(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第2収容室には、隣り合う前記リード端子の互いに対向する側面間を仕切る絶縁性の仕切り壁が設けられることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子部品の組付構造。
前記収容部材は、該収容部材の前記電子部品が挿入される挿入口がカバー部材により被冠され、前記カバー部材は、前記収容部材に着脱可能に形成されてなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の電子部品の組付構造。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を適用してなる電子部品の組付構造について図面を参照して説明する。本実施形態では、電子部品としてリレーを用い、このリレーを収容部材に収容して構成されるリレーモジュールについて説明するが、本発明が適用される電子部品の組付構造は、リレー以外の電子部品にも当然に適用することができる。
【0018】
本実施形態において、リレーモジュールの用途は特に限定されないが、自動車などの移動体における電源装置と電装品との接続状態を制御する機器類などに用いる場合を想定できる。具体的には、例えば、自動車に搭載される電装品とバッテリとの間に設けられる電気接続箱(ジャンクションボックス)に組み込まれ、電力の投入遮断を制御するリレーモジュールとして使用することが想定できる。この種のリレーモジュールは、電気接続箱と一体的に形成されていてもよいし、別体として形成されていてもよい。
【0019】
図1は、実施形態のリレーモジュールの組立図である。
図2は、
図1のリレーモジュールの全体構成図である。
図3は、
図2のリード端子の近傍を拡大して示す上面図である。
なお、以下の説明において、
図1の矢印Xで示す方向を前後方向、矢印Yで示す方向を左右方向、矢印Zで示す方向を上下方向とする(以下、
図1以外の各図においても同様)。ただし、これらの上下方向、左右方向及び前後方向は、リレーモジュール20が実際に移動体に搭載される状態の各方向と必ずしも一致していなくてもよい。
【0020】
図1に示すように、本実施形態のリレーモジュール20は、リレー21、端子金具22、収容部材23を互いに組み付けて構成される。本実施形態では、1つのリレーモジュール20が2つのリレー21を備える例を説明する。しかしながら、リレーモジュールを構成するリレーの数は2つに限定されず、1つのリレーのみで構成してもよいし、3つ以上のリレーで構成しても構わない。なお、複数のリレーでリレーモジュールを構成する場合、
図1に示すように同じ構成のリレー21を用いてもよいし、異なる構成のリレー(例えば、
図8〜
図11)を混在させてもよい。
【0021】
リレー21は、樹脂等により形成される直方体状の部品本体であるリレー本体24と、リレー本体24から突出する4本の板状のリード端子25を備えている。リレー本体24は、上下方向に対向する面(以下、上面24a、底面24bという。)と、左右方向に対向する面(以下、左側面24c、右側面24dという。)と、前後方向に対向する面(以下、前面24e、背面24fという。)を有している。本実施形態のリレー本体24は、左右方向を長手とする直方体状をなし、左側面24c及び右側面24d、前面24e及び背面24fの四面が側面となる。前面24eには、後述するように収容部材23に形成される貫通溝26と係合する係止突起27が設けられている。なお、リレー本体24は、立方体状に形成されていてもよい。また、これに限らず、電子部品の本体は、円柱状、多角柱状、円筒状等のように、側面部(あるいは周面部)が嵌合方向に沿って形成可能な形状に形成されていてもよい。
【0022】
各リード端子25は、リレー本体24の少なくとも一つの面から突出する板状の基端部28と、この基端部28と連なって延びる板状の接続部29を有している。リード端子25a,25bは、
図1の前後方向(幅方向)に互いに間隔をあけて、リレー本体24の左側面24cから垂直に突出する基端部28a,28bと、この基端部28a,28bを垂直に折り曲げて、リレー21の収容部材23への挿入方向(
図1の矢印方向)に向かってリレー本体24の左側面24cと所定の間隔をあけて左側面24cに沿って垂下する接続部29a,29bを有している。一方、リード端子25c,25dは、
図1の前後方向(幅方向)に互いに間隔をあけて、リレー本体24の右側面24dから垂直に突出する基端部28c,28dと、この基端部28c,28dを垂直に折り曲げて、リレー21の挿入方向に向かってリレー本体24の左側面24cと所定の間隔をあけて左側面24dに沿って垂下する接続部29c,29dを有している。
【0023】
基端部28a〜28dは、それぞれリレー本体24の上面24a及び底面24bと平行に突出され、その突出位置は、リレー本体24の上面24aよりも下側の同じ高さ位置になるように設定されている。一方、接続部29a〜29dは、それぞれリレー21の挿入方向と平行に延在するとともに、対向するリレー本体24の側面との距離が同じになるように設定されている。また、接続部29a〜29dは、リレー21の挿入方向(矢印Zで示す上下方向)において、先端部(下端)の高さ位置(上下方向の位置)が、リレー本体24の底面24bよりも上側の同じ高さ位置になるように設定されている。換言すれば、リレー本体24の底面24bを含む平面よりも下方に接続部29a〜29dの先端部が突出しないように設定されている。なお、各リード端子25a〜25dは、基端部28a〜28d及び接続部29a〜29dの前後方向の幅が互いに同じ大きさに設定されている。
【0024】
本実施形態のリード端子25a〜25dは、リレー本体24の2つの側面24c,24dにそれぞれ2本ずつ設けられているが、側面24c〜24fのうちの少なくとも一つの側面に複数設けられていればよく、この複数のリード端子25は、リレー本体24の側面の幅方向、つまりリレー21の挿入方向(矢印Zで示す上下方向)と交差する方向(例えば、本実施形態のようにリレー21の挿入方向と直交する前後方向[=矢印Xで示す方向])に互いに所定の間隔をあけて配置される。
【0025】
端子金具22は、電線30をリレー21と電気的に接続させるために、電線30の端末部に接続されるインターフェース部材である。端子金具22は、導電性を有する金属板材を加工して形成され、リード端子25の接続部29が接続(嵌合)される雌型の嵌合部31と、電線30の端末部の絶縁被覆32を剥離して露出させた芯線33をかしめる一対の芯線圧着片34と、電線30の絶縁被覆の先端部分をかしめる一対の外部圧着片35を有している。
【0026】
嵌合部31は、嵌合されるリード端子25の接続部29を支持する平板状の平板部36と、接続部29を押圧するバネ部37を有しており、バネ部37によって平板部36へ押圧された接続部29を平板部36とバネ部37との間で嵌合させて支持するようになっている。バネ部37は、平板部36の前後方向の両端をそれぞれ立設させて、その先端部位を平板部36の前後方向の中央部近傍へ向けて湾曲させた一対の凸曲状に形成されている。すなわち、バネ部37は、その先端部を平板部36と離間する方向へ弾性変形させることで、接続部29に対して押圧力(弾性復元力)を作用させて接続部29を支持するようになっている。
【0027】
嵌合部31は、バネ部37が平板部36に対して最も上方向に突出する部位(平板部36との接続部)からバネ部37の先端部37Bが平板部36へ対向する位置に向かって、バネ部37の上端面37Aがなだらかに下方へ傾斜するテーパ状(テーパ面)とされている。これにより、リード端子25の接続部29が嵌合部31に嵌入する際、バネ部37のテーパ面によって接続部29を案内し、嵌合部31にスムーズに嵌入させることができる。
【0028】
なお、
図1には、嵌合部31がいわゆるファストン型と呼ばれるタイプの端子金具22を一例として示しているが、端子金具22はこのタイプに限定されるものではなく、例えば、嵌合部31を断面角筒状に形成し、この嵌合部31の内側に平板状のバネ部を設け、このバネ部でリード端子25の接続部29を嵌合部31の内壁に押圧するように構成しても構わない。
【0029】
収容部材23は、リレー21及び端子金具22を収容して保持するための樹脂製の筐体であり、リレー本体24を案内して収容する第1収容室38と、端子金具22を収容して保持する第2収容室39を備えている。なお、本実施形態においては、収容部材23を電気接続箱と別体の単体部材として取り扱っている。しかしながら、収容部材23は、電気接続箱の内側に形成される枠体の一部として、電気接続箱と一体的に形成されていてもよい。
【0030】
図1に示すように、本実施形態の収容部材23には2つの第1収容室38が形成され、それぞれの第1収容室38を挟んで一対の第2収容室39が対向して配置されている。すなわち、収容部材23は、1つの第1収容室38と2つの第2収容室39からなる収容空間を2組備えた構成となっている。そして、第2収容室39には、それぞれの収容空間に挿入されるリレー21のリード端子25に対応させて、2つの端子金具22がそれぞれ所定の位置に収容されている。
【0031】
図4は、
図2の矢印A−A方向から見た縦断面図である。
図4においては、図示の簡略化のためリレー本体24の内部構造については、図示を省略している。
図4に示すように、第1収容室38は、底壁40と、底壁40から立設する壁部41とに囲まれて、上方が外部に開放された凹状の空間をなしている。壁部41は、リレー本体24の側面(左側面24c,右側面24d,前面24e,背面24f)を四方から取り囲むように底壁40から立設され、リレー本体24を第1収容室38へ案内して収容するようになっている。第1収容室38は、リレー本体24よりも一回り大きな直方体状に形成され、壁部41によって案内されたリレー本体24をスムーズに収容するとともに、収容されたリレー本体24の4つの側面と壁部41が干渉してリレー本体24の姿勢を保持するようになっている。
【0032】
また、
図1に示すように、第1収容室38を形成する4つの壁部41のうち、隣り合う第1収容室38同士を仕切る壁部41fと、第2収容室39との仕切り壁となる2つの壁部41c,41dとを除いた残りの壁部41e(リレー本体24の前面24eと対向する壁部)には、第1収容室38を収容部材23の外部に臨ませた貫通溝26が、壁部41eの高さ方向(リレー本体24の挿入方向)に延在して形成されている。貫通溝26の上端部分は、第1収容室38にリレー本体24が収容されたときに、リレー本体24の側面から突出する係止突起27が係止可能になっている。
【0033】
第2収容室39は、第1収容室38の壁部41c,41d(以下、壁部41と略す。)の外側、つまり壁部41c,41dを挟んで第1収容室38と反対側にそれぞれ配置され、これらの壁部41と収容部材23のフレーム部42により形成される角筒状の枠に囲まれて、上方及び下方が外部へ開放された直方体状の空間をなしている。第2収容室39には、
図4に示すように、端子金具22を保持するためのランス43(係止片)が設けられている。ランス43は、壁部41又はフレーム部42から第2収容室39へ向けて片持ちで伸延させて一体成形され、弾性変形可能になっている。
【0034】
図4では、左側に位置するランス43が壁部41cから伸延し、右側に位置するランス43がフレーム部42から伸延している。これにより、ランス43は、いわゆるバネ機構をなし、端子金具22のバネ部37の下縁を弾性変形から復帰しようとする復元力で押圧して係止している。この結果、第2収容室39からの端子金具22の抜け止めを図りつつ、端子金具22を第2収容室39に保持する。なお、本実施形態では、左右のランス43が同じ方向に伸延して設けられるが、互いに逆向きに伸延して左右対称に構成されていてもよい。
【0035】
端子金具22を第2収容室39へ収容してランス43に保持させるには、端子金具22を第2収容室39の下側の開口部44から挿入する。そして、端子金具22の先端部分(嵌合部31)がランス43と当接するまで端子金具22を第2収容室39へ挿入する。端子金具22の先端部分(嵌合部31)がランス43と当接した状態から端子金具22をさらに第2収容室39へ挿入するべく、端子金具22に
図4中、上向きの力(挿入力)を作用させると、端子金具22に押圧されてランス43が弾性変形する。
図4では、左側に位置するランス43が壁部41(壁部41c)と近接するように弾性変形し、右側に位置するランス43がフレーム部42と近接するように弾性変形する。そして、この弾性変形の復元力に抗して端子金具22に挿入力を作用させると、端子金具22は、嵌合部31にランス43を摺接させた状態で上方へ移動する。そのまま端子金具22が移動し、相対的にランス43が嵌合部31に沿ってバネ部37の下縁まで達すると、ランス43は、弾性変形してバネ部37の下縁と係合する。このようにランス43が端子金具22(のバネ部37の下縁)と係合することにより、端子金具22はランス43に係止される。このため、第2収容室39から端子金具22が抜け出すのを防ぐことができる。つまり、端子金具22が第2収容室39に保持された状態となる。
【0036】
一方、本実施形態において、リレー21が収容部材23に収容された状態、つまり、リード端子25の接続部29が端子金具22のバネ部37と嵌合しているときのリレー21の上下方向(矢印Zで示す方向)の位置は、
図2及び
図4に示すように、リレー本体24(の上面24a)が収容部材23の上端から上に突出しないように所定の高さ位置に設定されている。ここで、リレー本体24の上下方向の位置(高さ位置)は、リード端子25の接続部29が端子金具22のバネ部37と嵌合する位置によって決められる。すなわち、各端子金具22は、第2収容室39において、リード端子25の接続部29を保持するバネ部37が、第1収容室38に収容されるリレー本体24の側面と壁部41を挟んで対向する上下方向の位置(高さ位置)に保持される。そして、壁部41の上端面は、リード端子25の接続部29が端子金具22のバネ部37と嵌合したときに、リード端子25の基端部28が接触しないようにされる。すなわち、壁部41の上端面は、収容部材23の上端面よりも下方の所定の上下方向の位置(高さ位置)に配置される。また、底壁40は、リレー本体24の底面24bと接触しない所定の上下方向の位置(高さ位置)に配置される。これにより、リレー21は、収容部材23の上下方向(高さ方向)において、リード端子25の接続部29が端子金具22のバネ部37と嵌合する部分を除き、底壁40や壁部41の上端面と干渉することなく収容部材23に保持される。このため、リード端子25と端子金具22との接続を確実なものとすることができ、リレー21の保持力を安定させることができる。
【0037】
このようにして構成される収容部材23にリレー21を組み付けるときは、第1収容室38の壁部41にリレー本体24を当接させてリレー21が第1収容室38に対して過度に傾かないようにその姿勢を安定させつつ、リレー本体24を壁部41に沿って案内して第1収容室38へ挿入する。リレー本体24の下端部近傍が第1収容室38へ収容されると、リード端子25の接続部29の先端(下端部)が端子金具22の上方で嵌合部31と正対するように位置付けられる。接続部29をこのように位置付けた状態で、リレー本体24が第1収容室38の底壁40の近傍まで挿入されると、嵌合部31における平板部36とバネ部37との隙間に接続部29が挿入される。そして、接続部29、ひいては、リレー21は、バネ部37の押圧力により嵌合されて支持される。このようにして組み付けられたリレーモジュール20は、
図2及び
図4に示すようにリレー21が収容部材23に保持されるとともに、端子金具22を介してリレー21が電線30と電気的に接続された状態となる。
【0038】
ところで、電気接続箱は通常内部に水(液体)が浸入しないように構成されている。しかしながら、例えばメンテナンス作業時に電気接続箱の蓋を開けて開放した場合や結露により、リレーモジュール20に水が付着するおそれがある。すなわち、リレー21は、リレー本体24の4つの側面24c〜24fと底面24bと、は第1収容室38の壁で囲まれているが、上面24aは露出している。このため、水が付着する可能性がある。特に、電気接続箱に収容されるリレー21は、電気接続箱の鉛直方向上方(蓋側)に上面24aが位置するとは限らず、電気接続箱の側面方向(鉛直方向と交差する方向)に上面24aを向けて横向きに配置される場合もあり得る。このような場合には、例えば、リレー本体24の上面24aや収容部材23に付着した水が重力や表面張力によってリレー本体24の側面24c,24dに拡がるおそれがある。しかしながら、電気接続箱においては、このように側面24c,24dに水が付着しても、隣り合うリード端子25間(基端部28aと基端部28b,基端部28cと基端部28d)の短絡を防ぐことが求められる。
【0039】
本実施形態では、このように隣り合うリード端子25の短絡を防止するため、複数のリード端子25が設けられるリレー本体24の側面から、隣り合う基端部28の互いに対向する側面に沿って絶縁部材45(45a〜45d)を突出させている。具体的には、
図1に示すように、各基端部28a〜28dの上下端面及び両側面に沿って、絶縁部材45a〜45dを形成している。この絶縁部材45a〜45dは、樹脂等でリレー本体24と一体的に形成され、リレー本体24の上面24aと面一になっている。
【0040】
また、
図2及び
図3に示すように、第2収容室39には、リレー21が収容部材23に収容された状態で、隣り合う絶縁部材45の互いに対向する側面間を各絶縁部材の厚み方向(上下方向)で仕切る絶縁性の仕切り壁46が設けられている。この仕切り壁46は、第2収容室39を上下方向で仕切るように、フレーム部42と壁部41を渡して一体的に形成される。
図2に示すように、仕切り壁46は、隣り合う絶縁部材45間で、各絶縁部材45と離間させて設けられるとともに、その上端部がリレー本体24の上面24aと略同じ高さに設定されている。仕切り壁46の上端面には、この上端面に沿って面取りが施されている。
【0041】
本実施形態のように、隣り合う基端部28の互いに対向する側面に沿って絶縁部材45を設けることにより、リレー本体24の側面24c,24dに付着する水は、絶縁部材45に沿って移動しない限り、隣り合うリード端子25間を短絡することがない。したがって、絶縁部材45は、リレー本体24の側面24c,24dに付着した水による、リード端子25間の短絡距離を実質的に長くすることができるため、このリード端子25間の短絡を防ぐことができる。また本実施形態のように、リード端子25の上端面を絶縁部材45(45a〜45d)で被覆することにより、収容部材23に組み付けられた状態のリレー21の通電部分に手や工具などが触れることによる感電やリード端子25間の短絡などのトラブルを防ぐことができる。加えて、絶縁部材45(45a〜45d)によってリード端子25を包囲することにより、リード端子25を端子金具22に挿入する際、リード端子25に作用する応力(反力)を絶縁部材45に負荷させて軽減することができる。したがって、挿入時の応力によってリード端子25が変形するのを防ぐことができる。
【0042】
また、隣り合う絶縁部材45同士の隙間に仕切り壁46を設けることにより、例えば、一方の基端部28やその基端部28に沿って形成される絶縁部材45に付着した水が、他方の基端部28やその基端部28に沿って形成される絶縁部材45に伝わるのを抑制することができる。したがって、このように仕切り壁46を設けることで、例えば、隣り合う絶縁部材45同士を水が跨いで付着することによるリード端子25間の短絡を防ぐことができる。
【0043】
図5は、絶縁部材の他の実施形態を示す断面図である。
本実施形態の絶縁部材45は、リレー21の製造時において、樹脂成形(例えばインサート成形)により、リレー本体24と一体的に形成することができる。絶縁部材45の基端部28に沿って延在する長さは特に限定されるものではない。しかしながら、絶縁部材45の基端部28に沿って延在する長さを長くするほど、リード端子25間の短絡距離を長くすることができる。本実施形態の絶縁部材45は、リレー本体24の上面24aと面一に形成されているが、
図5に示すように、絶縁部材45(
図5では、絶縁部材45c)を段付き状に形成してもよい。また絶縁部材45はリレー本体24をモールディングしている絶縁材料とは別の絶縁材料で形成することもできる。本実施形態では、絶縁部材45が基端部28と密着させて形成されるが、絶縁部材45を基端部28と離間させて設けるようにしてもよい。
【0044】
本実施形態の絶縁部材45(45a〜45d)は、基端部28を四方から包囲して形成されるが、この例に限られるものではなく、少なくとも隣り合う基端部28の互いに対向する側面に沿って設けられていればよい。
図8は、絶縁部材の他の実施形態を示す斜視図である。
図8には、隣り合う基端部28の互いに対向する側面に沿って一対の板状の絶縁部材45を設ける例を示している。この場合、各絶縁部材45a〜45dは、各基端部28a〜28dの側面の少なくとも厚み方向(リレ−21の挿入方向:矢印Z方向、図の上下方向)にわたって設けるようにする。つまり絶縁部材45は、基端部28の上端面よりも上方に突出し、基端部28の下端面よりも下方に突出するように形成する。また、絶縁部材45は、各基端部28の上端面と下端面のいずれか一方に沿って延在する板状の絶縁部材を
図8の絶縁部材と連ねて略L字状に形成してもよいし、基端部28の上端面と下端面の両方に沿って延在する板状の絶縁部材を
図8の絶縁部材と連ねて略コの字状又は略U字状に形成してもよい。
【0045】
また、絶縁部材45は、
図1、
図8に示すように、隣り合う基端部28の互いに対向する側面に沿って、それぞれ設けられている必要はなく、いずれか一方の基端部28の側面に沿って設けられていればよい。ただし、絶縁部材45は、基端部28の側面の厚み方向(矢印Z方向:上下方向)にわたって設けられる。このようにしても、隣り合うリード端子25間の短絡距離を実質的に長くすることができるから、結果として、リード端子25間の短絡を防ぐことができる。この場合、仕切り壁46は、絶縁部材45及び他方の基端部28の側面とそれぞれ離間させて設けるようにする。
【0046】
次に、本実施形態の収容部材23に他の部材を被せてリレー21を保護する例を説明する。
図6は、
図2のリレーモジュールにカバー部材を組み付ける組立図である。
図7は、
図6のカバー部材が組み付けられた状態のB−B矢視の縦断面図である。
ここで、
図7においては、図示の簡略化のためリレー本体24の内部構造については、図示を省略している。
図6は、リレー21を収容した収容部材23の上部にカバー部材を被せて組み付ける場合の組立図である。
図6に示すように、リレー21が収容されている収容部材23は、上方からカバー部材47が被冠されるようになっている。
【0047】
カバー部材47は、樹脂により形成され、下方に開口を有する箱型の筐体(蓋体)であり、天壁48と、天壁48から立設する4つの壁部49とに囲まれて下方が外部に開放された凹状の空間をなしている。壁部49は、収容部材23を四方から包囲可能に天壁48から立設されて形成され、収容部材23を空間内に収容して収容部材23の壁面に沿って着脱自在に装着されるようになっている。
【0048】
収容部材23のフレーム部42には、弾性変形可能な係止フック50が、片持ち状に突出して設けられている。一方、カバー部材47のフレーム部42と対向する壁部49には、カバー部材47が収容部材23に装着されたときに、係止フック50と係止される係止突起51(
図7参照)が突出して設けられている。
【0049】
カバー部材47を収容部材23に組み付ける際には、収容部材23の上方からカバー部材47を被せた状態で、収容部材23の下方へ移動させる。このとき、カバー部材47の壁部49は、収容部材23のフレーム部42などの壁面に沿って案内される。カバー部材47の係止突起51が収容部材23の係止フック50に当接すると、係止フック50は係止突起51に摺接され、係止突起51に押圧されて収容部材23のフレーム部42と近接する方向へ弾性変形する。そして、カバー部材47がさらに押し込まれ、係止突起51が係止フック50を乗り越えると、係止フック50が弾性変形から復元され、カバー部材47は、収容部材23に装着された状態で係止される。
【0050】
一方、収容部材23に係止されたカバー部材47を収容部材23から取り外すときは、カバー部材47に形成される工具挿入穴52から工具を差し込み、この工具を係止フック50に押し付けて、フレーム部42と近接する方向へ弾性変形させる。これにより、係止フック50と係止突起51の係止状態を解除して、カバー部材47を収容部材23から取り外すことができる。本実施形態では、リレーモジュール20に一組の係止フック50と係止突起51とを設ける例を示すが、カバー部材47を収容部材23に係止可能な構造であれば、この例に限られるものではない。
【0051】
本実施形態によれば、リレー20を収容部材23とカバー部材47によって包囲することができるから、リレー20(特にリレー本体24)に水が付着するのを防ぐことができる。これにより、リレー21の防水性を高めることができるから、隣り合うリード端子25同士の短絡をより確実に防ぐことができる。カバー部材47は、
図6のように箱型の形状に限られるものではなく、少なくとも収容部材23に収容されるリレー21の露出部分を被冠する形状になっていればよい。
【0052】
上記の実施形態では、本発明が適用される電子部品の組付構造として、
図1のリレー21が組み付けられるリレーモジュール20の構成について説明した。しかしながら、電子部品の構成はこの例に限られるものではなく、要は、直方体状(立方体状を含む)の部品本体と、この部品本体の少なくとも一つの面から突出するリード端子とを備え、このリード端子は、部品本体の少なくとも一つの面から突出する基端部と、この基端部と連なり部品本体の側面と間隔をあけて該側面に沿って垂下する接続部とを備え、部品本体の少なくとも1つの側面に、この側面の幅方向に複数のリード端子が設けられ、さらに、この複数のリード端子が設けられる部品本体の側面には、隣り合う基端部の互いに対向する側面のうち少なくとも一方の側面に沿って突出する絶縁部材が設けられ、この絶縁部材は、基端部の側面の厚み方向(接続部が垂下する方向と平行な方向)にわたって設けられていればよい。
より具体的には、例えば、
図9〜
図11に示す他の形態の電子部品(例えばリレー)においても、
図1のリレーと同様の効果を得ることができる。なお、以下の説明では、
図1のリレー21と異なる構成を中心に説明する。
【0053】
図9は、リレーの他の形態の斜視図である。
図1に示したリレー21は、リレー本体24の平行な一対の面にそれぞれリード端子25を2本ずつ設けていた。これに対し、
図9のリレー52は、上面24aと底面24bを除く4つの側面において、隣り合う2つの側面(例えば、前面24eと右側面24d)にそれぞれリード端子25が2本ずつ設けられ、リレー本体24には、各リード端子25a〜25dの隣り合う基端部の互いに対向する側面に沿って、各基端部を包囲するように絶縁部材45a〜45dがそれぞれ突出して設けられる。この場合、リレー52を収容する収容部材は、各リード端子25の配置に対応させて、第2収容室39が第1収容室38と壁部41を挟んで2箇所に設けられ、かつ、互いに直交するように配置される。そして、各第2収容室39には、これらに挿入されるリード端子25に対応させてそれぞれリード端子25と同数の端子金具22が保持される。
【0054】
図10は、リレーの他の形態の斜視図である。
また、
図10に示すリレー53のように、リード端子25は、リレー本体24の3つの側面にそれぞれ設けられていてもよい。
図10では、3つの側面のうち一つの側面24eに2つのリード端子25b,25cが設けられ、残る2つの側面24c,24dにそれぞれリード端子25a,25dが設けられる例を示す。この場合、2つのリード端子25が設けられるリレー本体24の側面24eには、各リード端子25b,25cの隣り合う基端部の互いに対向する側面に沿って、各基端部を包囲するように絶縁部材45b,45cがそれぞれ突出して設けられる。リレー53を収容する収容部材は、各リード端子25の配置に対応させて、第2収容室39が第1収容室38と壁部41を挟んで3箇所に設けられ、これらの第2収容室39には、これらに挿入されるリード端子25に対応させてそれぞれリード端子25と同数の端子金具22が保持される。
【0055】
図11は、リレーの他の形態の斜視図である。
また、上述したリレーは、リード端子25の接続部29の厚み方向が、この接続部29と対向するリレー本体24の側面と交差(直交)するように形成されているが、
図11に示すように、それぞれ対向するリレー本体24の側面と平行になるように、リード端子55が設けられていてもよい。
図11のリレー54は、リード端子55の基端部56及び接続部57が、リレー本体24の前面24e及び背面24fと平行に延在する平板状に形成され、2つのリード端子55a,55bの接続部57a,57bの厚み方向がリレー本体24の側面24dと平行になるように配置され、残る2つのリード端子55c,55dの接続部57c,57dの厚み方向がリレー本体24の側面24cと平行になるように配置されている。なお、各基端部56がリレー本体24の側面から垂直に突出し、各接続部57がリレー本体24の側面と間隔を開けて平行に延在する点は、他のリレーと同じである。この場合、リレー本体24の側面24cには、リード端子55c,55dの隣り合う基端部56c,56dの互いに対向する側面に沿って、各基端部56を包囲するように絶縁部材58c,58dがそれぞれ突出して設けられ、リレー本体24の側面24dには、リード端子55a,55bの隣り合う基端部56a,56bの互いに対向する側面に沿って、各基端部56を包囲するように絶縁部材58a,58bがそれぞれ突出して設けられる。リレー54を収容する収容部材は、各リード端子55の配置に対応させて、第2収容室39が第1収容室38と壁部41を挟んで2箇所に設けられ、かつ、互いに平行に配置される。そして、各第2収容室39には、これらに挿入されるリード端子55に対応させてそれぞれリード端子55と同数の端子金具22が、リード端子55の向きに対応させて配置されている。
【0056】
また、これまで説明したリレーはいずれもリード端子の基端部が完全に露出されているが、基端部の少なくとも一部を樹脂で包囲してもよい。
図13Aは、リード端子の基端部が樹脂に包囲されるリレーの外観斜視図であり、
図13Bは、
図13Aに示すリレーの側面図である。
【0057】
図13A,13Bに示すように、リレー100は、リレー本体101の1つの面(例えば実施形態の上面24aに相当する面)に沿って平板状の絶縁部材102が取り付けられている。絶縁部材102は、絶縁性の樹脂などを成形することにより、平面視で略矩形をなして形成される。この絶縁部材102は、相互に対向配置されるリレー本体101の一対の側面103,104と直交する方向に延在する。これらの側面103,104にはそれぞれ2本のリード端子105が設けられる。各リード端子105は、その接触部107が各側面103,104と対向するよう設けられる。絶縁部材102は、各リード端子105の基端部106を包囲するように形成される。
【0058】
図13Bに示すように、リード端子105の基端部106は、その軸方向に亘って絶縁部材102に包囲され、リード端子105の接触部107は、絶縁部材102の下面から突出して設けられる。絶縁部材102と各側面103,104が交差する位置には、突起部108が段付き状に形成される。この突起部108は、リレー100が収容部材に組付けられたときに、壁部の上端面と当接される。なお、リード端子105の基端部106は、この突起部108から突出するよう配置されてもよいし、リレー本体101の側面103,104から突出するよう配置されてもよい。
【0059】
これによれば、各リード端子105の基端部106を上方から絶縁部材102によって支持することができる。これにより、リード端子105をそれぞれ端子金具に嵌入させるときに、リード端子105にかかる負荷を大幅に軽減させることができるため、リード端子105の変形を防ぐことができる。その結果、リード端子105と端子金具との電気的な接続状態を良好に維持するとともに、リレー100の収容部材に対する保持力の低下を防ぐことができる。また、各リード端子105の基端部106を絶縁部材102で包囲することにより、隣り合うリード端子105の短絡を防ぐことができる。
【0060】
以上、本発明の実施形態を図面により詳述してきたが、上記実施形態は本発明の例示にしか過ぎないものであり、本発明は上記実施形態の構成にのみ限定されるものではない。本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても、本発明に含まれることは勿論である。
【0061】
例えば、本実施形態では、リレーを電子部品とするリレーモジュールについて説明したが、電子部品は、リレーに限られるものではなく、要は、本実施形態のリレー本体及びリード端子と外観上、構成が類似する部品本体及びリード端子を有するものであれば、他の電子部品(トランジスタなどの半導体、センサ等の電子部品)にも適用することができる。具体的には、例えば、電子回路基板などの部品類を樹脂ケースに収容して形成される制御モジュールやヒューズなどにも適用することが可能である。
また、本実施形態では、リレー本体を一例として直方体状に形成しているが、これに限らず、電子部品の本体は、円柱状、多角柱状、円筒状等のように、側面部(あるいは周面部)が挿入方向(矢印Z方向)に沿って形成可能な形状に形成されていてもよい。