(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記複数の回転体のうち一の回転体がニューループを保持するとき、他の回転体はオールドループを保持し、前記他の回転体の回転タイミングは、前記一の回転体の回転タイミングと異なることを特徴とする請求項5記載の編機。
前記保持台は、前記第1および第2の軸線と直交する第3の軸線回りに前記編目編成具および前記シンカーを回転運動させることを特徴とする請求項5または6記載の編機。
前記第3の軸線に対して前記シンカーの外周側に配置され、前記複数の回転体のそれぞれの前記シンカー歯を受け入れる複数の第1のガイド溝を有し、前記複数の第1のガイド溝により前記シンカー歯を案内して前記複数の回転体の回転を制御するレールカムを備えることを特徴とする請求項7記載の編機。
前記第3の軸線に対して前記編目編成具の外周側に配置され、前記回転子の周縁部に形成された凸部を受け入れる第2のガイド溝を有し、前記第2のガイド溝により当該凸部を案内して前記回転子の回転を制御するラックカムを備えることを特徴とする請求項7〜9のいずれか一項記載の編機。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、たとえば炭素繊維といった伸縮性の低い繊維からなる編糸を編成する技術が求められている。上記特許文献1に記載の技術では、ニューループがオールドループに引っ張られやすく、伸縮性の低い繊維を編成するには適さない。ニューループおよびオールドループとは、編機によって編目を編成する際に、編糸がローターによって引き込まれることにより形成されるループである。ローターに牽引されている(喰われている)状態のループがニューループである。ニューループは、ローターから離された(脱出した)時点でオールドループになる。また、上記特許文献2に記載の技術では、弱撚糸など切れやすい糸を考慮しているものの、編成針による編機であるため、回転子により編目を編成する編機には適用できない。このように、回転子を用いて編目を編成する編機において、伸縮性の低い繊維からなる編糸であっても編目編成が可能な技術が求められている。
【0006】
本発明は、回転子を用いて編目を編成する編機において、伸縮性の低い繊維からなる編糸であっても編目編成が可能なロータリーシンカー、編機、および編目編成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のロータリーシンカーは、編機の複数の編目編成具間に配置されるロータリーシンカーであって、第1の軸線回りに回転可能な回転部と、回転部を回転可能に支持する支持部と、を備え、回転部は、編糸を係止可能な凸部であるシンカー歯がそれぞれの周縁部に形成された複数の回転体を有し、複数の回転体は、第1の軸線回りにそれぞれ独立して回転可能であることを特徴とする。
【0008】
このロータリーシンカーの回転部は、複数の回転体を有しており、これらの回転体の周縁部には、編糸を係止可能な凸部であるシンカー歯がそれぞれ形成されている。複数の回転体は、それぞれ、編目編成具に供給された編糸を保持する。ここで、複数の回転体は、第1の軸線回りにそれぞれ独立して回転可能であるため、回転タイミングを適宜設定できる。よって、オールドループを保持する回転体とニューループを保持する回転体とで、回転タイミングを調整することができる。この回転タイミングの調整により、伸縮性の低い繊維からなる編糸に対して大きい張力が加わることが防止される。よって、上記のロータリーシンカーによれば、伸縮性の低い繊維からなる編糸であっても編目編成が可能になる。
【0009】
また、上記ロータリーシンカーにおいて、複数の回転体は、所定のピッチで形成された複数のシンカー歯を有する同一の部材である。この構成によれば、複数の回転体のピッチを適宜設定することにより、所定の度目レベルの編目を編成可能になる。さらには、部材の共通化が図られる。
【0010】
また、上記ロータリーシンカーにおいて、複数の回転体のそれぞれは平面状の部材で形成され、板厚方向に互いに重ね合わされている。この構成によれば、より簡素な構成で、かつコンパクトなロータリーシンカーを実現することができる。
【0011】
また、上記ロータリーシンカーにおいて、複数の回転体のそれぞれは円環状をなしており、支持部は、複数の回転体のそれぞれの開口部内に収容された円盤状の回転軸と、回転軸を第1の軸線方向の両側から支持する支持板と、を有する。この構成によれば、回転軸によって、複数の回転体の回転を一層安定させることができる。
【0012】
本発明の編機は、第2の軸線回りに回転可能な回転子を有し、回転子が編糸を係止して回転することにより編目編成を行う編目編成具と、編目編成具の側方に配置され、編目編成具に供給された編糸を保持するシンカーと、編目編成具およびシンカーを保持する保持台と、を備え、シンカーは、第1の軸線回りに回転可能な回転部と、回転部を回転可能に支持する支持部と、を備えたロータリーシンカーであり、回転部は、編糸を係止可能な凸部であるシンカー歯がそれぞれの周縁部に形成された複数の回転体を有し、複数の回転体は、第1の軸線回りにそれぞれ独立して回転可能であることを特徴とする。
【0013】
この編機によれば、シンカーの回転部は、複数の回転体を有しており、これらの回転体の周縁部には、編糸を係止可能な凸部であるシンカー歯がそれぞれ形成されている。複数の回転体は、それぞれ、編目編成具に供給された編糸を保持する。ここで、複数の回転体は、第1の軸線回りにそれぞれ独立して回転可能であるため、回転タイミングを適宜設定できる。よって、オールドループを保持する回転体とニューループを保持する回転体とで、回転タイミングを調整することができる。この回転タイミングの調整により、伸縮性の低い繊維からなる編糸に対して大きい張力が加わることが防止される。よって、上記のロータリーシンカーによれば、伸縮性の低い繊維からなる編糸であっても編目編成が可能になる。
【0014】
また、上記編機において、複数の回転体のうち一の回転体がニューループを保持するとき、他の回転体はオールドループを保持し、他の回転体の回転タイミングは、一の回転体の回転タイミングと異なる。この構成によれば、回転子の回転によってニューループがオールドループの中を通過する際、オールドループを回転子から脱出させるための他方の回転体の回転タイミングを遅らせることができる。よって、オールドループに対して大きい張力が加わることが防止され、伸縮性の低い繊維からなる編糸であっても編目編成が可能になる。
【0015】
また、上記編機において、保持台は、第1および第2の軸線と直交する第3の軸線回りに編目編成具およびシンカーを回転運動させる。この構成によれば、編目編成具およびシンカーが保持台によって回転運動するいわゆる丸編機においても、伸縮性の低い繊維からなる編糸の編目編成が可能になる。
【0016】
また、上記編機において、第3の軸線に対してシンカーの外周側に配置され、複数の回転体のそれぞれのシンカー歯を受け入れる複数の第1のガイド溝を有し、複数の第1のガイド溝によりシンカー歯を案内して複数の回転体の回転を制御するレールカムを備える。この構成によれば、保持台によってシンカーを回転運動させることにより、シンカー歯がレールカムの第1のガイド溝内を移動し、複数の回転体の回転が制御される。よって、複数の回転体を確実に回転させることができる。
【0017】
また、上記編機において、複数の回転体のうち一の回転体がニューループを保持するとき、他の回転体はオールドループを保持し、レールカムにおいて、他の回転体を回転させるための第1のガイド溝の傾斜部の起点は、一の回転体を回転させるための第1のガイド溝の傾斜部の起点よりも第3の軸線回りの回転方向下流側に位置する。この構成によれば、レールカムによって、複数の回転体の回転タイミングを的確にずらすことができる。
【0018】
また、上記編機において、第3の軸線に対して編目編成具の外周側に配置され、回転子の周縁部に形成された凸部を受け入れる第2のガイド溝を有し、第2のガイド溝により当該凸部を案内して回転子の回転を制御するラックカムを備える。この構成によれば、保持台によって編目編成具を回転運動させることにより、編目編成具の凸部がラックカムの第2のガイド溝内を移動し、回転子の回転が制御される。よって、編目編成具の回転子を確実に回転させることができる。
【0019】
本発明の編目編成方法は、編機の複数の編目編成具間に配置されるシンカーを用いた編目編成方法であって、第2の軸線回りに回転可能な回転子を有し、回転子が編糸を係止して回転することにより編目編成を行う編目編成具と、編目編成具の側方に配置され、編目編成具に供給された編糸を保持するシンカーと、を備えた編機における編目編成方法であって、シンカーの動作において、オールドループを保持するタイミングと、ニューループを保持するタイミングを異ならせることを特徴とする。
【0020】
この編目編成方法によれば、回転子の回転によってニューループがオールドループの中を通過する際、シンカーがオールドループを引っ張るタイミングを遅らせることができ、オールドループに対して大きい張力が加わることが防止される。よって、伸縮性の低い繊維からなる編糸であっても編目編成が可能になる。
【0021】
また、シンカーは、編糸を係止可能な凸部であるシンカー歯がそれぞれの周縁部に形成された複数の回転体を有するロータリーシンカーであり、複数の回転体のうち一の回転体がニューループを保持するとき、他の回転体はオールドループを保持し、他の回転体の回転タイミングと、一の回転体の回転タイミングを異ならせる方法とすることができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、回転子を用いて編目を編成する編機において、伸縮性の低い繊維からなる編糸であっても編目編成が可能になる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図面の説明において同一要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0025】
(編機)
図1に示されるように、本実施形態の編機1は、主として産業資材用に用いられる丸編機であって、たとえば、炭素繊維などの伸縮性の低い繊維からなる編糸を用いて編目編成を行うのに適した編機である。この編機1は、編目編成を行う編目編成具2と、編目編成具2に供給された編糸を保持するロータリーシンカー3と、編目編成具2およびロータリーシンカー3を保持し、回転軸(第3の軸線)L3回りに編目編成具2およびロータリーシンカー3を回転運動させるホルダーベース(保持台)4と、を備えている。編機1は、ホルダーベース4を駆動するためのモーター7を備えている。回転軸L3は上下方向に延びている。回転軸L3の周りにはホルダーベース4およびベース6が配置される。
【0026】
ホルダーベース4は、円筒状を成し、図示上側の端面には、編目編成具2を保持するための編成具用溝4aとロータリーシンカー3を保持するためのシンカー用溝4bとを備えている。編成具用溝4aおよびシンカー用溝4bは、回転軸L3の周方向において交互に形成されている。編目編成具2は、編成具用溝4aに挿入されて、ホルダーベース4に固定されている。ロータリーシンカー3は、シンカー用溝4bに挿入されて、ホルダーベース4に固定されている。
【0027】
本実施形態の編機1では、編目編成具2およびロータリーシンカー3は、回転軸L3の周方向において交互に40個ずつ配置されている。すなわち、ロータリーシンカー3は、編目編成具2の側方に配置されている。編目編成具2およびロータリーシンカー3の個数は、編成される編目に応じて適宜設定することができる。なお、
図1では、一部の編目編成具2およびロータリーシンカー3のみが図示されており、他の編目編成具2およびロータリーシンカー3の図示は省略されている。
【0028】
モーター7は、ホルダーベース4を回転駆動するためのものである。ホルダーベース4は、モーター7によって回転方向Rに回転駆動される。編目編成具2およびロータリーシンカー3は、ホルダーベース4の回転によって回転軸L3周りに回転運動する。
【0029】
さらに、編機1は、編目編成具2の外周側(回転軸L3に対する外周側)に配置されて、編目編成具2のローター11の回転を制御する円環状のラックカム8と、ロータリーシンカー3の外周側に配置されて、ロータリーシンカー3の各リングシンカー36,37の回転を制御する円環状のレールカム9とを備えている。ラックカム8は、レールカム9上に積み重ねられている。ラックカム8およびレールカム9は、ホルダーベース4、編目編成具2、およびロータリーシンカー3を包囲するようにして、ベース6上に固定されている。
【0030】
(編目編成具)
図2は、編目編成具2の側面図であり、
図3は、編目編成具2の分解斜視図である。編目編成具2は、ローター(回転子)11、アウタープレート12,12、インナープレート13,14を備えている。
【0031】
ローター11の回転軸(第2の軸線)L2方向に対向する主面2aは、平坦面とされている。ローター11では、回転軸L2方向に突出する凸部は形成されておらず、同一の厚みを有している。回転軸L2は、編目編成具2の両側に配置される2つのロータリーシンカー3,3における所定点同士を結ぶ直線に略平行である。回転軸L2の周りにはローター11が配置され、ローター11の上方および下方にはインナープレート13,14がそれぞれ配置される。ローター11およびインナープレート13,14の回転軸L2方向の両側には、アウタープレート12,12が配置される。
【0032】
ローター11の周縁部には、ローター11に回転力を伝達するためのローター歯(ギア)21が設けられている。ローター歯21は、全周にわたり等間隔で配置されている。本実施形態のローター2では、歯数が8個とされている。ローター歯21は、ラックカム8のガイド溝(第2のガイド溝)8a内を移動し、ガイド溝8aによって案内される(
図6参照)。ローター歯21が案内されることにより、ローター11が、回転軸L2回りを回転方向R2に回転する。なお、本実施形態では、ローター11の歯数は8個としているが、ローター11の歯数は8個に限定されない。
【0033】
また、ローター11の周面(ローター歯21の先端面)は、摺動面として機能する。ローター11は、後述するインナープレート13,14(
図3参照)によって回転可能に支持される。
【0034】
ローター11には、編糸を編みこむ一対のフック(係止凹部)22が形成されている。フック22は、ローター11の周面側から中心側へ凹むように形成されている。フック22は、ローター11の径方向において、中央よりも反対側まで形成されている。フック22は、ローター11の厚み方向において、一方の主面から2aから他方の主面2aまで貫通している。ローター11のフック22は、その円周上の相対する位置に2個形成されている。また、フック22は、2個以上(例えば、3個、4個)設けられてもよい。
【0035】
アウタープレート12,12は、板状を成し、ローター11を回転軸L2方向の両側から挟んで保持するものである。アウタープレート12は、図示上下方向が長手方向となるように形成されている。
【0036】
インナープレート13,14は、板状を成し、ローター11を図示上下方向の両側から挟んで保持するものである。インナープレート13,14は、ローター11を挟んで、図示上下方向に離間して配置されている。インナープレート13,14は、回転軸L2方向の両側から一対のアウタープレート12,12によって挟まれて支持されている。
【0037】
編目編成具2では、アウタープレート12、インナープレート13,14、アウタープレート12が板厚方向に積層されて固定されている。インナープレート13は、隣接するアウタープレート12,12に溶接などによって接合されている。インナープレート14は、隣接するアウタープレート12,12に溶接などによって接合されている。
【0038】
インナープレート13の下端面13aは、ローター2の周面11bと対面し、ローター11を回転可能に支持する摺動面として機能する。インナープレート14の上端面14aは、ローター11の周面11bと対面し、ローター11を回転可能に支持する摺動面として機能する。
【0039】
アウタープレート12には、板厚方向に貫通する開口部12aが形成されている。この開口部12aは、
図3に示されるように、アウタープレート12の幅方向Wの一方の端部から、反対側へ形成されている。なお、アウタープレート12は、幅方向Wの他方の端部側では開口されていない。アウタープレート12は、他方の端部側では、図示上下方向に連続して形成されている。
【0040】
開口部12aは、編糸をローター2のフック22に進入させるための通路として機能すると共に、フック22に喰われた編糸を外部へ脱出させるための通路として機能する。また、開口部12aの他方の端部側は、フック22に喰われた編糸の案内部となる。
【0041】
ローター11は、編目編成具2に装着された状態において、アウタープレート12よりも幅方向Wの外側へ露出している。具体的には、ローター11のローター歯21が、外部側に露出している。
【0042】
(ロータリーシンカー)
図4は、ロータリーシンカー3の側面図であり、
図5は、ロータリーシンカー3の分解斜視図である。ロータリーシンカー3の説明において、ロータリーシンカー3を編機1に搭載した場合に、編機1の中央側に向く面を、ロータリーシンカーの背面とし、編機1の外側を向く面を、ロータリーシンカーの正面とする。
【0043】
図4および
図5に示されるように、ロータリーシンカー3は、回転軸(第1の軸線)L1回りに回転可能な回転部38と、アウタープレート(支持板)32,32と、インナープレート33と、シンカー軸(回転軸)34とを備えている。回転軸L1は、ロータリーシンカー3の両側に配置される2つの編目編成具2,2における所定点同士を結ぶ直線に略平行であると共に、ローター11,11の斜め下方に位置する。回転軸L1の周りにはシンカー軸34が配置され、シンカー軸34の周りには回転部38が配置される。回転部38の下方にはインナープレート33が配置される。シンカー軸34、回転部38、インナープレート33の回転軸L1方向における両側には、アウタープレート32,32が配置される。
【0044】
本実施形態にあっては、ロータリーシンカー3の回転部38は、複数のリングシンカー(回転体)を有している。より具体的には、回転部38は、リングシンカー(第1の回転体)36と、リングシンカー(第2の回転体)37とを有している。すなわち、回転部38は、2枚構成のシンカーとされている。各リングシンカー36,37は、平面状の部材で形成されており、板厚方向(すなわち回転軸L1方向)に互いに重ね合わされている。各リングシンカー36,37は、周縁部に所定のピッチで等間隔に形成された複数のシンカー歯36a,37aを有している。シンカー歯36a,37aは、各リングシンカー36,37に回転力を伝達するためのものであり、レールカム9のガイド溝(第1のガイド溝)9a内を移動し、ガイド溝9aによって案内される(
図6参照)。シンカー歯36a,37aが案内されることにより、各リングシンカー36,37が回転軸L1回りを回転方向R1に回転する。リングシンカー36,37のシンカー歯36a,37aは、それぞれ8個設けられている。よって、回転部38としては、16個のシンカー歯が設けられている。なお、シンカー歯36a,37aの個数は度目レベルによって適宜設定することができるものであり、8個に限定されない。
【0045】
また、リングシンカー36,37のシンカー歯36a,37aは、回転力を伝達する機能の他に、シンカーループを保持(係止)する係止部として機能する。従来のシンカーは、往復運動により編目編成を補助する働きをするが、リングシンカー36,37は回転運動を用いているため、従来のシンカーとは異なる機能を有し、シンカーループの保持と、回転力の伝達の役目を担っている。
【0046】
リングシンカー36,37は、同一の部材から成っている。言い換えれば、リングシンカー36,37は、同じ形状および大きさ且つ同じ素材の部材からなっている。これによって、部材の共通化が図られている。各リングシンカー36,37の回転軸L1方向に対向する主面36d,37dは、滑らかな平坦面とされている。各リングシンカー36,37では、回転軸L1方向に突出する凸部は形成されておらず、同一の厚みを有している。リングシンカー36,37は、滑らかな表面を有することにより、互いに摺接可能になっている。
【0047】
シンカー軸34は、平板から形成され、円盤状を成している。シンカー軸34は、リングシンカー36の開口部36b内およびリングシンカー37の開口部37b内に収容され、回転軸L1方向の両側からアウタープレート32,32によって挟まれて支持されている。具体的には、シンカー軸34は、アウタープレート32の円形部32aに挟まれている。シンカー軸34の外径は、リングシンカー36,37の開口部36b,37bの大きさに対応するように形成されている。シンカー軸34の外周面34aは、リングシンカー36,37の内周面36c,37cと当接する摺動面として機能する。リングシンカー36,37は、シンカー軸34及びアウタープレート32,32により回転可能に支持されている。すなわち、リングシンカー36,37を回転可能に支持する支持部は、リングシンカー36,37の開口部36b,37b内に収容された円盤状のシンカー軸34と、シンカー軸34を回転軸L1方向の両側から支持するアウタープレート32,32と、を備えている。
【0048】
アウタープレート32,32は、板状を成し、リングシンカー36,37を回転軸L1方向の両側から挟んで保持するものである。アウタープレート32は、リングシンカー36,37を覆う円形部32aと、円形部32aに連続して形成された固定部32bとを有する。
図4に示されるように、リングシンカー36,37のシンカー歯36a,37aは、円形部32aの外形よりも外側に張り出している。アウタープレート32の固定部32bは、ホルダーベース4に設けられたシンカー用溝4b(
図1参照)に挿入される部分である。
【0049】
インナープレート33は、板状を成し、シンカー軸34と同一の厚さを有している。インナープレート33は、回転軸L1方向の両側から一対のアウタープレート32,32によって挟まれて支持されている。具体的には、インナープレート33は、アウタープレート32の固定部32bに挟まれている。
【0050】
ロータリーシンカー3では、アウタープレート32、インナープレート33、シンカー軸34、アウタープレート32が板厚方向に積層されて固定されている。インナープレート33は、隣接するアウタープレート32の固定部32bに溶接などによって接合されている。シンカー軸34は、隣接するアウタープレート32の円形部32aに溶接などによって接合されている。
【0051】
(ローターおよびリングシンカーの回転駆動)
図6は、編目編成具2のローター11およびロータリーシンカー3のリングシンカー36,37と、ラックカム8およびレールカム9との配置関係を示す斜視図であり、
図7は、ラックカム8およびレールカム9の斜視図である。また、
図8(a)は、ラックカム8およびレールカム9の展開図、
図8(b)は、
図8(a)の断面図である。なお、
図8(a)では、ガイド溝が形成された領域に斜線を付している。
【0052】
図6〜
図8に示されるように、ラックカム8は、略円環状のガイド溝8a,8aを有している。各ガイド溝8aの延在方向に垂直な断面は、内周側に開放されたU字状をなしている。このガイド溝8a内には、ローター11のローター歯21が収容される。ガイド溝8aの大部分は、水平方向に延在する2本の平行部43(
図8参照)とされている。
【0053】
ガイド溝8aの周方向の一部(一箇所)は、回転駆動部40とされている。この回転駆動部40には、水平面に対し所定の角度をなして傾斜する複数のラック42が形成されている。このラック42は、ローター11のローター歯21を案内することにより、ローター11を回転方向R2(
図2参照)に回転させる。より具体的には、各ラック42は、ローター11を1歯分回転させ、複数のラック42によってローター11を4歯分回転させる。ローター11にはローター歯21が8個形成されるため、ローター11は、回転駆動部40が形成された領域を通過することで、回転方向R2に180°回転する。
【0054】
レールカム9は、略円環状のガイド溝9aを有している。各ガイド溝9aの延在方向に垂直な断面は、内周側に開放されたU字状をなしている。このガイド溝9a内には、リングシンカー36,37のシンカー歯36a,37aが収容される。ガイド溝9aの大部分は、水平方向に延在する2本の平行部44(
図9参照)とされている。
【0055】
ガイド溝9aの周方向の一部(一箇所)は、回転駆動部41とされている。この回転駆動部41は、水平面に対し所定の角度をなして延在するシンカー回転用溝(傾斜部)41aと、このシンカー回転用溝41aと平行に延在するシンカー回転用溝(傾斜部)41bとを有している。シンカー回転用溝41a,41bは、リングシンカー36,37のシンカー歯36a,37aを案内することにより、リングシンカー36,37を回転方向R1(
図4参照)に回転させる。より具体的には、シンカー回転用溝41aは、リングシンカー36,37のいずれか一方(ニューループを保持するリングシンカー)を一定角度回転させる。シンカー回転用溝41bは、リングシンカー36,37のいずれか他方(オールドループを保持するリングシンカー)を一定角度回転させる。このように、リングシンカー36およびリングシンカー37は、回転軸L1回りにそれぞれ独立して回転可能に構成されている。各シンカー回転用溝41a,41bによって各リングシンカー36,37が回転させられる角度は、回転部38としての1歯分すなわち22.5°(360°÷16)である。この回転角度は、各シンカー回転用溝41a,41bの歯数(ピッチ)によって変わる。
【0056】
ここで、リングシンカー36およびリングシンカー37は、互いに異なるタイミングで回転する。より具体的には、シンカー回転用溝41bの起点Bは、シンカー回転用溝41aの起点Aよりも回転方向Rの下流側に位置している。この構成によって、リングシンカー36,37のいずれか他方(オールドループを保持するリングシンカー)の回転タイミングは、リングシンカー36,37のいずれか一方(ニューループを保持するリングシンカー)の回転タイミングよりも遅れるようになっている。この回転タイミングの相違により、リングシンカー36,37は、一時的に互いに摺接する。
【0057】
さらに、ガイド溝9aは、回転駆動部41の回転方向R下流側において、シンカー回転用溝41aと上側の平行部44とを連結する追加回転用溝45を有している。この追加回転用溝45は、上側の平行部44よりも僅かに高い位置で水平に形成されている。この追加回転用溝45内をリングシンカー36,37のいずれか一方(ニューループを保持するリングシンカー)が移動することにより、当該リングシンカーは上記した一定角度よりも回転方向R1に余分に回転する。当該リングシンカーは、追加回転用溝45を通過後、回転方向R1とは逆方向に、余分に回転した分だけ回転する(戻る)。
【0058】
ガイド溝9aは、回転駆動部41の回転方向R上流側において、下側の平行部44とシンカー回転用溝41aとを連結するシンカー戻し用溝46を有している。このシンカー戻し用溝46は、下側の平行部44よりも僅かに低い位置で水平に形成されている。このシンカー戻し用溝46内をリングシンカー36,37のいずれか一方(これからニューループを保持しようとするリングシンカー)が移動することにより、当該リングシンカーは回転方向R1とは逆方向に、若干の角度だけ回転する(戻る)。当該リングシンカーは、シンカー戻し用溝46を通過後、回転方向R1に若干の角度だけ回転する。
【0059】
また、ガイド溝9aは、周方向の一部(一箇所)において、オールドループ引き出し用溝47を有している。このオールドループ引き出し用溝47は、平行部44よりも多少高い位置で水平に形成されている。このオールドループ引き出し用溝47内をリングシンカー36,37のいずれか他方(オールドループを保持するリングシンカー)が移動することにより、当該リングシンカーは回転方向R1に若干の角度だけ回転する。これによって、万一ローター11のフック22からオールドループが脱出していない場合であっても、オールドループを引き出してフック22から確実に脱出させる(ダメ押しする)ことができる。当該リングシンカーは、オールドループ引き出し用溝47を通過後、回転方向R1とは逆方向に、若干の角度だけ回転する(戻る)。オールドループ引き出し用溝47は、回転駆動部41以外の位置であれば、周方向のどの位置に設けられてもよい。
【0060】
(編目編成方法)
次に、ロータリーシンカー3の動作および作用を説明しながら、編目する。
図9は、ローター11およびリングシンカー36,37を用いて平編みを行う場合のニッティングサイクルを示す平面図であり、
図10は、
図9の斜視図である。
【0061】
図9,10に示される各状態のうち、回転方向R上流側(図示右側)の「0°」(以下、第1の状態という)は、回転部38(リングシンカー36,37)がシンカー戻し用溝46よりも回転方向R上流側(
図8(a)の図示右側)の位置にあるときの状態を示す。また、回転方向R下流側(図示左側)の「0°」(以下、第2の状態という)は、回転部38がシンカー戻し用溝46の位置にあるときの状態を示す。また、「25°」(以下、第3の状態という)は、ローター11が回転駆動部40の位置にあると共に、リングシンカー36,37の一方はシンカー回転用溝41a内に位置するが他方は平行部44内に位置するときの状態を示す。また、「155°」(以下、第4の状態という)は、ローター11が回転駆動部40の位置にあると共に、回転部38がシンカー回転用溝41a,41bの位置にあるときの状態を示す。また、回転方向R上流側(図示右側)の「180°」(以下、第5の状態という)は、回転部38が追加回転用溝45の位置にあるときの状態を示す。また、回転方向R下流側(図示左側)の「180°」(以下、第6の状態という)は、回転部38が追加回転用溝45よりも回転方向R下流側の位置にあるときの状態を示す。以上の第1〜第6の状態は、
図11(a),(b)、
図12(a),(b)、
図13(a),(b)に示される各状態に対応する。
【0062】
図11(a)に示されるように、第1の状態では、シンカー歯36aおよびシンカー歯37aは互いに等間隔のピッチPを保っている。ローター11の一方のフック22には、オールドループ50が係止されると共に、リングシンカー37のシンカー歯37aには、オールドループ50が係止されている。以下の説明では、リングシンカー37が、オールドループ50を係止(保持)する回転体に相当し、リングシンカー36が、ニューループ60を係止(保持)する回転体に相当する。
【0063】
図11(b)に示されるように、第2の状態では、リングシンカー36のシンカー歯36aがシンカー戻し用溝46内に進入しており、リングシンカー36は、回転方向R1とは逆方向に、若干の角度だけ回転している(戻っている)。そのため、シンカー歯36aとシンカー歯37aとの間は、ピッチPよりも若干広いピッチP1になっている。このようにシンカー歯36aが少し戻ることにより、次の段階でローター11の他方のフック22にニューループ60が喰われやすいようになっている。
【0064】
図12(a)に示されるように、第3の状態では、ローター11のローター歯21がラック42に当接しており、ローター11は、回転し始めている(25°だけ回転している)。一方、リングシンカー36のシンカー歯36aはシンカー回転用溝41a内に進入しており、リングシンカー36は、回転方向R1に回転し始めている。他方、リングシンカー37のシンカー歯37aは未だ平行部44内に配置されており、リングシンカー37はまだ回転し始めていない。そのため、シンカー歯36aとシンカー歯37aとの間は、ピッチPよりも狭いピッチP2になっている。ここでは、ローター11の他方のフック22の入口にニューループ60が位置している。また、オールドループ50はローター11の一方のフック22に係止されているが、リングシンカー37が回転し始めていないため、オールドループ50に余分な張力が加わっていない。
【0065】
図12(b)に示されるように、第4の状態では、ローター11のローター歯21がラック42に当接しており、ローター11は、回転し続けている(155°だけ回転している)。一方、リングシンカー36のシンカー歯36aはシンカー回転用溝41a内に進入しており、リングシンカー36は、回転方向R1に回転し続けている。他方、リングシンカー37のシンカー歯37aはシンカー回転用溝41b内に進入しており、リングシンカー37は、回転方向R1に回転し始めている。リングシンカー37の回転タイミングの遅れに起因して、シンカー歯36aとシンカー歯37aとの間は、ピッチP,P2よりも狭いピッチP3になっている。ここで、シンカー歯37aによるオールドループ50の保持とローター11の回転との協働により、ローター11の一方のフック22からオールドループ50が脱出する。これと同時に、ローター11の他方のフック22にニューループ60が喰われると共に、このニューループ60がオールドループ50内を通過する。
【0066】
図13(a)に示されるように、第5の状態では、ローター11は回転駆動部40を通過し、ローター歯21は平行部43内に進入しており、ローター11の回転は停止している(180°回転した状態になっている)。一方、リングシンカー36のシンカー歯36aは追加回転用溝45内に進入しており、リングシンカー36は、回転方向R1に余分に回転した状態にある。他方、リングシンカー37のシンカー歯37aは平行部44内に配置されており、リングシンカー37は停止している。リングシンカー36の追加の回転に起因して、シンカー歯36aとシンカー歯37aとの間は、ピッチP,P2よりも狭いピッチP4になっている。ここでは、シンカー歯36aによってニューループ60が引っ張り出されることで、ニューループ60が弛ませられている。
【0067】
図13(b)に示されるように、第6の状態では、リングシンカー36のシンカー歯36aは、平行部44内に進入しており、リングシンカー36は回転方向R1とは逆方向に戻っている。この状態で、シンカー歯36aおよびシンカー歯37aは互いに等間隔のピッチPを保っている。ローター11の他方のフック22に保持されると共にリングシンカー36のシンカー歯36aに保持されたニューループ60は、次の編目編成時にオールドループとなる。
【0068】
以上説明した本実施形態の編機1、ロータリーシンカー3、および編目編成方法によれば、リングシンカー36およびリングシンカー37は、回転軸L1回りにそれぞれ独立して回転可能であるため、回転タイミングが適宜設定される。よって、オールドループ50を保持するリングシンカー37とオールドループ50を保持するリングシンカー36とで、それぞれ回転タイミングおよび引っ張り量が調整されている。この回転タイミングおよび引っ張り量の調整により、伸縮性の低い繊維からなる編糸に対して大きい張力が加わることが防止され、伸縮性の低い繊維からなる編糸であっても編目編成が可能になる。これにより、編糸が切れたりすることが防止される。また、編目編成具2のローター11に負担をかけてしまうことが防止される。さらには、編目がばらつくこと無く、従来の編機より短時間で編成が可能になっている。
【0069】
言い換えれば、本実施形態によれば、ニューループ60が通過する前の三角形状のオールドループ50(
図9および
図10に示される「25°」の状態)に余分な張力を加えることなく、ニューループ60が通過した後の四角形状のオールドループ50(
図9および
図10に示される「180°」の状態)に移行させることができる。
【0070】
また、ロータリーシンカー3において、リングシンカー36およびリングシンカー37は、所定のピッチで形成された複数のシンカー歯36a,37aを有する同一の部材であるため、リングシンカー36,37のピッチを適宜設定することにより、所定の度目レベルの編目を編成可能になる。さらには、部材の共通化が図られている。
【0071】
また、ロータリーシンカー3において、リングシンカー36およびリングシンカー37のそれぞれは平板から形成されており、板厚方向に互いに重ね合わされているため、より簡素な構成で、かつコンパクトなロータリーシンカー3が実現される。
【0072】
また、ロータリーシンカー3において、リングシンカー36およびリングシンカー37のそれぞれは円環状をなしており、支持部は、リングシンカー36の開口部36b内およびリングシンカー37の開口部37b内に収容された円盤状のシンカー軸34と、シンカー軸34を回転軸L1方向の両側から支持するアウタープレート32,32と、を有する。この構成によれば、シンカー軸34によって、リングシンカー36およびリングシンカー37の回転を一層安定させることができる。
【0073】
また、編機1において、ローター11の回転によってニューループ60がオールドループ50の中を通過する際、オールドループ50をローター11から脱出させるためのリングシンカー37の回転タイミングを遅らせるため、オールドループ50に対して大きい張力が加わることが防止され、伸縮性の低い繊維からなる編糸であっても編目編成が可能になる(
図12(a)および(b)参照)。
【0074】
また、編機1において、ホルダーベース4は、回転軸L1,L2と直交する回転軸L3回りに編目編成具2およびロータリーシンカー3を回転運動させるため、いわゆる丸編機においても、伸縮性の低い繊維からなる編糸の編目編成が可能になっている。これにより、横編機および丸編機を含む緯編機において、伸縮性の低い繊維からなる編糸の編目編成が可能である。
【0075】
また、編機1はレールカム9を備えるため、ホルダーベース4によってロータリーシンカー3を回転運動させることにより、シンカー歯36a,37aがレールカム9のガイド溝9a内を移動し、リングシンカー36およびリングシンカー37の回転が制御される。よって、リングシンカー36およびリングシンカー37を確実に回転させることができる。
【0076】
また、レールカム9において、ガイド溝9aのシンカー回転用溝41bの起点Bは、ガイド溝9aのシンカー回転用溝41aの起点Aよりも回転方向R下流側に位置するため、レールカム9によって、リングシンカー36およびリングシンカー37の回転タイミングを的確にずらすことができる。
【0077】
また、編機1はラックカム8を備えるため、ホルダーベース4によって編目編成具2を回転運動させることにより、編目編成具2のローター歯21がラックカム8のガイド溝8a内を移動し、ローター11の回転が制御される。よって、編目編成具2のローター11を確実に回転させることができる。
【0078】
また、本実施形態の編目編成方法では、回転子の回転によってニューループがオールドループの中を通過する際、ロータリーシンカー3がオールドループ50を引っ張るタイミングを遅らせることができ、オールドループ50に対して大きい張力が加わることが防止される。よって、伸縮性の低い繊維からなる編糸であっても編目編成が可能になる。
【0079】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではない。たとえば、
図14に示されるように、リングシンカー36A,37Aにおいて、他方のリングシンカー側に突出した肉厚部70を先端部に形成したシンカー歯36B,37Bを有してもよい。肉厚部70の厚さは、リングシンカー36およびリングシンカー37を重ね合わせた厚さに等しくすることができる。これにより、シンカー歯36B,37Bにオールドループ50またはニューループ60を偏りなく均等に係止(保持)させることができる。
【0080】
また、上記実施形態ではロータリーシンカー3が2枚のリングシンカー36,37を用いる場合について説明したが、ロータリーシンカーは、3枚以上のリングシンカーを有してもよい。また、第1の回転体および第2の回転体は平板からなる場合に限られない。本発明は、丸編機に限られず、横編機に適用することもできる。編目編成の対象となる編糸の素材は、炭素繊維に限られず、たとえばガラス繊維であってもよいし、伸縮性を有しない、または伸縮性の低い素材であればどのような素材であってもよい。
【0081】
ロータリーシンカーのリングシンカー(回転体)は、レールカムによって回転させる場合に限られず、各リングシンカーに連結されたモーターの駆動により回転させてもよい。編目編成具のローター(回転子)は、ラックカムによって回転させる場合に限られず、ローターに連結されたモーターの駆動により回転させてもよい。
【0082】
本発明は、横編機や丸編機に限られず、縦編機にも適用可能である。