.020W/mK〜0.030W/mKになる。
【0040】
図3は、本発明の一実施例に係る強化フェノールフォームボードの他の構成を示した図である。
【0041】
図面を参照すると、前記各フェノール発泡層35の外側面に表面材37が付着していることが分かる。前記表面材37は、一定厚さを有するシート状部材であって、フェノール発泡層35をカバーしながら保護し、外部からフェノール発泡層35が見えないようにする。
【0042】
前記のような役割をし得る限り、表面材37としては非常に多様な種類を適用することができる。前記表面材37としては、紙、不織布、アルミニウムホイルまたはグラスペーパーなどを例に挙げることができる。
【0043】
特に、前記表面材37において、両側のフェノール発泡層35に付着する表面材の種類は、同一又は異なり得る。例えば、(図面上の)上部のフェノール発泡層35にはアルミニウムホイルを適用し、下部のフェノール発泡層35の底面には不織布を付着することもできる。
【0044】
その結果、本実施例の強化フェノールフォームボード31を建物外装材として使用する場合、建築物の美感とコンクリート面に対する付着力を考慮した上で、フェノール発泡層35の上面にはアルミニウムホイルを付着し、底面には不織布を付着することができる。
【0045】
図4は、図3に示した強化フェノールフォームボード31の一部を切り取って示した平面図である。
【0046】
図示したように、本実施例に係る強化フェノールフォームボード31は、下部から表面材37、フェノール発泡層35、ハニカム平板体33、フェノール発泡層35、表面材37が積層されて構成される。
【0047】
特に、前記ハニカム平板体33には、多数の六角形状のセル33aが形成されている。前記セル33aは、密集された状態を維持し、その内部に何も収容していない状態で前記フェノール発泡層35によって密閉される。前記セル33a自体のサイズは場合に応じて変わる。
【0048】
図5は、本発明の一実施例に係る強化フェノールフォームボード31の更に他の例を示した側断面図である。
【0049】
前記の図面符号と同一の図面符号は、同一の機能を有する同一の部材を示す。
【0050】
図示したように、本実施例に係る強化フェノールフォームボード31は、前記ハニカム平板体33を二重に積層して構成することもできる。
【0051】
すなわち、図5に示したように、他の例に係る強化フェノールフォームボード31は、下側表面材37と、前記下側表面材37の上部に積層される下側フェノール発泡層35と、前記下側フェノール発泡層35の上面に固定される一定厚さのハニカム平板体33と、前記ハニカム平板体33の上部に積層される中間フェノール発泡層35と、前記中間に介在したフェノール発泡層35の上部に固定される上側ハニカム平板体33と、前記上側ハニカム平板体33に積層されるフェノール発泡層35と、前記フェノール発泡層35の上部に積層される表面材37とを含んで構成される。
【0052】
前記二つのハニカム平板体33の間に配置されているフェノール発泡層35は、ハニカム平板体33を互いに固定させる役割をし、上側ハニカム平板体33と下側ハニカム平板体33のセル33aを断絶させ、各セル33aを密封させる。
【0053】
結局、前記のように構成される本実施例に係る強化フェノールフォームボード31は、耐久性を提供するハニカム平板体33に、断熱及び耐火性能を有するフェノール発泡層35をつなぎ合わせ、また、その外側に表面材37を付着し、建築用断熱外装材として効果的に使用することができる。
【0054】
以下、本発明に係る具体的な実施例と比較例を通じて本発明の強化フェノールフォームボードの長所を説明する。
【0055】
参考までに、実施例1、2及び比較例1、2の強化フェノールフォームボードは、一般的な強化フェノールフォームボード製造工程によって製造されたものである。
【0056】
実施例1
【0057】
厚さがそれぞれ0.2mmである紙面材の間にポリシロキサン3重量%、パラトルエンスルホン酸14重量%、シクロペンタン9重量%、ポリオール3重量%を含むレゾール型フェノール樹脂硬化発泡体形成用スラリーを投入し、独立気泡率が95%であるフェノール樹脂硬化発泡体を形成した。その後、前記発泡体を含む厚さ20mmのパネルを80℃のダブルベルトコンベヤーに10分間通過させた後、養生庫で360分間養生させることによってボード状のパネルを製造した。続いて、2枚の発泡ボードとそれらの間にポリプロピレンで製造された10mm厚のハニカム構造体を接着剤を用いて合板させ、最終的に50mm厚の複合パネルを製造した。
【0058】
実施例2
【0059】
前記実施例1と同一の条件で発泡ボードパネルを製造し、10mm厚のアルミニウムハニカム構造体を2枚の発泡ボードの間に入れた後、接着剤を用いて接着させて製造した。
【0060】
比較例1
【0061】
実施例1と異なって、フェノール樹脂発泡原料をハニカム構造体の内部に投下してフェノール樹脂ハニカム空間を充填することによって、発泡体が充填された複合パネルを製造した。
【0062】
比較例2
【0063】
比較例1と構造及び製造方法は同一であるが、ハニカム構造体の内部にフェノールフォームの代わりにウレタンフォームを充填した複合パネルを製造した。
【0064】
断熱性能及び機械的物性の評価
【0065】
前記の実施例及び比較例のパネルに対して熱伝導率と機械的強度を測定し、その結果を下記の表1に示した。このとき、熱伝導率は、HC―074―200(EKO社製造)熱伝導率測定機を用いて測定した。
【0066】
【表1】
【0067】
[表1]を見ると、本発明に係る実施例1、2の場合、比較例1、2に比べて密度が著しく低いにもかかわらず、初期熱伝導率、圧縮強度及び屈曲強度の面でさほど差がないことが分かる。
【0068】
したがって、本発明に係るハニカム強化フェノールフォームボードは、他の物性を類似する水準に維持しながらも低い密度を示すことによって、施工作業性が向上し、高層建物の荷重負担を減少させるという長所を有する。
【0069】
以上、本発明を具体的な実施例を通じて詳細に説明したが、本発明は、前記実施例に限定せず、本発明の技術的思想の範囲内で通常の知識を有する者によって多様な変形が可能である。
【符号の説明】
【0070】
11:フェノールフォームボード、13:ハニカム材、15:フェノールフォーム、17:表面材、31:強化フェノールフォームボード、33:ハニカム平板体、33a:セル、35:フェノール発泡層、37:表面材
図1
図2
図3
図4
図5