特許第5923843号(P5923843)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5923843
(24)【登録日】2016年4月28日
(45)【発行日】2016年5月25日
(54)【発明の名称】子守帯
(51)【国際特許分類】
   A47D 13/02 20060101AFI20160516BHJP
【FI】
   A47D13/02
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-258322(P2014-258322)
(22)【出願日】2014年12月22日
【基礎とした実用新案登録】実用新案登録第3174171号
【原出願日】2011年12月26日
(65)【公開番号】特開2015-57170(P2015-57170A)
(43)【公開日】2015年3月26日
【審査請求日】2015年1月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】514208703
【氏名又は名称】株式会社ママイト
(74)【代理人】
【識別番号】100167900
【弁理士】
【氏名又は名称】福井 仁
(72)【発明者】
【氏名】船木 裕美
【審査官】 望月 寛
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第03229873(US,A)
【文献】 特表2007−503879(JP,A)
【文献】 特開2001−078857(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47D 13/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
乳幼児を縦抱き姿勢にて収容する収容部と、
前記収容部を利用者の肩に掛け下げるための肩ベルトとを備え、
前記収容部は、前記姿勢に沿って設けられるスリットと、前記スリットを開閉可能とするオープンファスナーを有し、
前記オープンファスナーは、前記乳幼児の背面に対応する位置に縦方向に設けられるとともに前記姿勢における下半身側から上半身側の方向にのみ開操作可能であり、
前記スリットは、前記姿勢における上半身側の端部において前記収容部の端部まで及んでいることを特徴とする子守帯。
【請求項2】
前記オープンファスナーは、前記スリットの前記姿勢における下半身側端部から所定の間隔を設けて当該スリットに取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の子守帯。
【請求項3】
乳幼児を縦抱き姿勢にて収容する収容部と、
前記収容部を利用者の肩に掛け下げるための肩ベルトとを備え、
前記収容部は、前記姿勢に沿って設けられるスリットと、前記スリットを開閉可能とするオープンファスナーを有し、
前記オープンファスナーは、前記乳幼児の背面に対応する位置に縦方向に設けられるとともに前記姿勢における下半身側から上半身側の方向に開操作可能であり、前記スリットの前記姿勢における下半身側端部から所定の間隔を設けて当該スリットに取り付けられ、
前記スリットは、前記姿勢における上半身側の端部において前記収容部の端部まで及んでいることを特徴とする子守帯。
【請求項4】
前記収容部の下側に当該収部を前記利用者の腰に固定するための腰ベルトを備え、
前記腰ベルトは当該腰ベルトの一方側端部と他方側端部を連結する連結部材を有し、
前記オープンファスナーの裏面が位置する側を一方側とし、表面が位置する側を他方側とすると、前記連結部材は正面が前記一方側に位置することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の子守帯。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乳幼児を抱いたり背負ったりするための補助具として使用される子守帯に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、乳幼児を抱っこしたりおんぶしたりするための補助具として子守帯(ベビーキャリア、抱っこ紐、おんぶ紐とも呼ばれる。)が広く使用されている。子守帯には、乳幼児を本体に縦抱きや横抱き姿勢で収容し、肩ベルトを肩に掛けて使用するものや、シート状のスリングに乳幼児を収容して肩に掛けて使用するものなど、乳幼児を収容部に収容して使用するものが多い。
【0003】
下記特許文献1には、収容部にファスナーが設けられており、このファスナーを開閉して幼児の収容や取り出しを行う子守帯が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実公昭61−44688号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1の子守帯では、収容部のファスナーが乳幼児の上半身側から下半身側の方向に開かれる。このため、乳幼児を子守帯から取り出して寝かせたり座らせたりするときは、幼児の全身を一旦子守帯から降ろしてから寝かせたり座らせたり、或いは、乳幼児をベッド等に座らせたり寝かせたりした状態としてから上半身側から下半身側にファスナーを開いて降ろすこととなる。このため、乳幼児が不安定な姿勢になりやすく、乳幼児に与える振動や危険が大きくなるとともに、利用者に与える作業負担も大きい。とくに、乳幼児の寝かしつけに使用するときは、子守帯内で寝入った乳幼児を静かに降ろしてベッド等に寝かせる必要があるが、上記特許文献1の子守帯では上記の通り取り乳幼児に与える振動が大きく、乳幼児が起きてしまうことも多い。
【0006】
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、乳幼児を安定した姿勢にて円滑且つ簡単に収容部から降ろすことができる子守帯を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る子守帯は、乳幼児を縦抱き姿勢にて収容する収容部と、前記収容部を利用者の肩に掛け下げるための肩ベルトとを備え、前記収容部は、前記姿勢に沿って設けられるスリットと、前記スリットを開閉可能とするオープンファスナーを有し、前記オープンファスナーは、前記乳幼児の背面に対応する位置に縦方向に設けられるとともに前記姿勢における下半身側から上半身側の方向にのみ開操作可能であり、前記スリットは、前記姿勢における上半身側の端部において前記収容部の端部まで及んでいることを特徴とする。
【0008】
本発明の子守帯では、使用時には、例えば乳幼児の背面が前記収容部によって包み込まれ、乳幼児は安定した姿勢でホールドされる。一方、利用者が収容部に収容された乳幼児を降ろすとは、オープンファスナーが下半身側から上半身側の方向に開操作される構造であるため、オープンファスナーを下半身側から途中まで開いて乳幼児の下半身を先に着地させ、次いでオープンファスナーを全開として上半身を着地させるという動作が可能となる。その結果、乳幼児の安定した姿勢を維持したまま、円滑かつ簡単にベッドへの寝かしつけ等を行うことが可能となり、利用者の負担が大幅に削減される。
【発明の効果】
【0009】
本発明の子守帯によれば、乳幼児を安定した姿勢にて、円滑且つ簡単に降ろすことができる。これにより、乳幼児に与える振動や危険が少なくなり、利用者に与える作業負担も小さくなる。とくに、子守帯を乳幼児の寝かしつけに使用する場合は、子守帯の中で寝入った乳幼児を起こさないように静かに降ろすことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施の形態として示す子守帯の正面図である。
図2】本発明の実施の形態として示す子守帯の背面図である。
図3】本発明の実施の形態として示す子守帯の装着方法を説明する図であり、(a)は最初の状態、(b)は途中の状態、(c)は完了した状態を示す図である。
図4】本発明の実施の形態として示す子守帯から乳幼児を降ろす方法を説明する図であり、(a)はオープンファスナーを途中まで開いた状態、(b)はオープンファスナーを全開した状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本実施の形態の子守帯1の正面図であり、図2はその背面図である。子守帯1は、乳幼児を縦抱き姿勢にて抱っこしたりおんぶしたりするために使用されるものであり、乳幼児を収容する収容部10を主体とするものである。この収容部10には、その使用形態等に応じて様々な補助部材を取り付けることも可能であり、本実施形態の場合、収容部10を利用者の肩に掛け下げるための肩ベルト20と、収容部10を利用者の腰に固定するための腰ベルト30とを備える。
【0012】
収容部10は、例えば母親が乳幼児と向かい合うように抱っこするいわゆる後ろ向き抱っこの場合、乳幼児の少なくとも臀部から背部を被覆する左右の一方側部材11aと他方側部材11bを備える。一方側部材11aと他方側部材11bは、シート状であり、下端側(以下、下半身側と言う。)が腰ベルト30に縫合され、上端側(以下、上半身側と言う。)が自由端となっている。これにより、一方側部材11aと他方側部材11bとの間、すなわち、収容部10の幅方向における中央位置に、乳幼児の姿勢に沿った縦方向のスリット12が形成される。スリット12は、収容部10の上半身側端部にまで及んでおり、これにより収容部10の上半身側端部は一方側部材11aと他方側部材11bとに分離可能となっている。
【0013】
スリット12には、オープンファスナー13が取り付けられている。オープンファスナー13は、下半身側から上半身側の方向(図1中の矢印D1の方向)に開操作可能である。なお、本実施形態では、乳幼児は後ろ向き抱っこで縦抱き姿勢にて抱っこされるので、前記オープンファスナー13の取り付け方向は縦方向ということになる。また、オープンファスナー13は、下方から上方に向かって開操作可能ということになる。
【0014】
オープンファスナー13の取り付け構造について詳しく説明すると、テープにエレメントが設けられた一方側ファスナー部材13aと他方側ファスナー部材13bが、収容部10の一方側部材11aと他方側部材11bの互いに対向する端縁にそれぞれ取り付けられており、引き手13dを引いてスライダー13cを動かすことで矢印D1の方向に開操作可能となっている。すなわち、オープンファスナー13は、閉状態のときはスライダー13cが下半身側に位置し、開状態のときは上半身側に位置する取り付け方向にて取り付けられている。また、オープンファスナー13は、いわゆるオープンファスナーであり、スライダー13cが開放端まで達した時に、その係止を外すことができ、収容部10を構成する一方側部材11aと他方側部材11bをスリットにより分離開放することが可能である。
【0015】
また、オープンファスナー13は、スリット12の下半身側端部から所定の間隔Hを設けて取り付けられている。このため、スリット12の下半身側端部はオープンファスナー13が設けられずに常に開状態となっている常時開口領域が形成される。前記常時開口領域を形成することで、オープンファスナー13の操作性が向上するとともに、オープンファスナー13を開いた際の開口長さを常時開口領域分だけ拡大することが可能である。なお、前記間隔Hは、好ましくは例えば約5〜10cmである。間隔Hが10cmを越えると、常時開口領域が大きくなり過ぎ、乳幼児の保持状態の安定さに欠けることになるおそれがある。前記間隔Hが5cm未満であると、開口長さの拡大という効果が少なくなるが、場合によっては間隔Hをゼロとし常時開口領域を設けなくともよい。
【0016】
肩ベルト20は、シート状の左側肩ベルト20aと右側肩ベルト20bとを備え、各々が収容部10の一方側部材11aと他方側部材11bに取り付けられている。各肩ベルト20a,20bは、長さを調整するための長さ調整手段22a,22bを備える。また、肩ベルト20a,20bの各々には、背中ベルト21a,21bが取り付けられている。背中ベルト21a,21bの先端には、互いに連結な背中ベルト用連結部材(例えばバックルなど)が設けられている。
【0017】
腰ベルト30は、略長方形のシート状部材31を備える。シート状部材31は、上端中央付近の領域に収容部10が縫合されており、両端が収容部10よりも外側に突出している。
【0018】
腰ベルト30には、シート状部材31の両端を連結可能な連結部材32が取り付けられている。連結部材32は、例えばバックルである。本実施の形態の連結部材32は、一方側のバックル部材32aの挿入孔に他方側のバックル部材32bの先端を差し込んで連結し、解除ボタンを押すことで連結が解除される構造となっている。バックル部材32a,32bは、バックル用ベルト33a,33bを介してシート状部材31の両端に取り付けられている。
【0019】
ここで、本実施形態の子守帯では、オープンファスナー13の裏面(すなわちスライダー13cの引き手13dが位置する面とは反対側の面)が位置する側を子守帯1の一方側(図1で示される側)とし、オープンファスナー13の表面(すなわちスライダー13cの引き手13dが位置する面)が位置する側を子守帯1の他方側(図2で示される側)とすると、連結部材32は正面が子守帯1の一方側に位置している。換言すると、図1図2に示すように、腰ベルト30を平坦な状態にしたときに、連結部材32は正面がオープンファスナー13の裏面と同一方向を向く姿勢にて取り付けられている。これは、収容部10と腰ベルト30との間に収容空間を形成し、乳幼児Cの下腹部をこの収容空間に収容するという使用形態を考慮してのことである。逆に、腰ベルト30の腰に巻いた時の上端から収容部10を引き出すような形態で使用する場合には、連結部材32の正面の取り付け向きを逆にすればよい。
【0020】
なお、連結部材32の正面は外観により判断可能である。たとえば、本実施の形態においては、バックル部材32a,32bの意匠やバックル用ベルト33a,33bの取り付け状態から正面を判断できる。
【0021】
なお、収容部10の一方側部材11aと他方側部材11b、各肩ベルト20a,20b、及び、腰ベルト30のシート状部材31は、綿などの布を袋状にして内部にキルト芯を入れた構成であり、厚みが約5mm以内のシート状に形成されている。薄型とすることで、装着時における利用者や乳幼児の使用感を高めることができ、又、嵩張らないためファッション性に優れるとともに持ち運びも容易となる。
【0022】
子守帯1は、次のように使用される。図3(a)、図3(b)、図3(c)は、子守帯1の装着方法を説明する図である。利用者Uは、図3(a)に示すように、収容部10が下側、腰ベルト30が上側となるように子守帯1を逆さまにし、子守帯1の一方側の面(図1で示される面)を外側に向けて持つ。その状態にて腰ベルト30を腰に巻き、背中側で連結部材32を連結させると、連結部材32が表裏正しい向きにて装着される。つぎに、図3(b)に示すように、利用者Uは、乳幼児Cを抱きかかえ、図3(c)に示すように、収容部10を初期の位置(図3(c)中の点線で示される位置)から矢印D2の方向に引き上げ、肩ベルト20a,20bに腕を通して装着する。なお、背中ベルト21a,21bは利用者Uの背中側で連結させる。
【0023】
これにより、乳幼児Cが縦抱き姿勢にて抱っこされる。収容部10と腰ベルト30との間には収容空間が形成され、乳幼児Cの下腹部がこの収容空間に収容されることとなり、安定感が得られる。
【0024】
また、子守帯1は、乳幼児Cを収容すると、乳幼児Cの臀部の形状に合わせて底部が丸みを帯び、スリット12の下半身側端部が乳幼児Cと利用者Uとの間に位置して隠れることとなる。しかし、オープンファスナー13は半身側端部が乳幼児Cの臀部の頂点よりも背中側に位置するように所定の間隔Hを設けて取り付けられているため、閉状態としてもスライダー13cや引き手13dが隠れてしまうことがなく、オープンファスナー13の操作性が阻害されることはない。
【0025】
図4(a)と図4(b)は、乳幼児Cの取り出し方法を説明する図である。図4(a)に示すように、利用者はオープンファスナー13を途中まで開いて乳幼児Cの下半身(例えば臀部)を露出さ、ベッド等に着地せる。オープンファスナー13は、乳幼児Cの縦抱き姿勢における下半身側から上半身側の方向(図4(a)の矢印D1の方向)に開操作可能であるため、上半身側は閉じたままとして乳幼児Cをホールドしつつ、下半身側を開いて下半身を着地させ、乳幼児Cの姿勢を安定させることができる。
【0026】
つぎに、図4(b)に示すように、オープンファスナー13を全開とする。オープンファスナー13はスライダー13cが開放端まで達した時に、その係止を外すことができるため、収容部10は上半身側端部において一方側部材11aと他方側部材11bとに分離開放され、スリット12が大きく開口する。
【0027】
利用者Uは、全開したスリット12から乳幼児Cを降ろす。乳幼児Cは下半身がベッド等に着地しているため、安定した姿勢を維持したまま、円滑且つ簡単に降ろすことができる。そのまま座らせたり、後に倒して寝かせたりすることも容易である。これにより、乳幼児Cに与える振動や危険が少なくなり、降ろす作業を行う利用者Uへの負担も小さくなる。
【0028】
さらに、スリット12の下半身側端部に設けられる所定の間隔Hには、オープンファスナー13が取り付けられていない常時開口領域が形成されるため、オープンファスナー13を開くとスリット12はこの常時開口領域の分まで大きく開口し、乳幼児Cの取り出し作業が更に容易となる。本実施の形態では、スライダー13cや引き手13dが隠れないように、所定の間隔Hを設けてオープンファスナー13を取り付けているが、所定の間隔Hを常時開口領域とすることによって開口を広く確保することが可能となっている。
【0029】
子守帯1は、特に、乳幼児Cの寝かしつけに有効である。乳幼児Cを寝かしつけるには、子守帯1の中で寝入った乳幼児Cを静かに取り出してベッド等に寝かせる必要がある。上記の通り、子守帯1は取り出し時に乳幼児Cに与える振動が少ないため、乳幼児Cを起こさないように静かに取り出して寝かせることができる。
【0030】
なお、子守帯1は乳幼児Cのおんぶにも利用可能である。この場合、背負った状態でオープンファスナー13を途中まで開いて乳幼児Cの臀部を着地させ、その状態にてオープンファスナー13を全開として乳幼児を降ろす。
【0031】
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではない。たとえば、上記実施の形態では、乳幼児を縦抱き姿勢にて抱っこするタイプの子守帯を例に説明したが、横抱き姿勢にて抱っこするタイプや、シート内に乳幼児を収容して肩にかけるスリングタイプや、おんぶするタイプにも適用可能である。いずれも、乳幼児が収容される部分が収容部となる。
【0032】
また、上記実施の形態では、収部をシート状部材で構成したが、これに限られるものではなく、例えば、乳幼児の体型に合わせた立体形状としても良い。また、腰ベルトの連結部材の向きも必要に応じて変更しても良い。

【0033】
また、上記実施の形態では、収容部や肩ベルトや腰ベルトにキルト芯を用いたが、芯素材は例えばウレタンや綿などでも良い。また、使用感や持ち運び、ファッション性などの観点から各部材を薄型としたが、その厚みも任意である。
【0034】
また、オープンファスナーは、本実施の形態のようにスリットの下半身側端部に所定の間隔を設けて取り付けたほうが好ましいが、スリットの下半身側端部から上半身側端部の全域に取り付けても良い。
【0035】
また、上記実施の形態の子守帯を前向き抱っこ可能としても良い。この場合、紐状部材にて収容部の下半身側端部を絞り、幅方向に収縮させる。この状態にて乳幼児を前向きだっこの姿勢にて収容部に収容すると、収容部の下半身側端部の幅が狭くなっているため、乳幼児の股関節が開き過ぎることがない。紐状部材は、収容部の下半身側端部に巻きつけて縛るものでも良いが、互いに連結可能な連結部材(バックル等)と、長さを調整する調整手段を備えるものとすれば、収容部の下半身側端部に巻きつけた後に連結部材を連結させ、長さ調整手段により絞ることができ、好適である。
【0036】
また、子守帯には乳幼児の頭部を被覆するフードを設けても良い。この場合、収容部にフード取り付け用のボタンやファスナー等を設けて、フードを取り付け取り外し自在に構成することが好ましい。
【0037】
このように、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能であることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0038】
10 収容部
11a 収容部の一方側部材
11b 収容部の他方側部材
12 スリット
13 オープンファスナー
13a 一方側ファスナー部材
13b 他方側ファスナー部材
13c オープンファスナーのスライダー
13d オープンファスナーの引き手
20 肩ベルト
21 背中ベルト
22 長さ調整手段
30 腰ベルト
31 シート状部材
32 連結部材
H 所定の間隔
U 利用者
C 乳幼児
図1
図2
図3
図4